(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】注文管理装置、情報処理プログラム及び注文処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241022BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021028804
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】新庄 誠司
(72)【発明者】
【氏名】澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 雄
(72)【発明者】
【氏名】中西 淳
(72)【発明者】
【氏名】福田 匡史
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-193669(JP,A)
【文献】特開2004-338888(JP,A)
【文献】特開2005-011017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に備えられる店舗システムとともに、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムにより前記店舗での商品提供の注文に関して受けられる注文を処理する注文処理システムを構成する注文管理装置であって、
前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ含んだ第1の受注データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、前記送信手段により第2の受注データが送信されるのよりも前に、提供タイミングの通知を伴って前記店舗システムに受注を通知する通知手段と、
を具備した注文管理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、複数の前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ異なるフォーマットで含んだ第1の受注データを取得する、
請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項3】
店舗に備えられる店舗システムとともに、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムにより前記店舗での商品提供の注文に関して受けられる注文を処理する注文処理システムを構成する注文管理装置に備えられたコンピュータを、
前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ含んだ第1の受注データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、前記送信手段により第2の受注データが送信されるのよりも前に、提供タイミングの通知を伴って前記店舗システムに受注を通知する通知手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【請求項4】
店舗に備えられる店舗システムと、注文管理装置と、を具備し、
前記注文管理装置に設けられ、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムより送信された第1の受注データを取得する取得手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
前記店舗システムに設けられ、前記送信手段により送信された第2の受注データを受信すると、当該第2の受注データに基づく商品の提供の準備作業の開始を作業者に報知する報知手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、前記送信手段により第2の受注データが送信されるのよりも前に、提供タイミングの通知を伴って前記店舗システムに受注を通知する通知手段と、
を具備する注文処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、注文管理装置、情報処理プログラム及び注文処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の店舗での飲食物等の商品の提供に関わる注文を受け付けるウェブサービス(以下、受注代行サービスと称する)は、例えばフードデリバリーサービスなどとして種々提供されている。
受注代行サービスには、商品提供のタイミングを注文者が任意に指定することを可能としているものがある。このような受注代行サービスでは、提供タイミングとして将来のタイミングが指定された注文であっても、当該の注文を受けたことに応じてそのことを店舗側へ通知するものとなっており、指定された提供タイミングで商品を提供するための管理は店舗において行わねばならなかった。
このような事情から、提供タイミングとして将来のタイミングが指定された注文に関する店舗側の負担を軽減できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、提供タイミングとして将来のタイミングが指定された注文に関する店舗側の負担を軽減できる注文管理装置、情報処理プログラム及び注文処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の注文管理装置は、店舗に備えられる店舗システムとともに、店舗での商品提供の注文を受ける受注システムにより店舗での商品提供の注文に関して受けられる注文を処理する注文処理システムを構成する注文管理装置であって、取得手段、抽出手段、生成手段、送信手段及び通知手段を備える。取得手段は、受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ含んだ第1の受注データを取得する。抽出手段は、取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する。生成手段は、抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する。送信手段は、取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、生成手段により生成された第2の受注データを店舗システムに送信する。通知手段は、取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、送信手段により第2の受注データが送信されるのよりも前に、提供タイミングの通知を伴って店舗システムに受注を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る注文処理システムの概略構成を示す図。
【
図2】
図1に示される注文管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】
図2に示される受注データ領域に記憶される1つの管理データのデータ構造を模式的に示す図。
【
図4】
図1に示される受注サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図5】
図1に示される店舗ステーションの要部回路構成を示すブロック図。
【
図6】
図5に示される注文データ領域に記憶される1つの注文管理データDABの構成を模式的に示す図。
【
図7】
図5に示されるプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図8】
図5に示されるプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図9】
図2に示されるプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、店内飲食が可能な飲食店で調理の上で提供される飲食品等の商品の注文を処理する注文処理システムを例に説明する。なお、飲食品等の調理は、商品を提供するための準備作業の一例である。この準備作業は、調理には限らず、例えば調理済みの商品又は既製商品等のパッケージング作業、調理前の段階の食材を調達する作業等、商品の注文があったことを確認するための受注確認の確認作業など、任意であってよい。また、注文処理システムで処理する注文の対象となる商品は、飲食品には限らず、商品を提供する店舗も飲食店には限らない。また、店舗が飲食店であるとしても、テイクアウト専門店などの店内飲食ができない飲食店であってもよい。
【0008】
図1は本実施形態に係る注文処理システム100の概略構成を示す図である。
