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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】イオン発生装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/30 20210101AFI20241022BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20241022BHJP
【FI】
F24F8/30
F24F8/80 200
F24F8/80 140
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022573758
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2021093180
(87)【国際公開番号】W WO2022001380
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202021249063.8
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508123423
【氏名又は名称】広東松下環境系統有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】曹 展雄
(72)【発明者】
【氏名】陳 浩舟
(72)【発明者】
【氏名】頼 桂青
(72)【発明者】
【氏名】梁 毅南
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020611(JP,A)
【文献】特開2015-029799(JP,A)
【文献】特開2016-050052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/30
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口及び吹出口が設けられるケースと、
イオンを発生させるイオン発生器と、発生したイオンを排出するイオン排気口とを有し、前記イオン排気口から排出された前記イオンを前記吹出口を介して前記ケースから排出するイオン発生ユニットと、
を備えるイオン発生装置であって、
前記吹出口の下方には防水部が設けられ、
前記防水部は、
前記防水部を貫通して前記ケースの内部に連通する排出口と、
前記排出口に接続されてクローズドリングを形成するとともに、前記吹出口から流入した液体を受けて、前記イオン排気口を迂回して前記液体を前記排出口にガイドする受け空間を有するガイド部と、を有する、
ことを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記イオン排気口は前記排出口の一部の下方に設けられ、
前記ガイド部の一部は、前記排出口に接続された一端から、径方向が前記イオン排気口に向かいかつ周方向が前記排出口から離れる方向に沿って上向きに傾斜する傾斜面として形成され、液体を前記排出口の前記一部以外の他の部分から排出させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、水溜部と導液部とを有し、
前記水溜部、前記導液部及び前記排出口は順に接続されて前記クローズドリングを形成し、
前記水溜部の底面は水平面と平行であり、
前記傾斜面は前記導液部に含まれる、
ことを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記イオン排気口の外周縁部には上向きに延出する延出壁が設けられ、
前記延出壁の上端は前記防水部の底面よりも高い、
ことを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記イオン排気口は前記吹出口と水平方向にずれ、
前記防水部は、前記イオン排気口における前記吹出口から離れる側から前記吹出口の側に向かって上向きに延出する導風部を有する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記ケースは、送風ユニットをさらに有し、
前記送風ユニットは、
モータと、
前記モータの駆動により回転し、空気の流動をガイドする羽根と、
前記モータと前記羽根とを収容するとともに、吸風口及び排風口を有する、ケーシングと、を有し、
前記吸込口から入った空気は、前記羽根のガイドにより前記吸風口から入り、前記排風口から排出され、
前記吸風口の下端は前記モータの下端よりも低い、
ことを特徴とする請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記排風口は前記イオン排気口に隣接し、前記排出口の他の部分の下方に設けられ、
前記排出口から排出された液体は前記排風口を介して前記送風ユニットに流入する、
ことを特徴とする請求項6に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記ケースは、水平に設けられて前記ケースの内部空間を上部の第1空間と下部の第2空間に区画する仕切り板を有し、
前記第1空間は前記送風ユニットと前記イオン発生ユニットとを収容し、
前記第2空間は、電子部品が装着される電気部品室と前記電気部品室以外の空室を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載のイオン発生装置。
【請求項9】
前記仕切り板は、
前記送風ユニットの下方に位置するとともに前記送風ユニットから流出した液体を受け、かつ前記ケースの内壁に隣接する部位の縁部に立壁が設けられる受け部と、
前記受け部に接続され、前記受け部の液体を分流して前記ケースから排出する分流部と、を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載のイオン発生装置。
【請求項10】
前記分流部は、
前記ケースの側面を貫通する第1排水口と、
前記第1排水口の近傍に開けられ、前記空室の上方において前記仕切り板を貫通する穴と、を有する、
