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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/02 20060101AFI20241022BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20241022BHJP
   C09K 5/06 20060101ALI20241022BHJP
   F01M 5/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F28D20/02 D
B60H1/00 101A
C09K5/06 Z
F01M5/00 Z
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200652
(22)【出願日】2022-12-15
(62)【分割の表示】P 2018533066の分割
【原出願日】2016-12-16
(65)【公開番号】P2023051969
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】1522732.5
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501354624
【氏名又は名称】カストロール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】レイク,ティモシー ヒュー
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00424700(EP,A1)
【文献】特開2015-052423(JP,A)
【文献】国際公開第2015/177318(WO,A1)
【文献】特開2014-178100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 17/00 - 21/00
B60H 1/00 - 3/06
C09K 5/00 - 5/20
F01M 1/00 - 9/12
F28F 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器用の流体容器あって、この流体容器は機器のドックに結合された際に、機器の流体循環システムに結合するように適合された流体ポートを備える機器用の流体容器と、さらに
熱交換器であって、この熱交換器は
相変化材料と、
レセプタクルであって、その中に相変化材料を含むレセプタクルと、
相変化材料と、流体容器内を流れる、流体容器内へ流れる、および/または流体容器内から流れる流体との間の熱交換のための熱交換インターフェースとを備え、
ここで、
相変化材料は流体容器内に配置され
熱交換インターフェースは相変化材料を含むレセプタクル上に設けられ
熱交換器は相変化材料と流体容器の流体との間で熱が交換されるように構成されている
熱交換器
とを備えた装置。
【請求項2】
前記熱交換インターフェースが少なくとも部分的に前記ドック内に配置されるように構成される請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
相変化材料がMnHOの形態の塩溶液、または水酸化バリウムを含む塩溶液、または1つまたはそれ以上の共晶相変化材料である請求項1または記載の熱交換器。
【請求項4】
前記熱交換インターフェースにおける前記流体または前記相変化材料の流れを制御するように構成された少なくとも1つの弁をさらに備える請求項13のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記弁がコントローラによって制御されるように構成される請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記流体または前記相変化材料を前記熱交換インターフェースに流すように構成されたポンプをさらに備える請求項1~5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記ポンプがコントローラによって制御されるように構成される請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
暖房、換気および空調システムに関連付けられている請求項17のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記流体容器の流体が、
潤滑油、
凍結防止剤
作動
空気圧流体、
洗浄液、
燃料添加剤、
電荷伝導液体、
電気接続、および
熱交換流体のうちの1つまたはそれ以上である請求項1いずれか一に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換インターフェースは配管を備える請求項19のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記機器が、
業機械、
製造機械、
組立機械
工具
エンジン、または
乗り物のうちの少なくとも1つまたはそれ以上を含む請求項110いずれか一に記載の熱交換器。
【請求項12】
請求項111のいずれか一項に記載の熱交換器を備える装置または機器
【請求項13】
前記工具手動工具を含む請求項11に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記流体容器がデータプロバイダを備え、前記ドックが前記データプロバイダからデータを受信するように構成されたデータトランシーバをさらに備え、前記データトランシーバが前記機器にデータを提供するように構成されている請求項1に記載の熱交換器。
