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特許7575219バルブ及びこのようなバルブを備える被覆体の適用のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】バルブ及びこのようなバルブを備える被覆体の適用のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/122 20060101AFI20241022BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20241022BHJP
【FI】
F16K31/122
B05B12/00 Z
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020145587
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2021038847
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】1909623
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】ドニ バンゼット
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ フォール
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ グールバ
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-207666(JP,A)
【文献】実開昭62-185989(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104259055(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/12-31/165;31/36-31/42
B05B 12/00-12/14;13/00-13/06
B05B 1/00- 3/18; 7/00- 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆体の適用のためのシステム(2)のためのバルブ(4)であって、このバルブが、
内側中央のオリフィス(10)及びチャンバー(12)を備えるボディー(8)
内側中央のオリフィス(10)中に取り付けられたロッド(240)によって、及びチャンバー(12)中に取り付けられたピストンヘッド(242)によって形成されたピストン(24)であって、ロッド(240)が、ボディー(8)の外部に延在していて、バルブ(4)が適用システム(2)中に取り付けられることが意図され、加圧された被覆体が循環する、適用システム(2)のボア(6)中で動くことを意図されていて、チャンバー(12)の第一の部分(12A)が、ボディー(8)中に収容されたバネ(34)の力に対するピストン(24)の運動(F3)を得るために、加圧された制御流体(F2)によって満たされることを意図された、ピストン(24)と
ッド(240)がボディー(8)の外部に延在したバルブの1つの側の、ロッド(240)の周りに、ボディー(8)中に収容された、動的シールによって形成された第一シーリング装置(26)と、
第一シーリング装置(26)とチャンバー(12)との間のロッド(240)の周りに、ボディー(8)中に収容された動的シールによって形成された第二シーリング装置(38)
を備え、
バルブ(4)が、ロッド(240)中に提供され、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間の内側中央のオリフィス(10)と連通し、かつ開放空気に又は開放空気と連通したチャンバー(12)の第二の部分(12B)に現れたベントダクト(40)を備えることと、
ベントダクト(40)が、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィス(10)の空洞(44)に現れた、少なくとも1つの半径方向のオリフィス(42)を備えることと、
ボディー(8)とボア(6)との間に挿入された静的シーリング要素(39A)からの漏出物(F5)をベントダクト(40)に導くために、バルブ(4)が、ボディー(8)の外表面と、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィス(10)の空洞(44)との間で、ボディー(8)を貫通したダクト(500)を備えることと
を特徴とする、バルブ(4)。
【請求項2】
バルブ(4)が、ピストン(24)の位置に対してボディー(8)の外部に突き出るように構成された、ピストン(24)に固定された指示器(46)を備えること、及びベントダクト(40)が指示器(46)を貫通していることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
