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特許7575499プレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】プレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 15/00 20060101AFI20241022BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20241022BHJP
   F23G 5/46 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F23J15/00 F ZAB
B01D53/26 300
F23G5/46 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022580903
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2020018801
(87)【国際公開番号】W WO2022004976
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0080560
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522501155
【氏名又は名称】キングメーカー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KINGMAKER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ETechHive D211, 410, Jeongseojin-ro, Seo-gu, Incheon 18449 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンク
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨンウク
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0145242(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0077197(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1740618(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0261230(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0072642(KR,A)
【文献】特開昭63-004835(JP,A)
【文献】特開2016-090129(JP,A)
【文献】特開2002-273151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 15/00
B01D 53/26
F23G 5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の水蒸気を含有した第1排気ガスを排気ガスの供給管を通じて供給を受け、吸湿液を通じ上記の第1排気ガスから水分と熱量を吸収して、上記の第1排気ガスが低温乾燥された状態の第2排気ガスを排気ガスの排出管を通じて排出する吸湿部;
上記の第1排気ガスと接触した上記の吸湿液が上記の吸湿部から排出され保存される保存部;及び
上記の排気ガスの供給管の上に具備され、外部から流入された流入水で上記の第1排気ガスの熱を冷却させるプレクーラー;を含み、
上記のプレクーラーは、上記の第1排気ガスが100℃より高い第1温度から上記の第1温度ないし100℃の間の第2温度に冷却されるプレクーラーであり、
上記の吸湿液から熱量を回収するために、一側に上記の吸湿液が上記の保存部から上記の吸湿部に供給される吸湿液の供給管が連結され、他側に冷水が供給される冷水の供給管及び上記の冷水が上記の吸湿液の熱を吸収し生成される温水を排出する温水排出管が連結される熱交換部;をさらに含み、
上記のプレクーラーは、上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管と連結され、上記冷水または上記温水が上記流入水として供給され、
上記プレクーラーは、上記第1排気ガスの熱を吸収した上記流入水が上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管に排出されるプレクーラーであり、
上記のプレクーラーには上記の流入水が供給されるプレクーラーの供給管と上記の流入水が排出されるプレクーラーの排出管が連結されて、
上記のプレクーラーの供給管は上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管と連結され、上記の流入水の供給を制御するプレクーラーの供給バルブを具備し、
上記のプレクーラーの排出管は上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管の中の上記のプレクーラーの供給管が連結された配管と連結されて、上記の流入水の排出を制御するプレクーラーの排出バルブを具備し、
上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管で上記のプレクーラーの供給管が連結された部分と上記のプレクーラーの排出管が連結された部分の間には上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブと反対に動作するプレクーラーのバイパスバルブが具備される、プレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項2】
上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管のそれぞれは上記の冷水の供給管及び上記の温水の排出管とそれぞれ連結されて、
上記のプレクーラーに冷水が供給される際に、上記の温水の排出管と連結された上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブは閉じられ、上記の温水の排出管に連結されたプレクーラーのバイパスバルブが開かれて、
上記のプレクーラーに温水が供給される際に、上記の冷水の供給管と連結された上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブは閉じられ、上記の冷水の供給管に連結されたプレクーラーのバイパスバルブが開かれるプレクーラーを具備した、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項3】
上記の排気ガスの供給管の先端と上記の排気ガスの排出管の先端には上記の吸湿部を介さず上記の第1排気ガスを外部に排出する非常制御部が具備される、
