(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241022BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241022BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241022BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20241022BHJP
【FI】
A63F13/69 510
G06Q50/10
A63F13/35
A63F13/65
(21)【出願番号】P 2021142624
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2020084926の分割
【原出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【氏名又は名称】畑添 隆人
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】津田 真
【審査官】三村 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-290685(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021575(WO,A1)
【文献】特許第6165302(JP,B1)
【文献】特開2018-038837(JP,A)
【文献】特開2019-177076(JP,A)
【文献】特開2012-213584(JP,A)
【文献】特開2007-004433(JP,A)
【文献】特開2012-254217(JP,A)
【文献】特開2003-196493(JP,A)
【文献】特開2003-044741(JP,A)
【文献】特開2019-061453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有形の商品の識別情報と該商品を
拡張現実空間に描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する商品データベースと、
前記有形の商品に係る前記描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、該商品を獲得していない未獲得ユーザに付与する
ことで、該商品が実際に現実空間に配置された場合にどのような見た目になるかを抽選要求の前に該未獲得ユーザに確認させる、第一の権限付与手段と、
ユーザ端末からの
前記抽選要求に応じて、商品の抽選を行う抽選手段と、
前記抽選の結果獲得された有形の商品に係る前記描画用データの、前記所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する第二の権限付与手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記所定の期間は、前記商品の抽選可能期間及び抽選告知期間の少なくとも何れか一方を含む期間である、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
有形の商品の識別情報と該商品を
拡張現実空間に描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する商品データベースを備えるコンピュータが、
前記有形の商品に係る前記描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、該商品を獲得していない未獲得ユーザに付与する
ことで、該商品が実際に現実空間に配置された場合にどのような見た目になるかを抽選要求の前に該未獲得ユーザに確認させる、第一の権限付与ステップと、
ユーザ端末からの
前記抽選要求に応じて、商品の抽選を行う抽選ステップと、
前記抽選の結果獲得された有形の商品に係る前記描画用データの、前記所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する第二の権限付与ステップとを実行する、
方法。
【請求項4】
有形の商品の識別情報と該商品を
拡張現実空間に描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する商品データベースを備えるコンピュータを、
前記有形の商品に係る前記描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、該商品を獲得していない未獲得ユーザに付与する
ことで、該商品が実際に現実空間に配置された場合にどのような見た目になるかを抽選要求の前に該未獲得ユーザに確認させる、第一の権限付与手段と、
ユーザ端末からの
前記抽選要求に応じて、商品の抽選を行う抽選手段と、
前記抽選の結果獲得された有形の商品に係る前記描画用データの、前記所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する第二の権限付与手段として機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態の少なくとも1つは、商品の抽選を行うためのプログラム、サーバ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末が、位置情報に基づいた地図描画情報及びトイスポットの位置情報を用いて所定領域範囲内の複数のトイスポットを携帯端末画面の地図に表示し、表示された複数のトイスポットから特定のトイスポットが指接触操作機能を用いてユーザにより選択されたとき、携帯端末画面に前記特定されたトイスポットの回転ハンドル付きの仮想カプセルトイを表示させ、ハンドル回転操作がユーザにより行われたとき、特定のトイスポットにおけるカプセルトイの抽選をゲームサーバに指示し、ゲームサーバが受信した特定スポットにおける複数の景品IDを対応情報テーブルから抽出し、抽出した複数の景品IDから1つの景品IDを選択して携帯端末に送信し、現物のカプセルトイをユーザに配送する仮想カプセルトイゲーム方法が提案されている(特許文献1を参照)。
【0003】
また、クレーンゲームを行うことにより二次元バーコード印刷またはRFID埋め込みの景品を得て、業務用ドライブゲーム機や携帯電話ゲーム機でゲームを行う際に、景品の二次元バーコードまたはRFIDから送られる情報を得て、ゲーム内の仮想空間に景品の情報を取り入れ、仮想空間内で置物などとして使用できる技術が提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-011004号公報
