(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
E03D9/08 A
(21)【出願番号】P 2019214621
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】尾田 颯太郎
(72)【発明者】
【氏名】小池 英也
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-200359(JP,A)
【文献】特開2017-223031(JP,A)
【文献】特開2018-123622(JP,A)
【文献】特開2008-138423(JP,A)
【文献】特開2008-057212(JP,A)
【文献】特開2013-002203(JP,A)
【文献】特開2008-266926(JP,A)
【文献】特開2008-266879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-7/00
E03D 9/00-9/16
E03D 11/00-13/00
A47K 13/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口し、前方に便鉢部が配置される便器本体と、
前記便器本体の後方の上面に配置され、前記上面に対して略平行な面を有する底面部を有するベース部と、
前記便器本体の後方に配置され、前記便鉢部内を照らす照明部と、を備え、
前記照明部は、光源と、前記光源の後方に接続され前記光源に電力を供給する配線が接続された結線部とを有し、前記結線部は、前記光源よりも高い位置にあり、
前記照明部は、前記後方側から前記前方側に向かって下方に傾斜しており、
前記底面部に、前記光源から照射される光の照射口が形成される、便器装置。
【請求項2】
前記便鉢部内に洗浄水を吐出し、ユーザを洗浄する洗浄機構をさらに備え、
前記洗浄機構は、前記便鉢部内に洗浄水を供給するノズル部を有し、
前記ノズル部は、前記後方側から前記前方側へ向かって下方に傾斜して取り付けられ、
前記結線部は、前記ノズル部の下方に配置される、請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記照明部は、中心光が前記便鉢部の後方を向くように配置される、請求項1又は2に記載の便器装置。
【請求項4】
前記ベース部は、薄板状であり、
前記照明部は、前記ベース部の上に取り付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記ベース部は、前記結線部の周囲を囲う枠状の防水リブ部と、
前記防水リブ部の内側に配置され、前記照明部が係合する爪部と、を有し、
前記爪部は、前記防水リブ部の幅方向の一方側に寄って配置されている、請求項4に記載の便器装置。
【請求項6】
上部が開口し、前方に便鉢部が配置される便器本体と、
前記便器本体の後方の上面に配置され、前記上面に対して略平行な面を有する底面部を有するベース部と、
前記便器本体の後方に配置され、光源を有し、前記便鉢部内を照らす照明部と、を備え、
前記便鉢部は、下部に洗浄水を貯留する溜水部を有し、
前記照明部は、中心光が前記溜水部以外の部位を向くように配置され、
前記照明部は、前記後方側から前記前方側に向かって下方に傾斜しており、
前記底面部に、前記光源から照射される光の照射口が形成される、便器装置。
【請求項7】
前記照明部の外形は、略直方体形状であり、
前記照明部の中心光は、前記略直方体形状の長手方向と、略直交する、請求項1~6のいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項8】
上部が開口した便鉢部を有する便器本体と、
前記便器本体の後方の上面に配置され、前記上面に対して略平行な面を有する底面部を有するベース部と、
前記便鉢部内を照らす照明部と、を備え、
前記照明部は、光源と、前記光源の後方に接続され前記光源に電力を供給する配線が接続された結線部とを有し、前記結線部は、前記光源よりも高い位置にあり、
前記便鉢部は、下部に洗浄水を貯留する溜水部を有し、
前記照明部は、中心光が前記溜水部以外の部位を向くように配置され、
