(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】水溶性フィルム、パウチ、及び容器システム
(51)【国際特許分類】
B65D 77/00 20060101AFI20241022BHJP
B65D 65/46 20060101ALI20241022BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20241022BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20241022BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20241022BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20241022BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20241022BHJP
C08L 29/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B65D77/00 C
B65D65/46
C11D17/04
C11D3/50
C11D3/43
C11D3/20
C11B9/00 Z
C08L29/04 A
(21)【出願番号】P 2022130629
(22)【出願日】2022-08-18
(62)【分割の表示】P 2018553484の分割
【原出願日】2017-04-13
【審査請求日】2022-09-16
(32)【優先日】2016-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ スティーヴン ジー
(72)【発明者】
【氏名】ラベーク レジーヌ
(72)【発明者】
【氏名】クーシェ フロランス カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ケーレールス ロビー レニルデ フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】マリア カレル ヨーゼフ デポート
(72)【発明者】
【氏名】ジェルマン ユゴー ロベール デヌッテ
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-503586(JP,A)
【文献】特表2011-523975(JP,A)
【文献】特表2013-518009(JP,A)
【文献】国際公開第2016/061053(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/00
B65D 65/46
C11D 17/04
C11D 3/50
C11D 3/43
C11D 3/20
C11B 9/00
C08L 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーであり、
前記PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、前記第2のPVOHポリマーが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーであり、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv)を含まない、容器システム:
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料。
【請求項2】
前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約70質量%~約90質量%で存在し、前記第2のPVOHポリマーが、約10質量%~約30質量%で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項3】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、または前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、請求項1に記載の容器システム。
【請求項4】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、請求項3に記載の容器システム。
【請求項5】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、請求項4に記載の容器システム。
【請求項6】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、請求項5に記載の容器システム。
【請求項7】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項8】
前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項9】
前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約80質量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項10】
前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約20質量%~約45質量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項11】
前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%、または約65質量%~約80質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約45質量%、または約20質量%~約45質量%の範囲で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項12】
前記第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、請求項1に記載の容器システム。
【請求項13】
前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、請求項1に記載の容器システム。
【請求項14】
前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、請求項1に記載の容器システム。
【請求項15】
前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約50質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項16】
前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm
2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、請求項1に記載の容器システム。
【請求項17】
前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項18】
前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の容器システム。
【請求項19】
前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項20】
前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項21】
前記パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項22】
前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の容器システム。
【請求項23】
前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の容器システム。
【請求項24】
前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項25】
前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項26】
前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の容器システム。
【請求項27】
前記家庭用ケア組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の、界面活性剤を含む、請求項1に記載の容器システム。
【請求項28】
前記家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、請求項1に記載の容器システム。
【請求項29】
前記密閉可能な容器が、再密閉可能である、請求項1に記載の容器システム。
【請求項30】
前記密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、請求項1に記載の容器システム。
【請求項31】
布地などの基材の処理方法であって、
請求項1に記載の容器システムを含む密閉容器を、開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップと、
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記家庭用ケア組成物と接触させるステップとを含み、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv)を含まない、前記方法:
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料。
【請求項32】
容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第2のPVOHポリマーをさらに含み、第1のアニオン性モノマー単位と第2のアニオン性モノマー単位が同じである場合、第2のPVOHポリマーは、(a)第1のPVOHポリマーと異なる粘度の値を有するか、または(b)第1のPVOHポリマーと異なる量の、アニオン性モノマー単位の取り込みを有し、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv)を含まない、容器システム:
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料。
【請求項33】
布地などの基材の処理方法であって、
請求項32に記載の容器システムを含む密閉容器を、開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップと、
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
【請求項34】
香料と有機溶媒とを含む組成物を含有し、経時的に前記香料を選択的に放出させるのに適した、またはそのように適合された水溶性フィルムであって、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるホモポリマーである第2のPVOHポリマーをさらに含み、
前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2-μ
1|が、0cp~約10cPの範囲である、フィルム。
【請求項35】
前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記第2のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在する、請求項34に記載のフィルム。
【請求項36】
前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ
2)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、請求項34に記載のフィルム。
【請求項37】
前記第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ
2)を特徴とする、請求項34に記載のフィルム。
【請求項38】
前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、請求項34に記載のフィルム。
【請求項39】
前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm
2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、請求項34に記載のフィルム。
【請求項40】
パウチの形態の、前記パウチが、任意で少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、請求項34に記載のフィルム。
【請求項41】
請求項34に記載のフィルムを含む容器。
【請求項42】
香料と有機溶媒とを含む組成物を含有し、経時的に前記香料を選択的に放出させるように適合された水溶性フィルムの作製方法であって、前記フィルム中にポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含むことを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるホモポリマーである第2のPVOHポリマーをさらに含み、
前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2-μ
1|が、0cp~約10cPの範囲である、方法。
【請求項43】
容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された非家庭用ケア組成物とを含み、
前記非家庭用ケア組成物が、前記非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるホモポリマーである第2のPVOHポリマーをさらに含み、
前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2-μ
1|が、0cp~約10cPの範囲である、容器システム。
【請求項44】
基材の処理方法であって、
請求項
43に記載の容器システムを含む密閉容器を、開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された非家庭用ケア組成物とを含むステップと、
(ここで、前記非家庭用ケア組成物が、前記非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むコポリマーである第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるホモポリマーである第2のPVOHポリマーをさらに含み、
前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2-μ
1|が、0cp~約10cPの範囲である)
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記非家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記非家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に基づく2016年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/322,234号の利益がこれによって主張され、その開示はこれによって参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、水溶性フィルム、関連する水溶性パウチ、及び密閉可能な容器と容器の内部空間中の少なくとも1つのパウチとを備える容器システムに関し、パウチは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含む水溶性フィルムと、香料及び有機溶媒のような移動成分を含有する家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物とを含み、組成物は、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入される。
【背景技術】
【0003】
水溶性パウチは、洗濯洗剤のような家庭用ケア組成物の単位用量を送達するための効果的かつ一般的な方法であることが判明している。このようなパウチは、多くの場合、水溶性フィルムによって形成された区画に家庭用ケア組成物を包装し、それにより、消費者にとって便利な汚れない形態を提供する。消費者は、利便性と性能上の利点だけでなく、美的理由のためにも、このような製品を選択し得る。例えば、製品は、布地のような標的表面に心地よい香りを送達することができる。
【0004】
消費者がこのようなパウチを含む密閉容器を開封するとき、消費者にとって、送達される香りの心地よいブルームを知覚することが望ましい。例えば、消費者は、どちらを購入したいか確認するために、店内の異なる種類の匂いを嗅ぐことを希望する場合がある。容器を開封する際のこのような香料のブルームは、骨の折れる家事からの心地よい気晴らしを提供し、それらをより楽しくすることもできる。
【0005】
しかしながら、これらの家庭用ケア組成物のパウチ形態は、このような香料のブルームの送達を困難にする。パウチは、ポリビニルアルコールポリマーから作製された水溶性フィルムを含むことが多く、このようなフィルムは、典型的には、パウチの区画(複数可)内からのあらゆる成分の漏出を最小限に抑えるように選択される。有機溶媒のような成分の漏出または喪失は、製品の安定性の問題、性能利点の低下、消費者の製品品質認識に負の影響を及ぼし得る充填不足パウチ、及び/またはくっつくか、もしくは消費者にとって油っぽく感じるパウチをもたらし得る。
【0006】
組成物の成分の漏出を最小限に抑えるように選択されるフィルムはまた、一般に、低レベルの香料漏出をもたらすであろう。低レベルの香料漏出は、消費者が容器を開封する際に心地よい香料のブルームを経験しない場合があることを意味する。この問題は、香り代替物として容器に香料のホットメルトビーズを適用することによって過去に対処されてきたが、このようなアプローチは、追加の製造または包装ステップ、ならびに追加の化学的性質の開発及び配合コストを必要とする。
【0007】
追加の製造ステップ、化学的性質、または配合コストなしに、容器を開封する際に心地よい香料のブルームが経験される、改良されたフィルム及び少なくとも1つのパウチを含む関連する容器システムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、水溶性フィルム及びフィルムから作製された関連するパウチ、ならびにフィルム及びパウチの作製及び使用方法に関する。本開示はまた、その中にこのようなパウチを収容する容器を備える容器システムに関する。パウチは、本明細書に記載される水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された、香料及び有機溶媒を含む組成物(例えば、洗剤のような、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物)を含むことができる。
【0009】
本開示はまた、内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器を備える容器システムに関し、内部空間中の少なくとも1つのパウチは、水溶性フィルム及び水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含み、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、香料及び有機溶媒を含み、フィルムは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドは、第1のアニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、及び任意で酢酸ビニル単位を含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドは、(a)第2のアニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、及び任意で酢酸ビニル単位を含むPVOHポリマー、または(b)ビニルアルコールモノマー単位及び任意で酢酸ビニル単位からなるPVOHホモポリマーから選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の図は本質的に例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【0011】
【
図7】多区画パウチの第1の上部区画でのパウチ滲出の測定値を示す。
【
図8】多区画パウチの第2の上部区画でのパウチ滲出の測定値を示す。
【
図9】多区画パウチの底部区画でのパウチ滲出の測定値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、水溶性フィルム、関連するパウチ、及びその中に少なくとも1つのパウチを収容する密閉可能な容器を備える関連する容器システムに関し、パウチは、水溶性フィルム及び家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含み、これは、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された、香料及び有機溶媒を含む。理論に縛られることを望むものではないが、このようなパウチのための特定のポリビニルアルコール樹脂ブレンドを有するフィルムの注意深い選択は、パウチ成分(例えば、有機溶媒)の他の漏出を最小限に抑えながら、封止容器を開封する際に心地よい香料のブルームをもたらすことができると考えられ、そのような漏出は、製品の不安定性及び/またはパウチの完全性の喪失のような問題を引き起こす可能性がある。フィルムはまた、それらを水溶性容器の形成(例えば、熱形成)、及び様々なタイプの組成物、例えば、アルカリ性洗剤との接触時の化学変化への抵抗に有用にさせる適切な化学的及び機械的特性を有する。特に、本開示のフィルムは、アニオン性モノマー単位を含む少なくとも1つのポリビニルアルコールポリマーを含むポリビニルアルコール樹脂ブレンドを含めることによって、本明細書に記載の効果を提供するために香料含有組成物と共に使用するのに適合させる。
【0013】
定義
本明細書で使用する冠詞「a」及び「an」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許請求または記載されるものの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含む(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み得るか、本質的にそれからなるか、またはそれらからなることができる。
【0014】
本明細書では、「実質的に含まない」という用語を使用することができる。これは、示された材料が組成物に少なくとも意図的に添加されず、その一部を形成しないこと、または好ましくは分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。示された材料が意図的に含まれる他の材料の1つに不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。示された材料は、存在するとしても、組成物の1質量%未満、または0.1質量%未満、または0.01質量%未満、またはさらに0質量%のレベルで存在し得る。
【0015】
本開示のパウチは、組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含み得る。組成物は、液体、固体、またはこれらの組み合わせから選択することができる。本明細書で使用される場合、「液体」は、自由流動性の液体、ならびにペースト、ゲル、フォーム、及びムースを含む。液体の非限定的な例としては、軽質及び重質液体洗剤組成物、布地向上剤、洗濯に一般的に使用される洗剤ゲル、漂白及び洗濯添加剤が挙げられる。気体、例えば、懸濁気泡、または固体、例えば、粒子を液体内に含めることができる。本明細書で使用する「固体」には、粉末、凝集物、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。固体の非限定的な例としては、顆粒、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、及び真珠玉が挙げられる。固体組成物は、これらに限定されないが、スルーザウォッシュ利益、前処理利益、及び/または美的効果を含む、技術的利益を提供し得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」という用語は、一般に、単一タイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、単一のモノマー反復単位からなる、または本質的になるポリマー鎖)を含む。PVOHの特定の場合について、「ホモポリマー」(または「PVOHホモポリマー」または「PVOHポリマー」)という用語は、加水分解度に応じた、ビニルアルコールモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位の分布を有するコポリマー(例えば、ビニルアルコール及び酢酸ビニルモノマー単位からなる、または本質的になるポリマー鎖)をさらに含む。100%加水分解の限定的な場合において、PVOHホモポリマーは、ビニルアルコール単位のみを有する真のホモポリマーを含むことができる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「コポリマー」という用語は、一般に、2つ以上のタイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマー反復単位、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、等からなる、または本質的になるポリマー鎖)を含む。PVOHの特定の場合について、「コポリマー」(または「PVOHコポリマー」)という用語は、加水分解度に応じた、ビニルアルコールモノマー単位及び酢酸ビニルモノマー単位、ならびに少なくとも1つの他のタイプのモノマー反復単位の分布を有するコポリマー(例えば、ビニルアルコールモノマー単位、酢酸ビニルモノマー単位、及び1つ以上の他のモノマー単位、例えば、アニオン性モノマー単位からなる、または本質的になるター(または高次)ポリマー鎖)をさらに含む。100%加水分解の限定的な場合において、PVOHコポリマーは、ビニルアルコール単位及び1つ以上の他のモノマー単位を有するが酢酸ビニル単位を有さないコポリマーを含むことができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、かつ特に指定のない限り、「質量%」という用語は、(該当する場合)フィルム全体の「乾燥」(非水)質量部または(該当する場合)パウチ内に封入された組成物全体の質量部での、確認された要素の組成を指すことが意図される。本明細書で使用される場合、かつ特に指定のない限り、「phr」という用語は、水溶性フィルム中の水溶性ポリマー(または樹脂、PVOHまたはその他)100部当たりの部での、確認された要素の組成を指すことが意図される。
【0019】
特に記載のない限り、すべての成分または組成物のレベルは、その成分または組成物の活性部分に関し、不純物、例えば、このような成分または組成物の市販の供給源中に存在し得る、残留溶媒または副産物を含まない。
【0020】
特に指示のない限り、すべての温度は摂氏(℃)で表される。特に指定のない限り、本明細書中のすべての測定は、20℃及び大気圧下で行われる。
【0021】
本開示において、すべてのパーセンテージは、特に明記しない限り、全組成物の質量によるものである。特に明記しない限り、すべての比は質量比である。
【0022】
この明細書全体を通して与えられるすべての最大数値限界は、すべてのより低い数値限界を、このようなより低い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことを理解されたい。この明細書全体を通して与えられるすべての最小数値限界は、すべてのより高い数値限界を、このようなより高い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。この明細書全体を通して与えられるすべての数値範囲は、このようなより広い数値範囲内に含まれるすべてのより狭い数値範囲を、このようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0023】
容器
本開示の容器システムは、容器に関する。本明細書に記載される容器は密閉可能であり、典型的には密閉容器として少なくとも消費者に供給される。容器は、開封後、特に容器が本明細書に記載のパウチを複数含む場合に、再密閉可能であり得る。容器は、再密閉可能でないことがあり、第1の開封後、特に容器が本明細書に記載のパウチを1つのみ含む場合に、廃棄されることが意図され得る。
【0024】
本開示の容器は、内部空間を画定する壁を有することができる。容器は、底壁及び1つ以上の側壁を有することができる。1つ以上の側壁は、底壁に接続されてもよく、壁が共に内部空間を画定してもよい。壁の1つ以上は、部分的にまたは完全にのいずれかで、透明、半透明、または不透明であり得る。透明もしくは半透明の壁、またはさらに透明もしくは半透明の窓を含む不透明な壁は、例えば、容器内に残っている数または体積を示すために、容器内部のパウチを示すのに有用である。不透明な壁は、容器内部にあるパウチが見えないことが望ましい場合に有用である。
【0025】
内部空間は、本明細書に記載されるパウチを1つ以上収容するのに適した任意の体積を有することができる。内部空間は、パウチを1つのみ収容するのに適した体積を有することができる。内部空間は、本明細書に記載されるパウチを約5個、または約10個、または約15個、または約20個、または約35個、または約55個、または約75個、または約100個収容するのに適した体積を有することができる。容器のサイズは、パウチの所望の数及び/またはサイズに適切に適合するように当業者によって選択されることができる。
【0026】
容器は、本明細書に記載のパウチを追加及び/または分配するのに適した開口部を有することができる。特に、容器が再封止可能である場合、開口部は選択的に密閉可能及び/または選択的に開封可能であり得る。
【0027】
図1~4に示すように、容器1000は、本明細書に記載されるパウチ1050を収容するのに適した任意の容器であってもよい。容器1000は、軟性バッグ1100及び剛性タブ1200から選択することができる。
【0028】
図1及び2に示すように、容器1000は軟性バッグ1100であってもよい。適切なバッグは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、Nylon(登録商標)、Barex(登録商標)、Evoh(登録商標)、及びこれらの組み合わせのような、フィルム形成プラスチックのような材料から作製され得る。
図1に示すように、バッグ1100は、縁部1104、1106で互いに結合されたパネル1102から作製され、その間に内部空間1020を形成し得る、壁1010を含むことができる。結合プロセスの非限定的な例には、超音波溶接、自生結合、圧力封止、接着封止、及びこれらの組み合わせが含まれる。パネル1102は、互いに積層された層を含むことができる。バッグ1100は、収容されたパウチを見ることができる窓1112を含むことができる。バッグ1100は、部分的または完全に不透明であってもよい。軟性バッグ1100は、開封後に再封止可能であり得る。典型的には、このようなバッグ1100は、再密閉可能な開口部1108を含む。再封止可能な軟性バッグ1100のパネル1102は、再密閉可能な開口部1108の近くで選択的に係合可能であり得る。パネル1102は、接着剤を含むことができ、またはパネル1102は、相補的なジッパープロファイルを有するジッパー1110を含むことができる。ジッパープロファイルは、フック、雄部材及び雌部材、等の形態のインターロック部材を有することができる。ジッパー1110は、圧縮封止タイプのジッパーであり得、ならびに/または開封及び/もしくは密閉を容易にするスライダーを含み得る。軟性バッグ1100は、ジッパー1110を露出させるために取り外すことができる取り外し可能なフードを含むことができる。
【0029】
容器1000は、
