(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】インピーダンス校正回路、インピーダンス校正方法及びメモリ
(51)【国際特許分類】
G11C 7/10 20060101AFI20241022BHJP
G06F 12/00 20060101ALI20241022BHJP
G11C 7/04 20060101ALI20241022BHJP
H03K 19/0175 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G11C7/10 405
G06F12/00 550K
G11C7/04
H03K19/0175 290
(21)【出願番号】P 2022562343
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 CN2022103676
(87)【国際公開番号】W WO2023245729
(87)【国際公開日】2023-12-28
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】202210714132.5
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジーチャン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-051464(JP,A)
【文献】特開2009-130927(JP,A)
【文献】特開2015-216513(JP,A)
【文献】特開2011-182378(JP,A)
【文献】特開2011-101143(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0091611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/10
G06F 12/00
G11C 7/04
H03K 19/0175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インピーダンス校正回路であって、
前記インピーダンス校正回路は、パラメータモジュールと、初期値生成モジュールと、校正モジュールと、を含み、
前記パラメータモジュールは、環境検出処理を実行して、環境パラメータ信号を出力するように構成され、
前記初期値生成モジュールは、前記環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、前記環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、
前記校正モジュールは、前記初期校正値を受信し、そして、前記校正命令信号が受信された時に、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成され
、
前記初期校正値は、第1初期校正値と、第2初期校正値と、を含み、
前記校正モジュールは、前記第1初期校正値を、第1インピーダンス校正コードの初期値として決定し、前記第2初期校正値を、第2インピーダンス校正コードの初期値として決定し、
前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正を実現し、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正を実現するように構成され、
前記校正モジュールは、第1カウントモジュールと、第1コンパレータと、抵抗モジュールと、を含み、前記抵抗モジュールは、標準抵抗器に接続される第1プルアップ抵抗ユニットを含み、
前記抵抗モジュールは、前記第1インピーダンス校正コードを受信して、前記第1インピーダンス校正コードに基づいて前記第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値に対して制御を行い、第1電圧信号を出力するように構成され、
前記第1コンパレータは、第1電圧信号及び第1参照信号を受信して、前記第1電圧信号と前記第1参照信号を比較し、第1指示信号を出力するように構成され、
前記第1カウントモジュールは、前記第1指示信号及び第1カウントクロック信号を受信して、前記第1指示信号が第1レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第1指示信号が第2レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現するように構成され、
前記校正モジュールは、第2カウントモジュールと、第2コンパレータと、をさらに含み、前記抵抗モジュールは、第2プルアップ抵抗ユニットと、プルダウン抵抗ユニットと、をさらに含み、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって制御され、前記第2プルアップ抵抗ユニットは、前記プルダウン抵抗ユニットに接続され、
前記抵抗モジュールは更に、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに基づいて、前記プルダウン抵抗ユニットの抵抗値に対して制御を行い、第2電圧信号を出力するように構成され、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって標準抵抗値に校正され、
前記第2コンパレータは、第2電圧信号及び第2参照信号を受信して、前記第2電圧信号と前記第2参照信号を比較し、第2指示信号を出力するように構成され、
前記第2カウントモジュールは、前記第2指示信号及び第2カウントクロック信号を受信して、前記第2指示信号は第3レベル状態である時に、前記第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第2指示信号は第4レベル状態である時に、前記第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現するように構成され、
前記第1カウントモジュールは更に、前記インピーダンス校正処理が完了した後に、ラッチ信号を受信して、前記ラッチ信号に基づいて、前記第1インピーダンス校正コードに対してラッチングを行うように構成され、
前記第2カウントモジュールは更に、前記インピーダンス校正処理が完了した後に、前記ラッチ信号を受信して、前記ラッチ信号に基づいて、前記第2インピーダンス校正コードに対してラッチングを行うように構成される、
インピーダンス校正回路。
【請求項2】
前記環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含み、前記パラメータモジュールは、温度センサと、デコードモジュールと、を含み、
前記温度センサは、前記インピーダンス校正回路の所在する環境に対して温度検出を行い、温度信号を出力するように構成され、
前記デコードモジュールは、前記温度信号を受信して、前記温度信号に対してデコード処理を行い、前記温度パラメータ信号を出力するように構成される、
請求項1に記載のインピーダンス校正回路。
【請求項3】
前記第1プルアップ抵抗ユニットの制御端は、前記第1インピーダンス校正コードを受信し、前記第1プルアップ抵抗ユニットの第1端は電源信号に接続され、前記第1プルアップ抵抗ユニットの第2端は前記標準抵抗器の第1端に接続され、前記標準抵抗器の第2端はグランド信号に接続され、
前記第2プルアップ抵抗ユニットの制御端は、前記第1インピーダンス校正コードを受信し、前記第2プルアップ抵抗ユニットの第1端は電源信号に接続され、前記第2プルアップ抵抗ユニットの第2端は前記プルダウン抵抗ユニットの第1端に接続され、前記プルダウン抵抗ユニットの第2端はグランド信号に接続される、
請求項
1に記載のインピーダンス校正回路。
【請求項4】
前記校正モジュールは、発振モジュールと、制御モジュールと、を更に含み、前記第1カウントモジュールに第1検出モジュールが集積され、前記第2カウントモジュールに第2検出モジュールが集積され、
前記発振モジュールは、前記校正命令信号を受信して、前記校正命令信号に基づいて、クロック信号を出力するように構成され、
前記制御モジュールは、前記クロック信号を受信して、前記クロック信号に基づいて、前記第1カウントモジュールに前記第1カウントクロック信号を出力するように構成され、
前記第1検出モジュールは、前記第1指示信号の変化状況に対して記録を行い、前記第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、前記制御モジュールに第1終了信号を出力するように構成され、
前記制御モジュールは更に、前記第1終了信号が受信された場合、前記第1カウントクロック信号の出力を停止し、前記クロック信号に基づいて、前記第2カウントモジュールに前記第2カウントクロック信号を出力するように構成され、
前記第2検出モジュールは更に、前記第2指示信号の変化状況に対して記録を行い、前記第1指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、前記制御モジュールに第2終了信号を出力するように構成され、
前記制御モジュールは更に、前記第2終了信号が受信された場合、前記第2カウントクロック信号の出力を停止するように構成される、
請求項
1に記載のインピーダンス校正回路。
【請求項5】
前記制御モジュールは更に、前記第2終了信号が受信された場合、前記発振モジュールに内部停止信号を出力するように構成され、
