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特許7575585直流充電電流を決定する方法、装置及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】直流充電電流を決定する方法、装置及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20241022BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241022BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241022BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241022BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 58/24 20190101ALI20241022BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/00 P
H02J7/10 L
H02J7/10 B
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H01M10/48 301
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/62
B60L58/12
B60L58/24
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023521516
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021121679
(87)【国際公開番号】W WO2022073451
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】202011074538.9
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522129409
【氏名又は名称】長城汽車股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREAT WALL MOTOR COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No. 2266 Chaoyang South Street Baoding, Hebei 071000 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】呉 麦青
(72)【発明者】
【氏名】宋 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】張 超志
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 陽
(72)【発明者】
【氏名】劉 震輝
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-244729(JP,A)
【文献】国際公開第2019/230130(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0301225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H02J 7/00
H01M 10/44
H01M 10/48
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 53/62
B60L 58/12
B60L 58/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池温度に基づいて第1の充電電流を決定するステップと、
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定するステップと、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取り、電池温度の推定誤差およびセル電圧の測定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取る補正を行って第3の充電電流を形成するステップと、
電池温度に対応する充電電流上限値を示す電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索して電池温度に対応する充電電流上限値を第4の充電電流として得るステップと、
前記第3の充電電流と前記第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧充電アタッチメント消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得るステップと、を含む、
ことを特徴とする直流充電電流を決定する方法。
【請求項2】
電池温度に基づいて第1の充電電流を決定する前に、さらに、
電池が充電されようとするときの温度である初期温度に応じて、複数の温度区間を設定するステップと、
各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に複数のセル電池の中の最低温度が第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対応して設定された第1の所定温度以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に複数のセル電池の中の最低温度が第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対応して設定された第2の所定温度以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第6の充電電流に変え、
ここで、第2の所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に複数のセル電池の中の最高温度が、第2の所定温度閾値より高い各温度区間に対応して設定された第3の所定温度以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に複数のセル電池の最高温度が所定温度閾値より高い各温度区間に対応して設定された第4の所定温度以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第8の充電電流に変える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定する前に、さらに、
複数のセル電池の中の最高セル電圧に応じ複数の電圧区間を設定するステップと、
各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1 の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第9の充電電流に変え、
充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第10の充電電流に変える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取り、電池温度の推定誤差およびセル電圧の測定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取る補正を行って第3の充電電流を形成するステップは、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取ることと、
前記第1の充電電流の値が小さい場合、前記第1の充電電流の値と電池温度の推定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することと、
前記第2の充電電流の値が小さい場合、前記第2の充電電流の値とセル電圧の測定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取って前記第3 の充電電流を形成することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法はさらに、
電池が充電されようとするときの温度である初期温度に応じて、開始温度区間、特殊温度区間及び終了温度区間を設定するステップと、
前記開始温度区間、前記特殊温度区間及び前記終了温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、前記開始温度区間は、電池の初期温度がこの区間内である場合、第1の充電電流を0とする区間であり、その後、複数のセル電池の中の最低温度が前記開始温度区間の温度よりも高い第5の所定温度以上となった場合、第1の充電電流を第11の充電電流に変える区間であり、