図2に示すように、フローラップバッグ1120である軟性バッグ1100であってもよい。フローラップバッグ1120は典型的には、例えば、サンプリングのために使用される、単一のパウチを封入し、消費者がフローラップを開封するときに製品香料を体験することを可能にする。典型的には、フローラップバッグ1120は、1回の使用を意図しており、再密閉手段を含まない。バッグ1120の壁1010は、内部空間1020を画定する一タイプのチューブに包まれてもよい。フローラップバッグ1020は、端部シール1122、1124を含むことができ、壁1010の材料は、それ自体に結合することができる。バッグ1020はまた、一方の端部シール1122から他方の端部シール1124まで延在する長さシール1126を含むことができる。
【0030】
図3及び4に示すように、容器1000は、剛性タブ1200であってもよい。タブは、蓋1212及び容器本体1202を含むことができる。タブ1200またはその部分は、ポリエチレンテレフタレートまたは任意の適切なポリオレフィン及び/もしくはポリエステルのような適切なプラスチック材料のような材料で作製されてもよい。タブ1200の本体1202は、その間に内部空間1020を形成する、前壁1204、後壁1205、側壁1206、1208、及び底壁1210を含むことができる。蓋1212またはその部分は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートもしくはエラストマー、またはこれらの材料のブレンドのような、成形可能な熱可塑性材料で部分的または全体的に形成することができる。タブ1200またはその部分は、例えば、射出成形、延伸成形、または吹込成形によって成形することができる。蓋1212は、密閉位置から開封位置まで移動することが可能であり得、これはタブを開封後に再封止することを可能にし得る。蓋1212は、蝶番で容器に蝶番式で接続され、密閉位置から開封位置まで回転することができる蝶番付きの蓋であってもよい。蓋1212は、蓋1212を密閉位置に保持するのを助けるラッチのようなロック機構1214を含むことができる。蓋1212は、容器ネックのような、容器の開口部近くのねじ山と選択的に係合することができるねじ山を含むことができる。ねじ山付き蓋は、蓋を開封方向に回転させることによって開封することができ、蓋を密閉方向、典型的には開封方向と反対に回転させることによって密閉することができる。タブは、容器本体と蓋との間にトランジションピースまたはカラーを含むことができる。
【0031】
容器は、特に容器が感水性フィルムを含むパウチを収容するように意図されているので、容器中への、水蒸気を含む、水の進入及び/または退出を制限し得る。開口部が密閉位置にあるとき、パッケージは、35℃及び65%の相対湿度で、パッケージ表面の1平方メートル当たり1日当たり約2.0グラム(g/日/m^2)未満、または約1.0g/日/m^2未満、または約0.75g/日/m^2未満、または約0.50g/日/m^2未満、または約0.25g/日/m^2未満の水蒸気移動速度(MVTR)を有し得る。MVTRのMVTR測定は、ASTM D7709に開示される方法に従って測定される。水及び/または水蒸気の進入/退出を制限する容器はまた、揮発性香料を収容するのに有用であり得るので、容器を開封する際に望ましい香料のブルームを可能にするのに十分な体積の香料が容器のヘッドスペースに蓄積し得る。
【0032】
パウチ
本明細書に記載の容器システムは、少なくとも1つのパウチを含むことができる。パウチは、水溶性フィルムを含むことができる。フィルムは、区画に形成することができ、これは組成物を少なくとも部分的にまたは完全に封入することができる。組成物は、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物、または非家庭用ケア組成物であってもよい。適切なフィルム及び家庭用ケア組成物は、本明細書においてより詳細に記載され、一方、家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物は、一般的に知られている。
【0033】
パウチは、典型的には、少なくとも1つの封止区画を含む。パウチは、少なくとも2つの区画または少なくとも3つの区画のような、単一の区画または複数の区画を含むことができる。
図5は、界面30で封止された水溶性ポリマーフィルム10、20から水溶性パウチ100が形成された物品を示す。フィルム10、20の一方または両方は、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーのPVOH樹脂ブレンドを含む。フィルム10、20は、水性環境への放出のための任意の所望の組成物50を収容する内部パウチ容器体積40を画定する。組成物50は、特に限定されておらず、例えば、以下に記載する、洗浄組成物を含む、様々な組成物のうちのいずれかを含む。複数の区画を含む実施形態では、各区画は、同一及び/または異なる組成物を収容し得る。ひいては、組成物は、液体、固体、及びこれらの組み合わせ(例えば、液体中に懸濁した固体)を含むがこれらに限定されない任意の適切な形態をとり得る。パウチは、第1、第2、及び第3の区画を含み得、これらの各々はそれぞれ、異なる第1、第2、及び第3の組成物を収容する。
【0034】
図6は、水溶性フィルム5から水溶性多区画パウチ1が形成された物品を示す。パウチ1は3つの区画を有し、2つのより小さな区画3、4がより大きな底部区画2の上に重ねられる。
【0035】
多区画パウチの区画は、同じまたは異なるサイズ(複数可)及び/または体積(複数可)のものでもよい。本多区画パウチの区画は、任意の適切な様式で分離または結合し得る。第2及び/もしくは第3ならびに/またはそれに続く区画は、第1の区画の上に重ねられてもよい。第3の区画は、順番に第1の区画の上にサンドイッチ構成で重ねられ得る、第2の区画の上に重ねられてもよい。あるいは、第2及び第3の区画は、第1の区画の上に重ねられてもよい。しかしながら、第1、第2、及び任意で第3、ならびにそれに続く区画が隣接関係で互いに結合され得ることも同様に想定される。区画は連なって包装され、各区画がミシン目によって個別に分離可能であってもよい。したがって、各区画は、例えば、布地をある区画からの組成物で前処理または後処理するために、エンドユーザによって連なったものの残りから個別に切り離され得る。第1の区画は、例えば、タイヤとリムの構成で、またはパウチ中のパウチの構成で、少なくとも第2の区画によって取り囲まれていてもよい。
【0036】
多区画パウチは、1つの大きい第1の区画及び2つのより小さい区画からなる3つの区画を含み得る。第2及び第3のより小さい区画は、第1のより大きい区画の上に重ねられる。区画のサイズ及び形態は、この配置が達成可能であるように選択される。区画の形態は、同じでも異なってもよい。第2及び任意で第3の区画は各々、第1の区画と比較して異なる形態及び形状を有し得る。第2及び任意で第3の区画は、第1の区画上の設計に配置され得る。この設計は、例えば、概念もしくは指示を示すために、装飾的、教育的、もしくは例示的であり、及び/または製品の由来を示すために使用され得る。第1の区画は、周囲で封止された2つの大きい面を有する最大の区画であり得、第2の区画はより小さく、第1の区画の1つの面の表面積の約75%未満、または約50%未満を覆う。第3の区画が存在する場合、前述の構造は同じであり得るが、第2及び第3の区画は、第1の区画の1つの面の表面積の約60%未満、または約50%未満、または約45%未満を覆う。
【0037】
本開示の物品、パウチ、及び/またはパケットは、1つ以上の異なるフィルムを備え得る。例えば、パウチが単一の区画を含む場合、パウチは、折り畳まれて縁部で封止された1つの壁、またはあるいは、縁部で一緒に封止された2つの壁から作製されてもよい。パウチが複数の区画を含む場合、パウチは、任意の所与のパケット区画が、異なる組成物を有する単一のフィルムまたは複数のフィルムから作製された壁を含み得るように、1つ以上のフィルムから作製されてもよい。多区画パウチは、外上壁、外下壁、及び隔壁の、少なくとも3つの壁を含み得る。外上壁及び外下壁は、一般に対向し、パウチの外側を形成する。隔壁は、パウチの内部にあり、シール線に沿って一般に対向する外壁に固定される。隔壁は、多区画パウチの内側を、少なくとも第1の区画と第2の区画とに分離する。
【0038】
パウチ及びパケットのような物品は、任意の適切な装置及び方法を用いて作製することができる。例えば、単区画パウチは、当該技術分野で一般的に知られている縦型充填、横型充填、または回転ドラム充填技術を使用して作製することができる。このようなプロセスは、連続的または断続的のいずれかであり得る。フィルムは、その展性を高めるために、湿潤及び/または加熱され得る。方法はまた、フィルムを適切なモールドに引き込むための真空の使用を伴い得る。フィルムをモールドに引き込む真空は、フィルムが表面の水平部分上に載せられた後、約0.2~約5秒、または約0.3~約3、または約0.5~約1.5秒間印加することができる。この真空は、例えば、10mbar~1000mbarの範囲、または100mbar~600mbarの範囲の加圧をもたらすようなものであり得る。
【0039】
パケットのような物品を作製することができるモールドは、必要とされるパウチの寸法に応じて、任意の形状、長さ、幅、及び深さを有し得る。モールドはまた、望ましい場合、互いにサイズ及び形状が異なってもよい。例えば、最終パウチの体積は、約5ml~約300ml、または約10~150ml、または約20~約100mlであってもよく、このモールドサイズは適宜調節される。
【0040】
パウチは、第1及び第2の封止区画を含むことができる。第2の区画は、第2の封止区画及び第1の封止区画がパウチの内側の隔壁を共有するように、第1の封止区画と一般に重なった関係にあり得る。
【0041】
パウチは、第1及び第2の区画を含むことができ、第3の封止区画をさらに含む。第3の封止区画は、第3の封止区画及び第1の封止区画がパウチの内側の隔壁を共有するように、第1の封止区画と一般に重なった関係にある。
【0042】
第1の組成物及び第2の組成物は、以下の組み合わせ:液体、液体と、液体、粉末と、粉末、粉末と、粉末、液体とのうちの1つから選択することができる。第1、第2、及び第3の組成物は、以下の組み合わせ:固体、液体、液体と、液体、液体、液体と、液体、固体、液体と、固体、液体、固体と、固体、固体、固体とのうちの1つから選択することができる。
【0043】
単一の区画または複数の封止区画は、組成物を含有し得る。複数の区画は、各々同じまたは異なる組成物を含有してもよい。組成物は、液体、固体、またはこれらの組み合わせから選択される形態であってもよい。組成物は、液体、固体、粉末、ビーズ、またはこれらの混合物の形態であってもよい。
【0044】
組成物は、家庭用ケア組成物、例えば、軽質液体洗剤組成物、重質液体洗剤組成物、手動食器洗浄組成物または自動食器洗浄組成物を含む硬質表面洗浄組成物、洗濯に一般的に使用される洗剤ゲル、漂白組成物、洗濯添加剤、布地向上剤組成物、シャンプー、ボディウォッシュ、他の個人用ケア組成物、及びこれらの混合物からなる群から選択される家庭用ケア組成物であり得る。
【0045】
組成物は、非家庭用ケア組成物、例えば、農業用組成物、自動車用組成物、航空用組成物、食品及び栄養組成物(機能性食品を含む)、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事及び準軍事用組成物、オフィス組成物、レクリエーション用及び公園用組成物、ペット組成物から選択され、任意のこのような用途に適した洗浄組成物及び洗剤組成物を含む、組成物であり得る。他の非消費者用組成物及び用途には、採掘用組成物(石炭、金属、及び非金属)、造園用組成物、石油及び油組成物、工業用のラベルが付けられた組成物、ならびに業務用のラベルが付けられた組成物が含まれる。これらの中でも、選択された実施形態のための非消費者用組成物としては、農業用組成物、航空用組成物、機能性食品、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事及び準軍事用組成物、オフィス組成物、ならびにレクリエーション用及び公園用組成物、採掘用組成物(石炭、金属、及び非金属)、造園用組成物、石油及び油組成物、工業用のラベルが付けられた組成物、ならびに業務用のみのラベルが付けられた組成物が挙げられる。
【0046】
パウチは、任意の適切な方法に従って作製することができる。例えば、方法は、本明細書に記載の水溶性フィルムを提供するステップと、フィルムを成形して開封区画を形成するステップと、組成物を開封区画に提供するステップと、開封区画を、例えば、第2の水溶性フィルムで封止して、その中に組成物が封入された封止区画を有するパウチを形成するステップとを含むことができる。
【0047】
多区画パウチの異なる区画は、隣接様式で共に作製され得、得られる結合したパウチは、切断によって分離しても分離しなくてもよい。あるいは、区画は別々に作製することができる。
【0048】
パウチは、a)(上述のように)第1の区画を形成するステップと、b)ステップ(a)で形成した密閉区画のうちのいくつかまたはすべての中に凹部を形成して、第1の区画の上に重ねられた第2の成形区画を生成するステップと、c)第3のフィルムを用いて第2の区画を充填及び密閉するステップと、d)第1、第2、及び第3のフィルムを封止するステップと、e)フィルムを切断して多区画パウチを生成するステップと、を含むプロセスに従って作製することができる。ステップ(b)で形成された凹部は、ステップ(a)で調製された区画に真空を印加することによって達成することができる。
【0049】
第2及び/または第3の区画(複数可)は、欧州特許出願第08101442.5号またはWO2009/152031に記載されるように、別個のステップで作製され、次いで、第1の区画と組み合わされ得る。
【0050】
パウチは、a)第1の形成機械上で第1のフィルムを使用して、任意で熱及び/または真空を使用して、第1の区画を形成するステップと、b)第1の区画に第1の組成物を充填するステップと、c)第2の形成機械上で、任意で熱及び真空を使用して、第2のフィルムを変形させて第2及び任意で第3の成形区画を作製するステップと、d)第2及び任意で第3の区画に充填するステップと、e)第2及び任意で第3の区画を、第3のフィルムを使用して封止するステップと、f)封止された第2及び任意で第3の区画を、第1の区画上に配置するステップと、g)第1、第2、及び任意で第3の区画を封止するステップと、h)フィルムを切断して多区画パウチを生成するステップと、を含むプロセスに従って作製することができる。
【0051】
第1及び第2の形成機械は、上記のプロセスを行うためのそれらの適合性に基づいて選択されてもよい。第1の形成機械は水平形成機械であってもよく、第2の形成機械は、例えば、第1の形成機械の上に位置する回転ドラム形成機械であってもよい。
【0052】
適切な供給ステーションを使用することにより、多数の異なるもしくは特有の組成物及び/または異なるもしくは特有の液体、ゲルもしくはペースト組成物が組み込まれる多区画パウチを製造することが可能であり得ることを理解されたい。
【0053】
フィルム及び/またはパウチは、活性剤、潤滑剤、嫌悪剤、またはこれらの混合物のような、適切な材料が噴霧または散布され得る。フィルム及び/またはパウチは、例えば、インク及び/または活性剤を用いて印刷され得る。
【0054】
水溶性フィルム
本開示は、水溶性フィルムを含むパウチに関する。水溶性フィルムは、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を少なくとも部分的にまたは完全に封入することができる。本明細書に記載されるフィルムは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含む。PVOH樹脂ブレンドは、以下により詳細に記載されるように、少なくとも第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーを含む。
【0055】
ポリビニルアルコールホモポリマー
水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール(PVOH)ポリマーのブレンドを含み、そのホモポリマー(例えば、存在する場合、実質的にビニルアルコール及び酢酸ビニルモノマー単位のみを含む)及びそのコポリマー(例えば、ビニルアルコール及び任意で酢酸ビニル単位に加えて1つ以上の他のモノマー単位を含む)を含み得る。PVOHは、一般に、通常ポリ酢酸ビニルの加水分解または鹸化と称される加アルコール分解によって調製された合成樹脂である。
【0056】
パウチのような物品を作製するために使用されるいくつかの水溶性ポリマーフィルム(例えば、その中に家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含有することができる)は、通常の使用中、例えば、洗濯関連組成物を含有するパケットの洗濯洗浄サイクル中、水に不完全に溶解する(例えば、これによって洗浄中の物品上にフィルム残留物を残す)。
【0057】
PVOHに基づく水溶性ポリマーフィルムは、溶解特性の変化を受け得る。コポリ(ビニルアセテートビニルアルコール)ポリマー中のアセテート基は、当業者には、酸加水分解またはアルカリ加水分解のいずれかによって加水分解可能であることが知られている。加水分解度が増加するにつれて、PVOHホモポリマー樹脂から作製されたポリマー組成物は、機械的強度が増加するが、より低い温度で溶解度が減少する(例えば、完全溶解のために熱水温度を必要とする)。したがって、PVOHホモポリマー樹脂をアルカリ環境(例えば、洗濯漂白添加剤から得られる)に曝露すると、樹脂は、所与の水性環境(例えば、冷水媒体)中で迅速かつ完全に溶解するものから、水性環境中でゆっくりかつ/または不完全に溶解するものへと変化し、潜在的に洗濯サイクルの終わりに溶解していないポリマー残留物を生じ得る。これは、市販のPVOHホモポリマー樹脂に代表される酢酸ビニル/アルコールコポリマーのみをベースとするフィルムの適用における固有の弱点である。
【0058】
ビニルアルコール/加水分解メチルアクリレートナトリウム塩樹脂のようなペンダントカルボキシル基を有するPVOHコポリマー樹脂は、隣接するペンダントカルボキシル基とアルコール基との間にラクトン環を形成することができ、よってPVOHコポリマー樹脂の水溶性を低下させる。洗濯漂白添加剤のような強塩基の存在下では、ラクトン環は、比較的温かく(周囲)高湿度の条件で(例えば、水溶性の高い対応するペンダントカルボキシル基及びアルコール基を形成するラクトン開環反応を介して)数週間にわたって開環し得る。したがって、PVOHホモポリマーフィルムで観察される効果とは反対に、このようなPVOHコポリマーフィルムは、保存中にフィルムとパウチ内部のアルカリ組成物との間の化学的相互作用のためにより可溶性になり得ると考えられる。結果として、古くなるにつれて、パケットは高温洗浄サイクル(名目上40℃)中にますます早期溶解を起こしやすくなり得、ひいては漂白剤の存在及び結果として生じるpHの影響に起因する特定の洗濯活性剤の有効性を低下させ得る。あるいは、実質的に中性pH、例えば、7~8の組成物と接触している場合、ラクトン環の量が増加し、フィルムをより低温用途下で潜在的に不溶性にし得る。
【0059】
本明細書に記載される問題の少なくともいくつかまたはすべては、慎重に選択されたPVOH樹脂ブレンドを有するフィルムを含むパウチを提供することによって対処することができる。本開示は、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドと、任意で可塑剤、充填剤、界面活性剤、及び以下により詳細に記載される他の添加剤のような1つ以上の追加成分とを含む水溶性フィルムを含むパウチに関する。
【0060】
完全に加水分解したPVOHは、実質的にすべてのアセテート基がアルコール基に変換された場合、約140°F(約60℃)を超える熱水にのみ溶解する、強く水素結合した高度に結晶性のポリマーである。ポリ酢酸ビニルの加水分解後に十分な数のアセテート基が残留することが許容されると、PVOHポリマーは、部分的に加水分解されていると知られており、水素結合がより弱く、結晶性がより低く、約50°F(10℃)未満の冷水で可溶性である。中度の冷水または熱水可溶性フィルムは、例えば、中度の部分加水分解PVOH(例えば、約94%~約98%の加水分解度を有する)を含み得、温水のみに容易に可溶性、例えば、約40℃以上の温度で急速溶解である。完全及び部分的に加水分解されたPVOHの両タイプは、一般にPVOHホモポリマーと呼ばれるが、部分的に加水分解されたタイプは、技術的にはビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーである。
【0061】
本開示の水溶性フィルムに含まれるPVOHポリマーの加水分解度(DH)は、約75%~約99%(例えば、約79%~約92%、約86.5%~約89%、または冷水可溶性組成物について約88%、約90%~約99%、約92%~約99%、または約95%~約99%)の範囲であり得る。加水分解度が低下するにつれて、樹脂から作製されたフィルムは、約20℃未満の温度で機械的強度が低下するが、より速い溶解度を有する。加水分解度が増加するにつれて、ポリマーから作製されたフィルムは機械的により強くなる傾向があり、特により低温の洗浄温度での熱成形性及び/または溶解が低下する傾向がある。
【0062】
PVOHの加水分解度は、ポリマーの水溶性が温度依存性であり、したがってポリマー、任意の相溶化剤ポリマー、及び追加の成分から作製されたフィルムの溶解性にも影響を及ぼすように、選択することができる。1つの選択肢では、フィルムは冷水可溶性である。10℃未満の温度の水に可溶な冷水可溶性フィルムは、約75%~約90%の範囲、または約80%~約90%の範囲、または約85%~約90%の範囲の加水分解度を有するPVOHを含むことができる。別の選択肢では、フィルムは熱水可溶性である。少なくとも約60℃の温度の水に可溶な熱水可溶性フィルムは、少なくとも約98%の加水分解度を有するPVOHを含むことができる。
【0063】
水溶性ポリマー(例えば、単独または他の水溶性ポリマーと組み合わせたPVOH樹脂ブレンド)は、フィルム中に、約30質量%、もしくは約40質量%、約50質量%、もしくは約60質量%から、及び/または約70質量%、もしくは約80質量%、もしくは約90質量%、もしくは約95質量%までの範囲の量で含まれ得る。例えば、PVOH樹脂ブレンドは、水溶性フィルム中に、フィルムの約30質量%、もしくは約40質量%、約50質量%、約60質量%、及び/または約70質量%、もしくは約80質量%、もしくは約90質量%、もしくは約95質量%までの範囲の量で存在し得る。
【0064】
水溶性フィルムは、少なくとも約50質量%、55質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、80質量%、85質量%、もしくは90質量%、及び/または最大約60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量%、もしくは99質量%のPVOH樹脂ブレンドを含有し得る。好ましくは、樹脂ブレンドは、フィルム中に、約50%~約80%、または約60%~約75%で存在する。
【0065】
第1のPVOHポリマーは、水溶性フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの(すなわち、PVOH樹脂ブレンド質量に対して)約10質量%~約90質量%、または約10質量%~約70質量%、または約10質量%~約60質量%、または約10質量%~約35質量%、または約20質量%~約50質量%、または約30質量%~約40質量%、または約65質量%~約80質量%、または約65質量%~約95質量%、または約65%超~約95質量%、または約70質量%~約90質量%の範囲の量で存在し得る。例えば、第1のPVOHポリマーは、フィルム中の全PVOHポリマーの、少なくとも約10質量%、20質量%、30質量%、35質量%、40質量%、50質量%、60質量%、65質量%、及び/または最大約90質量%、80質量%、70質量%、66質量%、65質量%、60質量%、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、20質量%、もしくは10質量%の量で存在し得る。第1のPVOHポリマーの前述の濃度は、代替的または追加的に、フィルム、PVOH、またはその他の中の合計水溶性ポリマー含有量に関連し得る。
【0066】
第2のPVOHポリマーは、フィルム中の全PVOHポリマーの(すなわち、PVOH樹脂ブレンド質量に対して)約10質量%~約90質量%、または約10質量%~約30質量%、または約10質量%~約35質量%、または約10質量%~約35質量%未満、または約20質量%~約45質量%、または約30質量%~約90質量%、または約40質量%~約90質量%、または約50質量%~約80質量%、または約60%~約70質量%、または約65質量%~約95質量%、または約10質量%~約34質量%の範囲の量で存在し得る。例えば、第2のPVOHポリマーは、フィルム中の全PVOHポリマーの、少なくとも10質量%、20質量%、30質量%、35質量%、40質量%、50質量%、60質量%、もしくは65質量%、及び/または最大約90質量%、80質量%、70質量%、65質量%、60質量%、50質量%、もしくは40質量%、もしくは35質量%、もしくは34質量%の量で存在し得る。1つのタイプの実施形態では、第2のPVOHポリマーは、上述の第1のPVOHポリマーの濃度と共に、100%になる量で存在することができる。第2のPVOHポリマーの前述の濃度は、代替的または追加的に、フィルム、PVOH、またはその他の中の合計水溶性ポリマー含有量に関連し得る。
【0067】
水溶性ポリマー(例えば、単独または他の水溶性ポリマーと組み合わせたPVOH樹脂ブレンド)は、フィルム中に、例えば、約30質量%または約50質量%~約90質量%または約50質量%~約95質量%の範囲の量で含まれ得る。
【0068】
水、相溶化剤、及び二次添加剤を含む全可塑剤の合計量と比較した全水溶性ポリマーの量の質量比は、例えば、約0.5~約18、約0.5~約15、約0.5~約9、約0.5~約5、約1~3、または約1~2の範囲であり得る。好ましくは、この比は約1~約3、より好ましくは約1.3~約2.5である。可塑剤及び他の非ポリマー成分の特定の量は、フィルム柔軟性を調節し、所望の機械的フィルム特性を考慮して加工上の利益を与えるために、水溶性フィルムの意図された用途に基づいて特定の実施形態において選択することができる。
【0069】
以下により詳細に記載されるように、PVOHポリマーは、それらの粘度(その値は一般にポリマーの分子量に相関する)の点で特徴付けることができる。ポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023-2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載されるように、ULアダプタを有するBrookfield LVタイプ粘度計を使用して作製したばかりの溶液を測定することにより決定される。20℃での4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を述べることが、国際的慣行である。本明細書に示されるポリマー粘度は、特に指定のない限り、20℃での4%水溶性ポリマー水溶液の粘度を指すことを理解されたい。参考のために、第1のPVOHポリマーは、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を有するものとして示され得、第2のPVOHポリマーは、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を有するものとして示され得る。
【0070】
第1のPVOHポリマーは、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cP、または14cP~20cPの20℃での4%溶液粘度(μ1)を特徴とし得る。第1の粘度μ1は、約4cP~約24cP(例えば、約10cP~約16cPまたは約10cP~約20cPのような、少なくとも約4、8、10、もしくは12cP、及び/または最大約12、16、20、もしくは24cP)の範囲であり得る。第2のPVOHポリマーは、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし得る。第2の粘度μ2は、約4cP~約24cP(例えば、約10cP~約16cPまたは約10cP~約20cPのような、少なくとも約4、8、10、もしくは12cP、及び/または最大約12、16、20、もしくは24cP)の範囲であり得る。第2のPVOHポリマーは、約20cP以下(例えば、少なくとも約4、8、10、もしくは12cP、及び/または最大約12、16、もしくは20cP)の、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を有することができる。第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|は、約0cP~約5cP、または約0cP~約2cPのような、0cP~約10cP、好ましくは約2cP~約8cP、もしくは少なくとも約0、0.5、1、もしくは2cP、及び/または最大約1、2、5、もしくは10cPの範囲であり得る。
【0071】
水溶性ポリマー(PVOHまたはその他)の粘度が、同じポリマーの質量平均分子量(Mw)と相関しており、しばしば粘度が(Mw)の代用物として使用されることは、当該技術分野において周知である。したがって、第1のPVOHコポリマー及び第2のPVOHポリマーを含む水溶性ポリマーの質量平均分子量は、例えば、約30,000~約175,000、または約30,000~約100,000、または約55,000~約85,000の範囲であり得る。
【0072】
PVOH樹脂ブレンドは、本質的に第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーからなり得る。
【0073】
PVOH樹脂ブレンドが、PVOHポリマー及びPVOHコポリマー樹脂から選択される3つ以上のPVOH樹脂を含む場合、前述の粘度値は、各PVOHポリマーまたはPVOHコポリマーに個別に適用することができ、前述の粘度差は、PVOH樹脂ブレンド及び得られる水溶性フィルム中の各PVOHポリマー/PVOHコポリマー対に適用することができる。
【0074】
上述のように、PVOHポリマーは、加水分解度を特徴とし得る。第1のPVOHポリマーは、60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とし得る。第2のPVOHポリマーは、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とし得る。
【0075】
水溶性フィルムは、溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値を有し得る。水溶性フィルムは、引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張強度値を有し得る。水溶性フィルムは、モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm2のモジュラス値を有し得る。それぞれの試験方法は本明細書に提供される。
【0076】
第1及び第2のPVOHポリマーの特定の化学的性質は、以下により詳細に記載される。
【0077】
a.第1のPVOHポリマー
本明細書に記載されるPVOH樹脂ブレンドは、第1のPVOHポリマーを含むことができる。第1のPVOHポリマーは、第1のアニオン性モノマー単位を含むことができる。第1のPVOHポリマーは、ビニルアルコールモノマー単位、酢酸ビニルモノマー単位(すなわち、完全に加水分解されていない場合)、及び単一タイプのアニオン性モノマー単位(例えば、単一タイプのモノマー単位が、アニオン性モノマー単位の同等の酸形態、塩形態、及び任意で残留エステル形態を含むことができる場合)を含むPVOHターポリマーであり得る。PVOHコポリマーは、2タイプ以上のアニオン性モノマー単位を含むことができる。
【0078】
第1のアニオン性モノマー単位は、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され得る。
【0079】
第1のPVOHポリマー中のアニオン性モノマー単位は、カルボキシル化アニオン性モノマー単位であり得る。本明細書で使用するとき、「カルボキシル化アニオン性モノマー単位」は、モノカルボン酸ビニルモノマー、それらのエステル及び無水物、重合性二重結合を有するジカルボンモノマー、それらのエステル及び無水物、ならびに前述のいずれかの塩、好ましくはアルカリ金属塩に対応するビニル重合単位を含む。
【0080】
適切なカルボキシル化アニオン性モノマー単位の例としては、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、前述のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、または他のアルカリ金属塩)、前述のエステル(例えば、メチル、エチル、または他のC1~C4もしくはC6アルキルエステル)、及びこれらの組み合わせ(例えば、複数のタイプのアニオン性モノマーまたは同じアニオン性モノマーの同等形態)を含むビニルアニオン性モノマーに対応するビニル重合単位が挙げられる。カルボキシル化アニオン性モノマー単位は、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせから誘導され得る。カルボキシル化アニオン性モノマー単位は、マレイン酸モノアルキルモノマー単位から誘導され得る。マレイン酸モノアルキルモノマー単位は、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩)、及びこれらの組み合わせからなる群のメンバーから誘導され得る。
