(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】エリア推定装置、位置情報記録装置、エリア推定システム装置、エリア推定方法、位置情報記録方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20241022BHJP
G01C 7/02 20060101ALI20241022BHJP
G06T 17/05 20110101ALI20241022BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20241022BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G06Q50/02
G01C7/02
G06T17/05
G09B29/00 Z
A01G7/00 603
(21)【出願番号】P 2020207482
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】久寿居 大
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-220567(JP,A)
【文献】特開2005-122302(JP,A)
【文献】特開2016-001823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 7/02
G06T 17/05
G09B 29/00
A01G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報取得部、マッピング部、及びエリア推定部を含み、
前記エリア推定部は、地点抽出部、多角形形成部、及び判定部を含み、
前記位置情報取得部は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング部は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記地点抽出部は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるX
MAX
地点と、前記X座標が最小であるX
MIN
地点と、前記Y座標が最大であるY
MAX
地点と、前記Y座標が最小であるY
MIN
地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定部は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定部により前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出部は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記末期多角形の外側に前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定部は、
前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、エリア推定装置。
【請求項2】
請求項
1記載のエリア推定装置に送信する位置情報群を記録する位置情報記録装置であって、
記録部、入力部、及び送信部を含み、
前記記録部は、前記入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、位置情報記録装置。
【請求項3】
請求項
1記載のエリア推定装置
及び請求項
2記載の位置情報記録装
置を含み、
前記位置情報記録装置の前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信し、
前記エリア推定装置の前記位置情報取得部は、前記位置情報記録装置から前記位置情報群を取得する、エリア推定システム装置。
【請求項4】
位置情報取得工程、マッピング工程、及びエリア推定工程を含み、
前記エリア推定工程は、地点抽出工程、多角形形成工程、及び判定工程を含み、
前記位置情報取得工程は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング工程は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるX
MAX
地点と、前記X座標が最小であるX
MIN
地点と、前記Y座標が最大であるY
MAX
地点と、前記Y座標が最小であるY
MIN
地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定工程は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定工程により前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出工程は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記末期多角形の外側に前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定工程は、
前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、エリア推定方法。
【請求項5】
請求項
4記載のエリア推定方法を実行する
エリア推定装置に送信するために、位置情報群を記録する位置情報記録方法であって、
記録工程、及び送信工程を含み、
前記記録工程は、
位置情報記録装置の入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信工程は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、位置情報記録方法。
【請求項6】
請求項
4記載のエリア推定方法
及び請求項
5記載の位置情報記録方
法を含み、
前記位置情報記録方法の前記送信工程は、前記位置情報群を
、前記エリア推定方法を実行する
エリア推定装置に送信し、
前記エリア推定方法の前記位置情報取得工程は、前記位置情報記録方法を実行する
位置情報記録装置から前記位置情報群を取得する、位置情報記録型エリア推定方法。
【請求項7】
コンピュータに、位置情報取得手順、マッピング手順、及びエリア推定手順を含
み、
前記エリア推定手順は、地点抽出手順、多角形形成手順、及び判定手順を含む、
前記各手順を実行させるための
第1のプログラム:
前記位置情報取得手順は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング手順は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記地点抽出手順は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるX
MAX
地点と、前記X座標が最小であるX
MIN
地点と、前記Y座標が最大であるY
MAX
地点と、前記Y座標が最小であるY
MIN
地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定手順は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定手順により前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出手順は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定手順は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成手順により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出手順は、前記判定手順により前記末期多角形の外側に前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定手順は、
前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する。
【請求項8】
請求項
7記載の
第1のプログラムを実行する
エリア推定装置に送信するために、位置情報群を記録するプログラムであって、
コンピュータに、記録手順、及び送信手順を含む手順を実行させるための
第2のプログラム:
前記記録手順は、
位置情報記録装置の入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す
情報であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信手順は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する。
【請求項9】
請求項
7記載の第1のプログラム
及び請求項
8記載の第2のプログラ
ムを含み、
前記第2のプログラムの前記送信手順は、前記位置情報群を
、前記第1のプログラムを実行する
エリア推定装置に送信し、
前記第1のプログラムの前記位置情報取得手順は、前記第2のプログラムを実行する
位置情報記録装置から前記位置情報群を取得する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリア推定装置、位置情報記録装置、エリア推定システム装置、エリア推定方法、位置情報記録方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる分野において、特定エリアの管理や分析等のために、その特定エリアの形状を把握することが重要である。特定エリアの形状を把握するため、手作業で測量を行ったり、コンピュータを用いて測量したりする方法がある。コンピュータを用いる方法としては、例えば、特許文献1に、衛星や航空機などの高度飛翔体から地表を撮影した観測画像を用いて、前記観測画像上の1点から放射状に伸ばした複数の直線とエッジとの交点を求めることで、土地区画データを作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、木等の遮蔽物が前記測量画像に写りこむことで、正確な測量ができないという問題がある。また、特許文献1の技術では、高度飛翔体が飛行可能な土地でないと測量できないという問題がある。
【0005】
