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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】吻合口の保護装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A61B17/11
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023530514
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2021131646
(87)【国際公開番号】W WO2022105853
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】202011311153.X
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022714586.1
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022714234.6
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022714425.2
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011314455.2
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022714356.5
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022704636.8
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515172670
【氏名又は名称】天臣国▲際▼医▲療▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Touchstone International Medical Science Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】278 Dongping Street,Suzhou Industrial Park,Suzhou,Jiangsu,215123 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】単 ▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 望▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】曹 元▲陽▼
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-520782(JP,A)
【文献】特開2010-017544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0200975(US,A1)
【文献】国際公開第2004/089248(WO,A2)
【文献】国際公開第2003/086507(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0300672(US,A1)
【文献】特表2012-522595(JP,A)
【文献】実開平02-096103(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105496487(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護スリーブと、固定アセンブリとを備える吻合口の保護装置であって、
前記保護スリーブは、管状組織内部において両端が前記吻合口の両側にそれぞれ位置し
前記固定アセンブリは、少なくとも1つの第1の固定部材と少なくとも1つの第2の固定部材を備え、前記少なくとも1つの第1の固定部材は、管状組織の外壁に設けられ、前記少なくとも1つの第2の固定部材は、前記保護スリーブの内表面の前記少なくとも1つの第1の固定部材に対応する位置に設けられ、前記少なくとも1つの第1の固定部材前記少なくとも1つの第2の固定部材とは、磁性吸着により相対的に固定されていることを特徴とする、吻合口の保護装置。
【請求項2】
前記固定アセンブリは、複数の第1の固定部材複数の第2の固定部材とを備え、前記複数の第1の固定部材の間に間隔が設けられ、前記複数の第1の固定部材と前記複数の第2の固定部材とは、それぞれ前記管状組織の周方向に沿って順に対応して配列されて、前記複数の第2の固定部材の間に間隔が設けられ、
前記対応して配列されている前記複数の第1の固定部材と対応して配列されている前記複数の第2の固定部材とは、いずれも磁性体であり、又は、少なくとも一方は、磁性体であり、他方は、非磁性体であることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項3】
前記固定アセンブリは、前記吻合口の上流側に設けられ、又は、2つの前記固定アセンブリを備え、2つの前記固定アセンブリは、前記吻合口の上流側及び下流側にそれぞれ設けられ、
前記保護スリーブの前記吻合口の上流に位置する一端に支持部が設けられており、前記支持部は、前記保護スリーブの径方向に伸縮可能であり、前記固定アセンブリは、前記吻合口と前記支持部との間に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項4】
前記固定アセンブリは、少なくとも1つの接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記少なくとも1つの第1の固定部材を載置する第1の接続部材を備え、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲むことを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項5】
前記第1の接続部材に接続構造が設けられており、前記第1の接続部材は、前記接続構造を接続して前記管状組織の外壁を取り囲み、又は、前記接続構造を切断して前記管状組織の外壁から離脱することを特徴とする、請求項4に記載の吻合口の保護装置。
【請求項6】
前記固定アセンブリは、少なくとも1つの接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記少なくとも1つの第2の固定部材を載置する第2の接続部材を備え、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブの内表面に位置することを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項7】
前記第2の接続部材は、前記保護スリーブと一体に成形されていることを特徴とする、請求項6に記載の吻合口の保護装置。
【請求項8】
前記固定アセンブリは、接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記少なくとも1つの第1の固定部材を載置する第1の接続部材、及び/又は、前記少なくとも1つの第2の固定部材を載置する第2の接続部材を備え、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲み、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブの内表面に位置し、
前記接続部材は、弾性接続部材であり、2つの載置部及び弾性接続部を備え、1つの載置部は、前記少なくとも1つの第1の固定部材を載置し及び/又は他の載置部は、前記少なくとも1つの第2の固定部材を載置し、前記弾性接続部は、隣接する2つの前記載置部の間に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項9】
前記載置部と前記弾性接続部とは、
前記載置部の弾性が前記弾性接続部の弾性よりも小さいこと、
前記載置部の幅が前記少なくとも1つの第1の固定部材又は第2の固定部材の幅に適合し、前記載置部の幅が前記弾性接続部の幅よりも大きいこと、
前記載置部の厚さが前記弾性接続部の厚さよりも大きいこと、
前記載置部が前記少なくとも1つの第1の固定部材又は第2の固定部材を取り囲む環状構造であり、前記環状構造の壁の幅が前記弾性接続部の幅よりも大きいことのうちの少なくとも1つの条件を満たしていることを特徴とする、請求項8に記載の吻合口の保護装置。
【請求項10】
前記固定アセンブリは、接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記少なくとも1つの第1の固定部材を載置する第1の接続部材及び/又は前記少なくとも1つの第2の固定部材を載置する第2の接続部材を備え、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲み、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブの内表面に位置し、前記第1の接続部材に対応し、
前記少なくとも1つの第1の固定部材の周方向の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第1の接続部材の内周は、前記固定部材取付溝に嵌合し、又は、前記第1の接続部材の内周の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記少なくとも1つの第1の固定部材は、前記固定部材取付溝に嵌合し、
前記少なくとも1つの第2の固定部材の周方向の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第2の接続部材の内周は、前記固定部材取付溝に嵌合し、又は、前記第2の接続部材の内周の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記少なくとも1つの第2の固定部材は、前記固定部材取付溝に嵌合することを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項11】
前記保護スリーブの内表面には、前記少なくとも1つの第2の固定部材に一対一対応する取付溝が設けられており、前記少なくとも1つの第2の固定部材は、対応する取付溝に嵌設され、
前記少なくとも1つの第2の固定部材は、前記取付溝に締りばめして嵌合し、
前記取付溝は、前記保護スリーブの内表面に設けられた窪みであり、又は、前記取付溝は、前記保護スリーブの内表面に突出した環状取付部材によって囲まれて形成されているいることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項12】
前記固定アセンブリは、複数の第1の固定部材を備え、前記複数の第1の固定部材は、順次に首尾が接続されて環状に形成され、隣接する2つの前記第1の固定部材の接続位置伸縮可能な接続構造を形成し、及び/又は、
前記固定アセンブリは、複数の第2の固定部材を備え、前記複数の第2の固定部材は、順次に首尾が接続されて環状に形成され、隣接する2つの前記第2の固定部材の接続位置伸縮可能な接続構造を形成することを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の固定部材及び/又は前記第2の固定部材に磁性粒子が分布していることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の固定部材は、前記管状組織の外壁を取り囲む第1の接続部材を備え、前記第1の接続部材に第1の吸引部が設けられており、前記第1の吸引部の表面に第3の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、内部に磁性粒子がドーピングされ、及び/又は、
前記少なくとも1つの第2の固定部材は、前記管状組織の内壁に位置する第2の接続部材を備え、前記第2の接続部材に第2の吸引部が設けられており、前記第2の吸引部の表面に第4の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、前記第2の接続部材の内部に磁性粒子がドーピングされていることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第2の固定部材は、第2の磁性粒子コーティングを備え、前記第2の磁性粒子コーティングは、前記保護スリーブの内表面に塗布されていることを特徴とする、請求項1に記載の吻合口の保護装置。
【請求項16】
操作アセンブリをさらに備え、
