(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】相乗的抗炎症性組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20241022BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241022BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20241022BHJP
A61K 8/69 20060101ALI20241022BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241022BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/4412 20060101ALI20241022BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20241022BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241022BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241022BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/37
A61K8/40
A61K8/69
A61Q5/02
A61Q5/12
A61K31/216
A61K31/4412
A61K31/505
A61P29/00
A61P43/00 121
A61P43/00 105
A61P17/00
(21)【出願番号】P 2022574691
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 US2020065812
(87)【国際公開番号】W WO2021262228
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-05
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット アンシア リチャーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ロバート シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】レオ ティモシー ラフリン ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー マーク ワイズ
(72)【発明者】
【氏名】エリック スコット ジョンソン
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0310393(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 31/00-31/327
A61K 31/33-33/44
A61P 1/00-43/00
C11D 1/00-19/00
A01N 1/00-65/48
A01P 1/00-23/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)ストロビルリンと、
b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、
前記ストロビルリンがアゾキシストロビン、オリサストロビン又はピコキシストロビンの場合、a:bの重量比は1:1~1:10であり、
前記ストロビルリンがトリフロキシストロビン、クレソキシムメチルまたはジモキシストロビンの場合a:bの重量比は1:1であり、
前記ストロビルリンがフルオキサストロビンの場合、a:bの重量比は4:1~1:1であり、相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を有する、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記抗炎症効果がPGE2放出阻害活性として測定される、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記パーソナルケア組成物が、シャンプー、コンディショナー、リーブオン、トニック、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記2-ピリジノール-N-オキシド物質が、前記組成物の0.05重量%~5重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記2-ピリジノール-N-オキシド物質が、前記組成物の0.3重量%~3重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記2-ピリジノール-N-オキシド物質が、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンモノエタノールアミン塩、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリドンエタノールアミン塩からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記2-ピリジノール-N-オキシド物質が、ピロクトンオラミンである、請求項1~6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記パーソナルケア組成物が、アゾキシストロビンを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物を使用する方法であって、前記パーソナルケア組成物が、
a)ストロビルリンと、
b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、
相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を提供する、方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物を使用する方法であって、前記パーソナルケア組成物が、
a)ストロビルリンと、
b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、
相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を提供し、ストロビルリン及び2-ピリジノール-N-オキシド物質を含まないベースラインと比較してPGE2
の放出量が少なくとも20%減少する、方法。
【請求項11】
皮膚、頭皮、及び毛髪における炎症及び細胞ストレス状態を改善するための、請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物におけるストロビルリン系化合物の使用。
【請求項12】
抗炎症効果のための、請求項1~8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物におけるストロビルリン系化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相乗的抗炎症活性を示す2-ピリジノール-N-オキシド物質及びストロビルリンを含むパーソナルケア組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪、頭皮、皮膚の最適な健康状態は、細胞ストレスの制御、及び適切な保護メカニズムにより損傷を打ち消す又は取り除く能力によって決まる。細胞ストレスは、活性酸素種、汚染、毒素、微生物、機械的又は化学的な損傷、及びその他の外因的又は内因的な要因によって誘発され得る。長期にわたる未解決又は高レベルの細胞ストレスは、毛髪、頭皮、皮膚の健康の低下に現れ、目に見えるダメージの兆候(例えば、脱毛、毛髪及び皮膚の色素形成の喪失、頭皮や皮膚の乾燥、剥落、痒みなど)と、促進老化及び自然老化の両方とを伴う。病理的ストレスに対する細胞応答は、主要かつ共通のメカニズムとして炎症に収束し、過剰な炎症は、健康の低下や一部のストレス関連疾患の原因となる。フケやニキビなどの皮膚の慢性炎症性疾患は広く蔓延しており、いずれも炎症を誘発及び悪化させる物質を産生する皮膚上の微生物が関与している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