【請求項15】
前記機器はボンネットを備える乗り物であり、前記ドックは前記ボンネットの下に配置される請求項1に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体容器などの流体システムに連結され得る、機器、例えば乗り物用の熱交換器に関する。また、本発明は、関連する装置、及び乗り物などの機器にも関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物のエンジンの多くは、その作動に1種以上の流体を使用する。このような流体は、液体であることが多い。例えば、内燃機関は、液体潤滑油を使用する。また、電動エンジンは、熱交換機能を発揮して、例えばエンジンを冷却し、及び/又はエンジンを加熱し、及び/又は種々の動作条件時にエンジンを冷却し加熱することができる流体も使用する。流体の熱交換機能は、例えば電荷伝導及び/又は電気接続を含み得る他の機能(主機能など)に加えて、発揮され得る。このような流体は、通常、エンジンに関連する貯留槽内に収容され、定期的な交換が必要な場合がある。
【0003】
このような流体は、エンジン作動時に消費されることが多い。また、このような流体の特性は、経時的に劣化することもあり、これによって流体の性能が低下し、その結果、新しい流体と交換する必要が生じる。このような交換は複雑であり、手順に時間がかかることがある。例えば、乗り物のエンジンにおけるエンジン潤滑油の交換には、通常、エンジンサンプからの潤滑油の排出を必要とする。また、この手順には、エンジンオイルフィルタの取り外しと交換も必要とすることがある。このような手順では、通常、エンジンの下側から、エンジンサンプドレーンプラグ及びオイルフィルタにアクセスする必要があり、手動工具の使用が必要な場合があり、通常、排出させた潤滑油の適切な回収方法を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様及び実施形態は、流体容器などの流体システムに連結され得る、機器、例えば乗り物用の熱交換器を対象とする。本開示の態様及び実施形態は、本開示の態様に係る熱交換器を備えた関連する装置、及び、本開示の態様に係る熱交換器を備えた機器、例えば乗り物を対象とする。
【0005】
本発明の態様は独立請求項に記載されており、好ましい特徴は従属請求項に記載されている。
【0006】
ここで、添付の図面を参照し、単に例示として、一部の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の例示的熱交換器の概略図を示す。
図2】第2の例示的熱交換器の概略図を示す。
図3】第3の例示的熱交換器の概略図を示す。
図4】第4の例示的熱交換器の概略図を示す。
図5】第5の例示的熱交換器の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、例えば図1~5に示されているように、乗り物2の熱交換器1を提供する。図1~5に示されている例では、乗り物2の交換可能な流体容器3はドック4に連結されている。図1~5に示されている例では、交換可能な流体容器3は、交換可能な流体容器3内に流体33を含み、また、乗り物2の流体循環システム23に連結するように構成された、少なくとも1つの流体ポート31又は32も備えている。流体ポート31は、交換可能な流体容器3の流体入口ポート31であり、流体ポート32は、交換可能な流体容器3の流体出口ポート32である。
【0009】
図1~5の例では、熱交換器1は、少なくとも1つの相変化材11と、少なくとも1つの熱交換界面12と、を備えている。
【0010】
図1~5の例では、熱交換界面12は、相変化材11と、交換可能な流体容器3内を、当該流体容器へ及び/又は当該流体容器から流れる流体33との間において熱交換するように構成されている。
【0011】
相変化材11は潜熱蓄熱器であり、例えば乗り物2のエンジン22及び/又はエンジン温度調節システムによって、流体33が加熱されたときに、例えば、エンジン22及び/又は流体33が公称動作温度にあるときに、固体から液体へ状態を変えて、熱交換界面12を介して交換可能な流体容器3内を、当該流体容器へ及び/又は当該流体容器から流れる流体33より得られた熱を蓄積するように構成されている。液相状態になった相変化材11は、例えばエンジン22が停止した後に、例えばエンジン22の低温再始動まで、及び/又は流体33が冷却されるまで、熱を蓄積するように構成されている。相変化材11に蓄積された熱は、交換可能な流体容器3内を、当該流体容器へ及び/又は当該流体容器から流れる流体33によって、熱交換界面12を介して入り、流体33を迅速に予熱することができ、例えば、流体33が潤滑油である場合に、摩擦、排出物(CO2など)、及び/又は燃料消費を低減してもよい。一部の例では、相変化材11から流体33に伝達される熱の量に応じて、相変化材11は、熱が、交換可能な流体容器3内を、当該流体容器へ及び/又は当該流体容器から流れる流体33に伝達されるときに、液体から固体へ状態を変えることができ、上述した固体状態から液体状態への変化を繰り返すことができる。
【0012】
本開示において、「交換可能な(replaceable)」とは、
容器に、新しい及び/又は未使用の流体を十分に供給できること、及び/又は、
容器を、非破壊的に、ドックに連結できること、すなわち、例えば、ドックに差し込み及び/又は取り付け及び/又はつなげること、及び/又は、
容器を、非破壊的に、すなわち、必要があればその再連結が可能なように、ドックから取り外せること、及び/又は、