前記特殊温度区間は、前記第1の所定温度閾値と第2の所定温度閾値との間の温度区間であって、電池の初期温度がこの特殊温度区間内である場合、特殊温度区間に応じた第1の充電電流を決定し、その後、複数のセル電池の中の最高温度が第6の所定温度以上となった場合、前記第1の充電電流を第12の充電電流に変え、複数のセル電池の中の最低温度が第7の所定温度以下となった場合、前記第1の充電電流を第13の充電電流に変える区間であり、
前記終了温度区間は、電池の初期温度がこの区間内である場合、前記第1の充電電流を0とし、その後、複数のセル電池の中の最低温度が第8の所定温度以下となった場合、前記第1の充電電流を第14の充電電流に変える区間である、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法はさらに、
前記複数のセル電池の中の最高セル電圧が所定電圧閾値以上である場合、前記第2の充電電流を0に変えるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
電池温度に基づいて第1の充電電流を決定することに用いられる第1の決定モジュールと、
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定することに用いられる第2の決定モジュールと、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取り、電池温度の推定誤差およびセル電圧の測定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取る補正を行って第3の充電電流を形成することに用いられる比較補正モジュールと、
電池温度に対応する充電電流上限値を示す電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索して電池温度に対応する上限値を第4の充電電流として得ることに用いられるテーブル検索モジュールと、
前記第3の充電電流と前記第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧充電アタッチメント消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得ることに用いられる充電電流決定モジュールと、を備える、
ことを特徴とする直流充電電流を決定する装置。
【請求項8】
前記装置はさらに、
電池が充電されようとするときの温度である電池の初期温度に応じて、複数の温度区間を設定することに用いられる温度区間設定モジュールと、
各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる温度区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に複数のセル電池の中の最低温度が第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対応して設定された第1の所定温度以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に複数のセル電池の中の最低温度が第1の所定温度閾値より低い各温度区間に対応して設定された第2の所定温度以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第6の充電電流に変え、
ここで、第2の所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に複数のセル電池の中の最高温度が、第2の所定温度閾値より高い各温度区間に対応して設定された第3の所定温度以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に複数のセル電池の最高温度が第2の所定温度閾値より高い各温度区間に対応して設定された第4の所定温度以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第8の充電電流に変える、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置はさらに、
複数のセル電池の最高セル電圧に応じて、複数の電圧区間を設定することに用いられる電圧区間設定モジュールと、
各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる電圧区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第9の充電電流に変え、
充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第10の充電電流に変える、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記比較補正モジュールは、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取ることに用いられる比較及び低値選び取りユニットと、
前記第1の充電電流の値が小さい場合、前記第1の充電電流の値と電池温度の推定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成すること、及び前記第2の充電電流の値が小さい場合、前記第2の充電電流の値とセル電圧の測定誤差を考慮して誤差を解消するために得られた標定値としての公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することに用いられる補正ユニットと、を備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~6のいずれかに記載の直流充電電流を決定する方法を実行する車両全体コントローラを含む、
ことを特徴とする自動車。
【請求項12】
コンピュータ読み取り可能なコードが記憶されているメモリと、
1つ又は複数のプロセッサであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードは、前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されるとき、請求項1~6のいずれかに記載の直流充電電流を決定する方法を実行する1つ又は複数のプロセッサと、を備える、
ことを特徴とするコンピューティング処理機器。
【請求項13】
コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードがコンピューティング処理機器で実行されるとき、前記コンピューティング処理機器に請求項1~6のいずれかに記載の直流充電電流を決定する方法を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本開示は、2020年10月09日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号202011074538.9、発明の名称「直流充電電流を決定する方法、装置及び自動車」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は自動車制御の分野に関し、特に直流充電電流を決定する方法、装置及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、環境保護の要求の高まりとともに、新エネルギー車種が普及しており、特に、電池を駆動エネルギーとする電気自動車が大衆に好まれている。しかし、電気自動車の普及に伴い、それに伴う問題も多くなってきており、これらの問題を解決することは現在新エネルギー車種が直面する厳しい試練となる。
【0004】
多くの問題において充電スタンドの不足や充電時間が比較的長いという問題が特に重要になっており、充電時間を短縮するために急速充電、即ち直流充電が登場している。
【0005】
しかし、急速充電の充電電流設定と交流充電の充電電流設定には大きな差があり、急速充電電流の大きさの設定には、多方面の要因を考慮する必要があり、充電時間が比較的短いという要件に基づき、一般的に、急速充電の充電電流は、線形に変化して電流値が比較的大きく、線形に変化して電流値が比較的大きい充電電流は、電池の耐用年数及び性能に与える影響が非常に大きく、いかにして、充電時間を比較的短く保証するとともに、電池の耐用年数及び性能に与える影響を最小限にするかは、業界の早急な解決が求められている課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、急速充電電流の需要を満たすと共に、それによる電池の耐用年数及び性能に与える影響を最小限にするために、直流充電電流を決定する方法、装置及び自動車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本開示の実施例の第1の態様は直流充電電流を決定する方法を提供し、前記方法は、
電池温度に基づいて第1の充電電流を決定するステップと、