皮膚、頭皮、毛髪の慢性疾患における炎症や細胞ストレスに対処し、解決するための改善された製品が必要とされている。また、細胞ストレスを軽減し、より健康的な毛髪、頭皮、皮膚を消費者に提供し、アンチエイジング効果を高めるパーソナルケア製品も望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、パーソナル組成物に関するものであり、当該パーソナル組成物は、a)ストロビルリンと、b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、a:bの比率は約10:1~約1:20であり、相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
特に指定がない限り、本明細書において使用する全ての百分率及び比率は、組成物全体の重量基準である。特に指定がない限り、全ての測定は周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約25℃、約1気圧下、及び相対湿度約50%における条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。記述された上下の範囲限界は組み合わせ可能であり、明示的に記述されていない更なる範囲を作る。
【0006】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意成分を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「~から本質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得るが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変えない場合に限ることを意味する。
【0007】
本明細書で使用するとき、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程/ステップ及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語が包含される。
【0008】
本明細書で使用するとき、「混合物」は、材料の単純な組み合わせ、及びそのような組み合わせから得ることができる任意の化合物を含むことを意味する。
【0009】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight又はMolecular weight)」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0010】
量の範囲が記載される場合、これらは組成物中の当該成分の総量であり、又は成分定義の範囲に1種より多くが当てはまる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。
【0011】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0012】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0013】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0014】
ストロビルリン系化合物
ストロビルリン系化合物は、天然の真菌代謝産物から生成される農業用殺菌剤として使用される化合物の一般的な部類である。ストロビルリン系化合物は、天然物としてStrobilurus tenacellus及びOudemansiella mucidaなどの様々なBasidiomycete真菌によって生合成されるか、又は天然のストロビルリンをモデルにして、主要なβ-メトキシアクリレート担毒体を保持して合成される。合成されたストロビルリン系化合物の中には、修飾担毒体、例えばメチルメトキシイミノアセテート又はメチル-N-メトキシカルバメートを有するものもある。合成ストロビルリン系化合物の中には、アゾキシストロビン(CAS番号:131860-33-8)、クモキシストロビン(CAS番号850881-70-8)、ジモキシストロビン(CAS番号149961-52-4)、エノキサストロビン(CAS番号238410-11-2)、フルオキサストロビン(CAS番号193740-76-0)、クレソキシムメチル(CAS番号143390-89-0)、マンデストロビン(CAS番号173662-97-0)、メトミノストロビン(CAS番号133408-50-1)、オリサストロビン(CAS番号248593-16-0)、ピコキシストロビン(CAS番号117428-22-5)、ピラクロストロビン(CAS番号175013-18-0)、ピラオキシストロビン(CAS番号862588-11-2)、及びトリフロキシストロビン(CAS番号141517-21-7)もある。
【0015】
ストロビルリン系化合物は、広範囲の植物真菌病を防除し、世界中の作物保護に多用されている。それらは、ミトコンドリア呼吸の阻害によって真菌の増殖を阻害するように作用する。ストロビルリン系化合物の具体的な作用機序は、電子伝達系のシトクロムb複合体IIIのユビキノール酸化部位(Q0部位)に結合し、シトクロムbとシトクロムc1との間の電子伝達を阻害することによるものである。このような具体的な作用機序を持つ他の化合物としては、Oudemansiella mucidaから最初に単離されたoudemansinsとして知られる主要なβ-メトキシアクリレート担毒体の合成及び天然由来の誘導体、Myxococcus flavusなどの粘液細菌からの合成及び天然由来のミクソチアゾール、Stigmatella auranticaなどの粘液細菌由来のスティグマテリン、並びに合成農薬のファモキサドン及びフェナミドンなどが挙げられる。
【0016】
アゾキシストロビンは、ストロビルリン系化合物の部類に属する農業用殺菌剤の例である。農業用殺菌剤としてのアゾキシストロビンは、保護作用、治癒作用、駆除作用、トランスラミナー作用、全身作用を有し、胞子の発芽や菌糸の成長を阻害し、また抗胞子活性も示す。表示された散布量で、アゾキシストロビンは、数多くの植物病原菌、例えば、温帯穀物のErysiphe graminis, Puccinia spp.、Lepiosphaeria nodorum、Septoria tritici、及びPyrenophora teres;イネのPyricularia oryzae及びRhizoctonia solani;ブドウの木のPlasmopara viticola及びUncinula necator;ウリ科のSphaerotheca fuliginea及びPseudoperonospora cubensis;ジャガイモ及びトマトのPhytophthora infestans及びAlternaria solani;ピーナッツのMycosphaerella arachidis、Rhizoctonia solani及びSclerotium rolfsii;モモのMoniliniaspp、及びCladosporium carpophilum;芝生のPythium spp.及びRhizoctonia solani;バナナのMycosphaerella spp.;ピーカンのCladosporium caryigenum;柑橘類のElsinoe fawcetii、Colletotrichum spp.及びGuignardia citricarpa;コーヒーのColletotrichum spp.及びHemileia vastatrixを防除する。アゾキシストロビンは、水への溶解度が低い固体物質である。