ベントダクト(40)が、ピストン(24)の中央軸(X)に対して同軸であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項4】
ベントダクト(40)が、開放空気と連通し、バネ(34)が取り付けられたチャンバー(12)の第二の部分(12B)に現れていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項5】
バルブ(4)が、バルブ(4)が取り付けられることが意図されたシステム(2)のボア(6)と、ボディー(8)との間の密閉を確かにするための、静的シーリング要素(39A)を含む静的シーリング装置(39)とを備え、静的シーリング装置(39)がボディー(8)の溝中に収容されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のバルブ(4)を備える、被覆体の適用システム(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ及びこのようなバルブを備える被覆体の適用のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
被覆体の適用のためのシステム、例えば塗料噴霧器は、可動ニードルを制御して塗料の循環を可能とする、少なくとも1つのバルブを備える。バルブは、一般に、加圧された制御空気をチャンバー中に注入することによって制御される。加圧された空気は、ニードルを制御するピストンに作用する。このようなバルブは、一方で、塗料がチャンバーに向かってバルブに入るのを防止し、他方で、加圧された制御空気がチャンバーから逃げるのを防止し、他の流体がチャンバーに入るのを防止する、シーリング装置を備える。
【0003】
このようなバルブは、ベント、すなわち、塗料側のシールで漏出が始まったバルブの場合に、塗料を噴霧器の外部に向けること、及びなにより塗料が制御空気循環路に入るのを防止してバルブの制御部分を保護することを可能とする導管、を備え付けている。ベントはまた、リーキングバルブ(leaking valve)を設けることを可能とする。
【0004】
幾つかの流通しているバルブにおいて、バルブのボディーに穿孔がされ、塗料をバルブの外部に向け、次いで、噴霧器のボディーの座繰り(spot facing)及びドリル加工を通して、噴霧器の外部に向けている。
【0005】
この種類のベントは、噴霧器のボディー中のベントを閉塞し得る、漏出後の任意の乾燥した塗料残留物のために、噴霧器に損傷を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被覆体の適用のためのシステムにおける損傷を回避するために、バルブにベントを作った、被覆体の適用のためのシステムのための新規のバルブを提案することで、これらの欠点に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、被覆体の適用のためのシステムに向けたバルブに関するものであり、このバルブは、内側中央のオリフィス及びチャンバーを備えるボディーを備え、バルブはまた、内側のオリフィス中に取り付けられたロッドによって、及びチャンバー中に取り付けられたピストンヘッドによって形成されたピストンを備え、ロッドは、ボディーの外部に延在していて、バルブが適用システム中に取り付けられることが意図され、加圧された被覆体又は別の流体が適用システム中で循環する、適用システムのボア中で動くことが意図され、バルブは、ピストンロッドがボディーの外部に延在したバルブの1つの側の、ピストンロッドの周りに、ボディー中に収容された、動的シールによって形成された第一シーリング装置を備え、チャンバーの部分は、ボディー中に収容されたバネの力に対するピストンの運動を得るために、加圧された制御流体によって満たされることを意図され、バルブは、第一シーリング装置とチャンバーとの間の、ピストンロッドの周りに、ボディー中に収容された、動的シールによって形成された第二シーリング装置を備える。バルブは、ピストンのロッド中に提供された、第一シーリング装置と第二シーリング装置との間の内側中央のオリフィスと連通した、開放空気に又は開放空気と連通したチャンバーの部分に現れたベントダクトを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によって、バルブのベント機能はバルブの内部で果たされる。バルブが塗料側で漏出した場合、バルブを交換することで十分であり、公知のベントの問題点、特に適用システムのボディーにおける詰まりが回避され、このことはメンテナンス操作を減らすことができる。被覆体塗布システムの全体のコストもまた、減らすことができる。
【0009】
