(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/34 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
A61M1/34 130
A61M1/34 123
A61M1/34 125
(21)【出願番号】P 2022534695
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020063985
(87)【国際公開番号】W WO2021119112
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-12-08
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ザカリア, ジョン ラメズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィットナー, バーンド
(72)【発明者】
【氏名】ビバンズ, マシュー アラン
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0085760(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0248426(US,A1)
【文献】国際公開第2018/159452(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/159451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/34,1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外式かつ薬物送達式のシステムであって、
腎不全療法機械であって、前記腎不全療法機械は、患者からの血液を血液フィルタに除去するための動脈ラインと、前記フィルタからの血液を前記患者に戻すための静脈ラインとに流体連通する血液フィルタと動作可能であり、前記腎不全療法機械は、
廃液ポンプであって、前記廃液ポンプは、廃液流率において、廃液を前記血液フィルタから圧送するように位置付けられ、配列される、廃液ポンプと、
透析流体ポンプであって、前記透析流体ポンプは、透析流体流率において、透析流体を前記血液フィルタに圧送するように位置付けられ、配列される、透析流体ポンプ、
希釈前ポンプであって、前記希釈前ポンプは、希釈前流率において、置換流体を前記動脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈前ポンプ、または
希釈後ポンプであって、前記希釈後ポンプは、希釈後流率において、置換流体を前記静脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈後ポンプ
のうちの少なくとも1つと
を含む、腎不全療法機械と、
注入ポンプであって、前記注入ポンプは、IV薬物流率において、静脈内(「IV」)薬物を前記患者に送達するように動作可能である、注入ポンプと、
協調論理実装器であって、前記協調論理実装器は、前記廃液流率を介して除去される前記IV薬物の量に基づいて、前記IV薬物流率のための調節を決定するように構成される、協調論理実装器と
を備える、体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項2】
前記腎不全療法機械は、持続的腎臓置換機械であり、前記廃液ポンプと、前記透析流体ポンプ、前記希釈前ポンプ、または前記希釈後ポンプのうちの少なくとも2つとを含む、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項3】
前記腎不全療法機械は、血液透析機械であり、前記廃液ポンプと、前記透析流体ポンプとを含む、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項4】
前記協調論理実装器は、前記腎不全療法機械および前記注入ポンプと別個に提供され、前記協調論理実装器は、少なくとも前記腎不全療法機械と有線または無線通信する、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項5】
前記廃液流率を介して除去される前記IV薬物の量に基づいて、前記IV薬物流率のための調節を決定するために、総患者流体入力が、前記協調論理実装器によって、前記協調論理実装器に通信されるか、または、前記協調論理実装器のために決定される
ように構成される、請求項4に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項6】
(i)前記IV薬物流率のための調節を前記注入ポンプに自動的に実装すること、または(ii)実装のために、前記腎不全療法機械、前記注入ポンプ、または前記協調論理実装器のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、前記調節を表示することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項7】
前記協調論理実装器は、前記腎不全療法機械の中に統合される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項8】
前記注入ポンプは、第1の注入ポンプであり、前記IV薬物は、第1のIV薬物であり、前記IV薬物流率は、第1のIV薬物流率であり、前記注入ポンプは、第2のIV薬物流率において、第2のIV薬物を前記患者に送達するように動作可能である第2の注入ポンプを含み、前記協調論理実装器は、前記廃液流率を介して除去される前記第2のIV薬物の量に基づいて、前記第2のIV薬物流率のための調節を決定するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項9】
前記廃液流率が、IV薬物流率と、前記透析流体流率、希釈前流率、または希釈後流率のうちの少なくとも1つとのための調節を考慮するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項10】
前記廃液流率が、処方される患者流体損失率を考慮するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項11】
前記廃液流率を介して除去される前記IV薬物の量は、前記廃液流率における前記IV薬物のパーセンテージを含む、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項12】
前記協調論理実装器は、前記廃液流率を介して除去される前記IV薬物の量に基づいて、および前記患者の血液量の推定に応じて、前記IV薬物流率のための調節を決定するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項13】
前記協調論理実装器はさらに、前記IV薬物流率のための調節を決定する際、血液フィルタ開存性または詰まりを考慮するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項14】
前記IV薬物の量が前記廃液流率を介して除去されるとき、前記調節が、前記IV薬物流率に前記処方されるIV薬物流率を満たさせるように構成される、請求項13に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項15】
前記腎不全療法機械は、第1の腎不全療法機械であり、前記注入ポンプは、第1の注入ポンプであり、第2の注入ポンプと関連付けられる第2の腎不全療法機械を含み、前記協調論理実装器は、前記第2の注入ポンプの前記IV薬物流率のための調節を決定するように構成される、請求項1に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項16】
体外式かつ薬物送達式のシステムであって、
腎不全療法機械であって、前記腎不全療法機械は、患者からの血液を血液フィルタに除去するための動脈ラインと、前記フィルタからの血液を前記患者に戻すための静脈ラインとに流体連通する血液フィルタと動作可能であり、前記腎不全療法機械は、
廃液ポンプであって、前記廃液ポンプは、廃液流率において、廃液を前記血液フィルタから圧送するように位置付けられ、配列される、廃液ポンプと、
透析流体ポンプであって、前記透析流体ポンプは、透析流体流率において、透析流体を前記血液フィルタに圧送するように位置付けられ、配列される、透析流体ポンプ、
希釈前ポンプであって、前記希釈前ポンプは、希釈前流率において、置換流体を前記動脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈前ポンプ、または
希釈後ポンプであって、前記希釈後ポンプは、希釈後流率において、置換流体を前記静脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈後ポンプ
のうちの少なくとも1つと
を含む、腎不全療法機械と、
注入ポンプであって、前記注入ポンプは、静脈内(「IV」)薬物を前記患者に送達するように動作可能である、注入ポンプと、
協調論理実装器であって、前記協調論理実装器は、前記廃液流率を介して除去される前記IV薬物の量に基づいて、前記IV薬物の濃度に対する調節を決定するように構成される、協調論理実装器と
を備える、体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項17】
実装のために、前記濃度調節を前記腎不全療法機械、前記注入ポンプ、または前記協調論理実装器のうちの1つまたはそれを上回るものに表示するように構成される、請求項16に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項18】
前記IV薬物の量が前記廃液流率を介して除去されるとき、前記濃度調節が、前記患者によって受容されるIV薬物用量に、処方されるIV薬物用量を満たさせるように構成される、請求項16に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項19】
前記注入ポンプは、第1の注入ポンプであり、前記IV薬物は、第1のIV薬物であり、前記注入ポンプは、第2のIV薬物を前記患者に送達するように動作可能である第2の注入ポンプを含み、前記協調論理実装器は、前記廃液流率を介して除去される前記第2のIV薬物の量に基づいて、前記第2のIV薬物の濃度に対する調節を決定するように構成される、請求項16に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項20】
体外式かつ薬物送達式のシステムであって、
腎不全療法機械であって、前記腎不全療法機械は、患者からの血液を血液フィルタに除去するための動脈ラインと、前記フィルタからの血液を前記患者に戻すための静脈ラインとに流体連通する血液フィルタと動作可能であり、前記腎不全療法機械は、
廃液ポンプであって、前記廃液ポンプは、廃液流率において、廃液を前記血液フィルタから圧送するように位置付けられ、配列される、廃液ポンプと、
