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特許7575469品質及び効率を向上するための流体分配システムの均衡及び分配の監視
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】品質及び効率を向上するための流体分配システムの均衡及び分配の監視
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/024 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
G01N29/024
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022550223
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021017845
(87)【国際公開番号】W WO2021167843
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】16/797,790
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522330740
【氏名又は名称】バートラック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BARTRACK, Inc.
【住所又は居所原語表記】45662 Terminal Drive, Suite 120, Sterling, VA 20166, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルソン,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】マークル,ハンター
(72)【発明者】
【氏名】ホバー,グラント
(72)【発明者】
【氏名】セスニック,ジェフリー ティ.
(72)【発明者】
【氏名】アサトン,デイビッド
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/236758(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3223439(JP,U)
【文献】特開2014-019454(JP,A)
【文献】特開2004-136898(JP,A)
【文献】特開2003-054695(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0100692(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0127017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
G01N 29/00-29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配される飲料を保管し前記分配される飲料の所望の環境特性を維持するために用いられるストレージキャビネット、加圧ガス供給源、加圧ガス調整器、加圧ガス分配ライン、飲料分配ライン、飲料容器、及び、飲料ディスペンサを含む飲料分配システムとともに用いられる方法であって、
前記飲料容器から前記飲料ディスペンサへの前記飲料分配ラインを通って流れる流体のための少なくとも1つの測定基準を識別することと、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準の基準値を識別することと、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準に基づいて前記流体の分析を実行することと、
前記分析の結果を前記基準値と比較することと、
前記基準値に対して前記少なくとも1つの測定基準に変化があったとの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ストレージキャビネットに関連する少なくとも1つの環境パラメータを監視することと、
前記飲料分配ラインを通って流れる前記流体と関連する少なくとも1つの信号品質測定基準を監視することと、
前記少なくとも1つの信号品質測定基準を分析することと併せて、前記少なくとも1つの環境パラメータを分析することと、
前記少なくとも1つの環境パラメータ及び前記少なくとも1つの信号品質測定基準に基づいて、前記流体に関する少なくとも1つの潜在的な問題を診断することと、
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの環境パラメータは、飲料分配ライン温度、飲料分配ライン圧力、飲料分配ライン流体体積流量、流体の色、流体スペクトルシグネチャ、流体溶解ガス濃度、前記ストレージキャビネット内の気圧、前記ストレージキャビネット内の湿度、前記ストレージキャビネット内の周囲温度、及び前記ストレージキャビネット内の周囲ガス濃度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つ又は複数の前記少なくとも1つの環境パラメータ、及び、1つ又は複数の前記少なくとも1つの信号品質測定基準の少なくとも1つを変更するように構成される、少なくとも1つの電気的又は機械的コンポーネントをアクティブ化すること、
を備える請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの信号品質測定基準に対する、前記少なくとも1つの信号品質測定基準の前記変化は、前記飲料分配ライン内の前記流体の流れに関する問題を示す、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの信号品質測定基準に対する、前記少なくとも1つの信号品質測定基準の前記変化を分析することと、
前記少なくとも1つの信号品質測定基準に対する、前記少なくとも1つの信号品質測定基準の前記変化を分析することに基づいて、前記流れに関する問題の原因として、前記飲料分配ラインに関する潜在的な問題をリモート又は自律的に診断することと、
を備える請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記潜在的な問題に関する情報を含むレポートを生成すること、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
分配される飲料を保管し前記分配される飲料の所望の環境特性を維持するために用いられるストレージキャビネット、加圧ガス供給源、加圧ガス調整器、加圧ガス分配ライン、飲料分配ライン、飲料容器、及び、飲料ディスペンサを含む飲料分配システムに統合される装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記飲料ディスペンサへの接続に適合するネットワークインターフェイスと、
1つ又は複数のセンサに接続されるネットワークインターフェイスと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、
を備え、
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記飲料容器から前記飲料ディスペンサまでの前記飲料分配ラインを通って流れる流体のための少なくとも1つの測定基準を識別し、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準の基準値を識別し、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準に基づいて前記流体の分析を実行し、
前記分析の結果を前記基準値と比較し、
前記基準値に対して前記少なくとも1つの測定基準に変化があったとの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行する、ように構成される、
装置。
【請求項9】
前記ストレージキャビネットに関連付けられた少なくとも1つのセンサ、
をさらに備え、
前記少なくとも1つのセンサは、前記飲料分配ラインを通って流れる前記流体を監視するように構成され、前記ストレージキャビネットは、前記飲料分配ラインを通って前記飲料ディスペンサに分配するための前記流体を含む前記飲料容器を保持するように構成され、前記少なくとも1つのセンサは、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを含み、前記第1のトランスデューサ及び前記第2のトランスデューサは、前記流体を介して前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサとの間に信号経路を確立するように配置され、
前記第1のトランスデューサは、コントローラから信号を受け取るように構成され、
前記第1のトランスデューサは、前記コントローラからの前記信号の受信に基づいて、第1の送信時間に第1の超音波信号を前記第2のトランスデューサに送信するように構成され、