【文献】特開2012-254217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、抽選の結果に応じてユーザが商品を獲得するサービスが提供されている。しかし、このようなサービスでは、獲得出来る可能性がある商品をユーザに確認させるために、商品の実物が展示されており、商品展開に制約があった。一方、従来、購入前商品の描画用データを購入希望者に提供することで購入希望者に商品の詳細を確認させることが行われているが(例えば、所謂拡張現実(Augmented Reality。以下、単に「AR」と称する)の技術を用いる方法がある)、未購入の消費者に商品の描画用データを提供した場合、消費者の商品に対する所有欲が一部満たされ、商品の販売に影響を与える可能性がある。
【0006】
本開示の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、抽選を介して商品が獲得されるサービスにおいて、消費者の利便性や購入意欲を減退させることなく、商品展開の制約を少なくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本開示の一側面は、有形の商品の識別情報と該商品を描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する商品データベースと、前記描画用データを、前記商品データベースから取得してユーザ端末に送信するデータ送信手段と、前記商品に係る前記描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、該商品を獲得していない未獲得ユーザに付与する第一の権限付与手段と、前記ユーザ端末からの抽選要求に応じて、商品の抽選を行う抽選手段と、前記抽選の結果獲得された有形の商品を前記ユーザに対応する所定の場所に送付するための指示を出力する送付指示手段と、前記抽選の結果獲得された商品に係る前記描画用データの、前記所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する第二の権限付与手段と、を備えるサーバ装置である。
【0008】
また、非限定的な観点によると、本開示の一側面は、表示装置を備える情報処理装置を、有形の商品の識別情報と該商品を描画するための描画用データとを、サーバから取得するデータ取得手段と、未獲得の商品に係る前記描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、前記サーバから取得する、第一の権限取得手段と、前記描画用データに基づいて描画された商品画像を含む商品確認画像を生成する画像生成手段と、前記商品確認画像を前記表示装置に出力する画像出力手段と、前記商品の抽選要求をサーバに送信する抽選要求手段と、前記抽選要求に応じて行われた抽選の結果獲得された商品に係る前記描画用データの、前記所定の期間に限定されない表示権限を、前記サーバから取得する、第二の権限取得手段と、として機能させるプログラムとして捉えることも可能である。
【0009】
なお、本開示は、情報処理装置、情報処理システム、コンピュータによって実行される方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0010】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置側処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置側処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ装置側処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ装置側処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応する情報処理システムの構成の概略を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバ装置の機能構成の概略を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応する抽選イベント処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図12】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応する商品確認画像(回転可能表示画面)が表示されたユーザ端末を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応する商品確認画像(AR表示画面)が表示されたユーザ端末を示す図である。
【
図14】本開示の実施形態の少なくとも一つに対応する抽選演出画面が表示されたユーザ端末を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本開示を実施する場合の一例を示すものであって、本開示を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本開示の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0013】
また、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第一の実施形態]
<装置の構成>
図1は、本実施形態に係るサーバ装置1aの機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るサーバ装置1aは、プロセッサが、各種メモリに展開された各種プログラムを解釈及び実行することで、商品データベース21、データ送信部23、抽選部24、送付指示部26、第一の権限付与部27及び第二の権限付与部28を備える情報処理装置として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のプロセッサによって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、サーバ装置1aが備える各機能部は、遠隔に、及び/又は分散して(例えば、クラウド上に)実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアモジュールではなく、複数のソフトウェアモジュールによって実現されていてもよい。
【0015】
商品データベース21は、有形の商品の識別情報と当該商品を描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する。ここで、描画用データは、例えば、仮想空間内に配置されて仮想カメラによって撮像されることで、対象を任意の方向から見た画像を生成可能な三次元モデルデータ(以下、単に「3Dモデルデータ」と称する)等である。
【0016】
データ送信部23は、描画用データを、商品データベース21から取得してユーザ端末に送信する。
【0017】
抽選部24は、ユーザ端末からの抽選要求に応じて、商品の抽選を行う。抽選は、例えば乱数を生成することによって行われ、抽選の結果として、ユーザが獲得した商品の識別子が出力される。