ことを特徴とする請求項9に記載のイオン発生装置。
【請求項11】
前記ケースの底面には、前記ケースを貫通しかつ前記空室に連通する第2排水口が設けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載のイオン発生装置。
【請求項12】
前記イオン発生装置は、前記送風ユニットと前記イオン発生ユニットとを制御する制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項6に記載のイオン発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月30日に出願された出願番号が202021249063.8であって発明の名称が「イオン発生装置」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その内容を全て参照としてここに援用する。
【0002】
本願は空気清浄分野に関し、特にイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術(CN201910732125.6)は車載用空気清浄機を開示している。図1に示すように、車載用空気清浄機1は、吸込口11及び吹出口12を有するケース10と、送風室14と、送風室14の吹出口12に近い側に位置する電気制御室16と、送風室14内に設けられる送風機30と、電気制御室16内に設けられる制御回路ユニット40と、送風機30の下方に設けられて空気を濾過するためのフィルタ20と、を備える。
【0004】
空気は、側面に設置される吸込口11から入った後、フィルタ20により濾過され、かつ物置槽内の空気品質を改善できる物質と混合された後、送風機30により送風室14に送られ、そして頂面に設置される吹出口12から排出される。
【0005】
しかし、例えば水のような液体が当該車載用空気清浄機1にこぼれた場合、水は、頂面に設置される吹出口12からケース10に入り、その一部が電気制御室16と吹出口12との重なり部位から電気制御室16に入り、電気制御室16内に設けられる制御回路ユニット40と接触し、回路基板及び帯電部品を損傷する。また、一部の水は送風室14に沿って送風機30の下方に設けられる物置槽に入り、物置槽に設置される負イオン発生ユニットと接触し、空気品質を改善する物質に影響を与え、例えばイオンの発生に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、外部液体と内部のイオン生成器及び電気部品等との接触を効果的に防止して防水性及び安全性を向上させることができるイオン生成装置を提供し、従来技術における外部液体の流入による装置の損傷及び潜在的な安全リスクの発生等の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願は、吸込口及び吹出口が設けられるケースと、吸込口から入った空気によりイオンを発生させるイオン発生器及び発生したイオンを排出するイオン排気口を有し、イオン排気口から排出されたイオンを吹出口を介してケースから排出するイオン発生ユニットとを備えるイオン発生装置であって、吹出口の下方には防水部が設けられ、防水部が、防水部を貫通してケースの内部に連通する排出口と、吹出口から流入した液体を受けて、イオン排気口を迂回して液体を排出口にガイドする受け空間を有するガイド部とを有する、イオン発生装置を提供している。
【0008】
実施例によれば、イオン排気口は排出口の一部の下方に設けられ、ガイド部の一部は、排出口に接続された一側からイオン排気口へかつ排出口から離れる方向に沿って上向きに傾斜する傾斜面として形成される。
【0009】
実施例によれば、ガイド部は、水溜部と導液部とを有し、水溜部、導液部及び排出口は順に接続されてクローズドリングを形成し、水溜部の底面は水平面と平行であり、傾斜面は導液部に含まれる。
【0010】
実施例によれば、イオン排気口の外周縁部には上向きに延出する延出壁が設けられ、延出壁の上端は防水部の底面よりも高い。
【0011】
実施例によれば、イオン排気口は吹出口と水平方向にずれ、防水部は、イオン排気口における吹出口から離れる側から吹出口の側に向かって上向きに延出する導風部を有する。
【0012】
実施例によれば、ケースは、送風ユニットをさらに有し、送風ユニットは、モータと、モータの駆動により回転し、空気の流動をガイドする羽根と、モータと羽根とを収容するとともに、吸風口及び排風口を有するケーシングと、を有し、吸込口から入った空気は、羽根のガイドにより吸風口から入り、排風口から排出され、吸風口の下端はモータの下端よりも低い。
【0013】
実施例によれば、排風口はイオン排気口に隣接し、排出口の他の部分の下方に設けられ、排出口から排出された液体は排風口を介して送風ユニットに流入する。
【0014】
実施例によれば、ケースは、水平に設けられてケースの内部空間を上部の第1空間と下部の第2空間に区画する仕切り板を有し、第1空間は送風ユニットとイオン発生ユニットとを収容し、第2空間は、電子部品が装着される電気部品室と電気部品室以外の空室を有する。
【0015】
実施例によれば、仕切り板は、送風ユニットの下方に位置するとともに送風ユニットから流出した液体を受け、かつケースの内壁に隣接する部位の縁部に立壁が設けられる受け部と、受け部に接続され、受け部の液体を分流してケースから排出する分流部と、を有する。
【0016】
実施例によれば、分流部は、ケースの側面を貫通する第1排水口と、第1排水口の近傍に開けられ、空室の上方において仕切り板を貫通する穴と、を有する。
【0017】
実施例によれば、ケースの底面には、ケースを貫通しかつ空室に連通する第2排水口が設けられる。
【0018】
実施例によれば、送風ユニットとイオン発生ユニットとを制御する制御部をさらに備える。
【発明の効果】
【0019】
本願の上記技術案によれば、吹出口の下方に防水部を設置し、吹出口から流入した液体を受けるとともに、流入した液体の流動経路を制御することにより、液体がイオン排気口からイオン発生ユニットに入ってイオンの生成に影響を与えることを防止できるだけでなく、ケースの内部に入った液体を電気部品に接触しない経路に沿ってケースの外部に流出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、従来技術にかかる車載用空気清浄機を示す断面図である。