前記第2のトランスデューサは、第1の受信時間に前記第1の超音波信号を受け取り、第2の送信時間に第2の超音波信号を前記第1のトランスデューサに送信するように構成され、
前記第1のトランスデューサは、第2の受信時間に前記第2の超音波信号を受け取るように構成される、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサ及び前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の送信時間、前記第1の受信時間、前記第2の送信時間、及び前記第2の受信時間のうちの1つ又は複数に関する情報を受け取り、
前記第1の送信時間と前記第1の受信時間との間の時間差として第1の経過時間を計算し、
前記第2の送信時間と前記第2の受信時間との間の時間差として第2の経過時間を計算し、
前記第1の経過時間と前記第2の経過時間に基づいて、1つ又は複数のアクションを実行する、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサは、前記流体の監視に基づいて前記少なくとも1つの測定基準を監視するように構成される、
請求項9に記載の装置。
【請求項12】
分配される飲料を保管し前記分配される飲料の所望の環境特性を維持するために用いられるストレージキャビネット、加圧ガス供給源、加圧ガス調整器、加圧ガス分配ライン、飲料分配ライン、飲料容器、及び、飲料ディスペンサを含む飲料分配システムに統合される流体分配システムであって、
プロセッサと、飲料ディスペンサへの接続に適合するネットワークインターフェイスと、1つ又は複数のセンサへの接続を介して接続されるネットワークインターフェイスと、シリアル通信用のインターフェイスと、を有するゲートウェイと、
1つ又は複数のフローセンサと、1つ又は複数の環境センサと、を有する1つ又は複数のセンサと、
を備え、
前記1つ又は複数のセンサは、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを有し、
前記第1のトランスデューサ及び前記第2のトランスデューサは、前記飲料容器から前記飲料ディスペンサまで前記飲料分配ラインを通って流れる流体を介して、前記第1のトランスデューサと前記第2のトランスデューサとの間に信号経路を確立するように配置され、
前記流体分配システムは、
記流体のための少なくとも1つの測定基準を識別し、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準の基準値を識別し、
前記流体の前記少なくとも1つの測定基準に基づいて前記流体の分析を実行し、
前記分析の結果を前記基準値と比較し、
前記基準値に対して前記少なくとも1つの測定基準に変化があったとの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行する、
流体分配システム。
【請求項13】
前記飲料分配ラインに関する潜在的な問題を診断するために診断処理を実行する、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項14】
販売時点管理データとの相関のための統合情報を提供する、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項15】
前記1つ又は複数のセンサは、前記飲料分配ラインの温度を監視するために前記飲料分配ラインの内側に配置された少なくとも1つの温度センサを含む少なくとも1つの環境センサと、前記飲料分配ラインの前記温度に関して、前記少なくとも1つの温度センサから情報を受け取るゲートウェイと、を備える、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの温度センサを読み取り、前記流体の温度が1つ又は複数の分配仕様と一致しているかどうか、又は、温度異常がシステム通知の生成と関連しているかどうかを、判断する、
請求項15に記載の流体分配システム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のセンサは、前記ストレージキャビネット内に配置される前記1つ又は複数の環境センサ、を備え、
前記少なくとも1つの測定基準は、前記ストレージキャビネット内の気圧、前記ストレージキャビネット内の湿度、前記ストレージキャビネット内の周囲温度、及び/又は、前記ストレージキャビネット内の周囲ガス濃度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項18】
前記飲料分配ラインを通る前記流体の流れを表すデータは、前記少なくとも1つの測定基準によって特徴づけられる、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項19】
前記飲料分配ラインを通る前記流体の流れを修正するために、統合情報又は他の情報に基づいて、1つ又は複数のアクションを実行する、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数のセンサは、前記飲料分配ラインを通って流れる前記流体の色を監視するように構成される少なくとも1つのセンサを、備え、
前記ゲートウェイは、前記飲料分配ラインを通って流れる前記流体の色に関して前記色を監視するように構成される前記少なくとも1つのセンサから、情報を受け取る、
請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項21】
前記第1のトランスデューサは、第1の送信時間に第1の超音波信号を前記第2のトランスデューサに送信し、
前記第2のトランスデューサは、第1の受信時間に前記第1の超音波信号を受け取り、第2の送信時間に第2の超音波信号を前記第1のトランスデューサに送信し、
前記第1のトランスデューサは、第2の受信時間に前記第2の超音波信号を受け取る、請求項12に記載の流体分配システム。
【請求項22】
前記1つ又は複数のセンサは、飲料分配ライン温度、飲料分配ライン圧力、ライン流体体積流量、流体の色、流体スペクトルシグネチャ、流体溶解ガス濃度、前記ストレージキャビネット内の気圧、前記ストレージキャビネット内の湿度、前記ストレージキャビネット内の周囲温度、及び、前記ストレージキャビネット内の周囲ガス濃度から構成されるグループから選択される少なくとも1つの環境パラメータを、測定する、
請求項12に記載の流体分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質及び効率を向上するための流体分配システムの均衡及び分配の監視に関する。
【背景技術】
【0002】
・関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月21日に出願された米国非仮特許出願第16/797,790号の利益を主張し、これを参照することにより、この内容は全体的に本明細書に組み込まれる。
【0003】
・発明の分野
本開示は、一般的に、流体分配システムの均衡及び分配を監視することに関し、より具体的には、例えば、潜在的な問題を診断し、分配流体の品質を改善し、分配プロセスの効率を改善するためのドラフト飲料システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
・背景
流体分配システムは、多くの場合、従量制で流体を分配する。流体分配システムの1つの例は、バー、レストラン等に設置されるようなドラフト飲料システムである。ドラフト飲料システムは、タップを介して、ビール、サイダー、ソーダ、ジュース等のドラフト飲料を分配するために使用してもよい。
【0005】
・簡単なまとめ
本開示のある実施形態によれば、本方法は、容器からディスペンサへのラインを通って流れる流体の少なくとも1つの測定基準を識別することを含んでいてもよい。この方法は、流体の少なくとも1つの測定基準の基準値を識別することを含んでいてもよい。この方法は、流体の少なくとも1つの測定基準に基づいて流体の分析を実行することを含んでいてもよい。この方法は、分析の結果を基準値と比較することを含んでいてもよい。この方法は、基準値に対して少なくとも1つの測定基準に変化があったことの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行することを含んでいてもよい。
【0006】
変形例として、この方法は、ストレージキャビネットに関連する少なくとも1つの環境パラメータを監視することを含んでいてもよい。変形例として、この方法は、少なくとも1つの信号品質測定基準を分析することと併せて、少なくとも1つの環境パラメータを分析することを含んでいてもよい。変形例として、この方法は、少なくとも1つの環境パラメータ、及び、少なくとも1つの信号品質測定基準に基づいて、流体に関する少なくとも1つの潜在的な問題を診断することを含んでいてもよい。
【0007】
