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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】液状食品用保管容器のための冷却装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20241022BHJP
   B67D 1/12 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B67D1/08 A
B67D1/12
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022522974
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2020078468
(87)【国際公開番号】W WO2021074038
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102019128126.1
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512218854
【氏名又は名称】フランケ・カフェーマシーネン・アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FRANKE KAFFEEMASCHINEN AG
【住所又は居所原語表記】FRANKE‐STRASSE 9, 4663 AARBURG, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ヴェニガー,シュテファン・レモ
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-363571(JP,A)
【文献】特開2006-117277(JP,A)
【文献】特開2012-157507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/005903(US,A1)
【文献】特表2016-512187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
B67D 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品の入った複数の保管容器(11、12、13、14)を保管するための冷却可能な貯蔵室(15)と、該当するポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)にそれぞれ割り当てられた食品種類の液状食品を冷却装置(10)に接続された飲料供給装置に給送するためのそれぞれ一つの前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)を収容するための二つ以上の収容部(21、22、23、24)とを備え、
前記収容部(21、22、23、24)は前記冷却可能な貯蔵室(15)内に配置されており、
前記収容部(21、22、23、24)の前面にポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)を挿入するための開口部と、及び前記開口部と反対側に一つ又は複数の圧コネクター接続部及び/又は電気コネクター接続部(36、37)とを有しており、該コネクター接続部を介して、それぞれ挿入された前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の裏面(33)に配置され及び適切に位置決めされた相手方部品と、前記挿入されたポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)が前記冷却装置(10)と圧接続及び/又は電気接続を形成する、冷却装置。
【請求項2】
前記冷却可能な貯蔵室(15)内に前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)のための挿入棚(21、22、23、24)が備えられた基枠(20)が配置されており、及び前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)が挿入モジュールとして形成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)のそれぞれが、前面側において少なくともそれぞれ一つの、製品接続部として機能する接続部(35)を、割り当てられた保管容器(11、12、13、14、13´、13´´、13´´´)と接続可能なたわみ吸入管(34´)のために備えている、請求項1又は2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)のそれぞれが、前面側において少なくともそれぞれ一つの、洗浄接続部として形成された第二の接続部(35)を有し、ループを形成するために、該第二の接続部は、前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)のそれぞれに付属するたわみ吸入管(34‘)と、保管容器(11、12、13、14、13´、13´´、13´´´)の代わりに接続され得、その際前記第二の接続部(35)は前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の前記裏面(33)に案内され、及びそこで洗浄液導管(61)と接続され、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記洗浄液導管(61)が前記各ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