(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】医療用途向け保護フード
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20241022BHJP
A62B 17/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A41D13/11 G
A41D13/11 L
A41D13/11 K
A62B17/04 Z
(21)【出願番号】P 2022521990
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(86)【国際出願番号】 IB2020060507
(87)【国際公開番号】W WO2021099881
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】102019000021555
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】522145096
【氏名又は名称】ティ トータル ヘルスケア イノベーション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロザティ,ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー,ポール
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03955570(US,A)
【文献】米国特許第05867825(US,A)
【文献】米国特許第04901716(US,A)
【文献】米国特許第05253642(US,A)
【文献】特表2011-505985(JP,A)
【文献】登録実用新案第3110058(JP,U)
【文献】実開昭61-156945(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術室又はクリーンルームで、無菌の形態で、ヘルメットの上からオペレータにより着用されることに適する、保護フード(1)であって、
前記保護フード(1)は、折りたたまれた形態で提供され、
・ 使用時に、少なくとも前記オペレータの目の位置に位置付けられる傾向がある前方ビジョンレンズ(20)と、
・ 前記ビジョンレンズ(20)の周辺領域(21)で前記ビジョンレンズ(20)に固定され、前記オペレータの頭部、首、及び胸部の上部を完全に覆うように構成された被覆本体(10)であって、
2つの反対側の側部(13、14)によって接続され且つ一体となった前部(11)及び後部(12)を含む被覆本体(10)と
を含み、前記保護フード(1)がさらに、
・ 前記被覆本体(10)の前記後部(12)にそれぞれの終端で固定され、前記フードの長手方向軸(L)に関して反対側に配置されている、第1(31)及び第2(32)の横方向の紐を備え、
前記第1(31)及び第2(32)の紐は、前記後部(12)を展開して前記オペレータの頭部、首及び胸部の後部を覆うようにするために、前記フード(1)の着用動作中に前記オペレータによって把持されるように構成されており、
前記第1(31)及び第2(32)の紐はまた、前記フード(1)の着用動作の終了時に前記胸部の周りに配置して、前記被覆本体(10)の前記前部(11)で互いに接続できる、
又は結ぶことができるような長さを有している、
ことを特徴とする、保護フード(1)。
【請求項2】
前記前部(11)が、使用時に前記オペレータ胸部の上に延びる、胸当てのような形状の下部付属部(111)を有する、請求項1に記載の保護フード(1)。
【請求項3】
前記被覆本体(10)が布製である、請求項1又は2に記載の保護フード(1)。
【請求項4】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が、それぞれ前記後部(12)の下端部分に取り付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項5】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が、それぞれウェブの形態であり、その長手方向及び横方向の寸法に関して制限された厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項6】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が、実質的に矩形の平面形状を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項7】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が、着用動作中に、前記本体(10)自体の外側と、着用作業を自律的に行う前記オペレータの腕との接触を回避するために十分な距離を、対象者の腕と前記本体(10)との間に維持できるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項8】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が、それぞ