前記底面部に、前記光源から照射される光の照射口が形成される、便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間等にトイレを使用した場合に、睡眠を妨げることなくトイレを使用できるように便器装置の便鉢の内部を弱い光で照らす技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。便鉢の内部に光を照射するため、照明部は便鉢の縁の近傍に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明部は便鉢の縁の近傍に配置されていると、便器装置の使用に伴い水飛沫等が飛び、照明部に接続される配線に水がかかることがあった。特に、配線の結線部に水がかかると、電気の供給に問題が生じる懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上部が開口した便鉢部を有する便器本体と、前記便鉢部内を照らす照明部と、を備え、前記照明部は、光源と、前記光源の後方に接続され前記光源に電力を供給する配線が接続された結線部とを有し、前記結線部は、前記光源よりも高い位置にある、便器装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2A】本実施形態のフロントベース部の上面図である。
【
図2B】本実施形態のフロントベース部の部分側面図である。
【
図2C】本実施形態のフロントベース部の部分拡大断面模式図である。
【
図3】本実施形態のフロントベース部の部分拡大斜視図である。
【
図4】本実施形態のフロントベース部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の便器装置1の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便器装置1の便座21に座った人から視た場合の前後の方向を前後方向と定義する。前後方向に交差する左右を結ぶ方向を幅方向と定義する。鉛直方向を上下方向と定義する。図中、Fは便器装置1の前方を、Rは後方を示す。
【0008】
便器装置1は、例えばトイレルーム(図示省略)に配置され、汚物を下水へ流して洗浄する水洗式の装置である。
図1に示すように、便器装置1は、便器本体10と、便座21と、便蓋22と、ベース部3と、洗浄機構としての臀部洗浄機構4(
図4参照)と、照明部5(
図3参照)と、を有する。
【0009】
便器本体10は、上部が開口した便鉢部11を有する容器である。便鉢部11は、便器本体10の前方よりに形成される凹部であり、下部に排水口が形成されて下水管(図示省略)と接続されている。便鉢部11は、下部に封水のため一定量の洗浄水が貯水された溜水部12(
図5参照)を有する。
【0010】
便座21は、中央が便器本体10の開口に連通するように開口した略環状で平坦な部材であり、便器本体10の上面に載置され、開閉可能に取り付けられている。便蓋22は、便座21の上に開閉可能に取り付けられて、便座21及び便器本体10の凹部を覆っている。
【0011】
ベース部3は、便座21の後方に配置され、便座21及び便蓋22の開閉機構や、温度センサ、着座センサ、音楽基板及びスピーカー、脱臭装置、臀部洗浄機構4、照明部5等の機能部品が取り付けられる。ベース部3には、これら各種の機構や装置を接続し、ベース部3内の機能部品に電力を供給するための導電性の配線や、臀部洗浄機構4の洗浄水の供給のために水又は温水が内部を流通する配管が配置される。
【0012】
ベース部3は、フロントベース部31と、リアベース部32と、カバー部33と、を有する。フロントベース部31は、樹脂のプレートで構成され、その上に各機構が取り付けられている。リアベース部32は、樹脂で成形され、所定の高さを有する。
【0013】
カバー部33は、フロントベース部31及びリアベース部32を連続して覆う蓋である。カバー部33は、前端が便座21の後端と接し、後端がリアベース部32の側壁の周囲に接する。カバー部33の下端は、便器本体10の後部の上面に載る。
【0014】
リアベース部32は、
図1に示すように、フロントベース部31の後方の空間に配置される。リアベース部32には、各機構を構成する機能部品の外形形状に合わせた凹凸が形成されており、機能部品が取り付けられている。
【0015】
フロントベース部31は、リアベース部32の前方に配置され、リアベース部32と別体で形成されて互いに接続されている。フロントベース部31は、
図2Aに示すように、長手方向が便器本体10の幅方向に沿うように配置される略長方形の薄板状の部材である。フロントベース部31は、前縁部31aと、後縁部31bと、底面部310と、を有する。前縁部31aは、フロントベース部31の前方側で便器本体10の幅方向に沿って延びる。後縁部31bは、前縁部31aの後方側で、前縁部31aと同じ方向に延びる。底面部310には、各種の機能部品を取り付けるための凹凸や、開口、切り欠き等が形成されている。さらに、
