(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、およびロボット制御システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241022BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G05D1/43
B25J5/00 E
(21)【出願番号】P 2021042698
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】森谷 翔太
(72)【発明者】
【氏名】岸 綾子
(72)【発明者】
【氏名】大西 潤哉
(72)【発明者】
【氏名】竹部 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】上村 佳代乃
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-118991(JP,A)
【文献】特開2020-135328(JP,A)
【文献】特開2004-299026(JP,A)
【文献】特開2008-142876(JP,A)
【文献】特開2010-120129(JP,A)
【文献】国際公開第2019/171917(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
B25J 1/00 -21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能なロボットを制御する制御装置であって、
施設内の施設員の位置を特定する施設員特定手段と、
前記施設内の来訪者の位置を特定する来訪者特定手段と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で特定した前記来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定手段で特定した前記施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させ
、
前記制御手段は、前記ロボットが前記来訪者の近傍に移動した後に、前記施設員が前記来訪者の近傍に移動したことを検出した場合に、前記ロボットに前記来訪者の近傍から移動するよう指示を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記来訪者特定手段は、複数の撮像装置から取得した画像に基づいて前記来訪者の前記位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記施設員特定手段は、複数の撮像装置から取得した画像に基づいて前記施設員の前記位置を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記施設員特定手段は、施設員が有する発信機が出力する無線信号の信号強度に基づいて前記施設員の前記位置を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
来訪者ごとに施設内の滞在時間情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で特定した前記来訪者のうち、滞在時間が長い来訪者の近傍の所定の範囲内に前記ロボットを移動させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は自走可能な複数のロボットの位置を特定するロボット特定手段をさらに有し、
前記来訪者特定手段で特定した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定手段で特定した施設員およびロボットが存在しないと判定した場合に、前記複数のロボットのうちのいずれかを前記所定の範囲内に移動させることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記ロボットは、撮像部を有し、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で検出した来訪者の近傍に移動した前記ロボットに前記来訪者の撮像指示を送信することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ロボットは、表示部を有し、
前記ロボットの前記撮像部によって撮影した画像を取得する画像取得手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記画像取得手段で取得した前記画像から、前記来訪者の飲み物が所定の量より少ないと判定した場合、前記ロボットの表示部に飲み物が所定の量より少ないと判定したことを通知する表示を行うことを特徴とする請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
自走可能なロボットを制御する制御装置が実行する制御方法であって、
施設員の位置を特定する施設員特定工程と、
来訪者の位置を特定する来訪者特定工程と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御工程と、
を備え、
前記制御工程において、前記制御装置は前記来訪者特定工程で検出した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定工程で特定した施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させるよう指示を行
い、
前記制御工程において、前記ロボットが前記来訪者の近傍に移動した後に、前記施設員が前記来訪者の近傍に移動したことを検出した場合に、前記ロボットに前記来訪者の近傍から移動するよう指示を行うことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項1から8の何れか1項に記載の制御装置と、
前記制御装置と通信可能な撮像装置と、
前記制御装置と通信可能で自走可能な前記ロボットと、
を備えることを特徴とする制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自走可能なロボットの制御装置、制御方法、および制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、案内ロボットを用いたロボット制御システムに関する様々な技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載のロボット制御システムでは、案内ロボット(コミュニケーションロボット)が、来訪者に対して、例えば要件を聞いたり、展示会場を案内したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、所定の商品の購入やサービスの提供を受けるために、施設内で来訪者が待機する必要があるような施設では、来訪者が施設内で時間を持て余す場合がある。このため、施設側としては、来訪者に対して適当な接客をすることが望ましく、限られた案内ロボットを用いて、施設側が来訪者に対して適切な接客を図れる技術が所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、来訪者に適切な接客を行う案内ロボットを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一態様によれば、
自走可能なロボットを制御する制御装置であって、
施設員の位置を特定する施設員特定手段と、
