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  • 特許-センサ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
G01L19/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021057855
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154699
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】森 雷太
(72)【発明者】
【氏名】神谷 聡
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-541049(JP,A)
【文献】特開2019-100766(JP,A)
【文献】特許第3100986(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32,27/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータにより加熱されるセンサを含むセンサ部と、
前記センサ部の上方に間隔をあけて配置された回路基板と、
前記センサ部と前記回路基板とを繋ぐ配線と、
前記センサ部、前記回路基板、及び、前記配線を収容するケースと、を備え、
前記ケースは、当該ケース内の空間を前記回路基板を収容する第1空間と当該第1空間の下かつ前記センサ部の上の第2空間とに仕切る天井板と、前記第2空間を区画する内壁面を構成する筒状の側壁と、を備え、
前記配線は、前記センサ部から前記第2空間を上下方向に縦断して、前記天井板に形成された孔を通って前記回路基板に至っており、
前記側壁には、前記ケースの外部の空気が前記第2空間内に流入する流入口と、前記第2空間に流入した前記空気が前記ケースの外部に流出する、前記流入口よりも上方の位置に配置された流出口と、が設けられている、
センサ装置。
【請求項2】
前記センサ部は、前記ヒータと前記センサの温度を測定する温度センサとを備え、
前記配線は、前記センサ、前記ヒータ、又は、前記温度センサと前記回路基板とを繋いでいる、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記配線は、前記流入口から流入した空気が前記配線を横切る位置を通っている、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記配線は、前記流入口から流入した空気が前記配線に直接当たる位置を通っている、
請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記ケースは、前記流入口から前記第2空間に流入した空気が、前記流入口側に逆流することを防止する、前記天井板の前記流入口側の端部から下方向に延びた逆流防止板を備える、
請求項1~4のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記第2空間と前記センサ部との間に断熱材をさらに備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隔膜真空計などの各種のセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヒータにより加熱されるセンサを含むセンサ部(センサ2及びヒータH)と、センサ部の上方に間隔をあけて配置された回路基板(基板31)と、センサ部と回路基板とを繋ぐ配線(コネクタ5又はその中の信号線)と、センサ部、回路基板、及び、配線を収容するケース(外側ケース41)と、を備えるセンサ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-155500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のセンサ装置では、ヒータによるセンサ加熱時の熱が、配線と断熱材との隙間から上方に移動して回路基板を加熱してしまう。