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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】カメラを有する車体構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 1/02 20060101AFI20241022BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241022BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20241022BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241022BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20241022BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20241022BHJP
   G02B 1/118 20150101ALI20241022BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241022BHJP
   B60S 1/02 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B60J1/02 Z
G03B15/00 V
G03B15/00 S
G03B11/04 C
G03B17/02
G03B17/55
G03B35/08
G02B1/118
B60R11/02 Z
B60S1/02 200
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021037611
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137896
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 洋平
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 一雄
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-255064(JP,A)
【文献】特開2015-200880(JP,A)
【文献】特開2018-122634(JP,A)
【文献】特開2020-033011(JP,A)
【文献】特開2019-093794(JP,A)
【文献】特開2017-185896(JP,A)
【文献】特開2019-099046(JP,A)
【文献】特開2019-001243(JP,A)
【文献】特開2019-074728(JP,A)
【文献】特開2015-187704(JP,A)
【文献】特開2018-162050(JP,A)
【文献】特開2018-022953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/00- 1/20
B60S 1/00- 1/68
B60R 11/00-11/04
G03B 11/00-11/06
G03B 17/00-17/58
G03B 35/08
G02B 1/118
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを有する車体構造であって、
車室を画成する透光性のウインドシールドと、
前記ウインドシールドの前記車室側の面に対向するように配置されたカメラと、
前記カメラを収容するハウジングと、を備え、
前記ウインドシールドは、前記カメラの撮影範囲内にある前記車室側の面の少なくとも一部にモスアイ構造が形成され
前記ハウジングは、前記ウインドシールドの前記車室側の面に沿うように水平方向に対して傾斜する上壁と、前記カメラの撮像範囲において前記ウインドシールドと前記カメラとの間の空間を覆うように配置されたカバー部材とを含み、
前記モスアイ構造が、前記ウインドシールドの前記車室側の面に取り付けられたフィルムに形成され、前記フィルムの上縁部は、前記ハウジングの前記上壁と前記ウインドシールドの前記車室側の面との間に挟持され、前記フィルムの下縁部は、前記カバー部材と前記ウインドシールドの前記車室側の面との間に挟持された、車体構造。
【請求項2】
記カバー部材はヒータを備える、請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記カメラを支持する支持部材を更に備え、
前記支持部材は、前記カメラの前記撮影範囲を囲むように前記ウインドシールドの前記車室側の面に固定され
前記フィルムは、前記ウインドシールドの前記車室側の面における前記支持部材の内側の領域にのみ取り付けられる、請求項1に記載の車体構造。
【請求項4】
前記カメラは、左カメラおよび右カメラを有するステレオカメラであり、
前記フィルムは、前記左カメラおよび前記右カメラに対応するように、前記ウインドシールドの前記車室側の面にそれぞれ取り付けられる、請求項に記載の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲を撮影するカメラを有する車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイや光学素子の表面における反射防止の技術として、複数の微細な突起(凹凸)が配列されたモスアイ構造が利用されている。
【0003】