来訪者の位置を特定する来訪者特定手段と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で特定した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定手段で特定した施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させ、
前記制御手段は、前記ロボットが前記来訪者の近傍に移動した後に、前記施設員が前記来訪者の近傍に移動したことを検出した場合に、前記ロボットに前記来訪者の近傍から移動するよう指示を行うことを特徴とする制御装置が提供される。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、
自走可能なロボットを制御する制御装置が実行する制御方法であって、
施設員の位置を特定する施設員特定工程と、
来訪者の位置を特定する来訪者特定工程と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御工程と、
を備え、
前記制御工程において、前記制御装置は前記来訪者特定工程で検出した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定工程で特定した施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させるよう指示を行い、
前記制御工程において、前記ロボットが前記来訪者の近傍に移動した後に、前記施設員が前記来訪者の近傍に移動したことを検出した場合に、前記ロボットに前記来訪者の近傍から移動するよう指示を行うことを特徴とする制御方法が提供される。
【0008】
本発明によれば、来訪者に適切な接客を行う案内ロボットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るロボット管理システムの概略構成図。
【
図3】
図1のロボット管理システムの構成を示すブロック図。
【
図5】制御サーバが実行するロボット派遣処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】
図5の来訪者特定処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】来訪者の状態を推定するためのテーブルの一例を示す図。
【
図9】制御サーバが実行するロボット派遣処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下、
図1~
図9を参照して本実施形態に係るロボット管理装置について説明する。本実施形態に係るロボット管理装置は、店舗などの施設内に設置された撮像部が撮像する施設内画像に基づいて、検出した人物に案内ロボットを派遣させる必要があるか否かを判定する。例えば、検出した人物が来訪者などのゲストであり、施設員、店舗スタッフや案内ロボットなどが検出したゲストの周辺におらず、ゲストの応対の必要があると判定した場合に案内ロボットを当該ゲストのもとに派遣させる。
【0012】
このように、応対の必要のあるゲストに案内ロボットを派遣してコミュニケーションをとらせるので、ゲストが施設員に気づかれていないと判断してストレスを感じたり、時間を持て余すことを避けることができる。
【0013】
上述のような案内ロボットを用いる施設としては例えば、各種商品を小売販売する販売店、美術館、博物館、画廊およびギャラリー等の美術関連施設、科学館、記念館、展覧会、ワークショップ等が挙げられる。各種商品を小売販売する販売店としては、例えば、デパート、スーパー、専門販売店等が挙げられる。専門販売店としては、各種専門販売店や自動車販売店等が挙げられる。また、自動車販売店では、自動車のメンテナンスやカーリースなど、自動車の販売以外にも様々なサービスが提供される。以下の実施形態では、ロボット管理装置を制御サーバにより構成し、この制御サーバを自動車販売店に設置して、自動車販売店のショールームを来訪した来訪者の下に、該ショールームに配置した案内ロボットを派遣する例を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るロボット管理装置を構成する制御サーバ4を用いたロボット管理システム100の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るサーバ装置(制御サーバ)4を用いたロボット管理システム100では、展示車両2が展示される自動車販売店のショールーム1に自走可能な案内ロボット3が配置される。そして、ショールーム1に訪れる来訪者を、ショールーム1の天井10に設置された複数の撮像装置11それぞれにて撮像するショールーム内画像から特定する。例えば、ショールーム内画像に写る来訪者それぞれの顔画像に基づいて、各来訪者とショールームスタッフ(施設員)とを特定する。また、例えば、ショールーム内画像に写る複数の来訪者それぞれの顔画像に基づいて各来訪者とショールームスタッフとを特定する。
【0015】
さらにショールーム画像から、来訪者の近傍にショールームスタッフがいるか否かを判定し、施設員が近傍に存在しない来訪者の下に案内ロボットが移動するよう制御する。
【0016】
例えば、
図1に示すように、三人の来訪者A、B、Cが、施設員(スタッフ)D、Eがいるショールーム1を来訪した場合、サーバ装置4は、複数の撮像装置11が撮像したショールーム内画像から、三人の来訪者A、B、Cと、スタッフD、Eを特定する。例えば、サーバ装置4は、制服のような特定の服装をしている人物をスタッフであり、それ以外の人物を来訪者であると判定してもよい。そしてスタッフDが来訪者Aを応対し、スタッフEが来訪者Bを応対しているが、来訪者Cにはどのスタッフも応対していないと
ここで、案内ロボット3について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、
図1に示すロボット管理システム100を構成する案内ロボット3を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、案内ロボット3は、直立させた略ひょうたん型に形成されており、括れ部302を中心に上方が頭部301を構成し、下方が胴部303を構成する。案内ロボット3は、頭部301が胴部303よりも僅かに大きい略2頭身に形成されており、全体として愛嬌や温かみのある形状となっている。本実施形態では、案内ロボット3は110cm前後の身長を有する。
【0017】
また案内ロボット3には手足がなく、胴部303の下端に設けられる走行装置304により前後左右および斜め方向等、360度如何なる方向にも移動自在に構成される。なお、走行装置304の具体的構成については、ここではその説明を省略する。このように案内ロボット3は、頭部301が胴部303よりも若干大きく、かつ手足のない形状を有することで、例えば子供が抱きつき易く、子供とのコミュニケーションを図りやすい形状となっている。また案内ロボット3は、走行装置304が前後方向および左右方向に揺れながらの動作を可能とするので、来訪者が接近等に気付き易く、来訪者とのコミュニケーションを図りやすい動き等が可能となっている。
【0018】
案内ロボット3の頭部301には、水平方向に長い略楕円形状の顔部305が設けられており、顔部305は案内ロボット3の表情や簡単な文字画像等を表示可能に構成される。本実施形態では、案内ロボット3の顔部305には眼を表現する一対の擬似眼306,306が表示されており、一対の擬似眼306,306で色んな表情を表現可能に構成される。例えば、一対の擬似眼306,306の形状を変化させることで、喜怒哀楽等の表情を表現可能になる。本実施形態では、さらに口を表現する擬似口307が表示されており、一対の擬似眼306,306および擬似口307の形状を変化させることで、表情の変化を分かり易くさせている。
