(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20241022BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20241022BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241022BHJP
H04W 52/18 20090101ALI20241022BHJP
H04W 52/38 20090101ALI20241022BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20241022BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W8/24
H04W16/28
H04W52/18
H04W52/38
H04W88/02 140
(21)【出願番号】P 2023524806
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2021125791
(87)【国際公開番号】W WO2022083752
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】202011148642.8
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011458095.3
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011565451.1
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲駱▼ ▲亞▼娟
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】高 秋彬
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲潤▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 秋▲萍▼
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/027863(WO,A1)
【文献】OPPO,Enhancements on Multi-Beam Operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005983,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005983.zip>,2020年08月07日
【文献】NTT DOCOMO, INC,Discussion on multi-beam operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006951,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006951.zip>,2020年08月10日
【文献】Qualcomm Incorporated,Enhancements on Multi-beam Operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006790,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006790.zip>,2020年08月08日
【文献】ZTE,Enhancements on Multi-beam Operation[online],3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2005454,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2005454.zip>,2020年08月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスに補助情報を送信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時
の端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含
み、
前記した、前記ネットワークデバイスに補助情報を送信することは、前記ネットワークデバイスから送信された通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信すること、又は、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信すること、を含むことを特徴とする、パネル選択方法。
【請求項2】
前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、MPEイベント、及び/又は、
1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRPをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のパネル選択方法。
【請求項3】
前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つの前記CSI-RSに関連付けられることと、各CSI-RSを測定して、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する参考信号受信電力RSRPを得、前記RSRPに基づいて前記パネルに対応する上り送信電力を推定し、前記パネルに対応する電力低減値に基づいて前記パネルの電力低減後の上り送信電力を決定し、電力低減後の上り送信電力値が最も高いパネルに関連付けられる参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のパネル選択方法。
【請求項4】
メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、ネットワークデバイスに要求情報を送信することは、
前記端末は前記MAC CEを介して前記要求情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含むことを特徴とする、請求項3に記載のパネル選択方法。
【請求項5】
メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合、前記端末は前記MAC CEを介して前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含み、
前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含むことを特徴とする、請求項3に記載のパネル選択方法。
【請求項6】
前記した、前記ネットワークデバイスから送信される通知情報を受信する前に、
能力情報を前記ネットワークデバイスに報告することをさらに含み、前記能力情報は前記端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用されることを特徴とする、請求項