一方で、手作業で測量する場合は、手間やコストがかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、特定エリアの形状をより正確に且つ容易に推定可能なエリア推定装置、位置情報記録装置、エリア推定システム装置、エリア推定方法、位置情報記録方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のエリア推定装置は、
位置情報取得部、マッピング部、及びエリア推定部を含み、
前記位置情報取得部は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング部は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記エリア推定部は、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定する、装置である。
【0008】
本発明の位置情報記録装置は、
本発明のエリア推定装置に送信する位置情報群を記録する位置情報記録装置であって、
記録部、入力部、及び送信部を含み、
前記記録部は、前記入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、装置である。
【0009】
本発明のエリア推定システム装置は、
本発明のエリア推定装置と、本発明の位置情報記録装置とを含み、
前記位置情報記録装置の前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信し、
前記エリア推定装置の前記位置情報取得部は、前記位置情報記録装置から前記位置情報群を取得する、装置である。
【0010】
本発明のエリア推定方法は、
位置情報取得工程、マッピング工程、及びエリア推定工程を含み、
前記位置情報取得工程は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング工程は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記エリア推定工程は、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定する、方法である。
【0011】
本発明の位置情報記録方法は、
本発明のエリア推定方法を実行する装置に送信するために、位置情報群を記録する位置情報記録方法であって、
記録工程、及び送信工程を含み、
前記記録工程は、入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信工程は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定エリアの形状をより正確に且つ容易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1のエリア推定装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のエリア推定装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のエリア推定装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、変形例1のエリア推定装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5(A)は、実施形態2の位置情報記録型エリア推定システム装置の一例の構成を示すブロック図であり、
図5(B)は、位置情報記録型エリア推定システム装置における位置情報記録装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の位置情報記録型エリア推定システム装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、エリア推定部の処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、エリア推定部の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のエリア推定装置において、例えば、
前記位置情報取得部は、複数の位置情報群を取得し、
前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間の間に行われた同種の一連の行動であり、
前記マッピング部は、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明のエリア推定装置において、例えば、
前記エリア推定部は、地点抽出部、多角形形成部、及び判定部を含み、
前記地点抽出部は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定部は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出部は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定部は、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、という態様であってもよい。
前記態様において、本発明のエリア推定装置は、例えば、
前記判定部により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合に、
前記地点抽出部は、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成し、
前記地点抽出部は、前記中期多角形を用いて、末期地点群の候補地点を抽出し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のエリア推定装置において、例えば、
前記位置情報は、さらに、前記記録時間を示す時刻情報を含み、
前記マッピング部は、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点及び前記移動経路が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明のエリア推定装置において、例えば、
前記位置情報は、X座標とY座標とZ座標を含み、
前記地点抽出部は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点との6地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、複数の多角形を形成し、且つ前記複数の多角形から構成される多面体を形成する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明のエリア推定装置は、例えば、
さらに、面積算出部を含み、
前記面積算出部は、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する、という態様であってもよい。
前記態様において、本発明のエリア推定装置は、例えば、
さらに、収穫情報取得部、及び収穫量算出部を含み、
前記収穫情報取得部は、収穫目安量情報を取得し、
前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報であり、
前記収穫量算出部は、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記特定エリア内の前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のエリア推定装置は、例えば、
さらに、収穫予定日算出部を含み、
前記収穫情報取得部は、収穫日設定情報を取得し、
前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、
前記収穫予定日算出部は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のエリア推定方法において、例えば、
前記位置情報取得工程は、複数の位置情報群を取得し、
前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間の間に行われた同種の一連の行動であり、
前記マッピング工程は、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明のエリア推定方法において、例えば、
前記エリア推定工程は、地点抽出工程、多角形形成工程、及び判定工程を含み、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定工程は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出工程は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定工程は、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、という態様であってもよい。
前記態様において、本発明のエリア推定方法は、例えば、
前記判定工程により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合に、
前記地点抽出工程は、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成し、
前記地点抽出工程は、前記中期多角形を用いて、末期地点群の候補地点を抽出し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成する、という態様であってもよい。
【0022】
本発明のエリア推定方法において、例えば、
前記位置情報は、さらに、前記記録時間を示す時刻情報を含み、
前記マッピング工程は、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が含まれるかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点及び前記移動経路が含まれないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する、という態様であってもよい。
【0023】
本発明のエリア推定方法において、例えば、
前記位置情報は、X座標とY座標とZ座標を含み、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点との6地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、複数の多面体を形成し、且つ前記複数の多面体から構成される多面体を形成する、という態様であってもよい。