同じ(例えば、補充された後の)容器、若しくは別の(例えば、満たされている及び/又は新しい)容器を、非破壊的に、ドックに再連結できること、例えば、ドックに再び差し込み及び/又は再び取り付け及び/又は再びつなげることを意味する。
【0013】
「交換可能な」という用語は、容器を、ドックに再連結することが可能な、例えばドックに再び差し込むことが可能な、別の新しい容器及び/又は補充された後の同じ容器に「交換(replaced)」できる(換言すると、交換可能な容器が「補充可能(refillable)」である)という意味であることが理解される。
【0014】
本開示において、「非破壊的に(in a non-destructive manner)」とは、場合によっては、シール(流体ポートのシールなど)又は容器の他の使い捨て要素の破損及び/又は破壊の場合を除いて、容器の完全性が変更されないことを意味する。
【0015】
「~であるように構成される(configured to be)」という用語は、「~である(is)」という意味を包含することが理解される。
【0016】
図1~5の例では、流体33は、乗り物2の流体循環システム23のポンプ231によって、交換可能な流体容器3へ流れる。図1~5の例では、乗り物2の流体循環システム23は、サンプ232、例えば、潤滑油サンプのような流体サンプも備えている。図1~5の例では、ポンプ231は、掃気ポンプ(scavenging pump)であり得る。図1~4の例では、容器3から流体循環システム23への流体は、例えば重力によって、供給されてもよいが、図5に示されている例では、流体は、乗り物2の流体循環システム23のポンプ15cによって供給されてもよい。
【0017】
図1に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、相変化材11と、熱交換界面12と、を備えている。
【0018】
図1に示されている例では、相変化材11は、交換可能な流体容器3内に配置されるように構成されている。また、図1に示されている例では、熱交換界面12も、交換可能な流体容器3内に配置されるように構成されている。
【0019】
図1に示されている例では、相変化材11は、レセプタクル13内に収容されている。図1に示されている例では、レセプタクル13は、交換可能な流体容器3内に収容されている。図1に示されている例では、相変化材11を収容するレセプタクル13には、例えば、レセプタクル13の少なくとも1つの壁131には、熱交換界面12が設けられている。
【0020】
図1の例では、熱交換界面12は、例えば、流体が交換可能な流体容器3に又は当該流体容器から流れるときに、相変化材11と、少なくとも交換可能な流体容器3内を流れる流体33との間において熱交換するように構成されている。
【0021】
図2に示されている例は、図1に示されている例の要素を含む。図2図1に示されている例において共通する要素については、簡潔かつ明瞭にするために、本明細書では説明しない。
【0022】
図2に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、相変化材11と、熱交換界面12と、を備えている。図2に示されている例では、相変化材11は、ドック4に配置されるように構成されている。また、図2に示されている例では、熱交換界面12も、ドック4に配置されるように構成されている。
【0023】
図2に示されている例では、相変化材11は、レセプタクル13内に収容されている。図2に示されている例では、レセプタクル13はドック4内に収容され、乗り物2の流体循環システム23に近接するように配置されている。図2に示されている例では、相変化材11を収容するレセプタクル13には、熱交換界面12が設けられている。加えて又は代わりに、相変化材11を収容するレセプタクル13の少なくとも一部は、流体循環システム23の少なくとも一部を構成するように構成されており、例えば、レセプタクル13の壁131は、流体循環システム23の一部を構成していてもよい。
【0024】
図2の例では、熱交換界面12は、例えば、流体が流体循環システム23から又は当該流体循環システムへ流体ポート31又は32を通って流れるときに、相変化材11と、少なくとも交換可能な流体容器3へ又は当該流体容器から流れる流体33との間において熱交換するように構成されている。
【0025】
図3に示されている例は、図1に示されている例の要素を含む。図3図1に示されている例において共通する要素については、簡潔かつ明瞭にするために、本明細書では説明しない。
【0026】
図3に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、相変化材11と、熱交換界面12と、を備えている。
【0027】
図3に示されている例では、相変化材11は、ドック4以外の乗り物2の部品に配置されるように構成されている。図3に示されている例では、熱交換界面12も、ドック4以外の乗り物2の部品に配置されるように構成されている。図3に示されている例では、相変化材11及び熱交換界面12は、少なくとも部分的に、乗り物2のエンジン22のサンプ232に配置されるように構成されている。
【0028】
図3に示されている例では、相変化材11は、レセプタクル13内に収容されている。図3に示されている例では、レセプタクル13は、乗り物2の流体循環システム23のサンプ232内に収容されている。図3の例では、ポンプ231は、掃気ポンプであり得る。図3の例では、容器3から流体循環システム23への流体は、例えば重力によって、供給されてもよいが、流体循環システムに少なくとも1つの供給ポンプを有する実施形態も想定される。
【0029】
