(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】4-アミノ-6-(1,3-ベンゾジオキソール)ピコリネート及び除草剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 405/04 20060101AFI20241022BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20241022BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
C07D405/04 CSP
A01N43/40 101D
A01P13/00
(21)【出願番号】P 2020563596
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2019031428
(87)【国際公開番号】W WO2019217617
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-05-06
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】キスター,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サッチヴィ,ノーベルト エム.
(72)【発明者】
【氏名】シッダル,トーマス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ホーティー,リンジー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ニヤズ,ノールモハメド エム.
(72)【発明者】
【氏名】エップ,ジェフリー ビー.
【審査官】小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0137137(US,A1)
【文献】特表2013-541552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化2】
;
【化3】
;
【化4】
;および
【化5】
;
のいずれかにより定義される化合物からなる群から選択される化合物、又はその農業的に許容される塩。
【請求項2】
請求項
1に記載の化合物及び農学的に許容されるアジュバント又は担体を含む除草用組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの追加の除草化合物を更に含む、請求項
2に記載の組成物。
【請求項4】
毒性緩和剤を更に含む、請求項
2又は
3に記載の組成物。
【請求項5】
除草有効量の請求項
1に記載の化合物又は請求項
2~4のいずれか一項に記載の組成物を施用することを含む、望ましくない植生を防除するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に全体として組み込まれる米国特許仮出願第62/670,538号(2018年5月11日出願)に対する優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば雑草である望ましくない植生の発生は、作物、牧草、及びその他の環境における農業者が直面する不変の問題である。雑草は作物と競合し、作物収穫量に悪影響を及ぼす。化学除草剤の使用は、望ましくない植生を防除する際の重要なツールである。
【0003】
より広いスペクトルの雑草防除、選択性、最小作物損傷、貯蔵安定性、取り扱いの容易性、雑草に対するより高い活性、及び/又は現在使用されている除草剤で発生している除草剤耐性に対処する手段を提供する新規の化学除草剤が依然として求められている。本明細書で論じられる化合物、組成物、及び方法は、これら及び他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において提供されるのは、式(I):
【化1】
[式中、
R
2はハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、アミノ、C
1~C
4アルキルアミノ、C
2~C
4ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5=CR
6-SiR
7R
8R
9(式中、R
5は水素、F又はClであり、R
6は水素、F、Cl、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり、R
7、R
8、及びR
9は独立してC
1~C
10アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1~C
10アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3及びR
4は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルカルバミル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6トリアルキルシリル、C
1~C
6ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3及びR
4はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3及びR
4は一緒になって=CR
3’(R
4’)(式中、R
3’及びR
4’は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシ、若しくはC
1~C
6アルキルアミノであるか、又はR
3’及びR
4’は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
により定義される化合物、又はその農業的に許容される塩、エステル、若しくはN-オキシドである。
【0005】
いくつかの実施形態において、化合物は、式IA:
【化2】
[式中、
R
1は水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8ハロアルケニル、C
2~C
8アルキニル、フェニル、置換フェニル、又はC
7~C
12アリールアルキルであり;
R
2はハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、アミノ、C
1~C
4アルキルアミノ、C
2~C
4ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5=CR
6-SiR
7R
8R
9(式中、R
5は水素、F又はClであり、R
6は水素、F、Cl、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり、R
7、R
8、及びR
9は独立してC
1~C
10アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1~C
10アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3及びR
4は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルカルバミル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6トリアルキルシリル、C
1~C
6ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3及びR
4はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3及びR
4は一緒になって=CR
3’(R
4’)(式中、R
3’及びR
4’は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシ、若しくはC
1~C
6アルキルアミノであるか、又はR
3’及びR
4’は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
により定義され、又はその農業的に許容される塩若しくはN-オキシドであり得る。
【0006】
式I及び/又は式IAの化合物、並びに農学的に許容されるアジュバント又は担体を含む除草組成物もまた提供される。
【0007】
除草有効量の式I及び/若しくは式IAの化合物を施用することを含む望ましくない植生を防除するための方法、又は式I及び/若しくは式IAの化合物、並びに農学的に許容されるアジュバント又は担体を含む除草組成物もまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1-1】
図1:
図1Aは、17.5g ai/haの施用量での選択された広葉雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
図1Bは、17.5g ai/haの施用量での選択されたイネ科雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
【
図2-1】
図2:
図2Aは、35g ai/haの施用量での選択された広葉雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
図2Bは、35g ai/haの施用量での選択されたイネ科雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
【
図3-1】
図3:
図3Aは、70g ai/haの施用量での選択された広葉雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
図3Bは、70g ai/haの施用量での選択されたイネ科雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
【
図4-1】
図4:
図4Aは、140g ai/haの施用量での選択された広葉雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
図4Bは、140g ai/haの施用量での選択されたイネ科雑草種に対する化合物1~15の活性のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書で使用される場合、除草剤及び除草活性成分は、適切な量で施用された場合、望ましくない植生を防除する化合物を意味する。
【0010】
本明細書で使用される場合、望ましくない植生の防除又は防除するとは、植生を枯死若しくは阻止すること、又は植生に何らかの他の悪い改変効果、例えば、自然の成長若しくは発達からの逸脱、調節、乾燥、遅延などを引き起こすことを意味する。
【0011】
本明細書で使用される場合、除草有効量又は植生防除量は、その施用により関連する望ましくない植生を防除する除草活性成分量である。
【0012】
本明細書で使用される場合、除草剤又は除草組成物を施用するとは、標的植生若しくはその場所に、又は望ましくない植生の制御が所望される場所に、除草剤又は除草組成物を直接送達することを意味する。施用方法としては、発芽前に土壌又は水に接触させる方法、発芽後に望ましくない植生又は望ましくない植生に隣接する場所に接触させる方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、植物及び植生としては、休眠種子、発芽種子、新生の苗、成長珠芽から出芽する植物、未成熟植生、及び土着植生が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用される場合、農学的に許容される塩及びエステルは、除草活性を示すか、又は植物、水若しくは土壌中で言及している除草剤に変換されるか若しくは変換され得る塩及びエステルを指す。例示的な農学的に許容されるエステルは、例えば、植物、水又は土壌中で、pHに応じて解離又は非解離形態であり得る対応するカルボン酸に加水分解、酸化、代謝、又はさもなければ変換されるか又はされ得るものである。
【0015】
好適な塩としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から誘導されるもの、並びにアンモニア及びアミンから誘導されるものが挙げられる。好ましいカチオンとしては、以下の式のナトリウム、カリウム、マグネシウム、及び以下のアンモニウムカチオンが挙げられる:
R13R14R15R16N+
[式中、R13、R14、R15、及びR16は各々独立して、水素、又はC1~C12アルキル、C3~C12アルケニル、若しくはC3~C12アルキニルを表し、これの各々任意選択的に1つ以上のヒドロキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ、又はフェニル基により置換されており、但し、R13、R14、R15、及びR16は立体的適合性である]。更に、R13、R14、R15、及びR16の任意の2つが1~12個の炭素原子及び最大2個の酸素又は硫黄原子を含有する脂肪族二官能性部分を表し得る。式(I)の化合物の塩は、式(I)の化合物を水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物で、アンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2-メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2-ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミン、若しくはベンジルアミンなどのアミンで、又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド若しくはコリンヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドで処理することによって調製することができる。特定の例において、アミン塩は、水溶性であり、特定の用途に望ましい水系除草剤組成物の調製に役立つため、式(I)の化合物の好ましい形態であり得る。
【0016】
式(I)の化合物は、N-オキシドを含む。ピリジンN-オキシドは、対応するピリジンを酸化することによって得ることができる。好適な酸化方法は、例えば、Houben-Weyl,Methoden der organischen Chemie[Methods in organic chemistry],expanded and subsequent volumes to the 4th edition,volume E 7b,p.565fに記載されている。
【0017】
