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  • 特許-多層プリント配線基板の加工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】多層プリント配線基板の加工方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241022BHJP
   G05B 19/4093 20060101ALI20241022BHJP
   B23Q 15/24 20060101ALI20241022BHJP
   B23B 41/00 20060101ALI20241022BHJP
   B23B 49/00 20060101ALI20241022BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20241022BHJP
   G05B 19/4155 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
H05K3/46 X
G05B19/4093 P
B23Q15/24
B23B41/00 D
B23B49/00 A
H05K3/00 K
H05K3/46 N
G05B19/4155 S
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021134501
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2023028658
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2024-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000233332
【氏名又は名称】ビアメカニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】張 瑞良
(72)【発明者】
【氏名】時永 勝典
(72)【発明者】
【氏名】薗田 耕平
【審査官】沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第1720004(KR,B1)
【文献】特開2007-319956(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0014979(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113133226(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102523703(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 3/00
G05B 19/18-19/416
G05B 19/42-19/46
B23Q 15/24
B23B 41/00
B23B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層プリント配線基板に対し、予め作成した先穴加工プログラムで指定した位置座標に、一面側から他面側に貫通する先穴を形成する先穴加工工程と、前記先穴の内壁にメッキ層を形成するメッキ加工工程と、前記メッキ層の一部を、他面側から座繰り加工により除去するバックドリル加工工程と、を備える基板の加工方法において、
前記先穴加工プログラムの加工指定位置座標を変換した位置座標を加工位置として指定するバックドリル加工プログラムを作成する、バックドリル加工プログラム作成工程と、
前記先穴加工工程の後、前記バックドリル加工工程の前に、前記先穴の他面側の開口位置座標を測定する、開口位置測定工程と、
前記測定した開口位置座標に基づいて前記バックドリル加工プログラムを修正するバックドリル加工プログラム修正工程と、を備え、
前記バックドリル加工工程において、前記修正したバックドリル加工プログラムで指定した位置座標に、座繰り加工を行うことを特徴とする、基板の加工方法。
【請求項2】
前記バックドリル加工プログラム修正工程において、前記バックドリル加工プログラムの加工指定位置座標のうち、加工指定位置座標に対応する前記測定した開口位置座標とのずれ量が所定の値を上回るものを、前記測定した開口位置座標に置き換えてバックドリル加工プログラムを修正することを特徴とする、請求項1に記載の基板の加工方法。







【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント配線基板の加工方法に関し、より詳細には多層プリント配線基板のスタブを除去するための座繰り加工(バックドリル加工)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多層プリント配線基板(以下、「基板」という)の内部導体配線層間を接続するために、基板の表面側(以下、「一面側」という)から裏面側(以下、「他面側」という)に向けて貫通孔(以下、「先穴」という)を形成し、そこに導電メッキを施している。しかしながら、その先穴のメッキ部が目的とする導体配線層間の距離よりも長いため、その長過ぎる部分(以下、「スタブ」という。)を短くしなければ、インピーダンス不整合や信号遅延、波形なまりが発生するという問題がある。
【0003】