図3に示されている例では、流体が流体循環システム23において循環しているとき、相変化材11を収容し、そしてサンプ232内の流体33と接触しているレセプタクル13には、熱交換界面12が設けられている。加えて又は代わりに、相変化材11を収容するレセプタクル13の少なくとも一部は、流体循環システム23のサンプ232の少なくとも一部を構成するように構成されており、例えば、レセプタクル13の壁131は、図3に示された例において点線により示されているように、流体循環システム23の一部を構成していてもよい。
【0030】
図3の例では、熱交換界面12は、流体が流体循環システム23の交換可能な流体容器3へ又は当該流体容器から流れているときに、相変化材11と、少なくともサンプ232内を流れる流体33との間において熱交換するように構成されている。
【0031】
図4に示されている例は、図1に示されている例の要素を含む。図4図1に示されている例において共通する要素については、簡潔かつ明瞭にするために、本明細書では説明しない。
【0032】
図4に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、
交換可能な流体容器3内に配置されるように構成された相変化材11aと、
ドック4に配置されるように構成された相変化材11bと、を備えている。
【0033】
図4に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、
交換可能な流体容器3内に配置されるように構成された熱交換界面12aと、
ドック4に配置されるように構成された熱交換界面12bと、を更に備えている。
【0034】
図4に示されている例では、交換可能な流体容器3内に配置されるように構成された相変化材11a、及びドック4に配置されるように構成された相変化材11bはそれぞれ、レセプタクル13a及び13b内に収容されている。図4に示されている例では、レセプタクル13aは、交換可能な流体容器3内に収容されている。図4に示されている例では、相変化材11aを収容するレセプタクル13aには、例えば、レセプタクル13aの少なくとも1つの壁131には、熱交換界面12aの第1の部分が設けられている。
【0035】
図4に示されている例では、熱交換界面12aは、配管121aを備えた第2の部分も含む。図4に示されている例では、配管121aは、レセプタクル13a内に設けられ、交換可能な流体容器3と流体連通している先端部122a及び123aを有している。図4に示されている例では、配管121aは、熱交換界面12aが壁131のみを備える状況と比較して、熱交換界面12aの表面積を拡大させることができる。
【0036】
図4に示されている例では、熱交換器1は2つの制御弁14aを備え、これらの制御弁は、例えば、配管121aの先端部122a及び123aに設けられている。2つの制御弁14aは、以下に説明するように、交換可能な流体容器3の熱交換界面12aにおける流体33の流れを制御するように構成されている。
【0037】
弁14aの閉じた構成では、配管121a内に流体33が流れ込むことができず、熱交換界面12aの表面積は、第1の部分、例えば壁131のみに制限される。一部の例では、壁131は、相変化材11aと流体33との間の熱交換が最小となるように、断熱材であってもよい。液相状態になった相変化材11は、例えばエンジン22が停止した後に、例えばエンジン22の低温再始動まで、及び/又は流体33が冷却されるまで、熱を蓄積するように構成されている。
【0038】
弁14aの開いた構成では、配管121a内に流体33が流れ込むことができ、これによって、弁14aの閉じた構成に関して説明した状況と比較して、熱交換界面12aの表面積が拡大する。一部の例では、熱交換器1は制御弁14aを備えていなくてもよいことが理解される。
【0039】
図4に示されている例では、熱交換界面12bは、配管121bを備えている。図4に示されている例では、配管121bは、レセプタクル13b内に設けられ、ドック4に配置された流体循環システム23の流路133と流体連通している先端部122b及び123bを有している。図4に示されている例では、配管121bは、熱交換界面12bが、例えば、ドック4に配置された流体循環システム23の流路133に近接するように壁132のみを備える状況と比較して、熱交換界面12bの表面積を拡大させることができる。
【0040】
図4に示されている例では、熱交換器1は、2つの三方弁14bを備え、これらの三方弁は、例えば、配管121bの先端部122b及び123bに、並びに、流体循環システム23に、例えば、交換可能な流体容器3から流体循環システム23へ流体を供給する流体出口に設けられている。2つの三方弁14bは、以下に説明するように、ドック4の熱交換界面12bにおける流体33の流れを制御するように構成されている。
【0041】
矢印Aによって示されている、弁14bの第1の構成では、配管121b内に流体33が流れ込むことができず、熱交換界面12bの表面積は、例えば壁132のみに制限される。一部の例では、壁132は、相変化材11bと流体33との間の熱交換が最小となるように、断熱材であってもよい。
【0042】
矢印Bによって示されている、弁14bの第2の構成では、配管121b内に流体33が流れ込むことができ、これによって、弁14bの第1の構成に関して説明した状況と比較して、熱交換界面12bの表面積が拡大する。
【0043】
他の数の弁も想定され、また、熱交換器12は、単一の弁又は3つ以上の弁を備えていてもよいことが理解される。
【0044】
1つ以上の弁14a及び/又は14bは、乗り物2のコントローラ25によって制御されるように構成され得る。
【0045】
図5に示されている例は、図1に示されている例の要素を含む。図5図1に示されている例において共通する要素については、簡潔かつ明瞭にするために、本明細書では説明しない。