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、ヒータによるセンサ加熱時の熱により回路基板が加熱されることを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るセンサ装置は、ヒータにより加熱されるセンサを含むセンサ部と、前記センサ部の上方に間隔をあけて配置された回路基板と、前記センサ部と前記回路基板とを繋ぐ配線と、前記センサ部、前記回路基板、及び、前記配線を収容するケースと、を備え、前記ケースは、当該ケース内の空間を前記回路基板を収容する第1空間と当該第1空間の下かつ前記センサ部の上の第2空間とに仕切る天井板と、前記第2空間を区画する内壁面を構成する筒状の側壁と、を備え、前記配線は、前記センサ部から前記第2空間を上下方向に縦断して、前記天井板に形成された孔を通って前記回路基板に至っており、前記側壁には、前記ケースの外部の空気が前記第2空間内に流入する流入口と、前記第2空間に流入した前記空気が前記ケースの外部に流出する、前記流入口よりも上方の位置に配置された流出口と、が設けられている。
【0007】
前記センサ部は、前記ヒータと前記センサの温度を測定する温度センサとを備え、前記配線は、前記センサ、前記ヒータ、又は、前記温度センサと前記回路基板とを繋いでいる、ようにしてもよい。
【0008】
前記配線は、前記流入口から流入した空気が前記配線を横切る位置を通っている、ようにしてもよい。
【0009】
前記配線は、前記流入口から流入した空気が前記配線に直接当たる位置を通っている、ようにしてもよい。
【0010】
前記ケースは、前記流入口から前記第2空間に流入した空気が、前記流入口側に逆流することを防止する、前記天井板の前記流入口側の端部から下方向に延びた逆流防止板を備える、ようにしてもよい。
【0011】
前記第2空間と前記センサ部との間に断熱材をさらに備える、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ヒータによるセンサ加熱時の熱により回路基板が加熱されることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るセンサ装置の要部断面図である。
図2図2は、側壁に設けられた流入口及び流出口の位置関係を示す模式図である。
図3図3は、センサ装置内の空気の流れを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るセンサ装置を、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係るセンサ装置10は、半導体制御装置等の真空チャンバTに接続された配管Hに不図示の継手を介して接続され、真空チャンバTから配管Hに導入されるプロセスガスの気圧を測定する隔膜真空計として構成されている。
【0016】
センサ装置10は、センサ部20と、断熱部30と、回路基板40と、ケース50と、を備える。センサ装置10は、センサ部20と回路基板40とを繋ぐ配線L1~L3も備える。なお、図1において、配線L1~L3は断面図ではなく立面図として描かれている。
【0017】
センサ部20は、圧力センサ21と、端子板22と、ヒータ25と、ヒータ支持部材26と、温度センサ27と、を備える。
【0018】
圧力センサ21は、そのケース21Aの内部に、真空室R1と、配管H内のプロセスガスが流入する流入室R2と、を備える。圧力センサ21は、上記プロセスガスの気圧を検出するように構成されている。具体的に、圧力センサ21は、真空室R1と流入室R2との境界に配置されたセンサ素子21B(図1等では、模式的にブロックで描いている)と、センサ素子21Bに接続された導電ピン21Cと、を備える。センサ素子21Bは、真空室R1及び流入室R2の各気圧の差圧に応じて変形するダイアフラム(隔膜)を有する。センサ素子21Bは、ダイアフラムの変形度に応じた抵抗値又は静電容量値を示す電気信号を出力することで、真空室R1の気圧を基準としたプロセスガスの気圧を検出する。導電ピン21Cは、ケース21Aを貫通しており、センサ素子21Bが出力する電気信号をケース21A外部に伝送する。
【0019】
導電ピン21Cは、導電性を有する端子板22を介して、同軸ケーブルである配線L1に電気的に接続されている。端子板22と導電ピン21Cとの接続、及び、端子板22と配線L1との接続は、溶接等により行われる。なお、導電ピン21Cを囲むように円筒状のシールドを設け、このシールドと同軸ケーブルの外部導体とを接続し、導電ピン21Cなどの信号電位が圧力センサ21の金属製のケース21Aの電位の影響を受けないようにしてもよい。また、導電ピン21C及び配線L1の数は、図1においては1つであるが、2以上であってもよい。