【0017】
アゾキシストロビンの商品名には、ABOUND FLOWABLE FUNGICIDE、Aframe、Azoxystar、Azoxyzone、AZteroid 1.65 SC Fungicide、AZURE AGRICULTURAL FUNGICIDE、Endow、QUADRIS FLOWABLE FUNGICIDE、Satori Fungicide、Strobe 2L、Willowood Azoxy 2SCなどがある。アゾキシストロビンは、例えばSigma-Aldrich(St.Louis,MO)及びAk Scientific,Inc(Union City,CA)から市販されている。
【0018】
本発明では、パーソナルケア組成物は、約0.02%~約10%のアゾキシストロビン、約0.05%~約2%のアゾキシストロビン、約0.1%~約1%のアゾキシストロビンを含み得る。
【0019】
本発明では、パーソナルケア組成物は、約0.02%~約10%のストロビルリン、約0.05%~約2%のストロビルリン、約0.1%~約1%のストロビルリンを含み得る。
【0020】
2-ピリジノール-N-オキシド物質
本発明での使用に好適な2-ピリジノール-N-オキシド物質としては、置換又は非置換の2-ピリジノール-N-オキシド物質又はその塩が挙げられる。この材料の互変異性体、例えば、1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジノンは、本発明の範囲内に含まれる。置換又は非置換の2-ピリジノール-N-オキシド物質、及びそれに対応する互変異性形態である1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジノンを以下に示す。
【0021】
【化1】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4基は、独立して、H、Cl、Br、I、F、NO、NO
2、及び(CH
2)
nGからなる群から選択され、ここで、各Gは、独立して、(O)
mSO
3M
3、(O)
mCO
2M
3、(O)
mC(O)(R
5)、(O)
mC(O)N(R
5R
6)、(O)
mCN、(O)
m(R
5)、及びN(R
5R
6)からなる群から選択され、mは、0又は1であり、nは、0~4の整数であり、R
5及びR
6は、独立して、H及び置換又は非置換のC1~C12有機基からなる群から選択され、M
3は、H、置換又は非置換のC
1~C
12有機基、
+N(R
7R
8R
9R
10)、及び1/qM’
q+からなる群から選択され、式中、M’は、電荷qのアルカリ金属及び電荷qのアルカリ土類金属からなる群から選択され、R7、R8、R9、及びR10は、独立して、H、及び置換又は非置換のC1~C12有機基からなる群から選択され、ここで、ビシナル基の任意の対、R
1及びR
2、R
2及びR
3、R
3及びR
4は一緒になって、Cl、Br、I、F、NO、NO
2、CN、(CH
2)
nG、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数種の基で任意に置換される、別の5又は6員の芳香環又は脂肪環を形成してもよい)に示す。好適な有機基としては、(C
1~C
12)アルキル、(C
2~C
12)アルケニル、及び(C
2~C
12)アルキニルが挙げられる。有機基は任意に置換されてよく、好適な置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及びアミノ基が挙げられる。2-ピリジノール-N-オキシドは、例えば、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド、2-ピリジノール-1-オキシド、又は2-ヒドロキシピリジン-1-オキシドとしても既知である。
【0022】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、上記の式(複数可)に従った2-ピリジノール-N-オキシド物質又はその互変異性体であり、式中、R1、R2、R3、R4は、独立して、H、Cl、及び(CH2)nGからなる群から選択され、Gは、独立して、(O)mSO3M3、(O)mCO2M3、(O)mC(O)(R5)、(O)mCN、及び(O)m(R5)からなる群から選択され、mは、0又は1である。他の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、上記の式に従った2-ピリジノール-N-オキシド物質であり、式中、R1、R2、R3、R4は、独立して、H、SO3M3、及びCO2M3からなる群から選択される。更に他の態様では、R1、R2、R3、R4は、独立して、H、SO3M3、及びCO2M3からなる群から選択され、1つ以下のR1、R2、R3、R4が、SO3M3又はCO2M3である。
【0023】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、置換又は非置換の2-ピリジノール-N-オキシド物質の塩である。これらの態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質のヒドロキシル基の水素は、好適な電荷平衡カチオンで置換されてよい。これらの態様では、水素を置換するカチオンの非限定的な例には、Na+、Li+、K+、1/2Mg2+、若しくは1/2Ca2+、C1~C6アルカノールアンモニウムなどの置換アンモニウム、モノ-エタノールアミン(MEA)、トリ-エタノールアミン(TEA)、ジ-エタノールアミン(DEA)、又はこれらの任意の混合物が挙げられる。いくつかの態様では、溶液中で、カチオンは、2-ピリジノール-N-オキシドアニオン、又は1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジノンアニオンから解離され得る。
【0024】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、置換又は非置換の2-ピリジノール-N-オキシド物質のものである。本明細書で使用するための塩としては、多価金属バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から形成されているものが挙げられる。
【0025】
いくつかの態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、以下からなる群から選択される:6-ヒドロキシ-3-ピリジンスルホン酸,1-オキシド(CAS191672-18-1);2-ヒドロキシピリジン-1-オキシド(CAS13161-30-3);2-ヒドロキシ-4-ピリジンカルボン酸,1-オキシド(CAS13602-64-7);5-エトキシ-2-ピリジノール,2-アセテート,1-オキシド(CAS51984-49-7);1-(3-ヒドロキシ-2-オキシド-4-イソキノリニル)-エタノン(CAS65417-65-4);6-ヒドロキシ-3-ピリジンカルボン酸,1-オキシド(CAS90037-89-1);2-メトキシ-4-キノリンカルボニトリル,1-オキシド(CAS379722-76-6);2-ピリジンカルボン酸,6-ヒドロキシ-,1-オキシド(CAS1094194-45-2);3-ピリジンカルボン酸,2-ヒドロキシ-,1-オキシド(CAS408538-43-2);2-ピリジノール,3-ニトロ-,1-オキシド(CAS282102-08-3);3-ピリジンプロパンニトリル,2-ヒドロキシ-,1-オキシド(193605-60-6);3-ピリジンエタノール,2-ヒドロキシ-,3-アセテート,1-オキシド(CAS193605-56