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特許7575149情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20241022BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024134734
(22)【出願日】2024-08-12
【審査請求日】2024-08-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524093519
【氏名又は名称】Rendering Consulting株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004174
【氏名又は名称】弁理士法人エピファニー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝行
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-303090(JP,A)
【文献】特開2002-297769(JP,A)
【文献】特許第7486863(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、
第1取得ステップと、特定ステップと、生成ステップと、提示ステップとを備え、
前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、
前記確認データは、確認事項データのセルを有し、
前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、
前記特定ステップでは、前記確認データの領域を特定し、
前記領域には、第1領域が含まれ、前記第1領域は、前記確認事項データが入力されており、
前記生成ステップでは、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記確認事項データの内容に基づいて回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を生成し、
前記補助データは、前記回答データの作成を補助するためのデータであり、
前記提示ステップでは、前記生成ステップで生成した前記回答データ及び前記補助データのうちの少なくとも一方を提示する、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
入力受付ステップ及び第2取得ステップのうちの少なくとも一方を更に備え、
前記入力受付ステップでは、表示部に表示画面を表示させて前記回答データを受け付け、
前記表示画面には、前記確認事項データと、前記回答データの入力受付部分とが表示され、
前記第2取得ステップでは、回答済確認データを取得し、
前記回答済確認データは、前記回答データのセルに回答が入力された前記確認データであり、
前記回答は、前記回答データの入力受付部分へ取得されるデータである、情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
選択ステップを更に備え、
前記選択ステップでは、前記入力受付ステップを実行すること、及び、前記第2取得ステップを実行すること、を選択するための選択入力を受け付ける、情報処理方法。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データが前記入力受付部分に自動的に入力されている、情報処理方法。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記表示画面は、前記回答データの入力をした対象が区別されるように表示される、情報処理方法。
【請求項6】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
生成ステップを更に備え、
前記生成ステップでは、予め定められた生成方法を用いて、自動的に前記回答データ及び前記補助データのうちの少なくとも一方を生成し、
前記予め定められた方法は、第1方法及び第2方法の少なくとも1つを含み、
前記第1方法では、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記確認事項データと記憶部に記憶された記憶済確認事項データとの類似の度合いに基づき、前記記憶済確認事項データに対応付けられた、前記記憶部に記憶済の前記回答データ及び前記補助データを用い、
前記第2方法では、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記記憶済確認事項データを学習モデル又は大規模言語モデルへ入力して得られる出力としての前記回答データ及び前記補助データを用い、情報処理方法。
【請求項7】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データの候補が複数提示される、情報処理方法。
【請求項8】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データ及び前記補助データの両方を合わせて提示する、情報処理方法。
【請求項9】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記確認データは、前記確認事項データのセルと、前記確認事項データのセルに付設された前記回答データのセルとを有し、
前記特定ステップで特定される前記領域には、第2領域が含まれ、
前記第2領域は、前記回答データが入力される領域であり、且つ、前記入力受付部分に対応する、情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記特定ステップの前記領域であること、を再特定するためのオブジェクトを表示する、情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
再特定ステップを更に備え、
前記再特定ステップでは、前記オブジェクトの選択内容に基づいて、特定済みの前記領域の範囲を再特定する、情報処理方法。
【請求項12】
請求項9又は請求項10に記載の情報処理方法であって、
前記確認データの前記回答データのセルは、前記特定ステップにおいて前記第2領域であることが特定されるように、予め定められたデータとなっている、情報処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理方法であって、
前記予め定められたデータは、空欄である、情報処理方法。
【請求項14】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データにおける予め定められた事項を確認する内容は、前記回答者の情報セキュリティに関する内容が含まれる、情報処理方法。
【請求項15】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記回答者の監査のために用いられる、情報処理方法。
【請求項16】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
格納ステップを更に備え、
前記格納ステップでは、前記領域の情報をデータベース化して記憶部に格納している、情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
【請求項18】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行する少なくとも1つの情報処理装置を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予め定められたガイドライン文章に基づいてチェックリストを自動的に生成する技術が開示されている。チェックリストには、例えば、確認者(例えば委託元)が回答者(例えば委託先)へ確認するためのセキュリティ等に関連する事項が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-047779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確認者側のチェックリストの内容が回答者に容易に回答できる内容とは限らないため、回答者の負担が増大する懸念がある。
【0005】