請求項1に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項4】
上記の非常制御部は、
上記の排気ガスの供給管に連結された排気ガスの供給バルブ、
上記の排気ガスの排出管に連結された排気ガスの排出バルブ、及び
上記の排気ガスの供給バルブと上記の排気ガスの排出バルブの間に具備され、上記の排気ガスの供給バルブ及び上記の排気ガスの排出バルブと反対に動作され、上記の第1排気ガスの上記の吸湿部を介さず外部に排出されるように制御する吸湿部のバイパスバルブを具備するプレクーラーを具備した、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項5】
上記の排気ガスの排出管の上に位置し、上記の吸湿部から排出される上記の第2排気ガスの排出速度を加速させるブロワをさらに具備する、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項6】
上記の保存部は、
上記の保存部の内部に具備され、上記の吸湿液の流れを誘導する複数のバッフル;及び
上記の複数のバッフルの間に具備され、上記の吸湿液から異物質をフィルタリングするフィルター;を具備するプレクーラーを具備した、
請求項1に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項7】
一端が上記の保存部に連結され、上記の保存部に盛り込まれた上記の吸湿液のレベルゲージ、比重、濃度、酸度、純度、粘度及び温度の中の少なくとも一つにより上記の保存部に上記の吸湿液を補充するドージング(Dosing)部をさらに具備する、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項8】
一側に上記の保存部から上記の吸湿液が流入される吸湿液の再生管が連結され、他側に高温のスチームが供給されるスチーム管及び上記のスチームにより加熱されて上記の吸湿液と上記の吸湿液から分離された水蒸気が排出される分離排出管が連結される再生部;及び
一側に上記の分離排出管が連結され他側に上記の水蒸気を排出する水蒸気の排出管と上記の水蒸気と分離された吸湿液が上記の保存部に回収される吸湿液の回収管が連結される気液分離部;をさらに含む、
請求項1に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項9】
上記の熱交換部は第1熱交換機と第2熱交換機を含め、
上記の第1熱交換機は一側が上記の吸湿液の供給管に連結されて、他側が上記の冷水の供給管及び上記の温水の排出管に連結され、
上記の第2熱交換機は一側が上記の温水の排出管の上に連結されて、他側が上記の気液の分離部の上記の水蒸気の排出管に連結される、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項10】
上記の第1熱交換機と連結された上記の冷水の供給管は上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管と連結される、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項11】
上記の第2熱交換機と連結された上記の温水の排出管は上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管と連結される、
請求項に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項12】
一側が上記の第2排気ガスが流入される上記の排気ガスの排出管に連結され、上記の第2排気ガスを加熱し排出させるヒーター;をさらに含む、
請求項1に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項13】
上記のヒーターの他側にはヒーターの供給管とヒーターの排出管が具備され、
上記のヒーターの供給管は上記の水蒸気の排出管に連結されて、
上記のヒーターの排出管は上記の温水の排出管に連結される、
請求項12に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項14】
上記のヒーターの供給管の上に具備され、上記の水蒸気の供給を制御するヒーター供給バルブ、
上記のヒーターの排出管の上に具備され、上記の凝縮された温水を排出するヒーター排出バルブ、及び
上記の水蒸気の排出管の上に上記のヒーターの供給管が連結された部分と上記の第2熱交換機の間に具備されて、上記の水蒸気の上記の第2熱交換機の供給バルブを含め、
上記のヒーター供給バルブ及び上記のヒーター排出バルブは上記の第2熱交換機の供給バルブと反対に動作する、
請求項13に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【請求項15】
上記のヒーター供給バルブ及び上記のヒーター排出バルブが開かれたり閉じられたりする際に、上記の第2熱交換機の供給バルブは反対に閉じられたり開かれたりされる、
請求項14に記載のプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置に関するものであり、より詳しくは吸収部の前端で排気ガスの熱を吸収するプレクーラーを備えるプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に大気汚染物質を排出する施設である焼却炉、金属溶解炉、ボイラー、湿式脱硫施設などは運転中で高濃度の汚染物質が含まれた高温の廃棄ガスを大気中に排出することにより、このような廃棄ガスの中に含まれた汚染物質を除去するために受容液を噴射して有害物質を除去するための吸収塔(湿式集塵施設)を設置して主に用いて来た。
【0003】
このような 湿式集塵施設は排出される高温の廃棄ガスに水を噴霧することによって、出口での排気ガスは高温多湿(飽和)な状態で煙突を通じて大気中に排出される。この際、排気ガスの中に含まれた水分には湿式集塵施設でまだ除去されなかった汚染物質と飽和水分を含んでいるため、煙突からの排出際に飽和水分を含む廃棄ガスは冷たい外部の大気によって直ちに冷却されながら凝縮され比重が増加した排気ガスの内の飽和水分が水玉(水滴)の状態変換しながら上記の煙突の付近に集中的に落下されると同時に、煙突周辺を汚染されるようになる。
【0004】
また、比較的に比重が少ない水玉である水滴も拡散されなく上記の煙突から一定距離まで水蒸気帯である白煙を形成しながら落下されて、落下された水滴は周囲の設備を腐食させたり、住民の苦情が発生したりもする。
【0005】
従来に汚染物質の排出施設で発生される有害ガスを湿式に除去する場合に煙突を通じて発生される白煙を防止するためには外部から高温の空気を混合させ廃棄ガスの相対湿度を低減させたり煙突にバーナーを設置したりして廃棄ガスを直接加熱させることにより排気ガスの中の水分を除去したものの、前者は設置コストが非常に高い問題点があり、後者は燃料消費による維持コストが高い問題点があった。
【0006】