有利であるが任意選択である本発明の態様によって、このようなバルブは、1つ又は複数の以下の特徴を包含することができ、任意の技術的に許容可能な組み合わせの中で考慮される。
-ベントダクトは、第一シーリング装置と第二シーリング装置との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィスの空洞に現れた、少なくとも1つの半径方向のオリフィスを備える。
-バルブは、ピストンの位置に対してボディーの外部に突き出るように構成された、ピストンに固定された指示器を備え、ベントダクトは指示器を貫通している。
-ベントダクトは、ピストンの中央軸に対して同軸である。
-ベントダクトは、開放空気と連通したチャンバーの部分に現れていて、バネはその部分中に取り付けられている。
-ボディーとボアとの間に挿入された静的シーリング要素からの漏出物をベントダクトに導くために、バルブは、ボディーの外表面と、第一シーリング装置と第二シーリング装置との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィスの空洞との間で、ボディーを貫通したダクトを備える。
【0010】
本発明はまた、上で述べたバルブを備える被覆体の適用システムに関する。
【0011】
非限定的な例として、及び図面を参照において提供される、本発明の原理による、被覆体の適用のためのバルブ及びシステムの以下の説明と照らし合わせて、本発明はより良く理解され、本発明の他の利点はより明確に表れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による噴霧システム中に取り付けられた、本発明によるバルブの断面図を示す。
図2図1のバルブの異なる形を示す、図1と類似の断面図である。
図3】本発明による、図1のバルブ及びツールの透視図である。
図4図3に対して反対の角度からの、バルブの透視図である。
図5図3に示されるバルブ及びツールの、長さ方向の断面図である。
図6】組み立て品の構成に、ツールに係合されたバルブの、長さ方向の断面図である。
図7】ツール及びバルブの、平面VIIに沿った横断面図である。
図8】組み立てられたバルブ及びツールの、図9中の平面VIIIに沿った横断面図である。
図9】組み立てられたバルブ及びツールの、平面IXに沿った長さ方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、被覆体の適用のためのシステム2、例えば塗料、ワニス、耐食被覆、又は任意の他の考え得る被覆体のための噴霧器、の一部を示す。システム2は、システム2のボア6中に取り付けられたバルブ4を備える。
【0014】
バルブ4は、内側中央のオリフィス10及びチャンバー12を備えるボディー8を備える。オリフィス10及びチャンバー12は、中央軸Xに関して中央に配置される。下で、用語「軸方向の」(axial)、「半径方向の」(radial)、「軸方向に」(axially)、「半径方向に」(radially)は、中央軸Xに関して使用される。
【0015】
オリフィス10及びチャンバー12は、流体的に連通する。オリフィス10は、ボディー8の端面14においてボディー8から、ボア6に現れている。
【0016】
システム2は、ボア6中への流体取り入れダクト16、及びオリフィス6を延在した流体出口ダクト18を備える。幾つかの応用において、取り入れダクト及び出口ダクトは、逆であってよい。取り入れダクト16及び出口ダクト18は、被覆体の循環が主に意図されるが、他の流体、特に空気又は洗浄用溶剤もまた、取り入れダクト16及び出口ダクト18において循環することができる。
【0017】
取り入れダクト16と出口ダクト18との間に、ボア6は台20を備え、バルブ4のニードル22がシート20に接触して協調し、矢印F1に沿った、取り入れダクト16から出口ダクト18への被覆体の循環を遮断するか、又は可能とする。示されていない異なる形において、台20はまた、適用システム2の材料に直接加工されてよい。取り入れダクト16は、示されていない被覆体貯蔵器又はポンプ、特に「循環」型、に連結され、出口ダクト18は、示されていない適用又は噴霧装置、例えばガン(gun)に連結される。
【0018】
バルブ4は、内側のオリフィス10中に取り付けられたロッド240によって、及びチャンバー12中に収容されたピストンヘッド242によって形成されたピストン24を備える。ロッド240は、ボディー8の外部に延在し、ニードル22を支承する。ロッド240は、ボア6中で中央軸Xに沿って並進されることが意図され、加圧された被覆体は、ボア6中で矢印F1に沿って循環する。
【0019】
バルブ4は、ロッド240がボディー8の外部に延在したバルブ4の側の、ピストンロッド240の周りに、ボディー8中に収容された第一シーリング装置26を備える。第一シーリング装置26は、ピストンロッド240の並進運動の間に、被覆体が、ピストンロッド240とボディー8との間で、チャンバー12に入り込むのを防止することを可能とする動的シールである。