本明細書で使用される場合、他に特に規定がなければ、アシルは、ホルミル、C1~C3アルキルカルボニル、及びC1~C3ハロアルキルカルボニルを指す。C1~C6アシルは、ホルミル、C1~C5アルキルカルボニル、及びC1~C5ハロアルキルカルボニル(基は合計1~6個の炭素原子を含有する)を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、アルキルは、飽和、直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素部分を指す。他に特に規定がなければ、C1~C10アルキル基が意図される。例としては、メチル、エチル、プロピル、1-メチル-エチル、ブチル、1-メチル-プロピル、2-メチル-プロピル、1,1-ジメチルーエチル、ペンチル、1-メチル-ブチル、2-メチル-ブチル、3-メチル-ブチル、2,2-ジメチル-プロピル、1-エチループロピル、ヘキシル、1,1-ジメチループロピル、1,2-ジメチループロピル、1-メチル-ペンチル、2-メチル-ペンチル、3-メチル-ペンチル、4-メチル-ペンチル、1,1-ジメチル-ブチル、1,2-ジメチル-ブチル、1,3-ジメチル-ブチル、2,2-ジメチル-ブチル、2,3-ジメチル-ブチル、3,3-ジメチル-ブチル、1-エチル-ブチル、2-エチル-ブチル、1,1,2-トリメチル-プロピル、1,2,2-トリメチル-プロピル、1-エチル-1-メチル-プロピル、及び1-エチル-2-メチル-プロピルが挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、直鎖又は分枝鎖アルキル基(これらの基において、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換され得る)を指す。他に特に規定がなければ、C1~C8基が意図される。例としては、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルが挙げられる。
【0020】
本明細書で使用される場合、アルケニルは、二重結合を含有する飽和の、直鎖又は分枝鎖炭化水素部分を指す。他に特に規定がなければ、C2~C8アルケニルが意図される。アルケニル基は、2つ以上の不飽和結合を含有し得る。例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルが挙げられる。ビニルは、構造-CH=CH2を有する基を指し、1-プロペニルは、構造-CH=CH-CH3を有する基を指し、2-プロペニルは、構造-CH2-CH=CH2を有する基を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、アルキニルは、三重結合を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素部分を表す。他に特に規定がなければ、C2~C8アルキニル基が意図される。アルキニル基は、2つ以上の不飽和結合を含有し得る。例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル(又はプロパルギル)、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、3-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、1-メチル-2-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル、及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニルなどのC2~C6-アルキニルが挙げられる。
【0022】
本明細書で使用される場合、アルコキシは、式R-O-基[式中、Rは上で定義されたとおりのアルキルである]を指す。他に特に規定がなければ、RがC1~C8アルキル基であるアルコキシ基が意図される。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチル-エトキシ、ブトキシ、1-メチル-プロポキシ、2-メチル-プロポキシ、1,1-ジメチル-エトキシ、ペントキシ、1-メチル-ブチルオキシ、2-メチル-ブトキシ、3-メチル-ブトキシ、2,2-ジメチル-プロポキシ、1-エチル-プロポキシ、ヘキソキシ、1,1-ジメチル-プロポキシ、1,2-ジメチル-プロポキシ、1-メチル-ペントキシ、2-メチル-ペントキシ、3-メチル-ペントキシ、4-メチル-ペントキシ、1,1-ジメチル-ブトキシ、1,2-ジメチル-ブトキシ、1,3-ジメチル-ブトキシ、2,2-ジメチル-ブトキシ、2,3-ジメチル-ブトキシ、3,3-ジメチル-ブトキシ、1-エチル-ブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチル-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-プロポキシ、1-エチル-1-メチル-プロポキシ、及び1-エチル-2-メチル-プロポキシが挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される場合、ハロアルコキシは、式R-O-基[式中、Rは上で定義されたとおりのハロアルキルである]を指す。他に特に規定がなければ、RがC1~C8アルキル基であるハロアルコキシ基が意図される。例としては、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-オキシが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、アルキルチオは、式R-S-基[式中、Rは上で定義されたとおりのアルキルである]を指す。他に特に規定がなければ、RがC1~C8アルキル基であるアルキルチオ基が意図される。例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチル-プロピルチオ、2-メチルプロピルチオ、1,1-ジメチルエチルチオ、ペンチルチオ、1-メチルブチルチオ、2-メチルブチルチオ、3-メチルブチルチオ、2,2-ジメチルプロピルチオ、1-エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、1,1-ジメチルプロピルチオ、1,2-ジメチルプロピルチオ、1-メチルペンチルチオ、2-メチルペンチルチオ、3-メチルペンチルチオ、4-メチルペンチルチオ、1,1-ジメチルブチルチオ、1,2-ジメチルブチルチオ、1,3-ジメチルブチルチオ、2,2-ジメチルブチルチオ、2,3-ジメチルブチルチオ、3,3-ジメチルブチルチオ、1-エチルブチルチオ、2-エチルブチルチオ、1,1,2-トリメチルプロピルチオ、1,2,2-トリメチルプロピルチオ、1-エチル-1-メチルプロピルチオ、及び1-エチル-2-メチルプロピルチオが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、ハロアルキルチオは、炭素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されている、上記で定義されたとおりのアルキルチオ基を指す。他に特に規定がなければ、RがC1~C8アルキル基であるハロアルキルチオ基が意図される。例としては、クロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、ジクロロメチルチオ、トリクロロメチルチオ、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロフルオロメチルチオ、ジクロロフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、1-クロロエチルチオ、1-ブロモエチルチオ、1-フルオロエチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2-ジフルオロエチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、及び1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イルチオが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、アリールと同様に、アリールオキシなどの派生語は、フェニル基、インダニル基、又はナフチル基を指し、フェニルが好ましい。「ヘテロアリール」という用語と同様に、「ヘテロアリールオキシ」などの派生語は、1つ以上のヘテロ原子、すなわちN、O又はSを含有する5員又は6員の芳香族環を指し、これらのヘテロ芳香族環は、他の芳香族系に融合していてもよい。アリール又はヘテロアリール置換基は、非置換であっても、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、C1~C6ハロアルコキシ、C1~C6アシル、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6カルバモイル、ヒドロキシカルボニル、C1~C6アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C1~C6アルキルアミノカルボニル、C1~C6ジアルキルアミノカルボニルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、但し、この場合、置換基は立体適合性であり、且つ化学結合及び歪みエネルギーの規則を満たしていることが条件である。好ましい置換基としては、ハロゲン、C1~C2アルキル及びC1~C2ハロアルキルが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、アルキルカルボニルは、カルボニル基に結合したアルキル基を指す。C1~C3アルキルカルボニル及びC1~C3ハロアルキルカルボニルは、C1~C3アルキル基がカルボニル基に結合している基(この基は合計2~4個の炭素原子を含有する)を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、アルコキシカルボニルは、式
【化3】
[式中、Rはアルキルである]
の基を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、アリールアルキルは、アリール基で置換されたアルキル基を指す。C7~C10アリールアルキルは、基の炭素原子の総数が7~10である基を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、アルキルアミノは、1つ又は2つのアルキル基(これらは同じであっても異なっていてもよい)で置換されたアミノ基を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、ハロアルキルアミノは、アルキル炭素原子がハロゲン原子で部分的に又は完全に置換されているアルキルアミノ基を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、C1~C6アルキルアミノカルボニルは、式RNHC(O)-[式中、RはC1~C6アルキルである]基を指し、C1~C6ジアルキルアミノカルボニルは、式R2NC(O)-[式中、各Rは独立してC1~C6アルキルである]基を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、アルキルカルバミルは、窒素上でアルキル基で置換されたカルバミル基を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、アルキルスルホニルは、式
【化4】
[式中、Rはアルキルである]の基を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、カルバミル(カルバモイル及びアミノカルボニルとも呼ばれる)は、式
【化5】
の基を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、ジアルキルホスホニルは、式
【化6】
[式中、Rは、各出現において、独立して、アルキルである]
の基を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、C1~C6トリアルキルシリルは、式-SiR3[式中、各Rは独立して、C1~C6アルキル基である]の基(この基は合計3~18個の炭素原子を含有する)を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、Meはメチル基を指し、OMeはメトキシ基を指し、i-Prはイソプロピル基を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ハロ」などの派生語を含む「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、植物及び植生には、発芽種子、新生の苗、成長珠芽から出芽する植物、未成熟植生、及び土着植生が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
化合物
本明細書においては、式(I):
【化7】
[式中、
R
2はハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、アミノ、C
1~C
4アルキルアミノ、C
2~C
4ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5=CR
6-SiR
7R
8R
9(式中、R
5は水素、F又はClであり、R
6は水素、F、Cl、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり、R
7、R
8、及びR
9は独立してC
1~C
10アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1~C
10アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3及びR
4は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルカルバミル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6トリアルキルシリル、C
1~C
6ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3及びR
4はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3及びR
4は一緒になって=CR
3’(R
4’)(式中、R
3’及びR
4’は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシ、若しくはC
1~C
6アルキルアミノであるか、又はR