【0024】
本発明のエリア推定方法は、例えば、
さらに、面積算出工程を含み、
前記面積算出工程は、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する、という態様であってもよい。
前記態様において、本発明のエリア推定方法は、例えば、
さらに、収穫情報取得工程、及び収穫量算出工程を含み、
前記収穫情報取得工程は、収穫目安量情報を取得し、
前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報であり、
前記収穫量算出工程は、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記特定エリア内の前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出する、という態様であってもよい。
【0025】
本発明のエリア推定方法は、例えば、
さらに、収穫予定日算出工程を含み、
前記収穫情報取得工程は、収穫日設定情報を取得し、
前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、
前記収穫予定日算出工程は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する、という態様であってもよい。
【0026】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0027】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0028】
本発明において、「特定エリア」とは、特に制限されず、一定の面積がある場所であればよく、例えば、屋外の土地及びその一部であってもよいし、屋内のスペース及びその一部であってもよい。屋外の土地及びその一部としては、例えば、圃場、住宅地、墓地、境内地、山地、池、公園、公衆用道路、公園、雑種地、学校用地、鉄道用地、屋外遊園地、動物園、牧場、養殖地、等がある。屋内のスペース及びその一部としては、デパート等の施設内、店舗内、屋外遊園地、博物館、水族館、公共施設内、家屋内等がある。
【0029】
本発明の適用分野は、特に制限されず、例えば、特定エリア内で移動する移動体の位置情報を記録可能な分野であればよい。前記移動体は、特に制限されず、例えば、ヒト、動物(野生動物、家畜、養魚等)、等の生命体であってもよいし、自動車、船舶、電車、飛行体(ドローン、飛行機等)、掃除ロボット、ラジコンカー等の移動可能な移動装置であってもよい。前記移動装置は、自律して移動可能な装置であってもよい。
【0030】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0031】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のエリア推定装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、位置情報取得部11、マッピング部12、及びエリア推定部13を含む。エリア推定部13は、例えば、地点抽出部131、多角形形成部132、及び判定部133を含んでもよい。さらに、本装置10は、任意の構成として、例えば、面積算出部14、収穫情報取得部15、収穫量算出部16、及び収穫予定日算出部17を含んでもよい。
【0032】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0033】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。さらに、本装置10のハードウエア構成は、例えば、任意の構成として、さらに、撮像装置108を含んでもよい。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0034】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、位置情報取得部11、マッピング部12、及びエリア推定部13として機能する。また、中央処理装置101は、例えば、面積算出部14、収穫情報取得部15、収穫量算出部16、及び収穫予定日算出部17としても機能する。
【0035】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0036】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0037】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0038】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ユーザのログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0039】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0040】
つぎに、本実施形態のエリア推定方法の一例を、
図3及び4のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のエリア推定方法は、例えば、
図1のエリア推定装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のエリア推定方法は、
図1のエリア推定装置10の使用には限定されない。
【0041】
まず、位置情報取得部11により、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得する(S11、位置情報取得工程)。前記行動情報は、一連の行動に関する情報である。前記行動情報としては、例えば、農作業等の移動体の作業の種類、買い物や娯楽等の移動体の移動目的の種類、等がある。前記行動情報は、例えば、後述の作業対象の品種、スケジュールデータ、前記移動体の氏名、前記移動体の識別情報(ID:identification)等を含んでもよい。また、前記移動体は、他の移動体(例えば、共同作業者)と共同して行動していてもよく、その場合は、前記移動体の氏名や識別情報と、前記他の移動体の氏名や識別情報とが紐づけられていてもよい。前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含む。前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す情報であり、X座標及びY座標を含む。前記位置情報記録装置は、特に制限されず、前記移動体の位置情報を記録して送信可能な装置であればよく、例えば、実施形態2記載の位置情報記録装置20がある。前記位置情報は、例えば、絶対座標でもよいし、相対座標であってもよい。前記絶対座標である場合、例えば、前記X座標は、緯度であり、前記Y座標は、経度である。また、前記位置情報は、例えば、さらに、Z座標を含んでもよい。前記Z座標は、例えば、高低差を示す座標である。さらに、前記位置情報は、例えば、前記記録時間を示す時刻情報を含んでもよい。位置情報取得部11は、例えば、前記通信回線網を介して前記位置情報を取得する。位置情報取得部11は、例えば、前記複数の位置情報を含む位置情報群を一度に取得してもよいし、前記位置情報を記録時間毎に、すなわち、リアルタイムで取得して本装置10内で前記複数の位置情報を含む位置情報群としてもよい。前記リアルタイムで取得した前記位置情報は、例えば、メモリ102や記憶部104に蓄積される。
【0042】
位置情報取得部11は、例えば、複数の位置情報群を取得してもよい。前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間(例えば、1週間、1か月)の間に行われた同種の一連の行動である。また、前記複数の位置情報群に紐づけられた行動情報は、氏名や識別情報が同一の前記移動体における行動であってもよいし、前記移動体に紐づけられた他の移動体における行動であってもよい。
【0043】
次に、マッピング部12により、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングする(S12、マッピング工程)。前記地図は、前記通信回線網を介して取得してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に予め記憶していてもよい。前記地図は、例えば、2次元情報(平面情報)を記した平面地図でもよいし、2次元情報に、標高や高さ等の3次元情報を加えた立体地図であってもよい。
【0044】
マッピング部12は、例えば、位置情報取得部11が前記複数の位置情報群を取得した場合、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成してもよい。この場合のマッピング部12は、一つの地図を作成できればよく、具体的な手法は、特に制限されない。具体的に、マッピング部12は、例えば、前記複数の位置情報群毎にマッピングした複数の地図を合成して1つの地図としてもよい。また、マッピング部12は、例えば、前記複数の位置情報群の前記各位置情報が示す各地点を同一の地図上にマッピングしてもよい。また、マッピング部12は、例えば、前記複数の位置情報群毎に後述のエリア推定部13によって多角形を形成し、前記複数の位置情報群毎の多角形を合成してもよい。前記位置情報が前記時刻情報を含む場合、マッピング部12は、例えば、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録してもよい。
【0045】
次に、エリア推定部13により、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定し(S13、エリア推定工程)、終了する(END)。エリア推定部13は、例えば、前記マッピングされた各地点のうち少なくとも3点以上を頂点として、前記頂点以外の各地点を内部に包括する多角形を形成することで、前記特定エリアの形状(範囲ともいう)を特定することができる。
【0046】
エリア推定部13は、前述のように、例えば、地点抽出部131、多角形形成部132、及び判定部133を含んでもよい。この場合のエリア推定方法の一例を、
図3の前記工程(S13)の内部に示す。なお、
図3の前記工程(S13)の内部に示す各工程において、後述の処理Bは、任意の処理であり、実行してもよいし、実行しなくともいう。
【0047】
