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特許7575172電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法
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  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図1
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図2
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図3
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図4
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図5
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図6
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図7
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図8
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図9
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図10
  • 特許-電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電気接続組立体、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20241022BHJP
   H01R 4/00 20060101ALI20241022BHJP
   H01R 43/048 20060101ALI20241022BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H01R4/18 Z
H01R4/00
H01R43/048 Z
H01B7/00 306
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020076424
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2020184529
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】19171729.7
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】503388120
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ベルギー ビーブイ
(73)【特許権者】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(73)【特許権者】
【識別番号】502165089
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ミュース,クリストファ
(72)【発明者】
【氏名】ニッケル,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ファン カウウェンベルゲ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シッター,ヴィナヤークマール
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マイアー,ジョン マーク
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-248406(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0135120(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0156926(US,A1)
【文献】特開2018-137240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 4/00
H01R 43/048
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気接続組立体(100)であって、
前記電気接続組立体(100)は、
- 導体(11)を有するケーブル(10)と、
- 前記導体(11)と電気的に接触している金属テキスタイル(20)と、
- 前記導体(11)と前記金属テキスタイルの間に圧力を生じさせる圧着要素(50)と、を備えるとともに、

前記圧着要素(50)と前記金属テキスタイル(20)の間に、前記金属テキスタイル(20)とは別体の絶縁テキスタイル(30)が配置されている、

電気接続組立体(100)。
【請求項2】
前記金属テキスタイル(20)は、織ったテキスタイルまたは編んだテキスタイルである、
請求項1に記載の電気接続組立体(100)。
【請求項3】
前記金属テキスタイル(20)および前記絶縁テキスタイル(30)は、電気要素(90)の一部である、
請求項2に記載の電気接続組立体(100)。