3’及びR
4’は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
の化合物、並びにその農業的に許容される塩、エステル、及びN-オキシドが提供される。
【0042】
いくつかの実施形態において、化合物は、カルボン酸、又は農業的に許容されるエステル若しくは塩である。いくつかの実施形態において、化合物は、カルボン酸、又は農業的に許容されるエステルである。特定の実施形態において、化合物は、カルボン酸である。特定の実施形態において、化合物は、農業的に許容されるエステル(例えば、メチルエステル、ベンジルエステル、又はプロパルギルエステル)であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、化合物は、式IA:
【化8】
[式中、
R
1は水素、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8ハロアルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8ハロアルケニル、C
2~C
8アルキニル、フェニル、置換フェニル、又はC
7~C
12アリールアルキルであり;
R
2はハロゲン、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ、C
1~C
4ハロアルキルチオ、アミノ、C
1~C
4アルキルアミノ、C
2~C
4ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5=CR
6-SiR
7R
8R
9(式中、R
5は水素、F又はClであり、R
6は水素、F、Cl、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4ハロアルキルであり、R
7、R
8、及びR
9は独立してC
1~C
10アルキル、C
3~C
6シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1~C
10アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3及びR
4は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6ハロアルケニル、C
3~C
6アルキニル、ホルミル、C
1~C
3アルキルカルボニル、C
1~C
3ハロアルキルカルボニル、C
1~C
6アルコキシカルボニル、C
1~C
6アルキルカルバミル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6トリアルキルシリル、C
1~C
6ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3及びR
4はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3及びR
4は一緒になって=CR
3’(R
4’)(式中、R
3’及びR
4’は独立して水素、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6アルケニル、C
3~C
6アルキニル、C
1~C
6アルコキシ、若しくはC
1~C
6アルキルアミノであるか、又はR
3’及びR
4’は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
により定義され、又はその農業的に許容される塩若しくはN-オキシドであり得る。
【0044】
式IAのいくつかの実施形態において、R1は水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルキニル、又はC7~C10アリールアルキルである。式IAのいくつかの実施形態において、R1は水素である。式IAのいくつかの実施形態において、R1はC1~C8アルキル(例えば、メチル基)である。式IAのいくつかの実施形態において、R1はC2~C8アルキニル(例えば、プロパルギル基)である。式IAのいくつかの実施形態において、R1はC7~C10アリールアルキル(例えば、ベンジル基)である。
【0045】
式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はハロゲン、C2~C4-アルケニル、C2~C4-ハロアルケニル、又はC1~C4-アルコキシである。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はハロゲン、C2~C4-アルケニル、又はC1~C4-アルコキシである。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はCl、OMe、ビニル、又は1-プロペニルである。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はClである。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はOMeである。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はビニル又は1-プロペニルである。
【0046】
式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R3及びR4は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6アルケニル、C3~C6ハロアルケニル、C3~C6アルキニル、ホルミル、C1~C3アルキルカルボニル、C1~C3ハロアルキルカルボニル、C1~C6アルコキシカルボニル、C1~C6アルキルカルバミルであるか、又はR3及びR4は一緒になって=CR3’(R4’)[式中、R3’及びR4’は独立して水素、C1~C6アルキル、C3~C6アルケニル、C3~C6アルキニル、C1~C6アルコキシ、又はC1~C6アルキルアミノである]を表す。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R3及びR4は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C3~C6アルケニル、C3~C6ハロアルケニル、ホルミル、C1~C3アルキルカルボニル、C1~C3ハロアルキルカルボニルであるか、又はR3及びR4は一緒になって=CR3’(R4’)[式中、R3’及びR4’は独立して水素、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、又はC1~C6アルキルアミノである]を表す。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R3及びR4のうちの少なくとも1つは水素である。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R3及びR4は両方とも水素である。
式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はCl、OMe、ビニル、又は1-プロペニルであり;且つR3及びR4は両方とも水素である。
【0047】
式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はClであり、且つR3及びR4は両方とも水素である。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はOMeであり、且つR3及びR4は両方とも水素である。式I及び/又は式IAのいくつかの実施形態において、R2はビニル又は1-プロペニルであり、且つR3及びR4は両方とも水素である。
【0048】
いくつかの実施形態において、化合物は、下記の構造により定義され得る。
【化9】
【0049】
いくつかの実施形態において、化合物は、下記の構造により定義され得る。
【化10】
【0050】
いくつかの実施形態において、化合物は、下記の構造により定義され得る。
【化11】
【0051】
いくつかの実施形態において、化合物は、下記の構造により定義され得る。
【化12】
【0052】
化合物の調製方法
式I及び式IAの化合物を合成するための例示的な手順を以下に示す。
【0053】
スキームIに示すように、式(VII)の4,5,6-トリクロロピコリネートを、例えば、ディーン・スターク条件下、還流温度で、イソプロピルアルコール及び濃硫酸と反応させることにより、式(VIII)の対応するイソプロピルエステルに変換することができる(反応d)。式(VIII)のイソプロピルエステルを、ディーン・スターク条件下、80℃などの温度で、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの極性非プロトン性溶媒中で、フッ化セシウムなどのフッ化物イオン供給源と反応させて、式(IX)のイソプロピル4,5,6-トリフルオロピコリネートを得ることができる(反応e)。式(IX)のイソプロピル4,5,6-トリフルオロピコリネートを、DMSOなどの極性非プロトン性溶媒中で、アンモニアなどの窒素供給源でアミノ化して、式(X)の4-アミノ-5,6-ジフルオロピコリネートを生成することができる(反応f)。式(X)の4-アミノ-5,6-ジフルオロピコリネートの6位のフルオロ置換基を、例えば、100℃などの温度で、Parr反応装置において、ジオキサン中で、塩化水素などの塩素供給源で処理することによりクロロ置換基と交換し、式(XI)の4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロ-ピコリネートを生成することができる(反応g)。式(XI)の4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートを、還流温度で、メチルアルコール中のチタン(IV)イソプロポキシドと反応させることによって、式(XII)の対応するメチルエステルにエステル交換することができる(反応h)。
【化13】
【0054】
スキームIIに示すように、式(XII)の4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートを、メチルアルコールなどの極性非プロトン性溶媒中で、過ヨウ素酸及びヨウ素などのヨウ素化試薬と反応させることにより、式(XIII)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートに変換することができる(反応b3)。例えば、マイクロ波反応装置において、120~130℃などの温度で、1,2-ジクロロエタンなどの非反応性溶媒中、ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下、式(XIII)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートの、トリブチル(ビニル)スタナンなどのスタナンとのスティルカップリングにより、式(XIV)[式中、R2はアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルケニル、及びアルキルチオである]の3-(置換)-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートを得る(反応c3)。或いは、式(XIII)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートを、65℃などの温度で、メチルアルコールなどの極性非プロトン性溶媒の存在下、炭酸セシウム及びヨウ化銅(I)と1,10-フェナントロリンの両方の触媒量で処理し、式(XIV)[式中、R2はアルコキシ又はハロアルコキシである]の3-(置換)-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリン酸を得ることができ(反応i1)、これは、例えば、50℃で、塩化水素(気体)及びメチルアルコールで処理することにより、メチルエステルにエステル化することができる(反応j1)。式(XIV)の3-(置換)-4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートは、例えば、マイクロ波反装置において、110℃などの温度にて、アセトニトリル-水などの極性非プロトン性溶媒混合物中で、フッ化カリウムなどの塩基及びビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下、ボロン酸又はエステルとの鈴木カップリングにより、式(I-B)[式中、Arは本明細書で定義されたとおりである]の4-アミノ-6-置換ピコリネートへ変換することができる(反応a3)。
【0055】
或いは、式(XII)の4-アミノ-5-フルオロ-6-クロロピコリネートは、例えば、マイクロ波反装置において、110℃などの温度にて、アセトニトリル-水などの極性非プロトン性溶媒混合物中で、フッ化カリウムなどの塩基及びビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下、ボロン酸又はエステルとの鈴木カップリングにより、式(XV)[式中、Arは本明細書で定義されたとおりである]の4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートへ変換することができる(反応a
4)。式(XV)の4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートを、メチルアルコールなどの極性非プロトン性溶媒中で、過ヨウ素酸及びヨウ素などのヨウ素化試薬と反応させることにより、式(XVI)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートに変換することができる(反応b
4)。例えば、マイクロ波反応装置において、120~130℃などの温度で、1,2-ジクロロエタンなどの非反応性溶媒中、ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下、式(XVI)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートの、トリブチル(ビニル)スタナンなどのスタナンとのスティルカップリングにより、式(I-B)[式中、R
2はアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルケニル、及びアルキルチオである]の3-(置換)-4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートを得る(反応c