まず、地点抽出部131により、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出する(S131a、地点抽出工程)。前記位置情報が、さらに、Z座標を含む場合、地点抽出部131は、例えば、さらに、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点とを加えた6地点を初期地点群として抽出してもよい。これにより、前記立体地図を利用して、山等の高低差を意識したより正確な特定エリアの形状を推定可能である。
【0048】
次に、多角形形成部132により、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成する(S132a、多角形形成工程)。すなわち、前記4地点を初期地点群として抽出した場合は、多角形形成部132により、三角形又は四角形が形成され、前記6地点を初期地点群として抽出した場合は、多角形形成部132により、複数の多角形が形成され、且つ前記複数の多角形を各面として多面体(八面体等)が形成される。以下、前記多角形を形成する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されず、前記多面体を形成する場合は、初期多角形等の「多角形」部分を「多面体」と読み替えることで適用可能である。なお、ここで、初期地点群及び初期多角形等の「初期」とは、マッピング部12により、前記地点がマッピングされた地図から初めて抽出された地点群及び形成された多角形等に付される語彙である。
【0049】
次に、判定部133により、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定する(S133a、判定工程)。
【0050】
以下、前記工程(S131a)~前記工程(S133a)までの処理を、処理Aともいう。
【0051】
判定部133により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合(YES)は、例えば、地点抽出部131により、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出してもよい(131b、地点抽出工程)。一方で、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が存在しない前記領域においては、前記中期地点群は抽出されない。
【0052】
前記工程(131b)に続けて、多角形形成部132により、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成する(S132b、多角形形成工程)。このように、前記工程(S132b)における多角形形成部132は、前記初期多角形を拡張して、前記中期多角形を形成する。なお、前記中期地点群が抽出されなかった前記領域の境界である前記辺は、前記初期多角形と同様、前記中期多角形においても前記中期多角形を構成する辺となる。
【0053】
前記中期多角形の外部に、前記頂点以外の各地点が存在しないことを確認するため、例えば、前記工程(S132b)に続けて、判定部133により、前記中期多角形の外側に前記中期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定してもよい(S133b、判定工程)。判定部133により前記中期地点群以外の地点が存在すると判定された場合は(YES)、例えば、前記中期多角形を基準として、前記工程(S131b)及び前記工程(S132b)と同様の処理を実行してもよい。この場合、「初期多角形」を「中期多角形」に、「中期地点群」を「新たな中期地点群」に、「中期多角形」を「新たな中期多角形」に、適宜読み替える。このように、前記工程(S131b)~前記工程(S133b)を繰り返し実行することで、前記中期多角形を拡張していき、最終的に、前記頂点以外の各地点を内部に包括する多角形が形成される。なお、ここで、中期地点群及び中期多角形等の「中期」とは、前記初期多角形形成後であって、後述の末期群地点の候補地点の抽出までの間(判定部133により、多角形(前記初期多角形又は前記中期多角形)の外側に、前記地点が1つでも存在しないと判定されるまでの間ともいえる)に、抽出された地点群及び形成された多角形等に付される語彙である。
【0054】
以下、前記工程(S131b)~前記工程(S133b)までの処理を、処理Bともいう。前述のように、前記処理Bは、任意の処理である。
【0055】
一方で、前記処理Aの前記工程(S133a)において、判定部133により前記初期地点群以外の地点が存在しないと判定された場合(NO)は、前記処理Bを実行せずに、後述の工程(S131c1)に進む。また、前記工程(S133b)を含まない態様において、前記処理Bの前記工程(S132b)により前記中期多角形を形成した場合は、前記工程(S133b)を実行せずに、後述の工程(S131c1)に進む。一方で、前記工程(S133b)を含む態様において、前記工程(S133b)において、判定部133により前記中期地点群以外の地点が存在しないと判定された場合(NO)は、続けて、後述の工程(S131c1)に進む。
【0056】
前記処理Aの前記工程(S133a)において、判定部133により前記地点が存在しないと判定された場合(NO)は、前記初期多角形を用いて、地点抽出部131による工程(S131c1、地点抽出工程)を実行する。一方で、前記処理Bにより前記中期多角形を形成した場合は、前記中期多角形を用いて、地点抽出部131による工程(S131c1、地点抽出工程)を実行する。前記工程(S131c1、地点抽出工程)は、地点抽出部131により、前記初期又は中期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期又は中期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出する、工程である。
【0057】
次に、判定部133により、前記末期地点群の候補地点毎に、多角形形成部132により、末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定する(S133c、判定工程)。ここでいう前記末期多角形は、前記初期多角形を用いている場合は、前記初期地点群及び前記末期地点群の候補地点を各頂点とする多角形であり、前記中期多角形を用いている場合は、さらに、前記中期地点群も各頂点に加えた多角形である。また、マッピング部12により、前記位置情報が含む前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録した場合、前記工程(S133c)における判定部133は、例えば、前記地点に加えて、前記移動経路も考慮した判定を行ってもよい。具体的に、前記工程(S133c)における判定部133は、前記末期地点群の候補地点毎に、多角形形成部132により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が含まれるかを判定してもよい。
【0058】
前記工程(S133c)において、判定部133により前記地点が存在しないと判定された場合(NO)に、地点抽出部131により、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する(S131c2、地点抽出工程)。また、前記工程(S133c)における判定部133により前記移動経路を考慮した判定が行われた場合、前記工程(S131c2)における地点抽出部131は、例えば、判定部133により前記地点が存在しないと判定された場合(NO)に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出してもよい。
【0059】
次に、多角形形成部132により、末期多角形を形成する(S132c、多角形形成工程)。ここでいう前記末期多角形は、前記初期多角形を用いている場合は、前記初期地点群及び前記末期地点群を各頂点とする多角形であり、前記中期多角形を用いている場合は、さらに、前記中期地点群も各頂点に加えた多角形である。このように、前記工程(S132c)における多角形形成部132は、前記第1多角形若しくは前記中期多角形を縮小して、前記頂点以外の各地点を内部に包括した最小の前記末期多角形を形成する。
【0060】
一方で、前記工程(S133c)において、判定部133により前記地点が存在すると判定された場合(YES)は、例えば、前記候補地点を前記末期地点群として抽出せず、前述と同様に、前記工程(S131c1)を再度実行してもよい。
【0061】
また、例えば、前記工程(S132c)に形成した前記末期多角形に対し、さらに、前記工程(S131c1)~前記工程(S132c)を実行してもよい。なお、各工程における処理は、前記初期又は前記中期多角形に代えて、前記末期多角形を用いる以外、前述と同様である。このように、前記工程(S131c1)~前記工程(S132c)を繰り返し実行することで、前記末期多角形を段階的に縮小し、最終的に、前記頂点以外の各地点を内部に包括した最小の多角形が形成される。
【0062】
以下、前記工程(S131c1)~前記工程(S132c)までの処理を、処理Cともいう。
【0063】
そして、エリア推定部13は、前記処理A及びC、又は前記処理A~Cを経て、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定し(S13)、終了する(END)。
【0064】
前記処理A、前記処理B、及び前記処理Cについて、具体的には、後述する。
【0065】
(変形例1)
さらに、本装置10は、前述のように、面積算出部14、収穫情報取得部15、収穫量算出部16、及び収穫予定日算出部17を含んでもよい。この場合のエリア推定方法の一例を、
図4に示す。なお、
図4において、
図3に示した処理A~Cの記載を省略している。
【0066】
まず、本装置10が面積算出部14を含む一例について説明する。本例において、面積算出部14は、前記工程(S13)の後に続けて、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する(S14)。そして、本装置10は、処理を終了する(END)。前記面積の算出手法は、特に制限されず、例えば、前記地図の縮尺に応じて、前記末期多角形を構成する各辺の長さ(距離)や、前記辺以外の前記末期多角形内の一方の地点から他方の地点までの直線の長さ(距離)等の実際の距離を求めることができ、これを面積の算出に用いることができる。前記多面体(末期多面体等)を形成した場合は、例えば、面積算出部14により、末期多面体の体積を算出してもよいし、前記末期多面体の各面である各多角形の辺の長さ(距離)や面積(すなわち、前記末期多面体の表面積)等を算出してもよい。また、前記多面体(末期多面体等)を形成した場合、面積算出部14は、例えば、面として前記末期多面体を構成する複数の多角形のうち、地表である面の多角形の面積や辺の長さ(距離)等のみを算出してもよい。