透析流体ポンプであって、前記透析流体ポンプは、透析流体流率において、透析流体を前記血液フィルタに圧送するように位置付けられ、配列される、透析流体ポンプ、
希釈前ポンプであって、前記希釈前ポンプは、希釈前流率において、置換流体を前記動脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈前ポンプ、または
希釈後ポンプであって、前記希釈後ポンプは、希釈後流率において、置換流体を前記静脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈後ポンプ
のうちの少なくとも1つと
を含む、腎不全療法機械と、
注入ポンプであって、前記注入ポンプは、静脈内(「IV」)薬物を前記患者に送達するように動作可能である、注入ポンプと、
協調論理実装器であって、前記協調論理実装器は、前記透析流体流率、前記希釈前流率、または前記希釈後流率のうちの少なくとも1つに起因する前記IV薬物の希釈の量に基づいて、前記IV薬物の流率および/または濃度に対する調節を決定するように構成される、協調論理実装器と
を備える、体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項21】
前記希釈の量は、前記IV薬物の流率と、前記透析流体流率、前記希釈前流率、または前記希釈後流率のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づく、請求項20に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項22】
体外式かつ薬物送達式のシステムであって、
腎不全療法機械であって、前記腎不全療法機械では、患者からの血液を血液フィルタに除去するための動脈ラインと、前記フィルタからの血液を前記患者に戻すための静脈ラインとに流体連通する血液フィルタと動作可能であり、前記腎不全療法機械は、
廃液ポンプであって、前記廃液ポンプは、廃液流率において、廃液を前記血液フィルタから圧送するように位置付けられ、配列される、廃液ポンプと、
透析流体ポンプであって、前記透析流体ポンプは、透析流体流率において、透析流体を前記血液フィルタに圧送するように位置付けられ、配列される、透析流体ポンプ、
希釈前ポンプであって、前記希釈前ポンプは、希釈前流率において、置換流体を前記動脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈前ポンプ、または
希釈後ポンプであって、前記希釈後ポンプは、希釈後流率において、置換流体を前記静脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈後ポンプ
のうちの少なくとも1つと
を含む、腎不全療法機械と、
注入ポンプであって、前記注入ポンプは、静脈内(「IV」)薬物を前記患者に送達するように動作可能である、注入ポンプと、
協調論理実装器であって、前記協調論理実装器は、前記IV薬物の成分が、前記透析流体、希釈前置換流体、または希釈後置換流体のうちの少なくとも1つの中に存在するかどうかを決定し、該当する場合、製剤調節が、前記IV薬物に行われるべきであるかどうかを決定するように構成される、協調論理実装器と
を備える、体外式かつ薬物送達式のシステム。
【請求項23】
前記製剤調節は、前記IV薬物中の前記成分を減少させる、またはそこから排除することを含む、請求項22に記載の体外式かつ薬物送達式のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その内容全体が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される、2019年12月10日に出願され、「Combined Extracorporeal and Drug Delivery System and Method」と題された、米国仮出願第62/946,205号の優先権および利益を主張する。
【0002】
急性腎傷害(「AKI」)は、大部分の人々が把握するよりも一般的であって、特に、ある国々では、病院患者において、認識不足である。世界中で、入院患者の20パーセントが、AKIを有することが報告されている。より多数の集中治療室(「ICU」)患者が、AKIを有し、そのような患者の15~25パーセントが、ある形態の腎代替療法(「RRT」)を受ける。約27パーセントの小児科および若い成人ICU患者が、入院後、1週間の間に、AKIを発症する。
【0003】
AKIの主な寄与因子は、敗血症性ショック(事例の約47%)、大外科手術(事例の約34%)、心原性ショック(事例の約27%)、血液量減少(事例の約25%)、薬物誘発(事例の約19%)、肝腎症候群(事例の約6%)、および閉塞性尿路疾患(事例の約3%)を含む。
【0004】
AKIを患う患者のためのRRTは、間欠補充型血液透析(「IHD」)および持続的腎代替療法(「CRRT」)の両方を含む。IHDは、例えば、1日おきに3~4時間にわたって、患者を治療し得る。CRRTは、代わりに、はるかに低速である血液および治療流体流率を使用して、患者を持続的に治療する。ある研究は、CRRTが、AKIを治療するために、IHDより好ましいことを示している。例えば、病院での数日後の流体蓄積は、CRRTを受ける患者に関して、IHDより低くあり得る。加えて、CRRTは、患者が最終的に慢性腎疾患(「CKD」)を発症する頻度に関しても、IHDより好ましくあり得る、すなわち、CRRTで治療される患者の方が、IHDで治療される患者に対して、CKDを発症する可能性が低い。
【0005】
CRRTは、CRRT機械を使用して実施される。CRRT機械は、異なるタイプのCRRT療法、例えば、流体除去専用のための低速持続的限外濾過(「SCUF」)、持続的静静脈血液透析(「CVVHD」)、持続的静静脈血液透析濾過(「CVVHDF」)、および持続的静静脈血液濾過(「CVVH」)を実施する。CRRT機械は、典型的には、自己免疫疾患等のために、血漿フィルタと、複数のインジケーションとを伴う、療法用血漿交換(「TPE」)、吸着デバイスを伴う、血液灌流、肝臓支援のためのMARS療法、および酸素供給器を使用する、肺支援等のための体外CO2除去(「ECCO2R」)等の他のタイプの療法を実施してもよい。CRRT機械はまた、全身性抗凝固(例えば、ヘパリン)および局部的クエン酸抗凝固(「RCA」)等の異なるタイプの抗凝固モダリティを可能にする。
【0006】
AKIを患う入院患者は、多くの場合、他の病気を治療するために、多数の薬物を要求し、これは、精密な時間間隔および濃度で送達され、適切な回復を確実にする。そのような患者は、したがって、同時に、CRRTまたはIHD機械に接続される。両方の機械は、血液を患者から除去し、血液をフィルタを通して流し、溶質を除去し、それによって、同一入院の間、患者に適用されている、他の療法、薬物、または溶液の濃度または薬物動態を狂わせる。
【0007】
不可欠な体外療法の効果を補償するために、医師は、1つの療法が追加または変化されるにつれて、変更を手動で計算する必要があり、潜在的に、投薬量療法の過少送達または過剰送達および患者へのリスクをもたらす。AKIを患う入院患者を治療するための改善された全体的処方計画が、適宜、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、CRRT機械またはIHD機械(例えば、慢性型血液透析機械)と1つまたはそれを上回る注入ポンプの動作を協調させ、同時に、薬物を同一患者に送達する、協調論理実装器を提供する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を記載する。同期される動作は、(i)患者を治療する、全ての注入および体外デバイスに電子的におよび/またはデータ接続する、(ii)血流率、治療流体流率、流体除去率、薬物タイプ、および薬物のための用量を含む、治療設定を登録する、(iii)一般に承認されている文献指針に従った、かつ患者特性、疾患タイプ、および状態を考慮する、用量を適用および標的化するために、薬物に関する決定支援を処方医師に提供する、(iv)所望の投薬量に到達するための実際の投薬量を計算し、必要に応じて、調節を行い、経時的に、所望の用量を維持する、(v)流率または調節情報を承認のためにオペレータに通信させる、または情報を接続された注入および体外デバイスに伝送させ、薬物および/または治療流体を患者に投与するための調節を自動的に行わせる、および(vi)随意に、電子医療記録データベース、医療監視、遠隔医療、または動作プラットフォーム等の関連付けられる病院ITシステムと同期し、送達される薬物の治療結果、タイプ、および用量、介護者メモ、例えば、患者主観、敗血症性または感染性条件の存在、および同等物等の治療データおよび他のデータを報告することを含んでもよい。標的用量のための決定支援は、例えば、血圧変化、体液過剰、および/または心臓問題に関する、例えば、患者の将来的状態のリスクおよび確率のインジケーションを含んでもよい。このように、同期される動作は、腎不全と注入ポンプ動作との間の協調に加えて、価値をもたらし得る。
【0009】
CRRTまたはIHD治療の間に送達される、静脈内(「IV」)薬物は、バンコマイシン、ゲンタマイシン、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、アビバクタム、セファゾリン、アズトレオナム、ナフシリン、オキサシリン等の任意のタイプの抗生物質を含んでもよい。他の薬物は、メロペネム、セフェピム、およびフルコナゾールを含む。投薬量が、腎不全治療によって無効にされ、したがって、本開示による、腎不全流率と同期されることから利点を享受する、他の薬物は、任意のタイプの蘇生輸液薬物、全身性抗凝固薬物、例えば、ヘパリンまたはクエン酸、昇圧薬、電解質、トレース要素、栄養補助剤、抗痙攣薬、抗真菌薬、抗新生物薬、神経筋肉遮断剤、鎮痛剤、および/または免疫抑制剤を含む。CRRTまたはIHD治療と組み合わせて投与され得る、任意の薬物が、本システムおよび方法のために検討される。
【0010】
一実施形態では、協調論理実装器が、機械のそれぞれに対して外部に位置する、例えば、CRRTまたはIHD機械上に静置する、それに接続される、またはそれに隣接して位置するように、本開示の協調論理実装器は、既存のCRRT機械、IHD機械、および注入ポンプ(限定ではないが、大量注入ポンプ(「LVP」)、シリンジポンプ、膀胱ポンプ、点滴ポンプ、および任意の他のタイプのIV薬物ポンプを含む)と連動することが可能であることが望ましい。1つの好ましい実施形態では、協調論理実装器は、例えば、有線または無線接続を介して、CRRTまたはIHD機械と電子および/またはデータ通信する。代替実施形態では、協調論理実装器は、CRRTまたはIHD機械の全体的制御ユニットの一部として提供され、したがって、その中に位置してもよい。
【0011】