れ20~150cmの範囲に含まれる長さを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項9】
前記第1(31)及び第2(32)の紐が布製である、請求項1~8のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項10】
無菌化することができるか、又はパッケージ内で無菌状態で提供することができる、請求項1~9のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項11】
使い捨てタイプである、請求項1~10のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項12】
前記ビジョンレンズ(20)が、外科手術用ヘルメット(4)への接続手
段を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の保護フード(1)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の保護フード(1)と、前記ビジョンレンズ(20)に接続可能な外科手術用ヘルメット(4)とを備えるアセンブリであって、前記保護フード(1)が、前記外科手術用ヘルメット(4)を覆って着用されるのに適している、アセンブリ。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載の保護フード(1)と、前記被覆本体(10)の下部を覆って着用可能なガウンとを備える、アセンブリ。
【請求項15】
キットの形態で提供される、請求項13又は14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
包装材と、請求項1~12のいずれか一項に記載の無菌保護フード(1)とを備え、前記保護フード(1)は折りたたまれた形態で前記外装内に収容されている、無菌パッケージ。
【請求項17】
前記前部(11)が前記ビジョンレンズ(10)の真上に折りたたまれ、前記後部(12)が前記前部(11)の真上に折りたたまれ、前記第1(31)及び第2(32)の紐が前記後部(12)の上に折りたたまれる、請求項16に記載の無菌パッケージ。
【請求項18】
請求項1~12のいずれか一項に記載の保護フード(1)の着用方法であって、
(a)オペレータが着用する外科手術用ヘルメット(4)に、ビジョンレンズ(20)
を前記外科手術用ヘルメット(4)の付属部(41)に引っ掛けることによって、接続するステップと、
(b)前記第1(31)及び第2(32)の紐を把持し、それらを離開し、後方方向に牽引力を作用させて、前記被覆本体(10)の前記後部(12)を、頭部、首及び胸部上に展開するステップと、
(c)後前方向に前記胸部を包むように前記紐(31、32)を廻して、前記本体(10)の前記前部(11)でそれぞれの長手方向端部を接続するステップと
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、医療オペレータ、特に外科医が保護用ヘルメットに関連して使用するタイプのフード、典型的には使い捨てフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景
周知のように、現在の外科手術の手順は、外科医が保護用ヘルメット、一般に器具付きヘルメットを着用し、その上に、しばしば使い捨ての、フードが着用されることを規定している。フードはヘルメット、次に対象者の頭部、さらに首と胸部の一部を覆う。次にフード、より適切にはその胸部の上に、一般的に同じく使い捨てタイプのガウンが着用される。
【0003】
上記のドレッシング装置は、外科医の外側完全無菌状態を保証することを目的としており、その性質上、特に着用方式に関連して、かなり複雑な結果となる。実際、フードは無菌状態で折りたたまれて提供され、適切な専用開口部に配置されるレンズを含んでいる。フード後部が対象者のうなじと肩を覆うように展開されている間、無菌状態ではない状態で、外科医自身又はそれを助けるオペレータにフード自体の外側部分が触れられる危険性がある。例えば、そのような部分が、外科医の腕又は無菌手袋で保護されていない身体の他の部分と接触する可能性がある。これは、実際には、外科医の装具装着を無駄にするが、しばしば認識されず、したがって改善されない。
【0004】
さらに、外科医が自律的に服を着るとき、特にうなじと背中を覆うためにその一部を反転させることが必要な段階で、フードの着用が非常に不快であるという結果をもたらす。このような手順は不自然な腕の動きを伴うので、外科医が安静と集中を保つべき手術前の段階において、外科医自身に不快感を与えることになる。
【0005】
同じ欠点は、上述のタイプのフードの他の用途(必ずしも医療用途ではない)、及び他のオペレータ(必ずしも医療オペレータではない)に関連して、例えば、研究及び実験室のいわゆる「クリーンルーム」においても生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の概要
したがって、本発明によって認識され、解決される技術的課題は、主に、公知技術を参照して上述した欠点を解決することを可能にする保護フードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題は、請求項1によるフードによって解決される。