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定するステップと、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成するステップと、
電池温度に基づいて最高温度及び最高エレベータ電圧テーブルを検索して第4の充電電流を得るステップと、
前記第3の充電電流と前記第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧アタッチメント消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得るステップと、
前記直流充電電流を充電スタンドに送信するステップと、を含む。
【0008】
任意選択で、電池温度に基づいて第1の充電電流を決定する前に、さらに、
電池の初期温度に応じて、複数の温度区間を設定するステップと、
各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に電池の最低温度が対応する第1の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に電池の最低温度が対応する第2の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第6の充電電流に変え、
ここで、所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に電池の最高温度が対応する第3の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に電池の最高温度が対応する第4の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第8の充電電流に変える。
【0009】
任意選択で、電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定する前に、さらに、
電池の最高セル電圧に応じて、複数の電圧区間を設定するステップと、
各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第9の充電電流に変え、
充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第10の充電電流に変える。
【0010】
任意選択で、前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成するステップは、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取ることと、
前記第1の充電電流の値が小さい場合、前記第1の充電電流の値と公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することと、
前記第2の充電電流の値が小さい場合、前記第2の充電電流の値と前記公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することと、を含む。
【0011】
任意選択で、さらに、
電池の初期温度に応じて、開始温度区間、特殊温度区間及び終了温度区間を設定するステップと、
前記開始温度区間、前記特殊温度区間及び前記終了温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定するステップと、を含み、
ここで、前記開始温度区間内において、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第11の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値より低い場合、前記第1の充電電流を0に変え、
前記特殊温度区間内において、電池の最高温度が対応する第6の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第12の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第7の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第13の充電電流に変え、
前記終了温度区間内において、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第14の充電電流に変え、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値より高い場合、前記第1の充電電流を0に変える。
【0012】
任意選択で、さらに、
前記電池の最高セル電圧が所定電圧閾値以上である場合、前記第2の充電電流を0に変えるステップを含む。
【0013】
本開示の実施例の第2の態様は直流充電電流を決定する装置を提供し、前記装置は、
電池温度に基づいて第1の充電電流を決定することに用いられる第1の決定モジュールと、
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定することに用いられる第2の決定モジュールと、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成することに用いられる比較補正モジュールと、
電池温度に基づいて最高温度及び最高エレベータ電圧テーブルを検索して第4の充電電流を得ることに用いられるテーブル検索モジュールと、
前記第3の充電電流と前記第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧アタッチメント消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得ることに用いられる充電電流決定モジュールと、を備える。
【0014】
任意選択で、前記装置はさらに、
電池の初期温度に応じて、複数の温度区間を設定することに用いられる温度区間設定モジュールと、
各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる温度区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に電池の最低温度が対応する第1の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に電池の最低温度が対応する第2の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第6の充電電流に変え、
ここで、所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に電池の最高温度が対応する第3の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に電池の最高温度が対応する第4の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第8の充電電流に変える。
【0015】
任意選択で、前記装置はさらに、
電池の最高セル電圧に応じて、複数の電圧区間を設定することに用いられる電圧区間設定モジュールと、
各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる電圧区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第9の充電電流に変え、
充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第10の充電電流に変える。
【0016】
任意選択で、前記比較補正モジュールは、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取ることに用いられる比較及び低値選び取りユニットと、
前記第1の充電電流の値が小さい場合、前記第1の充電電流の値と公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成すること、及び前記第2の充電電流の値が小さい場合、前記第2の充電電流の値と前記公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することに用いられる補正ユニットと、を備える。
【0017】
任意選択で、前記温度区間設定モジュールはさらに、電池の初期温度に応じて、開始温度区間、特殊温度区間及び終了温度区間を設定することに用いられ、
前記温度区間電流設定モジュールはさらに、前記開始温度区間、前記特殊温度区間及び前記終了温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定することに用いられ、
ここで、前記開始温度区間内において、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第11の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値より低い場合、前記第1の充電電流を0に変え、
