(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】強制再循環ミキサ
(51)【国際特許分類】
F02M 29/02 20060101AFI20241022BHJP
F02M 15/02 20060101ALI20241022BHJP
F02M 27/04 20060101ALI20241022BHJP
F02M 31/135 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F02M29/02 A
F02M15/02 A
F02M27/04 D
F02M31/135 301
(21)【出願番号】P 2022564254
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 FR2021000021
(87)【国際公開番号】W WO2021219943
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2024-01-30
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501211925
【氏名又は名称】ラビー,ヴィアニー
【氏名又は名称原語表記】RABHI Vianney
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラビー,ヴィアニー
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-102733(JP,A)
【文献】特開2013-163184(JP,A)
【文献】米国特許第01668601(US,A)
【文献】米国特許第06508233(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第10343380(DE,A1)
【文献】国際公開第2012/168093(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 15/02
F02M 27/04
F02M 29/02
F02M 31/135
F02M 33/06
B01F 25/10
B01F 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
均質なガス状混合物(4)を形成するように、少なくとも1つの気化可能な液体(2)を少なくとも1つの混合されるガス(3)と混合するように設計されている強制再循環ミキサ(1)であって、
・少なくとも1つの撹拌エンクロージャ(5)であって、その内部キャビティが、前記均質なガス状混合物(4)が連続的に循環することができる再循環ループ(6)を形成し、前記再循環ループ(6)の開始部及び終了部が、組み合わされている、少なくとも1つの撹拌エンクロージャ(5)と、
・少なくとも1つのガス入口ダクト(7)であって、前記撹拌エンクロージャ(5)内に直接又は間接的に出現し、かつそれを通って、前記混合されるガス(3)が、既知の量のガスの導入のための手段(8)によって、前記再循環ループ(6)内に導入される、少なくとも1つのガス入口ダクト(7)と、
・前記気化可能な液体(2)を前記再循環ループ(6)内に導入するために前記撹拌エンクロージャ(5)内に直接又は間接的に出現する、少なくとも1つの液体注入ノズル(9)であって、前記ノズル(9)は、制御された量の液体を導入するための手段(10)によって送給され、その前記気化可能な液体(2)の流量が、コンピュータ(45)によって制御され、前記気化可能な液体(2)が、前記混合されるガス(3)とともに、前記均質なガス混合物(4)を形成する、少なくとも1つの液体注入ノズル(9)と、
・少なくとも1つの混合物引き抜きダクト(11)であって、前記撹拌エンクロージャ(5)内に直接又は間接的に出現し、かつそれを通って、前記均質なガス混合物(4)が、ガス引き抜き手段(12)によって、前記再循環ループ(6)から引き抜かれることができる、少なくとも1つの混合物引き抜きダクト(11)と、
・タービンモータ(28)によって発動され、かつ前記再循環ループ(6)に位置決めされている、少なくとも1つの撹拌タービン(13)であって、前記均質なガス混合物(4)を前記ループ(6)内で強制的に循環させる、少なくとも1つの撹拌タービン(13)と、を備えることを特徴とする、強制再循環ミキサ。
【請求項2】
前記撹拌エンクロージャ(5)が、少なくとも1つの外部同軸ダクト(14)を備え、その各端部が、反転終端部(15)によって閉鎖されており、少なくとも1つの内部同軸ダクト(16)が、前記外部同軸ダクト(14)に収容されており、前記均質なガス混合物(4)が循環するための隙間が、一方では各反転終端部(15)と前記内部同軸ダクト(16)との間、及び他方では前記外部同軸ダクト(14)の内面と前記内部同軸ダクト(16)の外面との間に残されており、前記外部同軸ダクト(14)内の前記均質なガス混合物(4)の循環方向が、前記内部同軸ダクト(16)内の前記混合物(4)の循環方向とは反対であることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項3】
前記撹拌タービン(13)が、前記反転終端部(15)のうちの1つに完全に又は部分的に収容されており、前記均質なガス状混合物(4)が、前記外部同軸ダクト(14)の前記内面と前記内部同軸ダクト(16)の前記外面との間に残された前記隙間を介して、前記タービン(13)の周辺に排出される前に、前記内部同軸ダクト(16)を介して、前記タービン(13)の中心を通って、吸い込まれることを特徴とする、請求項2に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項4】
前記撹拌タービン(13)を収容している前記反転終端部(15)が、中空の半トロイダル形状を有し、前記撹拌タービン(13)を構成するブレード(17)が、相補的な突出した半トロイダル形状を有し、小さな遊びが、前記終端部(15)と前記ブレード(17)との間に残されていることを特徴とする、請求項3に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項5】
前記ガス入口ダクト(7)が、前記反転終端部(15)のうちの1つを通過して、前記内部同軸ダクト(16)内に出現することを特徴とする、請求項2に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項6】
前記ガス入口ダクト(7)と交差する前記反転終端部(15)が、中空の半トロイダル形状を有し、そこから、前記ダクト(7)が出現することを特徴とする、請求項5に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項7】
前記液体注入ノズル(9)が、前記ガス入口ダクト(7)の内部内に、又はその出口において出現することを特徴とする、請求項5に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項8】
前記内部同軸ダクト(16)が、前記内部同軸ダクト(16)を前記外部同軸ダクト(14)に半径方向に接続している少なくとも1つの撹拌羽根(22)によって、前記外部同軸ダクト(14)内の適所に保持されていることを特徴とする、請求項2に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項9】
前記外部同軸ダクト(14)又はその前記反転終端部(15)のうちのいずれかが、引き抜きリング(23)によって完全に又は部分的に囲繞されており、前記引き抜きリング(23)の内側が、少なくとも1つの半径方向引き抜きオリフィス(24)によって、前記外部同軸ダクト(14)の内側に接続されており、前記混合物引き抜きダクト(11)が、前記リング(23)及び前記オリフィス(24)によって、前記撹拌エンクロージャ(5)に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項10】
前記撹拌エンクロージャ(5)が、加熱又は冷却手段(25)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項11】
前記タービンモータ(28)が、一方では、前記撹拌タービン(13)に回転式に接続されており、かつ前記撹拌エンクロージャ(5)に取り囲まれている、ロータ(30)と、他方では、前記エンクロージャ(5)の外側に配置されているステータ(31)と、を備える、電動モータ(29)であり、前記ステータ(31)によって生成された磁場が、前記撹拌エンクロージャ(5)の壁を通過して、前記ロータ(30)を回転させることができることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項12】
前記制御された量の液体を導入するための手段(10)が、ポンプケーシング(42)を備える液体ピストンポンプ(32)からなり、前記ポンプ(32)がまた、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストン(33)を備え、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストン(33)が、変位制御手段(44)と協働するピストンアクチュエータ(34)の作用によって、ポンプシリンダ(35)内で並進移動して、可変容積の少なくとも1つのポンプ室(36)を形成することができ、その中へ、入口弁(37)を介して、前記気化可能な液体(2)を導入することができ、かつそこから、排出弁(38)を介して、前記液体(2)を前記液体注入ノズル(9)に吐出することができることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項13】
前記ピストンアクチュエータ(34)が、前記ポンプケーシング(42)に固定されたアクチュエータ回転電動モータ(39)からなり、前記モータ(39)が、いずれかの方向に回転して、前記ポンプケーシング(42)と並進して一体であり、かつ前記ポンプピストン(33)と並進して一体である被駆動伝達手段(41)と協働する駆動伝達手段(40)を回転式に駆動することができ、前記駆動伝達手段(40)が、前記ケーシング(42)と反応して、前記被駆動伝達手段(41)を長手方向に並進移動させることを特徴とする、請求項12に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項14】
