(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】生物学的流体被検物を分析する方法及び可搬読取り器
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20241022BHJP
G01N 21/78 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G01N35/04 E
G01N21/78 A
(21)【出願番号】P 2022516597
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2020075811
(87)【国際公開番号】W WO2021052983
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-08
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】522099124
【氏名又は名称】イキ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン,ギョーム
(72)【発明者】
【氏名】ルブラン,モルガーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ブイスー,ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】ファブロ,ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】カルヴ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】リュンビエール,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】コショワ,シリル
(72)【発明者】
【氏名】コー,ジャン-クリストフ
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-535576(JP,A)
【文献】特開平11-248700(JP,A)
【文献】特開平10-197526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0022639(US,A1)
【文献】米国特許第06566051(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第107714304(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/04
G01N 21/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的液体サンプルを分析するシステム(10、110、210)であって、前記システム(10、110、210)は、
-生物学的液体サンプルを分析する可搬読取り器(14、114、214)と、
-生物学的液体を収集するカートリッジ(412、512、612)と
を備え、前記可搬読取り器(14、114、214)は、
2つの横端部の間で
長手方向軸(L)に沿って延在する前記
可搬読取り器(14、114、214)の筐体(16、116、216)であって、
前記長手方向軸(L)に沿った収集カートリッジ(412、512、612)の挿入又は引抜きを意図する横アクセス開口(22、122、222)、
前記
可搬読取り器(14、114、214)の筐体底部(26、126、226)を備える下側部分、
前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記筐体(16、116、216)の閉鎖を意図する前記
可搬読取り器(14、114、214)のカバー(24、124、224)
を備える筐体(16、116、216)と、
前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記筐体底部(26、126、226)内に配置した、印刷回路を有する電子カード(28、128、228)と、
前記印刷回路を有する電子カード(28、128、228)の上面に配置した複数の光送受信器
組立体(30、130、230)であって、
複数の
前記光送受信器組立体(30、130、230)
は、前記長手方向軸(L)に沿って順に配置する、複数の
前記光送受信器
組立体(30、130、230)と、
長手方向に延在するカートリッジ支持要素(38、138、238)であって、
長手方向に延在し、前記印刷回路を有する電子カード(28、128、228)の上面に面し、前記上面から離れて配置するカートリッジ支持底部(42、142、242)であって、各前記光送受信器組立体(30、130、230)は、前記カートリッジ支持底部(42、142、242)の開口(44、144、244)に面して配置する、カートリッジ支持底部(42、142、242)
を備えるカートリッジ支持要素(38、138、238)と、
前記複数の光送受信器組立体(30、130、230)に電気的に接続した電子監視ユニット(32、132、232)と
を備え、前記電子監視ユニット(32、132、232)は、発光するモードおよび反射光を受信するモードで各前記光送受信器組立体(30、130、230)を制御し、生物学的液体を分析する目的で光学読取りを実施できるように構成し、
前記カートリッジ(412、512、612)は、前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記カートリッジ支持底部(42、142、242)を圧迫する状態で配置するように構成し、
2つの横端部の間に長手方向に延在し、カートリッジ筐体底部(426、526、626)を備えるカートリッジ筐体(416、516、616)と、
前記長手方向軸(L)に沿って順に配置する色が変化する複数の反応要素(432、532、632)であって、各前記反応要素(432、532、632)は、前記カートリッジ筐体底部(426、526、626)内に配置し、前記カートリッジ筐体底部(426、526、626)の開口(452、552、652)に面する、複数の反応要素(432、532、632)と、
長手方向に延在し、前記複数の反応要素(632、634)の上部にわたり前記カートリッジ筐体(616)内に配置した生物学的液体拡散帯(638)であって、前記前記拡散帯(638)は、前記複数の反応要素(632)の各前記反応要素(632)と直接接触するように構成する、生物学的液体拡散帯(638)と、
前記複数の反応要素(632、634)の各前記反応要素(632、634)の反対側に配置した前記カートリッジ筐体底部(626)の可撓性部分(680)と、