前記発振モジュールは、前記内部停止信号を受信して、前記内部停止信号に基づいて、前記クロック信号の出力を停止するように構成される、
請求項
4に記載のインピーダンス校正回路。
【請求項6】
前記第1所定条件は、第1インピーダンス校正コードの3回の連続的な調整の過程において、第1指示信号が、第1値から第2値に変化してから、引き続き第2値から第1値に変化することであり、
前記第2所定条件は、第2インピーダンス校正コードの3回の連続的な調整の過程において、第2指示信号が、第1値から第2値に変化してから、引き続き第2値から第1値に変化することである、
請求項
4に記載のインピーダンス校正回路。
【請求項7】
インピーダンス校正回路に適用されるインピーダンス校正方法であって、前記インピーダンス校正方法は、
環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定することと、
前記環境パラメータ信号に基づいて、初期校正値を決定することと、
校正命令信号が受信された時に、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うことと、を含
み、
前記初期校正値は、第1初期校正値と、第2初期校正値と、を含み、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うことは、
前記第1初期校正値を、第1インピーダンス校正コードの初期値として決定し、前記第2初期校正値を、第2インピーダンス校正コードの初期値として決定することと、
前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することと、
プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することと、を含み、
前記インピーダンス校正方法は、
前記インピーダンス校正処理が完了した後に、ラッチ信号が受信された場合、前記第1インピーダンス校正コードと、前記第2インピーダンス校正コードとに対してラッチングを行うことを更に含む、
インピーダンス校正方法。
【請求項8】
前記環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含み、前記環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定することは、
前記インピーダンス校正回路の所在する環境に対して温度検出を行って、温度信号を得ることと、
前記温度信号に対してデコード処理を行って、前記温度パラメータ信号を得ることと、を含む、
請求項
7に記載のインピーダンス校正方法。
【請求項9】
前記インピーダンス校正回路は、第1プルアップ抵抗ユニットを含み、前記第1プルアップ抵抗ユニットは、標準抵抗器に接続され、前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することは、
前記第1インピーダンス校正コードに基づいて、前記第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行って、第1電圧信号を決定することと、
前記第1電圧信号と第1参照信号を比較し、第1指示信号を出力することと、
前記第1指示信号が第1レベル状態である時に、第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第1指示信号が第2レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、記第1インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことと、
前記第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、前記第1カウントクロック信号の出力を停止し、プルアップインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む、
請求項
7に記載のインピーダンス校正方法。
【請求項10】
前記インピーダンス校正回路は、第2プルアップ抵抗ユニットと、プルダウン抵抗ユニットと、を更に含み、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって制御され、前記第2プルアップ抵抗ユニットは、前記プルダウン抵抗ユニットに接続され、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することは、
前記第2インピーダンス校正コードに基づいて、前記プルダウン抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行い、第2電圧信号を出力することであって、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって、標準抵抗値に校正されることと、
前記第2電圧信号と第2参照信号を比較し、第2指示信号を出力することと、
前記第2指示信号が第3レベル状態である時に、第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第2指示信号が第4レベル状態である時に、カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことと、
前記第2指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、前記第2カウントクロック信号の出力を停止し、プルダウンインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む、
請求項
7に記載のインピーダンス校正方法。
【請求項11】
半導体メモリであって、前記半導体メモリは、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のインピーダンス校正回路を含む半導体メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本開示は、2022年06月22日に中国特許局に提出された、出願番号が202210714132.5であり、発明の名称が「インピーダンス校正回路、インピーダンス校正方法及びメモリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、半導体メモリ技術分野に関し、特にインピーダンス校正回路、インピーダンス校正方法及びメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)の動作中、いくつかの抵抗器を介して、信号の出力駆動、又は終了処理を実現する。理解すべきこととして、抵抗器の抵抗値が環境パラメータ(例えば、温度)の変化と共に変化するため、メモリに対して、関連抵抗器の抵抗値を校正する必要があり、これは、ZQ校正と呼ばれる。しかし、現在のZQ校正は、多い消費電力及びシステム時間を占用し、メモリの性能が低減する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、インピーダンス校正の消費電力及び時間を低減し、メモリの性能を向上させることができるインピーダンス校正回路、インピーダンス校正方法及びメモリを提供する。
【0005】
本開示の技術案は以下のように実現される。
【0006】
第1様態において、本開示の実施例は、パラメータモジュールと、初期値生成モジュールと、校正モジュールと、を含むインピーダンス校正回路を提供し、前記パラメータモジュールは、環境検出処理を実行して、環境パラメータ信号を出力するように構成され、前記初期値生成モジュールは、前記環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、前記環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、前記校正モジュールは、前記初期校正値を受信し、そして、前記校正命令信号が受信された時に、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含み、前記パラメータモジュールは、温度センサと、デコードモジュールと、を含み、前記温度センサは、前記インピーダンス校正回路の所在する環境に対して温度検出を行い、温度信号を出力するように構成され、前記デコードモジュールは、前記温度信号を受信して、前記温度信号に対してデコード処理を行い、前記温度パラメータ信号を出力するように構成される。
【0008】