前記操作アセンブリは、第1の操作部材と第2の操作部材とを備え、前記第1の操作部材は、前記第1の接続部材の第1の端に接続され、前記第1の接続部材の第2の端は、前記第2の操作部材に接続され、前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材と第1の方向に相対的に固定され、前記第1の方向は、前記第1の操作部材の第1の端における軸方向であり、
前記第1の接続部材は、第1の状態と第2の状態を備え、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記第1の接続部材の第2の端は、前記第2の操作部材に接続され、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲み、前記第2の操作部材の少なくとも一部は、体外に延び、
前記第1の接続部材が前記第2の状態にある場合、前記第1の接続部材の第2の端は、前記第2の操作部材から分離され、前記第1の接続部材は、閉鎖されていないストライプ状を呈して前記管状組織の外壁から離脱することができることを特徴とする、請求項4に記載の吻合口の保護装置。
【請求項17】
前記第1の操作部材は、管状であり、前記第1の操作部材は、前記第2の操作部材の外部に外嵌され
前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材に対して回転可能であり、前記第1の接続部材の第2の端に第1のねじ部が設けられており、前記第2の操作部材の第1の端に第2のねじ部が設けられており、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とは、ねじで互いに係合していることを特徴とする、請求項16に記載の吻合口の保護装置。
【請求項18】
前記第2の操作部材は、空気入り可能なバルーン及び空気入りチューブを備え、
前記空気入り可能なバルーンは、前記第2の操作部材に接続され、前記第1の操作部材と前記第1の方向に相対的に固定され、前記バルーンは、第3の状態及び第4の状態を備え、
前記空気入りチューブの第1の端は、前記バルーンの内部に連通し、前記バルーンに対して空気を入れ又は放出し、
前記第1の接続部材の第2の端にバルーン協働部が設けられており、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記バルーンは、第3の状態にあり、前記バルーンは、前記バルーン協働部に対して固定され、前記空気入りチューブの第2の端は、体外に伸び、前記第1の接続部材が前記第2の状態にある場合、前記バルーンは、第4の状態にあり、前記バルーンは、前記バルーン協働部から分離することができることを特徴とする、請求項16に記載の吻合口の保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に関し、具体的には吻合口の保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腸管に切断縫合手術を行った後、排泄物が吻合口に張力を加え、又は、排泄物が吻合口を汚染して吻合口感染を起こすことを回避するためには、一般的に吻合口を保護する必要がある。
【0003】
既存の吻合口保護方式は、一般的に、腸管内部に管状カニューレを設置し、カニューレが腸管の内表面において吻合口に対応する位置を覆って、カニューレを通じて排泄物を人体外に導入し、吻合口を効果的に保護することができるだけでなく、吻合口の生理組織が成長した後、2回の手術を行う必要がなく、カニューレを直接に取り出すればよい。カニューレを所望の位置によりよく固定するためには、カニューレの外部に、固定な直径を有し腸管を位置決定に囲むように配置された固定ベルトを設置する必要がある。しかし、この固定ベルトは、必然的に腸管に一定の圧力を形成し、腸管の正常な蠕動を阻害し、さらに、固定帯の持続圧力により吻合口付近の血液供給不良などの問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、保護スリーブと、固定アセンブリとを備える吻合口の保護装置を提供し、保護スリーブは、管状組織内部において吻合口に対応する位置に位置し、固定アセンブリは、少なくとも1つの第1の固定部材と少なくとも1つの第2の固定部材を備え、前記第1の固定部材は、管状組織の外壁に設けられ、前記第2の固定部材は、前記保護スリーブの内表面の前記第1の固定部材に対応する位置に設けられ、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とは、磁性吸着により相対的に固定されている。
【0005】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、複数の前記第1の固定部材と複数の前記第2の固定部材とを備え、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とは、それぞれ前記管状組織の周方向に沿って順に対応して配列されている。
【0006】
いくつかの実施例では、前記対応して配列されている第1の固定部材と対応して配列されている前記第2の固定部材とは、いずれも磁性体であり、又は、少なくとも一方は、磁性体であり、他方は、非磁性体である。
【0007】
いくつかの実施例では、複数の前記第1の固定部材の間に間隔が設けられ、複数の前記第2の固定部材の間に間隔が設けられている。
【0008】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、前記吻合口の上流側に設けられている。
【0009】
いくつかの実施例では、前記保護スリーブの前記吻合口の上流に位置する一端に支持部が設けられており、前記支持部は、前記保護スリーブの径方向に伸縮可能であり、前記固定アセンブリは、前記吻合口と前記支持部との間に設けられる。
【0010】
いくつかの実施例では、2つの前記固定アセンブリを備え、2つの前記固定アセンブリは、前記吻合口の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。
【0011】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、少なくとも1つの接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記第1の固定部材を載置する第1の接続部材を備え、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1の接続部材に接続構造が設けられており、前記第1の接続部材は、前記接続構造に接続されて前記管状組織の外壁を取り囲み、又は、前記接続構造に切断されて前記管状組織の外壁から離脱する。
【0013】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、少なくとも1つの接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記第2の固定部材を載置する第2の接続部材を備え、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブの内表面に位置する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブと一体に成形されている。
【0015】
いくつかの実施例では、前記接続部材が前記管状組織に取り付けられた場合、前記接続部材は、前記管状組織の周方向に沿って伸縮することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記接続部材は、弾性接続部材であり、前記接続部材は、載置部及び弾性接続部を備え、前記載置部は、前記第1の固定部材及び/又は前記第2の固定部材を載置し、前記弾性接続部は、隣接する2つの前記載置部の間に接続されている。
【0017】
いくつかの実施例では、前記載置部と前記弾性接続部とは、前記載置部の弾性が前記弾性接続部の弾性よりも小さいこと、前記載置部の幅が前記第1の固定部材又は第2の固定部材の幅に適合し、前記載置部の幅が前記弾性接続部の幅よりも大きいこと、前記載置部の厚さが前記弾性接続部の厚さよりも大きいこと、前記載置部が前記第1の固定部材又は第2の固定部材を取り囲む環状構造であり、前記環状構造の壁の幅が前記弾性接続部の幅よりも大きいことのうちの少なくとも1つの条件を満たしている。
【0018】
いくつかの実施例では、前記接続部材は、生体吸収性材料を用いている。
【0019】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、少なくとも1つの接続部材をさらに備え、前記接続部材は、前記第1の固定部材を載置する第1の接続部材及び/又は前記第2の固定部材を載置する第2の接続部材を備え、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲み、前記第2の接続部材は、前記保護スリーブの内表面に位置し、前記第1の接続部材に対応し、前記第1の固定部材の周方向の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第1の接続部材の内周は、前記固定部材取付溝に嵌合し、又は、前記第1の接続部材の内周の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第1の固定部材は、前記固定部材取付溝に嵌合し、前記第2の固定部材の周方向の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第2の接続部材の内周は、前記固定部材取付溝に嵌合し、又は、前記第2の接続部材の内周の少なくとも一部に固定部材取付溝が設けられており、前記第2の固定部材は、前記固定部材取付溝に嵌合する。
【0020】
いくつかの実施例では、前記保護スリーブの内表面には、前記第2の固定部材に一対一対応する取付溝が設けられており、前記第2の固定部材は、対応する取付溝に嵌設されている。
【0021】
いくつかの実施例では、前記第2の固定部材は、前記取付溝に締りばめして嵌合する。
【0022】
いくつかの実施例では、前記取付溝は、前記保護スリーブの内表面に設けられた窪みであり、又は、前記取付溝は、前記保護スリーブの内表面に突出した環状取付部材によって囲まれて形成されている。
【0023】
いくつかの実施例では、前記第1の固定部材の前記管状組織に対向する表面は、円弧状の表面であり、前記第2の固定部材の前記保護スリーブに対向する表面は、円弧状の表面である。
【0024】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの前記第1の固定部材は、生体吸収性材料を用い、及び/又は、少なくとも1つの前記第2の固定部材は、生体吸収性材料を用いている。
【0025】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの前記第1の固定部材は、磁性固定部材であり、及び/又は、少なくとも1つの前記第2の固定部材は、磁性固定部材である。
【0026】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの前記第1の固定部材は、生体吸収性磁性固定部材であり、及び/又は少なくとも1つの前記第2の固定部材は、生体吸収性磁性固定部材である。
【0027】
いくつかの実施例では、前記固定アセンブリは、複数の前記第1の固定部材を備え、複数の前記第1の固定部材は、順次に首尾が接続されて環状に形成され、隣接する2つの前記第1の固定部材の接続位置が伸縮可能な接続構造を形成し、及び/又は、前記固定アセンブリは、複数の前記第2の固定部材を備え、複数の前記第2の固定部材は、順次に首尾が接続されて環状に形成され、隣接する2つの前記第2の固定部材の接続位置が伸縮可能な接続構造を形成する。
【0028】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの前記第1の固定部材及び/又は前記第2の固定部材に磁性粒子が分布している。
【0029】
いくつかの実施例では、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材に磁性粒子が分布しており、前記第1の固定部材における磁性粒子の磁性は、同じであり、前記第2の固定部材における磁性粒子の磁性は、同じであり、前記第1の固定部材における磁性粒子と前記第2の固定部材における磁性粒子の磁性とは、反対である。
【0030】
いくつかの実施例では、前記第1の固定部材及び/又は前記第2の固定部材の表面に第1の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、内部に磁性粒子がドーピングされている。
【0031】