【0018】
送付指示部26は、抽選の結果獲得された有形の商品をユーザに対応する所定の場所に送付するための指示を出力する。なお、後述する他の実施形態では、商品の送付先が店舗である例について説明しているが、商品の送付先は店舗に限定されない。例えば、商品は、ユーザの居所(自宅や職場等)に送付されてもよい。
【0019】
第一の権限付与部27は、商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、商品を未だ獲得していない未獲得ユーザに付与する。
【0020】
第二の権限付与部28は、抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する。
【0021】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0022】
図2は、第一の実施形態に係るサーバ装置側処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、ユーザ端末によって送信された、商品の描画用データの要求が受信されたことを契機として実行される。
【0023】
ステップS101からステップS103では、ユーザ端末に対する描画用データの表示権限付与及びデータ送信が行われる。データ送信部23は、商品の描画用データを商品データベース21から取得し(ステップS101)、第一の権限付与部27は、商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、未獲得ユーザに付与する(ステップS102)。そして、サーバ装置1aは、商品データベース21から取得された描画用データ及び当該描画用データの表示権限付与のための情報を、ユーザ端末に対して送信する(ステップS103)。その後、処理はステップS104へ進む。
【0024】
ステップS104及びステップS105では、商品の抽選が行われる。ユーザ端末から送信された抽選要求が受信されると(ステップS104)、抽選部24は、商品の抽選を行う(ステップS105)。なお、抽選部24による抽選は、必ず何らかの商品が獲得される抽選であってもよいし、商品が獲得されない可能性がある抽選であってもよい。抽選によって何の商品も獲得されなかった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。抽選によって何らかの商品が獲得された場合、処理はステップS106へ進む。
【0025】
ステップS106及びステップS107では、獲得された商品の描画用データの表示権限付与、及び獲得された商品の発送手配が行われる。抽選の結果、商品が獲得されると、第二の権限付与部28は、抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する(ステップS106)。このため、獲得ユーザは、獲得された商品に係る描画用データを、所定の期間を過ぎた後も、ユーザの所望のタイミングで、抽選用のアプリケーションソフトウェア又はその他のアプリケーションソフトウェアに描画させ、表示させることが出来る。また、送付指示部26は、抽選の結果獲得された有形の商品をユーザに対応する所定の場所に送付するための指示を出力する(ステップS107)。このため、獲得ユーザは、獲得された商品を、所定の場所において受け取ることが出来る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0026】
上記説明したように、本開示の一側面として、商品データベース21、データ送信部23、抽選部24、送付指示部26、第一の権限付与部27及び第二の権限付与部28を備える。このため、本開示の一側面によれば、消費者の利便性や購入意欲を減退させることなく、商品展開の制約を少なくすることが可能となる。
【0027】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態を説明する。第一の実施形態と共通する構成及び処理内容については、第一の実施形態を参照するものとし、説明を省略する。
【0028】
<装置の構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ装置1bの機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るサーバ装置1bは、
図1を参照して第一の実施形態で説明した商品データベース21、データ送信部23、抽選部24、送付指示部26、第一の権限付与部27及び第二の権限付与部28に加えて、場所データベース22及び場所情報取得部25を備える。更に、本実施形態では、送付指示部26による処理の内容が、第一の実施形態において説明した処理の内容と異なる。
【0029】
場所データベース22は、商品の送付先として指定可能な場所の情報(施設IDや位置情報、住所等)を蓄積する。
【0030】
場所情報取得部25は、抽選の存在をユーザが認知した場所を特定可能な情報(ユーザによって選択された施設の施設ID、ユーザ端末の位置情報、ユーザ端末側で位置情報に基づいて特定された施設ID、ユーザによって入力された住所、等)を、当該ユーザのユーザ端末から取得する。
【0031】
第二の実施形態において、送付指示部26は、ユーザ端末から取得された場所を特定可能な情報に基づいて、抽選の存在をユーザが認知した場所を場所データベース22から特定して、抽選の結果獲得された有形の商品を、特定された場所に送付するための指示を出力する。
【0032】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0033】
図4は、第二の実施形態に係るサーバ装置側処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、ユーザ端末によって送信された、商品の描画用データの要求が受信されたことを契機として実行される。
【0034】
ステップS201からステップS206に示された処理は、
図2を用いて説明したステップS101からステップS106の処理と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS207へ進む。
【0035】
ステップS207からステップS209では、ユーザ端末から取得された情報に基づいて特定された場所への、獲得された商品の発送手配が行われる。場所情報取得部25は、抽選の存在をユーザが認知した場所を特定可能な情報を、当該ユーザのユーザ端末から取得する(ステップS207)。なお、本実施形態では、抽選後のタイミングで場所を特定可能な情報をユーザ端末から取得することとしているが、当該情報は商品の送付指示の前に取得されていればよく、当該情報の取得タイミングは、本フローチャートに示された例に限定されない。送付指示部26は、ユーザ端末から取得された、場所を特定可能な情報に基づいて、当該場所を場所データベース22から特定して(ステップS208)、抽選の結果獲得された有形の商品を、取得された場所に送付するための指示を出力する(ステップS209)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0036】