【0020】
ピストンヘッド242は、中央軸Xに対して垂直な、軸方向の表面244を有する。ピストンヘッド242は、放射状にスカート246状に延在していて、シーリング装置248がスカートの中に収容され、シーリング装置248が、チャンバー12中のピストンヘッド242の並進運動の間の、ピストンヘッド242と、チャンバー12の内側筒状壁120との間の動的シーリングを保証する。シーリング装置246が、ピストンヘッド242の周りで、部分12Aと部分12Bとの間で、流体が循環することを防止するため、シーリング装置246は、チャンバー12を、流体的に隔離された2つの部品12A及び12Bに分割する。
【0021】
チャンバー12の部分12Aは、ピストンロッド240の側に位置する。軸方向の表面244は、部分12A中に位置する。噴霧システム2は、加圧された制御流体のための取り入れダクト28を備え、取り入れダクト28はボディー8の周状の溝30に現れている。周状の溝30は、軸方向のオリフィス32によって部分12Aと連通する。チャンバー12の部分12Aは、加圧された制御流体、例えば空気によって満たされることが意図され、ピストン24の軸方向の運動を制御する。バルブ4は、チャンバー12の部分12Bに取り付けられたバネ34を備える。バネ34は、中央軸Xについて中央に配置され、ピストンヘッド242に弾性力を及ぼして、ピストンヘッド242を下方向に駆動する、すなわちピストンヘッド242を部分12Aに押す。バネ34は、ピストンヘッド242の一部に、及びバルブ4のストッパー36に支承し、ストッパー36はボディー8に留められ、適用システム2にねじ締めされる。
【0022】
ダクト28を経由して部分12A中に注入される圧縮空気(矢印F2)の制御動作の下、バネ34の力に対して、軸方向の表面244上への加圧された空気の圧力によって及ぼされる力によって、ピストン24は上方向に動かされる(矢印F3)。このことは、台20からニードル22を持ち上げ、出口ダクト18への被覆体の通過を可能とする。
【0023】
バルブ4は、第一シーリング装置26とチャンバー12との間に、ピストンロッド240の周りに、ボディー8中に収容された第二シーリング装置38を備える。このシーリング装置38は、ピストンロッド240の並進の間に、空気がチャンバー12から抜けるのを防止し、他の流体が部分12Aに入るのを防止する動的シールであり、加圧された制御空気の循環路は、必然的に、外部の流体、特に被覆体の任意の侵入から守られる。
【0024】
バルブ4はまた、ボア6とボディー8との間の密閉を確かにする、幾つかの静的シーリング装置を備える。これらの装置は、ボディー8の溝中に収容されたOリング39によって形成され、静的シーリング装置はボア6に対して支承し、特にOリング39Aは、端面14の周りで、ボア6とボディー8との間の密閉を確かにする。
【0025】
第一シーリング装置26が故障している場合、故障は、チャンバー12への被覆体の漏出及び流入をもたらす場合があり、バルブ4は、チャンバー12の部分12Aから分離された場所に漏出した被覆体を排出することを可能とする、ベントダクト40を備える。
【0026】
ベントダクト40は、ピストンロッド240中に提供され、第一シーリング装置26と第二シーリング装置38との間の内側中央のオリフィス10に連通し、開放空気に、又は開放空気に連通したチャンバー12の部分に出る。ベントダクト40は、ピストンロッド240を形成する材料に包囲されるダクトによって形成される。従って、ベント40は、バルブ4それ自体の中に提供され、このことは、適用システム2中にベント導管を必要としない。不良のバルブは、適用システムに干渉することを必要とせずに、交換することができる。
【0027】
1つの実施態様において、ベントダクト40は、ピストン24の中央軸Xに対して同軸である。ベントダクト40は、内側中央のオリフィス10の空洞44に現れた、第一シーリング装置26と第二シーリング装置38との間に軸方向に位置した、少なくとも1つの半径方向のオリフィス42を備える。従って、第一シーリング装置26を貫通する被覆体の任意の漏出は、空洞44中に蓄積され、次いで矢印F4に沿って、半径方向のオリフィス42を経由して、ベントダクト40に再合流する。ベントダクト40は、中央軸Xの周りに配置される、幾つかの半径方向のオリフィス42を備えてよい。
【0028】
バルブ4は、ピストン24の軸方向の位置に対してボディー8の外部に突き出るように構成された、ピストン24に固定された部品から形成された指示器46を備える。指示器46は、中央軸Xに対して同軸の筒状の部品であり、ピストンヘッド242に留められ、ストッパー36の穴360に挿入される。圧縮された制御空気の動作の下に、ピストン24が上方向に押されるとき、指示器46はストッパー36の外部に突き出て、外部から見ることができる。
【0029】