の裏面(33)にある液圧コネクター接続部を介して前記冷却装置(10)に接続された洗浄装置(60)に案内され、該洗浄装置が各ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)に、洗浄プロセスを実施するために洗浄液を供給する、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ポンプモジュール(30、30´)の少なくとも一つが前面側において、別々の保管容器(11、12、13、14、13´、13´´、13´´´)と接続可能な吸入管(34´)のための二つの製品接続部(34、34a)及び二つの洗浄接続部を備え、その際前記洗浄接続部が前記ポンプモジュール(30、40)内で並列に接続されており、及び前記両方の製品接続部(34)がバルブ装置(511)を介して選択的に前記ポンプモジュール(30、40)の一つのポンプ(51)と接続可能である、請求項3~5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記各ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の裏側に少なくとも一つの圧コネクター接続部(36)を有し、該圧コネクター接続部のそれぞれが、それぞれ一つの、前記収容部(21、22、23、24)の裏面に配置され及び適切に位置決めされた相手方部品と圧接続が、それぞれ一つの、前記冷却装置(10)内に敷設された飲料管(16a)に対して、前記それぞれ給送するべき液状食品のために形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記各ポンプモジュール(30、30a、30a´、30a´´、30a´´´)が、前記冷却装置(10)を介して読み出すことができるコードを有しており、該コードが上記ポンプモジュール(30、30a、30a´、30a´´、30a´´´)に割り当てられた食品種類を示し、及び前記冷却装置(10)が、前記各ポンプモジュール(30、30a、30a´、30a´´、30a´´´)から読み出された食品種類を接続された前記飲料供給装置に知らせるように形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記冷却装置(10)が、追加的に前記ポンプモジュール(30、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の最新の作動状態を知らせるように形成されている、請求項8に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)の少なくとも一つがポンプ(51)と、ポンプ(51)吸入側でポンプ供給管(513)に合流するガス供給管(516、516´)と、給送方向で前記ポンプ(51)の裏側に配置されている背圧要素(53)とを備えており、該背圧要素を介して前記ポンプ(51)によって吸引された流体が前記冷却装置(10)に接続された飲料供給装置に給送される、請求項1~のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記背圧要素(53)としてスロットル又は静止型混合機が使用される、請求項10に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記ガス供給管(516、516´)内にガス計量バルブ(517)が、前記液状食品に添加されたガスを計量するために配置されている、請求項10又は11に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記冷却装置の外部に配置され、内部に圧縮したガスが貯められている圧縮ガス容器を接続するための高圧接続部(311)と、入口側で前記高圧接続部(311)と接続された減圧器(312)とが備えられ、該減圧器はガスが大気圧に近い圧力まで減圧され、及び減圧されたガスを吸入された飲料に、前記ポンプ(51)の吸入側に案内するために、出口側で前記ポンプ供給管(513)に合流する前記ガス供給管(516、516‘)と接続される、請求項1012のうちのいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項14】
外部の飲料供給装置に割り当てられた制御システムに接続するための制御インターフェース回路(37)を備え、該制御システムによって前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)が制御可能である、請求項1~13のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の冷却装置と、前記冷却装置(10)に接続された洗浄装置(60)から構成される装置であって、該洗浄装置が前記冷却装置(10)の個々の前記ポンプモジュール(30、30´、30a、30a´、30a´´、30a´´´)に、清掃プロセスを実施するために、別々の、前記冷却装置(10)の接続フィールド(320)に接続された洗浄液導管(61)を介して洗浄液を供給する、装置。
【請求項16】