前記拡散帯(638)の上部にわたり配置したカートリッジ・カバー(624)と
を備え、
-前記電子監視ユニット(32、132、232)は、光学読取りの後、各前記反応要素(432、532、632)の色の変化を検出することによって生物学的液体サンプルを分析するように構成し、
-前記システム(210)は、少なくとも1つの押込み要素(225)を備え、前記少なくとも1つの押込み要素(225)は、カートリッジ・カバー(624)と協働し、
前記カートリッジ(612)を前記カートリッジ支持底部(242)の方向で押し、
前記カートリッジ(612)を前記
可搬読取り器(214)に挿入した際、各前記反応要素(632、634)が前記拡散帯(638)と接触するように、前記カートリッジ支持底部(242)の突出部分(264)に対して前記カートリッジ筐体底部(626)の前記可撓性部分(680)を押しつぶす
ように構成する、システム(10、110、210)。
【請求項2】
前記システム(10、110、210)は、
-前記
可搬読取り器
の筐体(16、116、216)内に配置し、前記監視ユニット(32、132、232)に電気的に接続した位置センサ(54、154、254)
を備え、前記位置センサ(54、154、254)は、
前記カートリッジ(412、512、612)の各前記反応要素(432、532、632)が、前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記光送受信器組立体(30、130、230)に面して配置されていることを検出し、
各前記反応要素(432、532、632)が前記光送受信器組立体(30、130、230)に面して配置されていることを検出した後、各前記反応要素(432、532、632)を反復的、光学的に読み取るため、前記電子監視ユニット(32、132、232)に制御信号を送信する
ように構成することを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10、110、210)。
【請求項3】
前記カートリッジ支持要素(38、138、238)は、2つの横壁を備え、前記横壁は、前記横アクセス開口(22、122、222)から長手方向に延在し、前記収集カートリッジを挿入する案内部(52、152、252)を形成する前記支持底部(42、142、242)の両側に配置することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム(210)。
【請求項4】
生物学的液体サンプルを分析する方法(700)であって、前記方法(700)は、請求項1から3のいずれか一項に記載の生物学的液体サンプルを分析する前記システム(10、110、210)によって実施し、前記カートリッジ(512、612)は、前記複数の反応要素(532、632)の上部にわたり配置した生物学的液体拡散帯(538、638)を備え、前記方法(700)は、
-前記収集カートリッジ(412、512、612)を前記
可搬読取り器(14、114、214)に挿入するステップ(710)と、
-前記
可搬読取り器(114、214)によって前記カートリッジ(512、612)を押しつぶすことによって、前記カートリッジ(512、612)を前記
可搬読取り器(114、214)に挿入するステップの後、前記複数の反応要素上に前記拡散帯(538、638)を直接接触させるステップ(716)と、
-前記カートリッジ(412、512、612)の挿入(710)後、前記カートリッジ(412、512、612)の前記複数の反応要素(432、532、632)を反復的、光学的に読み取るステップ(720)と、
-前記反復的光学読取りステップ(720)の後、前記複数の反応要素(432、532、632)の少なくとも1つの反応要素(432、532、632)の原色の変化を検出するステップ(730)と、
-前記原色の変化を検出した日付を記入するステップ(740)と、
-前記カートリッジ(412、512、612)の少なくとも1つの前記反応要素(432、532、632)の色変化の検出(730)後、前記カートリッジ(412、512、612)の生物学的液体サンプルを分析するステップ(750)と
を含む、方法(700)。
【請求項5】
前記システム(10、110、210)の前記
可搬読取り器(14、114、214)は、前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記筐体(16、116、216)内に配置した位置センサ(54、154、254)を備え、前記方法(700)は、前記反復的光学読取りステップ(720)の前、
-前記位置センサ(54、154、254)によって、前記カートリッジ(412、512、612)の各前記反応要素(432、532、632)が、前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記光送受信器組立体(30、130、230)に面して配置されていることを検出するステップ(712)と、
-前記カートリッジ(412、512、612)の各前記反応要素(432、532、632)が、前記
可搬読取り器(14、114、214)の前記光送受信器組立体(30、130、230)に面して配置されていることの検出(712)を条件として、前記反復的光学読取りステップ(720)を許可するステップ(714)と
を含む、請求項4に記載の方法(700)。
【請求項6】
前記カートリッジ(512)は、生物学的液体を蓄積するように構成した吸収貯蔵帯(536)を備え、前記(700)は、前記収集カートリッジ(512)を前記
可搬読取り器(114)に挿入する際、前記収集カートリッジ(512)の長手方向での押込み(P)によって、前記拡散帯(538)上に前記吸収貯蔵帯(536)の一部分を直接接触させるステップ(715)を含む、請求項4又は5に記載の方法(700)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的液体サンプルを分析する可搬読取り器、及び生物学的液体サンプルを分析する方法に関する。本発明は、特に、生物学的液体サンプルを分析するシステムに適用され、システムは、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備え、カートリッジは、可搬読取り器に挿入される。
【背景技術】
【0002】
医療従事者の間で、尿又は他には唾液等の生物学的液体サンプルを分析できることは一般的である。生物学的液体との接触により色が変化し得るいくつかの反応要素を備える条片を使用することは、公知である。色の変化の解釈は、色と、生物学的液体中の化合物の濃度との相関付けを可能にする分析表に従って、肉眼で実施できるか、又は条片の分析を可能にする、かさばる読取り装置に条片を挿入することによって実施することができる。