例示的例において、ベントダクト40は、指示器46を貫通する穿孔460中に延在し、それによって、ベントダクト40を通って漏出した被覆体は、矢印F4に沿って開放空気に吐き出される。第一シーリング装置26が正常に機能しなかった場合、被覆体の漏出は、それによって、ピストンロッド240、次いで指示器46を通って、すなわちバルブ4の構成要素を通って、噴霧装置2を通過することなく、開放空気に排出される。このことは、漏出の場合に清掃されなければならない特定のバルブを必要としない。さらに、被覆体は、部分12Aから離れたベント40を経由するよう方向づけられ、制御空気循環路の汚染を防止する。
【0030】
示されていない1つの異なる形によれば、ベントダクト40は中央軸Xに対して同軸でなくてよい。
【0031】
図2に示される別の異なる形によれば、ベントダクト40は、被覆体を開放空気に吐き出すために、指示器46を貫通しなくともよい。例えば、ベントダクト40は、チャンバー12の部分12Bに現れるダクト400を通って、ピストンロッド240及びピストンヘッド242の内部の経路に従ってもよい。部分12Bは、ストッパー36の穴360を経由して開放空気に連通し、指示器46は、穴360を通って、中央軸Xに沿って摺動する。それによって、被覆体は、穴360を経由して、部分12Bから排出することができる。漏出した一定量の被覆体は、指示器46及びバネ34の周りに蓄積することができ、バルブ4を閉位置に有利にブロックする。部分12Aは、動的シーリング装置248によって、被覆体の漏出から保護されたままとなる。バルブ4を閉位置にブロックすることは、バルブ4の不調をすぐに表すという結果をもたらす。
【0032】
示されていない異なる形によれば、指示器46もまた中央軸Xに対して同軸でなくてよい。指示器46はまた、ピストン24から分離した部品でなくてよい。指示器及びピストン24は、半径方向のオリフィス42とストッパー36における開放空気との間のベントダクト40に沿って、全体を通して、一体であってよく、モノブロック部品を形成してよい。
【0033】
1つの任意選択である態様によれば、バルブ4は、ボア6と空洞44との間でボディー8を貫通する穿孔500を備えてよい。穿孔500の口は、端面14に対して、シール39Aの後ろに提供される。従って、シール39Aにおいてシーリングに問題がある場合、ボディー8の外側表面とボア6との間の漏出物は、穿孔500によって導かれ、矢印F5に沿って空洞44に、次いで半径方向のオリフィス42及びベントダクト40に方向づけられる。
【0034】
バルブ4の追加の態様、すなわちバルブ4を組み立て及び分解するためのツール52、並びにこのツール52の操作が、図3~9の参照において説明される。
【0035】
バルブ4は、周囲の部品に、張り出した又はへこんだ形状を備え、ツール52の突き出た又はへこんだ形状と協調するように設計される。これらの突き出た又はへこんだ形状は、バルブ4に回転運動を伝えるために、及びバルブ4の分解の間にツール52に固定するために設計される。周囲の部品は、図4に示される特定の形状を有するストッパー54によって形成され、ストッパー54の主要な機能は、図1のストッパー36の機能と類似していて、すなわち、ストッパー54はボディー8に留められ、適用システム2にねじ留めされる。そのために、ストッパー54は外側のねじ筋540を備える。
【0036】
ストッパー54に提供される、突き出た又は中空の形状は、周囲の外形542及び周囲の外形544を備え、周囲の外形544は、ストッパー54の軸方向表面に沿って付けられる、バルブ4の外側端部546に対して、周囲の外形542の後ろに位置する。周囲の外形542及び544は、軸Xに沿って計画され、周囲の外形542が端部546に最も近い。
【0037】
周囲の外形542は、軸Xに対して平行に延在し、及びストッパー54の筒状の形状に途切れを形成する、3つの平らな表面542Aを有する。周囲の外形544は、周囲の外形542の3つの平らな表面542Aに対して一直線に整列された3つの平らな表面544A、及び3つの平らな表面542Aに対して角度的にオフセットである3つの平らな表面544Bを備える。「一直線に整列された」(Aligned)は、平らな表面544Aが、少なくとも部分的には、平らな表面542Aの軸Xに沿った延長中に位置し、同一の面を形成すること、を意味する。「角度的にオフセットである」(Angularly offset)は、表面544Bが、平らな表面542Aを延在した角セクターに対してオフセットである角セクターに位置する、すなわち平らな表面542A及び544Bによって形成されるそれぞれの面が交差すること、を意味する。この角のオフセットは、平らな表面544Bが、周囲の外形542に対してへこんでいる軸方向のショルダー545を形成することを可能とする。図4に示される通り、平らな表面544Bは、周囲の外形542の筒状部分から窪んでいる。
【0038】
