(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】SET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その調製方法及び用途
(51)【国際特許分類】
C07D 249/08 20060101AFI20241022BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20241022BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241022BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241022BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20241022BHJP
C07D 405/04 20060101ALI20241022BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20241022BHJP
C07D 413/04 20060101ALI20241022BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20241022BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
C07D249/08 535
A61K31/4196
A61K31/454
A61K31/5377
A61P35/00
A61P43/00 111
C07D401/14
C07D405/04
C07D405/14
C07D413/04
C07D413/14 CSP
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020567253
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2019123383
(87)【国際公開番号】W WO2021082181
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-11-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】201911060493.7
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520468173
【氏名又は名称】海南一齢医療産業発展有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520468184
【氏名又は名称】蘇 学明
(73)【特許権者】
【識別番号】520468195
【氏名又は名称】李 ▲ウェ-▼
(73)【特許権者】
【識別番号】520468209
【氏名又は名称】楊 超
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】蘇 学明
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ウェ-▼
(72)【発明者】
【氏名】楊 超
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】冨永 保
【審判官】齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-40159(JP,A)
【文献】国際公開第2018/233633(WO,A1)
【文献】米国特許第4871757(US,A)
【文献】国際公開第2014/070983(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105646382(CN,A)
【文献】特表2014-525467(JP,A)
【文献】特開2013-10752(JP,A)
【文献】特表2002-533461(JP,A)
【文献】特開平11-292862(JP,A)
【文献】旧東ドイツ国経済特許第236090(DD,A1)
【文献】RN=1497650-44-8、他、全3化合物、REGISTRY(STN)、2013年12月18日、Retrieved from STN(Online)
【文献】RN=2316679-47-5、他、全39化合物、REGISTRY(STN)、2019年5月24日、Retrieved from STN(Online)
【文献】RN=2307069-89-0、他、全121化合物、REGISTRY(STN)、2019年5月10日、Retrieved from STN(Online)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
REGISTRY(STN)、CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物番号2)~21):
2)2-(1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
3)2-(1-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
4)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
5)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
6)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピリジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
7)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピラジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
8)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
9)4-ベンジル-2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
10)4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
11)3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メタンアミン、
12)1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール、
13)2-(1-(4-メトキシベンジル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
14)2-(3-ベンジル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
15)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
16)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(p-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
17)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
18)4-(5-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
19)4-(5-(tert-ブチル)-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
20)4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
21)5-シクロヘキシル-1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール
のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
医薬組成物であって、請求項1に記載
される化合物番号2)~21)のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項3】
請求項1に記載
される化合物番号2)~21)のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有する腫瘍の治療薬物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品化学の分野に属し、具体的にはSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その調製方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エピジェネティックとは、遺伝子発現の変化が遺伝子配列の変化に依存しないで、DNAメチル化及びヒストンの化学修飾に依存することである。遺伝子突然変異、エピジェネティック突然変異、ライフスタイル及び環境因子は、ヒトの健康及び疾患に共同で影響する。エピジェネティック制御遺伝子をコードする突然変異は、腫瘍の発達の間にヒストン修飾が変化し、DNAプロモーターの高メチル化、DNAの広範な低メチル化、及びクロマチン構造の異常の4つの方面において主に現れる。DNAの異常メチル化は、癌抑制遺伝子の転写の阻害、ゲノムの不安定性、及び癌遺伝子の異常な活性化をもたらす可能性が高い。ヒストン修飾酵素の腫瘍内での突然変異は、ヒストンメチル化酵素、脱メチル化酵素、アセチル化酵素突然変異などを含み、遺伝子発現の異常を引き起こし、腫瘍細胞の表現型を決定する。これらのエピジェネティックな変化は、腫瘍細胞の成長、免疫回避、転移、不均一性、及び耐性などに直接関連し、さらには腫瘍の発生をもたらす。エピジェネティック突然変異に対する治療戦略は、新しい腫瘍治療の方向になり、様々なエピジェネティック薬が臨床試験を開始した。また、その治療戦略は自己免疫、心血管疾患、神経、発生、エイジングなどの分野での応用も大いに期待されている。