【0003】
この問題を克服する試みは、既に行われており、これは、一般の人が、自分で、例えば尿を含む容器内に反応要素を備える条片を浸漬し、自分で、試薬の色の変化を肉眼で分析し、条片に備えられた使用説明書に従って色を解釈するという提案によるものである。
【0004】
この家庭での解決策は、ユーザに常に確実に通知するものではなく、ユーザは、使用説明書に対する色の変化の区別が困難である場合があり、ユーザは、生物学的液体中に条片を浸漬する時間を必ずしも習得しているわけではなく、ユーザは、浸漬終了から試薬の色の解釈までの間の待ち時間も常に習得しているわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、こうした欠点を完全に革新的な手法で克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的で、第1の態様によれば、本発明は、生物学的液体サンプルを分析する可搬読取り器に関し、可搬読取り器は、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを受け入れることが意図され、読取り器は、
2つの横端部の間で長手方向軸に沿って延在する読取り器筐体であって、
長手方向軸に沿った収集カートリッジの挿入又は引抜きを意図する横アクセス開口、
読取り器筐体底部を備える下側部分、
読取り器筐体の閉鎖を意図する読取り器カバー
を備える読取り器筐体と、
読取り器の筐体底部内に配置された、印刷回路を有する電子カードと、
前記印刷回路を有する電子カードの上面に配置した複数の光送受信器であって、複数の組立体の光送受信器組立体は、長手方向軸に沿って順に配置する、複数の光送受信器と、
長手方向に延在するカートリッジ支持要素であって、
長手方向に延在し、印刷回路を有する電子カードの上面に面し、上面から離れて配置するカートリッジ支持底部であって、各光送受信器組立体は、カートリッジ支持底部の開口に面して配置する、カートリッジ支持底部
を備えるカートリッジ支持要素と、
複数の光送受信器組立体に電気的に接続した電子監視ユニットと
を備え、電子監視ユニットは、発光するモード及び反射光を受信するモードで各光送受信器組立体を制御し、生物学的液体を分析する目的で光学読取りを実施できるように構成する。
【0007】
本発明は、以下で明らかにする実施形態及び変形形態により実施され、こうした実施形態及び変形形態は、個々に、又はあらゆる技術的に動作可能な組合せに従って実施されると考慮されたい。
【0008】
有利には、カートリッジ支持要素は、2つの横壁を備えることができ、2つの横壁は、横アクセス開口から長手方向に延在し、収集カートリッジを挿入する案内部を形成する支持底部の両側に配置される。
【0009】
第2の態様によれば、本発明は、生物学的液体サンプルを分析するシステムに関し、システムは、読取り器と、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジとを備え、カートリッジは、読取り器のカートリッジ支持底部を圧迫する状態で配置するように構成し、
2つの横端部の間に長手方向に延在し、カートリッジ筐体底部を備えるカートリッジ筐体と、
長手方向軸に沿って順に配置する色が変化する複数の反応要素であって、各反応要素は、カートリッジ筐体底部内に配置され、カートリッジ筐体底部の開口に面する、複数の反応要素と
を備え、電子監視ユニットは、光学読取りの後、各反応要素の色の変化を検出することによって生物学的液体サンプルを分析するように構成される。
【0010】
本発明は、以下で明らかにする実施形態及び変形形態により実施され、こうした実施形態及び変形形態は、個々に、又はあらゆる技術的に動作可能な組合せに従って実施されると考慮されたい。
【0011】
有利には、システムは、位置センサを備えることができ、位置センサは、読取り器筐体内に配置され、監視ユニットに電気的に接続され、位置センサは、カートリッジの各反応要素が、読取り器の光送受信器組立体に面して配置されていることを検出し、制御信号を電子監視ユニットに送信し、各反応要素が光送受信器組立体に面している配置を検出した後に各反応要素を反復的、光学的に読み取るように構成することができる。
【0012】
有利には、カートリッジは、生物学的液体拡散帯を備えることができ、生物学的液体拡散帯は、長手方向に延在し、複数の反応要素の上部にわたりカートリッジ筐体内に配置され、拡散帯は、複数の反応要素の各反応要素と直接接触するように構成され、カートリッジは、複数の反応要素の各反応要素の反対側に配置されたカートリッジ筐体底部の可撓性部分と、拡散帯の上部にわたり配置されたカートリッジ・カバーとを更に備えることができる。システムは、少なくとも1つの押込み要素を備えることができ、少なくとも1つの押込み要素は、カートリッジ・カバーと協働し、カートリッジ支持底部の方向でカートリッジを押し込み、読取り器にカートリッジを挿入した際にカートリッジ支持底部の突出部分に対してカートリッジ筐体底部の可撓性部分を押しつぶし、各反応要素が拡散帯と接触するように構成される。
【0013】
有利には、収集カートリッジは、停止部を備えることができ、停止部は、収集カートリッジ筐体の外側部分上に配置され、収集カートリッジを読取り器に挿入した際に読取り器筐体に当接させ、読取り器へのカートリッジの挿入を停止するように構成され、カートリッジは、吸収貯蔵帯も備えることができ、吸収貯蔵帯は、長手方向に延在し、生物学的液体を蓄積するように構成され、吸収貯蔵帯は、収集カートリッジ内に少なくとも部分的に配置される可動支持体内に保持され、可動支持体は、読取り器への収集カートリッジの挿入を停止した後、拡散帯と接触する状態で吸収貯蔵帯を案内するように構成され、カートリッジは、ハンドルを備えることもでき、ハンドルは、カートリッジ筐体の外側に配置され、可動支持体と機械的に接続され、読取り器へのカートリッジの挿入を停止した後に拡散帯と直接接触する状態で吸収貯蔵帯を押し込むように構成される。
【0014】
第3の態様によれば、本発明は、生物学的液体サンプルを分析する方法に関し、方法は、生物学的液体サンプルを分析するシステムによって実施され、方法は、収集カートリッジを読取り器に挿入するステップと、カートリッジの挿入後、カートリッジの複数の反応要素を反復的、光学的に読み取るステップと、反復的光学読取りステップの後に複数の反応要素の少なくとも1つの反応要素の原色の変化を検出するステップと、原色の変化を検出した日付を記入するステップと、カートリッジの少なくとも1つの反応要素の色変化の検出後、カートリッジから生物学的液体サンプルを分析するステップとを含む。
【0015】