ツール52は、周囲の部品に、張り出した又はへこんだ形状を備え、バルブ4のストッパーに提供される、張り出した又はへこんだ形状と協調するように設計されている。これらのツール52の張り出した又はへこんだ形状は、バルブ4に回転運動を伝えるために、並びにバルブ4の組み立て及び分解の間にバルブ4に固定するために設計される。
【0039】
ツール52は中央軸X52に沿って延在していて、ハンドル520及びボア524を有する末端部522を備える。ツール52の張り出した又は中空の形状は、ボア524の内側周囲の表面524Aに提供される。内側周囲の表面524Aは、3つの平らな周囲の表面526、バルブ4の周囲の外形542の平らな表面542Aの数と等しい、を備える。表面542Aが軸Xに対して並行であるのと同様に、平らな表面526は軸X52に対して並行である。周囲の表面524Aはまた、平らな周囲の表面526から半径方向に窪んだ溝528を備える。溝528は、ツール52の先端530に対して、平らな表面526の後ろに位置する。溝528は、バルブ4をツール52に固定する間に、バルブ4の部品を受け入れるよう設計される、軸方向のショルダー527を形成する。
【0040】
溝528は、バルブ4がツール52中に受け入れられるとき、溝528中に受け入れられたバルブ4の部品に対して軸X52に沿って方向づけられた弾性力を及ぼす、弾性要素529を備える。この弾性要素529は、例えばOリングであってよい。示されていない異なる形において、この弾性要素はまた、渦巻きバネ又はロックワッシャ(ベルビルワッシャ)であってよい。
【0041】
示されていない異なる形において、周囲の外形542は、異なる数の平らな表面、より一般的には少なくとも1つの平らな表面を備えてよい。同様に、周囲の外形544は、周囲の外形542の平らな表面に対して一直線に整列された、3つ以外の幾つかの表面、より一般的には少なくとも1つの平らな表面、及び周囲の外形542の平らな表面に対して角度的にオフセットである、少なくとも1つの平らな表面、を有してよい。周囲の外形542及び544の平らな表面についてと同様に、ツール52は、3つ以外の幾つかの平らな表面526、より一般的には少なくとも1つの平らな表面を有してよい。
【0042】
バルブ4とのツール52の操作は、下に説明されている。図5、6及び7は、ツール52のハウジングにおける、バルブ4の組み立てを示す。軸X及びX52が結合されるように(図5)、バルブ4が、そのボア6中に置かれ、次いで、ツール52がバルブ4により近づけられる。
【0043】
周囲の外形542が、平らな表面526と少なくとも部分的に、軸方向に、一直線に整列されるように、末端部522がストッパー54中に押される(図6)とき、平らな表面542A及び544Aは、平らな表面526との平面接触によって協調する(図7図7中で弾性要素529は省略されている)。矢印R1に沿って、ツール52に回転ねじ締め運動を与えることによって、それゆえに、操作者は、バルブ4をボア6にねじ留めすることができる。
【0044】
操作者が、バルブ4のねじを緩めて、バルブ4を取り外すとき、操作者は、弾性要素529を押し込むように、ツール52をより深く押す。周囲の外形542は、溝528と、軸方向に、一直線に整列されている(図9)。次いで、操作者は、平らな表面544Bとの平面接触となるまで、表面526が軸Xの周りを枢動するように、矢印R2に沿って、ねじを緩める方向に回転を及ぼす(図8)。この回転は、平らな表面544A及び544Bの接触面で、周囲の外形544が、ねじを緩める方向の回転を可能とする丸みのある表面544Cを有するという事実によって、可能となる。
【0045】
この設計において、周囲の外形542は、ツール52の平らな表面526の、周囲の外形544によって形成される窪んだレリーフ中への挿入によって、溝528中にブロックされる。次いで、ツール52のショルダー527は、バルブ4のショルダー545に軸方向に対向し、バルブ4からツール52が取り外されることを防止する。弾性要素529によって及ぼされる弾性力は、バルブ4をボア544の外に、後ろ方向に押す傾向があり、それゆえに、ショルダー527と545との接触を固くする。次いで、バルブ4及びツール52は、一体の組み立て品を形成する。バルブ4及びツール52は、「バヨネット」(bayonet)組み立て品を形成する。
【0046】
ねじを緩める方向に回転を続けることによって、操作者は、表面526と544Bとの間の平面接触を及ぼし、バルブ4のねじを取り外すことを可能とする。一度ボア6からバルブ4が取り外されれば、バルブ4はツール52の末端部522に接続されたままになるために、バルブ4は、たとえ届き難い位置からでも、容易に取り除くことができる。バルブ4はツール52に固定されたままであり、落とすリスクがない。
【0047】