上記説明したように、本開示の一側面として、サーバ装置1bは、商品データベース21、場所データベース22、データ送信部23、抽選部24、場所情報取得部25、送付指示部26、第一の権限付与部27及び第二の権限付与部28を備え、送付指示部26は、ユーザ端末から取得された場所を特定可能な情報に基づいて、抽選の存在をユーザが認知した場所を場所データベース22から特定して、抽選の結果獲得された有形の商品を、特定された場所に送付するための指示を出力する。このため、本開示の一側面によれば、抽選の存在をユーザが認知した場所(例えば、店舗)と、獲得商品が送付される場所(ユーザが獲得商品を受け取る場所)とを一致させることが可能となる。
【0037】
[第三の実施形態]
次に、第三の実施形態を説明する。第一の実施形態と共通する構成及び処理内容については、第一の実施形態を参照するものとし、説明を省略する。
【0038】
<装置の構成>
図5は、本実施形態に係るユーザ端末3aの機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るユーザ端末3aは、プロセッサが、各種メモリに展開された各種プログラムを解釈及び実行することで、データ取得部41、画像生成部42、画像出力部43、抽選要求部44、第一の権限取得部46及び第二の権限取得部47を備える情報処理装置として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のプロセッサによって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、ユーザ端末3aが備える各機能部は、遠隔に、及び/又は分散して(例えば、クラウド上に)実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアモジュールではなく、複数のソフトウェアモジュールによって実現されていてもよい。
【0039】
データ取得部41は、有形の商品の識別情報と当該商品を描画するための描画用データとを、サーバ装置から取得する。
【0040】
画像生成部42は、描画用データに基づいて描画された商品画像を含む商品確認画像を生成する。
【0041】
画像出力部43は、商品確認画像を、ユーザ端末3aが備える表示装置に出力する。
【0042】
抽選要求部44は、商品の抽選要求をサーバ装置に送信する。
【0043】
第一の権限取得部46は、未獲得の商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、サーバ装置から取得する。
【0044】
第二の権限取得部47は、抽選要求に応じて行われた抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、サーバ装置から取得する。
【0045】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0046】
図6は、第三の実施形態に係るユーザ装置側処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、サーバ装置によって送信された、商品の描画用データが受信されたことを契機として実行される。
【0047】
ステップS301及びステップS302では、描画用データ及び描画用データの表示権限が取得される。データ取得部41は、有形の商品の識別情報と当該商品を描画するための描画用データとを、サーバ装置から取得する(ステップS301)。そして、第一の権限取得部46は、未獲得の商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、サーバ装置から取得する(ステップS302)。その後、処理はステップS303へ進む。
【0048】
ステップS303からステップS305では、商品を確認するための画像が生成及び出力され、抽選要求が送信される。画像生成部42は、描画用データに基づいて描画された商品画像を含む商品確認画像を生成する(ステップS303)。そして、画像出力部43は、商品確認画像を表示装置に出力する(ステップS304)。このため、ユーザは、抽選前の商品を、画像で確認することが出来る。商品を画像で確認したユーザによる操作に基づいて、抽選要求部44は、商品の抽選要求をサーバ装置に送信する(ステップS305)。その後、処理はステップS306へ進む。
【0049】
ステップS306からステップS308では、獲得された商品の描画用データの表示権限が取得され、獲得商品の画像が生成及び出力される。第二の権限取得部47は、抽選要求に応じて行われた抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、サーバ装置から取得する(ステップS306)。ここで取得された表示権限は、所定の期間に限定されない表示権限であるため、獲得ユーザは、獲得された商品に係る描画用データを、所定の期間を過ぎた後も、ユーザの所望のタイミングで、抽選用のアプリケーションソフトウェア又はその他のアプリケーションソフトウェアに描画させ(ステップS307)、表示させる(ステップS308)ことが出来る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0050】
上記説明したように、本開示の一側面として、ユーザ端末3aは、データ取得部41、画像生成部42、画像出力部43、抽選要求部44、第一の権限取得部46及び第二の権限取得部47を備える。このため、本開示の一側面によれば、消費者の利便性や購入意欲を減退させることなく、商品展開の制約を少なくすることが可能となる。
【0051】
[第四の実施形態]
次に、第四の実施形態を説明する。第三の実施形態と共通する構成及び処理内容については、第三の実施形態を参照するものとし、説明を省略する。
【0052】
<装置の構成>
図7は、本実施形態に係るユーザ端末3bの機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るユーザ端末3bは、
図5を参照して第三の実施形態で説明したデータ取得部41、画像生成部42、画像出力部43、抽選要求部44、第一の権限取得部46及び第二の権限取得部47に加えて、場所情報通知部45を備える。
【0053】
場所情報通知部45は、ユーザが抽選の存在を認知した場所を特定可能な情報を、商品が獲得された場合の有形の商品の送付先を特定するための情報としてサーバ装置に通知する。
【0054】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に係るフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0055】