前記特殊温度区間内において、電池の最高温度が対応する第6の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第12の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第7の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第13の充電電流に変え、
前記終了温度区間内において、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第14の充電電流に変え、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値より高い場合、前記第1の充電電流を0に変える。
【0018】
任意選択で、前記電圧区間電流設定モジュールはさらに、前記電池の最高セル電圧が所定電圧閾値以上である場合、前記第2の充電電流を0に変えることに用いられる。
【0019】
本開示の実施例第3の態様は自動車を提供し、前記自動車は、
上記いずれかに記載の直流充電電流を決定する方法を実行する車両全体コントローラを含む。
【発明の効果】
【0020】
本開示により提供される直流充電電流を決定する方法は、電池温度に基づいて第1の充電電流を決定し、電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定した後、第1の充電電流と第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成し、当該第3の充電電流は電池温度及びセル電圧の要因を統合し、両者の低値を選び取り、充電電流の大きさを保証する上で、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えない。
【0021】
第3の充電電流の上で、電池温度に基づいて最高温度及び最高エレベータ電圧テーブルを検索して第4の充電電流を得た後、第3の充電電流と第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧アタッチメント消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得、最後、直流充電電流を充電スタンドに送信する。
【0022】
第3の充電電流が電池温度及びセル電圧の要因を既に統合し、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えないため、さらに第4の充電電流と比較した後に低値を選び取り、急速充電電流値の大きさをさらに正確にし、急速充電電流の需要を満たすと共に、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えず、且つ充電電流は線形に変化せず、一定の充電電流であり、それによる電池の耐用年数及び性能に対する影響を最小限にし、比較的高い実用的価値を有する。
【0023】
上記説明は、本開示の技術案の概要に過ぎず、本開示の技術的な手段をより明確に理解することを可能にするために、明細書の内容にしたがって実施でき、本開示の上記及び他の目的、特徴及び長所をより明確に分かりやすくするために、以下、本開示の具体的な実施形態を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下は本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下の説明における図面は本開示の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な仕事なしで、添付図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例における具体的な温度区間及び充電電流値の設定の例示図である。
図3】本開示の実施例おける具体的な電圧区間及び充電電流値の設定の例示図である。
図4】本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する装置のブロック図である。
図5】本開示による方法を実行するためのコンピューティング処理機器のブロック図を概略的に示す。
図6】本開示に係る方法を実現するプログラムコードを保持又は搬送するための記憶ユニットを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施例における図面を参照し、本開示の実施例における技術案を明確で完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の実施例の一部に過ぎない。本開示の実施例に基づき、当業者が創造な労働をしない前提で得た全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0026】
発明者らは、現在急速充電電流の大きさの設定には多方面の要因を考慮する必要があり、充電時間が比較的短いという要件に基づき、一般的に急速充電の充電電流は線形に変化し且つ電流値が比較的大きく、線形に変化し且つ電流値が比較的大きい充電電流は電池の現在の温度要因で許容される充電電流上限を超える可能性があり、電池の現在のセル電圧要因で許容される充電電流上限を超える可能性もあり、且つ充電電流の線形変化は安定せず、電流値が大きくなったり小さくなったりという繰り返し変化を示し、持続的に大きく又は持続的に小さくなることではないことを発見する。
【0027】
そのため上記状況はいずれも電池の耐用年数及び性能に深刻な影響を与え、電池の耐用年数が比較的短く、電池の性能が比較的悪く、間接的にユーザの運転体験感が悪く、ユーザは比較的短い時間で電池をメンテナンスしさらに交換する必要がある可能性があり、これは同様に間接的にユーザの使用コストを向上させ、比較的悪い使用感をもたらす。
【0028】
上記問題に対し、発明者らは大量の研究、計算、シミュレーション及び実地試験を行い、本開示の直流充電電流を決定する方法を創造的に提出し、以下は本開示の技術案を詳細に記述及び説明する。
【0029】
図1は本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する方法のフローチャートを示す。当該方法は、ステップ101~105を含む。
【0030】
ステップ101において、電池温度に基づいて第1の充電電流を決定する。
【0031】
本開示の実施例では、電気自動車が充電を行う前に、即ち、電気自動車が直流充電スタンドにアクセスする前に、まず、電池温度に基づいて第1の充電電流を決定する。いわゆる第1の充電電流は即ち電池の現在温度要因に基づいて許容される充電電流の上限値である。
【0032】
本開示の実施例では、電池の現在温度要因に基づいて許容される充電電流の上限値をさらに正確にするために、発明者らは以下の思想を創造的に提出する。
【0033】
電池の初期温度に応じて、複数の温度区間を設定した後、さらに各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定する。即ち、電池が充電されようとしているときの現在温度に基づき、複数の温度区間を設定し、電池の特殊性により、温度は重要で敏感な要因であり、一般的に、電池の動作効率及び耐用年数、性能などの多方面の要因に基づき、電気自動車は、電池の温度を維持するために、エアコンなどの機器により電池を加熱及び放熱する。しかし、実際には、環境温度、動作状態などの要因に限定されて電池温度は様々な大きさがあり、電池の現在温度、即ち初期温度に基づいて複数の温度区間を設定する必要があるが、温度区間毎に、また充電プロセスにおける様々な要因を考慮して、発明者らはさらに細かく、対象的に区分しており、詳細な技術案は以下に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0034】
ステップ102において、電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定する。
【0035】
本開示の実施例では、同様に、電気自動車が充電を行う前に、即ち、電気自動車が直流充電スタンドにアクセスする前に、さらに電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定する必要がある。いわゆる第2の充電電流は即ち電池の現在セル電圧要因に基づいて許容される充電電流の上限値である。
【0036】
本開示の実施例では、電池の現在セル電圧要因に基づいて許容される充電電流の上限値をさらに正確にするために、発明者らは以下の思想を創造的に提出する。