【0081】
1つ以上のアニオン性モノマー単位は、所与の量で第1のPVOHポリマー中に取り込まれるかまたは存在することができる。典型的には、アニオン性モノマー含有量が増加すると、PVOHポリマー樹脂、樹脂ブレンド、及び/またはこのような樹脂もしくは樹脂ブレンドから作製されたフィルムの溶解性も増加する。より高いアニオン性モノマー含有量を有するPVOHポリマーを含むフィルムは、比較的により大きな粘着性も有し得、これはより大きなシール性を示し得る。しかしながら、相対的粘着性が高すぎる水溶性フィルムは、パウチに変えることが困難であるため、望ましくない場合がある。
【0082】
アニオン性モノマー単位の量は、PVOHポリマー中のアニオン性モノマー単位のモル含有量(例えば、モル%で表される)に関して特徴付けられ得る。1つ以上のアニオン性モノマー単位は、第1のPVOHポリマー中に、個別または集合的に、約1モル%~約5モル%、または約2モル%~約4モル%、または約2モル%~約5モル%、または約3モル%~約5モル%、または約3.5モル%~約4.5モル%、または約4モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在し得る。1つ以上のアニオン性モノマー単位は、第1のPVOHポリマー中に、約1モル%~約4モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲の量で存在し得る。アニオン性モノマー単位(複数可)は、第1のPVOHポリマー中に、少なくとも約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、もしくは4.0モル%、及び/または最大約6.0、5.5、5.0、4.5、4.0、3.5、3.0、もしくは2.5モル%の量で存在し得る。
【0083】
代替的または追加的に、アニオン性モノマー単位(複数可)は、PVOHフィルム中に存在するアニオン性モノマー単位に関して、例えば、フィルム中のPVOHポリマーの合計量(例えば、PVOH樹脂ブレンド中の、ホモポリマー(複数可)及びコポリマー(複数可)を含む、PVOHポリマーの合計)と比較したモル含有量(モル%)として特徴付けられ得る。アニオン性モノマー単位(複数可)は、水溶性フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在し得る。アニオン性モノマー単位(複数可)は、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの、少なくとも約0.5、0.75、1.0、もしくは1.2モル%、及び/または最大約5.0、4.5、4.0、3.0、2.5、2.0、もしくは1.7モル%の量で存在し得る。例えば、(カルボキシル化された)アニオン性モノマー単位を含む第1のPVOHポリマーは、ホモポリマーのような第2のPVOHポリマーと、約30質量%/70質量%のブレンド~約70質量%/30質量%のブレンドでブレンドして、全PVOHポリマーの約0.5モル%~約3モル%の平均ブレンドアニオン性モノマー単位含有量を達成する。前述のアニオン性モノマー単位含有量は、代替的または追加的に、フィルム、PVOH、またはその他の中の合計水溶性ポリマー含有量に関しても適用され得る。
【0084】
第1のPVOHポリマーは、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在し得る。
【0085】
b.第2のPVOHポリマー
本明細書に記載されるPVOH樹脂ブレンドは、第2のPVOHポリマーを含むことができる。第2のPVOHポリマーは、(a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位と、または(b)ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、PVOHポリマーから選択される。
【0086】
第2のPVOHポリマーは、第2のアニオン性モノマー単位を含むPVOHポリマーであり得る。第2のアニオン性単位は、第1のアニオン性モノマー単位とは異なってもよく、またはそれらは同じであってもよい。第1及び第2のアニオン性モノマー単位が同じである場合、第1及び第2のPVOHポリマーは、何らかの点で、例えば、それぞれの粘度に関して、またはそれぞれのアニオン性モノマー単位の取り込みレベルに関して異なる。
【0087】
第2のアニオン性モノマー単位は、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、上記のアルカリ金属塩、上記のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第2のアニオン性モノマー単位は、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第1のPVOHポリマー中の第1のアニオン性モノマー単位は、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得、第2のPVOHポリマー中の第2のモノマー単位は、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第1のPVOHポリマーは、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの、約50質量%~約90質量%、好ましくは約70質量%~約90質量%の範囲で存在し得、第1のアニオン性モノマー単位は、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、第2のPVOHポリマーは、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの、約10質量%~約50質量%、好ましくは約10質量%~約30質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位は、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される。
【0088】
第2のアニオン性モノマー単位は、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在し得る。第2のアニオン性モノマー単位は、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの、約0.2モル%~約5.0モル%、または約0.5モル%~約4.5モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲の量で存在する。
【0089】
第1のPVOHポリマーは、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し得、第2のPVOHポリマーは、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し得る。第1及び第2のアニオン性モノマー単位が同じである場合、|a1-a2|の絶対値は0より大きくなり得る。(a1-a2)の値は0より大きくてもよい。a1は、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2は、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2は、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である場合がある。
【0090】
第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位は共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在し得る。
【0091】
第2のPVOHポリマーは、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーであり得る。
【0092】
第2のPVOHポリマーは、約3.0~約40cP、または約7cP~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし得る。第1のPVOHポリマーは、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーは、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|は、0cp~約10cP、好ましくは2cP~8cPの範囲であり得る。
【0093】
第2のPVOHポリマーは、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約83%~約95%、好ましくは約85%~約92%の加水分解度を特徴とし得る。
【0094】
第2のPVOHポリマーは、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%、好ましくは30質量%~80質量%、より好ましくは50質量%~70質量%の範囲の量で存在し得る。
【0095】
第1のPVOHポリマーは、ブレンド中の全PVOHポリマーの、約20質量%~約60質量%、または約30質量%~約40質量%、または約65質量%~約90質量%、または65質量%超~約90質量%の範囲で存在し得、第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位は、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、第2のPVOHポリマーは、約10cP~約30cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの、約10質量%~約35質量%、または約10質量%~35質量%未満、または40質量%~約80質量%、または約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、PVOHホモポリマーである。
【0096】
別のタイプの実施形態では、第1のPVOHポリマーは、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約30質量%~70質量%未満、または約30質量%~約50質量%、または約65質量%~約90質量%、または65質量%超~約90質量%の範囲で存在し、第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位は、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、第2のPVOHポリマーは、約4cP~約30cP、または約4cP~約18cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの、約10質量%~約35質量%、または約10質量%~35質量%未満、または30質量%超~約70質量%、または約50質量%~約70質量%の範囲で存在するPVOHホモポリマーであり、PVOHポリマーの合計ブレンドは、約10cP~約30cP、または約12cP~約20cP、または約12cP~約18cPの範囲の質量平均粘度を有する。
【0097】
その他のフィルム成分/特性
上述のポリビニルアルコールポリマーに加えて、本開示の水溶性フィルムは、他の成分を含むことができる。
【0098】
本開示のフィルムは、他の水溶性ポリマーを含むことができる。ブレンド中のPVOHポリマー及びPVOHコポリマーに加えて使用するための他の水溶性ポリマーとしては、これらに限定されないが、加工ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、これらに限定されないが、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、及びデンプンを含む水溶性天然ポリマー、これらに限定されないが、加工デンプン、エトキシル化デンプン、及びヒドロキシプロピル化デンプンを含む、水溶性ポリマー誘導体、前述のコポリマー、ならびに前述のいずれかの組み合わせが挙げられ得る。さらに他の水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ならびにポリメタクリレートが挙げられ得る。このような水溶性ポリマーは、PVOHか否かにかかわらず、様々な供給業者から市販されている。前述の水溶性ポリマーのいずれも、一般に、フィルム形成ポリマーとしての使用に適している。一般に、水溶性フィルムは、前述の樹脂のコポリマー及び/またはブレンドを含むことができる。
【0099】
本明細書に記載されるフィルムに使用するための水溶性ポリマー(PVOHポリマー及びPVOHコポリマーを含むが、これらに限定されない)は、例えば、約3.0~約27.0cP、約4.0~約24.0cP、約4.0~約23.0cP、約4.0cP~約15cP、または約6.0~約10.0cPの範囲の粘度を特徴とし得る。ポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023-2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載されるように、ULアダプタを有するBrookfield LVタイプ粘度計を使用して作製したばかりの溶液を測定することにより決定される。20℃での4%ポリビニルアルコール水溶液の粘度を述べることが、国際的慣行である。本明細書に示されるポリマー粘度は、特に指定のない限り、20℃での4%水溶性ポリマー水溶液の粘度を指すことを理解されたい。
【0100】
水溶性ポリマー(PVOHまたはその他)の粘度が、同じポリマーの質量平均分子量(Mw)と相関しており、しばしば粘度がMw代用物として使用されることは、当該技術分野において周知である。したがって、第1のPVOHコポリマー及び第2のPVOHポリマーを含む水溶性ポリマーの質量平均分子量は、例えば、約30,000~約175,000、または約30,000~約100,000、または約55,000~約85,000の範囲であり得る。
【0101】
水溶性フィルムは、これらに限定されないが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、抗酸化剤、脱粘着剤、消泡剤、層状シリケート型ナノクレイ(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)のようなナノ粒子、漂白剤(例えば、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、等)、苦味剤(例えば、安息香酸デナトニウム、デナトニウムサッカライド、及び塩化デナトニウムのようなデナトニウム塩、オクタアセチルスクロース、キニーネ、ケルセチン及びナリンゲンのようなフラボノイド、ならびにクアシン及びブルシンのようなクアシノイド)、ならびに辛味(例えば、カプサイシン、ピペリン、イソチオシアン酸アリル、及びレシンフェラトキシン)のような嫌悪剤、ならびに他の機能的成分のような、他の補助剤及び加工助剤を、これらの意図される目的に適した量で含有し得る。可塑剤を含むフィルムは有益である。このような薬剤の量は、個別または集合的に、最大約50質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、4質量%、及び/または少なくとも0.01質量%、0.1質量%、1質量%、もしくは5質量%であり得る。好ましくは、フィルム中のこのような補助剤及び加工助剤の合計量は、約20%~約50%、より好ましくは約25%~約40%である。
【0102】
可塑剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、最大400MWのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、エタノールアミン、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましい可塑剤は、グリセリン、ソルビトール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロプレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、またはこれらの組み合わせである。可塑剤の合計量は、合計フィルム質量に基づき、約1質量%~約40質量%、または10質量%~約40質量%、または約15質量%~約35質量%、または約20質量%~約30質量%の範囲、例えば、約25質量%であり得る。グリセリン、ジプロピレングリコール、及びソルビトールの組み合わせを使用することができる。あるいは、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びソルビトールの組み合わせを使用することができる。任意で、グリセリンは、約5質量%~約30質量%、または5質量%~約20質量%、例えば、約13質量%の量で使用することができる。任意で、ジプロピレングリコールまたはトリメチロールプロパンは、約1質量%~約20質量%、または約3質量%~約10質量%、例えば、6質量%の量で使用することができる。任意で、ソルビトールは、約1質量%~約20質量%、または約2質量%~約10質量%、例えば、約5質量%の量で使用することができる。可塑剤の特定の量は、水溶性フィルムの所望のフィルム柔軟性及び加工性の特性に基づいて特定の実施形態において選択することができる。低可塑剤レベルでは、フィルムは、脆くなるか、加工が困難になるか、または破断しやすくなり得る。高可塑剤レベルでは、フィルムは、所望の用途には柔らかすぎるか、弱すぎるか、または加工が難しすぎ得る。
【0103】
適切な界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び双性イオン性クラスが挙げられ得る。適切な界面活性剤としては、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、及びアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、及び四級化ポリオキシエチレン化アミン(カチオン性)、ならびにアミンオキシド、N-アルキルベタイン、及びスルホベタイン(双性イオン性)が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な界面活性剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、グリセロール及びプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチルエステル、アルキル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセロール及びプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、ならびに脂肪酸のアセチル化エステル、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、約0.1質量%~2.5質量%、任意で約1.0質量%~2.0質量%の範囲であり得る。
【0104】
適切な潤滑剤/離型剤には、脂肪酸及びその塩、脂肪アルコール、脂肪エステル、脂肪アミン、脂肪アミンアセテート、ならびに脂肪アミドが含まれ得るが、これらに限定されない。好ましい潤滑剤/離型剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、及び脂肪アミンアセテートである。水溶性フィルム中の潤滑剤/離型剤の量は、約0.02質量%~約1.5質量%、任意で約0.1質量%~約1質量%の範囲であり得る。
【0105】
フィルムは、苦味剤、例えば、安息香酸デナトニウム及び/またはその誘導体のような、嫌悪剤を含んでもよい。嫌悪剤は、フィルムの作製前に(例えば、フィルムの流延または押出前に)ポリマー材料及び/または他の付加剤と混合することができる。代替的または追加的に、嫌悪剤は、形成後のフィルムまたはパウチに添加され、例えば、散布、印刷、噴霧、または他のコーティングによって添加され得る。
【0106】
適切な充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/脱粘着剤としては、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶性セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、及びマイカが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい材料は、デンプン、加工デンプン、及びシリカである。水溶性フィルム中の充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/脱粘着剤の量は、約0.1質量%~約25質量%、または約1質量%~約10質量%、または約2質量%~約8質量%、または約3質量%~約5質量%の範囲であり得る。デンプンが存在しない場合、適切な充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/脱粘着剤の1つの好ましい範囲は、約0.1質量%もしくは1質量%~約4質量%もしくは6質量%、または約1質量%~約4質量%、または約1質量%~約2.5質量%である。
【0107】
水溶性フィルムは、カールフィッシャー滴定によって測定される、少なくとも4質量%、好ましくは約4~約10質量%の範囲の残留水分含有量をさらに有することができる。
【0108】
フィルムは、不透明、透明、または半透明であってもよい。フィルムは、印刷された領域を含むことができる。印刷の領域は、フィルムの連続した部分を覆っていてもよく、またはその部分を覆っていてもよい。印刷の領域は、インク、顔料、染料、青色剤、またはこれらの混合物を含むことができる。印刷の領域は、単一の色を含み得、またはおそらく複数の色、さらに3つの色を含み得る。印刷は、フィルムの表面上の層として存在してもよく、フィルムに少なくとも部分的に浸透してもよい。フィルムは、第1の面及び第2の面を含む。印刷の領域は、フレキソ印刷またはインクジェット印刷のような、標準的な技術を使用して達成することができる。印刷の領域は、フィルムの片面または両面上にあり得る。あるいは、フィルムの全部または少なくとも一部が着色されるように、フィルムの製造中にインクまたは顔料を添加してもよい。
【0109】
フィルムのような水溶性ポリマー組成物の他の特徴は、米国特許出願公開第2011/0189413号及び米国特許出願第13/740,053号に見ることができ、その両方は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
フィルムの作製方法
水溶性フィルムは、本明細書に記載のタイプ及び量に従った第1のPVOHコポリマー及び第2のPVOHポリマーを、本明細書に記載の好ましい任意の二次添加剤と共に、例えば、混合、共流延、または溶接することによって形成することができる。ポリマーが最初に混合される場合、水溶性フィルムは、好ましくは、得られた混合物を(例えば、他の可塑剤及び他の添加剤と共に)流延してフィルムを形成することによって形成される。ポリマーが溶接される場合、水溶性フィルムは、例えば、溶媒または熱溶接によって形成され得る。水溶性フィルムは、押出、例えば、吹込押出によって形成することができる。
【0111】
フィルムは、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、フィルムは、約5~約200μmの範囲、または約20~約100μm、または約40~約85μmの範囲、例えば、76μmの厚さを有することができる。パウチが、例えば、以下に記載されるような熱成形によって作製される場合、フィルムは変形され、その結果、パウチのフィルム厚さが変化し得る。したがって、フィルムの未変形の厚さは、変形及び/またはパウチ形成の前に決定され得る。
【0112】
任意で、水溶性フィルムは、1つの層または複数の類似した層からなる自立フィルムであり得る。
【0113】
本明細書に記載されるフィルムは、同じフィルムでまたは他のポリマー材料のフィルムと組み合わせて作製される2つ以上の区画を有するパケットのような物品を作製するのにも使用することができる。追加のフィルムは、例えば、当該技術分野で既知の同じまたは異なるポリマー材料の流延、吹込成形、押出、または吹込押出によって得ることができる。追加のフィルムとしての使用に適したポリマー、コポリマー、またはこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸またはペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含むポリサッカライド、キサンタンのような天然ガム、ならびにカラギーナンから選択され得る。例えば、ポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ならびにこれらの組み合わせから選択することができるか、またはポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ならびにこれらの組み合わせから選択することができる。フィルムの1つの考慮されるクラスは、パウチ材料中のポリマーのレベルを特徴とし、例えば、PVOH樹脂ブレンドは、上述のように、少なくとも60%である。
【0114】
全可塑剤、相溶化剤、及び二次添加剤の合計量と比較した全水溶性ポリマーの量の質量比は、例えば、約0.5~約18、約0.5~約15、約0.5~約9、約0.5~約5、約1~3、または約1~2の範囲であり得る。好ましくは、この比は約1~約3、より好ましくは約1.3~約2.5である。可塑剤及び他の非ポリマー成分の特定の量は、フィルム柔軟性を調節し、所望の機械的フィルム特性を考慮して加工上の利益を与えるために、水溶性フィルムの意図された用途に基づいて特定の実施形態において選択することができる。
【0115】
家庭用ケア組成物を含む、組成物
本開示は、部分的には、家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物に関する。本開示の家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物は、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入され得る。多区画パウチは、同じまたは異なる組成物を各々別個の区画に収容することができる。
【0116】
有用な組成物(例えば、家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物)の非限定的な例としては、軽質及び重質液体洗剤組成物、手動食器洗浄組成物または自動食器洗浄組成物を含む硬質表面洗浄組成物、洗濯に一般的に使用される洗剤ゲル、漂白及び洗濯添加剤、布地向上剤組成物(布地柔軟剤のような)、シャンプー、ボディウォッシュ、ならびに他の個人用ケア組成物が挙げられる。本パウチで使用する組成物は、液体、ゲル、固体、または粉末の形態をとり得る。液体組成物は、固体を含み得る。固体には、マイクロカプセル、ポリマービーズ、ヌードル、または1つ以上の真珠玉もしくはこれらの混合物のような、粉末または凝集体が含まれ得る。このような固体要素は、洗浄により、または前処理、遅延、もしくは連続放出成分として技術的利益をもたらすことができ、追加的または代替的に、美的効果をもたらすことができる。
【0117】
多区画パウチは、非相溶性成分(例えば、漂白剤と酵素)を含有する組成物を互いから物理的に分離または区分して保持するために使用され得る。このような区分は、有用寿命を延長する、及び/またはこのような成分の物理的不安定性を減少させることができると考えられる。追加的または代替的に、このような区分は、欧州特許出願第09161692.0号に記載されるように、美的利益をもたらし得る。多区画パウチは、少なくとも1つの区画に液体組成物を含み、少なくとも1つの区画に固体組成物を含むことができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、またはさらにすべての区画に液体組成物を含むことができる。
【0118】
本明細書に記載のフィルムによってカプセル化された組成物は、配合成分及び組成物の目的のような因子に応じて、任意の適切な粘度を有することができる。組成物は、20秒-1のせん断速度及び20℃の温度で、100~3,000cP、あるいは300~2,000cP、あるいは500~1,000cPの高せん断粘度値、ならびに1秒-1のせん断速度及び20℃の温度で、500~100,000cP、あるいは1000~10,000cP、あるいは1,300~5,000cPの低せん断粘度値を有し得る。粘度の測定方法は当該技術分野において知られている。本開示によれば、粘度測定は、回転式レオメーター、例えば、TA Instruments AR550を使用して実施される。装置には、等方性液体のための約50~60μmの隙間を有する40mm2°または1°円錐固定具、または液体を含有する粒子のための1000μmの隙間を有する40mm平鋼板が含まれる。測定は、コンディショニングステップ、ピークホールド、及び連続ランプステップを含むフロー手順を使用して実施される。コンディショニングステップは、20℃での測定温度の設定、10秒-1のせん断速度での10秒の予備せん断、及び選択された温度での60秒の平衡化を含む。ピークホールドは、0.05秒-1のせん断速度を20℃で3分間適用し、10秒ごとにサンプリングすることを含む。連続ランプステップは、20℃で3分間0.1~1200秒-1のせん断速度で実施され、完全なフロープロファイルを得る。
【0119】
家庭用ケア組成物の適切な成分は、以下により詳細に記載される。
【0120】
香料
組成物、例えば、本開示の家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、香料を含む。組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物の、約0.1質量%~約10質量%、または約0.1質量%~約5質量%、好ましくは約0.5質量%~約4質量%、より好ましくは約1質量%~約3質量%の、香料を含み得る。
【0121】
以下により詳細に記載されるように、香料は、ニート香料、カプセル化香料、またはこれらの混合物を含み得る。好ましくは、香料はニート香料を含む。香料の一部分は、コア-シェルカプセル化物にカプセル化することができる。別のタイプの実施形態では、香料は、コア/シェルカプセル化物にカプセル化されない。
【0122】
本明細書で使用されるとき、「香料」という用語は、香料原材料(PRM)及び香料アコードを包含する。本明細書で使用される「香料原材料」という用語は、少なくとも約100g/molの分子量を有する化合物を指し、単独でまたは他の香料原材料と共にのいずれかで、匂気、芳香、芳香物質、または香気を付与するのに有用である。本明細書で使用されるとき、「香料成分」及び「香料原材料」という用語は相互互換可能である。本明細書で使用される「アコード」という用語は、2つ以上のPRMの混合物を指す。
【0123】
典型的なPRMは、とりわけアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトライト、及びテルペンのようなアルケンを含む。一般的なPRMのリストは、様々な参考文献、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」,Vols.I and II;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」,Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)に見ることができる。
【0124】
PRMは、常圧(760mmHg)で測定されるそれらの沸点(B.P.)、及びそれらのオクタノール/水分配係数(P)によって特徴付けられる。これらの特徴に基づいて、PRMは、以下でより詳細に説明するように、象限I、象限II、象限III、または象限IV香料として分類することができる。
【0125】
