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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】隣接リストを使用した中継装置管理
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/22 20090101AFI20241022BHJP
   H04W 76/14 20180101ALI20241022BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20241022BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20241022BHJP
【FI】
H04W40/22
H04W76/14
H04W92/18
H04W88/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023512017
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 US2021046160
(87)【国際公開番号】W WO2022040095
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】63/066,601
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】カルハン アミット
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-55077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0163470(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースユーザ機器(UE)装置であって、
複数の中継UE装置の各々からUEリストを直接的に受信する受信部と、前記UEリストは、前記UEリストを送信する中継UE装置の通信範囲内にある複数の接近UE装置を識別するものであり、
少なくとも部分的に前記UEリストに基づいて、前記複数の中継UE装置から、宛先装置データをターゲットUE装置に中継するための中継UE装置を選択する制御部と、
前記選択された中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを、前記選択された中継UE装置に送信する送信部と、を備え、
前記送信部は、前記ユニキャストリンクを介して、前記宛先装置データを前記選択された中継UE装置に直接的に送信する
ソースUE装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記宛先装置データとともに、第1情報及び第2情報を送信し、
前記第1情報は、前記ターゲットUE装置を識別し、
前記第2情報は、前記選択された中継UE装置を識別する
請求項1に記載のソースUE装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ターゲットUE装置の識別子を含む前記UEリストを送信する中継UE装置を、前記選択された中継UE装置として選択する
請求項1に記載のソースUE装置。
【請求項4】
ソースユーザ機器(UE)装置を制御するためのプロセッサであって、
複数の中継UE装置の各々からUEリストを直接的に受信する処理と、前記UEリストは、前記UEリストを送信する中継UE装置の通信範囲内にある複数の接近UE装置を識別するものであり、
少なくとも部分的に前記UEリストに基づいて、前記複数の中継UE装置から、宛先装置データをターゲットUE装置に中継するための中継UE装置を選択する処理と、
前記選択された中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを、前記選択された中継UE装置に送信する処理と、
前記ユニキャストリンクを介して、前記宛先装置データを前記選択された中継UE装置に直接的に送信する処理と、を実行する
プロセッサ。
【請求項5】
ソースユーザ機器(UE)装置が、複数の中継UE装置の各々からUEリストを直接的に受信することと、前記UEリストは、前記UEリストを送信する中継UE装置の通信範囲内にある複数の接近UE装置を識別するものであり、
前記ソースUE装置が、少なくとも部分的に前記UEリストに基づいて、前記複数の中継UE装置から、宛先装置データをターゲットUE装置に中継するための中継UE装置を選択することと、
前記ソースUE装置が、前記選択された中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを、前記選択された中継UE装置に送信することと、
前記ソースUE装置が、前記ユニキャストリンクを介して、前記宛先装置データを前記選択された中継UE装置に直接的に送信することと、を有する
方法。
【請求項6】
中継ユーザ機器(UE)装置であって、
前記中継UE装置の通信範囲内にある複数の近接UE装置を識別するUEリストを直接的に送信する送信部と、
前記UEリストを受信したソースUE装置から、前記ソースUE装置と前記中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを受信する受信部と、を備え、
前記受信部は、前記ユニキャストリンクを介して、前記UEリストによって識別されるターゲットUE装置を対象とする宛先装置データを前記ソースUE装置から受信し、
前記送信部は、前記宛先装置データを前記ターゲットUE装置に直接送信する
中継UE装置。
【請求項7】
前記ターゲットUE装置から直接的に受信した発見メッセージに基づいて、前記UEリストを生成する制御部をさらに備え、
前記UEリストは、前記ターゲットUE装置を含む近接UE装置を識別する
請求項に記載の中継UE装置。
【請求項8】
前記受信部は、前記ユニキャストリンクを介して、前記宛先装置データとともに、第1情報及び第2情報を前記ソースUE装置から受信し、
前記第1情報は、前記ターゲットUE装置を識別し、
前記第2情報は、前記中継UE装置を識別する
請求項に記載の中継UE装置。
【請求項9】
中継ユーザ機器(UE)装置を制御するプロセッサであって、
前記中継UE装置の通信範囲内にある複数の近接UE装置を識別するUEリストを直接的に送信する処理と、
前記UEリストを受信したソースUE装置から、前記ソースUE装置と前記中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを受信する処理と、
前記ユニキャストリンクを介して、前記UEリストによって識別されるターゲットUE装置を対象とする宛先装置データを前記ソースUE装置から受信する処理と、
前記宛先装置データを前記ターゲットUE装置に直接的に送信する処理と、を実行する
プロセッサ。
【請求項10】
中継ユーザ機器(UE)装置が、前記中継UE装置の通信範囲内にある複数の近接UE装置を識別するUEリストを直接的に送信することと、
前記中継UE装置が、前記UEリストを受信したソースUE装置から、前記ソースUE装置と前記中継UE装置とのユニキャストリンクを確立するための直接通信要求メッセージを受信することと、
前記中継UE装置が、前記ユニキャストリンクを介して、前記UEリストによって識別されるターゲットUE装置を対象とする宛先装置データを前記ソースUE装置から受信することと、
前記中継UE装置が、前記宛先装置データを前記ターゲットUE装置に直接的に送信することと、を有する
方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2020年8月17日に出願された仮出願第63/066601号「Device-to-Device Relaying based on Neighbor List Broadcast」、整理番号TPRO 00350 USに対する優先権の利益を主張し、本出願の譲受人に譲渡され、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には中継装置を使用する無線通信リンクに関する。
【0003】
本出願は、「RELAY DEVICE MANAGEMENT BASED ON DATA PRIORITY LEVEL」と題する特許出願シリアル番号、整理番号TUTL 00350B PC、及び「RELAY DEVICE MANAGEMENT USING NEIGHBOR LISTS WITH LINK QUALITY INDICATION」と題する特許出願シリアル番号、整理番号に関連する。TUTL 00350C PCは、本出願と同時に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
ユーザ機器(UE)装置に無線サービスを提供するいくつかの基地局を使用する多くの無線通信システムは、UE装置が他のUE装置と直接的に通信できる2つ以上のUE装置間のサイドリンク通信を可能にする。さらに、1つ又は複数のUE装置を、ソースUE装置と宛先UE装置との間の中継装置として使用することができる。中継装置は、ソースUE装置から受信したデータを宛先UE装置に転送する。装置から装置への送信を容易にするいくつかの従来のシステムは、無線装置が送信用の通信リソースを自律的に選択するアドホックネットワークを採用する。例えば、現在のNR V2X(5G NR Rel-16 V2X)モード2の通信規格では、各車車間無線通信装置は、データ送信のためにタイムスロット/周波数サブバンドリソースを自律的に選択する。そのような技術は、時分割多元接続(TDMA)方式、ならびに直交周波数分割多元接続(OFDMA)などの他のアクセス方式-TDMAベースの5G NR V2Xで使用され得る。TDMAベースの車両アドホックネットワーク(VANET)では、2つ以上の装置が送信に同じタイムスロットを選択すると、データ送信のタイムスロットの自律的な選択が衝突を引き起こす。衝突は、センシング及び/又はエネルギーセンシングに基づく制御チャネルのデコードにより削減される。
【発明の概要】
【0005】
ソースユーザ機器(UE)装置は、複数の隣接UE装置のそれぞれから隣接リストを受信する。各隣接リストは、隣接リストを送信する隣接UE装置の通信範囲内にある接近UE装置を識別する。ソースUE装置は、複数の隣接UE装置から、宛先装置データを宛先UE装置に中継するための少なくとも1つの候補中継装置を選択する。選択は、受信した隣接リストに少なくとも部分的に基づいている。宛先装置データ及び中継インジケータは、少なくとも1つの候補中継装置に送信される。インジケータは、少なくとも1つの候補装置が宛先装置データを宛先UE装置に送信することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A図1Aは、複数のユーザ機器(UE)装置及び2つの基地局を含む通信システムの一例のブロック図である。
【0007】
図1B図1Bは、ソースUE装置で隣接リストメッセージが受信された後、図1Aの一例のための通信システムのブロック図である。
【0008】
図1C図1Cは、候補者が以前に通信リソースを予約した一例の通信システムのブロック図である。
【0009】
図2図2は、各基地局として使用するのに適した基地局の一例のブロック図である。
【0010】
図3図3は、UE装置のそれぞれとして使用するのに適したUE装置の一例のブロック図である。