前記駆動伝達手段(40)が、ホイールねじ部(56)を有するウォームホイール(43)を回転させるウォーム(47)によって形成され、前記被駆動伝達手段(41)が、前記ホイールねじ部(56)と協働するピストンねじ部(57)からなることを特徴とする、請求項13に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項15】
ガス質量流量計(46)が、前記ガス入口ダクト(7)内を循環する前記混合されるガス(3)の質量流量及び/又は前記混合物引き抜きダクト(11)内を循環する前記均質なガス混合物(4)の質量流量を直接又は間接的に測定することを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項16】
前記制御された量の液体を導入するための手段(10)が、単動又は複動脈動ポンプピストン(64)を備える脈動ポンプ(63)からなり、単動又は複動脈動ポンプピストン(64)が、ポンプソレノイドアクチュエータ(65)の作用によって、脈動ポンプシリンダ(67)を通して並進移動することができ、脈動ポンプシリンダ(67)とともに、可変容積の少なくとも1つの脈動ポンプ室(68)を形成し、その中へ、脈動ポンプ入口弁(69)を介して、前記気化可能な液体(2)を導入することができ、かつそこから、脈動ポンプ排出弁(70)を介して、前記液体(2)を前記液体注入ノズル(9)に吐出することができることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項17】
気化可能な液体(2)の容積及び/又は質量流量が、前記制御された量の液体を導入する手段(10)の上流又は下流に配置される気化可能な液体の流量計(71)によって前記コンピュータ(45)に送り戻されることを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項18】
前記気化可能な液体の流量計(71)が、一方では、圧力源(77)に直接又は間接的に接続される流量計上流室(75)を、及び他方では、前記液体注入ノズル(9)に直接又は間接的に接続される流量計下流室(76)を形成するように、流量計シリンダ(73)内でシールされた方法で移動することができる流量計ピストン(72)によって構成され、前記シリンダ(73)内の前記ピストン(72)の位置が、位置センサ(74)によって前記コンピュータ(45)に送信され、流量計ピストン戻しばね(78)が、前記流量計ピストン(72)を前記流量計上流室(75)に向かって押す傾向にあることを特徴とする、請求項17に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項19】
前記流量計上流室(75)が、流量計ピストン戻し弁(72)によって前記流量計下流室(76)に接続可能であることを特徴とする、請求項18に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項20】
前記流量計ピストン戻し弁(72)は、弁ソレノイドアクチュエータ(88)によって弁オリフィス(86)に対して押圧保持することができる配向可能なシールプレート(85)を備える、請求項19に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項21】
ノズルアキュムレータ(80)が、前記制御された量の液体の導入のための手段(10)と前記液体注入ノズル(9)との間に介在することを特徴とする、請求項1に記載の強制再循環ミキサ。
【請求項22】
前記ノズルアキュムレータ(80)が、アキュムレータシリンダ(82)とともにアキュムレータ室(83)を形成するノズルアキュムレータピストン(81)を備え、前記ピストン(81)が、アキュムレータばね(84)によって前記室(83)に向かって押され、前記液体注入ノズル(9)が、前記ピストン(81)と一体であり、前記ピストン(81)を真っ直ぐにその長さ方向に通過することを特徴とする、請求項21に記載の強制再循環ミキサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本質的に、少なくとも1つの液体及び少なくとも1つのガスを決定された割合で、及び広範囲の質量流量にわたって混合するように設計された強制再循環ミキサに関する。
【0002】
本発明による上記ミキサは、2019年8月16日に公開された仏国特許第3,061,743号の主題であった弁制御点火予室の実施態様に特に好適であり、上記特許は本出願人に属する。
【0003】
上記予室は、パイロット装填材料が成層インジェクタによって成層キャビティ内に噴射されるように設計されており、上記装填材料は、大部分の場合、特に自動車産業において、圧縮手段によって予め加圧された容易に燃焼可能な空気-ガソリン混合物からなる。
【0004】
仏国特許第3,061,743号による発明は、実際には、特に自動車市場に合わせて意図されている。ただし、上記市場は、可能な限り低く維持しなければならないあらゆる機器の原価、重量、及びサイズに対して非常に敏感である。自動車市場は、堅牢性、信頼性、耐用年数、及びメンテナンスの面でも非常に要求が厳しい。
【0005】
これは、仏国特許第3,061,743号による弁制御点火予室があてはまる状況であり、上記予室は、パイロット装填材料を構成する空気-ガソリン混合物の高精度の計量と、可能な限り均質でなければならない上記混合物の高品質の調製との両方を必要とする。
【0006】
しかしながら、上記混合物の調製は、40又は50バール程度の比較的高い圧力で行われ、一方で、ガソリンが混合されなければならない空気の流量は非常に低く、この空気の流量は、150又はそれ以上の比率で強度的に変化し得る。
【0007】
更に、ガソリンは、成層インジェクタにより、得られた空気-ガソリン混合物を成層キャビティ内に導入する前に、それを受け取る空気中で完全に気化されることが不可欠である。
【0008】
空気-ガソリン混合物が受ける高圧にもかかわらず、ガソリンのいかなる部分的な再凝縮も防止することも不可欠であり、上記混合物の均質性が不十分な場合には、上記再凝縮が生じ得る。
【0009】
実際、成層キャビティ内のパイロット装填材料の燃焼品質は、その組成、特に燃焼される混合物の空気/ガソリン比、及びその均質性の両方に依存する。
【0010】
したがって、主として、特定の実施形態によれば、本発明による強制再循環ミキサが、
・取り込まれるガソリンの質量流量が非常に低いにもかかわらず、また、1~150、又はそれ以上の範囲であり得る空気及びガソリンの最小/最大流量の範囲を網羅するにもかかわらず、得られる空気-ガソリン混合物の空気/ガソリン比を正確に制御するために、空気中にガソリンを注入する際に優れた精度を提供し、
・空気中のガソリンの完全な気化を保証し、
・空気-ガソリン混合物の高い均質性、及びガソリンのいずれの部分的な再凝縮も存在しないことを保証し、
・自動車機関の制約に適合して、広い温度範囲にわたって動作することができ、
・内燃機関によって生じる振動に感受性がなく、上記振動が上記ミキサの測定の正確さに影響を及ぼさず、
・自動車に適合した耐久性、強度、及び信頼性を示し、
・いずれの特別なメンテナンスも必要とせず、
・軽量でコンパクトである、という、仏国特許第3,061,743号による弁制御点火予室を実装する。
【0011】
本発明による強制再循環ミキサは、仏国特許第3,061,743号による弁制御点火予室だけでなく、種類又は分野が何であれ、上記ガス又は上記液体を問わず、少なくとも1つのガスを少なくとも1つの液体と正確な割合で、かつ均質に混合することを必要する、任意の他の用途にも適用され得ることを理解されたい。
【0012】
本発明による強制再循環ミキサは、均質なガス状混合物を形成するように、少なくとも1つの気化可能な液体を少なくとも1つの混合されるガスと混合するように設計されており、上記ミキサは、
・少なくとも1つの撹拌エンクロージャであって、その内部キャビティが、均質なガス混合物が連続的に循環することができる再循環ループを形成し、再循環ループの開始部及び終了部が、組み合わされている、少なくとも1つの撹拌エンクロージャと、
・少なくとも1つのガス入口ダクトであって、撹拌エンクロージャ内に直接又は間接的に出現し、かつそれを通って、混合されるガスが、既知の量のガスの導入のための手段によって、再循環ループ内に導入される、少なくとも1つのガス入口ダクトと、
・気化可能な液体を再循環ループ内に導入するために撹拌エンクロージャ内に直接又は間接的に出現する、少なくとも1つの液体注入ノズルであって、上記ノズルは、制御された量の液体の導入のための手段によって送給され、その気化可能な液体の流量が、コンピュータによって制御され、上記気化可能な液体が、混合されるガスとともに、均質なガス混合物を形成する、少なくとも1つの液体注入ノズルと、
・少なくとも1つの混合物引き抜きダクトであって、撹拌エンクロージャ内に直接又は間接的に出現し、かつそれを通って、均質なガス混合物が、ガス引き抜き手段によって、再循環ループから引き抜かれることができる、少なくとも1つの混合物引き抜きダクトと、
・タービンモータによって発動され、かつ再循環ループに位置決めされている、少なくとも1つの撹拌タービンであって、均質なガス混合物を上記ループ内で強制的に循環させる、少なくとも1つの撹拌タービンと、を備える。
【0013】
本発明による強制再循環ミキサは、少なくとも1つの外部同軸ダクトを備え、その各端部が、反転終端部によって閉鎖されており、少なくとも1つの内部同軸ダクトが、外部同軸ダクトに収容されており、均質なガス混合物が循環するための隙間が、一方では各反転終端部と内部同軸ダクトとの間、及び他方では外部同軸ダクトの内面と内部同軸ダクトの外面との間に残されており、外部同軸ダクト内の均質なガス混合物の循環方向が、内部同軸ダクト内の上記混合物の循環方向とは反対である。
【0014】
本発明による強制再循環ミキサは、反転終端部のうちの1つに完全に又は部分的に収容されている撹拌タービンを備え、均質なガス混合物が、外部同軸ダクトの内面と内部同軸ダクトの外面との間に残された隙間を介して、上記タービンの周辺に排出される前に、内部同軸ダクトを介して、上記タービンの中心を通って、吸い込まれる。
【0015】
本発明による強制再循環ミキサは、中空の半トロイダル形状を有する、撹拌タービンを収容している反転終端部と、相補的な突出した半トロイダル形状を有する、撹拌タービンを構成するブレードとを備え、小さな遊びが、上記終端部と上記ブレードとの間に残されている。