また、モスアイ構造を形成する技術として、反転されたモスアイ構造を表面に有するグラッシーカーボン層を備えたモスアイ転写型及びモスアイ転写型の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許6467089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自動車等の車室に搭載されたカメラでは、ウインドシールドから入射した光の映り込みや、ウインドシールドに入射しかつ導光される光の多重反射によるカメラの撮影画像の劣化を抑制することが望ましい。
【0006】
一方、上記従来技術では、自動車技術の分野においても、車載カメラのレンズや保護ガラスなどがモスアイ構造の処理対象となり得ることが示されている。しかし、上記従来技術では、モスアイ構造の処理対象は例示されているものの、車室に搭載されたカメラやその周辺の部材に対するモスアイ構造の具体的な適用方法については開示されていない。
【0007】
本発明は、以上の背景を鑑み、ウインドシールドから入射した光の映り込みや、ウインドシールドに入射しかつ導光された光の多重反射によるカメラの撮影画像の劣化を抑制する車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、カメラを有する車体構造であって、車室(5)を画成する透光性のウインドシールド(11)と、前記ウインドシールドの前記車室側の面(11A)に対向するように配置されたカメラ(21)と、を備え、前記ウインドシールドは、前記カメラの撮影範囲内にある前記車室(5)側の面の少なくとも一部にモスアイ構造(53)が形成された構成とする。
【0009】
この態様によれば、カメラの撮影範囲内にあるウインドシールドの車室側の面の少なくとも一部にモスアイ構造が形成されるため、ウインドシールドから入射した光の映り込みや、ウインドシールドに入射しかつ導光された光の多重反射によるカメラの撮影画像の劣化を抑制することができる。
【0010】
上記の態様において、前記カメラの前記撮影範囲において、前記ウインドシールドと前記カメラとの間の空間(35)を覆うように配置されたカバー部材(37)を更に備え、前記カバー部材はヒータ(38)を備えるとよい。
【0011】
この態様によれば、ウインドシールドから入射し、かつカバー部材によって反射した光の映り込みを抑制しつつ、ヒータの加熱によりウインドシールドの車室側の面に曇りが生じることを防止できる。また、この態様によれば、カバー部材の表面(すなわち、ウインドシールドから入射した光が反射し得る面)に反射を防止するための構造(例えば、凹凸形状)を設ける必要がなく、カバー部材を簡易に構成できるという利点もある。特に、カバー部材を簡易に構成する上で凹凸形状を省略して、カバー部材を薄くしてヒータによる熱をウインドシールドとカメラとの間の空間に伝わりやすくすることで、ウインドシールドに曇りが生じることを効果的に防止しうる。
【0012】
上記の態様において、前記モスアイ構造は、前記ウインドシールドの前記車室側の面に取り付けられたフィルム(41)に形成され、前記フィルムの一部(41A)が、前記ウインドシールドと前記カバー部材との間に挟持されるとよい。
【0013】
この態様によれば、モスアイ構造が形成されたフィルムが、カバー部材によってウインドシールドの車室側の面に対して安定的に固定されるため、フィルムの剥がれを防止できる。
【0014】
上記の態様において、前記モスアイ構造は、前記ウインドシールドの前記車室側の面に取り付けられたフィルム(41)に形成され、前記カメラに接続され、かつ前記ウインドシールドに当接する当接部材(45)を更に備え、前記フィルムの一部(41B)が、前記ウインドシールドと前記当接部材との間に挟持されるとよい。
【0015】
この態様によれば、モスアイ構造が形成されたフィルムが、当接部材によってウインドシールドの車室側の面に対して安定的に固定されるため、フィルムの剥がれを防止できる。
【0016】
上記の態様において、前記カメラを支持する支持部材(81)を更に備え、前記支持部材は、前記カメラの前記撮影範囲を囲むように前記ウインドシールドの前記車室側の面(11A)に固定され、前記モスアイ構造は、前記ウインドシールドの前記車室側の面に取り付けられたフィルム(41L、41R)に形成され、前記フィルムは、前記ウインドシールドの前記車室側の面における前記支持部材の内側の領域にのみ取り付けられるとよい。
【0017】
この態様によれば、カメラを支持する支持部材を取り外すことなく、モスアイ構造が形成されたフィルムのメンテナンス(例えば、交換)が可能となる。
【0018】
上記の態様において、前記カメラは、左カメラ(21L)および右カメラ(21R)を有するステレオカメラ(121)であり、前記フィルムは、前記左カメラおよび前記右カメラに対応するように、前記ウインドシールドの前記車室側の面にそれぞれ取り付けられるとよい。
【0019】
この態様によれば、ウインドシールドから入射した光の映り込みや、ウインドシールドに入射しかつ導光された光の多重反射によるステレオカメラの撮影画像の劣化を効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上の構成によれば、ウインドシールドから入射した光の映り込みや、ウインドシールドに入射しかつ導光された光の多重反射によるカメラの撮影画像の劣化を抑制する車体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係るカメラを有する車体構造を備えた車両の斜視図
図2】カメラユニットを示す斜視図
図3】カメラユニット及びその周辺の構造を示す模式的断面図
図4】モスアイ構造の例を示す模式的断面図
図5】フロントガラスから入射した光のカメラの撮影画像への影響を示す説明図
図6】第2実施形態に係るカメラを有する車体構造を備えた車両の要部斜視図