例えば、このような問題を解決するための特許文献とは特許文献1および2などを含む複数の特許文献がある。しかし、このような特許技術は、前述したように、複雑な設備(湿式集塵設備)などを含むだけでなく、未だに白煙問題を適切に解決できていない。併せて、排出される排気ガスの廃熱を通常の熱交換のレベルで交換するのに留まっており、エネルギー活用の側面でも効率的でない傾向がある。
【0007】
一方、焼却炉などのような発生源の設備から排出される排気ガスは高い温度の状態で飽和水分を含有している。
【0008】
すでに公知された湿り空気線図(Psychrometric Chart)を活用した多湿な排気ガスの物理的な特性を見ると、乾球温度と絶対湿度を座標にするt-x線図(t:温度、x:絶対湿度)により0~60℃の領域では絶対湿度の増加曲線が緩やかな曲線(徐々に増加)を成し、60~70℃の領域では絶対湿度急激に上昇曲線に沿って増加し、70℃以上の温度領域では垂直に近い微小な温度の差によっても絶対湿度が増加されると知られている。
【0009】
したがって、焼却炉、ボイラーなどのような排気ガスの排出源から排出される温度、すなわち、60℃以上の温度の領域の廃棄ガスを経済性がある温度および湿度(出口温度60℃以下、絶対湿度40℃以下)に下げることができれば、過冷却状態で大気中に排出されると廃棄ガスから発生される白煙はほとんどが低減できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はプレクーラーを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を提供するのにその目的がある。より詳しくは吸湿部の前端に排気ガスの熱を吸収するプレクーラーを具備するプレクーラーを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を提供するのにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一例によるプレクーラーを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置は高温の水蒸気を含有した第1排気ガスを排気ガスの供給管を通じて供給を受け、吸湿液を通じ上記の第1排気ガスから水分と熱量を吸収して、上記の第1排気ガスが低温乾燥された状態の第2排気ガスを排気ガスの排出管を通じて排出する吸湿部;上記の第1排気ガスと接触した上記の吸湿液が上記の吸湿部から排出され保存される保存部;及び上記の排気ガスの供給管の上に具備され、外部から流入された流入水で上記の第1排気ガスの熱を冷却させるプレクーラー;を含む。
【0012】
プレクーラーをで、上記の第1排気ガスは100℃より高い第1温度から上記の第1温度ないし100℃の間の第2温度に冷却されることができる。
【0013】
また、上記の吸湿液から熱量を回収するために、一側に上記の吸湿液が上記の保存部から上記の吸湿部に供給される吸湿液の供給管が連結され、他側に冷水が供給される冷水の供給管及び上記の冷水が上記の吸湿液の熱を吸収し生成される温水を排出する温水の排出管が連結される熱交換部;をさらに含むことができる。
【0014】
上記のプレクーラーは上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管と連結され、上記の冷水または上記の温水が上記の流入水で供給されて、上記のプレクーラーで上記の第1排気ガスの熱を吸収した上記の流入水は上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管に排出されることができる。
【0015】
上記のプレクーラーには上記の流入水が供給されるプレクーラーの供給管と上記の流入水が排出されるプレクーラーの排出管が連結されて、上記のプレクーラーの供給管は上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管と連結され、上記の流入水の供給を制御するプレクーラーの供給バルブを具備して、上記のプレクーラーの排出管は上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管の中の上記のプレクーラーの供給管が連結された配管と連結されて、上記の流入水の排出を制御するプレクーラーの排出バルブを具備して、上記の冷水の供給管または上記の温水の排出管で上記のプレクーラーの供給管が連結された部分と上記のプレクーラーの排出管が連結された部分の間には上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブと反対に動作するプレクーラーのバイパスバルブが具備されることができる。
【0016】
一例で、上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管のそれぞれは上記の冷水の供給管及び上記の温水の排出管とそれぞれ連結されて、上記のプレクーラーに冷水が供給される際に、上記の温水の排出管と連結された上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブはターンオフされ、上記の温水の排出管に連結されたプレクーラーのバイパスバルブがターンオンされて、上記のプレクーラーに温水が供給される際に、上記の冷水の供給管と連結された上記のプレクーラーの供給バルブ及び上記のプレクーラーの排出バルブはターンオフされ、上記の冷水の供給管に連結されたプレクーラーのバイパスバルブがターンオンされることができる。
【0017】
上記の排気ガスの供給管の先端と上記の排気ガスの排出管の先端には上記の吸湿部を介さず上記の第1排気ガスを外部に排出する非常制御部が具備されることができる。
【0018】
非常制御部は、上記の排気ガスの供給管に連結された排気ガスの供給バルブ、上記の排気ガスの排出管に連結された排気ガスの排出バルブ、及び上記の排気ガスの供給バルブと上記の排気ガスの排出バルブの間に具備され、上記の排気ガスの供給バルブ及び上記の排気ガスの排出バルブと反対に動作され、上記の第1排気ガスの上記の吸湿部を介さず外部に排出されるように制御する吸湿部のバイパスバルブを具備することができる。
【0019】
上記の排気ガスの排出管の上に位置し、上記の吸湿部から排出される上記の第2排気ガスの排出速度を加速させるブロワをさらに具備することができる。
【0020】
上記の保存部は、上記の保存部の内部に具備され、上記の吸湿液が上記の吸湿液の供給管の側に流れるように誘導する複数のバッフル;及び上記の複数のバッフルの間に具備され、上記の吸湿液から異物質をフィルタリングするフィルター;を具備することができる。
【0021】
また、一端が上記の保存部に連結され、上記の保存部に盛り込まれた上記の吸湿液のレベルゲージ、比重、濃度、酸度、純度、粘度及び温度の中の少なくとも一つにより上記の保存部に上記の吸湿液を補充するドージング(Dosing)部をさらに具備することができる。
【0022】
また、一側に上記の保存部から上記の吸湿液が流入される吸湿液の再生管が連結され、他側に高温のスチームが供給されるスチーム管及び上記のスチームにより加熱されて上記の吸湿液と上記の吸湿液から分離された水蒸気が排出される分離排出管が連結される再生部;及び一側に上記の分離排出管が連結され他側に上記の水蒸気を排出する水蒸気の排出管と上記の水蒸気と分離された吸湿液が上記の保存部に回収される吸湿液の回収管が連結される気液分離部;をさらに含むことができる。