いくつかの実施例では、前記初期校正値は、第1初期校正値と、第2初期校正値と、を含み、前記校正モジュールは、前記第1初期校正値を、第1インピーダンス校正コードの初期値として決定し、前記第2初期校正値を、第2インピーダンス校正コードの初期値として決定し、前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正を実現し、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正を実現するように構成される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記校正モジュールは、第1カウントモジュールと、第1コンパレータと、抵抗モジュールと、を含み、前記抵抗モジュールは、標準抵抗器に接続される第1プルアップ抵抗ユニットを含み、前記抵抗モジュールは、前記第1インピーダンス校正コードを受信して、前記第1インピーダンス校正コードに基づいて前記第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値に対して制御を行い、第1電圧信号を出力するように構成され、前記第1コンパレータは、第1電圧信号及び第1参照信号を受信して、前記第1電圧信号と前記第1参照信号を比較し、第1指示信号を出力するように構成され、前記第1カウントモジュールは、前記第1指示信号及び第1カウントクロック信号を受信して、前記第1指示信号が第1レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第1指示信号が第2レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現するように構成される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記校正モジュールは、第2カウントモジュールと、第2コンパレータと、をさらに含み、前記抵抗モジュールは、第2プルアップ抵抗ユニットと、プルダウン抵抗ユニットと、をさらに含み、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって制御され、前記第2プルアップ抵抗ユニットは、前記プルダウン抵抗ユニットに接続され、前記抵抗モジュールは更に、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに基づいて、前記プルダウン抵抗ユニットの抵抗値に対して制御を行い、第2電圧信号を出力するように構成され、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって標準抵抗値に校正され、前記第2コンパレータは、第2電圧信号及び第2参照信号を受信して、前記第2電圧信号と前記第2参照信号を比較し、第2指示信号を出力するように構成され、前記第2カウントモジュールは、前記第2指示信号及び第2カウントクロック信号を受信して、前記第2指示信号は第3レベル状態である時に、前記第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第2指示信号が第4レベル状態である時に、前記第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現するように構成される。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1プルアップ抵抗ユニットの制御端は、前記第1インピーダンス校正コードを受信し、前記第1プルアップ抵抗ユニットの第1端は電源信号に接続され、前記第1プルアップ抵抗ユニットの第2端は前記標準抵抗器の第1端に接続され、前記標準抵抗器の第2端はグランド信号に接続され、前記第2プルアップ抵抗ユニットの制御端は、前記第1インピーダンス校正コードを受信し、前記第2プルアップ抵抗ユニットの第1端は電源信号に接続され、前記第2プルアップ抵抗ユニットの第2端は前記プルダウン抵抗ユニットの第1端に接続され、前記プルダウン抵抗ユニットの第2端はグランド信号に接続される。
【0012】
いくつかの実施例では、前記校正モジュールは、発振モジュールと、制御モジュールと、を更に含み、前記第1カウントモジュールに第1検出モジュールが集積され、前記第2カウントモジュールに第2検出モジュールが集積され、ここで、前記発振モジュールは、前記校正命令信号を受信して、前記校正命令信号に基づいて、クロック信号を出力するように構成され、前記制御モジュールは、前記クロック信号を受信して、前記クロック信号に基づいて、前記第1カウントモジュールに前記第1カウントクロック信号を出力するように構成され、前記第1検出モジュールは、前記第1指示信号の変化状況に対して記録を行い、前記第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、前記制御モジュールに第1終了信号を出力するように構成され、前記制御モジュールは更に、前記第1終了信号が受信された場合、前記第1カウントクロック信号の出力を停止し、前記クロック信号に基づいて、前記第2カウントモジュールに前記第2カウントクロック信号を出力するように構成され、前記第2検出モジュールは更に、前記第2指示信号の変化状況に対して記録を行い、前記第1指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、前記制御モジュールに第2終了信号を出力するように構成され、前記制御モジュールは更に、前記第2終了信号が受信された場合、前記第2カウントクロック信号の出力を停止するように構成される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記制御モジュールは更に、前記第2終了信号が受信された場合、前記発振モジュールに内部停止信号を出力するように構成され、前記発振モジュールは、前記内部停止信号を受信して、前記内部停止信号に基づいて、前記クロック信号の出力を停止するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1所定条件は、第1インピーダンス校正コードの3回の連続的な調整の過程において、第1指示信号が、第1値から第2値に変化してから、引き続き第2値から第1値に変化することであり、前記第2所定条件は、第2インピーダンス校正コードの3回の連続的な調整の過程において、第2指示信号が、第1値から第2値に変化してから、引き続き第2値から第1値に変化することである。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1カウントモジュールは更に、ラッチ信号を受信して、前記ラッチ信号に基づいて、前記第1インピーダンス校正コードに対してラッチングを行うように構成され、前記第2カウントモジュールは更に、前記ラッチ信号を受信して、前記ラッチ信号に基づいて、前記第2インピーダンス校正コードに対してラッチングを行うように構成される。
【0016】
第2様態において、本開示の実施例は、インピーダンス校正回路に適用されるインピーダンス校正方法を提供し、前記方法は、
環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定することと、
前記環境パラメータ信号に基づいて、初期校正値を決定することと、
校正命令信号が受信された時に、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うことと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含み、前記環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定することは、
前記インピーダンス校正回路の所在する環境に対して温度検出を行って、温度信号を得ることと、前記温度信号に対してデコード処理を行って、前記温度パラメータ信号を得ることと、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記初期校正値は、第1初期校正値と、第2初期校正値と、を含み、前記初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うことは、
前記第1初期校正値を、第1インピーダンス校正コードの初期値として決定し、前記第2初期校正値を、第2インピーダンス校正コードの初期値として決定することと、前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することと、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、前記インピーダンス校正回路は、第1プルアップ抵抗ユニットを含み、前記第1プルアップ抵抗ユニットは、標準抵抗器に接続され、前記第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することは、
前記第1インピーダンス校正コードに基づいて、前記第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行って、第1電圧信号を決定することと、前記第1電圧信号と第1参照信号を比較し、第1指示信号を出力することと、前記第1指示信号が第1レベル状態である時に、第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第1インピーダンス校正コードに対して加算処理を行うことと、前記第1指示信号が第2レベル状態である時に、前記第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、記第1インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことと、前記第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、前記第1カウントクロック信号の出力を停止し、プルアップインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記インピーダンス校正回路は、第2プルアップ抵抗ユニットと、プルダウン抵抗ユニットと、を更に含み、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって制御され、前記第2プルアップ抵抗ユニットは、前記プルダウン抵抗ユニットに接続され、前記第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することは、