電池の最高セル電圧に応じて、複数の温度区間を設定した後、さらに各温度区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定する。即ち、電池が充電されようとしているときの現在の最高セル電圧に基づき、複数の温度区間を設定する。電池の特殊性により、最高セル電圧は同様に重要で敏感な要因であり、一般的に、電気自動車は電池モジュールを使用し、電池モジュールは複数のセル電池を含み、電池の動作効率、耐用年数、性能及び製造工程などの多方面の要因に基づき、電池毎のセル電圧はわずかに異なる可能性がある。しかし、実際には、製造工程、動作状態などの要因に限定され、使用時間の増加に伴い、各電池のセル電圧が不可避的に変化し、相互間の電圧値の差分が増大する可能性があり、且つ電池が満充電時の電圧は一般的にその電圧許容上限値であり、一定時間使用した後の電池電圧が自然に低下し、同様に、充電前の電池の電圧が比較的低く、充電の進行に伴い、電池電圧が徐々に上昇し、且つ各電池のセル電圧値の大きさが異なる。従って、電池の現在の最高セル電圧に基づき、複数の温度区間を設定する必要があるが、温度区間毎に、また充電プロセスにおける電圧上昇などの要因を考慮して、発明者らはさらに細かく、対象的に区分しており、詳細な技術案は以下に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
ステップ103において、第1の充電電流と第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成する。
【0038】
本開示の実施例では、第1の充電電流及び第2の充電電流を決定した後、第1の充電電流と第2の充電電流の大きさを比較し、両者のうち低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成する。いわゆる補正とは、第1の充電電流及び第2の充電電流の低値を選び取った後、さらに1つの公称値を減算し、充電電流をさらに低下させることであり、補正後の低値は即ち第3の充電電流である。補正するのは、電池の温度値が推定値であり、それが十分に正確ではなく、最高セル電圧値が実際に測定されたものであるが、不可避的に誤差があり、推定の不正確及び測定誤差による充電電流値が高い可能性があるという問題を解消するために、標定値を提供し、当該標定値は大量の計算、シミュレーション及び実測を経た後に得られた代表値であり、推定の不正確及び測定誤差による充電電流値が高い可能性があるという問題を解消することを保証すると共に、急速充電電流の需要の大きさを満たすからである。従って、第1の充電電流と第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に補正してから第3の充電電流を形成する。
【0039】
当然のことながら、第1の充電電流と第2の充電電流を比較した後、第1の充電電流の値が小さい場合、第1の充電電流の値と公称値との差分を取って第3の充電電流を形成し、第1の充電電流と第2の充電電流を比較した後、第2の充電電流の値が小さい場合、第2の充電電流の値と公称値との差分を取って第3の充電電流を形成する。
【0040】
ステップ104において、電池温度に基づいて電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索して第4の充電電流を得る。
【0041】
本開示の実施例では、第3の充電電流を決定した後、さらに電池の現在温度に基づいて電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索して第4の充電電流を得る必要がある。電池温度及び充電電流上限値テーブルは既知の電池温度に対応する充電電流のテーブルであり、当該テーブルに基づいて得られた充電電流は現在の温度で許容される上限値であり、線形に変化する値でもある。当該テーブルにより、電池の現在温度における充電電流上限値を得ることができる。
【0042】
ステップ105において、第3の充電電流と第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧充電アタッチメントの消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得る。
【0043】
本開示の実施例では、第3の充電電流及び第4の充電電流を決定した後、第3の充電電流と第4の充電電流の大きさを再び比較し、両者のうち低値を選び取って高圧充電アタッチメントの消費電流と加算し、最終的に電池充電に必要な直流充電電流を得る。
【0044】
本開示の実施例では、第3の充電電流は既に電池の現在温度及び現在の最高セル電圧の要因を統合し、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えないため、第4の充電電流と比較して低値をさらに選び取ると、全ての他の可能な要因による決定された充電電流が高いという問題をさらに解消し、急速充電電流値の大きさを正確にし、急速充電電流の需要を満たすと共に、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えないだけでなく、且つ充電電流は一定の充電電流であり、電池の現在温度要因で許容される充電電流の上限を超える問題が存在せず、電池の現在のセル電圧要因で許容される充電電流の上限を超える問題も存在せず、さらに充電電流の電流値が大きくなったり小さくなったりという繰り返し変化の問題が存在せず、現在の急速充電による電池の耐用年数及び性能に与える影響を最小限にする。
【0045】
なお、最終的に電池充電に必要な直流充電電流を得た後、さらに当該直流充電電流の値を充電スタンドなどの充電機器に送信してから、電気自動車は充電し始める必要がある。充電プロセスでは、電池温度及びセル電圧の変化につれて、上記ステップ101~ステップ105の技術案に応じて、充電電流を自動的に再決定することができる。理解されるように、充電プロセスにおいて、電池の温度及びセル電圧は緩やかに変化し、急変する可能性がなく、したがって電池の現在温度及び現在の最高セル電圧が現在の区間範囲にある場合、充電電流はほとんど変化せず、一定値であり、電池の現在温度又は現在の最高セル電圧が他の区間範囲に変化する場合にのみ、充電電流は他の値に変化する可能性があり、且つ他の値に変化した後、他の区間範囲に再び変化することが発生する前に、いずれも当該値で充電し、大きく又は小さくなることは発生しない。
【0046】
以下、本開示の実施例における電池の初期温度に基づき、複数の温度区間を設定するという技術案、及び電池の最高セル電圧に基づき、複数の電圧区間を設定するという技術案に対して、それぞれ詳しく説明する。
【0047】
電池の初期温度については、電池の特性により、開始温度区間、特殊温度区間、終了温度区間及び通常温度区間を設定する必要がある。
【0048】
いわゆる開始温度区間とは、電池の現在の最低温度が一定温度値より高い場合にのみ電池の充電を許可し、当該値より低い場合には電池の充電を許可しないことを意味し、これは電池を保護するためである。例えば、現在知られているように、電池の初期最低温度が-20℃より低い場合、充電を行うことができず、そうでない場合、電池の耐用年数及び性能に深刻な影響を与える。このため、開始温度区間を設定する必要がある。
【0049】
いわゆる特殊温度区間とは、電池が当該温度区間内で、温度が高くなると電池の最高温度がある値以上になると充電電流を変化させることを考慮する必要があり、温度が低くなると電池の最低温度がある値以下になると充電電流を変化させることを考慮する必要があることである。例えば、現在知られているように、15℃は比較的特殊な値であり、電池の最高温度が15℃以上である場合、電池の最高温度に基づいて充電電流を考慮する必要があり、15℃以下である場合、電池の最低温度に基づいて充電電流を考慮する必要がある。当該値は即ち所定温度閾値である。
【0050】
いわゆる終了温度区間とは、電池の現在の最高温度が一定温度値より高い場合には電池の充電を許可せず、最高温度が当該値以下である場合にのみ電池の充電を許可することであり、これは電池を保護するためである。例えば、現在知られているように、電池の初期最高温度が55℃より高い場合、充電を行うことができず、そうでない場合、電池の耐用年数及び性能に深刻な影響を与える。このため、終了温度区間を設定する必要がある。
【0051】
いわゆる通常温度区間とは、上記開始温度区間、特殊温度区間、終了温度区間を除いた他の温度区間である。所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に電池温度が上昇する可能性があり、その最低温度が対応する第1の所定電流値以上に上昇する場合、第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に電池温度が低下する可能性もあり、その最低温度が対応する第2の所定電流値以下に低下する場合、第1の充電電流を第6の充電電流に変える。
【0052】
所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に電池温度が上昇する可能性があり、その最高温度が対応する第3の所定電流値以上に上昇する場合、第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に電池温度が低下する可能性もあり、その最高温度が対応する第4の所定電流値以下に低下する場合、第1の充電電流を第8の充電電流に変える。
【0053】