【0019】
また案内ロボット3は、顔部305の中で一対の擬似眼306,306の位置を移動可能に構成される。案内ロボット3は、顔部305内で一対の擬似眼306,306の位置を変えることで視線を動かす動作を表現する。案内ロボット3は、来訪者の前で一対の擬似眼306,306の位置を変えて視線を動かす動作を表現することで、来訪者の視線を誘導する。このとき案内ロボット3に視線の移動に連動させて回転動作等を行わせることで、より来訪者の視線を誘導し易くなる。
【0020】
上述のように形成された案内ロボット3を来訪者の下に派遣させ、来訪の要件を聞いたり、来訪者に提供する飲み物の希望を聞いたり、いずれの施設員の応対を希望するかを聞いたり、簡単な案内をする。また、来訪者の画像を取得し、過去に来訪したことがある来訪者であると判定することで、過去に販売した商品や提供したサービスの情報を施設員が把握し、施設員の応対の品質を向上することもできる。このような自動車販売店によるロボット派遣案内サービスの提供を良好に実現するため、本実施形態では、以下のようなサーバ装置4を用いたロボット管理システム100を構成する。
【0021】
図3は、
図1に示すロボット管理システム100の要部構成を示すブロック図であり、
図4は、
図3に示すサーバ装置4の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るロボット管理システム100は、自動車販売店のショールーム1の天井10に設置される撮像装置11と、ショールーム1内に配置される自走可能な案内ロボット3と、自動車販売店が有するサーバ装置4とを備える。
【0022】
図3に示すように、撮像装置11、案内ロボット3およびサーバ装置4は、無線通信網、インターネット、電話回線網などの通信ネットワーク5に接続される。
図3には、便宜上、1つの撮像装置11しか示されていないが、
図1に示すように、撮像装置11は実際には複数存在する。同様に、
図3には、1つの案内ロボット3しか示されていないが、案内ロボット3を複数配置することも可能である。
【0023】
図3に示すように、撮像装置11は、通信部111と、撮像部112と、センサ部113と、記憶部114と、制御部115とを有する。通信部111は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4および案内ロボット3と無線通信可能に構成される。撮像部112は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラであり、ショールーム1を訪れた来訪者を撮像可能に構成される。センサ部113は、動体検知センサや人感センサ等のセンサであり、ショールーム1を訪れた来訪者のショールーム内の位置や動きを検出可能に構成される。撮像部112およびセンサ部113は、ショールーム1を訪れる来訪者がショールーム1内の何れの位置に居ても撮像および検知可能となるように、ショールーム1の天井10に複数配置される。
【0024】
記憶部114は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部114には、制御部115が実行する各種プログラムやデータ等が記憶される。例えば記憶部114には、撮像部112が撮像したショールーム内画像およびセンサ部113が検出した来訪者の位置情報が一時的に記憶される。
【0025】
制御部115はCPUを有し、通信部111を介して撮像装置11の外部から受信した信号および記憶部114に記憶された各種プログラム等に基づいて所定の処理を実行し、通信部111、撮像部112、センサ部113および記憶部114に所定の制御信号を出力する。
【0026】
例えば制御部115は、撮像部112で撮像した画像およびセンサ部113で検出した来訪者や施設員などの人物の位置を所定の周期でサーバ装置4に送信する。または、サーバ装置4からの撮像指示に応じて撮像部112で画像を撮影し、センサ部113で来訪者の位置を検出して画像および位置情報をサーバ装置4に送信する。これによって、サーバ装置4は、ショールーム1内の画像(ショールーム内画像)を取得することができる。サーバ装置4は、ショールーム内画像を解析することで、取得した画像に含まれる来訪者や施設員を認識することができる。
【0027】
図3に示すように、案内ロボット3は、機能的構成として、通信部31と、入力部32と、出力部33と、撮像部34と、走行部35と、センサ部36と、記憶部37と、制御部38とを有する。通信部31は、通信ネットワーク5を介してサーバ装置4および撮像装置11と無線通信可能に構成される。入力部32は、メンテナンス時等に操作可能な各種スイッチボタン(図示せず)、および来訪者等の音声を入力可能なマイク(図示せず)等を有する。
【0028】
出力部33は、音声を出力可能なスピーカ(図示せず)と、画像を表示可能な表示部331とを有する。表示部331は案内ロボット3の上述した顔部305を構成し、表示部331には上述した一対の擬似眼306,306や文字画像等が表示される。表示部331は、一対の擬似眼306,306や文字画像等を表示可能に構成されていればよく、例えば液晶パネルや、プロジェクタおよびスクリーン等により構成される。
【0029】
撮像部34は、CCDやCMOS等の撮像素子を有するカメラであり、ショールーム1を訪れた来訪者を撮像可能に構成される。撮像部34は、例えば、案内ロボット3の頭部301に設けられる。頭部301に撮像部34を設けることで、来訪者の顔を撮像し易くなる。また撮像部34は、来訪者の顔を撮像する観点から、案内ロボット3の一対の擬似眼306,306の近くに設けることが好ましい。
【0030】
走行部35は、案内ロボット3を自走させる上述の走行装置304により構成される。走行部35はバッテリおよびモータを有しており、バッテリの電気でモータを駆動して走行するように構成される。走行部35は、公知の電動技術を用いて構成可能である。センサ部36は、走行速度センサ、加速度センサおよびジャイロセンサ等の案内ロボット3の走行および停止状態を検出するセンサや、障害物センサ、人感センサおよび動体センサ等の案内ロボット3の周囲の状態を検出するセンサ等の各種センサを有する。
【0031】
記憶部37は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部37には、制御部38が実行する各種プログラムやデータ等が記憶される。また記憶部37には、来訪者との接客内容に関するデータ等が一時的に記憶される。例えば、案内ロボット3が訊き出した来訪者の要件や案内ロボット3が行った来訪者への説明等が一時的に記憶される。
【0032】
記憶部37には、メモリが担う機能的構成の一例として、ショールームデータベース371と、コミュニケーション用データベース372とが記憶される。ショールームデータベース371には、例えば、ショールーム1内に配置される展示車両2やテーブル等の配置に対応したデータが記憶される。ショールームデータベース371は、案内ロボット3がショールーム内を移動する際に参照される。コミュニケーション用データベース372には、案内ロボット3が来訪者とコミュニケーションを図る際の音声認識処理や音声出力処理に対応したデータ等が記憶される。コミュニケーション用データベース372は、案内ロボット3が来訪者とコミュニケーションを図る際に参照される。
【0033】
制御部38はCPUを有し、通信部31を介して案内ロボット3の外部から受信した信号、入力部32を介して入力された信号、センサ部36により検出された信号、記憶部37に記憶された各種プログラムやデータ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部31、出力部33、撮像部34、走行部35および記憶部37に所定の制御信号を出力する。