本発明は、以下で明らかにする実施形態及び変形形態により実施され、こうした実施形態及び変形形態は、個々に、又はあらゆる技術的に動作可能な組合せに従って実施されると考慮されたい。
【0016】
有利には、システムの読取り器は、読取り器筐体内に配置される位置センサを備えることができ、方法は、反復的光学読取りステップの前、位置センサによって、カートリッジの各反応要素が読取り器の光送受信器組立体に面して配置されていることを検出するステップと、カートリッジの各反応要素が読取り器の光送受信器組立体に面して配置されていることの検出を条件として、反復的光学読取りステップを許可するステップとを備えることができる。
【0017】
有利には、カートリッジは、複数の反応要素の上部にわたり配置される生物学的液体拡散帯を備えることができ、方法は、読取り器によりカートリッジを衝突させることによってカートリッジを読取り器に挿入するステップの後、複数の反応要素上に拡散帯を直接接触させるステップを備えることができる。
【0018】
有利には、カートリッジは、生物学的液体を蓄積するように構成した吸収貯蔵帯を備えることができ、方法は、収集カートリッジを読取り器に挿入する際、収集カートリッジを長手方向に押し込むことによって、拡散帯上に吸収貯蔵帯の一部分を直接接触させるステップを含むことができる。
【0019】
本発明の他の利点、目的及び特徴は、説明の目的で、限定せずに、図面を参照しながら行う以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】生物学的液体サンプルを分析するシステムの第1の実施形態の斜視概略図であり、システムは、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジと、生物学的液体サンプルを分析する読取り器とを備える。
【
図2】第1の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える分析読取り器の概略斜視分解上面図である。
【
図3】第1の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジの斜視分解概略上面図である。
【
図4】生物学的液体サンプルを分析するシステムの第2の実施形態の斜視概略図であり、システムは、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジと、生物学的液体サンプルを分析する読取り器とを備える。
【
図5】第2の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える分析読取り器の斜視分解概略上面図である。
【
図6】第2の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジの斜視分解概略上面図である。
【
図7】分析読取り器の概略縦断面図であり、分析読取り器は、本発明の第2の実施形態による、収集カートリッジの第1の配置に従った、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える。
【
図8】分析読取り器の概略縦断面図であり、分析読取り器は、本発明の第2の実施形態による、収集カートリッジの第2の配置に従った、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える。
【
図9】生物学的液体サンプルを分析するシステムの第3の実施形態の概略斜視図であり、システムは、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジと、生物学的液体サンプルを分析する読取り器とを備える。
【
図10】第3の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える分析読取り器の斜視分解概略上面図である。
【
図11】第3の実施形態による生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える分析読取り器の斜視分解概略上面図である。
【
図12】分析読取り器の概略縦断面図であり、分析読取り器は、本発明の第3の実施形態による、収集カートリッジの第1の配置に従った、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える。
【
図13】分析読取り器の概略縦断面図であり、分析読取り器は、本発明の第3の実施形態による、収集カートリッジの第2の配置に従った、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジを備える。
【
図14】上記図面の実施形態の生物学的液体サンプルを分析するシステムによって実施される生物学的液体サンプル分析方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1によれば、生物学的液体サンプルを分析するシステム10は、生物学的液体サンプルを収集するデバイス12又はカートリッジと、生物学的液体サンプルを分析する可搬読取り器14とを備える。これらの要素を互いに配置する目的で、収集カートリッジ412及び読取り器14の全体の向きに関して、限定はしないが、左右の向きは、長手方向軸Lに沿って画定され、上部及び底部、又は上側及び下側の向きは、垂直軸Vに沿って画定される。生物学的液体サンプル収集カートリッジ412は、生物学的液体を分析する可搬読取り器14に挿入されることを意図する。読取り器14は、左横端部18と右横端部20との2つの間に長手方向軸Lに沿って全体的に延在する読取り器14の筐体16を備える。読取り器14の筐体16は、収集カートリッジ412の長手方向Dでの挿入、又は収集カートリッジ412の引抜きを意図する横アクセス開口22を備える。
【0022】
図2及び第1の実施形態によれば、
図1の読取り器14は、読取り器14の筐体16を備え、筐体16は、読取り器14の筐体底部26と、読取り器14の筐体16を閉鎖することを意図する読取り器14のカバー24とを備える。読取り器14は、読取り器14の筐体底部26内に配置される、印刷回路を有する電子カード28も備える。印刷回路を有する電子カード28の上面は、複数の光送受信器組立体30を備え、複数の組立体30の光送受信器組立体30は、長手方向軸Lに沿って順に配置される。
【0023】
読取り器14は、電子監視ユニット32を備え、電子監視ユニット32は、有利には、印刷回路を有する電子カード28上に配置され、複数の光送受信器組立体30に電気的に接続される。電子監視ユニット32は、発光するモード及び反射光を受信するモードで各光送受信器組立体30を制御し、生物学的液体を分析する目的で光学読取りを実施できるように構成される。