【0003】
SET8リジンメチルトランスフェラーゼは、SETD8、PR-SET7、KMT5aとも呼ばれ、現在発見されたヒストンH4リジン20位(histon H4 lysine20,H4K20)を特異的にモノメチル化できる唯一のジンメチルトランスフェラーゼである。SET8は、ヒストンメチル化の修飾を介して、インビボでの遺伝子転写の調節、ゲノムの安定化、細胞周期の進行、及び胚の発生などの生物学的プロセスに関与する。現在、SET8リジンメチルトランスフェラーゼが腫瘍発達を制御する作用機序について、国内外の多数の研究が報告している。例えば、SET8が非ヒストンNumbのメチル化を介して細胞のアポトーシス及び増殖を調節し得ることを研究で報告されている。Liらは、SET8リジンメチルトランスフェラーゼがWntシグナル伝達経路の伝達媒介であることを見出し、哺乳動物細胞及びゼブラフィッシュにおいてWntレポーター及び標的遺伝子を活性化するのに重要である。Chenらは、ホットスポットmiRNAを研究し、SET8を直接標的とすることにより細胞増殖及び細胞周期を調節することを見出した。SET8は、Wnt標的遺伝子発現の調節に関与し、Wnt3a媒介胚発生に影響を及ぼすだけでなく、Twistによって上皮間葉転換の調節にも関与し、したがって腫瘍の形成及び発達に影響を及ぼす。2016年Moreauxらは、SET8が多発性骨髄腫細胞の生存に重要であることを初めて実証しており、SET8リジンメチルトランスフェラーゼの阻害が多発性骨髄腫の治療を改善するための潜在戦略であることを示唆している。さらに、SET8の発現が胃癌患者の独立した予後マーカーであることを示す研究もあり、SET8リジンメチルトランスフェラーゼの発現レベルは、患者が有害疾患のリスクを判定するのに役立ち得る。つまり、SET8リジンメチルトランスフェラーゼは、生体の生命過程において重要な役割を果たしており、体内の細胞周期、細胞増殖及びアポトーシスなどの過程を制御することに関与し、多くの腫瘍の発生、成長、転移などに密接に関与している。しかしながら、SET8リジンメチルトランスフェラーゼを標的とする化合物は報告が少ないため、SET8リジンメチルトランスフェラーゼを標的とする新規な化合物の研究は、現在の研究の困難点及びホットスポットである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の有する技術的課題を解決するために、新規なSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その調製方法と用途を研究する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの技術的解決手段は、式Iで示されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その光学異性体、溶媒和物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
【0006】
【0007】
そのうち、
X、Yは、独立してCH又はNから選択され、
R1、R2、又はR3は、それぞれ独立して、水素、C1-C6アルキル、置換C1-C6アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換C1-C6アルキルは、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、又はシアノから選択される1つ以上の置換基で置換され、前記置換シクロアルキル、置換フェニル又は置換ベンジルは、各々独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルアミノ、シアノ、C1-C6アルキルアミノ又はC1-C6アルコキシアシルから選択される1つ以上の置換基で置換され、前記置換ヘテロシクリルは、独立して、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、フェニル、ベンジル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1-C6アルカノイルアミノ、シアノ、C1-C6アルキルアミノ又はC1-C6アルコキシアシルから選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0008】
更なる改良された手段では、X、YはいずれもNである。
【0009】
更なる改良された手段では、R1は、C1-C4アルキル、置換C1-C4アルキル、C5-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換C1-C4アルキルは、独立して、ハロゲン、ニトロ、アミノ又はシアノから選択される1つ以上の置換基で置換され、前記置換ヘテロシクリルは、独立して、C1-C4アルキル又はベンジルから選択される1つ以上の置換基で置換され、
好ましくは、R2は、フェニル、置換フェニル、ベンジル又は置換ベンジルから選択され、前記置換フェニル又は置換ベンジルは、それぞれ独立して、C1-C4アルキル又はC1-C4アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換され、
好ましくは、R3は、C1-C4アルキル、C5-C8シクロアルキル、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換フェニル又は置換ベンジルは、それぞれ独立して、C1-C4アルキル又はC1-C4アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換され、前記置換ヘテロシクリルは、独立して、C1-C4アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換される。
【0010】
更なる改良された手段では、R1は、C1-C4アルキル、置換C1-C4アルキル、シクロヘキサン、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換C1-C4アルキルは、独立して1つのアミノで置換され、前記置換ヘテロシクリルは、独立して、C1-C4アルキル又はベンジルから選択される1つの置換基で置換され、前記ヘテロシクリルは、モルホリニル又はテトラヒドロピラニルである。
【0011】
更なる改良された手段では、R3は、C1-C4アルキル、シクロヘキシル、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換フェニル又は置換ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、1つのC1-C4アルキルで置換され、前記置換ベンジルは、1つのC1-C4アルコキシで置換され、前記ヘテロシクリルは、ピラジニル、ピペリジニル又はピリジニルから選択される。
【0012】
更なる改良された手段では、R1は、メチル、ヘテロシクリル又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換ヘテロシクリルは、1つのベンジルで置換され、前記ヘテロシクリルは、モルホリニル又はテトラヒドロピラニルであり、
好ましくは、R2は、フェニル、置換フェニル、ベンジル又は置換ベンジルから選択され、前記置換フェニルは、1つのメチルで置換され、前記置換ベンジルは、1つのメトキシで置換され、
好ましくは、R3は、メチル、シクロヘキシル、フェニル、置換フェニル、置換ベンジル、ヘテロシクリル、又は置換ヘテロシクリルから選択され、前記置換フェニル又は置換ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、1つのメチルで置換され、前記置換ベンジルは、1つのメトキシで置換され、前記ヘテロシクリルは、ピラジニル、ピペリジニル、又はピリジニルから選択される。
【0013】
更なる改良された手段では、式Iで示される阻害剤は、以下の化合物から選択され、
1)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
2)2-(1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
3)2-(1-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
4)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
5)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