【0011】
図4A図4Aは、ソースUE装置が、UE装置から受信した隣接リストに少なくとも部分的に基づいて候補中継装置を選択する一例のメッセージフロー図である。中継UE装置は、ソースUE装置による距離ベースのHARQのフィードバック(NACKのみ)を用いて構成されている。
【0012】
図4B図4Bは、ソースUE装置が、UE装置から受信した隣接リストに少なくとも部分的に基づいて候補中継装置を選択する一例のメッセージフロー図である。中継UE装置は、ソースUE装置によるACK/NACKのHARQのフィードバックを用いて構成されている。
【0013】
図5図5は、候補中継装置における中継送信を管理する方法の一例のフローチャートである。
【0014】
図6図6は、候補中継装置における中継送信を送信する方法のフローチャートである。
【0015】
図7図7は、ソースUE装置における中継送信を管理する方法の一例のフローチャートである。
【0016】
図8図8は、UE装置の地理的配置と、配置に関連するリンク品質情報を含む対応する隣接リストとの一例のブロック図である。
【0017】
図9図9は、通信リンク品質情報を含む隣接リストの一例に関するシステムのブロック図である。
【0018】
図10図10は、ソースUE装置において実行され、ランクを有する隣接リストに基づいて候補中継装置を選択する方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上述のように、中継装置は、ソースUE装置と宛先UE装置との間でデータ及び制御情報を中継する。従来のシステムでは、中継装置が中継機能を自己宣言し、及び/又は通信ネットワークが中継機能を提供できるUE装置を識別する。しかしながら、本明細書の例では、ソースUEは、単独で、及び/又はネットワークの支援により、候補中継装置を識別し、宛先装置データ及びインジケータを少なくとも1つの候補中継装置に送信する。インジケータは、候補中継装置が宛先装置データを宛先装置に転送することを示す。いくつかの状況では、インジケータは、候補中継装置からの宛先装置データの送信のために通信リソースを予約することもできる。本明細書で説明する例の少なくともいくつかについて、ソースUE装置は、UE装置によって提供される隣接リストに基づいて候補中継装置を選択する。少なくとも1つの例では、隣接リストは、ソースUE装置がリンク情報に少なくとも部分的に基づいて候補中継装置を選択するリスト内の接近UE装置へのリンク情報を含む。リンク情報は、リンク品質、及び近接装置までの距離などのリンク品質に関連する情報を含むことができる。いくつかの状況では、隣接リスト内の装置識別子のそれぞれは、リンク情報を示す複数のランクのうちの1つのランクに関連付けられる。
【0020】
図1Aは、複数のユーザ機器(UE)装置101~107及び2つの基地局108、110を含む通信システム100の一例のブロック図である。ここで説明する技術は、さまざまなタイプのシステム及び通信仕様に適用することができるが、上記一例の装置は、3GPP(登録商標。以下同じ) New Radio (NR) V2X通信仕様の少なくとも1つのリビジョンに従って動作する。したがって、ここで説明する技術は、通信仕様の1つ又は複数の将来のリビジョンによって採用される可能性があるが、これらの技術は、サイドリンク又はD2D(Device to Device)が採用される他の通信仕様に適用され得る。より具体的には、これらの技術は、3GPP NR仕様の現在及び将来のリリースに適用することができる。例えば、これらの技術は、3GPP NR(リリース17)にも適用され得る。例えば、UE装置101~107は、基地局及び他のUE装置から信号を受信し、基地局及び他のUE装置に信号を送信することができる任意のタイプの装置であり得る。UE装置は、複数の基地局108、110を含む通信システムで動作する。複数の基地局108、110のそれぞれは、サービスエリア内で無線サービスを提供する。図1に示すように、UE装置101~107は、いずれかの基地局によってサービスを受けることができ、既知のハンドオーバー技術に従って基地局間を通過することができる。したがって、2つ以上のUE装置がサイドリンク接続を使用して互いに通信していても、UE装置101~107のそれぞれは、異なる基地局によってサービスを受けることができる。状況によっては、UE装置は、サイドリンクを使用して通信しているときに、基地局に対してIDLEモードであってもよい。
【0021】
例えば、ソースUE装置101は、少なくとも1つの中継UE装置を介して宛先UE装置102に宛先装置データを送信する。以下でさらに詳細に説明するように、ソースUE装置101は、近くのUE装置の少なくともいくつかから、又は、ネットワークから受信した隣接リストメッセージ112、114、116、118に基づいて、近くのUE装置103~107から候補中継装置103、104、105を選択する。1つのシナリオでは、UE装置は、UE装置が発見メッセージなどのブロードキャスト送信を正常に受信した近接UE装置の識別子(ID)のリストを含む隣接リストメッセージを周期的にブロードキャストする。例えば、隣接リストには、ブロードキャスト送信が前のSタイムスロット内で正常に受信されたUE装置の装置識別子(ID)が含まれる。ここで、Sは、すべての装置に知られているネットワーク全体のパラメータである。PC5接続がUE装置とソースUE装置の間に確立されるいくつかの状況では、隣接リストがユニキャストリンクを介してソースUE装置に送信される。したがって、UE装置は、ブロードキャスト送信及び/又はユニキャスト送信によって、その隣接UE装置に通知することができる。隣接リストには、隣接リストを送信するUE装置のIDも含まれる。通信に半二重が使用される状況では、同じリソースを使用して送信している他の隣接装置がない場合、各UE装置は隣接リストをブロードキャストする。一例では、各UE装置は、最初に未使用のタイムスロットを見つけ、次に隣接リストメッセージをブロードキャストする。ブロードキャストされた隣接リストが受信された後、隣接UE装置は、同じ装置が同じタイムスロットで周期的に再ブロードキャストすると想定する。図1Aの例では、UE装置103~105からの隣接リスト112、114、116は、宛先UE装置102の装置識別子(ID2)を含む。しかしながら、UE装置106からブロードキャストされた隣接リスト118は、ID2を含まない。このような状況は、例えば、UE装置106から送信されたブロードキャスト検出信号又は隣接リストメッセージの信号強度が最小閾値未満である場合に発生する可能性がある。隣接リストを使用して、ソースUE装置101は、その直近の隣接UE装置(近接UE装置)と、その直近の隣接UE装置(近接装置)の直近の隣接UE装置(近接UE装置)とのすべてを識別することができる。更新された隣接リストが受信されると、ソースUE装置は、隣接UE装置ID及び隣接の隣接UE装置IDの新しい追加又は削除が行われて保持されている情報を更新する。本明細書で説明するように、「UE装置」は、任意のUE装置を指す。「潜在的な候補中継装置」は、ソースUE装置によって候補中継装置であると見なすことができるUE装置を指す。「候補中継装置」は、ソースUE装置と宛先装置との間の中継器としての機能を実行するためにソースUE装置により選択されたUE装置である。「中継UE装置」は、少なくとも中継機能を実行しようとするUE装置である。近接UE装置は、隣接リストにその隣接UE装置を含む隣接リストを生成するUE装置の隣接UE装置である。したがって、任意の特定のUE装置は、中継装置の選択及び送信プロセスならびに隣接リストの生成及び送信プロセスの段階に応じて、異なる用語によって参照され得る。
【0022】
本明細書で説明するように、隣接リスト送信は、UE装置によって収集され、近くのUE装置に提供されるセンシングデータを含む送信も含む。当該送信は、近くのUE装置からの要求に応答することができる。例えば、各UE装置は、エネルギー検出及び/又は制御情報の復号化を使用してそれらの隣接UE装置を「検知」し、次いで結果をブロードキャストし、及び/又は要求側UE装置からの要求に応答して要求側UE装置に結果を直接的に提供することができる。
【0023】
いくつかの状況では、隣接リスト、又は、隣接リストに関連する少なくともいくつかの情報が、ネットワークによってソースUE装置などのUE装置に提供される。あるシナリオでは、ネットワークは、各UE装置の位置情報を維持し、当該位置情報に基づいて特定のUEの隣接リストを作成する。次いで、ネットワークは、基地局からの送信により隣接リストをUE装置に転送する。ネットワークにより生成された隣接リスト119が図1Aに図示される。隣接リスト119は、任意であることが破線により示される。別のシナリオでは、ネットワークは、領域内で検出されたUE装置のリストを、同じ領域に位置するすべてのUE装置に周期的にブロードキャストする。一例では、ネットワークの隣接リスト119は、ソースUE装置及び隣接UE装置に対する隣接UE装置のリストを含む。当該隣接UE装置は、当該隣接リストにリストされている各UE装置に対するものである。したがって、ソースUE装置は、そのような隣接リストからの隣接UE装置としての宛先UE装置を有する隣接UE装置がどの隣接UE装置であるかを決定することができる。別の例では、ネットワーク隣接リストは可能な候補中継装置を識別し、ソースUE装置はこれらの可能な候補中継装置から隣接リストを要求する。そのような一例では、ネットワークは、ソースUE装置からの要求に応答して、適切な可能な候補中継装置を識別し得る。可能性のある候補リレー装置から隣接リストを受信した後、ソースUE装置は、隣接UE装置としての宛先UE装置を含む隣接リストを識別し、候補中継装置を選択する。
【0024】
図1Bは、ソースUE装置101が隣接リストメッセージ112、114、116、118を受信後における図1Aの例の通信システム100のブロック図である。ソースUE装置101は、隣接リストメッセージ112、114、116、118によって提供される情報を評価し、候補中継装置を選択する。図1A及び図1Bにおいて、ソースUE装置は、3つのUE装置103、104、105を候補中継装置として選択する。3つのUE装置103、104、105から送信された3つの隣接リストメッセージ112、114、116が宛先装置(ID2)のIDを含んでいたので、ソースUE装置は、3つの基地局103、104、105が、宛先装置データ120を宛先UE装置102に中継(転送)するために適切な候補であると判断する。以下で説明するように、候補中継装置を選択する際にソースUE装置101によって追加の基準が使用されてもよい。いくつかの状況では、例えば、各UE装置への宛先UE装置の近接性に関連する情報は、ソースUE装置が近接性に基づいて候補中継装置を選択する隣接リストにおいて提供され得る。他の基準も評価できる。
【0025】