-0);2-ピリジノール,4-ブロモ-,1-オキシド(CAS170875-41-9);2-ピリジノール,4,6-ジブロモ-,2-アセテート,1-オキシド(CAS170875-40-8);2-ピリジノール,4,6-ジブロモ,1-オキシド(CAS170875-38-4);2-ピリジノール,4-(2-アミノエチル)-,1-オキシド(CAS154403-93-7);2-ピリジノール,5-(2-アミノエチル)-,1-オキシド(CAS154403-92-6);3-ピリジンプロパン酸,α-アミノ-6-ヒドロキシ-,1-オキシド(CAS134419-61-7);2-ピリジノール,3,5-ジメチル,1-オキシド(CAS102074-62-4);2-ピリジノール,3-メチル-,1-オキシド(CAS99969-07-0);2-ピリジノール,3,5-ジニトロ,1-オキシド(CAS98136-47-1);2-ピリジノール,3,5-ジブロモ-,1-オキシド(CAS98136-29-9);2-ピリジノール,4-メチル-6-(2-メチルプロピル)-,1-オキシド(CAS91408-77-4);2-ピリジノール,3-ブロモ-4,6-ジメチル-,1-オキシド(CAS91408-76-3);2-ピリジノール,4,5,6-トリメチル-,1-オキシド(CAS91408-75-2);2-ピリジノール,6-ヘプチル-4-メチル-,1-オキシド(CAS91408-73-0);2-ピリジノール,6-(シクロヘキシルメチル)-4-メチル-,1-オキシド(CAS91408-72-9);2-ピリジノール,6-ブロモ-,1-オキシド(CAS89284-00-4);2-ピリジノール,5-ブロモ-,1-オキシド(CAS89283-99-8);2-ピリジノール,3,5-ジクロロ-4,6-ジフルオロ-,1-オキシド(CAS33693-37-7);2-ピリジノール,3,4,5,6-テトラクロロ-,1-オキシド(CAS32835-63-5);2-ピリジノール,6-メチル-,1-オキシド(CAS14420-62-3);2-ピリジノール,5-ニトロ-,1-オキシド(CAS14396-03-3);2-ピリジノール,4-メチル-5-ニトロ-,1-オキシド(CAS13602-77-2);2-ピリジノール,4-クロロ-5-ニトロ-,1-オキシド(CAS13602-73-8);2-ピリジノール,4-クロロ-,1-オキシド(CAS13602-65-8);2-ピリジノール,4-ニトロ-,1-オキシド(CAS13602-63-6);及び2-ピリジノール,4-メチル-,1-オキシド(CAS1952-64-3)、並びにこれらの混合物。これらの物質は、例えば、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)及び/又はAces Pharma(Branford,CT)から市販されている。
【0026】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、以下からなる群から選択される2-ピリジノール-N-オキシド物質である:2-ヒドロキシピリジン-1-オキシド;3-ピリジンカルボン酸,2-ヒドロキシ-,1-オキシド;6-ヒドロキシ-3-ピリジンカルボン酸,1-オキシド;2-ヒドロキシ-4-ピリジンカルボン酸,1-オキシド;2-ピリジンカルボン酸,6-ヒドロキシ-,1-オキシド;6-ヒドロキシ-3-ピリジンスルホン酸,1-オキシド;及びこれらの混合物。
【0027】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、以下からなる群から選択される1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジノン物質である:1-ヒドロキシ-2(1H)-ピリジノン(CAS822-89-9);1,6-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-6-オキソ-3-ピリジンカルボン酸(CAS677763-18-7);1,2-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-2-オキソ-4-ピリジンカルボン酸(CAS119736-22-0);1,6-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-6-オキソ-2-ピリジンカルボン酸(CAS94781-89-2);1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジノン(CAS50650-76-5);6-(シクロヘキシルメチル)-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-ピリジノン(CAS 29342-10-7);1-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-2(1H)-ピリジノン(CAS29342-02-7);1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンモノエタノールアミン(CAS68890-66-4);1-ヒドロキシ-6-(オクチルオキシ)-2(1H)-ピリジノン(CAS162912-64-3);1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロヘキシル-2-ピリジノンエタノールアミン塩(CAS41621-49-2);1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロヘキシル-2-ピリジノン(CAS29342-05-0);6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-1-ヒドロキシ-2-オキソ-4-ピリジンカルボン酸、メチルエステル(CAS36979-78-9);1-ヒドロキシ-5-ニトロ-2(1H)-ピリジノン(CAS45939-70-6);及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。これらの物質は、例えば、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Princeton Building Blocks(Monmouth Junction,NJ)、3B Scientific Corporation(Libertyville,IL)、SynFine Research(Richmond Hill,ON)、Ryan Scientific,Inc.(Mt.Pleasant,SC)、及び/又はAces Pharma(Branford,CT)から市販されている。
【0028】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、以下の式(複数可)に従った2-ピリジノール-N-オキシド物質又はその互変異性体であり、
【0029】
【化2】
式中、Xは、酸素又は硫黄部分であり、Rは、1~20個の炭素原子を有する置換又は非置換の炭化水素基である。この部類の物質は、米国特許第5,675,013号に開示される手順に従って合成され得る。
【0030】
特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド物質は、以下の式(複数可)に従った2-ピリジノール-N-オキシド物質又はその互変異性体であり、
【0031】
【化3】
式中、R’及びR”は、独立して、水素、又は1~20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換の炭化水素基のいずれかである。この部類の物質は、米国特許第5,675,013号に開示される手順に従って合成され得る。特定の態様では、2-ピリジノール-N-オキシド材料は、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンモノエタノールアミン塩である。