【0023】
上記の熱交換部は第1熱交換機と第2熱交換機を含め、上記の第1熱交換機は一側が上記の吸湿液の供給管に連結されて、他側が上記の冷水の供給管及び上記の温水の排出管に連結され、上記の第2熱交換機は一側が上記の温水の排出管の上に連結されて、他側が上記の気液の分離部の上記の水蒸気の排出管に連結されることができる。
【0024】
上記の第1熱交換機と連結された上記の冷水の供給管は上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管と連結されて、上記の第2熱交換機と連結された上記の温水の排出管は上記のプレクーラーの供給管及び上記のプレクーラーの排出管と連結されることができる。
【0025】
上記の第2排気ガスが流入される上記の排気ガスの排出管に連結され、上記の第2排気ガスを加熱し排出させるヒーター;をさらに含むことができる。
【0026】
上記のヒーターの他側にはヒーターの供給管とヒーターの排出管が具備され、上記のヒーターの供給管は上記の水蒸気の排出管に連結されて、上記のヒーターの排出管は上記の温水の排出管に連結されることができる。
【0027】
上記のヒーターの供給管の上に具備され、上記の水蒸気の供給を制御するヒーター供給バルブ、上記のヒーターの排出管の上に具備され、上記の凝縮された温水を排出するヒーター排出バルブ、及び上記の水蒸気の排出管の上に上記のヒーターの供給管が連結された部分と上記の第2熱交換機の間に具備されて、上記の水蒸気の上記の第2熱交換機の供給バルブを含め、上記のヒーター供給バルブ及び上記のヒーター排出バルブは上記の第2熱交換機の供給バルブと反対に動作することができる。
【0028】
上記のヒーター供給バルブ及び上記のヒーター排出バルブがターンオンされたりターンオフされたりする際に、上記の第2熱交換機の供給バルブは反対にターンオフされたりターンオンされることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一例による吸湿部の前端で排気ガスの熱を吸収するプレクーラーを備えて、排気ガスの廃熱をより効率的に回収することができ、吸収部に供給される排気ガスが最適の温度になるようにすることで、吸湿部が排気ガスから水分と潜熱を十分に吸収して、潜熱の回収及び白煙の低減の効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施例によるプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を説明するための図である。
図2図1に図示されたプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置で排気ガスの温度変化を説明するための図である。
図3】本発明の第1実施例でプレクーラーが温水排出管に連結される第1変更例を説明するための図である。
図4】本発明の第1実施例でプレクーラーが冷水供給管及び温水排出管に連結された第2変更例を説明するための図である。
図5】本発明の第2実施例によるプレクーラーを備えた排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参考にし、本発明の実施例を詳しく説明する。本発明を説明するのにおいて、該当の分野ですでに公知された技術または構成に関する具体的な説明を付加することが本発明の要旨を不明にすることができると判断される場合には詳しい説明でこれを一部を省略するようにする。また、本明細書で用いられる用語は本発明の実施例を適切に表現するために用いられた用語であり、これは該当の分野の関連されたものまたは慣例などにより異なることができる。したがって、本用語に対する定義は本明細書の全般にかけた内容をもとに下されるべきである。
【0032】
ここで用いられる専門用語は単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明の限定するものを意図していない。ここで、用いられる単数形態は文句がこれと明白に反対の意味を示さない限り複数の形態も含む。明細書で用いられる「含む」の意味は特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分及び/または群の存在や付加を除外するものではない。
【0033】
以下、添付された図面を参考にして本発明について説明する。
【0034】
図1は本発明の第1実施例による後段ヒーターを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を説明するための図であり、図2図1に図示された後段ヒーターを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置で温度の変化を説明するための図である。
【0035】
本発明の第1実施例による後段ヒーターを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置は図1に図示されるように、排気ガスの供給源1と煙突2の間に具備され、供給される排気ガスの水分と潜熱を除去して煙突2に排出することによって、煙突2を通じ、排出される排気ガスの白煙現象を減少させ、排気ガスから熱を吸収して温水などで用いることができる。
【0036】
本発明の第1実施例による後段ヒーターを具備した排気ガスの排熱回収及び白煙低減装置は吸湿部10の前端で排気ガスの熱を吸収するプレクーラー30を具備し、排気ガスの廃熱をより効率的に回収することができ、吸湿部10に供給される排気ガスが最適な温度になるようにすることで、吸湿部10が排気ガスから水分と潜熱を十分に吸収し、潜熱の回収及び白煙の低減の効率をより向上させることができる。
【0037】
このような本発明の第1実施例による後段ヒーターを具備した排気ガスの排熱回収及び白煙低減装置は図1に図示するように、吸収部10、保存部20、プレクーラー30(precooler)を含めて、熱交換部40、非常制御部50、ブロワ60、ドージング部70、再生部80及び気液分離部90をさらに含むことができる。
【0038】
吸収部10は排気ガスから水分と潜熱を回収する機能を行うことができ、一側が排気ガスの供給管P1を通じて排気ガスの供給源1に連結されて、他側が排気ガスの排出管P2を通じて煙突2に連結されることができる。排気ガスの供給源1には水分と潜熱が回収される前の第1排気ガスが受容されることができる。
【0039】
このような吸収部10は高温の水蒸気を含有した第1排気ガスを吸収部10の下部に連結された排気ガスの供給管P1を通じて供給を受け、吸湿液を通じ第1排気ガスから水分と潜熱を吸収して、第1排気ガスを低温乾燥された状態の第2排気ガスに返還させ、第2排気ガスを吸湿部10の上段に連結された排気ガスの排出管P2を通じて排出することができる。
【0040】