PRMのオクタノール/水分配係数は、オクタノール及び水中のその平衡濃度の間の比である。多くのPRMのlogPが報告されており、例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS),Irvine,Calif.から入手可能な、Pomona92データベースは、元の文献への引用と共に、多くを含む。しかしながら、logP値は、同様にDaylight CISから入手可能な、「CLOGP」プログラムによって最も便利に計算される。このプログラムはまた、Pomona92データベースで入手可能な場合、実験的なlogP値を挙げる。「計算されたlogP」(ClogP)は、Hansch and Leoのフラグメントアプローチによって決定される(本明細書に参照により組み込まれる、A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ransden,Eds,p.295,Pergamon Press,1990参照)。フラグメントアプローチは、各PRMの化学構造に基づいており、原子の数及びタイプ、原子の結合性、ならびに化学結合を考慮する。この物理化学的性質について最も信頼性が高く広く使用される推定値であるClogP値は、好ましくは、本発明において有用なPRMの選択における実験的logP値の代わりに使用される。
【0126】
多くのPRMの沸点は、例えば、本明細書に参照により組み込まれる、「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」,S.Arctander,published by the author,1969に記載される。他の沸点値は、Beilstein Handbook,Lange’s Handbook of Chemistry、及びCRC Handbook of Chemistry and Physicsのような、異なる化学ハンドブック及びデータベースから得ることができる。沸点が異なる圧力、通常は760mmHgの常圧よりも低い圧力でのみ与えられる場合、常圧での沸点は、「The Chemist’s Companion」,A.J.Gordon and R.A.Ford,John Wiley&Sons Publishers,1972,pp.30-36に記載のもののような、沸点-圧力ノモグラフを使用することによって、およそ推定することができる。
【0127】
250℃未満の沸点及び3.0未満のClogPを有する香料原材料は、象限I香料と呼ばれる。250℃未満の沸点及び0~3.0のClogPを有する象限I香料が好ましい。象限I香料原材料の非限定的な例としては、アリルカプロエート、アミルアセテート、アミルプロピオネート、アニスアルデヒド、アニソール、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、ベンジルホルメート、ベンジルイソバレレート、ベンジルプロピオネート、ベータガンマヘキセノール、カンファーガム、ラエボ-カルベオール、d-カルボーン、ラエル-カルボーン、シンナミックアルコール、シンナミルホルメート、シス-ジャスモン、シス-3-ヘキセニルアセテート、クミニック、アルコール、クミニックアルデヒド、シクラルC、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、エチルブチレート、エチルヘキシルケトン、エチルフェニルアセテート、ユーカリプトール、オイゲノール、フェンキルアルコール、フロルアセテート(トリシクロデセニルアセテート)、フルテン(トリシクロデセニルプロピオネート)、ゲラニオール、ヘキセノール、ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘキシルホルメート、ヒドラトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、イソアミルアルコール、イソメントン、イソプレギルアセテート、イソキノリン、シスジャスモン、リグストラール、リナロール、リナロールオキシド、リナリルホルメート、メントン、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、メチルアントラニラート、メチルベンゾエート、メチルベンジルアセテート、ネロール、フェニルエチルアルコール、アルファ-テルピネオール、プロパン酸エチルエステル、エチルプロピオネート、酢酸2-メチルプロピルエステル、イソブチルアセテート、ブタン酸2-メチル-メチルエステル、エチル-2-メチルブチレート、2-ヘキセナール、(E)-、2-ヘキセナール、ベンゼン酢酸メチルエステル、メチルフェニルアセテート、1,3-ジオキソラン-2-酢酸2-メチル-エチルエステル、フルクトン、ベンゼンアセトアルデヒド、アルファ-メチル-、ヒドラトロピックアルデヒド、酢酸(2-メチルブトキシ)-2-プロペニルエステル、アリルアミルグリコレート、エタノール2,2´-オキシビス-、カロン161、2(3H)-フラノン5-エチルジヒドロ-、ガンマヘキサラクトン、2H-ピラン3,6-ジヒドロ-4-メチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)-、ネロールオキシド、2-プロペナール3-フェニル-、シンナミックアルデヒド、2-プロペン酸3-フェニル-メチルエステル、メチルシンナメート、4H-ピラン-4-オン2-エチル-3-ヒドロキシ-、エチルマルトール、2-ヘプタノン、メチルアミルケトン、酢酸ペンチルエステル、イソアミル-アセテート、ヘプテノンメチル-、メチルヘプテノン、1-ヘプタノール、ヘプチルアルコール、5-ヘプテン-2-オン6-メチル-、メチルヘプテノン、エタノール2-(2-メトキシエトキシ)-、Veramoss Sps、トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン1-エチル-3-メトキシ-、ネオプロキセン、ベンゼン1,4-ジメトキシ-、ヒドロキノンジメチルエーテル、炭酸3-ヘキセニルメチルエステル(Z)-、Liffarome、オキシラン2,2-ジメチル-3-(3-メチル-2,4-ペンタジエニル)-、ミロキシド、エタノール2-(2-エトキシエトキシ)-、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサンエタノール、シクロヘキシルエチルアルコール、3-オクテン-1-オール(Z)-、オクテノールDix、3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド3,6-ジメチル-、シクロベルタール、1,3-オキサチアン2-メチル-4-プロピル-シス-、オキサン、酢酸4-メチルフェニルエステル、パラクレジルアセテート、ベンゼン(2,2-ジメトキシエチル)-、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、オクタナール7-メトキシ-3,7-ジメチル-、メトキシシトロネラールPq、2H-1-ベンゾピラン-2-オンオクタヒドロ-、オクタヒドロクマリン、ベンゼンプロパナールベータ-メチル-、トリフェマル、4,7-メタノ-1H-インデンカルボキシアルデヒドオクタヒドロ-、ホルミルトリシクロデカン、エタノン1-(4-メトキシフェニル)-、パラメトキシアセトフェノン、プロパンニトリル3-(3-ヘキセニルオキシ)-(Z)-、パルマニル、1,4-メタノナフタレン-5(1H)-オン4,4a,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-、タミゾン、ベンゼン[2-(2-プロペニルオキシ)エチル]-、LRA220、ベンゼンプロパノール、フェニルプロピルアルコール、1H-インドール、インドール、1,3-ジオキソラン2-(フェニルメチル)-、エチレングリコールアセタール/フェニルアセトアルデヒド、2H-1-ベンゾピラン-2-オン、3,4-ジヒドロ-、ジヒドロクマリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0128】
約250℃の沸点または3.0未満のClogPを有する香料原材料は、象限II香料と呼ばれる。250℃超の沸点及び0~3.0のClogPを有する象限II香料が好ましい。象限II香料原材料の非限定的な例としては、クマリン、オイゲノール、イソ-オイゲノール、インドール、メチルシンナメート、メチルジヒドロジャスモネート、メチル-N-メチルアントラニレート、ベータ-メチルナフチルケトン、デルタ-Nノナラクトン、バニリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0129】
250℃未満の沸点及び約3.0超のClogPを有する香料原材料は、象限III香料と呼ばれる。象限III香料原材料の非限定的な例としては、イソ-ボミルアセテート、カルバクロール、アルファ-シトロネロール、パラシメン、ジヒドロミルセノール、ゲラニルアセテート、d-リモネン、リナリルアセテート、ベルテネックスが挙げられる。
【0130】
約250℃以上の沸点または約3.0以上のClogPを有する香料原材料は、象限IV香料または持続性香料と呼ばれる。持続性香料原材料の非限定的な例としては、シクロヘキサンプロピオン酸アリル、アンブレットリド、安息香酸アミル、桂皮酸アミル、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、サリチル酸イソアミル、ヒドロキシシトロネラール-アントラニル酸メチル(aurantiol(登録商標)として知られる)、ベンゾフェノン、サリチル酸ベンジル、酢酸パラ-tert-ブチルシクロヘキシル、アントラキノン、サリチル酸シンナリル、サリチル酸シンナミル、イソブチルキノリン、ベータ-カリオフィレン、カジネン、セドロール、酢酸セドリル、ギ酸セドリル、桂皮酸シンナミル、サリチル酸シクロヘキシル、シクラメンアルデヒド、ジヒドロイソジャスモネート、ジフェニルメタン、ジフェニルオキシド、ドデカラクトン、1-(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(iso E super(登録商標)として知られる)、エチレンブラシレート、メチルフェニルグリシデート、ウンデシレン酸エチル、15-ヒドロキシペンタデカン酸ラクトン(exaltolide(登録商標)として知られる)、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-ガンマ-2-ベンゾピラン(galaxolide(登録商標)として知られる)、アントラニル酸ゲラニル、フェニル酢酸ゲラニル、ヘキサデカノリド、サリチル酸ヘキセニル、ヘキシルシンナミックアルデヒド、サリチル酸ヘキシル、アルファ-イロン、ガンマ-イオノン、ガンマ-n-メチルイオノン、パラ-tertiary-ブチル-アルファ-メチルヒドロシンナミックアルデヒド(lilial(登録商標)として知られる)、リリアル(p-t-ブシナール)(登録商標)、安息香酸リナリル、2-メトキシナフタレン、ジヒドロジャスモン酸メチル、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベチン、ミリスチシン、オキサヘキサデカノリド-10、オキサヘキサデカノリド-11、パチュリアルコール、5-アセチル-1,1,2,3,3,6-ヘキサメチルインダン(phantolide(登録商標)として知られる)、安息香酸フェニルエチル、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルヘプタノール、フェニルヘキサノール、アルファ-サンタロール、デルタ-ウンデカラクトン、ガンマ-ウンデカラクトン、酢酸ベチベリル、ヤラヤラ、イランゲンが挙げられる。
【0131】
香料原材料及びアコードは、次の香料材料供給業者Firmenich(Geneva,Switzerland)、Givaudan(Argenteuil,France)、IFF(Hazlet,N.J.)、Quest(Mount Olive,N.J.)、Bedoukian(Danbury,Conn.)、Sigma Aldrich(St.Louis,Mo.)、Millennium Specialty Chemicals(Olympia Fields,Ill.)、Polarone International(Jersey City,N.J.)、Fragrance Resources(Keyport,N.J.)、及びAroma&Flavor Specialties(Danbury,Conn.)のうちの1つ以上から入手することができる。
【0132】
伝統的に、香料アコードは、それらの高い沈着効率、したがって布地への匂いの影響のために「持続性」香料(象限IV)を中心に配合されるが、「非持続性」香料、特に象限I香料成分は、布地に沈着しにくいと考えられ、このようなものとして、無駄及び汚染を最小限に抑えるために、典型的にはごく少量でのみ使用される。象限I香料成分は親水性であり(例えば、3.0未満のClogP)、低沸点(例えば、250℃未満のB.P.)を有し、したがって、それらは洗浄媒体もしくはすすぎ媒体に、または熱乾燥中に容易に失われる。本開示の組成物では、いくつかの非持続性香料成分、特に象限I香料成分は、例えば、容器のヘッドスペース中の香料の匂いを改善して消費者が収容された水性パウチの香料特性を認識できるように、意図的に配合することができる。以下に記載されるように、本開示の組成物は、組成物の少なくとも約2質量%、または少なくとも約3質量%、または少なくとも約4質量%の、象限I香料成分を含み得る。
【0133】
本開示による香料は、香料アコードの約15質量%~約60質量%、好ましくは約20質量%~約55質量%、より好ましくは約25質量%~約50質量%の非持続性香料成分を含有し得る。非持続性香料成分は、象限I、II、及びIII香料成分を包含する。本開示による香料は、香料のアコードの約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分を含有し得る。香料は、組成物の少なくとも約2質量%、または少なくとも約3質量%、または少なくとも約4質量%の、象限I香料成分を含み得る。
【0134】
追加的または代替的に、香料は、約2.5%~約25%、好ましくは約3%~約20%、より好ましくは約5%~約15%の象限II香料成分、約10%~約50%、好ましくは約15%~約45%、より好ましくは約20%~約40%の象限III香料成分、及び/または約40%~約85%、好ましくは約45%~約75%、より好ましくは約40%~約65%の象限IV香料成分を含むことができる。このような香料アコードは、本開示による水溶性パウチを形成する本開示による水溶性フィルムに封入される家庭用ケア組成物に有機溶媒と共配合される場合、洗浄を通して効率的な布地上の香料沈着、よって湿潤及び乾燥段階の両方で布地に大きな匂いの影響を依然として供給し、貯蔵時の有機溶媒の喪失を最小限に抑えながら、消費者が収容された水溶性パウチの香料特性を認識できるように、容器のヘッドスペースにおいて良好な香料の匂いを送達することが見出された。
【0135】
追加的または代替的に、1つのタイプの実施形態では、香料は、約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分を含有しないであろう。追加的または代替的に、1つのタイプの実施形態では、香料は、約2%~約15%の象限I香料成分を含有しないであろう。追加的または代替的に、1つのタイプの実施形態では、香料は、約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分を含有しないであろう。追加的または代替的に、1つのタイプの実施形態では、香料は、コア/シェルカプセル化物に含有されないであろう。
【0136】
香料の一部分は、カプセル化された香料であってもよい。香料は、コア-シェルカプセル化物にカプセル化されてもよい。カプセル化物は、コアと壁とを含み得、壁は、少なくとも部分的にコアを取り囲むシェルとして機能する。コアは、香料のような有益剤を含むことができる。壁は、コーティングを含むことができる外面を含むことができる。コーティングは、効率ポリマーを含むことができる。これらの要素については、以下でより詳細に説明する。
【0137】
組成物は、組成物の約0.1質量%から、または約0.2質量%から、または0.3質量%から、または約0.4質量%から、または約0.5質量%から、約5質量%まで、または約2.5質量%まで、または約2質量%まで、または約1質量%までの、カプセル化物を含み得る。組成物は、組成物の約0.1質量%~約1質量%の、カプセル化物を含み得る。
【0138】
カプセル化物は脆い場合がある。カプセル化物粒子サイズは、Malvern粒子サイズ測定器のような、当該技術分野において知られる典型的な方法によって測定することができる。カプセル化物は、約10ミクロン~約500ミクロン、または約200ミクロン、または約100ミクロン、または約50ミクロン、または約30ミクロンの平均粒径を有することができる。複数のカプセル化物が凝集物を形成し得る。
【0139】
カプセル化物は、約2~約10、約3~約9、または約4~約8のpH範囲でカチオン電荷を有することができる。
【0140】
カプセル化物は、少なくとも部分的にコアを取り囲むことができる壁を有することができる。壁は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アクリル、アミノプラスト、ポリオレフィン、アルギネート及び/またはキトサンのようなポリサッカライド、ゼラチン、シェラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機物、シリコーン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含むことができる。壁材料は、アミノプラスト、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0141】
壁材料は、アミノプラストを含むことができる。アミノプラストは、ポリウレア、ポリウレタン、及び/またはポリウレアウレタンを含むことができる。アミノプラストは、メラミン-ホルムアルデヒド、尿素-ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、またはこれらの混合物のような、アミノプラストコポリマーを含み得る。壁材料は、メラミンホルムアルデヒドを含み得、壁は、以下に記載するようなコーティングをさらに含み得る。カプセル化物は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/または架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを含み得る。カプセル化物は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/または架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ(アクリル酸)、ならびにポリ(アクリル酸-co-ブチルアクリレート)を含む壁とを含み得る。
【0142】
カプセル化物の外壁は、コーティングを含むことができる。特定のコーティングは、布のような標的表面上へのカプセル化物の付着を改善することができる。カプセル化物は、約1:200~約1:2、または約1:100~約1:4、またはさらに約1:80~約1:10のコーティング対壁質量比を有し得る。
【0143】
コーティングは、効率ポリマーを含むことができる。コーティングは、カチオン性効率ポリマーを含むことができる。カチオン性ポリマーは、ポリサッカライド、カチオン化加工デンプン、カチオン化加工グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。コーティングは、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むことができる。
【0144】
コーティングは、ポリビニルホルムアミドを含むことができる。ポリビニルホルムアミドは、約5%~約95%、約7%~約60%、またはさらに約10%~約40%の加水分解度を有し得る。
【0145】
1つ以上の効率ポリマーは、約1,000Da~約50,000,000Da、約5,000Da~約25,000,000Da、約10,000Da~約10,000,000Da、またはさらに約340,000Da~約1,500,000Daの平均分子量を有することができる。1つ以上の効率ポリマーは、約1meq/gの効率ポリマー~約23meq/gの効率ポリマー、約1.2meq/gの効率ポリマー~16meq/gの効率ポリマー、約2meq/gの効率ポリマー~約10meq/gの効率ポリマー、またはさらに約1meq/gの効率ポリマー~約4meq/gの効率ポリマーの電荷密度を有することができる。
【0146】
カプセル化物のコアは、有益剤を含むことができる。適切な有益剤としては、香料原材料、シリコーン油、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、精油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、防虫剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及び形態制御剤、平滑剤、しわ制御剤、消毒剤、殺菌剤、細菌制御剤、かび制御剤、白かび制御剤、抗ウイルス剤、乾燥剤、汚染防止剤、防汚剤、布地清涼化剤及び清涼感延長剤、塩素漂白剤臭制御剤、染料固定剤、色移り防止剤、色維持剤、蛍光増白剤、色復元/回復剤、退色防止剤、白色度向上剤、耐摩耗剤、摩耗防止剤、抗ピリング剤、消泡剤、発泡防止剤、UV保護剤、日焼け防止剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地柔軟剤、縮み防止剤、伸び防止剤、伸び回復剤、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質、抗菌活性物質、制汗活性物質、カチオン性ポリマー、染料、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。有益剤は、香料原材料を含むことができる。
【0147】
カプセル化物は、香料原材料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/または架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを含み得、壁は、壁の外面にコーティングをさらに含み、コーティングは、ポリビニルホルムアミドのような効率ポリマーを含む。
【0148】
適切なカプセル化物は、Encapsys(Appleton、Wisconsin、USA)から入手することができる。洗剤組成物は、異なるカプセル化物、例えば、異なる壁材料及び/または有益剤を有するカプセル化物の混合物を含むことができる。
【0149】
本家庭用ケア組成物は、ホルムアルデヒド捕捉剤をさらに含んでもよい。そのような捕捉剤は、特定のカプセル化物、特にホルムアルデヒドを含む及び/もしくは放出するカプセル化物において、またはそれと共に有用であり得る。適切なホルムアルデヒド捕捉剤としては、重亜硫酸ナトリウム、尿素、システイン、システアミン、リジン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4-ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、4-アミノ安息香酸メチル、アセト酢酸エチル、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3-ジドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ヘキサンジオール、エチレンジアミン-N,N’-ビスアセトアセトアミド、N-(2-エチルヘキシル)アセトアセトアミド、N-(3-フェニルプロピル)アセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、2-ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2-ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、キトサン、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0150】
有機溶媒
組成物、例えば、本開示の家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、例えば、生成物安定性を促進するために、組成物、例えば、本開示の家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物において有用であり得る。しかしながら、本明細書に記載のパウチからの有機溶媒の喪失または移動は、製品の不安定性、べたつくまたは油っぽいパウチ、等のような問題を引き起こす可能性がある。本開示の水溶性フィルムは、本開示の組成物及び容器と共に機能して、パウチの完全性、フィルムの可塑性、使用中の溶解及び/または香料放出のような、他のパウチの利点を提供しながら、有機溶媒の移動または喪失を最小限に抑えると考えられる。
【0151】
組成物は、組成物の約1質量%~約50質量%の、有機溶媒を含み得る。組成物は、組成物の約5質量%、または約10質量%、または約15質量%~約50質量%、または約40質量%、または約30質量の、有機溶媒を含み得る。
【0152】
適切な有機溶媒は、低分子量モノアルコール、ポリオール、グリコール、またはこれらの組み合わせを含み、好ましくはこれらから選択される。本明細書で使用する「低分子量」は、約600未満、または約500未満、または約400未満、または約300未満、または約200未満の分子量を有することを意味する。適切な有機溶媒は、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール(例えば、約200~約600、または約500、または約400の質量平均分子量を有し得る、ポリエチレングリコール)、ソルビトール、及びこれらの混合物を含み得る。家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、実質的にエタノールを含まない場合があり、組成物が組成物の0質量%(0質量%を含む)~約0.1質量%のエタノールを含むことを意味する。本明細書で使用されるように、脂肪酸またはアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)も、クメンスルホネート、トルエンスルホネートまたはキシレンスルホネートのようなヒドロトロープも、有機溶媒であるとはみなされない。水もまた、本発明の範囲内で有機溶媒として理解されない。
【0153】
組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、少なくとも2つの有機溶媒、または少なくとも3つの有機溶媒を含み得る。組成物は、第1の有機溶媒を含むことができる。第1の有機溶媒は、他の有機溶媒よりも大きな割合で存在してもよい。第1の有機溶媒は、1,2-プロパンジオールであり得る。組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、第2の有機溶媒を含み得る。第2の有機溶媒は、グリセロールであり得る。第1の溶媒、例えば、1,2-プロパンジオールの、第2の溶媒、例えば、グリセロールに対する比は、約7:1~約1:5、または約6.5:1~約1:3、または約4:1~約1:1、または3.5:1~1.5:1であり得る。
【0154】
組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、1,2-プロパンジオール及びジプロピレングリコールを含み得る。1,2-プロパンジオール対ジプロピレングリコールの質量比は、1:1~10:1、または1:1~5:1、または1.5:1~4:1であり得る。
【0155】
組成物、例えば、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、1,2-プロパンジオール、グリセロール、及びジプロピレングリコールを含み得る。1,2-プロパンジオール対グリセロール及び1,2-プロパンジオールからジプロピレングリコールまでの質量比は、1:1~10:1、または1:1~5:1、または1.5:1~4:1であり得る。グリセロール対ジプロピレングリコールの質量比は、3:1~1:3、または2:1~1:2、または1.5:1~1:1.5であり得る。
【0156】
いくつかの態様において、有機溶媒の有機溶媒の少なくとも1つ、または少なくとも2つは、フィルム材料の可塑剤の少なくとも1つ、または少なくとも2つと同じである。理論に縛られることを望むものではないが、共通溶媒/可塑剤を有することにより、フィルムが区画に含まれる組成物と接触している場合、フィルムの可塑性を時間をかけて改善することができると考えられる。共通溶媒/可塑剤を有することによって、容器のヘッドスペースへの特定の香料の選択的な漏出を促進することもできる。共通溶媒/可塑剤は、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、またはこれらの組み合わせから選択され得る。
【0157】
本組成物の有機溶媒は、相対親水性を示す、上述のような、cLogP値によって特徴付けられ得る。いくつかの有機溶媒のcLogP値を以下の表1に示す。
【0158】
本組成物の有機溶媒は、それらの沸点(B.P.)によって特徴付けられ得る。いくつかの有機溶媒の沸点を以下の表1に示す。
【表1】
【0159】
有機溶媒の喪失を比較的最小限に抑えながら、少なくともいくらかの香料が記載されたパウチから密閉容器のヘッドスペース中に漏出することができるように、香料及び溶媒の特定の組み合わせを選択することが望ましい場合がある。
【0160】
本明細書に記載される家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物では、有機溶媒は、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、もしくは少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み得、及び/または香料は、全香料の少なくとも約10質量%、もしくは少なくとも約20質量%、もしくは少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含み得る。
【0161】
本明細書に記載される家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物では、有機溶媒は、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、もしくは少なくとも約80質量%、もしくは少なくとも約90質量%、もしくはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み得、及び/または香料は、全香料の少なくとも約50質量%、もしくは少なくとも約80質量%、もしくは少なくとも約90質量%、もしくはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含み得る。より好ましくは、香料アコードは、香料の約4質量%~約40質量%、好ましくは6質量%~30質量%、より好ましくは8質量%~20質量%の、0~3.0のClogPを有する香料原材料、及び香料の60質量%~約96質量%、好ましくは70質量%~94質量%、より好ましくは80質量%~92質量%の、3.0を超えるClogPを有する香料原材料を含むであろう。
【0162】
他の材料
本明細書に記載の家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物は、以下の非限定的な成分のリスト:布地ケア有益剤、洗浄性酵素、沈着助剤、レオロジー改質剤、ビルダー、ブリーチ、漂白剤、漂白剤前駆体、漂白剤ブースター、漂白剤触媒、香料装填ゼオライト、デンプンカプセル化アコード、ポリグリセロールエステル、ホワイトニング剤、真珠光沢剤、酵素安定化系、アニオン性染料のための固定剤、アニオン性界面活性剤のための錯化剤、及びこれらの混合物を含む捕捉剤、蛍光増白剤または蛍光剤、これらに限定されないが、防汚ポリマー及び/または土壌懸濁ポリマーを含むポリマー、分散剤、消泡剤、非水性溶媒、脂肪酸、発泡抑制剤、例えば、シリコーン発泡抑制剤、カチオン性デンプン、スカム分散剤、直接染料、色相染料、着色剤、乳白剤、抗酸化剤、トルエンスルホネート、クメンスルホネート、及びナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ、カラースペックル、着色ビーズ、球体または押出物、粘土軟化剤、抗菌剤の1つ以上を含み得る。追加的または代替的に、組成物は、界面活性剤、第四級アンモニウム化合物、及び/または溶媒系を含むことができる。第四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤のような、布地向上剤組成物中に存在し、Rがアルキル基またはアリール基である、構造NR4
+の正電荷を帯びた多原子イオンである第四級アンモニウムカチオンを含み得る。
【0163】