注文処理システム100は、注文管理サーバ1、複数の受注システム2及び店舗システム3を含む。注文処理システム100は、店舗システム3を複数含んでもよい。注文管理サーバ1は、複数の受注システム2及び店舗システム3と通信ネットワーク200を介して通信可能である。通信ネットワーク200としては、典型的にはインターネット及び移動体通信網が用いられる。しかしながら通信ネットワーク200としては、インターネット、移動体通信網、LAN(local area network)、VPN(virtual private network)、公衆通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
【0009】
注文管理サーバ1は、複数の受注システム2で受けられた注文に関して、受注システム2から個別のフォーマットで送信される第1の受注データを収集して管理する。注文管理サーバ1は、第1の受注データに基づいて、店舗システム3での取り扱いに適したフォーマットの第2の受注データを生成して、この第2の受注データを店舗システム3に与えることで、受注システム2と店舗システム3とを仲介する仲介サービスを提供する。注文管理サーバ1は、注文管理装置の一例である。
【0010】
複数の受注システム2は、個別の受注代行サービスを提供する個別のサービス提供者により運営される。このため、複数の受注システム2の構成は個別に異なる。複数の受注システム2は、受注代行サービスを提供するための受注サーバ21をいずれも備える。しかしながら、これらの受注サーバ21が実行する情報処理は、個別の受注代行サービスに適応してそれぞれ異なる。
【0011】
店舗システム3は、注文された商品を調理の上で注文者に提供する飲食店等の店舗に設けられる。店舗システム3は、飲食店POSシステムとも称される。
店舗システム3は、店舗ステーション31、ハンディ端末32、伝票プリンタ33、キッチン端末34、POS端末35、無線ルータ36、通信ネットワーク37及びゲートウェイ38を含む。店舗ステーション31、ハンディ端末32、伝票プリンタ33、POS端末35及び無線ルータ36は、
図1では1つずつを示しているが、その数はそれぞれに任意である。ハンディ端末32は多くの場合、複数が店舗システム3に含まれる。
【0012】
そして店舗システム3は、店舗ステーション31、ハンディ端末32、伝票プリンタ33、キッチン端末34及びPOS端末35を、通信ネットワーク37を介して互いに通信可能とすることによって構成されている。ただし、ハンディ端末32及びキッチン端末34は、無線ルータ36との無線通信により、無線ルータ36を介して通信ネットワーク37に接続される。しかしながら、ハンディ端末32及びキッチン端末34は、通信ネットワーク37に直接に接続されてもよい。あるいは、店舗ステーション31、伝票プリンタ33及びPOS端末35が、無線ルータ36との無線通信により、無線ルータ36を介して通信ネットワーク37に接続されてもよい。
【0013】
店舗ステーション31は、注文管理サーバ1から通知された注文又はハンディ端末32で受け付けられた注文を管理する。
ハンディ端末32は、店舗内での注文を受けるための操作を受け付けるオーダー端末の一形態である。ハンディ端末32は、店員によって携帯されて、店員によって操作される。
【0014】
伝票プリンタ33は、例えば接客フロア又はキッチンに設置される。接客フロアに設置された伝票プリンタ33は、注文伝票を客のために印刷する。すなわち、接客フロアに設置された伝票プリンタ33は、いわゆるカスタマープリンタである。またキッチンに設置された伝票プリンタ33は、調理伝票を調理人のために印刷する。すなわち、キッチンに設置された伝票プリンタ33は、いわゆるキッチンプリンタである。
キッチン端末34は、例えばキッチンに設置される。キッチン端末34は、店舗ステーション31で管理されている注文を調理人等が確認するための画面を表示する。またキッチン端末34は、調理人等による店舗ステーション31に対する各種の指示を入力する。
【0015】
POS端末35は、例えば接客フロア又はチェックアウトカウンタに設置される。POS端末35は、客に対する案内、受注、給仕、配膳、あるいは会計などの各種の業務に関する情報処理を行う。そして、接客フロアに設置されたPOS端末35においては、案内、受注、給仕及び配膳に関する情報処理が主として実行される。またチェックアウトカウンタに設置されたPOS端末35においては、さらに会計に関する情報処理が実行される。なお、POS端末35は、上記の業務の一部のみに関する処理を行うことにより、特定の用途に特化したものとしてもよい。
【0016】
無線ルータ36は、無線通信機能を備えているキッチン端末34及びハンディ端末32等の機器と無線通信を行いつつ、当該機器が通信ネットワーク37を介して通信することを可能とする。
通信ネットワーク37は、店舗ステーション31、ハンディ端末32、伝票プリンタ33、キッチン端末34及びPOS端末35等の通信機能を備えた機器が相互に授受するデータを伝送する。通信ネットワーク37としては、典型的にはLANが用いられる。しかしながら通信ネットワーク37としては、LAN、インターネット、VPN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
ゲートウェイ38は、通信ネットワーク37と通信ネットワーク200とを接続する。
【0017】
図2は注文管理サーバ1の要部回路構成を示すブロック図である。
注文管理サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信ユニット14及び伝送路15等を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び通信ユニット14とは、伝送路15を介して接続される。
【0018】
プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶ユニット13が伝送路15により接続されることによってコンピュータが構成される。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、注文管理サーバ1としての各種の機能を実現するための情報処理を実行する。
【0019】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0020】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、あるいはSSD(solid state drive)などの周知の記憶デバイスを、単独又は複数組み合わせて適用できる。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット13は、情報処理プログラムを記憶する。補助記憶ユニット13が記憶する情報処理プログラムの1つは、注文管理サーバ1としての機能を実現するための情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラム(以下、注文管理アプリと称する)APAである。補助記憶ユニット13の記憶領域の一部は、サービスデータベースDBA、店舗データベースDBB、変換テーブル群TAA及び受注データ領域ARAとして使用される。
【0021】
サービスデータベースDBAは、複数の受注システム2によりそれぞれ提供される複数の受注代行サービスにそれぞれ関連付けられ、各受注代行サービスに関する各種のデータを含んだデータレコードの集合である。サービスデータベースDBAのデータレコードには、関連付けられた受注代行サービスの識別子としてのサービスコードが少なくとも含まれる。この他、サービスデータベースDBAのデータレコードには、受注サーバ21にデータを送信するためのアドレスなどの適宜のデータが含まれ得る。
【0022】
店舗データベースDBBは、店舗システム3が設けられている店舗に関連付けられ、当該店舗に関する各種のデータを含んだデータレコードを含む。注文管理サーバ1が、複数の店舗を対象として仲介サービスを提供するのであれば、それら複数の店舗のそれぞれに関連付けられた複数のデータレコードが店舗データベースDBBに含まれる。店舗データベースDBBのデータレコードには、関連付けられた店舗を注文管理サーバ1が識別するための店舗コード(以下、第2の店舗コードと称する)が少なくとも含まれる。この他、店舗データベースDBBのデータレコードには、受注サーバ21にデータを送信するためのアドレスなどの適宜のデータが含まれ得る。
【0023】
変換テーブル群TAAは、受注システム2のうちの1つと店舗システム3の1つとの組合せのそれぞれに関連付けられた変換テーブルの集合である。変換テーブルは、受注システム2で店舗を識別するための店舗コード(以下、第1の店舗コードと称する)と第2の店舗コードとを関連付けて表す。変換テーブルは、受注システム2で用いられる商品の識別子としての商品コード(以下、第1の商品コードと称する)と、店舗システム3で用いられる商品の識別子としての商品コード(以下、第2の商品コードと称する)とを関連付けて表す。
受注データ領域ARAは、受注サーバ21から取得した第1の受注データを管理するための管理データを記憶する。受注データ領域ARAは、管理データを複数記憶可能である。
【0024】