種々の実施形態では、協調論理実装器は、例えば、ポンプの通信能力に応じて、1つまたはそれを上回る注入ポンプと電子および/またはデータ通信する場合とそうではない場合がある。協調論理実装器は、注入ポンプの全て、注入ポンプのうちのいくつかと有線または無線で通信する、または注入ポンプのいずれとも通信することが可能ではない場合がある。注入ポンプが、協調論理実装器に接続される場合、それらは、自動的に、またはオペレータによる確認および設定に応じて、制御されてもよい。注入ポンプが、協調論理実装器に接続されない場合、それらは、協調論理実装器またはCRRTまたはIHD機械のディスプレイ画面のいずれかにおいて、推奨を閲覧し得る、オペレータによる確認および設定に応じて、手動で制御されてもよい。
【0012】
協調論理実装器は、複数の方法において、CRRTまたはIHD機械および注入ポンプの動作を協調させる。1つの方法は、本システムが、処方される流体除去または限外濾過計算において、IV薬物の流率を考慮するものである。CRRTまたはIHD治療の目標は、AKIを被っている患者が、流体を経時的に得ることがないように、流体を患者から除去することであり得る。IV薬物は、患者に送達される流体の全体的量に著しく寄与し得る。IV送達量は、CRRTまたはIHD機械によって除去される瞬間廃液流率を決定する際に考慮される。協調論理実装器はまた、薬物送達の間、より高い廃液流率を、薬物送達が中止されるとき、より低い廃液流率をコマンドし得るように、IV薬物が送達されているときを把握する。協調論理実装器は、CRRTまたはIHD治療の間に送達されているIV薬物毎に、本分析を繰り返し、2つまたはそれを上回る薬物送達が重複するとき、結果を組み合わせる。
【0013】
協調論理実装器が、CRRTまたはIHD機械および注入ポンプの動作を協調させる、別の方法は、CRRTまたはIHD治療を介して廃液として体外回路から除去される代わりに、1つまたはそれを上回る注入ポンプ投与率を調節し、患者のために意図される薬物の一部を補償するものである。ある実施形態では、推定が、除去される廃液中の薬物のパーセンテージに関して行われる。推定は、廃液が、患者の体重に基づいて推定され得る、患者の血液量の推定値と完全に均一である等の、1つまたはそれを上回る仮定を使用して行われてもよい。代替実施形態では、患者の血液量は、治療に先立って決定され、例えば、協調論理実装器と関連付けられる、ユーザインターフェースを介して、または、ひいては、血液量を有線または無線で協調論理実装器に中継する、CRRTまたはIHD機械のユーザインターフェースを介して、協調論理実装器の中に打ち込まれてもよい。
【0014】
推定される薬物パーセンテージが、例えば、1パーセントである場合、協調論理実装器は、処方される薬物と関連付けられる流率を1パーセント増加させるか、またはオペレータに、処方される投薬量と関連付けられる流率より1パーセント高い、流率設定点を推奨するかのいずれかを行ってもよい。増加されるIV薬物流率は、自動的に実装される場合、またはオペレータによって承認される場合、廃液流率に、上記に議論される調節を考慮される、または無視可能な影響を有する場合、無視されてもよい。IV薬物流率をこのように上昇させることは、CRRTまたはIHD機械の、廃液除去を介して除去されるIV薬物の量を補償する。
【0015】
IV薬物のための流率を調節するかどうかを決定する際、協調論理実装器は、CRRTまたはIHD機械が実際に起動しているかどうかを考慮し得る。例えば、IV薬物が、CRRTまたはIHD治療の前または後に送達される場合、協調論理実装器は、処方される投薬量と関連付けられる流率からIV薬物流率を調節しない。CRRTまたはIHD機械が、治療の間、何らかの理由のため、例えば、アラーム、アラート、供給バッグ変更等に起因して、停止される場合、協調論理実装器は、停止を知らされ、複数の代替方法において、例えば、(i)停止が持続している間、IV薬物流率を処方される投薬量と関連付けられる流率まで、自動的に低減させる、または低減させることを提案する、(ii)全体的薬物送達時間が、処方される投薬量を満たすために低減され得るように、停止の間、IV薬物流率を上昇された流率に維持するが、付加的流率を投与される投薬量の一部としてカウントする、または(iii)例えば、薬物が、CRRTまたはIHD治療に伴うことが意図される場合、例えば、薬物が、抗凝固剤、リン補助剤、および同等物である場合、IV薬物流率を完全に遮断することで、反応し得る。
【0016】
腎不全療法からの廃液除去に起因するIV薬物損失にもかかわらず、患者によって受容される実際のIV用量が患者のための処方される用量を満たすように、IVポンプ流率を調節する代替として、またはそれに加え、また、本システムおよび方法は、IV薬物濃度を調節することが検討される。例えば、1つまたはそれを上回るIV薬物の実際の濃度が、患者によって吸収される薬物の実際の量が、患者によって吸収される薬物の予期される処方される量を満たすように、廃液除去を介した薬物損失の量を考慮して、処方される濃度から増加されてもよい。
【0017】
本システムおよび方法は、設定廃液除去流率のためのIV薬物除去の量を減少させ得る、経時的血液フィルタの詰まりに起因する、IV薬物流率または濃度の増加を補償する(例えば、減少させる)ことが検討される。詰まりの量は、ルックアップテーブル内において、例えば、実験的に、可変量のIV薬物除去減少と相関される、圧力増加、例えば、廃液ライン圧力増加によって推定されてもよい。本開示のシステムは、治療の過程にわたって、増加圧力信号を受信し、ルックアップテーブルを呼び出し、適宜、IV薬物流率および/または濃度のパーセンテージ増加を調節する(例えば、減少させる)。
【0018】
さらなる代替として、IV流体流率または濃度は、廃液流体流率とは対照的に、置換流体流量および/または透析流体流量に起因する、希釈の量に基づいて、調節されてもよい。ここでは、調節は、IV流体の流率、置換流体流量、および/または透析流体流量間の関係に基づいてもよい。
【0019】
本開示のシステムおよび方法の別の側面では、IV流体、置換流体、および/または透析流体の化学成分が、分析され、重複する化学物質または成分は、許容可能レベルと比較され、IV流体の化学組成が調節されるべきかどうか、または組み合わせられた化学または成分用量が容認可能であるかどうかを確認する。IV薬物成分が、修正される必要があることが決定される場合、本システムは、承認と、例えば、病院の薬局での後続調合とのために、改訂された製剤を出力する。
【0020】
CRRTまたはIHD治療および薬物送達の終了時、または全体を通して任意の好適な時間に、任意または全ての関連治療データを、患者のためのファイルを記憶する、病院の電子医療記録(「EMR」)データベースに送信することが検討される。そのために、協調論理実装器は、EMRデータベース、データウエアハウス、またはデータレイクのための病院サーバまたは他のコンピュータ記憶装置と有線または無線通信することが検討される。
【0021】
典型的病院または救急処置室設定では、1つのみのCRRTまたはIHD機械と、関連付けられる1つまたはそれを上回る注入ポンプとが存在するであろう可能性が高い。そのような場合、機械の配列のための専用協調論理実装器が存在し、これは、スポーク医療機械へのハブとして作用する。例えば、IHDのための血液透析機械を使用する、より臨床的設定では、IV薬物送達が依然として生じ得る場合、2つまたはそれを上回るCRRTまたはIHD機械および関連付けられる注入ポンプに専用である、協調論理実装器を提供することが検討される。ここでは、協調論理実装器は、(i)再び、CRRTまたはIHD機械を含む、スポーク医療機械の全てへのハブである、または(ii)そのクラスタ内のスポークCRRTまたはIHD機械のそれぞれへのより高レベルのハブであり得、CRRTまたはIHD機械は、ひいては、その関連付けられるスポーク注入ポンプへのより低レベルのハブである。後者の配列は、より短距離の無線通信が、提供されるときに好ましくあり得る。
【0022】
本明細書の開示に照らして、本発明の範囲をいかようにも限定することなく、本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、体外式かつ薬物送達式のシステムは、(i)患者からの血液を血液フィルタに除去するための動脈ラインと、フィルタからの血液を患者に戻すための静脈ラインと流体連通する、血液フィルタと動作可能である、腎不全療法機械であって、(a)ある廃液流率において、廃液を血液フィルタから圧送するように位置付けられ、配列される、廃液ポンプと、(b)ある透析流体流率において、透析流体を血液フィルタに圧送するように位置付けられ、配列される、透析流体ポンプ、ある希釈前流率において、置換流体を動脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈前ポンプ、またはある希釈後流率において、置換流体を静脈ラインの中に圧送するように位置付けられ、配列される、希釈後ポンプのうちの少なくとも1つとを含む、腎不全療法機械と、(ii)あるIV薬物流率において、静脈内(「IV」)薬物を患者に送達するように動作可能である、注入ポンプと、(iii)廃液流率を介して除去されるIV薬物の量に基づいて、IV薬物流率のための調節を決定するように構成される、協調論理実装器とを含む。
【0023】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第2の側面では、腎不全療法機械は、持続的腎臓置換機械であって、これは、廃液ポンプと、透析流体ポンプ、希釈前ポンプ、または希釈後ポンプのうちの少なくとも2つとを含む。
【0024】
本開示の第3の側面では、本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、腎不全療法機械は、血液透析機械であって、これは、廃液ポンプと、透析流体ポンプとを含む。
【0025】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第4の側面では、協調論理実装器は、腎不全療法機械および注入ポンプと別個に提供され、協調論理実装器は、少なくとも腎不全療法機械と有線または無線通信する。
【0026】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第4の側面と組み合わせられ得る、本開示の第5の側面では、本システムは、廃液流率を介して除去されるIV薬物の量に基づいて、IV薬物流率のための調節を決定するために、総患者流体入力が、協調論理実装器によって、協調論理実装器に通信されるか、または、協調論理実装器のために決定されるように構成される。
【0027】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第6の側面では、本システムは、(i)IV薬物流率のための調節を注入ポンプに自動的に実装すること、または(ii)実装のために、腎不全療法機械、注入ポンプ、または協調論理実装器のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、調節を表示することのうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0028】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第7の側面では、協調論理実装器は、腎不全療法機械の中に統合される。