本明細書に記載される家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物は、組成物の約5質量%~70質量%、または約10質量%~約60質量%、または約20質量%~約50質量%、または約30質量%~約50質量%の、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性、もしくは両性界面活性剤、またはこれらの混合物から選択され得る、界面活性剤を含み得る。アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化アルキルスルフェート、またはこれらの組み合わせを含み得る。非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含み得る。組成物は、5~60%、または約15~約50%、または約20%~約45%の界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、約20:1~約1:3、または約15:1~約1:2、または約12:1~約3:1の質量比でアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含むことができ、アニオン性界面活性剤は、脂肪酸、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、またはこれらの組み合わせの1つ以上からなる。
【0164】
本明細書に記載される家庭用ケア組成物及び非家庭用ケア組成物は、もしあれば、水を比較的に低いレベルで含むことができる。家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物は、20%未満、または15%未満、または12%未満、または10%未満、または8%未満、または5%未満の水を含み得る。組成物は、組成物の、約1質量%~20質量%、または約3質量%~約15質量%、または約5質量%~約12質量%の、水を含み得る。組成物は、実質的に無水であってもよく、本明細書では、約5%未満、または約2%未満、または約1%未満の水を含有し得ることを意味する。比較的高レベルの水は、水溶性フィルムの完全性に悪影響を与える可能性がある。
【0165】
組成物は、水とグリコールとの混合物を含み得、グリコールは、グリセロール、1,2,プロパンジオール、1.3,プロパンジオール、及びジプロピレングリコールを含む群から選択され得る。グリセロールは、全組成物の、約15質量%未満、好ましくは約10質量%未満の量で存在することができる。水及びグリセロールの合計量は、組成物の、約3質量%~約20質量%、好ましくは約5質量%~約15質量%であり得る。
【0166】
使用方法
本明細書に記載される容器システムは、その中に収容されたパウチを貯蔵、輸送、及び/または販売するのに適し得る。
【0167】
本明細書に記載されるパウチのいずれも、ならびにその中に含まれる家庭用及び非家庭用ケア組成物は、基材、例えば、布地または硬質表面を、例えば、基材をフィルム、物品、及び/またはその中に含まれる組成物と接触させることによって処理するのに使用され得る。接触ステップは、手動でまたは自動機械、例えば、自動(トップまたはフロントローディング)洗濯機、自動食器洗浄機、床洗浄機、もしくは他の洗浄機中で行うことができる。接触ステップは、約80℃まで、または約60℃まで、または約40℃まで、または約30℃まで、または約20℃まで、または約15℃まで、または約10℃まで、または約5℃までの温度であり得る、水の存在下で行われ得る。接触ステップの後に、複数回のすすぎサイクルまたはさらに単回のすすぎサイクルを行ってもよい。この方法は、密閉容器を開封し、その中に収容されたパウチにアクセスするステップを含むことができる。この方法は、容器を密閉するステップをさらに含むことができる。
【0168】
布地のような基材の処理方法は、密閉容器を開封するステップと、容器の内部空間に収容されるパウチにアクセスするステップであって、パウチが、水溶性フィルム及び水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を含み、家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物が、組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドが、(a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または(b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解するようにパウチを水と組み合わせ、これによって家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出するステップと、処理すべき基材を家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含み得る。
【0169】
本開示はさらに、容器を開封する際に心地良い香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用に関し、水溶性フィルムは、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物または非家庭用ケア組成物を少なくとも部分的に封入し、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドは、第1のアニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、及び任意で酢酸ビニル単位を含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドは、(a)第2のアニオン性モノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、及び任意で酢酸ビニル単位を含むPVOHポリマー、または(b)本質的にビニルアルコールモノマー単位及び任意で酢酸ビニル単位からなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む。
【0170】
実施例、第1部
本開示の具体的に考慮される例は、本明細書において、以下の番号の付いた項で説明される。これらの例は本質的に例示を意図するものであり、限定を意図するものではない。
【0171】
1.香料と有機溶媒とを含む組成物を含有するのに適した、または経時的に香料を選択的に放出させるように適合された水溶性フィルムであって、
フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、フィルム。
【0172】
2.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項1に記載のフィルム。
【0173】
3.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前項1~2のいずれか1つに記載のフィルム。
【0174】
4.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項1~3のいずれか1つに記載のフィルム。
【0175】
5.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前項1~4のいずれか1つに記載のフィルム。
【0176】
6.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前項1~5のいずれか1つに記載のフィルム。
【0177】
7.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前項1~6のいずれか1つに記載のフィルム。
【0178】
8.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項1~7のいずれか1つに記載のフィルム。
【0179】
9.第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前項1~8のいずれか1つに記載のフィルム。
【0180】
10.第2のアニオン性モノマー単位が、第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、項9に記載のフィルム。
【0181】
11.第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項1~10のいずれか1つに記載のフィルム。
【0182】
12.第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項1~11のいずれか1つに記載のフィルム。
【0183】
13.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
第2のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項1~12のいずれか1つに記載のフィルム。
【0184】
14.第1のPVOHポリマーが、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し、第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、前項1~13のいずれか1つに記載のフィルム。
【0185】
15.a1が、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前項1~14のいずれか1つに記載のフィルム。
【0186】
16.第2のアニオン性モノマー単位が、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前項1~15のいずれか1つに記載のフィルム。
【0187】
17.第2のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前項1~16のいずれか1つに記載のフィルム。
【0188】
18.第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位が共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前項1~17のいずれか1つに記載のフィルム。
【0189】
19.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項1~18のいずれか1つに記載のフィルム。
【0190】
20.第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前項1~19のいずれか1つに記載のフィルム。
【0191】
21.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、項20に記載のフィルム。
【0192】
22.第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、前項1~21のいずれか1つに記載のフィルム。
【0193】
23.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前項1~22のいずれか1つに記載のフィルム。
【0194】
24.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、前項1~23のいずれか1つに記載のフィルム。
【0195】
25.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前項1~24のいずれか1つに記載のフィルム。
【0196】
26.水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前項1~25のいずれか1つに記載のフィルム。
【0197】
27.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前項1~26のいずれか1つに記載のフィルム。
【0198】
28.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項27に記載のフィルム。
【0199】
29.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前項1~29のいずれか1つに記載のフィルム。
【0200】
30.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前項1~29のいずれか1つに記載のフィルム。
【0201】
31.パウチの形態の、パウチが、任意で少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前項1~30のいずれか1つに記載のフィルム。
【0202】
32.香料が、香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前項1~31のいずれか1つに記載のフィルム。
【0203】
33.香料が、香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、前項1~32のいずれか1つに記載のフィルム。
【0204】
34.香料が:
a)約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前項1~33のいずれか1つに記載のフィルム。
【0205】
35.香料の少なくとも一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前項1~34のいずれか1つに記載のフィルム。
【0206】
36.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前項1~35のいずれか1つに記載のフィルム。
【0207】
37.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前項1~36のいずれか1つに記載のフィルム。
【0208】
38.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前項1~37のいずれか1つに記載のフィルム。
【0209】
39.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前項1~38のいずれか1つに記載のフィルム。
【0210】
40.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前項1~39のいずれか1つに記載のフィルム。
【0211】
41.組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前項1~40のいずれか1つに記載のフィルム。
【0212】
42.組成物が、布地ケア組成物である、前項1~41のいずれか1つに記載のフィルム。
【0213】
43.項1~42のいずれか1つに記載のフィルムを含む容器。
【0214】
44.香料と有機溶媒とを含む組成物を含有し、経時的に香料を選択的に放出させるように適合された水溶性フィルムの作製方法であって、フィルム中にポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含むことを含む方法であって、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、方法。
【0215】
45.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項44に記載の方法。
【0216】
46.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前項44~45のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
47.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項44~46のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
48.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前項44~47のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
49.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前項44~48のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
50.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前項44~49のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
51.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項44~50のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
52.第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前項44~51のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
53.第2のアニオン性モノマー単位が、第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前項44~52のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
54.第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項44~53のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
55.第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項44~54のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
56.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
第2のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項44~55のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
57.第1のPVOHポリマーが、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し、第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、前項44~56のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
58.a1が、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、項57に記載の方法。
【0229】
59.第2のアニオン性モノマー単位が、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前項44~58のいずれか1つに記載の方法。
【0230】
60.第2のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前項44~59のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
61.第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位が共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前項44~60のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
62.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項44~61のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
63.第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前項44~62のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
64.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、項63に記載の方法。
【0235】
65.第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、前項44~64のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
66.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前項44~65のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
67.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、前項44~66のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
68.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前項44~67のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
69.水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前項44~68のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
70.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前項44~69のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
71.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項70に記載の方法。
【0242】
72.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前項44~71のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
73.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前項44~72のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
74.パウチの形態の、パウチが、任意で少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前項44~73のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
75.香料が、香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前項44~74のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
76.香料が、香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、前項44~75のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
77.香料が:
a)約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前項44~76のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
78.香料の少なくとも一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前項44~77のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
79.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前項44~78のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
80.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前項44~79のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
81.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前項44~80のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
82.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前項44~81のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
83.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前項44~82のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
84.組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前項44~83のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
85.組成物が、布地ケア組成物である、前項44~84のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
86.容器を開ける際に心地よい香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用であって、水溶性フィルムが、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む組成物を少なくとも部分的に封入し、水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
【0257】
87.容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された非家庭用ケア組成物とを含み、
非家庭用ケア組成物が、非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の、
香料と、非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の、有機溶媒とを含み、
フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、容器システム。
【0258】
88.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項87に記載の容器システム。
【0259】
89.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前項87~88のいずれか1つに記載の容器システム。
【0260】
90.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項87~89のいずれか1つに記載の容器システム。
【0261】
91.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前項87~90のいずれか1つに記載の容器システム。
【0262】
92.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前項87~91のいずれか1つに記載の容器システム。
【0263】
93.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前項87~92のいずれか1つに記載の容器システム。
【0264】
94.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項87~93のいずれか1つに記載の容器システム。
【0265】
95.第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前項87~94のいずれか1つに記載の容器システム。
【0266】
96.第2のアニオン性モノマー単位が、第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前項87~95のいずれか1つに記載の容器システム。
【0267】
97.第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項87~96のいずれか1つに記載の容器システム。
【0268】
98.第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項87~97のいずれか1つに記載の容器システム。
【0269】
99.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
第2のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前項87~98のいずれか1つに記載の容器システム。
【0270】
100.第1のPVOHポリマーが、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し、第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、前項87~99のいずれか1つに記載の容器システム。
【0271】
101.a1が、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前項87~100のいずれか1つに記載の容器システム。
【0272】
102.第2のアニオン性モノマー単位が、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前項87~101のいずれか1つに記載の容器システム。
【0273】
103.第2のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前項87~102のいずれか1つに記載の容器システム。
【0274】
104.第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位が共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前項87~103のいずれか1つに記載の容器システム。
【0275】
105.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前項87~104のいずれか1つに記載の容器システム。
【0276】
106.第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前項87~105のいずれか1つに記載の容器システム。
【0277】
107.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、項106に記載の容器システム。
【0278】
108.第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、前項87~107のいずれか1つに記載の容器システム。
【0279】
109.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前項87~108のいずれか1つに記載の容器システム。
【0280】
110.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、前項87~109のいずれか1つに記載の容器システム。
【0281】
111.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前項87~110のいずれか1つに記載の容器システム。
【0282】
112.水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前項87~111のいずれか1つに記載の容器システム。
【0283】
113.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前項87~112のいずれか1つに記載の容器システム。
【0284】
114.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項113に記載の容器システム。
【0285】