通信ユニット14は、通信ネットワーク200を介したデータ授受のための通信処理を実行する。通信ユニット14としては、例えば通信ネットワーク200の通信規格に準拠した既存の通信デバイスを用いることができる。
伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0025】
注文管理サーバ1は、例えば汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。このときに典型的には、注文管理アプリAPAが補助記憶ユニット13に記憶されない状態のコンピュータ装置と注文管理アプリAPAとが個別に譲渡される。注文管理アプリAPAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、任意の操作者による操作に応じて、プロセッサ11により補助記憶ユニット13へと注文管理アプリAPAが書き込まれる。ただし、注文管理サーバ1の譲渡は、注文管理アプリAPAが補助記憶ユニット13に記憶された状態で行われてもよい。注文管理アプリAPAは、メインメモリ12に記憶されてもよい。
【0026】
図3は受注データ領域ARAに記憶される1つの管理データDAAのデータ構造を模式的に示す図である。
管理データDAAは、フィールドFAA,FAB,FAC,FADを含む。フィールドFAAには、第1の受注データに関する注文を店舗システム3で識別するための識別子としての受注コード(以下、第2の受注コードと称する)がセットされる。フィールドFABには、第1の受注データに関する注文を受けた受注代行サービスのサービスコードがセットされる。フィールドFACには、第1の受注データがセットされる。フィールドFADには、第1の受注データに関する注文のステータスがセットされる。
【0027】
図4は受注サーバ21の要部回路構成を示すブロック図である。
受注サーバ21は、プロセッサ211、メインメモリ212、補助記憶ユニット213、通信ユニット214及び伝送路215等を備える。プロセッサ211と、メインメモリ212、補助記憶ユニット213及び通信ユニット214とは、伝送路215を介して接続される。
【0028】
プロセッサ211、メインメモリ212及び補助記憶ユニット213が伝送路215により接続されることによってコンピュータが構成される。
プロセッサ211は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ211は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、受注サーバ21としての各種の機能を実現するための情報処理を実行する。
【0029】
メインメモリ212は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ212は、不揮発性のメモリ領域では情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ212は、プロセッサ211が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ212は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ211によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0030】
補助記憶ユニット213は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット213としては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどの周知の記憶デバイス、単独又は複数組み合わせて適用できる。補助記憶ユニット213は、プロセッサ211が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ211での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット213は、情報処理プログラムを記憶する。補助記憶ユニット213が記憶する情報処理プログラムの1つは、受注サーバ21としての機能を実現するための情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラム(以下、受注アプリと称する)APBである。補助記憶ユニット213の記憶領域の一部は、利用者データベースDBC、店舗データベースDBD及び注文データ領域ARBとして使用される。
【0031】
利用者データベースDBCは、受注代行サービスの利用者にそれぞれ関連付けられ、当該利用者に関する各種のデータを含んだデータレコードの集合である。利用者データベースDBCのデータレコードには、関連付けられた利用者の識別子としての利用者コードが少なくとも含まれる。この他、利用者データベースDBCのデータレコードには、利用者の個人情報、決済情報、あるいは利用者が受注代行サービスの利用に用いる通信端末の識別子などの適宜のデータが含まれ得る。なお、利用者コードは、受注代行サービス毎に個別に定められてよい。
【0032】
店舗データベースDBDは、受注代行サービスに加盟している店舗に関連付けられ、当該店舗に関する各種のデータを含んだデータレコードを含む。受注代行サービスに複数の店舗が加盟しているのであれば、それら複数の店舗のそれぞれに関連付けられた複数のデータレコードが店舗データベースDBDに含まれる。店舗データベースDBDのデータレコードには、関連付けられた店舗を受注サーバ21が識別するための店舗コード(以下、第1の店舗コードと称する)が少なくとも含まれる。この他、店舗データベースDBDのデータレコードには、関連付けられた店舗で提供される商品に関する、例えば第1の商品コードなどの適宜のデータが含まれ得る。なお、第1の店舗コード及び第1の商品コードは、受注代行サービス毎に個別に定められてよい。つまり、1つの店舗についての第1の店舗コードは、複数の受注代行サービスのそれぞれで異なってもよい。また同じ商品についての第1の商品コードは、複数の受注代行サービスのそれぞれで異なってもよい。
注文データ領域ARBは、利用者から受けた注文の内容を管理するための管理データを記憶する。注文データ領域ARBは、管理データを複数記憶可能である。
【0033】
通信ユニット214は、通信ネットワーク200を介したデータ授受のための通信処理を実行する。通信ユニット214としては、例えば通信ネットワーク200の通信規格に準拠した既存の通信デバイスを用いることができる。
伝送路215は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0034】
受注サーバ21は、例えば汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。このときに典型的には、受注アプリAPBが補助記憶ユニット213に記憶されない状態のコンピュータ装置と受注アプリAPBとが個別に譲渡される。受注アプリAPBの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、任意の操作者による操作に応じて、プロセッサ211により補助記憶ユニット213へと受注アプリAPBが書き込まれる。ただし、受注サーバ21の譲渡は、受注アプリAPBが補助記憶ユニット213に記憶された状態で行われてもよい。受注アプリAPBは、メインメモリ212に記憶されてもよい。
【0035】
図5は店舗ステーション31の要部回路構成を示すブロック図である。
店舗ステーション31は、プロセッサ311、メインメモリ312、補助記憶ユニット313、通信ユニット314及び伝送路315を含む。
【0036】
プロセッサ311、メインメモリ312及び補助記憶ユニット313は、伝送路315により接続されて、店舗ステーション31としての機能を実現するための情報処理を実行するコンピュータを構成する。
プロセッサ311は、上記のコンピュータの中枢部分である。プロセッサ311は、メインメモリ312又は補助記憶ユニット313に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに基づく情報処理を実行する。
【0037】
メインメモリ312は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ312は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ312は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ312は、プロセッサ311が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ312は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ311によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0038】