そこで、この問題を解決するために、例えば特許文献1や2に開示されるように、メッキした後に先穴の径より僅かに大きな径のドリルで、基板の他面側から、導体配線層の手前まで、スタブとなるメッキ層をはがす座繰り加工(以下、「バックドリル加工」という)が行われている。この加工は近年の基板の高周波化に伴い需要が急速に増加している。
【0004】
図1は、従来の一般的なバックドリル加工方法を説明する図であり、基板の断面図である。図1を用いて、従来の一般的なバックドリル加工方法を説明する。なお、ここでは基板1の第一導体層2と、第二導体層3とをメッキ層5で接続し、第二導体層3から基板の他面側にかけて位置するスタブ6を除去する例で説明する。
【0005】
まず、基板1を、図示を省略するドリル加工機のテーブルに載置し、図1(A)に示すように、スピンドル9に保持された先穴加工用ドリル7で、第一導体層2と第二導体層3とを接続する位置に、一面側から基板1を貫通する先穴4を形成する(先穴加工工程)。これにより、第一導体層2と第二導体層3の一部が、先穴4の内壁表面に露出する。なお、先穴の加工は、予め、加工すべき穴の位置座標を指定した加工プログラム(以下、「先穴加工プログラム」という)を作成し、これに従って行われる。ここで、ドリル加工機は、ドリルを保持するスピンドル9と基板1を載置したテーブルとをXY方向に相対移動させ、加工プログラムで指定した位置座標にドリルの回転中心が位置するよう制御される。また、基板1の所定の位置に、図示を省略する基準となる貫通穴(以下、「基準穴」という)を形成し、基準穴に基づいて、基板1の特定の位置を原点として定め、各穴の位置座標を特定している。
【0006】
次に、テーブルから基板1を取り外し、図1(B)に示すように、先穴4の内壁に周知の方法で所定の厚さのメッキ層5を形成する(メッキ加工工程)。これにより、第一導体層2と第二導体層3とがメッキ層5を介して電気的に接続される。
【0007】
そして、基板1を、先穴加工時のX軸を回転中心として表裏反転した状態で再びドリル加工機のテーブルに載置する。そして、図1(C)に示すように、先穴加工時より僅かに大きな径のバックドリル加工用ドリル8を用いて、先穴4に対応する位置に、基板1の他面側から第二導体層3の手前までバックドリル加工を行う(バックドリル加工工程)。これにより、基板1のスタブ6が除去される(図1(D))。
【0008】
ここで、バックドリル加工は、すでに形成されている先穴に対応する位置に行う必要がある。そこで、先穴加工プログラムの加工指定位置座標を、X座標の値はそのままで、Y座標の値はこれに-1を乗じた値(正負を入れ替えた値)に変換した、バックドリル加工プログラムを作成し、これに従って行われる。位置座標の変換は、例えば、先穴加工プログラムで、第一の先穴が位置座標(1、1)、第二の先穴が位置座標(2、3)とされている場合、バックドリル加工の指定位置座標として、それぞれ(1、―1)、(2、―3)に変換する。
【0009】
このように、従来のバックドリル加工は、基板の一面側の位置座標を、他面側の位置座標に変換したプログラムで加工していた。これは、先穴が基板の水平面に対して垂直に形成されることを前提とするものであり、基板における先穴の一面側の開口中心(先穴加工指定位置座標)の垂線上にバックドリル加工指定位置座標が位置することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2016-122825号公報
【文献】特開2012-222187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、基板に形成される先穴は基板の水平面に対して垂直に形成されるとは限らず、斜行して形成されることがある。先穴が斜行した場合、次に説明するようにスタブ除去不良が生じる問題があった。
【0012】
図2は、先穴斜行によるスタブ除去不良の例を説明する図であり、図1と対応する加工工程ごとの基板の断面図である。先穴加工用ドリル7のシュートや食いつき等により、先穴4が斜行して形成される場合がある。かかる場合、図2(A)に示すように、基板1の他面側の開口中心位置が、一面側の開口中心位置とずれる。そのため、メッキ加工した後(図2(B))、基板1を表裏反転させてバックドリル加工を行う際に、バックドリル加工プログラムの加工指定位置座標が、実際の他面側の開口位置とずれてしまう。この状態でバックドリル加工が行われると(図2(C))、他面側の開口近傍のスタブ6がバックドリル加工用ドリル8と接触せず、図2(D)に示すように、スタブ6の一部が除去されず残ってしまう。
【0013】
ここで、上記特許文献1や2には、バックドリル加工における深さ方向の位置精度を向上させる技術が開示されているが、斜行して形成された先穴のスタブ除去不良の問題については記載がない。