【0024】
より詳細には、各光送受信器組立体30は、光源34、好ましくは白色光源と、好ましくは画像センサ型の光センサ36とを備え、電子監視ユニット32が、生物学的液体との接触により色が変化する反応要素の色の分析を実施できるようにする。
【0025】
非限定的な例として、画像センサは、赤色、緑色及び青色センサ型のセンサとすることができ、センサによって電子監視ユニットに伝達される色情報が、センサによって検出される各原色の比率に関係する情報であるようにする。センサの選択、より詳細には、センサのスペクトル範囲は、試薬から得られる色の変化のスペクトル範囲によって規定される。
【0026】
本発明の文脈において、用語「色の変化」は、反応要素を生物学的液体と接触させた際に反応要素に色が展開すること、例えば、限定はしないが、酸性度(又は他では「pH」と表す)を示すオレンジから青への色の変化を意味するはずであるが、適切な反応要素と接触させた生物学的液体中に亜硝酸塩を検出した際、色の出現、即ち、反応要素の白色態様からピンクの色合いへの色の出現も意味する。
【0027】
読取り器14は、カートリッジ支持要素38も備え、カートリッジ支持要素38は、長手方向軸Lに沿って延在し、締結手段40を備え、締結手段40は、カートリッジ支持要素38を、好ましくは、印刷回路を有する電子カード28と固着させるように筐体16内に締結することを可能にする。より詳細には、カートリッジ支持要素38は、カートリッジ支持底部42を備え、カートリッジ支持底部42は、長手方向に延在し、印刷回路を有する電子カード28の上面に面して、上面から離れて配置される。この第1の実施形態によれば、カートリッジ支持底部42は、支持底部42の複数の開口44、46を備え、各光送受信器組立体30は、カートリッジ支持底部42の開口44に面して配置される。特に、光送受信器組立体30の各光源34は、同じ光送受信器組立体の光センサ36から垂直壁によって離間し、スペクトル反射の抑制を可能にする。
【0028】
この目的で、
図2及び
図3、並びに読取り器14の第1の実施形態によれば、生物学的液体サンプルを分析するシステム10は、
図1の生物学的液体サンプルを収集するカートリッジ412を備え、収集カートリッジ412は、読取り器14のカートリッジ支持底部42を圧迫するように構成される。収集カートリッジ412は、カートリッジ筐体416を備え、カートリッジ筐体416は、長手方向に延在し、カートリッジ筐体底部426を備える。収集カートリッジ412は、長手方向軸Lに沿って順に配置される、複数の色が変化する反応要素432、434を備え、各反応要素432、434は、カートリッジ筐体底部426内に配置され、カートリッジ筐体底部426の開口452に面する。任意で、複数の反応要素432、434は、条片430、好ましくは、自己接着式で透明又は半透明の条片上に配置することができる。
【0029】
収集カートリッジ12の存在下、電子監視ユニット32は、各光送受信器組立体30を発光させするモード及び各光送受信器組立体30からの反射光を受信するモードの反復制御を監視するように構成される。電子監視ユニット32は、各反応要素432、434の色を光学的に読み取った後、各反応要素432、434の色の変化を検出することによって生物学的液体サンプルを分析するように構成される。
【0030】
図2によれば、収集カートリッジの反応要素432、434の色の変化に対する、読取り器14による確実な光学読取りを保証するため、システム10は、読取り器14の筐体16内に配置される位置センサ54を備える。位置センサ54は、監視ユニット32に電気的に接続される。位置センサ54は、カートリッジの各反応要素432、434が、読取り器14の光送受信器組立体30に面して配置されていることを検出するように構成される。位置センサ54が、カートリッジの各反応要素432、434が読取り器14の光送受信器組立体30に面して配置されていることを発見すると、位置センサ54は、電子監視ユニット32に制御信号を送信するように構成され、電子監視ユニット32は、制御ユニットが、各反応要素432、434の光学読取りを反復的に実施することを許可する。
【0031】
より詳細には、
図2によれば、位置センサ54は、スイッチを備え、スイッチは、印刷回路を有する電子カード28上に配置され、収集カートリッジ412の位置停止部456と協働するように構成される。言い換えれば、収集カートリッジ412は、位置停止部456を備え、位置停止部456は、収集カートリッジ412が読取り器14内に正確に配置されると、即ち、収集カートリッジ412内に配置された各反応要素432、434が、読取り器14のカートリッジ支持底部42の複数の開口44、46及びカートリッジ支持底部426の開口452を通じて光送受信器組立体30に面して配置されると、読取り器14内に配置されたスイッチに衝突し、スイッチを作動させるように構成される。
【0032】
特に、
図3によれば、位置停止部456は、カートリッジ筐体416の横縁上に突出して配置される突起を備える。カートリッジ筐体416の横縁上の位置停止部456の長手方向軸Lに沿った位置、及びスイッチの長手方向軸Lに沿った位置は、位置停止部456がスイッチに衝突した際に、カートリッジの各反応要素432、434が読取り器14の光送受信器組立体30に面して配置されるように較正すべきである。カートリッジ筐体416の横縁上の位置停止部456、又は突起は、好ましくは、収集カートリッジの右端部の近傍に配置され、収集カートリッジ412の長手方向軸Lに沿った長さに対して制約をもたらさないようにする。
【0033】
非限定的な例として、代替的に、位置センサ54は、カートリッジ支持要素38上、好ましくは、読取り器14の筐体16の横アクセス開口22の反対側のカートリッジ支持要素38の端部に、横断的に配置される赤外線障壁を備えてよく、この赤外線障壁は、カートリッジ筐体416を読取り器14に挿入する間、カートリッジ筐体416の左端部が横切ることができることに留意されたい。代替的に、位置センサ54は、押しボタン型スイッチを備えることができ、このスイッチは、カートリッジ支持要素38の端部にも配置され、カートリッジ筐体416を読取り器14に挿入した際、押しボタンをカートリッジ筐体416の左端部に衝突させることによって起動させることができる。
【0034】
図2によれば、読取り器14への収集カートリッジ412の挿入を促進するため、カートリッジ支持要素38は、支持底部42の両側に対向して配置される2つの横壁48、50を備え、各横壁48、50は、横アクセス開口22から長手方向に延在する。カートリッジ支持底部42の両側に横壁48、50を配置することにより、収集カートリッジ挿入案内部52を形成する。
【0035】