【0008】
本発明の好ましい特徴は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本記載の文脈において、「矢状」、「前」、「前方」、「横方向」、「後方」、「上」、「下」という用語及び派生語は、フード要素又はその位置に対して割り当てられ、フード自体の着用された構成に対して言及され、それを装着するオペレータの身体の解剖学的定義に関連しても言及される。
【0010】
一般的な用語において、本発明のフードは、オペレータの頭部、首及び胸部の上部を全体的に、又はほぼ全体的に覆うことに適するタイプのものである。
【0011】
本発明のフードは、頭部、首及び胸部の上部を覆うフードの後部に取り付けられた、一対の紐(又は「胸部ストラップ」)を備える。このような紐は、無菌手袋を用いて外科医が把持することができ、フードの外側部分を汚染する危険性なしに、フードを所定の位置に引っ張ることによって、外科医がフードを自律的に且つ容易に着用することを可能にする。
【0012】
前記紐は、着用動作中、対象者の腕とフードの本体との間に十分な距離を保つことができるように構成されており、腕とフード自体の外側との干渉を決定しないようにする。したがって、無菌であるフードの外側部分と無菌でない対象者の身体との間の汚染の危険性は、劇的に減少する。
【0013】
有利なことに、同じ2本の紐は、着用手順の終了時に、使用者の胸部で互いに結ぶ、又は何らかの方法で接続することができる。このようにして、紐は、特にガウンを着用するその後の段階の間に、フードの本体の前部、後部及び側部を所定の位置に維持する。
【0014】
したがって、外科医又は一般にオペレータが完全に装具を装着し、達成しなければならない作業の準備ができているとき、紐は装具内、すなわちガウンの下に残る。
【0015】
言い換えれば、紐は、汚染のない着用手順の一助となるように考案され及び位置付けられる。
【0016】
本発明の他の利点、特徴及び使用方式は、限定目的ではなく例として示されたその実施形態の、以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0017】
図面の簡単な説明
同封の図面の図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明によるフードの好ましい実施形態の正面図を示す。
【
図1B】本発明によるフードの好ましい実施形態の側面図を示す。
【
図2】本発明のフードと共に使用するための外科手術用ヘルメットを着用したオペレータの頭部、首、及び胸部の一部の側面図を示す。
【
図3】
図1A及び1Bのフードを着用する準備ができている
図2のオペレータの正面図であり、フードは、パッケージから取り出されたばかりの折りたたまれた形態で提供されている。
【
図4A】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4B】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4C】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4D】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4E】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4F】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図4G】
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図5A】先の
図4A~4Gとは部分的に異なる着用方式による、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図5B】先の
図4A~4Gとは部分的に異なる着用方式による、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図5C】先の
図4A~4Gとは部分的に異なる着用方式による、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図5D】先の
図4A~4Gとは部分的に異なる着用方式による、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図5E】先の
図4A~4Gとは部分的に異なる着用方式による、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図6A】
図4A~4G又は
図5A~5Eに表される段階に続く段階を参照して、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図6B】
図4A~4G又は
図5A~5Eに表される段階に続く段階を参照して、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図6C】
図4A~4G又は
図5A~5Eに表される段階に続く段階を参照して、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの側面図を示す。