補助記憶ユニット313は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット313は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶ユニット313は、プロセッサ311各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ311での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット313は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0039】
通信ユニット314は、プロセッサ311が通信ネットワーク37を介してデータを授受するための通信処理を行う。
伝送路315は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0040】
補助記憶ユニット313は、情報処理プログラムの1つであるステーションアプリAPCを記憶する。ステーションアプリAPCは、アプリケーションプログラムであり、店舗ステーション31としての動作を実現するための情報処理について記述されている。店舗ステーション31の基本ハードウェアとしては、例えば汎用の情報処理装置を用いることができる。そして店舗ステーション31の譲渡は一般に、補助記憶ユニット313にステーションアプリAPCが記憶された状態で行われる。しかし、ステーションアプリAPCが補助記憶ユニット313に記憶されない状態のハードウェアと、ステーションアプリAPCとが別々に譲渡されてもよい。この場合は、任意の作業者の操作に応じて、補助記憶ユニット313にステーションアプリAPCが書き込まれることによって、店舗ステーション31が構成される。また、補助記憶ユニット313に記憶された別のステーションアプリを、任意の作業者の操作に応じて、ステーションアプリAPCに書き換えることによって店舗ステーション31が構成されてもよい。ステーションアプリAPCの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。ステーションアプリAPCは、メインメモリ312に記憶されてもよい。
補助記憶ユニット313の記憶領域の一部は、注文管理データを記憶するための注文データ領域ARCとして用いられる。注文データ領域ARCは、複数の注文管理データを記憶可能である。
【0041】
図6は注文データ領域ARCに記憶される1つの注文管理データDABの構成を模式的に示す図である。
注文管理データDABは、1グループの客に関する注文、あるいは受注システム2により受けられた1注文に関連付けられる。注文管理データDABは、フィールドFBA,FBB,FBC,FBD,FBEを含む。注文管理データDABは、フィールドFBF以降のフィールドを含む場合もある。
【0042】
フィールドFBAには、関連付けられている注文を識別するための第2の受注コードがセットされる。第2の受注コードは、伝票コードなどとも称される。フィールドFBBには、関連付けられている注文に関して客が利用している客席を識別するための識別子としてのテーブル番号がセットされる。フィールドFBCには、関連付けられている注文に関して店舗ステーション31にて管理しているステータス(以下、注文ステータスと称する)がセットされる。フィールドFBDには、関連付けられている注文に関する決済に関するステータス(以下、決済ステータスと称する)がセットされる。フィールドFBEには、関連付けられている注文の対象である商品に関する商品データがセットされる。関連付けられている注文に関して複数の商品を受注済みである場合、注文管理データDABには、フィールドFBF以降のフィールドが追加され、そのフィールドに商品データがセットされる。
【0043】
フィールドFBE以降の各フィールドにセットされる商品データはそれぞれ、フィールドFCA,FCB,FCC,FCDを含む。フィールドFCAには、第2の商品コードがセットされる。フィールドFCBには、注文された数量がセットされる。フィールドFCCには、商品の単価がセットされる。フィールドFCDには、注文された商品に関するステータス(以下、商品ステータスと称する)がセットされる。
なお、注文管理データDAB及び商品データは、例えばフィールドFBB又はフィールドFCCなどの一部のフィールドを含まなくてもよい。また注文管理データDAB及び商品データは、
図6には示されないフィールドを含み、任意のデータがセットされてもよい。
【0044】
次に以上のように構成された注文処理システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
【0045】
店舗ステーション31が、注文を管理する動作状態にあるとき、プロセッサ311はステーションアプリAPCに従って、以下に説明する情報処理を行う。
図7及び
図8はプロセッサ311による情報処理のフローチャートである。
【0046】
図7中のACT11としてプロセッサ311は、ハンディ端末32から送信された注文データが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ311は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT12へと進む。
ACT12としてプロセッサ311は、注文管理サーバ1からの予約通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ311は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT13へと進む。
ACT13としてプロセッサ311は、注文管理サーバ1からの受注通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ311は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT14へと進む。
ACT14としてプロセッサ311は、受注済みの商品の調理が終了した旨の通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ311は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT15へと進む。
ACT15としてプロセッサ311は、POS端末35からの会計問合わせを受けたか否かを確認する。そしてプロセッサ311は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT11へと戻る。
かくしてプロセッサ311はACT11~ACT15としては、注文データの受信、予約通知、受注通知、調理終了及び会計問合わせのいずれかの事象が生じるのを待ち受ける。
【0047】
店舗にてなされる客の注文は、店員により聞き取られた上で、当該店員による操作によってハンディ端末32に入力される。そうするとハンディ端末32は、上記の操作に従って注文データを生成し、無線ルータ36及び通信ネットワーク37を介して店舗ステーション31へと送信する。ハンディ端末32は、注文した客が使用している客席に割り当てられたテーブル番号と、注文された商品の第2の商品コードとを注文データに少なくとも含める。ハンディ端末32は、1つの第2の商品コードで識別される商品の注文数として2以上が指定された場合には、その数量を注文データに含める。なおハンディ端末32は、複数の商品が注文される場合、それら複数の商品の第2の商品コードを個々に含んだ複数の注文データを順次に送信してもよいし、複数の第2の商品コードをいずれも含んだ1つの注文データを送信してもよい。
【0048】
注文データが通信ネットワーク37により店舗ステーション31へと伝送されると、この注文データを通信ユニット314が受信する。そしてこれに応じてプロセッサ311は、ACT11にてYESと判定し、ACT16へと進む。
ACT16としてプロセッサ311は、注文データに基づいて更新すべき注文管理データDABが既に注文データ領域ARCに存在するか否かを確認する。プロセッサ311は例えば、注文データに含まれたテーブル番号がフィールドFBBにセットされている注文管理データDABを注文データ領域ARCから探す。そしてプロセッサ311は、該当の注文管理データDABが見つからなかったならばNOと判定し、ACT17へと進む。
【0049】