【0029】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第8の側面では、注入ポンプは、第1の注入ポンプであって、IV薬物は、第1のIV薬物であって、IV薬物流率は、第1のIV薬物流率であって、これは、第2のIV薬物流率において、第2のIV薬物を患者に送達するように動作可能である、第2の注入ポンプを含み、協調論理実装器は、廃液流率を介して除去される第2のIV薬物の量に基づいて、第2のIV薬物流率のための調節を決定するように構成される。
【0030】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第9の側面では、本システムは、廃液流率が、IV薬物流率と、透析流体流率、希釈前流率、または希釈後流率のうちの少なくとも1つとのための調節を考慮し得るように構成される。
【0031】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第10の側面では、本システムは、廃液流率が、処方される患者流体損失率を考慮するように構成される。
【0032】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第11の側面では、廃液流率を介して除去されるIV薬物の量は、廃液流率におけるIV薬物のあるパーセンテージを含む。
【0033】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第12の側面では、協調論理実装器は、廃液流率を介して除去されるIV薬物の量に基づいて、および患者の血液量の推定に応じて、IV薬物流率のための調節を決定するように構成される。
【0034】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第13の側面では、協調論理実装器はさらに、IV薬物流率のための調節を決定する際、血液フィルタ開存性または詰まりを考慮するように構成される。
【0035】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第13の側面と組み合わせられ得る、本開示の第14の側面では、本システムは、IV薬物の量が廃液流率を介して除去されるとき、調節が、IV薬物流率に処方されるIV薬物流率を満たさせるように構成される。
【0036】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第15の側面では、腎不全療法機械は、第1の腎不全療法機械であって、注入ポンプは、第1の注入ポンプであって、これは、第2の注入ポンプと関連付けられる、第2の腎不全療法機械を含み、協調論理実装器は、第2の注入ポンプのIV薬物流率のための調節を決定するように構成される。
【0037】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第16の側面では、協調論理実装器は、代替として、または加えて、廃液流率を介して除去されるIV薬物の量に基づいて、IV薬物の濃度に対する調節を決定するように構成される。
【0038】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第16の側面組み合わせられ得る、本開示の第17の側面では、本システムは、実装のために、濃度調節を腎不全療法機械、注入ポンプ、または協調論理実装器のうちの1つまたはそれを上回るものに表示するように構成される。
【0039】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第16の側面と組み合わせられ得る、本開示の第18の側面では、本システムは、IV薬物の量が廃液流率を介して除去されるとき、濃度調節が、患者によって受容されるIV薬物用量に、処方されるIV薬物用量を満たさせるように構成される。
【0040】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第16の側面と組み合わせられ得る、本開示の第19の側面では、注入ポンプは、第1の注入ポンプであって、IV薬物は、第1のIV薬物であって、これは、第2のIV薬物を患者に送達するように動作可能である、第2の注入ポンプを含み、協調論理実装器は、廃液流率を介して除去される第2のIV薬物の量に基づいて、第2のIV薬物の濃度に対する調節を決定するように構成される。
【0041】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第20の側面では、協調論理実装器は、代替として、または加えて、透析流体流率、希釈前流率、または希釈後流率のうちの少なくとも1つに起因する、IV薬物の希釈の量に基づいて、IV薬物の流率および/または濃度に対する調節を決定するように構成される。
【0042】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第20の側面と組み合わせられ得る、本開示の第21の側面では、希釈の量は、IV薬物の流率と、透析流体流率、希釈前流率、または希釈後流率のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づく。
【0043】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせられ得る、本開示の第22の側面では、協調論理実装器は、代替として、または加えて、IV薬物の成分が、透析流体、希釈前置換流体、または希釈後置換流体のうちの少なくとも1つの中に存在するかどうかを決定し、該当する場合、製剤調節がIV薬物に行われるべきであるかどうかを決定するように構成される。
【0044】
本明細書に列挙された任意の他の側面、またはその一部と組み合わせて、第22の側面と組み合わせられ得る、本開示の第23の側面では、製剤調節は、IV薬物中の成分を減少させる、またはそこから排除するステップを含む。
【0045】
本開示の第24の側面では、
図1-4のいずれかと関連付けられる、構造、機能性、および代替のいずれかが、
図1-4の任意の他のものと関連付けられる、構造、機能性、および代替のいずれかと組み合わせられてもよい。
【0046】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、本開示の利点は、医師、看護士、および介護者にかかる作業負担を低減させる、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0047】
本開示の別の利点は、流体除去正確度を改善する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0048】
本開示のさらなる利点は、薬物投薬量送達正確度を改善する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0049】
本開示のさらに別の利点は、既存の機器とともに実装され得る、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0050】
本開示のなおもさらなる利点は、IV薬物流率および/または濃度を修正する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0051】
本開示のさらに別の利点は、例えば、置換および/または透析流体流率に起因する、廃液除去または希釈に基づいて、IV薬物流率または濃度を修正する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0052】
本開示のなおもさらなる利点は、IV薬物および置換および/または透析流体中の重複する化学物質または成分を考慮し、IV薬物中の重複する流体の量が、許容可能である、低減されるべきである、または排除されるべきであるかどうかを確認する、組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムおよび方法を提供することである。
【0053】
開示されるデバイス、システム、および方法の付加的特徴および利点は、以下の詳細な説明および図に説明され、そこから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包含的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明に照らして、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙された利点の全てを有しているわけではない。さらに、本明細書において使用される用語は、主に、可読性および教示目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、本開示の組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムの一実施形態の斜視図である。
【0055】
【
図2】
図2は、本開示の組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムの一実施形態の概略図である。
【0056】
【
図3】
図3は、本開示の組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムに従って行われ得る、例示的用量補正調節を図示する、概略フローチャートである。
【0057】
【
図4】
図4は、本開示の組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステムの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
例示的実施形態の詳細な説明
ここで図面、特に、
図1を参照すると、本開示の組み合わせられた体外式かつ薬物送達式のシステム10の実施形態が、図示される。システム10は、持続的腎代替療法(「CRRT」)機械または間欠補充型血液透析(「IHD」)機械等の腎不全療法機械20と、静脈内(「IV」)薬物注入ポンプ70、80、および/または90とを含む。腎不全療法機械20は、例えば、動静脈血液濾過、持続的動静脈血液透析、持続的動静脈血液透析濾過、持続的静静脈血液濾過、持続的静静脈血液透析、持続的静静脈血液透析濾過、低速持続的限外濾過、血液灌流、療法用血漿交換、白血球系細胞除去療法、周期的間欠補充型血液透析を伴う持続的限外濾過、体液過剰、鬱血性心不全、薬物過剰摂取、中毒症、免疫障害、敗血症、酸平衡異常の治療、およびそれらの任意の組み合わせ等の腎臓療法のタイプを実施することができる。
【0059】