4)。或いは、式(XVI)の3-ヨード-4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリネートを、65℃などの温度で、メチルアルコールなどの極性非プロトン性溶媒の存在下、炭酸セシウム及びヨウ化銅(I)と1,10-フェナントロリンの両方の触媒量で処理し、式(I-B)[式中、R
2はアルコキシ又はハロアルコキシである]の3-(置換)-4-アミノ-5-フルオロ-6-置換ピコリン酸を得ることができ(反応i
2)、これは、例えば、50℃などの温度で、塩化水素(気体)及びメチルアルコールで処理することにより、メチルエステルにエステル化することができる(反応j
2)。
【化14】
【0056】
これらのプロセスのいずれかによって得られたI-Bの化合物は、従来の手段によって回収され、再結晶化又はクロマトグラフィーなどの標準的な手順によって精製することができる。式I及び/又はIAの多くの化合物は、当該技術分野で周知の標準的な方法を使用して、式I-Bの化合物から調製することができる。
【0057】
式I及び/又はIAの他の化合物は、スキームIIIに示される方法を使用して調製することができる。スキームIIIの工程aにおいて、式Aの既知の3-ブロモ-6-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(Balko,T.William et al.、国際公開第2007/082098号パンフレット(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))は、メタノールなどの溶媒中で、2-フルオロ基の求核芳香族をナトリウムメトキシドなどのメトキシド塩で置換することにより、式Bの3-ブロモ-6-クロロ-2-メトキシベンズアルデヒドへと変換することができる。工程bにおいて、式Bの3-ブロモ-6-クロロ-2-メトキシベンズアルデヒドは、ジクロロメタンなどの非プロトン性溶媒中で、三臭化ホウ素などのルイス酸で2-メトキシ基を脱メチル化することにより、式Cの3-ブロモ-6-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドへと変換することができる。工程cにおいて、式Cの3-ブロモ-6-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドは、過酸化水素などの酸化剤及び水酸化ナトリウムなどの塩基の水溶液を使用したデーキン反応により、式Dの3-ブロモ-6-クロロベンゼン-1,2-ジオールへと変換することができる。工程dにおいて、式Dの3-ブロモ-6-クロロベンゼン-1,2-ジオールは、ブロモクロロメタンなどのジハロメタンアルキル化剤及びジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中の炭酸セシウムなどの塩基との分子内環化反応により、式Eの4-ブロモ-7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソールへと変換することができる。工程eにおいて、式Fの2-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランは、テトラヒドロフランなどの溶媒中で塩化イソプロピルマグネシウムなどのグリニャール試薬を使用したハロゲン/金属交換反応を経て、続いてin-situで形成された有機マグネシウム中間体を2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3-ジオキソランなどのホウ素化剤でクエンチすることにより、式Eの4-ブロモ-7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソールから調製することができる。工程fにおいて、式Hのメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリネートは、アセトニトリル及び水などの溶媒混合物中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドなどのパラジウム(II)触媒、フッ化セシウムのような塩基を使用して、式Fの2-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン及び既知の式Gのメチル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネート間の鈴木カップリングにより調製することができる(Fields,Stephen C.et al.Tetrahedron Letters,51(1),79-81;2010)。工程gにおいて、式Hのメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリネートは、メタノール及びテトラヒドロフランなどの溶媒混合物中の水酸化ナトリウムなどの塩基の水溶液を使用するけん化反応により、式Iの4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリン酸へと変換することができる。工程hにおいて、式Jのピコリン酸エステルは、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中の臭化プロパルギル又は臭化ベンジルなどのアルキル化剤及び炭酸カリウムなどの塩基を使用したアルキル化反応により、4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリン酸から調製することができる。
【化15】
【0058】
組成物及び方法
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物は、少なくとも1つの農学的に許容されるアジュバント又は担体と共に除草有効量の化合物を含有する混合物において使用される。例示的なアジュバント又は担体には、例えば、作物の存在下での選択的雑草防除のために組成物を施用する際に使用される濃度で、有用な作物に対して植物毒性がないか若しくはさほどないもの、及び/又は本明細書で提供される化合物若しくは他の組成物成分と化学的に反応しないか若しくはさほど反応しないものが含まれる。このような混合物は、雑草又はその地に直接施用するように設計することができ、或いは、施用前に追加の担体及びアジュバントで希釈される濃縮物又は製剤とすることができる。それらは、例えば、粉末、顆粒、水分散性顆粒、若しくは水和剤などの固体、又は乳化可能な濃縮物、溶液、エマルション、若しくは懸濁液などの液体であり得る。それらはまた、プレミックス又はタンクミックスとして提供され得る。
【0059】
本開示の除草混合物の調製に役立つ好適な農業用アジュバント及び担体は、当業者によく知られている。これらのアジュバントのいくつかとしては、作物油濃縮物(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル第四級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸、及びアニオン界面活性剤のブレンド物;C9~C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然第一級アルコール(C12~C16)エトキシレート;ジ-sec-ブチルフェノールEO-POブロックコポリマー;ポリシロキサン-メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+尿素硝酸アンモニウム;乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);獣脂アミンエトキシレート(15EO);PEG(400)ジオレエート-99が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
使用することができる液体担体には、水及び有機溶媒が含まれる。典型的に使用される有機溶媒としては、鉱油、芳香族溶媒、パラフィン油などの石油留分又は炭化水素;大豆油、菜種油、オリーブ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油などの植物油;上記植物油のエステル;ステアリン酸2-エチルヘキシル、オレイン酸n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなどのモノアルコール、又は二価、三価、若しくは他の低級ポリアルコール(4~6ヒドロキシ含有)のエステル;モノ-、ジ-及びポリカルボン酸などのエステルが挙げられるが、これらに限定されない。具体的な有機溶媒としては、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリジノン、N,N-ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料などが挙げられる。いくつかの実施形態において、水が濃縮物の希釈のための担体である。
【0061】
好適な固体担体としては、タルク、パイロフィライトクレー、シリカ、アタパルガスクレー、カオリンクレー、キーゼルグール、チョーク、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレー、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどが挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態において、1種以上の界面活性剤が、本開示の組成物において利用される。いくつかの実施形態において、このような界面活性剤は、固体及び液体の両組成物、例えば、施用前に担体で希釈されるように設計されたもので使用される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性又は非イオン性であり得、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤として、又は他の目的のために使用され得る。製剤分野で従来使用され、且つ本製剤で使用してもよい界面活性剤は、なかでも、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood,New Jersey,1998、及びEncyclopedia of Surfactants,Vol.I-III,Chemical Publishing Co.,New York,1980-81に記載されている。典型的な界面活性剤としては、ジエタノールアンモニウムラウリルサルフェートなどのアルキルサルフェートの塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩;ノニルフェノール-C18エトキシレートなどのアルキルフェノール-アルキレンオキシド付加物;トリデシルアルコール-C16エトキシレートなどのアルコール-アルキレンオキシド付加物;ステアリン酸ナトリウムなどの石鹸;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレン-スルホン酸塩;ジ(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩のジアルキルエステル;ソルビトールオレアートなどのソルビトールエステル;ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第四級アミン;ポリエチレングリコールステアラートなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;モノ-及びジアルキルホスフェートエステルの塩;大豆油、菜種/キャノーラ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、キリ油などの植物油又は種子油;並びに、上記植物油のエステル、例えば、メチルエステルが挙げられる。
【0063】
植物油又は種子油及びそれらのエステルなどのこれらの材料のいくつかは、多くの場合、農業用アジュバントとして、液体担体として、又は界面活性剤として互換的に使用され得る。
【0064】
農業用組成物において通常使用される他のアジュバントとしては、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及び緩衝剤、腐食防止剤、染料、臭気物質、展着剤、浸透補助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤などが挙げられる。組成物はまた、他の適合性成分、例えば、他の除草剤、植物成長調節剤、防カビ剤、殺虫剤などを含有することができ、液体肥料、又は硝酸アンモニウム、尿素などの固形の微粒子肥料担体と共に製剤化することができる。
【0065】
本開示の除草組成物中の活性成分の濃度は、一般に、約0.001~約98重量パーセントである。約0.01~約90重量パーセントの濃度が使用されることが多い。濃縮物として使用されるように設計された組成物においては、活性成分は一般に、約5~約98重量パーセント、好ましくは約10~約90重量パーセントの濃度で含まれる。このような組成物は、典型的には、施用前に水などの不活性担体で希釈される。雑草又は雑草地に通常施用される希釈組成物は、一般に、約0.0001~約1重量パーセントの活性成分を含み、好ましくは約0.001~約0.05重量パーセントを含む。
【0066】
本組成物は、従来の粉砕又は空中ダスター、噴霧器、及び顆粒アプリケーターの使用、潅漑用水又は湛水水への添加、及び当業者に知られた他の従来の手段によって、雑草又はその地に施用することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物及び組成物は、出芽後施用、出芽前施用、冠水した水稲若しくは水域(例えば、池、湖沼及び河川)への水中適用、又はバーンダウン施用として施用される。
【0068】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び組成物は、柑橘類、リンゴ、ゴム、油、パーム、森林、直播稲、湛水直播水稲、水播き及び移植稲、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ソルガム、トウモロコシ(corn)/トウモロコシ(maize)、牧草地、草原、放牧地、休耕地、芝、樹木及びブドウ果樹園、水性植物、又は畝作物(これらに限定されない)を含む作物中の雑草、並びに非作物環境、例えば工業的植生管理(IVM)又は公用地における雑草の防除に利用される。
【0069】