前記第2インピーダンス校正コードに基づいて、前記プルダウン抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行い、第2電圧信号を出力することであって、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって、標準抵抗値に校正されることと、前記第2電圧信号と第2参照信号を比較し、第2指示信号を出力することと、前記第2指示信号が第3レベル状態である時に、第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して加算処理を行うことと、前記第2指示信号が第4レベル状態である時に、前記カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことと、前記第2指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、前記第2カウントクロック信号の出力を停止し、プルダウンインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む。
【0021】
いくつかの実施例では、前記方法は、ラッチ信号が受信された場合、前記第1インピーダンス校正コードと、前記第2インピーダンス校正コードとに対してラッチングを行うことを更に含む。
【0022】
第3様態において、本開示の実施例はメモリを提供し、該メモリは、第1様態に記載されるインピーダンス校正回路を含む。
【0023】
本開示の実施例はインピーダンス校正回路と、インピーダンス校正方法と、メモリと、を提供し、該インピーダンス校正回路は、パラメータモジュールと、初期値生成モジュールと、校正モジュールと、を含み、パラメータモジュールは、環境検出処理を実行して、環境パラメータ信号を出力するように構成され、初期値生成モジュールは、環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、校正モジュールは、初期校正値を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成される。このように、現在の動作環境に適合する初期校正値を利用してインピーダンス校正処理を行って、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少することができ、メモリの性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正回路の構造を示す図である。
【
図2】本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正回路の詳細な構造を示す図である。
【
図3】インピーダンス校正の信号シーケンスを示す図である。
【
図4】関連技術によって提供されるインピーダンス校正回路構造を示す図である。
【
図5】本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正回路の効果を示す図である。
【
図6】本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正方法のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例によって提供されるメモリ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施例の技術的解決策を本開示の実施例の図面を参照して明確かつ完全に説明する。関連明細書に記載の具体的な実施例は、本出願を説明するためにのみ使用され、本出願を限定するものではないと理解されたい。なお、説明の便宜上、図面において本出願に関連する部分のみが示されている。
【0026】
特に明記されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者に通常理解される技術的意味と同じである。本明細書で使用される用語は、本開示の実施例を説明するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【0027】
下記の「いくつかの実施例」と記載される部分において、可能な実施例のサブセットがすべて記載されているが、理解可能なこととして、「いくつかの実施例」というのは、全ての可能な実施例の同じサブセット又は異なるサブセットであり得、しかも矛盾しなければ互いに組み合わせることができる。
【0028】
本願明細書における「第1/第2/第3」の用語は、特定の順序を限定するものではなく、類似する対象を区別するものであることに留意されたい。「第1/第2/第3」は、場合によって特定の順番又は前後順番を変換することできるため、本明細書に記載の本願実施例は、本明細書に図示又は記載されたもの以外の順番で実行することができることが理解できる。
【0029】
以下は、本開示の実施例に関わる用語の解釈、及び、一部の名詞の対応関係である。
【0030】
メモリにいくつかの出力駆動用及び信号終了用の抵抗器が存在し、これらの抵抗器の抵抗値は、実際の適用の状況に合致させるために、校正される必要があり、以上のインピーダンス校正の過程は、ZQ校正とも呼ばれ、抵抗器の抵抗値を制御するための信号は、インピーダンス校正コードと呼ばれる(ZQ校正コードと称する場合がある)。即ち、インピーダンス校正の過程で、抵抗器の抵抗値が要求に満たすまで、インピーダンス校正コードの値を調整することで抵抗器の抵抗値を調整する。現在、インピーダンス校正が始まると、インピーダンス校正コードは、固定の初期値から変化する必要があり、インピーダンス校正に多い消費電力及びシステム時間を占用し、メモリの性能が低減する。
【0031】
これに基づいて、本開示の実施例はインピーダンス校正回路を提供し、該インピーダンス校正回路は、パラメータモジュールと、初期値生成モジュールと、校正モジュールと、を含み、ここで、パラメータモジュールは、環境検出処理を実行して、環境パラメータ信号を出力するように構成され、初期値生成モジュールは、環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、校正モジュールは、初期校正値を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成される。このように、現在の動作環境に適合する初期校正値を利用してインピーダンス校正処理を行って、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少することができ、メモリの性能を向上させる。
【0032】
下記において、図面を参照して本開示の各実施例を詳しく説明する。
【0033】
本開示の一実施例では、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正回路10の構成を示す
図1を参照する。
図1に示されるように、該インピーダンス校正回路10は、パラメータモジュール11と、初期値生成モジュール12と、校正モジュール13と、を含んでもよく、
パラメータモジュール11は、環境検出処理を実行し、環境パラメータ信号を出力するように構成され、
初期値生成モジュール12は、環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、
校正モジュール13は、初期校正値を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成される。
【0034】
なお、本開示の実施例のインピーダンス校正回路10は、複数のタイプのメモリに適用し、例えばDRAM、同期DRAM(Synchronous Dynamic Random-Access Memory)が挙げられる。
【0035】
本開示の実施例において、新たなアキーテクチャであるインピーダンス校正回路10を提供し、インピーダンス校正が開始する時に、パラメータモジュール11と、初期値生成モジュール12とによって、現在の動作環境に適合する初期校正値を生成することができ、それによって、初期校正値をインピーダンス校正過程の始点として利用して、より早く理想的な状態に調整することができ、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少することができ、それと同時に校正結果のラッチにより良く時間的余裕を持たせ、メモリの性能を向上させる。
【0036】
ここで、校正命令信号は、インピーダンス校正過程の開始を示し、校正命令信号は、外部(又はシステムと呼ばれる)から受信されたものである。環境パラメータ信号は、温度パラメータ信号と、電圧パラメータ信号とのうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
具体的な実施例では、
図2のように、環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含み、パラメータモジュール11は、温度センサ111と、デコードモジュール112とを含み、ここで、
温度センサ111は、インピーダンス校正回路10の所在する環境に対して温度検出を行い、温度信号を得るように構成され、
デコードモジュール112は、温度信号を受信して、温度信号に対してデコード処理を行い、温度パラメータ信号を出力するように構成される。