【請求項4】
前記金属テキスタイル(20)および前記絶縁テキスタイル(30)は、電気要素(90)の接触部(96)の一部である、
請求項2または3に記載の電気接続組立体(100)。
【請求項5】
前記絶縁テキスタイル(30)は、前記金属テキスタイル(20)の長手方向に沿うように切り込まれた複数のスリット(85)を有する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の電気接続組立体(100)。
【請求項6】
前記圧着要素(50)は、前記導体(11)および/または前記金属テキスタイル(20)を取り囲んでいる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気接続組立体(100)。
【請求項7】
ケーブル(10)の導体(11)を金属テキスタイル(20)と電気接続する方法であって、
前記導体(11)および前記金属テキスタイル(20)を押圧して電気接触させるために圧着要素(50)が使用されるとともに、

前記圧着要素(50)と前記金属テキスタイル(20)の間に、前記金属テキスタイル(20)とは別体の絶縁テキスタイル(30)が配置されている、

方法。
【請求項8】
前記絶縁テキスタイル(30)は、前記金属テキスタイル(20)の長手方向に沿うように切り込まれた複数のスリット(85)を有する、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記絶縁テキスタイル(30)、前記金属テキスタイル(20)および前記導体(11)は、前記圧着要素(50)によって形成されているレセプタクル(52)に挿入され、
前記圧着要素(50)はその後、前記絶縁テキスタイル(30)、前記金属テキスタイル(20)および前記導体(11)の周囲に圧着される、
請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記導体(11)は最初に前記金属テキスタイル(20)および前記絶縁テキスタイル(30)と接合され、次いで前記導体(11)と前記金属テキスタイル(20)および前記絶縁テキスタイル(30)を組み合わせたものが前記圧着要素(50)の前記レセプタクル(52)に挿入される、
請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続組立体と、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
電気接続組立体は、例えば、自動車の加熱システムを加熱する際に使用することができる。そのような加熱システムは、抵抗加熱用の金属テキスタイルを有する、可撓性のマット状電気加熱エレメントを備えることができる。しかしながら現在の解決法では、これらの加熱エレメントに電気接続を行うのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気接続の形成が容易である解決法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、導体を有するケーブルと、導体と電気的に接触している金属テキスタイルと、導体と金属テキスタイルの間に圧力を生じさせる圧着要素と、を備える、電気接続組立体、によって達成される。
【0005】
この目的は、ケーブルの導体を金属テキスタイルと電気接続する方法であって、導体および金属テキスタイルを押圧して電気接触させるために圧着要素が使用される、方法、によって更に達成される。
【0006】
本発明による解決法を、互いに独立しており所望に応じて互いに任意に組み合わせ可能な、以下の更なる実施形態および有利な発展形態によって、更に改善することができる。
【0007】
組み立てを特に容易にするために、圧着要素と金属テキスタイルの間に絶縁テキスタイルを配置することができる。そのような実施形態では、例えば、電気接続が行われる前に絶縁テキスタイルを取り外す必要がない。
【0008】
絶縁テキスタイルが金属テキスタイルと圧着要素の間に配置されている場合、導体と金属テキスタイルの間に直接の電気接続が存在し得る。絶縁テキスタイルは、例えば、圧着要素からの押圧力を金属テキスタイルと導体の間の接続部に伝達するための、力伝達要素の役割を果たすことができる。絶縁テキスタイルはまた、力をより良好に分散させること、および損傷の原因となり得る力のピークの局在化を回避する助けにもなり得る。
【0009】
異なる解決法では、絶縁テキスタイルを導体と金属テキスタイルの間に配置してもよい。金属テキスタイルと圧着要素の間に電気接続部が存在し得る。圧着要素は次いで、接続部から離れた場所で、導体に接触することができる。
【0010】
別の発展形態では、終端エリアには絶縁テキスタイルが存在しない。そのような実施形態では、圧着要素、金属テキスタイル、および導体が直接接触し、したがって互いに電気的に接触することが可能である。このことにより、電気接続組立体の低い抵抗および高い導電率をもたらすことができる。
【0011】
金属テキスタイルおよび絶縁テキスタイルは、電気要素の一部とすることができる。電気要素は例えば、電気加熱エレメントまたは可撓性の導電要素とすることができる。金属テキスタイルは電気要素の機能エリアとすることができる。
【0012】
例えば、金属テキスタイルおよび絶縁テキスタイルは、電気要素の接触部の一部とすることができる。接触部を、加熱部などの更なる部分に電気接続することができる。
【0013】