図2図2は、本願にかかるイオン発生装置の構造を示す図である。
図3図3は、図2に示す構造から吹出口及び制御部が設けられる頂面を取り外した構造を示す図である。
図4図4は、図3に示す防水部の構造を示す図である。
図5図5は、図3に示す構造から防水部、制御部の制御部品を取り外した構造を示す図であり、ただし、内部構造を示すために、ケースの一部が示されていない。
図6図6は、図5のA-A断面図である。
図7図7は、図5のB-B断面図である。
図8図8は、図7の枠で示す構造を示す部分拡大図である。
図9図9は、図5のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明白にするために、以下、本願実施例の図面を参照し、本願実施例の技術案を明白で完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本願実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労働を払わずに取得する他の実施例は全て本願の保護範囲に属する。
【0022】
図面において、同一部品の同一符号に対する二回目の説明、及び本願に直接関連しない部品の説明を省略または簡略化する。以下の説明において、上、下、左、右、上方、下方のような方位用語は、何れも本願実施例のイオン発生装置の図示状態、すなわち取り付け状態を基準として説明されるものである。また、以下の説明において、上流側、下流側のような方位用語は、何れも空気がイオン発生装置内を流動する方向を参照として定義されるものである。
【0023】
本願の説明において、明確な規定及び限定がない限り、「繋がる」、「接続」のような用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、または一体的に接続してもよく、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接的に繋がってもよく、中間媒介を介して間接的に繋がってもよい。当業者は具体的な状況に応じて、上記用語の本願にける具体的な意味を理解することができる。
【0024】
以下、図2図9を参照して本願にかかるイオン発生装置を詳細に説明する。
【0025】
図2は、本願にかかるイオン発生装置の構造を示す図である。図2を参照し、イオン発生装置10は、ケース100と、防水部200と、イオン発生ユニット300と、送風ユニットと、制御部600とを備える。
【0026】
ケース100は、中空円錐台形状の外郭を形成する。具体的には、ケース100は、水平かつ平行に設置された頂面100-1及び底面100-2と、頂面100-1と底面100-2との間に基本的に垂直に設置された側面100-3とを有する。頂面100-1及び底面100-2は円形であり、直径が互いに同一であるかまたは異なる。側面100-3は円弧状の輪郭を有する。頂面100-1、底面100-2及び側面100-3に囲まれた空間内には、イオン発生機能、送風機能、空気清浄機能等を実現するユニットや部品等が収容されている。具体的には、側面100-3は取り外し可能な第1側面100-31及び第2側面100-32を有してもよい。第1側面100-31と第2側面100-32の大きさは、互いに等しくてもよい。取り外しにより、イオン発生装置10の内部の部品のメンテナンスまたは交換を容易にすることができる。
【0027】
ケース100には吸込口110及び吹出口120が設置される。
【0028】
吸込口110はケース100の側面100-3に設置され、ケース100の上部(例えば、下記の第1空間内)に位置する。吸込口110はケース100外の空気を吸入するために設置された開口である。具体的には、ケース100の外部の空気は吸込口110を介してケース100の内部に入ることができ、下記の送風ユニット及びイオン発生ユニット300により送風機能及びイオン発生機能を実現する。具体的には、吸込口110は横方向に延びる帯状開口を複数有するように設計されてもよい。横方向に延びる複数の帯状開口は縦方向に平行に一列に配列されてもよい。また、当該複数の列は横方向に配列されてもよい。よって、図2に示すグリッド形状の吸込口110を形成する。本願は、これに限らず、必要に応じて吸込口110の構造及び設計配置を変更・調整してもよい。
【0029】
吹出口120はケース100の頂面100-1に設置されて上向きの送風を実現し、吸込口110から吸入された空気を処理した後にケース100内から外へ吹き出す。具体的には、ケース100の頂面100-1の形状に応じて吹出口120の構造を適応的に調整してもよい。図2に示す実施例において、吹出口120は円形頂面100-1の円周に沿って延びる円環形状に形成されることができる。吹出口120の外側周縁はケース100の頂面100-1の周縁に近接し、吹出口120の内側周縁は円形空間120-1を形成する。当該円形空間120-1の位置に制御部600を設置することにより、ユーザーが本願のイオン発生装置10を容易に操作するようにすることができる。吹出口120は、周方向に並びかつ径方向に延びる帯状開口を複数有する。吹出口120の構造は、これに限られず、ケース100の頂面100-1の形状に応じて調整されてもよい。例えば、頂面100-1が長方形または正方形に形成された場合、吹出口120は「回」字形に形成されてもよい。
【0030】
図3は、図2に示す構造から吹出口及び蓋板が設けられる頂面を取り外した構造を示す図である。また、図4は、図3に示す防水部の構造を示す図である。以下、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
【0031】