1に記載のパネル選択方法。
【請求項7】
前記した、前記通知情報に基づいて前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信する前に、
各パネルにより前記ネットワークデバイスに設定された参考信号に対してRSRP測定を行い、各パネルで測定された参考信号のRSRPを得ることと、
各パネルで測定された参考信号のRSRP及び各パネルのP-MPR値に基づいて、上り送信電力値が最も高い参考信号を決定し、前記送信電力値が最も高い参考信号を前記上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、をさらに含むことを特徴とする、請求項
1に記載のパネル選択方法。
【請求項8】
端末が送信した補助情報を受信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時
の端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定することと、
前記端末に指示情報を送信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含
み、
前記した、前記端末が送信した補助情報を受信することは、通知情報を前記端末に送信し、前記端末が前記通知情報に基づいて送信した前記補助情報を受信すること、又は、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信すること、を含むことを特徴とする、パネル選択方法。
【請求項9】
前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、MPEイベント、及び/又は、
1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRPをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載のパネル選択方法。
【請求項10】
前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
前記端末から送信された要求情報を受信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うため
にネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つの前記CSI-RSに関連付けられることと、
ビーム走査を行うために、前記要求情報に基づいて前記少なくとも1つのCSI-RSを送信することと、を含み、
前記した、通知情報を前記端末に送信する前に、
前記端末から送信された能力情報を受信することをさらに含み、前記能力情報は前記端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用されることを特徴とする、請求項8又は9に記載のパネル選択方法。
【請求項11】
MAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、前記端末から送信された要求情報を受信することは、
前記ネットワークデバイスは、前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記要求情報を受信することを含むことを特徴とする、請求項10に記載のパネル選択方法。
【請求項12】
メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
ネットワークデバイスは、前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記補助情報を受信することを含み、
前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含むことを特徴とする、請求項10に記載のパネル選択方法。
【請求項13】
前記補助情報に基づいて端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定することは、
前記補助情報が上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む場合、前記上り伝送に必要な最適な参考信号に対応するパネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとして決定すること、又は、
前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値に基づいて上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを決定し、前記上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとして決定すること、を含むことを特徴とする、請求項8に記載のパネル選択方法。
【請求項14】
ネットワークデバイスに補助情報を送信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時
の端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む送信モジュールと、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される受信モジュールと、を含
み、
前記送信モジュールは、前記ネットワークデバイスから送信された通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信するための第1送信ユニット、又は、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信するための第2送信ユニット、を含むことを特徴とする、パネル選択装置。
【請求項15】
端末が送信した補助情報を受信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時
の端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む受信モジュールと、
前記補助情報に基づいて、端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定するための決定モジュールと、
前記端末に指示情報を送信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される送信モジュールと、を含
み、