【0067】
次に、本装置10が収穫情報取得部15、及び収穫量算出部16を含む一例について説明する。本例において、収穫情報取得部15は、収穫目安量情報を取得する(S15)。前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報である。前記作業対象は、特に制限されず、作業対象自体や、作業対象から得られる物質をいい、例えば、農作物、家畜、養魚、木、水、鉱石等が挙げられる。以下、前記作業対象から物質を得ることを、「収穫」という。具体的に、前記収穫目安量情報は、例えば、一定範囲又は一定数量当たりの収穫目安量、前記特定エリアにおける過去の収穫量、前記特定エリアの属する地域(例えば、地方、県、市、町、村等)における平均収穫量、等の情報がある。また、前記収穫目安量情報は、例えば、さらに、前記作業対象の品種、天気等に関する情報(以下、収穫目安量調整情報ともいう)を含んでもよい。前記収穫目安量情報は、例えば、前記特定エリアの関係者(使用者、管理者、作業者、所有者、等)がPCやスマートフォン等を用いて本装置10に送信してもよい。そして、収穫情報取得部15は、例えば、前記通信回線網を介して、前記収穫目安量情報を取得してもよい。一方で、収穫情報取得部15は、例えば、前記通信回線網を介して、サーバから前記収穫目安量情報を取得してもよい。また、前記収穫目安量情報は、例えば、本装置10のメモリ102及び記憶部装置104に予め記憶されていてもよい。前記工程(S15)を実行するタイミングは、特に限定されず、例えば、前記工程(S11)~前記(S14)と並行して実行してもよい。
【0068】
そして、前記工程(S14)及び前記工程(S15)の後に、収穫量算出部16により、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出し(S16)、終了する(END)。前記収穫目安量情報が、さらに、前記収穫目安量調整情報を含む場合、収穫量算出部16は、前記収穫目安量調整情報を加味して、前記収穫量を算出してもよい。
【0069】
次に、本装置10が収穫情報取得部15、及び収穫予定日算出部17を含む一例について説明する。本例において、収穫情報取得部15は、収穫日設定情報を取得する(S17)。前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、具体的に、例えば、作業Aをしてから何日後に収穫できるかを、示す情報である。また、前記収穫日設定情報は、例えば、さらに、前記作業対象の品種、天気等に関する情報(以下、収穫日調整情報ともいう)を含んでもよい。前記収穫日設定情報は、例えば、前記特定エリアの関係者(使用者、管理者、作業者、所有者、等)がPCやスマートフォン等を用いて前記収穫予定日を設定されてもよい。一方で、本装置10は、例えば、前記通信回線網を介したり、機械学習を用いたりすることで、前記行動情報に適切な前記収穫予定日を設定してもよい。また、前記収穫日設定情報は、例えば、本装置10のメモリ102及び記憶部装置104に予め記憶されていてもよい。前記工程(S17)を実行するタイミングは、特に限定されず、例えば、前記工程(S11)~前記(S14)と並行して実行してもよい。
【0070】
そして、前記工程(S11)及び前記工程(S17)の後に、収穫予定日算出部17により、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する(S18)。そして、少なくとも前記工程(S11)~(S14)及び前記工程(S17)~前記工程(S18)の処理を実行した後に、終了する(END)。また、
図4に示すように、さらに、前記工程(S15)~前記工程(S16)の処理を実行した後に、終了してもよい(END)。前記収穫日設定情報が、さらに、前記収穫日調整情報を含む場合、収穫予定日算出部17は、前記収穫日調整情報を加味して、前記収穫予定日を算出してもよい。収穫予定日算出部17は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出するため、前記移動体が作業をする度(前記位置情報群を取得する度)に、前記収穫予定日が算出され、更新されることになる。具体的に、例えば、作業A、作業B、作業Cの順にそれぞれ異なる日に行われる作業があり、一般的に、前記作業対象が作業Aから25~35日後に収穫され、作業Bから8~12日後に収穫され、作業Cから2~4日後に収穫されるものとする。そのため、前記収穫日設定情報として、30日後と設定され、作業Bに対する収穫予定日は10日後と設定され、作業Cに対する収穫予定日は3日後と設定されていたとする。そうすると、位置情報取得部11が作業Aと紐づけられた位置情報群を取得した場合、収穫予定日算出部17は、前記収穫日調整情報を加味しなければ、前記作業対象の収穫予定日を30日後と算出する。同様にして、位置情報取得部11が作業Bと紐づけられた位置情報群を取得した場合、収穫予定日算出部17は、前記作業対象の収穫予定日を10日後と算出し、位置情報取得部11が作業Cと紐づけられた位置情報群を取得した場合、収穫予定日算出部17は、前記作業対象の収穫予定日を3日後と算出する。このように、前記移動体が作業をする度に、前記収穫予定日を算出して更新していくことで、収穫予定日の誤差が減り、特定エリアにおいて、「いつ頃どれくらいの収穫量が得られるか」という情報の確からしさが更新されていく。いつ頃どれくらいの収穫量が得られるかがわかれば、例えば、収穫前により高い価格で販売契約を結ぶことが可能になる。
【0071】
農業分野においては、近年、生産者の高齢化に伴い、栽培する作物を体力的に負担のかからない作物に変更したり、生産者の引退等により一部の圃場では作物が栽培されなくなったりという事例が起こるようになった。また、生産者は、圃場全体又はその一部で、栽培する作物や品種を変更することも多い。さらに、耕地区画の整理、用排水路や道路の整備、土地改良等によって、圃場の形が変わることも多い。そのため、農業組合等が、地域全体で、どの圃場でどの作物がどのぐらいの面積で作付けされているかを把握することは、手間やコストがかかる作業である。農業組合等がいつごろどれくらいの収穫量があるかを予想できることは、収穫物の出荷先との交渉において強みとなる。他の分野においても、同様に、特定エリアの情報を把握することは、手間やコストのかかる作業である。
【0072】
しかしながら、実施形態1及び変形例1によれば、複数の位置情報を取得することで、特定エリアの形状を推定することができる。また、前記特定エリアの形状の推定に際し、前記処理A~処理Cを実行することで、より正確な特定エリアの形状の推定が可能になる。さらには、前記位置情報がZ座標を含むことで、前記立体地図を利用して、山等の高低差を意識したより正確な特定エリアの形状が推定可能になる。マッピング部12が、複数の位置情報群から前記一つの地図を作成することで、例えば、同じ圃場を内で同一の作業を2回に分けて行ったとしても、正確な特定エリアの形状を推定可能である。マッピング部12が、さらに、前記移動経路を記録することで、例えば、前記移動経路のバリエーションが増えて、前記処理Cの精度が向上し、より正確な特定エリアの形状が推定可能になる。また、実施形態1及び変形例1によれば、推定した特定エリアの形状から、その特定エリアの面積を算出することができ、前記面積から収穫量も算出できる。また、実施形態1及び変形例1によれば、前記行動情報から、前記収穫予定日を算出できる。したがって、組合等の管理者は、容易に、特定エリアの情報を把握することができる。また、本発明は、野生動物の縄張り調査、ヒトの行動パターンの解析等にも活用できる。
【0073】
[実施形態2]
図5(A)は、本実施形態のエリア推定システム装置100の一例の構成を示すブロック図である。エリア推定システム装置100は、例えば、位置情報記録型エリア推定システム装置100ともいう。
図4に示すように、本装置100は、前記実施形態1及び変形例1記載のエリア推定装置と、位置情報記録装置20とを含む。位置情報記録装置20は、エリア推定装置10に送信する位置情報群を記録する装置である。
図5に示すように、位置情報記録装置20は、記録部21、入力部22、及び送信部23を含む。
【0074】
位置情報記録装置20は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、前記通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、位置情報記録装置20は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。位置情報記録装置20は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、位置情報記録装置20は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、位置情報記録装置20は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0075】
位置情報記録装置20は、例えば、前記移動体が携帯可能な装置(例えばスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末(腕時計型、腕輪型、メガネ型等)等)であってもよいし、前記移動体に取り付け可能な装置であってもよい。
【0076】
図5(B)に、位置情報記録装置20のハードウエア構成のブロック図を例示する。位置情報記録装置20は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107、位置情報取得装置108等を含む。なお、位置情報取得装置108は、任意の構成であり、含まれなくともよい。位置情報記録装置20のハードウエア構成は、特に言及しない限り、
図3に示すエリア推定装置10のハードウエア構成と同様である。
【0077】
中央処理装置101は、例えば、記録部21及び送信部23として機能する。
【0078】
入力装置105は、例えば、入力部22として機能する。
【0079】