前記洗浄装置(60)が、洗浄剤濃縮液の入った洗浄剤保管容器(63)と、洗浄剤濃縮液と水からなる洗浄液を混合するための混合容器(62)と、シャットオフバルブ(66、69)を介して前記混合容器(62)と接続可能な水供給口(68)と、前記洗浄剤保管容器(63)から前記混合容器(62)に洗浄剤濃縮液を計量給送するための計量ポンプ(64)と、前記混合容器(62)と接続され及び分離された複数の出口バルブ(72a、72b、72c、72d)を別々に作動可能な複数の排出接続部とを有し、該排出接続部が前記冷却装置(10)の前記洗浄液導管(61)と接続されている、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に接続された飲料供給装置へ供給するために用意された、複数の液状食品用保管容器を保管するための冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱い又は冷たい飲料を供給するための飲料自動供給装置では、しばしば冷却保管が必要な液状食品の供給又は混合が行われる。これは特に、いれたてのコーヒー飲料のほかに牛乳又は牛乳を含んだ飲料も供給する、全自動コーヒー供給装置に当てはまる。こうして例えばカプチーノ又はラテマキアートの場合、いれたてのコーヒーに泡立てられた牛乳が加えられる。牛乳の保管はこの場合冷蔵室で行われるため、牛乳は腐敗しない。
【0003】
飲食業界で使用される全自動コーヒー供給装置の場合、牛乳は独立した、付加装置として形成された冷却ユニット内に保存されることが公知である。二つ以上の保管容器用のこのような付加装置は、例えば国際公開第2017/137204号に開示されている。上記装置は、二つの全自動コーヒー供給装置に接続され得る。このために、上記付加装置内には二つの牛乳ポンプが取り付けられており、これを使って牛乳が上記保管容器それぞれ一つから個々に接続された上記全自動コーヒー供給装置に給送され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/137204号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冒頭に挙げられた種類の冷却装置をさらにフレキシブルに使用可能にすること、及びこのような装置によって供給され得る飲料の種類を拡張することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴により解決される。有利な実施形態は、従属請求項に見出すことができる。さらに、このような冷却装置及びこれに接続された洗浄装置を備えた装置が提示される。
【0007】
本発明による冷却装置は、複数の液状食品用保管容器を収容するための冷却可能な貯蔵室と、該当するポンプモジュールにそれぞれ割り当てられた食品種類の液状食品を上記冷却装置に接続された飲料供給装置に給送するためのそれぞれ一つのポンプモジュールを収容するための二つ以上の収容部とを備えている。したがって、このために適切に形成された収容部内に入れられ得るポンプモジュールが、モジュラー設計であることが重要である。さらに、冷却装置内に取り付けられ且つ運転され得るポンプモジュールが、それぞれただ一つの食品種類に割り当てられていることが重要である。したがって、ポンプモジュールは、異なった食品種類のために上記冷却装置内で自在に組み合わせられ且つ運転され得る。一つのポンプモジュールがさまざまな食品種類と接触することは阻止される。なぜなら、そうなることで味に異常が生じる可能性があるからである。食品種類として、とりわけ牛乳及び氷水抽出され冷却されたコーヒーが保管及び供給され得る。
【0008】
上記冷却装置の上記収容部は、好ましくは、前面にポンプモジュールを挿入するための開口部を、及び上記開口部と反対側に一つ又は複数の圧コネクター接続部及び/又は電気コネクター接続部を有しており、該コネクター接続部を介して、それぞれ挿入された上記ポンプモジュールの裏面に配置され及び適切に位置決めされた相手方部品と、上記挿入されたポンプモジュールが上記冷却装置と圧接続及び/又は電気接続を形成するように仕上げられている。上記ポンプモジュールは、したがって、簡単に前側から上記収容部に差し込むことが可能であり、及びポンプモジュールと収容部にある適切な電気及び/又は圧コネクター接続部が接続されることで、上記ポンプモジュールと自動的に接続され得る。上記圧コネクター接続部は、好ましくはクイックロックを備えており、そのことによってポンプモジュールが取り外されると上記各接続部は閉鎖される。
【0009】
上記冷却装置の好ましい一実施形態では、上記冷却可能な貯蔵室内に、上記ポンプモジュールのための挿入棚を備えた基枠が配置されており、及び上記ポンプモジュールが挿入モジュールとして形成されている。これにより、特に簡単に設置が可能で、冷却装置に別の又は代替のポンプモジュールを迅速に問題なく増設できる。上記ポンプモジュールを冷却された範囲に収容することで、ポンプ及び個々の製品調剤作業間の配管類内に食品が残留した場合でも腐敗を防止し、及びポンプモジュールの自動洗浄を実施するべきサイクルが長くなる。
【0010】
特に本発明の趣旨において、上記ポンプモジュールのそれぞれの前面側に、少なくとも一つの、製品との接続部として形成された、割り当てられた保管容器と接続可能なたわみ接続管のための第一の接続部を有していることが企図される。給送するべき食品のための上記製品接続部は、したがって、使用者の手が届く上記ポンプモジュールの前面にあり、その結果上記ポンプモジュールは非常に簡単に、上記貯蔵室に収容された保管容器と接続され得る。
【0011】
本発明の一実施形態では、上記ポンプモジュールのそれぞれが、前面側においてさらに少なくともそれぞれ一つの、洗浄接続部として形成された第二の接続部を有し、ループを形成するために、該接続部と上記各ポンプモジュールに付属するたわみ吸入管とが、保管容器との代わりに接続され得る。この洗浄接続部は、ここでは上記ポンプモジュールの裏面へ案内され、及びそこで洗浄液導管と接続される。このように、上記吸入管が上記保管容器から取り外され及び上記第二の接続部に接続されることで、該当するポンプモジュールの洗浄プロセスが実施され得、その際同時に上記吸入管が一緒に洗浄される。
【0012】