変形例として、少なくとも1つの環境パラメータは、ライン温度、ライン圧力、ライン流体体積流量、流体の色、流体スペクトルシグネチャ、流体の脱気、流体の流量、ストレージキャビネット内の気圧、ストレージキャビネット内の湿度、ストレージキャビネット内の周囲温度、及び、ストレージキャビネット内の周囲ガス濃度のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。変形例として、この方法は、少なくとも1つの電気的又は機械的コンポーネントをアクティブ化することを含んでいてもよい。少なくとも1つの電気的又は機械的コンポーネントは、少なくとも1つの環境パラメータのうちの1つ又は複数、及び、少なくとも1つの信号品質測定基準のうちの1つ又は複数のうちの、少なくとも1つを修正するように構成される。
【0008】
変形例として、少なくとも1つの信号品質測定基準に対する少なくとも1つの信号品質測定基準の変化は、ライン内の流体の流れに関する問題を示してもよい。変形例として、この方法は、少なくとも1つの信号品質測定基準に対する少なくとも1つの信号品質測定基準の変化を分析することを含んでいてもよい。変形例として、この方法は、少なくとも1つの信号品質測定基準に対する少なくとも1つの信号品質測定基準の変化を分析することに基づいて、流体の流れに関する問題の原因として、ラインに関する潜在的な問題を遠隔的又は自律的に診断することを含んでいてもよい。変形例として、この方法は、潜在的な問題に関する情報を含むレポートを生成することを含んでいてもよい。
【0009】
本開示のある実施形態によれば、本装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含んでいてもよい。少なくとも1つのメモリ、及び、コンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、容器からディスペンサへのラインを通って流れる流体の少なくとも1つの測定基準を、この装置に少なくとも識別させるように構成されてもよい。この装置は、流体の少なくとも1つの測定基準の基準値を識別してもよい。この装置は、流体の少なくとも1つの測定基準に基づいて流体の分析を実行してもよい。この装置は、分析の結果を基準値と比較してもよい。この方法は、基準値に対して少なくとも1つの測定基準に変化があったことの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行することを含んでいてもよい。
【0010】
変形例として、この装置は、キャビネットに関連付けられた少なくとも1つのセンサを備えてもよく、少なくとも1つのセンサは、ラインを通って流れる流体を監視するように構成される。変形例として、キャビネットは、ラインを通して分配ユニットに分配するための流体を含む容器を保持するように構成してもよい。変形例として、少なくとも1つのセンサは、第1のトランスデューサ及び第2のトランスデューサを含んでいてもよい。変形例として、流体を介して第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとの間に信号経路が確立されるように、第1のトランスデューサと第2のトランスデューサは配置されてもよい。変形例として、この装置は、ゲートウェイを備えていてもよい。ゲートウェイは、ラインを通って流れる流体の監視による情報を、処理のためのゲートウェイに提供してもよい。変形例として、第1のトランスデューサは、コントローラから信号を受け取るように構成されてもよい。変形例として、第1のトランスデューサは、コントローラからの信号の受信に基づいて、第1の送信時間に第1の超音波信号を第2のトランスデューサに送信するように構成されてもよい。変形例として、第2のトランスデューサは、第1の受信時間に第1の超音波信号を受け取り、第2の送信時間に第2の超音波信号を第1のトランスデューサに送信するように構成されてもよい。変形例として、第1のトランスデューサは、第2の受信時間に第2の超音波信号を受け取るように構成されてもよい。
【0011】
変形例として、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つのプロセッサは、第1の送信時間、第1の受信時間、第2の送信時間、及び第2の受信時間のうちの1つ又は複数に関する情報を受け取るように、さらに構成されてもよい。変形例として、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つのプロセッサは、第1の送信時間と第1の受信時間との間の時間差として第1の経過時間を計算するように、さらに構成されてもよい。変形例として、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つのプロセッサは、第2の送信時間と第2の受信時間との間の時間差として第2の経過時間を計算するように、さらに構成されてもよい。変形例として、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つのプロセッサは、第1の経過時間及び第2の経過時間に基づいて1つ又は複数のアクションを実行するように、さらに構成されてもよい。変形例として、少なくとも1つのセンサは、流体の監視に基づいて少なくとも1つの測定基準を監視するように、構成されてもよい。
【0012】
本開示のある実施形態によれば、本システムは、容器からディスペンサへのラインを通って流れる流体の少なくとも1つの測定基準を識別するために、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサを備えていてもよい。このシステムは、流体の少なくとも1つの測定基準の基準値を識別してもよい。このシステムは、流体の少なくとも1つの測定基準に基づいて流体の分析を実行してもよい。このシステムは、分析の結果を参照値と比較してもよい。このシステムは、基準値に対して少なくとも1つの測定基準に変化があったことの判断に基づいて、少なくとも1つのアクションを実行してもよい。
【0013】
変形例として、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサが診断処理を実行して、ラインに関する潜在的な問題を診断してもよい。変形例として、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサは、販売時点管理データとの相関のための統合情報を、提供してもよい。変形例として、1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つの環境センサを備えていてもよい。少なくとも1つの環境センサは、ラインの温度を監視するために、ラインの内側に配置された少なくとも1つの温度センサを含む。変形例として、1つ又は複数の装置は、ラインの温度に関して、少なくとも1つの温度センサから情報を受け取る少なくとも1つのゲートウェイを、備えていてもよい。
【0014】
変形例として、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサは、少なくとも1つの温度センサを読み取ってもよい。変形例として、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサは、流体の温度が1つ又は複数の分配仕様と一致しているかどうか、又は、温度異常がシステム通知の生成と関連しているかどうかを、判断してもよい。変形例として、少なくとも1つの測定基準は、キャビネット内の気圧、キャビネット内の湿度、キャビネット内の周囲温度、及び、キャビネット内の周囲ガス濃度のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0015】
変形例として、ラインを通る流体の流れを表すデータは、少なくとも測定基準によって特徴づけられてもよい。変形例として、1つ又は複数の装置、及び、1つ又は複数のセンサは、流体の流れを修正するために、統合情報又は他の情報に基づいて、1つ又は複数のアクションを実行してもよい。変形例として、1つ又は複数のセンサは、ラインを通って流れる流体の色を監視するように構成される少なくとも1つのセンサを、備えていてもよい。変形例として、1つ又は複数の装置は、ラインを通って流れる流体の色に関して、少なくとも1つのセンサから情報を受け取ってもよい。
【0016】
本開示のある実施形態によれば、本装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含んでいてもよい。少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、本明細書に記載の1つ又は複数の動作を本装置に少なくとも実行させるように構成されていてもよい。
【0017】
本開示のある実施形態によれば、本装置は、本明細書に記載の1つ又は複数の動作を実行するように構成された回路を含んでいてもよい。
【0018】
本開示のある実施形態によれば、本装置は、本明細書で記載の1つ又は複数の動作を実行するための手段を含んでいてもよい。
【0019】