図8は、第四の実施形態に係るユーザ装置側処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、サーバ装置によって送信された、商品の描画用データが受信されたことを契機として実行される。
【0056】
ステップS401からステップS406に示された処理は、
図6を用いて説明したステップS301からステップS306の処理と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS407へ進む。
【0057】
ステップS407では、商品の送付先、又は当該送付先を特定するための情報が送信される。場所情報通知部45は、ユーザが抽選の存在を認知した場所を特定可能な情報を、商品が獲得された場合の有形の商品の送付先を特定するための情報としてサーバ装置に通知する。その後、処理はステップS408へ進む。
【0058】
ステップS408及びステップS409に示された処理は、
図6を用いて説明したステップS307及びステップS308の処理と概略同様であるため、説明を省略する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0059】
上記説明したように、本開示の一側面として、ユーザ端末3bは、データ取得部41、画像生成部42、画像出力部43、抽選要求部44、場所情報通知部45、第一の権限取得部46及び第二の権限取得部47を備える。このため、本開示の一側面によれば、抽選の存在をユーザが認知した場所(例えば、店舗)と、獲得商品が送付される場所(ユーザが獲得商品を受け取る場所)とを一致させることが可能となる。
【0060】
[第五の実施形態]
<装置の構成>
図9は、本実施形態に係る情報処理システム9の構成の概略を示す図である。本実施形態における情報処理システム9は、インターネット等のネットワークに接続されたサーバ装置1及び複数のユーザ端末3を有している。サーバ装置1は、複数のユーザ端末3が利用可能なオンラインくじサービスのためのサーバ装置1である。サーバ装置1が提供するサービスとしては、例えばキャラクターグッズやキャラクターフィギュアの抽選イベント等があるが、本開示に係る技術を適用可能なサービスは、本実施形態における例示に限定されない。また、ユーザ端末3は、ユーザによって使用される情報処理装置である。ユーザ端末3としては、様々な種類の装置を用いることが可能であり、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯ゲーム装置、据え置きゲーム装置、ウェアラブルな電子機器(例えば、VR(Virtual Reality)ヘッドセットやスマートウォッチ等)等が挙げられるが、その種類は限定されない。
【0061】
サーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、ネットワークを介した外部との通信を行うためのネットワークインターフェイス15と、が有線又は無線接続された情報処理装置である。なお、サーバ装置1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
【0062】
CPU11は、ROM12及びRAM13等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM13、補助記憶装置14等の、サーバ装置1に備えられた各構成を制御する。また、RAM13は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。即ち、CPU11、ROM12及びRAM13は、サーバ装置1の制御部を構成する。
【0063】
補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、主にサーバ装置1の電源を落としても保持したい情報、例えば、RAM13にロードされるサーバ装置1のOS(Operating System)や、後述する処理を実行するための各種プログラムの他、サーバ装置1によって使用される各種データが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14としては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やHDD(Hard Disk Drive)等を用いることが出来る。
【0064】
ユーザ端末3は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、補助記憶装置34と、ネットワークインターフェイス35と、入力装置36と、出力装置37と、が有線又は無線接続された情報処理装置である。なお、ユーザ端末3の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
【0065】
入力装置36には、ボタン、スティック、キーボード、マウス、トラックボール、タッチセンサ、加速度センサ、角速度センサ、カメラ、深度センサ、マイクロフォン等の様々な装置を採用することが出来る。出力装置37には、表示装置、スピーカ、振動子、又はLED等の様々な装置を採用することが出来る。また、タッチパネル付ディスプレイを採用することで、入力装置36と出力装置37とが併せて提供されてもよい。
【0066】
また、ユーザ端末3の補助記憶装置34には、サーバ装置1の補助記憶装置14として例示されたものの他、着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体の例としては、ROM等を含むカード/カートリッジ型媒体、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBD(Blu-ray(登録商標) Disc)等が挙げられる。可搬媒体による補助記憶装置と、可搬型ではない補助記憶装置とは、組み合わせて用いることも可能である。
【0067】
本実施形態に開示されたシステム9によって提供されるサービス(以下、「本サービス」)は、ARを活用したオンラインくじサービスである。本サービスにおいて、ユーザはオンラインでくじをひき、獲得商品は受注生産され、生産完了後にユーザー指定の店舗(例えば、コンビニエンスストア)に配送され、獲得ユーザは当該店舗にて商品を受け取る。また、くじの抽選に際して、ユーザは、くじを選択し、ARで商品の詳細を確認し、くじ引きを行う。くじ引きの結果、商品が当たった場合、獲得ユーザは、同一種類の商品が初回獲得された際に限り、当該商品の画像をARで描画・表示可能な描画用データの、期間を限定されない(例えば、サービスが継続する限り継続する)表示権限も受け取ることが出来る。
【0068】
なお、本実施形態では、同一種類の商品が初回獲得された際に限り描画用データの権限が付与される例について説明するが、権限が付与されるタイミングは、本実施形態に示された例に限定されない。例えば、同一種類の商品が獲得される度に、同時にAR表示可能な描画用データの数が追加されるように権限が付与されてもよい。即ち、抽選によって同一種類の商品をn個獲得したユーザには、当該商品の画像を同時にn個AR表示可能な権限が与えられてもよい。