【0020】
ヒータ25は、プロセスガスが圧力センサ21内で析出することを防止するために圧力センサ21を加熱する。ヒータ25は、円筒状のバンドヒータであり(図1において内部構造は省略)、円筒状のヒータ支持部材26に締め付け固定されている。この締め付け固定により、ヒータ支持部材26はヒータ25を支持している。ヒータ25には、回路基板40から配線L2を介して電力が供給される。この供給によりヒータ25は発熱する。ヒータ支持部材26は、内周方向に突出した円環状の突出部26Aを備える。突出部26Aは、圧力センサ21の外周部の段差に係合している。この係合により、ヒータ支持部材26は、ヒータ25とともに圧力センサ21により支持される。
【0021】
温度センサ27は、圧力センサ21に接触し、ヒータ25により加熱される圧力センサ21の温度を検出する。図1において温度センサ27の内部構造は省略されている。温度センサ27は、検出した温度を、配線L3を介して回路基板40に出力する。
【0022】
断熱部30は、センサ部20を囲む円筒状の断熱材31と、センサ部20の上方に配置された円板形状の断熱材32と、を備える。断熱部30は、全体として、センサ部20を上方から覆い、ヒータ25の熱乃至圧力センサ21の熱が回路基板40などに悪影響を与えないように、当該熱を断熱する。断熱材31及び32は、断熱効果のある任意の材料(合成樹脂など)により構成される。断熱材32は、圧力センサ21などの熱が上方に移動することを抑制している。
【0023】
回路基板40は、複数の基板が組み立てられて構成されている。回路基板40には、各種の処理を行う回路(マイコンなどを含む)が実装されている。回路基板40は、配線L1~L3が接続されている。例えば、センサ素子21Bが容量式の場合、回路基板40は、複数の配線L1のいずれかを介してセンサ素子21Bに交流電圧を印加する。さらに、回路基板40は、複数の配線L1のいずれかを介して、センサ素子21Bにより構成されるコンデンサの容量値に応じて変化する電圧信号を取得する。これらにより、センサ素子21Bにより出力され導電ピン21Cにより取り出された電気信号が、配線L1により伝送されて回路基板40に供給される。回路基板40は、取得した電気信号に基づいて処理を行う。例えば、回路基板40は、電気信号を増幅、アナログデジタル変換等して、当該電気信号が示すプロセスガスの気圧を表す所定形式のデータを得る。この所定形式のデータは、例えば、センサ装置10の上位装置(例えば、半導体製造装置等のコントローラ)が扱える形式のデータであり、当該上位装置に出力される。回路基板40は、温度センサ27から出力された温度を配線L3を介して受信し、当該温度をフィードバック値として、圧力センサ21が所望の温度(例えば、200℃)となるように、配線L2を介してヒータ25に供給する電力を制御する。以上のように、回路基板40は、配線L1~L3を介してセンサ部20を制御等する。
【0024】
ケース50は、センサ部20、断熱部30、回路基板40、及び、配線L1~L3を収容する。ケース50は、センサ部20及び断熱部30を収容するセンサケース51と、回路基板40を収容する基板ケース56と、を備える。
【0025】
センサケース51は、全体として径方向に厚みを有する円筒形状の内ケース52と、内ケース52を外側から覆うカップ状の外ケース53と、を備える。内ケース52は、断面が逆U字形状の円環状の上内ケース52Aと、中央が貫通孔となっているカップ状の下内ケース52Bとを含んで構成されている。内ケース52は、内部に円筒状の断熱材31を収容している。円板状の断熱材32は、上内ケース52Aの内周壁に嵌め込まれている。断熱材32は、柔軟性を有しており、上内ケース52Aの中を通る配線L1~L3を上内ケース52Aの内周壁に押し付ける。配線L1~L3は、断熱材32の外周部が周囲に回り込む態様で、断熱材32と上内ケース52Aの内周壁とにより挟まれ保持される。内ケース52は、断熱材31の断熱効果を阻害しないよう合成樹脂で形成されている。一方、外ケース53は、金属で形成されている。センサケース51は、全体として底の中央に貫通孔を備えるカップ形状を有し、上部の開口は、断熱材32によりふたされている。