【0016】
本発明による強制再循環ミキサは、反転終端部のうちの1つを通過して、内部同軸ダクト内に出現するガス入口ダクトを備える。
【0017】
本発明による強制再循環ミキサは、中空の半トロイダル形状を有する、ガス入口ダクトと交差する反転終端部を備え、そこから、上記ダクトが出現する。
【0018】
本発明による強制再循環ミキサは、ガス入口ダクトの内部内に、又はその出口において出現する液体注入ノズルを備える。
【0019】
本発明による強制再循環ミキサは、内部同軸ダクトを備え、これは、上記内部同軸ダクトを上記外部同軸ダクトに半径方向に接続している少なくとも1つの撹拌羽根によって、外部同軸ダクト内の適所に保持されている。
【0020】
本発明による強制再循環ミキサは、引き抜きリングによって完全に又は部分的に囲繞されている外部同軸導管又はその反転終端部のうちのいずれかを備え、引き抜きリングの内側が、少なくとも1つの半径方向引き抜きオリフィスによって、外部同軸ダクトの内側に接続されており、混合物引き抜きダクトが、上記リング及び上記オリフィスによって、撹拌エンクロージャに接続されている。
【0021】
本発明による強制再循環ミキサは、加熱又は冷却手段を含む撹拌エンクロージャを含む。
【0022】
本発明による強制再循環ミキサは、一方では、撹拌タービンに回転式に接続されており、かつ撹拌エンクロージャに取り囲まれている、ロータと、他方では、上記エンクロージャの外側に配置されているステータと、を備える、電動モータであるタービンモータを備え、上記ステータによって生成された磁場が、撹拌エンクロージャの壁を通過して、ロータを回転させることができる。
【0023】
本発明による強制再循環ミキサは、ポンプケーシングを備える液体ピストンポンプからなる、制御された量の液体の導入のための手段を備え、上記ポンプがまた、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストンを備え、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストンが、変位制御手段と協働するピストンアクチュエータの作用によって、ポンプシリンダ内で並進移動して、可変容積の少なくとも1つのポンプ室を形成することができ、その中へ、入口弁を介して、気化可能な液体を導入することができ、かつそこから、排出弁を介して、上記液体を液体注入ノズルに吐出することができる。
【0024】
本発明による強制再循環ミキサは、ポンプケーシングに固定されたアクチュエータ回転電動モータからなるピストンアクチュエータを備え、上記モータは、いずれかの方向に回転して、ポンプケーシングと並進して一体になり、かつポンプピストンと並進して一体になる被駆動伝達手段と協働する駆動伝達手段を回転式に駆動することができ、上記駆動伝達手段は、上記ケーシングと反応して、上記被駆動伝達手段を長手方向に並進移動させる。
【0025】
本発明による強制再循環ミキサは、ホイールねじ部を有するウォームホイールを回転させるウォームからなる駆動伝達手段を備え、被駆動伝達手段は、ホイールねじ部と協働するピストンねじ部からなる。
【0026】
本発明による強制再循環ミキサは、ガス入口ダクト内を循環する混合されるガスの質量流量及び/又は混合物引き抜きダクト内を循環する均質なガス混合物の質量流量を直接又は間接的に測定するガス質量流量計を備える。
【0027】
本発明による強制再循環ミキサは、単動又は複動脈動ポンプピストンを備える脈動ポンプからなる、制御された量の液体の導入のための手段を備え、単動又は複動脈動ポンプピストンは、ポンプソレノイドアクチュエータの作用によって、脈動ポンプシリンダを通して並進移動することができ、脈動ポンプシリンダとともに、可変容積の少なくとも1つの脈動ポンプ室を形成し、その中へ、脈動ポンプ入口弁を介して、気化可能な液体を導入することができ、かつそこから、脈動ポンプ排出弁を介して、上記液体を液体注入ノズルに吐出することができる。
【0028】
本発明による強制再循環ミキサは、制御された量の液体を導入する手段の上流又は下流に配置される気化可能な液体の流量計によってコンピュータに送り戻される、気化可能な液体の量及び/又は質量流量を含む。
【0029】
本発明による強制再循環ミキサは、一方では、圧力源に直接又は間接的に接続される流量計上流室を、及び他方では、液体注入ノズルに直接又は間接的に接続される流量計下流室を形成するように、流量計シリンダ内でシールされた方法で移動することができる流量計ピストンによって構成される、気化可能な液体の流量計を備え、上記シリンダ内の上記ピストンの位置は、位置センサによってコンピュータに送信され、流量計ピストン戻しばねが、流量計ピストンを流量計上流室に向かって押す傾向にある。
【0030】
本発明による強制再循環ミキサは、流量計ピストン戻し弁によって流量計下流室に接続可能な流量計上流室を備える。
【0031】
本発明による強制再循環ミキサは、弁ソレノイドアクチュエータによって弁オリフィスに対して押圧保持することができる配向可能なシーリングプレートを含む流量計ピストン戻し弁を含む。
【0032】
本発明による強制再循環ミキサは、制御された量の液体の導入のための手段と液体注入ノズルとの間に介在されるノズルアキュムレータを備える。
【0033】
本発明による強制再循環ミキサは、アキュムレータシリンダとともにアキュムレータ室を形成するノズルアキュムレータピストンを備える、ノズルアキュムレータを備え、上記ピストンは、アキュムレータばねによって上記室に向かって押され、液体注入ノズルは、上記ピストンと一体であり、上記ピストンの長さ方向に上記ピストンを真っ直ぐ通る。
【0034】
添付の図面を参照して行われ、非限定的な実施例によって提供される以下の説明は、本発明、その特徴、及びそれがもたらす可能性のある利点をより良く理解することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による強制再循環ミキサの概略断面図であり、その撹拌エンクロージャは、外部同軸ダクトと、内部同軸ダクトと、加熱又は冷却手段とを備え、制御された量の液体の導入のための手段が、アクチュエータ回転電動モータによって回転駆動されるウォーム、ウォームホイール、ホイールねじ部及びピストンねじ部によって作動される、その複動ポンプピストンがポンプシリンダ内で移動する液体ピストンポンプからなる。
【
図2】本発明による、及び
図1に示される変形形態による強制再循環ミキサの拡大概略断面図であり、矢印が、混合されるガス、気化可能な液体、及び均質なガス混合物の流れを可視化することを可能にする。
【
図3】液体ピストンポンプに焦点を当てた、本発明による、及び
図1に示される変形形態による強制再循環ミキサの拡大概略断面図であり、アクチュエータ回転電動モータがウォームを時計回りに回転させるときの上記ポンプの動作を示す。
【
図4】液体ピストンポンプに焦点を当てた、本発明による、及び
図1に示される変形形態による強制再循環ミキサの拡大概略断面図であり、アクチュエータ回転電動モータがウォームを反時計回りに回転させるときの上記ポンプの動作を示す。
【
図5】本発明による、及び
図1に示される変形形態による強制再循環ミキサの三次元図である。
【
図6】本発明による、及び
図1に示される変形形態による強制再循環ミキサの三次元断面図であり、液体ピストンポンプの上部カバーがわずかに上昇して、アクチュエータ回転電動モータによって回転駆動されるウォームを見ることを可能にしている。
【
図7】仏国特許第3,061,743号の主題である弁制御点火予室を受け入れる内燃機関に適用することができるような、本発明による強制再循環ミキサの概略図であり、上記ミキサの制御された量の液体の導入のための手段は、特に位置センサによってその位置がコンピュータに送信される流量計ピストンからなる気化可能な液体の流量計と協働する脈動ポンプからなる。
【
図8】本発明による強制再循環ミキサの三次元断面図であり、制御された量の液体の導入のための手段は、特に位置センサによってその位置が測定される流量計ピストンからなる気化可能な液体の流量計と協働する脈動ポンプからなる。
【
図9】本発明による、及び
図8に示される変形形態による強制再循環ミキサの三次元断面図であり、上記断面は、流量計上流室を流量計下流室と関連付けて配置することができる通常開の流量計のピストン戻し弁を特に示す。
【
図10】
図9に示される本発明による強制再循環ミキサの流量計ピストン戻し弁の概略断面図であり、上記弁は、弁ソレノイドアクチュエータによって弁シールを介して弁オリフィスに対して押圧保持されている配向可能なシーリングプレートを備え、上記アクチュエータは、特に閉鎖を維持するばねから形成された弾性接続部及び停止ピンによって上記プレートを押す。
【0036】
本発明の説明:
本発明による強制再循環ミキサ1、その構成要素、その変形形態、及びその付属品の様々な詳細を
図1~6に示す。
【0037】
図2から明らかであるように、強制再循環ミキサ1は、均質なガス混合物4を形成するように、少なくとも1つの気化可能な液体2と少なくとも1つの混合されるガス3との混合のために提供される。
【0038】
図1~4及び
図6から、本発明による強制再循環ミキサ1が、少なくとも1つの撹拌エンクロージャ5を備え、その内部キャビティは、均質なガス混合物4が連続的に循環することができる再循環ループ6を形成し、再循環ループ6の開始部及び終了部は組み合わされていることが分かる。
【0039】
図1~4及び
図6は更に、強制再循環ミキサ1が、少なくとも1つのガス入口ダクト7を備え、これは、撹拌エンクロージャ5内に直接又は間接的に出現し、またこれを通して、混合されるガス3が、例えば、
図1に示されるように、ガス質量流量計46と関連付けられたコンプレッサ18又は加圧ガスタンクからなり得る既知の量のガスの導入のための手段8によって再循環ループ6内に導入されることを示し、これらのデバイス18、46は、当業者に既知である。
【0040】
図1~4及び
図6において、本発明による強制再循環ミキサ1が、気化可能な液体2を再循環ループ6内に導入するために撹拌エンクロージャ5内に直接又は間接的に出現する少なくとも1つの液体注入ノズル9も備え、上記ノズル9は、制御された量の液体の導入のための手段10によって送給され、その気化可能な液体2の流量は、コンピュータ45によって制御され、上記気化可能な液体2は、混合されるガス3とともに、均質なガス混合物4を形成することに留意されたい。
【0041】
