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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】暖房機
(51)【国際特許分類】
   F24H 3/00 20220101AFI20241022BHJP
【FI】
F24H3/00 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021046369
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022145104
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敦史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕悦
(72)【発明者】
【氏名】水越 悠介
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-004694(JP,A)
【文献】実開平05-093305(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1292686(KR,B1)
【文献】特開2016-081884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 3/00 - 3/04
F21V 23/00 - 99/00
F23K 5/00 - 5/22
F23N 1/00 - 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータの熱を放熱する放熱部を内部に収容した筐体と、
当該筐体の上面に沿って配置される上カバーと、
当該筐体の下端に位置し前記筐体を載置する下板と、
前記下板の下方で水平方向の端部と接続し床面に設置された脚部と、を備え、
前記下板は、筐体内に空気を取り入れるヒータ室側吸込口を有し、
前記上カバーは、前記ヒータ室側吸込口から取り入れられ、下から上に向かって流れる空気を吹き出すヒータ室側吹出口を有し、
前記下板に床面と対向する発光手段を配設し
前記発光手段は、前記下板に形成された収納部に収納され、
前記発光手段の下方に前記収納部を覆うカバーを設置し、
前記発光手段は、発光部と、当該発光部を設置する発光基板と、当該発光基板と接続する結線と、で構成され、
前記収納部には、前記筐体の下部から上部へ向かい空気が流通可能な穴が少なくとも上下方向に分離して形成されたことを特徴とする暖房機。
【請求項2】
前記穴は、前記収納部の側面に形成されたことを特徴とする請求項1記載の暖房機。
【請求項3】
前記収納部は、前記ヒータ室側吸込口の略中央に位置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、ヒータの熱を放熱する放熱部を筐体の内部に収容し、放熱部から放熱される熱で空調対象の空気を暖める暖房機があった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-4694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、夜間に暖房した状態で就寝した後、室内の照明を点灯させない状態で移動する場合、筐体の足元周辺を目視で確認することができないため、ユーザが筐体に衝突する虞があることから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、ヒータの熱を放熱する放熱部を内部に収容した筐体と、当該筐体の上面に沿って配置される上カバーと、当該筐体の下端に位置し前記筐体を載置する下板と、前記下板の下方で水平方向の端部と接続し床面に設置された脚部と、を備え、前記下板は、筐体内に空気を取り入れるヒータ室側吸込口を有し、前記上カバーは、前記ヒータ室側吸込口から取り入れられ、下から上に向かって流れる空気を吹き出すヒータ室側吹出口を有し、前記下板に床面と対向する発光手段を配設し、前記発光手段は、前記下板に形成された収納部に収納され、前記発光手段の下方に前記収納部を覆うカバーを設置し、前記発光手段は、発光部と、当該発光部を設置する発光基板と、当該発光基板と接続する結線と、で構成され、前記収納部には、前記筐体の下部から上部へ向かい空気が流通可能な穴が少なくとも上下方向に分離して形成されたことを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記穴は、前記収納部の側面に形成されたことを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、収納部は、前記ヒータ室側吸込口の略中央に位置したことを特徴とした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、下板に床面と対向する発光手段を配設したので、夜間に室内の照明を点灯させず移動しても、筐体の下部付近を目視で確認することができるため、ユーザが筐体に衝突する虞を低減できる。また、ヒータに通電されることで放熱部付近が加熱され、筐体の下部から上部へ向かう空気の流れが発生する。このとき、下板のヒータ室側吸込口を通過した空気の一部が、収納部の下の穴を通過して収納部内に入る。収納部内に入った空気は、収納部の上の穴を通過して収納部外へ抜ける。収納部内に空気の流れが発生し、室内空気が発光基板付近を通過して発光基板が冷却される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る暖房機の一実施形態を示す暖房機の右前方から見た斜視図。