本発明は、確認事項を回答者に回答させるシステムにおいて、回答者の負担を抑制することができる、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、第1取得ステップと、特定ステップと、提示ステップとを備え、前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、前記確認データは、確認事項データのセルを有し、前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、前記特定ステップでは、前記確認データの領域を特定し、前記領域には、第1領域が含まれ、前記第1領域は、前記確認事項データが入力されており、前記提示ステップでは、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記確認事項データの内容に基づいて、自動的に回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を提示し、前記補助データは、前記回答データの作成を補助するためのデータである、情報処理方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、提示ステップでは、特定ステップで特定された第1領域の確認事項データの内容に基づいて、自動的に回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を提示するため、回答者は自動的に提示される回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を参照することができ、回答者の回答の負担が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理方法を実行する情報処理システム100の概要構成例図である。
図2図2は、図1に示す情報処理装置10の機能ブロックの一例を示している。
図3図3Aは、図1に示す委託元端末20の機能ブロックの一例を示し、図3Bは、図1に示す委託先端末30の機能ブロックの一例を示している。
図4図4は、図2に示す情報処理装置10の制御部12の機能ブロックの一例を示している。
図5図5は、委託先と委託先との間でやりとりされる確認データd1の一例を模式的に示している。
図6図6は、図5に示す確認データd1のセルc2に回答データe2が入力されることで得られる回答済確認データd2の一例を模式的に示している。
図7図7は、図5に示す確認データd1が情報処理装置10に取り込まれた後に、情報処理装置10でデータ処理された確認データd1の内容をユーザ側(委託元)の表示部に表示するための表示画像ds1の一例を模式的に示している。
図8図8は、図7の表示画像ds1にオブジェクトob1が重畳された表示画像ds2の一例を模式的に示している。図8は、第1領域Rg1又は第2領域Rg2を再特定するときに表示される表示画像である。
図9図9は、回答データを情報処理装置10へ出力するための方式を選択するときに表示される表示画像ds3の一例である。
図10図10は、回答データが入力される入力受付部分(第2領域Rg2に対応)のセルc2に、自動的に回答データe2が提示された状態を示す表示画像ds4を示している。
図11図11は、図10における入力受付部分のうちアクティブになっているセルc2に対して付されたコメント・変更履歴の表示欄ds5の説明図である。
図12図12は、アクティブになっているセルc2の記載が変更(「24時間」から「深夜12時から6時は稼働なし」へ変更)され、これに伴い、図11に示す表示欄ds5の表示内容が変化した様子を模式的に示す説明図である。
図13図13は、データベース化された複数の委託先のデータが示された表示画像ds3を模式的に示している。図13において、回答等について空欄になっているが、実際には任意のデータが入力される。
図14図14は、実施形態に係る情報処理方法における領域特定のフローの一例を示している。
図15図15は、図14で示すフローの後に実行される情報処理のフローの一例を示している。図15は、実施形態に係る情報処理方法において、回答データの生成・提示がなされる処理を含む。
図16図16は、実施形態の変形例に係る表示画像ds1の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
1.実施形態の構成の説明
図1に示すように、実施形態に係る情報処理方法を実行する情報処理システム100は、情報処理装置10と、委託元端末20と、委託先端末30とを備える。なお、情報処理システム100に例示されるシステムは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置10単体であっても情報処理システム100に例示されるシステムに含まれ得る。
【0011】
委託元端末20は、例えば、委託先へ業務を委託する側の者が使用する端末であり、また、委託先端末30は、例えば、委託元から業務を委託される側の者が使用する端末である。実施形態は、委託元端末20を使用する者と委託先端末30を使用する者とは、例えば、委託関係にある場合に好適である。なお、ここでは、委託関係がある場合に好適であることを説明したが必ずしもこれに限定されるものではなく、実施形態は、もちろん、委託関係が成立する前の状態に適用してもよい。また、実施形態では、一例として、委託元端末20を使用する者(委託元)と委託先端末30を使用する者(委託先)とが委託関係にある場合を説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、何等かの事項の確認者(質問者)とその回答者の関係といったように拡張してもよい。また、実施形態は、委託元端末20と委託先端末30とは、共通の内部ネットワーク(社内ネットワーク)内で通信可能に接続されるのではなく、例えば外部ネットワーク(例えば、インターネット等)を介して通信可能に接続される形態において好適である。
【0012】
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、出力部14と、入力部15とを備え、これらが情報処理装置10の通信バス16を介して電気的に接続されている。また、図4に示すように、制御部12は、受付部121と、確認データ取得部122と、特定部123と、画像生成部124と、表示制御部125と、検索部126と、提示データ生成部127と、提示部128と、確定部129とを有する。
図3Aに示すように、委託元端末20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、出力部24と、入力部25とを備え、これらが委託元端末20の通信バス26を介して電気的に接続されている。また、図3Bに示すように、委託先端末30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、出力部34と、入力部35とを備え、これらが委託先端末30の通信バス36を介して電気的に接続されている。
【0013】
上記の情報処理装置10、委託元端末20及び委託先端末30の各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがコンピュータプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよいし、外部サーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出して機能を実現するいわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低又は量子ビットによって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。なお、ソフトウェアは、汎用ОSであってもよいし、専用ОSであってもよい。
【0014】
1-1.情報処理装置10
図2及び図4を参照して情報処理装置10の各構成要素についてさらに説明する。
情報処理装置10は、委託元端末20と委託先端末30との間でやりとりされるデータ(例えば、図5に示す確認データd1)を格納可能な、サーバーとしての機能を有する情報処理装置である。
【0015】
通信部11は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。通信部11は、ここで一例として説明した手段を単数で、又は、これらの複数の手段を複数組み合わせて実施することができる。情報処理装置10は、通信部11及び通信ネットワークを介して、委託元端末20及び委託先端末30に接続される。
【0016】
制御部12は、情報処理装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部12は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。換言すると、制御部12は、後述する各ステップを実行させるプログラムを実行可能なプロセッサで構成することができる。制御部12は、記憶部13に記憶された予め定められたプログラムを読み出すことによって、情報処理装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部13に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部12によって具体的に実現されることで、制御部12に含まれる各機能部として実行される。なお、情報処理装置10は、単一の制御部12を有する形態に限定されるものではなく、例えば、機能ごとに複数の制御部12を有するような形態であってもよいし、これらの形態の組合せであってもよい。