さらに、上記ポンプモジュールの少なくとも一つが前面側に、別々の保管容器と接続可能な吸入管のための二つの製品接続部及び二つの洗浄接続部が備えられ得、その際上記洗浄接続部が上記ポンプモジュール内で並列に接続されており、上記両方の製品接続部がバルブ装置を介して選択的に上記ポンプモジュールの一つのポンプと接続可能である。これにより一つの保管容器から別の保管容器への制御された切り替えが、製品供給の実行中でさえ可能になる。従って上記製品供給は、上記保管容器の一つが空であっても中断の必要はない。その代わりに、操作要員宛に、空の容器を交換する必要がある旨空メッセージが出力される。このことは、特にセルフサービスエリアで有利であり得る。なぜなら上記第一接続保管容器の空メッセージが出された後、上記第二接続保管容器から製品供給が保証された状態が維持され、及び前記容器の交換又は充填までに充分な時間が確保され、しかも上記飲料供給装置の運転を停止させる必要も、該当する製品供給を当該装置で停止する必要もないからである。
【0013】
好ましくは、ここでは上記洗浄液導管が、上記各ポンプモジュールの裏面にある圧コネクター接続部を介して上記冷却装置に接続された洗浄装置に案内され、該洗浄装置には上記各ポンプモジュールが洗浄プロセスを実施するために洗浄液を供給する。圧コネクター接続部は上記ポンプモジュールの裏面にあるため、上記ポンプモジュールを取り外したり取り付けたりすることが簡単である。前記冷却装置に接続された外部の洗浄装置によって、全てのポンプモジュールで作動信頼性のある衛生的な洗浄が確実に実施され得、その際に上記冷却装置の前記食品エリアは前記洗浄装置によって空間的に分離されたままであるため、誤って食品が洗浄液で汚染されることが不可能になる。
【0014】
本発明の趣旨において、さらに、上記各ポンプモジュールの裏側にクイックロックを備えた少なくとも一つの圧コネクター接続部を有し、該圧コネクター接続部それぞれが、それぞれ一つの、上記収容部の裏面に配置され及び適切に位置決めされた相手方部品と圧接続が、それぞれ一つの、上記冷却装置内に敷設された飲料管に対して、上記それぞれ給送するべき液状食品のために形成されていることが企図され得る。このような、クイックロック付きコネクター接続部により、上記ポンプモジュールが簡単に取り外し、取り付け可能になる。上記冷却装置内に敷設された飲料管を介して、上記冷却装置の取り付けの際に、上記ポンプモジュールは上記接続された一つ又は複数の上記飲料供給装置と接続される。
【0015】
特に好ましい一実施形態では、上記各モジュールは、上記冷却装置を介して読み出すことができるコードを有しており、該コードは上記ポンプモジュールに割り当てられた食品種類を示す。このようなコードは、例えばRFIDタグの形で、又は光学的に読み取り可能なバーコード又はブロックコードの形で取り付け可能である。上記冷却装置は、この場合、上記各ポンプモジュールから読み出された食品種類を接続された上記飲料供給装置に知らせるように形成される。これによって上記飲料供給装置の上記制御システムが、どのポンプモジュールが上記接続された冷却装置に取り付けられ、及びそれにより、どの種類の食品が飲料供給又は混合に使用できるかという情報を含むことが達成される。さらに、上記冷却装置が追加的に上記ポンプモジュールのそれぞれ最新の作動状態を、例えば一つの食品が空であり及び上記該当する保管容器の交換が必要であること、又は上記ポンプモジュールの一つが故障していることを、接続された上記飲料供給装置に知らせると有利である。
【0016】
飲料種類は例えば牛乳であってよい。接続された飲料供給装置の上記制御システムが、ポンプモジュールが牛乳に接続されたという情報を受け取ると、上記飲料供給装置を介して牛乳又は牛乳を含んだ飲料及び牛乳の泡を含む飲料が提供され吐出され得る。そのほかの食品種類は、氷水抽出コーヒーであり得る。接続された飲料供給装置の上記制御システムが、氷水抽出コーヒー用のポンプモジュールが存在するという情報を受け取ると、このコーヒーが追加の飲料バリエーションとして飲料供給装置に提供され吐出され得る。上記ポンプモジュールのコードによって利用可能な飲料種類を認識することで、簡単なプラグ・アンド・プレイ運転が可能になる。
【0017】
上記ポンプモジュールは、割り当てられた媒体のためにそれぞれ一つのポンプを含んでいる。好ましい一実施形態では、上記ポンプモジュールの少なくとも一つは、上記ポンプのほかに、上記ポンプ吸入側で上記ポンプ吸入管に合流するガス供給管、及び給送方向でポンプの下流に配置されている背圧要素を備えており、該背圧要素を介して上記ポンプによって吸引された流体が上記冷却装置に接続された飲料供給装置の方向に給送される。上記ガス供給管を介して上記ポンプによって追加的にガスが一緒に吸引され、その結果食品・ガス混合物が生じる。上記背圧要素により、上記ポンプ内の圧力が上昇する。これによって上記ポンプ内で食品・ガス混合物から泡が発生する。これにより、例えば牛乳の泡を生じ得る。同様に、他の飲料種類、例えば氷水抽出コーヒーをガスによって泡立てることが可能である。ガスとして、例えば空気(外気)又は窒素が使用され得る。
【0018】
背圧要素として隘路、すなわち断面積が狭窄した後に続いて拡張する、例えばオリフィス又はスロットルが使用され得る。上記背圧要素は、内部断面が縮小された単純な圧力ホースで形成することも可能である。しかしながら、本発明の範疇で、混合機、特に静止型螺旋形混合機が好ましく、該混合機は断面積の狭窄がなく、複数回の方向変更によって流動抵抗として作用する。さらに、このような混合機は、ガスで強化された液体流を複数の分流に複数回分割及び統合し、その結果クリーム状の食品/ガス混合物のさらなる混合及び微細化が達成される。本発明の範疇で好適な流動抵抗の別の形態は、いわゆる抵抗通過要素であり、該抵抗通過要素は複数の迷路状に分岐した流路から形成され、及び同様に、液体流を部分流へ複数に分割、統合及び再度分割するように作用する。