いくつかの実施例では、前記第1の固定部材は、前記管状組織の外壁を取り囲む第1の接続部材を備え、前記第1の接続部材に第1の吸引部が設けられており、前記第1の吸引部の表面に第3の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、内部に磁性粒子がドーピングされ、及び/又は、前記第2の固定部材は、前記管状組織の内壁に位置する第2の接続部材を備え、前記第2の接続部材に第2の吸引部が設けられており、前記第2の吸引部の表面に第4の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、前記第2の接続部材の内部に磁性粒子がドーピングされている。
【0032】
いくつかの実施例では、前記第2の固定部材は、第2の磁性粒子コーティングを備え、前記第2の磁性粒子コーティングは、前記保護スリーブの内表面に塗布されている。
【0033】
いくつかの実施例では、操作アセンブリをさらに備え、前記操作アセンブリは、第1の操作部材と第2の操作部材とを備え、前記第1の操作部材は、前記第1の接続部材の第1の端に接続され、前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材と第1の方向に相対的に固定され、前記第1の接続部材は、第1の状態と第2の状態を備え、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記第1の接続部材の第2の端は、前記第2の操作部材に接続され、前記第1の接続部材は、前記管状組織の外壁を取り囲み、前記第2の操作部材の少なくとも一部は、体外に延び、前記第1の接続部材が前記第2の状態にある場合、前記第1の接続部材の第2の端は、前記第2の操作部材から分離され、前記第1の接続部材は、閉鎖されていないストライプ状を呈して前記管状組織の外壁から離脱することができる。
【0034】
いくつかの実施例では、前記第1の操作部材は、管状であり、前記第1の操作部材は、前記第2の操作部材の外部に外嵌され、前記第1の方向は、前記第1の操作部材の第1の端における軸方向であり、前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材に対して回転可能であり、前記第1の固定部材の第2の端に第1のねじ部が設けられており、前記第2の操作部材の第1の端に第2のねじ部が設けられており、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部とは、ねじで互いに係合している。
【0035】
いくつかの実施例では、前記第2の操作部材は、空気入り可能なバルーン及び空気入りチューブを備え、空気入り可能なバルーンは、前記第1の操作部材と前記第1の方向に相対的に固定され、前記バルーンは、第3の状態及び第4の状態を備え、前記空気入りチューブの第1の端は、前記バルーンの内部に連通し、前記バルーンに対して空気を入れ又は放出し、前記第1の固定部材の第2の端にバルーン協働部が設けられており、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記バルーンは、第3の状態にあり、前記バルーンは、前記バルーン協働部に対して固定され、前記空気入りチューブの第2の端は、体外に伸び、前記第1の固定部材が前記第2の状態にある場合、前記バルーンは、第4の状態にあり、前記バルーンは、前記バルーン協働部から分離することができる。
【0036】
いくつかの実施例では、前記第1の接続部材が前記第1の状態にある場合、前記第1の固定部材の第2の端と前記第2の操作部材とは、取り外し可能な接続構造で接続され、前記接続構造は、体外に位置している。
【0037】
本発明における吻合口の保護装置は、以下の利点を有する。
【0038】
本発明は、保護スリーブを通じて吻合口の内表面を保護し、管状組織の内容物の通過を誘導する過程で吻合口を汚染しなく、そして、第1の固定部材と第2の固定部材の間の磁性吸着により、保護スリーブを必要な位置に固定し、この装置では、第1の固定部材と第2の固定部材の間の磁性吸着位置だけが相対的に固定されており、周方向の長さは弾性伸縮でき、組織に十分な周方向伸縮の空間を提供し、組織内部に内容物があり、又は、組織自体が蠕動している場合、吻合口の付近の正常な血液供給を保証する。本発明の吻合の保護装置が応用される管状組織は、腸管であってもよく、人体内の他の管状組織、例えば、消化管中の他の位置の管状組織などであってもよい。
【0039】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の図面を参照して非限定的な実施例についての詳細な説明を参照することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる構造の模式図である。
図2図1のA-A方向の断面図である。
図3】本発明の第1の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図4図3の分解図である。
図5】本発明の第1の実施例における第1の固定部材が第1の接続部材に合わせる模式図である。
図6】本発明の第1の実施例における保護スリーブが第2の固定部材に合わせる模式図である。
図7】本発明の第1の実施例における第1の固定部材の正面の模式図である。
図8】本発明の第1の実施例における第2の固定部材の正面の模式図である。
図9】本発明の第1の実施例における固定アセンブリの側面図である。
図10】本発明の第1の実施例における第1の接続部材の切断の模式図である。
図11】本発明の1の実施例におけるフレキシブルな第1の接続部材の構造の模式図である。
図12】本発明の第2の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図13】本発明の第3の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図14】本発明の第4の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図15】本発明の第4の実施例における吻合口の保護装置の側面図である。
図16】本発明の第4の実施例における保護スリーブの内表面に窪みが設けられる模式図である。
図17】本発明の第4の実施例における保護スリーブの内表面にリング取り付け部が設けられる模式図である。
図18】本発明の第5の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる模式図である。
図19】本発明の第5の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる模式図である。
図20】本発明の第6の実施例における首尾が接続される第1の固定部材の構造の模式図である。
図21】本発明の第7の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図22】本発明の第8の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図23】本発明の第9の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図24】本発明の第9の実施例における吻合口の保護装置の分解図である。
図25】本発明の第10の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる斜面図である。
図26】本発明の第11の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図27】本発明の第12の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図28】本発明の第13の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図29】本発明の第14の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図30】本発明の第15の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図31】本発明の第15の実施例における第1の接続部材の断面の模式図である。
図32】本発明の第16の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図33】本発明の第1の7の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。
図34】本発明の第18の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる構造の模式図である。
図35】本発明の第18の実施例における第1の固定アセンブリが操作アセンブリに合わせる模式図である。
図36図2のA1箇所の拡大図である。
図37図2のB箇所の拡大図である。
図38】本発明の第18の実施例における第1の固定アセンブリが操作アセンブリに合わせる模式図である。
図39】本発明の第18の実施例における第2の操作部材のねじ孔の模式図である。
図40】本発明の第18の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設けられる構造の模式図である。
図41】本発明の第18の実施例における吻合口の保護装置の分解図である。
図42】本発明の第19の実施例における吻合口の保護装置の構造の模式図である。
図43】本発明の第20の実施例における吻合口の保護装置の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に、図面を参照して、例示的な実施例についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施例は様々な形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されると理解されるべきではない。逆に、これらの実施例は、本発明が包括的かつ完全であり、例示的な実施例の構想を当業者に全面的に伝達するように提供される。図中の同一の符号は同一又は類似の構造を表すので、重複する説明は省略する。
【0042】
本発明は、保護スリーブと、固定アセンブリとを備える吻合口の保護装置を提供する。前記保護スリーブは、管状組織内部において吻合口に対応する位置に位置し、保護スリーブは、吻合口の内表面に対して保護作用を果たし、管状組織の内容物の通過を案内する過程で吻合口を汚染しない。前記固定アセンブリは、少なくとも1つの第1の固定部材と少なくとも1つの第2の固定部材とを備え、前記第1の固定部材は、管状組織の外壁に設けられ、前記第2の固定部材は、前記保護スリーブの内表面の前記第1の固定部材に対応する位置に設けられ、前記第1の固定部材と前記第2の固定部材とは、磁性吸着により相対的に固定されているので、第1の固定部材と第2の固定部材との間の磁性吸着により、保護スリーブを必要な位置に固定する。
【0043】
従来技術における固定ベルトは、周方向の長さが固定され、弾性伸縮できなく、組織の自然収縮に適応できなかった。本発明における装置において、第1の固定部材と第2の固定部材との間の磁性吸着位置だけが相対的に固定され、周方向の長さが弾性的に伸縮でき、組織に十分な周方向伸縮の空間を提供し、組織内部に内容物があり又は組織自体が蠕動している場合、接続口付近の正常な血液供給を保証する。
【0044】
以下、本発明の各具体的な実施例の吻合口の保護装置の構造を添付図面とともに詳細に説明するが、個々の具体的な実施例は、本発明の保護範囲を限定するものではないことが理解される。それぞれの実施例では、腸内組織を例として説明する。他の実施例では、前記管状組織は腸組織に限らず、人体の他の管状組織、例えば消化管の他の場所にある管状組織等でもよく、全て本発明の保護範囲に入ることが理解されよう。
【0045】
図1~6に示すように、本発明の第1の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織9に応用される構造の模式図である。図1~4に示すように、前記装置は、保護スリーブ1と固定アセンブリを備え、前記保護スリーブ1は、腸管組織9内部において吻合口に対応する位置に位置し、即ち、保護スリーブ1の両端が吻合口の両側にそれぞれ位置し、吻合口を全面的に覆い、前記吻合口の保護装置が保護される組織の組織壁に当接する。前記保護スリーブ1は、吻合口の内表面を保護する役割を果たし、腸管の内容物を案内して通過させる過程で吻合口を汚染しない。
【0046】