本開示のある実施形態によれば、コンピュータ読取可能媒体は、本明細書に記載の1つ又は複数の動作を実行するために格納されたプログラム命令を、含んでいてもよい。
【0020】
本開示のある実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、本明細書に記載の1つ又は複数の動作を実行するための命令をエンコードしてもよい。
【0021】
他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の態様は、一例として示され、参照番号が示す類似の要素を有する添付の図面によって、限定されるものではない。
【0023】
図1】本開示のある実施形態による、飲料監視システムの一例を示す図である。
【0024】
図2A】本開示のある実施形態による、ローカルコントローラ(ゲートウェイ)の一例を示す機能図である。
【0025】
図2B】本開示のある実施形態による、図2Aの例示的なゲートウェイの外観図である。
【0026】
図3A】本開示のある実施形態による、センサアセンブリ(例えば、飲料通知ユニット(BRU))の一例を示す機能図である。
【0027】
図3B】本開示のある実施形態による、図3Aの例示的なセンサアセンブリの外観図である。
【0028】
図4A】本開示のある実施形態による、フローセンサの一例を示す機能図である。
【0029】
図4B】本開示のある実施形態による、図4Aの例示的なフローセンサの外観図である。
【0030】
図4C】本開示のある実施形態による、図4Bの例示的なフローセンサの切断図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、任意の新規且つ有用なプロセス、機械、製造、組成物、又は、任意の新規且つ有用な改善を含むいくつかの特許分野又は特許内容の中に図示されたり記載されたりしてもよい。その結果、本開示の態様は、ハードウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにおいて、実行されてもよい。ソフトウェアとハードウェアの組み合わせは、一般的に、本明細書において、「回路」、「モジュール」、「コンポーネント」、又は「システム」として、明細書内で言及されるかもしれない。さらに、本開示の態様では、コンピュータプログラム製品の形態は、コンピュータ読取可能プログラムコードを具現化するための1つ又は複数の非一時的なコンピュータ読取可能媒体によって実現されてもよい。
【0032】
1つ又は複数の非一時的なコンピュータ読取可能媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能記憶媒体であってもよい。コンピュータ読取可能記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、又は半導体のシステム、器具、装置、又は、前述の任意の適切な組み合わせに限定されない。コンピュータ読取可能記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、リピータ付きの適切な光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDーROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は、前述の任意の適切な組み合わせを、含んでいてもよい。この明細書の内容では、コンピュータ読取可能記憶媒体は、命令実行システム、器具、又は、装置によって、又は、それらと協働して使用されるプログラムを収容又は格納できる任意の非一時的な媒体でありうる。
【0033】
コンピュータ読取可能信号媒体は、コンピュータ読取可能プログラムコードを有する伝播データ信号を含んでいてもよく、コンピュータ読取可能プログラムコードは、例えば、ベースバンドの中に、又は、搬送波の一部として、実装される。そのような伝搬信号は、様々な形態をとってもよく、電磁、光学、又はそれらの適切な組み合わせに限定されない。コンピュータ読取可能信号媒体は、コンピュータ読取可能記憶媒体ではなく、命令実行システム、器具、又は、装置によって、又は、それらと協働して使用されるプログラムを通信、伝播、又は転送できるコンピュータ読取可能媒体であってもよい。コンピュータ読取可能信号媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RF等や、前述の任意の適切な組み合わせに限定されず、適切な媒体を使用して送信されうる。
【0034】
本開示の態様の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の組み合わせで書かれてもよい。1つ又は複数のプログラミング言語は、JAVA(登録商標)、SCALA(登録商標)、SMALLTALK(登録商標)、EIFFEL(登録商標)、JADE(登録商標)、EMERALD、C++、C#、VB.NET、PYTHON(登録商標)等のオブジェクト指向プログラミング言語、Cプログラミング言語、VISUAL BASIC(登録商標)、FORTRAN(登録商標) 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAP(登録商標)のような従来の手続き型プログラミング言語、PYTHON(登録商標)、RUBY(登録商標)、Groovyのような動的プログラミング言語、又は、その他のプログラミング言語を含む。プログラムコードは、単一のコンピューティング装置上で完全に実行されてもよいし、1つのコンピューティング装置(例えば、ローカルコンピューティング装置)上で部分的に実行され、別のコンピューティング装置上(例えば、データセンタ又はクラウドコンピューティング装置のサーバのようなリモートコンピューティング装置上)で実行されてもよいし、リモートコンピューティング装置上で完全に実行されてもよい。複数のコンピューティング装置の場合、コンピューティング装置は、有線及び/又は無線接続を含む任意のタイプのネットワークを介して、互いに接続されてもよい。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネット、イントラネット、モバイルネットワーク(例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))による、3Gネットワーク、4Gネットワーク、又は、5Gネットワーク)、又は、その他のネットワークを、含む。
【0035】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(例えば、システム)、及び、コンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図における各ブロック、及び、フローチャート図及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実現されてもよい。コンピューティング装置のプロセッサを介して実行される命令によってコンピューティング装置が、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムブロックに示された動作を実行するように、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピューティング装置のプロセッサ、又は、他のプログラム可能なデータ処理装置に提供されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の1つ又は複数の装置及び/又は1つ又は複数のセンサを制御してもよい。
【0036】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、非一時的なコンピュータ読取可能媒体に格納されてもよく、実行時には、非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は、特定の方法で機能する他の装置に命令を指示してもよい。非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータプログラム命令の格納状態で、コンピュータが、実行時に、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムブロックに示された動作を実行する命令を含む製品を、生成してもよい。また、コンピュータプログラム命令は、一連の動作を、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他の装置上で実行させるために、コンピュータ、他のプログラム可能な命令実行装置、又は他の装置に、ロードされてもよい。これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロックダイアグラムブロックに示された動作を実行するプロセスを、提供する。
【0037】