電気要素および金属テキスタイルは、異なる電位で接触できるように2つ以上の接触エリアを有することができる。例えば、ある接触エリアを正電圧供給源と接触するように適合することができ、一方、第2の接触エリアをグランドと接触するように適合することができる。
【0014】
接触部および/または接触エリアは、圧着部に容易に挿入できるように、帯状とすることができる。
【0015】
金属テキスタイルは、容易な製造を可能にするために、織ったテキスタイルとすることができる。代替形態では、金属テキスタイルは、高い可撓性を達成することができるように、編んだテキスタイルとすることができる。かぎ針編み、ノッティング、フェルティング、編み組み、または別の技術など、ファイバから2次元構造を有するテキスタイルを作成する他の可能な選択肢もあり得る。
【0016】
金属テキスタイルは特に、電気を伝えることができるように金属を含むかまたは金属から成る、スレッドを含む。スレッドを例えば、金属で覆うまたは被覆することができる。
【0017】
有利な実施形態では、絶縁テキスタイルを金属テキスタイルと機械的に相互接続することができる。このことは安定性を高める助けとなり得る。
【0018】
例えば、絶縁テキスタイルを金属テキスタイルと織り合わせることができる。金属テキスタイルの一部、例えばスレッドを、絶縁テキスタイルの一部に織り込むこと、またはその逆が可能である。
【0019】
圧着要素は、導体および/または金属テキスタイルを取り囲むことができる。このことは、良好な押圧接続を実現する助けとなり得る。押圧力は内側に、または周囲の圧着要素によって画定されるエリアに向けることができる。
【0020】
圧着要素は、変形されるように適合されている少なくとも1つの圧着部を備えることができる。
【0021】
圧着要素は変形を通して圧力を達成することができる。変形は塑性および/または弾性のものとすることができる。好ましくは、圧着要素は変形した状態において、金属テキスタイルおよび/または導体に作用する押圧力を生じさせる。
【0022】
圧着要素は、少なくとも変形される前の状態では、電気接続を達成することができるように、特に圧着部において、C形状の断面を有することができる。基部から少なくとも2つの脚部が、特に異なる方向または反対方向に突出していてもよい。脚部および基部は、金属テキスタイルおよび導体用のレセプタクルを画定することができる。変形中、脚部および基部が金属テキスタイルを取り囲むように、2つの脚部の端部を互いに接触させることができる。金属テキスタイルはこの結果、変形した状態の圧着要素によって画定される空間内に配置され得る。変形された状態では、圧着要素は、導体および金属テキスタイルの周囲に閉じたリング構造を形成することができる。
【0023】
本発明に係る電気接続組立体のセットは、未組立および/または未変形の状態の電気接続組立体の要素を含むことができる。このセットは例えば、導体を有するケーブル、金属テキスタイル、および/または圧着要素を含むことができる。
【0024】
方法の有利な実施形態では、金属テキスタイルおよび導体は圧着要素によって形成されているレセプタクルに挿入され、圧着要素はその後、金属テキスタイルおよび導体の周囲に圧着される。
【0025】
有利には、導体は最初に金属テキスタイルと接合され、次いでこれら2つを組み合わせたものが、圧着要素のレセプタクルに挿入される。例えば、導体を金属テキスタイルの隣にまたは表面に設置することができる。そのような実施形態は、自動的な方法での処理が容易である。
【0026】
続く変形をより容易にするために、金属テキスタイルおよび/または絶縁テキスタイルを、例えばこれらにスリットを切り込んで、少なくとも部分的に切ることができる。
【0027】
挿入をより容易にするために、金属テキスタイルを、レセプタクルに挿入される前に少なくとも一時的に変形させることができる。例えば、導体の挿入前または挿入後に、金属テキスタイルを変形させることができる。変形は特に、横方向に巻くことを含むことができる。金属テキスタイルはこの結果、主として円筒形の断面を形成することができる。
【0028】
代替形態では、金属テキスタイルは最初にレセプタクルに挿入され、その後で導体が挿入される。
【0029】
ここで本発明について、有利な実施形態を使用し、図面を参照して、例示的なものとしてより詳細に記載する。記載する実施形態は可能な構成に過ぎないが、それらにおいては、上記したような個々の特徴を互いに独立に提供すること、または省略することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】方法の第1のステップの概略斜視図である。
図2】方法の第2のステップの概略斜視図である。
図3】方法の第3のステップの概略斜視図である。
図4】方法の第4のステップの概略斜視図である。
図5図1から図4の方法によって実現される電気接続組立体の断面図である。
図6】第2の方法によって製造される電気接続組立体のセットの概略斜視図である。
図7】第2の方法によって実現される電気接続組立体の断面図である。
図8】加熱エレメント用の電気接続組立体の概略斜視図である。
図9】電気接続組立体のセットの概略斜視図である。
図10】途中まで組み立てた状態の、図9に示した電気接続組立体のセットの概略斜視図である。
図11】電気接続組立体の更なる実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1から図4には、ケーブル10の導体11を金属テキスタイル20と電気接続する方法の4つのステップが示されている。
【0032】