図3及び図4に示すように、前記固定アセンブリは、少なくとも1つの第1の固定部材2と少なくとも1つの第2の固定部材3を備え、前記第1の固定部材2は、腸管組織9の外壁に設けられ、前記第2の固定部材3は、前記保護スリーブ1の内表面において前記第1の固定部材2に対応する位置に設けられ、且つ前記第1の固定部材2と前記第2の固定部材3とは、磁性吸着により相対固定されている。具体的には、前記第1の固定部材2と前記第2の固定部材3の少なくとも1つは、磁性固定部材であり、第1の固定部材2と対応する第2の固定部材3は互いに磁性吸引することができ、第1の固定部材2は、腸管組織9の外壁に貼り付けられ、前記第2の固定部材3は、保護スリーブ1の内表面に貼り付けられ、第1の固定部材2と第2の固定部材3の固定によって腸管組織9に対する保護スリーブ1の位置を保持する。例えば、前記第1の固定部材2及び第2の固定部材3は、いずれも自身が磁性を有する磁性材料であってもよい。あるいは、前記第1の固定部材2は、自身が磁性を有する磁性材料を採用し、前記第2の固定部材3は、自身が磁性を持たないが磁石に吸引される材料、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの親磁性の金属及びその合金などを用いることができる。あるいは、第1の固定部材2は、自身が磁性を持たないが磁石に吸引される材料を用いることができ、第2の固定部材3は、磁石などのような自身の磁性を持つ磁性材料を用いることができる。他の代替的な実施例では、前記第1の固定部材2の一部は自身が磁性を有する磁性固定部材を用いてもよく、一部の第1の固定部材2は自身が磁性を有さないが磁性に吸引可能な固定部材を用いてもよく、自身が磁性を有さない第1の固定部材2に対向する第2の固定部材3は、磁性固定部材であり、磁性の第1の固定部材2に対向する第2の固定部材3は、それ自体が磁性を有さない固定部材又は磁性固定部材である。あるいは、前記第2の固定部材3の一部は、自身が磁性を有する磁性固定部材を用い、第2の固定部材3の一部は、自身が磁性を有さないが磁性に吸引可能な固定部材を用い、第1の固定部材2は対応する部分が磁性を有し、部分が磁性を有さない、又は第1の固定部材2はすべて磁性を有する。
【0047】
前記固定アセンブリは、好ましくは、吻合口の上流側に配置され、保護スリーブ1を固定するために使用され、これにより、保護スリーブ1が吻合口の下流側に移動して吻合口の保護を失うことを回避する。本発明において、吻合口の上流とは、腸管の内容物が腸管に沿って移動する方向を参照し、腸管の内容物が腸管に沿って吻合口の上流側から吻合口の下流側に移動することを指す。この吻合口の保護装置が腸管低位に適用されると、保護スリーブ1は、排泄物を腸管に沿って排出するように導き、吻合口の上流側から吻合口の下流側に移動する。
【0048】
この装置のでは、第1の固定部材2と第2の固定部材3の間の磁性吸着位置だけが相対的に固定されているため、周方向の長さは弾性的に伸縮でき、腸管に十分な周方向伸縮の空間を提供し、組織内部に内容物があり又は組織自体が蠕動している場合、接続口付近の正常な血液供給を保証する。腸管組織9が蠕動すると、第1の固定部材2と第2の固定部材3は、腸管組織9の蠕動に伴って運動することができ、隣接する2つの第1の固定部材2の間の距離は変化することができ、隣接する2つの第2の固定部材3の間の距離も変化することができ、それによって、吻合口の保護装置全体が周方向に伸縮可能な構造を形成することができる。
【0049】
図4に示すように、この実施例では、前記保護スリーブ1は、管状の保護スリーブであり、吻合口に周方向の保護を形成することができる。前記保護スリーブ1は、ゴムフィルムスリーブ、シリカゲルフィルムスリーブ等のような肉厚の薄い可撓性を有するフィルムスリーブであってもよいが、本発明はこれに限定されない。他の代替的な実施例では、保護スリーブ1は、他の形状を採用してもよく、吻合口の内壁の全部又は一部を覆ってもよく、すべて本発明の保護範囲内に属する。
【0050】
図3及び図4に示すように、前記保護スリーブ1の前記吻合口の上流に位置する一端には、前記保護スリーブ1の径方向に伸縮可能な支持部11が設けられている。前記支持部11が径方向に収縮すると、前記保護スリーブ1は、全体として腸管組織9の内部に入れるか、腸管組織9の内部から取り出すことができ、前記保護スリーブ1が所定の位置に置かれた後、前記支持部11は径方向に拡張して保護スリーブ1に対する支持を形成し、保護スリーブ1と腸壁との密着シールを実現し、内容物が吻合口に入ることを防止する。支持部11は、空気を入れる又は排気できる環状弾性エアバッグを採用することができ、その外壁が弾性を有し、例えば、弾性ゴム、シリカゲル、TPUなどであってもよく、あるいは薄いPC材質であってもよく、空気を入れた後に組織壁に当接し、内容物が経過する時には周方向長さが大きくなり、腸管によく当接することができる。前記支持部11は、他の径方向に伸縮可能なバネ又は径方向に運動可能なスライダ構造を採用してもよく、支持部11の外径の増大又は縮小を図ることができればよい。前記固定アセンブリは、前記吻合口と前記支持部11との間に設けられ、支持部11との協働により保護スリーブ1を吻合口位置により良好に保持することができる。
【0051】
図3及び図4に示すように、前記固定アセンブリは、複数の前記第1の固定部材2及び複数の前記第2の固定部材3を含み、前記第1の固定部材2及び前記第2の固定部材3は、それぞれ前記腸管組織9の周方向に沿って順に配列され、前記保護スリーブ1に対して均一で安定した固定を形成する。この実施例では、複数の前記第1の固定部材2の間に間隔が設けられ、複数の前記第2の固定部材3の間に間隔が設けられている。第1の固定部材2と第2の固定部材3の数も必要に応じて選択して設けることができ、第1の固定部材2と第2の固定部材3との間には1対1の対応関係、1対多の関係、又は多対1の関係などが形成されても良く、いずれも本発明の保護範囲内に属することができる。他の代替的な実施例では、第1の固定部材2は1つに設定されてもよく、及び/又は、第2の固定部材3は1つに設定されてもよい。前記第1の固定部材2と第2の固定部材3の磁性吸着を実現するために、前記対応して配列されている第1の固定部材2と対応して配列されている第2の固定部材3は、いずれも磁性体であり、又は、少なくとも一方は磁性体であり、他方は非磁性体であり、すなわち、各第1の固定部材2とそれに対応して配列されている1つの第2の固定部材3は、1セットの固定部材であり、ここで、2つはいずれも磁性体であり、又は、1つは磁性体であり、もう1つは非磁性体である。
【0052】
図3及び図4に示すように、前記第1の固定部材2の前記腸管組織9に対向する面は、前記第1の固定部材2と腸管組織9の外壁とのより良好な当接を実現するために、腸管組織9の外壁に実質的に適合する円弧状の表面である。前記第2の固定部材3の前記保護スリーブ1に対向する面は、前記第2の固定部材3と保護スリーブ1の内表面とのより良好な当接を実現するために、保護スリーブ1の内表面に実質的に適合する円弧状の表面である。
【0053】
さらに、別の代替実施例では、前記第1の固定部材2及び/又は第2の固定部材3の表面は波形であってもよい。具体的には、前記第1の固定部材2の前記腸管組織9に向かう表面は、前記腸管組織9の長手方向(図4のS方向)に沿って高低起伏のある波形表面であり、腸管組織9の外壁によりよく適応することができ、第1の固定部材2と腸管組織9との接触面積を増大させ、第1の固定部材2と腸管組織9の外壁との当接度を高めることができる。前記第2の固定部材3の前記保護スリーブ1に向かう表面は、前記腸管組織9の長手方向(図4のS方向)に沿って高低起伏のある波形表面であり、第2の固定部材3と保護スリーブ1との接触面積を大きくし、第2の固定部材3と保護スリーブ1の内壁との当接度を高めることができる。この波形表面は、本発明の他の様々な実施例の第1の固定部材2及び/又は第2の固定部材3にも適用することができる。
【0054】
図4及び図5に示すように、前記固定アセンブリは、腸管組織9に装着されたときに、腸管組織9の外壁を取り囲むように前記第1の固定部材2を載置する第1の接続部材4をさらに含み、それにより、接続環状構造を形成して、第1の固定部材2とともに保護スリーブ1を周方向に固定する。前記第1の接続部材4は、第1の載置部41と第1の接続部42とを含む。前記第1の載置部41は、第1の固定部材2に一対一に対応し、対応する第1の固定部材2を載置する。前記第1の接続部42は、隣接する2つの第1の載置部41の間に接続されている。前記第1の接続部材4が腸管組織9の外壁を取り囲むとき、前記第1の接続部材4は、周方向に伸縮可能である。さらに、前記第1の接続部材4は、少なくとも第1の接続部42が弾性を有する弾性接続部材であってもよい。したがって、腸管の蠕動時には、第1の接続部材4は、腸管に制限圧力を加えることなく、腸管の蠕動に伴って弾性変形を起こすことができ、腸管に伸縮可能な運動空間を提供することができる。例えば、前記第1の接続部材4は、ゴム、シリカゲルなどの材料で作られた一定の弾性を有する弾性接続部材であってもよい。第1の接続部材4は、支持部11と平行に配置することができる。第1の接続部42と第1の載置部41の両方が弾性を有する場合、前記第1の載置部41の弾性は、前記第1の接続部42の弾性よりも小さくてもよい。これにより、第1の載置部41が第1の固定部材2をより良く固定し、第1の接続部42がより良い周方向の伸縮能力を提供することができる。
【0055】
図10に示すように、前記第1の接続部材4は、さらに、接続構造を有してもよく、前記第1の接続部材4は、前記接続構造に接続されて腸管組織9の外壁を取り囲み、例えば、閉じた環状構造を形成し、又は、接続構造に切断されて腸管組織9の外壁から離脱することができる。すなわち、第1の接続部材4は、閉じた環状又は閉じられてない形状の2つの状態を有していてもよい。第1の接続部材4は、2つの応用方式を有し、1つとして、第1の接続部材4の初期状態が閉鎖されたリンクであり、腸管組織9から除去する必要がある場合には、その接続構造で切断されて腸管組織9から離脱し、もう1つとして、第1の接続部材4の初期状態が閉鎖されてない構造であり、腸管組織9の外部に設置された後、接続構造においてリングに閉鎖される。図10に示す接続構造は、2つの端部にそれぞれ設けられた接続突起43と接続溝44とを含み、接続突起43が接続溝44に嵌設されている場合、第1の接続部材4は環状であり、接続突起43が接続溝44から分離されている場合、第1の接続部材4は、ストライプ状又はその他の非閉鎖形状である。他の代替的な実施例では、接続構造は、2つの端部にそれぞれ接続リングと接続フックを設け、両者を結合したり分離したりして第1の接続部材4の2つの状態を実現し、又は、2つの端部に接着構造を設けたり、接着又は接着分離によって第1の接続部材4の2つの状態を実現するなど、他の形態を採用することもできる。第1の固定部材2を腸管組織9の外壁に配置する必要がある場合、第1の接続部材4と第1の固定部材2とを一体として腹腔内に配置することができ、この場合、第1の接続部材4は、閉鎖されていないリング、又は、2つの端部を有する長尺構造であり、第1の接続部材4を腸管組織9の外壁を取り囲んだ後、第1の接続部材4の2つの端部を互いに接続して、接続口を有する閉じた環状を形成する。この接続口での接続は、係合接続、追加固定部材の接続などによって行うことができる。
【0056】
図1及び図7に示すように、この実施例では、前記第1の載置部41の幅w1は、第1の接続部42の幅w2よりも大きい。これにより、第1の載置部41は、保護スリーブ1に対する第1の固定部材2のより良好な固定作用を実現するために、幅の広い第1の固定部材2を載置することができ、さらに、第1の接続部42の幅が小さく、第1の接続部42の弾性変形能力を高めることができ、腸管組織9への蠕動影響を大幅に低減することができる。さらに、前記第1の載置部41の環状壁の幅w5は、第1の接続部42の幅w2よりも大きくすることができ、第1の載置部41と第1の固定部材2との接続安定性を高めることができる。この実施例では、図9に示すように、前記第1の載置部41の厚さt1と第1の接続部42の厚さt2とは略等しい。別の代替実施例では、前記第1の載置部41の厚さt1は、第1の接続部42の厚さt2よりも大きくてもよい。これにより、第1の載置部41は、保護スリーブ1に対する第1の固定部材2のより良好な固定作用を実現するために、厚さが厚い第1の固定部材2を載置することができる。また、第1の接続部42の厚みが小さく、第1の接続部42の弾性変形能力をさらに高めることができる。ここでの厚み方向とは、環状構造を形成した第1の接続部材4の径方向(保護スリーブ1の径方向に対応)に相当する。
【0057】