【
図6D】
図4A~4G又は
図5A~5Eに表される段階に続く段階を参照して、
図1A及び1Bのフードを着用する1つの段階におけるオペレータの正面図を示す。
【
図7A】
図1A及び1Bのフードをその包装の目的のために折りたたむための1つの段階の上面図を示す。
【
図7B】
図1A及び1Bのフードをその包装の目的のために折りたたむための1つの段階の上面図を示す。
【
図7C】
図1A及び1Bのフードをその包装の目的のために折りたたむための1つの段階の側面図を示す。
【
図7D】
図1A及び1Bのフードをその包装の目的のために折りたたむための1つの段階の上面図を示す。
【
図7E】
図1A及び1Bのフードをその包装の目的のために折りたたむための1つの段階の上面図を示す。
【
図7F】最終的に折りたたまれた構成における
図1A及び1Bのフードの概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好ましい実施形態の詳細な記載
図1A及び1Bを参照すると、本発明の好ましい実施形態によるフードが、全体的に1で指定されている。フード1は、手術室での手術中に外科医によって着用されるのに適している。
【0020】
適用可能な変形例は、特に無菌の、衣服又は装具が必要とされる他の背景、例えば研究室のクリーンルームでの使用を提供することができる。
【0021】
フード1は、以下に記載する方式に従って、無菌化され、同様に無菌化されたパッケージ内に折りたたまれて提供される傾向がある。
【0022】
本実施形態では、フード1は使い捨て型である。
【0023】
フード1は、
図2に概略的に示され、本明細書では4で指定される器具付き外科手術用ヘルメットの上に着用されることを意図している。
【0024】
フード1は、使用時にそれを着用するオペレータの矢状面に実質的に対応するそれ自身の長手方向軸Lに関して概ね対称である。
【0025】
フード1において、内面(又は側)15と外面(又は側)16を特定することができ、最初の面は着用後に対象者の身体に直接接触し、一方、2番目の面は実際に外部環境の方を向いているため、このように定義される。後者の面は、手術環境を汚染しないように、着用後でさえも無菌状態を維持しなければならない面である。
【0026】
フードは、それを着用しているオペレータの頭部、首及び胸部の上部を完全に覆うように構成され、これはそれ自身の被覆本体10による。被覆本体10は柔軟な材料で作られ、好ましくは布地で作られる。
【0027】
本体10は、それ自身の前面開口部18において、前方ビジョンレンズ20の周辺領域21上に固定される。前方ビジョンレンズ20は、使用時に、少なくともオペレータの目のところに位置し、好ましくは、外科手術中に適切且つ快適な視野を保証するように、対象者の顔の広い部分に延在する。
【0028】
ビジョンレンズ20は、接続手段、特に貫通穴の形態のフック手段22を、外科手術用ヘルメット4の対応するフック状付属部41の所に有する。
【0029】
本体10は、有利にはワンピースで実装される。ここで、2つの反対側の側部13及び14によって接続され一体化された前部11及び後部12を識別することができる。
【0030】
前部11は、胸当てのような形状の下部付属部111を有し、これは使用時にはオペレータの胸部に延在する。好ましくは、それは正方形、すなわち多角形の形状を有し、一方、本体10の残りの周縁部、特に後部12及び側部13、14の周縁部は、概して丸みを帯びた又は湾曲したプロファイルを有する。
【0031】
胸当て状付属部111は、後部12に対して前部11のより長い長手方向の延在を決定する。
【0032】
長手方向軸L、すなわちオペレータの矢状面に対して反対側に配置された第1及び第2の横方向の紐、それぞれ31及び32のそれぞれの第1の長手方向端部が、本体10の後部12に固定される。
【0033】
有利には、紐31及び32は、後部12の下縁部で本体10に固定されている。
【0034】
サイド紐31及び32は、使用時、後部12の横方向外側に延び、すぐ後に記載されるように、前記後部12を展開して頭部、首、及び胸部の後部を覆うために、フード1の着用動作中にオペレータによって把持されるように構成される。紐31及び32は、着用動作中に、フード1の本体の外側と、着用作業を自律的に行うオペレータの腕との接触を回避するために十分な距離を、対象者の腕とフードの本体との間に維持することができるように構成される。
【0035】
有利には、紐31及び32はまた、フード1の着用動作の終了時に、本体10の前部11、例えばその胸当て状部分111上で相互に結ばれるように胸周りを包むような長さを有している。
【0036】
好ましい実施形態の変形例では、紐は、それぞれ約20~150cmの範囲に含まれる長さを有する。
【0037】
一実施形態において、紐31及び32は、それぞれウェブの形態であり、それら自身の長手方向及び横方向の寸法に関して制限された厚さを有する。それらは、実質的に長方形の平面形状を有することができる。
【0038】
紐31及び32は、本体11の同じ材料、特に布地で作ることができ、或いは、例えば弾性特性を有する異なる材料で作ることもできる。
【0039】
次に、フード1を着用するための方式を、
図3~
図6Dを参照して記載する。
【0040】