金属テキスタイル20は、電気要素90、例えば電気加熱エレメント91の接触部95の一部とすることができる。接触部95は、2つの接触エリア96を備えることができ、1つはグランド接続用であり、1つは電圧接続用である。接触エリア96の各々は帯状となっている。
【0033】
金属テキスタイル20は、絶縁テキスタイル30上に配置されている。金属テキスタイル20および絶縁テキスタイル30は、例えば織り合わせることによって、相互接続することができる。金属テキスタイル20および絶縁テキスタイル30は、織ったもの、編んだもの、または2次元の布地もしくは布帛を得るのと同様にして製造したものとすることができる。導体33などの更なる導電性のスレッドおよび加熱用のスレッド34を、絶縁テキスタイル30に織り込むことができる。
【0034】
図1では、方法の第1のステップが実行されたところである。導電性の金属テキスタイル20の端部25が可動となるように、絶縁テキスタイル30には長手方向Lに沿ってスリット85が切り込まれている。
【0035】
図2に示す第2のステップでは、端部25は横方向に変形され、この結果、これらは少なくとも部分的に、基本的に円形または円筒形の断面を形成する。
【0036】
図3に示す第3のステップでは、導体11を有するケーブル10が長手方向Lと平行な挿入方向Iに沿って円筒形の端部25に挿入され、この結果、円筒形の端部25は円周方向Cに沿って導体11を取り囲む。端部25の外側には、絶縁テキスタイル30が存在する。
【0037】
図4は、第4のステップを示す。第4のステップでは、端部25が圧着要素50に、特に圧着要素50によって形成されたレセプタクル52に挿入される。続いて、圧着要素50、特に圧着部55が、導体11、金属テキスタイル20、および絶縁テキスタイル30を取り囲むように変形される。圧着部55は次いで円周方向Cに沿って閉じられ、特に導体11と金属テキスタイル20の間にプレス嵌めを形成し、この結果、これら2つの間の信頼性の高い電気接触が達成される。
【0038】
図5は、図1から図4の方法によって作成された電気接続組立体100の実施形態の断面図を示す。圧着部55は、基部57に取り付けられた圧着側部56として具現化された、2つの脚部59を備える。圧着部55は、電気導体11、金属テキスタイル20、および絶縁テキスタイル30が中に配置される容積を画定する。圧着要素50は絶縁テキスタイル30を介して、導体11と金属テキスタイル20の間に間接的なプレス嵌めを形成する。
【0039】
導体11は複数本の単一ストランド12を備えるが、別の例では、ただ1本の太いワイヤまたはストランド12を備えてもよい。同様に、金属テキスタイル20は、金属から作成可能な、またはむ金属を例えばコーティングの形態で含む、いくつかのスレッド23を備える。
【0040】
図6は更なる可能な実施形態を示す。この例では、電気要素90から絶縁テキスタイル30が部分的に取り除かれている。このことにより、圧着要素50の圧着部55と金属テキスタイル20と導体11の間の押圧接続が実現される。絶縁テキスタイル30は、例えば、切断または熱を加えることによって取り除くことができる。
【0041】
図7には、図6の構成要素から作成された電気接続組立体100の断面図が示されている。導体11のストランド12、金属テキスタイル20のスレッド23、および圧着要素50が、直接電気的および機械的に接触していることが見て取れる。この場合も、圧着部55は円周方向Cに沿って閉じられる。2つの脚部59または圧着側部56は、これらの端部が接触するように、互いに向かって曲げられている。大きな力による圧着部55の塑性変形の結果、押圧力が生じるが、この押圧力は変形ステップが作用した後でも残り、その後一定の圧力を生じさせる。
【0042】
図8は、電気加熱エレメント91の形態の電気要素90の全体を示す。電気要素90は接触エリア96に電気接続されている加熱部93を備え、そして接触エリア96にはケーブル10が取り付けられている。接触エリア96には金属テキスタイル20の2本の帯が存在し、いずれも絶縁テキスタイル30の上に配置されている。金属テキスタイル20は、圧着要素50を介してケーブル10に取り付けられている。このことにより、容易に接続を行うことが可能になる。
【0043】
図9には電気接続組立体100のセットが示されている。セットは、複数本の単一ストランド12を備える導体11を有するケーブル10と、2つの圧着部55を有する圧着要素50と、絶縁テキスタイル30に取り付けられた金属テキスタイル20と、を含む。図10に示すように、ケーブル10の導体11を金属テキスタイル20で包み、圧着要素50に挿入することができる。
【0044】
図11には、図9および図10の実施形態から製造されるものと類似した、電気接続組立体100の更なる実施形態が示されている。ただし、この実施形態では、金属テキスタイル20、絶縁テキスタイル30、およびケーブル10は、圧着要素50から離れる同じ側に突出している。
【符号の説明】
【0045】
10 ケーブル
11 導体
12 ストランド
20 金属テキスタイル
23 スレッド
25 端部
30 絶縁テキスタイル
33 導体
34 加熱用のスレッド
50 圧着要素
52 レセプタクル
55 圧着部
56 圧着側部
57 基部
59 脚部
85 スリット
90 電気要素
91 電気加熱エレメント
93 加熱部
95 接触部
96 接触エリア
100 電気接続組立体
C 円周方向
I 挿入方向
L 長手方向
R 半径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11