腎不全療法機械20は、図示される実施形態では、腎不全療法機械20が、病室または集中治療室(「ICU」)内での動作のために便宜的である位置に移動または配向され得るように、転動フレーム24によって支持される、筐体22を含む。腎不全療法機械20は、図示される実施形態では、スケール26a…26nを含み、これは、透析流体、置換流体、または廃液等の1つまたはそれを上回る流体の重量、したがって、体積および流率が、決定されることを可能にする。例えば、スケール26aは、1つの実装では、新しい透析流体流量を監視するために使用されてもよい一方、スケール26bは、廃液の流量を監視するために使用される。腎不全療法機械20はまた、図示される実施形態では、筐体22によって支持される、外部装置28を含み、これは、例えば、さらに詳細に議論される、管類ピンチ弁等のポンプ、圧力センサ、空気検出器、血液漏出検出器、弁を含み得る。
【0060】
装置28のスケール26a…26nおよび全てのセンサは、腎不全療法機械20の全ての電気的に作動されるデバイス28を制御する、制御ユニット30に、出力する。制御ユニット30は、図示される実施形態では、1つまたはそれを上回るプロセッサ32と、1つまたはそれを上回るメモリ34と、ビデオカード、サウンドカード、無線送受信機または有線インターフェース36と、同等物とを含む。制御ユニット30は、協調論理実装器100と有線または無線で通信する。本明細書で議論される任意の有線通信は、例えば、Ethernet(登録商標)または光ファイバ接続を介したものであってもよい。本明細書で議論される任意の無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFiTM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、無線周波数(「RF」)、超音波、光電気、マイクロ波、または赤外線プロトコルのいずれかを介して、または任意の他の好適な無線通信技術を介して、実施されてもよい。
【0061】
腎不全療法機械20はまた、図示される実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)40を含み、これは、オペレータが、データおよびコマンドを制御ユニット30の中に打ち込み、および/または情報をそこから受信することを可能にする。GUI40は、ビデオモニタを含み、これは、同様に、コマンドを制御ユニット30の中に入力するために、ビデオモニタ上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイと連動してもよい。GUI40はまた、膜スイッチまたは他のボタン等の1つまたはそれを上回る電気機械的入力デバイスを含んでもよい。制御ユニット30はまた、アラームまたはアラート音等の音ファイルを、腎不全療法機械20の1つまたはそれを上回るスピーカにおいて再生するために、オーディオコントローラを含んでもよい。GUI40は、筐体22に接続されるように図示されるが、また、GUI40は、制御ユニット30と別個であって、上記に説明されるプロトコルのいずれかを介して、それと無線で通信することも可能性として考えられる。
【0062】
協調論理実装器100は、図示される実施形態では、その独自の制御ユニット110を含む。制御ユニット110は、図示される実施形態では、1つまたはそれを上回るプロセッサ112と、1つまたはそれを上回るメモリ114と、ビデオカードと、サウンドカードと、腎不全療法機械20の制御ユニット30と通信するための無線送受信機または有線インターフェース116と、可能にされる場合、IV薬物注入ポンプ70、80、および/または90の制御ユニットとを含む。
【0063】
協調論理実装器100はまた、図示される実施形態では、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)120を含み、これは、オペレータが、データおよびコマンドを制御ユニット110の中に打ち込み、および/または情報をそこから受信することを可能にする。GUI120は、ビデオモニタを含み、これは、同様に、コマンドを制御ユニット110の中に入力するためのビデオモニタ上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイと連動してもよい。GUI120はまた、膜スイッチまたは他のボタン等の1つまたはそれを上回る電気機械的入力デバイスを含んでもよい。制御ユニット110はまた、アラームまたはアラート音等の音ファイルを、協調論理実装器100の1つまたはそれを上回るスピーカにおいて再生するために、オーディオコントローラを含んでもよい。
【0064】
協調論理実装器100は、腎不全療法機械20に隣接して位置するように図示されるが、協調論理実装器100は、代替として、腎不全療法機械20上に位置する、またはそれに接続されてもよい。さらなる代替実施形態では、協調論理実装器100は、制御ユニット110およびそのソフトウェアおよびプログラミングが、制御ユニット30の中に統合されるように、腎不全療法機械20内に統合される。しかしながら、協調論理実装器100を腎不全療法機械20と別個に提供することは、協調論理実装器100が、おそらく、ソフトウェアアップグレードを伴って、既存の腎不全療法機械と連動することを可能にする。協調論理実装器100を、独立型デバイスとして、医療流体機械のいずれかの一部として、および/または第三者ハードウェアとして、および/またはある場所におけるソフトウェアの中に抽象化されるように(EMR、エッジコンピューティング、クラウドサービス等内のように)実装することも検討される。
【0065】
IV薬物注入ポンプ70、80、および/または90はそれぞれ、それぞれ、制御ユニット72、82、および92を含む。制御ユニット72、82、および92はそれぞれ、同様に、1つまたはそれを上回るプロセッサと、1つまたはそれを上回るメモリと、ビデオカードと、サウンドカードと、協調論理実装器100の制御ユニット110と通信するための無線送受信機または有線インターフェースとを含んでもよい。IV薬物注入ポンプ70、80、および/または90はそれぞれまた、蠕動、プラテン、または他のタイプの管類またはシリンジポンプアクチュエータ等、それぞれ、制御ユニット72、82、92の制御下で、1つまたはそれを上回るポンプアクチュエータ74、84、および94を含む。IV薬物注入ポンプ70、80、および/または90はそれぞれまた、それぞれ、1つまたはそれを上回るグラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)76、86、および96を含む。各GUI76、86、および96は、ビデオモニタを含んでもよく、これは、同様に、コマンドを、それぞれ、制御ユニット72、82、および92の中に入力するために、ビデオモニタ上に設置されたタッチスクリーンオーバーレイと連動してもよい。各GUI76、86、および96はまた、膜スイッチまたは他のボタン等の1つまたはそれを上回る電気機械的入力デバイスを含んでもよい。
【0066】
腎不全療法機械20および外部注入ポンプ70、80、および90はそれぞれ、一実施形態では、協調論理実装器100の視点から、機械およびポンプを相互から区別する、アドレスを含む。アドレスは、腎不全療法機械20のポンプと、AKIまたは他の腎不全治療を受ける具体的患者と関連付けられる、注入ポンプ70、80、および90とを指定する。アドレスは、複数の治療が、同時に生じており、例えば、隣接するICU内または治療センター内で、例えば、相互に近接近している場合、複数の腎不全療法機械20と、関連付けられる注入ポンプ70、80、および90との間の誤通信を防止する。誤通信の潜在性は、無線通信を用いる場合、より大きな程度で存在する。
【0067】
上記に説明されるアドレスは、情報が、協調論理実装器100と、腎不全療法機械20と、注入ポンプ70、80、および90との間で往復して転送されることを可能にする。例えば、現在の治療データが、腎不全療法機械20および注入ポンプ70、80、および90の一方または両方のいずれかから、協調論理実装器100に送信されてもよい。協調論理実装器100は、1つまたはそれを上回る決定された動作パラメータを、(i)個別の制御ユニット30、72、82、または92による、自動打込および作動、および/または(ii)承認または容認のための個別のGUI40、76、86、または96における表示のために、腎不全療法機械20と、注入ポンプ70、80、または90のうちの1つまたはそれを上回るものとに送信してもよい。さらなる代替実施形態では、協調論理実装器100は、1つまたはそれを上回る決定された動作を、GUI40、76、86、または96におけるディスプレイの代替として、またはそれに加え、そのGUI120に表示してもよい。
【0068】
以下のシナリオ、すなわち、(i)協調論理実装器100と腎不全療法機械20との間の通信が存在し、システム10が、協調論理実装器100から腎不全療法機械20に送信される、1つまたはそれを上回る動作パラメータの自動入力および作動を可能にすることが認可されているシナリオ、(ii)協調論理実装器100と注入ポンプ70、80、または90との間の通信が存在し、システム10が、協調論理実装器100から注入ポンプ70、80、または90に送信される、1つまたはそれを上回る動作パラメータの自動入力および作動を可能にすることが認可されているシナリオ、(iii)協調論理実装器100と腎不全療法機械20との間の通信が存在するが、1つまたはそれを上回るパラメータが、GUI40または120のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて、提案されるパラメータとして、オペレータ表示されるように、システム10が、協調論理実装器100から腎不全療法機械20に送信される、1つまたはそれを上回る動作パラメータの自動入力および作動を可能にすることが認可されていないシナリオ、(iv)協調論理実装器100と注入ポンプ70、80、または90との間の通信が存在するが、1つまたはそれを上回るパラメータが、1つまたはそれを上回るGUI120、76、86、または96において、提案されるパラメータとして、オペレータに表示されるように、システム10が、協調論理実装器100から注入ポンプ70、80、または90に送信される、1つまたはそれを上回る動作パラメータの自動入力および作動を可能にすることが認可されていないシナリオ、および(v)協調論理実装器100によって決定される1つまたはそれを上回るパラメータが、(機械20の)1つまたはそれを上回るGUI120または40において、提案されるIV薬物パラメータとして、オペレータに表示されるように、協調論理実装器100と注入ポンプ70、80、または90との間の通信が存在しないシナリオが、システム10および関連付けられる方法論のために検討される。最後のシナリオ(v)では、処方される薬物用量に対応する、処方される用量または流率は、最初に、GUI120を介して、協調論理実装器100の中に、またはGUI40を介して、腎不全療法機械20の中に、手動で打ち込まれる。
【0069】
図1はさらに、システム10が、協調論理実装器100が、例えば、有線または無線で、病院の電子医療記録(「EMR」)データベース150と通信するように構成されることを検討することを図示する。ある実施形態では、CRRTまたはIHD治療および関連付けられる薬物送達の終了時、任意または全ての関連治療データが、協調論理実装器100から、患者のためのファイルを記憶する、EMRデータベース150に送信される。送達される薬物、アラーム、アラート、治療の間に打ち込まれた介護者またはオペレータメモ等の他の治療情報もまた、例えば、日付およびタイムスタンプ付きで、協調論理実装器100からEMRデータベース150に送信されてもよい。