【0019】
ポンプとして特にギアポンプが考慮される。このタイプのポンプを使用すると、最良のきめの細かいクリーム状又は泡状になることが判明している。このことは、ポンプのギアホイールによって食品/ガス混合物が特に徹底的に混合されるためと考えられる。
【0020】
さらに好ましい一実施形態では、供給されたガス量は、ガス計量バルブによって計量され得る。ガス計量バルブとして、例えば単純なニードルバルブが使用されてよく、該ニードルバルブを使用して上記吸入開口部を調整することで計量され得る。しかしながら、本発明の趣旨において、好ましくは、脈動型閉鎖バルブが、場合によって固定オリフィスプレートとの組み合わせで使用され、該閉鎖バルブが連続的に開閉することにより、上記吸入開口部の開放及び閉鎖が行われる。計量のために、ここではデューティ比、すなわち開口時間と繰り返し周期の比率を、変更し得る。これにより、ガス計量バルブは、混合するガス量を少なく、又は多くするために、平均してより短時間又はより長時間開く。ガス量によって特に吐出される飲料の濃度も変え得る。
【0021】
通常の外気の代わりにガス圧縮タンクから窒素などの気体が一つ又は複数の食品種類に混合される場合、冷却装置の外部に配置された、内部に圧縮したガスが貯められている圧縮ガス容器と接続するための高圧接続部が上記冷却装置に備えられてよい。この場合、上記高圧接続部には減圧器が備えられ、該減圧器はガスが大気圧に近い圧力、特に0.5bar未満、より好ましくは100mbar未満、最も好ましくは50mbar未満、大気圧を上回るまで減圧される。減圧されたガスを吸入された飲料に上記ポンプの吸入側へ給送するため、この減圧器を介して上記高圧接続部は上記吸入管に合流する上記ガス供給管と接続される。
【0022】
本発明のさらに有利な一発展形態では、上記冷却装置にインターフェース回路が備えられ、該インターフェース回路は、上記外部の飲料供給装置の一つに割り当てられた上記制御システムに接続するために形成されている。上記インターフェース回路を介して上記ポンプモジュールが制御可能であるので、液状食品の吐出は上記飲料供給装置の上記制御システムによって制御可能である。
【0023】
加えて、本発明は上述の種類の冷却装置の一つと、上記冷却装置に接続された洗浄装置からなる装置に関し、該装置は、それぞれ一つの洗浄プロセスが実施される場合、上記冷却装置の上記個々のポンプモジュールが、独立した、上記冷却装置の接続フィールドに接続された洗浄液導管に洗浄液を供給する。洗浄装置が外部に配置されることで、上記食品保管は空間的に洗浄用化学製品の保管と処理から分離された状態に保たれる。上記個々のポンプモジュールは、個別に、互いに独立して又は全て同時に洗浄され得る。
【0024】
上記洗浄装置の機能は、洗浄プロセスが実施される場合に、必要な洗浄液を供給することである。好ましい一実施形態では、上記洗浄装置は洗浄剤濃縮液の入った洗浄剤保管容器と、洗浄剤濃縮液と水とからなる上記洗浄液を混合するための混合容器とを有している。上記混合容器は、ここでは水供給口付きシャットオフバルブと接続されている。上記計量ポンプは、洗浄剤濃縮液を上記洗浄剤保管容器から上記混合容器に給送する。上記混合容器と接続された複数の排出バルブを使用して、上記冷却装置の上記洗浄液導管と接続された異なる排出接続部が独立して作動され得る。
【0025】
好ましくは、上記洗浄装置は、上記混合容器に給送された洗浄剤濃縮液及び/又は水の量を特定するために、少なくとも一つの流量計を有している。さらに、水供給口と計量ポンプが切り替え手段によって切り替え可能に、内部に上記流量計を備えた上記混合容器への供給管と接続可能であると、有利である。したがってこれは、上記洗浄剤濃縮液の計量だけでなく上記水量の計量にも使用できる。さらに、第二の流量計が上記混合容器の上記排出管内にあってよく、該第二の流量計によって洗浄サイクル毎に排出される洗浄剤溶液の量が決められ得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のさらなる利点及び特徴は、図を使用して実施例により以下に開示される。
図1】食品容器及びポンプモジュールを備える冷却装置の図である。
図2図1の上記冷却装置内に取り付けられ、合計四つのポンプモジュール用挿入棚を備えた基枠の図である。
図3図1の上記冷却装置内で使用されるポンプモジュールの図である。
図4】四つのポンプモジュールを備える冷却装置の水路図である。
図5a】媒体接続部を備える図4のポンプモジュールの拡大部分図である。
図5b】二つの媒体接続部を備える別法のポンプモジュールの図である。
図6図4の上記洗浄装置の拡大部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1には、例として、冷却された貯蔵室15及び内部に保管された、液状食品のための四つの保管容器11、12、13、14を備える冷蔵庫として形成された冷却装置10が示されている。上記容器11、12はカバーで閉鎖された透明なプラスチック容器であり、該プラスチック容器は液体を充填され得る。上記容器13は、バッグインボックス包装の使い捨て容器、つまり紙箱入りチューブ容器である。容器14として例えばプラスチック容器(「ガロン」)が示される。当然ながら、さまざまな容器タイプが任意に組み合わせられ得、例えば全ての容器がバッグインボックス容器として、又は充填可能なプラスチック容器として設計されてよい。
【0028】
上記冷蔵庫10の上部範囲に基枠20が取り付けられている。図1では、上記基枠は二つのポンプモジュール30、30´が収容部内に差し込まれ、別の二つの収容部には何も装填されておらず、空パネルで閉鎖されている。基本的に、上記ポンプモジュール30、30‘同様に構成され得る。しかしながら、上記ポンプモジュールがそれぞれ企図される食品の種類によってその構造が異なる可能性がないわけではない。例えば図1では、上記ポンプモジュール30、30´では、前面の接続部が異なっていることが見て取れる。