図2によれば、読取り器14は、生物学的液体サンプルを蓄積する際、収集カートリッジ412の支持体として使用されるように構成され、反応要素432、434を吸収可能にする。この目的で、収集カートリッジ412は、収集カートリッジ412を読取り器14に挿入した際に読取り器14の外側からアクセス可能な生物学的液体蓄積部分437を備えるべきである。この実施形態によれば、読取り器14は、読取り器14の横アクセス開口22内に配置される封止部58を備え、収集カートリッジ412を読取り器14に挿入した後、収集カートリッジ412上に蓄積し得る生物学的液体にアクセスする横開口22の封止を保証する。封止部58は、収集カートリッジ412を読取り器14内に正確に配置した際、横アクセス開口22を通じて配置された収集カートリッジ412の部分の周囲を圧縮するように構成される。
【0036】
特に、読取り器14に挿入される収集カートリッジ412の液体蓄積部分437上に生物学的液体を蓄積する間、読取り器の取扱いを促進するため、読取り器14の筐体底部26は、その下面上に、読取り器14を手で把持する把持手段60を備え、把持手段60は、特に、読取り器14の筐体16の内側に向かってドーム形中空を形成し、円弧形状で長手方向に延在する少なくとも1つの表面を備える。
【0037】
図4、
図5及び
図6によれば、生物学的液体を分析するシステム110の第2の実施形態が示される。第2の実施形態は、第1の実施形態と同様に、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジ512を備え、このカートリッジ512は、生物学的液体を分析する可搬読取り器114に挿入されることを意図する。読取り器114は、読取り器114の筐体116を備え、筐体116は、左横端部118と右横端部120との2つの間に長手方向軸Lに沿って全体的に延在する。読取り器114の筐体116は、横アクセス開口122を備え、横アクセス開口122は、長手方向軸Lに沿った収集カートリッジ512の挿入又は引抜きを意図する。収集カートリッジ512は、読取り器114のカートリッジ支持要素138のカートリッジ支持底部142上に配置されるように構成される。
【0038】
第1の実施形態と同様に、カートリッジ支持要素138は、カートリッジ支持底部142の両側に対向して配置される2つの横壁148、150を備え、各横壁148、150は、横アクセス開口122から長手方向に延在する。カートリッジ支持底部142の両側に横壁148、150を配置することにより、収集カートリッジ挿入案内部152を形成する。
【0039】
第1の実施形態と同様に、読取り器114は、読取り器114の筐体底部126内に配置される、印刷回路を有する電子カード128も備える。印刷回路を有する電子カード128は、複数の光送受信器組立体130を備え、複数の光送受信器組立体30の光送受信器組立体30は、長手方向軸Lに沿って順に配置される。読取り器114は、電子監視ユニット132を備え、電子監視ユニット32は、有利には、印刷回路を有する電子カード128上に配置され、複数の光送受信器組立体130に電気的に接続される。読取り器114は、有利には、印刷回路を有する電子カード128上に配置される位置センサ154も備える。
【0040】
やはり第1の実施形態と同様に、カートリッジ支持底部142は、支持底部142の複数の開口144、146を備え、各光送受信器組立体130は、カートリッジ支持底部142の開口144に面して配置される。
【0041】
第2の実施形態は、特に、読取り器114及び収集カートリッジ512が一緒に協働し、収集カートリッジ512の蓄積部分537から収集カートリッジ512の反応要素532、534への生物学的液体サンプルの拡散を確実にするように構成されるという点で、第1の実施形態とは異なる。
【0042】
この目的で、システム110は、ハンドル566を備え、ハンドル566は、収集カートリッジ512に固着配置され、読取り器114の横アクセス開口122を通じて収集カートリッジ512を読取り器114に並進挿入した際に長手方向軸Lに沿ってカートリッジ512上に押込みPを加えることが可能であるように構成される。
【0043】
第2の実施形態によれば、ハンドル566は、読取り器114の筐体116の外側に配置され、収集カートリッジ512の外側に部分的に延在する収集カートリッジ512の吸収貯蔵帯536の一部分を少なくとも部分的に覆うようにする。吸収貯蔵帯536は、生物学的液体蓄積部分537を備えるように構成され、生物学的液体蓄積部分537は、収集カートリッジ512の外側に配置され、ハンドル566によって覆われるように構成される。したがって、ハンドル566は、吸収貯蔵帯536の生物学的液体蓄積部分537の上部にわたるキャップとして作用する。
【0044】
図6によれば、吸収貯蔵帯536は、可動支持体570内に配置され、可動支持体570は、カートリッジ筐体516の摺動部分531内で摺動するように構成され、摺動部分531は、収集カートリッジ512の右端部に配置される。吸収貯蔵帯536の蓄積部分537の周囲に配置されるハンドル566は、可動支持体570と機械的に接続され、ハンドル566は、並進押込みPを吸収貯蔵帯536上に加えるように構成される。
【0045】
第2の実施形態によれば、収集カートリッジ512は、生物学的液体拡散帯538を備え、生物学的液体拡散帯538は、長手方向に延在し、複数の反応要素532、534の上部にわたりカートリッジ筐体516内に配置される。拡散帯538は、収集カートリッジ512の各反応要素532、534と直接接触するように構成される。有利には、複数の反応要素532、534は、カートリッジ筐体底部526内に配置される条片530の上面に配置され、各反応要素532、534は、条片530を通じた透明性によって、カートリッジ筐体底部526の開口552に面して配置される。
【0046】
図6及び
図7、並びに第2の実施形態によれば、収集カートリッジ512を読取り器114に最大限に挿入する前、即ち、収集カートリッジ512が読取り器114内にまだ正確に配置されていない場合、又は更には収集カートリッジ412の反応要素532、534の全てが、読取り器114の光送受信器組立体130に面して配置されていない場合、吸収貯蔵帯536は、拡散帯538に接触しない。
【0047】
図8によれば、読取り器114への収集カートリッジ512の当接挿入後、ハンドル566の長手方向軸Lに沿った押込みPは、長手方向軸Lに沿って、読取り器114に挿入される収集カートリッジ512をもはや前進させない効果を有するが、吸収貯蔵帯536を押し込み、拡散帯538と直接接触させる効果を有する。より詳細には、吸収貯蔵帯536は、並進移動に従ってハンドル566によって押し込まれ、収集カートリッジ512の筐体516の移行部分529の内面に接して可動支持体570によって案内されるように構成され、移行部分529の内面は、吸収貯蔵帯536を拡散帯538の方に屈曲させ、2つの帯536、538の間に接触をもたらす効果がある。