位置情報取得装置108は、位置情報を取得する装置であり、例えば、例えば、GPS(Global Positioning System)、ビーコン等がある。
【0080】
つぎに、本実施形態の位置情報記録型エリア推定方法の一例を、
図6のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の位置情報記録型エリア推定方法は、例えば、
図5のエリア推定システム装置100を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の位置情報記録型エリア推定方法は、
図5のエリア推定システム装置100の使用には限定されない。
【0081】
まず、位置情報記録装置20において、記録部21により、入力部22を介して入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録する(S21)。前記行動情報及び前記位置情報群は、前述と同様である。記録部21は、例えば、位置情報取得装置108を介して、前記位置情報群に含まれる各位置情報を取得してもよい。また、記録部21は、例えば、原点を記録し、原点から「どちらの方向にどれだけ進んだ」というベクトル情報を位置情報に変換して記録してもよい。前記原点は、例えば、位置情報記録装置20が起動を開始した地点や、ユーザによって指定された地点等であってもよい。このように、前記位置情報群に含まれる前記位置情報は、絶対座標でもよいし、相対座標であってもよい。前記記録した位置情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104に記憶されてもよい。
【0082】
また、記録部21は、例えば、前記位置情報に紐づけて前記記録時間を示す時刻情報を記録してもよい。前記時刻情報は、前述と同様である。
【0083】
記録部21は、例えば、開始トリガーを認識した場合に、前記位置情報群の記録を開始してもよい。前記開始トリガーは、例えば、予め設定した任意のイベントであり、入力部22を介して入力される。具体的には、例えば、入力部22による行動情報の入力を開始トリガーとしてもよい。また、記録部21は、例えば、終了トリガーを認識した場合に、前記位置情報群の記録を終了してもよい。前記終了トリガーは、例えば、予め設定した任意のイベントであり、入力部22を介して入力される。具体的には、例えば、入力部22による作業終了の入力を開始トリガーとしてもよい。これにより、位置情報記録装置20は、例えば、位置情報記録装置20を含む前記移動装置が待機場所(例えば、車庫等)~前記特定エリア間の前記位置情報を記録せず、前記特定エリアで前記移動装置が移動している間の前記位置情報のみを記録することができる。
【0084】
また、記録部21は、例えば、前記位置情報群を編集して、特定エリア以外の位置情報を削除してもよい。前記位置情報群を編集可能にするため、記録部21は、例えば、表示装置106に前記位置情報群を出力し、表示装置105は、前記位置情報群を表示してもよい。ユーザ(前記作業者等)は、入力装置105(入力部22)や前記ユーザの指等を用いて、表示された前記位置情報群のうち削除したい位置情報を指定する。そして、記録部21は、指定された前記位置情報を削除する。前記位置情報群を表示する形式は、特に制限されず、例えば、地図に前記位置情報群を重畳して表示してもよい。
【0085】
次に、位置情報記録装置20において、送信部23により、前記位置情報群をエリア推定装置10に送信する(S22)。送信部23は、例えば、入力部22を介して入力された収穫目安量情報や収穫日設定情報等をエリア推定装置10に送信してもよい。
【0086】
そして、前述と同様に、エリア推定装置10において、位置情報取得部11による前記位置情報群の取得(S23)、マッピング部12によるマッピング(S24)、エリア推定部13による特定エリアの形状の推定(S25)、を実行し、終了する(END)。また、図示していないが、前述と同様に、面積算出部14による前記特定エリアの面積の算出、収穫情報取得部15による収穫目安量情報の取得、収穫量算出部16による収穫量の算出、収穫情報取得部15による収穫日設定情報の取得、収穫予定日算出部17による収穫予定日の算出、等が実行されてもよい。
【0087】
本実施形態によれば、前記実施形態1及び前記変形例1と同様に、特定エリアの形状を推定することができる。また、前記開始トリガー及び前記終了トリガーを用いて、前記位置情報を記録するタイミングを制御することで、特定エリアの形状をより正確に推定することができる。さらに、前記位置情報データの編集によっても、特定エリアの形状をより正確に推定することができる。
【0088】
[実施形態3]
図7~8を用いて、圃場に本発明を適用した一例を説明する。
【0089】
図7は、エリア推定部13の処理の一例を示す図である。
図7(A)左図は、マッピング部12により複数の位置情報が示す各地点1~9がマッピングされた地図の一例である。
図7(A)左図において、各地点1~9は、その順番で、位置情報が記録されており、移動経路を実線の矢印にて示している。なお、地点1~3と、地点3~4及び9と、地点7~9と、地点1及び6~7とは、それぞれX座標またはY座標のいずれか一方が同じ座標上にあるものとする。この場合、前述の処理Aにより、地点1、地点3、地点7、地点9を各頂点とする初期多角形(四角形)が形成される。
図7(A)左図から明らかのように、前記初期多角形の外側に、他の地点は存在しないため、前述の処理Bは省略される。一方で、
図7(A)右図に示すように、前述の処理Cにより前記初期多角形と同じ形の前記末期多角形が形成される。そして、エリア推定部13は、
図7(A)右図に示す前記末期多角形(前記初期多角形)を圃場の形状として推定する。
【0090】
一方で、
図7(B)左図は、複数の位置情報群から取得された位置情報に基づいて、各地点10~40がマッピングされた地図の一例である。具体的に、各地点10~40のうち、1つ目の位置情報群として、地点10、11、12、13、14、15、16、17、18、及び40のそれぞれを示す各位置情報をこの順番で取得しており、2つ目の位置情報群として、地点10、21、22、23、24、25、26、27、及び40のそれぞれを示す各位置情報をこの順番で取得しており、3つ目の位置情報群として、地点10、31、32、33、34、35、36、37、及び40のそれぞれを示す各位置情報をこの順番で取得しているものとする。マッピング部12は、これら3つの位置情報群から、
図7(B)左図に示すような前記一つの地図を作成しているものとする。なお、「地点10、11、21、31、12、及び22」と、「地点22、32、13、23、33、及び40」と、「地点10、25、35、16、26、及び36」と、「地点36、17、27、37、18、及び40」と、「地点25、15、34、24、14、及び33」とは、それぞれX座標またはY座標のいずれか一方が同じ座標上にあるものとする。この場合、前述の処理Aにより、地点10、地点22、地点36、地点40を各頂点とする初期多角形(四角形)が形成される。
図7(B)左図から明らかのように、前記初期多角形の外側に、他の地点は存在しないため、前述の処理Bは省略される。一方で、前述の処理Cにより、
図7(B)右図に示すような形の前記末期多角形が形成される。そして、エリア推定部13は、
図7(B)右図に示す前記末期多角形(前記初期多角形)を圃場の形状として推定する。このように、前記位置情報群を複数取得して、前記一つ地図を作成することで、
図7(B)右図に示すような窪みのある土地であっても、正確にその形状を推定することができる。
【0091】
図8は、エリア推定部13の処理の一例を示す図である。なお、
図8(1)以外の図は、相対座標上に各位置情報をマッピングしている図である。
図8(1)におけるグレーで塗りつぶされたエリアは、圃場を示し、丸印(グレー)は、前記位置情報を示し、矢印は、前記移動経路を示す。この場合、前述の処理Aにより、
図8(2)にて三角印(白)で示した4点を各頂点として実線で示す初期多角形(四角形)が形成される。次に、前述の処理Bにより、
図8(3)にて四角印(白)で示した各点が抽出され、最終的に、破線線で示す中期多角形が形成される。これにより、実線で示した初期多角形が拡張されたことになる。次に、前述の処理Cにより、
図8(4)にて星印(白)で示した各点が抽出され、最終的に、太線で示す末期多角形が形成される。なお、
図8(4)における一点鎖線は、地点抽出部131による末期群地点の候補地点抽出(前記工程(S131c1))、判定部133による前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかの判定(前記工程(S133c))、地点抽出部131による末期群地点の抽出(前記工程(S131c2))、多角形形成部132による前記末期多角形の形成(前記工程(S132c)、を繰り返し実行した過程で形成した各末期多角形の辺を示すものである。このように、多角形の拡張及び縮小を行うことで、正確な圃場の形状を推定することができる。
【0092】
[実施形態4]
特定エリア内の非特定エリアを推定する形態について説明する。
【0093】
マッピング部12は、例えば、前記複数の位置情報が示す各地点を、前記位置情報の取得対象である移動体と対応する大きさ及び形状のピン(目印)を用いて地図上にマッピングしてもよい。前記ピンは、例えば、前記移動体が位置情報記録装置20を携帯する人である場合は、地図の縮小に合わせた大きさの円等であってもよいし、前記移動体が位置情報記録装置20を備える装置である場合は、地図の縮小に合わせた大きさの長方形であってもよい。
【0094】
マッピング部12による処理(工程(S12))以降は、例えば、「地点」を「ピン」と読み替えることができる。また、後述するように、マッピング部12による処理(工程(S12))以降は、例えば、「移動経路」を「線」と読み替えることもできる。
【0095】
そして、前記処理Cにおいて、多角形形成部132により、前記各頂点の前記ピン間を前記ピンの大きさ及び形状から構成される線にて結ぶことで末期多角形の外枠を形成する。具体的に、前記線は、例えば、一方のピンから他方のピンに向かい、前記一方のピンをスライドさせるように移動させることで、そのスライドの軌跡が前記ピンの大きさ及び形状から構成される線となる。
【0096】
また、前記処理Cにおいて、多角形形成部132により、前記ピン間の前記移動経路を、前記ピンの大きさ及び形状から構成される線にて結ぶ。
【0097】