【0032】
本発明において、パーソナルケア組成物は、約0.1%~約10%の置換又は非置換の2-ピリジノール-N-オキシド物質を含有してもよい。あるいは、ヘアケア組成物は、約0.3%~約3%の置換又は非置換の2-ピリジノールN-オキシド材料を含有してもよい。あるいは、ヘアケア組成物は、約0.5%~約2%の置換又は非置換の2-ピリジノールN-オキシド物質を含有してもよい。
【0033】
その他の抗菌活性物質
本発明は、ピリチオンの多価金属塩から選択される頭皮用健康剤を含んでいてもよく、1種類以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含んでいてもよい。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリン、クリオキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、ニーム、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本発明において、抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられ得る。
【0034】
b.硫化セレン
硫化セレンは、本発明の抗菌性組成物に使用するのに好適な粒子状頭皮用健康剤である。硫化セレンは一般にセレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物とみなされるが、一般式SexSy(式中x+y=8)に従う環式構造であってもよい。前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern3600装置)で測定した硫化セレンの平均粒径は、典型的には15μm未満であり、本発明においては10μm未満であってもよい。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に記載されている。
【0035】
c.硫黄
硫黄もまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌性/頭皮用健康剤として使用することができる。
【0036】
d.角質溶解剤
本発明は、サリチル酸などの1つ以上の角質溶解剤を更に含んでもよい。
【0037】
本発明はまた、界面活性剤可溶性抗頭皮用健康剤と粒子状頭皮用健康剤との組み合わせを含んでもよい。本発明では、抗菌活性物質の組み合わせは、ピロクトンオラミンとジンクピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリンバゾール、ピロクトンオラミンとクリンバゾール、サリチル酸とピロクトンオラミン、及びこれらの混合物からなる組み合わせの群から選択され得る。
【0038】
e.追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(ティーツリー)及び炭の抽出物を含んでもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせには、ピロクトンオラミンとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、ピロクトンオラミンとクリンバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とピロクトンオラミンとの組み合わせ、ジンクピリチオンとクリンバゾール並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0039】
本発明では、頭皮用健康剤は、約0.01%~10%の量で存在してもよく、約0.1%~9%であってもよく、約0.25%~8%であってもよく、約0.5%~6%であってもよい。
【0040】
本発明では、組成物は、有効な量の亜鉛含有層状物質を含んでいてもよい。亜鉛含有層状材料は、結晶の成長が主に二次元で生じたものであってもよい。層構造は、全ての原子が十分画定された層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとしても説明することが慣例的である(A.F.Wells「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状材料(zinc-containing layered material、ZLM)は、亜鉛を層に組み込んでいてもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。以下のZLMの部類は、全般的カテゴリの比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の材料に関して限定することを意図するものではない。
【0041】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。本発明では、ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。亜鉛を含有する関連鉱物もまた、組成物中に含まれていてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)などのアニオン性層の種がイオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMもまた存在し得る。これら天然材料は全て、合成によって得ることもでき、又は組成物中においてその場で、若しくは製造プロセス中に形成することもできる。
【0042】
常にではないが、多くの場合合成である、ZLMの別の一般的な部類は、層状複水酸化物である。本発明では、ZLMは、式[M2+
1-xM3+
x(OH)2]x+Am-
x/m・nH2O(式中、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンである)に一致する層状複水酸化物であってよい(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429-42)。
【0043】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別の部類のZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,KInorg.Chem.1999,38,4211-6)。本発明において、ZLMは、式[M2+
1-xM2+
1+x(OH)3(1-y)]+An-
(1=3y)/n・nH2O(式中、2つの金属イオン(M2+)は、同一であっても異なっていてもよい)に一致するヒドロキシ複塩であってよい。金属イオンが同一であり亜鉛で表される場合、式は簡素化され、[Zn1+x(OH)2]2x+ 2x A-・nH2Oとなる。この後者の式は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛などの材料を表す(x=0.4である場合)。本発明では、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛であり得る。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換える、水亜鉛土にも関する。また、これらの材料は、組成物中においてその場で、又は製造プロセス中に形成することができる。
【0044】