【0070】
ここで
図2を参照すると、システム10は、全体的廃液流率決定に影響を及ぼし得る、異なるタイプの流体入力の一実施形態を示すために図式的に図示される。
図2におけるシステム10は、
図1に関連して説明されるように、腎不全療法機械20と、協調論理実装器100と、注入ポンプ70、80、および90とを含む。
図2はまた、
図1に関連して説明される、新しい透析流体スケール26aと、廃液スケール26bととともに、付加的スケール、すなわち、上流希釈前スケール26cと、下流希釈前スケール26dと、希釈後スケール26eとを図示する。協調論理実装器100は、
図2に図示されるように、EMRデータベース150と通信する。
【0071】
スケール26a-26eはそれぞれ、透析流体容器52a、廃液容器52b、上流希釈前容器52c、下流希釈前容器52d、および希釈後容器52e内に常駐する、流体を計量する。容器52a-52cは、使い捨てセット50の一部を形成し、これは、治療のための腎不全療法機械20の筐体22(
図1)に取り付けられる。使い捨てセット50はまた、図示される実施形態では、血液を患者Pから除去するための動脈ライン54と、血液を患者Pに戻すための静脈ライン56と、患者Pに戻る前に、任意の空気を血液から除去するために静脈ライン56内に設置された点滴チャンバ58とを含む。血液フィルタまたは透析装置60は、動脈ライン54を静脈ライン56から分離する。血液フィルタまたは透析装置60は、半浸透性膜62によって分離される、血液コンパートメント60aと、透析流体コンパートメント60bとを含む。動脈ライン54は、血液コンパートメント60aにつながる一方、静脈ライン56は、血液コンパートメント60aから延在する。同様に、新しい透析流体ライン64は、透析流体容器52aから透析流体コンパートメント60bまで延在する一方、廃液ライン66は、透析流体コンパートメント60bから廃液容器52bまで延在する。
【0072】
使い捨てセット50はまた、
図2の実施形態では、上流希釈前容器52cから動脈ライン54まで延在する、上流希釈前ライン68cと、下流希釈前容器52dから動脈ライン54まで延在する、下流希釈前ライン68dと、希釈後容器52eから静脈ライン56まで延在する、希釈後ライン68eとを含む。
【0073】
図1は、腎不全療法機械20の筐体22と関連付けられる、ポンプ、センサ、および弁等を、外部装置28として一般化する。それらの外部装置は、新しい透析流体ライン64と連動する、新しい透析流体ポンプ42bと、廃液ライン66と連動する、廃液ポンプ42bと、上流希釈前ライン68cと連動する、上流希釈前ポンプ42cと、下流希釈前ライン68dと連動する、下流希釈前ポンプ42dと、希釈後ライン68eと連動する、希釈後ポンプ42eとを含むように、
図2においてさらに詳細に図示される。加えて、血液ポンプ44が、提供され、これは、血液を、患者Pから、動脈ライン54に沿って、血液フィルタ60を通して、静脈ライン56を介して、患者Pに戻るように圧送する。静脈弁46等の複数の弁が、提供される。レベル検出器48もまた、点滴チャンバ58内の液体レベルを検出するために提供される。
【0074】
全てのポンプ、弁、検出器、スケール、センサ、および同等物は、
図2における破線によって図示されるように、制御ユニット30の制御下にある、またはそこに出力信号を送信する。
図2は、腎不全療法機械20のためのCRRT実施形態を図示する。腎不全療法機械20のためのIHDまたは血液透析実施形態は、ほぼ同一であるであろうが、代わりに、(i)容器26aおよび26bとは対照的に、オンライン透析流体発生および格納ドレインを有し、(ii)異なるタイプの圧送および弁類(例えば、図示されるようにCRRTのために使用される、蠕動およびピンチ、またはIHDのための空気圧および/または電気機械的なもの)を使用し、(iii)流体制御および平衡のために、体積または流率決定対CRRTの重量検出を使用し、(iv)治療流体を血液ライン54または56に送達しなくてもよい。CRRTは、故に、下記に示される廃液方程式の中に入力され、それによって、同様に、IHD実施形態のための支援を提供し得る、異なるタイプの流体の数に関する、殆どの場合のシナリオを提示する。しかしながら、システム10のCRRTは、置換流体を使用する必要はない、または希釈前および/または希釈後置換流体の一方または両方を有することができることを理解されたい。加えて、CRRTは、透析流体流量を有する場合とそうではない場合がある。システム10のCRRTは、そのような流体流量の任意の組み合わせを有してもよい。
【0075】
図2における異なる圧送源と関連付けられる、流率が、図示され、これは、血流に関するQ
BLOOD、新しい透析流体流量に関するQ
DIAL、廃液流量に関するQ
EFF、血液圧送前流量(例えば、ヘパリン抗凝固剤)に関するQ
PBP、希釈前置換流体流量に関するQ
REP1、希釈後置換流体流量に関するQ
REP2、注入ポンプ70の薬物流量に関するQ
D70、注入ポンプ80の薬物流量に関するQ
D80、および注入ポンプ90の薬物流量に関するQ
D90を含む。血流に関するQ
BLOODを除き、システム10は、廃液流量Q
EFFを決定する際、Q
DIAL、Q
PBP、Q
REP1、Q
REP2、Q
D70、Q
D80、およびQ
D90のそれぞれを考慮する。Q
DIAL、Q
PBP、Q
REP1、およびQ
REP2は、ある実施形態では、処方される患者流体損失または限外濾過除去流率Q
UFとともに、医師によって処方される。Q
D70、Q
D80、およびQ
D90に関する薬物は、医師によって処方される用量に対応する、流率であってもよい、または下記に詳細に議論されるように、処方される流率から調節されてもよい。
【0076】
図2におけるシステム10のための全体的流体平衡方程式は、以下の通りである。
Q
UF=Q
EFF-[Q
DIAL+Q
PBP+Q
REP1+Q
REP2+Q
D70+Q
D80+Q
D90]
一実施例では、Q
UF=200ml/時、Q
DIAL=1000ml/時、Q
PBP=600ml/時、Q
REP1=800ml/時、およびQ
REP2=800ml/時である。薬物流率は、最初に、医師によって処方される投薬量から決定される。投薬量は、時間数に対するmg/(患者の体重のkg)等の形態で提供されてもよく、患者の体重を把握することは、g/時を与え、薬物の密度を把握することは、ml/時をもたらす。本実施例に関して、Q
D70は、60ml/時であって、Q
D80は、100ml/時であって、Q
D90は、80ml/時であると仮定すると、上記の方程式は、以下のように代入される。
200=Q
EFF-[1,000+600+800+800+60+100+80]
200=Q
EFF-[3,440(総患者流体入力)]
Q
EFF=3,640ml/時
【0077】
着目すべきこととして、上記の計算における240ml/時の総薬物構成要素(60+100+80)は、3,440ml/時の総患者流体入力の7パーセントを表し、これは、比較的に有意なことであって、廃液正確度の同等のパーセンテージ増加をもたらす。ある実施形態では、上記の計算は、協調論理実装器100において実施され、これは、(i)腎不全療法機械20および/または注入ポンプ70、80、および90から電子的に、(ii)GUI120において手動で打ち込まれる、または(iii)それらのある組み合わせのいずれかにおいて、全ての医師処方情報からの全ての入力情報を取得することが可能である。
【0078】
注入ポンプ70、80、および90の3つの薬物に関する処方される投薬量に基づいて、廃液QEFF=3,640ml/時を把握すると、システム10は、ここで、廃液流量QEFFを介して除去される、薬物画分を補償する。協調論理実装器100は、患者Pの体重を治療の開始時に受信し、変換アルゴリズムを使用して、患者の対応する血液量を算出する。患者Pが体重80kgであると仮定して、ある推定器(https://reference.medscape.com/calculator/estimated-blood-volume)が、患者Pの血液量が6,000mlであると推定する。3,440mlが、次の1時間にわたって追加されるであろうことを把握すると、累積量は、合計9,440mlとなる。その量中の1時間にわたる各薬物のパーセンテージは、次いで、(i)注入ポンプ70の薬物に関して、60/9,440、すなわち、0.63%、(ii)注入ポンプ80の薬物に関して、100/9,440、すなわち、1.1%、および注入ポンプ90の薬物に関して、80/9,440、すなわち、0.84%となる。
【0079】
協調論理実装器100は、次いで、1時間にわたって、患者によって受容される薬物が、処方される投薬量を達成するように、注入ポンプ70、80、および90毎に、実際の流率を増加させる。実施例では、ポンプ70に関する流率は、60ml/時から60.38ml/時に増加するであろう(0.63%増加)。ポンプ80に関する流率は、100ml/時から101ml/時に増加するであろう(1.1%増加)。ポンプ90に関する流率は、80ml/時から80.67ml/時に増加するであろう(0.84%増加)。流率調節が、ここでの場合のように、比較的に小さいと仮定すると、廃液流率QEFFに関する計算は、再び実施される必要はない。しかしながら、より大きい薬物流率調節に関しては、システム10は、上記の様式においてQEFFを決定する際、調節を考慮することが検討される。しかしながら、薬物の観点からの薬物流率調節は、患者が、現在、薬物の処方される量を受けているため、重要である。
【0080】
IV薬物に関する流率を調節するかどうかを決定する際、協調論理実装器100は、CRRTまたはIHD機械20が、実際に起動しているかどうかを考慮し得る。例えば、IV薬物が、CRRTまたはIHD治療の前または後に送達される場合、協調論理実装器100は、処方される投薬量と関連付けられる流率からIV薬物流率を調節しない、または調節することを提案しない。CRRTまたはIHD機械20が、治療の間、何らかの理由から、例えば、アラーム、アラート、供給バッグ変更等に起因して、停止される場合、機械20は、それを(例えば、有線または無線で)協調論理実装器100に通信し、これは、複数の代替方法のいずれか、例えば、(i)停止が持続する間、本明細書に説明されるように、少なくとも1つの注入ポンプ70、80、90に、そのIV薬物流率を自動的に低減させる、または少なくとも1つの注入ポンプ70、80、90における低減を提案する、(ii)全体的薬物送達時間が、低減され、処方される投薬量を満たし得るように、停止の間、少なくとも1つのIV薬物流率を上昇される流率に維持するが、付加的流率を投与される投薬量の一部としてカウントし、それを少なくとも1つの注入ポンプ70、80、90またはそのオペレータに通信する、または(iii)例えば、その薬物が、CRRTまたはIHD治療に伴うことが意図される場合、例えば、薬物が、抗凝固剤、リン補助剤、および同等物である場合、1つまたはそれを上回る注入ポンプ70、80、90を完全に遮断することにおいて反応するようにプログラムされ得る。