【0034】
例えば制御部38は、通信部31を介してサーバ装置4から受信した信号およびセンサ部36が検出する信号に基づいて、走行部35および記憶部37に制御信号を出力する。制御部38でのこの処理により、案内ロボット3が来訪者の下に派遣される。また例えば制御部38は、通信部31を介してサーバ装置4から受信した信号に基づいて、撮像部34および通信部31に制御信号を出力する。制御部38でのこの処理により、来訪者の顔が撮像され、撮像された顔画像がサーバ装置4に送信される。
【0035】
また例えば制御部38は、通信部111を介してサーバ装置4から受信した信号に基づいて、出力部33(表示部331)に制御信号を出力する。制御部38でのこの処理により、案内ロボット3の表情を変えたり、一対の擬似眼306,306の視線を変化させたりする。また例えば制御部38は、入力部32を介して入力された信号に基づいて、出力部33および記憶部37に制御信号を出力する。制御部38でのこの処理により、案内ロボット3が来訪者とコミュニケーションを図れるようになる。
【0036】
図4に示すように、サーバ装置4は、通信部41と、入力部42と、出力部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。サーバ装置4は、クラウド上で仮想サーバ機能を利用して構成することもでき、各機能を分散して構成することもできる。
【0037】
通信部41は、通信ネットワーク5を介して、撮像装置11および案内ロボット3と無線通信可能に構成される(
図3参照)。入力部42は、タッチパネルやキーボード等のユーザが操作可能な各種スイッチ、および音声を入力可能なマイク等を有する。なお、ここでいうユーザとは、本実施形態においては、自動車販売店の店員(施設員)である。出力部43は、例えば文字や画像を表示可能なモニタ、音声を出力可能なスピーカ等を有する。
【0038】
記憶部44は、図示しない揮発性または不揮発性メモリを有する。記憶部44には、制御部45が実行する各種プログラムや各種データ等が記憶される。記憶部44は、メモリが担う機能的構成として、案内ロボットデータベース(DB)441と、ショールームDB442、来訪者DB443、および施設員DB444を有する。
【0039】
案内ロボットDB441は、ロボット派遣案内サービスに用いられる案内ロボット3のロボットID等の案内ロボット3に関する基本情報およびメンテナンス情報等を記憶する。ショールームDB442は、ショールーム1内に配置される展示車両2やテーブル等の配置に対応したデータを記憶する。なお、ショールームデータベース442は、案内ロボット3の有する記憶部37に記憶されるショールームデータベース371と同様の構成を有しており、どちらかを有する構成であってもよい。また、ショールームDB442は、ショールーム1内に配置される撮像装置11の位置や姿勢を記憶する。
【0040】
来訪者DB443は、ショールーム1を来訪する来訪者の来訪者情報を記憶する。来訪者情報としては、来訪者の住所、氏名、年齢、職業、性別といった来訪者の基本情報に加え、来訪者の顔画像および来訪履歴等が含まれる。来訪履歴の中には、来訪時における商談内容に加え、商談前の雑談等も含まれる。
【0041】
また、来訪者DB443は、ショールーム1を来訪した来訪者を示す来訪中フラグや、ショールーム1内での滞在時間を示す情報を格納してもよい。一例では、受付などで来訪者または施設員が案内ロボット3または外部装置を介して来訪者ごとに要件に関する情報の入力を行うことで、ショールーム1内での滞在時間を示す情報を取得することができる。また来訪者DB443は、来訪者がグループを構成して来訪した場合には、来訪者グループと対応付けて来訪者を記憶してもよい。例えば、来訪者が家族グループで来訪した場合には、当該来訪者をこの家族グループと対応付けて記憶し、来訪者が友人グループで来訪した場合には、当該来訪者をこの友人グループと対応付けて記憶することができる。このように来訪者は、複数のグループに所属する場合があり、来訪者DB443には、来訪者マップが形成されてもよい。
【0042】
制御部45はCPUなどのプロセッサを有し、入力部42を介して受信した信号、通信部41を介してサーバ装置4の外部から受信した信号、および記憶部44に記憶された各種プログラムや各種データ等に基づいて所定の処理を実行し、通信部41、出力部43および記憶部44に制御信号を出力する。
【0043】
図4に示すように、制御部45は、プロセッサが担う機能的構成として、施設内画像取得部451と、ロボット画像取得部452と、ロボット視線指示部453と、来訪者特定部454と、施設員特定部455と、状態推定部456と、ロボット移動指示部457と、を有する。
【0044】
施設内画像取得部451は、ショールーム1内に設置された複数の撮像装置11により撮像されるショールーム内画像を取得する。具体的には、施設内画像取得部451は、複数の撮像装置11により撮像されたショールーム1の内部(展示車両2が展示してあるスペース)の画像(静止画および動画を含む)データを、通信部41を介して入力する。本実施形態では、施設内画像取得部451は、複数の撮像装置11にショールーム内画像を撮像させ、撮像させたショールーム内画像を取得する。具体的には、施設内画像取得部451は、複数の撮像装置11にショールーム1を撮像させる制御信号を通信部41を介して出力し、複数の撮像装置11が撮像したショールーム内画像データを通信部41を介して入力する。
【0045】
ロボット画像取得部452は、ショールーム1に配置された案内ロボット3が撮像した来訪者の顔画像を含む画像を取得する。具体的には、ロボット画像取得部452は、案内ロボット3が撮像した来訪者の顔画像を含む画像(静止画および動画を含む)データを、通信部41を介して入力する。本実施形態では、ロボット画像取得部452は、案内ロボット3に来訪者の顔を撮像させ、撮像させた顔画像を含む画像を取得する。具体的には、ロボット画像取得部452は、案内ロボット3に来訪者の顔を撮像させる制御信号を通信部41を介して出力し、案内ロボット3が撮像した来訪者の顔画像を含む画像データを、通信部41を介して入力する。
【0046】
ロボット視線指示部453は、案内ロボット3の一対の擬似眼306,306の視線の方向を指示する。具体的には、ロボット視線指示部453は、案内ロボット3の一対の擬似眼306,306の位置および動きを指示する制御信号を、通信部41を介して案内ロボット3に出力する。
【0047】
案内ロボット3は、通信部31を介して当該制御信号を入力すると、入力した当該制御信号に基づいて表示部331を制御して、一対の擬似眼306,306の位置を変化させる。すなわち、視線を動かす。案内ロボット3が視線を動かすと、来訪者は案内ロボット3の視線につられて、案内ロボット3の視線の方向を見る。このように、案内ロボット3が視線を動かすことで、来訪者の視線を誘導して来訪者の位置または姿勢の変化を促すことができる。例えば、案内ロボット3の視線を撮像装置11に向けることで、来訪者の視線を撮像装置11に向けることができる。そして、来訪者が撮像装置11を見ると、撮像装置11によって来訪者の顔を撮像することができる。
【0048】
来訪者特定部454は、施設内画像取得部451が取得したショールーム内画像からショールーム1に来訪した来訪者を特定する。例えば来訪者特定部454は、ショールーム内画像から人物を抽出し、抽出した人物から顔画像をさらに抽出(認識)する。そして、来訪者データベース443に記憶された来訪者データの中から、抽出した顔画像と一致する顔画像を有する来訪者データを検索し、来訪者を特定する。抽出した顔画像と一致する顔画像を有する来訪者データがない場合には、新規の来訪者として、来訪者データベース443に記憶させる。