そして、エリア推定部13は、前記末期多角形に基づき、前記特定エリアの形状を推定し、且つ前記末期多角形内において前記ピン及び前記線の双方が存在しないエリアを非特定エリアとして推定する。具体的に、例えば、前記地図の座標系を任意の大きさ(例えば、1mmや1cm単位等)のマス目で区切り、前記マス目のうち、前記ピン及び前記線の双方が存在しないマス目を特定し、そのマス目を前記非特定エリアとして推定してもよい。前記非特定エリアと特定されたマス目同士が隣接している場合、その各マス目を結合して、1つの非特定エリアとしてもよい。また、エリア推定部13は、例えば、予め設定した大きさ以下の前記ピン及び前記線の双方が存在しないエリアは、前記非特定エリアとして推定しなくともよい。前記大きさは、特に制限されず、任意に設定可能であり、例えば、直径10cmの円等と設定されてもよい。前記非特定エリアは、2つ以上あってもよい。なお、ここで、前記非特定エリアとは、前記特定エリア内において、地面上又は床上に、物体が設置されていて、前記移動体が通行できないエリアをいう。前記非特定エリアの具体例としては、例えば、圃場等の土地内の小屋や物置、室内等の屋内の柱や家具等が設置されている場所が挙げられるが、例示であって、これらに限定されない。
【0098】
本実施形態によれば、例えば、前記特定エリア内の非特定エリアを推定することができ、より正確な前記特定エリアの形状の推定が可能である。また、前記ピンを用いることで、前記末期多角形を前記ピンの大きさ分だけ外側に拡大することができ、前記地点を点として捉えるよりも、より正確な前記特定エリアの形状の推定が可能である。
【0099】
なお、本発明は、圃場に限定されず、前述のように、各種エリアに適用可能である。そして、本発明は、前述のように、野生動物の縄張り調査、ヒトの行動パターンの解析等にも活用できる。
【0100】
[実施形態5]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0101】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0102】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
位置情報取得部、マッピング部、及びエリア推定部を含み、
前記位置情報取得部は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング部は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記エリア推定部は、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定する、エリア推定装置。
(付記2)
前記位置情報取得部は、複数の位置情報群を取得し、
前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間の間に行われた同種の一連の行動であり、
前記マッピング部は、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成する、付記1記載のエリア推定装置。
(付記3)
前記エリア推定部は、地点抽出部、多角形形成部、及び判定部を含み、
前記地点抽出部は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定部は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出部は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定部は、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、付記1又は2記載のエリア推定装置。
(付記4)
前記判定部により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合に、
前記地点抽出部は、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成し、
前記地点抽出部は、前記中期多角形を用いて、末期地点群の候補地点を抽出し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成する、付記3記載のエリア推定装置。
(付記5)
前記位置情報は、さらに、前記記録時間を示す時刻情報を含み、
前記マッピング部は、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録し、
前記判定部は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成部により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が存在するかを判定し、
前記地点抽出部は、前記判定部により前記地点及び前記移動経路が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する、付記3または4記載のエリア推定装置。
(付記6)
前記位置情報は、X座標とY座標とZ座標を含み、
前記地点抽出部は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点との6地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成部は、複数の多角形を形成し、且つ前記複数の多角形から構成される多面体を形成する、付記3から5のいずれかに記載のエリア推定装置。
(付記7)
さらに、面積算出部を含み、
前記面積算出部は、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する、付記1から6のいずれかに記載のエリア推定装置。
(付記8)
さらに、収穫情報取得部、及び収穫量算出部を含み、
前記収穫情報取得部は、収穫目安量情報を取得し、
前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報であり、
前記収穫量算出部は、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記特定エリア内の前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出する、付記7記載のエリア推定装置。
(付記9)
さらに、収穫予定日算出部を含み、
前記収穫情報取得部は、収穫日設定情報を取得し、
前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、
前記収穫予定日算出部は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する、付記1から8のいずれかに記載のエリア推定装置。
(付記10)
付記1から9のいずれかに記載のエリア推定装置に送信する位置情報群を記録する位置情報記録装置であって、
記録部、入力部、及び送信部を含み、
前記記録部は、前記入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、位置情報記録装置。
(付記11)
付記1から9のいずれかに記載のエリア推定装置と、付記10記載の位置情報記録装置とを含み、
前記位置情報記録装置の前記送信部は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信し、
前記エリア推定装置の前記位置情報取得部は、前記位置情報記録装置から前記位置情報群を取得する、エリア推定システム装置。
(付記12)
位置情報取得工程、マッピング工程、及びエリア推定工程を含み、
前記位置情報取得工程は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング工程は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記エリア推定工程は、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定する、エリア推定方法。
(付記13)
前記位置情報取得工程は、複数の位置情報群を取得し、
前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間の間に行われた同種の一連の行動であり、
前記マッピング工程は、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成する、付記12記載のエリア推定方法。
(付記14)
前記エリア推定工程は、地点抽出工程、多角形形成工程、及び判定工程を含み、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定工程は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出工程は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定工程は、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、付記12又は13記載のエリア推定方法。
(付記15)
前記判定工程により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合に、
前記地点抽出工程は、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成し、
前記地点抽出工程は、前記中期多角形を用いて、末期地点群の候補地点を抽出し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成する、付記14記載のエリア推定方法。
(付記16)
前記位置情報は、さらに、前記記録時間を示す時刻情報を含み、
前記マッピング工程は、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録し、
前記判定工程は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成工程により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が含まれるかを判定し、
前記地点抽出工程は、前記判定工程により前記地点及び前記移動経路が含まれないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する、付記14又は15記載のエリア推定方法。
(付記17)