ここで、第1排気ガスは排気ガスの供給源1から排気ガスの供給管P1を通じて吸湿部10に供給され、60℃~200℃の間の温度で水分を多量含有した状態であってもよく、大気の温度による季節及び前端の工程、第1排気ガスの種類による差があるが、少なくとも夏季には第1排気ガスは一般的に100℃以上の高温と多量の水分を含有した状態であり得る。
【0041】
第2排気ガスは吸湿部10で吸湿液により水分と潜熱が回収され排出される排気ガスで、第1排気ガスより低い100℃以下の温度を有して乾燥した状態であることができる。
【0042】
吸湿液は吸湿性塩類を含有した溶液で第1排気カスと接触され、化学的な熱回収反応を起こして第1排気ガスから水分と潜熱を吸収する物質であってもよい。このような吸湿液は第1 排気ガスに含有される水分を冷却及び凝縮させ回収し、第1排気ガスの絶対湿度を低下させて第1排気ガスを低温乾燥状態の第2排気ガスに変換させて、煙突2を通じ大気中に排出される排気ガスの白煙現象を低下させることができる。
【0043】
一例で、吸湿液は、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸バリウム、過塩素酸バリウム、ギ酸カリウム(potassium formate)、塩素酸ナトリウム(Sodium chlorate)、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カルシウムからなる群より一つ以上選択された物質が含まれることができ、吸湿液の濃度は40~80重量%であることができる。
【0044】
このような吸湿液は第1排気ガスの熱量と水分を吸収して熱量が高く濃度が低くなることができる。熱量が高い吸湿液は装置を循環されながら、外部から供給された冷水に熱量を供給し、冷水を温水に変換させることができる。
【0045】
併せて、濃度が低くなった吸湿液は高圧のスチームにより加熱され、水分を含有することができる化学的な特性が再び予め決定された状態で還元されるようにすることができる。
【0046】
このような吸湿液は吸湿部10の上段部分に連結された吸湿液の供給管P4、P5を通じて供給され、吸湿部10の下段部分に連結された吸湿液の排出管P6を通じ、第1排気ガスの水分と熱量を吸収した吸湿液が排出されることができる。
【0047】
吸湿部10の上段には吸湿液と第1排気ガスの間の接触面積を大きくするために、吸湿液を放射形態に噴射させる吸湿液を噴射ノズルが具備されることができる。
【0048】
これにより、吸湿部10の下段に供給された第1排気ガスは吸湿部10の内で矢印方向に上昇するようになり、吸湿液は噴射ノズルを通じて噴射され矢印方向に下降しながら、吸湿液と第1排気ガスがお互いに接触し、第1排気ガスに含有された水分と熱量を吸湿液が吸収することができる。
【0049】
これにより第1排気ガスは水分と熱量を奪われ低温乾燥された状態の第2排気ガスに変換されて排気ガス排出管P2を通じて煙突2に移動され大気中に排出されることができる。
【0050】
ここで、吸湿液は吸湿部10、吸湿液の排出管P6、保存部20及び吸湿液の供給管P4、P5を通じて循環することができる。
【0051】
吸湿部10の下段に連結された吸湿液の排出管P6を通じて排出された吸湿液は保存部20に保存されることができる。
【0052】
保存部20は第1排気ガスと接触した吸湿液が吸湿部10から排出され保存されるタンク形態で具備されることができ、図1に図示するように、保存部20は複数のバッフル21a、21bとフィルター22を具備することができる。
【0053】
複数のバッフル21a、21bは保存部20の内部に具備され、吸湿液が吸湿液の供給管P4、P5の側に流れるように誘導する板の形態で具備されることができ、複数のバッフル21a、21bは保存部20内の上部から下部方向に延長される第1バッフル21aと保存部20の内の下部から上部方向に延長される第2バッフル21bを含むことができる。
【0054】
このような第1、2バッフル21a、21bにより保存部20は吸湿液の排出管P6が連結された領域と吸湿液の供給管P4、P5が連結された領域に分けることができる。
【0055】
これにより、保存部20内に流入された吸湿液は第1バッフル21aと第2バッフル21bにより流れが誘導され吸湿液の供給管P4、P5の側の領域に移動されることができる。
【0056】
フィルター22は第1、2バッフル21a、21bの間に水平方向に具備され、流れが誘導される吸湿液からほこりのような異物質をフィルタリングすることができる。
【0057】
このような吸湿液の循環のため保存部20から吸湿部10に連結される吸湿液の供給管P4、P5には吸湿液を循環させるモーターが具備されることができる。
【0058】
また、保存部20には再生部80と連結された吸湿液の再生管P7と連結されることができ、吸湿液を吸湿液の再生管P7を通じ再生部80に排出するためのモーターが具備されることができる。
【0059】
保存部20には吸収液の保存量を把握することができるレベルゲージ24、保存された吸湿液の温度を把握することができる温度計23及び図示されていないが、吸湿液の酸度、純度、比重及び濃度をセンシングすることができる少なくとも一つのセンサーがさらに具備されることもできる。
【0060】
吸湿液が第1排気ガスから水分と熱量を効率的に吸収するためには吸湿液の比重、濃度、酸度、純度、粘度及び温度などが主要な因子に作用することができる。例えば、吸湿液の温度が予め決定された温度の範囲より低い場合、吸湿液は固体化されることができ、吸湿液の温度が予め決定された温度の範囲より高い場合、吸湿液は気化の状態に存在することができる。
【0061】
このような場合、吸湿液が廃棄ガスから水分と熱量を吸収しにくい状態になることができ、吸湿液の濃度が希望する範囲内にない場合、吸湿液の水分及び熱量に対する吸湿率が減少することができる。
【0062】
また、吸湿液が吸湿部10保存部20の間を循環しながら、反復的に用いられる場合、吸湿液が自然消尽されながら、吸湿液の保存量が減少することができる。
【0063】
このような吸湿液の容量減少を補充するため、吸湿液を補充するドージング部70が保存部20に連結され具備されることができる。
【0064】
ドージング部70は一端が保存部20に配管を通じ連結されて、保存部20に盛り込まれた吸湿液のレベルゲージ24、比重、濃度、酸度、純度、粘度及び温度の中の少なくとも一つにより保存部20へ吸湿液を補充することができる。
【0065】
このようなドージング部70は保存部20内の吸湿液の保存量が減少したり、温度が予め決定された温度の範囲を外れる場合、吸湿液を保存部20に補充することができ、また保存部20内の吸湿液の比重、濃度、酸度、粘度及び純度の中の少なくとも一つが予め決定された範囲を外れる場合にも吸湿液を補充することができる。
【0066】
熱交換部40は保存部20と吸湿部10の間を連結する吸湿液の供給管P4、P5の上に位置し、吸湿液が保存部20から吸湿部10に供給される際、吸湿液から熱量を回収することができる。
【0067】
熱交換部40内では吸湿液と冷水がそれぞれの配管を独立的に流れることができるが、吸湿液が流れる配管と冷水が流れる配管はお互いに交差し接触されており、お互いの間に熱を交換することができる。
【0068】