【0026】
基板ケース56は、金属製又は合成樹脂製でセンサケース51に上方から被さっている。基板ケース56は、回路基板40を収容する第1空間R11と、第1空間の下かつ断熱材32の上の第2空間R12とを構成している。第2空間R12は、センサケース51の上部、基板ケース56、及び、断熱材32により区画されている。断熱材32は、第2空間R12とセンサ部20との間に配置され、ヒータ25による圧力センサ21加熱時の熱が第2空間R12に伝わらないよう断熱する。
【0027】
基板ケース56は、ケース50内の空間、より詳細には基板ケース56により囲まれた空間を、第1空間R11と第2空間R12とに仕切り、かつ、第2空間R12を区画する天井を構成する天井板56Aを備える。さらに、基板ケース56は、第2空間R12を囲み、第2空間R12を区画する内壁面を構成する筒状の側壁56Bと、を備える。側壁56Bは、ここでは、四角筒形状であるが、円筒形状などであってもよい。
【0028】
天井板56Aには、右側の側壁56Bの近傍に、上下に貫通孔する貫通孔H1(切り欠きを含む)が設けられている。貫通孔H1には、配線L1~L3が通っている。配線L1は、端子板22から左側に延び、その後、上方に向かい断熱材32の外周を通過し、その後、右に延びたあと、上方に向かい貫通孔H1を通過して回路基板40に至っている。配線L2及びL3は、センサ部20から断熱材32の外周を通過し、第2空間R12を上下方向に縦断して回路基板40に至る配線L2及びL3が通っている。なお、配線L1も配線L2及びL3と同様に、第2空間R12を上下方向に縦断して回路基板40に至るようにしてもよい。この場合、配線L1が端子板22から右方向に延びるようにする。
【0029】
図1及び図2に示すように、側壁56Bは、貫通孔からなる流入口56BAと複数の流出口56BBが設けられている。流入口56BAは、流出口56BBよりも配線L2及びL3の近傍に設けられている。複数の流出口56BBは、側壁56Bの、流入口56BAよりも上方の位置かつ上下方向と直交する左右方向において配線L1~L3を挟んで流入口56BAと対向する。
【0030】
ここで、流入口56BA及び流出口56BBについて、図3を参照してより詳細に説明する。ヒータ25により圧力センサ21を加熱したとき、圧力センサ21周囲の空気も加熱される。加熱された空気は、例えば、図3の矢印X1のように、配線L2又はL3と断熱材32又は上内ケース52Aとの隙間を通って配線L2又はL3に沿うように上方に移動する。側壁56Bに流入口56BA及び流出口56BBを設けていない場合、この空気は、貫通孔H1を通って回路基板40に至り、回路基板40を加熱してしまう。本実施の形態では、側壁56Bに、流出口56BBよりも配線L2又はL3の近傍に位置する流入口56BAと、流入口56BAよりも上方の位置かつ上下方向と直交する左右方向において配線L2及びL3を挟んで流入口56BAと対向する流出口56BBと、を設けたので、この加熱を抑制すること(より具体的には無くす又は軽減すること)ができる。具体的に、まず、ヒータ25により圧力センサ21を加熱したとき、断熱部30による断熱効果はあるものの、第2空間R12内の下側の空気がある程度温められる。その結果、当該空気は、上方に移動し、上方に位置する流出口56BBからケース50外部に流出する。これにより、第2空間R12の上部の気圧が下がり、流入口56BAからケース50外部の空気が第2空間R12に流入する(右から左に流入する)。流入した空気は、図3の矢印X2に示すように、配線L2及びL3を横切り、上方に向かって移動する上記の加熱された空気を巻き込み、加熱された空気の熱により斜め上方に向かい、最終的には、流出口56BBからケース50外部に流出する。このような空気の流れつまり自然対流により、前記隙間を通って上方に向かって移動する前記加熱された空気、つまり、ヒータ25によるセンサ21加熱時の熱は、流出口56BBからケース50の外部に排出されるので、回路基板40が加熱されてしまうことが抑制される。さらに、この実施の形態では、流入口56BAから流入する空気が配線L1~L3を横切る(右から左に横切る)ので、当該空気で配線L1~L3を冷却できる。従って、ヒータ25によるセンサ21加熱時の熱(ヒータ25の熱、温度センサ27の熱、センサ21の熱、又は、ヒータ25により加熱された周囲の空気の熱)が配線L1~L3を伝って回路基板40に到達する量も低下させ、圧力センサ21の加熱時の熱により回路基板40が加熱されることも抑制される。