前記位置情報は、X座標とY座標とZ座標を含み、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点との6地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、複数の多面体を形成し、且つ前記複数の多面体から構成される多面体を形成する、付記14から16のいずれかに記載のエリア推定方法。
(付記18)
さらに、面積算出工程を含み、
前記面積算出工程は、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する、付記12から17のいずれかに記載のエリア推定方法。
(付記19)
さらに、収穫情報取得工程、及び収穫量算出工程を含み、
前記収穫情報取得工程は、収穫目安量情報を取得し、
前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報であり、
前記収穫量算出工程は、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記特定エリア内の前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出する、付記12から18のいずれかに記載のエリア推定方法。
(付記20)
さらに、収穫予定日算出工程を含み、
前記収穫情報取得工程は、収穫日設定情報を取得し、
前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、
前記収穫予定日算出工程は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する、付記12から19のいずれかに記載のエリア推定方法。
(付記21)
付記12から20のいずれかに記載のエリア推定方法を実行する装置に送信するために、位置情報群を記録する位置情報記録方法であって、
記録工程、及び送信工程を含み、
前記記録工程は、入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信工程は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する、位置情報記録方法。
(付記22)
付記12から20のいずれかに記載のエリア推定方法と、付記21記載の位置情報記録方法とを含み、
前記位置情報記録方法の前記送信工程は、前記位置情報群を前記エリア推定方法を実行する装置に送信し、
前記エリア推定方法の前記位置情報取得工程は、前記位置情報記録方法を実行する装置から前記位置情報群を取得する、位置情報記録型エリア推定方法。
(付記23)
コンピュータに、位置情報取得手順、マッピング手順、及びエリア推定手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記位置情報取得手順は、行動情報と紐づけられた位置情報群を取得し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記マッピング手順は、前記複数の位置情報が示す各地点を地図上にマッピングし、
前記エリア推定手順は、前記マッピングした各地点を用いて、特定エリアの形状を推定する。
(付記24)
前記位置情報取得手順は、複数の位置情報群を取得し、
前記複数の位置情報群に紐づけられた前記行動情報は、一定期間の間に行われた同種の一連の行動であり、
前記マッピング手順は、前記複数の位置情報が示す各地点を示す一つの地図を作成する、付記23記載のプログラム。
(付記25)
前記エリア推定手順は、地点抽出手順、多角形形成手順、及び判定手順を含み、
前記地点抽出手順は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、の4地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群を各頂点とする初期多角形を形成し、
前記判定手順は、前記初期多角形の外側に前記初期地点群以外の地点が1つでも存在するかを判定し、
前記判定手順により前記地点が存在しないと判定された場合、
前記地点抽出手順は、前記初期多角形の辺毎に、前記辺と前記初期多角形の内側にある前記各地点とを垂線で結び、前記垂線の長さが最も短くなる前記地点を末期地点群の候補地点として抽出し、
前記判定手順は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成手順により、前記初期地点群と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出手順は、前記判定手順により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成し、
前記エリア推定手順は、前記末期多角形に基づき、特定エリアの形状を推定する、付記23又は24記載のプログラム。
(付記26)
前記判定手順により前記初期地点群以外の地点が存在すると判定された場合に、
前記地点抽出手順は、前記初期多角形を基準として、前記初期多角形の各辺及びその延長線を境界にして前記初期多角形の外側を複数の領域に分割し、且つ前記各領域内の前記地点毎に、前記地点と前記地点を含む前記領域の境界である前記辺とを垂線を結び、前記領域内の前記地点のうち、前記垂線の長さが最も長くなる前記地点を中期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群と、前記中期地点群とを頂点とする中期多角形を形成し、
前記地点抽出手順は、前記中期多角形を用いて、末期地点群の候補地点を抽出し、
前記判定手順は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成手順により、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群の候補地点とを各頂点とする末期多角形を形成したと仮定した場合に、前記末期多角形の外側に前記地点が存在するかを判定し、
前記地点抽出手順は、前記判定手順により前記地点が存在しないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出し、
前記多角形形成手順は、前記初期地点群と、前記中期地点と、前記末期地点群とを各頂点とする末期多角形を形成する、付記25記載のプログラム。
(付記27)
前記位置情報は、さらに、前記記録時間を示す時刻情報を含み、
前記マッピング手順は、さらに、前記時刻情報に基づき、前記マッピングした各地点への移動経路を記録し、
前記判定手順は、前記末期地点群の候補地点毎に、前記多角形形成手順により、前記末期多角形を形成したと仮定した場合に、さらに、前記末期多角形の外側に前記移動経路が含まれるかを判定し、
前記地点抽出手順は、前記判定手順により前記地点及び前記移動経路が含まれないと判定された場合に、前記候補地点を前記末期地点群として抽出する、付記25又は26記載のプログラム。
(付記28)
前記位置情報は、X座標とY座標とZ座標を含み、
前記地点抽出工程は、前記各地点のうち、前記X座標が最大であるXMAX地点と、前記X座標が最小であるXMIN地点と、前記Y座標が最大であるYMAX地点と、前記Y座標が最小であるYMIN地点と、前記Z座標が最大であるZMAX地点と、前記Z座標が最小であるZMIN地点との6地点を初期地点群として抽出し、
前記多角形形成工程は、複数の多面体を形成し、且つ前記複数の多面体から構成される多面体を形成する、付記25から27のいずれかに記載のプログラム。
(付記29)
さらに、面積算出手順を含み、
前記面積算出手順は、前記特定エリアの形状から前記特定エリアの面積を算出する、付記23から28のいずれかに記載のプログラム。
(付記30)
さらに、収穫情報取得手順、及び収穫量算出手順を含み、
前記収穫情報取得手順は、収穫目安量情報を取得し、
前記収穫目安量情報は、前記特定エリア内で管理されている作業対象の収穫目安量に関する情報であり、
前記収穫量算出手順は、前記面積と前記収穫目安量情報とに基づき、前記特定エリア内の前記作業対象から収穫されると推定される収穫量を算出する、付記29記載のプログラム。
(付記31)
さらに、収穫予定日算出手順を含み、
前記収穫情報取得手順は、収穫日設定情報を取得し、
前記収穫日設定情報は、作業の種類毎に収穫予定日を設定した情報であり、
前記収穫予定日算出手順は、取得した前記位置情報群に紐づけられている行動情報と前記収穫日設定情報とに基づき、前記作業対象の収穫予定日を算出する、付記23から30のいずれかに記載のプログラム。
(付記32)
付記23から31のいずれかに記載のプログラムを実行する装置に送信するために、位置情報群を記録するプログラムであって、
コンピュータに、記録手順、及び送信手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記記録手順は、入力部により入力された行動情報と紐づけて位置情報群を記録し、
前記行動情報は、一連の行動に関する情報であり、
前記位置情報群は、記録時間の異なる複数の位置情報を含み、
前記位置情報は、前記位置情報記録装置の位置を示す装置であり、
前記位置情報は、X座標及びY座標を含み、
前記送信手順は、前記位置情報群を前記エリア推定装置に送信する。
(付記33)
付記23から31のいずれかに記載の第1のプログラムと、付記32記載の第2のプログラムとを含み、
前記第2のプログラムの前記送信手順は、前記位置情報群を前記第1のプログラムを実行する装置に送信し、
前記第1のプログラムの前記位置情報取得手順は、前記第2のプログラムを実行する装置から前記位置情報群を取得する、プログラム。
(付記34)
付記23から32のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によれば、特定エリアの形状をより正確に且つ容易に推定することができる。このため、本発明は、例えば、圃場等の屋外の土地、及び屋内のスペース、等の形状や面積を把握する場合において有用である。
【符号の説明】
【0104】
10 エリア推定装置
11 位置情報取得部
12 マッピング部
13 エリア推定部
131 地点抽出部
132 多角形形成部
133 判定部
14 面積算出部
15 収穫情報取得部
16 収穫量算出部
17 収穫予定日算出部
20 位置情報記録装置
21 記録部
22 入力部
23 送信部
100 位置情報記録型エリア推定装置
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス
108 位置情報取得装置