液体注入ノズル9は、制御された量の液体の導入のための手段10の一体部分であり得、制御された量の液体の導入のための手段10は、例えば、それ自体が既知である電磁、圧電若しくは電気油圧制御式のインジェクタ、又はピストン若しくはポンプダイアフラムがソレノイド若しくは圧電電池によって作動され、単位時間当たりの気化可能な液体2の注入量が合理的に制御可能であるポンプインジェクタからなる可能性があることに留意されたい。
【0042】
図1~6において、本発明による強制再循環ミキサ1が、少なくとも1つの混合物引き抜きダクト11を備え、これは、撹拌エンクロージャ5内に直接又は間接的に出現し、またこれを通して、例えば、本出願人に属する仏国特許第3,061,743号に記載されるように、弁制御点火予室21にパイロット装填材料55を供給する成層インジェクタ20からなり得るガス引き抜き手段12によって再循環ループ6から均質なガス混合物4を引き抜くことができることも示されている。
【0043】
図1、2、及び6に示されるように、本発明による強制再循環ミキサ1は、タービンモータ28によって発動され、かつ再循環ループ6に位置決めされている少なくとも1つの撹拌タービン13を備え、上記タービン13は、均質なガス状混合物4を上記ループ6内で強制的に循環させる。
【0044】
図1、2、及び6に示されるように、タービンモータ28は、電気モータであり得ることに留意されたい。変形形態として、上記モータ28が、それを発動させるように撹拌タービン13に直接接続されているか、又は任意のタイプのトランスミッションによって上記タービン13に間接的に接続されているかにかかわらず、上記モータ28は、空気圧式、油圧式、熱式、又は当業者に既知の任意のタイプのものであり得る。
【0045】
図1、2、及び6に示されるように、撹拌エンクロージャ5は、少なくとも1つの外部同軸ダクト14を含むことができ、その各端部は、反転終端部15によって閉鎖されており、少なくとも1つの内部同軸ダクト16が外部同軸ダクト14に収容されており、均質なガス混合物4が循環するための隙間が、一方では各反転終端部15と内部同軸ダクト16との間、及び他方では外部同軸ダクト14の内面と内部同軸ダクト16の外面との間に残されており、外部同軸ダクト14内の均質なガス状混合物4の循環方向は、内部同軸ダクト16内の上記混合物4の循環方向とは反対である。
【0046】
また、
図1、2、及び6において、撹拌タービン13を、反転終端部15のうちの1つに完全に又は部分的に収容することができ、この場合、均質なガス混合物4は、外部同軸ダクト14の内面と内部同軸ダクト16の外面との間に残された隙間を介して、上記タービン13の周辺に排出される前に、内部同軸ダクト16を介して上記タービン13の中心を通って吸い込まれることが分かる。
【0047】
図1、2、及び6はまた、撹拌タービン13を収容している反転終端部15が、中空の半トロイダル形状を有し得、撹拌タービン13を構成するブレード17が、上記終端部15と上記ブレード17との間に小さな遊びを残して、相補的な突出した半トロイダル形状を有することを示す。
【0048】
図1~4及び
図6に示される本発明による強制再循環ミキサ1の代替的な実施形態として、ガス入口ダクト7は、反転終端部15のうちの1つを通過して、内部同軸ダクト16内に出現し得る。
【0049】
この場合、ガス入口ダクト7が通る反転終端部15は、中空の半トロイダル形状を有し得、そこから、上記ダクト7が出現する。
【0050】
図1~4及び
図6において、有利には、液体注入ノズル9は、ガス入口ダクト7の内部内に、又はその出口において出現することができることに留意されたい。上記図において、気化可能な液体2の気化を促進するために、ガス入口ダクト7及び/又は内部同軸ダクト16は、ベンチュリ管の形態をとることができることにも留意されたい。
【0051】
図1~4及び
図6に示されるように、内部同軸ダクト16は、上記内部同軸ダクト16を上記外部同軸ダクト14に半径方向に接続する少なくとも1つの撹拌ブレード22によって、外部同軸ダクト14内の適所に固定された状態で保持され得る。
【0052】
また、
図1~4及び
図6に示されるように、撹拌ブレード22は、均質なガス混合物4の流れに乱流及び速度の差異又は前進を生じさせ、均質なガス混合物4の均質性を促進するように有利に設計され得ることに留意されたい。
【0053】
図1~4及び
図6は、本発明による強制再循環ミキサ1の特定の実施形態によれば、外部同軸ダクト14又はその反転終端部15のうちのいずれかが、引き抜きリング23によって完全に又は部分的に囲繞されることができ、引き抜きリング23の内側は、少なくとも1つの半径方向引き抜きオリフィス24によって、外部同軸ダクト14の内側に接続されており、混合物引き抜きダクト11は、上記リング23及び上記オリフィス24を介して、撹拌エンクロージャ5に接続されていることを示す。
【0054】
図1~4及び
図6において分かるように、半径方向引き抜きオリフィス24の形状及び/又は位置は、外部同軸ダクト14内で混合されるガス3の流れを可能な限り邪魔しないように提供され得る。この点で、例えば、半径方向オリフィス24は、引き抜きリング23内に出現するベイラを形成することができ、ベイラの出口は、混合されなければならない引き抜かれたガス3が、オリフィス24を通るときに回転することを必要とする。
【0055】
また、
図1~4及び
図6において、撹拌エンクロージャ5が、例えば、それらの図に示されるような熱制御室26からなり得る加熱又は冷却手段25を含み得、上記制御室は、上記エンクロージャ5の全部又は一部を囲繞しており、熱伝達若しくは冷媒ガス又は液体27が、上記室26内を循環することが示されている。
【0056】
図7に示される代替として、加熱又は冷却手段25は、少なくとも1つの電気的加熱抵抗62、又は撹拌エンクロージャ5に熱をもたらすか、若しくはこのエンクロージャから熱を除去するための当業者に既知の任意の他の手段からなり得る。
【0057】
図1、2、及び6は、タービンモータ28が、一方では、撹拌タービン13に回転式に接続されており、かつ撹拌エンクロージャ5に取り囲まれている、ロータ30と、他方では、上記エンクロージャ5の外側に配置されているステータ31と、を備える、電動モータ29であることができ、上記ステータ31によって生成された磁場が、ロータ30を回転させるように撹拌エンクロージャ5の壁を通過することができることを示す。
【0058】
本発明による強制再循環ミキサ1のこの特定の構成によると、撹拌エンクロージャ5の壁は、有利には、ステンレス鋼、アルミニウム、又は真鍮などの非磁性材料で作られ得ることに留意されたい。
【0059】
図1及び
図3~6は、制御された量の液体の導入のための手段10が、ポンプケーシング42を含む液体ピストンポンプ32からなることができ、上記ポンプ32はまた、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストン33を含み、少なくとも1つの単動又は複動ポンプピストン33は、変位制御手段44と協働するピストンアクチュエータ34の作用によって、ポンプシリンダ35内で並進移動して、可変容積の少なくとも1つのポンプ室36を形成することができ、その中へ、入口弁37を介して、気化可能な液体2を導入することができ、かつそこから、排出弁38を介して、上記液体2を液体注入ノズル9に吐出することができることを示す。
【0060】
変位制御手段44は、例えば、角度若しくはリニア、光学若しくは「ホール効果」、アブソリュート若しくはインクリメンタルエンコーダによって構成するか、又は1つ以上のリニア若しくは回転電動モータの段階的駆動によって構成することができ、上記制御手段44は、いずれの場合も、コンピュータ45が、ポンプシリンダ35内のポンプピストン33の位置及び前進速度を駆動し、したがって、単位時間当たりに再循環ループ6内に導入される気化可能な液体2の量を制御することを可能にすることに留意されたい。
【0061】
また、ポンプピストン33は、例えば、エラストマで作られたピストンシール19を含み得、上記シール19は、単純であるか、又は複合であり、摩耗防止及び/若しくは摩擦防止粒子が充填されたPTFEで作られたリングと協働するOリングで構成され得ることに留意されたい。
【0062】
図1及び
図3~6において、ピストンアクチュエータ34は、ポンプケーシング42に取り付けられたアクチュエータ回転電動モータ39によって構成することができ、上記モータ39は、ポンプケーシング42と並進して一体になり、かつポンプピストン33と並進して一体になる被駆動伝達手段41と協働する駆動伝達手段40を回転駆動するために、一方向又は反対方向に差異なく回転することができ、上記駆動伝達手段40は、上記ケーシング42と反応して、上記被駆動伝達手段41を長手方向に並進移動させることに留意されたい。
【0063】
また、駆動伝達手段40は、例えば、その中心でタップされ、ひと続きのピニオン、遊星歯車装置、一連の歯付きプーリ及び歯付きベルト、又は当業者に既知の任意の他のタイプの減速ギアによって形成される減速機によってアクチュエータ回転電動モータ39に接続されるホイールからなることができ、上記ホイールは、ポンプピストン33と並進して一体になり、かつ被駆動伝達手段41を形成するねじ付きロッドと協働することに留意されたい。
【0064】
また、駆動伝達手段40及び被駆動伝達手段41は、ラックアンドピニオンギアデバイス、又はプーリ及びケーブルデバイスなどの均等又は類似の効果を生じさせる任意の他の機構によって置き換えられ得ることに留意されたい。
【0065】
図1、3、4及び6に示されるように、及び本発明による強制再循環ミキサ1の特定の実施形態によれば、駆動伝達手段40は、ホイールねじ部56を有するウォームホイール43を回転させるウォーム47によって形成することができ、被駆動伝達手段41は、ホイールねじ部56と協働するピストンねじ部57からなる。
【0066】
図1に示されるように、ガス質量流量計46は、ガス入口ダクト7内を循環する混合されるガス3の質量流量及び/又は混合物引き抜きダクト11内を循環する均質なガス混合物4の質量流量を直接又は間接的に測定することができ、上記流量計46は、コンピュータ16が、液体注入ノズル9によって撹拌エンクロージャ5内に導入される気化可能な液体2の質量流量を決定し、そのエンクロージャ5内で、気化可能な液体2及び混合されるガス3の所望の割合で構成される均質なガス状混合物4を形成することを可能にする。
【0067】