ソースUE装置は、宛先装置データ120及び制御情報124を含む送信122を送信する。宛先装置データ120は、ソースUE装置が宛先UE装置102に配信されることを意図するデータである。制御情報124は、宛先装置データ120を宛先UE装置に中継すべきであることを各候補中継装置に示す少なくとも中継インジケータを含む。いくつかの状況では、送信122は、複数の送信を含む。例えば、制御情報124の少なくともいくつかは、宛先装置データを含む送信以外の送信で送信される。中継インジケータは、宛先装置データの送信より前のユニキャスト(PC5)接続の確立中に候補中継装置に伝達され得る。中継インジケータは、ユニキャストリンク確立手順を開始する直接的な通信要求メッセージ(PC5-S)で送信される場合がある。中継インジケータは、宛先UE装置のIDを少なくとも含み、候補中継装置が宛先装置データを宛先UE装置に送信すべきであることを示す何らかの情報を含み得る。中継インジケータは、状況によっては暗黙的である場合がある。中継インジケータを送信するための適切な技術の一例には、中継インジケータが、中継装置として選択されたことを候補中継装置に示すことを除いて、従来のシステムで使用される技術が含まれる。適切な技術の一例は、フラグの存在が、候補中継装置が宛先装置データを中継することを示す1ビット制御フィールドを使用することを含む。インジケータは暗黙的でもあり得る。あるシナリオでは、例えば、ソース送信に宛先装置IDを含めることは、宛先装置データが中継されることを示す。従って、候補中継装置で受信された送信における宛先UE装置IDの存在は、いくつかの状況で中継インジケータを形成することができる。
【0026】
いくつかの状況では、制御情報124は、通信リソースの予約も含む。そのような状況の例では、通信リソースの予約及び中継インジケータは候補中継装置103、104、105に向けられる一方、通信リソースの予約はすべての近くのUE装置に向けられる。近くのUE装置は、制御情報124の送信を受信することができるUE装置を含み、隣接リストを提供したが候補中継装置として選択されなかったUE装置を含み得る。近くの装置はまた、ソースUE装置の近くのエリアに最近入った装置、及び隣接リストメッセージを送信しなかったUE装置などの他のUE装置を含み得る。いくつかの状況では、例えば、UE装置は、隣接リストメッセージを送信することを控えるが、代わりに発見信号又はメッセージをすべての隣接装置にブロードキャストする。他のUE装置はブロードキャストを受信し、ブロードキャストしているUE装置の存在を検出する。中継装置になることに関心のある装置は、検出メッセージを検出し、メッセージ内の情報をコンパイルし、隣接リストメッセージをブロードキャストする。従って、図1Bの例では、通信リソースの予約は、隣接リストが受信されたUE装置に向けられるが、制御信号の範囲内にある他の任意のUE装置にも向けられる。
【0027】
通信リソースの予約は、例えば、特定のチャネル又は特定の周波数における1つ又は複数のタイムスロットであり得る通信リソース126を予約する。例えば、通信リソースの予約は、5G NR V2X Mode-2の通信仕様で定義されたリソースを予約するための技術に従って実行される。当該通信仕様は、予約が、予約(ソースUE装置)を送信するUE装置からの将来の送信のためのものではなく、むしろ1つ又は複数の他のUE装置(中継装置)のためのものであるものを除く。当該1つ又は複数の他のUE装置(中継装置)は、宛先UE装置への送信のためのものである。例えば、NR V2X物理層デザインを適用すると、中継されるデータの予約は、第2段階のサイドリンク制御情報(SCI)の一部として送信される。第2段階のSCIは、予約されたリソースの場所、宛先装置ID、優先度、及び中継された送信のMCS(ソースから中継装置への送信と異なる場合)で構成される。状況によっては、通信リソースの予約が省略される。他の状況では、通信リソースの予約送信は、ソースUE装置によって動的に決定される。さらに別の状況では、ネットワークは、通信リソースの予約送信がいつ許可されるかを動的に決定することができる。決定が動的に行われる場合、決定はそのエリアの現在の状況に基づくことができる。一例では、決定は、通信リソースの予約が送信されるべきであるという当該決定がトラフィック及び/又は輻輳のレベルが高くなるにつれて減少するエリアにおける通信トラフィック又は通信輻輳のレベルにおいて少なくとも部分的に基づく。
【0028】
候補中継装置を識別した後、ソースUE装置は、ブロードキャスト送信又はユニキャスト送信においてトラフィック122を送信するか否かを決定する。知られているように、キャストタイプと呼ばれることが多い異なる送信技術を使用して、同じデータを複数のUE装置に送信することができる。キャストタイプには、少なくともユニキャスト、グループキャスト、及びブロードキャストが含まれる。ユニキャスト送信は、データの意図された受信者である単一のUE装置によってのみ受信できる。従って、ユニキャストを使用して複数のUE装置に同じデータを送信するには、複数回の送信が必要である。ブロードキャスト送信は、通常、送信の範囲内にあるすべてのUE装置で受信できる。グループキャスト送信は、グループのメンバーであるUE装置によってのみ受信できる。本明細書の例では、候補中継装置へのブロードキャスト送信は、UE装置識別情報を含む。ブロードキャストは、エリア内のすべてのUE装置によって受信され得るが、ブロードキャスト送信は、選択された中継候補装置に向けられる。従って、本明細書の例の少なくともいくつかについて、候補中継装置は、ブロードキャスト送信に含まれる識別情報に基づいて、候補中継装置として選択されたと判断する。適切な識別情報がUE IDを含む場合の一例である。従って、例として、ソースUE装置101は、グループ内の2つ以上の候補中継装置にブロードキャストを使用して単一の送信で送信122を宛先装置データ120と共に送信することができ、又は、同じデータを複数のユニキャスト送信で候補中継装置に送信することができる。ユニキャスト送信の例では、宛先装置データを送信する前に、ソースUE装置と選択された各候補中継装置との間のユニキャスト接続が確立される。明瞭さと簡潔さのために、図1B及び図1Cは、送信122を表す単一の矢印及びボックスを示すが、送信122は、いくつかの状況では複数の送信を含むことができる。従って、ソースUE装置101から複数の候補中継装置への送信は、複数のユニキャスト接続又はブロードキャスト接続によって促進され得る。いくつかの状況では、ソースUE装置と複数の候補中継装置との間の接続のためにグループキャスト接続が使用され得る。そのような技術は、複数の宛先UE装置へのグループキャスト送信とは異なる。例えば、ソースUE装置は、ソースUE装置と候補中継装置との間の接続がユニキャスト又はブロードキャストであり得る複数の宛先UE装置へのグループキャスト送信を中継するために1つ又は複数の中継装置を使用し得る。
【0029】
各候補中継装置103~105は、送信122を受信し、制御情報124を評価して、ソースUE装置101が宛先装置データ120を宛先UE装置102に中継するように候補中継装置に要求していると判断する。例えば、候補中継装置は、制御情報124に含まれる識別子(ID2)に基づく宛先UE装置102を識別する。候補中継装置は、ソースUE装置及び宛先UE装置のための中継機能を実行するかどうかを決定する。いくつかの状況では、決定は、メモリ、バッテリー寿命、利用可能な帯域幅、及び/又はチャネル条件などのような候補中継装置でのリソースの利用可能性に基づくことができる。以下で議論されるように、決定は、宛先装置データ120、中継装置自身の通信のためのデータ、及び他のソースUE装置からの中継要求送信に含まれる他の宛先装置データのためのデータを含むデータの相対的優先度に基づくことができる。
【0030】
候補中継装置が宛先装置データ120を中継可能であると判断した場合、当該候補中継装置は中継UE装置となり、宛先装置データ120を中継送信で宛先UE装置へ送信する。例えば、2つの候補中継装置103、104はそれぞれ宛先装置データを含む中継送信128、130を送信するが、第3の候補中継装置105は送信を控える。例えば、中継送信128、130は同じ信号であり、予約された通信リソース126で送信される。従って、中継送信128、130は、宛先UE装置102でマルチパスを経験する単一の送信信号として現れ、従来の受信部コンポーネントで受信することができる。1つ又は複数のUE装置が候補中継装置として選択されてもよく、任意の数の候補中継装置が中継UE装置になる。以下で説明するように、本明細書の例では、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)メッセージが、送信122及び/又は中継送信128、130に応答して送信される。
【0031】
図1Cは、候補中継装置が以前に通信リソース132を予約した例のための通信システム100のブロック図である。例えば、ソースUE装置101は、図1Aを参照して説明したように、隣接リストメッセージ112、114、116、118を受信している。また、ソースUE装置101は、1つ又は複数の近くのUE装置103~107によって予約された通信リソースを識別する情報も取得している。いくつかの状況では、ソースUE装置101は、他のUE装置からブロードキャストされた制御信号に基づいて、他のUE装置によって予約された通信リソースを識別する情報を取得する。例えば、従来の技術は、UE装置が将来の通信リソースを予約するメカニズムを提供し、ソースUE装置101は、そのような制御信号を検出する。上述したように、通信リソースの予約技術の例は、5G NR V2X Mode-2の通信仕様で定義されている。他の状況では、近くのUE装置又はUEベースのロードサイドユニット(RSU)は、スケジューリングUE装置の近くのエリア内のUE装置間のサイドリンク通信のスケジューラとして機能することができる。したがって、スケジューリングUE装置は、エリア内の1つ又は複数の他のUE装置のために通信リソースを予約し、ソースUE装置は、スケジューリングUE装置から受信したスケジューリング信号に基づいて、予約された通信リソースを識別する。いくつかの状況では、候補中継装置の1つはスケジューリング装置であり、スケジューリング装置は、ソースUE装置を含む隣接UE装置に一組のリソースの予約を周期的にアナウンスする。1つのシナリオでは、ソースUE装置は、スケジューリング装置によって予約されたリソースを使用して、宛先装置データを含むソース送信を候補中継装置に送信する。別のシナリオでは、ソースUE装置101は、予約されたリソースの時間の前にソース送信を候補中継装置へ送信し、1つ又は複数の候補中継装置は、スケジューリング装置によって予約されたリソースを使用して中継送信を宛先装置へ送信する。
【0032】
図1Cの例に示されるように、ソースUE装置101は、隣接リストメッセージ及び予約された通信リソースを評価して、候補中継装置を識別する。いくつかの状況では、ソースUE装置は、隣接リスト及び予約されたリソースに基づいていくつかの潜在的な候補中継装置を識別することができるが、1つの候補中継装置のみが選択される。ソースUE装置は、候補中継装置を選択する際に追加の基準を適用することができる。ソースUE装置は、例えば、宛先UE装置に対する潜在的な候補中継装置の近接性を評価することができる。
【0033】
ソースUE装置101は、宛先装置データ120と、通信リソースプリエンプションインジケータを含む制御情報124とを含む送信122を送信する。通信リソースプリエンプションインジケータは、ソースUE装置が、候補中継装置103により通信リソース132が前もって予約された(又は候補中継装置のためにスケジューリングUE装置のような別の装置により予約された)宛先装置データを送信するために、候補中継装置が通信リソース132を使用することを要求していることを候補中継装置103に示す。従って、図1Cの例では、ソースUE装置101は、図1Bを参照して説明したように、通信リソースの予約を送信しない。いくつかの状況では、ソースUE装置101は、通信リソースの予約と通信リソースのプリエンプションインジケータとの両方を送信することができる。他の状況では、ソースUE装置101は、通信リソースの予約又は通信リソースのプリエンプションインジケータを送信するかどうかを動的に決定することができる。例えば、ソースUE装置がブロードキャストを介して複数の候補中継装置へソース送信を送信している場合、通信リソースの予約が送信されてもよく、ソースUE装置がユニキャストを介して候補中継装置へソース送信を送信している場合、通信リソースのプリエンプションインジケータが送信されてもよい。