【0017】
記憶部13は、様々なデータを記憶するように構成される。例えば、制御部12によって実行される情報処理装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。
【0018】
出力部14は、例えば、情報処理装置10の表示部で構成することができる。この表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の各種のディスプレイを用いることができる。また、出力部14は、点灯可能なライトやプロジェクターといった表示デバイスを採用することもできる。出力部14は、例えば、情報処理装置10の筐体に設けられていてもよいし、外付けされてもよい。出力部14は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の画面を表示する。なお、情報処理装置10において、出力部14を備えるか否かは任意である。例えば、情報処理装置10の出力が情報処理装置10の設置された場所とは独立した離れた場所にある表示部に表示されてもよい。また、出力部14は、表示部に限定されるものではなく、音声で出力するデバイス(音声出力部)を有していてもよい。
【0019】
入力部15は、情報処理装置10の筐体に設けられていてもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部15は、情報処理装置10における出力部14(表示部)と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等によってデータを入力することができる。タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部15がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス16を介して制御部12に転送され、制御部12が必要に応じて例えば予め定められた制御及び演算等を実行する。
【0020】
1-2.委託元端末20及び委託先端末30
委託元端末20及び委託先端末30は、情報処理装置であり、実施形態の一例において、情報処理装置10にデータのやりとりが可能なように通信可能に構成されている。
なお、図1において、情報処理システム100には、委託元端末20が1つあり、この委託元端末20に対して通信可能な複数の委託先端末30(図1の委託先端末30a,30b,30c・・・)がデータのやりとりをするものとして説明しているが、これに限定されるものではない。委託元端末20は複数あってもよいし、また、1つの委託元端末20に対してデータのやりとりをする委託先端末30は1つであってもよい。
【0021】
図3A及び図3Bに示す通信部21,31、制御部22,32、記憶部23,33、出力部24,34、入力部25,35の構成(機能)については、上記で説明した通信部11、制御部12、記憶部13、出力部14、入力部15と基本的には同様であるため説明を省略する。
【0022】
2.情報処理装置10の制御部12の機能構成
本実施形態の制御部12の機能構成について、図4を参照して説明する。情報処理装置10の記憶部13に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部12によって具体的に実現されることで、制御部12に含まれる各機能部の処理が実行され得る。
【0023】
受付部121は、種々のデータを受け付けるように構成される。受付部121が受け付ける種々のデータは、例えば、情報処理装置10にアクセスする者のID等の基本データや、後述する各種のステップにおける指示データ等が含まれる。
【0024】
確認データ取得部122は、確認データd1や回答済確認データd2を取得するように構成される。ここで、確認データ取得部122の取得機能は、同様のデータを受けとる機能のみであってもよいし、受け取ったデータから各種の処理をすることで所望のデータを生成する機能のみであってもよいし、これらの両方の機能であってもよい。
【0025】
特定部123は、種々のデータを特定するように構成される。実施形態では、特定部123は、後述する第1領域Rg1のセルの範囲を特定するように構成される。加えて、実施形態では、特定部123は、後述する第2領域Rg2のセルの範囲を特定するように構成される。
ここで、実施形態では、(1)グリッド形式のデータとして回答データを取り込む処理と、(2)情報処理装置10にアクセスすることで表示されるWEB画面上の所望の箇所(入力受付部分)に回答を入力していく処理と、の両方について対応可能な構成を一例として説明している。(1)のグリッド形式のデータとして回答データを取り込む処理の場合、第2領域Rg2が事前に特定されていることが望ましいので、上述の通り、特定部123は、第2領域Rg2のセルの範囲を特定する。なお、例えば、(1)の構成がなく、(2)の構成のみの場合には、特定部123は、第2領域Rg2のセルの範囲を特定しなくてもよい。つまり、第2領域Rg2に関する特定は必須ではない。
【0026】
画像生成部124は、通信部11や記憶部13を介して得られるデータに基づいて、種々の表示画像を生成するように構成される。
【0027】
表示制御部125は、画像生成部124で生成された表示画像(表示画像データ)を種々の端末に表示させるように構成される。
【0028】
検索部126は、記憶部13に格納されているデータを参照し、受付部121で受け付けた検索ワードが記憶部13に格納されているデータと合致する又は類似する場合、そのデータを検索結果として出力するように構成される。
【0029】
提示データ生成部127は、委託先(回答者)の回答の作成負担を抑制できるように、予め定められた処理によって自動的に回答データe2及び補助データのうちの少なくとも一方を生成するように構成される。実施形態では、回答データe2のみを生成する場合を一例として説明する。なお、提示データ生成部127における予め定められた処理は、各種の方法があるが、これについては第1方法及び第2方法として後段で詳しく説明している。
補助データは、委託先(回答者)が回答することを補助する内容を含むデータで構成することができる。また、補助データは、例えば、回答データの適否の判断を助ける内容とすることができる。補助データは、回答データe2そのものではないが、回答データe2と関連性がある内容であり、作業者がこれを参照することで回答が促されることになるようなデータとすることができる。また、補助データは、提示する回答データの推薦度や、回答データとして提示する根拠を示すようなデータであってもよい。
【0030】
提示部128は、提示データ生成部127で生成された回答データ(回答データの候補)を提示するように構成される。提示部128は、表示部に表示する文字等の視覚的情報として提示してもよいし、スピーカを介した音声情報として提示してもよいし、これら両方の情報として提示してもよい。
【0031】
確定部129は、エクセルデータとして取得した回答データ、又は、入力として受け付けた回答データを確定するように構成される。
【0032】
3.情報処理方法(情報処理システム100の動作)の説明
本節では、情報処理方法で用いられるデータや情報処理方法のフローについて説明する。
【0033】
3-1.情報処理方法で用いられるデータの概要
(確認データd1)
図5に示すように、実施形態では、確認データd1は、グリッド形式の構成であり、例えばマイクロソフトのエクセルを用いることができる。グリッド形式のデータは、行方向及び列方向に複数配置されたデータセルを有するデータである。確認データd1は、必ずしもグリッド形式のデータである必要はなく、確認事項(質問事項)が入力される部分が、確認事項(質問事項)ごとに区画されて分かれているものが好ましい。
【0034】
実施形態の一例では、確認データd1は、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2(図6参照)のセルc2とが行方向Ar1(予め定められた方向の一例)に並ぶ構成である。なお、実施形態において、行方向Ar1は、換言すると、左右方向(横方向)である。また、行方向Ar1に直交する方向である列方向Ar2は、換言すると、上下方向(縦方向)である。
実施形態の一例では、確認データd1は、回答が入力されていない状態のデータである。確認データd1が情報処理装置10に予め格納されることで、情報処理装置10によって領域(確認事項や回答事項が入力された領域)の判別処理が適切(より正確に)に実行されることになる。
【0035】
確認事項データe1は、委託元(確認者)が委託先(回答者)へ予め定められた事項を確認する内容を含む。確認事項データe1の内容は、例えば、委託元が決定することができる。実施形態に係る情報処理方法は、委託先の監査のために用いることができる。具体的には、確認事項データe1の内容は、例えば、委託元に対応する任意の組織又は個人(以下組織等とも称する)が、当該任意の組織等とは別の組織等(委託先)に対する監査をするための内容が含まれている、又は、当該内容のみからなることが好適である。なお、実施形態は、監査に限定されるものではなく、別の組織又は個人(委託先)に対する評価、調査及び確認等といったことにも用いることができる。