6)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピリジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
7)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピラジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
8)2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
9)4-ベンジル-2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
10)4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
11)3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メタンアミン、
12)1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール、
13)2-(1-(4-メトキシベンジル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
14)2-(3-ベンジル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
15)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
16)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(p-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
17)2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン、
18)4-(5-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
19)4-(5-(tert-ブチル)-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
20)4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン、
21)5-シクロヘキシル-1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール。
【0014】
用語の解釈:
本発明で使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素などを含むが、これらに限定されない。
【0015】
本発明で使用される場合、「アルキル」という用語は、C1-C10アルキル、C1-C6アルキル、又はC1-C4アルキルなどの直鎖又は分岐鎖の飽和ヒドロキシを指す。アルキルの非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどが挙げられる。
【0016】
本発明で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、「W-O-」構造を有する基を指し、Wは、アルキル、例えば、C1-C10アルコキシ、C1-C6アルコキシ、又はC1-C4アルコキシであり、アルコキシの非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、及びtert-ブトキシなどが挙げられる。
【0017】
本発明で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、飽和又は部分飽和の環状ヒドロキシを指し、シクロアルキルを構成する炭素数は3-15個、例えば3-10個であってもよい。具体例としては、シクロプロピルアルキル、シクロブタニル、シクロペンチルアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
本発明で使用される場合、「ヘテロシクリル」とは、環を構成する原子が炭素原子以外にN、O又はSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含むことを意味し、具体例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピペリジニル、トリアジニル、モルホリニル、チオジアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の別の手段は、式Iで示されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その光学異性体、溶媒和物又はその薬学的に許容される塩の調製方法を提供し、この調製方法は、
1)式Aで示されるカルボン酸又は式Dで示される酸クロリドと式Bで示されるチオアミドとを触媒存在下で縮合反応させて式Cで示されるチオイミド中間体を生成させ、と
2)式Cで示されるチオイミド中間体と式Eで示されるヒドラジン又はその塩とを塩基触媒下で環化させて式1で示されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤を生成させ、とのステップを含み、
反応式は以下のとおりである。
【0020】
【0021】
更なる改良された手段では、ステップ1)に記載の触媒が、HATUとDIEA、又はピリジンと4-ジメチルアミノピリジンであり、式Aで示されるカルボン酸又は式Dで示される酸塩化物と式Bで示されるチオアミドとHATU及びDIEAのモル比が1:1.05-1.2:1.05-1.2:1.05-1.2であり、
好ましくは、ステップ2)に記載の塩基は酢酸ナトリウムであり、式Cで示されるチオイミド中間体と、式Eで示されるヒドラジン又はその塩、塩基とのモル比が1:1.1-1.3:1.25-2.6である。
【0022】
更なる改良された手段では、ステップ2)に記載の反応溶媒は、酢酸と1,4-ジオキサンとの体積比が1:0.8~2の混合溶媒である。
【0023】
本発明の別の態様は、式Iで示されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その光学異性体、溶媒和物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0024】
医薬組成物は、局所、静脈内、経口、皮下などの投与経路により、投与経路に応じて種々の適切な剤形に製剤化することができる。経口投与の場合、本発明の化合物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤を含むが、これらに限定されない、経口的に許容される任意の製剤形態にすることができる。ここで、担体又は賦形剤としては、限定されないが、充填剤としてラクトース、グルコース、微結晶セルロースなど、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース、ポビドン、メチルセルロースなど、崩壊剤としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドンなど、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなどが挙げられる。皮膚に局所的に適用する場合、本発明化合物は、適当な軟膏などの製剤形態に製剤化することができ、担体又は賦形剤は、ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシドなどから選択される。
【0025】
本発明にて提供される式Iで示されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤、その光学異性体、溶媒和物又はその薬学的に許容される塩は、腫瘍、例えば、肝癌、神経膠腫、結腸直腸癌、胃癌、乳癌、黒色腫、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、膀胱癌、腎臓癌、多発性骨髄腫、子宮頸癌などの治療に用いることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、SET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤を初めて合成及び同定し、インビトロ活性評価の結果により、この阻害剤はSET8リジンメチルトランスフェラーゼに対して有意な阻害活性を有すると同時に有意なインビトロ抗腫瘍活性を有し、毒性が低く、SET8リジンメチルトランスフェラーゼを標的とする標的化抗腫瘍薬として更に開発可能であることが示される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態を詳細に説明するが、当業者であれば、下記の実施例は、本発明を説明するに用いるだけで、本発明の範囲が限定されるものではないことを理解できるであろう。実施例に具体的な条件を明記していないものは、通常の条件又はメーカーの推奨する条件に従って行った。使用する試薬や機器は、メーカーに特定されない場合、いずれも市販で入手可能な通常のものである。また、各物質の使用量又は収率を算出する際には、部分データは繰り上げ処理されている。
[実施例1] 2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物1)塩酸塩の調製
【0028】
【0029】