【0081】
ある実施形態では、可能にされる通信は全て、協調論理実装器100が、腎不全療法機械20の動作の間、1つまたはそれを上回る注入ポンプ70、80、90が動作しているときを把握するであろうように、双方向である。ある実施形態では、論理実装器100は、現在圧送モードにあるかどうかについて、周期的に、それぞれ、注入ポンプ70、80、90の制御ユニット72、82、92にポーリングする(例えば、毎秒、数秒毎、または1秒未満毎)。制御ユニット72、82、92は、協調論理実装器100の制御ユニット110に適切に応答し、これは、適宜、反応する。QEFFを決定するための上記の実施例では、論理実装器100は、腎不全療法機械20の動作の間、QD70が、60ml/時であって、QD80が、100ml/時であって、QD90が、80ml/時であることを把握すると、(i)注入ポンプ70が圧送を開始/停止するとき、自動的に、QEFFを60ml/時だけ増加/低減させる、または増加/低減させることを提案し、(ii)注入ポンプ80が圧送を開始/停止するとき、自動的に、QEFFを100ml/時だけ増加/低減させる、または増加/低減させることを提案し、(iii)注入ポンプ90が圧送を開始/停止するとき、自動的に、QEFFを80ml/時だけ増加/低減させる、または増加/低減させることを提案するであろう。
【0082】
注入ポンプ70、80、90のうちの任意の1つの圧送の開始または停止が、総患者流体入力(上記の実施例では、3,440ml/時)に著しく影響を及ぼす範囲において、協調論理実装器100は、現在起動している任意の他の注入ポンプ70、80、90の流率を上方または下方に調節する、またはそれを提案するように構成される。このように、システム10は、任意の他の注入ポンプ70、80、90の現在の状態(例えば、圧送対非圧送)に基づいて、任意の注入ポンプ70、80、90の動作を調節するように構成される。
【0083】
上記の実施例は、患者によって吸収され、したがって、治療する代わりに、腎不全療法の廃液流体として患者から除去される、処方される薬物の一部を補償するためのIV薬物流率の調節を伴う。本開示による、廃液除去を補償するための別の方法は、患者によって実際に吸収された薬物の量が、処方されるものに合致するように、IV薬物の濃度を調節するものである。上記の実施例では、(i)1時間にわたって損失された注入ポンプ70のIV薬物の量またはパーセンテージは、0.63%であって、(ii)1時間にわたって損失された注入ポンプ80のIV薬物の量は、1.1%である一方、(iii)1時間にわたって損失された注入ポンプ90のIV薬物の量は、0.84%である。故に、協調論理実装器100は、薬物の一部を腎不全療法の廃液除去に損失したにもかかわらず、患者が各IV薬物の処方される量を受容するように、IV薬物の濃度を損失されたパーセンテージだけ増加させるための提案を医師、技術者、機械オペレータ等に行うことが検討される。ある実施例では、(i)注入ポンプ70のIV薬物の濃度が、体積比20%である場合、その濃度は、体積比0.63%~20.13%増加され、(ii)注入ポンプ80のIV薬物の濃度が、体積比10%である場合、その濃度は、体積比1.1%~10.11%増加され、(iii)注入ポンプ90のIV薬物の濃度が、体積比12%である場合、その濃度は、体積比0.84%~12.1%増加される。
【0084】
上記の実施例は、処方される流率が、調節される濃度を使用することで、調節されない、すなわち、QD70が、60ml/時のままであって、QD80が、100ml/時のままであって、QD90が、80ml/時のままであると仮定する。システム10の協調論理実装器100は、別の代替実施形態では、IV薬物の一部が、廃液流動を介して除去される場合でも、処方される用量が、満たされるように、調節される流率と調節される濃度の組み合わせを提供することが検討される。
【0085】
多くの病院は、上記に規定されたもの等の高度に正確な濃度を達成可能である、高度な複合システムまたはユニットを有する。濃度対流率を調節することは、例えば、処方される流率が、薬物および/または注入ポンプ70、80、90に関する最大許容可能流率にあるとき、有利であり得る。濃度の調節は、医師または介護者等が、調節された濃度を有するIV薬物を病院の薬局から発注し得るように、自動濃度調節とは対照的に、協調論理実装器100が、濃度変更が行われるべきであることを医師または介護者等に提案することを要求してもよい。本明細書で議論される協調論理実装器100からの任意の提案と同様に、提案は、聴覚的に、視覚的に、または視聴覚的に、腎不全療法機械20のGUI40、協調論理実装器100のGUI120、および/または関連付けられる注入ポンプ70、80、90のGUI76、86および96のうちの任意の1つまたはそれを上回るものにおいて提供されてもよい。
【0086】
図3の方法210は、システム10の協調論理実装器100によって決定される、(自動または提案される)上記に説明される調節を要約する。ある実施形態では、本方法は、協調論理実装器100の制御ユニット110において実装される。長円形212において、方法210は、開始する。ブロック214では、制御ユニット110は、IV薬物ポンプ流率(例えば、Q
D70、Q
D80、およびQ
D90)を、上記に図示されるように計算される、廃液流率(Q
EFF)および廃液流率(Q
EFF)のための全体的方程式に追加する。
【0087】
ブロック216では、制御ユニット110は、(i)上記に説明される様式において、計算された廃液流率および患者の血液量を使用して、IV薬物流率(QD70、QD80、QD90)毎に、パーセンテージ調節を決定し、および/または(ii)上記に説明される様式において、注入ポンプ70、80、90のIV薬物のための濃度調節を決定する。調節は、本明細書に議論されるように、自動的に実装される、または介護者に提案されてもよい。
【0088】
菱形218では、制御ユニット110は、パーセンテージ調節が、行われる場合、IV薬物流率(QD70、QD80、QD90)に関して、集合的に捉えられると、ブロック214において実施される廃液流率(QEFF)に関する計算に有意に影響を及ぼすかどうかを決定する。「有意」は、現在計算されている廃液流率(QEFF)のパーセンテージとしてのIV薬物流率(QD70、QD80、QD90)の集合的調節と閾値パーセンテージ(例えば、0.5%)を比較することによって、決定されてもよい。パーセンテージ調節が、閾値パーセンテージを満たす、または超える場合、影響は、菱形218に従って、「有意」と見なされる。上記の実施例では、QEFFは、3,640ml/時であると決定される一方、(i)ポンプ70に関する流率は、60ml/時から60.38ml/時に調節され、(ii)ポンプ80は、100ml/時から101ml/時に調節され、ポンプ90は、80ml/時から80.67ml/時に調節される。IVポンプの総合的または集合的調節は、2.05ml/時(0.38ml/時+1.00ml/時+0.67ml/時)であって、これは、3,640ml/時の現在計算されているQEFFのパーセンテージとして、0.06%であって、これは、例示的閾値パーセンテージ(例えば、0.5%)を優に下回る。
【0089】
IV薬物流率のためのパーセンテージ調節が、菱形218において決定されたように、廃液流率(QEFF)に関する計算に有意に影響を及ぼす場合、方法210は、ブロック214に戻り、廃液流率(QEFF)を更新し、ブロック216に戻り、IVポンプのための流率調節を更新する。菱形218とブロック214および216との間のループは、IV薬物流率のためのパーセンテージ調節が、菱形218において決定されるように、廃液流率(QEFF)に関する計算に有意に影響を及ぼさなくなるまで、継続し、その時点で、方法210は、ブロック220に進む。ブロック220では、制御ユニット110は、ブロック216において決定された調節を、本明細書に説明される様式のいずれかにおいて、自動的に実装される、または調節を介護者に提案する。菱形222において、方法210は、終了する。
【0090】
破線ブロック217は、血液フィルタ60(例えば、透析装置または血液濾過器)開存性または寿命が考慮される、方法210のためのオプションを図示する。CRRTおよびIHDの両方では、透析装置または血液濾過器60は、経時的にゆっくりと詰まることが公知であって、これは、流率が腎不全療法機械20において一定として設定されているにもかかわらず、薬物除去の率を減少させ得る。詰まりの量は、廃液ライン66、動脈ライン54、および/または静脈ライン56のうちの1つまたはそれを上回るもの内の圧力を感知することによって、推定されてもよい。例えば、廃液ライン66内の圧力が、治療の過程にわたって蓄積される場合、血液フィルタ60の詰まりに由来すると仮定され得る。圧力蓄積は、例えば、実験的に、薬物除去のパーセンテージ減少と相関され得る。相関は、一実施形態では、協調論理実装器100の制御ユニット110内にルックアップテーブルとして記憶される。ここでは、協調論理実装器100が、治療の過程にわたって、増加圧力信号を廃液ライン66と連動する圧力センサから受信するにつれて、協調論理実装器100は、薬物除去の対応するパーセンテージ減少をルックアップテーブルから見出し、適宜、ブロック216において決定されたIV薬物流率および/またはIV薬物濃度のためのパーセンテージ調節を低減させる。
【0091】
方法210は、腎不全療法治療を受ける患者が、廃液流体として限外濾過の形態における流体除去を受け得るという事実に基づいて、IV薬物流率を調節する。そのような流体除去は、そうでなければ患者を治療するように意図される、1つまたはそれを上回るIV薬物の一部もまた除去することが想定される。方法210は、廃液除去に起因するIV薬物除去を調節するための2つの方法にハイライトする。しかしながら、本開示は、廃液流率(QEFF)を伴わない、IV薬物除去または希釈を補償するための他の方法も検討することを理解されたい。
【0092】
1つの代替方法では、IV薬物流率QD70、QD80、およびQD90(および/または濃度)が、代わりに、薬物が希釈前置換流体流量に関するQREP1および希釈後置換流体流量に関するQREP2によって希釈される、量に基づいて、調節される(または協調論理実装器100によって調節されることが提案される)。ここでは、IV薬物流率QD70、QD80、およびQD90は、例えば、総置換流体流率+薬物流率によって除算される、薬物流率に等しいパーセンテージだけ、増加し得る。例えば、上記からの同一例示的流率データを使用すると、QREP1が、800ml/時であって、QREP2が、800ml/時であって、QD70が、60ml/時であって、QD80が、100ml/時であってQD90が、80ml/時である場合、(i)QD70は、60ml/時/(800ml/時+800ml/時+60ml/時)または3.6%増加され、(ii)QD80は、100ml/時/(800ml/時+800ml/時+100ml/時)または5.9%増加される一方、(iii)QD90は、80ml/時/(800ml/時+800ml/時+80ml/時)または4.8%増加される。したがって、3つのIV薬物が、治療の間、希釈前および希釈後置換流体流量によって希釈されたという事実を補償するために、QD70の流率は、60ml/時から62.2ml/時まで(3.6%だけ)増加される。QD80の流率は、100ml/時から106ml/時まで(5.9%だけ)増加される。QD90の流率は、80ml/時から83.8ml/時まで(4.8%だけ)増加される。当業者は、上で説明された例示的補償以外の、置換流体流量に起因するIV薬物希釈を補償するための他の方法を決定し得、IV薬物濃度が、上で説明されたようなIV薬物希釈に起因して、代替として、または加えて、調節され得ることを理解されたい。