【0036】
実施形態の一例において、確認事項データe1における予め定められた事項を確認する内容e11は、委託先の情報セキュリティに関する内容が含まれる、ことが好ましい。これにより、例えば、組織等の監査や評価等に場面において、情報セキュリティに関するデータをデータベース化することが可能である
また、実施形態の一例において、確認事項データe1は、予め定められた事項の内容に対する回答の入力方法を示した入力方法教示データe12を有することが好ましい。入力方法教示データe12は、有無を回答すること、及び、少なくとも数字を記入すること、のうちの少なくとも1つが含まれる。これにより、委託先(回答者)は、何を入力するべきかを適切且つすみやかに把握することができ、委託先(回答者)から委託元(確認者)へ入力事項の質問等が低減し、また、誤った事項が入力されることも低減し、両者間のやりとりの負担を抑制することが可能である。なお、入力方法教示データe12の種別は、図5において、「単位」となっているがこれは便宜的な説明であり、この「単位」という文言を用いなければならないというわけではなく、任意に設定することが可能である。
【0037】
なお、確認事項データe1の種別としては、図5に示すように、ナンバー(No.)、種別、項目、内容(予め定められた事項を確認する内容e11に対応)、及び単位(入力方法教示データe12に対応)が一例として示されているが、これらはあくまで一例である。これらの種別は、適宜、変更することができ、また、省略することもできる。例えば、ナンバー、種別、項目及び単位といった種別は、必ずしも必要ではなく、省略してもよく、委託元が適宜、決定することができる。
【0038】
(回答済確認データd2)
図6に示すように、回答済確認データd2は、確認データd1と同様に、グリッド形式の構成である。回答済確認データd2は、回答データのセルc2に回答(回答データe2)が入力された確認データd1である。つまり、実施形態では、確認データd1と回答済確認データd2との相違は、回答データe2が入力されているか否かである。回答データe2は、確認事項データe1にする委託先の回答を含む。回答データe2の入力例は、図6に示す通りである。委託先(回答者)が回答済確認データd2を情報処理装置10へアップロードすることで、情報処理装置10は回答データ(回答)をまとめて取得することができる。なお、本実施形態では、この回答済確認データd2(グリッド形式のデータ)のアップロードだけでなく、WEBでの直接入力の形態も利用可能である。
【0039】
3-2.情報処理のフロー
実施形態に係る情報処理方法について、図14及び図15等を参照して説明する。
なお、情報処理システム100は、以下で説明する情報処理方法の各ステップが実行する少なくとも1つの情報処理装置(実施形態では情報処理装置10、委託元端末20及び委託先端末30)を備える。また、情報処理システム100は、少なくとも1つのコンピュータに、実施形態に係る情報処理方法を実行させるプログラム、を格納しており、当該プログラムを実行可能である。このプログラムは、例えば、情報処理装置10の記憶部13等に格納することができる。なお、以下の説明において、処理(ステップ)の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0040】
3-2-1.領域特定のフロー
実施形態に係る情報処理方法は、領域特定のフローと、回答データの提示等を含む回答データを取得するフローとの2つに分けることができる。まず、図14を参照して領域特定のフローについて説明する。
【0041】
委託元の作業者は、例えば、監査であれば各種省庁等から発行される予め定められたガイドラインに基づいて、委託先に対してチェックが必要な種別やその内容を選定する。そして、実施形態の一例において、委託元の作業者は、図5に示すような確認データd1を予め作成している。
【0042】
(ステップS001:確認データ送信)
委託元端末20は、少なくとも情報処理装置10へ確認データd1を送信する。この確認データd1は、回答データe2に係るセルc2が空欄(図5参照)となっている。つまり、確認データd1自体は、委託元のみで作成し得るデータである。
【0043】
(ステップS002:委託先における確認データ取得)
委託先端末30は、確認データd1を受け取る。委託先の作業者は、このデータを取得して、開くことで、確認事項データe1を把握することができ、委託元から回答として求められていることを理解することができる。なお、ステップS002は、必須ではない。つまり、後述する図15のステップT002において、WEB画面で表示されるフォームへの直接入力をする場合が選択される場合には、委託先は、確認データd1をWEB画面で見ることで把握することができ、加えて、当該WEB画面から入力が可能である。
【0044】
(ステップS003:情報処理装置における確認データ取得)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、確認データd1を取得する(受け付ける)。ここで、確認データ取得部122における取得は、確認データd1そのものを取得する(受け付ける)のみを意味してもよい。また、確認データ取得部122の取得は、確認データd1に対して予め定められた前処理をし、前処理済みの確認データを取得することを意味してもよい。なお、前処理とは、例えば、後述するステップS004において、領域特定がしやすいように、例えばデータを調整(例えば、変更・選別・整理等)する処理である。つまり、確認データd1は、入力されたデータそのものと同じではなく所定の処理を経て取得(生成)されるものであってもよい。
なお、変更は、ある情報を解析して別の内容の情報を得るといった処理を含み得る。
また、選別は、不要な情報を削除し、必要な情報を抽出するといった処理を含み得る。
また、整理は、複数ある情報の順番を変更するといった処理を含み得る。
【0045】
本ステップS003が、第1取得ステップの一例である。
【0046】
(ステップS004:領域特定)
情報処理装置10の特定部123は、ステップS003で取得した確認データd1に基づいて、確認データにおける第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定する。
【0047】
ここで、第1領域Rg1は、確認事項データe1が入力される領域である。第1領域Rg1には、確認事項データe1が入力可能な複数のセルc1を有する。実施形態では、確認事項データe1が複数の種別を有するため、セルc1は、行方向Ar1に複数並ぶように配置されており、また、列方向Ar2にも複数並ぶように配置されている。
第2領域Rg2は、第1領域Rg1に対して行方向Ar1に並ぶ領域である。また、第2領域Rg2は、回答データe2が入力される領域である。つまり、第2領域Rg2には、回答データe2が入力可能な複数のセルc2を有する。複数のセルc2は、列方向Ar2に複数並ぶように配置されている。セルc2は、確認事項データe1のセルc1に対して対応関係にある。1つ(実施形態のように複数の種別が有る場合には1組と称することもできる)の確認事項データe1は、対応する1つの回答データe2に関連付けられる。確認事項データe1は、この関連付けられる回答データe2に対して、行方向Ar1(左側)に隣接して配置される。セルc2の数(列方向Ar2の数)は、セルc1の数(列方向Ar2の数)と同じである。
【0048】
特定部123が、確認データd1において、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定する方法(アルゴリズム)については種々の方法を用いることが可能である。
第1領域Rg1に関して、特定部123は、例えば、空欄以外の情報が既に記入されている領域を第1領域Rg1と特定することができる。図5に示すように、実施形態の一例では、行方向Ar1に並ぶセルc1に対し、ナンバー、種別、項目、内容、単位といった各種別についてそれぞれの入力がなされており、加えて、これが列方向Ar2にも同様に入力されている。このように、特定部123は、行方向Ar1及び列方向Ar2に延びる矩形状の領域(矩形範囲の複数のセル)を第1領域Rg1と特定することができる。
【0049】
なお、特定部123は、所定の情報を有するセルを第1領域Rg1から除くように構成されていてもよい。つまり、データが入力されているセルのうち、一番上の列のセルの情報(No.等が入力されるセル等)が不要である場合には、データが入力されているセルのうち一番上の列のものは第1領域Rg1から自動的に除外するようにしてもよい。実施形態の一例では、特定部123はこのような機能も備える。
【0050】