このため、熱交換部40は一側に吸湿液の供給管P4、P5が連結され他側に冷水が供給される冷水供給管P12及び冷水が吸湿液の熱を吸収し生成された温水を排出する温水排出管P14が連結されることができる。
【0069】
このように、本発明の一例による排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置は第1排気ガスから吸収した熱量を用いて、冷水を加熱し温水を生成することができ、生成された温水を生活用水などに活用することができ、炭素排出を抑制してエネルギーを節減することができる。
【0070】
このような熱交換部40はお互いに連結された第1熱交換機41と第2熱交換機42を含むことができる。
【0071】
第1熱交換機41は一側が吸湿液の供給管P4、P5に連結され、他側が冷水供給管P12及び温水排出管P13、P14に連結されて、第2熱交換機42は一側が第1熱交換機41に連結された温水排出管P13、P14の上に連結され、他側が気液分離部90の水蒸気の排出管P10に連結されることができる。ここで、水蒸気の排出管P10では気液分離部90で生成される高温の水蒸気が供給されることができる。
【0072】
このように第1熱交換機41内では吸湿液の供給管P4、P5と冷水供給管P12がお互いに交差されるように具備されて、第1熱交換機41内では温水排出管P14と水蒸気の排出管P10がお互いに交差されるように具備されることができる。
【0073】
これによって、第1熱交換機41は冷水を用いて吸湿液の熱量を吸収し、冷水を温水に変換して、第2熱交換機42は水蒸気の排出管P10を通じ排出される水蒸気を用いて、第1熱交換機41で排出される温水の温度をさらに高め、温水排出管P14を通じて排出することができる。
【0074】
このような、熱交換部40は第1、2熱交換機41、42を通じ、冷水で吸湿液の熱量を吸収し70℃~90℃の間の温水を生成することができる。
【0075】
ここで、熱交換部40に連結された冷水供給管P12及び温水排出管P14の中の少なくとも一つはプレクーラー30に連結されることができる。一例で、第1熱交換機41と連結された冷水供給管P12がプレクーラーの供給管P31b及びプレクーラーの排出管P31aと連結されたり、及び/または第2熱交換機42と連結された温水排出管P14はプレクーラーの供給管P35b及びプレクーラーの排出管P35aと連結されることができる。これについては、以下でプレクーラー30について説明する際に、具体的に説明する。
【0076】
再生部80は吸湿液が水分を吸収できる化学的な特性を向上させる役割を行い、このため、再生部80は一側に保存部20から吸湿液が流入される吸湿液の再生管P7及びスチームにより加熱され吸湿液と吸湿液から分離された水蒸気が排出される分離排出管P8が連結されて、他側に高温のスチームが供給されるスチーム供給管P15とスチームが凝縮され排出されるスチーム排出管P16が連結されることができる。再生部80内では、吸湿液の再生管P7とスチーム供給管P15がお互いに交差して具備されることができる。すなわち、再生部の内で吸湿液とスチームはお互いに独立された配管を通じて流れ、各配管はお互いに交差し接触されており、相互の間に熱を交換することができる。再生部80では吸湿液が高温のスチームにより加熱されながら、吸湿液に含有された水分が分離され水蒸気で排出されることができる。これにより、再生部80で水分含有量が高い吸湿液はスチームにより水蒸気を排出しながら、水分含有量が相対的に低い吸湿液に化学的な特性が変化することができる。
【0077】
このような、本発明の一例による排気ガスの排熱回収及び白煙低減装置は吸湿部10と保存部20を通じ吸湿液を反復循環しながら、第1排気ガスの水分と熱量を吸収するのに用いる。しかし、このような使用が反復されると、吸湿液の水分吸収特性が低下することができる。
【0078】
上では再生部80が吸湿液をスチームに加熱する場合を一例に説明したが、本発明は必ずスチームに限定されるものはではなく、スチームではなく高温のガス、油蒸気または流体などが用いられる吸湿液を加熱するのに用いることもできる。
【0079】
本発明はこのように吸湿液の水分吸収特性が低下されることを防止するために、再生部80を通じて吸湿液を加熱し、吸湿液が水分を含有することができる。化学的な特性が向上されるようにすることができる。
【0080】
気液分離部90は内部に空間が具備される筒形態に具備され、一側が分離排出管P8が連結されて他側に水蒸気を排出する水蒸気の排出管P10と水蒸気と分離された吸湿液が保存部20に回収される吸湿液の回収管P9が連結されることができる。
【0081】
ここで、分離排出管P8は気液分離部90の側面に、水蒸気の排出管P10は気液分離部90の上部に、吸湿液の回収管P9は気液分離部90の下部に連結されることができる。
【0082】
これにより、再生部80で排出される吸湿液と吸湿液から分離された水蒸気が分離排出管P8を通じ流入されると、気液分離部90の内で吸湿液は下部に、水蒸気は上部に位置するようにできる。
【0083】
これによって、気液分離部90で排出される水蒸気は上部に連結された水蒸気の排出管P10を通じ排出され、図1に図示されるように、水蒸気の排出管P10は第2熱交換機42に連結されて温水をさらに加熱するのに用いることができる。
【0084】
気液分離部90で排出される吸湿液は水分を含有することができる化学的な特性が向上された状態で、吸湿液の回収管P9を通じて保存部20に回収することができる。
【0085】
非常制御部50は吸湿部10や熱交換部40が正常に動作しなかったり、吸湿液や所望の温度や濃度の範囲を外れる場合に、第1排気ガスが吸湿部10を通さずに直接煙突2を通じて大気中に排出されるようにすることができる。
【0086】
このため、非常制御部50は排気ガスの供給管P1の先端と排気ガスの排出管P2の先端には具備されることができ、排気ガスの供給管P1に連結された排気ガスの供給バルブ51a、排気ガスの排出管P2に連結された排気ガスの排出バルブ51b、及び排気ガスの供給バルブ51aと排気ガスの排出バルブ51bの間に具備された吸湿部のバイパスバルブ52を含むことができる。
【0087】
ここで、吸湿部のバイパスバルブ52は排気ガスの供給バルブ51a及び排気ガスの排出バルブ51bと反対に動作され、第1排気ガスの吸湿部10を通じなく外部に排出されるように制御することができる。
【0088】
例えば、排気ガスの供給バルブ51aと排気ガスの排出バルブ51bがターンオンされた状態である際に、吸湿部のバイパスバルブ52はターンオフされた状態であることができ、このような場合に排気ガスの供給源1から供給された第1排気ガスは排気ガスの供給管P1を通じ吸湿部10に供給されて、吸湿部10で処理された第2排気ガスは排気ガスの排出管P2を通じ煙突2の方向に排出することができる。
【0089】
しかし、非常状況では排気ガスの供給バルブ51aと排気ガスの排出バルブ51bがターンオフすることができ、吸湿部のバイパスバルブ52はターンオンされ、第1排気ガスは吸湿部10を通さず、直接煙突2を通じて大気中に排出されることができる。
【0090】