ステップ1:2-((2-(4-メトキシフェニル)チオアセチル)カルバモイル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物1-3)を調製する。
反応式は以下のとおりである。
【0030】
【0031】
式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸(1.0mmol、231mg)、2-(7-ベンゾトリアザゾール)-N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、1.1mmol、418mg)を4mLの乾燥ジクロロメタン(DCM)に溶解し、窒素保護して室温で20分間撹拌した後、上記系に式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミド(1.1mmol、199mg)を加え、1時間撹拌を続けた後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.1mmol、142mg)を上記反応系に滴下した後、窒素保護して室温で2日間撹拌反応を続け、反応液を酢酸エチル50mLで希釈した後、水20mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(石油エーテル):V(酢酸エチル)=5:1-2:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、134mgの淡黄色油状物1-3を収率34%で得る。
【0032】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ10.25(s,1H),7.25(d,J=8.7Hz,2H),6.85(d,J=8.7Hz,2H).,4.61-4.52(m,2H),4.28(brs,1H),4.00-3.93(m,3H),3.79(s,3H),3.58(td,J=11.8,2.8Hz,1H),2.91-2.79(m,2H),1.47(s,9H)。
【0033】
ステップ2:2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル(化合物1-5)を調製する。
【0034】
反応式は以下のとおりである。
【0035】
【0036】
化合物1-3(0.15mmol,59mg)、式1-4で示される4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジン(0.18mmol,23mg)、酢酸ナトリウム(0.195mmol,16mg)を、1mLの酢酸と1mLの1,4-ジオキサンの混合溶媒に順次溶解した後、キャッピングを行い、次いで、80℃の加熱下で化合物1-3が完全に反応するまで反応させ、反応液を酢酸エチル30mLで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム溶液20mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(アンモニアのジクロロメタン溶液):V(メタノール)=25:1-20:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、63mgの淡黄色油状物1-5を収率89%で得た。
【0037】
ステップ3:2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物1)塩酸塩を調製する。
【0038】
反応式は以下のとおりである。
【0039】
【0040】
化合物1-5(0.13mmol、61mg)、アニソール(0.13mmol、14mg)、0.4mLの塩化水素1,4-ジオキサン溶液(4M)をジクロロメタン3mLに順次溶解した後、化合物1-5が完全に反応するまで、密閉反応を2日間行った。反応液を蒸発乾固することにより白色固体を得て、固体を石油エーテルと酢酸エチル(3:1)との混合溶媒10mLで3回洗浄した後、抽出乾固することにより50mgの白色固体1を収率87%で得る。1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.18-7.16(m,2H),6.85-6.82(m,2H),5.48-5.45(m,1H),5.04-4.99(m,1H),4.22-4.13(m,2H),4.00(s,2H),3.75(s,3H),3.69-3.52(m,6H),3.42-3.35(m,3H),2.94(s,3H),2.53-2.23(m,5H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ162.7,160.1,151.9,130.9,130.8,130.4,130.1,115.0,68.1,67.2,64.8,55.7,54.3,54.3,54.2,45.6,43.9,33.8,30.9,30.2.ESI-MS:m/z372.1[M+H]+。
[実施例2] 2-(1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物2)の調製
【0041】
【0042】
ステップ1:2-(1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン-4-カルボン酸tert-ブチル(化合物2-1)を調製する。
【0043】
【0044】
化合物1-3(0.15mmol,59mg)、(4-メトキシベンジル)ヒドラジン塩酸塩(0.18mmol,34mg)、酢酸ナトリウム(0.36mmol,30mg)を、酢酸1mLと1,4-ジオキサン1mLの混合溶媒に順次溶解した後、密栓し、次いで、80℃に加熱しながら化合物1-3の反応が完了するまで反応させた。反応液を酢酸エチル30mLで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム溶液20mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、[V(石油エーテル):V(酢酸エチル)=3:1-1:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、50mgの淡黄色油状物2-1を収率68%で得る。
【0045】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.25-7.16(m,4H),6.87-6.82(m,4H),5.32(s,2H),4.43(dd,J=10.5,2.2Hz,1H),4.22-4.06(m,1H),3.99(s,3H),3.79(s,3H),3.78(s,3H),3.62-3.56(m,1H),3.21(t,J=11.5Hz,1H),3.00(s,1H),1.44(s,9H)。
【0046】
ステップ2:2-(1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物2)を調製する。
【0047】
化合物2-1(0.1mmol、49mg)、アニソール(0.1mmol、11mg)、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液(4M)0.5mLをジクロロメタン3mLに順次溶解した後、3日間密栓し、化合物2-1が完全に反応するまで反応させた。反応液を蒸発乾固して黄色油状物を得て、油状物を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液20mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、[V(アンモニアのジクロロメタン溶液):V(メタノール)=25:1~20:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、26mgの黄色油状物2を収率66%で得る。
【0048】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.26-7.17(m,4H),6.86-6.81(m,4H),5.38-5.29(m,2H),4.57-4.54(m,1H),3.98(s,2H),3.88-3.84(m,1H),3.78(s,3H),3.77(s,3H),3.68-3.62(m,1H),3.17-3.10(m,2H),2.97-2.84(m,2H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ162.3,159.6,158.3,153.1,130.6,130.0,129.2,128.1,114.3,114.0,70.8,67.6,55.5,55.46,52.4,48.8,45.6,34.0.ESI-MS:m/z395.2[M+H]+。
[実施例3]:2-(1-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物3)の調製
【0049】
【0050】
ステップ1:2-(1-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン-4-カルボキシレート(化合物3-1)を調製する。
【0051】
【0052】