【0034】
候補中継装置103は、送信122を受信し、制御情報124を評価して、ソースUE装置101が候補中継装置に、候補中継装置103により前もって予約された通信リソース103を使用することで、宛先装置データ120を宛先UE装置102へ中継するように要求していることを決定する。例えば、候補中継装置は、制御情報124に含まれる識別子(ID2)に基づいて宛先UE装置102を識別する。候補中継装置102は、ソースUE装置101及び宛先UE装置102のための中継機能を実行するかどうかを決定する。いくつかの状況では、決定は、メモリ、バッテリー寿命、利用可能な帯域幅、及び/又はチャネル条件などのような、候補中継装置103におけるリソースの利用可能性に基づくことができる。以下で議論されるように、決定は、宛先装置データ120、中継装置自身の通信のためのデータ、及び他のソースUE装置からの中継要求送信に含まれる他の宛先装置データのためのデータを含むデータの相対的優先度に基づくことができる。
【0035】
候補中継装置103は、宛先装置データ120を中継できると判断した場合、候補中継装置103は中継UE装置となり、中継送信134における宛先装置データ120を宛先UE装置へ送信する。以下で説明するように、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)メッセージは、送信122及び/又は本明細書で例示する中継送信128、130に応答して送信される。いくつかの状況では、候補中継装置が中継UE装置として機能できるかどうかの決定は、宛先UE装置次第である。例えば、ソース送信を受信した後、候補中継装置は、宛先UE装置が中継UE装置として候補中継装置を受け入れるR-D通信リンクを確立しようと試みる。R-D通信リンクの確立後、候補中継装置は中継UE装置になる。宛先UE装置が候補中継装置を中継UE装置として受け入れない場合、候補中継装置は中継UE装置にならない。
【0036】
ソースUE装置によって複数の候補中継装置が選択される場合、宛先UE装置は、1つ又は複数の要因に従って、どの候補中継装置を中継UE装置として(応答と共に)受け入れるかを選択することができる。宛先UE装置によるダウンセレクションの要因及び基準の例には、信号強度、リンク品質、ローカルポリシー、及びそれらの組み合わせが含まれる。他の基準を使用することもできる。
【0037】
上述のように、ソース送信は、ユニキャスト又はブロードキャストをそれぞれ使用して、1つ又は複数の候補中継装置へ送信され得る。ユニキャスト送信の場合、ソースUE装置と中継UE装置とがユニキャストリンクを確立した後に、候補中継装置が選択される。典型的なシナリオでは、ユニキャストリンク確立の最初のステップには、中継指示フィールドの設定を含む直接的な通信要求メッセージ(アプリケーション層メッセージ)の送信が含まれる。2つ以上の候補中継装置が選択される状況では、ソースUE装置は、選択された候補中継装置への中継UE識別情報を有する複数のユニキャストリンク又はブロードキャストを確立することができる。通常、ユニキャストリンクの確立の前に、隣接リストを含むモデルA又はモデルBの検出を含む検出プロトコルが先行する。サイドリンク(SL)ユニキャスト接続又はPC5-RRCを確立すると、2つのUE装置がケイパビリティを共有し、共通のRLC構成(RLC ACK/NACKを含むRLC-UM又はRLC-AMなど)を使用できるようになる。
【0038】
図2は、基地局108、110のそれぞれとして使用するのに適した基地局200の一例のブロック図である。基地局200は、制御部204、送信部206、及び受信部208、ならびに他の電子機器、ハードウェア、及びコードを含む。基地局200は、本明細書に記載の機能を実行する任意の固定、移動、又は携帯機器である。基地局108、110を参照して説明されたブロックの様々な機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素において実装され得る。2つ以上の機能ブロックを単一の装置に統合することができ、任意の単一の装置で実行されると説明された機能をいくつかの装置で実装することができる。基地局200は、システム配置時に特定の場所に設置される固定の装置又は装置であってもよい。そのような機器の例には、固定基地局又は固定送受信局が含まれる。基地局は異なる用語で呼ばれることがあるが、基地局は通常、3GPP V2X動作の1つ又は複数の通信仕様に従って動作する場合、gNodeB又はgNBと呼ばれる。いくつかの状況によっては、基地局200は、特定の場所に一時的に設置されるモバイル機器であってもよい。そのような機器のいくつかの例には、発電機、太陽電池パネル、及び/又は電池などの発電機器を含むことができる移動送受信局が含まれる。そのような機器のより大きくて重いバージョンは、トレーラで輸送できる。さらに他の状況では、基地局200は、特定の場所に固定されていない携帯装置であってもよい。
【0039】
制御部204は、本明細書で説明される機能を実行するため、ならびに基地局200の全体的な機能を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部204の例には、マイクロプロセッサ又はメモリに接続されたプロセッサ構成上で実行されるコードが含まれる。送信部206は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。いくつかの状況では、送信部206は、複数の送信部を含み得る。受信部208は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。いくつかの状況では、受信部208は、複数の受信部を含み得る。受信部208及び送信部206は、それぞれ、アンテナ210を介して信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナ及び受信アンテナを含むことができる。いくつかの状況では、アンテナ210は、複数の送信及び受信アンテナを含むことができる。
【0040】
図2の例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。従って、受信部208は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどのコンポーネントを含むことができる。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含み得る。その他のコンポーネントには、アイソレータ、整合回路、及びその他のRFコンポーネントが含まれる場合がある。これらのコンポーネントは、他のコンポーネントと組み合わせて、又は協力して、基地局機能を実行する。必要なコンポーネントは、基地局が必要とする特定の機能によって異なる。
【0041】
送信部206は変調器(図示せず)を含み、受信部208は復調器(図示せず)を含む。変調器は、ダウンリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従って、基地局200で受信されたアップリンク信号を復調する。
【0042】
基地局200は、他の基地局とのメッセージを送受信するための通信インターフェース212を含む。通信インターフェース212は、他の基地局との通信を可能にするバックホール又はネットワークに接続され得る。いくつかの状況では、基地局間のリンクは、少なくともいくつかの無線部分を含み得る。従って、通信インターフェース212は、ワイヤレス通信機能を含むことができ、送信部206及び/又は受信部208の構成要素のいくつかを利用することができる。
【0043】
図3は、UE装置101~107、801~807のそれぞれとしての使用に適したUE装置300の一例のブロック図である。いくつかの例では、UE装置300は、携帯電話、トランシーバモデム、携帯情報端末(PDA)、タブレット、又はスマートフォンなどの任意の無線通信装置である。他の例では、UE装置300は、マシンタイプ通信(MTC)通信装置又はモノのインターネット(IOT)装置である。従って、UE装置300は、本明細書で説明する機能を実行する任意の固定、移動、又は携帯機器である。UE装置300を参照して説明されたブロックの様々な機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装され得る。2つ以上の機能ブロックは単一の装置に統合することができ、任意の単一の装置で実行されると説明されている機能は、複数の装置で実装することができる。
【0044】
UE装置300は、少なくとも制御部302、送信部304、及び受信部306を含む。制御部302は、本明細書に記載の機能を実行し、通信装置の全体的な機能を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを含む。適切な制御部302の一例には、マイクロプロセッサ又はメモリに接続されたプロセッサ構成上で実行されるコードが含まれる。送信部304は、無線信号を送信するように構成された電子機器を含む。いくつかの状況では、送信部304は、複数の送信部を含み得る。受信部306は、無線信号を受信するように構成された電子機器を含む。いくつかの状況では、受信部306は、複数の受信部を含み得る。受信部304及び送信部306は、それぞれ、アンテナ308を介して信号を受信及び送信する。アンテナ308は、別個の送信及び受信アンテナを含むことができる。いくつかの状況では、アンテナ308は、複数の送信及び受信アンテナを含むことができる。
【0045】
図3の例における送信部304及び受信部306は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。従って、受信部304は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどのコンポーネントを含み得る。送信部306は、フィルタ及び増幅器を含むことができる。その他のコンポーネントには、アイソレータ、整合回路、及びその他のRFコンポーネントが含まれる場合がある。これらのコンポーネントは、他のコンポーネントと組み合わせて、又は協働して、通信装置の機能を実行する。必要なコンポーネントは、通信装置が必要とする特定の機能に依存する場合がある。
【0046】
送信部306は変調器(図示せず)を含み、受信部304は復調器(図示せず)を含む。変調器は、アップリンク信号の一部として送信される信号を変調するために、複数の変調次数のいずれかを適用することができる。復調器は、複数の変調次数のうちの1つに従ってダウンリンク信号を復調する。
【0047】