図2】暖房機の前板および左右パネルを取り外し、右前方から見た斜視図。
図3図1のIII-III線に沿う断面図
図4】暖房機の機能ブロック図。
図5】暖房機の下板、基板、カバーを説明する斜視図
図6】暖房機の下板を説明する斜視図
図7】暖房機の下板を説明する底面視図
図8図7のVIII-VIII線に沿う断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る暖房機の実施形態を図1から図4を参照して説明する。
【0012】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、および「左」は、図1から図3における定義に従う。また、上下方向は、暖房機1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向および左右方向は、暖房機1の設置時における水平方向に対応する。
【0013】
暖房機1は、放熱部10と、ヒータ20と、筐体30と、主制御基板70と、電源基板80と、を主に有する。
【0014】
放熱部10は、上段放熱部10a、中段放熱部10b、および下段放熱部10cを有する。上段放熱部10a、中段放熱部10b、および下段放熱部10c(以下これらを区別しない場合、単に「放熱部10」という。)は、それぞれ上段ヒータ20a、中段ヒータ20b、および下段ヒータ20c(以下これらを区別しない場合、単に「ヒータ20」という。)を内部に収容し、ヒータ20の熱を外表面から放熱する。放熱部10は、例えばアルミニウム合金のダイカスト成形品である。放熱部10は、ヒータ収容部11と、複数のフィン12と、を有する。ヒータ収容部11は、前後方向に沿う面方向を有する2枚の板状部材13の間に形成され、ヒータ20を収容する。フィン12は、板状部材13から略垂直に左右方向に突出し、上下方向に延びる(上下方向に沿う面方向を有する)。フィン12は、前後方向に沿って、例えば略等間隔で配列される。放熱部10は、左右側面においてボルト14により固定具15と連結される。放熱部10は、この固定具15を介して一対の遮熱板50に固定(架設)される。
【0015】
ヒータ20は、両端に端子21を有する、例えばシーズヒータである。ヒータ20は、主に前後方向に延びたU字形状を有する。ヒータ20は、端子21を放熱部10から露出してヒータ収容部11に収容されている。ヒータ20は、放熱部10の内部に鋳込まれることにより、放熱部10と一体成形される。
【0016】
筐体30は、放熱部10を収容し、暖房機1の外郭をなす。筐体30は、前板31と、後板32と、下板33と、上カバー34と、左右パネル35と、遮熱板50と、仕切板60と、を有する。前板31、後板32、下板33、上カバー34、および左右パネル35は、例えば冷間圧延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板などの薄鋼板からなる。遮熱板50および仕切板60は、例えば薄鋼板からなる。
【0017】
前板31は、暖房機1の前面に沿って配置される。前板31は、表示部37と、操作部38と、前側取っ手39と、を有する。表示部37は、暖房機1の運転状態や操作内容を表示する、例えば液晶表示パネルである。操作部38は、暖房機1の電源のオン、オフや、運転内容の指示を受け付ける。前側取っ手39は、表示部37の上方に配置され、ユーザによる暖房機1の移動に用いられる。後板32は、暖房機1の後面に沿って配置される。後板32は、前側取っ手39と前後方向において対になる位置に、後側取っ手(図示せず)を有する。
【0018】
下板33は、暖房機1の下面に沿って配置される。下板33は、前板31、後板32、および遮熱板50のベースで、筐体30を載置する。下板33は、暖房機1を移動するために用いられる脚部としての一対のキャスター付脚41を下方の前後方向において対になる位置に有する。キャスター付脚41は、下板33の水平方向両端となる前後方向の端部と接続する。
【0019】
また、下板33は、前後方向においてヒータ室30aおよび基板室30bに亘って配置される。ヒータ室30a側に位置する下板33は、ヒータ室30aに空気を取り入れる格子状のヒータ室側吸込口40aを有する。基板室30b側に位置する下板33は、基板室30bに空気を取り入れる基板室側吸込口40bを有する。すなわち、基板室側吸込口40bは、基板室30bにおける鉛直方向下方に設けられる吸込口である。
【0020】