撹拌エンクロージャ5内に導入される気化可能な液体2の質量流量が決定されると、コンピュータ16は、制御された量の液体の導入のための手段10を制御することができ、それにより、撹拌エンクロージャ5における所望の均質なガス混合物4の形成に必要な気化可能な液体2の質量流量を液体注入ノズル9に伝える。
【0068】
図7~9は、制御された量の液体の導入のための手段10が、単動又は複動脈動ポンプピストン64を含む脈動ポンプ63からなることができ、単動又は複動脈動ポンプピストン64は、ポンプソレノイドアクチュエータ65の作用によって、脈動ポンプシリンダ67内で並進して変位可能であることを示す。
【0069】
この場合、脈動ポンプピストン64は、脈動ポンプシリンダ67とともに、可変容積の少なくとも1つの脈動ポンプ室68を形成することができ、その中へ、脈動ポンプ入口弁69を介して、気化可能な液体2を導入することができ、かつそこから、脈動ポンプ排出弁70を介して、上記液体2を液体注入ノズル9に吐出することができる。
【0070】
図7~9において、気化可能な液体2の量及び/又は質量流量は、制御された量の液体の導入のための手段10の上流又は下流に配置される気化可能な液体の流量計71によってコンピュータ45に送り戻すことができることも示されている。
【0071】
本発明の強制再循環ミキサ1のこの特定の構成によれば、気化可能な液体の流量計71は、流量計シリンダ73内でシールされた方法で移動して、圧力源77に直接又は間接的に接続される流量計上流室75を形成することができる流量計ピストン72によって構成され得、圧力源77は、内燃機関51のそれ自体が既知のインジェクタに並列して送給する、上記機関51の燃料ポンプ53によって構成され得る。
【0072】
この場合、流量計ピストン72はまた、流量計シリンダ73とともに、液体注入ノズル9に直接又は間接的に接続される流量計下流室76を形成する。
【0073】
更に、本発明の強制再循環ミキサ1のこの特定の構成によると、流量計シリンダ73内の流量計ピストン72の位置は、誘導、容量、光学、又は当業者に既知の任意のタイプであり得る位置センサ74によってコンピュータ45に送信され、流量計ピストン戻しばね78が、流量計ピストン72を流量計上流室75に向かって押す傾向にある。
【0074】
図7及び10において明確に分かるように、流量計上流室75は、流量計ピストン戻し弁72によって流量計下流室76と接続することができる。
【0075】
この場合、気化可能な液体2は、流量計上流室75から流量計下流室76に移動され、この移動は、流量計ピストン戻しばね78がピストン流量計72に加える力から生じ、これは、ピストン流量計72を流量計上流室75の方向に移動させる効果を有する。
【0076】
流量計ピストン戻し弁72は、
図7、9及び10に示されるような「通常開」型であるか、又はそうでなければ「通常閉」型のものであり得ることに留意されたい。
【0077】
図10は、本発明の強制再循環ミキサ1の流量計ピストン戻し弁72の特定の実施形態を示し、それによれば、上記弁72は、弁ソレノイドアクチュエータ88によって弁オリフィス86に対して押圧保持することができる配向可能なシーリングプレート85を備え、弁シール87が、上記プレート85と上記オリフィス86との間に介在され、弁ソレノイドアクチュエータ88は、弾性接続部89によって配向可能なシーリングプレート85を押す。
【0078】
本発明による強制再循環ミキサ1の別の変形実施形態として、
図7~9において、ノズルアキュムレータ80を、制御された量の液体の導入のための手段10と液体注入ノズル9との間に介在させることができ、それによって、上記手段10が気化可能な液体2の流量に大きな変動を生じさせる場合、液体注入ノズル9によって撹拌エンクロージャ5内に吐出される上記液体2の有効流量が、より小さな振幅にわたって上記変動にさらされることが示されている。
【0079】
この場合、ノズルアキュムレータ80は、アキュムレータシリンダ82とともにアキュムレータ室83を形成するノズルアキュムレータピストン81を備えることができ、上記ピストン81は、アキュムレータばね84によって上記室83の方向に押され、液体注入ノズル9は、上記ピストン81と一体であり、上記ピストン81の長さ方向に上記ピストン81を真っ直ぐ通る。
【0080】
本発明の動作
【0081】
本発明による強制再循環ミキサ1の動作は、
図1~6を考慮すると容易に理解される。
【0082】
この動作を例示するために、ここで、
図1に概略的に示されるように、強制再循環ミキサ1が、仏国特許第3,061,743号に記載されるような弁制御点火予室用の成層インジェクタ20に均質なガス混合物4を供給するために使用され、上記予室21が、図示されない自動車に動力を供給するために使用される内燃機関51に適用されると仮定する。
【0083】
図1及び7において分かるように、本発明による強制再循環ミキサ1は、有利には、コンプレッサ18の入口に配置されるキャブレタ又はインジェクタに取って代わる。そのような構成に関連して、上記ミキサ1は、上記コンプレッサ18内の均質なガス状混合物4の自己着火のあらゆるリスク、及び上記混合物4を部分的に構成する気化可能な液体2の上記コンプレッサ18内での再凝縮のあらゆるリスクを排除する。
【0084】
更に、コンプレッサ18の入口に配置されたキャブレタ又はインジェクタと比較して、本発明による強制再循環ミキサ1は、より正確な組成の、均質性のより高い均質なガス状混合物4を調製し、コンプレッサ18の入口と成層インジェクタ20との間に格納される均質なガス状混合物4の量を潜在的に低減する。
【0085】
本発明によるミキサ1はまた、内燃機関51が一時的に停止されている場合でさえも、均質なガス混合物4の恒久的な混合を確実にし、これは、例えば、自動車に見られるような熱-電気ハイブリッド用途の文脈において望ましい。
【0086】
そのため、本発明による強制再循環ミキサ1は、コンプレッサ18の技術的定義において、上記コンプレッサ18の入口に配置されたキャブレタ又はインジェクタよりも、より高い自由度を提供する。
【0087】
依然として、キャブレタ又はインジェクタが、特に上記機関が大量生産される自動車に取り付けられる場合に、任意の内燃機関51に弁制御点火予室21を実装するための可能な解決策として残るという事実は変わらない。
【0088】
本明細書に開示される本発明による強制再循環ミキサ1の特定の用途の文脈では、均質なガス混合物4は、内燃機関51の各サイクルにおいて、弁制御点火予室21内の成層インジェクタ20によって導入されるパイロット装填材料55を構成する。
【0089】
本発明の強制再循環ミキサ1の使用のこの特定の例によれば、成層インジェクタ20及び弁制御点火予室21はしたがって、ガス引き抜き手段12を形成する。
【0090】
ここで、混合されるガス3が大気49であり、気化可能な液体2が、自動車が一般的に消費するようなガソリン50であると想定する。
【0091】
また、ここで、成層インジェクタ20に送給される均質なガス混合物4は、非限定的な例として、1グラムのガソリン50当たり14グラムの空気49で構成されなければならず、したがって、上記ガス混合物4は、化学量論と比較してわずかに豊富であると仮定する。
【0092】
本発明による強制再循環ミキサ1のこの特定の用途において、内燃機関51がアイドリングしているときに成層インジェクタ20に供給される均質なガス混合物4の質量流量は、上記機関51が全出力で動作しているときに上記インジェクタ20に供給される上記混合物4の質量流量よりも150倍低いと考える。
【0093】
ここで、内燃機関51の動作点が何であれ、均質なガス状混合物4が構成される空気49及びガソリン50の質量割合は変化してはならないと考える。
【0094】
また、空気49及びガソリン50からなる均質なガス混合物4が、40バールの圧力下で成層インジェクタ20に供給されると想定する。
【0095】
この結果を達成するために、
図1では、空気49が記号で表されるコンプレッサ18によって加圧されることに留意する。上記コンプレッサ18は、ガス質量流量計46と協働する。合わせて、上記コンプレッサ18及び上記流量計46は、本発明による強制再循環ミキサ1が備える既知の量のガスの導入のための手段8を形成する。
【0096】
上記ミキサ1の一実施形態の非限定的な例として、
図1及び
図3~6は、ガソリン50が、可変容積の2つのポンプ室36を形成するためにポンプシリンダ35内で並進移動することができる複動ポンプピストン33を含む液体ピストンポンプ32によって加圧されることを示す。
【0097】
図3及び4において、矢印は、ガソリン50が吸込弁37を介してポンプ室36の各々に導入され、次いで上記ガソリン50が排出弁38を介して液体注入ノズル9に吐出されることを示す。
【0098】
このように構成された液体ピストンポンプ32は、制御された量の液体の導入のための手段10を形成する。
【0099】
図1において、ガソリン50は、内燃機関51によって動力を供給される自動車を含むガソリンタンク52から来ていることに留意されたい。また、
図1では、ガソリン50は、液体ピストンポンプ32内に導入される前に、上記機関51を構成する主噴射システム(図示せず)にも供給しなければならないガソリンポンプ53によって加圧されることに留意されたい。
【0100】
40バールの圧力下で、1グラムのガソリン50当たり14グラムの空気49の割合で均質なガス混合物4を達成するために、上記混合物4が生成される撹拌エンクロージャ5は、少なくとも70℃の温度で運ばれなければならない。
【0101】
上記温度は、均質なガス混合物4を形成するガソリン50の全てが、上記温度での上記ガソリン50の飽和蒸気圧を考慮して、蒸気状態になり、上記状態に留まるようにするために必要である。
【0102】
これが、
図1~4及び
図6に示されるように、撹拌エンクロージャ5の大部分を囲繞する熱制御室26が提供される理由である。内燃機関51を冷却するための冷却水54からなる熱伝達若しくは冷媒液体又はガス27は、熱制御室26内を循環する。100℃に近い温度で熱制御室26内を循環する上記水54は、
図2において文字「C」によって記号化されている。
【0103】
したがって、熱制御室26は、均質なガス混合物4が部分的に形成されるガソリン50が、完全に蒸気のままであることを保証する加熱又は冷却手段25であり、これは、上記混合物4が受ける40バールの圧力にもかかわらない。
【0104】