前記第1の載置部41は、前記第1の接続部42と一体成形されており、前記第1の載置部41は、第1の固定部材2を取り囲む中空環状構造であり、即ち、前記第1の載置部41には取付孔が設けられ、第1の固定部材2は、取付孔に嵌設されている。第1の固定部材2を第1の接続部材4により容易に取り付け、第1の接続部材4から取り外すために、前記第1の固定部材2が前記取付孔の内壁に当接する各側壁は、フィレット21構造を有する。他の代替的な実施例では、前記第1の載置部41は、他の形状を採用してもよいし、第1の接続部42と独立して成形して固定接続してもよい。図5に示すように、前記第1の固定部材2の側面には、周方向の第1の固定部材取付溝23が少なくとも部分的に設けられており、環状の前記第1の載置部41は、前記第1の固定部材取付溝23に嵌設されている。別の代替的な実施例では、前記第1の載置部41の中空環状構造の縁の内側に少なくとも部分的に周方向の取付溝が設けられ、前記第1の固定部材2の側面が前記取付溝に嵌設されて、前記第1の固定部材2と前記第1の載置部41との安定した接続を実現してもよい。
【0058】
図4に示すように、この実施例では、前記固定アセンブリは、前記第2の固定部材3を載置する第2の接続部材5をさらに含み、前記第2の接続部材5は、前記保護スリーブ1の内表面において前記第1の接続部材4に対応する位置に位置する。この実施例では、前記第2の接続部材5が前記腸管組織9に装着されると、前記第2の接続部材5は、前記保護スリーブ1の内表面を取り囲んで接続環状構造を形成し、それにより前記第2の固定部材3と共に保護スリーブ1を周方向に固定するが、本発明がこれに限定されなく、他の実施例では、第2の接続部材5は、閉鎖されない他の形状であっても良い。前記第2の接続部材5は、前記第1の接続部材4の位置に対応して保護スリーブ1に対する固定リングを形成する。図6に示すように、前記第2の接続部材5は、第2の載置部51と第2の接続部52とを含む。前記第2の載置部51は、第2の固定部材3に一対一に対応し、対応する第2の固定部材3を載置する。前記第2の接続部52は、隣接する2つの第2の載置部51の間に接続されている。前記第2の接続部材5が前記腸管組織9に装着されると、前記第2の接続部材5は、周方向に伸縮可能である。さらに、前記第2の接続部材5は、弾性接続部材であってもよく、少なくとも第2の接続部52が弾性を有する。したがって、腸管の蠕動時には、第2の接続部材5は、腸管に制限圧力を加えることなく、腸管の蠕動に伴って弾性変形を起こすことができ、腸管に伸縮可能な運動空間を提供することができる。例えば、前記第2の接続部材5は、ゴム、シリカゲルなどの材料からなる弾性を有する弾性接続部材であってもよい。第2の接続部材5は、支持部11と平行に配置することができる。前記第2の接続部材5は、閉鎖された環状構造であってもよいし、接続口を有する接続部材であってもよく、前記腸管組織9に装着されると、首尾が接続されて接続リングを形成する。前記第2の接続部52と第2の載置部51が共に弾性を有する場合、前記第2の載置部51の弾性は、第2の接続部52の弾性よりも小さくてもよい。これにより、第2の載置部51が第2の固定部材3を良く固定し、第2の接続部52がより良い周方向伸縮能力を提供することができる。
【0059】
図8に示すように、この実施例では、前記第2の載置部51の幅w3は、第2の接続部52の幅w4よりも大きい。幅の方向は、図1の第1の載置部41の幅方向を参照する。これにより、第2の載置部51は、保護スリーブ1に対する第2の固定部材3のより良い固定作用を実現するために、幅の広い第2の固定部材3を載置することができ、また、第2の接続部52の幅が小さく、第2の接続部52の弾性変形能力を高めることができ、腸管組織9の蠕動に対する影響を大幅に低減することができる。さらに、前記第2の載置部51の環状壁の幅w6は、第2の接続部52の幅w4よりも大きく、第2の載置部51と第2の固定部材3との接続安定性を高めることができる。この実施例では、図9に示すように、前記第2の載置部51の厚さt3と第2の接続部52の厚さt4とは略等しい。別の代替実施例では、前記第2の載置部51の厚さt3は、第2の接続部52の厚さt4よりも大きくてもよい。これにより、第2の載置部51は、保護スリーブ1に対する第2の固定部材3のより良い固定作用を実現するために、厚さの厚い第2の固定部材3を載置することができる。また、第2の接続部52の厚みが小さく、第2の接続部52の弾性変形能力をさらに高めることができる。
【0060】
前記第2の載置部51は、前記第2の接続部52と一体成形されており、前記第2の載置部51は、第2の固定部材3を囲む中空環状構造であり、即ち、前記第2の載置部51には取付孔が設けられ、第2の固定部材3は、取付孔に嵌設されている。第2の固定部材3を第2の接続部材5により容易に取り付け、第2の接続部材5から取り外すために、前記第2の固定部材3は、前記取付孔の内壁に当接する各側壁にフィレット31構造を有する。他の代替的な実施例では、前記第2の載置部51は、他の形状を採用してもよいし、第2の接続部52と独立して成形して固定接続してもよい。図6に示すように、前記第2の固定部材3の側面には、周方向の第2の固定部材取付溝32が少なくとも部分的に設けられており、環状の前記第2の載置部51は、前記第2の固定部材取付溝32に嵌設されている。別の代替的な実施例では、前記第2の載置部51の中空環状構造の縁の内側に少なくとも部分に周方向の取付溝が設けられ、前記第2の固定部材3の側面が前記取付溝に嵌設されて、前記第2の固定部材3と前記第2の載置部51との安定した接続を実現してもよい。
【0061】
この実施例では、前記第2の接続部材5は、前記保護スリーブ1と一体成形されていてもよい。代替的な実施例では、前記第2の接続部材5は、保護スリーブ1とそれぞれ成形された後、粘着などの方法で固定されていてもよい。別の代替的な実施例では、前記第2の接続部材5は、事前に保護スリーブ1に固定されておらず、手術時に医師によって保護スリーブ1の対応する位置に配置されてもよい。
【0062】
図11に示すように、この実施例の代替的な実施例では、前記第1の接続部材4は、弾性接続部材ではなく、単にフレキシブル接続部材を採用し、周方向に一定の冗長の長さを有していてもよい。すなわち、前記第1の接続部材4は、腸管に配置される前に、その直径は、腸管の外径よりも大きい。腸管の蠕動時、第1の接続部材4の冗長の長さは、腸管の正常な蠕動に影響を与えず、吻合口での正常な血液供給を保証するために、第1の接続部材4の直径の伸縮可能な空間を提供する。別の代替実施例では、前記第2の接続部材5は、弾性接続部材ではなく、図11の第1の接続部材4と同様の形状のフレキシブル接続部材を採用し、周方向に一定の冗長の長さを有することもできる。
【0063】
図12に示すように、本発明の第2の実施例における吻合口の保護装置が腸管に応用される構造の模式図である。この実施例では、前記腸管組織9の外壁には第1の接続部材は設けられておらず、互いに分離した複数の第1の固定部材2が設けられている。手術時には、第1の固定部材2を第2の固定部材3に対応する位置に1つずつ配置し、第1の固定部材2と第2の固定部材3の相対固定を実現することができる。この構成は、第1の実施例と比較して、第1の接続部材の構造物を省略し、装置はより少ない部品を有する。第1の固定部材2が設けられていない位置では、装置は、組織にいかなる圧力も加えず、吻合口の正常な血液供給にも影響しない。また、腸管組織9が蠕動する場合、複数の第1の固定部材2間の周方向距離は、腸管組織9の蠕動に伴って自由に増減することができ、すなわち同様に腸管組織9に周方向の伸縮性空間を提供する。
【0064】
この実施例では、第1の固定部材2の少なくとも一部は、生体吸収性材料、例えば生体吸収性鉄系材料を用いることができ、第2の固定部材3は、磁性材料を用いて、第1の固定部材2と吸着することができる。また、第1の固定部材2は、磁化した生体吸収性鉄系材料を用いてもよく、第2の固定部材3は、磁性材料又は磁性に吸引可能な材料を用いてもよい。吻合口の保護装置が腸管の内部に設置された後、第1の固定部材2は、徐々に人体に吸収されることができ、その後の取り外しを必要とせず、術後に第1の固定部材2を除去するステップを省略することができる。第2の固定部材3は、保護スリーブ1に固定接続でき、術後の吻合口が良くなったら、保護スリーブ1と第2の固定部材3の全体構造を一緒に取り出すだけでよく、手術操作はより簡便である。
【0065】
他の代替的な実施例では、前記第2の固定部材3の少なくとも一部は、術後に第2の固定部材3を除去するステップを省くために、生体吸収性材料、例えば生体吸収性鉄系材料、又は磁化された生体吸収性鉄系材料などを用いることもできる。
【0066】
さらに、前記第2の接続部5は、その一部又は全部を生体吸収性材料、例えば、生体吸収性医療用フィルム製とすることもでき、ある程度の強度を確保しつつフレキシブル又はある程度の弾性を有する。これにより、術後に第2の接続部材5を除去するステップを省略する。上記第1の実施例において、前記第1の接続部材4は、例えば、生体吸収性医療用フィルムの生体吸収性材料を用いて作製することもでき、一定の強度を保証する場合に柔軟性を有するか、又は一定の弾性を有する。これにより、術後に第1の接続部材4を除去するステップを省略する。
【0067】
本発明の後述する他の実施例において、前記第1の固定部材2、前記第2の固定部材3、前記第1の接続部材4及び第2の接続部5のうちの1つ以上は、生体吸収性材料を少なくとも部分的に用いてもよく、術後に人工的に除去することなく、人体内で一定時間後に自然に吸収される。前記第1の固定部材2が磁性固定部材である場合、前記第1の固定部材2は、生体吸収性磁性固定部材であってもよい。前記第2の固定部材3が磁性固定部材である場合、前記第2の固定部材3は生体吸収性磁性固定部材であってもよい。
【0068】
図13に示すように、本発明の第3の実施例における吻合口の保護装置が腸管に応用される模式図である。この実施例では、前記保護スリーブ1の内部に第2の接続部は設けられておらず、互いに離間した複数の第2の固定部材3が設けられている。手術時には、第1の固定部材2を第1の固定部材2に対応する位置に1つずつ配置し、第1の固定部材2と第2の固定部材3の相対固定を実現することができる。この構成は、第1の実施例と比較して、第2の接続部材の構造物を省略し、装置はより少ない部品を有する。第2の固定部材3が設けられていない位置では、装置は、組織にいかなる圧力も加えず、吻合口の正常な血液供給に影響を与えない。また、腸管組織9が蠕動する場合、複数の第2の固定部材3間の周方向距離は、腸管組織9の蠕動に伴って自由に増減することができ、すなわち同様に腸管組織9に周方向の伸縮性空間を提供する。
【0069】
図14に示すように、本発明の第4の実施例における吻合口の保護装置が腸管に応用される模式図である。この実施例では、前記腸管組織9の外壁には第1の接続部材が設けられておらず、保護スリーブ1の内部には第2の接続部材が設けられていない。手術時には、第1の固定部材2と第2の固定部材3との対応する位置を必要な位置に配置することができる。したがって、この実施例では、装置は、保護スリーブ、第1の固定部材2、及び第2の固定部材3のみを含む。第2の固定部材3は、手術前に保護スリーブ1に予め取り付けられていてもよく、手術中の第1の固定部材2と第2の固定部材3の位置合わせを容易にすることができる。また、第2の固定部材3は、保護スリーブ1に予め取り付けられていなくてもよく、手術中に必要な位置に第1の固定部材2と第2の固定部材3を配置する。
【0070】
図15に示すように、前記第1の固定部材2は、前記腸管組織に向かう内表面25を含み、前記第1の固定部材2の内表面25は、前記腸管組織9の外壁に当接する。前記第2の固定部材3は、前記保護スリーブ1に向かう外表面35を含み、前記第2の固定部材3の外表面35は、前記保護スリーブ1の内表面に当接する。前記第1の固定部材2と第2の固定部材3のより良い相互位置決めとより安定した接続を実現するために、前記第1の固定部材2の内表面25の形状は、第2の固定部材3の外表面35の形状と一致し、前記第1の固定部材2の内表面25と対応する第2の固定部材3の外表面35との間に腸管壁と保護スリーブ1を介して良好な当接が形成される。図15に示すように、この実施例では、前記第1の固定部材2の内表面25と前記第2の固定部材3の外表面35は、それぞれ前記腸管組織9の外壁形状に適応した弧面であり、前記第1の固定部材2の内表面25と腸管組織9の外壁とのより良い当接と、前記第2の固定部材3の外表面35と保護スリーブ1の内表面とのより良い当接を実現することができる。
【0071】