本開示の実施例では、開始温度区間内については、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値以上である場合、第1の充電電流を第11の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値より低い場合、第1の充電電流を0に変え、特殊温度区間内については、電池の最高温度が対応する第6の所定電流値以上である場合、第1の充電電流を第12の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第7の所定電流値以下である場合、第1の充電電流を第13の充電電流に変え、終了温度区間内については、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値以下である場合、第1の充電電流を第14の充電電流に変え、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値より高い場合、第1の充電電流を0に変える。
【0054】
上記電池の初期温度については、複数の温度区間、及び各温度区間の充電電流を設定することは、図2を参照してさらに明確に説明することができ、図2は本開示の実施例における具体的な温度区間及び充電電流値の設定の例示図である。
【0055】
1)、電池の初期最低温度が-20℃(図2において、Tmin≦-20℃)より低い場合、当該温度区間に基づく充電電流を0A(図2において、DC charger current=0A)に設定し、つまり、電池の充電は許可しないことであり、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最低温度が-15℃(図2において、Tmin≧-15℃)以上である場合、充電電流を7.8A*SOH(図2において、DC charger current=7.8A*SOH)に変える。SOHはstate of heathの略称であり、中国語では健康状態を意味する。
【0056】
2)、電池の初期温度が[-19℃,-6℃](図2において、-19℃≦Tmin≦-6℃)にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を7.8A*SOH(図2において、DC charger current=7.8A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最低温度が-3℃以上(図2において、Tmin≧-3℃)である場合、充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最低温度が-20℃以下(図2において、Tmin≦-20℃)である場合、充電電流を0(図2において、DC charger current=0A)に変える。
【0057】
3)、電池の初期温度が[-5℃,4℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最低温度が7℃以上(図2において、Tmin≧7℃)である場合、充電電流を31.2A*SOH(図2において、DC charger current=31.2A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最低温度が-8℃以下(図2において、Tmin≦-8℃)である場合、充電電流を7.8A*SOH(図2において、DC charger current=7.8A*SOH)に変える。
【0058】
4)、電池の初期温度が[5℃,14℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を31.2A*SOH(図2において、DC charger current=31.2A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最高温度が15℃以上(図2において、Tmax≧15℃)である場合、充電電流を78A*SOH(図2において、DC charger current=78A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最低温度が3℃以下(図2において、Tmin≦3℃)である場合、充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に変える。
【0059】
5)、電池の初期温度が[15℃,19℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を78A*SOH(図2において、DC charger current=78A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最高温度が22℃以上(図2において、Tmax≧22℃)である場合、充電電流を156A*SOH(図2において、DC charger current=156A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最高温度が13℃以下(図2において、Tmax≦13℃)である場合、充電電流を31.2A*SOH(図2において、DC charger current=31.2A*SOH)に変える。
【0060】
6)、電池の初期温度が[20℃,40℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を156A*SOH(図2において、DC charger current=156A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最高温度が43℃以上(図2において、Tmax≧43℃)である場合、充電電流を51A*SOH(図2において、DC charger current=51A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最高温度が17℃以下(図2において、Tmax≦17℃)である場合、充電電流を78A*SOH(図2において、DC charger current=78A*SOH)に変える。
【0061】
7)、電池の初期温度が[41℃,52℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を51A*SOH(図2において、DC charger current=51A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最高温度が53℃以上(図2において、Tmax≧53℃)である場合、充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最高温度が38℃以下(図2において、Tmax≦38℃)である場合、充電電流を156A*SOH(図2において、DC charger current=156A*SOH)に変える。
【0062】
8)、電池の初期温度が[53℃,54℃]にある場合、当該温度区間に基づく充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に設定し、その後、電池温度が上昇すると、電池の現在温度の最高温度が55℃以上(図2において、Tmax≧55℃)である場合、充電電流を0A(図2において、DC charger current=0A)に変え、同様に、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最高温度が50℃以下(図2において、Tmax≦50℃)である場合、充電電流を51A*SOH(図2において、DC charger current=51A*SOH)に変える。
【0063】
9)、電池の初期最高温度が55℃(図2において、Tmax=55℃)である場合、当該温度区間に基づく充電電流を0(図2において、DC charger current=0A)に設定し、即ち、電池の充電は許可せず、電池を冷却する必要があり、電池温度が低下すると、電池の現在温度の最高温度が54℃(図2において、Tmax≦54℃)以下である場合、充電電流を15.6A*SOH(図2において、DC charger current=15.6A*SOH)に変える。
【0064】
上記9つの温度区間のうち、電池の初期最低温度が-20℃より低い温度区間は開始温度区間であり、電池の初期温度が[5℃,14℃]にある温度区間は特殊温度区間であり、電池の初期最高温度が55℃以上である温度区間は終了温度区間であり、残りは通常温度区間である。
【0065】
なお、一般的に、電池の充電中に電池温度は緩やかに上昇するが、外部環境温度が悪すぎる場合、電池が充電しているにもかかわらず、電池温度が低下している場合もある。当然のことながら、様々な条件、要因が許容される場合、電池の温度を上昇させて電池をより優れた状態で充電させるために、加熱機能を用いて電池を加熱する可能性もある。
【0066】
電池のセル電圧については、電池の特性により、電池のセル電圧は充電につれて上昇する可能性があり、従って電池の最高セル電圧に応じて、複数の電圧区間を設定し、各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定する。