そこで本発明は、かかる課題を解決するために、斜行した先穴についてもスタブ除去不良を生じさせないバックドリル加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、多層プリント配線基板に対し、予め作成した先穴加工プログラムで指定した位置座標に、一面側から他面側に貫通する先穴を形成する先穴加工工程と、前記先穴の内壁にメッキ層を形成するメッキ加工工程と、前記メッキ層の一部を、他面側から座繰り加工により除去するバックドリル加工工程と、を備える基板の加工方法において、前記先穴加工プログラムの加工指定位置座標を変換した位置座標を加工位置として指定するバックドリル加工プログラムを作成する、バックドリル加工プログラム作成工程と、前記先穴加工工程の後、前記バックドリル加工工程の前に、前記先穴の他面側の開口位置座標を測定する、開口位置測定工程と、前記測定した開口位置座標に基づいて前記バックドリル加工プログラムを修正するバックドリル加工プログラム修正工程と、を備え、前記バックドリル加工工程において、前記修正したバックドリル加工プログラムで指定した位置座標に、座繰り加工を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バックドリル加工指定位置座標を、実際に測定した先穴の他面側の開口位置座標に基づいて修正するので、斜行した先穴についてもスタブ除去不良を生じさせずに加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来の一般的なバックドリル加工方法を説明する図である。
図2】先穴斜行によるスタブ除去不良の例を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態である、ドリル加工装置の構成図である。
図4】本発明の一実施形態である、穴位置測定装置の構成図である。
図5】先穴の他面側開口中心と、バックドリル加工用ドリルの回転中心との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の代表的な実施例を説明する。図3は本発明の実施例となるドリル加工装置の構成図である。なお、従来例として説明した構成と同一のものについては、同一の付番を用いて説明する。11は、基板1を載置するテーブルであり、9は先穴加工用ドリル7(またはバックドリル加工用ドリル8)を保持し、これを回転させるためのスピンドルである。12はスピンドル9を垂直方向に駆動する垂直方向駆動部である。13はテーブル11とスピンドル9とを相対的にX方向、Y方向に駆動する水平方向駆動部である。ここで、水平方向駆動部13は説明の都合上一つで示しているが、実際はX方向とY方向のそれぞれに設けられる。垂直方向駆動部12及び水平方向駆動部13は、ドリル加工制御部21により、加工プログラムで指定した位置座標に先穴加工用ドリル7(またはバックドリル加工用ドリル8)の回転中心が位置するよう移動し、スピンドル9を下降、上昇し、基板1を切削するよう制御される。なお、ドリル加工制御部21は、カメラ14の撮像データにより、基板1の図示を省略する基準穴を認識し、これに基づいて基板1の特定の位置を原点として定め、指定位置座標を特定して加工する。
【0018】
20はドリル加工装置全体の制御を行う全体制御装置であり、ここには、ドリル加工を行うためのドリル加工制御部21、先穴加工プログラム、バックドリル加工プログラム、修正バックドリル加工プログラム等を記憶する記憶部22、先穴加工プログラムをもとにバックドリル用加工プログラムを作成するバックドリル加工プログラム作成部23、及びバックドリル加工プログラム修正部24が設けられる。また、全体制御装置20は、詳細は次に説明する穴位置測定装置30と接続される。更に、全体制御装置20は、上記以外の制御部や、図示を省略するCPU等を備え、CPUは、制御部と演算部を含み、制御部が命令の解釈とプログラムの制御の流れを制御し、演算部が演算を実行する。
【0019】
図4は、穴位置測定装置30の構成図である。図4を用いて穴位置測定装置30を説明する。穴位置測定装置30は、全体制御装置20と接続されており、基板1に形成された先穴の他面側開口中心位置座標を測定し、測定した位置座標を全体制御装置20へ送信する。
【0020】
31は、測定対象となる基板1を載置するためのガラスなどの光透過テーブルである。光透過テーブル31の下方には、撮像手段であるラインカメラ32が上方を撮像するように配置される。ラインカメラ32には、図示を省略する撮像素子がX軸方向(紙面に垂直な方向)に直線状に配列されている。
【0021】
ラインカメラ32は、Y軸方向(紙面の左右方向)に延在する直線案内部33に移動可能に保持され、水平方向駆動部34により、直線案内部33に沿って移動自在となっている。直線案内部33には図示を省略するリニアスケールが設けられるとともに、ラインカメラ32のリニアスケールと対向する位置に図示を省略するセンサが設けられている。リニアスケールとセンサにより、測定装置制御部40は、ラインカメラ32のY軸方向の位置を正確に制御する。
【0022】
測定装置制御部40は、ラインカメラ32の撮像動作や、水平方向駆動部34の駆動を制御する。また、測定装置制御部40には、ラインカメラ32から送信される撮像データ等に基づき、開口位置座標を認識する画像処理部41が設けられる。さらに、測定装置制御部40は、図示を省略するCPUを備え、CPUは制御部と演算部とを含み、制御部が命令の解釈とプログラムの制御の流れを制御し、演算部が演算を実行する。なお、測定装置制御部40は、全体制御装置20と接続されており、全体制御装置20とともに、穴位置測定装置30の図示を省略する各部の制御も行う。
【0023】
本発明による加工方法を説明する。なお、従来と同様の工程については、詳細な説明を省略する。まず基板1をドリル加工機のテーブル11に載置し、予め作成され記憶部22へ保存された先穴加工プログラムに従い、先穴を形成する(先穴加工工程)。次に、基板1に形成された先穴の内壁に周知のメッキ方法により所定の厚みのメッキ層を形成する(メッキ加工工程)。