【0049】
また来訪者特定部454は、ショールーム内画像から抽出した人物から顔画像が抽出(認識)できず、来訪者が特定不能と判定した場合には、ロボット移動指示部457に制御信号を出力する。ロボット移動指示部457は、この制御信号を入力すると、この人物の下に案内ロボット3が派遣されるように案内ロボット3に移動を指示する。そして、ロボット画像取得部452が案内ロボット3にこの人物の顔を撮像させる。案内ロボット3が撮像した上記人物の顔画像を含む画像は、通信部41を介してロボット画像取得部452に入力され、来訪者特定部454は、ロボット画像取得部452に入力された上記人物の顔画像を用いて、上述と同様の方法にて来訪者を特定する。
【0050】
また来訪者特定部454は、ショールーム内画像から抽出した人物の位置を特定する。例えば、制御サーバ4は、ショールームDB442に、施設内に配置された撮像装置11の位置と撮影範囲とを記憶しておき、ショールーム内画像と、その画像を撮影した撮像装置11の位置と撮影範囲とに基づいて、来訪者の位置を特定してもよい。あるいは、撮像装置11のセンサ部113から取得したセンサ情報に基づいて人物を検出し、撮像装置11の撮像部112から取得したショールーム内画像に基づいて、検出した人物が来訪者であるか否かを判定してもよい。
【0051】
施設員特定部455は、例えば撮像装置11から取得したショールーム内画像に画像認識処理を行うことで、ショールーム内画像に施設員が写っていることを検出する。例えば、制御サーバ4は施設員DB444に格納された施設員の顔画像に基づいて、ショールーム内画像に写る人物がいずれの施設員であるかを判定してもよい。あるいは、施設員特定部455は、施設員の制服やアクセサリなど、所定のマーカに基づいてショールーム内画像に写る人物が施設員であるか否かを判定してもよい。なお、施設員特定部455は来訪者特定部454と同様に、センサ部113から取得したセンサ情報に基づいて人物を検出し、撮像部112から取得したショールーム内画像に基づいて、検出した人物が施設員であるか否かを判定してもよい。
【0052】
また、施設員特定部455は、施設員が発信機を有している場合には、施設内に複数設けられた受信機(不図示)から、発信機の位置情報または発信機から送信された基準信号の信号強度を取得することで、施設員の位置を特定してもよい。
【0053】
状態推定部456は、来訪者特定部454で特定した来訪者の感情を含む来訪者の状態を推定する。例えば、撮像装置11及び案内ロボット3の少なくともいずれかから取得した来訪者の顔画像に基づいて、来訪者が笑っている、怒っているなどの感情を推定する。また状態推定部456は、来訪者の動画像に基づいて、来訪者が辺りを見回していたり貧乏ゆすりなどのジェスチャを取っていることを検出し、不安や怒りなど応対を必要とする状態であると推定する。また、状態推定部456は、来訪者が持っている飲み物の残量が少なくなっていることを検出し、のどが渇いている、すなわち飲み物の追加が必要であると推定する。
【0054】
各来訪者の感情は、来訪者の仕草や挙動等に基づいて推定することができる。例えば、ショールーム内画像から抽出した来訪者の顔画像や、来訪者の動作等から来訪者の感情を推定する。例えば、来訪者が怒った顔をしている場合や、周りを見回していたり、貧乏ゆすりなどしていたりして落ち着きがない場合等は、機嫌が悪いと推定する。一方、来訪者がうれしそうな顔をしている場合や、来訪者同士で会話をしている場合等は、機嫌が良いと推定する。
【0055】
ロボット移動指示部457は、来訪者特定部454および施設員特定部455によって特定した来訪者と施設員との位置関係に基づいて、来訪者の下に案内ロボット3が派遣されるように案内ロボット3に移動を指示する。具体的には、ロボット移動指示部457は、案内ロボット3が移動すべき移動経路に関する情報を含む制御情報を、通信部41を介して案内ロボット3に送信する。移動経路に関する情報は、案内ロボット3の目的地に関する情報や、直進、30度右旋といった案内ロボット3の動作に関する情報を含んでもよい。
【0056】
このときロボット移動指示部457は、制御サーバ4によって指示された移動経路を移動している最中に、その場にとどまるよう指示を受けると、移動経路上の移動を中止して、その場に留まる。これによって、機嫌が悪いなどの応対の必要がある来訪者の近傍に案内ロボット3を移動させ、来訪者とコミュニケーションを取ってさらに来訪者の感情が悪化することを防ぐことができる。
【0057】
さらにロボット移動指示部457は、来訪者特定部454がショールーム内画像に基づいて来訪者を特定不能と判定した場合には、特定不能と判定された来訪者の下に案内ロボット3が派遣されるように案内ロボット3に移動を指示する。例えばロボット移動指示部457は、来訪者特定部454から出力される来訪者特定不能の制御信号を入力すると、来訪者特定部454にてショールーム内画像から抽出した人物の近傍に、案内ロボット3が派遣されるように案内ロボット3に移動を指示する。これによって、特定不能な来訪者の画像を収集することができ、新たに取得した画像に基づいて来訪者を特定したり、初めて来訪した来訪者の画像データを収集することができる。この場合、ロボット移動指示部457は、特定不能と判定された来訪者が施設内画像取得部451により取得されるショールーム内画像により特定可能となるような該来訪者の位置または姿勢の変化を促す動作を案内ロボット3に指示する。例えばロボット移動指示部457は、特定不能と判定された来訪者が撮像装置11の方を向く位置または姿勢となるように、案内ロボット3に移動を指示する。
【0058】
またロボット視線指示部453は、案内ロボット3の一対の擬似眼306の視線の方向を指示することで、該来訪者の視線を誘導して該来訪者の位置または姿勢の変化を促すことができる。例えば一対の擬似眼306,306の視線の方向を撮像装置11の方に移動する動作をさせることで、来訪者の視線を撮像装置11の方に誘導することが好ましい。このとき、例えばロボット移動指示部457が案内ロボット3に視線の移動に連動させた回転動作等を行わせることで、視線を誘導し易くなる。
【0059】
また、ロボット視線指示部453は、撮像部34で検出した来訪者の顔の方向に案内ロボット3の一対の擬似眼306を向けるように制御することで、来訪者に案内ロボット3と目が合ったように感じさせることができる。これによって、来訪者と案内ロボット3との会話中などに来訪者の顔が移動しても案内ロボット3の擬似眼306を追随することができ、来訪者は案内ロボット3が来訪者の話を聞いていると感じ、安心することができる。
【0060】
<第一実施例>
図5は、
図3のサーバ装置4の制御部45で実行される案内ロボット派遣処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、
図3のサーバ装置4の制御部45で実行される来訪者特定処理の一例を示すフローチャートである。
図7は来訪者の状態を特定する処理において使用されるユーザ状態と応対の必要性を示すスコアとを関連付けたテーブルの一例を示す図である。
図8は、来訪者と施設員との位置関係の一例を示す図である。
図5に示す処理は、例えばショールーム1を開店すると開始され、閉店するまで所定の時間間隔で実行される。
【0061】
図5に示すように、まずステップS1(S1と称する。後続の処理ステップも同様)において、施設内画像取得部451によってショールーム1に設置された複数の撮像装置11に撮像指示を送信し、ショールーム内の画像を撮影させて撮像装置11からショールーム内画像を取得する。この場合、ショールーム画像と、その画像を撮影した撮像装置11の識別子を合わせて取得する。
【0062】