図16及び図17に示すように、第4の実施例では、保護スリーブ1の内表面に、保護スリーブ1の内表面における第2の固定部材3の位置決めをより良くするために、第2の固定部材3に対応する取付溝をさらに設けてもよい。第2の固定部材3は、対応する取付溝に嵌設され、第2の固定部材3と保護スリーブ1の内表面との取り外し可能な固定を実現する。図16図17は2つの異なる取付溝の構造を示しており、図16の取付溝は、保護スリーブ1の表面に外側に窪んだ窪み12であり、図17の取付溝は、保護スリーブ1の内表面から突出したリング取り付け部13で囲まれた溝である。第2の固定部材3は、手術前に保護スリーブ1の内表面の取付溝に予め嵌設され、その後、保護スリーブ1と第2の固定部材3の全体を腸管組織9の内部に配置することができる。予め第2の固定部材3を取り付けずに、手術中に、第2の固定部材3を対応する取付溝に嵌設してもよい。図16及び図17の取付溝の構成は、図13に示す第3の実施例にも適用することができる。図16に示すように、前記第2の固定部材3の窪み12への取り付けを容易にするために、前記保護スリーブ1は、少なくとも窪み12の位置に弾性を有している。さらに、前記保護スリーブ1は、全体として弾性的に設けられていてもよい。前記窪み12の形状は、第2の固定部材3の形状に適合し、第2の固定部材3の窪み12への取り付けと取り外しがより円滑になるように、第2の固定部材3の各側面は、フィレットを有する。図17に示すように、前記リング取り付け部13は、保護スリーブ1に固定接続され、又は、一体成形されている。前記リング取り付け部13は、第2の固定部材3を環状取付部材13に容易に取り付けるために弾性的である。前記保護スリーブ1及び環状取付部材13は、全体として弾性であってもよい。前記環状取付部材13は、中空の環状構造であり、前記環状取付部材13の中空部分の形状は、前記第2の固定部材3の形状に適合する。第2の固定部材3は、手術前に保護スリーブ1の内表面の環状取付部材13に予め嵌設され、その後、保護スリーブ1と第2の固定部材3の全体を腸管組織9の内部に配置することができる。予め第2の固定部材3を取り付けずに、手術中に第2の固定部材3を対応する環状取付部材13に嵌設してもよい。
【0072】
図18及び図19に示すように、本発明の第5の実施例における吻合口の保護装置が腸管に設置される模式図である。この実施例では、第1の固定部材2は、第1の接続部材4の内部に埋め込まれ、第1の固定部材2と第1の接続部材4とは分離できない。図18の実施例では、第1の接続部材4の第1の固定部材2に対応して嵌設された第1の載置部は、第1の接続部との幅が同じであり、第1の接続部材4の全体を幅が均一な磁性リングが形成されている。第1の接続部材4は、ゴム、シリカゲルなどの材料を用いた弾性リングであってもよい。これにより、第1の接続部材4全体は、帯状構造となり、収納がより容易になる。
【0073】
同様に、第2の接続部材5は、第1の接続部材4と同様の構成を採用し、第2の接続部材5の第2の固定部材3に対応して嵌設された第2の載置部は、第2の接続部との幅が同じであり、第2の固定部材3が第2の接続部材5に同様の方法で嵌入して、第2の固定部材3が分離できない全体の磁性リングを形成してもよい。これにより、第2の接続部材5は、帯状構造となり、収納がより容易になる。
【0074】
図19の実施例では、第1の固定部材2は、第1の弾性接続部材4の内部に嵌め込まれ、第1の固定部材2と第1の弾性接続部材4とは分離できない。第1の弾性接続部材4の第1の固定部材2に対応して嵌設された第1の載置部41の幅は、第1の固定部材2の幅に適応し、第1の載置部41の幅が第1の接続部42の幅よりも大きく、第1の弾性接続部材4全体が吻合口位置に取り付けられたときに幅が均一な磁性リングを形成している。弾性接続部材4は、ゴム、シリカゲルなどの材料を用いた弾性リングであってもよい。これにより、弾性接続部材4全体は、帯状構造となり、収納がより容易になる。
【0075】
同様に、第2の弾性接続部材5は、弾性接続部材4のような構造を採用してもよく、第2の弾性接続部材5の第2の固定部材3に対応して嵌設された第2の載置部の幅は、第2の接続部の幅よりも大きく、第2の固定部材3は、同様に第2の弾性接続部材5に嵌入され、第2の固定部材3が分離できない全体の磁性リングを形成してもよい。これにより、第2の弾性接続部材5は、帯状構造となり、収納がより容易になる。
【0076】
図20に示すように、本発明の第6の実施例における首尾が接続されてる第1の固定部材の構造の模式図である。この実施例では、前記腸管組織9の外壁には複数の第1の固定部材2が設けられており、第1の固定部材2の腸管組織9に向ける片側は、円弧面である。複数の第1の固定部材2は、首尾が接続されて環状構造を形成している。また、腸管組織9に周方向の伸縮空間を提供するために、隣接する2つの第1の固定部材2の接続位置に周方向伸縮可能な協働構造24を形成し、周方向伸縮可能な要求を満たすことができる。前記第1の固定部材2は、部分だけが磁性を有するか、又は磁性に吸引され得るか、すなわち部分だけが第2の固定部材3と吸着して、腸管蠕動の阻害を回避することができる。
【0077】
他の代替的な実施例では、第2の固定部材3は、図20の第1の固定部材2と同様の構造を採用してもよく、すなわち、複数の第2の固定部材3の首尾が接続されて1つの固定リングを形成し、隣接する2つの第2の固定部材3の接続位置に周方向に伸縮可能な接続構造を形成して、周方向に伸縮可能な要件を満たすことができる。第2の固定部材3は、部分だけが磁性を有するか、又は磁性的に吸引され得るか、すなわち部分だけが第1の固定部材2と吸着して、腸管蠕動の阻害を回避することができる。
【0078】
上述した第1の実施例~第6の実施例の吻合口の保護装置は、腸管低位の吻合口保護に適用してもよいし、腸管高位の吻合口保護に適用してもよい。腸管高位の吻合口保護に適用する場合、保護スリーブ1を用いて腹壁位置に誘導するには、長い保護スリーブ1が必要であり、取り付けも使用も非常に不便である。したがって、この場合、短い保護スリーブ1を使用して、吻合口位置のみを保護することができる。この実施例では、2つの前記固定アセンブリを含み、2つの固定アセンブリは、吻合口の上流側と下流側にそれぞれ配置される。
【0079】
図21は本発明の第7の実施例における吻合口の保護装置が腸管に配置された斜視図である。この実施例では、前記吻合口の保護装置は、腸管高位部の吻合口保護に用いられる。吻合口の上流側の腸管組織9外壁には、1セットの第1の接続部材4と第1の固定部材2が設けられ、対応する保護スリーブ1内部に第2の固定部材が設けられ、吻合口の下流側の腸管組織9外壁には、他のセットの第1の接続部材4と第1の固定部材2の組が設けられ、対応する保護スリーブ1内部に第2の固定部材が設けられている。このような構造は、必要な保護スリーブ1の長さを大幅に節約することができ、手術中の保護スリーブ1の配置と吻合口の回復後の保護スリーブ1の除去をより便利にすることができ、また、保護スリーブ1を必要な位置に良く固定し、使用中の安定性を保証することができる。
【0080】
図22は本発明の第8の実施例における吻合口の保護装置が腸管に配置された斜視図である。この実施例では、前記吻合口の保護装置は、腸管高位部の吻合口保護にも使用することができる。吻合口の上流側の腸管組織9の外壁には、1セットの第1の固定部材2が設けられ、対応する保護スリーブ1内部には第2の固定部材が設けられ、吻合口の下流側の腸管組織9の外壁には、他のセットの第1の固定部材2が設けられ、対応する保護スリーブ1内部には第2の固定部材が設けられている。
【0081】
また、上記第1~第6の実施例における固定部材の他の構成や各種の組み合わせは、腸管高位の吻合口保護にも適用可能であり、2つの固定部材をそれぞれ設けることができ、吻合口の上流側と下流側にそれぞれ位置する。
【0082】
図23及び図24に示すように、本発明の第9の実施例における吻合口の保護装置の構造の模式図である。この実施例は第1の実施例と同様に、前記吻合口の保護装置は、前記腸管組織9の内部において前記吻合口に対応する位置に位置し、吻合口の内表面を保護する役割を果たし、腸管の内容物を通過させる過程で吻合口を汚染しない保護スリーブ1と、腸管組織9の外壁に設けられた第1の固定部材2と、保護スリーブ1の内表面において第1の固定部材2に対応する位置に設けられた第2の固定部材3とを含む。
【0083】
第9の実施例と第1の実施例との違いは、前記第1の固定部材2には外部磁性粒子6が分布し、前記第2の固定部材3には内部磁性粒子7が分布し、前記第1の固定部材2における外部磁性粒子6の磁性は同じであり、前記第2の固定部材3における内部磁性粒子7の磁性は同じであり、前記第1の固定部材2における磁性粒子は、第2の固定部材3における磁性粒子の磁性と反対であることである。
【0084】
前記外部磁性粒子6は、第1の磁性粒子コーティングの形態で、第1の固定部材2の表面、例えば、第1の固定部材2の腸管組織9に向かう内表面に塗布することができる。磁性粒子は、接着剤、溶剤などと磁性粒子コーティングを作製し、プラスチック又は金属シート基の表面に塗布することができる。前記外部磁性粒子6は、磁性粒子がドーピングされた形態で第1の固定部材2に形成されてもよい。前記内部磁性粒子7は、第2の磁性粒子コーティングの形態で、第2の固定部材3の表面に塗布し、例えば、第2の固定部材3の保護スリーブ1に向かう外表面に塗布することができる。磁性粒子は、接着剤、溶剤などと磁性粒子コーティングを作製し、プラスチック又は金属シート基の表面に塗布することができる。前記内部磁性粒子7は、磁性粒子がドーピングされた形態で前記第2の固定部材3に形成されてもよい。本発明の各図面における磁性粒子のサイズ及び分布方式は例にすぎず、実際の用途で用いられる磁性粒子のサイズは、図に示す例より大きくても小さくてもよく、磁性粒子の分布は均一分布であってもよく、不均一分布であってもよく、いずれも本発明の保護範囲内である。したがって、この実施例では、前記第1の固定部材2及び前記第2の固定部材3には磁性粒子が分布しており、両者は、磁性吸着により相対的に固定されており、保護スリーブ1を必要な位置に固定する。このアセンブリの中で第1の固定部材2と第2の固定部材3の間の磁性吸着位置だけが相対的に固定され、周方向の長さが弾性的に伸縮でき、組織に十分な周方向伸縮の空間を提供し、組織内部に内容物があり又は組織自体が蠕動している場合、吻合口付近の正常な血液供給を保証する。
【0085】
この実施例では、前記吻合口の保護装置は、第1の接続部材4と第2の接続部材5とをさらに含み、前記第1の接続部材4と第2の接続部材5の構造、第1の固定部材2と第2の固定部材3の構造は、第1の実施例と同じであり、ここで説明を省略する。第1の固定部材2及び/又は第2の固定部材3は、生体吸収性磁性材料を用いることができる。第1の接続部材4及び/又は第2の接続部材5は、生体吸収性磁性材料を用いることができる。
【0086】
図25に示すように、本発明の第10の実施例における吻合口の保護装置の構成の模式図である。この実施例と第9の実施例との違いは、第1の固定部材が設けられておらず、前記第1の固定部材2が互いに間隔を空けて互いに独立していることである。第2の接続部は設けられておらず、第2の固定部材3は互いに間隔を置いて互いに独立している。第2の固定部材3は、第1の固定部材2の位置に対応し、この中に内部磁性粒子7と外部磁性粒子6とがそれぞれ分布している。手術時には、まず、第2の固定部材3を保護スリーブ1の内表面に固定し、次に、第1の固定部材2を第2の固定部材3に対応する位置に1つずつ配置して、第1の固定部材2と第2の固定部材3の相対固定を実現することができる。この構造は、第9の実施例と比較して、第1の接続部材の構造物を省略し、この構成要素は、より少ない部品を有する。第1の固定部材2が設けられていない位置では、このアセンブリは、組織にいかなる圧力も加えず、吻合口の正常な血液供給に影響を与えない。また、腸管組織9が蠕動する場合、複数の第1の固定部材2間の周方向距離は、腸管組織9の蠕動に伴って自由に増減することができ、すなわち同様に腸管組織9に周方向の伸縮性空間を提供する。
【0087】
この実施例において、第2の固定部材3と保護スリーブ1の内表面との当接方式は、上記第4の実施例における当接方式、すなわち保護スリーブ1の内表面に第2の固定部材3を取り付けるための窪み又は環状取付部材を設けることを参照することができ、ここで説明を省略する。
【0088】
第10の実施例の別の代替的な実施例では、管状組織の外部に第1の固定部材2と第1の接続部材4を設け、保護スリーブ1の内部に第2の固定部材3だけを設け、第2の接続部材を含まないようにしてもよい。別の代替的な実施例では、第1の接続部材を含まずに、管状組織の外部に第1の固定部材2を設け、保護スリーブ1の内部に第2の固定部材3と第2の接続部材5を含むこともできる。
【0089】
図26に示すように、本発明の第11の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この実施例と第9の実施例との違いは、第1の固定部材2のみに外部磁性粒子6が分布し、第2の固定部材3は、自身が磁性を持たないが磁石に吸引可能な材料、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの親磁性の金属及びその合金などを用いることができ、前記第2の固定部材3は、自身が磁性を有する材料、例えば磁石などを用いてもよく、また、磁性は、第1の固定部材2の外部磁性粒子6の磁性と反対であり、同様に、第1の固定部材2と第2の固定部材3との間の磁性吸引を実現して、保護スリーブ1を必要な位置に固定することができる。