図3に示すように、オペレータは、典型的にはパッケージ内に収容されているので折りたたまれた形態にあり、且つ無菌状態にある、フード1を把持する。典型的には、オペレータは、無菌手袋(簡略化のため図には表されていない)を用いてフード1に触れる。一般に、折りたたんだ後に露出されているフード1の面は、内側の面15である。
【0041】
図4Aに概略的に示すように、オペレータは、このようにフード1全体をヘルメット自体に接続することによって、ビジョンレンズ20をヘルメット4のフック状付属部41に引っ掛ける。
【0042】
図4Bに示すように、次にフードを、まだ折りたたまれた形態で下方に回転し、ビジョンレンズ20が同じ形状及びサイズを有するヘルメットの前面開口部42を覆うようにする。
【0043】
この時点で、
図4Cに示すように、オペレータは、紐31及び32を下方に垂らすことによって、フード1が広がり始めること、すなわち展開することを放置することができる。
【0044】
オペレータは、
図4D及び4Eに示すように、胸当て状部分111を把持して下方に引っ張り、胸の前上方部を覆うことができる。
【0045】
次に、
図4F及び4Gのシーケンスに示すように、オペレータは、紐31及び32を把持し、腕の離開及び後方への回転という簡単な動作で、フード1の後部12及び側部13及び14も広げ、対象者の身体全体を覆うようにする。
【0046】
図5A~5Eのシーケンスに示される代替の着用方式は、オペレータが最初に側部13、14及び後部12を広げ、次に前部11、111を広げることを提供する。
【0047】
2つの方式のいずれが採用されるかとは無関係に、着用は、
図6A~6Dに示される段階のシーケンスで完了することができ、そこでは、オペレータが紐31及び32を把持し、本体10の前部11上でそれらを結び合わせるまで後前方向にそれを誘導することが分かる。
【0048】
オペレータの装具装着は、その後、フードの下部、特に対象者の肩と胸を覆う無菌ガウンを着用し、その後、少なくとも前側で結ばれた部分において胸当て状付属部111と紐31及び32を再び閉じることによって、終了することができる。
【0049】
本発明のフードは、上述のような外科手術用ヘルメット及び/又はガウンとのセット、又はキットとして提供することもでき、ガウンはフード自体の本体の下部の上に着用可能である。
【0050】
次に、本発明は、上述した実施形態を参照して、以下の主なステップを備えるフードの着用方法も提供する:
・ 特に前記ビジョンレンズの開口部22を外科手術用ヘルメット4の付属部41に引っ掛けることによって、オペレータが着用する外科手術用ヘルメット4にビジョンレンズ20を接続するステップ、
・ 紐31、32を把持し、それらを離開し、後方方向に牽引力を作用させて、被覆本体10の後部12を、頭部、首及び胸部上に展開するステップ、
・ 後前方向に胸部を包むように紐31、32を廻して、胸部を覆うフード10の前部11でそれぞれの長手方向端部を接続する、特に結ぶステップ。
【0051】
被覆本体10の前部11は、後部12を展開する前又は後に、下方に引っ張ることができる。
【0052】
上述したように、フード1は、好ましくは折りたたまれた形態、有利には無菌の形態で、外科医又は他のオペレータが使用時(着用時)に開封するパッケージに入れて提供される。
【0053】
図7A~7Fのシーケンスは、包装する間、又は何らかの方法で保管及び/又は輸送するために、フード1を折りたたむための異なるステップを示す。
【0054】
フード1は、レンズ20が作業平面の上に載せられた状態で、作業平面上に横たえられるように作られる。最初は、フードは展開された構成にあり、好ましくはひっくり返されている、すなわち、内面15が外側に向けられた状態である。
【0055】
まず、
図7Aに示すように、本体10の前部11をレンズ20の上に、2つ又は3つの折り目をつけて折りたたむ。
【0056】
その後、
図7Bに示すように、後部12は、既に折りたたまれた前部11の上にそのような構成で載せられるために、5つ又は6つの折り目を受け入れる。
図7Cも、フード1の側面図を示すことによって、後部12のそのような折りたたみ手順に関する。
【0057】
図7Dに示すように、次に、紐31及び32を複数且つ規則的な折り目で折りたたみ、既に折りたたまれた後部12の上に載せる。
【0058】
最後に、
図7Eに示すように、突出した外部側縁部及び胸当て状付属部111を、フード1の残りの部分の上に折りたたみ、フード1のコンパクトな構成、及び最小限のサイズを得ることができるようにする。
【0059】
これまで、本発明をその好ましい実施形態を参照して記載してきた。それは、以下に報告する特許請求の範囲の保護範囲によって定義されるような、その発明的中核に属する他の実施形態が存在し得ることを意味するものである。
【符号の説明】
【0060】
図面中の構成要素の番号付け
1 フード
L フードの長手方向軸
15 フードの内面
16 フードの外面
20 フードのビジョンレンズ
21 ビジョンレンズの周辺領域
22 ビジョンレンズのフック手段
10 フードの被覆本体
11 被覆本体の前部
111 前部の胸当て状付属部
12 被覆本体の後部
13、14 被覆本体の反対側の側部
18 被覆本体の前部
31、32 フードのサイド紐
4 外科手術用ヘルメット
41 ヘルメットのフック状付属部
42 ヘルメットの前面開口部