化合物1-3(0.16mmol,63mg)、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩(0.2mmol,30mg)、酢酸ナトリウム(0.36mmol,30mg)を酢酸1mLと1,4-ジオキサン1mLの混合溶媒に順次溶解した後、密栓を行い、次いで、80℃に加熱しながら化合物1-3を完全に反応させた。反応液を酢酸エチル30mLで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム溶液20mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(石油エーテル):V(酢酸エチル)=3:1-1:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、40mgの淡黄色油状物3-1を収率55%で得る。
【0053】
ステップ2:2-(1-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物3)を調製する。
【0054】
化合物3-1(0.09mmol、41mg)、アニソール(0.1mmol、11mg)、塩化水素0.5mLの1,4-ジオキサン溶液(4M)をジクロロメタン3mLに順次溶解した後、3日間密栓し、化合物3-1が完全に反応するまで反応させた。反応液を蒸発乾固して黄色油状物を得て、油状物を酢酸エチル30mLで希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液20mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(アンモニアのジクロロメタン溶液):V(メタノール)=25:1-20:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、26mgの黄色油状物3を収率81%で得る。
【0055】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.25-7.23(m,2H),6.82-6.80(m,2H),4.67-4.64(m,2H),4.28-4.21(m,2H),3.98(s,2H),3.85-3.79(m,1H),3.77(s,3H),3.73-3.67(m,1H),3.31-3.25(m,1H),3.19-3.15(m,1H),3.01-2.87(m,2H),1.98-2.85(m,6H),1.73-1.70(m,1H),1.40-1.26(m,4H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.8,158.1,152.0,130.7,129.9,113.8,70.0,67.4,58.0,55.3,48.9,45.6,33.9,33.0,32.9,25.7,25.1.ESI-MS:m/z357.2[M+H]+。
[実施例4]:2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物4)塩酸塩の調製
【0056】
【0057】
実施例1の方法に基づき、化合物1-3とフェニルヒドラジンを反応させ、中間体(75mg、収率76%)を調製した後、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物4の塩酸塩(30mg、収率77%)を白色固体粉末として調製する。
【0058】
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ9.33(brs,1H),7.62-7.59(m,5H),7.25-7.23(m,2H),6.88-6.86(m,2H),4.89-4.87(m,1H),4.00(s,3H),3.83-3.81(m,2H),3.72(s,2H),3.50(s,2H),3.24-3.18(m,2H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ164.1,159.5,151.8,130.9,130.7,130.3,125.8,124.9,123.4,115.0,66.5,64.3,55.7,45.6,42.8,34.0.ESI-MS:m/z351.1[M+H]+。
[実施例5]:2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物5)塩酸塩の調製
【0059】
【0060】
実施例1の方法に基づき、化合物1-3と3-メチルベンゾヒドラジンを反応させ、中間体(80mg,収率78%)を調製した後、さらに塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物5の塩酸塩(32mg,収率75%)を白色固体粉末として調製する。
【0061】
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ9.43(brs,1H),7.57-7.48(m,4H),7.24-7.22(m,2H),6.87-6.86(m,2H),4.89-4.86(m,1H),4.01(s,3H),3.82-3.81(m,2H),3.72(s,2H),3.48(s,2H),3.22-3.19(m,2H),2.43(m,3H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ164.5,160.0,152.2,141.3,137.8,131.4,130.84,130.82,130.6,126.3,122.8,114.9,66.8,64.1,55.7,45.7,43.9,34.3,21.3.ESI-MS:m/z365.1[M+H]+。
[実施例6] 2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピリジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物6)の調製
【0062】
【0063】
実施例1の方法に基づき、化合物1-3を2-ヒドラジンピリジンと反応させ、中間体(25mg、収率44%)を調製した後、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物6(18mg、収率90%)を淡黄色油状物として調製する。
【0064】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.49(d,J=4.9Hz,1H),7.83(d,J=2.7Hz,2H),7.32-7.27(m,3H),6.84(d,J=8.6Hz,2H),5.56(dd,J=9.3,2.4Hz,1H),5.30(s,3H),4.09(s,2H),4.01(d,J=11.4Hz,1H),3.86-3.67(m,4H),3.43(dd,J=12.3,1.8Hz,1H),3.12(ddd,J=18.7,13.2,6.3Hz,2H),2.90(d,J=12.6Hz,1H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ163.2,158.2,154.7,150.7,148.0,138.8,129.9,122.6,116.4,113.8,71.9,67.9,55.2,53.4,49.2,45.2,33.8,29.8.ESI-MS:m/z352.2[M+H]+。
[実施例7] 2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(ピラジン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物7)の調製
【0065】
【0066】
実施例1の方法に基づき、化合物1-3と2-ヒドラジノピラジンを反応させ、中間体(36mg、収率63%)を調製した後、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物7(20mg、収率71%)を淡黄色油状物として調製する。
【0067】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ9.20(s,1H),8.57(d,J=2.5Hz,1H),8.45(s,1H),7.35-7.25(m,2H),6.85(t,J=5.7Hz,2H),5.47(dd,J=9.2,2.6Hz,1H),4.10(s,2H),3.97(dt,J=11.4,2.6Hz,1H),3.81-3.66(m,4H),3.36(dd,J=12.3,2.4Hz,1H),3.23-3.02(m,2H),2.90(d,J=12.6Hz,1H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ164.0,158.3,155.6,146.9,142.9,141.6,138.7,129.9,129.4,113.8,71.5,67.9,55.2,49.0,45.3,33.7,29.6.ESI-MS:m/z353.2[M+H]+。
[実施例8] 2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物8)
【0068】
【0069】
実施例1の方法に基づき、化合物1-3をメチルヒドラジン硫酸塩と反応させ、中間体(24mg,収率51%)を調製した後、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物8(14mg,収率80%)を淡黄色油状物として調製する。