図7】第2実施形態に係る車室側から見たカメラの取付構造を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、実施形態に係るカメラを有する車体構造を備えた車両について説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1に示すように、自動車(車両)1は、その基本骨格をなす車体3を備える。車体3によって画定される車室5には、自車両の周囲を撮影するカメラユニット7が設けられている。カメラユニット7は、ウインドシールドとしてのフロントガラス11の車室側に取り付けられている。
【0024】
カメラユニット7は、図2および図3に示すように、カメラ21およびそのカメラ21を収容するハウジング23を有している。
【0025】
カメラ21は、公知のハードウェア構成を有する。カメラ21は、透明なカバープレート25、レンズ群を含む光学系27、及びイメージセンサ29等を有している。カメラ21は、透明なフロントガラス11の内面(車室5側の面)11Aに対向するように配置される。カメラ21は、その画角31によって規定される撮影範囲において、フロントガラス11を通して車室5の外(図示しない周辺の物体)を撮影する。
【0026】
ハウジング23は、自動車1のルーフ(図示せず)の内側に固定され、撮影方向を開放した状態でカメラ21を支持する。ハウジング23は、カメラ21の撮影範囲において、フロントガラス11とカメラ21との間の空間35を下側から覆うように配置されたカバー部材37を備える。つまり、断面視(図3参照)における空間35は、フロントガラス11、カメラ21、及びカバー部材37によって囲まれた(概ね閉じられた)空間である。
【0027】
カバー部材37は、概ね平板状をなし、カメラ21の前方からフロントガラス11に向けて斜め下方に延在する。カバー部材37には、ヒータ38が設けられている。カメラ21の撮影範囲では、ヒータ38による加熱によりフロントガラス11の内面11Aに曇りが生じることが防止される。
【0028】
フロントガラス11は、中間膜39を有する合わせガラスによって形成される。カメラ21の撮影範囲において、フロントガラス11の内面11Aには、モスアイ構造が形成される。より詳細には、フロントガラス11の内面11Aには、モスアイ構造が形成されたフィルム41(以下、モスアイ型フィルム41という。)が取り付け(貼り付け)られる。
【0029】
モスアイ型フィルム41は、フロントガラス11の内面11Aにおいて、カメラ21の撮影範囲内のエリアを覆うように配置される。モスアイ型フィルム41は、フロントガラス11に略直交する方向から見て略矩形をなす。
【0030】
カバー部材37の下縁には、フロントガラス11に向けて突出するように設けられた当接部43が形成されている。当接部43は、図2に示すように、車体3の左右方向に延在する。モスアイ型フィルム41の下縁部41Aは、カバー部材37の当接部43に設けられた当接面43Aとフロントガラス11の内面11Aとの間に挟持される。当接面43Aは、断面視においてフロントガラス11の内面11Aと略同一の角度で水平方向に対して傾斜する。
【0031】
これにより、モスアイ型フィルム41の下縁部41Aが、カバー部材37によってフロントガラス11の内面11Aに対して安定的に固定されるため、モスアイ型フィルム41の剥がれを防止できる。なお、モスアイ型フィルム41は、その少なくとも一部が、カバー部材37とフロントガラス11との間に挟持されていればよい。
【0032】
また、断面視におけるハウジング23の上方には、カメラ21の上部に接続され、フロントガラス11の内面11Aと略同一の角度で水平方向に対して傾斜する上壁(当接部材)45が設けられている。モスアイ型フィルム41の上縁部41Bは、ハウジング23の上壁45に設けられた当接面45Aとフロントガラス11の内面11Aとの間に挟持される。
【0033】
これにより、モスアイ型フィルム41の上縁部41Bが、ハウジング23の上壁45によってフロントガラス11の内面11Aに対して安定的に固定されるため、モスアイ型フィルム41の剥がれを防止できる。なお、モスアイ型フィルム41は、その少なくとも一部が、カメラ21に直接または間接的に接続された任意の部材とフロントガラス11の内面11Aとの間に挟持されていればよい。
【0034】
次に、図4を参照して、モスアイ型フィルム41の構成例について説明する。
【0035】
モスアイ型フィルム41は、例えば図4に示すように、透明な樹脂製のベースフィルム51の平坦面51A上に複数の突起52(微細な凹凸)を含むモスアイ構造53が形成された構成を有する。モスアイ型フィルム41がフロントガラス11に取り付けられた状態において、各突起52の先端部は、概ね内側(車室5側)に向くように配列される。モスアイ型フィルム41の厚みは、少なくともフロントガラス11よりも小さい。
【0036】
複数の突起52は、送信波として使用されるミリ波帯域の電波の波長よりも小さいナノメートルオーダーの高さを有する。また、複数の突起52の間隔Lは、例えば、100~300nmに設定される。
【0037】
モスアイ型フィルム41の製造方法については、公知技術を採用することができる。ベースフィルム51としては、例えば、アクリル系フィルム、ポリエステルフィルム、及びポリカーボネートフィルム等を用いることができる。モスアイ構造53を構成する材料には、例えば、エポキシ系やウレタン系などの樹脂に光重合開始剤およびラジカル発生剤などを混合した光硬化性樹脂を用いることができる。
【0038】
次に、図5を参照して、フロントガラスから入射した光の映り込み、及びフロントガラスで導光される光の多重反射について説明する。