図2A及び
図3に示すように、フロントベース部31は、ノズル挿通孔311と、照射口312と、台座部313と、爪部314と、補助凸部315と、防水リブ部316と、を有する。
【0016】
ノズル挿通孔311は、フロントベース部31の前縁部31aにおける便器本体10の幅方向の中央部に配置され、二つの貫通孔により構成される。
【0017】
照射口312は、フロントベース部31の底面部310に形成され、二つのノズル挿通孔311の間で、かつノズル挿通孔311の後方に配置される貫通孔である。照射口312は、ノズル挿通孔311の一つよりも小さい。照射口312は、後述する照明部5から照射される光が便鉢部11へ向かうように開口している。
【0018】
台座部313は、
図2Bに示すように、照射口312の後方に形成され、底面部310から突出する突起である。台座部313は、前方上面313aと、後方上面313bと、側壁部313cとを有する。前方上面313aは、台座部313の前後方向の前方側で、前端側が最も低く、後端側が最も高く、下り傾斜している平坦な面で構成される。後方上面313bは、前端側と後端側に高低差のない平坦な面で構成される。前方上面313a及び後方上面313bは、前後に連続して配置される。側壁部313cは、底面部310から上下方向に起立する台座部313の周囲の面である。台座部313には、後述する照明部5が載置される。
【0019】
爪部314は、
図2A及び
図2Cに示すように、照射口312と、台座部313との前後方向における間であって、かつ照射口312及び台座部313から、便器本体10の幅方向外側へ若干ずれた位置に配置される。爪部314は、長方形の板状の突起が、底面部310から突出し、
図2Cに示すように、先端が略直角に屈曲して形成される。爪部314は、爪部314を形成する板の幅方向が、便器本体10の前後方向に沿い、先端は底面部310の幅方向中央側に向かって屈曲している。
【0020】
補助凸部315は、台座部313の爪部314と反対側の幅方向外側で、爪部314よりも後方側に配置される。補助凸部315は、爪部314よりも狭い幅の略長方形の板状の突起により構成される。補助凸部315は、爪部314よりも低い高さ底面部310から突出する。補助凸部315は、板の幅方向が便器本体10の幅方向に沿うように突出している。
【0021】
防水リブ部316は、ノズル挿通孔311の後方に配置される枠状の部分である。防水リブ部316は、ノズル挿通孔311、照射口312、台座部313、爪部314、補助凸部315を囲むように配置される。
図2Aに示すように、防水リブ部316の内側に配置される爪部314は、防水リブ部316の幅方向の一方側に寄っている。防水リブ部316では、幅方向の他方側に一方側よりも広い空間が空いている。防水リブ部316は、起立壁316aと、突出部316bと、案内壁316cと、を有する。
【0022】
起立壁316aは、底面部310から上方に向かって起立する。起立壁316aは、フロントベース部31の前方、後方、両側部に沿って形成される。起立壁316aの後方及び前方の間の幅、両側部の間の幅は、それぞれ略同一で正方形に近い形状を有している。
【0023】
突出部316bは、起立壁316aの前方側で、便器本体10の幅方向の一方に寄った位置で、前方側に略コの字状に突出している。突出部316bは、照射口312の周囲を囲むように突出している。
【0024】
案内壁316cは、突出部316bにおける便器本体10の幅方向の他方側の壁が、防水リブ部316の内側に向かって前後方向に延びるように、起立壁316aで構成される枠から内側へ延びる部分である。案内壁316cは、後述する照明部5を配置する際に、照明部5の周囲を案内する。
【0025】
図4に示すように、臀部洗浄機構4は、フロントベース部31における便器本体10の幅方向の略中央部に配置される。臀部洗浄機構4は、ノズル部41と、カバー42と、給水機構(図示省略)とを有する。臀部洗浄機構4は、便鉢部11内に洗浄水を吐出し、ユーザの臀部を洗浄する装置である。
【0026】
ノズル部41は、円筒状に形成され、便鉢部11内に湯水を吐出する管であり、例えば二本の管が隣り合って配置される。ノズル部41は、後方側から前方側へ向かって下方に傾斜して取り付けられる。ノズル部41は、防水リブ部316の上方を通って先端がフロントベース部31のノズル挿通孔311内を挿通する。ノズル部41の先端は便鉢部11の後方上部に配置されている。