【0038】
ここで、温度パラメータ信号は、本質的に、抵抗器のインピーダンスを調整するためのインピーダンス校正コードである。言い換えると、デコードモジュール112は、後続で初期校正値を決定するために、温度信号を一旦温度パラメータ信号にデコードするように構成される。
【0039】
なお、メモリのインピーダンス校正は、プルアップインピーダンス(信号に対して出力駆動を行うために用いられる)の校正と、プルダウンインピーダンス(信号に対して終了処理を行うために用いられる)の校正とに関わる。このため、いくつかの実施例では、
図2のように、初期校正値は、第1初期校正値TO_Pcode<5:0>と、第2初期校正値TO_Ncode<5:0>とを含み、
校正モジュール13は、具体的には校正命令信号が受信された時に、第1初期校正値TO_Pcode<5:0>を、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>の初期値として決定し、第2初期校正値TO_Ncode<5:0>を、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>の初期値として決定し、
第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現し、プルアップインピーダンス校正が完了した後、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現する。
【0040】
なお、
図2では、第1インピーダンス校正コード/第2インピーダンス校正コード/第1校正初期値/第2校正初期値は、いずれも<5:0>で表す6つのサブ信号によって構成されるが、これは、具体的な限定にならない。
【0041】
即ち、関連技術では、第1インピーダンス校正コードと、第2インピーダンス校正コードとそれぞれの初期値は、固定で変化しないデフォルト値である。しかし、本開示の実施例では、第1インピーダンス校正コードと、第2インピーダンス校正コードとそれぞれの初期値は、いずれも現在の動作環境に基づいて決定されたものであり、より早く理想的な状態に調整することができ、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少することができ、それと同時に、校正結果のラッチにより良く時間的余裕を持たせ、メモリの性能を向上させる。
【0042】
以下では、それぞれプルアップインピーダンスの校正処理及びプルダウンインピーダンスの校正処理を説明する。
【0043】
いくつかの実施例では、
図2のように、校正モジュール13は、第1カウントモジュール131と、第1コンパレータ132と、抵抗モジュール133とを含み、抵抗モジュール133は、第1プルアップ抵抗ユニット201を含み、第1プルアップ抵抗ユニット201は、標準抵抗器204に接続され、ここで、
抵抗モジュール133は、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を受信して、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に基づいて、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値に対して制御を行い、第1電圧信号を出力するように構成され、
第1コンパレータ132は、第1電圧信号及び第1参照信号Vref1を受信して、第1電圧信号と第1参照信号Vref1を比較し、第1指示信号を出力するように構成され、
第1カウントモジュール131は、第1指示信号及び第1カウントクロック信号pclkを受信して、第1指示信号が第1レベル状態である時に、第1カウントクロック信号pclkの1つのパルスが検出されるたびに、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対して加算処理を行い、第1指示信号が第2レベル状態である時に、第1カウントクロック信号pclkの1つのパルスが検出されるたびに、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対して減算処理を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現するように構成される。
【0044】
このように、第1電圧信号は、第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値と標準抵抗値との差異を指示することができ、それによって、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>の調整の方向を決定し、フィードバック調整の回路を構成する。
【0045】
なお、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>と第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値との具体的な関係(即ち、正比例関係又は反比例関係)は、実際の適用の状況に応じて決定する必要がある。第1レベル状態は、第2レベル状態と異なり、その具体的な設定は同様に、実際の適用の状況に応じて決定する必要がある。
図2では、第1コンパレータ132の正相入力端は、第1参照信号Vref1を受信し、第1コンパレータ132の逆相入力端は、第1電圧信号を受信するが、これは具体的な限定にならず、その具体的な接続関係も、同様に実際の適用の状況に応じて決定する必要がある。言い換えると、回路調整ロジックに矛盾がなければ、プルアップインピーダンスの制御の詳細は、多種の柔軟な決定方式があり得る。
【0046】
以下では、可能な制御の詳細を提供する。第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>が大きいほど、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が小さくなり、しかも第1電圧信号が大きくなり、第1レベル状態はハイレベル状態であり、第2レベル状態はローレベル状態である。この時に、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が標準抵抗値より小さい場合、第1電圧信号の電圧は、第1参照電圧より大きく、この時の第1指示信号は、ローレベル状態であるため、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対して減算処理を行い、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が大きくなり、逆に、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が標準抵抗値より大きい場合、第1電圧信号の電圧は、第1参照電圧より小さく、この時の第1指示信号は、ハイレベル状態であるため、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対して加算処理を行い、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が小さくなる。ここで、減算処理は、1を引き、又は2を引くなどであってもよく、加算処理は、1を足し、又は、2を足すなどであってもよく、具体的には、実際の適用の状況に応じて決定される。
【0047】
同様に、いくつかの実施例では、
図2のように、校正モジュール13は、第2カウントモジュール134と、第2コンパレータ135とを更に含み、抵抗モジュール133は、第2プルアップ抵抗ユニット202と、プルダウン抵抗ユニット203とを更に含み、第2プルアップ抵抗ユニット202の抵抗値は、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>によって制御され、第2プルアップ抵抗ユニット202は、プルダウン抵抗ユニット203に接続され、ここで、
抵抗モジュール133は、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に基づいて、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値に対して制御を行い、第2電圧信号を出力するように構成され、ここで、プルアップインピーダンス校正が完了した後、第2プルアップ抵抗ユニット202の抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>によって標準抵抗値に校正され、
第2コンパレータ135は、第2電圧信号及び第2参照信号Vref2を受信して、第2電圧信号と第2参照信号Vref2を比較し、第2指示信号を出力するように構成され、
第2カウントモジュール134は、第2指示信号及び第2カウントクロック信号nclkを受信して、第2指示信号が第3レベル状態である時に、第2カウントクロック信号nclkの1つのパルスが検出されるたびに、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対して加算処理を行い、第2指示信号が第4レベル状態である時に、第2カウントクロック信号nclkの1つのパルスが検出されるたびに、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対して減算処理を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現するように構成される。