本発明では、組成物は、塩基性炭酸亜鉛を含んでいてもよい。塩基性炭酸亜鉛の市販供給源としては、塩基性炭酸亜鉛(Cater Chemicals:Bensenville,IL,USA)、炭酸亜鉛(Shepherd Chemicals:Norwood,OH,USA)、炭酸亜鉛(CPS Union Corp.:New York,NY,USA)、炭酸亜鉛(Elementis Pigments:Durham,UK)、及び炭酸亜鉛AC(Bruggemann Chemical:Newtown Square,PA,USA)が挙げられる。塩基性炭酸亜鉛は、商業的には、「炭酸亜鉛」、「炭酸亜鉛塩基」、又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然の水亜鉛土に似た物質からなる合成物である。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO3)2により表されるが、実際の化学量論的比はわずかに変化することがあり得、また他の不純物が結晶格子内に組み込まれる場合がある。
【0045】
本発明では、組成物は、有効な量の亜鉛含有層状物質を含んでいてもよい。本発明において、組成物は、組成物の総重量の約0.001%~約10%、又は約0.01%~約7%、又は約0.1%~約5%の亜鉛含有層状物質を含んでいてもよい。
【0046】
本発明は、亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有し得、亜鉛含有層状物質のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する比率は、約5:100~約10:1、又は約2:10~約5:1、又は約1:2~約3:1である。
【0047】
PGE-2アッセイ
ストレッサーに対する細胞の炎症応答の阻害-プロスタグランジンE2(「PGE2」)アッセイ。
【0048】
この例では、アゾキシストロビンとピロクトンオラミン(PO)との組み合わせにより、ある特定の比率で相乗的にPGE2の活性化を阻害できることを示している。PGE2は、炎症の調節に関与することが知られているホルモン様物質である。細胞性炎症は、様々な毛髪、皮膚、頭皮の症状と関連しているため、細胞性炎症に対するPGE2の活性化を阻害することは、これらのタイプの毛髪、皮膚、頭皮の症状の治療に役立つ可能性がある。
【0049】
方法
TERTケラチノサイト(「tKC」は、細胞を不死化するためにヒトテロメラーゼ逆転写酵素遺伝子でトランスフェクトされたヒトケラチノサイトである)を、Jerry Shay,University of Texas,Southwesternから入手し、40,000細胞/ウェルで24ウェルプレートに1mL/ウェル容量で播種した。EpiLife Medium(Life Technologies カタログ番号MEPICFPRF500)にケラチノサイト増殖サプリメント(Life technologies カタログ番号S-001-5)を添加したものをアッセイ培地として使用した。細胞をコンフルエンス/コンフルエンス近くまで増殖させ(典型的には、24ウェルプレートに40,000細胞/ウェルをプレーティングしてから24時間後)、15mJ/cm2のUVBストレスに供した(典型的には、BioSunにおける14~16回の照射時間)。試験組成物(ストロビルリン系化合物、ピロクトンオラミン、ストロビルリン系化合物+ピロクトンオラミン、及び陽性対照10uMイデベノン)を添加して、培地(最終濃度0.1%のDMSOを含むEpiLife培地-簡単に言えば、100%DMSOで作った活性物質及び組み合わせの1000倍ストックをEpiLife培地1~1000倍に希釈したもの)を交換し、プレートを18~24時間インキュベートした。
【0050】
各ウェルから上清を除去し、2mL/ウェルの培地(サプリメントなし)で細胞をすすぎ洗いする。Cell Titer-Gloアッセイ(Promega カタログ番号G7571;Madison WI)を用いてATP活性を測定し、細胞に実施して正規化する。上清を製造元の指示に従って、PGE2アッセイ(Cisbio BioassaysのプロスタグランジンE2アッセイキット カタログ番号62P2APEB)で試験する。PGE2の結果は、ATP活性に対して正規化される。上清からのPGE2定量(pg/mL)を正規化係数(処理ATP/対照ATP)で除算する。
【0051】
ストロビルリンによるPGE2阻害を計算するための計算例:
ATPアッセイにおけるビヒクル対照の発光=704567
ATPアッセイにおけるストロビルリン処理の発光=678903
ストロビルリン処理の正規化係数=1.038
ビヒクル対照のPGE2定量=2458pg/mL PGE2
ストロビルリン処理のPGE2定量=2347pg/mL PGE2
正規化PGE2値
対照=2458/1=2458
ストロビルリン=2347/1.038=2261
ストロビルリンの阻害率(%)=[100×(2458-2347)/2458]=8%
【0052】
StudentのT検定(等分散、両側)を使用し、実測された組み合わせと予想される組み合わせとの間のp値を計算して、p値<0.05を統計的に有意とした。予想される組み合わせの値は、ストロビルリン系化合物単独及びピロクトンオラミン単独のPGE2阻害値を加算して算出される。相乗係数とは、単に実測された組み合わせ/予想される組み合わせの比率である。相乗係数が1.0より大きく、p値が0.05未満の場合は、相乗作用があると判断する。
【0053】
PGE2実験の結論は、ストロビルリン系化合物及びピロクトンオラミンが、それぞれ単独ではケラチノサイトからのPGE2放出を阻害するには比較的弱い物質であり、ストロビルリンとピロクトンオラミンの組み合わせが、実際には驚くほどPGE2放出を阻害するということである。他のストロビルリン系化合物もPGE2放出を相乗的に阻害する。PGE2放出の相乗的阻害が発生する比率を確定するために、アゾキシストロビンとピロクトンオラミンとの複数の比率を試験してきたが、アゾキシストロビン:ピロクトンオラミンの比率が1:1及び1:10の場合に、統計的に有意な相乗作用を有する。アゾキシストロビン:ピロクトンオラミンの比率が4:1及び1:50の場合、統計的に有意な相乗作用は見られないが、この組み合わせは実際、これらの比率でPGE2放出を減少させる相加性が見られる。
【0054】
本発明では、別のストロビルリン及びピロクトンオラミンが、実際にも驚くほどPGE2放出を阻害するストロビルリン及びピロクトンオラミン(PO)の組み合わせを示すことができ、PGE2放出の相乗的阻害は、ストロビルリン:POの比率が1:1及び1:10の場合に生じ得る。
【0055】
【表1】
*統計的有意性を示す(実測値と予想値との間のp値<0.05)。
上記の表は、POを有するアゾキシストロビン類似化合物の範囲を含む。
【0056】
【0057】
本発明では、a)ストロビルリンと、b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を有してもよく、a:bの比率は約10:1~約1:20であり、相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を有する。
【0058】
洗浄性界面活性剤
本発明は、シャンプー、コンディショナー、又はリーブオントリートメントの形態で存在してもよい。シャンプー組成物は、組成物にクリーニング性能をもたらす、1種以上の洗浄性界面活性剤を含み得る。1種以上の洗浄性界面活性剤は更に、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくは双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含んでいてもよい。洗浄性界面活性剤の様々な例及び説明が、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、及び米国特許出願公開第2008/0206355号に記載されており、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
シャンプー組成物中の洗浄性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分でなければならず、一般に、約2重量%~約50重量%、約5重量%~約30重量%、約8重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約5重量%、約10重量%、約12重量%、約15重量%、約17重量%、約18重量%、又は約20重量%の範囲である。