防水部200は吹出口120の下方に設けられ、吹出口120の形状に対応する円環形状に形成される。吹出口120の形状に適応することによって、吹出口120から流入した液体を最大限に受けて、密閉性を向上させることができる。具体的には、防水部200は、底面200-1と内側壁200-2と外側壁200-3とを有する。底面200-1は周方向縁部に沿って延出するとともに、水平面に略平行である。「水平面に略平行」とは、大部分が水平面に平行で小部分が傾斜度を有してもよいことをいう。内側壁200-2は底面200-1の内側縁部から垂直に上向きに延出し、外側壁200-3は底面200-1の外側縁部から垂直に上向きに延出する。具体的には、外側壁200-3はケース100の頂面100-1の外縁に近接し、かつケース100の側面100-3の頂端近傍の内側に密着する。内側壁200-2の内側に囲まれた空間は、吹出口120の内側周縁によって形成された円形空間120-1に対応する。内側壁200-2の内側に囲まれた空間には、制御部600に対応する制御部品610が設けられる。当該制御部品610は制御部600の下方に位置する。底面200-1、内側壁200-2及び外側壁200-3は、吹出口120から流入した液体を受けて収容できる溝状の受け空間200-4を形成する。
【0032】
具体的には、防水部200は排出口230とガイド部250とを有する。排出口230は底面200-1に設けられる。即ち、排出口230は底面200-1を貫通する孔として形成される。排出口230の下方はケース100の内部空間に対応する。防水部200の受け空間200-4に受けられて収容される吹出口120から流入した液体は、排出口230からケース100の内部空間に排出されることができる。ガイド部250は、排出口230以外の、底面200-1と内側壁200-2と外側壁200-3によって形成される構造である。ガイド部250は、吹出口120から流入した液体を受けて、液体の流動をガイドすることができる。具体的には、ガイド部250は、液体が排出口230に流動して排出口230から排出されるとともに、下記のイオン排気口310を迂回するようにガイドし、液体がイオン排気口310からイオン発生ユニット300に入ることを防止することができる。具体的には、排出口230の一部230-1の下方はイオン排気口310に連通し、排出口230の他の部分230-2の下方は下記の送風ユニットに連通する。ガイド部250のガイドにより、防水部200の液体はイオン排気口310を迂回し、送風ユニットに連通する排出口230の他の部分230-2から送風ユニットに流入することができる。
【0033】
具体的には、イオン排気口310は、排出口230の一部230-1に対向して前記排出口230の一部230-1の下方に設置される。具体的には、イオン排気口310を排出口230と連通させるように、イオン排気口310を排出口230の一部230-1と整列させることができる。例えば、イオン排気口310は、排出口230の一部230-1に接近して排出口230の一部230-1の下方に設置され、排出口230の一部230-1と面一である。具体的には、排出口230の面積をイオン排気口310の面積よりも大きくすることによって、イオン排気口310を排出口230の一部に対向させて設置する。一方、イオン排気口310は径方向に沿って排出口230の中心軸に近い側に設けられる。即ち、イオン排気口310は径方向に沿ってケース100の側面100-3との間に第1間隔G1が形成される。防水部200の底面200-1は第1間隔G1を充填する。即ち、イオン排気口310は、第1間隔G1を充填する底面200-1を介してケース100の側面100-3に接続され、液体を当該第1間隔G1に位置する底面200-1に沿って流動させる。他方、イオン排気口310は周方向に沿って排出口230の一端に設けられる。即ち、イオン排気口310は周方向に沿って排出口230の他端との間に第2間隔G2が形成される。かつ、第2間隔G2には、下方が送風ユニットに連通する排出口230の他の部分230-2が形成され、液体を当該第2間隔G2に位置する排出口230の他の部分230-2から排出させる。「径方向」とは、円形の直径に沿って円心から縁部へまたは縁部線から円心への方向をいう。「周方向」とは、径方向に垂直で円形の縁部に沿う方向をいう。
【0034】
具体的には、ガイド部250の一部は、排出口230に接続される一端から、径方向がイオン排気口310に向かいかつ周方向が排出口230から離れる方向に沿って上向きに傾斜する傾斜面200-5として形成される。傾斜面200-5は、ケース100の側面100-3に接続される側からイオン排出口230に向かって径方向に沿って上向きに傾斜し、かつ排出口230に接続される一端から排出口230から離れる方向に向かって周方向に沿って上向きに傾斜するように形成される。具体的には、上記第1間隔G1及び第2間隔G2に基づき、傾斜面200-5は、第1部分200-51を有する。第1部分200-51は、間隔G1に形成される底面200-1であり、排出口230に接続される外側縁部(即ちケース100の側面100-3)からイオン排気口310に向かって径方向に沿って上向きに傾斜しかつ排出口230のイオン排気口310が設けられる一端から排出口230の他端から離れる方向に向かって周方向に沿って上向きに傾斜するように形成され、液体がイオン排気口310を迂回して排出口230から排出されるようにする。傾斜面200-5は、第1部分200-51に接続されて排出口230から離れる方向に向かって周方向に沿って上向きに傾斜し続ける第2部分200-52をさらに有する。好ましくは、液体をイオン排気口310から離れるようにさらにガイドするために、第2部分200-52は、径方向に沿って外側から内側へ傾斜する傾斜度を有してもよい。傾斜面200-5を設置することにより、防水部200の受け空間200-4が受けた液体を、イオン排気口310を迂回して排出口230から排出されるようにガイドすることができる。
【0035】