【0046】
図5に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、
ドック4に配置されるように構成された相変化材11bと、
ドック4以外の乗り物2の部品に配置されるように構成され、必ずしも流体循環システム23のサンプ232にある必要がない相変化材11cと、を備えている。図5に示されている例では、相変化材11cは、例えば、乗り物2のエンジン22に配置されるように構成されるが、他の位置も想定され得る。
【0047】
図5に示されている例では、乗り物2の熱交換器1は、ドック4に配置されるように構成された熱交換界面12bを備えている。
【0048】
図5に示されている例では、ドック4に配置された相変化材11bはレセプタクル13b内に収容され、エンジン22に配置された相変化材11cはレセプタクル13c内に収容されている。図5に示されている例では、レセプタクル13bは、ドック4内に収容されている。
【0049】
図5に示されている例では、熱交換界面12bは、配管121bを備えている。図5に示されている例では、配管121bは、レセプタクル13b内に設けられ、ドック4に配置された流体循環システム23の流路133と流体連通している先端部122b及び123bを有し、また、交換可能な流体容器3からの流体33は、熱交換界面12bの配管121bを流れる。
【0050】
図5に示されている例では、熱交換器1は、流体循環システム23に設けられたポンプ15c、例えば、交換可能な流体容器3から流体循環システム23へ流体を供給するポンプを更に備えている。ポンプ15cは、例えば熱交換界面12bにおける流体33の流れを調節して、ドック4の熱交換界面12bにおける流体33の流れを制御するようにも構成されている。一部の例では、ポンプ15cは、コントローラ25によって制御されてもよい。
【0051】
図5に示されている例では、レセプタクル13b及びレセプタクル13cは、配管18及び19であって、少なくとも液体形態の相変化材11cをレセプタクル13bとレセプタクル13cとの間において循環させるように構成された配管18及び19と流体連通している。加えて又は代わりに、配管18及び19も、液体形態の相変化材11bをレセプタクル13bとレセプタクル13cとの間において循環させるように構成されている。エンジン22に配置されたレセプタクル13cは、レセプタクル13bのみの状況と比較して、ドック4に配置された熱交換界面12bに利用可能な相変化材の量を増加させる。
【0052】
図5に示されている例では、熱交換器1は、ポンプ16と、配管18に設けられた制御弁17と、を更に備えている。ポンプ16及び制御弁17は、例えば、熱交換界面12b、例えばレセプタクル13bにおける液体相変化材11cの流れを調節して、ドック4に配置された熱交換界面12bにおいて、少なくとも一度液体形態にある相変化材11cの流れを制御するように構成されている。
【0053】
一部の例では、ポンプ16及び/又は弁17は、コントローラ25によって制御されてもよい。
【0054】
一部の実施形態では、熱交換器1は、ポンプ16のみを備え、制御弁17がなくてもよいし、制御弁17のみを備え、ポンプ16がなくてもよいし、ポンプ16及び制御弁17がなくてもよいことが理解される。
【0055】
加えて又は代わりに、配管18及び19も、液体形態の相変化材11bをレセプタクル13bの周りに循環させて、相変化材11bと相変化材11cとの間において熱交換するように構成されている。
【0056】
一部の例では、相変化材11bと相変化材11cは、同じ種類の相変化材であってもよく、例えば、限定的ではない例として、ともに水酸化バリウムであってもよいし、それぞれ異なる種類の相変化材であってもよい。
【0057】
一部の例では、熱交換器1は、乗り物2のコントローラ25によって制御され、乗り物2の点火前に、相変化材11と交換可能な流体容器の流体33との間において熱が交換されるように構成されていてもよい。一部の例では、流体33を交換可能な流体容器3内に、当該流体容器へ及び/又は当該流体容器から流すポンプのうちの少なくとも1つは、乗り物2の点火前に作動させて、
流体33を、例えば流体33が潤滑油である場合には、乗り物2の点火前に予熱してもよいし、
別の流体を、例えば、熱交換器が乗り物の暖房、換気及び空調システムに関連付けられている場合には、乗り物2の点火前に流体33中の流体によって予熱してもよい。
【0058】
一部の例では、相変化材11を収容するレセプタクル13は、断熱材であって、相変化材11の周りに配置されたか又は少なくとも部分的に配置された断熱材を備えていてもよい。
【0059】
図1~5の例では、ドック4及び交換可能な流体容器3は、乗り物2の一部ではないものとして示されている。一部の例では、ドック4及び/又は交換可能な流体容器3は、少なくとも部分的に、乗り物2のうちの一部を構成していてもよいことが理解される。このような例では、ドック4及び/又は交換可能な流体容器3は、乗り物2のエンジンルームに配置されていてもよい。
【0060】
本開示の態様は乗り物に関して説明し、また、本開示の例は乗り物用流体の使用について説明してきたが、以下に説明するように、本開示の特徴には、他の用途があり得ることも想定される。
【0061】
例えば、本開示の態様に係る交換可能な流体容器は、広範囲の機器に関して用いてもよく、このような機器は、上述の乗り物に限定されない。例えば、交換可能な流体容器には、例えば機器又は機器の少なくとも領域に流体を供給する、移動しないか又は移動可能な数体の種々の機器に関する用途があってもよく、例えば、機器に関しては、
1種以上の産業機械(例えば、限定的ではない例としては旋盤)、及び/又は
1種以上の製造機械、及び/又は