図4Aは、ソースUE装置101が、UE装置から受信した隣接リストに少なくとも部分的に基づいて候補中継装置を選択し、中継UE装置がソースUE装置101による距離ベースのHARQフィードバック(NACKのみ)で構成される例のメッセージフロー図400である。図4Aのメッセージフローは、図1A図1B図1Cを参照して上述した通信システム100のメッセージフローシナリオの一例である。宛先UE装置102は、送信402でその隣接リストメッセージをブロードキャストする。UE装置103、104を含む宛先装置の通信範囲内の近くのUE装置は、隣接リストメッセージを受信する。いくつかの状況では、宛先UE装置は、すべての隣接装置が宛先UE装置102の存在を検出することを可能にする隣接リストメッセージよりもむしろ発見メッセージをブロードキャストし得る。
【0048】
送信404において、UE装置103は、受信した隣接リストメッセージ又は発見メッセージのいずれかを通じてUE装置103が検出したUE装置のIDを含む隣接リストメッセージを送信する。隣接リストメッセージには、受信した隣接リストメッセージに含まれるUE装置のIDも含まれる。送信406において、UE装置104は、隣接リストメッセージを送信する。UE装置103、104の両方が宛先UE装置102から隣接リストメッセージを受信したので、宛先UE装置102の識別子(ID2)は、UE装置103、104から送信404、406においてソースUE装置101によって受信された隣接リストメッセージに含まれる。
【0049】
イベント408において、ソースUE装置は、隣接リストメッセージを評価し、候補中継装置を選択する。候補中継装置の選択は、隣接リストに加えて基準に基づくことができる。
【0050】
本明細書で説明するように、ソースUE装置101から複数の候補中継装置103、104への送信は、複数のユニキャスト接続又はブロードキャストを介して行うことができる。ユニキャストが使用される場合、宛先装置データの送信前にユニキャスト接続が確立される。送信409及び410は、それぞれ候補中継装置104及び候補中継装置103とのユニキャスト接続を確立する。送信109、110を表す矢印は破線で示され、ブロードキャスト技術が使用される場合には送信109、110が省略されることを示す。送信109、110は、中継インジケータを伝達する。これは、ユニキャスト確立が、UE装置103、104を候補中継装置として識別する情報を含むからである。
【0051】
送信411において、ソースUE装置101は、宛先装置データ及び制御情報を候補中継装置に送信する。従って、送信411は、ブロードキャスト送信について上述したソース送信122の一例であり、送信409、410、411は、ユニキャストが使用されるソース送信122の一例である。ブロードキャスト送信の場合、送信411は、候補中継装置103、104が宛先装置データを宛先装置へ中継することを候補中継装置103、104に示す。2つの中継UE装置103、104が図4Aに示されている。ただし、送信411は、例えば、UE装置105などの追加の候補中継装置に送信された可能性がある。図4Aの一例では、送信411は、UE装置103、104がブロードキャスト送信において識別される候補中継装置からなるグループに向けられたブロードキャスト送信であり得る。既知の技術によれば、ソースUE装置(送信UE装置)は、候補中継装置(受信UE装置)へHARQフィードバック構成を提供する。図4Aの例では、HARQフィードバック構成は距離ベースのHARQ構成であり、受信装置は、最大距離内にある場合にのみNACKフィードバックを送信する。
【0052】
送信412において、中継UE装置103は、宛先装置データを宛先UE装置102に送信する。送信414において、中継UE装置104は、宛先装置データを宛先UE装置102に送信する。例えば、2つの送信412、414は同じであり、同じ通信リソースを使用して送信される。したがって、宛先UE装置102において、2つの送信412、414は、マルチパス伝搬を経験した単一の送信に似ており、したがって、従来の受信技術を使用して宛先UE装置102によって受信され得る。1つのシナリオでは、中継送信412及び中継送信414がブロードキャストされる。別のシナリオでは、中継送信412及び中継送信414は、ユニキャスト接続を介して送信される。ユニキャストが使用される場合、ユニキャスト接続は、中継送信412、414で宛先装置データを送信する前に確立される。しかしながら、宛先装置データは、宛先装置データのユニキャスト送信のために同じ無線ベアラを使用することによって、同じ通信リソースを介して依然として送信され得る。
【0053】
送信416において、HARQフィードバックが宛先UE装置102から送信される。例えば、HARQフィードバックは、宛先装置データを送信した中継UE装置103、104のすべてによって受信され得るブロードキャスト送信である。HARQフィードバックは、HARQフィードバック構成に応じて、ACK/NACK又はNACKのみであり得る。
【0054】
送信418において、中継UE装置103は、HARQフィードバックをソースUE装置101に送信する。送信420において、中継UE装置104は、HARQフィードバックをソースUE装置101に送信する。ソースUE装置101によって確立されたHARQ構成は、距離ベースのHARQであるため、NACKフィードバックのみが提供される。従って、図4の送信418、420を表す矢印は、図4Aでは、NACKが必要な場合にのみ送信418、420が実行されることを示すために破線で示されている。例えば、ソースUE装置にNACKフィードバックを送信するために同じ通信リソースが使用される。中継UE装置403からの送信418は、中継UE装置404からの送信420と同じであるため、信号は、マルチパス伝搬を経験する単一の送信として現れる。NACK送信418、420は、宛先UE装置102から受信されたNACKフィードバックに応答して送信され得るか、又は送信410の失敗した受信に応答し得る。従って、いくつかの状況では、中継UE装置のうちの1つだけがNACKフィードバックをソースUE装置101に送信することができる。
【0055】
図4Bは、ソースUE装置101が、UE装置から受信した隣接リストに少なくとも部分的に基づいて候補中継装置を選択し、中継UE装置がソースUE装置101によってACK/NACK HARQフィードバックを用いて構成される例のメッセージフロー図450である。図4Bのメッセージフローは、図1A、1B、1Cを参照して上述した通信システム100のメッセージフローシナリオの一例である。送信402、404、406、409、410、411、412、414及びイベント408は、図4を参照して上述したように実行される。ただし、候補中継装置からのHARQフィードバックのためのHARQ構成はACK/NACKであり、距離ベースのHARQではない。
【0056】
送信452において、中継UE装置103は、ACK HARQフィードバックを送信して、ソース送信410が中継UE装置103によって首尾よく受信されたことをソースUE装置101に通知する。送信454において、中継UE装置104は、ACK HARQフィードバックを送信して、ソース送信410が中継UE装置104によって首尾よく受信されたことをソースUE装置101に通知する。図4Bの例では、従って、中継装置から送信されるHARQフィードバックは、同じ通信リソースを介して送信されない。
【0057】
送信456で、宛先UE装置102は、中継送信412、144が宛先UE装置102で首尾よく受信されたかどうかを示すHARQフィードバックを中継UE装置103、104にブロードキャストする。中継送信は同じであるため、少なくとも1つの中継送信が正常に受信されると、ACKが送信される。図4Bの例では、従って、中継UE装置からソースUE装置101へのHARQフィードバックは、宛先UE装置102から中継UE装置103、104へのHARQフィードバックとは無関係である。換言すれば、中継UE装置は、当該中継UE装置に送信された信号に関するフィードバックを提供するだけであり、図4Bの例について、宛先UE装置102から受信したHARQフィードバックの結果を転送しない、又は伝達しない。
【0058】
イベント458において、宛先UE装置102からNACKフィードバックが受信される場合、中継装置は再送信を実行する。NACKフィードバックが受信された場合、各中継UE装置は、中継送信で宛先装置データを再送信する。いくつかの状況では、中継装置からの中継送信は、同じ通信リソースを使用し、同じ信号を送信する。場合によっては、中継装置がACK又はNACK(すなわち、HARQ-DTX)のいずれも受信しない場合、中継UE装置は宛先装置データの再送信を実行する。
【0059】
図5は、候補中継装置において中継送信を管理する方法500の一例のフローチャートである。例として、この方法は、上述のシステム100など、NR V2X仕様の少なくとも1つの改訂に準拠したシステムで動作するUE装置によって実行される。従って、この方法は、中継UE装置103~105によって実行され得る。
【0060】
ステップ502において、宛先装置データが宛先UE装置に中継されるべきであるという指示と共に、宛先装置データを伴うソース送信がソースUE装置から受信されたかどうかが判定される。ソース送信が中継識別情報を伴うブロードキャスト送信である状況では、ソース送信は、宛先装置データと、候補中継装置が宛先装置データを宛先装置に中継することを要求する中継インジケータとの両方を含み得る。ソース送信がユニキャスト送信である場合、ソース送信は通常、送信が中継UE装置に向けられていることを中継UE装置が決定できるようにする宛先装置データ及びいくつかの識別情報を含む。そのような識別情報は、中継UE装置のUE IDを含み得る。別の例では、識別情報は宛先UE装置のUE IDを含む。識別情報が中継UE IDを含まず、宛先UE装置のUE IDを含む場合、識別情報はソースUE装置のUE IDも含むことができる。状況によっては、UE ID以外の情報が使用される場合がある。識別情報を送信するための適切なメカニズムの例は、サイド制御情報(SCI)で識別情報を送信することを含む。前述のように、中継要求インジケータは、PC5-RRC接続の確立中に、例えば直接的な通信要求メッセージ(PC5-S)で送信される。従って、いくつかのシナリオでは、中継要求インジケータは、ソース送信で宛先装置データと共に送信されない場合がある。しかし、いくつかの他のシナリオでは、中継要求インジケータはソース送信に含まれる場合があり、識別情報を提供するのに十分な情報を含む場合がある。ソース送信が受信されていない場合、方法はステップ504に進み、ここでUE装置は、UE装置からUE装置への直接的な通信を継続し、ステップ502に戻る。ソース送信が受信された場合、方法はステップ506に続く。
【0061】
ステップ506で、宛先UE装置への通信リンクが、候補中継装置との通信のための最小閾値を依然として上回っているかどうかが判定される。例として、候補中継装置は、更新された隣接リストがソース送信で識別された宛先UE装置から受信されたかどうかを判断する。いくつかの状況では、候補中継装置は、宛先UE装置が通信の最小閾値を満たすかどうかを決定する際に、最近の発見信号が宛先UE装置から受信されたかどうかを判断する。ソース送信がユニキャストである場合、最小閾値が満たされているか否かの判断は、通常、ソースUE装置と候補中継装置との間のPC5-RRC接続の確立中に実行され、宛先装置データの受信前に実行される。他の場合では、中継UEからの発見メッセージの受信は、最小閾値が満たされているかどうかを決定するために使用され得る。宛先UE装置が通信範囲内にある場合、方法はステップ508に続く。そうでない場合、方法はステップ510に進む。ステップ506は、ソース送信を開始するときに、ソースUE装置が候補中継装置から更新された隣接リストをまだ受信していない状況に対処するためのメカニズムを提供する。