具体的には、ガイド部250は水溜部210と導液部220とを有する。水溜部210の一端は排出口230に接続され、導液部220の一端は排出口230に接続され、水溜部210の他端は導液部220の他端に接続される。即ち、水溜部210、導液部220及び排出口230は互いに首尾順に接続されてクローズドリングを形成する。クローズドリングは円形、方形、楕円形、台形、菱形及び他の不規則な形状に形成してもよい。具体的には、水溜部210、導液部220及び排出口230は互いに首尾順に接続されて円環形状に形成される。即ち、円環形状の防水部200が形成される。水溜部210の長さは導液部220の長さよりも長い。イオン排気口310は周方向に導液部220に近い一端に設けられる。導液部220の底面200-1は上述のような傾斜面200-5を有する。一方、傾斜面200-5が、排出口230に接続される一端から、排出口230から離れる方向に沿って上向きに傾斜することにより、導液部220内に入った液体は、傾斜面200-5のガイドによって速やかに排出口230に流動して排出されるようになる。他方、傾斜面200-5が、排出口230に接続される一端からイオン排気口310に向かう方向に沿って上向きに傾斜することにより、導液部220内に入った液体は、イオン排気口310に流動せず、イオン排気口310から離れる方向に向かって排出口230に流動して排出されるようになる。導液部220は、液体を速やかにガイドして排出口230から排出することにより、防水部200内の液体が過剰に蓄積して満タンになる時の排出速度の制限によりイオン排気口310に溢れ込むことを防止することができる。
【0036】
水溜部210は、一端が排出口230のイオン排気口310から離れる一端に接続され、他端が導液部220に接続される。水溜部210は、断面がU字形状であり、底面200-1が水平面と平行である。即ち、水溜部210の最低点の連結線は水平面に平行である。したがって、少量の液体は水溜部210内に留まることができ、排出口230からケース100の内部に排出されることがない。蓄積された液体が徐々に増加する時、排出口230からケース100の内部に徐々に排出することができる。水溜部210と導液部220は互いに協働することにより、液体が全て排出口230に速やかに流動して排出口230の込み合いを招いて液体がイオン排気口310に溢れ出すことを防止できるとともに、液体が全て排出口230に緩やかに流動して水溜部210の液体蓄積を招いて液体がイオン排気口310に溢れ出すことを防止することができる。水溜部210と導液部220は互いに協働することにより、液体を効果的に分流し、液体を整然かつ効率的に排出することができる。
【0037】
本願の実施例により、水溜部210と導液部220はボス260を介して互いに接続される。ボス260は、水溜部210と導液部220とを効果的に仕切ることができる。具体的には、凸縁260は水溜部210と導液部220のいずれの底面よりも高いため、水溜部210と導液部220との間の液体連通に抵抗を形成する。当該抵抗は以下の効果を実現できる。一方、水溜部210内に蓄積された液体が所定量に達し、即ちボス260の高さに達して初めて、液体はボス260を越えて導液部220に流入することができる。導液部220に流入した液体は、導液部220の作用により排出口230に速やかに流入することができるので、水溜部210内の液体が蓄積し過ぎて溢れ出すことを防止することができる。他方、水溜部210内に蓄積された液体が所定量に達しない場合、液体はボス260を越えて導液部220に流入することができないので、水溜部210内の液体が少ない場合にも導液部220に流入することで導液部220から排出口230に流れる液体が多過ぎて溢れ出すことを防止することができる。よって、液体の整然かつ効率的な排出を実現する。
【0038】
イオン排気口310は吹出口120と水平方向にずれて設けられる。即ち、イオン排気口310は径方向に沿って吹出口120の内側に位置する。他方、イオン排気口310は吹出口120の上流側に位置し、即ち吹出口120の下方に位置する。吹出口120から流入した液体が斜め上方からイオン排気口310に流入することを防止するために、防水部200は導風部240を有する。
【0039】
具体的には、導風部240は、イオン排気口310の吹出口120から離れる側から吹出口120に向かって上向きに傾斜して延出する。即ち、導風部240は、イオン排気口310の径方向の内側から径方向に沿って外に向かって上向きに延出し、イオン排気口310に設けられる傾斜保護蓋に相当する。当該導風部240は、イオン排気口310から排出されたイオン付き空気を斜め上方に向かって吹出口120にガイドすることができるとともに、吹出口120から流入した液体が直接イオン排気口310に入ることを防止することができる。
【0040】
また、液体がイオン排気口310に流入することをさらに防止するために、イオン排気口310の外周縁部には、垂直に上向きに延出する延出壁310-1が設置される。延出壁310-1の高さは防水部200の底面200-1よりも高い。即ち、延出壁310-1の上端は防水部200の底面200-1よりも高い。延出壁310-1は液体がイオン排気口310に流入することをさらに防止することができる。実施例によれば、導液部220に近い側の延出壁310-1は導液部220の内側壁200-2を構成し、導液部220を流れる液体がイオン排気口310に溢れ込むことを抑制するために用いられる。
【0041】
以上の傾斜面200-5を設置する方式及び延出壁310-1を設置する方式は単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよく、必要に応じて選択することができる。
【0042】
図5は、図3に示す構造から防水部、制御部の制御部品を取り外した構造を示す図であり、ただし、内部構造を示すために、ケースの一部が示されていない。図6は、図5のA-A断面図である。図5及び図6を参照してイオン発生ユニット300及び送風ユニットを詳細に説明する。
【0043】
イオン発生ユニット300は放電電極に電圧を印加し、放電電極にコロナ放電を発生させて空気イオンを生成する装置であり、具体的には、放電電極に液体を供給し、放電電極にコロナ放電を発生させてイオン基含有帯電微粒子液を生成する装置であってもよい。イオン発生ユニット300は、周囲の空気を利用してイオンを発生させるイオン発生器330と、発生したイオンを排出するイオン排気口310とを有してもよい。
【0044】