【0070】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.07(d,J=8.5Hz,2H),6.82(d,J=8.6Hz,2H),4.64(dd,J=10.0,2.7Hz,1H),4.10-3.97(m,4H),3.87-3.69(m,5H),3.64(s,3H),3.24(dd,J=12.5,2.3Hz,1H),3.15-2.96(m,2H),2.87(d,J=12.5Hz,1H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ160.8,158.6,154.7,129.3,127.1,114.2,73.3,68.1,55.2,49.9,45.5,35.4,31.5.ESI-MS:m/z289.1[M+H]+。
[実施例9]:4-ベンジル-2-(3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物9)の調製
【0071】
【0072】
実施例1の方法に基づき、4-ベンジルモルホリン-2-カルボン酸と式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(20mg,収率10%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、化合物9(16mg,収率69%)を淡黄色油状物として調製する
【0073】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.40-7.28(m,5H),7.23(d,J=8.5Hz,2H),6.80(d,J=8.6Hz,2H),4.72(dd,J=10.4,2.3Hz,1H),4.23(t,J=11.1Hz,1H),4.03-3.91(m,3H),3.87-3.74(m,4H),3.58(dd,J=26.3,12.9Hz,2H),3.07-3.01(m,3H),2.74(d,J=11.5Hz,1H),2.67-2.52(m,1H),2.38-2.30(m,4H),2.29-2.20(m,2H),2.07(d,J=10.0Hz,2H),1.91(d,J=11.7Hz,1H),1.80(d,J=11.7Hz,1H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.7,158.0,152.0,137.5,130.4,129.8,129.1,128.3,127.3,113.6,70.1,67.3,63.0,56.0,55.2,55.0,52.5,46.1,33.8,31.9.ESI-MS:m/z462.2[M+H]+。
[実施例10] 4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-テトラヒドロピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物10)の調製
【0074】
【0075】
実施例1の方法に基づき、テトラヒドロピラン-2-カルボン酸と式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(300mg,収率26%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、化合物10(33mg,収率65%)を淡黄色油状物として調製する。
【0076】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.24(d,J=8.6Hz,2H),6.80(d,J=8.6Hz,2H),4.53(dd,J=9.8,3.4Hz,1H),4.32-4.24(m,1H),4.03(dd,J=7.9,5.9Hz,1H),3.96(s,2H),3.77(s,3H),3.57(td,J=11.4,2.1Hz,1H),2.98(d,J=11.6Hz,2H),2.38-2.18(m,5H),2.08(t,J=11.8Hz,2H),2.02-1.81(m,5H),1.78-1.51(m,3H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.5,154.0,130.6,129.8,113.6,72.0,68.7,55.2,54.9,46.1,33.8,31.9,29.8,25.5,22.9.ESI-MS:m/z371.2[M+H]+。
[実施例11] (3-(4-メトキシベンジル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)メタンアミン(化合物11)の調製
【0077】
【0078】
実施例1の方法に基づき、2-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ酢酸と式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(53mg、収率31%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンを反応させ、中間体(40mg、収率61%)を調製し、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物11(12mg、収率42%)を淡黄色油状物として調製する。
【0079】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.25(d,J=8.6Hz,2H),6.82(d,J=8.6Hz,2H),4.15-4.09(m,1H),3.95(s,2H),3.93(s,2H),3.77(s,3H),3.48(s,1H),3.03(d,J=11.4Hz,2H),2.35(s,3H),2.30-2.16(m,4H),1.94-1.91(m,4H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.7,158.1,155.2,130.4,129.8,113.7,54.9,50.7,45.9,37.6,33.9,31.6.ESI-MS:m/z316.1[M+H]+。
[実施例12] 1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物12)の調製
【0080】
【0081】
実施例1の方法に基づき、テトラヒドロピラン-2-カルボン酸と、式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(300mg,収率26%)を調製した後、4-メトキシベンジルヒドラジニウム塩と反応させ、化合物12(110mg,収率67%)を淡黄色油状物として調製する。
【0082】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.24(d,J=8.6Hz,2H),6.80(d,J=8.6Hz,2H),4.53(dd,J=9.8,3.4Hz,1H),4.28(ddd,J=11.4,7.3,4.3Hz,1H),4.05-4.02(m,1H),3.96(s,2H),3.77(s,3H),3.57(td,J=11.4,2.1Hz,1H),2.98(d,J=11.6Hz,2H),2.32(s,3H),2.30-2.23(m,2H),2.11-2.05(m,2H),2.00-1.83(m,5H),1.71-1.57(m,3H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.5,157.9,154.0,130.6,129.8,113.6,72.0,68.7,55.7,55.2,54.9,54.88,46.1,33.8,31.9,29.8,25.5,22.9.ESI-MS:m/z394.2[M+H]+。
[実施例13] 2-(1-(4-メトキシベンジル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物13)の調製
【0083】
【0084】
実施例1の方法に基づき、式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸と2-フェニルチオカルボキサミドを反応させ、チオイミド中間体(217mg,収率62%)を調製した後、4-メトキシベンジルヒドラジン酸塩と反応させ、中間体(33mg,収率60%)を調製し、さらに塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物13(14.1mg,収率56%)を淡黄色油状物として調製する。
【0085】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.09(d,J=7.0Hz,2H),7.49-7.32(m,3H),7.25(d,J=8.7Hz,2H),6.86(d,J=8.6Hz,2H),5.63-5.26(m,2H),4.65(dd,J=7.9,3.4Hz,1H),3.95-3.59(m,5H),3.30-3.19(m,2H),3.01-2.90(m,2H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ160.7,159.4,153.2,131.0,129.1,129.0,128.4,127.8,126.3,114.1,70.2,67.0,55.2,52.4,48.4,45.4,29.7.ESI-MS:m/z351.2[M+H]+。
[実施例14] 2-(3-ベンジル-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物14)塩酸塩の調製
【0086】
【0087】