前記受信モジュールは、通知情報を前記端末に送信し、前記端末が前記通知情報に基づいて送信した前記補助情報を受信するための第1受信ユニット、又は、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信するための第2受信ユニット、を含むことを特徴とする、パネル選択装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年10月23日に提出された、出願番号が2020111486428であり、発明の名称が「パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、引用によりすべて本文に組み込まれ、2020年12月10日に提出された、出願番号が2020114580953であり、発明の名称が「パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、引用によりすべて本文に組み込まれ、2020年12月25日に提出された、出願番号が2020115654511であり、発明の名称が「パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、引用によりすべて本文に組み込まれる。
【0002】
本開示は、通信の技術分野に関し、特に、パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチアンテナパネルの端末が上り伝送を行う際、アンテナパネルが人体に向かって、一定期間継続していることが検出された場合、人体へ危害を与えないようにするために、従来の処理メカニズムは、電力低減を行い、つまり、上り送信電力を減らすことである。しかし、電力低減により、上りカバーが悪くなることをもたらす。電力低減によりマルチパネル端末の上りカバーが悪くなることをどのように回避又は減少するかは、現在考慮すべき課題である。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態は、マルチパネル端末にMPE問題が発生した場合にネットワークデバイスがパネル選択を正確に行うことができないことによる上りカバー損失の問題を解決するために、パネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体を提供する。
【0005】
第1態様において、本願の実施形態は、パネル選択方法を提供し、当該方法は、
ネットワークデバイスに補助情報を送信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含む。
【0006】
第2態様において、本願の実施形態は、パネル選択方法を提供し、当該方法は、
端末が送信した補助情報を受信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定することと、
前記端末に指示情報を送信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含む。
【0007】
第3態様において、本願の実施形態は、メモリ、送受信機、プロセッサを含む端末を提供し、
メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために使用され、送受信機は、前記プロセッサの制御下でデータを送受信するために使用され、プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み出し、
ネットワークデバイスに補助情報を送信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含む操作を実行するために使用される。
【0008】
第4態様において、本願の実施形態は、メモリ、送受信機、プロセッサを含むネットワークデバイスを提供し、
メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために使用され、送受信機は、前記プロセッサの制御下でデータを送受信するために使用され、プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み出し、
端末が送信した補助情報を受信することであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定することと、
前記端末に指示情報を送信することであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用されることと、を含む操作を実行するために使用される。
【0009】
第5態様において、本願の実施形態は、パネル選択装置を提供し、当該パネル選択装置は、
ネットワークデバイスに補助情報を送信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む送信モジュールと、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される受信モジュールと、を含む。
【0010】
第6態様において、本願の実施形態は、パネル選択装置を提供し、当該パネル選択装置は、
端末が送信した補助情報を受信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む受信モジュールと、
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定するための決定モジュールと、
前記端末に指示情報を送信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される送信モジュールと、を含む。
【0011】
第7態様において、本願の実施形態は、プロセッサに第1態様又は第2態様に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラムが記憶されているプロセッサ可読記憶媒体を提供する。
【0012】
本願の実施形態によって提供されるパネル選択方法、端末、ネットワークデバイス及び記憶媒体は、ネットワークデバイスに、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報又はMPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む補助情報を送信することにより、当該補助情報に基づいて、端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができ、それにより、ネットワークデバイスは、当該補助情報に基づいて端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを正確に指示するか、又は端末に上りビーム走査を行うことを指示することができ、MPE問題による上りカバー損失を低減する。
【0013】
以下、本願の実施形態又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願の実施形態における端末に適用されるパネル選択方法のステップのフローチャートである。
【
図2】本願の実施形態におけるネットワークデバイスに適用されるパネル選択方法のステップのフローチャートである。
【
図3】本願の実施形態における端末の構造の概略図である。
【
図4】本願の実施形態におけるネットワークデバイスの構造の概略図である。
【
図5】本願の実施形態における端末に適用されるパネル選択装置のモジュールのブロック図である。
【
図6】本願の実施形態におけるネットワークデバイスに適用されるパネル選択装置のモジュールのブロック図である。
【
図7】本願の実施形態におけるMCE CEの構造の概略図その1である。
【