1種以上の組立機械、及び/又は
1種以上の工具、例えば手動工具(例えば、限定的ではない例としては、ヘッジトリマー(hedge trimmer)若しくはリーフブロワー(leaf blower))、及び/又は
あらゆる種類のエンジン、例えば、限定的ではない例として、乗り物のエンジン若しくは芝刈り機が挙げられる。
【0062】
本開示のあらゆる態様に係る熱交換器を備えた装置は、少なくとも部分的に、
交換可能な流体容器3、及び/又は
ドック4、及び/又は
機器若しくは乗り物、及び/又は
ドック以外の乗り物の部品を備え得るか、又は当該流体容器、及び/又は当該ドック、及び/又は当該機器若しくは乗り物、及び/又は当該部品であり得ることが理解される。このような例では、機器又は乗り物の部品は、少なくとも部分的に、乗り物のエンジン、例えば乗り物のサンプを備えていてもよい。
【0063】
限定的ではない例として、相変化材は、
塩溶液、例えばMnH2Oの形態及び/又は水酸化バリウムを含有する1種以上の塩水和物、及び/又は
1種以上の共晶相系変化材(eutectics phase change materials)含んでいてもよい。
【0064】
他の相変化材も想定される。
【0065】
一部の例では、コントローラ25は、少なくとも部分的に、乗り物のエンジンコントロールユニット(ECU)のうちの一部を構成していてもよい。加えて又は代わりに、一部の例では、コントローラ25は、少なくとも部分的に、ドック4のうちの一部、例えば、ドック4のデータトランシーバのうちの一部を構成していてもよい。一部の例では、ドックのデータトランシーバは、容器3のデータプロバイダからデータを受信し、例えばコントローラによる処理後に、乗り物にデータを提供するように構成されていてもよい。加えて又は代わりに、一部の例では、コントローラ25は、少なくとも部分的に、容器3のうちの一部、例えば、容器3のデータプロバイダのうちの一部を構成していてもよい。一部の例では、コントローラ25は単一体でなくてもよく、乗り物2の種々の部品により、及び/又はドック4の種々の部品により、及び/又は容器3の種々の部品により、分散していてもよい。
【0066】
コントローラ25は、メモリと、プロセッサと、を備え得る。コントローラ25に関連するプロセッサは、例えば、エンジンコントロールユニット(ECU)又はエンジン管理システムをつなぐ通信(例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス)を用いて、容器3及び/又は乗り物2との通信(暗号化された通信であってもよい。)を管理するマイクロコントローラなどのコントローラ、又は当該コントローラを有する同種のものであり得る。
【0067】
容器3は、液体である流体用の容器であり得る。適切な液体の例としては、電動エンジン用のエンジン潤滑油及び熱交換流体が挙げられる。
【0068】
交換可能な流体容器のデータプロバイダは、プロセッサを備え得る。データプロバイダは、交換可能な流体容器内の流体について記述するデータを記憶するメモリを備え得る。例えば、メモリは、流体のグレード、流体の種類、容器が充填されたか又は補充された日付、容器独自の識別子、容器が新しいか又は以前に補充されたか若しくは交換されたか否かの表示、乗り物の走行距離の表示、容器が補充された又は再使用された回数、及び、容器を使い切るのに要した総走行距離のうちの少なくとも1種を含むデータを記憶してもよい。
【0069】
また、コントローラ25に関連するプロセッサは、容器のデータプロバイダのメモリ又はデータストアへのデータを読み取り及び/又は当該メモリ又はデータストアにデータを書き込みすることもできる。このデータは暗号化され、データには、乗り物データ及びセンサパラメータが含まれ得る。データ保存は、容器を保有する乗り物が、走行距離のマイル及びエンジン稼働時間を蓄積するため、始動時に及び定期的に行うことができる。
【0070】
一部の例では、空であるか又は使用済みの若しくは消費した潤滑油を収容する(例えば、ドック4の)容器を容易に交換することが可能な、新しい、補給された又は未使用の潤滑油を収容する内蔵型容器として、容器3を設けてもよい。容器3は、フィルタを含有し得る。容器3がフィルタを更に備える場合、消費した又は使用済みの潤滑油とともに、フィルタも交換される。このため、乗り物のエンジン流体循環システム23と流体連通するように保持される消費済み又は使用済の潤滑油を収容する交換可能な流体容器3は、乗り物のエンジン流体循環システム23から分離され、乗り物から取り外され、また、新しい、補給された又は未使用の潤滑油を収容し、かつ。もしあれば、新しい、取り替えられた又は新規のフィルタを含有する容器に交換され得る。
【0071】
一部の例では、交換可能な流体容器3の一部(例えば、ポート、及び/又はフィルタが存在する場合にはフィルタ及び/又はレセプタクルが存在する場合にはレセプタクル13を備えた部分)は、容器の別の部分から分離され、また、新しい部分が別の部分に取り付けられていてもよい。このため、部品は、再使用され及び又は再利用されてもよい。一部の例では、レセプタクルが交換可能な流体容器内に存在する場合、レセプタクル13は、流体容器と関連するように交換可能な要素であってもよく、すなわち、
レセプタクル13は、未使用の交換可能な流体容器内に供給されてもよく、及び/又は、
レセプタクル13を、非破壊的に、すなわち、必要があれば同じ若しくは別の交換可能な流体容器にその再連結が可能なように、交換可能な流体容器の他の要素から取り外してもよく、及び/又は、
同じ若しくは別のレセプタクルを、非破壊的に、同じ若しくは別の交換可能な流体容器の他の要素に再連結してもよい。
【0072】