ブロワ60は吸湿部10と排気ガスの排出バルブ51bの間の排気ガスの排出管P2の上に位置し、吸湿部10から排出される第2排気ガスの排出速度を加速させることができる。
【0091】
プレクーラー30は排気ガスの供給管P1の上に具備され、外部から流入された流入水で第1排気ガスの熱を冷却させ、冷却された第1排気ガスを吸湿部10に供給することができる。
【0092】
具体的に、図2に図示するように、第1排気ガスが100℃より高い第1温度T1で排気ガスの供給管P1を通じて流入される際、プレクーラー30は第1排気ガスを100℃より高い第1温度T1から第1温度T1ないし100℃の間の第2温度T2に冷却することができる。
【0093】
一例に、プレクーラー30で冷却された第1排気ガスの第2温度T2は110℃~120℃の間であることができる。このような温度の範囲で第1排気ガスが吸湿部10で供給される場合、吸湿液による吸熱及び吸収反応が非常に効率的であることができる。
【0094】
吸湿部10で吸湿液により熱量と水分が回収された第2排気ガスの温度は100℃より低い第3温度T3であることができ、第3温度T3の範囲は一例に50℃~70℃の間であることができる。
【0095】
プレクーラー30は図2のように、100℃より高い第1温度T1を有する第1排気ガスを100℃の間のより高い第2温度T2を有するように冷却させ、吸湿部10に最適の温度を有する第1排気ガスが供給されるようにすることができる。
【0096】
このようなプレクーラー30は冷却をより効率的に制御し、冷却の程度を適切に調節するため、冷水供給管P12または温水排出管P14に連結されて、流入水で冷水または温水が供給されることができる。
【0097】
併せて、プレクーラー30で第1排気ガスの熱を吸収した流入水は冷水供給管P12または温水排出管P14で排出されることができる。
【0098】
具体的に、プレクーラー30には流入水が供給されるプレクーラーの供給管P31bと流入水が排出されるプレクーラーの排出管P31aが連結できる。
【0099】
ここで、プレクーラーの供給管P31bは冷水供給管P12または温水排出管P14に連結され、プレクーラーの排出管P31aは冷水供給管P12または温水排出管P14の中のプレクーラーの供給管P31bが連結された配管と連結できる。
【0100】
図1に図示するように、一例に、プレクーラーの供給管P31bとプレクーラーの排出管P31aは冷水供給管P12に連結することができ、プレクーラーの供給管P31bを通じプレクーラー30に冷水が供給されるようにすることができ、プレクーラー30で第1排気ガスにより加熱された冷水はプレクーラーの排出管P31aを通じ冷水供給管P12に再び回収されて第1熱交換機41に供給されることができる。
【0101】
ここで、プレクーラーの供給管P31bは流入水の供給を制御するプレクーラーの供給バルブ31bを具備することができ、プレクーラーの排出管P31aは流入水の排出を制御するプレクーラーの排出バルブ31aを具備することができる。
【0102】
あわせて、プレクーラーのバイパスバルブ32が冷水供給管P12でプレクーラーの供給管P31bが連結された部分とプレクーラーの排出管P31aが連結された部分の間に具備することができる。プレクーラーのバイパスバルブ32はプレクーラーの供給バルブ31b及びプレクーラーの排出バルブ31aと反対に動作することができる。
【0103】
一例に、プレクーラーの供給バルブ31bとプレクーラーの排出バルブ31aがターンオンされると、プレクーラーのバイパスバルブ32はターンオフされることができ、これにより、冷水供給管P12に供給される冷水はプレクーラーに供給され第1排気ガスを冷却させて、第1排気ガスの熱量を吸収した冷水は第1熱交換機41に供給することができる。
【0104】
反対に、プレクーラーの供給バルブ31bとプレクーラーの排出バルブ31aがターンオンされると、プレクーラーのバイパスバルブ32はターンオンされることができ、これにより、冷水供給管P12に供給される冷水はプレクーラー30に供給されなく、直接第1熱交換機41に供給されることができる。
【0105】
このように、本発明はプレクーラーの供給バルブ31bとプレクーラーの排出バルブ31a及びプレクーラーのバイパスバルブ32を具備し、プレクーラー30を動作させたり停止させたりし、季節により異なる温度で供給される第1排気ガスの第1温度T1に適切に対応して、吸湿部10の効率をより最適化させることができる。
【0106】
図1では本発明によるプレクーラー30が冷水供給管P12のみに連結される場合を一例に説明したが、プレクーラー30が必ずこれに限定されるものではなく、温水排出管P14に連結されることもできる。
【0107】
図3は本発明の第1実施例でプレクーラー30が温水排出管P14に連結された第1変更例を説明するための図である。
【0108】
図3以下では、先の図1及び図2で説明した内容と重複される部分については図1及び図2の説明内容に代替し、他の部分を中心に説明する。
【0109】
本発明の第1実施例に対する第1変更例では図3に図示されるように、プレクーラーの供給管P35aとプレクーラーの排出管P35bが温水排出管P14に連結できる。
【0110】
ここで、プレクーラーの供給管P35aは温水排出管P14と連結され、プレクーラーの排出管P35bはプレクーラーの供給管P35aが連結された温水排出管P14の後端に連結されることができるし、プレクーラーの供給管P35aにはプレクーラーの供給バルブ35aが、プレクーラーの排出管P35bにはプレクーラーの排出バルブ35bが具備されることができる。
【0111】
あわせて、プレクーラーのバイパスバルブ36が温水排出管P14でプレクーラーの供給管P35aが連結された部分とプレクーラーの排出管P35bが連結された部分の間に具備されることができる。
【0112】
これにより、本発明の第1変更例では第2熱交換機42を通じ排出される70℃~90℃の間の温水をプレクーラー30に供給し、100℃以上の第1温度T1を有する第1排気ガスを冷却させることもできる。
【0113】
あわせて、本発明は先の第1、2実施例を併合して具現される子もできる。
【0114】
図4は本発明の第1実施例でプレクーラー30が冷水供給管P12及び温水排出管P14に連結された第2変更例を説明するための図である。
【0115】
図4に図示されるように、第2変更例による本発明はプレクーラー30に冷水及び温水が選択的に供給されるようにすることができる。
【0116】
具体的に、第2変更例ではプレクーラーの供給管は第1、2プレクーラーの供給管P31b、P35aを含め、プレクーラーの排出管は第1、2プレクーラーの排出管P31a、P35bを含むことができる。
【0117】
第1プレクーラーの供給管P31bと第1プレクーラーの排出管P31aは冷水供給管P12に連結され、第2プレクーラーの供給管P35aと第2プレクーラーの排出管P35bは温水排出管P14に連結されることができる。
【0118】
あわせて、第1、2プレクーラーの供給管P31b、P35aのそれぞれは第1、2プレクーラーの供給バルブ31b、35aを具備し、第1、2プレクーラーの排出管P31a、P35bのそれぞれは第1、2プレクーラーの排出バルブ31a、P35bを具備することができる。