【0090】
図27に示すように、本発明の第12の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この実施例と第9の実施例との違いは、第2の固定部材3のみに内部磁性粒子7が分布しており、第1の固定部材2は、自身が磁性を持たないが磁石に吸引可能な材料、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの親磁性の金属及びその合金などを用いることができ、前記第1の固定部材2は、自身が磁性を有する材料、例えば磁石などを用いてもよく、また、磁性は、第2の固定部材3の内部磁性粒子7の磁性と反対であり、同様に、第1の固定部材2と第2の固定部材3との間の磁性吸引を実現して、保護スリーブ1を必要な位置に固定することができる。
【0091】
図28に示すように、本発明の第13の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この実施例と第9の実施例との違いは、一部の第1の固定部材2には磁性粒子が分布しており、磁性粒子が分布していない第1の固定部材2は、自身は磁性を持たないが磁石に吸引される可能な材料、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの親磁性の金属やその合金などを用いてもよいし、自身が磁性を有する材料、例えば磁石などを用いてもよいことである。同様に、一部の第2の固定部材3には磁性粒子が分布しており、磁性粒子が分布していない第2の固定部材3は、自身は磁性を持たないが磁石に吸引される可能な材料、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの親磁性の金属及びその合金などを用いてもよく、また、磁石などのような自身が磁性を有する材料を用いてもよい。各第1の固定部材2と第2の固定部材3は、固定部材対を形成し、各固定部材対のうち、少なくとも1つの固定部材(第1の固定部材2及び/又は第2の固定部材3)は、磁性を有する。
【0092】
図29に示すように、本発明の第14の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この実施例と第1の実施例との違いは、前記吻合口の保護装置は、管状組織の外部に設けられたブロック状の第1の固定部材2と、環状の第1の接続部材4とを含み、前記第2の固定部材は、内部磁性粒子7からなる第2の磁性粒子コーティング33を含み、前記第2の磁性粒子コーティング33は、前記保護スリーブ1の内表面に直接塗布されることである。第1の固定部材2の位置は、第2の磁性粒子コーティング33の位置に対応する。前記第1の固定部材2は、第1の磁性粒子が塗布されたコーティング又は内部に磁性粒子がドーピングされた構造を採用してもよく、自身は磁性を持たないが磁石に吸引される材料、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の親磁性の金属及びその合金等を採用してもよく、また、磁石等のような自身が磁性を有する材料を採用してもよい。したがって、第1の固定部材2と第2の磁性粒子コーティング33は、同様に磁性吸着を実現することができ、それによって保護スリーブ1を必要な位置に固定し、腸管の正常な蠕動と組織周囲の血液供給に影響を与えない。
【0093】
図30に示すように、本発明の第15の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この実施例では、第1の固定部材は、前記腸管組織9の外壁を取り囲む第1の接続部材4のみを含み、前記第1の接続部材4の表面には外部磁性粒子6によって形成された第3の磁性粒子コーティングが塗布し、又は、第1の接続部材4の内部に外部磁性粒子6がドーピングされている。前記第2の固定部材は、上述したいずれかの実施例における第2の固定部材の構造を採用することができ、すなわち、第2の固定部材3の構造を採用することができ、又は、第2の磁性粒子コーティングを用いて直接コーティングすることができる構造を採用することができる。第2の固定部材3は、磁性を有するものであってもよいし、磁性を有さないものであってもよく、磁性を有する場合、磁性粒子が分布する構造であってもよいし、それ自体が磁性を有する構造であってもよい。また、第2の固定部材3は、この実施例における第1の固定部材と同様の構造を採用することもでき、すなわち、第2の固定部材3は、腸管組織9の外壁を取り囲む第2の接続部5のみを含み、前記第2の接続部5の表面には、第4の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、第2の接続部5の内部に磁性粒子がドーピングされている。
【0094】
別の代替的な実施例では、第2の固定部材は、前記腸管組織9の外壁を取り囲む第2の接続部5を含み、前記第2の接続部5の表面には、第4の磁性粒子コーティングが塗布され、又は、第2の接続部5の内部に磁性粒子がドーピングされている。同時に、前記第1の固定部材は、上述したいずれかの実施例における第1の固定部材の構造を採用することができ、すなわち、第1の固定部材2の構造を採用することができる。第1の固定部材2は、磁性を有するものであってもよいし、磁性を有しないものであってもよく、磁性を有するものである場合、磁性粒子が分布する構造であってもよいし、それ自体が磁性を有する構造であってもよい。
【0095】
図31に示すように、前記第1の接続部材4の取り付け及び取り外しを容易にするために。前記第1の接続部材4に接続構造をさらに設けることができ、前記第1の接続部材4は、前記接続構造に接続されて前記腸管組織9の外壁を取り囲み、例えば閉じた環状構造を形成し、又は、接続構造において切断されて前記腸管組織9の外壁から離脱することができる。図31に示す接続構造は、2つの端部にそれぞれ設けられた接続突起43と接続溝44とを含み、接続突起43が接続溝44に嵌設されている場合、第1の接続部材4は環状であり、接続突起43が接続溝44から分離されている場合、第1の接続部材4はストライプ状又はその他の閉鎖されていない形状である。他の代替的な実施例では、接続構造は、2つの端部にそれぞれ接続リングと接続フックを設け、両者を結合したり分離して第1の接続部材4の2つの状態を実現し、又は、2つの端部に接着構造を設け、接着又は接着分離によって第1の接続部材4の2つの状態を実現したりするなど、他の形態を採用することもできる。
【0096】
図32及び図33に示すように、本発明の第16の実施例及び第17の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織に応用される模式図である。この2つの実施例では、吻合口の保護装置を腸管高位部の吻合口保護に使用することができる。吻合口の上流側の腸管組織9には固定アセンブリが設けられ、吻合口の下流側の腸管組織9には別の固定アセンブリが設けられている。このような構造は、必要な保護スリーブ1の長さを大幅に節約することができ、手術中の保護スリーブ1の配置と吻合口の回復後の保護スリーブ1の除去をより便利にすることができ、また、保護スリーブ1を必要な位置によく固定し、使用中の安定性を保証することができる。2つの保護スリーブの固定の実施例を図32及び図33に示す。他の代替的な実施例では、前記吻合口の上流の第1の固定部材及び第2の固定部材は、いずれも本発明の保護範囲内である上記のいずれかの実施例の固定部材の構造を採用することができる。
【0097】
さらに、本発明のいくつかの実施例では、管状組織の外部に前記第1の接続部材4を取り付け、管状組織の外部から除去するのを容易にするために、操作アセンブリを介して第1の接続部材4を操作して切断又は閉鎖リングを形成することができる操作アセンブリを提供する。前記第1の接続部材4は、第1の状態と第2の状態を含み、前記第1の状態にあるときに、前記第1の接続部材4が前記管状組織の外壁を取り囲み、載置する第1の固定部材2によって前記保護スリーブ1の位置を固定し、前記第2の状態にあるときに、前記第1の接続部材4は閉鎖されていないストリップ状を呈して前記管状組織の外壁から離脱することができる。前記操作部材は、第1の操作部材と第2の操作部材とを含み、前記第1の操作部材は、前記第1の接続部材4の第1の端に接続され、前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材と第1の方向に相対的に固定されている。吻合口の生成回復後、前記第1の固定部材2と前記保護スリーブ1を除去する必要がある場合、前記第2の操作部材を体外で操作し、前記第1の接続部材4の第2の端を前記第2の操作部材から分離し、前記第1の接続部材4の第1の端と第2の端を分離することにより閉鎖されないストリップ状に形成することで、前記管状組織の外壁から離脱することができ、前記第1の操作部材を介して前記第1の接続部材4を直接取り出すことができ、二次手術を採用する必要がなく、操作が簡単であり、患者に対する二次創傷も回避することができる。
【0098】
次に、本発明の第18の実施例~第20の実施例に係る吻合口の保護装置の構成について、図34~44を用いて詳細に説明する。
【0099】
図34~41に示すように、本発明の第18の実施例における吻合口の保護装置が腸管組織9に応用される構造の模式図である。図34~37に示すように、吻合口の保護装置は、保護スリーブ1と、第1の固定構造と、操作アセンブリとを含む。前記保護スリーブ1は、上述した第1の実施例の保護スリーブ1の構造及び材質を採用することができる。第1の固定構造は、第1の固定部材2と、腸管組織9を取り囲む第1の状態と、腸管組織9から分離可能な第2の状態とを含む第1の接続部材4とを含む。前記操作アセンブリは、第1の操作部材83と、第1の操作部材84とを含み、前記第1の操作部材83は、前記第1の接続部材4の第1の端に接続され、第2の操作部材84は、第1の操作部材83と第1の方向に相対的に固定されている。前記第1の接続部材4が前記第1の状態にあるとき、前記第1の接続部材4の第2の端は、第2の操作部材84に接続され、前記第1の接続部材4は、前記腸管組織9の外壁を取り囲み、前記第2の操作部材84は、少なくとも部分的に体外に延びる。前記第1の接続部材4が前記第2の状態にあるとき、前記第1の接続部材4の第2の端は前記第2の操作部材84から分離され、前記第1の接続部材4は、閉鎖されていないストリップ状であり、前記腸管組織9の外壁から離脱することができる。
【0100】
これにより、保護スリーブ1と第1の接続部材4を吻合口に固定して組織を保護する必要がある場合、第1の接続部材4の第2の端を第2の操作部材84に接続することができ、第1の接続部材4の第1の端と第2の端を前記操作アセンブリによって環状に接続することができる。第1の接続部材4は、保護スリーブ1を所望の位置に固定することができる。吻合口の成長回復後、前記第1の接続部材4を除去する必要がある場合、前記第2の操作部材84を体外で操作し、前記第1の接続部材4の第2の端を前記第2の操作部材84から分離し、前記第1の接続部材4の第1の端と第2の端は、これによって分離されて非閉鎖的なストリップ状を形成し、それによって前記腸管組織9の外壁から離脱することができ、この時、第1の接続部材4の第1の端は依然として第1の操作部材83に接続しているので、前記第1の操作部材83を介して前記第1の接続部材4を直接取り出すことができ、二次手術を採用する必要がなく、操作が簡単であり、患者に対する二次創傷も回避することができる。
【0101】
図38に示すように、この実施例では、前記第1の操作部材83は、管状であり、前記第1の操作部材83は、前記第2の操作部材84の外部に外嵌され、前記第1の方向は、前記第1の操作部材83の第1の端831における軸方向、すなわち図38中のD方向であり、前記第1の操作部材83の第1の端831は、前記第1の接続部材4の第1の端に接続されている。前記第2の操作部材84は、前記第1の操作部材83に対して回転可能であり、前記第1の接続部材4の第2の端には第1のねじ部823が設けられ、前記第2の操作部材84の第1の端841には第2のねじ部843が設けられ、前記第1の接続部材4が前記第1の状態にあるとき、前記第1のねじ部823と前記第2のねじ部843とは、ねじによって互いに係合している。すなわち、前記第1のねじ部823と前記第2のねじ部843とを嵌合して接続することにより、前記第1の接続部材4を前記第1の状態にすることができる。
【0102】