一部の例では、レセプタクルは、交換可能な流体容器のライフサイクルを通して、同じ交換可能な流体容器内にあってもよいことが理解される。
【0073】
一部の例では、乗り物は、少なくとも1つの電動ドライブトレーンを備えていてもよい。一部の例では、乗り物は、ハイブリッド車であってもよい。
【0074】
一部の例では、乗り物は、バッテリーを備える。乗り物のバッテリーは、電動ドライブトレーン及び/又はポンプ及び/又は弁の動作に必要な電力の少なくとも一部を供給するように構成されていてもよい。
【0075】
エンジン潤滑油は、少なくとも1種の基油(base stock)と、少なくとも1種のエンジン潤滑油添加剤と、を含み得る。適切な基油としては、生物由来基油、鉱物油由来基油、合成基油及び半合成基油が挙げられる。適切なエンジン潤滑油添加剤は、当技術分野において知られている。エンジン潤滑油添加剤は、有機及び/又は無機化合物であり得る。通常、エンジン潤滑油は、総基油の約60~90重量%、エンジン潤滑油添加剤の約40から10重量%を構成し得る。エンジン潤滑油は、内燃機関用の潤滑油であり得る。エンジン潤滑油は、火花点火内燃機関用の潤滑油であり得る。エンジン潤滑油は、圧縮点火内燃機関用の潤滑油であり得る。エンジン潤滑油は、単粘度グレード(mono-viscosity grade)又は多粘度グレード(multi-viscosity grade)のエンジン潤滑油であり得る。エンジン潤滑油は、専用潤滑油(single purpose lubricating oil)又は多目的潤滑油であり得る。
【0076】
容器は、電動エンジンの熱交換流体用の容器であり得る。このため、容器は、電動エンジン用の熱交換流体を収容することができる。このような場合では、空であるか又は使用済みの若しくは消費した熱交換流体を収容し得る(例えば、ドック4の)容器を容易に交換することが可能な、新しい、補給された又は未使用の電動エンジン用熱交換流体を収容する内蔵型容器として、容器を設けることができる。容器がフィルタを更に備える場合、消費した又は使用済みの熱交換流体とともに、フィルタも交換される。
【0077】
電動エンジンには、エンジンを加熱し及び/又はエンジンを冷却するのに熱交換流体が必要であり得る。これは、エンジンの動作サイクルによって異なり得る。また、電動エンジンには、熱交換流体の貯留槽も必要であり得る。交換可能な流体容器は、必要に応じて電動エンジンを加熱するのに用いる熱交換流体を貯蔵することが可能な蓄熱容器であり得る。交換可能な流体容器は、必要に応じて電動エンジンを冷却するのに用いる冷却液を、エンジンの動作温度よりも低い温度において貯蔵する容器であり得る。
【0078】
電動エンジン用の適切な熱交換流体は、例えば電荷伝導及び/又は電気接続を含んでいてもよい付加的な機能(主機能など)を有し、水性の又は水性でない流体であり得る。電動エンジン用の適切な熱交換流体は、有機及び/又は無機の性能向上添加剤を含み得る。適切な熱交換流体は、人工又は生物由来であり、例えばベタインであってもよい。熱交換流体は、防火特性及び/又は水力学特性を有し得る。適切な熱交換流体には、相変化流体が含まれる。適切な熱交換流体には、溶融金属又は塩が含まれる。適切な熱交換流体には、ナノ流体が含まれる。ナノ流体は、固体、液体又は気体であり得るベース流体中に懸濁したナノ粒子を含む。適切な熱交換流体には、気体と液体とが含まれる。適切な熱交換流体には、液化ガスが含まれる。
【0079】
流体は、エンジン及び/又は乗り物の機能をサポートするように、エンジンにおいて循環する及び/又はエンジンに関連する流体循環システムにおいて循環する(すなわち、必ずしもエンジンにおいて循環しない)あらゆる種類の流体であり得る。機能は、エンジンの補助的機能であり得る。例えば、流体は、凍結防止剤及び/又はブレーキ系に用いられる流体などの作動液、及び/又は空気流体、洗浄液、燃料添加剤、又はエンジン及び/又は乗り物の機能に関連する他のあらゆる流体であってもよい。
【0080】
本開示は、「ドライサンプ(dry sump)」又は「ウエットサンプ(wet sump)」を有する乗り物に応用することができる。
【0081】
ドックに、1つ以上の容器を差し込み及び/又は取り付け及び/又はつなげることができる。ドックは、容器が取り付けられた後につなげられる物理的構造体であり得る。別の可能性として、ドックは、単に、容器の少なくとも1つの流体ポートに連結する、エンジン流体循環システムの流体継手であってもよい。
【0082】
一部の例では、流体出口ポートは、逆止弁を備えていてもよい。逆止弁は、エンジンが作動していない場合に、流体が容器に逆流するのを防止するか、又は少なくとも抑制することができ、また、流体を満たした循環ポンプへの流体ラインを維持しやすくすることができ、その結果、エンジンの作動が開始されるとすぐに流体が循環する。加えて又は代わりに、流体入口ポートは、例えば、容器からエンジンへの流体の排出を防止するか又は低減するように、乗り物のエンジンが作動していないときに閉じ得る制御弁又は遮断弁を備えていてもよい。加えて又は代わりに、容器が乗り物のエンジン流体循環システムに接続されている場合に、流体、例えば気体及び/又は蒸気が、ポートを通って容器間を流れる必要があり得るため、一部のポートは、弁を含有していなくてもよい。
【0083】
流体ポートは流体継手を備え、これはセルフシールであってもよい。
【0084】
適切な乗り物としては、オートバイ、土工車(earthmoving vehicles)、採鉱車(mining vehicles)、大型車及び乗用車が挙げられる。また、動力を備えた水上輸送船も、ヨット、モーターボート(例えば、船外機付き)、遊覧船、ジェットスキー及び漁船を含む乗り物として想定される。本開示の用途は、乗り物の部品のみ、例えば、1つ以上の可動部品(例えば、ギヤボックス)を含む部品が想定される。