また、イオン発生ユニット300はイオン風路320をさらに有してもよい。イオン風路320は、一端がイオン発生器330の下流側に設けられ、そして上向きにイオン排気口310まで延出し、イオン発生器330とイオン排気口310とを連通してイオン発生器330により生成されたイオンをイオン排気口310にガイドできる通路である。前記のように、イオン排気口310はイオン風路320の他端に設置される。
【0045】
イオン排気口310の位置は前記のように、排出口230に対向して設置され、かつイオン排気口310の外周縁部には延出壁310-1が設けられる。イオン排気口から吹き出されたイオンは、延出壁310-1及び上述した導風部240に沿って吹出口120に吹き出されてケース100から排出される。前記のように、イオン排気口310は吹出口120の上流側、即ち下方に設けられ、吹出口120と水平方向にずれ、かつ排出口230に対向して設置される。ここでは説明を省略する。
【0046】
送風ユニットはモータ(図示せず)と、羽根(図示せず)と、ケーシング400とを有する。
【0047】
モータは通電後にモータの回転軸に沿って回転し、羽根を回転させる。
【0048】
羽根はモータ回転軸に接続され、モータの回転軸の駆動により回転し、空気の流動をガイドする。
【0049】
ケーシング400の内部に羽根及びモータが設置される。ケーシング400は吸風口410及び排風口420を有する。前記のように、羽根はモータの駆動により回転し、空気の流動をガイドする。例えば、吸込口110から入った空気は羽根の吸風口410からケーシング400に入り、そして排風口420から排出される。
【0050】
具体的には、排風口420は、イオン排気口310に隣接し、かつ排出口230に対向して排出口230の他の部分230-2の下方に設置される。具体的には、排出口230の他の部分230-2とは、排出口230における、イオン排気口310に連通する排気口の一部230-1以外の他の部分である。排風口420はイオン排気口310と並列に配置されてもよく、排風口420から排出された空気がイオン排気口310から排出されたイオンと混合し、吹出口120からケース100の外部に排出されるようにする。そして、排風口420は、排出口230の他の部分230-2と整列して排風口420を排出口230の他の部分230-2と連通させてもよい。例えば、排風口420は、排出口230に接近して排出口230の他の部分230-2の下方に設置されてもよく、排出口230の他の部分230-2と面一であってもよく、これにより、送風ユニットから排出された空気が排風口420から上向きに排出口230の他の部分230-2を介して排出されるとともに、液体が排出口230の他の部分230-2から排風口420を介して送風ユニット内に入るようにする。
【0051】
具体的には、吸風口410はケーシング400の側面に設置されかつ吸込口110の方向に向かう。吸風口410の下端はモータの下端よりも低い。即ち吸風口410の最低点はモータの下端よりも低い。排出口230から排出された液体は排風口420を介して送風ユニット内、即ちケーシング400の内部に入る。液体は自重により下向きに流動してケーシング400の底部に蓄積される。液体は所定量に蓄積されると、吸風口410を介してケーシング400から流出する。吸風口410の低端がモータの低端よりも低いため、ケーシング400内に蓄積された液体はモータに接触する前に吸風口410を介してケーシング400から流出する。よって、液体がモータに接触し、モータの運転に影響を与えることを防止することができる。
【0052】
図7は、図5のB-B断面図である。図8は、図7の枠で示す構造を示す部分拡大図である。図9は、図5のC-C断面図である。図7図9を参照してケース100の内部を詳細に説明する。
【0053】
ケース100は、水平に設けられてケース100の内部空間を第1空間130と第2空間140に区画する仕切り板500を有する。
【0054】
具体的には、第1空間130はケース100の上部空間に位置し、内部に送風ユニット及びイオン発生ユニット300等が設けられる。
【0055】
第2空間140はケース100の下部空間に位置し、内部に電気部品が設けられる。電気部品が設けられるか否かにより、第2空間140は電気部品室140-1と空室140-2とを有してもよい。
【0056】
換言すれば、仕切り板500の上方は第1空間130として形成され、仕切り板500の下方は第2空間140として形成される。
【0057】
仕切り板500は受け部520及び分流部510を有する。受け部520と分流部530は互いに接続されて完全な仕切り板500を形成する。受け部520と分流部530とは一体的に形成されてもよい。
【0058】
受け部520は、送風ユニット及びイオン発生ユニット300に対応して送風ユニット及びイオン発生ユニット300の下方に位置し、ケーシング400の吸風口410から流れてきた液体を受けるために用いられる。即ち、ケーシング400内に蓄積された液体は所定量に達する時に吸風口410から流出し、そして液体の自重により下向きに受け部520に流れ、受け部520に受けられて収容される。受け部520は、ケース100の内壁に隣接する縁部に立壁510が設けられる。立壁510は垂直に上向きに延出することにより、受け部520に受けられて収容された液体が受け部520の縁部から下向きに流動して下方の電気部品と接触して装置の使用安全性に影響を与えることを防止する。
【0059】
分流部530は受け部520に接続され、受け部520の液体をケース100外に排出するために用いられる。具体的には、受け部520から流れてきた液体は分流部530に入ることができる。分流部530に入った液体の一部は、ケース100の側面100-3を貫通する第1排水孔540を通過してケース100の側面100-3を介してケース100から排出される。例えば、液体が少ない場合、液体は、第1排水孔540を介してケース100から排出されることができる。液体が多い場合、第1排水孔540によって液体の全てを適時に排出できないとき、液体は、第1排水孔540の近傍に設置されかつ下記の空室140-2の上方に位置する穴560を介して下の空室140-2に入る。即ち、穴560は垂直方向において下記の空室140-2に対応する。液体は穴560を介して下向きに流動して空室140-2の内部に入る。
【0060】