115.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前項87~114のいずれか1つに記載の容器システム。
【0286】
116.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前項87~115のいずれか1つに記載の容器システム。
【0287】
117.パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前項87~116のいずれか1つに記載の容器システム。
【0288】
118.香料が、香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前項87~117のいずれか1つに記載の容器システム。
【0289】
119.香料が、香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、前項87~118のいずれか1つに記載の容器システム。
【0290】
120.香料が:
a)約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前項87~119のいずれか1つに記載の容器システム。
【0291】
121.香料の一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前項87~120のいずれか1つに記載の容器システム。
【0292】
122.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前項87~121のいずれか1つに記載の容器システム。
【0293】
123.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前項87~122のいずれか1つに記載の容器システム。
【0294】
124.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前項87~123のいずれか1つに記載の容器システム。
【0295】
125.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前項87~124のいずれか1つに記載の容器システム。
【0296】
126.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前項87~125のいずれか1つに記載の容器システム。
【0297】
127.非家庭用ケア組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前項87~126のいずれか1つに記載の容器システム。
【0298】
128.非家庭用ケア組成物が、1つ以上の農業用組成物、自動車用組成物、航空用組成物、食品及び栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事及び準軍事用組成物、オフィス組成物、レクリエーション用及び公園用組成物、ならびにペット組成物から選択され、任意で洗浄組成物及び洗剤組成物を含む、前項87~127のいずれか1つに記載の容器システム。
【0299】
129.密閉可能な容器が、再密閉可能である、前項87~128のいずれか1つに記載の容器システム。
【0300】
130.密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、前項87~129のいずれか1つに記載の容器システム。
【0301】
131.基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、パウチが、
本明細書に記載される水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された本明細書に記載される非家庭用ケア組成物とを含み、
非家庭用ケア組成物が、任意で非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の
香料と、非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、任意で
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、
水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって非家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を非家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
【0302】
132.容器を開封する際に心地よい香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用であって、水溶性フィルムが、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む非家庭用ケア組成物を少なくとも部分的に封入し、水溶性フィルムが、本明細書に記載されるポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、任意で
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
【0303】
133.内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備える容器システムであって、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドが、(a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または(b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、容器システム。
【0304】
134.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項133に記載の容器システム。
【0305】
135.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、項133~134のいずれかに記載の容器システム。
【0306】
136.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項133~135のいずれかに記載の容器システム。
【0307】
137.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、項133~136のいずれかに記載の容器システム。
【0308】
138.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、項133~137のいずれかに記載の容器システム。
【0309】
139.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、項133~138のいずれかに記載の容器システム。
【0310】
140.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、項133~139のいずれかに記載の容器システム。
【0311】
141.第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、項133~140のいずれかに記載の容器システム。
【0312】
142.第2のアニオン性モノマー単位が、第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、項133~141のいずれかに記載の容器システム。
【0313】
143.第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項133~142のいずれかに記載の容器システム。
【0314】
144.第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項133~143のいずれかに記載の容器システム。
【0315】
145.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、第2のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項133~144のいずれかに記載の容器システム。
【0316】
146.第1のPVOHポリマーが、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し、第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、項133~145のいずれかに記載の容器システム。
【0317】
147.a1が、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、項133~146のいずれかに記載の容器システム。
【0318】
148.第2のアニオン性モノマー単位が、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、項133~147のいずれかに記載の容器システム。
【0319】
149.第2のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、項133~148のいずれかに記載の容器システム。
【0320】
150.第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位が共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、項133~149のいずれかに記載の容器システム。
【0321】
151.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、項133~150のいずれかに記載の容器システム。
【0322】
152.第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、項133~151のいずれかに記載の容器システム。
【0323】
153.第1のPVOHホモポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、項133~152のいずれかに記載の容器システム。
【0324】
154.第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、項133~153のいずれかに記載の容器システム。
【0325】
155.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、項133~154のいずれかに記載の容器システム。
【0326】
156.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、項133~155のいずれかに記載の容器システム。
【0327】
157.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、項133~156のいずれかに記載の容器システム。
【0328】
158.水溶性フィルムが、以下の特徴:a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/またはc)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、項133~157のいずれかに記載の容器システム。
【0329】
159.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、項133~158のいずれかに記載の容器システム。
【0330】
160.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項159に記載の容器システム。
【0331】
161.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、項133~160のいずれかに記載の容器システム。
【0332】
162.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、項133~161のいずれかに記載の容器システム。
【0333】
163.パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、項133~162のいずれかに記載の容器システム。
【0334】
164.香料が、香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、項133~163のいずれかに記載の容器システム。
【0335】
165.香料が、香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、項133~164のいずれかに記載の容器システム。
【0336】
166.香料が、a)香料アコードの約2%~約15%、好ましくは約3%~約12%、より好ましくは約4%~約10%の象限I香料成分、b)約2.5%~約25%、好ましくは約3%~約20%、より好ましくは約5%~約15%の象限II香料成分、c)約10%~約50%、好ましくは約15%~約45%、より好ましくは約20%~約40%の象限III香料成分、及び/またはd)約40%~約85%、好ましくは約45%~約75%、より好ましくは約40%~約65%の象限IV香料成分を含む、項133~165のいずれかに記載の容器システム。
【0337】
167.香料の一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、項133~166のいずれかに記載の容器システム。
【0338】
168.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項133~167のいずれかに記載の容器システム。
【0339】
169.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、項133~168に記載の容器システム。
【0340】
170.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、項133~169のいずれかに記載の容器システム。
【0341】
171.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、項133~170のいずれかに記載の容器システム。
【0342】
172.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、項133~171のいずれかに記載の容器システム。
【0343】
173.家庭用ケア組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、項133~172のいずれかに記載の容器システム。
【0344】
174.家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、項133~173のいずれかに記載の容器システム。
【0345】
175.密閉可能な容器が、再密閉可能である、項133~174のいずれかに記載の容器システム。
【0346】
176.密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、項133~175のいずれかに記載の容器システム。
【0347】
177.布地のような基材の処理方法であって、密閉容器を開封するステップと、容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、パウチが、項1~44のいずれかに記載のものであり、好ましくは、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドが:a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、またはb)ら本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、これによって家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出するように、パウチを水と組み合わせるステップと、処理すべき基材を家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
【0348】
178.容器を開封する際に心地良い香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用であって、水溶性フィルムが、項1~44のいずれかに記載のパウチを形成し、好ましくは、フィルムが、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物を少なくとも部分的に封入し、水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドが:a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、またはb)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
【0349】
179.容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含み、
家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、容器システム。
【0350】
180.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約70質量%~約90質量%で存在し、第2のPVOHポリマーが、約10質量%~約30質量%で存在する、項179に記載の容器システム。
【0351】
181.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、または前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項179~180のいずれか1つに記載の容器システム。
【0352】
182.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、項181に記載の容器システム。
【0353】
183.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項182に記載の容器システム。
【0354】
184.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、項183に記載の容器システム。
【0355】
185.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、項179~184のいずれか1つに記載の容器システム。
【0356】
186.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、項179~185のいずれか1つに記載の容器システム。
【0357】
187.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約80質量%の範囲の量で存在する、項179~186のいずれか1つに記載の容器システム。
【0358】
188.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約20質量%~約45質量%の範囲の量で存在する、項179~187のいずれか1つに記載の容器システム。
【0359】
189.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%、または約65質量%~約80質量%の範囲で存在し、
第1のPVOHポリマーの第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、PVOH樹脂ブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約45質量%、または約20質量%~約45質量%の範囲で存在する、項179~188のいずれか1つに記載の容器システム。
【0360】
190.第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、項179~189のいずれか1つに記載の容器システム。
【0361】
191.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、項179~190のいずれか1つに記載の容器システム。
【0362】
192.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、項179~191のいずれか1つに記載の容器システム。
【0363】
193.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約50質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、項179~192のいずれか1つに記載の容器システム。
【0364】
194.水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、項179~193のいずれか1つに記載の容器システム。
【0365】
195.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、項179~194のいずれか1つに記載の容器システム。
【0366】
196.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項195に記載の容器システム。
【0367】
197.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、項179~196のいずれか1つに記載の容器システム。
【0368】
198.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、項179~197のいずれか1つに記載の容器システム。
【0369】
199.パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、項179~198のいずれか1つに記載の容器システム。
【0370】
200.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項179~199のいずれか1つに記載の容器システム。
【0371】
201.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、項179~200のいずれか1つに記載の容器システム。
【0372】
202.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、項179~201のいずれか1つに記載の容器システム。
【0373】
203.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、項179~202のいずれか1つに記載の容器システム。
【0374】
204.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、項179~203のいずれか1つに記載の容器システム。
【0375】
205.家庭用ケア組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、項179~204のいずれか1つに記載の容器システム。
【0376】
206.家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、項179~205のいずれか1つに記載の容器システム。
【0377】
207.密閉可能な容器が、再密閉可能である、項179~206のいずれか1つに記載の容器システム。
【0378】
208.密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、項179~207のいずれか1つに記載の容器システム。
【0379】
209.布地のような基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、ステップと、
水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、
それによって家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を家庭用ケア組成物と接触させるステップであって、
家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、ステップと、を含む、方法。
【0380】
210.香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物を含有する区画を少なくとも部分的に封入するパウチを形成するための、水溶性フィルムの使用であって、家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、使用。
【0381】
211.容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含み、
家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、容器システム。
【0382】
212.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項211に記載の容器システム。
【0383】
213.第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、項212に記載の容器システム。
【0384】
214.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項213に記載の容器システム。
【0385】
215.第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、項214に記載の容器システム。
【0386】
216.第1のアニオン性モノマー単位が、第1のPVOHポリマー中に、第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、項211~215のいずれか1つに記載の容器システム。
【0387】
217.第1のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、項211~216のいずれか1つに記載の容器システム。
【0388】
218.第1のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、項211~217のいずれか1つに記載の容器システム。
【0389】
219.第2のアニオン性モノマー単位が、第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、項211~218のいずれか1つに記載の容器システム。
【0390】
220.第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、または前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項211~219のいずれか1つに記載の容器システム。
【0391】
221.第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項211~220のいずれか1つに記載の容器システム。
【0392】
222.第1のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
第2のPVOHポリマーが、PVOHブレンド中に、ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、項211~221のいずれか1つに記載の容器システム。
【0393】
223.第1のPVOHポリマーが、第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a2)を有し、第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、項211~222のいずれか1つに記載の容器システム。
【0394】
224.a1が、第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、項223に記載の容器システム。
【0395】
225.第2のアニオン性モノマー単位が、第2のPVOHポリマー中に、第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、項211~224のいずれか1つに記載の容器システム。
【0396】
226.第2のアニオン性モノマー単位が、フィルム中に、フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、項211~225のいずれか1つに記載の容器システム。
【0397】
227.第1のアニオン性モノマー単位及び第2のアニオン性モノマー単位が共に、フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、項211~226のいずれか1つに記載の容器システム。
【0398】
228.第2のPVOHポリマーが、フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、項211~227のいずれか1つに記載の容器システム。
【0399】
229.第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、項211~228のいずれか1つに記載の容器システム。
【0400】
230.第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、項211~229のいずれか1つに記載の容器システム。
【0401】
231.第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、第1のPVOHポリマー及び第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、項211~230のいずれか1つに記載の容器システム。
【0402】
232.PVOH樹脂ブレンドが、水溶性フィルム中に、フィルムの約50質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、項211~231のいずれか1つに記載の容器システム。
【0403】
233.水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、項211~232のいずれか1つに記載の容器システム。
【0404】
234.水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、項211~233のいずれか1つに記載の容器システム。
【0405】
235.第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項234に記載の容器システム。
【0406】
236.水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、項211~235のいずれか1つに記載の容器システム。
【0407】
237.水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、項211~236のいずれか1つに記載の容器システム。
【0408】
238.パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、項211~237のいずれか1つに記載の容器システム。
【0409】
239.有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項211~238のいずれか1つに記載の容器システム。
【0410】
240.有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、項211~239のいずれか1つに記載の容器システム。
【0411】
241.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、項211~240のいずれか1つに記載の容器システム。
【0412】
242.有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、項211~241のいずれか1つに記載の容器システム。
【0413】
243.フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、有機溶媒のうちの少なくとも1つが、可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、項211~242のいずれか1つに記載の容器システム。