【0093】
公知のように、希釈前置換流体および希釈後置換流体は、CRRTまたはIHDのいずれかのために、血液濾過(「HF」)および血液濾過透析(「HDF」)治療において使用される。HFでは、透析流体流量QDIALが存在しない。HDおよびHDFは、透析流体流量QDIALを採用する。理論上、透析流体流量は、透析流体流量が、透析装置膜の外側に沿って通過され、その極小中空ファイバ細孔が透析流体が膜の血液側に進入しないように遮断するという事実に起因して、患者の全血量に追加されない。そのような場合、透析流体流率QDIALは、IV薬物流率を希釈しない。しかしながら、高束透析装置を用いると、予期されない場合でも、透析流体のあるパーセンテージが、体外回路の中に、したがって、患者の血液量の中に遊走するであろう可能性が高い。遊走の量が、十分に有意となる場合、上記に議論される1,000ml/時の例示的QDIALとは対照的に、例えば、透析流体流率がml/分に規定される、慢性HDの場合では、透析流体流量に起因するIV薬物流動希釈は、露見し得る。そのような状況では、透析流体流量に起因するIV薬物流動希釈は、希釈前置換流体および希釈後置換流体に関して上記に説明されるものと同一様式(流率および/または濃度)で補償され得る。
【0094】
透析流体流量に起因するIV薬物流動希釈を補償する際、協調論理実装器100は、透析装置の透析流体コンパートメントから透析装置の血液コンパートメントの中へ遊走する透析流体の量または流率を推定する。推定(QEST)は、透析装置膜の束または開放の量、血流率、透析流体流率、血流率と透析流体流率との間の関係、透析装置を通した血流の圧力、透析装置を通した透析流体流量の圧力、および/または血流の圧力と透析装置を通した透析流体流量との間の関係(例えば、経膜圧力)のうちの任意の1つまたはそれを上回るものを考慮し、したがって、それに起因して変動し得る。いったん協調論理実装器100が、QESTを確立すると、IV薬物流率QD70、QD80、およびQD90は、例えば、QEST+薬物流率によって除算される薬物流率に等しいパーセンテージだけ、増加(または協調論理実装器を介して、増加されるように提案)されてもよい。本明細書で議論される協調論理実装器100からの任意の提案と同様に、IV薬物流率提案は、ここでは、聴覚的に、視覚的に、または視聴覚的に、腎不全療法機械20のGUI40、協調論理実装器100のGUI120、および/または関連付けられる注入ポンプ70、80、90のGUI76、86、および96のうちの任意の1つまたはそれを上回るものにおいて提供されてもよい。
【0095】
本開示のさらなる代替側面では、IV薬物の化学製剤が、例えば、化学物質が、希釈前置換流体、希釈後置換流体、および/または透析流体の製剤と重複することに起因して、修正される。上記に議論されるように、多くの病院は、高度に正確な濃度を達成することが可能である、高度な複合システムまたはユニットを有する。したがって、特定の化学物質と腎臓療法置換流体または透析流体のものとの重複を回避するために、IV薬物の化学組成を調節することが可能性として考えられる。例えば、腎臓療法置換流体およびIV薬物流体は両方とも、リン酸塩を含有し得る。システム10は、ここでは、両方のリン酸塩用量を調べ、それらが共存し得るかどうか、またはIV薬物リン酸塩要素構成への修正が行われる必要があるかどうかを確認するように構成される。
【0096】
腎臓療法置換およびIV薬物流体治療流体の両方を、同一病院治療の間、患者に提供する場合(直接同時に、または2つの源からのリン酸塩または他の重複される成分が患者内に同時に存在するように十分にともに近接してのいずれかにおいて)、システム10の協調論理実装器100は、(i)腎臓療法置換流体およびIV薬物の両方の化学組成物を把握し、(ii)腎臓療法置換流体およびIV薬物の重複する成分または化学物質の用量または流率を識別し、組み合わせ、(iii)重複する成分または化学毎に、組み合わせられた用量または流率が最大用量または流率を超えるかどうかを決定する、または成分または化学物質の用量または流率が、IV薬物の処方箋のものを全く超えるべきではないかどうかを決定し、(iv)腎臓療法置換流体中の成分または化学物質の量が、低減または排除されるべきである場合、システム10および/または病院薬局の臨床医、医師、または他のユーザに、IV薬物がそのように修正されるように通知するように構成されることが望ましく、そのように検討される。本明細書で議論される協調論理実装器100からの任意の提案と同様に、IV薬物成分提案は、ここでは、聴覚的に、視覚的に、または視聴覚的に、腎不全療法機械20のGUI40、協調論理実装器100のGUI120、および/または関連付けられる注入ポンプ70、80、90のGUI76、86、および96のうちの任意の1つまたはそれを上回るものにおいて提供されてもよい。
【0097】
ある実施例では、患者Pのために処方されるリン酸塩の用量は、Xmg/(kg(患者の体重)×時間)であって、腎臓置換流体(QREP1+QREP2)から受容されるリン酸塩の用量は、X/3であって、患者Pが実際に受容する、リン酸塩の用量は、処方される用量を超えるべきではないと仮定する。ここでは、協調論理実装器100の制御ユニット110は、(i)患者Pのために処方されるリン酸塩の用量(Xmg/kg(患者の体重)×時間を受け取り、把握し、(ii)リン酸塩の実際の用量が処方される用量を超えるべきないことを受け取り、把握し、(iii)患者の体重(例えば、治療に先立って、計測され、直接、有線または無線で、協調論理実装器100に送達される)を受け取り、把握し、したがって、Xを決定することが可能であって、(iv)置換流体1および/または置換流体2(一方または両方が使用される)の化学成分受け取り、把握し、(v)置換流体1および/または置換流体2の処方される流率を受け取り、把握し、(vi)置換流体化学構成要素および患者Pの重量を把握した上で、置換流体1および/または置換流体2の用量を計算し、(vii)処方される用量を達成するための置換流体用量を把握した上で、IV薬物中のリン酸塩の量をオフセット(または排除)し、(viii)本明細書で議論される任意の様式において、リン酸塩の成分のオフセット量を有する、IV薬物のための更新された化学調合物を通信するようにプログラムされる。上記の実施例では、IV薬物の成分は、リン酸塩のX/3mg/(kg(患者の体重)×時間)用量を有する、置換流体1および/または置換流体2と組み合わせて送達されるとき、送達されるリン酸塩の結果として生じる用量が、処方される用量Xmg/(kg(患者の体重)×時間)であるように、リン酸塩のXmg/(kg(患者の体重)×時間)用量からリン酸塩の2X/3mg/(kg(患者の体重)×時間)用量を有するように変更される。
【0098】
協調論理実装器100の制御ユニット110は、代替として、患者Pが、リン酸塩の付加的X/3mg/(kg(患者の体重)×時間)用量を置換流体1および/または置換流体2から受容することを可能にするようにプログラムされてもよい。または、協調論理実装器100の制御ユニット110は、置換流体1および/または置換流体2からのリン酸塩の用量が、IV薬物の処方される用量のものを超えることを決定し得、その場合、協調論理実装器100の制御ユニット110は、本明細書で議論される、様式のいずれかにおいて、宛先のいずれかに、アラームまたはアラートを発生させる。置換流体を使用する上記の教示は、ある定量化可能な量の透析流体が、上記に議論されるように、体外回路の中に遊走すると仮定して、透析流体にも等しく適用される。置換流体1および/または置換流体2の成分は、例えば、置換流体が、腎不全療法機械20またはその近傍でオンラインで行われる場合、IV薬物の成分の修正の代わりに、または加えて、修正されてもよいことを理解されたい。しかしながら、多くの場合、置換流体は、事前に生成され、バッグ充填され、滅菌される場合に該当する。前の段落は、任意の重複する化学物質または成分に適用され、いかようにもリン酸塩に限定されない。
【0099】
ここで
図4を参照すると、システム10の実施形態は、上記に説明される様式で動作し、腎不全療法機械20の複数のクラスタと、その関連付けられる注入ポンプ70、80、90とを伴う、単一協調論理実装器100を示す。一実施形態では、論理実装器100は、全てのスポーク腎不全療法機械20と、全てのスポーク注入ポンプ70、80、90とのためのハブであって、これは、
図1および2の場合である。
図4は、代替実施形態を図示する。ここでは、協調論理実装器100は、そのクラスタ内のスポークCRRTまたはIHD機械20のそれぞれに対するより高レベルのハブとして図示され、CRRTまたはIHD機械20は、ひいては、その関連付けられるスポーク注入ポンプ70、80、90に対するより低レベルのハブである。協調論理実装器100は、
図4に図示されるように、EMRデータベース150と通信する。
図4の配列は、より短距離の無線通信が、提供されるとき、好ましくあり得る。ここでは、例えば、(i)治療パラメータまたは状態が、対応する腎不全療法機械20を介して、注入ポンプ70、80、90から協調論理実装器100に通信され、(ii)(自動または提案される)動作パラメータは、協調論理実装器100において決定され、腎不全療法機械20を介して、そこから注入ポンプ70、80、90に通信される。
【0100】
請求項を含む、本明細書において使用されるように、用語「および/または」は、包含的または排他的のいずれかである、接続詞である。故に、用語「および/または」は、群内の2つまたはそれを上回るものの存在を示すか、または1つの選択が代替の群からなされ得ることを示すかのいずれかである。
【0101】
本開示の多くの特徴および利点が、記載の説明から明白であり、したがって、添付の請求項は、本開示の全てのそのような特徴および利点を被覆するように意図される。さらに、多数の修正および変更が、当業者に容易に想起されるであろうため、本開示は、図示および説明されるような正確な構造および動作に限定されない。したがって、説明される実施形態は、制限的ではなく、例証的として捉えられるべきであって、本開示は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、現在または将来的に予測可能または予測不能であるかどうかにかかわらず、以下の請求項および均等物のその完全範囲によって定義されるべきである。