【0027】
カバー42は、一対のノズル部41を覆うカバーである。カバー42は、フロントベース部31の幅方向の略中央において、便器本体10の前後方向に延びるように配置されている。
【0028】
給水機構43は、ノズル部41に湯水を供給するホースや、湯水を供給する給水管の弁を開閉する電磁弁、これらを駆動するモータ等を有する。給水機構43は、ノズル部41の後部下方に配置されている。
【0029】
照明部5は、便鉢部11内を照らす照明である。照明部5は、便鉢部11の後方に配置され、ベース部3に取り付けられる。照明部5全体の外形は、略直方体形状であり、光源51と、結線部52と、を有する。
【0030】
光源51は、発光ダイオードの光素子であり、周囲をプラスチックのケーシングで覆われている。光源51は、照射口312の上に位置するように配置される。
【0031】
結線部52は、光源51の後方に配置され、光源51に接続される。結線部52は、光源51に電力を供給する配線52aが接続されて束ねられた部分である。結線部52は、台座部313に載せて取り付けられ、光源51よりも高い位置にある。結線部52は、臀部洗浄機構4のノズル部41の下方に配置されている。結線部52は、枠状の防水リブ部316によって周囲を囲われており、台座部313に支持されて位置が高くなっている。
図2B及び
図6に示すように、結線部52が台座部313に支持されることで、照明部5が後方側から前方側へ向かって傾斜する。仮に臀部洗浄機構4から吐出される洗浄水等の水がフロントベース部31側へ侵入してくるようなことがあっても、結線部52は浸水を免れる。
【0032】
図3に示すように、照明部5は、その前端が防水リブ部316の起立壁316aにおける前端側で略コの字状に突出する突出部316bに嵌まるように寸法が合されている。照明部5の幅方向の一方側の端部は、爪部314に当接して係合する。照明部5の後端は、台座部313に載せるように取り付けられる。照明部5の爪部314が当接する側と反対側の端部を、防水リブ部316の案内壁316cに合わせ、爪部314及び案内壁316cによって案内されながら照明部5を前方へ押すことで、照明部5が突出部316b内に収まる。照明部5の前端が突出部316b内に収まると、光源51は自動的に照射口312の上部に配置される。補助凸部315は、照明部5が爪部314の設けられている側と反対側へ移動しないように補助的に案内する。爪部314と防水リブ部316の起立壁316aの間の距離よりも、補助凸部315と起立壁316aとの間の距離の方が広いため、照明部5や防水リブ部316内の爪部314等の配置に製造誤差があった場合等、取付けには余分な空間があることで作業性が向上し、取り付けが容易になっている。
【0033】
図5は、照明部5がフロントベース部31に取り付けられ、光を照射している状態の断面の模式図である。
図6は、
図5の光源51付近を拡大した断面の模式図である。
図5及び
図6に示すように、照明部5の後端が台座部313により持ち上げられていることで、照明部5が照射する光の中心である中心光Xは、便鉢部11の後方を向いている。中心光Xは、光源51としての発光ダイオードから発せられる光の中で、最も強度が強い方向に進む光である。中心光Xは、照明部5の略直方体形状における長手方向と略直交する。照明部5が照射する光で照らされる照射範囲Eが便器本体10の後方に寄っている。照明部5は、便鉢部11の溜水部12を避けて光を照射するように配置されている。つまり、照明部5は、中心光Xが溜水部12以外に向くように配置されている。このように配置されることで、中心光X付近の高強度の光は、便鉢部11の後方側の壁面に当たる。
図5に示すように、便鉢部11の後方側の壁面に当たった光は、反射して前方側を照らす。中心光X付近の高強度の光は、直接的に溜水部12を照らすことはない。
【0034】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。便器装置1を、上部が開口した便鉢部11を有する便器本体10と、便鉢部11内を照らす照明部5と、を含んで構成した。照明部5を、光源51と、光源51の後方に接続され光源51に電力を供給する配線52aが接続された結線部52とを含んで構成し、結線部52を、光源51よりも高い位置に配置した。結線部52が光源51よりも高い位置にあるので、光源51の後方に接続されている結線部52に水がかかりにくい。このため、結線部52に不具合が生じにくく、安定して便鉢部内を照射することができる。