図8】本願の実施形態におけるMCE CEの構造の概略図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願の実施形態における図面を参照しながら、本願の実施形態における技術案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本願の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施形態ではない。本願における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施形態は、本願の保護の範囲に属する。
【0016】
NRでは、端末は最大電力放射(MPE:Maximum Power Exposure)イベントの発生を検出すると、端末は最大許容電力低減値を決定し、対応する電力低減を行い、ある期間内の電力低減値がある閾値(「phr-Tx-PowerFactorChange」dB)より大きい場合、端末は電力ヘッドルームレポート(PHR:Power Headroom Report)の報告を開始して、パネルに基づく最大電力低減(Panel Maximum Power Reduction)値及び最大送信電力値をメディアアクセス制御-制御ユニット(MAC-CE:Media Access Control-Control Element)を介して基地局に報告する。基地局は、端末からのMPEの報告を受信すると、端末がMPE問題に遭遇し、P-MPRを用いて電力低減を行い、低減後の最大出力電力がPCMAX,f,cであり、現在の電力送信ヘッドルームがPHであることを知る。基地局は、これらのパラメータに基づいて、端末の信号送信のためのリソースの設定を再調整する。例えば、基地局は、これらのパラメータに基づいて、放射限界値要件を満たすために電力低減を必要とせずに上り送信を行う端末のデューティサイクル(duty cycle)を推定することができ、又は、基地局は、上り伝送の変調及び符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を低減することができ、又は、端末によって送信される物理リソースブロックの数を低減することができる。端末は基地局のスケジューリングに基づいて上り信号を送信し、MPEの要求を満たすと共に、良好な通信品質を実現することができるという目的を達成する。
【0017】
しかし、従来のMPE解決策では、端末がマルチパネルを持つことは考慮されていない。端末が複数の伝送パネルを持つ場合、各端末伝送パネルと基地局との間の伝送路が異なり、各伝送パネルでMPE遮蔽イベントが発生することも独立している。このとき、従来のP-MPR報告案では、端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができず、基地局は端末からの報告を受信したとき、MPE問題による上りカバー損失又は低下を低減するように、端末からのフィードバック情報を利用して端末に複数の伝送パネルの選択を指示することができない。
【0018】
従って、本願の実施形態は、従来案では端末からのフィードバック情報を利用して端末に複数の伝送パネルの選択を指示することができないという問題を解決するためのパネル選択方法、端末、ネットワークデバイス、及び記憶媒体を提供する。
【0019】
ここで、方法と装置は同一の出願の構想に基づいており、方法と装置の課題を解決する原理は似ているため、装置と方法の実施は相互に参照することができ、重複点は贅言しない。
【0020】
本願の実施形態によって提供される技術案は、様々なシステム、特に5Gシステムに適用することができる。例えば、適用可能なシステムは、グローバル移動通信(GSM:global system of mobile communication)システム、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)システム、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)システム、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)システム、LTE周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)システム、LTE時分割複信(TDD:time division duplex)システム、ロングタームエボリューションアドバンスト(LTE-A:long term evolution advanced)システム、汎用移動システム(UMTS:universal mobile telecommunication system)、ワイマックス(WiMAX:worldwide interoperability for microwave access)システム、5Gニューラジオ(NR:New Radio)システムなどがある。これらの多くのシステムの何れにも、端末デバイスとネットワークデバイスが含まれる。システムには、例えば進化パケットシステム(EPS:Evloved Packet System)、5Gシステム(5GS)などのコアネットワーク部分も含まれ得る。
【0021】
本願の実施形態に係る端末デバイスは、ユーザに音声及び/又はデータ接続性を提供するデバイス、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、又は無線モデムに接続された他の処理装置などであってもよい。異なるシステムでは、端末デバイスの名前が異なる場合もあり、例えば、5Gシステムでは、端末デバイスはユーザ装置(UE:User Equipment)と呼ぶことができる。無線端末デバイスは、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)を介して1つ又は複数のコアネットワーク(CN:Core Network)と通信することができ、無線端末デバイスは、例えば携帯電話(又は「セルラ」電話と呼ぶ)や移動端末デバイスを有するコンピュータのような移動端末デバイスであってもよく、例えば、携帯式、ポケット式、ハンドヘルド式、コンピュータ内蔵、又は車載の移動装置であり、これらは、無線アクセスネットワークと言語及び/又はデータを交換する。例えば、パーソナル通信サービス(PCS:Personal Communication Service)電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiated Protocol)電話、無線ローカルループ(WLL:Wireless Local Loop)局、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)などのデバイスが挙げられる。無線端末デバイスは、システム、利用者ユニット(subscriber unit)、利用者ステーション(subscriber station)、移動局(mobile station)、移動台(mobile)、リモートステーション(remote station)、アクセスポイント(access point)、リモート端末デバイス(remote terminal)、アクセス端末デバイス(access terminal)、ユーザ端末デバイス(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、ユーザデバイス(user device)と呼ぶこともでき、本願の実施形態では限定されない。端末デバイスは、他のネットワークデバイス(例えば、コアネットワークデバイス、アクセスネットワークデバイス(即ち、基地局))とともに通信をサポートできるネットワークを構成するため、本願では、端末デバイスもネットワークデバイスとみなされる。