いくつかの実施形態において、化合物及び組成物は、木本植物、広葉及びイネ科雑草、又はスゲを防除するために使用される。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び組成物は、イネ中の望ましくない植生を防除するために利用される。特定の実施形態において、望ましくない植生は、ブラキアリア・プラティフィラ(Groseb.)Nash(Brachiaria platyphylla(Groseb.)Nash)(広葉シグナルグラス(broadleaf signalgrass)、BRAPP)、ジギタリア・サンギナリス(L.)Scop.(Digitaria sanguinalis(L.)Scop.)(オニメヒシバ、DIGSA)、エキノクロア・クルスガリ(L.)P.Beauv.(Echinochloa crus-galli(L.)P.Beauv.)(イヌビエ、ECHCG)、エキノクロア・コロヌム(L.)LINK(Echinochloa colonum(L.)LINK)(コヒメビエ、ECHCO)、エキノクロア・オリゾイデス(Ard.)Fritsch(Echinochloa oryzoides(Ard.)Fritsch)(タイヌビエ(early watergrass)、ECHOR)、エキノクロア・オリジコラ(Vasinger)Vasinger(Echinochloa oryzicola(Vasinger)Vasinger)(タイヌビエ、ECHPH)、イスチャエマム・ルゴサム Salisb.(Ischaemum rugosum Salisb.)(サラモラグラス、ISCRU)、レプトクロア・キネンシス(L.)Nees(Leptochloa chinensis(L.)Nees)(アゼガヤ、LEFCH)、レプトクロア・ファスシクラリス(Lam.)Gray(Leptochloa fascicularis(Lam.)Gray)(ベアーデッド・スプラングルトップ(bearded sprangletop)、LEFFA)、レプトクロア・パニコイデス(Presl.)Hitchc.(Leptochloa panicoides(Presl.)Hitchc.)(アマゾンスプラングルトップ(Amazon sprangletop)、LEFPA)、パニクム・ジコトミフロルム(L.)Michx.(Panicum dichotomiflorum(L.)Michx.)(オオクサキビ、PANDI)、パスパラム・ジラタタム Poir.(Paspalum dilatatum Poir.)(シマスズメノヒエ、PASDI)、シペルス・ディフォルミス L.(Cyperus difformis L.)(タマガヤツリ、CYPDI)、シペルス・エスクレンツス L.(Cyperus esculentus L.)(ショクヨウガヤツリ、CYPES)、シペルス・イリア L.(Cyperus iria L.)(コゴメカヤツリ、CYPIR)、シペルス・ロトゥンドゥス L.(Cyperus rotundus L.)(ハマスゲ、CYPRO)、エレオカリス属(Eleocharis)種(ELOSS)、フィムブリスチリス・ミリアケア(L.)Vahl(Fimbristylis miliacea(L.)Vahl)(ヒデリコ、FIMMI)、ショエノプレクツス・ジュンコイデス Roxb.(Schoenoplectus juncoides Roxb.)(イグサ、SPCJU)、ショエノプレクツス・マリチムス L.(Schoenoplectus maritimus L.)(コウキヤガラ、SCPMA)、ショエノプレクツス・ムクロナツス L.(Schoenoplectus mucronatus L.)(カンガレイ、SCPMU)、アエシノメネ属(Aeschynomene)種(クサネム、AESSS)、アルテルナンテラ・フィロキセロイデス(Mart.)Griseb.(Alternanthera philoxeroides(Mart.)Griseb.)(ナガエツルノゲイトウ、ALRPH)、アリスマ・プランタゴ-アクアティカ L.(Alisma plantago-aquatica L.)(オモダカ、ALSPA)、アマランサス属(Amaranthus)種(アカザ及びアマランス、AMASS)、アマニア・コッキネア Rottb.(Ammannia coccinea Rottb.)(ナンゴクヒメミソハギ、AMMCO)、エクリプタ・アルバ(L.)Hassk.(Eclipta alba(L.)Hassk.)(アメリカタカサブロウ、ECLAL)、ヘテランテラ・リモサ(SW.)Willd./Vahl(Heteranthera limosa(SW.)Willd./Vahl)(アメリカコナギ(ducksalad)、HETLI)、ヘテランテラ・レニフォルミス R.&P.(Heteranthera reniformis R.&P.)(ミズアオイ、HETRE)、イポモエア・ヘデラケア(L.)Jacq.(Ipomoea hederacea(L.)Jacq.)(アメリカアサガオ、IPOHE)、リンデルニア・ドゥビア(L.)Pennell(Lindernia dubia(L.)Pennell)(アメリカアゼナ、LIDDU)、モノコリア・コルサコウィイ Regel & Maack(Monochoria korsakowii Regel & Maack)(コナギ、MOOKA)、モノコリア・バギナリス(Burm.F.)C.Presl ex Kuhth(Monochoria vaginalis(Burm.F.)C.Presl ex Kuhth)(コナギ、MOOVA)、ムルダニア・ヌディフローラ(L.)Brenan(Murdannia nudiflora(L.)Brenan)(ダブウィード(doveweed)、MUDNU)、ポリゴヌム・ペンシルバニクム L.(Polygonum pensylvanicum L.)(ペンシルバニアスマートウィード(Pennsylvania smartweed)、POLPY)、ポリゴヌム・ペルシカリア L.(Polygonum persicaria L.)(ハルタデ、POLPE)、ポリゴヌム・ヒドロピぺロイデス Michx.(Polygonum hydropiperoides Michx.)(マイルドスマートウィード(mild smartweed、POLHP))、ロタラ・インディカ(Willd.)Koehne(Rotala indica(Willd.)Koehne)(キカシグサ、ROTIN)、サギタリア属(Sagittaria)種(オモダカ、SAGSS)、セスバニア・エクサルタタ(Raf.)Cory/Rydb.ExHill(Sesbania exaltata(Raf.)Cory/Rydb.Ex Hill)(アメリカツノクサネム、SEBEX)、又はスフェノクレア・ゼイラニカ Gaertn.(Sphenoclea zeylanica Gaertn.)(アカザ、SPDZE)である。
【0070】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び組成物は、穀草中の望ましくない植生を防除するために利用される。特定の実施形態において、望ましくない植生は、アロペクルス・ミオスロイデス Huds.(Alopecurus myosuroides Huds.)(ノスズメノテッポウ、ALOMY)、アペラ・スピカ-ベンティ(L.)Beauv.(Apera spica-venti(L.)Beauv.)(ウィンドグラス(windgrass)、APESV
)、アベナ・ファツア L.(Avena fatua L.)(カラスムギ、AVEFA)、ブロムス・テクトルム L.(Bromus tectorum L.)(ヤセチャヒキ、BROTE)、ロリウム・ムロチフロルム Lam.(Lolium multiflorum Lam.)(イタリアンライグラス(Italian ryegrass)、LOLMU)、ファラリス・ミノール Retz.(Phalaris minor Retz.)(リトルシード・カナリーグラス(littleseed canarygrass)、PHAMI)、ポア・アヌア L.(Poa annua L.)(スズメノカタビラ、POAAN)、セタリア・プミラ(Poir.)Roemer & J.A.Schultes(Setaria pumila(Poir.)Roemer & J.A.Schultes)(イエロー・フォックステイル(yellow foxtail)、SETLU)、セタリア・ビリディス(L.)Beauv.(Setaria viridis(L.)Beauv.)(エノコログサ、SETVI)、シルシウム・アルヴェンセ(L.)Scop.(Cirsium arvense(L.)Scop.)(エゾノキツネアザミ、CIRAR)、ガリウム・アパリネ L.(Galium aparine L.)(ヤエムグラ、GALAP)、コキア・スコパリア(L.)Schrad.(Kochia scoparia(L.)Schrad.)(コキア、KCHSC)、ラミウム・プルプレウム L.(Lamium purpureum L.)(ヒメオドリコソウ、LAMPU)、マトリカリア・レクティータ L.(Matricaria recutita L.)(ワイルドカモミール、MATCH)、マトリカリア・マトリカリオイデス(Less.)Porter(Matricaria matricarioides(Less.)Porter)(コシカギク、MATMT)、パパベル・ロエアス L.(Papaver rhoeas L.)(ヒナゲシ、PAPRH)、ポリゴヌム・コンボルブルス L.(Polygonum convolvulus L.)(ソバカズラ、POLCO)、サルソラ・トラグス L.(Salsola tragus L.)(ノハラヒジキ、SASKR)、ステラリア・メディア(L.)Vill.(Stellaria media(L.)Vill.)(コハコベ、STEME)、ベロニカ・ペルシカ Poir.(Veronica persica Poir.)(オオイヌノフグリ、VERPE)、ビオラ・アルベンシス Murr.(Viola arvensis Murr.)(フィールド・バイオレット(field violet)、VIOAR)、又はビオラ・トリコロール L.(Viola tricolor L.)(ワイルド・バイオレット(wild violet)、VIOTR)である。
【0071】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び組成物は、放牧地及び牧草地中の望ましくない植生を防除するために利用される。特定の実施形態において、望ましくない植生は、アンブロシア・アルテミシフォリア L.(Ambrosia artemisiifolia L.)(ブタクサ、AMBEL)、カシア・オブトゥシフォリア(Cassia obtusifolia)(エビスグサ、CASOB)、センタウレア・マクローサ auct.non Lam.(Centaurea maculosa auct.non Lam.)(ヤグルマギク、CENMA)、シルシウム・アルヴェンセ(L.)Scop.(Cirsium arvense(L.)Scop.)(エゾノキツネアザミ、CIRAR)、コンボルブルス・アルベンシス L.(Convolvulus arvensis L.)(セイヨウヒルガオ、CONAR)、ユーフォビア・エスラ L.(Euphorbia esula L.)(ハギクソウ、EPHES)、ラクトゥカ・セリオーラ L./Torn.(Lactuca serriola L./Torn.)(トゲチシャ、LACSE)、プランタゴ・ランセオラータ L.(Plantago lanceolate L.)(ヘラオオバコ、PLALA)、ルメックス・オブトゥシフォリウス L.(Rumex obtusifolius L.)(エゾノギシギシ、RUMOB)、シダ・スピノーサ L.(Sida spinosa L.)(アメリカキンゴジカ、SIDSP)、シナピス・アルヴェンシス L.(Sinapis arvensis L.)(ノハラガラシ、SINAR)、ソンクス・アルベンシスL.(Sonchus arvensis L.)(タイワンハチジョウナ、SONAR)、ソリダゴ属(Solidago)種(アキノキリンソウ、SOOSS)、タラクサクム・オフフィキナーレG.H.Weber ex Wiggers(Taraxacum officinale G.H.Weber ex Wiggers)(セイヨウタンポポ、TAROF)、トリフォリウム・レペンスL.(Trifolium repens L.)(シロツメクサ、TRFRE)、又はウルティカ・ディオイカL.(Urtica dioica L.)(セイヨウイラクサ、URTDI)である。
【0072】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物及び組成物は、畝作物中に見出される望ましくない植生を防除するために利用される。特定の実施形態において、望ましくない植生は、アロペクルス・ミオスロイデス Huds.(Alopecurus myosuroides Huds.)(ノスズメノテッポウ、ALOMY)、アベナ・ファツア L.(Avena fatua L.)(カラスムギ、AVEFA)、ブラキアリア・プラティフィラ(Groseb.)Nash(Brachiaria platyphylla(Groseb.)Nash)(広葉シグナルグラス(broadleaf signalgrass)、BRAPP)、ジギタリア・サンギナリス(L.)Scop.(Digitaria sanguinalis(L.)Scop.)(オニメヒシバ、DIGSA)、エキノクロア・クルスガリ(L.)P.Beauv.(Echinochloacrus-galli(L.)P.Beauv.)(イヌビエ、ECHCG)、エキノクロア・コロヌム(L.)LINK(Echinochloa colonum(L.)LINK)(コヒメビエ、ECHCO)、ロリウム・ムロチフロルム Lam.(Lolium multiflorum Lam.)(イタリアンライグラス(Italian ryegrass)、LOLMU)、パニクム・ジコトミフロルム Michx.(Panicum dichotomiflorum Michx.)(オオクサキビ、PANDI)、パニクム・ミリアセウム L.(Panicum miliaceum L.)(野生キビ、PANMI)、セタリア・ファベリ Herrm.(Setaria faberi Herrm.)(アキノエノコログサ、SETFA)、セタリア・ビリディス(L.)Beauv.(Setaria viridis(L.)Beauv.)(エノコログサ、SETVI)、ソルガム・ハレペンス(L.)Pers.(Sorghum halepense(L.)Pers.)(セイバンモロコシ、SORHA)、ソルガム・ビコロール(L.)Moench種、アルンディナケウム(Sorghum bicolor(L.)Moench ssp.Arundinaceum)(モロコシ、SORVU)、シペルス・エスクレンツス L.(Cyperus esculentus L.)(ショクヨウガヤツリ、CYPES)、シペルス・ロトゥンドゥス L.(Cyperus rotundus L.)(ハマスゲ(purple nutsedge)、CYPRO)、アブチロン・テオフラスティ Medik.(Abutilon theophrasti Medik.)(イチビ、ABUTH)、アマランサス属(Amaranthus)種(アカザ及びアマランス、AMASS)、アンブロシア・アルテミシフォリア L.