次いで、S2で施設員の位置を特定する。例えば、S2では、S1にて取得したショールーム内画像に写る人物の顔画像と、施設員DB444に格納された施設員の顔画像との類似度を計算することによって、いずれの画像に施設員が写っているかを判定することができる。あるいは、ショールーム内画像に写る人物の画像と、服装、アクセサリなどの施設員が持つマーカの画像との比較を行うことで、いずれの画像に施設員が写っているかを判定することができる。また、施設員が写っている画像を撮影した撮像装置11と、その位置および向きに基づいて、施設員の位置を判定する。なお、上述したように、施設員が発信機を有する場合には、撮像装置11によって取得した画像を使用することなく施設員の位置を判定してもよい。
【0063】
なお、S2でショールーム内画像に基づいて施設員の位置を特定する場合、施設員特定部455は施設員の顔の向きも特定してもよい。これによって、施設員がいずれの来訪者の応対をしているのかを特定することができる。
【0064】
続いて、S3でサーバ装置4はS1で取得したショールーム内画像に基づいて来訪者の位置を特定する。例えば、S3では、S1にて取得したショールーム内画像に写る人物の顔画像と、来訪者DB443に格納された来訪者の顔画像とを比較することによって、いずれの画像に施設員が写っているかを判定することができる。
【0065】
S3では、
図6に示すように、まずS31で、来訪者特定部454での処理により、S1にて取得したショールーム内画像から施設に存在する人物を抽出する。ここで、人物を抽出したショールーム内画像に対応する撮像装置11を特定する。次いで、S32で、制御サーバ4は来訪者DB443から、来訪者の顔画像を取得する。一例では、S32で、来訪者の性別や年齢など、プロフィール情報を取得してもよい。すなわち、S32では、来訪者を特定可能な来訪者情報を取得する。次いで、S33で、S32で取得した来訪者情報と、S31で取得したショールーム内画像とから、いずれの来訪者がいずれの位置にいるかを特定する。例えば、人物を検出したショールーム内画像を撮影した撮像装置11と、その姿勢から、人物がいずれの位置にいるのかを特定することができる。また、ショールーム内画像の人物の顔の画像と、来訪者情報に含まれる顔画像との類似度を画像処理によって計算することにより、最も高い類似度の顔画像の来訪者がショールームに存在すると判定することができる。
【0066】
なお、ショールーム内画像から人物の顔の画像が抽出できない場合には、来訪者の位置のみを特定し、その位置に案内ロボット3が移動するように指示し、案内ロボット3の撮像部34から来訪者の顔画像を取得し、その案内ロボット3から受信した顔画像に基づいて来訪者を特定してもよい。
【0067】
また、S3では、来訪者特定部454は特定した来訪者の顔の向きも特定してもよい。これによって来訪者が注目している方向を取得することができる。
【0068】
なお、受付などにより特定の来訪者が施設内にいることをサーバ装置4が認識している場合には、施設内にいると認識している来訪者の顔画像を予め抽出しておき、撮像装置11が取得した画像と、抽出した来訪者の顔画像とを比較してもよい。これによって、来訪者の特定を高速に行える。
【0069】
続いて、S4でサーバ装置4は、S2で特定した施設員と来訪者との位置関係から、施設員が応対していない来訪者を特定し、その来訪者を移動先として案内ロボットを移動させるよう決定する。ここで、
図8に示す施設員と来訪者との位置関係の一例を参照して施設員が応対していない来訪者を特定する処理について説明する。
【0070】
図8では、6人の来訪者801、802、803、804、805、および806、施設員811、812、および813、並びに案内ロボット821、822が施設内に存在する。
【0071】
ここで、施設員811は来訪者801および802を、施設員812は来訪者803を、施設員813は来訪者804と会話しており、案内ロボット821は来訪者805に案内を行っている。
【0072】
この場合、それぞれ点線で示す来訪者801~805の所定の範囲内に施設員811~813および案内ロボット821の何れかが位置する。このように、来訪者、施設員、および案内ロボットの位置を特定することで、来訪者806にはいずれの施設員もいずれの案内ロボットも応対を行っていないことを検出することができる。このため、制御サーバ4は、来訪者806に案内ロボット822を派遣すると決定することができる。なお、所定の範囲は、来訪者を中心として半径3mなどの円形であってもよいし、来訪者の視線上であって来訪者から5m以下の距離であってもよく、システムごとに任意に設定することができる。
【0073】
なお、近傍に施設員が存在しない来訪者が複数存在する場合、制御サーバ4は、複数の来訪者の近傍を順番に移動してもよい。これによって、1台の案内ロボット3によって複数の来訪者を応対することができる。このような場合、制御サーバ4は、案内ロボット3の位置に近い来訪者に移動するように案内ロボット3に移動指示を行ってもよい。あるいは、制御サーバ4の来訪者DB443にそれぞれの来訪者に商品またはサービスを提供するために必要な残り所要時間や、来訪者が施設に来訪してからの滞在時間などの、来訪者の待ち時間が取得可能な場合には、待ち時間が長い順に案内ロボット3が移動するよう制御信号を送信してもよい。これによって、より滞在時間が長い来訪者や、今後長時間待つことが予想される来訪者に優先して案内ロボット3が応対することができ、滞在時間の長さで来訪者が不快に感じることを避けることができる。
【0074】
続いて、S5でロボット移動指示部457は、来訪者の近傍の所定の範囲内に案内ロボット822が移動するよう制御信号を案内ロボット822に送信する。一例では、制御信号は、案内ロボットの移動先、すなわち応対すべき来訪者の位置情報を含む。別の例では、制御信号は、来訪者の近傍の所定の範囲となる区間を含む案内ロボット822の移動経路情報を含む。
【0075】
なお、案内ロボット3は、来訪者の近傍で停止する必要はなく、制御サーバ4は案内ロボット3が来訪者の近傍を通過している間に以降のS6~S9の処理を行ってもよい。これによって、来訪者の近傍に案内ロボット3が停止したことで来訪者に威圧感を与えることを防ぐことができる。
【0076】
なお、S5では、制御サーバ4は所定の時間間隔で案内ロボットの撮像部34で画像を撮影して制御サーバ4に送信するよう指示してもよい。これによって、案内ロボット3の移動中にもS7以降で後述する来訪者の感情の推定を行うことができる。
【0077】
続いて、S6で、制御サーバ4は案内ロボット3が来訪者の近傍の所定の安易に移動したか否かを判定する。例えば、S6の処理の間、制御サーバ4は案内ロボット3のショールーム内での位置を取得し続け、S3で特定した来訪者の位置までの距離を計算することで来訪者の近傍に移動したか否かを判定することができる。来訪者の近傍の所定の範囲とは、例えば来訪者から3m以内などの所定の範囲であってもよいし、来訪者から5m以内かつ、撮像部34によって来訪者の顔が撮影できる範囲であってもよい。
【0078】
案内ロボット3が来訪者の近傍に移動したと判定した場合(S6でYes)、制御サーバ4は処理をS7に進め、案内ロボット3の撮像部34に撮影させ、来訪者の画像を取得する。これによって、撮像装置11から取得したショールーム内画像では来訪者を識別できなかった場合であっても、より近い距離から来訪者の写った画像を取得することができるため、制御サーバ4による来訪者の識別精度を高めることができる。
【0079】
続いて、制御サーバ4は処理をS8に進め、案内ロボット822によって取得した画像に基づき、来訪者の状態を推定する。S8で取得する画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0080】