【0031】
流入口56BA及び流出口56BBの各位置は、上記で説明した位置には限定されず、流入口56BAから第2空間R12内に流入した空気が配線L2及びL3を横切って流出口56BBから流出できる位置とするとよい。これにより、ヒータ25による圧力センサ21の加熱時の熱により回路基板40が加熱されることが抑制される。流入口56BAの数、及び、流出口56BBの数は、任意であるが、流入口56BAの合計開口面積は、流出口56BBの合計開口面積未満であると、前記の自然対流が生じやすい。各開口面積の関係は任意であり、流入口56BAの開口面積の方が大きくてもよい。なお、流出口56BBが設けられている側壁56Bには、流入口56BAと同じ高さ又はそれより下の位置に貫通孔が設けられていない方が良い。これにより、上記の自然対流が生じやすく、加熱された空気が第2空間R12の天井付近でこもることが抑制される。なお、流入口56BAを通った空気が上方に向かわないよう、基板ケース56は、流入口56BAの天井を構成する部材として、当該空気を左右方向に進ませるよう左右方向に延びた板材56Cを備えるとよい。
【0032】
流入口56BAは、図1及び図3に示すように、流入口56BAを通った空気が配線L2及びL3に直接当たる位置に配置されているとよい。「直接当たる」とは、流入口56BAを通ったあとの空気の進行方向が変わらないうちに当該空気が配線L2及びL3に当たることをいう。これにより、前記隙間を通って上方に移動する前記の加熱された空気をより効果的に流出口56BB側に移動させることができる。さらに、図1及び図3に示すように、流入口56BAを通った空気が配線L1~L3に直接当たる位置に配置されていることで、配線L1~L3を効果的に冷却でき、配線L1~L3を伝わる熱を効果的に減少させて、回路基板40が加熱されることを効果的に抑制できる。
【0033】
また、図2に示すように、基板ケース56は、流入口56BAから流路に流入した空気が、流入口56BA側に逆流することを防止する、天井板56Aの流入口56BA側の端部から下方向に延びた逆流防止板56Dを備えるとよい。これにより、加熱された空気が回路基板40側に流入することが抑制される。
【0034】
上記実施の形態については、種々の変形が可能である。例えば、上記で説明した各部材の形状は、任意である。上記で説明した円筒、円板などは、それぞれ、多角筒、多角板などに変更可能である。また、本発明は、隔膜真空計以外のセンサ装置に適用可能である。本発明が適用されるセンサ装置は、圧力以外の物理量を計測する装置であってもよい。ヒータ25は、センサ装置10とは別体に設けられ、センサ装置10の外部から取り付けられて圧力センサ21を加熱するものであってもよい。配線L1~L3は、上記のように断熱材32の外周(周縁部)を通過するほか、断熱材32の任意の箇所を貫通して通過してもよい。センサ部20と回路基板40とを繋ぐ配線のセンサ部20側の接続先は、センサ部20がどのような部品を備えるかで変更可能であり、上記実施の形態に限られない。断熱材32などを省略してもよい。このような場合であっても、センサ部20から上方に移動する、ヒータ25によるセンサ21の加熱時の熱(例えば、熱によって加熱された空気など)を流入口56BAから流出口56BBに流れる空気により、ケース50外部に排出でき、回路基板40の加熱が抑制される。
【0035】
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0036】
10…センサ装置、20…センサ部、21…圧力センサ、21A…ケース、21B…センサ素子、21C…導電ピン、22…端子板、25…ヒータ、27…温度センサ、30…断熱部、31…断熱材、32…断熱材、40…回路基板、50…ケース、51…センサケース、52…内ケース、52A…上内ケース、52B…下内ケース、53…外ケース、56…基板ケース、56A…天井板、56B…側壁、56BA…流入口、56BB…流出口、56C…板材、56D…逆流防止板、H1…貫通孔、L1~L3…配線、R1…真空室、R2…流入室、R11…第1空間、R12…第2空間。
図1
図2
図3