【0029】
図2は、上記基枠が詳細に示されており、ここでもまた異なったポンプモジュール30、30aが差し込まれている。上記基枠20には合計四つの挿入棚21、22、23、24があり、上記ポンプモジュールの収容部として使用される。上記挿入棚21及び22内に、それぞれ一つのポンプモジュール30、30aが差し込まれる。上記挿入棚23及び24は空のままで、カバー25a、25bにより閉じられているが、必要に応じていつでもポンプモジュールを挿入できる。挿入モジュールとして形成された上記ポンプモジュール30、30a及び上記カバー25a、25bは、それぞれ一つのロックバー26を備えており、該ロックバーによって上記ポンプモジュール30、30a及びカバー25a、25bが上記基枠20にロックされる。上記冷蔵庫10に元々ある前扉は、図1では図の明解さを優先して図示していない。
【0030】
上記ポンプモジュール30は、図3で詳細に図示されている。挿入モジュールとして形成された上記ポンプモジュール30は、筐体正面32と背板33を有する筐体31を備えている。上記正面32には、隣り合って配置されている二つの製品接続部34、34aがあり、該製品接続部にはそれぞれ一つの好適なホース継手を介して吸入ホース34´、34a´と接続されている。吸入ホースは、ここでは図の明解さを優先して切断されて描かれているが、実際は上記冷蔵庫内に格納された保管容器11~14の一つにそれぞれ案内されている。さらに、上記正面32には二つの上下に配置されている洗浄接続部35があり、これらにそれぞれ取り外された、ここには図示していない上記吸入ホース34‘、34a‘の端部が、洗浄を実施するために必要に応じて差し込まれ得るか又はねじ込まれ得る。上記洗浄接続部35、35aの正確な機能の詳細は後述される。
【0031】
上記ポンプモジュール30の上記背板33には、電気コネクター接続部37及び圧コネクター接続部36が配置されている。上記圧コネクター接続部36を介して、上記ポンプモジュール30によって給送された上記液状食品が提供される。上記基枠20の上記裏面に適切に位置決めされた相手方部品を介して、上記ポンプモジュール30の電気及び圧接続が上記冷蔵庫10内で行われる。
【0032】
図3では、上記ポンプモジュール30の上記筐体31の側板は外されており、上記ポンプモジュール30の内部が見えるようになっている。上部範囲には、ポンプモーター51aを備えたポンプ51が見て取れる。上記ポンプ51の上記吸入側は、上記正面の接続部34と接続されている。上記ポンプ51の上記排出接続部52には、増圧要素として機能する静止型混合機53、いわゆる螺旋形混合機がある。上記ポンプモジュールのその他の構成部品は、図3では模式的に示されているだけである。上記ポンプモジュール内のコンポーネントの正確な構造及び圧相互接続は、以下に図4図5a及び図5bを使用して詳しく説明される。
【0033】
上記ポンプモジュール30は、上述のように、それぞれ一つの保管容器13に案内される吸入ホース34‘、34a‘を有する二つの製品接続部34、34aを備えているが、図2で上記基枠内に取り付けられた上記第二のポンプモジュール30aでは、それぞれただ一つの製品接続部34及び一つの洗浄接続部35のみ確認可能である。
【0034】
図2に示されるように、選択的に二つの製品接続部を備えるポンプモジュール30、又はただ一つの製品接続部を備えるポンプモジュール30aを使用でき、その際該当するモジュールが混在することも可能である。ただ一つの製品接続部を備えるポンプモジュール30aの場合はただ一つの保管容器しか接続できないが、二つの製品接続部を備えるポンプモジュール30の場合、それに応じて二つの保管容器を接続することが可能である。この場合、切換バルブを介して、上記ポンプモジュール30内で、接続された保管容器の一つが空になると別の容器に切り替え可能である。同様に、上記ポンプモジュール30の正面に二つの洗浄接続部35、35aがあることが見て取れ、該洗浄接続部には洗浄を行うために上記吸入ホース34´、34a´をはめ込み可能である。
【0035】
図4には、上記冷却装置10内での上記ポンプモジュールの構造及び上記圧相互接続がいわゆる水路図の形で示されている。この場合、上記冷却装置10内には、合計四つの、同様に取り付けられた状態のポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´が、それぞれただ一つの製品接続部34によって取り付けられている。それぞれの上記ポンプモジュールは、吸入側が一つの保管容器13、13´、13´´、13´´´と接続されており、該保管容器はそれぞれ使い捨て容器としてバッグインボックス包装の形で形成されている。該当する上記吸入管34‘は、上記各ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´の上記正面の接続部34と接続されている。上記吸入管34‘は、上記各保管容器13から必要な場合に、すなわち洗浄プロセスが実施される場合に、取り外され、及びその代わりに上記第二の正面接続部35と接続される。このことは破線で示されている。洗浄のために、相応する供給管61を介して上記冷却装置10と接続された洗浄装置60が使用され、該洗浄装置の構造と機能はさらに以下において図6を使用して詳しく説明される。
【0036】