例えば、S8では、来訪者のしかめ面、笑顔などの表情に基づいて来訪者の状態を推定してもよいし、腕組みや貧乏ゆすりなどの所定のジェスチャに基づいて来訪者の状態を推定してもよい。これによって、案内ロボット822または施設員によって早急に応対する必要性があると制御サーバ4が判断することができ、来訪者が不快に感じる前に円滑にサービスの提供を行うことができる。
【0081】
また例えば、S8では、制御サーバ4は、来訪者に提供された飲食物の残量を特定してもよい。例えば自動車販売店などでは、施設員が応対するまでの間や、車両点検などのサービスの提供を待っている間に、来訪者に飲み物やスナックなどの軽食が提供される場合がある。このような場合、来訪者は飲み物を飲んだ後に追加で飲み物が欲しいと感じうる。このため、制御サーバ4は、案内ロボット3から取得した画像に基づいて、来訪者の飲み物の残量を特定することで、来訪者に追加で飲み物を提供する必要があるか否かを判定することができる。
【0082】
次いで、制御サーバ4は処理をS9に進め、案内ロボット3に来訪者に対して応対を行う必要があるか否かを判定する。
【0083】
例えば、S8で特定した来訪者の飲み物の残量が所定の閾値より少ないか否かを判定する。あるいは、来訪者が周囲を見回しているか否かを判定する。このような場合には、案内ロボット3によって飲み物の追加の希望を受け付けたり、来訪者が興味を持っている事柄について情報提供を行うことができるため、案内ロボット3による応対が必要であると判断することができる。一方で、来訪者が笑っていたり、スマートフォンの操作などを行っている場合には、案内ロボット3による応対が必要ではないと判定する。
【0084】
一例では、S8では、来訪者の表情や、ジェスチャごとに、応対の必要性を予め数値として定めておき、来訪者の表情やジェスチャに応じて当該数値を合計し、合計値が閾値を上回っている場合には応対の必要があると判定してもよい。
【0085】
図7にユーザの状態と、それに関連付けられた応対の必要性を示すスコアのテーブルの一例を示す。
図7に示すテーブルは、制御サーバ4の記憶部44に格納される。
図7の例では、笑っている、会話している、電話している、スマートフォンの操作をしている場合には、案内ロボット3が応対しない方がよいため、応対の必要性としては負の値をとる。一方、泣いている、周囲を見回している、貧乏ゆすりをしている、飲み物の残量が閾値以下になっている、または怒った顔をしている場合には案内ロボット3によって応対した方がよいため、応対の必要性として正の値をとる。これらの項目のうち、来訪者に該当する項目の合計が10以上であれば応対の必要があると判定してもよい。なお、
図7に示すユーザ状態およびスコア、並びに応対の必要があると判定する閾値は施設の種類や提供されるサービスに応じて適宜設定されることができる。
【0086】
案内ロボット3による応対の必要があると判定した場合は(S9でYes)、制御サーバ4は処理をS10に進め、応対の必要があると判定した事項について案内ロボット3に応対の指示を行う。例えば、案内ロボット3の表示部に表示された擬似眼306を来訪者の飲み物に注目しているように表示させることができる。これによって、来訪者に飲み物の追加を促すことができる。この場合、制御サーバ4は、案内ロボット3の出力部33のスピーカ(不図示)から「飲み物の追加はいかがですか?」といった音声ガイダンスを再生してもよい。これによって来訪者は案内ロボット3が来訪者の飲み物の残量が少なくなったことを知ることができ、来訪者に飲み物の追加を促すことができる。
【0087】
また、S9において来訪者が周囲を見回していることによって案内ロボットによる応対の必要があると制御サーバ4が判断した場合は、案内ロボット3の表示部に表示された擬似眼306を来訪者に注目しているように表示させ、出力部33のスピーカ(不図示)から「お困りですか?」といった音声を再生してもよい。
【0088】
一方で、案内ロボット3によって応対の必要がないと判定した場合(S9でNo)、制御サーバ4は処理をS10に進め、案内ロボット3を来訪者の近傍の所定の範囲外に移動させるよう制御信号を送信する。
【0089】
以上説明したように、本実施例によれば、施設員が周囲に存在しない来訪者に案内ロボットを移動するよう制御サーバが指示することで、施設員の目が届かない来訪者の状況を把握することができる。また、来訪者が応対なく放置されていると感じることを防ぎ、来訪者が快適に施設に滞在することができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、案内ロボットは、来訪者の近傍に移動した後に、来訪者の画像を撮影する。これによって、来訪者に飲み物の追加を行うべきであることや、来訪者が不快に感じていると判定することができる。
【0091】
<第二実施例>
第一実施例では、周囲に施設員が存在しない来訪者に案内ロボットを派遣する処理について説明した。しかしながら、来訪者の近傍に施設員が存在せず、応対を希望しているような場合であっても、案内ロボットとのコミュニケーションを望まない場合がある。第二実施例では、来訪者に案内ロボットが撮影した来訪者の画像に基づいて、案内ロボットによって来訪者に干渉するか否かを判定する処理について説明する。
【0092】
なお、第一実施例と同様の処理、構成、および機能については説明を省略する。
【0093】
図9に、第二実施例に係る処理を示す。なお、S1~S8までの処理は第一実施例と同様のため説明を省略する。
【0094】
S81において、制御サーバ4は、S7で撮影した来訪者の画像に基づいて、案内ロボット3に対する来訪者の反応を推定する。例えば、S7で取得した画像に基づいて、来訪者の視線を推定し、来訪者の視線上に案内ロボット3が位置するか否かを判定する。
【0095】
続いて、S9で来訪者に応対の必要があるか否かを判定する。来訪者に応対の必要があると判定した場合、制御サーバ4は処理をS91に進め、案内ロボットへの反応が良好であるか否かを判定する。
【0096】
例えば、S81で来訪者の視線上に案内ロボット3が位置すると判定した場合、来訪者が案内ロボット3に興味を持っていると判定し、反応が良好であると判定して処理をS10に進める。あるいは、来訪者の視線上に案内ロボット3が位置し、かつ来訪者の表情が笑顔であると判定した場合には、反応が良好であると判定して処理をS10に進める。別の例では、来訪者の視線上に案内ロボット3が位置し、来訪者が案内ロボット3に向かって発話していると判定した場合には、反応が良好であると判定して処理をS10に進めてもよい。
【0097】
一方、S81で来訪者の視線上に案内ロボット3が位置しないと判定した場合、来訪者が案内ロボット3に興味を持っていないと判定し、反応が良好ではないと判定し、処理をS11に進める。あるいは、S81で来訪者の視線上に案内ロボット3が位置せず、案内ロボット3が近傍に存在しても他の来訪者との会話や、スマートフォンの操作などを継続していると判定した場合に、反応が良好ではないと判定して処理をS11に進める。別の例では、S81で来訪者の視線上に案内ロボット3が位置する場合であっても、来訪者の表情が怒りやしかめ面であると判定した場合には、反応が良好ではないと判定して処理をS11に進める。
【0098】
これによって、来訪者が案内ロボット3ではなく施設員による応対を望む場合に、案内ロボット3が来訪者に応対することを避けることができる。
【0099】