【0048】
なお、第2プルアップ抵抗ユニット202及び第1プルアップ抵抗ユニット201は、同じ構造を有すると見なすことができ、その抵抗値は、同じ変化を有する。そのため、プルアップインピーダンス校正が完了した後、校正済みの第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>は、第2プルアップ抵抗ユニット202を標準抵抗値に校正することもできる。
【0049】
即ち、インピーダンス校正の過程では、先ず、第1プルアップ抵抗ユニット201と標準抵抗器204を利用して、通路を形成し、第1プルアップ抵抗ユニット201と標準抵抗器の分圧を基づいて、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値を判断することで、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が標準抵抗値になるまで、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を調整する。プルアップインピーダンス校正が完了した後、さらに第2プルアップ抵抗ユニット202と、プルダウン抵抗ユニット203とを利用して、通路を形成し、この時の第2プルアップ抵抗ユニット202は、標準抵抗器と見なすことができ、第2プルアップ抵抗ユニット202とプルダウン抵抗ユニット203の分圧に基づいて、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値を判断することで、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が標準抵抗値になるまで、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>を調整する。
【0050】
ここで、第2プルアップ抵抗ユニット202と第1プルアップ抵抗ユニット201とは、同時に第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を受信しても良い。留意すべきこととして、プルアップインピーダンスの校正の過程では、プルダウン抵抗ユニット203が切断されているため、第2プルアップ抵抗ユニット202は、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>による制御を受けているが、実際にグランドに接続されることがなく、電力消費の問題を回避する。それに加えて、第2プルアップ抵抗ユニット202と第1プルアップ抵抗ユニット201は、同時に第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を受信しているわけではなく、即ち、プルアップインピーダンスの校正が完了した後、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を、第2プルアップ抵抗ユニット202に送信している。
【0051】
また、プルアップインピーダンスの校正と同様に、プルダウンインピーダンスの校正の過程でも、第2電圧信号とプルダウン抵抗ユニットの抵抗値との具体的な関係(即ち、正比例関係又は反比例関係)も、同様に実際の適用の状況に応じて決定される。第2電圧信号は、プルダウン抵抗との標準抵抗値との差異を指示することができ、それによって、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>の調整の方向を決定し、フィードバック調整の回路を構成する。同様に、回路調整ロジックに矛盾がなければ、プルアップインピーダンスの制御の詳細は、多種の柔軟な決定方式があり得る。
【0052】
以下では、可能な制御の詳細を提供する。第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>が大きいほど、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が小さくなり、それと同時に、第2電圧信号が小さくなり、第3レベル状態はローレベル状態であり、第4レベル状態はハイレベル状態である。この時に、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が標準抵抗値より小さい場合、第2電圧信号の電圧が、第2参照電圧より小さく、第2指示信号はハイレベル状態であり、それによって、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対して減算処理を行い、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が大きくなり、逆に、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が標準抵抗値より大きい場合、第2電圧信号の電圧は第2参照電圧より大きく、この時の第2指示信号はローレベル状態であり、それによって、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対して加算処理を行い、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が小さくなる。
【0053】
具体的な実施例では、
図2のように、第1プルアップ抵抗ユニット201の制御端は、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を受信し、且つ、第1プルアップ抵抗ユニット201の第1端は、電源信号に接続され、第1プルアップ抵抗ユニット201の第2端は、標準抵抗器204の第1端に接続され、標準抵抗器204の第2端は、グランド信号に接続され、
第2プルアップ抵抗ユニット202の制御端は、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を受信して、第2プルアップ抵抗ユニット202の第1端は、電源信号に接続され、第2プルアップ抵抗ユニット202の第2端は、プルダウン抵抗ユニット203の第1端に接続され、プルダウン抵抗ユニット203の第2端は、グランド信号に接続される。
【0054】
このように、標準抵抗器204と第1プルアップ抵抗ユニット201とは直列であり、且つ、第1プルアップ抵抗ユニット201は、より電源端に近いため、第1プルアップ抵抗ユニット201の抵抗値が大きければ、この時の第1プルアップ抵抗ユニット201の分圧が大きくなり、このため、第1電圧信号のレベル値が小さくなる。同様に、プルダウン抵抗の校正を行う時に、第2プルアップ抵抗ユニット202の抵抗値を、標準抵抗値と見なすことができ、これは、標準抵抗器とプルダウン抵抗ユニット203とは直列であり、且つ、標準抵抗器は、より電源端に近いため、この時に、プルダウン抵抗ユニット203の抵抗値が大きくなれば、この時のプルダウン抵抗ユニット203の分圧が大きくなり、このため、第2電圧信号のレベル値が大きくなる。
【0055】
このように、上記の閉ループ校正ロジックによって、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>及び第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>の調整を実現し、メモリのインピーダンス校正処理を遂行することができる。同時に、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>が現在の環境に適合する第1初期校正値から調整され、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>が現在の環境に適合する第2初期校正値から調整されるため、校正の結果により近いため、インピーダンス校正の速度が速く、消費電力及びシステム時間を節約し、メモリの性能を向上させる。
【0056】
いくつかの実施例では、校正モジュール13は、発振モジュール136と、制御モジュール137とを更に含み、第1カウントモジュール131に、第1検出モジュールが集積され、第2カウントモジュール134に、第2検出モジュールが集積され、ここで、
発振モジュール136は、校正命令信号ZQ startを受信して、校正命令信号ZQ startに基づいて、クロック信号clk0を出力するように構成され、
制御モジュール137は、クロック信号clk0を受信して、クロック信号clk0に基づいて、第1カウントモジュール131に、第1カウントクロック信号pclkを出力するように構成され、
第1検出モジュールは、第1指示信号の変化状況に対して記録を行い、第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、制御モジュール137に、第1終了信号Internal stop-1を出力するように構成され、
制御モジュール137は更に、第1終了信号Internal stop-1が受信された場合、第1カウントクロック信号pclkの出力を停止し、クロック信号clk0に基づいて、第2カウントモジュールに、第2カウントクロック信号nclkを出力するように構成され、
第2検出モジュールは、第2指示信号の変化状況に対して記録を行い、第1指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、制御モジュール137に、第2終了信号Internal stop-2を出力するように構成され、