【0024】
そして、基板1に形成された各先穴の他面側の開口位置を、次のように測定する(開口位置測定工程)。基板1を、先穴加工時と同じ表裏面の向き(一面側が上面となる向き)として穴位置測定装置30の光透過テーブル31に載置する。そして、ラインカメラ32を移動原点に位置決めした後、基板1の他面側の撮像を開始する。なお、本実施例では、移動原点は図の直線案内部33の右端にあるものとする。そして、ラインカメラ32は、直線案内部33を移動しながら、予め定めるサンプリング時間毎に基板1の他面側を撮像し、撮像データを画像処理部41へ送信する。画像処理部41は、ラインカメラ32から出力された撮像データや、ラインカメラ32のY軸方向の位置等から、各先穴の中心位置座標を演算する。
【0025】
なお、画像処理部41は、認識した各先穴の開口中心について、基板1に設けられた基準穴に基づいて原点を定め、位置座標を演算する。測定装置制御部40は、画像処理部41の演算により取得した測定位置座標を、全体制御装置20へ送信する。全体制御装置20へ送信された測定位置座標は、記憶部22へ保存される。
【0026】
次に、先穴加工プログラムに基づいてバックドリル加工プログラムを作成する(バックドリル加工プログラム作成工程)。具体的に、全体制御装置20のバックドリル加工プログラム作成部23は、記憶部22に保存されている先穴加工プログラムの加工指定位置座標を、X座標の値はそのままで、Y座標の値はこれに-1を乗じた値(正負を入れ替えた値)に変換し、得られた位置座標を加工指定位置座標とするバックドリル加工プログラムを作成し、記憶部22へ保存する。
【0027】
そして、作成したバックドリル加工プログラムを、測定位置座標に基づいて、次のように修正する(バックドリル加工プログラム修正工程)。
【0028】
バックドリル加工プログラム修正部24は、バックドリル加工プログラムの加工指定位置座標と、対応する測定位置座標とを対比し、両者のずれ量を演算する。なお、測定位置座標は、基板1に形成された先穴の他面側の開口位置座標であるから、先穴加工指定位置座標を他面側から加工するように変換したバックドリル加工指定位置座標と同じXY座標系となっている。そのため、各加工指定位置座標と、対応する測定位置座標とを対比することができる。そして、ずれ量が所定値を下回る場合は、加工指定位置座標をそのままとし、ずれ量が所定値以上の場合には、加工指定位置座標を測定位置座標に置き換える。バックドリル加工プログラムに含まれる全ての加工指定位置座標について、それぞれの対応する測定位置座標と対比し、置き換える修正を行う(以下、修正したバックドリル加工プログラムを「修正バックドリル加工プログラム」という)。
【0029】
ここで、位置座標置き換え判断の基準となる所定値として、先穴の半径がrで、バックドリル加工に使用するドリルの半径がRの場合、以下の理由によりR-rとすることができる。
【0030】
図5は、先穴の他面側の開口中心と、バックドリル加工用ドリルの回転中心との関係を説明する図である。図5において、半径rの円は先穴4の他面側の開口であり、その内側の斜線部はスタブ6(メッキ層5)を示す。半径Rの円はバックドリル加工用ドリル8であり、この円で囲まれた部分がバックドリル加工で除去される。C1は先穴4の他面側の開口中心であり、測定位置座標に対応する点である。C2はバックドリル加工用ドリル8の回転中心であり、バックドリル加工指定位置座標に対応する点である。
【0031】
図5に示すように、開口中心C1とドリル中心C2のずれ量Dが0の場合(図5(A))、R-rを下回る場合(図5(B))、及びR-rと等しい場合(図5(C))には、スタブ6はバックドリル加工用ドリル8の円の内側に位置し、バックドリル加工で全て除去することができる。一方、ずれ量DがR-rを上回る場合(図5(D))には、スタブ6の一部がバックドリル加工用ドリル8の円から外れ、外れた部分が除去残りとなる。従って、ずれ量DがR-rを上回る場合に、バックドリル加工指定位置座標を修正すれば、全ての先穴4についてスタブ6を完全に除去することができることになる。
【0032】
バックドリル加工プログラムの修正が完了すると、基板1を、先穴加工時のX軸を回転中心として表裏反転した状態でドリル加工装置のテーブル11に載置し、修正バックドリル加工プログラムに従って、バックドリル加工を行う(バックドリル加工工程)。
【0033】
上記方法によれば、修正バックドリル加工プログラムは、斜行によりスタブ除去不良が生じる先穴の加工位置座標を、測定した開口位置座標に修正してあるので、スタブ除去不良をなくすことができる。
【0034】
なお、本実施例において、バックドリル加工プログラムの位置座標修正要否判断の基準値の例として、R-rで説明したが、これに限らず、例えばこの値をより小さくすれば、より確実にスタブ除去不良をなくすことができる。
【符号の説明】
【0035】
1:多層プリント配線基板、7:先穴加工用ドリル、8:バックドリル加工用ドリル、9:スピンドル、11:テーブル、12:垂直方向駆動部、13:水平方向駆動部、14:カメラ、20:全体制御装置、21:ドリル加工制御部、22:記憶部、23:バックドリル加工プログラム作成部、24:バックドリル加工プログラム修正部、30:穴位置測定装置、31:光透過テーブル、32:ラインカメラ、33:直線案内部、34:水平方向駆動部、40:測定装置制御部、41:画像処理部


図1
図2
図3
図4
図5