内燃機関51がアイドリングしているとき、成層インジェクタ20によって弁制御点火予室21内に毎秒導入される均質なガス状混合物4の総量は、非常に少ない。大きさとして、上記量は、2.5立方ミリメートルのガソリン50と混合される22ノルマル立方センチメートルの空気49であり得る。
【0105】
また、空気49及びガソリン50の均質な混合物を得るために、均質なガス混合物4は、撹拌エンクロージャ5の内部キャビティによって形成された再循環ループ6内で撹拌される。
【0106】
ここで、撹拌エンクロージャ5が、40バールの圧力を受ける60立方センチメートルの均質なガス状混合物4を収容すると想定する。この量の上記混合物4は、内燃機関51がアイドルで動作しているときに、パイロット装填材料55の形態で、成層インジェクタ20によって弁制御点火予室21に毎分供給される量である。
【0107】
したがって、内燃機関51がアイドリングしているとき、再循環ループ6内を循環する均質なガス状混合物4の質量流量は、弁制御点火予室21に供給するために成層インジェクタ20によって撹拌エンクロージャ5から引き抜かれる上記混合物4の流量よりも数十倍から数百倍大きい。
【0108】
撹拌エンクロージャ5に収容される均質なガス状混合物4のその時点の流れ、及び再循環ループ6におけるその絶え間ない変位によって生成される上記混合物4の撹拌は、長期間にわたって上記混合物4の組成を平均化することを可能にし、上記混合物4を非常に均質にする。
【0109】
均質なガス混合物4の撹拌は、
図2に特に示されており、
図2では、再循環ループ6が外部同軸ダクト14から形成されており、その各端部が、中空の半トロイダル形状の反転終端部15によって閉鎖されており、内部同軸ダクト16が、外部同軸ダクト14に収容されており、均質なガス混合物4が一方では各反転終端部15と内部同軸ダクト16との間、及び他方では外部同軸ダクト14の内面と内部同軸ダクト16の外面との間を循環するための隙間が残されていることが分かる。
【0110】
図2において、外部同軸ダクト14内の均質なガス混合物4の循環方向が、内部同軸ダクト16内の上記混合物4の循環方向とは反対であることに留意されたい。
【0111】
図1、2及び6では、反転終端部15のうちの1つに部分的に収容されている撹拌タービン13が示されており、均質なガス混合物4は、
図2に示される矢印によって特に明確に示されるように、内部同軸ダクト16を介して上記タービン13の中心によって吸い込まれ、これは、外部同軸ダクト14の内面と内部同軸ダクト16の外面との間に残された隙間を介して上記タービン13の周辺に排出される前である。
【0112】
図1、2及び6において、有利には、かつ本発明の強制再循環ミキサ1のこの例示的な実施形態によれば、撹拌タービン13を収容している反転終端部15の中空の半トロイダル形状が、上記タービン13を含む突出したブレード17の形状と相補的であり、小さな遊びが、上記終端部15と上記ブレード17との間に残されていることが示されている。
【0113】
図1において、撹拌タービン13を回転させるタービンモータ28が、一方では、撹拌タービン13に回転接続されており、タービンエンクロージャ5に取り囲まれているロータ30と、他方では、上記エンクロージャ5の外側に配置されているステータ31とを備える電動モータ29であり、上記ステータ31によって生成された回転磁場が撹拌エンクロージャ5の壁を通過し、ロータ30を回転させることに留意されたい。
【0114】
タービンモータ28のこの特定の構成は、撹拌タービン13の回転駆動を確実にするために、撹拌エンクロージャ5の壁を通る回転シャフトシーリングを使用することを回避し、これは、上記エンクロージャ5内で広がっている40バールの比較的高い圧力を考慮して有利である。
【0115】
図1~4及び6は、ガス入口ダクト7が、内部同軸ダクト16内に出現するために、撹拌タービン13を収容している方とは反対側の反転終端部15を通ることを示す。
【0116】
図1、2及び6において明確に分かるように、内部同軸ダクト16は、内部同軸ダクト16を外部同軸ダクト14に半径方向に接続する撹拌羽根22によって、上記外部同軸ダクト14内の適所に保持される。有利には、撹拌羽根22は、均質なガス混合物4の流れに乱流及び速度の差異を生じさせ、均質なガス混合物4の均質性を促進する。
【0117】
図2において分かるように、本明細書では文字「A」によって記号化された空気49からなる混合されるガス3は、ガス入口ダクト7を通して撹拌エンクロージャ5内に導入され、液体注入ノズル9は、上記ダクト7の出口の近傍において上記ダクト7内から撹拌エンクロージャ5内に出現する。
【0118】
液体注入ノズル9は、本明細書では文字「F」によって記号化されたガソリン50によって構成される気化可能な液体2の必要な量を、ガス吸込導管7内を循環する空気49中に導入し、それによって、液体状態のガソリン50を多かれ少なかれ含有する、多かれ少なかれ均質なガス状混合物4が形成され、これは、1グラムのガソリン50当たり14グラムの空気49の割合である。
【0119】
したがって、空気49は、ガス入口ダクト7内で部分的に蒸発するガソリン50と予め混合され、次いで、得られたガス混合物は、撹拌エンクロージャ5内に流入する。
【0120】
空気49及びガソリン50の予混合物は、次いで、再循環ループ6において、そこで既に循環している均質なガス混合物4によって動かされる。次に、上記予混合物は、特に、撹拌タービン13及び撹拌ブレード22によって撹拌され、上記予混合物を構成するガソリン50は、完全に蒸発して所望の均質なガス混合物4を形成する。
【0121】
ガソリン50のいくらかは、液体状態でガス入口ダクト7を離れる場合、必然的に、撹拌タービン13のブレード17の表面、内部同軸ダクト16の内面若しくは外面、外部同軸ダクト14の内面、又は撹拌ブレード22の表面に堆積されることに留意されたい。次いで、再循環ループ6内の均質なガス混合物4の強制循環は、液体状態の上記ガソリン50を担持する上記表面を乾燥させ、それによって、上記ガソリン50が蒸気状態の上記ガス混合物4に合流する。
【0122】
図2に示されるように、文字「AF」によって上記
図2で記号化された空気49及びガソリン50からなる均質なガス混合物4の抜き出しは、撹拌エンクロージャ5、より正確には、撹拌エンクロージャ5の内部キャビティによって形成された再循環ループ6内に出現する混合物引き抜きダクト11を介して行われる。
【0123】
図1~5及び
図6において、外部同軸ダクト14の上側反転終端部15は、その内側が半径方向引き抜きオリフィス24によって外部同軸ダクト14の内部に接続されている引き抜きリング23によって部分的に囲繞されており、混合物引き抜きダクト11は、上記リング23及び上記オリフィス24によって撹拌エンクロージャ5に接続されていることに留意されたい。
【0124】
図1~4及び
図6において分かるように、半径方向引き抜きオリフィス24の位置及び向きは、外部同軸ダクト14内、より正確には、外部同軸ダクト14の上側反転終端部15内の均質なガス混合物4の流れを可能な限り邪魔しないように提供される。
【0125】
したがって、均質なガス混合物4が、成層インジェクタ20によって撹拌エンクロージャ5から引き抜かれるとき、上記混合物4は、完全に均質であり、1グラムのガソリン50当たり14グラムの空気49の割合で、空気49及びガソリン50のみからなる。
【0126】
空気49及びガソリン50のそのような割合を正確に得るために、液体注入ノズル9を介して正しい量のガソリン50を上記空気49中に導入することが可能であるように、撹拌エンクロージャ5内に入れられる空気49の質量流量を知る必要がある。
【0127】
このため、本発明の強制再循環ミキサ1は、その動作を説明するための本明細書に記載の実施形態によると、差圧式、ピトー管、ルディオン、カップ、プロペラ若しくはタービンを有する、パレットを有する、イオン式、超音波式、電磁式、コリオリ式、カルマン渦式若しくはボルテックス効果、熱線若しくはフィルムを有する、熱質量、又は概して、当業者に既知の任意のタイプであり得るガスの質量流量計46と協働する。
【0128】
上記流量計46は、撹拌エンクロージャ5において許容される空気49の有効質量流量を、
図1において文字「ECU」によって記号化されたコンピュータ45に戻し、上記コンピュータ45は、適宜、液体ピストンポンプ32を制御することができる。
【0129】
図1、3、4、及び6に示されるように、ピストンポンプ32の複動ピストンポンプ33は、ここで、ポンプケーシング42に取り付けられたアクチュエータ回転電動モータ39によって、それが協働するポンプシリンダ35内で並進移動する。
【0130】
図3及び4に示されるように、アクチュエータ電動回転モータ39は、一方向又は他方向に回転して、ポンプケーシング42に並進して接続され、かつホイールねじ部56が提供されたウォームホイール43を回転させるウォーム47によってここで形成される駆動手段40を回転駆動することができる。
【0131】
図3及び4において明確に分かるように、ホイールねじ部56は、ポンプピストン33と一体であり、かつ被駆動伝達手段41を形成する、ピストンねじ部57と協働する。
【0132】
ウォームホイール43がウォーム47の作用によって回転すると、ウォームホイール43は、雄ピストンねじ部57の周りに雌ホイールねじ部56を螺合させるか又は螺合解除させ、それによって、ポンプシリンダ35内で複動ポンプピストン33を並進移動させる。
【0133】
図3は、アクチュエータ回転電動モータ39がウォーム47を時計回りに回転させると、ポンプピストン33が下方に移動し、下部ポンプ室36に収容されているガソリン50をその排出弁38を介してポンプ室36から吐出し、一方で、上部ポンプ室36がその入口弁37を介してガソリン50を引き込むことを示す。
【0134】
図4は、アクチュエータ回転電動モータ39がウォーム47を反時計回りに回転させるときに何が起こるかを示す。この場合、ポンプピストン33は、上部ポンプ室36に収容されているガソリン50を上昇させ、上記室36の排出弁38を介して上記室36から吐出し、一方で、下部ポンプ室36は、その吸込弁37を介してガソリン50を吸い込む。
【0135】
図6において、ピストンねじ部57が、ポンプケーシング42に提供された相補的な押し出し形態と協働する六角形ヘッド58によって上記ケーシング42内で回転ロックされていることに留意されたい。
【0136】
図1、3、4、及び6において、ウォームホイール43が、その長手方向軸の周りを回転しながら、それ自体が既知のボールストップ59によってポンプケーシング42内で軸方向に支持されていることにも留意されたい。