【0048】
収集カートリッジ512の当接挿入は、移行部分529が読取り器114の横アクセス開口122の外周部に当接する際、又は代替的に、収集カートリッジ512の左端部、即ち、ハンドル566の反対側の端部が、読取り器114に完全に挿入される場合に読取り器114の筐体116内に当接する際、効果的であることに留意されたい。収集カートリッジ512の移行部分529と、読取り器114の横アクセス開口122の外周部との間の協働によって得られる停止部の解決策は、長さに応じた、収集カートリッジ512の長手方向軸Lに沿った読取り器114の設計を制約しないという利点を有する。
【0049】
図6、
図7及び
図8によれば、収集カートリッジ512の拡散帯538と、反応要素532、534との間の確実な接触を改善するため、収集カートリッジ512の筐体516は、2つのボス572、574を備え、2つのボス572、574は、収集カートリッジ512の筐体516の上壁、又は収集カートリッジ512のカバー524上に配置され、カートリッジ512の筐体516の外方に突出する。収集カートリッジ512のカバー524は、拡散帯538の上部にわたり配置される。
図7及び
図8によれば、収集カートリッジ512を読取り器114に挿入する間、2つのボス572、574は、読取り器114のカバー124の内面と摩擦係合され、拡散帯538に対して下向きの垂直圧力を加えるようにする。このように押圧された拡散帯538は、収集カートリッジの反応要素532、534と接触した状態で維持される。
【0050】
図9、
図10及び
図11によれば、生物学的液体サンプルを分析するシステム210の第3の実施形態が示される。第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジ612を備え、生物学的液体サンプルを収集するカートリッジ612は、生物学的液体を分析する可搬読取り器214に挿入されることを意図する。読取り器214は、読取り器214の筐体216を備え、筐体216は、左横端部218と右横端部220との2つの間に長手方向軸Lに沿って全体的に延在する。読取り器214の筐体216は、長手方向軸Lに沿った収集カートリッジ612の挿入又は引抜きを意図する横アクセス開口222を備える。
【0051】
第1の実施形態と同様に、読取り器214は、読取り器214の筐体底部226内に配置される、印刷回路を有する電子カード228も備える。印刷回路を有する電子カード228は、複数の光送受信器組立体230を備え、複数の組立体230の光送受信器組立体230は、長手方向軸Lに沿って順に配置される。読取り器214は、電子監視ユニット232を備え、電子監視ユニット232は、有利には、印刷回路を有する電子カード228上に配置され、複数の光送受信器組立体230に電気的に接続される。読取り器214は、有利には、印刷回路を有する電子カード228上に配置される位置センサ254も備える。
【0052】
第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、読取り器214は、カートリッジ支持要素238を備え、カートリッジ支持要素238は、カートリッジ支持底部242の両側に対向して配置される2つの横壁248、250を備え、各横壁248、250は、横アクセス開口222から長手方向に延在する。カートリッジ支持底部242の両側に横壁248、250を配置することにより、収集カートリッジ挿入案内部252を形成する。
【0053】
特に、
図10及び
図11に示されるように、カートリッジ筐体616は、横案内フィン627を備えることができ、横案内フィン627は、収集カートリッジの挿入案内部252の横壁248、250上に配置された溝内を摺動できるように構成され、並進移動による読取り器214への収集カートリッジ612の挿入を保証するようにする。
【0054】
図10及び
図11によれば、第3の実施形態は、読取り器214のカートリッジ支持要素238のカートリッジ支持底部242が、長手方向に延在する突出部分264を備え、突出部分264上に、支持底部242の複数の開口244、246が配置されるという点で第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なる。
【0055】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、収集カートリッジ612は、長手方向軸Lに従って順に配置される、色が変化する複数の反応要素632、634を備え、各反応要素632、634は、カートリッジ筐体の底部626に配置され、カートリッジ筐体底部626の開口652に面する。第3の実施形態の目的で、収集カートリッジ612の筐体底部626の開口652の外周部680の材料は、軟質プラスチック等の可撓性材料である。
【0056】
図12及び第3の実施形態によれば、収集カートリッジ612は、生物学的液体拡散帯638を備え、生物学的液体拡散帯638は、長手方向に延在し、複数の反応要素632、634の上部にわたりカートリッジ筐体616内に配置される。収集カートリッジ612が読取り器214内にまだ正確に配置されていない場合、生物学的液体拡散帯638は、各反応要素632、634と接触しない。
【0057】
図12によれば、システム210は、2つの押込み要素を備え、2つの押込み要素は、カートリッジ支持底部242に向かう垂直の押込みPvにより収集カートリッジ612を押し込むように構成される。より詳細には、第1の押込み要素625は、カートリッジ・カバー624上に配置される第1の斜面形斜め傾斜部分を備える。第1の斜め傾斜部分は、カートリッジ・カバー624の表面から収集カートリッジ612の右端部まで上向きに延在する。第2の押込み要素225は、第2の斜面形斜め傾斜部分を備え、第2の斜面形斜め傾斜部分は、読取り器214のカバー224の内面上に配置され、収集カートリッジ612の挿入方向Dで傾斜下向きに向けられる。
【0058】
この目的で、
図13によれば、収集カートリッジ612を読取り器214に挿入すると、第1の押込み要素625は、読取り器の横アクセス開口222と接触する。第2の押込み要素225は、収集カートリッジ612の左端部と接触する。収集カートリッジ612がその最大挿入位置まで押し込まれると、収集カートリッジ612は、カートリッジ支持底部242に向かって押し込まれ、可撓性材料から作製した収集カートリッジ612の筐体底部626の開口652の外周部680が、カートリッジ支持底部242の突出部分264に接して押しつぶされるようにする。この目的で、各反応要素632、634は、拡散帯638と接触する。有利には、この第3の実施形態によれば、拡散帯638は、吸収貯蔵帯636として作用することもでき、このため、拡散帯638及び吸収貯蔵帯636は、例えば、限定はしないが、吸取紙型の単一吸収要素から構成される。