確認データd1の回答データe2のセルc2は、本ステップにおいて第2領域Rg2であることが特定されるように、予め定められたデータとなっている。実施形態では、確認データd1の回答データe2の予め定められたデータは、空欄(図5参照)である。具体的には、第2領域Rg2に関して、特定部123は、任意のセルの左隣のセルに何らかの情報が入力されており、且つ、当該任意のセルが空欄となっている場合、そのセルを第2領域Rg2と特定することができる。
図5に示す一例では、第2領域Rg2のうち一番上のセルc2は、左隣のセルに情報が入力されており(ここでは、入力方法教示データe12の「時間帯」)、そのセルc2自体は、空欄となっているので、この座標のセルは第2領域Rg2として特定されることになる。その他のセルも同様にして第2領域Rg2であるか否かが特定される。
【0051】
また、特定部123は、第1領域Rg1を任意のアルゴリズムに基づいて特定した場合、その右隣のセルが第2領域Rg2であると自動的に特定するようにしてもよい。
【0052】
なお、第1領域Rg1は、分離した(独立した)複数の領域から構成されていてもよい。対応して、第2領域Rg2も、分離した(独立した)複数の領域から構成されていてもよい。
【0053】
本ステップS004が、特定ステップの一例である。
【0054】
(ステップS005:領域等の表示)
情報処理装置10の画像生成部124は、図7に示すように、委託元端末20から取得したデータに係る表示画像ds1を生成し、情報処理装置10の表示制御部125は、表示画像ds1を委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。つまり、情報処理装置10では、表示画像ds1(画像)を生成し、当該生成された表示画像ds1(画像)が委託元端末20において表示され、委託元が視認可能になる。この表示画像ds1には、上述したステップS004(特定ステップの一例)で特定された第1領域Rg1及び第2領域Rg2のセルc1,c2が表示される。なお、セルc1には、既に確認事項データe1が入力されているため、その内容も表示される。
【0055】
ここで、本ステップにおいて、第1領域Rg1と第2領域Rg2とが異なる色で表示される、ようにすることができる。なお、この表示は、文字を異なる色で強調することもできるが、セル自体が塗りつぶされるように全体にわたって色付けられることで、矩形状の各領域を把握しやすくなる。
【0056】
ところで、実施形態では、確認データd1として例えばエクセルといった汎用性の高いデータを用いている。このような汎用性の高いデータは、委託元及び委託先にとっても扱いやすく、データ入力を円滑に行うことができるメリットがある。その一方で、汎用性がある分、イレギュラーなデータ入力がなされ、特定部123が正確に第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定できない可能性も想定される。そこで、本ステップにおいて、再特定するか否かの受付の手段が表示される。例えば、図7に示す表示画像ds1に、後段のステップS006で再特定を受け付けるためのオブジェクトを表示することで実現することができる。オブジェクトについては、ステップS007で説明する。
【0057】
(ステップS006:再特定の指示)
ユーザ(委託元)が、再特定をすることを選択するよう、オブジェクトの選択操作をすると、受付部121がその旨を受け付け、ステップS007に移行する。再特定をすることが選択されなければ、特定部123は、ステップS004で特定した第1領域Rg1及び第2領域Rg2が領域として決定することになる。前ステップでは、第1領域Rg1及び第2領域Rg2をユーザ(委託元)に表示して、第1領域Rg1及び第2領域Rg2が適切に特定されているかをユーザに確認し、もし誤りがあれば、本ステップS006によって、それを受け付け、修正することができるようになっている。
【0058】
(ステップS007:オブジェクト処理)
情報処理装置10の画像生成部124は、図8に示すように、表示画像ds2を生成する。表示画像ds2は、図7に示す表示画像ds1にオブジェクトob1を追加で表示させた画像である。換言すると、本ステップにおいて、表示画像ds1には、第1領域Rg1であること又は第2領域Rg2であること、を再特定するためのオブジェクトob1が更に表示される、ことになる。もちろん、表示画像ds2の生成方法は、この限りではない。
【0059】
オブジェクトob1は、列方向Ar2に並ぶ列ボタンと、行方向Ar1に並ぶ行ボタンとを有する。つまり、実施形態において、オブジェクトob1は、セルの各行(図8の例では1行~5行を示している)及び各列(図8の例ではA列~F列を示している)に対応するように配置された複数のボタン(チェックボックス)として実施されている。オブジェクトob1のボタンは、ユーザ(委託元)による操作に応じて、選択状態と非選択状態とを切り替え可能に構成されており、行及び列の両方で選択されたセルが第2領域Rg2として再特定されることになる。ユーザ(委託元)による操作とは、例えば、マウス操作やタップ操作等である。
図8の例では、3行目のオブジェクトob1及びF列目のオブジェクトob1が、非選択状態であるため、3行目且つF列目のセルは、第2領域Rg2から除かれることになる。ここでは説明を省略しているが、この処理は、第1領域Rg1についても、同様に実施することができる。なお、逆に、非選択状態となっているセルは、対応するオブジェクトob1(チェックボックス)が選択状態にされることにより(チェックボックスがオンにされることにより)、第2領域Rg2に含ませることができる
【0060】
(ステップS008:オブジェクト等の表示)
情報処理装置10の表示制御部125は、表示画像ds2を委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。これにより、ユーザ(委託元)は、オブジェクトob1を選択して、第1領域Rg1又は第2領域Rg2にするべき(又は領域から除外するべき)セルを選択することが可能になる。
【0061】
(ステップS009:領域再特定)
本ステップでは、表示画像ds1のオブジェクトob1の選択内容に基づいて、第1領域Rg1又は第2領域Rg2を再特定する。つまり、情報処理装置10の受付部121が、ユーザ(委託元)によるオブジェクトob1の選択に係るデータ(選択状態と非選択状態を示すデータ)を受け付ける。そして、情報処理装置10の特定部123は、受付部121が受け付けた選択に係るデータに基づいて、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を再特定する。
【0062】
本ステップS009が、再特定ステップの一例である。
【0063】
3-2-2.回答データの提示等を含む回答データを取得するフロー
引き続いて、図15を参照して回答データを取得するフローについて説明する。
なお、本フローの一部は、図14で説明したフローと並列的に実施してもよい。
また、実施形態では、図14で説明したように、委託元が、確認データd1を情報処理装置10へ送信し、情報処理装置10に予め確認データd1を登録している。これにより、情報処理装置10では、WEBでの直接入力による回答データの受け付けや、エクセル形式のデータとして回答データが入力された回答済確認データd2の受け付けが可能になっている。
【0064】
(ステップT001:アクセス)
委託先端末30が、情報処理装置10へアクセスすることで本フローが開始される。
【0065】
(ステップT002:回答方式の選択)
委託先が情報処理装置10へアクセスすると、図9に示すように、オブジェクトob21と、オブジェクトob22とを有する表示画像ds3が表示される。なお、画像生成部124が、表示画像ds3を生成することができる。
オブジェクトob21は、WEB画面で表示されるフォームへの直接入力する方式を選択する場合に選択される。オブジェクトob22は、グリッド形式のデータ(実施形態ではエクセル)として回答データをアップロードする場合に選択される。
本ステップでは、後述するステップT007~T009を実行すること、及び、後述するステップT003~T005を実行すること、を選択するための選択入力を受け付ける。
【0066】
本ステップT002が、選択ステップの一例である。
【0067】
(ステップT003:回答済確認データ送信)
本ステップT003では、回答済確認データd2が、委託先端末30から情報処理装置10へ送信される。つまり、委託先は、図14のステップS002において委託元から確認事項が入力されたデータ(実施形態の一例では、エクセルのデータ)を受け取っている。そして、本ステップにおいて、委託先の担当者がアップロード操作をすることで、必要事項である回答データを入力したエクセルデータが情報処理装置10へ送信されることになる。
【0068】
本ステップは、ステップT002において、オブジェクトob22が選択された場合に実行される。図示は省略しているが、委託先端末30の表示部にグリッド形式のデータ(実施形態ではエクセル)をドラッグアンドドロップでアップロードするためのオブジェクトが表示される構成であってもよいし、グリッド形式のデータをアップロードできるように委託先端末30に格納されるデータパスを指定する構成であってもよい。