(Ambrosia artemisiifolia L.)(ブタクサ、AMBEL)、アンブロシア・プシロスタキア DC.(Ambrosia psilostachya DC.)(ブタクサ、AMBPS)、アンブロシア・トリフィーダ L.(Ambrosia trifida L.)(オオブタクサ、AMBTR)、アスクレピアス・シリアカ L.(Asclepias syriaca L.)(トウワタ、ASCSY)、ケノポディウム・アルブム L.(Chenopodium album L.)(シロザ、CHEAL)、シルシウム・アルヴェンセ(L.)Scop.(Cirsium arvense(L.)Scop.)(エゾキツネアザミ、CIRAR)、コメリナ・ベンガレンシス L.(Commelina benghalensis L.)(ベンガルツユクサ、COMBE)、ダチュラ・ストラモニウム L.(Datura stramonium L.)(シロバナヨウシュチョウセンアサガオ、DATST)、ダウクス・カロータ L.(Daucus carota L.)(ノラニンジン、DAUCA)、ユーフォルビア・ヘテロフィラ L.(Euphorbia heterophylla L.)(ショウジョウソウ、EPHHL)、エリゲロン・ボナリエンシス L.(Erigeron bonariensis L.)(荒れ地野菊、ERIBO)、エリゲロン・カナデンシス L.(Erigeron canadensis L.)(ヒメムカシヨモギ、ERICA)、ヘリアンサス・アンヌス L.(Helianthus annuus L.)(ヒマワリ、HELAN)、ジャックモンティア・タムニフォリア(L.)Griseb.(Jacquemontia tamnifolia(L.)Griseb.)(スモールフラワー・アサガオ(smallflower morningglory)、IAQTA)、イポモエア・ヘデラケア(L.)Jacq.(Ipomoea hederacea(L.)Jacq.)(アメリカアサガオ、IPOHE)、イポモエア・ラクノサ L.(Ipomoea lacunosa L.)(ホワイト・アサガオ(white morningglory)、IPOLA)、ラクトゥカ・セリオーラ L./Torn.(Lactuca serriola L./Torn.)(トゲチシャ、LACSE)、ポルトゥラカ・オレラケア L.(Portulaca oleracea L.)(スベリヒユ、POROL)、シダ・スピノーサ L.(Sida spinosa L.)(アメリカキンゴジカ、SIDSP)、シナピス・アルヴェンシス L.(Sinapis arvensis L.)(ノハラガラシ、SINAR)、ソラヌム・プチカンツム Dunal(Solanum ptychanthum Dunal)(イースタンブラックナイトシェード(eastern black nightshade)、SOLPT)又はキサンチウム・ストルマリウム L.(Xanthium strumarium L.)(オナモミ、XANST)である
【0073】
いくつかの実施形態において、出芽後の作業で約1~約4,000グラム/ヘクタール(g/ha)の施用量が使用される。いくつかの実施形態において、出芽前の作業で約1~約4,000g/haの量が使用される。
【0074】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物、組成物、及び方法は、より広範な種類の望ましくない植生を防除するために、1種以上の他の除草剤と併せて使用される。他の除草剤と組み合わせて使用する場合、本特許請求の範囲に記載されている化合物は、他の1種若しくは複数種の除草剤と共に製剤化、他の1種若しくは複数種の除草剤と共にタンクミックス化、又は他の1種若しくは複数種の除草剤と連続して施用することができる。本開示の化合物と併せて使用することができる除草剤のいくつかとしては:4-CPA、4-CPB、4-CPP、2,4-D、2,4-Dコリン塩、2,4-Dエステル及びアミン、2,4-DB、3,4-DA、3,4-DB、2,4-DEB、2,4-DEP、3,4-DP、2,3,6-TBA、2,4,5-T、2,4,5-TB、アセトクロール、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アクロレイン、アラクロール、アリドクロール、アロキシジム、アリルアルコール、アロラック、アメトリジオン、アメトリン、アミブジン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロール、アミノピラリド、アミプロホスメチル、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アニスロン、アシュラム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バーバン、BCPC、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロンメチル、ベンスリド、ベンチオカーブ、ベンタゾンナトリウム、ベンザドクス、ベンズフェンジゾン、ベンジプラム、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロップ、ベンズチアズロン、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバックナトリウム、ボラックス、ブロマシル、ブロモボニル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムピラゾン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブチダゾール、ブチウロン、ブトラリン、ブトロキシジム、ブツロン、ブチレート、カコジル酸、カフェンストロール、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド、カンベンジクロル、カルバスラム、カルベタミド、カルボキサゾール、クロルプロカルブ、カルフェントラゾンエチル、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラノクリル、クロラジホップ、クロラジン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロレツロン、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルニトロフェン、クロロポン、クロロトルロン、クロロクスロン、クロロキシニル、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルチアミド、シニドンエチル、シンメチリン、シノスルフロン、シスアニリド、クレトジム、クリオジネート、クロジナホップ-プロパルギル、クロホップ、クロマゾン、クロメプロップ、クロプロップ、クロプロキシジム、クロピラリド、クロランスラムメチル、CMA、硫酸銅、CPMF、CPPC、クレダジン、クレゾール、クミルロン、シアナトリン、シアナジン、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップブチル、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、シプロミッド、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、デラクロール、デスメディファム、デスメトリン、ジアレート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロラルウレア、ジクロルメート、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロスラム、ジエタムコート、ジエタチル、ジフェノペンテン、ジフェノキスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメキサノ、ジミダゾン、ジニトラミン、ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジスル、ジチオピル、ジウロン、DMPA、DNOC、DSMA、EBEP、エグリナジン、エンドタール、エプロナズ、EPTC、エルボン、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エテンザミド、エタメツルフロン、エチジムロン、エチオレート、エトベンズアミド(ethobenzamid)、エトベンズアミド(etobenzamid)、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エチノフェン、エトニプロミド、エトベンザニド、EXD、フェナシュラム、フェノプロップ、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル+イソオキサジフェンエチル、フェノキサスルホン、フェンテラコール、フェンチアプロップ、フェントラザミド、フェニュロン、硫酸鉄、フラムプロップ、フラムプロップ-M、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P-ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェニカン、フルフェンピルエチル、フルメツラム、フルメジン、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロミジン、フルオロニトロフェン、フルオチウロン、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセット、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミン、フリロキシフェン、グルホシネート、グルホシネートアンモニウム、グリホサート、ハロサフェン、ハロスルフロンメチル、ハロキシジン、ハロキシホップメチル、ハロキシホップ-P-メチル、ハロウキシフェンメチル、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルレート、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードボニル、ヨードメタン、ヨードスルフロン、イオフェンスルフロン、アイオキシニル、イパジン、イプフェンカルバゾン、イプリミダム、イソカルバミド、イソシル、イソメチオジン、イソノルロン、イソポリネート、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチレート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リニュロン、MAA、MAMA、MCPA、エステル及びアミン、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ、メコプロップ-P、メジノテルブ、メフェナセット、メフルイジド、メソプラジン、メソスルフロン、メソトリオン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メトフルラゾン、メタベンズチアズロン、メタルプロパリン、メタゾール、メチオベンカルブ、メチオゾリン、メチウロン、メトメトン、メトプロトリン、臭化メチル、メチルイソチオシアネート、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、メトスラム、メトキスロン、メトリブジン、メトスルフロン、モリネート、モナリド、モニソウロン、モノクロロ酢酸、モノリニュロン、モニュロン、モルファムコート、MSMA、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプロパミド-M、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、ノルフルラゾン、ノルロン、OCH、オルベンカルブ、オルト-ジクロロベンゼン、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサピラゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラフルフェンエチル、パラフルロン、パラコート、ペブレート、ペラルゴン酸、ペンディメタリン、ペノキススラム、ペンタクロロフェノール、ペンタノクロル、ペントキサゾン、パーフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファムエチル、フェノベンズロン、酢酸フェニル水銀、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、プレチラクロール、プリミスルフロンメチル、プロシアジン、プロジアミン、プロフルアゾール、プロフルラリン、プロホキシジム、プログリナジン、プロヘキサジオンカルシウム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プロキサン、プリナクロル、ピダノン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラスルホトール、ピラゾリル、ピラゾリネート、ピラゾスルフロンエチル、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリクロル、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミスルファン、ピリチオバックメチル、ピロキサスルホン、ピロクススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キノナミド、キザロホップ、キザロホップ-P-エチル、ロデタニル、リムスルフロン、サフルフェナシル、S-メトラクロール、セブチラジン、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトン、シメトリン、SMA、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン、スルファレート、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホサート、スルホスルフロン、硫酸、スルグリカピン、スウェップ、TCA、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブカルブ、テルブクロル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトラフルロン、テニルクロール、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾンメチル、チフェンスルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル、チオクロリム、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリカンバ、トリクロピルエステル及びアミン、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリホップ、トリホプシム、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン、トリプロピンダン、トリタック、トリトスルフロン、バーノレート、並びにキシラクロルが挙げられる。