ACT17としてプロセッサ311は、注文データ領域ARCに既に記憶されている注文管理データDABとは別の新たな注文管理データDABを生成し、注文データ領域ARCに保存する。プロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBAには、注文データ領域ARCに既に記憶されている注文管理データDABの第2の受注コードとは異なるように予め定められたルールに従って決定した第2の受注コードをセットする。プロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBBには、注文データに含まれたテーブル番号をセットする。プロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBCにセットする注文ステータスは「未完了」を表す状態としておく。プロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBDにセットする決済ステータスは「未決済」を表す状態としておく。プロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBE以降には、注文データに含まれる第2の商品コードにそれぞれ関連付けた商品データをセットしたフィールドを含める。プロセッサ311は例えば、商品データのフィールドFCAには、関連付けた第2の商品コードをセットする。プロセッサ311は例えば、商品データのフィールドFCBには、関連付けた第2の商品コードに関する数量が注文データに含まれているならばその数量をセットし、数量が注文データに含まれないならば「1」をセットする。プロセッサ311は例えば、商品データのフィールドFCCには、関連付けた第2の商品コードで識別される商品の単価をセットする。なおプロセッサ311は例えば、補助記憶ユニット313又は図示しないPOSサーバなどの別の装置に備えられた任意の記憶デバイスに記憶された商品マスタデータベースを参照することで該当の単価を取得する。プロセッサ311は例えば、商品データのフィールドFCDにセットする商品ステータスは「受注済み」を表す状態としておく。
【0050】
一方、プロセッサ311は例えば、注文データに含まれたテーブル番号がフィールドFBBにセットされている注文管理データDABを注文データ領域ARCから見つけることができたならば、ACT16にてYESと判定し、ACT18へと進む。
ACT18としてプロセッサ311は、上記の見つけた注文管理データDABを注文データに基づいて更新する。プロセッサ311は例えば、該当の注文管理データDABの末尾のフィールドの後に、注文データに含まれる商品コードにそれぞれ関連付けた商品データをセットしたフィールドを追加する。プロセッサ311がACT18へと初めて進んだ場合、注文管理データDABの末尾がフィールドFBEであるならば、フィールドFBFが追加されることになる。
【0051】
プロセッサ311は、ACT17又はACT18を終えると、いずれの場合もACT19へと進む。
ACT19としてプロセッサ311は、調理伝票をプリントするように伝票プリンタ33に指示する。そしてプロセッサ311はこののち、ACT11~ACT15の待受状態に戻る。
【0052】
ところで、受注サーバ21のプロセッサ211は、
図1に示す携帯端末300等の任意の通信端末を用いて利用者が通信ネットワーク200を介してアクセスしてきて、予め定められた指示により商品提供を注文すると、これを受け付ける。そしてプロセッサ211は、受け付けた注文の内容を管理しておく。ここでのプロセッサ211の処理は、例えば既存の受注代行サービスを提供するためのウェブサーバにて行われている処理と同様であってよい。プロセッサ211はまた、当該注文の内容を受注システム2毎に定められたフォーマットで表す第1の受注データを生成し、注文管理サーバ1に宛てて通信ネットワーク200へと送出する。なお複数の受注サーバ21のそれぞれのプロセッサ211は、いずれも、自ら決定した第1の受注コード、注文先の店舗に関する第1の店舗コード、注文された商品に関する第1の商品コードと数量、タイミング情報及び決済データを、少なくとも第1の受注データに含める。プロセッサ211は、商品の提供を受ける時刻(以下、予約時刻と称する)が利用者により指定されたならば当該予約時刻を表すタイミング情報を第1の受注データに含め、予約時刻が指定されないならば「即時」を表すタイミング情報を第1の受注データに含める。プロセッサ211は、受注代行サービスの規定で、注文に関する決済を受注システム2で行うことが決められている場合、あるいは利用者により受注システム2での決済が指定された場合には、受けた注文に関する代金を算出し、当該代金を利用者に決済させるための決済処理を行う。そしてプロセッサ211は、この決済処理を行った場合には、「決済済み」を表すデータを決済データとして第1の受注データに含める。しかしながらプロセッサ211は、決済処理を行わないならば、利用者により指定された決済方法を表すデータを決済データとして第1の受注データに含める。
【0053】
一方、注文管理サーバ1のプロセッサ11は、注文管理アプリAPAに従って、以下に説明する情報処理を行う。
図9はプロセッサ11による情報処理のフローチャートである。
【0054】
ACT41としてプロセッサ11は、第1の受注データが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT42へと進む。
ACT42としてプロセッサ11は、管理しているいずれかの注文に関しての後述する開始タイミングが到来したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT43へと進む。
ACT43としてプロセッサ11は、店舗システム3から調理完了の通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT41へと戻る。
かくしてプロセッサ11は、ACT41~ACT43としては、第1の受注データが受信されるか、開始タイミングが到来するか、あるいは調理完了が通知されるのを待ち受ける。
【0055】
前述のように受注サーバ21から送信された第1の受注データが通信ネットワーク200により注文管理サーバ1へと伝送されると、この第1の受注データを通信ユニット14が受信する。そうするとプロセッサ11はACT41にてYESと判定し、ACT44へと進む。なお、以下におけるプロセッサ11の処理の説明において単に「第1の受注データ」と記す場合は、ここで受信された第1の受注データを指すこととする。
【0056】
ACT44としてプロセッサ11は、第2の受注コードを暫定的に決定する。プロセッサ11は、例えば予め定められたルールに従って、既に受注データ領域ARAに含まれている管理データDAAのフィールドFAAにセットされている第2の受注コードと重複しないように第2の受注コードを決定する。
【0057】
ACT45としてプロセッサ11は、新たな管理データDAAを受注データ領域ARAに保存する。プロセッサ11は、新たな管理データDAAのフィールドFAAには、ACT44で決定した第2の受注コードをセットする。プロセッサ11は、新たな管理データDAAのフィールドFABには、第1の受注データを送信した受注サーバ21が属する受注代行サービスのサービスコードをセットする。プロセッサ11は、新たな管理データDAAのフィールドFACには、第1の受注データをセットする。プロセッサ11は、新たな管理データDAAのフィールドFADにセットする注文ステータスは、「未完了」を表す状態としておく。なおプロセッサ11は、第1の受注データを管理データDAAとは別にメインメモリ12又は補助記憶ユニット13、あるいはその他の任意の記憶デバイスに保存し、管理データDAAには第1の受注データのファイルパスをセットしておくのでもよい。
【0058】
ACT46としてプロセッサ11は、第2の受注データを生成する。プロセッサ11は例えば、第1の受注データから、第1の商品コード及び数量の組合せを全て抽出する。プロセッサ11は例えば、第1の受注データを送信した受注サーバ21が属する受注システム2と、第1の受注データに含まれる第1の店舗コードで識別される店舗との組合せに関連付けられた変換テーブルを、変換テーブル群TAAに含まれる複数の変換テーブルのなかから選択する。プロセッサ11は例えば、抽出した第1の商品コード及び数量の組合せにおける第1の商品コードを、上記の選択した変換テーブルに基づいて第2の商品コードに変換する。ただしプロセッサ11は、第1の受注データを送信した受注サーバが第1の商品コードとして第2の商品コードと同一の商品コードを用いているのであれば、当該の変換は省略してもよい。プロセッサ11は例えば、上記の変換により得た第2の商品コード及び数量の組合せと、店外注文であることを表すものとして予め定められたテーブル番号とを、ハンディ端末32が送信する注文データと同じフォーマットで表したデータとして第2の受注データを生成する。なお、店外注文とは、受注システム2により受けられた注文を指す。
【0059】
プロセッサ11は、上記のように第1の受注データに含まれるデータ要素の一部としての第1の商品コード及び数量を抽出しているのである。つまり注文管理アプリAPAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは抽出手段として機能する。そしてプロセッサ11は、抽出したデータ要素を予め定められたフォーマットで含んだ第2の受注データを生成している。つまり注文管理アプリAPAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。
【0060】