【0069】
図10は、本実施形態に係る情報処理システム9の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係るサーバ装置1は、CPU11が、ROM12及びRAM13等に展開された各種プログラムを解釈及び実行することで、商品データベース21、場所データベース22、データ送信部23、抽選部24、場所情報取得部25、送付指示部26、第一の権限付与部27及び第二の権限付与部28を備える情報処理装置として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPU11によって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、サーバ装置1が備える各機能部は、遠隔に、及び/又は分散して(例えば、クラウド上に)実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアモジュールではなく、複数のソフトウェアモジュールによって実現されていてもよい。
【0070】
商品データベース21は、有形の商品の識別情報と当該商品を描画するための描画用データとを関連付けて蓄積する。ここで、描画用データは、例えば、仮想空間内に配置されて仮想カメラによって撮像されることで、対象を任意の方向から見た画像を生成可能な三次元モデルデータ(以下、単に「3Dモデルデータ」と称する)等である。描画用データは、商品を拡張現実空間に描画するためのデータを含む。
【0071】
場所データベース22は、商品の送付先として指定可能な場所の情報(施設IDや位置情報、住所等)を蓄積する。本実施形態では、商品の送付先として商品配送企業の店舗が利用されるため、場所データベース22には、店舗ID、店舗名称、住所、位置情報及び当該店舗を担当する配送センター等の情報が、店舗毎に関連付けられて蓄積される。
【0072】
データ送信部23は、描画用データを、商品データベース21から取得してユーザ端末3に送信する。
【0073】
抽選部24は、ユーザ端末3からの抽選要求に応じて、商品の抽選を行う。抽選は、例えば乱数を生成することによって行われ、抽選の結果として、ユーザが獲得した商品の識別子が出力される。
【0074】
場所情報取得部25は、抽選の存在をユーザが認知した場所を特定可能な情報(例えば、ユーザによって選択された施設の施設ID、ユーザ端末3の位置情報、ユーザ端末3側で位置情報に基づいて特定された施設ID、ユーザによって入力された住所、等)を、当該ユーザのユーザ端末3から取得する。
【0075】
送付指示部26は、ユーザ端末3から取得された場所を特定可能な情報に基づいて、抽選の存在をユーザが認知した場所を場所データベース22から特定して、抽選の結果獲得された有形の商品を、特定された場所に送付するための指示を出力する。このため、本実施形態に係るシステム9では、抽選の存在をユーザが認知した場所(例えば、店舗)と、獲得商品が送付される場所(ユーザが獲得商品を受け取る場所)とを一致させることが可能となり、認知場所となる店舗等での商品プロモーションに対するインセンティブとなる。
【0076】
第一の権限付与部27は、商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、商品を未だ獲得していない未獲得ユーザに付与する。ここで、所定の期間は、商品の抽選可能期間及び抽選告知期間の少なくとも何れか一方を含む期間である、
【0077】
第二の権限付与部28は、抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する。ここで、所定の期間に限定されない表示権限は、例えば、サービスが継続する限り継続する、期間を限定されない表示権限等である。但し、ここで与えられる表示権限の期間には、第一の権限付与部27によって与えられる所定の期間よりも長い期間が設定されていればよく、本開示における例示に限定されない。
【0078】
また、本実施形態に係るユーザ端末3は、CPU31が、ROM32及びRAM33等に展開された各種プログラムを解釈及び実行することで、データ取得部41、画像生成部42、画像出力部43、抽選要求部44、場所情報通知部45、第一の権限取得部46及び第二の権限取得部47を備えるユーザ端末3として機能する。本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPU31によって実行される例について説明するが、これらの機能は、その一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。また、ユーザ端末3が備える各機能部は、遠隔に、及び/又は分散して(例えば、クラウド上に)実装されてよい。また、これらの機能部は、単一のソフトウェアモジュールではなく、複数のソフトウェアモジュールによって実現されていてもよい。
【0079】
データ取得部41は、有形の商品の識別情報と当該商品を描画するための描画用データとを、サーバ装置1から取得する。
【0080】
画像生成部42は、商品確認画像として、ユーザ端末3が入力装置36として備えるカメラからの入力画像に、描画用データに基づいて描画された商品画像を合成した拡張現実画像を生成する、
【0081】
画像出力部43は、商品確認画像を、ユーザ端末3が出力装置37として備えるタッチパネル付ディスプレイ等の表示装置に出力する。
【0082】
抽選要求部44は、商品の抽選要求をサーバ装置1に送信する。
【0083】
場所情報通知部45は、ユーザが抽選の存在を認知した場所を特定可能な情報を、商品が獲得された場合の有形の商品の送付先を特定するための情報としてサーバ装置1に通知する。
【0084】
第一の権限取得部46は、未獲得の商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、サーバ装置1から取得する。
【0085】
第二の権限取得部47は、抽選要求に応じて行われた抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、サーバ装置1から取得する。
【0086】
<処理の流れ>
次に、本実施形態において実行される処理の流れを説明する。なお、実施形態に示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容及び処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0087】