【0075】
本開示の化合物及び組成物は、それらの選択性を高めるために、一般に、ベノキサコール、ベンチオカルブ、ブラシノリド、クロキントセット(例えば、メキシル)、シオメトリニル、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾールエチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、ハーピンタンパク、イソキサジフェンエチル、メフェンピルジエチル、MG191、MON4660、ナフタール酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148、及びN-フェニルスルホニル安息香酸アミドなどの既知の除草剤毒性緩和剤と併せて使用することができる。
【0076】
本明細書に記載の化合物、組成物、及び方法は、グリホサート耐性-、グルホシネート耐性-、ジカンバ耐性-、フェノキシオーキシン耐性-、ピリジルオキシオーキシン耐性、アリールオキシフェノキシプロピオナート耐性、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害剤耐性-、イミダゾリノン耐性-、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤耐性-、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤耐性-、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤耐性-、トリアジン耐性-、及びブロモキシニル耐性作物(大豆、綿、キャノーラ/アブラナ、イネ、穀物、トウモロコシ、芝などが挙げられるが、これらに限定されない)に対する望ましくない植生を防除するために、例えば、グリホサート、グルホシネート、ジカンバ、フェノキシオーキシン、ピリジルオキシオーキシン、アリールオキシフェノキシプロピオナート、ACCアーゼ阻害剤、イミダゾリノン、ALS阻害剤、HPPD阻害剤、PPO阻害剤、トリアジン、及びブロモキシニルと併せて使用される。本組成物及び方法は、複数の化学的性質及び/又は複数の作用機序の阻害剤に対する耐性を付与する複数の又は積み重ねられた形質を有する作物における望ましくない植生を防除する際に使用され得る。
【0077】
本明細書で提供される化合物及び組成物はまた、除草剤に抵抗性又は耐性を有する雑草を防除するために使用され得る。例示的な抵抗性又は耐性を有する雑草としては、アセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤、光化学系II阻害剤、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)阻害剤、合成オーキシン、光化学系I阻害剤、5-エノールピルシキミ酸-3-リン酸(EPSP)合成酵素阻害剤、微小管集合阻害剤、脂質合成阻害剤、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)阻害剤、カロテノイド生合成阻害剤、超長鎖脂肪酸(VLCFA)阻害剤、フィトエン不飽和化酵素(PDS)阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤、有糸分裂阻害剤、セルロース生合成阻害剤、キンクロラックなどの複数の作用機序を有する除草剤、及びアリールアミノプロピオン酸、ジフェンゾコート、エンドサル、及び有機ヒ素化合物などの分類されていない除草剤が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な抵抗性又は耐性を有する雑草には、複数の除草剤に対し抵抗性又は耐性を有する生物型、複数の化学的クラス、及び複数の除草剤作用機序が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
記載した実施形態及び以下の実施例は例示を目的としたものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載の組成物に関する、特許請求の範囲に記載された主題の精神及び範囲から逸脱することのない他の修正、使用、又は組み合わせは、当業者には明らかであろう。
【0079】
式Iの化合物の合成
化合物1、1A、1B、及び1Cの調製。化合物1、1A、1B、及び1Cの調製についての合成手順を以下に詳述されているように調製した。
【化16】
【0080】
3-ブロモ-6-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒドA(10g、42.1mmol)(Balko,T.William et al.,国際公開第2007/082098号パンフレット(その全体が参照により本明細書に組み込まれる))に、0.5Mのナトリウムメトキシド(93mL、46.3mmol)を添加した。反応物を80℃で5時間加熱した。反応物を室温まで一晩冷却した。メタノールを真空下で除去し、スラリーを酢酸エチル中に再溶解させ、水で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(9.61g、90%収率)を黄色固体として得た。Mp=73~77℃;
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 10.41(s,1H),7.68(d,J=8.6Hz,1H),7.15(d,J=8.6Hz,1H),3.94(s,3H);EIMS m/z 250.
【化17】
【0081】
-40℃のジクロロメタン(34mL)中3-ブロモ-6-クロロ-2-メトキシベンズアルデヒドB(2.13g、8.54mmol)に、1Nの三臭化ホウ素(17mL、17.00mmol)を10分にわたって添加した。1.5時間後、反応物を約10mLのアセトニトリル及び水でクエンチし、10分間撹拌した。次いで、水(50mL)を添加し、二相溶液を1時間撹拌した。有機層をブラインで洗浄し、次いで、相分離器に通して濾過し、濃縮して、表題化合物(1.97g、93%収率)を黄色固体として得た。Mp97~106℃;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 12.57(s,1H),10.37(s,1H),7.69(dd,J=8.4,0.5Hz,1H),6.90(d,J=8.5Hz,1H);EIMS m/z 236.
【化18】
【0082】
25mLバイアルに、3-ブロモ-6-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドC(502mg、2.13mmol)を充填し、1Nの水酸化ナトリウム(2.24mL、2.24mmol)を添加した。固体懸濁液を50℃で5分間加熱した。水(3.4mL)を入れたバイアルに25重量%の過酸化水素(0.34mL、2.77mmol)を添加した。過酸化水素溶液を加熱懸濁液に添加した。反応物を更に1時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、2NのHClで酸性化した。溶液を酢酸エチルで抽出し(2回)、硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(484mg、97%収率)を茶色の粘着性固体として得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ 7.01(dd,J=8.8,0.4Hz,1H),6.83(dd,J=8.8,0.4Hz,1H),5.67(s,2H);
13C NMR(101MHz,CDCl
3)δ 141.70,140.51,123.56,121.50,119.45,107.72;EIMS m/z 224.
【化19】
【0083】
マイクロ波反応バイアルに、炭酸セシウム(840mg、2.58mmol)、続いてDMF(5.4mL)中3-ブロモ-6-クロロベンゼン-1,2-ジオールD(480mg、2.15mmol)、及びブロモクロロメタン(0.168mL、2.58mmol)をシリンジで充填した。反応混合物を、60℃にて2時間マイクロ波反応装置中で加熱した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、次いで真空下で乾燥させて、表題化合物(416mg、78%収率)を茶色固体として得た。Mp=92~97℃;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.92(d,J=8.9Hz,1H),6.74(d,J=8.9Hz,1H),6.11(s,2H);EIMS m/z 235.
【化20】
【0084】
4-ブロモ-7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソールE(3.26g、13.6mmol)を、THF(67mL)中で撹拌した。溶液を0℃で冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(8.82mL、17.6mmol)(2M、Et
2O)を、シリンジで、約10分にわたって添加した。混合物を0℃で撹拌した。5時間後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3-ジオキソラン(3.72mL、17.6mmol)を、シリンジで、約5分にわたって滴加した。混合物を撹拌し、室温まで温めた。22時間後、混合物を飽和NH
4Cl(50mL)に注いだ。混合物をEtOAc(200mL)で抽出した。抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(3.96g、98%収率)を淡黄色固体として得た。Mp=116~118℃;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.15(d,J=8.4Hz,1H),6.82(d,J=8.4Hz,1H),6.09(s,2H),1.35(s,12H);EIMS m/z 282.
【化21】
【0085】
2-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランF(17.73g、62.8mmol)、メチル4-アミノ-3,6-ジクロロ-5-フルオロピコリネートG(10g、41.8mmol)(Fields,Stephen C.et al.Tetrahedron Letters,51(1),79-81;2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及びフッ化セシウム(19.07g、126mmol)のCH
3CN(76mL)及び水(20mL)中窒素パージ溶液に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(2.94g、4.18mmol)を添加した。固体を溶解させている間、混合物をN
2で10分間パージし、次いで、還流状態で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却すると、生成物は結晶化した。混合物を濾過し、固体をアセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮し、大部分のアセトニトリルを除去し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、オレンジ色固体を得た。この固体に、アセトンを添加した。この混合物を濾過し、固体をエーテルで洗浄し、1番目の収穫物と合わせて、表題化合物(13g、85%収率)を黄色固体として得た。Mp=198~200℃;
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.10(dd,J=8.7,0.6Hz,1H),6.95(d,J=8.7Hz,1H),6.10(s,2H),4.91(s,2H),3.98(s,3H);
19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ -137.59;ESIMS m/z 360 [(M+H)
+].
【化22】
【0086】
メタノール(2.20mL)中のメチル4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリネート1A(158mg、0.440mmol)に、2Nの水酸化ナトリウム(440μl、0.88mmol)を添加した。反応物を2NのHClで酸性化し、メタノールを窒素流下で吹き飛ばした。固体を真空濾過し、水ですすぎ、真空オーブン中で乾燥させ、表題化合物(137mg、88%収率)を白色固体として得た。Mp200~201℃;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 13.62(s,1H),7.06(s,2H),6.95(s,2H),6.20(s,2H);
19F NMR(376MHz,DMSO-d
6)δ -137.72;ESIMS m/z 345([M+H]
+).
【化23】
【0087】
DMF(0.985mL)中の4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリン酸1(102mg、0.296mmol)及び炭酸カリウム(56mg、0.405mmol)に、臭化ベンジル(0.042mL、0.355mmol)を添加し、反応物を60℃で4時間加熱した。反応混合物を、アセトニトリルとともにセライトカートリッジ上に直接ロードし、真空オーブン中で一晩乾燥させた。粗生成物を逆相分取HPLC(アセトニトリル/水勾配)により精製し、表題化合物(89mg、69%収率)を白色固体として得た。Mp155~157℃;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.49-7.43(m,2H),7.42-7.33(m,3H),7.12(d,J=8.7Hz,1H),6.94(d,J=8.7Hz,1H),6.09(s,2H),5.43(s,2H),4.88(s,2H);
19F NMR(376MHz,CDCl
3)δ -137.76;ESIMS m/z 435([M+H]
+).