ACT47としてプロセッサ11は、第1の受注データが予約注文に関するものであるか否かを確認する。予約注文とは、商品の提供を受ける予約時刻が指定された注文である。プロセッサ11は例えば、第1の受注データに含まれるタイミング情報が予約時刻を表すならばYESと判定し、ACT48へと進む。
【0061】
ACT48としてプロセッサ11は、注文に応じた商品の提供を行うべき店舗に対して予約通知を行う。予約通知は、予約注文が受けられた旨の店舗への通知である。プロセッサ11は例えば、予約通知であることを識別するための識別データと、第2の受注データと、第1の受注データに含まれたタイミング情報とを含んだ予約通知データを、通信ユニット14から通信ネットワーク200へと送出する。なおプロセッサ11は、ACT46で選択した変換テーブルで、第1の受注データに含まれる第1の店舗コードに関連付けられている第2の店舗コードで識別される店舗を予約通知の通知先とする。つまりプロセッサ11は例えば、店舗データベースDBBに含まれるデータレコードのうちの1つの上記の第2の店舗コードとともに含まれているアドレスを上記の予約通知データの宛先とする。かくしてプロセッサ11は、第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するための予約時刻を表すタイミング情報が含まれるならば、後述するように第2の受注データを送信するよりも前に、提供タイミングの通知を伴って店舗システム3に受注を通知する。つまり注文管理アプリAPAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは通知手段として機能する。そしてプロセッサ11はこののち、ACT41~ACT43の待受状態に戻る。
【0062】
予約通知データが通信ネットワーク200を介して宛先とされた店舗システム3へと伝送されると、当該店舗システム3中の店舗ステーション31に設けられた通信ユニット314が当該の予約通知データを受信する。そしてこれに応じてプロセッサ311は、
図7中のACT12にてYESと判定し、ACT20へと進む。
【0063】
ACT20としてプロセッサ311は、予約票をプリントする。プロセッサ311は例えば、予約通知データに含まれる第2の受注データに基づき、予約注文の対象となる商品と予約時間とを表した伝票として予約票を伝票プリンタ33にプリントさせる。そしてプロセッサ311はこののち、ACT11~ACT15の待受状態に戻る。なお、プロセッサ311は、予約票をプリントするのに代えて、あるいは加えて、予約注文の対象となる商品と予約時間とを表した画面をキッチン端末34にて表示させるようにしてもよい。あるいはプロセッサ311は、予約通知データ、あるいは予約通知データに含まれた第2の受注データを、メインメモリ312又は補助記憶ユニット313に保存しておき、その後の任意のタイミングで、キッチン端末34からの要求に応じて、予約注文の対象となる商品と予約時間とを表した画面をキッチン端末34にて表示させるようにしてもよい。
【0064】
さて、注文管理サーバ1では、プロセッサ11は、第1の受注データに含まれるタイミング情報が「即時」を表すならば、
図9中のACT47にてNOと判定し、ACT49へと進む。またプロセッサ11は、ACT41~ACT43の待受状態にあるときに、受注データ領域ARAに含まれる管理データDAAの中に、フィールドFACにセットされた第1の受注データに含まれたタイミング情報が示す予約時刻が新たに到来したものが存在するならば、ACT42にてYESと判定し、ACT49へと進む。なお、プロセッサ11は、現在時刻が予約時刻を過ぎた場合に開始タイミングとなったと判定してもよいし、現在時刻が予約時刻よりも予め定められた時間だけ前の時刻を過ぎた場合に開始タイミングになったと判定してもよい。つまり開始タイミングは、注文に関する調理を開始するべきタイミングとして、例えば注文管理アプリAPAの作成者又は注文管理サーバ1の管理者等により定められる。ただし、実際に調理が開始されるタイミングは、店舗における諸事情に応じて決まり、開始タイミングと必ずしも一致しない。
【0065】
ACT49としてプロセッサ11は、注文に応じた商品の提供を行うべき店舗に対して受注通知を行う。受注通知は、注文に基づく調理が必要となった旨の店舗への通知である。プロセッサ11は例えば、受注通知であることを識別するための識別データと、第2の受注データと、決済データとを含んだ受注通知データを、通信ユニット14から通信ネットワーク200へと送出する。ACT49へとACT42から進んだ場合にプロセッサ11は、第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するための予約時刻を表すタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、第2の受注データを送信する。かくして注文管理アプリAPAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは送信手段として機能する。なおプロセッサ11は例えば、ACT47にてNOと判定してACT49へと進んだ場合には、ACT46で選択した変換テーブルで、第1の受注データに含まれる第1の店舗コードに関連付けられている第2の店舗コードで識別される店舗を予約通知の通知先とし、直前に受信された第1の受注データに含まれる決済データを受注通知データに含める。プロセッサ11は一方で、ACT42にてYESと判定してACT49へと進んだ場合には、ACT42にてYESと判定するきっかけとなったタイミング情報を含んだ第1の受注データを送信した受注サーバ21が属する受注システム2と、第1の受注データに含まれる第1の店舗コードで識別される店舗との組合せに関連付けられた変換テーブルを、変換テーブル群TAAに含まれる複数の変換テーブルのなかから選択する。そしてプロセッサ11は例えば、選択した変換テーブルで、第1の受注データに含まれる第1の店舗コードに関連付けられている第2の店舗コードで識別される店舗を予約通知の通知先とする。またプロセッサ11は、ACT42にてYESと判定してACT49へと進んだ場合には、ACT42にてYESと判定するきっかけとなったタイミング情報を含んだ第1の受注データに含まれる決済データを受注通知データに含める。
【0066】
受注通知データが宛先とされた店舗システム3へと通信ネットワーク200を介して伝送されると、当該店舗システム3中の店舗ステーション31に設けられた通信ユニット314が当該の受注通知データを受信する。そしてこれに応じてプロセッサ311は、
図7中のACT13にてYESと判定し、ACT21へと進む。
【0067】
ACT21としてプロセッサ311は、受信された受注通知データに基づいて新たな注文管理データDABを生成し、注文データ領域ARCに保存する。プロセッサ311は例えば、受注通知データに含まれる第2の受注データに基づき、ACT17と同様にして新たな注文管理データDABを生成する。ただしプロセッサ311は例えば、新たな注文管理データDABのフィールドFBDには、受注通知データに含まれる決済データをセットする。プロセッサ311は、ACT17と同様にして第2の受注コードを決定するが、これは省略し、プロセッサ11により決定された第2の受注コードを新たな注文管理データDABのフィールドFBAにセットしてもよい。この場合は、
図9中のACT44におけるプロセッサ11による第2の受注コードの決定を、プロセッサ211が決定する第2の受注コードと重複しないように行う。そしてプロセッサ11は、ACT44でプロセッサ11が決定した第2の受注コードを受注通知データに含める。
【0068】
プロセッサ311は、注文管理データDABを注文データ領域ARCに保存していることにより、第2の受注データを、第2の注文識別子としての第2の受注コードに関連付けて管理しているのである。つまりステーションアプリAPCに基づく情報処理をプロセッサ311が実行することによって、プロセッサ311を中枢部分とするコンピュータは第
2の管理手段として機能する。
ACT22としてプロセッサ311は、例えばACT19と同様にして調理伝票をプリントする。調理伝票のプリントにより、第2の受注データに基づく商品の提供の準備作業を開始すべきであることが作業者に報知されることになる。かくしてステーションアプリAPCに基づく情報処理をプロセッサ311が実行することによって、プロセッサ311を中枢部分とするコンピュータは報知手段として機能する。
【0069】
ACT23としてプロセッサ311は、ACT21で決定した第2の受注コードを、注文管理サーバ1に対して通知する。プロセッサ311は例えば、第2の受注コードの通知であることを識別するための識別データと、第2の受注コードとを含んだコード通知データを、注文管理サーバ1に宛てて通信ユニット314から通信ネットワーク37へと送出する。そしてプロセッサ311はこののち、ACT11~ACT15の待受状態に戻る。
【0070】
注文管理サーバ1では、プロセッサ11は、
図9中のACT49として受注通知を行ったのちには、ACT50へと進む。