本サービスを利用するユーザは、はじめに、所定の店舗(本サービスの商品の受け取り場所となる店舗)にて、本サービスによって提供される抽選イベントを認知する。抽選イベントでは、例えば、所定のキャラクターに関する知的財産権を有するものから許諾を受けたキャラクターグッズが、くじ引きを介して提供される。ユーザは、抽選イベントを認知すると、ユーザ端末3にインストールされた、本サービスを利用するためのアプリケーションソフトウェア(専用のアプリケーションソフトウェアであってもよいし、Webブラウザ等の汎用のソフトウェアであってもよい)を起動し、トップページ(ホームページ)に表示された抽選イベントの一覧(同時に複数の抽選イベントが提供されてよい)から所望の抽選イベントを選択する。抽選イベントが選択されると、ユーザ端末3には、選択された抽選イベントで抽選を行なった場合に獲得される可能性がある1又は複数種類の商品を含む商品ラインナップが表示される。ユーザは、ユーザ端末3に表示された商品ラインナップを確認する。
【0088】
図11は、第五の実施形態に係る抽選イベント処理の流れを示すシーケンス図である。シーケンス図に示された処理は、ユーザ端末3において、表示された商品ラインナップから何れかの商品がユーザによって選択されたことを契機として実行される。
【0089】
ステップステップS501からステップS507では、サーバ装置1からユーザ端末3に対して、描画用データの表示権限付与及びデータ送信が行われる。本実施形態では、ユーザ端末3には、当該商品の画像をARで描画・表示可能な描画用データと、当該抽選イベントの開催期間中に商品を確認する目的に限って当該描画用データを描画・表示を許可する表示権限とが与えられる。ユーザが、ユーザ端末3に表示された商品ラインナップから何れかの商品を選択すると、ユーザ端末3は、サーバ装置1に対して、選択された商品のデータ要求を送信する(ステップS501)。サーバ装置1によってデータ要求が受信されると(ステップS502)、データ送信部23は、有形の商品の識別情報及び当該商品の描画用データを商品データベース21から取得し(ステップS503)、第一の権限付与部27は、商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を、未獲得ユーザに付与する(ステップS504)。そして、サーバ装置1は、商品の識別情報、描画用データ及び表示権限付与のための情報を、ユーザ端末3に対して送信する(ステップS505)。
【0090】
ユーザ端末3のデータ取得部41は、サーバ装置1から送信された、商品の識別情報、当該商品を描画するための描画用データ及び当該描画用データの表示権限付与のための情報を受信し(ステップS506)、第一の権限取得部46は、受信された情報に基づいて、未獲得の商品に係る描画用データの、所定の期間に限定された表示権限を取得する(ステップS507)。その後、処理はステップS508へ進む。
【0091】
ステップS508及びステップS509では、商品を確認するための画像が生成及び出力される。画像生成部42は、描画用データに基づいて描画された商品画像を含む商品確認画像を生成する(ステップS508)。そして、画像出力部43は、商品確認画像を表示装置に出力する(ステップS509)。その後、処理はステップS510へ進む。
【0092】
図12は、本実施形態における、商品確認画像(回転可能表示画面)が表示されたユーザ端末3の一例を示す図である。本実施形態では、ダウンロードされた描画用データ及び表示権限に基づいて、ユーザ端末3に、タッチセンサや加速度センサ、角速度センサ等へのユーザ入力に従って全方向に回転表示可能な、商品の3D画像を含む商品確認画面が表示される。なお、図中の破線矢印は、ユーザ入力に応じて商品の3D画像を全方向に回転可能であることを示す。
【0093】
図13は、本実施形態における、商品確認画像(AR表示画面)が表示されたユーザ端末3の一例を示す図である。商品確認画面においてユーザがAR表示を選択すると、ユーザ端末3のカメラ入力画像に商品の3D画像が合成された、ARによる商品確認画面が表示される。ここで、ユーザ端末3は、ユーザ端末3が備える加速度センサ、角速度センサ及び深度センサ等からの入力に基づいて、カメラで撮像されている現実空間に座標系を設定し、当該現実空間の座標系と、商品の3D画像を描画する仮想空間の座標系とを合わせることで、現実空間におけるカメラの動きに仮想空間におけるカメラの動きを追従させ、商品が実際に現実空間に配置されているようにカメラ入力画像に商品の3D画像が合成されたAR画像を生成する。このようにすることで、ユーザは、商品の、単なる商品写真では伝わらない細部や臨場感(例えば、商品が実際に自分の机7に置かれた場合にどのような見た目になるか)を、抽選の前に確認することが出来る。なお、図中の破線矢印は、各種センサによって検知されるユーザ端末3の動きを示す。
図13によれば、ユーザ端末3の位置及び姿勢に応じて、あたかも商品の実物が机7の上に載せられているように、商品の3D画像を様々な角度から観察可能であることが分かる。
【0094】
ステップS510では、抽選要求が送信される。商品を確認したユーザが抽選を行いたいと所望した場合、ユーザは、ユーザ端末3を介して抽選指示を行うことが出来る。この際、ユーザが既に決済手段と紐づけられたアカウントでログイン済みである場合、画面は抽選画面に進む。一方、ユーザが未ログインである場合には、ログイン/ユーザ登録画面が表示され、ログイン又はユーザ登録が行われる。なお、ログイン手段には、ユーザ名及びパスワードを入力する手段の他、生体認証等様々な手段を用いることが可能であり、ログイン手段は限定されない。そして、ユーザは、ユーザ端末3において、選択した抽選イベントにおける抽選回数(くじ引き回数)を入力し、抽選指示を入力する。商品を画像で確認したユーザによる操作に基づいて、抽選要求部44は、商品の抽選要求をサーバ装置1に送信する。その後、処理はステップS511へ進む。
【0095】
ステップS511及びステップS512では、商品の抽選が行われる。ユーザ端末3から送信された抽選要求(抽選回数を含む)が受信されると(ステップS511)、サーバ装置1の抽選部24は、抽選回数において指定された回数分、商品の抽選を行う(ステップS512)。なお、抽選部24による抽選は、必ず何らかの商品が獲得出来る抽選であってよいし、商品が獲得出来ない可能性がある抽選であってもよい。抽選によって何の商品も獲得されなかった場合、処理は終了する。抽選によって何らかの商品が獲得された場合、処理はステップS514へ進む。
【0096】
図14は、本実施形態にかかる抽選演出画面が表示されたユーザ端末3の一例を示す図である。ユーザ端末3からサーバ装置1に対して抽選指示が送信されると、ユーザ端末3は、抽選の演出画像を表示する(ステップS513)。本実施形態では、ユーザ端末3のカメラから入力された現実空間の画像に、抽選イベントで獲得される可能性がある複数の商品の写真が配されたオブジェクト(商品の3Dグラフィックであってもよい)が、画面中央に設けられた軸(図中の破線縦軸を参照)を中心に回転する画像が合成された演出画像が表示される。なお、図中の破線矢印は、複数の商品画像が回転表示されていることを示す。演出画像の表示後、ユーザ端末3は、サーバ装置1から受信した抽選結果に従って、獲得された商品の情報を表示する。