続いて、S10では、制御サーバ4は、記憶部44の来訪者DB443に来訪者に商品またはサービスを提供するまでの所要時間を特定可能な情報が格納されている場合には、案内ロボット3にその情報を送信し、表示部331またはスピーカを介して来訪者に残りの所要時間を通知してもよい。これによって、来訪者が残りの所要時間を知ることができ、来訪者の不安を軽減することができる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態によれば、限られた案内ロボット3を用いて、自動車販売店のショールーム1に来訪する来訪者に対して自動車販売店側による適当な接客を図ることができる。例えば長時間待たされて機嫌の悪くなった来訪者の下に案内ロボット3を派遣してコミュニケーションをとらせることで、機嫌よくさせたり、さらに機嫌が悪くなることを抑制したりすることができる。これにより、その後の自動車販売店側の販売員(例えば営業マン)等による商談等の接客をスムーズに行わせることができる。
【0101】
また例えば、案内ロボット3をショールーム1内に多数配置すると、来訪者に威圧感を与えかねず、自動車販売店側のコストも増大するが、施設員によって応対されていない来訪者に案内ロボット3を派遣することで、限られた案内ロボット3を用いた効率的なコミュニケーションが可能になる。
【0102】
また例えば、来訪者に対して、案内ロボット3に予め要件を訊かせたり、簡単な案内をさせたりすることができる。例えば、長時間待たされている来訪者や長い待ち時間が予想される来訪者に対して、予め、案内ロボット3に要件等を訊かせたり、簡単な案内をさせたりすることができる。これにより、その後の販売員(例えば営業マン)等による効率的な接客が可能になる。
【0103】
このように、本実施形態に係る制御サーバ4を用いることで、例えば、限られた案内ロボット3を用いた効率的かつスムーズな接客が可能になる。
【0104】
<その他の実施形態>
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【0105】
例えば、S8では、案内ロボット3が撮影した画像に基づいて来訪者の状態を推定するものとして説明を行った。一例では、制御サーバ4は案内ロボット3のセンサ部36が備えるマイクから音声を取得させ、音声に基づいて来訪者の状態を推定してもよい。これによって、来訪者の独り言や、来訪者間の会話、および来訪者が案内ロボット3に向けて話した言葉に基づいてより正確に来訪者の状態を推定することができる。
【0106】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の制御装置は、
自走可能なロボット(3)を制御する制御装置(4)であって、
施設員の位置を特定する施設員特定手段(455)と、
来訪者の位置を特定する来訪者特定手段(454)と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御手段(457)と、
を備え、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で特定した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定手段で特定した施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させることを特徴とする。
【0107】
これによって、施設員が近傍に存在しない来訪者に案内ロボットを派遣することができ、来訪者に適切な接客を行う案内ロボットを提供することができる。
【0108】
2.上記実施形態の制御装置において、
前記来訪者特定手段は、複数の撮像装置(11)から取得した画像に基づいて前記来訪者の前記位置を特定することを特徴とする。
【0109】
これによって、画像認識技術を用いて来訪者の位置を特定することができる。
【0110】
3.上記実施形態の制御装置において、
前記施設員特定手段は、複数の撮像装置から取得した画像に基づいて前記施設員の前記位置を特定することを特徴とする。
【0111】
これによって、画像認識技術を用いて施設員の位置を特定することができる。
【0112】
4.上記実施形態の制御装置において、
前記施設員特定手段は、施設員が有する発信機が出力する無線信号の信号強度に基づいて前記施設員の前記位置を特定することを特徴とする。
【0113】
これによって、無線通信などの測位技術を用いて施設員の位置を特定することができる。
【0114】
5.上記実施形態の制御装置において、
来訪者ごとに施設内の滞在時間情報を記憶する記憶手段(44)をさらに備え、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で特定した前記来訪者のうち、滞在時間が長い来訪者の近傍の所定の範囲内に前記ロボットを移動させることを特徴とする。
【0115】
これによって、滞在時間が長く、不快に感じている可能性が高い来訪者に優先的に案内ロボットを派遣することができる。
【0116】
6.上記実施形態の制御装置において、
前記制御手段は自走可能な複数のロボットの位置を特定するロボット特定手段をさらに有し、
前記来訪者特定手段で特定した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定手段で特定した施設員およびロボットが存在しないと判定した場合に、前記複数のロボットのうちのいずれかを前記所定の範囲内に移動させることを特徴とする。
【0117】
これによって、複数のロボットが来訪者の近傍に移動し、来訪者に威圧感を与えることを防ぐことができる。
【0118】
7.上記実施形態の制御装置において、
前記ロボットは、撮像部(34)を有し、
前記制御手段は、前記来訪者特定手段で検出した来訪者の近傍に移動した前記ロボットに前記来訪者の撮像指示を送信することを特徴とする。
【0119】
これによって、施設員によって目の届かない来訪者の状態を特定することができる。
【0120】
8.上記実施形態の制御装置において、
前記ロボットは、表示部(331)を有し、
前記ロボットの前記撮像部によって撮影した画像を取得する画像取得手段(452)をさらに有し、
前記制御手段は、前記画像取得手段で取得した前記画像から、前記来訪者の飲み物が所定の量より少ないと判定した場合、前記ロボットの表示部に飲み物が所定の量より少ないと判定したことを通知する表示を行うことを特徴とする。
【0121】
これによって、来訪者に飲み物の追加を促すことができる。
【0122】
9.上記実施形態の制御装置において、
前記制御手段は、前記ロボットが前記来訪者の近傍に移動した後に、前記施設員が前記来訪者の近傍に移動したことを検出した場合に、前記ロボットに前記来訪者の近傍から移動するよう指示を行うことを特徴とする。
【0123】
これによって、施設員が案内ロボットから応対を引き継ぐことができる。
【0124】
10.上記実施形態の制御方法は、
自走可能なロボットを制御する制御装置が実行する制御方法であって、
施設員の位置を特定する施設員特定工程と、
来訪者の位置を特定する来訪者特定工程と、
自走可能なロボットに移動を指示する制御工程と、
を備え、
前記制御工程において、前記制御装置は前記来訪者特定工程で検出した来訪者の近傍の所定の範囲内に前記施設員特定工程で特定した施設員が存在しないと判定した場合に、前記ロボットを前記所定の範囲内に移動させるよう指示を行うことを特徴とする。
【0125】
これによって、施設員が近傍に存在しない来訪者に案内ロボットを派遣することができ、来訪者に適切な接客を行う案内ロボットを提供することができる。
【0126】
11.上記実施形態のロボット制御システムは、
上記実施形態1.から9.の何れか1つの制御装置と、
前記制御装置と通信可能な撮像装置と、
前記制御装置と通信可能で自走可能な前記ロボットと、
を備えることを特徴とする。
【0127】
これによって、施設員が近傍に存在しない来訪者に案内ロボットを派遣することができ、来訪者に適切な接客を行う案内ロボットを提供することができる。
【符号の説明】
【0128】
1:ショールーム、3:案内ロボット、4:制御サーバ、11:撮像装置、306:擬似眼、305:表示部