実施例1の方法に基づき、式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸と2-フェニルチオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(73mg、収率40%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、中間体(75mg、収率85%)を調製し、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物14の塩酸塩(60mg、収率79%)を白色固体粉末として調製する。
【0088】
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ6.98-6.87(m,5H),6.58-6.54(m,1H),5.22-5.19(m,1H),4.75-4.70(m,2H),3.93-3.81(m,3H),3.75(s,3H),3.67-3.54(m,6H),3.40-3.35(m,3H),2.96(s,3H),2.51-2.26(m,5H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ173.4,161.6,157.8,137.8,130.4,129.9,129.8,129.6,127.9,114.8,68.1,67.2,65.0,58.3,54.5,54.21,54.15,45.6,43.9,34.4,30.7,30.2.ESI-MS:m/z342.1[M+H]+。
[実施例15] 2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物15)塩酸塩の調製
【0089】
【0090】
実施例1の方法に基づき、式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸と2-フェニルチオカルボキサミドを反応させ、チオカルボキサミド中間体(217mg、収率62%)を調製した後、さらに4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、中間体(194mg、収率73%)を調製し、さらに塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物15の塩酸塩(40mg、収率50%)を白色固体粉末として調製する。
【0091】
1H NMR(400MHz,CD3OD):δ7.89(brs,2H),7.28(brs,3H),5.37(s,1H),4.12-4.0(m,2H),3.61-2.81(m,13H),2.52-2.16(m,4H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ161.6,152.4,131.0,130.9,129.8,127.5,68.1,67.3,64.9,54.6,54.2,45.8,44.1,31.1,30.4.ESI-MS:m/z328.1[M+H]+。
[実施例16] 2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(p-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物16)塩酸塩の調製
【0092】
【0093】
実施例1の方法に基づき、式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸と2-(4-メチルフェニル)チオカルボキサミドを反応させ、チオカルボキサミド中間体(180mg、収率60%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、中間体(150mg、収率71%)を調製し、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物16の塩酸塩(55mg、収率76%)を白色固体粉末として調製する。
【0094】
1H NMR(400MHz,CD3OD):δ7.93(d,J=8.0Hz,2H),7.27(d,J=8.0Hz,2H),6.90(dd,J=7.8,5.7Hz,1H),5.50(d,J=5.9Hz,1H),5.08-5.02(m,1H),4.34-4.03(m,2H),3.90-3.54(m,5H),3.54-3.21(m,5H),2.96(s,2H),2.76-2.20(m,6H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ161.8,152.4,141.3,130.4,127.4,114.8,68.1,67.1,64.5,55.5,54.5,54.4,54.1,45.7,44.0,43.9,31.1,30.4,21.4.ESI-MS:m/z342.1[M+H]+。
[実施例17] 2-(1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-(m-トリル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)モルホリン(化合物17)塩酸塩の調製
【0095】
【0096】
実施例1の方法に基づき、式1-1で示される4-(tert-ブトキシカルボニル)モルホリン-2-カルボン酸と2-(3-メチルフェニル)チオカルボキサミドを反応させ、チオカルボキサミド中間体(185mg、収率62%)を調製した後、さらに4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、中間体(140mg、収率68%)を調製し、さらに塩化水素の1,4-ジオキサン溶液でtert-ブトキシカルボニル保護基を脱離させ、化合物17の塩酸塩(70mg、収率97%)を白色固体粉末として調製する。
【0097】
1H NMR(400MHz,CD3OD):δ8.03-7.72(m,2H),7.34-7.24(m,3H),5.46(dd,J=8.1,4.2Hz,1H),5.22-4.98(m,1H),4.27-4.10(m,2H),3.96-3.52(m,5H),3.52-3.33(m,4H),2.97(s,3H),2.62-2.18(m,6H).13CNMR(400MHz,CD3OD):δ162.2,152.5,139.5,131.4,129.6,127.9,124.5,114.8,68.1,67.1,64.4,58.3,54.5,53.9,45.6,44.0,43.9,31.1,30.4,21.4,20.5,18.4.ESI-MS:m/z342.1[M+H]+。
[実施例18] 4-(5-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物18)の調製
【0098】
【0099】
ステップ1:N-(2-(4-メトキシフェニル)チオアセチル)シクロヘキシルカルボキサミド(化合物18-2)を調製する。
【0100】
反応式は以下のとおりである。
【0101】
【0102】
式1-2で示される2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミド(1.0mmol、181mg)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.1mmol、12mg)、ピリジン(pyridine、0.15mmol、12mg)を8mLの乾燥アセトニトリルに溶解させ、窒素保護下、室温水浴下で、上記系に式18-1で示されるシクロヘキシルカルボニルクロリド(1.1mmol、161mg)を滴下した後、室温で1日反応させた。反応液を酢酸エチル50mLで希釈した後、水20mL、飽和塩化アンモニウム溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを濃縮した後、[V(石油エーテル):V(酢酸エチル)=8:1-6:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、134mgの淡黄色油状物18-2として調製し、収率46%で得る。
【0103】
ステップ2:4-(5-シクロヘキシル-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物18)を調製する。
【0104】
反応式は以下のとおりである。
【0105】
【0106】
化合物18-2(0.42mmol、122mg)、式1-4で示される4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジン(0.5mmol、65mg)、酢酸ナトリウム(0.5mmol、41mg)を酢酸2mLと1,4-dioxane2mLの混合溶媒に順次溶解した後、密栓し、80℃に加熱しながら化合物18-2が完全に反応するまで反応させた。反応液を酢酸エチル50mLで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム溶液40mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、[V(アンモニアの塩化メチレン溶液):V(メタノール)=25:1-20:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色油状物18を100mg、収率65%で得る。
【0107】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.27-7.25(m,2H),6.82-6.80(m,2H),3.95(s,3H),3.77(s,3H),3.02-3.00(m,2H),2.68-2.63(m,1H),2.34(s,3H),2.31-2.11(m,4H),1.86-1.64(m,9H),1.38-1.25(m,4H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.5,159.1,158.1,130.9,130.0,113.7,55.3,54.9,46.2,35.5,32.1,31.9,26.3,25.7.ESI-MS:m/z369.3[M+H]+。