【0039】
フロントガラス11にモスアイ型フィルム41が取り付けられていない場合、入射光60Aは、例えば図5(A)に破線で示すように、フロントガラス11内で導光され、その境界面において多重反射し得る。これにより、カメラ21の撮影範囲において偽像が生じるため、撮影画像が劣化する。
【0040】
これに対し、本実施形態に係る車体構造では、フロントガラス11にモスアイ型フィルム41が取り付けられることにより、入射光60Aは、フロントガラス11を透過するため、フロントガラス11の内側の境界面における多重反射が抑制される。その結果、カメラ21の撮影画像の劣化が抑制される。
【0041】
また、フロントガラス11にモスアイ型フィルム41が取り付けられていない場合、フロントガラス11を透過した入射光60Bは、例えば図5(A)に示すように、カバー部材37の表面37Aで反射された後、破線で示すように更にフロントガラス11の内面11Aおいて反射されることによりカメラ21に入射するため、カメラ21の撮影画像が劣化する。
【0042】
これに対し、本実施形態に係る車体構造では、フロントガラス11にモスアイ型フィルム41が取り付けられることにより、入射光60Bは、図5(A)において、カバー部材37の表面37Aで反射された後に、フロントガラス11の内面11Aで更に反射されることが抑制される。その結果、カメラ21の撮影画像の劣化が抑制される。
【0043】
更に、本実施形態に係る車体構造では、図5(B)に示すように、カバー部材37の表面(すなわち、フロントガラス11から入射した光が反射し得る面)に反射を防止するための凹凸構造57を設けることもできる。これにより、入射光60Bは、図5(B)に示すように、カバー部材37の表面37Aでの反射が抑制される。その結果、カメラ21の撮影画像の劣化がより効果的に抑制される。
【0044】
(第2実施形態)
次に、図6および図7を参照して、第2実施形態に係るカメラを有する車体構造を備えた車両について説明する。第2実施形態についての説明では、第1実施形態と同様の構成要素について同一の符号が用いられる。また、第2実施形態において、以下で特に言及しない事項については、第1実施形態の場合と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0045】
図6に示すように、第2実施形態では、車室5に設けられたカメラユニット7は、ステレオカメラ121を有する。ステレオカメラ121は、上述のカメラ21と同様の構成を有する左カメラ21Lおよび右カメラ21Rを有し、それら2つのカメラの21L、21Rの視差により撮影範囲における距離情報等を生成することが可能である。
【0046】
図7に示すように、フロントガラス11の内面11Aには、カメラユニット7用のブラケット81が固定されている。ブラケット81は、左カメラ21Lおよび右カメラ21Rの撮影範囲を囲むように環状をなす。ただし、ブラケット81は、完全に連続した環状構造である必要はなく、その一部が切り欠かれていてもよい。なお、ブラケットの周辺には黒セラミック部82が形成されている。
【0047】
カメラユニット7は、図示しない係合爪等によりブラケット81に対して着脱自在に設けられている。カメラユニット7は、車室5側からブラケット81に取り付けられることにより、フロントガラス11に固定される。
【0048】
フロントガラス11の内面11Aには、左カメラ21Lおよび右カメラ21Rの撮影範囲に対応する領域にモスアイ型フィルム41L、41Rが取り付けられている。本実施形態では、左カメラ21Lおよび右カメラ21Rの撮影範囲にそれぞれ対応する2つのモスアイ型フィルム41L、41Rが取り付けられる。
【0049】
モスアイ型フィルム41L、41Rは、それぞれ略矩形をなし、フロントガラス11の内面11Aにおける左カメラ21Lおよび右カメラ21Rの撮影範囲(ここでは、台形形状)よりも大きなサイズで設けられている。モスアイ型フィルム41L、41Rは、フロントガラス11の内面11Aにおいてブラケット81によって囲まれた領域内に配置される。これにより、カメラを支持するブラケット81を取り外すことなく、モスアイ型フィルム41L、41Rのメンテナンス(例えば、交換)が可能となる。
【0050】
なお、モスアイ型フィルムは、左カメラ21Lおよび右カメラ21Rの撮影範囲に対応して配置された1つのフィルムであってもよい。また、ブラケット81の内側全域にモスアイ型フィルムが配置されてもよい。また、本実施形態では、ステレオカメラ121の例を説明したが、第1実施形態のカメラ21と同様の単眼カメラが用いられてもよい。
【0051】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上述の実施形態では、ウインドシールド(フロントガラス11)の内面にモスアイ構造が形成された例を示したが、更に、ウインドシールドの外面にも同様にモスアイ構造が形成されてもよい。また、カメラ21が対向して配置されるウインドシールドは、フロントガラス11に限定されず、車体3のリアガラスやサイドガラスに配置されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 :自動車
3 :車体
5 :車室
7 :カメラユニット
11:フロントガラス
21:カメラ
21L:左カメラ
21R:右カメラ
23:ハウジング
31:画角
35:空間
37:カバー部材
38:ヒータ
41:モスアイ型フィルム
43:当接部
45:上壁
51:ベースフィルム
52:突起
53:モスアイ構造
57:凹凸構造
81:ブラケット(支持部材)
121:ステレオカメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7