【0069】
(ステップT004:回答済データ取得)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、回答済確認データd2を取得する(受け付ける)。確認データ取得部122は、ステップS003と同様、回答済確認データd2そのものを取得する(受け付ける)のみであってもよいし、また、確認データd1に対して予め定められた前処理をして、前処理済みの回答済確認データd2を取得してもよい。
【0070】
本ステップT004が、第2取得ステップの一例である。
【0071】
(ステップT005:回答取得)
情報処理装置10の確認データ取得部122は、回答済確認データd2から、特定部123で特定された第2領域Rg2の回答を取得する。この取得される回答は、回答データe2の入力受付部分(図10図11のセルc2の部分に対応)へ取得されるデータである。これにより、回答データe2がデータベース化される。
なお、第2領域Rg2としては、例えば、ステップS004で特定された領域を用いることができる。また、第2領域Rg2が、ステップS009で再特定された場合には、その再特定された第2領域Rg2を用いることができる。つまり、第2領域Rg2としては、更新された最新のものを用いることができる。
【0072】
(ステップT006:回答確定の確認)
情報処理装置10の確定部129は、回答データe2の内容を確定させるか否かの確認をする。例えば、委託先端末30の表示部に、確認事項データe1とともに回答データe2が表示され、この内容で回答データを確定させてよいかを、例えば、「確定させる(Yes)」「確定させない(No)」といったオブジェクトを表示することで選択させる。
ところで、委託先が、回答データe2が入力されたエクセルデータを情報処理装置10へアップロードし、大部分の回答データe2を情報処理装置10へ読み込ませつつも、残りの回答データは、後述する提示機能を使いながら回答データe2を直接入力したい場合も想定される。つまり、エクセルデータにおける回答データe2のセルc2の一部が埋められているが、他部のセルc2が埋められておらず空欄になっているケースが一例として挙げられる。その他に、エクセルデータの回答内容に不備が後々見つかる場合も有り、別途、編集が必要になるケースもある。
実施形態では、これらのケースにも柔軟に対応できるように、ステップT002からステップT003へ移行した場合であっても、本ステップT006で回答確定の確認をする。
【0073】
(ステップT007:入力受付、回答データ自動生成)
ステップT006において「確定させない(No)」が選択されると本ステップT007へ移行する。また、ステップT002においてWEB画面からの入力(図9のオブジェクトob21)が選択されても本ステップT007へ移行する。
【0074】
情報処理装置10の画像生成部124は、例えば、図10に示すような表示画像ds4を生成する。つまり、委託先端末30の表示部には、表示画像ds4が表示される。
なお、ステップT006から本ステップT007へ移行してきた場合には、表示画像ds4におけるセルc2の少なくとも一部が、図10に示すように、埋められていて回答データe2として表示されることが有り得る。アップロードされた回答済確認データd2から回答を取得し得るためである。
一方で、ステップT002から本ステップT007へ移行してきた場合には、表示画像ds4におけるセルc2は、当初は空欄になっていることに留意されたい。
【0075】
委託先の作業者は、図10の任意のセルc2を選択してセルc2をアクティブな状態にすることで、セルc2に直接的に情報(回答データe2)を入力可能になる。つまり、本ステップT007では、情報処理装置10が、回答データe2を受け付け可能な状態としている。なお、図11において、セルc2のうちの一番上のセルc2(「24時間」という回答データe2が入力されたセル)が、アクティブになっている。アクティブになっているセルc2は、例えば、図11に示すように破線で囲われた枠が表示されたり、セルc2の色が変化したりして強調される。
【0076】
また、本ステップにおいて、情報処理装置10の提示データ生成部127は、回答データe2及び補助データのうちの少なくとも一方を自動生成する。実施形態では、提示データ生成部127は、回答データe2を生成する。この処理が、生成ステップの一例である。この自動生成される回答データe2が、後述するステップT008で委託先へ提示される情報である。この処理では、予め定められた生成方法を用いて、自動的に回答データe2を生成する。
【0077】
予め定められた方法は、第1方法及び第2方法の少なくとも1つを含めることができる。
第1方法では、確認事項データe1と記憶済確認事項データとの類似の度合いに基づき、記憶済確認事項データに対応付けられた記憶済回答データを用いる。ここで、記憶済確認事項データ及び記憶済回答データは、情報処理装置10の記憶部13に予め記憶されている、対をなす確認事項データ及び回答データである。つまり、記憶済確認事項データ及び記憶済回答データは、委託先、委託元によって以前に使用されて記憶部13に格納されてデータベース化されたデータである。
類似の度合いは、数値化されたものであってもよいし、高、中、低といったように大まかな指標であってもよい。類似の度合いは、各種の演算方法、関数及びアルゴリズム等を用いて算出することができ、特に限定されるものではないが、例えば、ゲシュタルトパターンマッチング、Levenshtein距離、Jaro-winkler距離、単語ベクトル間のコサイン類似度、単語ベクトル間の単語運搬距離、単語ベクトル間の単語回転距離等の各種の演算方法、関数及びアルゴリズム等を採用することができる。
【0078】
第2方法では、記憶済確認事項データと、学習モデル又は大規模言語モデルとによって新たに生成した回答データを用いる。つまり、第2方法では、情報処理装置10の提示データ生成部127が、学習モデル又は大規模言語モデルへ、記憶済確認事項データといった入力データを入力し、その出力として得られる回答データを用いる。入力データは、記憶済確認事項データのみでなく、出力の精度を向上させるようなデータやプロンプトを含んでいてもよい。学習モデルや大規模言語モデルについては、情報処理装置10に備えられていなくてもよく、情報処理装置10の外部の情報処理装置を用いてよい。
また、第2方法では、大規模言語モデルで生成したデータを情報処理装置10のデータベースとして蓄積し、このデータベースから、生成する回答データを決定する構成であってもよい。
【0079】
(ステップT008:回答データの提示、回答入力)
情報処理装置10の提示部128は、提示データ生成部127が生成した回答データを提示する。この処理が提示ステップの一例である。提示される回答データは、提示データ生成部127において生成されており、確認事項データe1の内容に基づいている。なお、ここでは、視覚的情報として提示されるものとして説明するが、音声情報であってもよいし、両方であってもよい。
【0080】
ここで、ステップT002からステップT007へ直に移行した場合には、図10に示すセルc2が空欄になっているため、全てのセルc2が回答データe2の提示対象となる。なお、ステップT003~ステップT005を経てステップT007へ移行した場合には、回答データe2が既に埋められているセルc2は非提示対象とし、空欄のセルc2が回答データe2の提示対象とすることができる。全てのセルc2に回答データe2が埋められているときは、全てのセルc2が非提示対象であってもよい。逆に、回答データe2が既に埋められているセルc2は、回答データe2の提示対象であってもよい。この場合には、回答データe2が勝手に上書きされないように、回答データe2の外側の表示領域において提示されることが好ましい。
【0081】
ここでは、説明の便宜上、図10の全てのセルc2が、当初、空欄となっており、提示対象であるものとして説明する。つまり、前段のステップであるステップT007において、提示データ生成部127が、「24時間」「90%」「有り」「有り」・・・といった回答データe2を生成することになる。そして、本ステップT008において、「24時間」「90%」「有り」「有り」・・・といった回答データe2が提示されるということである。
【0082】
情報処理装置10の提示部128は、図10に示すように、この自動生成された回答データe2を予め回答データe2の入力受付部分(セルc2に対応)に入力することで、回答データを提示している。なお、提示する方法は、自動的に入力される形態に限定されるものではない。例えば、入力受付部分が空欄のままであり、入力受付部分の外側の領域に提示内容が表示され、それを委託先の作業者が参照できるような構成であってもよい。つまり、入力作業自体は、委託先の作業者が関わるが、その作業にあたり、提示内容を参照できるため、その作業の負担が抑制されることになる。
【0083】