図38及び図39に示すように、この実施例では、前記第1のねじ部823は、スクリューであり、前記スクリューが前記第1の方向Dに沿って延び、前記第2のねじ部843は、ねじ孔であり、前記ねじ孔も前記第1の方向Dに延びる。第1の接続部材4を第1の状態にする必要がある場合には、ねじ孔の端部にスクリューを挿入し、その後、前記第2の操作部材84を操作して第1の操作部材83に対して回転させ、第1の操作部材83の第1の端と第1の接続部材4の第2の端とが接続されているため、第2の操作部材84も第1の接続部材4に対して回転し、これにより、ねじ孔の内部にスクリューを進入させ、第1の接続部材4の第2の端と第2の操作部材84の第1の端841との接続を実現する。第1の接続部材4を第2の状態にする必要がある場合、ねじからスクリューが出るように、第2の操作部材84を逆回転させればよい。前記第1の操作部材83及び前記第2の操作部材84は、シリカゲル、プラスチック、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)等のようなフレキシブルのある材料で形成されていることが好ましいので、各図面に示される第1の操作部材83及び第2の操作部材84の形状は、固定された形状ではなく、そのフレキシブル効果の模式として用いられる。別の代替実施例では、前記第1のねじ部823は、ねじ孔であり、第2のねじ部843は、スクリューであり、その動作原理は図38に示す実施例と同じであってもよい。上記実施例では、前記第1のねじ部823と前記第2のねじ部843との係合に、さらに変速ねじを設けてもよい。
【0103】
図37及び図38に示すように、体外で前記第2の操作部材84を直接操作することを容易にするために、前記第2の操作部材84の第2の端は、第1の操作部材83の第2の端から少なくとも部分的に突出している。そして、前記第1の状態のとき、前記第2の操作部材84の第2の端は、体外に位置している。前記第1の接続部材4を取り外す必要がある場合、第2の操作部材84の第2の端を直接体外で操作し、設定された方向に第1の接続部材4を回転させることができる。
【0104】
前記第2の操作部材84の操作をさらに容易にするために、前記第2の操作部材84の第2の端には、第1の操作部材83の第2の端の外部に部分的に又はすべて位置する操作ハンドル842が設けられ、前記操作ハンドル842の外径は、前記第1の操作部材83の第2の端の内径よりも大きく、操作ハンドル842が第1の操作部材83の内部に入り込むことを回避することができ、第1の操作部材83と第2の操作部材84との間の軸方向Dに沿った相対固定を良好に維持する。
【0105】
さらに、図37及び図38に示すように、前記第1の操作部材83の第2の端には段差部832が設けられ、前記段差部832の端面が前記操作ハンドル842の端面に合わせ、すなわち、前記段差部832の前記操作ハンドル842に向かう端面は、前記操作ハンドル842の前記段差部832に向かう端部と協働し、前記第1の操作部材83と前記第2の操作部材84との協働方式をより安定させることができる。
【0106】
図36は、この実施例における第1の接続部材4の第1の端と前記第1の操作部材83の第1の端831との係合態様を示す。図36及び図38に示すように、前記第1の接続部材4の第1の端には係合リング824が設けられ、前記第1の操作部材83の第1の端831には係合溝833が設けられ、前記第1の操作部材83の第1の端831は、前記係合リング824を貫通し、前記係合リング824は、前記係合溝833に係設されている。これにより、前記第1の接続部材4の第1の端と前記第1の操作部材83の第1の端とは安定した嵌合を形成することができ、また、前記係合リング824と係合溝833との係合は、第1の接続部材4の第2の端と第2の操作部材84の第1の端841との間の必要に応じた接続と分離にも影響を与えない。
【0107】
前記係合リング824は、弾性であってもよく、例えば、弾性のゴム、プラスチック、シリカゲルなどの材料を用いて作られ、前記係合リング824は、前記係合溝833に外嵌されたとき、前記係合リング824の弾性によって前記係合溝833の位置を締め付け、両者の安定した接続を実現する。必要に応じて、前記係合溝833を前記係合リング824から取り出して、前記第1の接続部材4と前記第1の操作部材83との間の分離を実現してもよい。例えば、前記吻合口の保護装置は、使用前に、前記第1の接続部材4と前記第1の操作部材83との間に別々に保管することができ、手術時に、前記第1の接続部材4の係合リング824を前記係合溝833に装着し、前記第1の接続部材4と前記第1の操作部材83との間の接続を実現し、その後、前記第1の接続部材4を体内に配置し、前記第2の操作部材84を操作することにより、第1の接続部材4を第1の状態にする。
【0108】
図38に示すように、この実施例では、前記係合溝833の内径は、前記第2の操作部材84の第1の端841の外径よりも小さく、これにより、前記第2の操作部材84が前記第1の操作部材83の第1の端831から外に延びないことをさらに保証し、第2の操作部材4と前記第1の操作部材83との間の軸方向Dにおける相対固定を保証することができる。
【0109】
別の代替的な実施例では、前記第1の接続部材4の第1の端に係合溝が設けられ、前記第1の操作部材83の第1の端831に前記係合溝に係合する係合リングが設けられ、前記第1の接続部材4の第1の端が前記第1の操作部材83の係合リングに挿入され、第1の接続部材4と第1の操作部材83との間の相対的な接続固定を実現してもよい。
【0110】
図40及び図41は、この実施例における保護スリーブ1の固定構造を示す。この実施例では、前記吻合口の保護装置は、前記保護スリーブ1の内表面に設けられた第2の固定構造をさらに含み、前記第2の固定構造は、第2の固定部材3と、第2の固定部材3を載置する第2の接続部5とを含み、第2の固定部材3と前記第1の固定部材2とは、磁性により吸着されている。これにより、前記第2の固定構造と前記第1の固定構造とは、共に前記保護スリーブ1を必要な位置に固定することができる。前記第1の接続部材4が第1の状態にあるとき、前記第1の接続部材41は、腸管組織9の周方向に分布し、第1の固定部材2は、対応する第2の固定部材3と磁性吸着する。対応する1セットの第1の固定部材2と第2の固定部材3のうち、少なくとも1つは磁性を有するものであり、両方が磁性を有する場合、磁性は互いに反対であり、1つだけが磁性を有する場合、もう1つは磁性に吸引可能な材料、例えば鉄などの親磁性金属材料である。前記保護スリーブ1は、前記吻合口の上流側に、前記保護スリーブ1の径方向に伸縮可能な支持部11(すなわち、図41中S方向の右側)が設けられている。前記支持部11が径方向に収縮したとき、前記保護スリーブ1は、全体的に腸管組織9の内部に入れたり、腸管組織9の内部から取り出したりすることができ、前記保護スリーブ1が所定の位置に置かれた後、前記支持部11は径方向に拡張して保護スリーブ1に対する支持を形成し、保護スリーブ1が腸壁との密着シールをより良く実現し、内容物が吻合口に入ることを防止する。支持部11は、空気を入れる又は排気することができる環状弾性エアバッグを採用することができ、このエアバッグの外壁は、弾性を有し、例えば、弾性ゴム、シリカゲル、TPUなどであってもよく、あるいは薄いPC材質であってもよく、空気を入れた後に組織壁に当接し、内容物が通った時には周方向長さが大きくなり、腸管によく当接することができる。前記支持部11は、吻合口の上流に設けられ、前記第1の接続部材4は、前記支持部11と前記吻合口との間に設けてもよいし、前記支持部11と前記吻合口との間及び前記吻合口の下流にそれぞれ前記第1の固定構造及び第2の固定構造の組み合わせを設けてもよい。
【0111】
図42に示すように、本発明の第19の実施例における吻合口の保護装置の構造の模式図である。この実施例では、前記第2の操作部材85は、空気入り可能なバルーン851を含み、前記空気入り可能なバルーン851は、前記第1の操作部材83と前記第1の方向に相対的に固定され、第3の状態と第4の状態とを含み、前記空気入りチューブ852の第1の端は、前記バルーン851の内部に連通しており、前記バルーン851を空気入り及び排気することができる。前記第1の接続部材4の第2の端にはバルーン協働部825が設けられ、前記第1の接続部材4が前記第1の状態にあるとき、前記バルーンは、第3の状態にあり、前記バルーン851は、前記バルーン協働部825に相対的に固定され、前記空気入りチューブ852の第2の端は、体外に伸び、前記第1の接続部材4が前記第2の状態にあるとき、前記バルーン851は、第4の状態にあり、前記バルーン851は、前記バルーン協働部825から分離可能である。この実施例では、前記バルーンの内部に嵌合孔が設けられている。第1の接続部材4を第1の状態にする必要がある場合、前記バルーン協働部825を嵌合孔に挿入し、前記バルーン852を介して前記バルーン851に空気を入れ、これにより、前記バルーン851の嵌合孔の内径を縮小させ、前記バルーン協働部825を前記バルーン851に相対固定する。前記第1の接続部材4を除去する必要がある場合、前記バルーン851は、前記空気入りチューブ852によって排気され、前記バルーン851の嵌合孔の内径が大きくなり、前記バルーン協働部825は、前記バルーン851の嵌合孔から取り出すことができる。
【0112】
別の代替的な実施例では、前記バルーン協働部825に嵌合孔が設けられ、前記第1の接続部材4が前記第1の状態にあるとき、前記バルーンが前記嵌合孔に挿入され、前記バルーン851が前記空気入りチューブ852を介して空気入れ、前記バルーンと前記嵌合孔とが密接に嵌合されるようにしてもよい。第1の接続部材4を除去する必要がある場合、バルーン851は、空気入りチューブ852を介して空気放出され、前記バルーンが嵌合孔から取り出されることができるようにする。
【0113】
図43に示すように、本発明の第20の実施例における吻合口の保護装置の構成の模式図である。この実施例では、前記第1の接続部材4が第1の状態にあるとき、前記第1の接続部材4の第2の端と前記第2の操作部材86は、体外に位置する着脱可能な接続構造によって接続される。具体的には、この実施例では、前記第1の接続部材4の第2の端に操作部材協働部826が設けられている。前記着脱可能な接続構造は、前記第2の操作部材86と操作部材協働部826に設けられたスロットを含み、前記第2の操作部材86がスロットに挿入されると、前記第1の接続部材4の第2の端と第2の操作部材86に接続され、第2の操作部材86がスロットから取り出されると、前記第1の接続部材4の第2の端が第2の操作部材86から分離する。他の代替的な実施例では、前記第2の操作部材86は、フック、ストラップなどの構造を採用することもでき、前記操作部材協働部826には、係合孔、溝又はバンプなどの構造を設けることもでき、前記第2の操作部材86と前記操作部材協働部826との取り外し可能な接続を実現することができ、かつ該接続構造は体外で操作すればよい。
【0114】
上述した第18の実施例~第20の実施例では、前記第1の接続部材4は、弾性接続部材であってもよく、前記第1のねじ部823は、非弾性部であってもよい。
【0115】
本発明における吻合口の保護装置の各実施例の材質はすべて生体適合性を満たす材質である。
【0116】
本発明が提供する吻合口の保護装置は以下の利点を有する。
【0117】
本発明は、保護スリーブを通じて吻合口の内表面を保護し、管状組織の内容物の通過を誘導する過程で吻合口を汚染せず、かつ第1の固定部材と第2の固定部材の間の磁性吸着により、保護スリーブを必要な位置に固定し、この装置の中で第1の固定部材と第2の固定部材の間の磁性吸着位置だけが相対的に固定され、周方向の長さが弾性的に伸縮でき、組織に十分な周方向伸縮の空間を提供し、組織内部に内容物があり又は組織自体が蠕動している場合、吻合口が正常な血液供給に近くなることを保証する。
【0118】
以上は、具体的な好適な実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明したものであり、本発明の具体的な実施がこれらの説明に限定されているとはみなすことはできない。本発明が属する技術分野の一般技術者にとって、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの簡単な推論又は置換を行うことができ、いずれも本発明の保護範囲に属すると見なすべきである。
図1
図2
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図5
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図11
図12
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図14
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