【0060】
本組成物における使用に好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートである。その他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様のアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
シャンプー組成物に使用される代表的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムであり得る。
【0062】
本明細書のシャンプー組成物における使用に好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、シャンプー又は他のパーソナルケア洗浄における使用に既知のものが挙げられる。そのような両性界面活性剤の濃度は、約0.5重量%~約20重量%、及び約1重量%~約10重量%の範囲である。好適な双性イオン性又は両性の界面活性剤の非限定的な例が、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されており、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
シャンプー組成物における使用に好適な両性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広義に説明される界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは約8~約18個の炭素原子を有し、1つは、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。本発明のシャンプー組成物に使用するための代表的な両性洗浄性界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
シャンプー組成物における使用に好適な双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広義に説明される界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であり得、脂肪族置換基の1つが約8~約18個の炭素原子を有し、1つはアニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有する。更に、ベタインなどの双性イオン性物質(zwitterionics)が選択され得る。
【0065】
シャンプー組成物における使用に好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon「Emulsifiers and Detergents,1989 Annual」(M.C.Publishing Co.発行)、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号において記載されており、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
シャンプー組成物はまた、シャンプーゲルマトリックス、水性キャリア、及び本明細書で説明される他の追加成分も含んでもよい。
【0067】
水性担体
シャンプー組成物は、第1の水性キャリアを含む。したがって、シャンプー組成物の配合物は、(周囲条件下で)注ぎ込み可能な液体の形態であってよい。したがって、そのような組成物は、典型的には、第1の水性キャリアを含み、第1の水性キャリアは、少なくとも20重量%、約20重量%~約95重量%、又は約60重量%~約85重量%の濃度で存在する。第1の水性キャリアは、水、又は水と有機溶媒との相溶性混合物を含み得るが、1つの態様では、他の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意な濃度の有機溶媒を有さない水を含み得る。
【0068】
シャンプー組成物で有用な第1の水性キャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールと多価アルコールとの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0069】
A.水性キャリア
コンディショナー組成物のコンディショナーゲルマトリックスは、第2の水性キャリアを含む。したがって、コンディショナー組成物の配合物は、(周囲条件下で)注ぎ込み可能な液体の形態であってよい。したがって、そのような組成物は、典型的には、第2の水性キャリアを含み、これは約20重量%~約95重量%、又は約60重量%~約85重量%の濃度で存在する。第2の水性キャリアは、水、又は水と有機溶媒との相溶性混合物を含み得るが、1つの態様では、他の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意な濃度の有機溶媒を有さない水を含み得る。
【0070】
コンディショナー組成物で有用な第2の水性キャリアとしては、水、及び低級アルキルアルコールと多価アルコールとの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0071】
追加の構成成分
本明細書に記載されるシャンプー組成物、コンディショナー組成物、及び/又はリーブオントリートメントは、ヘアケア又はパーソナルケア製品で使用するのに既知の1つ以上の追加成分を、この追加成分が本明細書に記載の必須成分と物理的及び化学的に適合するか、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわない場合に限り、含み得る。このような追加成分は、最も典型的には、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992などの参考文献に記載されているものである。このような追加成分の個々の濃度は、ヘアケア組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0072】
ヘアケア組成物で用いるための追加成分の非限定的な例としては、コンディショニング剤、天然カチオン性付着ポリマー、合成カチオン性付着ポリマー、フケ防止剤、粒子、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び水不溶性)、真珠光沢助剤、起泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、保存剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
【0073】
1.コンディショニング剤
ヘアケア組成物は、1種以上のコンディショニング剤を含んでもよい。コンディショニング剤としては、毛髪に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される物質が挙げられる。本発明のヘアケア組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的に、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性非揮発性液体を含む。ヘアケア組成物において使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般に、シリコーン、有機コンディショニングオイル若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又は他の方法で水性界面活性剤マトリックス中に液体分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0074】