【化24】
【0088】
DMF(0.985mL)中の4-アミノ-3-クロロ-6-(7-クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-5-フルオロピコリン酸1(105mg、0.304mmol)及び炭酸カリウム(75mg、0.543mmol)に、3-ブロモプロプ-1-イン(0.039mL、0.365mmol)を添加し、反応物を60℃で加熱した。反応混合物を、アセトニトリルとともにセライトカートリッジ上に直接ロードし、真空オーブン中で一晩乾燥させた。粗生成物を逆相分取HPLC(アセトニトリル/水勾配)により精製し、表題化合物(63mg、54%収率)を黄褐色固体として得た。Mp163~168℃;1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.12(d,J=8.6Hz,1H),6.95(d,J=8.7Hz,1H),6.10(s,2H),4.97(d,J=2.5Hz,2H),4.92(s,2H),2.53(t,J=2.5Hz,1H);19F NMR(376MHz,CDCl3)δ -137.10;ESIMS m/z 383([M+H]+)
【0089】
化合物2~15を、米国特許第9,149,038号明細書(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているとおりに調製した。
【0090】
化合物1~15の構造を、以下の表に示す。
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【実施例】
【0096】
実施例1.除草活性の評価
出芽後試験:所望の試験植物種の種子又は小堅果を、64平方センチメートル(cm2)の表面積を有するプラスチックポット中のSun Gro Metro-Mix(登録商標)360植え付け用混合物へ植え付けた。この混合物は、通常、6.0~6.8のpH及び約30パーセントの有機物含有量を有する。良好な出芽及び健康な植物の生育を確実に行うことが要求される場合、殺菌剤処理及び/又は他の化学的若しくは物理的処理を適用した。植物を、約15時間の光周期を有し、昼間約23~29℃、夜間22~28℃に維持された温室内で、7~21日間生育した。栄養素及び水を定期的に加え、必要に応じて、1000ワットのオーバーヘッドメタルハライドランプにより補助照明を行った。植物が1葉期又は2葉期に達したときに試験に使用した。
【0097】
各試験化合物の、試験を行う最大量によって決定された量を秤量し、25mLガラスバイアルに入れ、アセトンとDMSOの97:3v/v混合物4mLに溶解して、濃縮原液を得た。試験化合物が容易に溶解しなかった場合、混合物を加温し且つ/又は超音波処理した。得られた濃縮原液を、アセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411F作物油濃縮物、及びTriton(登録商標)X-155界面活性剤を含む水性混合物20mLで48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/v比で希釈して、最も高い施用量を含有する噴霧液を得た。更なる施用量は、高い比率の溶液12mLを、アセトン及びDMSOの97:3v/v混合物2mL、並びにアセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411F作物油濃縮物、及びTritonX-155界面活性剤を含む水性混合物10mLを含む溶液に、48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/v比で段階希釈することにより得られ、高比率である1/2X、1/4X、1/8X、及び1/16X比を得た。化合物の必要量は、187リットル/ヘクタール(L/ha)の割合で施用体積12mLに基づく。製剤化した化合物を、平均植物キャノピー上18インチ(43cm)のスプレー高さから、0.503平方メートル施用面積全体に187L/haで送達するように較正された8002Eノズルを備えたオーバーヘッド型Mandelトラック噴霧器を用いて植物材料に施用した。対照植物に同じ方法で溶媒ブランクを噴霧した。
【0098】
処理した植物及び対照植物を、上記のような温室に置き、試験化合物の洗い流しを防ぐために、地下潅漑によって水を与えた。14d後、試験植物の状態を非処理植物の状態と比較して視覚的に判定し、0~100%のスケールでスコア化した(ここで、0は損傷なしに相当し、100は完全枯死に相当する)。
【0099】
試験した化合物、使用した施用量、試験した植物種、及び結果のいくつかを表1及び2に示す。また、これらの結果を
図1A~
図4Bでプロットした。表1~表2及び
図1A~
図4Bにて示すように、式Iの化合物(例えば、化合物1)は、多数の構造的に類似した化合物と比較して、大幅に改善された除草活性を示す(例えば、化合物2~15)。多数の構造的に類似した化合物(例えば、化合物2~15)と比較して、式Iの化合物(例えば、化合物1)の改善された活性は予想外であった。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【表11】
本願は以下の態様にも関する。
(1) 式I:
【化25】
[式中、
R
2
はハロゲン、C
1
~C
4
アルキル、C
1
~C
4
ハロアルキル、C
2
~C
4
アルケニル、C
2
~C
4
ハロアルケニル、C
2
~C
4
アルキニル、C
1
~C
4
アルコキシ、C
1
~C
4
ハロアルコキシ、C
1
~C
4
アルキルチオ、C
1
~C
4
ハロアルキルチオ、アミノ、C
1
~C
4
アルキルアミノ、C
2
~C
4
ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1
~C
3
アルキルカルボニル、C
1
~C
3
ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5
=CR
6
-SiR
7
R
8
R
9
(式中、R
5
は水素、F又はClであり、R
6
は水素、F、Cl、C
1
~C
4
アルキル又はC
1
~C
4
ハロアルキルであり、R
7
、R
8
、及びR
9
は独立してC
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
6
シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1
~C
10
アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3
及びR
4
は独立して水素、C
1
~C
6
アルキル、C
1
~C
6
ハロアルキル、C
3
~C
6
アルケニル、C
3
~C
6
ハロアルケニル、C
3
~C
6
アルキニル、ホルミル、C
1
~C
3
アルキルカルボニル、C
1
~C
3
ハロアルキルカルボニル、C
1
~C
6
アルコキシカルボニル、C
1
~C
6
アルキルカルバミル、C
1
~C
6
アルキルスルホニル、C
1
~C
6
トリアルキルシリル、C
1
~C
6
ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3
及びR
4
はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3
及びR
4
は一緒になって=CR
3’
(R
4’
)(式中、R
3’
及びR
4’
は独立して水素、C
1
~C
6
アルキル、C
3
~C
6
アルケニル、C
3
~C
6
アルキニル、C
1
~C
6
アルコキシ、若しくはC
1
~C
6
アルキルアミノであるか、又はR
3’
及びR
4’
は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
により定義される化合物、又はその農業的に許容される塩、エステル、若しくはN-オキシド。
(2) 前記化合物が、式IA:
【化26】
[式中、
R
1
は水素、C
1
~C
8
アルキル、C
1
~C
8
ハロアルキル、C
2
~C
8
アルケニル、C
2
~C
8
ハロアルケニル、C
2
~C
8
アルキニル、フェニル、置換フェニル、又はC
7
~C
12
アリールアルキルであり;
R
2
はハロゲン、C
1
~C
4
アルキル、C
1
~C
4
ハロアルキル、C
2
~C
4
アルケニル、C
2
~C
4
ハロアルケニル、C
2
~C
4
アルキニル、C
1
~C
4
アルコキシ、C
1
~C
4
ハロアルコキシ、C
1
~C
4
アルキルチオ、C
1
~C
4
ハロアルキルチオ、アミノ、C
1
~C
4
アルキルアミノ、C
2
~C
4
ハロアルキルアミノ、ホルミル、C
1
~C
3
アルキルカルボニル、C
1
~C
3
ハロアルキルカルボニル、シアノ、又は式-CR
5
=CR
6
-SiR
7
R
8
R
9
(式中、R
5
は水素、F又はClであり、R
6
は水素、F、Cl、C
1
~C
4
アルキル又はC
1
~C
4
ハロアルキルであり、R
7
、R
8
、及びR
9
は独立してC
1
~C
10
アルキル、C
3
~C
6
シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、C
1
~C
10
アルコキシ、又はOHである)の基であり;
R
3
及びR
4
は独立して水素、C
1
~C
6
アルキル、C
1
~C
6
ハロアルキル、C
3
~C
6
アルケニル、C
3
~C
6
ハロアルケニル、C
3
~C
6
アルキニル、ホルミル、C
1
~C
3
アルキルカルボニル、C
1
~C
3
ハロアルキルカルボニル、C
1
~C
6
アルコキシカルボニル、C
1
~C
6
アルキルカルバミル、C
1
~C
6
アルキルスルホニル、C
1
~C
6
トリアルキルシリル、C
1
~C
6
ジアルキルホスホニルであるか、又はR
3
及びR
4
はNと一緒になって5員若しくは6員の飽和環であるか、又はR
3
及びR
4
は一緒になって=CR
3’
(R
4’
)(式中、R
3’
及びR
4’
は独立して水素、C
1
~C
6
アルキル、C
3
~C
6
アルケニル、C
3
~C
6
アルキニル、C
1
~C
6
アルコキシ、若しくはC
1
~C
6
アルキルアミノであるか、又はR
3’
及びR
4’
は=Cと一緒になって5員若しくは6員の飽和環を表す)を表す]
により定義される、請求項1に記載の化合物、又はその農業的に許容される塩若しくはN-オキシド。
(3) R
2
がハロゲン、C
2
~C
4
アルケニル、C
2
~C
4
ハロアルケニル、又はC
1
~C
4
アルコキシである、請求項1又は2に記載の化合物。
(4) R
2
がCl、メトキシ、ビニル、又は1-プロペニルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(5) R
2
がClである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
(6) R
3
及びR
4
が両方とも水素である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
(7) 前記化合物が、下記の構造により定義される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【化27】
(8) 前記化合物が、下記の構造により定義される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【化28】
(9) 前記化合物が、下記の構造により定義される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【化29】
(10) 前記化合物が、下記の構造により定義される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【化30】
(11) 請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物及び農学的に許容されるアジュバント又は担体を含む除草組成物。
(12) 少なくとも1つの追加の除草化合物を更に含む、請求項11に記載の組成物。
(13) 毒性緩和剤を更に含む、請求項11又は12に記載の組成物。
(14) 除草有効量の請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又は請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物を施用することを含む、望ましくない植生を防除するための方法。