本開示のある実施形態は、例えば、分配流体の分配品質を改善し、無駄及び/又はこぼれを低減し、フローデータとある時点のセールデータとの相関によって盗難及び無駄のような分配問題を識別し低減し、分析用のデータを収集するために、ドラフトビールを注ぐような分配ユニットへの流体を監視してもよい。これにより、他の事業運営判定基準の効率が改善される。例えば、ビール製造業者は、意図した量の炭酸ガス及び泡を含むビールを製造する。本明細書に記載されたある実施形態は、飲料分配ライン及びその中の流れ(例えば、空気、二酸化炭素、窒素、又は酸素の存在及び量)の特性、例えば、そのライン内のその飲料の体積流量、そのライン内のその飲料の温度、その飲料ラインの清浄度、そのライン内の望ましくない物質の存在(例:ビール石、酵母、カビ、バクテリア)、流体の脱気、流体の粘性、流体の密度、流体の温度等を特徴づけるために、様々なセンサ技術(例えば、光学、電磁気、超音波)のいずれかを用いてもよい。本明細書に記載のある実施形態は、フィードバック及び警告を提供することによって飲料の分配品質を改善するために、他のセンサから収集された他の測定値(例えば、環境センサからの温度、湿度、又は圧力等のような環境条件の測定値)とともに、上記の特性を用いてもよい。この情報を使用して、ある実施形態は、泡が多すぎるかどうか等の飲料の注ぎに関する品質問題を識別し、クーラー内の温度又は飲料ライン内の圧力等の品質問題の潜在的な原因を判断してもよい。ある実施形態では、光センサ及び/又は光センサ等のセンサは、ほこり、花粉、ガラス、汚れ、金属の削りくず、及び流体内の他の不純物等のような粒子状物質を、検出及び/又は識別するように構成されてもよい。一例として、粒子状物質は、センサの読み出しからの粒子状物質のサイズに基づいて、検出及び/又は識別してもよい。追加例又は代替例として、センサは、特定の流体で動作するように調整されてもよい。例えば、センサは、所定の色、炭酸化レベル、粘度、比重、比容積、比重、pH、及び他の流体特性に従って調整されてもよい。流体のキャリブレーションに加えて、ラインの色やバーの明るさ等の特定の環境要因のキャリブレーションによって、センサの機能が改善されてもよい。
【0038】
また、ある実施形態は、ガス調整及び混合システム等の分配システム要素と統合することによって、システム平衡を改善及び維持してもよい。さらに、ある実施形態は、飲料の量(例えば、注がれたが売れなかった量)の盗難、及び、不適切な注ぎ方(例えば、無駄)を検出し、どの飲料が、最高の収益又は利益をもたらすか、又は、特定の状況又は時間枠で品質を判断されるのか等の事業運営を評価するために、センサで監視された流れ及び環境データを、ある時点のセール情報と相関させてもよい。このように、ある実施形態は、その販売が事業運営判定基準を改善する可能性がある飲料を識別することによって、事業運営を改善してもよい。
【0039】
ビールを分配するドラフト飲料システムの一例において、本開示の実施形態は、ビールが樽からタップまで移動するときのビールの流量を測定するために、超音波トランスデューサを使用してもよい。超音波トランスデューサを使用することによって、従来のタービン流量計に関する欠点や、流量を測定及び監視するためのより高価又は精度の低い方法に関する欠点が、回避されうる。タービン流量計を使用することの欠点には、その機械的性質、例えば、摩耗や故障の対象となる可動部品、摩耗や機械的特性の変化に基づく定期的な再調整の必要性、及び、測定された流体において溶解ガス濃度が低下する傾向性(すなわちガス抜け)が含まれる。また、流体用に設計されたタービン流量計は、一般的に、部分的又は完全に空のラインには適さず、しばしば誤った測定値を生成し、そのような場合にダメージを受ける可能性がある。電磁流量測定は相対的に高価であり、コイン電池だけで動作させることができる超音波センサより、多くの電力を使用する。
【0040】
本明細書に記載されるある実施形態は、測定された流体が流れるフローセンサを含んでいてもよい。それは、非侵入型の測定は可能であるが、測定に影響を与える関連工学特性(材料に依存する音速、又は、形状に依存する断面積等)は、通常、時間と場所によって変化し、関連測定の精度に影響を与えるため、一般的に劣っている。例えば、ドラフト飲料の分配に用いられる通常のラインは、柔軟性があり、通常の非侵入型クランプオンメーターを使用すると、曲がったり、圧縮したり、変形したりする。そのような特性に対して、一貫して、品質管理され、調整された環境は、流体が流れるセンサによって提供され、より正確な測定をもたらす。
【0041】
ある実施形態は、ドラフト飲料システム(例えば、タップを介してクーラー内に貯蔵された樽から分配される炭酸ビール)を参照して、説明される。ある実施形態は、ニトロ注入コーヒー、炭酸ソーダ、又は製造プロセスに使用される水等のような、任意の炭酸飲料、非炭酸飲料、又は、非飲料流体の分配に適用可能であり、これらに対して、温度、圧力、流量、又は本明細書で説明する他の測定の監視を実行してもよい。本開示に記載されるある実施形態は、実施形態の一例として提供されるにすぎない。当業者は、本明細書の例を逸脱しない範囲において、実施形態が、本明細書に記載されたものだけでなく、その他の多数の実施形態を含むことを理解し、その他の多数の実施形態にも適用可能であることを容易に理解できるはずである。
【0042】
図1は、本開示のある実施形態による例示的な飲料監視システムの図を示す。例えば、図1は、システム100内において、ドラフト飲料システムを使用して平衡及び分配を監視するための飲料監視システムを、示す。システム100は、設置場所102(例えば、バー又はレストラン)、分配される飲料の望ましい環境特性(例えば、温度、圧力)を維持するために使用される環境制御キャビネット104(例えば、クーラー、冷蔵庫)、及び、様々な分配要素を、含んでいてもよい。様々な分配要素は、加圧ガス供給源106、加圧ガス調整器108、加圧ガス分配ライン110、飲料分配ライン111、飲料容器112(例えば、樽、樽等)、及び飲料ディスペンサ114(例:タップ)を含む。本明細書で説明される動作を実行する飲料監視システムは、システム100に対してローカルな1つ又は複数の構成要素、又は、システム100から離れた1つ又は複数の構成要素を、含んでいてもよい。例えば、飲料監視システムは、設置場所102に設置されるゲートウェイ200と、飲料ディスペンサ114、加圧ガス調整器108、及びセンサアセンブリ300のそれぞれとのデータコネクション113、115、117とを、含んでいてもよい。ゲートウェイ200は、ネットワーク116を介して、オフサイトの構成要素118(例えば、サーバ装置)に接続されてもよい。飲料監視システム及び/又は装置の動作、又は、その構成要素の動作は、以下にて、より詳細に説明される。
【0043】
上述したように、図1は一例として提供される。他の実施形態も、以下の実施形態に応じて実現可能である。
【0044】
図2Aは、本開示のある実施形態による例示的なローカルコントローラ(ゲートウェイ)の機能図を示す。例えば、図2Aは、図1において説明した飲料監視のゲートウェイ200を示す。ある実施形態では、ゲートウェイ200は、タップからの分配中に飲料の環境測定基準及び流量測定基準を監視及び収集するために、使用されてもよい。ゲートウェイ200は、様々な装置間のルータとして機能し、設置場所102に配置された装置、及び、オフサイト(例えばオフサイトコンポーネント118)の間のゲートウェイとして機能してもよい。ゲートウェイ200は、ドラフト飲料システムに接続される。例えば、ビールの樽は冷却器に貯蔵され、ビールは、樽からタップへとラインを通って流れた後、タップから注がれる。ゲートウェイ200は、プロセッサ201、コネクション113を介してディスペンサ114(例えば、タップ)に接続されたネットワークインターフェース202と、コネクション117を介してセンサアセンブリ300に接続されたネットワークインターフェース204と、ディスクジョッキー(DJ)、又は、設置場所102の他のオーディオ/ビジュアルブースに接続されたオーディオ/ビジュアル制御ネットワークインターフェース206と、シリアル通信用のインターフェイス208と、イーサネットネットワークインターフェイス210とを、含んでいてもよい。
【0045】
ゲートウェイネットワークインターフェース202、204、206、及び210は、パケット待ち時間を短縮するために、別々に制御及びシグナリングされてもよい。ゲートウェイ200は、上記の3つのネットワークインターフェース間のルータとして機能してもよい。ゲートウェイ200は、ネットワークインターフェース204を介してセンサネットワークからデータを受け取り、そのデータを処理して注ぎが開始されたことを判断し、その後、その情報をネットワークインターフェース202を介してタップネットワークに送信してもよい。これにより、タップ114が注がれた量を視覚的に示すことができ、ある実施形態では、選択された量が注がれると、タップ114を自動的に閉じることができる。ゲートウェイは、有線イーサネット又は無線イーサネット(Wi-Fi)が利用できないか、有線イーサネット又は無線イーサネット(Wi-Fi)が望まれていない場合に、セルラーネットワークモデム等の代替通信インターフェイスを実装していてもよい。