1種以上のコンディショニング剤が、組成物の約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、及び約0.2重量%~約4重量%存在する。
【0075】
シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物は、1種以上のシリコーンコンディショニング剤を含有していてもよい。シリコーンの例としては、ジメチコン、ジメチコノール、環状シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ基、四級アンモニウム塩の基、脂肪族基、アルコール基、カルボン酸基、エーテル基、エポキシ基、糖又は多糖基、フッ素変性アルキル基、アルコキシ基、又はこのような基の組み合わせなどの様々な官能基を有する変性シリコーンが挙げられる。このようなシリコーンは、水性(又は非水性)製品キャリア中で可溶性であっても不溶性であってもよい。不溶性液体シリコーンの場合、ポリマーは、液滴サイズが約10nm~約30マイクロメートルの乳化形態であり得る。
【0076】
有機コンディショニング物質
本発明の組成物のコンディショニング剤はまた、単独で、又は上記のシリコーンなどの他のコンディショニング剤との組み合わせのいずれかで、油又はワックスなどの少なくとも1つの有機コンディショニング物質を含んでいてもよい。有機物質は、非ポリマー、オリゴマー又はポリマーであり得る。これは、油又はワックスの形態であってよく、配合物にそのまま添加してもよいし、予備乳化した形態で添加してもよい。有機コンディショニング材料のいくつかの非限定例としては、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪族エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体、vii)四級アンモニウム化合物、viii)CTFA名称がPEG-20 200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-2M、PEG-7M、PEG-14M、PEG-45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
有益剤
ヘアケア組成物は、1種以上の追加の有益剤を更に含んでもよい。有益剤は、フケ防止剤、抗真菌剤、痒み止め剤、抗菌剤、抗細菌剤、保湿剤、抗酸化剤、ビタミン、脂溶性ビタミン、香料、美白剤、酵素、感覚剤、誘引剤、染料、顔料、漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む。
【0078】
本発明のヘアケア組成物は、典型的なヘアケア製剤中に存在し得る。この組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球体、スポンジャー、固形剤形、泡、及びその他の送達機構の形態であってよい。本発明の組成物は、ヘアトニック、トリートメント及びスタイリング製品などのリーブオンヘア製品、シャンプー及びトリートメント製品などのリンスオフヘア製品、並びに毛髪に塗布可能な任意の他の形態であってもよい。
【0079】
ヘアケア組成物は、一般に、組成物を製造する当該技術分野において既知であるものなどの従来法により調製される。このような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で比較的均一な状態になるまで混合することを含む。組成物は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。ヘアケア組成物は、単相若しくは単一製品中に存在してもよく、又はヘアケア組成物は、別個の相若しくは別個の製品中に存在してもよい。2つの製品を使用する場合、それらの製品は、一緒に、同時に又は逐次に使用してもよい。逐次使用は、1つの製品の使用直後などの短時間に行われてもよく、あるいは数時間又は数日の期間にわたって行われてもよい。
【0080】
本発明は、皮膚、頭皮、及び毛髪における炎症及び細胞ストレス状態を改善するための、パーソナルケア組成物におけるストロビルリン系化合物の使用に関し得る。本発明は、抗炎症効果のための、パーソナルケア組成物におけるストロビルリン系化合物の使用に関し得る。本発明は、抗炎症効果のための、本発明の請求項に記載されるようなストロビルリン系化合物の使用に関し得る。本発明は、組成物を使用する方法に関し得、当該組成物は、a)ストロビルリンと、b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、a:bの比率は約4:1~約1:10であり、相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を提供する。本発明は、組成物を使用する方法に関し得、当該組成物は、a)ストロビルリンと、b)2-ピリジノール-N-オキシド物質と、を含み、a:bの比率は約4:1~約1:10であり、相乗的抗炎症/細胞ストレス活性を提供し、ベースラインと比較してPGE2放出が少なくとも約20%減少する。
【実施例】
【0081】
非限定的な実施例
以下の実施例で示されるシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製される。全ての例示された量は、活性基準の重量パーセンテージとして記載されており、希釈剤、防腐剤などの微量材料を除外し、色のパーセンテージは、特に指定がない限り、重量に基づいている。
【0082】
【表3】
上記は全て活性基準である。例えば、11%のSLE1Sの場合、25%活性SLE1S溶液の44%を添加する必要がある。以下の表は、上記の表の各注記を説明している。
【0083】
【0084】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある非限定的な実施例を更に説明及び実証する。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。適用可能な場合には、成分を、化学名又はCTFA名で特定し、そうでない場合は、以下で定義する。
【0085】
【0086】
【表6】
1 Pride Solvents製のSD-40B 200 Alcohol
2 Ashland製のFlexithix
3 Ashland製のBenecel K200M
4 AkzoNobel製のStructure XL
5 Kerry Ingredients and Flavors製のメントール
6 Clariant製のピロクトンオラミン
7 Lonza製のナイアシンアミド
8 Merck製のカフェイン
9 BASF製のD-パンテノール
10 BASF製のCremophor RH-40
11 Sigma Aldrich製のプロピレングリコール
【0087】
製品形態
本発明のパーソナルケア組成物は、典型的なパーソナルケアの配合中に存在してもよい。この組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球体、スポンジャー、固形剤形、泡、及びその他の送達機構の形態であってよい。本発明の組成物は、ヘアトニック、トリートメント及びスタイリング製品のようなリーブオンヘア製品、シャンプー、プレウォッシュ製品、コウォッシュ(co-wash)製品、及びパーソナルクレンジング製品のようなリンスオフヘア製品、及びトリートメント製品、並びに毛髪又は皮膚に塗布可能な任意のその他の形態とすることができる。
【0088】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0089】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0090】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。