冷却装置の上部範囲にはさまざまな圧接続部16が配置されており、該圧接続部を介して最大二つの外部の全自動コーヒー供給装置が上記冷却装置10に接続され得る。上記接続部16は、上記ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´から来る食品管用圧接続部16aに加えて、冷水用接続部16bを含んでおり、該冷水用接続部は以下に説明された方法で上記ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´を冷水を使ってすすぎ、及び温水接続部16cを含んでおり、該温水接続部は洗浄装置60に接続されており及び該洗浄装置を介して、接続されている全自動コーヒー供給装置の温水供給装置から温水が洗浄プロセスのために供給される。
【0037】
図5aに断面図として拡大された上記ポンプモジュール30aは、吸入側で吸入管511を介して上記接続部34と接続されている電動ポンプ51を含んでいる。上記吸入管511内の接続部34とポンプ51の間には、吸入された流体量が測定され得る流量計512と、製品供給の開始時に開き、製品供給が終了すると閉じる、上記接続部34で流体の逆流を防止するための閉バルブ513が備えられている。
【0038】
排出管514を介して、上記ポンプ51の圧力側に、背圧要素として機能する上記螺旋形混合機53が接続されている。上記螺旋形混合機から上記排出管514´が裏面の上記コネクター接続部36に案内される。
【0039】
さらに、上記吸入管511内の上記流量計512と上記ポンプ51の間には、ガス供給管516が合流している。上記ガス供給管516内には、ガス計量バルブ517、固定カバー518及びチェックバルブ519が備えられている。上記ガス計量バルブ517は、本実施例では脈動型エアバルブであり、すなわち、間欠的に開閉して連続的に作動する切換えバルブとして仕上げられている。上記エアバルブ517が駆動される周波数は、ここでは約10~30Hzの範囲にある。上記チェックバルブ519は、単に液体がエア供給管516に侵入しないように機能する。
【0040】
上記エアバルブ517から、上記エア供給管516´は、上記ポンプモジュール30の上記背板33にある空気圧コネクター接続部へ案内される。空気圧コネクター接続部を介して窒素のようなガスが供給され得る。この目的のために、上記冷却装置には、図4に示されたように、高圧接続部311が備えられている。高圧接続部には窒素が充填された圧縮ガス容器、例えばガス圧約200barの従来型のガスボンベが接続されてよい。このために、上記冷蔵庫の外部の上記高圧接続部311に減圧器312及び閉バルブ313がある。上記減圧器312は、上記実施例では、入口で圧力がかかっているガスが出口圧力50mbarまで低減され、上記ガスが上記ポンプの吸入側で上記エア供給管516を介して上記吸入管511内に流入するように仕上げられているか又は設定されている。
【0041】
減圧器(減圧バルブとも呼ばれる)により、出口圧力が制御入力にフィードバックされ、及び圧力ピックアップにより、上記圧力バルブが設定された基準出口圧力を上回ると封鎖され、下回ると再び開くよう機能する。これにより、出口圧力はこの設定値を超えることがない。圧力ピックアップとして、ここではプランジャー又はダイアフラムが使用され得る。
【0042】
上記ポンプモジュール30の上記背板33にはさらに、もう二つ圧系統接続部521及び522がある。バルブブロック17を介して上記冷却装置10の上記冷水接続部16bと接続されている上記接続部521を介して、上記エア供給管516と上記チェックバルブ519が洗浄され得る。
【0043】
上記後方の接続部522は、上記ポンプモジュール30内で、正面の接続部35に貫通接続されている。上記ポンプモジュール30の外部には、上記並列接続部320へ続く配管があり、該配管を介して上記洗浄装置60から来る洗浄剤供給管61が接続されている。
【0044】
上述のように、洗浄プロセスを実施するために、上記吸入ホース34´は上記正面の接続部34から来て上記第二の接続部35に接続され、それによってループが形成される(図4の破線)。上記洗浄装置60により洗浄剤溶液30が提供される。上記吸入側のバルブ513が開かれ、上記ポンプ51のスイッチが入る。これにより、上記洗浄装置60から来る上記洗浄剤溶液は、ループを形成するように接続された上記吸入管34´を介して吸入され、及び上記排出管514又は該排出管に接続された上記飲料管16aを介して外部全自動コーヒー供給装置の方向に給送される。そこで上記洗浄剤溶液は、そこにある上記飲料排出部の下に配置された受け容器に受けられるか、又はドレンバルブが開かれて上記洗浄剤溶液が上記飲料排出部の前で排水口方向に導かれる。洗浄が完了すると、上記洗浄装置はすすぎに切り替えられ、さらに一定時間、清水が配管のすすぎのために供給される。
【0045】
作動中は、それぞれ上記ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´の上記吸入管は、図4に示されたように、割り当てられた保管容器13、13´、13´´、13´´´と接続されている。上記冷却装置10の上記制御インターフェースを介して、上記ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´は、接続された飲料供給装置により、例えば全自動コーヒー供給装置により制御され得、その結果冷却された飲料が吐出される。このために、該当する上記吸入バルブ513が開かれ、及び上記ポンプ51が作動される。同時に上記エアバルブ517が作動され、上記ガス接続部511の上記閉バルブ313が開かれると、上記ポンプ51によってガスも共に吸入される。上記エアバルブ517を介して、供給されるガス量が計量され得る。上記ポンプ51は、これにより、液体・ガス混合物を吸い込む。上記ポンプ出口の上記背圧要素53は上記ポンプ51内で圧力上昇を引き起こす。その結果、液体・ガス混合物の混合が上記ポンプ51内で行われ、このようにしてきめの細かいクリーム状又は泡状の、ガスが添加された流体が生成され、該流体は上記吐出管16aを経由して接続されている上記飲料供給装置へ給送され、そこで対応する飲料排出部で排出されるか、又はコーヒー飲料又は別の飲料に添加され得る。