【0062】
ステップ510で、配信不能フィードバックメッセージがソースUE装置に送信される。一例では、配信不能フィードバックメッセージは、候補中継装置が宛先装置データを配信できないことを示すPC5-RRCメッセージである。他の例では、配信不能フィードバックメッセージは、宛先装置データを配信できない理由を示し、宛先UE装置が最小リンク閾値をもはや満たしていないことを示す。状況によっては、NACKフィードバックメッセージを配信不能フィードバックメッセージとして送信できるが、このようなフィードバックは、ソースUEがソース送信が候補中継装置で受信されなかったか、或いは中継送信に失敗したかをNACKから判断できないため、ソースUE装置にとってあまり価値がない。
【0063】
ステップ512において、もはや通信範囲内にない宛先UE装置を除外するために、隣接リストが更新される。ステップ514で、隣接リストは、次にスケジュールされた隣接リストブロードキャスト時間にブロードキャストされる。更新された隣接リストがブロードキャストされた後、方法はステップ502に戻る。図5には示されていないが、中継UE装置は、宛先UE装置が通信範囲内にある状況に戻った場合、宛先UE装置を含む更新された隣接リストを送信する。
【0064】
ステップ508において、宛先装置データ以外の通信データが送信に利用可能であるかどうかが決定される。その他の通信データは候補中継装置がUE装置通信への直接的なUE装置としての別のUE装置へ送信するデータである直接的な通信データを含むことができる。すなわち、直接的な通信データは、中継候補装置自身の通信に関するデータである。図5に示されるように、通信データは、候補中継装置が中継するように要求された他の宛先装置データも含むことができる。いくつかの状況では、候補中継装置は、いくつかのソースUE装置のための中継UE装置として機能している可能性がある。他の通信データが利用可能である場合、方法はステップ516に続く。そうでない場合、方法はステップ518に進む。
【0065】
ステップ516において、宛先装置データは、中継送信で宛先UE装置に送信される。いくつかの状況では、中継送信に使用される通信リソースは、候補中継装置によって以前に予約された通信リソースであり得る。例えば、通信リソースは、候補中継装置から別のUE装置への直接的な通信データの送信のために予約されている可能性がある。他の状況では、中継送信に使用される通信リソースは、図1を参照して上述したように、ソースUE装置によって予約されている可能性がある。
【0066】
ステップ518で、宛先装置データの優先度レベルが他の通信データの優先度レベルより大きいかどうかが判定される。データ通信のそれぞれについて優先度レベルが確立され、候補中継装置は優先度レベルを評価する。NR V2Xに従って、物理(PHY)層のQoS要件は、第1段階のSCI(上位層にマップされる8つのQoSレベルを表す3ビット)の優先度フィールドで示される。従って、異なるデータに適用できる少なくとも1つの要因には、QoSレベルが含まれる。しかしながら、QoSレベルは、最高のQoSが最高の優先度割り当てにつながる候補中継装置による1対1の比較に必ずしも対応しない。一例では、サービング基地局(gNB)は、データが中継データであるか直接的な通信データであるかに基づいてデータに優先順位を付けるようにUE装置(中継UE装置の候補を含む)を構成する。従って、直接的な通信データが優先される場合、候補中継装置は直接的な通信データの優先度を中継するデータの優先度よりも高く割り当てる。基地局は、UE装置がカバレッジ外(OoC)である状況のために、UE装置を事前構成することができる。
【0067】
別の例では、候補中継装置は、宛先装置のデータに対してソースUE装置によって提供された少なくともQoSレベルに基づいて、データの優先順位付けを決定する。割り当てられた優先度は、QoSレベルに加えて、又はその代わりに、他の要因及びアルゴリズムに基づくことができる。さまざまなデータに優先度レベルを割り当てるためのその他の要因には、アプリケーションタイプとデータのパケット遅延バジェットが含まれる。例えば、パブリックセーフティアプリケーションに最高の優先度が割り当てられる場合がある。
【0068】
いくつかの状況では、候補中継装置は、発見手順又は中継再選択手順中に、候補中継装置が高優先度データの中継を処理する能力を有するかどうかをソースUE装置に通知する。そのような技法を用いて、ソースUE装置は、情報を適用して、候補中継装置をより適切に選択又は再選択する。
【0069】
例えば、優先度が同じ場合、候補中継装置は、宛先装置データ優先度が直接的な通信データ優先度以下であると判断する。宛先装置データ優先度レベルが直接的な通信データ優先度レベルより大きい場合、方法はステップ519に続く。そうでない場合、方法はステップ520に進む。
【0070】
ステップ519で、宛先装置データは、他のデータよりも高い優先順位で送信される。ステップ522を参照して後述するように、優先ビットレート(PBR)技術に従って他のデータを送信することができる。
【0071】
ステップ520において、候補中継装置は、宛先装置データが他のデータよりも低い優先度にされたことをソースUE装置に通知する優先順位付け指示メッセージをソースUE装置に送信する。いくつかの状況では、優先順位付け指示メッセージは、優先順位付け及び他のデータに関する追加情報を示すことができる。例えば、他のデータの優先度及び/又は他のデータの量を提供することができる。別の状況では、ソースUE装置へのNACK HARQフィードバックが、優先順位付けメッセージ。そのような技術は、宛先装置データの優先度が最小閾値より下に優先される場合に有利であり得る。
【0072】
ステップ522で、宛先装置データは、より低い優先度で送信される。既知の技術に従って、候補中継装置は、異なる論理チャネルID (LCID)を割り当て、MAC層で論理チャネル優先順位付け(LCP)を適用して、どのデータが次に送信されるかを決定する。通常、最も優先順位の高い論理チャネルがMAC PDUで最初に処理され、次に優先順位が高い論理チャネルからのデータが続き、MAC PDUスペースがなくなるまで続く。絶対優先度ベースの方法では、優先度の高い論理チャネルからのデータがすべてのMAC PDUスペースを占有するため、優先度の低い論理チャネルからのデータを送信できない場合、優先度の低い論理チャネルからのデータが枯渇することがある。優先ビットレート(PBR)は、重要度の高い順にデータを送信するだけでなく、優先度の低いデータの枯渇を回避するために、論理チャネルごとに定義される。PBRは、論理チャネルで保証される最小データレートである。論理チャネルの優先度が低い場合でも、PBRを保証するために、少なくとも少量のMAC PDUスペースが割り当てられる。従って、PBRを使用することで、飢餓の問題を回避できる。従って、宛先装置のデータは依然として宛先装置に送信されるが、おそらく好ましい速度よりも遅い速度であるか、又は許容可能な遅延を超える。従って、ステップ520での優先順位付け指示の送信により、ソースUE装置は、現在の中継装置及び優先レベルを評価して、中継再選択が呼び出されるべきかどうかを決定することができる。
【0073】
いくつかの状況によっては、宛先装置を低い優先度で送信する代わりに、優先度レベルが他のデータの優先度よりも低い場合、宛先装置のデータは候補中継装置によって送信されない場合がある。そのような状況では、ステップ520での優先順位付け指示は、宛先装置データが中継されないことを示す。
【0074】
図6は、再送信を含む候補中継装置において中継送信を送信する方法600のフローチャートである。例えば、方法は、上述のシステム100など、少なくとも1つのNR V2X仕様のリビジョンに従ってシステム内で動作するUE装置によって実行される。従って、この方法は、中継UE装置103~105によって実行され得る。
【0075】
ステップ602において、宛先装置データは、宛先UE装置102に送信される。中継UE装置は、宛先装置データを含む中継送信を送信する。いくつかの状況では、中継送信に使用される通信リソースは、候補中継装置によって以前に予約された通信リソースであり得る。例えば、通信リソースは、中継UE装置から別のUE装置への直接的な通信データの送信のために予約されている可能性がある。他の状況では、中継送信に使用される通信リソースは、図1を参照して上述したように、ソースUE装置によって予約されている可能性がある。図1Bでは、HARQフィードバックタイマーが中継送信時に開始される。例えば、再送信カウンタは送信後にインクリメントされる。従って、宛先装置データの最初の送信後、再送信カウンタは「1」に設定され、同じ宛先装置データの再送信ごとに増加する。
【0076】
ステップ604において、ACK HARQフィードバックが宛先UE装置から受信されたかどうかが決定される。ACKが受信された場合、メソッドは通常の操作を続行する。例えば、方法は、図5の例のステップ502に続く。ACKが受信されない場合、方法はステップ606に進み、NACK HARQフィードバックが受信されたかどうかが決定される。NACKが受信されていない場合、方法はステップ608に続く。NACKが受信された場合、方法はステップ610に続く。
【0077】
いくつかの状況において、中継UE装置は、宛先UE装置からNACKを受信した直後にNACKを送信する。その後、ソースUE装置は、失敗した中継送信に応答して即座にアクションを取ることができる。ソースUE装置は、例えば、中継UE装置に再送信を実行するように通知することができる。別の例では、ソースUE装置は、隣接リストを評価し、候補中継装置を選択することによって、中継プロセスを直ちに再開することができる。また、中継UE装置は、ステップ604でACKを受信する代わりに通常の動作を継続することの代替として、又はそれに加えて、ソースUE装置にACKを送信することができる。以下で説明するように、HARQフィードバックがACKを含むいくつかの状況では、ソースUE装置は、閾値期間内に中継UE装置からACKを受信しないことに応答して行動を起こすことができる。例えば、ソースUE装置は、再送信のために通信リソースを予約し、中継UE装置に再送信を実行するように指示することができる。1つの技術では、ソースUE装置は、予約された通信リソースを中継UE装置に送信するが、宛先データは送信しない。別の技術では、ソースUE装置は、PC5-Sメッセージング(グループキャストの場合)又はPC5-RRCシグナリング(ユニキャストの場合)を使用して、中継UE装置に、宛先UE装置からNACKを受信したときに中継UEが再送信を実行する必要があるかどうかを指示する。この場合、命令は、ソースUE装置が命令を変更して、中継UE装置での自律再送信を停止するまで、グループキャスト又はユニキャスト接続のセッション全体に対して有効である。このような方式の利点の1つは、HARQタイマーが期限切れになる前に再送信できるようにすることである。
【0078】
ステップ608において、中継送信のためのHARQフィードバックタイマーが満了したかどうかが決定される。タイマーが満了した場合、方法はステップ610に続く。そうでない場合、方法はステップ604に戻る。
【0079】