【0067】
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値より低い場合、第2の充電電流を第9の充電電流に変え、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、第2の充電電流を第10の充電電流に変える。1つの特殊な場合もあり、電池の最高セル電圧が所定電圧閾値以上である場合、第2の充電電流を0に変える。例えば、電池の所定電圧閾値が4.2Vである場合、電池の最高セル電圧が4.2Vに達すると、電池を充電し続けることはできない。
【0068】
上記電池の最高セル電圧については、複数の電圧区間、及び各電圧区間の充電電流を設定することは、図3を参照してさらに明確に説明することができ、図3は本開示の実施例おける具体的な電圧区間及び充電電流値の設定の例示図である。
【0069】
電池の最高セル電圧に応じて、最高セル電圧がV1より低い電圧区間(図3において、Maximum cell voltage<V1)、最高セル電圧がV1以上であり且つV2より低い電圧区間(図3において、V1≦Maximum cell voltage<V2)、最高セル電圧がV2以上であり且つV3より低い電圧区間(図3において、V2≦Maximum cell voltage<V3)、最高セル電圧がV3以上であり且つV4より低い電圧区間(図3において、V3≦Maximum cell voltage<V4)、最高セル電圧がV4以上であり且つV5より低い電圧区間(図3において、V4≦Maximum cell voltage<V5)、最高セル電圧がV5以上であり且つV6より低い電圧区間(図3において、V5≦Maximum cell voltage<V6)、及び最高セル電圧が4.2V以上である電圧区間(図3において、Maximum cell voltage≧4.2)という7つの電圧区間を設定する。
【0070】
ここで、V1、V2、V3、V4、V5、V6の値は下表に示すとおりである。
【0071】
電池の現在の最高セル電圧がV1より低い電圧区間(図3において、Maximum cell voltage<V1)にある場合、当該電圧区間に基づく充電電流を15.6A(図3において、15.6A*SOH)に設定し、電池の現在の最高セル電圧がV1以上であり且つV2より低い電圧区間(図3において、V1≦Maximum cell voltage<V2)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧がV1以上であり且つV2より低い電圧区間(図3において、V1≦Maximum cell voltage<V2)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を156A(図3において、156A*SOH)に変え、電池の現在の最高セル電圧がV2以上であり且つV3より低い電圧区間(図3において、V2≦Maximum cell voltage<V3)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧がV2以上であり且つV3より低い電圧区間(図3において、V2≦Maximum cell voltage<V3)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を109.2A(図3において、109.2A*SOH)に変える。
【0072】
電池の現在の最高セル電圧がV3以上であり且つV4より低い電圧区間(図3において、V3≦Maximum cell voltage<V4)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧がV3以上であり且つV4より低い電圧区間(図3において、V3≦Maximum cell voltage<V4)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を78A(図3において、78A*SOH)に変え、電池の現在の最高セル電圧がV4以上であり且つV5より低い電圧区間(図3において、V4≦Maximum cell voltage<V5)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧がV4以上であり且つV5より低い電圧区間(図3において、V4≦Maximum cell voltage<V5)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を51.5A(図3において、51.5A*SOH)に変える。
【0073】
電池の現在の最高セル電圧がV5以上であり且つV6より低い電圧区間(図3において、V5≦Maximum cell voltage<V6)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧がV5以上であり且つV6より低い電圧区間(図3において、V5≦Maximum cell voltage<V6)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を15.6A(図3において、15.6A*SOH)に変え、電池の現在の最高セル電圧が4.2V以上の電圧区間(図3において、Maximum cell voltage≧4.2)にある場合、又は充電につれて電池の現在の最高セル電圧が4.2V以上の電圧区間(図3において、Maximum cell voltage≧4.2)に上昇すると、当該電圧区間に基づく充電電流を0A(図3において、0A)に変える。
【0074】
上記の例と合わせて、簡単な例を挙げると、本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する方法を説明し、電池の初期温度が26℃で、最高セル電圧が3.98Vであると仮定すると、初期温度26℃ に基づき、それが[20℃ ,40℃ ] という温度区間にあり、設定された充電電流は156A* SOHであるべきであるが、最高セル電圧3.98Vに基づき、それが3.875V以上であり且つ4.13Vより低い電圧区間にあり、設定された充電電流は109.2A*SOHであるべきである。両者の充電電流の大きさを比較した後に低値を選び取り、充電電流は109.2A*SOHであるべきであり、またそれを補正し、公称値が1.2であると仮定すると、補正後の充電電流は108A*SOHであり、その後に電池温度26℃度に基づいて電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索し、得られた対応する充電電流は156A*SOHであり、両者の大きさを比較して低値を選び取り、充電電流は即ち108A*SOHであり、また高圧充電アタッチメントの消費電流と加算し、高圧充電アタッチメントの消費電流が10A*SOHであると仮定し、最終的に得られた電池充電に必要な直流充電電流は118A*SOHであり、当該数値を充電スタンドに送信すればよい。その後、電池温度が最高温度43℃以上に上昇すると、対応する充電電流は51A*SOHであり、またその時の最高セル電圧に基づいて対応する充電電流を決定し、再び上記ステップを繰り返し、再び電池充電に必要な新たな直流充電電流を得て、当該新たな数値を充電スタンドに送信すればよい。
【0075】
本開示の実施例はさらに直流充電電流を決定する装置を提供し、図4に示すのは、本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する装置のブロック図であり、前記装置は、電池温度に基づいて第1の充電電流を決定することに用いられる第1の決定モジュール410と、
電池のセル電圧に基づいて第2の充電電流を決定することに用いられる第2の決定モジュール420と、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取って補正し、第3の充電電流を形成することに用いられる比較補正モジュール430と、
電池温度に基づいて電池温度及び充電電流上限値テーブルを検索して第4の充電電流を得ることに用いられるテーブル検索モジュール440と、
前記第3の充電電流と前記第4の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取った後に高圧充電アタッチメントの消費電流と加算し、電池充電に必要な直流充電電流を得ることに用いられる充電電流決定モジュール450と、を備える。
【0076】
任意選択で、前記装置はさらに、
電池の初期温度に応じて、複数の温度区間を設定することに用いられる温度区間設定モジュールと、
各温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる温度区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、所定温度閾値より低い各温度区間に対して、充電中に電池の最低温度が対応する第1の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第5の充電電流に変え、充電中に電池の最低温度が対応する第2の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第6の充電電流に変え、