【0414】
244.家庭用ケア組成物が、組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、項211~243のいずれか1つに記載の容器システム。
【0415】
245.家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、項211~244のいずれか1つに記載の容器システム。
【0416】
246.密閉可能な容器が、再密閉可能である、項211~245のいずれか1つに記載の容器システム。
【0417】
247.密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、項211~246のいずれか1つに記載の容器システム。
【0418】
248.布地のような基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、パウチが、水溶性フィルムと、水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
家庭用ケア組成物が、家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、
水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
【0419】
249.香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物を含有する区画を少なくとも部分的に封入するパウチを形成するための、水溶性フィルムの使用であって、家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
水溶性フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
【0420】
試験方法
以下の試験方法は、本明細書に記載される特定の特徴のいくつかを決定するために使用される。
【0421】
溶解チャンバー残留物試験
溶解チャンバー(DC)試験による不溶解残留物によって特徴付けられるか、またはこれについて試験される水溶性フィルムを、以下の材料を使用して以下のように分析する:
1.ビーカー(4000ml)、
2.ステンレススチールワッシャー(OD3.5インチ(88.9mm)、ID1.875インチ(47.6mm)、厚さ0.125インチ(3.18mm))、
3.スチレン-ブタジエンゴムガスケット(OD3.375インチ(85.7mm)、ID1.91インチ(48.5mm)、厚さ0.125インチ(3.18mm))、
4.ステンレススチールスクリーン(OD3.0インチ(76.2mm)、200×200メッシュ、ワイヤーOD0.0021インチ(0.053mm)、304SSステンレススチールワイヤークロス)、
5.温度計(0℃~100℃、±1℃まで正確)、
6.カッティングパンチ(直径1.5インチ(38.1mm))、
7.タイマー(最も近い秒まで正確)、
8.逆浸透(RO)水、
9.バインダークリップ(サイズ#5または同等)、
10.アルミ鍋(OD2.0インチ(50.8mm))、及び
11.ソニケーター。
【0422】
試験する各フィルムについて、3つの試験片を、3.0±0.10mil(または76.2±2.5μm)の厚さを有する選択された試験フィルムからカッティングパンチを用いて切断する。フィルムウェブから切断される場合、試験片は、ウェブの横方向に沿って等間隔のウェブの領域から切断されるべきである。次に、各試験片を以下の手順を用いて分析する:
1.フィルム試験片を計量し、試験を通して試験片を追跡する。初期フィルム質量(F0)を記録する。
2.各試験片について2つの音波処理された清潔な乾燥スクリーンのセットを計量し、試験を通してそれらを追跡する。初期スクリーン質量(2つのスクリーンの合計について集合的にS0)を記録する。
3.試験片を2つのスクリーンの中心、続いて2つのゴムガスケット(スクリーンとワッシャーとの間の各側に1つのガスケット)、次に2つのワッシャーのフィルムの中央の間に平らに挟むことによって、試験片溶解チャンバーを組み立てる。
4.溶解チャンバー組立体を、ワッシャーの周りに等間隔に配置された4つのバインダークリップで固定し、クリップを折り返す。
5.実験室温度(72±3°F、22±2℃)で1,500mlの逆浸透水をビーカーに充填し、室温を記録する。
6.タイマーを5分の所定の浸漬時間に設定する。
7.溶解チャンバー組立体をビーカーに入れ、直ちにタイマーを開始し、溶解チャンバー組立体を水面に約45度の進入角度で挿入する。この進入角度は、チャンバーから気泡を除去するのに役立つ。溶解チャンバー組立体は、試験片フィルムが底部から約10mmで水平に配置されるように、ビーカー底部に静置する。溶解チャンバー組立体の4つの折り返されたバインダークリップは、ビーカー底部から約10mmのフィルムクリアランスを維持するのに適しているが、任意の他の同等の支持手段を使用してもよい。
8.5分の所定の経過した所定の浸漬時間で、溶解チャンバー組立体をビーカーから約45度の角度でゆっくりと取り出す。
9.溶解チャンバー組立体をアルミ鍋の上に水平に保持して、スクリーンからのあらゆる滴を捕捉し、バインダークリップ、ワッシャー、及びガスケットを注意深く取り外す。挟まれたスクリーンをこじ開けない。
10.挟まれたスクリーン(すなわち、スクリーン/残留未溶解フィルム/スクリーン)をアルミ鍋の上に配置し、100℃のオーブンで30分間乾燥させる。
11.その中にあらゆる残留未溶解フィルムを含む挟まれたスクリーンの乾燥したセットを計量する。溶解チャンバー組立体が最初にビーカーから取り出されたとき及び乾燥中に、鍋に捕捉され、そこから回収された(例えば、掻き取ることによって)あらゆる乾燥フィルム滴を測定し、この乾燥スクリーン質量に加える。挟まれたスクリーンの最終質量(乾燥フィルム滴を含み、集合的にSf)を記録する。
12.フィルム試験片について残った残留物(「DC残留物」)%:DC残留物%=100*((Sf-S0)/F0)を計算する。
13.挟まれたスクリーンをRO水のビーカーに約20分間浸漬することによって洗浄する。次に、それらを分解し、少なくとも5分間、またはスクリーン上に残留物が見えなくなるまで、ソニケーター(電源を入れてRO水を充填した)で最終すすぎを行う。
【0423】
本開示による水溶性フィルムの適切な挙動は、DC試験によって測定される約45質量%以下または約48質量%以下のDC残留物値を特徴とする。水溶性フィルムは、少なくとも1、2、5、10、もしくは20質量%及び/または最大約15、20、30、40、45質量%、もしくは48質量%(例えば、約5質量%~約48質量%、約10質量%~約45質量%、約20質量%~約45質量%、または約30質量%~約40質量%)のDC値を有し得る。
【0424】
引張強度試験及びモジュラス試験
引張強度(TS)試験による引張強度及びモジュラス(MOD)試験によるモジュラス(または引張応力)によって特徴付けられるか、またはこれらについて試験される水溶性フィルムを、以下のように分析する。この手順は、ASTM D 882(「薄いプラスチックシートの引張特性のための標準試験方法」)または同等物に従った、引張強度の決定及び100%伸長でのモジュラスの決定を含む。フィルムデータの収集には、INSTRON引張試験装置(モデル5544引張試験機または同等物)が使用される。寸法安定性及び再現性を確保するために信頼性の高い切断工具でそれぞれ切断された最低3つの試験片を、各測定について縦方向(MD)(該当する場合)で試験する。試験は、23±2.0℃及び35±5%相対湿度の標準的な実験室雰囲気中で実施する。引張強度またはモジュラス決定のために、3.0±0.15mil(または76.2±3.8μm)の厚さを有する単一のフィルムシートの1インチ幅(2.54cm)の試料を用意する。その後、試料をINSTRON引張試験機に移して、35%相対湿度環境での曝露を最小にしながら試験を進める。引張試験機は、製造業者の指示に従って用意し、500Nロードセルを備え、較正する。正しいグリップ及びフェースを取り付ける(ゴムコーティングされ、幅25mmである、型番号2702-032フェースを有するINSTRONグリップ、または同等物)。試料を引張試験機に載置し、伸長させ、100%モジュラス(すなわち、100%フィルム伸長を達成するのに必要な応力)及び引張強度(すなわち、フィルムを破断するのに必要な応力)を決定するために分析する。
【0425】
任意で、フィルムは、フィルムを物品、例えば、フィルム化パケットに加工するのに適したものにする特定の機械的特性によって特徴付けられ得る。
【0426】
本開示による水溶性フィルムは、TS試験によって測定される少なくとも約24MPaまたは約28MPaのTS値を特徴とし得る。一般に、フィルムがシールの限界または最弱要素である場合、より強いパウチシールに対応するので、より高いTS値が望ましい。水溶性フィルムは、少なくとも約24、26、28、30、33、または35MPa及び/または最大約32、34、40、45、もしくは50MPa(例えば、約24MPa~約36MPaまたは約28MPa~約32MPa)のTS値を有することができる。代替的または追加的に、適切なTS値範囲の上限は、PVOH樹脂ブレンド中のPVOHポリマー及びPVOHコポリマーの単一のPVOHポリマーまたはPVOHコポリマーのみを有する対応する水溶性フィルム(例えば、より高いTS値を有する対応する単一樹脂フィルム)についてのTS値であり得る。
【0427】
本開示による水溶性フィルムは、MOD試験によって測定される少なくとも約11N/mm2または約12N/mm2のMOD値を特徴とし得る。一般に、より高い剛性を有し、製造中または最終消費者パッケージングにおいて互いに重ねて装填されたとき変形して互いにくっつく可能性がより低いパウチに対応するため、より高いMOD値が望ましい。水溶性フィルムは、少なくとも約11、12、または13N/mm2及び/または最大約13、14、15、もしくは16N/mm2(例えば、約11N/mm2~約15N/mm2または約12N/mm2~約14N/mm2)のMOD値を有することができる。代替的または追加的に、適切なMOD値範囲の上限は、PVOH樹脂ブレンド中のPVOHポリマー及びPVOHコポリマーの単一のPVOHポリマーまたはPVOHコポリマーのみを有する対応する水溶性フィルム(例えば、より高いMOD値を有する対応する単一樹脂フィルム)についてのMOD値であり得る。
【0428】
実施例、第2部
下記の例は、本質的に例示を意図するものであり、非限定的である。
【0429】
実施例1:試料樹脂ブレンド、ならびにそれから作製されたフィルム及びパウチ。
表2は、PVOHフィルムを作製するために使用され得るいくつかの例示的なPVOHポリマー樹脂(A~J)を列挙する。
【表2】
【0430】
表3は、表1に挙げられたポリマーから作製することができる様々なPVOHポリマーブレンド(#1~12)を示す。ブレンドは、各PVOHブレンド中の各ポリマーの相対質量%によって列挙される。PVOH樹脂ブレンドは、水溶性フィルムを作製するために他のフィルム付加剤(例えば、可塑剤、等)と組み合わせて使用することができる。このようなフィルムを使用して、洗濯洗剤のような、家庭用ケア組成物を含有するパウチを形成することができる。
【表3】
【0431】
実施例2:家庭用ケア組成物を含有するパウチ。
単区画パウチ及び/または多区画パウチは、実施例1に記載されたフィルムのいずれか1つ(例えば、PVOHブレンド1~12のいずれかを含むフィルム)から形成することができる。パウチは、以下の配合に従って家庭用ケア組成物を含有することができる。各々の香料は、香料の少なくとも2質量%の象限I香料原材料を含む。より具体的には、表4に示すように、実施例A及び実施例Bの香料は、全香料の約2質量%~約10質量%のQ1香料原材料、約5質量%~約10質量%のQ2香料原材料、約30~約40質量%の象限3原材料、及び約50~約60質量%の象限4原材料を含む。
【表4】
【0432】
実施例3:パウチ滲出試験。
多区画パウチを、ポリビニルアルコールモノメチルマレエートコポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとのブレンドを有する水溶性フィルムから作製した。ポリビニルアルコールモノメチルマレエートコポリマーは、ポリビニルアルコール樹脂成分の30%~50%を占め、4cP~18cPの範囲の粘度(20℃での4%溶液粘度)及び86%~88%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーは、ポリビニルアルコール樹脂成分の70%~50%の残部を占めたが、各ポリビニルアルコールホモポリマー成分は、樹脂ブレンド中に10%~70%の範囲の量で存在した。ポリビニルアルコール樹脂ブレンドの質量平均粘度を下記の表5に示す。フィルムを、各区画に異なる液体洗濯洗剤配合物を収容する、
図6による多区画パウチに熱成形した。パウチは、パウチの片側に2つの別個の区画(上部1及び上部2、例えば、
図6の区画3及び4)及びパウチの底部に第3の別個の区画(
図6の区画2)を有した。
【0433】
パウチを2週間にわたりストレス条件(80%相対湿度、32℃)で保持し、次いでパウチ区画外表面の各々で複数の静電容量測定(CORNEOMETER静電容量プローブによる)を行い、パウチ区画表面への溶媒移動の相対量を測定した。各領域の平均値を報告する。表面への溶媒移動は当該技術分野では滲出と称され、よって測定値は表5に平均滲出測定値として記載され、より高い値は比較的より多くの溶媒滲出、負の特徴を示す。表5の滲出値は相対的な測定値であり、無次元とみなされ得る。
【表5】
【0434】
データを
図7~9にグラフ化する。表5及び図に示すように、ブレンドの範囲全体で、ポリビニルアルコール樹脂ブレンドの平均粘度が増加するにつれて、溶媒移動(滲出)が減少した。
【0435】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙される正確な数値に厳密に制限されるものとは理解されない。代わりに、特に指定のない限り、このような各寸法は、列挙される値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0436】
いずれの相互参照または関連特許もしくは出願、ならびに本願がその優先権または利益を主張するいずれの特許出願または特許を含む、本明細書で引用されるすべての文献は、明示的に除外または限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書において開示もしくは特許請求される任意の発明に関する先行技術であること、またはそれ単独で、もしくはあらゆる他の参考文献(複数可)との任意の組み合わせで、このような任意の発明を教示、示唆、もしくは開示することを認めるものではない。さらに、本明細書中の用語のいずれの意味または定義が、参照により組み込まれる文献中の同じ用語のいずれの意味または定義と矛盾する限りでは、本明細書中でその用語に割り当てられた意味または定義が適用される。
【0437】
本発明の特定の実施形態を例示し、説明してきたが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を包含することが意図される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、前記第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、ステップと、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、容器システム。
〔2〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約70質量%~約90質量%で存在し、前記第2のPVOHポリマーが、約10質量%~約30質量%で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔3〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、または前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔4〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前記〔3〕に記載の容器システム。
〔5〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔4〕に記載の容器システム。
〔6〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前記〔5〕に記載の容器システム。
〔7〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔8〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔9〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約80質量%の範囲の量で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔10〕前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約20質量%~約45質量%の範囲の量で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔11〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%、または約65質量%~約80質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約45質量%、または約20質量%~約45質量%の範囲で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔12〕前記第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔13〕前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔14〕前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔15〕前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約50質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔16〕前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔17〕前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔18〕前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔17〕に記載の容器システム。
〔19〕前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔20〕前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔21〕前記パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔22〕前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔23〕前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔24〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔25〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔26〕前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔27〕前記家庭用ケア組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の、界面活性剤を含む、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔28〕前記家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔29〕前記密閉可能な容器が、再密閉可能である、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔30〕前記密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、前記〔1〕に記載の容器システム。
〔31〕布地のような基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、前記第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、ステップと、
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記家庭用ケア組成物と接触させるステップであって、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、容器システム。
〔32〕香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物を含有する区画を少なくとも部分的に封入するパウチを形成するための、水溶性フィルムの使用であって、前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
前記フィルムが、少なくとも約50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約65質量%~約90質量%で存在し、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、約10質量%~約35質量%で存在する第2のPVOHポリマーをさらに含み、前記第2のPVOHが、本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーを含む、使用。
〔33〕容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、
前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まない、容器システム。
〔34〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔48〕に記載の容器システム。
〔35〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前記〔34〕に記載の容器システム。
〔36〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔35〕に記載の容器システム。
〔37〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前記〔36〕に記載の容器システム。
〔38〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔39〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔40〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔41〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔42〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔43〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔44〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記第2のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、前記第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔45〕前記第1のPVOHポリマーが、前記第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a1)を有し、前記第2のPVOHポリマーが、前記第2のアニオン性モノマー単位の第2の組み込みレベル(a2)を有し、前記第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a1-a2|の絶対値が0より大きい、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔46〕a1が、前記第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a2が、前記第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a1-a2|、好ましくはa1-a2が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前記〔45〕に記載の容器システム。
〔47〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第2のPVOHポリマー中に、前記第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔48〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔49〕前記第1のアニオン性モノマー単位及び前記第2のアニオン性モノマー単位が共に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔50〕前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔51〕前記第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ2)を特徴とする、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔52〕前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔53〕前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ1)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ2)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ2-μ1|が、0cp~約10cPの範囲である、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔54〕前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約50質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔55〕前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約33MPaの平均引張
強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約12N/mm2のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔56〕前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔57〕前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔56〕に記載の容器システム。
〔58〕前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔59〕前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔60〕前記パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔61〕前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔62〕前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔63〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔64〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔65〕前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔66〕前記家庭用ケア組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔67〕前記家庭用ケア組成物が、布地ケア組成物である、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔68〕前記密閉可能な容器が、再密閉可能である、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔69〕前記密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、前記〔33〕に記載の容器システム。
〔70〕布地のような基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物とを含み、
前記家庭用ケア組成物が、前記家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
前記フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
〔71〕香料と有機溶媒とを含む家庭用ケア組成物を含有する区画を少なくとも部分的に封入するパウチを形成するための、水溶性フィルムの使用であって、前記家庭用ケア組成物が、(i)、(ii)、(iii)、または(iv):
(i)約15%~約60%の象限I、象限II、及び象限III香料成分
(ii)約2%~約15%の象限I香料成分
(iii)約2%~約15%の象限I香料成分、2.5%~25%の象限II香料成分、10%~50%の象限III香料成分、及び40%~85%の象限IV香料成分
(iv)コア/シェルカプセル化物にカプセル化された香料を含まず、
前記水溶性フィルムが、少なくとも50質量%のポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、前記PVOH樹脂ブレンドが、第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
〔72〕香料と有機溶媒とを含む組成物を含有するのに適した、または経時的に前記香料を選択的に放出させるように適合された水溶性フィルムであって、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
〔73〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔74〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前記〔73〕に記載のフィルム。
〔75〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔74〕に記載のフィルム。
〔76〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前記〔75〕に記載のフィルム。
〔77〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔78〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔79〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔80〕前記第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔81〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔82〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔83〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔84〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記第2のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、前記第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔85〕前記第1のPVOHポリマーが、前記第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a