【0119】
あわせて、冷水供給管P12には第1プレクーラーのバイパスバルブ32が、温水排出管P14には第2プレクーラーのバイパスバルブ36が具備されることができる。
【0120】
これにより、第2変更例ではプレクーラー30で冷水を供給しようとする際に、第1プレクーラーの供給バルブ31bと第1プレクーラーの排出バルブ31aをターンオンし、第1プレクーラーのバイパスバルブ32はターンオフしてプレクーラー30に冷水を供給し、プレクーラー30に温水の供給を防ぐために、第2プレクーラーの供給バルブ35aと第2プレクーラーの排出バルブ35bをターンオフし、第2プレクーラーのバイパスバルブ36はターンオンできる。
【0121】
反対に、プレクーラー30に温水を供給しようとする際に、第2プレクーラーの供給バルブ35aと第2プレクーラーの排出バルブ35bをターンオンし、第2プレクーラーのバイパスバルブ36はターンオフしプレクーラー30に温水を供給して、プレクーラー30に冷水の供給を防ぐために、第1プレクーラーの供給バルブ31bと第1プレクーラーの排出バルブ31aをターンオフし、第1プレクーラーのバイパスバルブ32はターンオンできる。
【0122】
このような第2変更例は季節及び前端の工程、第1排気カスの種類などの状況により第1排気ガスの第1温度T1が異なることができるが、このような第1排気ガスの第1温度T1が異なるように入力されても、これに対応しプレクーラー30に冷水または温水を選択的に供給することができ、排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置の効率と性能をさらに向上させることができる。
【0123】
図5は本発明の第2実施例による後端ヒーターを具備した排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置を説明するための図である。
【0124】
本発明の第2実施例による排気ガスの廃熱回収及び白煙低減装置は図5に図示されるように、吸湿部10の後端に第2排気ガスを加熱するため、排気ガスの排出管P2に連結されるヒーター100をさらに具備することができる。
【0125】
ヒーター100は排気ガスの排出管P2に流入される第2排気ガスを加熱し煙突2側に排出することができる。このため、ヒーター100の一側では第2排気ガスが供給され、ヒーター100の他側では第2排気ガスより温度が高い水蒸気や流入水が供給されることができる。
【0126】
一例に、図5に図示されるように、ヒーター100の他側にはヒーターの供給管P110aとヒーターの排出管P110bが連結され、ヒーターの供給管P110aは水蒸気の排出管P10に連結され、ヒーターの排出管P110bは水蒸気が凝縮され第2熱交換機42から排出される配管P11に連結されることができる。
【0127】
すなわち、ヒーターの排出管P110bは第2熱交換機42に連結された凝縮水の配管P11に連結されることができる。凝縮水の配管P11には水蒸気の排出管P10を通じて第2熱交換機42に供給された水蒸気が第1熱交換機P41から流入される流入水を加熱しながら凝縮された凝縮水が排出されることができる。このような凝縮水の配管P11にヒーターの排出管P110bが連結されることができる。これにより、ヒーター100の一側には第2排気ガスが流入され、ヒーター100の他側にはヒーターの供給管P110aを通じ第2排気ガスより温度が高い水蒸気が流入され、ヒーター100で第2排気ガスが加熱され第2排気ガスの温度が上昇することができる。
【0128】
第2排気ガスは吸湿部10で水分と熱量が回収された低温乾燥された排気ガスであることができる。一例に、第2排気ガスは水分がほとんどない乾燥した状態で50℃~60℃内外の温度を有することができる。
【0129】
このように、50℃~60℃内外の乾燥した第2排気ガスの場合、露点が25℃~35℃の間に相対的に低くなることができる。大気の温度が概ね20℃~35℃の間である夏の場合、低い温度を有する第2排気ガスが露点温度以下に容易に冷却されなく、煙突2を通じ大気に排出しても白煙が発生しないことができる。
【0130】
しかし、冬季の場合、大気の温度が概ね-10℃~5℃の間であるので、50℃~60℃内外の乾燥した第2排気ガスを排出する場合、煙突2通じて排出される過程で25℃~35℃の間に形成される露点まで早い時間内に到達し、煙突2を抜け出して大気中に排出される際に白煙が発生する可能性がある。
【0131】
しかし、本発明のように、ヒーター100を通じ第2排気ガスを加熱し第2排気ガスの温度を80℃~100℃まで上昇させれば、煙突2を抜け出してもしばらく露点より高い状態を維持し、白煙の発生を抑制することができる。
このように、本発明の第2実施例はヒーター100をさらに具備することによって、白煙の発生をさらに抑制することができる。
【0132】
加えて、本発明は第2実施例が図1に図示された本発明の第1実施例にヒーター100がさらに具備された場合は一例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施例の第1変更例及び第2変更例にも同一にヒーター100がさらに具備されることに適用されることができる。
【0133】
このように、本発明は吸湿部10の前端で第1排気ガスの熱を吸収するプレクーラー30を具備し、第1排気ガスの排熱をより効率的に回収することができ、吸湿部10に供給される第1排気ガスが最適の温度になるようにすることで、吸湿部10が排気ガスから水分と潜熱を十分に吸収するようにすることができ、潜熱回収及び白煙低減の効率をより向上させることができる。
【0134】
加えて、吸湿部10の後端に第2排気ガスを加熱するヒーター100を具備することにより、冬季でも白煙が発生する現象をさらに効果的に抑制することができる。
【0135】
あわせて、図5ではヒーター100に連結されたヒーターの供給管P110aが水蒸気の排出管P10と連結される場合を一例に図示したが、本発明は必ずこれに限定されるものではなく、ヒーターの供給管P110aが温水排出管P14に連結されることもできる。これにより、ヒーター100は温水排出管P14から温水の供給を受け第2排気ガスを加熱することもできる。
【0136】
本発明の各実施例に開示された技術的な特徴は該当の実施例のみに限定されるものではなく、お互い両立不可能ではない限り、各実施例に開示された技術的な特徴はお互い異なる実施例に併合され適用されることができる。
【0137】
したがって、各実施例ではそれぞれの技術的な特徴を中心に説明するが、各技術的な特徴がお互いに両立不可能ではない限り、お互い併合され適用されることができる。
【0138】
本発明は上述した実施例及び添付した図面に限定されるものではなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者の観点から様々な修正及び変形が可能であるだろう。したがって、本発明の範囲は本明細書の請求の範囲のみならず、この請求の範囲と均等なものにより定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5