末端部522へのバルブ4の接続の可能性はまた、届き難い位置におけるバルブ4の組み立ての間に、使用することができる。操作者は、バルブ4をボア524中に押し、次いでバルブ4をねじを緩める方向に回すことで、組み立ての前に、ツール52にバルブ4を留めることができる。バルブ4をボア6に取り付けた後、次いで操作者は、ツール52をねじを締める方向に回す。次いで、ねじ締めが抵抗を受けるまで、バルブ4は自由に回転し、それ自体をねじ締めする。次いで、ツール52の回転トルクが、弾性要素によって及ぼされる力を上回り、ツール52が、表面526と表面542A及び544Aとの協調が得られるまで、バルブ4に対して回転する。次いで、固くなるまで、ねじ締めを続けることができる。
【0048】
ツール52、及びバルブ4に提供される、へこんだ/張り出したレリーフは、それゆえに、バルブの組み立て及び分解のために同一のツールを使用することを可能とする。その方法は、組み立て及び分解の両方を可能とし、ツール52の同一の末端部522に提供され、いずれかの操作を行うために、それを回転させることを必要としない。バヨネット組み立てによって、バルブ4とツール52とを固定する可能性は、届き難い位置で、容易にバルブ4を組み立て又は分解することを可能とする。バルブが十分にねじを緩められていない場合には時には長い時間がかかる交換を必要とする、2つの異なるツールを用いてねじを緩めること及びその取り外しを行う、公知の技術とは異なり、バルブのねじを緩めること及びその取り外しは、特に単一の操作で行うことができる。
【0049】
上で説明される実施態様及び選択可能なものの特徴は、特許請求の範囲の文脈において、本発明の新規の実施態様を形成するために組み合わせることができる。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
被覆体の適用のためのシステム(2)のためのバルブ(4)であって、このバルブが、内側中央のオリフィス(10)及びチャンバー(12)を備えるボディー(8)を備え、バルブがまた、内側のオリフィス(10)中に取り付けられたロッド(240)によって、及びチャンバー(12)中に取り付けられたピストンヘッド(242)によって形成されたピストン(24)を備え、ロッド(240)が、ボディー(8)の外部に延在していて、バルブ(4)が適用システム(2)中に取り付けられることが意図され、加圧された被覆体又は別の流体が循環する、適用システム(2)のボア(6)中で動くことを意図され、バルブが、ピストンロッドがボディー(8)の外部に延在したバルブの1つの側の、ピストンロッド(240)の周りに、ボディー(8)中に収容された、動的シールによって形成された第一シーリング装置(26)を備え、チャンバー(12)の部分(12A)が、ボディー(8)中に収容されたバネ(34)の力に対するピストン(24)の運動(F3)を得るために、加圧された制御流体(F2)によって満たされることを意図され、バルブが、第一シーリング装置(26)とチャンバー(12)との間のピストンロッド(240)の周りに、ボディー(8)中に収容された動的シールによって形成された第二シーリング装置(38)を備え、ピストン(240)のロッド中に提供され、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間の内側中央のオリフィス(10)と連通し、かつ開放空気に又は開放空気と連通したチャンバー(12)の部分(12B)に現れたベントダクト(40)を備えることを特徴とする、バルブ(4)。
(付記2)
ベントダクト(40)が、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィス(10)の空洞(44)に現れた、少なくとも1つの半径方向のオリフィス(42)を備えることを特徴とする、付記1に記載のバルブ。
(付記3)
バルブ(4)が、ピストン(24)の位置に対してボディー(8)の外部に突き出るように構成された、ピストン(24)に固定された指示器(46)を備えること、及びベントダクト(40)が指示器(46)を貫通していることを特徴とする、付記1又は2に記載のバルブ。
(付記4)
ベントダクト(40)が、ピストン(24)の中央軸(X)に対して同軸であることを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載のバルブ。
(付記5)
ベントダクト(40)が、開放空気と連通し、バネ(34)が取り付けられたチャンバー(12)の部分(12B)に現れていることを特徴とする、付記1又は2に記載のバルブ。
(付記6)
ボディー(8)とボア(6)との間に挿入された静的シーリング要素(39A)からの漏出物(F5)をベントダクト(40)に導くために、バルブ(4)が、ボディー(8)の外表面と、第一シーリング装置(26)と第二シーリング装置(38)との間に軸方向に位置する内側中央のオリフィス(10)の空洞(44)との間で、ボディー(8)を貫通したダクト(500)を備えることを特徴とする、付記2に記載のバルブ。
(付記7)
付記1~6のいずれか1項に記載のバルブ(4)を備える、被覆体の適用システム(2)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9