ここで、所定温度閾値より高い各温度区間に対して、充電中に電池の最高温度が対応する第3の所定電流値以上に上昇する場合、前記第1の充電電流を第7の充電電流に変え、充電中に電池の最高温度が対応する第4の所定電流値以下に低下する場合、前記第1の充電電流を第8の充電電流に変える。
【0077】
任意選択で、前記装置はさらに、
電池の最高セル電圧に応じて、複数の電圧区間を設定することに用いられる電圧区間設定モジュールと、
各電圧区間に対応する第2の充電電流をそれぞれ設定することに用いられる電圧区間電流設定モジュールと、を備え、
ここで、充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第9の充電電流に変え、
充電中に電池の最高セル電圧が対応する第1の所定電圧値以上であり、且つ第2の所定電圧値より低い場合、前記第2の充電電流を第10の充電電流に変える。
【0078】
任意選択で、前記比較補正モジュール430は、
前記第1の充電電流と前記第2の充電電流の大きさを比較し、低値を選び取ることに用いられる比較及び低値選び取りユニットと、
前記第1の充電電流の値が小さい場合、前記第1の充電電流の値と公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成すること、及び前記第2の充電電流の値が小さい場合、前記第2の充電電流の値と前記公称値との差分を取って前記第3の充電電流を形成することに用いられる補正ユニットと、を備える。
【0079】
任意選択で、前記温度区間設定モジュールはさらに、電池の初期温度に応じて、開始温度区間、特殊温度区間及び終了温度区間を設定することに用いられ、
前記温度区間電流設定モジュールはさらに、前記開始温度区間、前記特殊温度区間及び前記終了温度区間に対応する第1の充電電流をそれぞれ設定することに用いられ、
ここで、前記開始温度区間内において、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第11の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第5の所定電流値より低い場合、前記第1の充電電流を0に変え、
前記特殊温度区間内において、電池の最高温度が対応する第6の所定電流値以上である場合、前記第1の充電電流を第12の充電電流に変え、電池の最低温度が対応する第7の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第13の充電電流に変え、
前記終了温度区間内において、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値以下である場合、前記第1の充電電流を第14の充電電流に変え、電池の最高温度が対応する第8の所定電流値より高い場合、前記第1の充電電流を0に変える。
【0080】
任意選択で、前記電圧区間電流設定モジュールはさらに、前記電池の最高セル電圧が所定電圧閾値以上である場合、前記第2の充電電流を0に変えることに用いられる。
【0081】
本開示の実施例はさらに自動車を提供し、前記自動車は、上記ステップ101~ステップ105のいずれかに記載の直流充電電流を決定する方法を実行する車両全体コントローラを備える。
【0082】
上記実施例によれば、本開示の実施例に係る直流充電電流を決定する方法は、電池温度及びセル電圧の要因を統合的に考え、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えないようにし、さらにテーブルを検索して得られた充電電流と比較した後に低値を選び取り、急速充電電流値の大きさをさらに正確にし、急速充電電流の需要を満たすと共に、電池温度及びセル電圧の要因での充電電流上限値を超えないだけでなく、且つ充電電流は一定の充電電流であり、電池の現在温度要因で許容される充電電流の上限を超える問題が存在せず、電池の現在のセル電圧要因で許容される充電電流の上限を超える問題も存在せず、さらに充電電流の電流値が大きくなったり小さくなったりという繰り返し変化の問題が存在せず、現在の急速充電による電池の耐用年数及び性能に与える影響を最小限にし、比較的高い実用的価値を有する。
【0083】
以上に説明した装置の実施例は単に例示的なものであり、そのうち前記分離部材として説明したユニットは物理的に分離してもよく又はなくてもよく、ユニットとして表示された部材は物理的ユニットであってもよく又はなくてもよく、即ち1箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又は全部のモジュールを選択して本実施例の解決手段の目的を実現することができる。当業者は創造的な労働をかけることなく、理解して実施することができる。
【0084】
本開示の各部材の実施例は、ハードウェアにより実現されてもよいし、1つ又は複数のプロセッサ上で動作するソフトウェアモジュールにより実現されてもよいし、それらの組み合わせにより実現されてもよい。当業者であれば理解されるように、実際にはマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を用いて本開示の実施例に係るコンピューティング処理機器の一部又は全部の部材の一部又は全部の機能を実現することができる。本開示はまたここで説明した方法の一部又は全部を実行するための機器又は装置プログラム(例えば、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品)として実現することができる。このような本開示を実現するためのプログラムはコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されてもよく、又は1つ又は複数の信号の形態を有してもよい。このような信号はインターネットサイトからダウンロードして取得されてもよく、又はキャリア信号に提供され、又は任意の他の形態で提供されてもよい。
【0085】
例えば、図5は本開示による方法を実現できるコンピューティング処理機器を示す。当該コンピューティング処理機器は、従来、プロセッサ1010と、メモリ1020としてのコンピュータプログラム製品又はコンピュータ読み取り可能な媒体とを備える。メモリ1020は、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ)、EPROM、ハードディスク、又はROMなどの電子的なメモリであってもよい。メモリ1020は、上記いずれかの方法のステップを実行するためのプログラムコード1031の記憶空間1030を有する。例えば、プログラムコード用記憶空間1030は、上述した方法の各ステップをそれぞれ実現するための各プログラムコード1031を含んでもよい。これらのプログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品から読み出されてもよく、又はこの1つ又は複数のコンピュータプログラム製品に書き込まれてもよい。これらのコンピュータプログラム製品は、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、メモリカード、又はフロッピーディスクなどのプログラムコード担体を含む。このようなコンピュータプログラム製品は一般的に図6を参照して説明したような携帯又は固定記憶ユニットである。当該記憶ユニットは、図5のコンピューティング処理機器におけるメモリ1020と同様に配置された記憶部や記憶空間などを有していてもよい。プログラムコードは、例えば、適切な形式で圧縮されてもよい。通常、記憶ユニットは、コンピュータ読み取り可能なコード1031’、即ち、例えば1010などのプロセッサによって読み取り可能なコードを含み、これらのコードは、コンピューティング処理機器によって実行されたとき、当該コンピューティング処理機器に、上述の方法の様々なステップを実行させる。
【0086】
なお、本明細書では、用語「含む」、「含有」又はそのいずれかの他の変形は非排他的な包含を含むことを意図し、それにより一連の要因を含むプロセス、方法、物品又は装置はそれらの要因を含むだけでなく、また明確に列挙されない他の要因を含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要因を含む。より多くの制限がない場合、文「1つの…を含む」により限定された要因は、当該要因を含むプロセス、方法、物品又は装置にさらに他の同じ要因が存在することを排除するものではない。
【0087】
以上は図面を参照して本開示の実施例を説明したが、本開示は上記具体的な実施形態に限定されるものではなく、上記具体的な実施形態は単に例示的なものであり、限定的なものではなく、当業者は本開示の示唆の下で、本開示の趣旨及び特許請求の範囲から逸脱することなく、さらに多くの形態を取ることができ、これらはいずれも本開示の保護内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6