ステップ610で、再送信カウンタが閾値を超えたかどうかが判定される。宛先装置データの再送信回数が閾値より大きい場合、方法はステップ612に続く。そうでない場合、方法はステップ602に戻り、宛先装置データが再送信され、再送信カウンタがインクリメントされ、HARQフィードバックタイマーがリセットされる。いくつかの状況によっては、再送信の回数は構成可能であり、通信サービスのQoSによって異なる場合がある。
【0080】
ステップ612において、ソースUE装置は、宛先UE装置への中継送信が失敗したことが通知される。例えば、中継UE装置は、PC5-RRCリンク又はPC5-S層を介してソースUE装置に通知するメッセージを送信する。周知のように、上位層のPC5シグナリング(PC5-S)層は、PC5インターフェースのコントロールプレーンのレイヤーと同様に、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)サブ層、及び物理層の上に位置する。以下で説明するように、ソースUE装置は隣接リストを再評価することができ、候補中継装置の選択処理を含む中継プロセスを再開する。
【0081】
図7は、ソースUE装置において中継送信を管理する方法700の一例のフローチャートである。例として、この方法は、上述のシステム100など、NR V2X仕様の少なくとも1つのリビジョンに準拠したシステムで動作するUE装置によって実行される。従って、この方法は、ソースUE装置101によって実行され得る。
【0082】
ステップ702で、近くのUE装置からの隣接リストが受信され、格納される。既知の技術に従って、ソースUE装置は、UE装置から隣接リストを受信し、各隣接リストは、隣接リストを送信するUE装置の隣接UE装置、及びリストされた隣接装置の隣接UE装置を識別する。各リストの情報はメモリに保存され、更新された隣接リストを受信すると更新される。以下でさらに詳細に説明するように、隣接リストは、いくつかの状況で各隣接UE装置のリンク品質を示す情報を含むことができる。
【0083】
ステップ704で、中継送信が保留中かどうかが判定される。ソースUE装置は、中継UE装置を使用して宛先UE装置に送信されるべき宛先装置データが送信されるべきかどうかを決定する。潜在的な中継送信に利用可能な送信がない場合、方法はステップ702に戻り、隣接リストが受信され、更新される。UE装置は、UE装置からUE装置への直接的な通信及び/又は基地局との通信を継続することができる。中継UE装置を介した送信が利用可能な場合、方法はステップ706に続く。
【0084】
ステップ706で、候補中継装置が選択される。ソースUE装置は、隣接リスト内の情報に基づいて、少なくとも1つの候補中継装置を選択し、複数の候補中継装置を選択することができる。いくつかの状況では、候補中継装置の選択は、隣接リストを提供するUE装置の隣接リストに宛先装置を含めることに単純に基づくことができる。他の状況では、選択は追加の基準に基づく場合がある。例えば、以下で説明するように、セクションは、潜在的な候補中継装置と宛先装置との間の通信リンクの品質に基づくことができる。
【0085】
ステップ708で、宛先装置データを含むソース送信が候補中継装置に送信される。複数の候補中継装置が選択されている場合、ソース送信は、例ではブロードキャストを介して送信される。状況によっては、ソース送信にユニキャストが使用される場合がある。例えば、ソース送信は、候補中継装置が宛先装置データを宛先装置に転送することを示すインジケータを含む。いくつかの状況では、インジケータは、候補中継装置からの宛先装置データの送信のために通信リソースを予約することもできる。いくつかの例では、上述のように、ソースUE装置は、通信リソース予約も送信して、候補中継装置から宛先UE装置への中継送信のための通信リソースを予約する。他の例では、ソース送信は、それ自体の送信のために候補中継装置によって受信された通信リソースを使用して中継送信を送信する要求を含む。上述のように、中継インジケータは、複数のユニキャストリンクが複数の候補中継装置と共に使用されるユニキャスト接続確立手順の一部であり得る。
【0086】
ステップ710で、転送されたACKが受信されたかどうかが決定される。宛先装置から中継UE装置へのACK/NACK HARQフィードバックが中継UE装置によってソースUE装置に転送される例では、ソースUE装置は、宛先UE装置が宛先装置データを正常に受信したときに、転送されたACKを受信する。中継送信で転送されたACKが受信された場合、方法はステップ702に戻る。そうでない場合、方法はステップ712に続く。
【0087】
ステップ712で、転送されたNACKが受信されたかどうかが決定される。宛先装置から中継UE装置へのNACK HARQフィードバックが中継UE装置によってソースUE装置に転送される例では、宛先UE装置が宛先装置のデータを正常に受信しなかった場合、ソースUE装置は転送されたNACKを受信する。転送されたNACKが受信されない場合、方法はステップ714に続く。そうでない場合、方法はステップ716に続く。
【0088】
ステップ714で、ソース送信のHARQフィードバックタイマーが満了したかどうかが判定される。タイマーが満了していない場合、方法はステップ710に戻る。タイマーが満了した場合、方法はステップ702に戻り、プロセスを再開する。更新された隣接リスト情報は、以前に選択されたものとは異なる可能性がある候補中継装置を選択するために適用される。
【0089】
ステップ716で、再送信カウンタが閾値を超えたかどうかが判定される。宛先装置データの再送信回数が閾値よりも大きい場合、方法はステップ702に戻ってプロセスを再開する。そうでない場合、方法はステップ718に進み、中継UE装置は宛先装置データを再送信するように指示された後、ステップ710に戻って新しい送信に対するHARQフィードバックを監視する。再送信カウンタがインクリメントされ、HARQフィードバックタイマーがリセットされる。
【0090】
図8は、UE装置801~807の地理的配置800、及び配置800に関連付けられたリンク品質情報を含む対応する隣接リスト810の一例のブロック図である。例えば、隣接リスト810は、「ID10」という固有の識別を有する第1のUE装置801によって提供される。隣接リスト810は、複数のランキング811~815を含み、各ランキングは、UE装置から受信された信号の受信信号強度の範囲に関連付けられる。第1のUE装置801で受信及び測定された信号は、近くのUE装置102~107からの隣接リストを伝達する発見信号又は隣接リスト信号であり得る。状況によっては、他の信号が使用される場合がある。状況によっては、ランクはUE装置の地理的位置に直接基づいている。例えば、1つのシナリオでは、UE装置は、それらの位置を他の近くのUE装置と共有し、隣接リストは位置間の距離に基づいて生成される。
【0091】
信号の受信信号強度は、信号を送信している送信部までの距離に少なくともいくらか依存するため、ランキングは、第1のUE装置と信号を送信しているUE装置との間の距離に少なくとも部分的に関連する。受信信号強度は、送信UE装置と第1のUE装置との間の通信リンクの品質にも関連する。従って、複数のランキングのそれぞれは、第1のUE装置801と特定のランクに関連付けられたUE装置との間の通信リンクの品質も示す。換言すれば、ランキングに関連付けられたUE装置は、そのランキングに関連付けられた品質レベルを有する第1のUE装置への通信リンクを有することが期待される。ランキングは、ランキングが低いほど通信リンクの品質が高いことを示すように編成されている。ランク1は、ランク2よりも通信リンクの品質が高い(距離が短い)ことを表す。
【0092】
例えば、ランキングは、UE装置802~807と第1のUE装置801との間の距離817~820に関連付けられる。図8に示すように、最長距離820を表す最大の円と、2番目に長い距離819を表す2番目に大きい円との間の領域は、ランク4815に関連付けられる。2番目に長い距離819を表す2番目に大きい円と、3番目に長い距離818を表す3番目に大きい円との間の領域は、ランク3814に関連付けられる。最短距離817を表す最小の円と、次に長い距離818を表す次に大きい円との間の領域は、ランク2 813に関連付けられる。最小の円内の領域は、ランク1812に関連付けられる。この例では、ランキングはUE装置802~807と第1のUE装置801との間の距離に関連付けられているが、いくつかの状況によっては、UE装置のランキングは、UE装置と第1のUE装置との間の距離に対応しない場合がある。これは、例えば、2つのUE装置間の通信経路が妨害されている場合に発生する可能性がある。ただし、ランキングは依然として通信リンクの品質を示す。従って、本明細書で説明する技術は、通信リンクの品質に基づいて中継装置を選択することに基づいており、リンクの品質を決定する際の1つの要因は距離に基づくことができる。上述のように、距離は、UE装置がそれらの位置に関する情報を交換することによって決定され得る。ただし、距離はリンクの品質をランク付けするための間接的なメカニズムであり、状況によっては、ランク付けのためにリンクの品質をより直接的に決定する手法が使用される場合がある。
【0093】
隣接リスト810は、第1のUE装置の隣接装置を識別し、ランキングを各UE装置に関連付ける情報を含む。しかし、情報は、任意のフォーマット又は構造で表すことができる。図8は、各ランク811~815が複数のUE装置セット821~825のUE装置セットに一意に対応する表形式の情報を示す。例えば、第1のUE装置801は、ランク0に関連付けられる。従って、第1のUE装置の識別ID10は、ランク0811に関連付けられたUE装置セット821にリストされる。第2のUE装置の識別ID21は、ランク1812に関連付けられたUE装置セット822にリストされる。隣接UE装置がランク2823の領域内にないため、ランク2813に関連付けられたUE装置セット823にはUE装置IDは含まれない。この例を続けると、第3のUE装置803及び第4のUE装置804のUE装置識別子、ID15、ID17は、ランク3814に関連付けられたUE装置セット824に含まれ、第5のUE装置805及び第6のUE装置806は、ランク4815に関連付けられたUE装置セット825に含まれる。UE装置識別子ID22は、最低の品質ランキングであるランク4815の外にあるため、隣接リストには含まれない。
【0094】
図9は、隣接リスト112、114、116、118が通信リンク品質情報を含む例に関するシステム100のブロック図である。図3の例における隣接リストは、次のとおりである。従って、図9は、図8を参照して論じた隣接リスト810の例である。システム100の動作は、リンク品質情報に基づく隣接リスト、中継候補選択、及び信号変調及び符号化管理に関する態様を除いて、上述のシステム100の動作と同じである。
【0095】
図9の例では、4つのUE装置103~106からの隣接リスト112、114、116、118がソースUE装置101で受信される。各隣接リストは、ランキングに関連付けられたUE装置の識別子を含む。例として、宛先UE装置102の識別子(ID2)は、識別子が、隣接リスト114のランク1であるUE装置103からの隣接リスト112のランク2と、UE装置104、105からの隣接リスト114、116のランク1と、UE装置106からの隣接リスト118のランク4とに関連付けられている4つの隣接リストのそれぞれに含まれる。ソースUE装置101は、リストを評価し、宛先UE装置102の識別子(ID2)のランキングに基づいて候補中継装置を選択する。1つのシナリオでは、ソースUE装置101は、3つの候補中継装置103~105は、ランク2のUE装置103と、ID2のランク1のUE装置104、105とを含む。別のシナリオでは、ソースUE装置101は、ID2についてランク1を有するUE装置104、105のみを選択する。UE装置106は、ランク4としてID2を含むが、ソースは、いくつかの状況において候補中継装置としてUE装置106を選択することができる。