また、提示される内容は、例えば、ステップT007で説明した類似の度合いが最も高いものが提示される形態であってもよい。
また、ステップT007で説明した類似の度合いが高いものが複数提示される形態であってもよい。つまり、回答データの候補が複数提示される形態であってもよい。
更に、ステップT007で説明した類似の度合いが最も高いものが自動的に入力受付部分(セルc2に対応)に入力されて提示され、且つ、入力受付部分の外側の領域にその他の回答データの候補が表示される形態であってもよい。
【0084】
また、図11及び図12に示すように、回答データe2に対応するセルc2ごとに、ユーザのコメントや入力した情報の変更履歴を表示できるようになっていてもよい。
図11の例では、「OO太郎」が、情報処理装置10にアクセスし、回答データとして「24時間」という情報が入力されたセルに対して、入力内容を変更するコメントを残している。
その後、「OO花子さん」が情報処理装置10にアクセスして当該コメントを確認し、「24時間」から「深夜12時から6時は稼働なし」へ入力内容を変更するとともに、変更完了したことを伝えるコメントを残している。
なお、図11及び図12において、「全て」というタブ(オブジェクト)は、コメントと入力内容の変更履歴の両方を表示する第1表示オブジェクトであり、「コメント」というタブ(オブジェクト)は、コメントのみを表示する第2表示オブジェクトであり、「変更履歴」というタブ(オブジェクト)は、変更履歴のみを表示する第3表示オブジェクトである。図11及び図12の例では、「全て」のタブが選択された状態である。実施形態では、第1表示オブジェクト~第3表示オブジェクトの全てを含むものとして説明しているがこれに限定されるものではなく、これらのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0085】
また、セルc2に入力される回答データe2の内容は、入力をした対象が区別されるように表示されることが好ましい。図11及び図12に示すように、変更履歴が表示されることで、入力をした対象(例えば、「OO太郎」や「OO花子」)を区別することが可能である。その他に、入力した対象によって、セルc2に入力される文字の色が変わったり、セルc2に入力される文字に対象の名前が小さく表示されるようにしたりすることで区別してもよい。
【0086】
(ステップT009:回答取得)
情報処理装置10の受付部121は、ステップT008で新たに入力された回答データe2を逐次取得する。
【0087】
(ステップT010:回答確定の確認)
情報処理装置10の確定部129は、回答データe2の内容を確定させるか否かの確認をする。基本的には、本ステップは、上述したステップT006と同様である。「確定させる(Yes)」場合には、ステップT011へ移行し、「確定させない(No)」場合には、ステップT007へ戻る。
なお、ステップT009からステップT010への移行は、例えば、ステップを移行してもよいかを決めるオブジェクト(不図示)が表示され、それが選択されることで行われてもよい。
【0088】
(ステップT011:管理データ表示)
情報処理装置10の画像生成部124は、図13に示すように、各委託元端末20(図13では、A社、B社及びC社の3社の端末の例が示されている)から取得したデータに基づいて管理データ(管理画像dst)を生成する。そして、情報処理装置10の表示制御部125は、管理データを、例えば、委託元端末20の出力部24(表示部)に表示させる。図13に示すように、委託元は、管理画像dstを見ることで、各委託先の回答データを比較しながら俯瞰して状況を把握することができ、委託先の情報管理が行いやすくなる。
なお、ここでは、委託元が、情報処理装置10にアクセスし、WEB画面で管理画像dstを確認しているものとして説明しているがこれに限定されるものではない。例えば、委託先端末30が、管理データに対応するデータを情報処理装置10から例えばエクセルデータとしてダウンロードし、ダウンロードしたエクセルデータを委託先端末30から委託元端末20へ送信するようにしてもよい。また、情報処理装置10が、ダウンロードしたエクセルデータを委託元端末20へ送信するようにしてもよい。
【0089】
3-2-3.その他ステップ
上記では説明を割愛したが、情報処理装置10は、委託元端末20及び委託先端末30からデータを受け取る度に、当該データを記憶部13に格納している。また、情報処理装置10は、第1領域Rg1及び第2領域Rg2を特定するといった各種の処理を実施したときにも、これらの領域の情報を記憶部13に格納している。このように、情報処理装置10では、各種データをデータベース化して記憶部13に格納するステップ(格納ステップの一例)も有する。
【0090】
上記では、1社の委託先から回答データを取得する内容を中心に説明したが、複数の委託先がある場合には、委託先ごとに上述の情報処理方法を実施して、委託先ごとに回答データを取得し、最終的に管理画像dstを生成することができる。
【0091】
また、情報処理装置10は、上記で説明してきた通り、各委託先についての確認事項データやこれに対応する回答データをデータベースとして有している。このため、受付部121が、情報処理装置10にアクセスする者(委託元又は委託先)から予め定められた検索ワードを受け付けると、検索部126は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、該当するデータを抽出することが可能である。そして、表示制御部125は、この抽出されたデータをアクセスする者(委託元又は委託先)に表示させることが可能である。
【0092】
4.実施形態の作用・効果の説明
例えば、予め定められたガイドライン文章に基づいてチェックリスト(確認事項データに対応)が作成される場合がある。特に、情報セキュリティといった分野である場合には、内容が専門的であるため、委託先(回答者側の会社)の担当者が、その内容を一見しただけでは、どのように回答すればよいか判断することができない可能性がある。このように、委託先の回答者には、回答を作成する業務負担が大きくなっている。実施形態では、特定された第1領域Rg1の確認事項データe1の内容に基づいて、自動的に回答データを委託先の回答者に提示するため、委託先の回答者は、自動的に提示される回答データを参照することができ、回答者の回答の負担が抑制される。
【0093】
5.変形例
以下のような形態を採用してもよい。
【0094】
実施形態では、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2のセルc2とが行方向に並ぶ構成を一例として説明したが、これに限定されるものではない。図16に示すように、確認事項データe1のセルc1と、確認事項データe1と対をなす回答データe2のセルc2とが、列方向に並ぶ構成であってもよい。
【0095】
実施形態では、確認データが、グリッド形式のデータ(つまり、左右方向及び上下方向にデータが配列される構成のデータ)を基本とする例を一例として説明したがこれに限定されるものではない。例えば、確認データが、確認事項データのセルと、確認事項データのセルに付設された回答データのセルとを有する構成であってもよい。ここで、付設と述べたが、データ同士の区別ができるのであれば、斜め方向に配列する構成も含み得る。
【0096】
実施形態では、回答データe2の入力される第2領域Rg2の特定にあたり、確認データd1に回答が記載されていない(セルc2が空欄になっている)もの判定する構成を一例として説明したがこれに限定されるものではない。例えば、確認データd1のセルc2には、予め定められた第2領域特定情報(例えば、記号、数字、文字、又はこれらの組み合わせ)が入力されており、情報処理装置10がそれらの情報に基づいて第2領域Rg2を特定してもよい。換言すると、実施形態の一例では、第2領域特定情報は、空欄であるが、これに限定されるものではなく、記号等の具体的な情報が入力されたものが採用されてもよい。
【0097】
実施形態では、図14のフローに関して、ステップS005を経てステップS006で再特定の指示を受け付けるものとして説明したがこれに限定されるものではなく、ステップS005及びステップS006は省略可能である。つまり、ステップS004からステップS007へ移行し、その後、ステップS008において、表示画像ds2(図8参照)を表示させてもよい。
【0098】
実施形態の図15のステップT004において、情報処理装置10が回答済確認データd2を取得したときに(取得した後に)、状況に応じて、エラーメッセージが表示されるようになっていてもよい。つまり、回答済確認データd2以外のデータ等といった誤ったデータを情報処理装置10に送信する可能性がある。そこで、確認データ取得部122は、図14のステップS003で予め取得した確認データd1(確認事項データe1)と、回答済確認データd2の確認事項データe1とを照合して、ユーザが送信したデータが誤っているか否かを判定してもよい。そして、誤っている場合には、表示制御部125は、その旨を委託先端末30の出力部(表示部)に表示させる。これにより、ユーザに正しいデータを送信させることを促すことができ、また、誤ったデータがデータベースとして格納されてしまうことも回避することが可能である。