【0046】
図5bでは、上記ポンプモジュール30の、二つの製品接続部34、34aを備えたタイプが図示されている。この構造は、図5aに示されたものと同等であるが、違いは二つの製品接続部34、34aのそれぞれにバルブ511、511aが備えられていることである。上記バルブ511、511aの後ろ側には、配管がT形ピースを使って上記共通のポンプ供給管513と接続されている。上記制御システムにより、製品供給の際にバルブ511、511aの必ずそれぞれ一つのみが開かれる。上記接続された保管容器の一つが空である場合は、別の製品入口に切り替えられ得る。
【0047】
さらには、すでに説明されたように、二つの洗浄接続部35、35aが備えられている。これら洗浄接続部は、装置内で、T形ピースによって並列に接続され、及び上記後ろ側の接続部522と貫通接続されている。洗浄プロセスでは、両方の吸入ホース34´、34a´はそれぞれの保管容器から外され、及び上記両方の洗浄接続部35、35aのそれぞれ一つと接続される。次いで洗浄が前述のように進行し、その際上記両方のバルブ511、511aは上記吸入ホース34´、34a´のすすぎのために順に開かれ得る。
【0048】
上記冷却装置10内に保管され得る液状食品として特に牛乳及び氷水抽出コーヒー飲料が企図される。第一の保管容器の牛乳は、牛乳として又は牛乳の泡として吐出され得る。
氷水抽出コーヒー飲料、いわゆるコールドブリューコーヒーは、ガスを添加することで、いわゆるナイトロコールドブリューコーヒーとして吐出され得る。
【0049】
本質的に本発明の範疇では特に、一つのポンプモジュールは、ただ一つの種類の食品用に企図されている。各ポンプモジュールはこの目的のために、例えばRFIDタグ又はバーコードのようなコードを持っており、上記基枠20にある適切な読み取り機で読み取られ得る。上記制御インターフェースを経由して、適切な情報が、接続された上記飲料供給装置に送られ、その結果どの種類の液状食品が使用できるかという情報が存在する。まさに同じポンプモジュールで異なる食品種類が給送されると、味が損なわれかねない。上記ポンプモジュール30、30aの上記吸入管34´の接続部形状が異なっていることで、間違った、該当する上記ポンプモジュールには企図されていない保管容器がうっかり接続されることが確実に防止され得る。上記ポンプモジュール内に取り付けられたRFIDタグは、例えば稼働時間のような使用期間、製品吐出数、洗浄サイクル数などについての情報がRFIDタグに書き戻され得、それらが整備の際に呼び出され得ることで追加的に有利である。
【0050】
ロックバー26をロック解除することで、それぞれ個々の上記ポンプモジュールを前方へ上記基枠20から引き出すことができる。ポンプモジュールを上記基枠20の上記挿入棚の一つに挿入すると、上記ポンプモジュールの裏面にある電気コネクター接続部及び圧コネクター接続部37、36、520、521、522が自動的に適切な、上記基枠20の裏面又は付属している挿入棚の、適切な位置に備えられている相手方部品に合体され、及び上記冷却装置内に敷設された配管類とそれぞれ一つの電気接続又は圧接続が形成される。このようにして、ポンプモジュールの組み立て又は交換が簡単にできる。
【0051】
図6には、上記洗浄装置60が拡大して示されている。この洗浄装置には、その中で上記洗浄剤溶液が混合される混合容器62が含まれている。この目的のために、洗浄剤容器63から洗浄剤濃縮液が上記混合容器62に給送される。このために、上記洗浄剤容器63に接続された計量ポンプ64及び給送された濃縮液量が計量され得る流量計65が使用される。さらに、上記流量計65は上記洗浄剤濃縮液の空通知センサーとして機能し得る。
【0052】
上記流量計65の後方には切換バルブ66があり、この切換バルブが下へ、図6では図示されていない切り替え位置へ移動されることで、洗浄剤濃縮液が上記混合容器62に充填される。続いて、上記切換バルブ66が上へ、図6に示された切り替え位置へ移動される。この切り替え位置では、上記混合容器62に温水が温水接続部68から、その目的のために開かれたバルブ69を介して上記混合容器62に充填される。上記流量計65によって、再び充填された温水の量が測定及び計量され、その結果上記混合容器62内で洗浄剤溶液(「溶液」)に設定された濃度に混合され得る。チェックバルブ67は、計量ポンプ64と流量計65との間で、バルブ69が開いている状態で水が上記洗浄剤容器63の方向へ流れないよう阻止する。
【0053】
上記洗浄剤溶液が上記混合容器62内で混合された後、上記洗浄装置60は作動可能な状態にあり、及び上記洗浄剤溶液が上記洗浄剤管61に用意され得る。上記洗浄剤溶液は取出し管70及び第二の流量計71を通って、上記混合容器62から取り出される。上記冷却装置10へ案内される洗浄剤管61は、それぞれ一つのバルブ72a~72dを介して上記第二の流量計71と接続されている。上記バルブ72a~72dは、ここでは一つのバルブブロック72にまとめられている。上記ポンプモジュール30a、30a´、30a´´、30a´´´の一つで洗浄過程を実行するために、該当するバルブ72a~72dが開かれ、その結果上記ポンプモジュールの上記ポンプ51を使って、上記洗浄剤管61によって洗浄剤溶液が吸引され得る。最後に、上記バルブ69が開かれ及び上記切換バルブ66がその上の切り替え位置に移動されて、もう一度温水接続部68からの温水を使ってすすぎが行われる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6