【0085】
容器は、金属及び/又はプラスチック材料から製造することができる。適切な材料としては、例えば最大150℃の温度において長時間作用させるのに適し得る強化熱可塑性プラスチック材料が挙げられる。
【0086】
容器は、少なくとも1つの商標、ロゴ、製品情報、広告情報、他の識別可能な特徴、又はこれらの組合せを含み得る。容器には、少なくとも1つの商標、ロゴ、製品情報、広告情報、他の識別可能な特徴、又はこれらの組合せが印刷され及び/又はラベル付けされ得る。これは、偽造を防止するという利点があり得る。容器は、単色又は多色であり得る。商標、ロゴ又は他の識別可能な特徴は、容器の他の部分と同じ色及び/又は材料であってもよいし、容器の他の部分とは異なる色及び/又は材料であってもよい。一部の例では、容器には、包装、例えば箱又はパレットが施されていてもよい。一部の例では、包装は、複数の容器に対して施されていてもよく、一部の例では、複数の容器に対して箱及び/又はパレットが施されていてもよい。
【0087】
図面を全体的に参照すると、概略的な機能ブロック図は、本明細書に説明されている要素、システム及び装置の機能を示すのに用いられることが認識される。ただし、このように機能を分ける必要はなく、以下に説明され、特許請求の範囲に記載されているもの以外のハードウェアの特定の構造を意味するものではないことが認識される。図面に示されている1つ以上の要素の機能は、更に、本開示の要素、システム及び装置全体にわたって細分され及び/又は分散し得る。一部の実施形態では、図面に示されている1つ以上の要素の機能は、単一の機能単位に統合され得る。
【0088】
上述の実施形態は、例示として理解される。更なる実施形態も想定される。一実施形態に関して説明されている特徴(ポンプ、弁、配管、熱交換器、熱交換界面など)は、単独で、又は説明されている他の特徴と組み合わせて用いてもよく、また、他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせて用いるか、又は他の実施形態のあらゆる組合せを用いてもよいことも理解される。さらに、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、上述されていない均等物及び改変物も利用してもよい。
【0089】
一部の例では、1つ以上の記憶素子は、本明細書に説明されている動作を実行するのに用いられるデータ及び/又はプログラム命令を記憶してもよい。本開示の実施形態は、有形の非一時的な記憶媒体であって、本明細書に説明されている及び/又は特許請求の範囲に記載されている方法のうちのいずれか1つ以上を実行し、及び/又は本明細書に説明されている及び/又は特許請求の範囲に記載されているデータ処理装置を提供するために、プロセッサをプログラムするように操作可能なプログラム命令を含む、有形の非一時的な記憶媒体を提供する。
【0090】
本明細書に概説されている動作並びに要素、システム及び装置は、ロジックゲートのアセンブリなどの固定ロジック、又はソフトウェア及び/又はプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム命令などのプログラマブルロジックによって提供され得るコントローラ及び/又はプロセッサを用いて実行することができる。他の種類のプログラマブルロジックとしては、プログラマブルプロセッサ、プログラマブルデジタルロジック(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、特定用途向け集積回路(ASIC)、若しくは他の種類のデジタルロジック、ソフトウェア、コード、電子命令、フラッシュメモリ、光ディスク、CD‐ROM、DVD‐ROM、磁気若しくは光カード、電子命令を記憶するのに適した他の種類の機械可読媒体、又はこれらの適切な組合せが挙げられる。
【0091】
本開示に関連して、装置の他の変形及び改変は、当業者であれば明らかである。
【0092】
本明細書に開示されている寸法及び値は、記載されている正確な数値に厳密に限定されるものと理解されない。代わりに、別段の定めがない限り、このような寸法はそれぞれ、記載されている値と、その値の周囲の機能的に同等な範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示されている寸法は、「約40mm(about 40 mm)」を意味するものとする。
【0093】
相互参照されるか又は関連する特許又は出願を含む、本明細書に引用されているすべての書類は、明示的に除外されるか又は限定されない限り、その全体が参照により本明細書に援用される。いかなる書類の引用も、本明細書に開示されているか若しくは特許請求の範囲に記載されている発明に対する先行技術であること、又は、単独で、若しくは他の参考文献と組み合わせて、このような発明を示すか、示唆するか又は開示することを認めるものではない。さらに、本書類の用語のいかなる意味又は定義も、参照により援用される書類の同じ用語のいかなる意味又は定義と矛盾する限り、本書類のその用語に割り当てられている意味又は定義が適用される。
【0094】
本発明の特定の実施形態を示し説明してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の種々の変更及び改変を行えることが明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲では、本発明の範囲内及び趣旨の範囲内にある、このようなすべての変更及び改変を包含するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5