上カバー34は、暖房機1の上面に沿って配置される。上カバー34は、グリル42と、金網43と、パネル取付具45と、を有する。グリル42は、ヒータ室側吸込口40aまたは基板室側吸込口40bから取り入れられ、暖房機1内を下から上に向かって流れる空気を吹き出すヒータ室側吹出口46aを有する。金網43は、ヒータ室側吹出口46aを塞ぐように、グリル42の下方に配置される。パネル取付具45は、金網43の下方に配置され、一対の遮熱板50間に前後に架設された枠部材である。パネル取付具45は、左右パネル35を固定するための構造である爪部45aを左右の枠面に有する。
【0021】
左右パネル35は、暖房機1の左右側面に沿ってそれぞれ配置される。左右パネル35は、放熱部10からの高温の熱に対するユーザの安全性を確保するため、放熱部10を覆って遮蔽する。これにより、暖房機1の内部はユーザにより視認されない。
【0022】
左右パネル35は、上端に内面方向の折返し(図示せず)を有する。左右パネル35の上端は、この折り返しをパネル取付具45の爪部45aに引っ掛けることにより固定されている。左右パネル35の下端は、下板33にネジ止めされることにより固定されている。また、左右パネル35の前後端は、前板31および後板32にそれぞれ係止されている。左右パネル35の中央部36aは、外縁部36bに対して放熱部10から離れるように膨出した形状を有している。これにより左右パネル35は、遮熱板50とは非接触に固定されているとともに、放熱部10との間に一定の隙間が設けられている。このため、左右パネル35は、過剰な温度上昇が抑制されている。
【0023】
遮熱板50は、放熱部10からの熱を、前板31および後板32と放熱部10との間で遮熱する。遮熱板50は、下板33に下部が固定され、遮熱板50の上方に位置するパネル取付具45に上部が固定される。これにより、遮熱板50、パネル取付具45および下板33は、暖房機1(ヒータ室30a)の内部骨格を構成している。
【0024】
前方に配置され、前板31と対向する前遮熱板51は、主制御基板70、電源基板80、リード線87などの電子部品と、放熱部10との間を前後方向(鉛直方向に直交する水平方向)に仕切り、放熱部10と電子部品とを隔離する。すなわち、前遮熱板51は、筐体30がヒータ20を収容するヒータ室30aと、電源基板80、サーモスタット85、リード線87および主制御基板70を収容する基板室30bと、を有するように、筐体30内部を区画する。前遮熱板51は、鉛直方向上方に、基板室側吹出口46b(吹出口)を有する。基板室側吹出口46bは、基板室30bを自然対流で上昇する空気をヒータ室30a側に放出する。
【0025】
仕切板60は、基板室30b内に配置され、基板室30bを電源基板80およびリード線87を含む第一空間90と、主制御基板70を含む第二空間91と、に仕切る。第二空間91は、仕切板60が位置する上下方向の範囲において、仕切板60より前方に位置する空間である。第一空間90は、基板室30bにおける第二空間91以外の空間である。なお、図2および図3から明らかなとおり、第一空間90と第二空間91とは、仕切板60により全ての境界が明確に隔離されているわけではない。
【0026】
仕切板60は、基面61と、傾斜面62と、固定片63と、を有する。基面61は、上下方向に沿う面方向を有する平板である。基面61は、図3に示すように、主制御基板70よりも後方であって、電源基板80およびリード線87よりも前方に配置される。基面61の上端61a(仕切板60の上端)は、電源基板80からの放熱、およびリード線87からのノイズを考慮して、主制御基板70の上方に位置する。基面61の左右の辺61bと遮熱板50との間には、遮熱性およびノイズに対する遮蔽性から、隙間が設けられないのが好ましい。
【0027】
傾斜面62は、基面61の下端(基面下端61c)と連続的に形成された平板であり、基面下端61c位置から下方に向けて前板31に近づくように傾斜する。傾斜面62の下端(傾斜面下端62c)は、前板31に対して隙間92を有する。傾斜面下端62cは、主制御基板70よりも下方に位置する。固定片63は、基面61の左右の辺61bに断続的に設けられ、仕切板60を前遮熱板51の左右側面51aに固定する。
【0028】
仕切板60は、傾斜面下端62c(仕切板60の下端)において、基板室側吸込口40bから吸い込まれ基板室側吹出口46bに向う空気の流路を、第一流路と、第二流路と、に分岐する。第一流路は、第一空間90を経由する、すなわち仕切板60の後方を経由する流路である。第二流路は、第二空間91を経由する、すなわち仕切板60の前方を経由する流路である。
【0029】
主制御基板70は、暖房機1を統括的に制御するマイクロコンピュータを有する回路基板である。主制御基板70は、操作部38を介してユーザの指示を受け付け、この指示に基づいて電源基板80からヒータ20への電源の供給を制御する。また、主制御基板70は、必要な情報を表示するため表示部37を制御する。主制御基板70は、表示部37および操作部38とともに、前板31の表示部37および操作部38の背面側に固定されている。
【0030】