【0022】
本願の実施形態に係るネットワークデバイスは、端末にサービスを提供する複数のセルを含むことができる基地局であってもよい。具体的な応用場面に応じて、基地局は、アクセスポイントとも呼ばれてもよく、アクセスネットワークにおいてエアインターフェース上で1つ又は複数のセクタを介して無線端末デバイスと通信するデバイスであってもよく、又はその他の名前であってもよい。ネットワークデバイスは、無線端末デバイスとアクセスネットワークの残りの部分との間のルータとして、受信したエアフレームとインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)パケットを互いに交換するために使用することができ、ここで、アクセスネットワークの残りの部分はインターネットプロトコル(IP)通信ネットワークを含むことができる。ネットワークデバイスはまた、エアインターフェースの属性管理を調整することができる。例えば、本願の実施形態に係るネットワークデバイスは、グローバル移動通信システム(GSM:Global System for Mobile communications)又は符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)におけるネットワークデバイス(BTS:Base Transceiver Station)であってもよく、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wide-band Code Division Multiple Access)におけるネットワークデバイス(NodeB)であってもよく、ロングタームエボリューション(LTE:long term evolution)システムにおける進化型ネットワークデバイス(eNB又はe-NodeB:evolutional Node B)、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5G基地局(gNB)であってもよく、ホーム進化基地局(HeNB:Home evolved Node B)、中継ノード(relay node)、ホーム基地局(femto)、ピコ基地局(pico)などであってもよく、本願の実施形態では限定されない。一部のネットワーク構造において、ネットワークデバイスは、集中ユニット(CU:centralized unit)ノードと分布ユニット(DU:distributed unit)ノードとを含むことができ、集中ユニットと分布ユニットは地理的に分離して配置することもできる。
【0023】
なお、明細書全体に記載された「1つの実施形態」又は「実施形態」は、実施形態に関連する特定の特徴、構造、又は特性が本願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することを理解されたい。したがって、明細書全体の各所に現れる「1つの実施形態において」、又は「一実施形態において」は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、これらの特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態に任意の適切な形態で組み込むことができる。
【0024】
以下、本願を具体的に説明する。
【0025】
図1の本願の実施形態における端末に適用されるパネル選択方法のステップのフローチャートに示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0026】
ステップ101:ネットワークデバイスに補助情報を送信する。
【0027】
具体的には、本実施形態では、端末は少なくとも2つのパネルを持つ。この場合、端末は、ネットワークデバイスを介して、ネットワークデバイスが端末の後続の上り伝送に使用されるパネルを決定するか、又は端末が上りビーム走査を行うことを決定するための補助情報を送信する。即ち、端末は、ネットワークデバイスに補助情報を送信して、ネットワークデバイスが当該補助情報に基づいて、端末の後続の上り伝送に使用されるパネルを決定するか、又は端末が上りビーム走査を行うことを決定することができるようにする。
【0028】
また、具体的には、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、及びMPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値、のうちの少なくとも1つを含むことができる。即ち、端末は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を補助情報としてネットワークデバイスに送信し、及び/又は、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を補助情報としてネットワークデバイスに送信することができる。
【0029】
具体的には、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報は、チャネル状態情報参考信号インデックス(CRIと略称する)又は同期信号ブロックインデックス(SSBRIと略称する)とすることができる。
【0030】
上り伝送に必要な最適な参考信号は、上り伝送電力値が最も高い参考信号を指すことができる。よって、ネットワークデバイスは、当該最適な参考信号に基づいて性能が最適なパネルを確定することができ、これにより、ネットワークデバイスは、当該上り伝送に必要な最適な参考信号に対応するパネル又はビームを選択して、上り伝送に使用されるパネル又はビームとすることができ、さらに、MPE問題による上りカバー損失を低減することができる。
【0031】
また、MPEイベントが発生する場合、端末は、1つのパネルに対応するP-MPR値、又は複数のパネルにおける各パネルに対応するP-MPR値をネットワークデバイスに送信することもできる。
【0032】
なお、複数のパネルは端末のすべてのパネルであってもよい。また、補助情報が1つのパネルに対応するP-MPR値を含む場合、当該P-MPR値はMPE問題が発生したパネルのP-MPR値であってもよく、これにより、ネットワークデバイスは、直接当該パネルのP-MPR値に基づいて他のパネル又はビームを選択して、後続の上り伝送を行うことができる。
【0033】
パネル毎に1つのP-MPR値が対応することにより、P-MPRの報告は端末の異なるパネルの性能差を正確に反映することができ、ネットワークデバイスは、具体的なパネルに対するP-MPR値を知ることができ、更に、ネットワークデバイスはこれに基づいて伝送パネルの選択を行うことができ、ビーム強度が最も大きいパネル又はビームを後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとすることができ、MPE問題による上りカバー損失又は低下を低減した。
【0034】