穴560は仕切り板500を貫通するように設けられるとともに、空室140-2に連通し、分流部530の液体を空室140-2にガイドするために用いられる。
【0061】
仕切り板500の下方の第2空間140は電気部品室140-1と空室140-2とを有する。電気部品室140-1は、内部に電気部品が装着されており、仕切り板500の受け部520に対応して受け部520の下方に位置する。電気部品は、例えば回路板、蓄電池等のような帯電部品を含む。電気部品室140-1は液体との接触をできるだけ回避すべきである。
【0062】
空室140-2は第2空間140内の電気部品室140-1以外の空間であり、即ち任意の電気部品等の部品が装着されていない空間である。穴560を介して流れてきた液体は空室140-2内に入るので、電気部品室140-1に入ることを回避して電気部品との接触を回避する。空室140-2の内部に入った液体は、自重により下向きに流動してケース100の底面100-2に到達する。
【0063】
ケース100の底面100-2には、底面100-2を貫通する第2排水口550が設けられる。第2排水孔550は空室140-2とケース100の外部空間とを連通する。空室140-2に流入した液体は、自重により底面100-2に流れ、そして第2排水孔550を介してケース100外に排出される。
【0064】
前記のように、吹出口120から流入した液体は、まず吹出口120の下方の防水部200に受けられて収容され、防水部200の作用によってイオン排気口310を迂回して排出口230から送風ユニットのケーシング400の内部に排出され、モータとの接触を回避してケーシング400の吸風口410から仕切り板500の受け部520に排出され、その後、受け部520から分流部530に流れる。一部の液体は第1排水孔540を通過してケース100の側面100-3を介してケース100から排出され、残りの液体は穴560を介して空室140-2内に入り、電気部品室140-1内部の電気部品との接触を回避してケース100の底面100-2に流れ、最後に底面100-2に設けられる第2排水孔550を介してケース100から排出される。
【0065】
以上がイオン発生装置10の構造に関する説明である。
【0066】
以下、図2図9を参照してイオン発生装置10の動作方法を説明する。イオン発生装置10が起動する時、空気は吸込口110からイオン発生装置10の第1空間130に入った後、吸風口410により送風ユニットのケーシング400内に吸入され、排出口230に対向して設置されるケーシング400の排風口420から排出され、そして、排出口230から上向きに防水部200の上方に排出される。一方、イオン発生器330により生成されたイオンはイオン風路320に沿って排出口230に対向して設置されるイオン排気口310に送られて排出され、そして、排出口230から上向きに防水部200の上方に排出される。この時、イオン排気口310から排出されたイオンは排風口420から排出された空気と混合した後、ケース100の頂面100-1に設けられる吹出口120から排出される。
【0067】
図2に示すように、ユーザーが不注意で液体、例えば水をイオン発生装置10にこぼした場合、水は頂面100-1の吹出口120からケース100内に入る可能性がある。図3に示すように、本実施例において、吹出口120の下方には防水部200が設けられる。吹出口120から入った水は防水部200に受けられて収容される。水溜部210の縦方向断面がU字形状であり、底面が水平面と平行であるため、水は水溜部210に留まり、直接ケース100の内部に滴下することがない。多くの水が吹出口120から入った場合、水溜部210に蓄積された水は排出口230から徐々に排出される。水は排出口230により電気部品を避ける空間に排出され、ケース100内の周囲にこぼれることがない。水とケース100内の電気部品等との接触が回避され、安全性が向上された。
【0068】
また、イオン発生ユニット300のイオン排気口310は吹出口120とずれるが、水がイオン発生ユニット300に入ると、イオンの発生に影響を与える。したがって、水がイオン発生ユニット300に入ることをさらに回避するために、防水部200は、イオン排気口310の上方に、イオン排気口310の径方向の内側から吹出口120側に向かって上向きに延出する導風部240が設けられる。当該導風部240は、イオン排気口310から排出されたイオン付き空気を吹出口120にスムーズにガイドすることができるとともに、イオン排気口310の斜め上方の吹出口120から入った水が直接イオン排気口310に滴下することを抑制することができる。よって、水がイオン発生ユニット300に入る可能性が低減され、イオンの発生が確保される。
【0069】
また、より多くの水が吹出口120から入った場合、水溜部210に蓄積された過剰な水が排出口230から適時に排出できないことにより水がイオン排気口310からイオン発生ユニット300に溢れ込むことを抑制するために、防水部200は水溜部210に接続される導液部220をさらに有する。水溜部210に対して、導液部220はイオン排気口310に近い側に設置される。導液部220は傾斜面200-5を有する。水は傾斜面200-5に沿ってイオン排気口310側から排出口230側へ流動することができる。また、傾斜面200-5は導液部220の水の排出速度を速めて、導液部220が満水になることで水がイオン排気口310から溢れ出すことを低減することができる。また、イオン排気口310の外周縁部には、先端が防水部200の底面よりも高い延出壁310-1が設けられる。そのうち、導液部220に近い側の延出壁310-1は導液部220の内側壁として、吹出口120から導液部220に滴下された水がイオン排気口310に入ることを抑制し、水とイオン発生ユニット300との接触をさらに抑制し、イオンの発生を確保する。
【0070】
前記のように、防水部200は水溜部210及び導液部220を有する。水溜部210の底面が水平面と平行であり、導液部220が傾斜面200-5を有するため、水溜部210に流れる水は導液部220の水よりも流動速度が遅く、水溜部210に流入する水と導液部220に流入する水が同時に排出口230に入ることを回避することができる。即ち、導液部220の水の流動速度を速め、水溜部210の水の流動速度を緩めることにより、効果的な分流を実現し、適時に排出できないことにより水が溢れ出すことを抑制する。よって、より整然かつ効率的に排水できる。また、水溜部210と導液部220とはボス260によって接続され、防水部200の水をさらに効果的に分流する。