【0137】
最後に、
図1、3、4、及び6において、ウォームホイール43とポンプケーシング42との間の任意の軸方向の遊びが、この例によれば上記ケーシング42と上部ボールストップ59との間に介在している軸方向の遊びを除去するばね60によって排除されることに留意することができる。
【0138】
図1及び
図3~6において、ここで、この例によればブラシレスモータ39であるアクチュエータ回転電動モータ39が示されており、これは、上記モータ39の1回転当たり30パルスを生成する「ホール効果」エンコーダを組み込んでいる。
【0139】
特に
図1、3、4及び6において、ポンプシリンダ35の内側が、ポンプピストン33が接触することができる初期化ストップ61を有し、それによって、コンピュータ45が、この参照から「ホール効果」エンコーダによって生成されたパルスをカウントすることができることに留意されたい。
【0140】
したがって、ウォームホイール43が30個の歯を有する場合、ホイールねじ部56及びピストンねじ部57のピッチが1ミリメートルである場合、及びアクチュエータ回転電動モータ39の各回転において「ホール効果」エンコーダによって生成される30回のパルスを考慮に入れると、「ホール効果」エンコーダの1パルスは、およそ1マイクロメートルのポンプピストン33の変位に対応する。
【0141】
ポンプピストン33の変位と、対応するポンプ室36から吐出されるガソリン50の量との比率がコンピュータ45から分かるため、コンピュータ45は、ガス質量流量計46によって上記コンピュータ45に送り戻される空気49の質量流量の14分の1に相当する、液体注入ノズル9を介して吐出されるガソリン50の質量流量を生成するように、アクチュエータ回転電動モータ39の回転を正確に制御することができる。
【0142】
上記から容易に推測することができるように、本発明による強制再循環ミキサ1は、1グラムのガソリン50当たり14グラムの空気49の割合で、ここでは空気49及びガソリン50から形成される均質なガス混合物4を生成することを可能にする。
【0143】
このため、強制再循環ミキサ1は、高圧ガソリンポンプを必要とせず、自動車産業において最も普及したマルチポイント噴射システムに取り付けられるガソリンポンプ53によって通常供給される数バールの圧力は、例えば、液体ピストンポンプ32に供給するのに十分である。実際には、液体注入ノズル9を介して撹拌エンクロージャ5に上記ガソリン50を導入するために必要な40バール超までガソリン50の圧力を上昇させるのを担うのは、液体ピストンポンプ32自体である。
【0144】
所望の結果を達成するために、本発明による強制再循環ミキサ1は、全ての場合に、特に非常に低い流量のその注入量が不確実なままである高精度インジェクタも必要としない。また、強制再循環ミキサ1の特定の構成は、完全な気化を確実にするために、ガソリン50を細かい液滴で霧化することを必要としないことに留意されたい。実際、この気化は、均質なガス混合物4のガソリン50の平均含有量を損なうことなく、再循環ループ6において後で実行され得る。
【0145】
図及び強制再循環ミキサ1の動作の本説明から推測できるように、液体ピストンポンプ32は、液体注入ノズル9を介して撹拌室5内に導入されるガソリン50の注入及び流量の測定を同時に確実にする。したがって、上記液体ピストンポンプ32は、空気49及びガソリン50の適切な割合で均質なガス混合物4を形成するためにガソリン流量計50を使用する必要性を回避する。
【0146】
ポンプピストン33の直径が12ミリメートルである場合に、これは、30個の歯のウォームホイール43、1ミリメートルのホイールねじ部のピッチ56及びピストンねじ部のピッチ57、並びに、アクチュエータ回転電動モータ39の回転ごとに「ホール効果」エンコーダによって生成される30回のパルスの場合、「ホール効果」エンコーダの1回のパルスは、液体注入ノズル9を介して撹拌エンクロージャ5内に注入されるおよそ0.8ミリグラムのガソリン50に対応することが分かる。
【0147】
ホイールねじ部56のピッチが半分になっている場合、「ホール効果」エンコーダのパルス当たりに注入されるガソリン50の量は、2分の1である。
【0148】
したがって、ポンプピストン33のストローク全体にわたって「ホール効果」エンコーダによって生成されるパルスの総数に対して、高い精度で決定される一定量のガソリン50が対応することに留意されたい。
【0149】
結果として、「ホール効果」エンコーダの2回のパルス間に液体注入ノズル9を介して撹拌エンクロージャ5内に導入されるガソリン50の量の正確さは平均して非常に高い。
【0150】
撹拌エンクロージャ5は、比較的長い時間にわたって大量の均質なガス混合物4中で上記量のガソリン50を希釈するため、成層インジェクタ20によって引き抜かれる均質なガス混合物4の濃さは非常に正確であり、これは、仏国特許第3,061,743号による弁制御点火予室21の動作の全ての状況において制御に都合が良い。
【0151】
ポンプピストン33が複動であるため、その最大前進速度は、例えば、その直径が12ミリメートルである場合、最大出力で動作する2リットルのシリンダ容量の過給式内燃機関51の弁制御点火予室21に供給するために、毎秒3又は4ミリメートルを超えない場合があることに留意されたい。
【0152】
このミリメートル速度は、完全にシールされたピストンシール19を上記ピストン33に装備することを可能にし、その耐用年数は、特定の潤滑特性を有しないガソリン50内で動作するにもかかわらず、長くなる。
【0153】
実際、ピストンシール19は、例えば、複合材であり得、摩擦防止粒子を充填したPTFEで作られたリングを含み得、上記リングは、ポンプシリンダ35と接触して保持される。そのようなピストンシール19は、説明されたばかりの動作条件に特に適しており、少なくとも、弁制御点火予室21に成層インジェクタ20を介して均質なガス混合物4を供給する上で協働する内燃機関51と同じくらい長く持続することができる。
【0154】
説明されたばかりの本発明の強制再循環ミキサ1の例示的な実施形態によれば、コンピュータ45は、ポンプシリンダ35における複動ピストンポンプ33の方向の変化中のガソリン50の平均流量の損失を有利に補償することに留意されたい。
【0155】
実際、上記ピストン33の反転点において、アクチュエータ回転電動モータ39は、ウォーム47とウォームホイール43との間の遊びなどのいくつかの遊びを補償しなければならないか、又はシール19が受ける圧力差の方向が変化するときに、その溝におけるピストンシール19の変形を補償しなければならない。
【0156】
コンピュータ45は、アクチュエータ回転電動モータ39が動作するために必要とされる電流を測定することによって、この補償を行うことができ、そのような強度は、ポンプピストン33が少なくとも40バールの圧力に再び直面するときを検出することを可能にする。
【0157】
コンピュータ45はまた、ポンプピストン33の反転点における必要な補償に関するデータを組み込むことができ、これは、本発明による強制再循環ミキサ1の最初の使用の前に行われるベンチテストの結果のデータである。
【0158】
したがって、コンピュータ45は、ポンプピストン33の再装填動作に割り当てられる時間を考慮して、その時点で大量の均質なガス混合物4が撹拌エンクロージャ5に収容されるのであれば、成層インジェクタ20によって見られるような濃さの一時的な変化は無視できることを念頭に置いて、ガソリン50に対する所望の空気49の比に従った均質なガス混合物4を得るために必要な平均流量を再構築することができる。
【0159】
図7~10では、本発明による強制再循環ミキサ1の代替的な実施形態が示されており、この場合、制御された量の液体の導入のための手段10は、説明されたばかりの液体ピストンポンプ32ではなく、ポンプケーシング42に収容された脈動ポンプ63からなる。
【0160】
図7~9に示される本発明の強制再循環ミキサ1の例示的な実施形態によれば、脈動ポンプ63は、ポンプソレノイドアクチュエータ65の作用によって、脈動ポンプシリンダ67内で並進可能である単動脈動ポンプピストン64を備える。
【0161】
また、ここで、混合されるガス3は大気49であり、一方で、気化可能な液体2は自動車によって一般的に消費されるようなガソリン50であると想定される。
【0162】
脈動ポンプピストン64は、脈動ポンプシリンダ67とともに、可変容積の脈動ポンプ室68を形成し、その中へ、脈動ポンプ入口弁69を介して、ガソリン50を導入することができ、かつそこから、脈動ポンプ出口弁70を介して、上記ガソリン50を液体注入ノズル9に吐出することができる。
【0163】
脈動ポンプ排出弁70は、撹拌エンクロージャ5内に存在する圧力が、脈動ポンプ63の上流に位置付けられているガソリン回路50内に存在する圧力よりも低い場合、撹拌エンクロージャ5が望ましくない方法でガソリン50によって満たされないように、数バールまで高度に較正され得ることに留意されたい。
【0164】
ガソリン50を撹拌エンクロージャ5内に注入するために、コンピュータ45は、ポンプソレノイドアクチュエータ65のソレノイドコイル95に電流を供給する。これは、脈動ポンプピストン64を脈動ポンプ室68の方向に押し戻す効果を有し、上記ピストン64は、脈動ポンプ排出弁70及び液体注入ノズル9を介して対応する量のガソリン50を上記室68から吐出する。
【0165】
これが行われると、コンピュータ45は、ポンプピストン戻しばね66が脈動ポンプピストン64を下死点に戻し、脈動ポンプ室68がその脈動ポンプ入口弁69を介して再びガソリン50を引き込むように、ソレノイドコイル95に電流を供給することを停止する。
【0166】
脈動ポンプ入口弁69の上流に広がるガソリン50の供給圧力が、割り当てられた時間内に脈動ポンプピストン64を下死点に押し戻すのに十分である場合、ポンプピストン戻しばね66が必要でないことに留意されたい。
【0167】
図7~9は、脈動ポンプ63と液体注入ノズル9との間のノズルアキュムレータ80の存在を示す。
【0168】
ノズルアキュムレータ80は、ガソリン50の通過にわずかな部分しか残さない液体注入ノズル9を提供することを可能にし、これは、撹拌エンクロージャ5内の上記ノズル9の出口における上記ガソリン50の微細な霧化に都合が良い。
【0169】
ノズルアキュムレータ80はまた、脈動ポンプ排出弁70の出口で生じる圧力ピークを下げることを可能にし、したがって、これらのピークに対抗するためにソレノイドコイル95を特大にすることを回避する。