【0046】
ゲートウェイ200がタップネットワークインターフェース202を介して各タップと通信しても、各タップ114が互いにデイジーチェーン接続してもよい。各タップ114は、外部から電力を供給されてもよい。ゲートウェイ200は、どのタップ114が注入を要求しているかを認識し、タップ内のバルブを制御するために用いられるリアルタイムの低遅延データをタップ114が有するように関連流量測定パケットに優先順位を付けてもよい。例えば、15個のタップ114のうち3個がアクティブにビールを注いでいる場合、それらのトラフィックストリームはデータよりも優先されてもよい(使用されていないタップ114の他のデータをキャッシュしながら、センサネットワークから、3つのアクティブなタップのタップネットワークに、トラフィックをブリッジするだけでよい)。データの遅延が、注がれたビールの量に関する不確実性やエラーを生み出す可能性があるので、この構成は様々な利点を提供する。遅延の短縮によって、注入不確実性又はエラーが結果的に低減する可能性がある。これの実例として、流量測定値の収集と、タップ114の弁を制御するためのタップ114へのそれらの測定値の配信との間の遅延時間の増加は、飲料の注ぎ過ぎを増加させる可能性がある。結果として、ある実施形態のゲートウェイ200は、無駄を減少させ、注ぎ過ぎの結果として生じるであろうコストを節約することができる。
【0047】
オーディオ/ビジュアルネットワークインターフェース206は、照明制御システムをドラフトビールタップ114に同期させたり、他の特殊効果又はオーディオ/ビジュアル効果を調整したりするために、使用されてもよい。例えば、ゲートウェイ200は、特定のタップ114が使用されているときに、照明装置を作動させたり音楽を再生させたりするためのデータを、提供してもよい。追加又は代替として、本明細書の他の箇所で説明されているように、ある問題が飲料監視システムによって検出されたときに、このネットワークインターフェースは、光又は音によるアラームを起動するために使用されてもよい。図2Bは、本開示のある実施形態による図2Aの例示的なゲートウェイ例の外観図を示す。
【0048】
上述したように、図2A及び2Bは単に一例として提供される。他の実施形態も、以下の実施形態に応じて実現可能である。
【0049】
図3Aは、本開示のある実施形態による例示的なセンサアセンブリ(例えば、飲料通知ユニット(BRU))の機能図を示す。例えば、図3Aは、飲料監視システムのセンサアセンブリ300の図を示す。センサアセンブリ300は、センサを収容し、さらなる処理のために、ローカルに収集されたデータをゲートウェイ200に提供してもよい。センサアセンブリ300は、プロセッサ301、センサネットワークインターフェース204(例えば、ゲートウェイ200に向かう上流側に接続するためのもの、次のデイジーチェーン接続されたセンサアセンブリ300が存在する場合に、このセンサアセンブリ300に向かう下流側に接続するためのもの)、1つ又は複数のフローセンサ400、及び、1つ又は複数の環境センサ500を、含んでいてもよい。図3Aは、2つのフローセンサを示しているが、測定される飲料ラインの数に応じて、任意の適切な数のフローセンサが用いられてもよい。例えば、バーは、8つのタップ(8つのライン)を有していてもよい。この場合、センサアセンブリ300は、8つのフローセンサ400を含んでいてもよい。追加のフローセンサ400又はセンサ位置に対応するために、センサアセンブリ300は、適切なセンサネットワークインターフェース204(例えば、上流又は下流)を介して、1つ以上の他のセンサアセンブリ300に接続されてもよい。フローセンサ400の数は、明確に測定される流体ラインの数に対応し、典型的にはタップ又は分配ユニットの数に対応するがラインスプリッタを伴うより複雑な構成を伴っていてもよい。ある実施形態は、タップ又は分配ユニットごとに1つのセンサ400を含んでいてもよい。図3Bは、本開示のある実施形態による図3Aの例示的なセンサアセンブリの外観図である。
【0050】
上で説明したように、図3A及び3Bは、単に一例して提供される。他の実施形態も、以下の実施形態に応じて実現可能である。
【0051】
図4Aは、本開示のある実施形態による例示的なフローセンサの機能図を示す。例えば、図4Aは、フローセンサ400の図を示す。フローセンサ400は、プロセッサ401、超音波フロントエンドプロセッサ402、2つの超音波トランスデューサ404、及び温度センサ406を含んでいてもよい。超音波フロントエンドプロセッサ402は、フローパルスインターフェースを介して、プロセッサ401と通信してもよい。代替実施形態としては、超音波フロントエンドプロセッサ402は、シリアルデータ通信、及び/又は、パルス幅変調(PWM)、もしくは、これらの方法の任意の組み合わせを介して、プロセッサ401と通信してもよい。流量のPWMは、単純なパルスフローインターフェースよりも高い分解能、且つ、低い遅延で、フローデータを送信できる可能性がある。シリアルデータインターフェイスは、単純なパルスフロー又はPWMインターフェイスよりもはるかに高速で、どちらよりも低い遅延で、フローやその他の測定データを送信できる可能性がある。
【0052】
以下でより詳細に説明するように、一例としての実施形態では、フローセンサ400は、2つの超音波トランスデューサ404を含み、分配される飲料の流量を測定するためにフライト機構の時間を用いてもよい。超音波フロントエンドプロセッサ402によって、超音波信号が流体420を通って送信されてもよい。超音波信号は、1つの超音波トランスデューサ404から他方の超音波トランスデューサ404に、一方向に既知の長さ440の信号経路に沿って既知の公称速度で、チャネル450を通って移動し、反対方向に再び送り返される。信号が流れに沿って移動するか、流れに逆らって移動するかによって、信号の測定速度が流速によって公称速度から増加又は減少するので、各方向の信号移動時間の差は、流体の流速に直接的に相関しうる。特定の例示的な実施形態は、流体中の公称音速において、異なる温度、異なるアルコール濃度、又は異なる組成(スペクトルシグネチャによって特徴づけられるような組成)の影響を補正として組み込んでもよい。
【0053】
図4Bは、本開示のある実施形態による図4Aの例示的なフローセンサ400の外観図を示す。図4Cは、超音波信号経路を強調するために、本開示のある実施形態による図4Bの例示的なフローセンサ400の断面図を示す。図4Cに示されるように、第1の超音波トランスデューサ404及び第2の超音波トランスデューサ404は、監視流体を通して両者の間で信号経路を確立するために、互いが配置されてもよい。信号経路(すなわち、トランスデューサマウント410、流体チャネル450の壁、監視流体420)によって横断される構成要素の材料特性を考慮して、第1の超音波トランスデューサ404及び第2の超音波トランスデューサ404は、100kHzから5MHzの範囲で動作するピエゾトランスデューサであってもよい。ある実施形態では、センサは、タップの内部又は分配ユニットそのもの内部に配置してもよい。
【0054】
本開示の超音波トランスデューサ404は、流量を測定し、通常の動作条件下でベースライン信号品質測定基準を提供してもよい。例えば、チャネル450が、ビール又は他の流体420で満たされているか実質的に満たされている場合、このトランスデューサはベースライン信号強度を提供してもよい。その信号強度が減少した際には、その減少は、ライン内の空気又は他のガスの量を判断するために用いることができる。この判断は、システムが不均衡になったかもしれないこと、取り付けられた樽が空になったかもしれないこと、又は、ラインに漏れや供給ガスに他の問題があったかもしれないことを、バー店員に通知するために用いられてもよい。例えば、飲料監視システムは、この判断を実行し、販売時点管理システム又は別のコンピューティング装置に通知を出力し、アラームをトリガーしたりライトを作動させたりしてもよい。他のセンサデータポイントに基づいて、飲料監視システムは不均衡状態の原因を判断してもよい。例えば、検出された温度及び流量が仕様どおりであり、検出されたキャビネット内の周囲圧力が低い場合、システムが加圧されてもよい。別の一例として、検出された温度が仕様よりも高い場合、環境制御(サーモスタット等)が温度を下げるために用いられ、温度が仕様に達するまでシステムが減圧されてもよい。本開示は、信号強度又は品質の低下(例えば、気泡を示す)と、信号の完全な損失又は所定の閾値を下回る信号の劣化(例えば、ラインが空であることを示す)との間で、区別してもよい。ある実施形態では、飲料監視システムは、いつ樽等の容器が空になるのかを判断してもよい。例えば、飲料監視システムは、ライン内のガスの閾値量、樽のサイズ等を検出することによって、樽が空であることを判断してもよい。様々な実施形態において、飲料監視システムは、いつラインが洗浄されているかを判断してもよい。例えば、飲料監視システムは、ライン内の特定の流れパターン及び/又は流体組成に基づいて、ラインが洗浄されていることを判断してもよい。また、ある実施形態では、飲料監視システムは、供給場所で容器及び/又はボトルの充填を監視してもよい。ある実施形態によれば、飲料監視システムは、流体中の化学物質を特定の濃度にするために、1つ又は複数の化学物質を流体に投与してもよい。