制御モジュール137は更に、第2終了信号Internal stop-2が受信された場合、第2カウントクロック信号nclkの出力を停止するように構成される。
【0057】
このように、発振モジュール136及び制御モジュール137によって、第1カウントクロック信号pclk及び第2カウントクロック信号nclkを、インピーダンス校正処理のカウントクロックとして決定することができる。
【0058】
例示的には、前記第1所定条件とは、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>の3回の連続的な調整の過程において、第1指示信号は、第1値から第2値に変化し、引き続き第2値から第1値に変化することを指し、前記第2所定条件は、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>の3回の連続的な調整の過程において、第2指示信号は、第1値から第2値に変化し、引き続き第2値から第1値に変化することを指す。ここで、第1値は第2値と異なる。
【0059】
第1値が1であり、第2値が0であることを例として挙げると、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>の調整の過程では、第1指示信号が1―0―1のような波形変化が現れると、第1電圧信号と第1参照信号が同じである臨界点を見つけたことを示し、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>は、既に標準抵抗値に校正されたと見なすことができ、そして、第1カウントクロック信号pclkの出力を停止し、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>が変化しなくなり、同様に、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>の調整の過程では、第2指示信号が1―0―1のような波形変化が現れると、プルダウンインピーダンスは、既に標準抵抗値に校正されたと見なすことができ、そして、第2カウントクロック信号pclkの出力を停止し、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>が変化しなくなる。
【0060】
いくつかの実施例では、制御モジュール137は更に、第2終了信号Internal stop-2が受信された場合、発振モジュール136に内部停止信号Internal stopを出力するように構成され、
発振モジュール136は更に、内部停止信号Internal stopを受信して、内部停止信号Internal stopに基づいて、クロック信号clk0の出力を停止するように構成される。
【0061】
このように、プルダウンインピーダンスの校正が完了した後、クロック信号clk0が不要になるため、内部停止信号Internal stopによって、動作を停止させるように発振モジュール136を制御する。
【0062】
いくつかの実施例では、前記第1カウントモジュール131は更に、ラッチ信号ZQ latchを受信して、前記ラッチ信号ZQ latchに基づいて、前記第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>に対してラッチングを行うように構成され、
前記第2カウントモジュール134は更に、前記ラッチ信号ZQ latchを受信して、前記ラッチ信号ZQ latchに基づいて、前記第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>に対してラッチングを行うように構成される。
【0063】
ここで、校正命令信号ZQ startとラッチ信号ZQ latchは、いずれも、外部(下記でシステムと呼ばれる)から受信されたものである。
図3に示されるように、
図3は、インピーダンス校正の信号のシーケンスを示す図である。
図3に示されるように、システムが校正命令信号ZQ startを送信した後、
インピーダンス校正回路10は、第1インピーダンス校正コードの初期値Internal Pcode(関連技術では固定値100000であり、本開示の実施例では現在の環境に適合する第1初期校正値である)を生成し、プルアップインピーダンスの校正を完了するまで、第1インピーダンス校正コードを初期値から調整し、プルアップインピーダンス校正が完了した後、第2インピーダンス校正コードの初期値Internal ncode(関連技術では固定値100000であり、本開示の実施例では現在の環境に適合する第2初期校正値である)を生成し、プルダウンインピーダンスの校正を完了するまで、第2インピーダンス校正コードを初期値から調整し、最後に、システムから送信されたラッチ信号ZQ latchを受信した後、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>と、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>とに対してラッチングを行う。
【0064】
一般的には、システムが校正命令信号ZQ startを送信した後、校正が完了した後にしか、ラッチ信号ZQ latchを送信することがなく、しかし、設計の要求によって、校正の時間は一定の標準値を超えてはならない。即ち、インピーダンス校正の消耗時間が長くなると、インピーダンス校正回路10は、標準時間内で校正を完成することができなく、校正に失敗し、メモリの性能に影響を与える。本開示の実施例では、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>と、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>とは、現在の環境に適合する初期値から調整するものであり、校正の消耗時間が少なく、このため、ラッチ過程により大きい時間的余裕を持たせる。
【0065】
図4に示されるように、
図4は、関連技術によって提供されるインピーダンス校正回路30の構造を示す図である。
図4のように、インピーダンス校正回路30は、第1カウントモジュールと、第1コンパレータと、第2カウントモジュールと、第2コンパレータと、複数の抵抗器と、発振モジュールと、制御モジュールとを含んでもよい。関連技術では、ZQ校正が開始する時に、第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>=100000であり、第2インピーダンス校正コードNcode<5:0>=100000であり、即ち、理想的なインピーダンス校正効果を達するまで、第1インピーダンス校正コードと第2インピーダンス校正コードはいずれも固定の初期値から変化し始める。それに対して、本開示の実施例は、新たなアキーテクチャであるインピーダンス校正回路10を提供し、ZQ校正(即ち、前記インピーダンス校正)が開始する時に、実際の温度の状況に基づいて、対応する初期校正値を生成することで、ZQ校正の全過程の始点として、初期校正値をインピーダンス校正コードに書き込む。ZQ校正の機能及び性能を保証する前提で、ZQ校正の時間を減少させ、それと同時に、インピーダンス校正コードのラッチに十分な時間的余裕を持たせる。
【0066】
具体的には、
図5に示されるように、
図5は、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正回路の効果を示す図である。
図5では、水平軸(X軸)は、メモリの温度であり、垂直軸(Y軸)は、インピーダンス校正コード(第1インピーダンス校正コードPcode<5:0>を例示とし)の値であり、曲線Aは、温度に伴う第1インピーダンス校正コードの変化状況であり、曲線Bは、温度に伴う第1初期校正値の変化状況である。
図5に示されるように、校正命令信号が受信された時に、メモリの現在の温度をt0とすると、関連技術におけるインピーダンス校正回路30である場合、該インピーダンス校正回路30は、Pcode<5:0>=10000から、目標値ZQ_Pcodeまで調整する必要があり、消耗時間はT1であり、本開示の実施例におけるインピーダンス校正回路10である場合、Pcode<5:0>=TO_Pcode<5:0>から目標値ZQ_Pcodeまでしか調整する必要がなく、消耗時間はT2である。このため、本開示の実施例におけるインピーダンス校正回路10のインピーダンス校正の過程の消耗時間が少なく、しかも消費電力がより少ない。
【0067】
以上、本開示の実施例は、現在の動作環境に適合する初期校正値を生成することができ、初期校正値を校正の全過程の始点として利用し、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少し、それと同時に、校正結果のラッチにより良く時間的余裕を持たせ、メモリの性能を向上させるインピーダンス校正回路を提供する。
【0068】
本開示の他の実施例では、
図6に示されるように、
図6は、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正方法のフローチャートである。
図6のように、該方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0069】
S401において、環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定する。
【0070】
S402において、環境パラメータ信号に基づいて、初期校正値を決定する。