【0059】
図9、
図10及び
図11によれば、読取り器214は、収集カートリッジ612を排出するように構成した排出ボタン262を備える。排出ボタン262は、読取り器214の筐体216の左端部の横壁上、即ち、横アクセス開口222の反対側の読取り器214の壁上に配置される。排出ボタン262は、筐体216の左端部の横壁を通して配置され、排出ボタン262は、読取り器214の筐体216の外側に配置される手動操作部分261を備える。排出ボタン262は、操作部分261から読取り器214の筐体216の内側まで延在する排出部分265も備える。排出部分265は、カートリッジ支持底部242の上部にわたり長手方向軸Lに沿って並進摺動するように構成され、読取り器214内に配置されている収集カートリッジ612に衝突し、横アクセス開口222を通じて収集カートリッジ612を排出するようにする。この目的で、任意に、排出ボタン262は、ばね手段263を備え、ばね手段263は、読取り器214の筐体216内にあり、排出ボタン262が初期位置に戻る際の押込み移動を可能にする。排出ボタン262の利点は、収集カートリッジ612を操作する必要なしに収集カートリッジ612を引き抜けることである。
【0060】
図14によれば、生物学的液体サンプルを分析する例示的方法700は、複数のステップを含む。提示される方法は、特に、上記図面の生物学的液体サンプルを分析するシステムに適用される。方法は、収集カートリッジ412、512、612を読取り器14、114、214に挿入する第1のステップ710を含む。特に、挿入は、読取り器14、114、214の横アクセス開口22、122、222を通じて行われ、横アクセス開口22、122、222は、収集カートリッジ412、512、612の長手方向Dでの挿入又は引抜きを可能にする。収集カートリッジ412、512、612の挿入後のステップは、カートリッジ412、512、612の複数の反応要素432、532、632の反復的光学読取りステップ720から構成される。用語「光学読取り」とは、本発明の背景において、カートリッジ筐体底部426、526、626の開口452、552、652及び条片430、530、630を通じた各反応要素432、532、632上での光の反射による読取りを意味し、読取り器14、114、214による反応要素432、532、632の色の変化の検出を可能にし、したがって、読取り器14、114、214による、分析すべき生物学的液体サンプルの特性の自動分析を可能にするものである。
【0061】
反復的光学読取りステップ720の後、方法は、複数の反応要素432、532、632の少なくとも1つの反応要素432、532、632の原色の変化を検出するステップ730を含み、カートリッジの少なくとも1つの反応要素432、532、632の色変化の検出130後、原色の変化を検出した日付を記入するステップ740、及び更にはカートリッジ412、512、612からの生物学的液体サンプルを分析するステップ750を実施できるようにする。
【0062】
非限定的な例として、反応要素432、532、632の色の変化は、検出された各原色の各光量の比率の反復計算によって検出することができ、反復計算は、電子監視ユニット32、132、232によって実施される。この場合、読取り器14、114、214は、電子メモリも備えることができ、各反応要素432、532、632に関連する原色の比率は、メモリ内に記憶させることができ、各反応要素432、532、632上に存在する生物学的液体の化合物の存在を決定できるようにする。
【0063】
任意で、位置センサ54、154、254が読取り器14、114、214の筐体16、116、216内に配置されるシステム10、110、210の場合、方法は、光学読取りステップ720の前に、位置センサ54、154、254によって、カートリッジ412、512、612の各反応要素432、532、632が、読取り器14、114、214の光送受信器組立体30、130、230に面して配置されていることを検出するステップ712を含むことができ、カートリッジ412、512、612の各反応要素432、532、632が読取り器14、114、214の光送受信器組立体30、130、230に面して配置されていることの検出712を条件として、反復的光学読取りステップ720を許可する更なるステップ714も含む。
【0064】
任意で、生物学的液体拡散帯538、638が複数の反応要素532、632の上部にわたり配置されるシステム110、210の場合、方法700は、読取り器114、214によって収集カートリッジ512、612を押しつぶすことによるカートリッジ512、612を読取り器114、214に挿入するステップの後、複数の反応要素上で拡散帯538、638を直接接触させるステップ716を含むことができる。
【0065】
任意で、収集カートリッジ512が、生物学的液体を蓄積するように構成した吸収貯蔵帯536を備えるシステム110の場合、方法700は、収集カートリッジ512を読取り器114に挿入する際、収集カートリッジ512の長手方向での押込みPによって、拡散帯538上に吸収貯蔵帯536の一部分を直接接触させるステップ715を含むことができる。
【0066】
本発明は、尿型の生物学的液体の分析に特に有利であることに留意されたい。本発明に従って収集カートリッジ内に配置される、尿と接触させると色が変化する反応要素432、532、632は、本発明による分析読取り器14、114、214によって分析することができ、読取り器は、例えば、限定はしないが、尿の水素電位を介した、pHで示される尿の酸性度、又は更には尿濃度及び尿のクレアチニン濃度の監視に関係する情報を提供することができる。尿酸濃度も、可能な監視因子である。
【0067】
読取り器14、114、214の分析にユーザフレンドリにアクセスできるようにするため、読取り器14、114、214が、有線又はワイヤレス通信インターフェースを備え、読取りインターフェースとして使用されるあらゆる可搬物体との通信を可能にすることが、本発明のユーザにとって有利であることに留意されたい。非限定的な例として、可搬物体として、スマートフォン型の携帯電話、又は更にはコンピュータ・タブレット若しくはコンピュータが挙げられる。
【0068】
当然、単に例として示す本発明の主題の詳細な説明は、決して限定を構成するものではなく、技術的等価物も本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。