【0071】
さらに、本実施例は、ケーシング400の排風口420を排出口230に対向して設置するため、排出口230から排出された水が排風口420からケーシング400内に入る。図5に示すように、ケーシング400は第1空間130内に縦方向に配置される。ケーシング400の側面には吸風口410が設けられ、当該吸風口410の下端はモータの下端よりも低い。したがって、ケーシング400に入った水はケーシング400の下部に蓄えられる。水が吸風口410の下端に達すると吸風口410から流出するため、モータとの接触が避けられ、水と帯電部品との接触がさらに抑制され、安全性が向上する。
【0072】
吸風口410から排出された水は、送風ユニットの下方に設置された仕切り板500の受け部520に流入する。受け部520のケース100に隣接する部位に立壁510が設けられるため、水が仕切り板500とケース100との間の隙間から仕切り板500の下方の第2空間140内の電気部品室140-1内に流れることを抑制することができる。よって、水と電気部品室140-1内の電気部品等との接触がさらに抑制される。
【0073】
さらに、図7に示すように、受け部520に流れる水は、さらに当該受け部520に隣接する分流部530に流れる。受け部520に少量の水がある場合、水はまず第1排水口540からケース100外に排出される。受け部520の水が多い場合、第1排水口540から水の排出が間に合わない状況を防止するために、第1排水口540の隣に仕切り板の底面を貫通する穴560が設けられ、一部の水が穴560に流入する。穴560が空室140-2の上方に設けられるため、穴560を通過した水は空室140-2内に流入し、そして、空室140-2に連通しかつケース100の底面100-2を貫通する第2排水口550からケース100外に排出される。このように、水がケース100から排出される速度を速めるだけでなく、水と電気部品との接触をさらに回避し、安全性を向上させる。以上、既に図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明した。上記説明によれば、当業者は本願を明確に理解できるはずである。
【0074】
なお、図面或いは明細書において図示または説明されていない実現形態は、何れも当業者に知られている態様であるため、詳細に説明されていない。また、各部品に対する上記定義は、実施例に言及された様々な具体的な構造、形状に限らない。当業者はそれらに対して簡単な変更や置換を行ってもよい。
【0075】
例えば、他の構造に変更がない場合、ケースが直方体であり、防水部が「回」字状の構成である。前述した具体的な実施例は本願の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳細に説明した。前述した内容は本願の具体的な実施例に過ぎず、本願を制限するものではなく、本願の趣旨及び原則を逸脱しない範囲で行った任意な修正、置換、改善などは何れも本願の保護範囲に含まれると理解されるべきである。
【0076】
これにより、本願はイオン発生装置を提供している。吹出口の下方に防水部を設置し、吹出口から流入した液体を受けるとともに、流入した液体の流動経路を制御することにより、液体がイオン排気口からイオン発生ユニットに入ってイオンの生成に影響を与えることを防止できるだけでなく、ケースの内部に入った液体を電気部品に接触しない経路に沿ってケースの外部に流出させることができる。
【0077】
明細書及び特許請求の範囲で使用される序数、例えば「第1」、「第2」等の用語は、相応な部品を修飾するものであり、当該部品が何らかの序数を有することを意味せず、ある部品と別の部品の順番、或いは製造方法における順番を表すこともない。これらの序数の使用は、名づけられたある部品と別の同一名称の部品とを区別するために使用されることに過ぎないと当業者が理解すべきである。
【0078】
なお、以上の実施例は本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、依然として前述の各実施例に記載の技術案を修正したり、そのうちの一部の技術特徴を置換したりすることができる。これら修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例技術案の趣旨及び範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1:車載用空気清浄機
11:吸込口
12:吹出口
14:送風室
16:電気制御室
30:送風機
40:制御回路ユニット
20:フィルタ
10:イオン発生装置
100:ケース
200:防水部
300:イオン発生ユニット
400:ケーシング
500:仕切り板
600:制御部
610:制御部品
100-1:頂面
100-2:底面
100-3:側面
110:吸込口
120:吹出口
130:第1空間
140:第2空間
100-31:第1側面
100-32:第2側面
120-1:円形空間
210:水溜部
220:導液部
230:排出口
230-1:イオン排気口に連通する排出口の一部
230-2:送風ユニットに連通する排出口の他の部分
240:導風部
250:ガイド部
260:ボス
200-1:底面
200-2:内側壁
200-3:外側壁
200-4:受け空間
G1:第1間隔
G2:第2間隔
200-5:傾斜面
200-51:第1部分
200-52:第2部分
310:イオン排気口
310-1:延出壁
320:イオン風路
330:イオン発生器
410:吸風口
420:排風口
500:仕切り板
510:立壁
520:受け部
530:分流部
540:第1排水孔
550:第2排水孔
560:穴
140-1:電気部品室
140-2:空室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9