1
)を有し、前記第2のPVOHポリマーが、前記第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a
2
)を有し、前記第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a
1
-a
2
|の絶対値が0より大きい、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔86〕a
1
が、前記第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a
2
が、前記第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a
1
-a
2
|、好ましくはa
1
-a
2
が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前記〔85〕に記載のフィルム。
〔87〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第2のPVOHポリマー中に、前記第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔88〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔89〕前記第1のアニオン性モノマー単位及び前記第2のアニオン性モノマー単位が共に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前記〔80〕に記載のフィルム。
〔90〕前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔91〕前記第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔92〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、前記〔91〕に記載のフィルム。
〔93〕前記第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とする、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔94〕前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔95〕前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1
)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2
-μ
1
|が、0cp~約10cPの範囲である、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔96〕前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔97〕前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm
2
のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔98〕前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔99〕前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔98〕に記載のフィルム。
〔100〕前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔101〕前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔102〕パウチの形態の、前記パウチが、任意で少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔103〕前記香料が、前記香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔104〕前記香料が、前記香料の約2質量%~約15質量%の、象限I香料成分を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔105〕前記香料が:
a)香料アコードの約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔106〕前記香料の少なくとも一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔107〕前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔108〕前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔109〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔110〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔111〕前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔112〕前記組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔113〕前記組成物が、布地ケア組成物である、前記〔72〕に記載のフィルム。
〔114〕前記〔72〕~〔113〕のいずれか一項に記載のフィルムを含む容器。
〔115〕香料と有機溶媒とを含む組成物を含有し、経時的に前記香料を選択的に放出させるように適合された水溶性フィルムの作製方法であって、前記フィルム中にポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含むことを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、方法。
〔116〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔115〕に記載の方法。
〔117〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前記〔116〕に記載の方法。
〔118〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔117〕に記載の方法。
〔119〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前記〔118〕に記載の方法。
〔120〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前記〔115〕に記載の方法。
〔121〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前記〔115〕に記載の方法。
〔122〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔115〕に記載の方法。
〔123〕前記第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔124〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前記〔123〕に記載の方法。
〔125〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔123〕に記載の方法。
〔126〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔123〕に記載の方法。
〔127〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記第2のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、前記第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔123〕に記載の方法。
〔128〕前記第1のPVOHポリマーが、前記第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a
1
)を有し、前記第2のPVOHポリマーが、前記第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a
2
)を有し、前記第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a
1
-a
2
|の絶対値が0より大きい、前記〔123〕に記載の方法。
〔129〕a
1
が、前記第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a
2
が、前記第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a
1
-a
2
|、好ましくはa
1
-a
2
が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前記〔128〕に記載の方法。
〔130〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第2のPVOHポリマー中に、前記第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前記〔123〕に記載の方法。
〔131〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前記〔123〕に記載の方法。
〔132〕前記第1のアニオン性モノマー単位及び前記第2のアニオン性モノマー単位が共に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前記〔123〕に記載の方法。
〔133〕前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔115〕に記載の方法。
〔134〕前記第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前記〔115〕に記載の方法。
〔135〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、前記〔134〕に記載の方法。
〔136〕前記第2のPVOHポリマーが、約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とする、前記〔115〕に記載の方法。
〔137〕前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前記〔115〕に記載の方法。
〔138〕前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1
)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2
-μ
1
|が、0cp~約10cPの範囲である、前記〔115〕に記載の方法。
〔139〕前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前記〔115〕に記載の方法。
〔140〕前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm
2
のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前記〔115〕に記載の方法。
〔141〕前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔142〕前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔141〕に記載の方法。
〔143〕前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔144〕前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔145〕パウチの形態の、前記パウチが、任意で少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔146〕前記香料が、前記香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔147〕前記香料が、前記香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔148〕前記香料が:
a)香料アコードの約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔149〕前記香料の少なくとも一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前記〔115〕に記載の方法。
〔150〕前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔115〕に記載の方法。
〔151〕前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔115〕に記載の方法。
〔152〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔153〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔154〕前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前記〔115〕に記載の方法。
〔155〕前記組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前記〔115〕に記載の方法。
〔156〕前記組成物が、布地ケア組成物である、前記〔115〕に記載の方法。
〔157〕容器を開ける際に心地よい香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用であって、前記水溶性フィルムが、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む組成物を少なくとも部分的に封入し、前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。
〔158〕容器システムであって、
内部空間を画定する壁を有する密閉可能な容器と、
前記内部空間中の少なくとも1つのパウチと、を備え、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された非家庭用ケア組成物とを含み、
前記非家庭用ケア組成物が、前記非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、容器システム。
〔159〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔160〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、カルボキシル化アニオン性モノマー単位から誘導される、前記〔159〕に記載の容器システム。
〔161〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔160〕に記載の容器システム。
〔162〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるマレイン酸モノアルキルから誘導される、前記〔161〕に記載の容器システム。
〔163〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記第1のPVOHポリマー中に、前記第1のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%、好ましくは約2モル%~約4モル%の範囲の量で存在する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔164〕前記第1のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.5モル%~約5モル%の範囲の量で存在する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔165〕前記第1のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔166〕前記第2のPVOHポリマーが、第2のアニオン性モノマー単位を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔167〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第1のアニオン性モノマー単位とは異なる、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔168〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、ビニル酢酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、マレイン酸ジアルキル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸モノアルキル、フマル酸ジアルキル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、無水フマル酸、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジメチル、無水イタコン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸2-スルホエチル、前述の塩、好ましくは前述のアルカリ金属塩、前述のエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔169〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、スルホン化アニオン性モノマー単位から誘導され、好ましくはアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、その塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔170〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約50質量%~約90質量%の範囲で存在し、
前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記第2のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約10質量%~約50質量%の範囲で存在し、前記第2のモノマー単位が、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導される、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔171〕前記第1のPVOHポリマーが、前記第1のアニオン性モノマー単位の第1の取り込みレベル(a
1
)を有し、前記第2のPVOHポリマーが、前記第2のアニオン性モノマー単位の第2の取り込みレベル(a
2
)を有し、前記第1及び第2のアニオン性モノマーが同じである場合、|a
1
-a
2
|の絶対値が0より大きい、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔172〕a
1
が、前記第1のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%の範囲であり、a
2
が、前記第2のPVOHポリマーの約1モル%~約5モル%、好ましくは約1モル%~約3モル%であり、|a
1
-a
2
|、好ましくはa
1
-a
2
が、約0モル%~約3モル%、または約1モル%~約3モル%の範囲である、前記〔171〕に記載の容器システム。
〔173〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記第2のPVOHポリマー中に、前記第2のPVOHポリマーの約1.0モル%~約5.0モル%の範囲の量で存在する、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔174〕前記第2のアニオン性モノマー単位が、前記フィルム中に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約0.2モル%~約4.5モル%の範囲の量で存在する、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔175〕前記第1のアニオン性モノマー単位及び前記第2のアニオン性モノマー単位が共に、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約2.0モル%~約3.5モル%の範囲の合計量で存在する、前記〔166〕に記載の容器システム。
〔176〕前記第2のPVOHポリマーが、前記フィルム中の全PVOHポリマーの約10質量%~約90質量%の範囲の量で存在する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔177〕前記第2のPVOHポリマーが、PVOHホモポリマーである、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔178〕前記第1のPVOHポリマーが、前記PVOHブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約20質量%~約60質量%、好ましくは約30質量%~約40質量%の範囲で存在し、
前記第1のPVOHポリマーの前記第1のアニオン性モノマー単位が、マレイン酸モノメチル、そのアルカリ金属塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーから誘導され、
前記PVOHホモポリマーが、約10cP~約30cPの約20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記PVOH樹脂ブレンド中に、前記ブレンド中の全PVOHポリマーの約40質量%~約80質量%、好ましくは約60質量%~約70質量%の範囲で存在する、前記〔177〕に記載の容器システム。
〔179〕前記第2のPVOHポリマーが、約3.0~約40cP、または約7~約40cP、または約10cP~約40cP、または約10cP~約30cP、または約12cP~約25cPの20℃での4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とする、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔180〕前記第2のPVOHポリマーが、約60%~約99%、好ましくは約80%~約98%、好ましくは約85%~約95%、好ましくは約87%~約92%の加水分解度を特徴とする、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔181〕前記第1のPVOHポリマーが、20℃での第1の4%溶液粘度(μ
1
)を特徴とし、前記第2のPVOHポリマーが、20℃での第2の4%溶液粘度(μ
2
)を特徴とし、前記第1のPVOHポリマー及び前記第2のPVOHポリマーについての絶対粘度差|μ
2
-μ
1
|が、0cp~約10cPの範囲である、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔182〕前記PVOH樹脂ブレンドが、前記水溶性フィルム中に、前記フィルムの約30質量%~約95質量%の範囲の量で存在する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔183〕前記水溶性フィルムが、以下の特徴:
a)溶解チャンバー試験によって測定される約48質量%以下の残留物値、
b)引張強度試験によって測定される少なくとも約20MPaの平均引張強度値、及び/または
c)モジュラス試験によって測定される少なくとも約10N/mm
2
のモジュラス値のうちの少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または3つすべてを有する、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔184〕前記水溶性フィルムが、好ましくはPVOHポリマー以外のポリマーである、少なくとも第3の水溶性ポリマーをさらに含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔185〕前記第3の水溶性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、デンプン、加工デンプン、グアーガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリレート及びその塩、これらのコポリマー、これらのブレンド、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔184〕に記載の容器システム。
〔186〕前記水溶性フィルムが、可塑剤、可塑剤相溶化剤、滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、脱粘着剤、消泡剤、ナノ粒子、漂白剤、界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ以上の成分をさらに含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔187〕前記水溶性フィルムが、1つ以上の可塑剤を、前記フィルムの約1質量%~約40質量%の範囲の量でさらに含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔188〕前記パウチが、少なくとも2つの区画、または少なくとも3つの区画を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔189〕前記香料が、前記香料の約15質量%~約60質量%の、象限I香料成分、象限II香料成分、象限III香料成分、及びこれらの組み合わせから選択される非持続性香料成分を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔190〕前記香料が、前記香料の約2質量%~約15質量%の象限I香料成分を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔191〕前記香料が:
a)香料アコードの約2質量%~約15質量%、好ましくは約3質量%~約12質量%、より好ましくは約4質量%~約10質量%の象限I香料成分と、
b)約2.5質量%~約25質量%、好ましくは約3質量%~約20質量%、より好ましくは約5質量%~約15質量%の象限II香料成分と、
c)約10質量%~約50質量%、好ましくは約15質量%~約45質量%、より好ましくは約20質量%~約40質量%の象限III香料成分と、
d)約40質量%~約85質量%、好ましくは約45質量%~約75質量%、より好ましくは約40質量%~約65質量%の象限IV香料成分と、を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔192〕前記香料の一部分が、コア-シェルカプセル化物にカプセル化される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔193〕前記有機溶媒が、モノアルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔194〕前記有機溶媒が、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔195〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%の、250℃を超える沸点を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約10質量%、または少なくとも約20質量%、または少なくとも約30質量%の、250℃未満の沸点を有する香料原材料を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔196〕前記有機溶媒が、全有機溶媒の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0未満のcLogP値を有する有機溶媒を含み、前記香料が、全香料の少なくとも約50質量%、または少なくとも約80質量%、または少なくとも約90質量%、またはさらに少なくとも約95質量%の、0より大きいcLogP値を有する香料原材料を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔197〕前記フィルムが、少なくとも1つの可塑剤をさらに含み、前記有機溶媒のうちの少なくとも1つが、前記可塑剤(「共通溶媒/可塑剤」)と同じであり、好ましくは前記共通溶媒/可塑剤が、グリセロール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びこれらの組み合わせから選択される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔198〕前記非家庭用ケア組成物が、前記組成物の約5質量%~約70質量%の界面活性剤を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔199〕前記非家庭用ケア組成物が、1つ以上の農業用組成物、自動車用組成物、航空用組成物、食品及び栄養組成物、工業用組成物、家畜用組成物、海洋用組成物、医療用組成物、商業用組成物、軍事及び準軍事用組成物、オフィス組成物、レクリエーション用及び公園用組成物、ならびにペット組成物から選択され、任意で洗浄組成物及び洗剤組成物を含む、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔200〕前記密閉可能な容器が、再密閉可能である、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔201〕前記密閉可能な容器が、軟性バッグ及び剛性タブから選択される、前記〔158〕に記載の容器システム。
〔202〕基材の処理方法であって、
密閉容器を開封するステップと、
前記容器の内部空間に収容されたパウチにアクセスするステップであって、前記パウチが、水溶性フィルムと、前記水溶性フィルムによって区画に少なくとも部分的に封入された非家庭用ケア組成物とを含み、
前記非家庭用ケア組成物が、前記非家庭用ケア組成物の約0.1質量%~約10質量%の香料と、前記非家庭用ケア組成物の約1質量%~約50質量%の有機溶媒とを含み、
前記フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、ステップと、
前記水溶性フィルムの少なくとも一部分が溶解し、それによって前記非家庭用ケア組成物の少なくとも一部分を放出させるように、前記パウチを水と組み合わせるステップと、
処理すべき基材を前記非家庭用ケア組成物と接触させるステップと、を含む、方法。
〔203〕容器を開封する際に心地よい香り体験を提供するための水溶性フィルムの使用であって、前記水溶性フィルムが、パウチを形成し、区画に香料と有機溶媒とを含む非家庭用ケア組成物を少なくとも部分的に封入し、前記水溶性フィルムが、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが、第1のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含む第1のPVOHポリマーを含み、
前記PVOH樹脂ブレンドが:
a)第2のアニオン性モノマー単位と、ビニルアルコールモノマー単位と、任意で酢酸ビニル単位とを含むPVOHポリマー、または
b)本質的にビニルアルコールモノマー単位と任意で酢酸ビニル単位とからなるPVOHホモポリマーからなる群から選択される第2のPVOHポリマーをさらに含む、使用。