【0071】
S403において、校正命令信号が受信された時に、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行う。
【0072】
なお、本開示の実施によって提供されるインピーダンス校正方法は、前記インピーダンス校正回路10に適用される。このように、本開示の実施例によって提供されるインピーダンス校正方法では、現在の動作環境に適合する初期校正値を、校正の全過程の始点として利用して、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少させ、メモリの性能を向上させる。
【0073】
いくつかの実施例では、環境パラメータ信号は、少なくとも温度パラメータ信号を含む。環境検出処理によって、環境パラメータ信号を決定することは、
インピーダンス校正回路の所在する環境に対して温度検出を行い、温度信号を得、温度信号に対してデコード処理を行い、温度パラメータ信号を得ることを含む。
【0074】
いくつかの実施例では、前記初期校正値は、第1初期校正値と、第2初期校正値と、を含み、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うことは、
第1初期校正値を、第1インピーダンス校正コードの初期値として決定し、第2初期校正値を、第2インピーダンス校正コードの初期値として決定することと、第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することと、プルアップインピーダンス校正が完了した後、第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することと、を含む。
【0075】
いくつかの実施例では、インピーダンス校正回路は、第1プルアップ抵抗ユニットを含み、第1プルアップ抵抗ユニットは、標準抵抗器に接続される。対応的に、第1インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルアップインピーダンスの校正処理を実現することは、
第1インピーダンス校正コードに基づいて、第1プルアップ抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行って、第1電圧信号を決定することと、第1電圧信号と第1参照信号を比較し、第1指示信号を出力することと、第1指示信号が第1レベル状態である時に、第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、第1インピーダンス校正コードに対して加算処理を行うことと、第1指示信号が第2レベル状態である時に、第1カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、第1インピーダンス校正コードに対して減算処理を行い、第1指示信号の変化状況が第1所定条件を満たす場合、第1カウントクロック信号の出力を停止し、プルアップインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む。
【0076】
いくつかの実施例では、インピーダンス校正回路は、第2プルアップ抵抗ユニットと、プルダウン抵抗ユニットとを更に含み、第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、第1インピーダンス校正コードによって制御され、第2プルアップ抵抗ユニットは、プルダウン抵抗ユニットに接続される。対応的に、第2インピーダンス校正コードに対して調整を行うことで、プルダウンインピーダンスの校正処理を実現することは、
前記第2インピーダンス校正コードに基づいて、前記プルダウン抵抗ユニットの抵抗値に対して調整を行い、第2電圧信号を出力することであって、プルアップインピーダンス校正が完了した後、前記第2プルアップ抵抗ユニットの抵抗値は、前記第1インピーダンス校正コードによって、標準抵抗値に校正されることと、前記第2電圧信号と第2参照信号を比較し、第2指示信号を出力することと、前記第2指示信号が第3レベル状態である時に、第2カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して加算処理を行い、前記第2指示信号が第4レベル状態である時に、前記カウントクロック信号の1つのパルスが検出されるたびに、前記第2インピーダンス校正コードに対して減算処理を行うことと、前記第2指示信号の変化状況が第2所定条件を満たす場合、前記第2カウントクロック信号の出力を停止し、プルダウンインピーダンスの校正の過程を終了させることと、を含む。
【0077】
いくつかの実施例では、該方法は、ラッチ信号が受信された場合、第1インピーダンス校正コード及び第2インピーダンス校正コードに対してラッチングを行うことを、更に含む。
【0078】
このように、以上の閉ループ校正ロジックによって、第1インピーダンス校正コード及び第2インピーダンス校正コードの調整を実現し、メモリのインピーダンス校正処理を遂行することができる。同時に、第1インピーダンス校正コードが現在の環境に適合する第1初期校正値から調整され、第2インピーダンス校正コードが現在の環境に適合する第2初期校正値から調整されるものであるため、インピーダンス校正の速度が速く、消費電力及びシステム時間を節約し、メモリの性能を向上させる。
【0079】
本開示の実施例は、メモリの性能を向上させるインピーダンス校正回路を提供し、現在の動作環境に適合する初期校正値を生成し、初期校正値を校正の全過程の始点として利用することができ、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少し、それと同時に、校正結果のラッチにより良く時間的余裕を持たせる。
【0080】
本開示の更に他の実施例では、
図7に示されるように、
図7は、本開示の実施例によって提供されるメモリ50の構成を示す図である。
図7のように、該メモリ50は、前記インピーダンス校正回路10を含む。
【0081】
メモリ50は、前記インピーダンス校正回路10を含むため、現在の動作環境に適合する初期校正値を生成し、初期校正値を校正の全過程の始点として利用することができ、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少し、それと同時に、校正結果のラッチにより良く時間的余裕を持たせ、メモリの性能を向上させる。
【0082】
以上は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。なお、本明細書において、「備える」、「含む」という用語、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含を意味するため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、これらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、または、このようなプロセス、方法、物品、または装置の固有の要素をさらに含む。特に限定されない限り、「・・・を含む」という文で定義された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品、または装置に含まれる他の同じ要素を排除しない。上記の本開示の実施例の番号は、実施例の優劣を表すものではなく、単に説明するためのものである。本開示の実施例に提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法は、矛盾がなければ、任意に組み合わせて、新しい方法の実施例を得ることができる。本開示の実施例に提供されるいくつかの製品の実施例で開示される特徴は、矛盾がなければ、任意に組み合わせて、新しい製品の実施例を得ることができる。本開示の実施例に提供されるいくつかの方法又は製品の実施例で開示される特徴は、矛盾がなければ、任意に組み合わせて、新しい方法の実施例又は製品の実施例を得ることができる。上記の内容は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の実施例の保護範囲はこれに限定されなく、本開示の技術的範囲内で当業者が容易に想到し得る変形又は置換はすべて、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。このため、本開示の保護範囲は特許請求の範囲を準拠とすべきである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示の実施例は、インピーダンス校正回路と、インピーダンス校正方法と、メモリと、を提供し、該インピーダンス校正回路は、パラメータモジュールと、初期値生成モジュールと、校正モジュールと、を含み、パラメータモジュールは、環境検出処理を実行して、環境パラメータ信号を出力するように構成され、初期値生成モジュールは、環境パラメータ信号を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、環境パラメータ信号に基づいて初期校正値を出力するように構成され、校正モジュールは、初期校正値を受信し、そして、校正命令信号が受信された時に、初期校正値に基づいてインピーダンス校正処理を行うように構成される。このように、現在の動作環境に適合する初期校正値を利用してインピーダンス校正処理を行って、インピーダンス校正の消費電力及び時間を減少することができ、メモリの性能を向上させる。