主制御基板70は、室温サーミスタ71およびプラグサーミスタ72と接続されている。室温サーミスタ71は、キャスター付脚41に固定され、暖房機1の外部の温度を室温として検出する。主制御基板70は、室温サーミスタ71から得られた室温に基づいて、ヒータ20の出力を制御する。プラグサーミスタ72は、電源プラグ86内に収容されたサーミスタであり、電源プラグ86の温度を検出する。主制御基板70は、プラグサーミスタ72から、トラッキング現象などが発生したとみなされる異常な高温を検出した場合、暖房機1の電源をオフする(ヒータ20への電力供給を停止する)。
【0031】
電源基板80は、主制御基板70の制御に基づいて、各ヒータ20へ電源を供給する。電源基板80は、トライアック81と、ヒートシンク82と、を主に有する。トライアック81は、ヒータ20への電源供給をオン、オフ制御する。ヒートシンク82は、トライアック81の熱を放熱する。
【0032】
また、電源基板80は、サーモスタット85および電源プラグ86と接続されている。サーモスタット85は、リード線87および電源基板80を介して電源プラグ86と直列に接続されている。サーモスタット85は、電源基板80の鉛直方向上方であって、かつ主制御基板70および仕切板60よりも上方に配置される。サーモスタット85は、前遮熱板51に固定され、基板室30bの雰囲気温度が異常な高温となった場合、暖房機1の電源をオフする(ヒータ20への電力供給を遮断する)。
【0033】
主制御基板70は、電源基板80とサーモスタット85の間であって、第二空間91に配置されている。電源基板80は、主制御基板70の下方であって、第一空間90に配置されている。また、リード線87は、第一空間90を上下方向に延びている。
【0034】
次に、図5から図8を参照して下板33の略中央部付近の構造について詳述する。
【0035】
100は下板33の略中央に形成され内部が中空で下面100aが開放された収納部である。収納部100は、暖房機1を床面に設置したとき、下面100aが床面と所定距離だけ離れた状態で対向する。収納部100は、前後方向の側面に上穴101が形成され、上穴101の左右それぞれに下穴102が形成されている。上穴101と下穴102は、上穴101が下穴102の上方となるよう、上下方向に分離するように形成されている。収納部100は、上面に3箇所の係止孔103とネジ止め孔104とが形成されている。収納部100は、左側面に後述する結線123が通過する結線穴105が形成されている。収納部100は、上端面に後述する発光基板122を係止する基板係止ツメ106が形成されている。
【0036】
110は収納部100の下面100aを覆うように設置する透光性を有し上方視略円形状のカバー面110aを有したカバーである。カバー110は、側面端部の2箇所にツメ111が形成され、ツメ111の左右に凸部112が形成されている。ツメ111、及び凸部112は弾性を有している。
【0037】
ユーザがカバー110を収納部100の下面100aに合わせて上方に持ち上げると、ツメ111が上穴101に嵌まり込み、凸部112が下穴102に嵌まり込むことで、カバー110が下面100aに装着される。ツメ111が上穴101の嵌まり込むことで、カバー110の脱落を防止できる。凸部112が下穴102に嵌まり込むことで、カバー110が水平方向へ回転することでの位置ずれを阻止できる。
また、ユーザがツメ111を収納部100の中心方向へ撓ませ、上穴101からツメ111を抜き出して下方へ引っ張ることで、カバー110を下面100aから取り外すことができる。
【0038】
120は収納部100内に収納される発光手段である。発光手段120は、LEDで構成された発光部121と、発光部121が略中央に設置されマイコンで構成された発光基板122と、一端が発光基板122と接続し他端が主制御基板70と接続する結線123と、で構成されている。
【0039】
発光部121は、ユーザによる操作部38にある図示しない足元照明スイッチの操作を受け、発光部121の点灯、及び消灯を切り替える。発光部121の点灯状態は、操作部38により複数段階で照度が切替可能であり、操作部38の操作を受けて所定の照度となるよう調整する。
【0040】
発光基板122は、図示しない3箇所に形成された引っ掛け部が係止孔103に引っ掛かり、端部が基板係止ツメ106により係止され、ネジ124が発光基板122に形成されたネジ孔122aを貫通してネジ止め孔104に螺着されることで、収納部100の上端略中央に配設される。収納部100に発光基板122が配設されると、発光部121と床面との間の距離が確保され、発光部121の点灯時に筐体30の床面をムラなく照らすことができる。暖房機1が設置された部屋が消灯し発光部121が点灯した状態のとき、暖房機1の位置をユーザが容易に把握することができる。
【0041】
結線123は、収納部100の結線穴105を介して主制御基板70に接続されている。操作部38の指示、及び電源基板80の電流を発光基板122へ送電し、発光部121を所定の照度で発光、あるいは消灯させる。
【0042】
通常運転時、ヒータ20に通電されることで放熱部10付近が加熱され、筐体30の下部から上部へ向かう空気の流れが発生する。このとき、下板33のヒータ室側吸込口40aを通過した空気の一部が、下穴102にある凸部112との隙間を通過して収納部100内に入る。収納部100内に入った空気は、上穴101にあるツメ111との隙間、あるいは結線穴105を通過して収納部100外へ抜ける。収納部100内に空気の流れが発生し、室内空気が発光基板122付近を通過して発光基板122が冷却される。