【0097】
ステップS514及びS515では、サーバ装置1からユーザ端末3に対して、獲得された商品の描画用データの表示権限付与が行われる。本実施形態では、同一商品が初めて獲得された際、ユーザには、期間を限定されずに(例えば、サービスが継続する限り継続する)獲得商品の描画用データを描画・表示を許可する表示権限が与えられる。抽選の結果、商品が獲得されると、第二の権限付与部28は、抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、獲得ユーザに付与する(ステップS514)。第二の権限取得部47は、抽選要求に応じて行われた抽選の結果獲得された商品に係る描画用データの、所定の期間に限定されない表示権限を、サーバ装置1から取得する(ステップS515)。このため、ユーザは、獲得商品の描画用データを自身のユーザ端末3にダウンロードし、獲得商品の画像をARで描画・表示させて楽しむことが出来る。その後、処理はステップS516へ進む。
【0098】
ステップS516では、ユーザ端末3からサーバ装置1に対して、商品の送付先、又は当該送付先を特定するための情報が送信される。ユーザ端末3は、ユーザのアカウントに紐づけられたマイページを表示させ、ユーザに、商品の受取情報を登録させる。本実施形態において、受取情報には、ユーザの名称及び商品の受取店舗が含まれる。ユーザは、ユーザ端末3の入力装置36を介してユーザの名称を入力し、更に、商品の受取店舗を選択する。場所情報通知部45は、ユーザが抽選の存在を認知した場所(本実施形態では、店舗)を特定可能な情報(例えば、ユーザによって選択された店舗の店舗ID、ユーザ端末3の位置情報、ユーザ端末3側で位置情報に基づいて特定された店舗ID、ユーザによって入力された住所に基づいて特定された店舗ID、等)を、商品が獲得された場合の有形の商品の送付先を特定するための情報としてサーバ装置1に送信する。その後、処理はステップS517へ進む。
【0099】
ステップS517からステップS519では、獲得された商品の製造及び発送の手配が行われる。サーバ装置1の場所情報取得部25は、抽選の存在をユーザが認知した場所(本実施形態では、店舗)を特定可能な情報を、当該ユーザのユーザ端末3から受信する(ステップS517)。なお、本実施形態では、抽選後のタイミングで場所を特定可能な情報をユーザ端末3から取得することとしているが、当該情報は商品の送付指示の前に取得されていればよく、当該情報の取得タイミングは、本開示に示された例に限定されない。ユーザによって商品の受取情報が登録されると、サーバ装置1は、商品の製造及び配送の手配処理を行う。送付指示部26は、ユーザ端末3から取得された場所を特定可能な情報に基づいて、当該場所(店舗)を場所データベース22から特定して(ステップS518)、抽選の結果獲得された有形の商品を、特定された場所(店舗)に送付するための指示を出力する(ステップS519)。このため、獲得ユーザは、獲得された商品を、所定の場所において受け取ることが出来る。
【0100】
なお、ステップS515で取得された表示権限は、所定の期間に限定されない表示権限である。このため、獲得ユーザは、獲得された商品に係る描画用データを、所定の期間を過ぎた後も、ユーザの所望のタイミングで、抽選用のアプリケーションソフトウェア又はその他のアプリケーションソフトウェアに描画させ(ステップS520)、表示させる(ステップS521)ことが出来る。この際、表示権限が与えられた描画用データを描画・表示するためのソフトウェア及びシステムには、本オンラインくじサービス用のソフトウェア及びシステムとは異なるソフトウェア及びシステムが用いられてよい。なお、ここで表示される商品確認画像は、
図12及び
図13を用いて説明されたものと概略同様であるため、説明を省略する。
【0101】
本実施形態に係るサービスは、システム提供企業、商品提供企業及び商品配送企業によって共同で提供される。システム提供企業がサービス展開及びユーザ問い合わせを担当し、商品提供企業が商品及び商品のIPを提供し、商品配送企業がユーザー指定可能な店舗チェーンへの商品配送を担当する。本実施形態では、ユーザが行う抽選及び商品代金の決済は、システム提供企業が管理・運営するサーバ装置1で行われ、ユーザに対するカスタマーサポートについても、システム提供企業によって行われる。また、商品提供企業は、商品の製造及び出荷を行う。また、商品配送企業は、商品提供企業から納品された商品を、商品配送企業の物流センターからユーザが指定する配送先(本実施形態では、商品配送企業が運営する店舗チェーンに属する店舗)に配送し、当該店舗において、商品をユーザに対して受け渡す。但し、本実施形態において説明したサービスの提供形態は、本開示に係る技術を実施する際の一例であり、サービスの提供形態は、本実施形態において説明した例に限定されない。
【0102】
本実施形態に係るシステム9によれば、商品を受注生産とすることが出来るため、サービスの提供者や店舗は在庫が不要であり、また、ユーザがARで商品の実物が存在するかのように商品を確認することが出来るため、店舗に商品をディスプレイしなくてもよい。このため、本実施形態に係るシステム9によれば、比較的大きなサイズの商品であっても容易に提供することが可能となる。更に、店舗に商品をディスプレイしなくてもよく、また、店舗に抽選用の機材を設置しなくてもよいため、多くの店舗で商品のプロモーション(例えば、プレスリリース、店舗の雑誌ボード上告知、POSレジ広告、店舗内放送等。なお、システム提供企業、商品提供企業及び商品配送企業による共同プロモーションであってよい)を行うことが可能である。
【0103】
[その他のバリエーション]
上記説明した実施の形態は、本開示を実施する場合の一例を示すものであって、本開示を上記説明した具体的構成に限定するものではない。本開示の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0104】
上記説明した実施形態において、ユーザは、抽選の存在を認知した後、サーバ装置とネットワークを介して通信可能な任意の場所で抽選要求を行うことが出来る。但し、ユーザがユーザ端末を用いて抽選要求を行うことが可能な場所は限定されてもよい。例えば、ユーザ端末で取得された位置情報や所定のビーコン(無線LANの信号等)に基づいて、ユーザ端末が所定の場所(例えば、商品の配送先として指定可能な店舗の近傍)にあることを確認できた場合にのみ、抽選を可能としてもよい。このようにすることで、ユーザが抽選の存在を認知する場所、抽選を行う場所、及び商品を受け取る場所を、より密接に関連付けることが可能となる。なお、抽選可能か否かの位置情報等に基づく判定は、ユーザ端末によって行われてもよいし、ユーザ端末から位置情報等を受信したサーバ装置によって行われてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 サーバ装置
3 ユーザ端末
9 情報処理システム