【0099】
以下、種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[付記1]
コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、
第1取得ステップと、特定ステップと、提示ステップとを備え、
前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、
前記確認データは、確認事項データのセルを有し、
前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、
前記特定ステップでは、前記確認データの領域を特定し、
前記領域には、第1領域が含まれ、前記第1領域は、前記確認事項データが入力されており、
前記提示ステップでは、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記確認事項データの内容に基づいて、自動的に回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を提示し、
前記補助データは、前記回答データの作成を補助するためのデータである、情報処理方法。
[付記2]
付記1に記載の情報処理方法であって、
入力受付ステップ及び第2取得ステップのうちの少なくとも一方を更に備え、
前記入力受付ステップでは、表示部に表示画面を表示させて前記回答データを受け付け、
前記表示画面には、前記確認事項データと、前記回答データの入力受付部分とが表示され、
前記第2取得ステップでは、回答済確認データを取得し、
前記回答済確認データは、前記回答データのセルに回答が入力された前記確認データであり、
前記回答は、前記回答データの入力受付部分へ取得されるデータである、情報処理方法。
[付記3]
付記2に記載の情報処理方法であって、
選択ステップを更に備え、
前記選択ステップでは、前記入力受付ステップを実行すること、及び、前記第2取得ステップを実行すること、を選択するための選択入力を受け付ける、情報処理方法。
[付記4]
付記2又は付記3に記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データが前記入力受付部分に自動的に入力されている、情報処理方法。
[付記5]
付記2~付記4の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記表示画面は、前記回答データの入力をした対象が区別されるように表示される、情報処理方法。
[付記6]
付記1~付記5の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
生成ステップを更に備え、
前記生成ステップでは、予め定められた生成方法を用いて、自動的に前記回答データを生成し、
前記予め定められた方法は、第1方法及び第2方法の少なくとも1つを含み、
前記第1方法では、前記確認事項データと記憶済確認事項データとの類似の度合いに基づき、前記記憶済確認事項データに対応付けられた記憶済回答データを用い、
前記第2方法では、前記記憶済確認事項データと、学習モデル又は大規模言語モデルとによって新たに生成した前記回答データを用い、
前記記憶済確認事項データ及び前記記憶済回答データは、記憶部に予め記憶されている、対をなす前記確認事項データ及び前記回答データである、情報処理方法。
[付記7]
付記1~付記6の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データの候補が複数提示される、情報処理方法。
[付記8]
付記1~付記7の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記提示ステップでは、前記回答データ及び前記補助データの両方を合わせて提示する、情報処理方法。
[付記9]
付記2~付記5の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認データは、前記確認事項データのセルと、前記確認事項データのセルに付設された前記回答データのセルとを有し、
前記特定ステップで特定される前記領域には、第2領域が含まれ、
前記第2領域は、前記回答データが入力される領域であり、且つ、前記入力受付部分に対応する、情報処理方法。
[付記10]
付記9に記載の情報処理方法であって、
前記特定ステップの前記領域であること、を再特定するためのオブジェクトを表示する、情報処理方法。
[付記11]
付記10に記載の情報処理方法であって、
再特定ステップを更に備え、
前記再特定ステップでは、前記オブジェクトの選択内容に基づいて、特定済みの前記領域の範囲を再特定する、情報処理方法。
[付記12]
付記9~付記11の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認データの前記回答データのセルは、前記特定ステップにおいて前記第2領域であることが特定されるように、予め定められたデータとなっている、情報処理方法。
[付記13]
付記12に記載の情報処理方法であって、
前記予め定められたデータは、空欄である、情報処理方法。
[付記14]
付記1~付記13の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記確認事項データにおける予め定められた事項を確認する内容は、前記回答者の情報セキュリティに関する内容が含まれる、情報処理方法。
[付記15]
付記1~付記14の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、前記回答者の監査のために用いられる、情報処理方法。
[付記16]
付記1~付記15の何れか1つに記載の情報処理方法であって、
格納ステップを更に備え、
前記格納ステップでは、前記領域の情報をデータベース化して記憶部に格納している、情報処理方法。
[付記17]
コンピュータに、付記1~付記16の何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるプログラム。
[付記18]
付記1~付記17の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行する少なくとも1つの情報処理装置を備える、情報処理システム。
【符号の説明】
【0100】
100 :情報処理システム
10 :情報処理装置
11 :通信部
12 :制御部
121 :受付部
122 :確認データ取得部
123 :特定部
124 :画像生成部
125 :表示制御部
126 :検索部
127 :提示データ生成部
128 :提示部
129 :確定部
13 :記憶部
14 :出力部
15 :入力部
16 :通信バス
20 :委託元端末
21 :通信部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :出力部
25 :入力部
26 :通信バス
30 :委託先端末
30a :委託先端末
30b :委託先端末
30c :委託先端末
31 :通信部
32 :制御部
33 :記憶部
34 :出力部
35 :入力部
36 :通信バス
Rg1 :第1領域
Rg2 :第2領域
c1 :セル
c2 :セル
d1 :確認データ
d2 :回答済確認データ
d3 :表示画面
ds1 :表示画像
ds2 :表示画像
ds3 :表示画像
ds4 :表示画像
ds5 :表示欄
dst :管理画像
e1 :確認事項データ
e11 :内容
e12 :入力方法教示データ
e2 :回答データ
ob1 :オブジェクト
ob2 :オブジェクト
ob21 :オブジェクト
ob22 :オブジェクト
【要約】
【課題】確認事項を回答者に回答させるシステムにおいて、回答者の負担を抑制することができる、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供することを目的としている。
【解決手段】コンピュータ・ソフトウェアが実行する情報処理方法であって、第1取得ステップと、特定ステップと、提示ステップとを備え、前記第1取得ステップでは、確認データを取得し、前記確認データは、確認事項データのセルを有し、前記確認事項データは、予め定められた事項を回答者に確認する内容を含み、前記特定ステップでは、前記確認データの領域を特定し、前記領域には、第1領域が含まれ、前記第1領域は、前記確認事項データが入力されており、前記提示ステップでは、前記特定ステップで特定された前記第1領域の前記確認事項データの内容に基づいて、自動的に回答データ及び補助データのうちの少なくとも一方を提示し、前記補助データは、前記回答データの作成を補助するためのデータである、情報処理方法が提供される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16