[実施例19] 4-(5-(tert-ブチル)-3-(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物19)の調製
【0108】
【0109】
実施例18の方法に基づき、塩化ピバロイルと2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミドを反応させ、チオイミド中間体(20mg、収率23%)を調製した後、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジンと反応させ、化合物19(10mg、収率49%)を淡黄色油状物として調製する。
【0110】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.28(d,J=9.6Hz,2H),6.81(d,J=8.6Hz,2H),4.20(s,1H),3.94(s,2H),3.78(s,3H),3.00(d,J=11.0Hz,2H),2.44-2.25(m,5H),2.18-1.98(m,2H),1.82(d,J=9.5Hz,2H),1.41(s,9H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.3,160.5,158.1,130.8,130.1,113.7,55.4,46.3,33.9,32.4,32.2,29.6.ESI-MS:m/z342.2[M+H]+。
[実施例20] 4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物20)の調製
【0111】
【0112】
ステップ1:N-(2-(4-メトキシフェニル)チオアセチル)アセトアミド(化合物20-1)を調製する。
【0113】
【0114】
式1-2で示される原料2-(4-メトキシフェニル)チオアセトアミド(1.0mmol,181mg)、4-ジメチルアミノピリジン(0.1mmol,12mg)、ピリジン(0.15mmol,12mg)を8mLの乾燥アセトニトリルに溶解し、窒素保護し、室温水浴下、上記系に塩化アセチル(1.1mmol,86mg)を滴下した後、室温で1日反応させた。反応液を酢酸エチル50mLで希釈した後、水20mL、飽和塩化アンモニウム溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(石油エーテル):V(酢酸エチル)=8:1-6:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、38mgの淡黄色油状物20-1を収率17%で得る。
【0115】
ステップ2:4-(3-(4-メトキシベンジル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-1-メチルピペリジン(化合物20)を調製する。
【0116】
化合物20-1(0.16mmol,36mg)、4-ヒドラジノ-1-メチルピペリジン(0.19mmol,25mg)、酢酸ナトリウム(0.2mmol,16mg)を酢酸1mLと1,4-ジオキサン1mLの混合溶媒に順次溶解した後、密栓し、次いで、80℃で化合物20-1が反応完了するまで加熱しながら反応させた。反応液を酢酸エチル20mLで希釈した後、飽和炭酸ナトリウム溶液20mL、飽和塩化ナトリウム溶液で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、反応液を濃縮した後、[V(アンモニアの塩化メチレン溶液):V(メタノール)=25:1-20:1]をカラムクロマトグラフィーで分離し、16mgの淡黄色油状物20を収率33%で得る。
【0117】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.25(d,J=8.7Hz,2H),6.82(d,J=8.6Hz,2H),4.03-3.88(m,3H),3.77(s,3H),3.05(s,2H),2.39(s,3H),2.36(m,3H),2.31-2.11(m,4H),1.91(s,2H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ161.8,158.2,151.4,130.7,129.9,113.9,55.4,54.7,46.1,34.0,31.6,29.8,12.3.ESI-MS:m/z301.1[M+H]+。
[実施例21] 5-シクロヘキシル-1,3-ビス(4-メトキシベンジル)-1H-1,2,4-トリアゾール(化合物21)の調製
【0118】
【0119】
実施例18の方法に基づき、化合物18-2と(4-メトキシベンジル)ヒドラジン塩酸塩を反応させ、化合物21(25mg,収率45%)を淡黄色油状物として得る。
【0120】
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.25(d,J=8.5Hz,2H),7.08(d,J=8.5Hz,2H),6.84(dd,J=11.8,8.6Hz,4H),5.19(s,2H),4.00(s,2H),3.79(s,3H),3.77(s,3H),2.63(td,J=11.0,5.6Hz,1H),1.80-1.78(m,2H),1.73-1.57(m,5H),1.34-1.23(m,4H).13CNMR(400MHz,CDCl3):δ162.1,160.2,159.4,158.2,130.7,129.9,128.4,128.3,114.3,114.2,113.9,55.4,55.3,51.2,35.7,33.9,31.5,26.2,25.6.ESI-MS:m/z392.2[M+H]+。
[実験例1] SET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤インビトロにおけるリジンメチルトランスフェラーゼSET8の活性阻害
【0121】
活性の検出のステップは、Cayman社SET8メチルトランスフェラーゼ阻害剤スクリーニングキット操作に完全に従った。簡単に説明すると、下記表に従って、キット中の試薬を96ウェルプレートに加えて試験する。
【0122】
【0123】
その後、SET8タンパク質をウェル当たり10μL添加し、反応を開始した。37℃で10分間インキュベートした後、蛍光強度(A)の値を励起波長535nm及び吸収波長590nmで測定した。阻害率%=(A正常-A試料)/)正常*100%として、下記式より化合物の阻害率を算出し、各阻害剤によるリジンメチルトランスフェラーゼの阻害率を表1に示す。
【0124】
【0125】
結果により、本発明にて提供されるSET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤が、リジンメチルトランスフェラーゼSET8に対して有意な阻害効果を有することを示す。
[実験例2] SET8リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤の抗腫瘍活性試験
【0126】
1、実験方法:グリオーマ細胞株SH-SY5Y、結腸直腸癌細胞株SW480、肝癌細胞株HepG2を、それぞれ10%牛血清含有のRPMI-1640培地を用いて、37℃、5%のCO2インキュベーター中で培養した。CCK-9法による細胞増殖阻害試験は、主に対数増殖期の腫瘍細胞株を採取し、0.25%のトリプシンで消化し、10%の新仔牛血清のRPMI-1640培養液で6×104個/mLの細胞懸濁液を調製し、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLを播種する操作で行った。37℃、5%のCO2飽和湿度条件下で12h培養した。壁付け後、ウェル内の培養上清を吸引し、1%子牛の血清含有のRPMI-1640培地を用いて調製した試料液を、最終濃度がそれぞれ100μM、30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μMとなるように各ウェルに加えた。各濃度について3ウェル分をパラレルに添加し、48h培養を続けた後、CCK-8溶液(大連美倫、MA0218)10μLを各ウェルに添加し、37℃、5%のCO2条件下で4hインキュベートを続けた。酵素免疫測定装置に470nmを選び、各ウェルの吸光値を測定するとともに、ブランク群(細胞を含む培養液のみを加えたもの)と対照群(培養液を薬物に置き換えたもの)をセットし、細胞増殖阻害率を算出した。阻害率(%)=(1-実験群3ウェルOD値平均値/対照群3ウェルOD値平均値)×100%。阻害率を縦軸に回帰曲線としてサンプルIC50値を算出した。Graphpadprism7.0ソフトウェアでデータ処理及び統計解析を行う。
【0127】
2、抗腫瘍活性試験結果
選択した神経膠腫細胞株SH-SY5Y、結腸直腸癌細胞株SW480、又は肝癌細胞株HepG2のIC50と100μM時のIC%に対する各阻害剤の結果を表2に示す。
【0128】
【0129】
「-」は未検出を示す。
【0130】
表から明らかなように、各化合物は神経膠腫細胞株SH-SY5Yに対して良好な腫瘍細胞増殖阻害活性を示し、化合物2、3及び化合物20は結腸直腸癌細胞株SW480又は肝癌細胞株HepG2に対して良好な腫瘍細胞増殖阻害活性を示した。