ACT50としてプロセッサ11は、第2の受注コードが通知されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、上記のように店舗ステーション31から送信されたコード通知データが、通信ネットワーク37、ゲートウェイ38及び通信ネットワーク200を介して注文管理サーバ1へと伝送され、通信ユニット14により受信されると、YESと判定してACT51へと進む。
【0071】
ACT51としてプロセッサ11は、ACT45で受注データ領域ARAに保存した管理データDAAのフィールドFAAにセットされている第2の受注コードを、上記のコード通知データに含まれた第2の受注コードに更新する。そしてプロセッサ11はこののち、ACT41~ACT43の待受状態に戻る。
なお、前述したように、ACT44でプロセッサ11が決定した第2の受注コードを注文管理データDABのフィールドFBAにセットするようにするならば、プロセッサ311による
図7中のACT23の処理と、プロセッサ11による
図9中のACT50及びACT51の処理は省略できる。
【0072】
調理人は、伝票プリンタ33によってプリントされた調理伝票に基づいて注文内容を確認し、注文されている商品を調理する。そして調理を終了したならば、調理人又は別の店員は、どの注文のどの商品であるかの通知を伴って、調理の終了を店舗ステーション31へと通知する。この通知は例えば、ハンディ端末32又はキッチン端末34から、調理人又は別の店員の操作に応じて行われる。そしてプロセッサ311は、このように調理終了が通知されたならば、
図7中のACT14にてYESと判定し、
図8中のACT24へと進む。
【0073】
ACT24としてプロセッサ311は、調理が終了した商品に関する商品ステータスを「調理終了」に変更する。プロセッサ311は例えば、通知された注文に関連付けられた注文管理データDABを注文データ領域ARCから探し出す。そしてプロセッサ311は、該当の注文管理データDABに含まれる商品データのうちで、調理の終了が通知された商品に関連付けられた商品データのフィールドFCDにセットされている商品ステータスを「調理終了」を表す状態に変更する。
【0074】
ACT25としてプロセッサ311は、上記の調理終了により、同じ注文の全商品の調理が完了したか否かを確認する。プロセッサ311は例えば、ACT24で見つけた注文管理データDABに含まれる全ての商品データに関して、フィールドFCDにセットされている商品ステータスが「調理終了」を表すならば、YESと判定してACT26へと進む。
【0075】
ACT26としてプロセッサ311は、上記の調理終了により全商品の調理が完了した注文が店外注文であるか否かを確認する。プロセッサ311は例えば、ACT24で見つけた注文管理データDABのフィールドFBBにセットされているのが、店外注文であることを表すものとして予め定められたテーブル番号であるならばYESと判定し、ACT27へと進む。
ACT27としてプロセッサ311は、注文管理サーバ1に対して完了を通知する。プロセッサ311は例えば、完了通知であることを識別するための識別データと、第2の受注コードとを含んだ第1の完了通知データを、注文管理サーバ1に宛てて通信ユニット314から通信ネットワーク37へと送出する。
【0076】
ACT28としてプロセッサ311は、上記の調理終了により全商品の調理が完了した注文に関する注文ステータスを「完了」に変更する。プロセッサ311は例えば、ACT24で見つけた注文管理データDABのフィールドFBCにセットされている注文ステータスを「完了」を示す状態に更新する。そしてプロセッサ311はこののち、
図7中のACT11~ACT15の待受状態に戻る。
【0077】
注文管理サーバ1では、プロセッサ11は、上記のように店舗ステーション31から送信された第1の完了通知データが、通信ネットワーク37、ゲートウェイ38及び通信ネットワーク200を介して注文管理サーバ1へと伝送され、通信ユニット14により受信されると、
図9中のACT43にてYESと判定し、ACT52へと進む。
【0078】
ACT52としてプロセッサ11は、完了が通知された注文を受け付けた受注サーバ21に対して調理の完了を通知する。プロセッサ11は例えば、受信された第1の完了通知データに含まれる第2の受注コードがフィールドFAAにセットされている管理データDAAを、受注データ領域ARAから探し出す。そしてプロセッサ11は例えば、該当の管理データDAAのフィールドFACにセットされている第1の受注データに含まれる第1の受注コードを、完了通知であることを識別するための識別データとともに含んだ第2の完了通知データを通信ユニット14から通信ネットワーク200へと送出する。なおプロセッサ11は例えば、上記の管理データDAAのフィールドFACにセットされているサービスコードにサービスデータベースDBAで関連付けられているアドレスを第2の完了通知データの宛先とする。
【0079】
ACT53としてプロセッサ11は、完了が通知された注文に関する注文ステータスを「完了」に変更する。プロセッサ11は例えば、ACT52で見つけた管理データDAAのフィールドFADにセットされている注文ステータスを「完了」を表す状態に更新する。そしてプロセッサ11はこののち、ACT41~ACT43の待受状態に戻る。
【0080】
受注サーバ21では、プロセッサ211は、上記のように注文管理サーバ1から送信された第2の完了通知データが、通信ネットワーク200を介して受注サーバ21へと伝送され、通信ユニット214により受信されると、利用者又は配達員に引き取りを要請する。つまりプロセッサ211は、第2の完了通知データに含まれる第1の受注コードに関連付けて管理している注文に関して、受注代行サービスの規定で、配達員により配達することが決められている場合、あるいは配達員による配達が利用者により指定されている場合には、配達員に対して店舗での商品の引き取りを要請する。またプロセッサ211は、第2の完了通知データに含まれる第1の受注コードに関連付けて管理している注文に関して、受注代行サービスの規定で、利用者が自ら店舗に出向いて商品を引き取ることが決められている場合、あるいは利用者が自ら店舗に出向いて商品を引き取ることを指定している場合には、利用者に対して店舗での商品の引き取りを要請する。この要請は例えば、配達員が所持する携帯端末300での画面表示、または利用者が所持する携帯端末300での画面表示などにより実現される。具体的には例えば、プロセッサ211は、携帯端末300に対して、店舗での商品の引き取りを要請するためのメッセージ等に関するデータを出力する。そして携帯端末300は例えば、当該データを受信して画面上にメッセージを表示する。要請を受けた配達員又は利用者は、店舗に出向き、店員に対して商品を引き取る旨を申告する。店員は、配達員又は利用者からの申告に応じて、例えばPOS端末35での予め定められた操作により、引き渡すべき商品についての会計問合わせを指示する。
【0081】
一方、店内注文の商品の調理が終了したのであるならば、店員は、当該商品を在店中の客に対して提供する。店舗内で商品の提供を受けた客は、店舗の利用を終了するならば、店員に決済を要求する。この要求に応じて店員は、例えばPOS端末35での予め定められた操作により、会計問合わせを指示する。
【0082】
なお、会計問合わせを指示するための店員の操作は、例えば第2の受注コードを表したバーコードをPOS端末35に読み取らせる操作とすることが想定される。なおこの場合は例えば、店舗ステーション31のプロセッサ311が、ACT19にて調理伝票をプリントするのと前後して、上記のバーコードを表した伝票を伝票プリンタ33にプリントさせ、当該伝票を店員が客に渡しておけばよい。またプロセッサ311が、ACT26にてYESと判定した場合に、上記のバーコードを表した伝票を伝票プリンタ33にプリントさせ、当該伝票を商品に添付しておけばよい。
【0083】
POS端末35は、会計問合わせが上記のように指示されると、店舗ステーション31に対して、第2の受注コードの通知を伴って会計問合わせを行う。
店舗ステーション31では、プロセッサ311は、上記の会計問合わせを受けると、
図7中のACT15にてYESと判定し、
図8中のACT29へと進む。
ACT29としてプロセッサ311は、問合わせの対象となっている注文が店外注文であるか否かを確認する。プロセッサ311は例えば、会計問合わせに際して通知された第2の受注コードがフィールドFBAにセットされている注文管理データDABを注文データ領域ARCから探し出す。そしてプロセッサ311は、該当の注文管理データDABのフィールドFBBにセットされているのが、店外注文であることを表すものとして予め定められたテーブル番号であるならばYESと判定し、ACT30へと進む。
【0084】
ACT30としてプロセッサ311は、問合わせの対象となっている注文に関して決済済みであるか否かを確認する。プロセッサ311は例えば、ACT29で見つけた注文管理データDABのフィールドFBDにセットされている決済ステータスが「決済済み」を表す状態であるならばYESと判定し、ACT31へと進む。