【0043】
収納部100内に設置された発光基板122は、下段ヒータ20cがその上部に位置する。ヒータ20の駆動時、発光基板122はヒータ20の熱影響により温度が上昇しやすい。上穴101、下穴102、結線穴105により収納部100内に空気の流れが発生することで、発光基板122が冷却され温度上昇を未然に阻止できる。発光基板122が温度上昇し、発光基板122に配置された機能部品が熱損傷することが阻止できる。
【0044】
また、上穴101、下穴102、及び結線穴105は収納部100の側面に形成されている。収納部100の上方には下段ヒータ20cが位置し熱の影響を受けやすい。収納部100の側面に各穴が形成されたことで、下段ヒータ20cの影響を受けず空気が流れる。発光基板122を効率よく冷却することができる。
【0045】
また、下板33のヒータ室側吸込口40aの略中央に発光手段120を内部に収納した収納部100が位置するので、ヒータ20が駆動することで格子状のヒータ室側吸込口40aを通過し、筐体30を上昇する自然対流によるドラフトの偏りが抑制でき、均一なドラフトが実現できる。ヒータ室側吹出口46aから均一に空気が上昇し、暖房感を損なうことがない。
【0046】
また、下板33のヒータ室側吸込口40aの略中央に発光手段120を内部に収納した収納部100が位置するので、発光部121とキャスター付脚41との間が前後方向において等間隔となる。発光部121が点灯したとき、キャスター付脚41により不自然な影が床面に発生することがないため、自然な間接照明が実現できる。
【0047】
次に、本発明の効果を説明する。
【0048】
暖房機1の筐体30を載置する下板33に床面と対向する発光手段120を配設した。ユーザが夜間に室内の照明を点灯させずに移動しても、筐体30の下部付近を目視で確認することができる。よって、ユーザが暖房機1に衝突する虞を低減できる。
【0049】
発光手段120は、下板33に形成された収納部100に収納され、発光手段120の下方に収納部100を覆うカバー110を設置した。ユーザが暖房機1を見たとき、発光手段120を直接的に視認することができない。暖房機1の美観が向上する。
【0050】
発光手段120は、発光部121と、当該発光部121を設置する発光基板122と、当該発光基板122と接続する結線123と、で構成され、収納部100には、空気が流通可能な穴が少なくとも上下方向に分離して形成された。収納部100には、カバー110の凸部112が嵌まり込む下穴102と、カバー110のツメ111が嵌まり込む上穴101と、発光基板122と接続する結線123が通過する結線穴105が形成されている。上下方向において、上穴101と結線穴105とが下穴102よりも上方に位置する。ヒータ20に通電したとき、空気が加熱され上昇する空気の流れが発生し、下穴102から収納部100内に入った空気が上穴101、または結線穴105から収納部100外に抜ける。収納部100内で空気が循環し発光基板122を冷却する。発光基板122上に配置された機能部品の熱損傷を防止できる。
【0051】
上穴101、下穴102、及び結線穴105は、収納部100の側面に形成された。下板33の上方はヒータ20が存在し、ヒータ20が駆動すると高温になる。収納部100の上方はヒータ20による熱の影響を受けやすい。収納部100の側面に上穴101、下穴102、及び結線穴105が形成されたことで、ヒータ20による熱の影響が少ない。下穴102から収納部100内に入った室内空気をヒータ20の熱影響を受けず、上穴101、及び結線穴105から収納部100外へ出すことができる。発光基板122を効率よく冷却することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、収納部100の側面に形成された上穴101、下穴102、及び結線穴105により空気が流通する内容で説明したが、床面と対向するカバー110に貫通穴を形成し、貫通穴と収納部100側面に形成された各穴とで空気が流通するものであってもよい。カバー110の貫通穴から空気が収納部100内に入り込み、収納部100の側面に形成された各穴から空気が抜け出す。発光基板122を効率よく冷却することができる。
【0053】
また、本実施形態では、発光基板122が収納部100の上面略中央位置に配設されているが、発光部121により照射される光が暖房機1下方の床面を照らすことが可能であれば、ここに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1 暖房機
10 放熱部
20 ヒータ
30 筐体
33 下板
41 キャスター付脚(脚部)
100 収納部
101 上穴
102 下穴
105 結線穴
110 カバー
120 発光手段
121 発光部
122 発光基板
123 結線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8