【0055】
フローセンサ400は、温度センサ406を使用して、注入時に注入の品質に影響を与えるライン温度を、監視してもよい。例えば、バーはビールの樽をクーラーに保管し、樽内のビールの温度と、飲料ラインが配置されるクーラーの周囲温度との間に熱平衡が存在するかもしれない。ビールが流れ始めると、ライン内の温度は、クーラーの周囲温度と比較して、安定させる必要がある。別の一例として、ビール樽は、周囲温度がクーラーの周囲温度よりも高い屋外に保管されるかもしれない。樽がクーラーに置かれ、樽内のビールがクーラー及びラインの周囲温度に冷却される前にビールがラインを流れ始めた場合、この流れの始まりに、ラインの温度はクーラー内のビールの温度に向かって上昇する。
【0056】
ある実施形態では、温度センサ406は、半導体温度センサ、熱電対、非接触赤外線センサ、又は、接着剤又は任意の他の適切な取り付け機構を使用してセンサパイプの内側又は外側に固定された同様の装置であってもよい。温度センサ406によって監視されるデータは、フローセンサ400からのフローデータと同時に収集されてもよく、最初にセンサアセンブリ300によって収集され次にゲートウェイ200に転送されてもよい。その後、それらのデータは、保管及びさらなる分析のためにオフサイトコンポーネント118に報告されてもよい。さらに、フローセンサ400は、照明源、光センサ、色センサ、マルチチャネルスペクトルセンサ、又は、飲料の色及び/又は飲料のスペクトルシグネチャの様々な側面を監視したり、ラインを通過する空気又は他のガスを特定したりするためのレーザーの任意の組み合わせを内蔵していてもよい。例えば、照明源は、飲料がラインを通って流れているときに飲料を照らし、光センサ、色センサ、マルチチャネルスペクトルセンサ、レーザー等は、流れている飲料(例えば、樽の交換)、ベースラインと比較したラインの清浄度、ビールストーンの存在、存在するガス等の変化を判断するために、色を分析してもよい。ある実施形態では、センサを通過する飲料の特性をさらに分析するために、これらの同じセンサを使用して能動的又は受動的なスペクトル技術が適用される。例えば、フローセンサ400は、飲料中の汚染物質を分析したり飲料の組成を評価したりするスペクトル技術を、利用してもよい。ある実施形態では、流体の追加の特性、例えば密度を収集し、アルコールパーセンテージの導出等の追加分析を実行する音響センサを導入することができる。他の実施形態では、分配される特定の流体に対する特定の調整パラメータを自動的に代えるために、スペクトル分析技術(他の流体の事前に測定された既知のスペクトルシグネチャとの比較又は推論に基づいて)を使用して、センサを通過する流体を特徴づけることができる。また、樽の実際の内容が予想される樽の内容と異なる可能性があること(例えば、システムがラガーを予想しているときにスタウトビールをタップしようとしていること等)を、警告することができる。
【0057】
センサアセンブリ300は、1つ以上の環境センサ500を含んでいてもよい。環境センサ500は、(例えば、従業員の安全を促進し、重大なガス漏れが発生した場合の窒息を防止するため)、冷却器の気圧、湿度、又は周囲温度だけでなく、酸素、窒素、二酸化炭素、又は他の周囲ガス濃度も、測定及び監視してもよい。例えば、環境センサは、検出された周囲ガスに基づいて、さまざまな方法(例えば、クーラーでアラームをトリガーする、モーターを作動させてクーラーの通気口を開く、ファンをトリガーしてオンにする等)で、従業員の安全を促進することができる。気圧に基づいて、システムは、(例えば、1つ又は複数の機械部品に命令を送ることによって)、生ビールシステムのバランスを適切にとるために必要なガス加圧調整を計算したり、飲料中の溶存ガスの所望の量を維持するために必要なガス加圧調整を計算したり、ガス加圧調整の実行に必要な1つ又は複数の機械部品の調整量を判断したり、ガス加圧調整の実行するために1つ又は複数の機械部品の作動をトリガーしたりしてもよい。ある実施形態では、加圧ガス調整器108は、コネクション115、及び、制御ネットワークインターフェース(ゲートウェイ200に関して図示せず)を介して、ゲートウェイに接続され、遠隔操作されてもよい。例えば、技術者がガス圧を物理的に調整する必要がなく、飲料ラインのガス圧が遠隔で調整され、飲料分配の性能と品質が向上する。
【0058】
この情報は、温度センサからのデータと組み合わせて用いてもよい。例えば、飲料監視システムは、大量の泡(例えば廃棄物)の原因になる、冷却器内に結露又は異常な水分レベルがあるかどうか(例えば、制御されていない大気が冷却器の穴又は開いたドアを通って冷却器に達しているかどうか)、又は、冷却器の温度とビールの温度の間に差があるかどうか(例えば、ビールが冷却器で熱平衡に達するまで十分に冷却されていない)を、判断してもよい。別の一例として、飲料監視システムは、樽は60パイントで満杯であると判断し、販売時点管理システムへのアクセス結果として、樽が空になるまでにはビールが50パイントしか売り上げられていないと判断することがある。フローセンサ、温度センサ、及び環境センサからのデータを使用して、飲料監視システムは、泡立ったビールであるかどうかを分析及び判断し、将来の無駄を防ぐために、この情報を(例えば、マネージャー又はバーテンダーに関連付けられている)コンピュータに出力してもよい。また、追加又は代替として、飲料監視システムは、類似条件の発生を監視し、アラームをトリガーしたり、以前に廃棄につながった環境条件が再び存在することを示す警告を出力したりしてもよい。ある実施形態では、飲料監視システムは、無駄(例えば、クーラー又は他の部屋の温度又は湿度の上昇/低下)を防止するために必要な流量、温度、又は環境要因に対する変更を決定し、この情報を出力したり、これらの測定値を調整するために1つ又は複数のフロー分配装置又は環境制御装置をアクティブにしたりしてもよい。例えば、飲料監視システムは、空調ユニット又はヒーターをオン/オフし(さもなければ、サーモスタットを調節し)、加湿器又は除湿器をオン/オフし、及び/又は同様のものをオン/オフしてもよい。
【0059】
あるいは、フローセンサ、温度センサ、及び環境センサからのデータの分析により、泡やその他の廃棄物が発生しない条件であると判断された場合、飲料監視システムは、誰かが課金せずにビールを注いでいるか、間違った方法でビールを注いでいると判断する場合がある。この情報は、(バーのマネージャー等の)コンピュータに出力される。このようにして、ある実施形態は、盗難及び浪費の検出及び防止を容易にする。
【0060】
他の一例として、制御はセンサに組み込まれる可能性がある。例えば、ライン内の液体の温度を測定する温度センサは、流体が流れている冷却器の温度を制御する機能を備えていたり、ライン内の液体の温度を調整する別の制御機構を備えたりしてもよい。1つ又は複数のセンサと協働するコントローラを含めることで、システムパラメータ(例えば、ラインの長さ、ラインドロップ、分配される飲料、本明細書で説明されるその他の要因)、異常やその他の変化を検出するセンサによって特定される環境条件又はその他の条件(例えば、温度変化、異常な流れに寄与する気圧変動を生み出す気象パターンの変化)に基づいて、自律的にバランスの取れたドラフトシステムが提供され、システムの動作条件を自動的かつ自律的に修正又は改善するための調整が行われてもよい。
【0061】
また、ある実施形態によって他のアクションが可能である。例えば、本明細書に記載のシステムは、データを分析した結果に関する情報を含むレポート、流体の流れの問題の原因を特定するレポート、流体の分配を予測するレポート、及び純利益を比較するレポート等を、生成してもよい。具体的な例として、レポートは、樽ごとの効率又は他の樽ごとの測定基準、樽の予想残存寿命、特定の樽及び/又はラインに漏れが生じていること等を、特定してもよい。
【0062】
上述のように、ある実施形態は、ビールライン(又は他の適切な流体ライン又は飲料ライン)ごとに、1つのセンサを使用してもよい。生ビールシステムを備えたバーやレストランは、ビジネスのニーズに応じて、タップがいくつあってもかまわない。ある実施形態は、設置プロセスを合理化しコストを削減するために、センサアセンブリ300内にいくつかのフローセンサを一緒に配置し、センサネットワークインターフェース204を介してセンサアセンブリを一緒にネットワーク化してもよい。例えば、センサアセンブリ300は、第1の飲料冷却器に設置してもよい。図3Bに示すように、センサアセンブリ300は、例示的な実施形態において2つのフローセンサを含んでいてもよい。第2の飲料冷却器は、設置場所102の飲料冷却器のそれぞれに対して、別のセンサアセンブリ等を含んでいてもよい。センサアセンブリ300は、互いに通信するためにセンサネットワークインターフェース204を介して一緒にデイジーチェーン接続されてもよい(又は、通信を可能にする任意の他の適切なメカニズムを介して接続されてもよい)。センサアセンブリ300からの最後の接続は、ゲートウェイ200に接続してもよい。センサアセンブリ300のこのネットワークは、センサアセンブリ300の通信及びデータ収集のために、ネットワーキングプロトコルを使用してもよい。これは、ゲートウェイ200への低遅延通信用に設計される。