ACT31としてプロセッサ311は、決済不要をPOS端末35に通知する。この通知を受けてPOS端末35は、決済が不要であることを店員に知らせるための予め定められた画面を表示する。店員は、上記の画面により決済が不要であることを確認した上で、配達員又は利用者に商品を引き渡す。
【0085】
プロセッサ311は例えば、ACT29で見つけた注文管理データDABのフィールドFBDにセットされている決済ステータスが「決済済み」を表す状態ではないならば、ACT30にてNOと判定し、ACT32へと進む。なおプロセッサ311は、ACT29にて、見つけた注文管理データDABのフィールドFBBにセットされているのが店舗の客席を識別するために定められたものであるならば、ACT29にてNOと判定し、ACT30をパスしてACT32へと進む。つまりプロセッサ311は、店内注文である場合と、決済が済んでいない場合に、ACT32へと進む。
【0086】
ACT32としてプロセッサ311は、問合わせの対象となっている注文に関する会計をPOS端末35に指示する。この指示に応じてPOS端末35は、問合わせの対象となっている注文に応じた商品提供に関する代金を算出し、当該代金を配達員、利用者、あるいは客に決済させる。このときにPOS端末35は、決済ステータスが「未決済」であるならば、店舗で使用可能とされた決済方法のうちの客が指定した決済方法を適用する。またPOS端末35は、決済ステータスが決済方法を表すならば、その決済方法を適用する。そしてPOS端末35は、決済を終えたならば、注文管理サーバ1に対して終了を通知する。店員は、配達員又は利用者による決済が完了したならば、配達員又は利用者に商品を引き渡す。
【0087】
ACT33としてプロセッサ311は、終了通知を待ち受ける。そしてプロセッサ311は、上記のようにPOS端末35から終了が通知されたならばYESと判定し、ACT34へと進む。なおプロセッサ311は、ACT31を終えた場合は、そのままACT34へと進む。
【0088】
ACT34としてプロセッサ311は、会計問合わせの対象となっていた決済が終了した注文に関する注文管理データDABを注文データ領域ARCから削除する。なおプロセッサ311は削除する注文管理データDABを、決済済みの売上データとして補助記憶ユニット313の注文データ領域ARC以外の領域、あるいは別の任意の記憶デバイスに保存してもよい。そしてプロセッサ311はこののち、ACT11~ACT15の待受状態に戻る。
【0089】
以上のように注文管理サーバ1は、受注システム2から取得した第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来の予約時刻を示すタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まる開始タイミングになるのを待って、第1の受注データに基づく第2の受注データを店舗システム3に送信する。従って、店舗システム3を利用する店舗においては、注文が受けられたタイミングと予約時刻とのタイムラグを考慮することなしに、第2の受注データが受信されたことに応じて調理を開始すればよく、店舗側の負担は軽減される。
【0090】
また注文管理サーバ1は、受注システム2から取得した第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来の予約時刻を示すタイミング情報が含まれるならば、第2の受注データの送信に先立って店舗システム3に対して予約通知を行って、予約注文が受けられた旨の店舗への通知を行う。従って店舗においては、将来、調理が必要となる注文が既に受けられていることを、調理を開始すべきタイミングよりも前に認識できる。
【0091】
また注文管理サーバ1は、複数の受注システム2から個別のフォーマットで送信される第1の受注データを、共通のフォーマットの第2の受注データに変換して店舗システム3に送る。従って、店舗システム3では、複数の受注システム2のそれぞれで受けられた注文を、どの受注システム2で受注されたかを考慮することなしに処理することが可能である。
【0092】
また店舗システム3は、受注代行サービスで受けられた注文に関して受注システム2で決済済みであるか否かを管理する。そして店舗システム3は、受注代行サービスで受けられた注文に関する商品の受け渡しに際しては、決済処理を実行する。従って、複数の受注代行サービスのそれぞれでの決済についての扱いがばらばらであっても、必要な決済を適正に行うことができる。
【0093】
また店舗システム3では店舗ステーション31は、受注システム2で受注された注文に関する第2の受注データを受けた場合も、店舗システム3内で受けられた注文に関する注文データを受けた場合も、同様な注文管理データDABにより統一的に管理する。従って、受注代行サービスで受けられた注文に関して受注システム2で決済する必要があっても、店舗システム3内で受けられた注文に関する決済と同様に処理することが可能である。これにより例えば、受注代行サービスで受けられた注文に関する決済のために、該当の注文の内容を改めてPOS端末35に入力するような手間は不要となる。
【0094】
この実施形態は、次のような変形実施が可能である。
情報処理によりプロセッサ11,211,311が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 店舗に備えられる店舗システムとともに、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムにより前記店舗での商品提供の注文に関して受けられる注文を処理する注文処理システムを構成する注文管理装置であって、
前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ含んだ第1の受注データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
を具備した注文管理装置。
[付記2] 前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、前記送信手段により第2の受注データが送信されるのよりも前に、提供タイミングの通知を伴って前記店舗システムに受注を通知する通知手段、
をさらに備える付記1に記載の注文管理装置。
[付記3] 前記取得手段は、複数の前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ異なるフォーマットで含んだ第1の受注データを取得する、
付記1又は付記2に記載の注文管理装置。
[付記4] 店舗に備えられる店舗システムとともに、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムにより前記店舗での商品提供の注文に関して受けられる注文を処理する注文処理システムを構成する注文管理装置に備えられたコンピュータを、
前記受注システムから、商品の注文に関してそれぞれ複数項目のデータをそれぞれ含んだ第1の受注データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
[付記5] 店舗に備えられる店舗システムと、注文管理装置と、を具備し、
前記注文管理装置に設けられ、前記店舗での商品提供の注文を受ける受注システムより送信された第1の受注データを取得する取得手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記取得手段により取得された第1の受注データに含まれるデータ要素のうちから、予め定められた項目に関するデータ要素を抽出する抽出手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記抽出手段により抽出されたデータ要素を含んだ第2の受注データを生成する生成手段と、
前記注文管理装置に設けられ、前記取得手段により取得された第1の受注データに、商品の提供タイミングとして将来のタイミングを指定するタイミング情報が含まれるならば、当該タイミング情報が表す提供タイミングに応じて定まるタイミングになるのを待って、前記生成手段により生成された第2の受注データを前記店舗システムに送信する送信手段と、
前記店舗システムに設けられ、前記送信手段により送信された第2の受注データを受信すると、当該第2の受注データに基づく商品の提供の準備作業の開始を作業者に報知する報知手段と、
を具備する注文処理システム。
【符号の説明】
【0096】
1…注文管理サーバ、2…受注システム、3…店舗システム、11,211,311…プロセッサ、12,212,312…メインメモリ、13,213,313…補助記憶ユニット、14,214,314…通信ユニット、21…受注サーバ、31…店舗ステーション、32…ハンディ端末、33…伝票プリンタ、34…キッチン端末、35…POS端末、36…無線ルータ、37…通信ネットワーク、38…ゲートウェイ、100…注文処理システム、200…通信ネットワーク、300…携帯端末。