【0096】
別の例では、ソースUE装置101は、ソースUE装置101と潜在的な候補中継装置との間の通信リンクの品質にさらに基づいて、候補中継装置を選択する。適切な技術は、隣接リストにリストされた宛先UE装置及びソースUE装置のランクの合計に基づいて候補中継装置を選択することを含む。合計順位合計が低い潜在的な候補装置は、合計順位合計が高い候補装置よりも多く選択される。図1に示されるシナリオを適用する。図9では、例えば、UE装置103のランクの合計は、ID1のランク(1)とID2のランク(2)であり、3に等しい。UE装置104のランクの合計は、ID1(2)のランクとID2(1)のランクであり、これも3に等しい。従って、宛先UE装置が、UE装置104の隣接リスト114においてより高いランク(例えば、ランク1)を有していても、候補装置の選択は、UE装置103及びUE装置104の両方を含み得る。
【0097】
いくつかの状況では、ソースUE装置101は、最低ランク又は最低総パスランクを有する単一の候補中継装置を選択することができる。他の状況では、ソースUE装置101は、同じ総パスランクを有する候補中継装置のセットを選択することができる。図2の状況では、例えば、図9において、ソースUE装置101は、UE装置103~105を候補中継装置として選択する。これは、3つすべてが潜在的な候補中継装置103~106の最低である3の合計パスランクを有するためである。他の例では、ソースUE装置101は、総パスランクが閾値未満であるが異なる総パスランクを有し得る候補中継装置のセットを選択する。そのような状況では、UE装置106の合計パスランクが5であっても、UE装置103~105に加えてUE装置106が選択され得る。
【0098】
潜在的な候補中継装置を選択するための基準を提供することに加えて、リンク品質情報を含む隣接リストは、ソース送信及び中継送信の変調及び符号化を管理するための基準を提供することができる。一例では、ソースUE装置101は、隣接リストに基づいて変調符号化方式(MCS)を選択する。UE装置のランクは、UE装置間のリンク品質の関数であるため、MCSは、隣接リスト内のUE装置のランクに少なくとも部分的に基づくことができる。例では、ソースUE装置101は、よりロバストなMCSをより低いランクに適用する。
【0099】
一例では、ソースUE装置は、候補中継装置の隣接リストに現れる宛先UE装置の最低ランクに基づいてMCSを選択する。図2のシナリオでは、従って、図9では、MCSは、宛先UE装置が隣接リスト114、116においてランク1を有するので、ランク1に基づく。そのような技術は、中継UE装置がソース送信で使用されたのと同じMCSを中継送信に適用する場合に有利であり得る。
【0100】
別の例では、ソースUE装置101は、ソース送信のMCSから中継送信のために異なるMCSを選択する。このような技術は、両方の送信に同じMCSを使用するよりも効率的である可能性がある。ソースUE装置101は、中継送信に適用されるソース送信の制御情報内のMCSを示す。中継送信のためのMCSの選択は、隣接リストにおいて宛先装置に割り当てられた最低ランクに少なくとも部分的に基づく。下位のランクにはより堅牢なMCSが選択され、上位のランクには堅牢性の低いMCSが選択される。いくつかの状況では、ソース送信のMCSは、候補中継装置の隣接リストにおけるソースUE装置101の識別のランクに少なくとも部分的に基づく。
【0101】
図10は、ソースUE装置において実行され、ランクを有する隣接リストに基づいて候補中継装置を選択する方法1000の一例のフローチャートである。例として、この方法は、上述のシステム100など、NR V2X仕様の少なくとも1つのリビジョンに準拠したシステムで動作するUE装置によって実行される。従って、方法は、ソースUE装置101によって実行され得る。図10の例は、図7を参照して上述した例の一部として実行することができる。例えば、ステップ1002、1004、1006、及び1008は、ステップ706の一部として実行されてもよく、ステップ1010は、ステップ708を実行する例である。この例では、隣接リストとランキングに基づく中継の選択について説明しているが、状況によっては、選択は他の基準に基づいている。その他の基準には、中継ポリシー、セキュリティ、サポートされるアプリケーション基準などの上位層基準が含まれる場合がある。この場合、一部のアプリケーションはネットワークによって承認され、すべての中継 UE 装置が意図したアプリケーションをサポートできるわけではない。従って、本明細書で説明する例は、他の選択メカニズムと併せて実行することができる。
【0102】
また、いくつかの状況では、中継UE装置の機能を実行することができる候補中継装置の最終決定は、宛先UE装置からの関与を含むことができる。例えば、いくつかのシナリオでは、ソースUEは少数の候補中継装置を選択することができ、候補中継装置はソースUEからの要求に関して宛先UE装置に通知し、宛先UE装置はどの装置を中継として使用するかの選択を最終決定する。ソースUE装置によって選択された候補中継装置の中から。その結果、状況によっては、図10の例は、図10に示されていない追加のステップを含むことができる。ここで、これらのステップは、宛先UE装置によるアクション、フィードバック、又は他の介入を伴う。
【0103】
ステップ1002で、ソースから宛先へのリンクランクが計算される。ソースUE装置は、隣接リストごとに、宛先UE装置のランクとソースUE装置のランクの合計を計算する。
【0104】
ステップ1004で、少なくとも1つの候補中継装置が、計算されたソースから宛先へのリンクランクに少なくとも部分的に基づいて選択される。例えば、最低ランク合計を有する隣接リストを有するUE装置が好ましい候補であり、選択される。場合によっては、ランク合計が最も低いUE装置のみが選択される。他の状況では、最低ランク合計を有するUE装置が選択され、それらの値が最低ではないにもかかわらず、ランク合計値が低い他のUE装置が選択される。
【0105】
ステップ1006において、中継送信のための宛先MCSは、宛先UE装置102のランク値に少なくとも部分的に基づいて選択される。例えば、最下位のランク(最適なリンク)を使用して、宛先MCSが決定される。従って、複数の候補中継装置が選択される場合、ソースUE装置は、選択された候補中継装置の隣接リストを評価して、宛先UE装置のIDに関連付けられた最低ランクを識別し、中継送信のMCSを決定する。
【0106】
ステップ1008で、ソース送信のソースMCSが決定される。一例では、ソース送信のソースMCSは、中継送信の宛先MCSと同じである。他の例では、ソースMCSは宛先MCSとは異なる。1つの技術では、ソースMCS及び中継MCSは、ソースUE装置のIDに関連付けられたすべてのS-Rリンクの通信リンクの最高ランク(最低品質)に少なくとも部分的に基づいて決定される。従って、このような例では、複数の中継UE装置が選択される場合、最高ランクのS-R通信リンクがソース送信のソースMCSを決定し、最高ランクのR-D通信リンクが中継送信の中継MCSを決定する。従って、最低品質のリンクによって指示される最も堅牢なMSCが、中継パスの各セグメントにそれぞれ使用される。
【0107】
MCSの管理は、例の特定のキャストタイプと通信リソースのシナリオに少なくとも多少依存する。以下で説明する複数の候補中継装置を含む例では、中継パスの各セグメント(S-Rリンク及びR-Dリンク)は、ユニキャスト又は中継指示情報を含むブロードキャストのいずれかである。
【0108】
ソース送信が中継識別情報と共にブロードキャストされ、中継送信が宛先装置識別情報と共にブロードキャストされる場合、ソースMSCは2つのパスセグメントに対して同じである場合もあれば、ソースMCSが中継MCSと異なる場合もある。ソースMCSが中継MCSと同じである場合、MCSは、一例では、S-Rリンク又はR-Dリンクのいずれかであり得る最高ランク(最低品質)のリンクに基づいて選択される。ソースMCSが中継MCSとは異なる1つのMCS管理手法では、ソースMCSは、選択された中継のすべてのS-Rリンクの最高ランク(最低品質)のS-Rリンクに基づいており、中継MCSは、選択された中継のすべてのR-Dリンクの最高ランク(最低品質)のR-Dリンクに基づいている。
【0109】
ソース送信が異なる通信リソース上の複数のユニキャスト送信(選択された各中継装置に1つ)であり、中継送信が宛先装置識別情報を使用してブロードキャストされる他のシナリオでは、各ソースユニキャスト送信のソースMCSは、他のソースのユニキャスト送信とは異なる場合がある。各ソースMCSは、中継UE装置への特定のリンクの品質に基づいている。単一の中継MSCは、選択された中継装置のすべてのR-Dリンクに使用でき、最高ランク(最低品質)のR-Dリンクに基づいて選択される。
【0110】
ソース送信が同じ通信リソース上の複数のユニキャスト送信(選択された中継装置ごとに1つ)で構成される一部のシナリオでは、選択された各中継でユニキャストが確立されるが、宛先データのソース送信は同じリソース(無線ベアラー)を介して行われる。選択された中継UE装置と中継送信は、同じ通信リソース上での(選択された各中継装置から宛先装置への)複数のユニキャスト送信で構成される。ユニキャスト接続は、選択された各中継UEっ装置から宛先装置へ確立されるが、宛先データの中継送信は、選択された宛先UE装置への同じリソース(無線ベアラ)を介して行われる。ソースMCSが中継MCSと同じであるようなシナリオでは、MCSはS-Rリンク又はRDリンクのいずれかである最高ランク(最低品質)リンクに基づいて選択される。ソースMCSが中継MCSと異なる場合、ソースMCSは、選択された中継のすべてのS-Rリンクの最高ランク(最低品質)のS-Rリンクに基づいており、中継MCSは、選択された中継のすべてのR-DリンクのR-Dリンクの最高ランク(最低品質)に基づいている。
【0111】
ステップ1010で、ソース送信が候補中継装置に送信される。ソース送信は、上述のように宛先装置データ及び制御情報を含む。いくつかの状況では、ソース送信は、中継送信に使用されるべき宛先MCSを識別する制御情報も含む。中継UE装置が、ソース送信を送信するために使用されたのと同じMCSを中継送信に適用する実装では、宛先MCSを識別する制御情報は省略される。ソースMCSと宛先MCSが異なる状況では、制御情報は宛先MCSを識別した。
【0112】
明らかに、本発明の他の実施形態及び修正は、これらの教示を考慮して、当業者に容易に想起されるであろう。上述の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであり、特許請求の範囲は、そのような実施形態及び変更をすべて含む。上述の仕様及び添付の図面と併せてご利用ください。従って、本発明の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲と均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10