【0035】
本実施形態によれば、照明部5を、後方側から前方側に向かって下方に傾斜させた。照明部5を傾斜させて配置させることで、容易に結線部52を光源51よりも高い位置に配置させることができる。よって、結線部52に水がかかりにくい。このため、結線部52に不具合が生じにくく、安定して便鉢部内を照射することができる。さらに、照明部5が下方に傾斜することで、照明部5が照らす光の中心光Xが後方を向くことになり、便鉢部11内に洗浄水が貯水された溜水部12に光が直接照射されない。これにより、夜間にトイレを使用する人が、溜水部12から反射する光によって眩しく感じ、覚醒してしまうことを防止することができる。
【0036】
本実施形態によれば、便鉢部11内に洗浄水を吐出し、ユーザの臀部を洗浄する臀部洗浄機構4をさらに含んで構成した。臀部洗浄機構4を、便鉢部11内に洗浄水を供給するノズル部41を含んで構成し、ノズル部41を、後方側から前方側へ向かって下方に傾斜して取り付けた。結線部52を、ノズル部41の下方に配置させた。結線部52がノズル部41の下方に配置されているので、フロントベース部31内のスペースを効率的に利用して照明部5を取り付けることができる。ノズル部41自体が下方に向かって傾斜しているため、照明部5を立てて配置することが難しいが、結線部52を光源51よりも高い位置に配置することで、スペースを効率的に利用しつつ、結線部52の保護をすることができる。
【0037】
本実施形態によれば、照明部5を、中心光Xが便鉢部11の後方を向くように配置させた。これにより、光が便鉢部の溜水部12に直接照射されることがなくなり、夜間にトイレを使用する人が、溜水部12から反射する光によって眩しく感じ、覚醒してしまうことを防止することができる。
【0038】
本実施形態によれば、便鉢部11を、下部に洗浄水を貯留する溜水部12を含んで構成し、照明部5を、中心光Xが溜水部12以外の部位を向くように配置させた。これにより、光が便鉢部の溜水部12に直接照射されないため、上記と同様の効果を奏する。
【0039】
本実施形態によれば、照明部5が取り付けられるベース部3をさらに含んで構成した。ベース部3を、照明部5の後方部を支持する台座部313を含んで構成した。結線部52を光源51よりも高い位置に確実に配置させやすくなり、結線部52に水が掛かりにくくなる。よって、上記と同様の効果を奏する。
【0040】
本実施形態によれば、ベース部3を、結線部52の周囲を囲う枠状の防水リブ部316と、防水リブ部316の内側に配置され、照明部5が係合する爪部314と、を含んで構成した。爪部314を、防水リブ部316の幅方向の一方側に寄って配置させた。結線部52の周囲が枠状の防水リブ部316によって囲われているので、フロントベース部31内に水が浸入してくることがあったとしても、結線部52に水が掛かることを防止することができる。さらに、爪部314に沿って照明部を係合させ、爪部314の他方側の空間が空いているため、照明部5の取付けが容易になり、作業効率が向上する。
【0041】
本実施形態によれば、便器装置1を、上部が開口した便鉢部11を有する便器本体10と、便鉢部11内を照らす照明部5と、を含んで構成した。便鉢部11を、下部に洗浄水を貯留する溜水部12を含んで構成し、照明部5を、中心光Xが溜水部12以外の部位を向くように配置させた。便鉢部11内に洗浄水が貯水された溜水部12に光が直接照射されなくなるので、夜間にトイレを使用する人が、溜水部12から反射する光によって眩しく感じ、覚醒してしまうことを防止することができる。
【0042】
本実施形態によれば、照明部5の外形を略直方体形状に形成し、照明部5の中心光Xを、略直方体形状の長手方向と略直交するように光を照射させた。これにより、中心光Xが便鉢部11の後方を向くように照射され、溜水部12以外の部位を向くように配置されるので、上記と同様の効果を奏する。
【0043】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。例えば、照明部は、ベース部に取り付けられていなくてもよい。照明部の形状は特に限定されない。
【符号の説明】
【0044】
1 便器装置、 3 ベース部、 4 臀部洗浄機構、 5 照明部、 10 便器本体、 11 便鉢部、 12 溜水部、 41 ノズル部、 51 光源、 52 結線部、 52a 配線、 313 台座部、 314 爪部、 316 防水リブ部