【0063】
ゲートウェイ200は、センサネットワークデータのためのプロトコル変換器として機能し、ネットワーク116を介してオフサイトリソース118に接続されてもよい。ゲートウェイ200は、1つ又は複数のセンサアセンブリ300に問い合わせたり(プル)、1つ又は複数のセンサアセンブリ300がオプションでゲートウェイ200に直接的に報告してもよい(「プッシュ」)。センサアセンブリ300は、そのフローセンサ及び環境センサからのデータを提供してもよい。次いで、ゲートウェイ200は、アルゴリズムを使用してデータを統合及び処理し、フローの開始及び停止を見つけること(例えば、フローが閾値流量を超えるときにフローの開始が決定されること、フローが閾値流量を下回るときにフローの停止が決定されること)を含めて、データを分析してもよい。ゲートウェイ200は、このデータを保有のためにオフサイトリソース118に送信してもよい。その処理は、フロー及び環境データを販売時点管理システムデータと相関させ、センサデータやその他の情報(例えば、バーが提供する営業時間や、スケジュールされた/アクティブなクリーニング手順等)に基づいて、フローが所定の閾値流量を満たしているかどうかに基づいて、フロー(例えば、飲料分配、漏出、システムクリーニング等)を特徴づける。したがって、ある実施形態によって企図されるデータの流れは、ビールが注がれるタップに流れる際のビールの流れ及び関連する環境条件を監視及び測定するセンサを、含んでいてもよい。それらのセンサは、そのデータをセンサアセンブリ300に提供してもよい。センサアセンブリ300は、そのデータをゲートウェイ200に報告し、ゲートウェイ200は、そのデータをネットワーク116を介してオフサイトリソース118に提供してもよい。
【0064】
ゲートウェイ200は、データを要求するために、(例えば、定期的に、スケジュールに従って又は継続的に)センサネットワークインターフェース204をポーリングし、センサアセンブリ300から、フロー(例えば、最後のパケット以降のミリリットル単位のフロー)及び環境データを表すパケットを、受け取ってもよい。このデータを使用して、ゲートウェイ200は、流体の流れが発生しているかどうかを判断するための処理を実行してもよい(例えば、注ぎ、漏れ、ライン洗浄等の異なるタイプの流れが、流量が1つ又は複数の予め決定された閾値を満たすかどうかに基づいて、を識別してもよい)。ゲートウェイ200は、(例えば、ストリーミング方式で)フローを常に監視してもよい。ゲートウェイ200は、流量に渡って導関数を実行してもよい。ゲートウェイ200は、ある閾値(例えば、所定の又は動的に決定された閾値)に対して急激な上昇を検出すると、流出の終わりを検出するまでデータの蓄積を開始してもよい。このようにして、関連データの蓄積は、オフサイトリソース118、例えば、保管及び/又はさらなる分析のためのクラウドリソースに送信されてもよい。ある実施形態では、蓄積されたデータはゲートウェイ200に格納されてもよい。
【0065】
診断処理は、ゲートウェイ200又はオフサイトリソース118上のデータに対して実行することができる。例えば、ある実施形態の飲料監視システムは、企業の場所102の人がサービスコールを行う必要なく、潜在的な問題(例えば、システムの過圧、クーラー温度の異常)を遠隔で診断し、例えば、飲料監視システムは、圧力システムの不均衡が原因でビールが無駄になっていること、より低い温度が維持されていないこと等を、遠隔で診断してもよい。
【0066】
時には、センサ内の動作ファームウェア又はキャリブレーションパラメータ、又はさまざまな他のセンサ通信インターフェイスを含むキャビネットコントローラ回路を更新することが必要になる場合があるかもしれない。ファームウェアをリモートで更新する必要がある場合は、「ブートローダー」が、飲料センサ自体、及び/又は、特定の更新コマンドと共に「アプリケーション」ファームウェアペイロードを受け取ることができるものと通信するセンサキャビネットコントローラ内に、実装されてもよい。このようにして、物理的なユーザーの介入なしに、さまざまなバグ修正又は機能強化を展開してもよい。キャリブレーション係数をリモートで更新する必要がある場合、より多くのデータが収集及び分析され時間の経過とともにセンサのパフォーマンスとキャリブレーションを継続的に向上するために、ブートローダー又はアプリケーションファームウェアは、更新された係数を処理してローカルの不揮発性メモリに保存してもよい。動的に更新される調整係数は、温度センサ、マルチチャネルスペクトルセンサ、又はフローセンサ等を、より線形的な応答及び/又はより正確な応答に導く。
【0067】
樽内のビールの温度及びクーラー内の周囲温度に関する上記の熱平衡に加えて、圧力平衡は、ビールの分配に関する問題を特定及び/又は診断する際の要因となるかもしれない。例えば、ライン圧力は、ビールラインの長さと直径、ビールラインの材質、調整されたガス圧、飲料の粘度、ビールの流量等の複数の変数を持つ関数である。生ビールシステムは、毎分1ガロンのような所定の流量でラインごとに均等化してもよい。ラインの長さの違いや気圧の違いは、流量に影響を与え、設定された所定の流量から流量を変化させる場合がある。また、ガス抜きは、低圧、高圧、又は高温によって、引き起こされる可能性がある。分析のためにゲートウェイ200又はオフサイトリソース118内のフローセンサデータ及び環境センサデータ(例えば、温度)を統合することによって、遠隔で問題を診断し、統合されたデータから根本的な問題を特定できることによって潜在的な問題を早期に診断するために、飲料監視システムは、様々なタイプのデータの分析と、ファクターが最適なビールフローにどのように影響しているかの分析とを、実行してもよい。
【0068】
上記の説明から明らかなように、ある例示的な実施形態は、既存の技術プロセスに対するいくつかの技術的改良、強化、及び/又は利点を提供する。例えば、例示的な実施形態の1つの利点は、ドラフト飲料等の流体の分配の品質及び効率の改善、及び、分配に関連する廃棄物の低減である。したがって、例示的な実施形態の使用は、流体分配システムの改善された機能をもたらし、とりわけ、流体分配を監視する技術分野に対する改善を構成する。
【0069】
本開示の例示的な実施形態は、互いに物理的に分離された、様々な構成要素、例えば、ゲートウェイ、センサアセンブリ、及びディスペンサから、構成されてもよい。ある実施形態では、これらの1つ又は複数のコンポーネントを単一のコンポーネントに統合することができる。例えば、ゲートウェイ及びセンサアセンブリを、1つのコンポーネントに統合し、上記の各コンポーネントに関して説明した動作と組み合わせて提供してもよい。
【0070】
本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを説明するためのものであり、開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える」及び/又は「含む」という用語は、記載された特徴である、完全体、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を、特定するためのものであるが、1つ又は複数の他の特徴である、完全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在及び追加を排除するものではない。
【0071】
以下の特許請求の範囲における対応する構造、材料、行為、及び手段又はステッププラス機能要素の同等物は、具体的に請求された他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための開示された構造、材料、又は行為を含む。本開示の説明は、例示及び説明のために示されたが、網羅的であること、又は開示された形態の開示に限定されない。当業者には、本開示の範囲及び本質から逸脱することなく、多くの修正及び変形が行うことが可能であることは明らかである。例えば、本開示は、本明細書に開示された様々な要素及び特徴の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲に示され、上に開示された特定の要素及び特徴は、本出願の範囲内で他の方法で互いに組み合わせてもよい。他の可能な組み合わせを含む他の実施形態も対象としていると認識されるべきである。本明細書における開示の態様は、開示の原理及び実際の適用を最もよく説明し、当業者が、意図される特定の使用に適した様々な変更を伴う開示を理解できるようにするために選択され、説明されたものである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C