【0170】
更に、ノズルアキュムレータ80は、液体注入ノズル9によって撹拌エンクロージャ5内に気化されるガソリン流量50の変動範囲を縮小させ、これは、上記エンクロージャ5内で形成される均質なガス混合物4のより良い均質性を導く。
【0171】
図7~8に示される非限定的な例によれば、ノズルアキュムレータ80は、アキュムレータシリンダ82とともにアキュムレータ室83を形成するノズルアキュムレータピストン81を備え、上記ピストン81は、アキュムレータばね84によって上記室83の方向に押され、液体注入ノズル9は、上記ピストン81と一体であり、上記ピストン81の長さ方向に上記ピストン81を真っ直ぐ通る。
【0172】
図8及び9において、ソレノイド96のストロークを調整するための手段により、脈動ポンプピストン64の有効ストロークを調整することが可能になり、したがって、脈動ポンプ63のシリンダ容量を調整することが可能になることが分かる。
【0173】
上記から、脈動ポンプ63によって撹拌エンクロージャ5内に注入されるガソリン流量50は、上記ポンプ63のシリンダ容量×その体積効率×その作動周波数の積であると容易に推測することができる。
【0174】
例として、上記ポンプ63のシリンダ容量が13立方ミリメートルである場合、上記ポンプ63の体積効率が70%であり、その作動周波数が30ヘルツである場合、上記ポンプ63の流量は、273立方ミリメートル/秒である。
【0175】
図7~9において分かるように、コンピュータ45が、所望の空気49対ガソリン50の比率に従って、均質なガス混合物4の撹拌エンクロージャ5における形成に必要な脈動ポンプ63の有効流量を調整するために、強制再循環ミキサ1は、液体注入ノズル9によって撹拌エンクロージャ5内に注入されるガソリン50の有効質量流量を上記コンピュータ45に送り返す気化可能な液体の流量計71を備える。
【0176】
気化可能な液体の流量計71のおかげで、コンピュータは、それ自体が既知の「PIDコントローラ」タイプのソフトウェア制御ループを実装する。
【0177】
実際、ガス質量流量計46は、撹拌エンクロージャ5に入る空気49の有効質量流量をコンピュータ45に送り返し、その結果、所望の空気49対ガソリン50の比率を考慮して、脈動ポンプ63によって上記エンクロージャ5内に導入されるガソリン50の流量の設定値が自然に生じる。
【0178】
したがって、ガソリン50の流量は、PIDコントローラによって設定される値を形成し、上記流量は、数秒間にわたって平均化されたときに、上記流量の有効値が上記設定値に近いことを条件に、それに割り当てられる設定値の周りで多かれ少なかれ変動し得る。
【0179】
実際、撹拌エンクロージャ5内の均質なガス状混合物4の撹拌タービン13による強制循環は、設定値の周りでガソリン50の流量が変化するにもかかわらず、上記混合物4を均質化する。
【0180】
ガソリン50の流量を上下に調節するために、コンピュータ45は、脈動ポンプ63のポンプソレノイドアクチュエータ65の周波数及び/又は作動出力を変調することができる。
【0181】
図7~9に示される本発明の強制再循環ミキサ1の非限定的な実施形態の例によれば、気化される液体の流量計71は、一方では、機関51のガソリンポンプ53に接続される流量計上流室75を、及び他方では、脈動ポンプ63の入口に接続される流量計下流室76を形成するように、流量計シリンダ73内でシールされた方法で移動することができる流量計ピストン72を特に含む。
【0182】
特に
図7及び8において、流量計ピストン72は、各端部に、露天に出現する流量計ピストンシールエクステンダ101を有することに留意する。
【0183】
流量計ピストンシールエクステンダ101は、流量計ピストン72の同じ変位について、流量計上流室75によって入れられるか又は排出されるガソリン50の体積が、流量計下流室76によって同時に入れられるか又は排出されるガソリン50の体積と同一であることを確実にする。したがって、ガソリンポンプ53によって送達されるガソリン50の流量は、流量計シリンダ73内の流量計ピストン72の前後移動によって、上記前後移動の速度に関係なく、決して妨げられない。
【0184】
流量計シリンダ73内の流量計ピストン72の位置は、位置センサ74によってコンピュータ45に送信され、この場合、位置センサ74は、「Posic」社によって市販されているようなアブソリュートリニアエンコーダである。
【0185】
エンコーダは、ストリップ支持被誘導スライダ97によって運ばれるターゲットストリップ100を読み取り、このターゲットストリップ100は、一方では小さな遊びを有して収容されるスライダ誘導レール98内で、他方では流量計ピストン72の延長部内で、長手方向に並進移動することができる。
【0186】
ストリップ支持被誘導スライダ97は、連結磁石99によって流量計ピストン72に並進して固定され、連結磁石99は、ターゲットストリップ100の側面に位置決めされている流量計ピストンシールエクステンダ101によって恒久的に引き寄せられることに留意されたい。
【0187】
図7~9において、流量計ピストン戻しばね78は、流量計ピストン72を流量計上流室75の方向に移動させる傾向があることが分かる。
【0188】
図7の図から、気化可能な液体の流量計71の動作原理を容易に推測することができる。
【0189】
実際は、脈動ポンプ63によって撹拌エンクロージャ5内に導入されるガソリン50の質量流量を決定するために、コンピュータ45は、一方では位置センサ74を介して、流量計ピストン72が単位時間当たりに移動した距離を読み出し、他方では、流量計下流室76に配置された温度センサ103によって、上記ガソリン50の温度を読み出す。
【0190】
例えば、流量計ピストン72の有効区間が140平方ミリメートルである場合、流量計ピストン72が毎秒1ミリメートル移動するとき、脈動ポンプ63によって撹拌エンクロージャ5内に導入されるガソリン50の体積流量は、毎秒140立方ミリメートルである。
【0191】
撹拌エンクロージャ5内に導入されるガソリン50の質量流量を計算するためには、20℃での密度、及び上記ガソリン50の熱膨張係数が、内燃機関51のコンピュータ(図示せず)によって入力されるために既知であり、コンピュータ45は、上記ガソリン50の密度にその体積流量を乗算するだけでよい。
【0192】
より高い精度のために、圧力センサ102が、流量計下流室76に任意選択的に提供され得、コンピュータ45が、ガソリン50の圧縮率を上記ガソリン50のその密度計算に含めることを可能にする。
【0193】
流量計ピストン72が読み取りストロークの端部に到達するとき、すなわち、流量計下流室76の体積がその所定の最小値に到達するとき、流量計ピストン戻し弁72が開き、上記下流室76を流量計上流室75と接続し、これは、流量計上流室75に収容されているガソリン50を流量計下流室76内に移動させる効果を有する。
【0194】
このガソリン移動50は、流量計ピストン72上の流量計ピストン戻しばね78によって加えられる力から生じ、上記力は、流量計ピストン72を流量計上流室75に向かって移動させる効果を有する。
【0195】
約100ミリ秒続くことができるガソリン50の上記移動中に、ガソリン50の体積流量測定が一時的に中断される。しかしながら、コンピュータ45は、流量計ピストン戻し弁72の開放直前に記録され、かつ上記弁72の閉鎖直後に記録されたガソリン50の流量を平均化することによって、測定の中断中のガソリン50の流量を再構成することができるため、総測定誤差は非常に小さい。
【0196】
上述の流量計ピストン72の戻りは、例えば、内燃機関51がアイドリングしているときに10分ごとに、及び上記機関51が全出力で動作しているときに4秒ごとに、まれに生じることに留意されたい。
【0197】
流量計ピストン戻し弁72は、
図7、9、及び10に示されるように「通常開」型であり得、それによって、機関51が長時間停止されるとき、本発明による強制再循環ミキサ1の循環路及び内部容積に収容されているガソリン50の熱膨張又は収縮の結果として、脈動ポンプ63及び液体注入ノズル9を介して撹拌エンクロージャ5内にガソリン50を時期尚早に注入することがあり得ないことに留意されたい。
【0198】
図10では、流量計ピストン戻し弁72がより詳細に示されており、この弁は、弁シール87を介して弁オリフィス86に対して弁ソレノイドアクチュエータ88によって押圧保持することができる配向可能なシーリングプレート85を含み、弁ソレノイドアクチュエータ88は、閉鎖維持ばね93からなる弾性接続部89を介して配向可能なシーリングプレート85を押し、閉鎖維持ばね93の最大長さは、停止ピン94によって制限される。
【0199】
図7には、車の内燃機関51における、仏国特許第3,061,743号の主題である弁制御点火予室21の実装のための、本発明による強制再循環ミキサ1の適切な動作に関連するいくつかの付属品も示されている。
【0200】
例えば、内燃機関51が数秒から数分に及ぶ時間にわたってシャットダウンされるときに、撹拌エンクロージャ5を圧力下で保持するためにコンプレッサ出口漏れ防止逆止弁90が使用され、上記弁90は、コンプレッサ18の排出弁が完全に密閉されていないときに有用である。
【0201】
また、キャニスタ排出ソレノイド弁91があり、これは、内燃機関51がシャットダウンされ、冷却されるときに、撹拌エンクロージャ5が徐々に減圧されることを可能にする。上記ソレノイド弁91が開くと、上記エンクロージャ5に収容されている均質なガス状混合物4を形成する蒸気状態のガソリン50は、それ自体が既知であるキャニスタ92に移動され、そのようなキャニスタ92は、現代の車の大部分が装備している。
【0202】
説明されたばかりの本発明による強制再循環ミキサ1の例示的な実施形態は、非限定的であることに留意されたい。
【0203】
実際には、本発明による強制再循環ミキサ1は、少なくとも1つのガス及び少なくとも1つの液体からなる均質な及び/又は正確に供与される混合物のその場での生成を必要とする任意の分野における化学、工業プロセス又は全てのデバイスなどの、内燃機関の分野以外の分野に適用され得る。
【0204】
本発明による強制再循環ミキサ1の可能性は、説明されたばかりの用途に限定されず、上記の説明は、専ら例として提供されており、任意の他の均等物によって記載される実行の詳細を置き換えることによって逸脱しない当該発明の分野を決して限定しないことも理解されなければならない。