なお、上り伝送は、物理上り制御チャネル(PUCCHと略称する)、物理上り共有チャネル(PUSCHと略称する)、又はチャネルサウンディング参考信号(SRSと略称する)を含むことができる。
【0035】
ステップ102:ネットワークデバイスが補助情報に基づいて送信した指示情報を受信する。
【0036】
具体的には、指示情報は、端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される。
【0037】
具体的には、ネットワークデバイスは、端末の補助情報を受信した後に、当該補助情報に基づいて、端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定し、端末に指示情報を送信することができる。
【0038】
なお、端末はUL TCIアーキテクチャを介して指示することができる。
【0039】
補助情報に基づいて、端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができるため、決定した端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームの高品質性を確保し、MPE問題による上りカバー損失を低減した。
【0040】
このように、本実施形態では、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報又はMPEイベントの発生時の端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む補助情報をネットワークデバイスに送信することにより、当該補助情報に基づいて、端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができるため、ネットワークデバイスは、当該補助情報に基づいて、端末に後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを正確に指示するか、又は端末に上りビーム走査を指示することができ、MPE問題による上りカバー損失を低減する。
【0041】
オプションとして、本実施形態では、補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、補助情報は、MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力(RSRPと略称する)をさらに含んでもよい。
【0042】
即ち、端末は、ネットワークデバイスに1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告する際に、MPEイベントを同時に報告したり、1つ又は複数のパネルに対応するRSRPを同時に報告したり、MPEイベント及び1つ又は複数のパネルに対応するRSRPを同時に報告したりすることができ、これにより、ネットワークデバイスは、さらに上記情報を参考して、後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを選択することができる。
【0043】
オプションとして、MPEイベントのトリガ条件は、プリセット期間内にP-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいことを含んでもよい。
【0044】
即ち、プリセット期間内に、P-MPR値がプリセット低減値よりも大きかったり、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さかったりすることが存在すれば、MPEイベントが発生したと考えられる。
【0045】
また、オプションとして、本実施形態では、ネットワークデバイスは、端末が補助情報を報告するように制御することができ、端末は補助情報を自主的に報告することもできる。以下、この2つの態様についてそれぞれ説明する。
【0046】
具体的には、ネットワークデバイスに補助情報を送信する際に、次のいずれかの形態を含んでもよい。
【0047】
1つ目は、ネットワークデバイスから送信された通知情報を受信し、通知情報に基づいてネットワークデバイスに補助情報を送信することである。
【0048】
具体的には、通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を報告することを端末に通知するためのものであり、この場合、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む。
【0049】
具体的には、当該形態では、ネットワークデバイスは、ハイレベルシグナリングにより端末に参考信号リソースを設定し、ハイレベルシグナリング又はL1動的シグナリングにより通知情報を設定することで、上り伝送に最適な参考信号(CRI/SBRI)の識別情報を測定して報告することを端末に指示し、ここで、ハイレベルシグナリングはL2シグナリング又はL3シグナリングを含む。
【0050】
例えば、ハイレベルシグナリングによって設定された通知情報は、以下のようにすることができる。
【数1】
【0051】
あるいは、通知情報は、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを端末に通知するためのものであり、この場合、補助情報は、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0052】
あるいは、通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを前記端末に通知するためのものであり、この場合、補助情報は、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含み、この場合、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0053】
以上のように、ネットワークデバイスが端末による補助情報の送信をトリガする送信形態が実現されることにより、ネットワークデバイスが補助情報を取得する必要があるときに端末に補助情報の送信を通知し、端末の補助情報の無効な送信を回避した。
【0054】
具体的には、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するためのものでもあり、この場合、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。RSRPはL1-RSRPであってもよく、これにより、ネットワークデバイスは、端末によって報告されたMPEイベントの発生後のRSRPに基づいて、最適なビームを補助的に決定することができる。
【0055】
また、具体的には、端末は、ネットワークデバイスから送信される通知情報を受信する前に、端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するための能力情報をネットワークデバイスに報告することもできる。
【0056】
即ち、ネットワークデバイスによって制御される補助情報の報告に対して、マルチパネルを持つ端末は、当該端末が最適な参考信号の計算において電力低減値を考慮する能力を有することをネットワークデバイスに通知するために、能力報告を行う必要があり、よって、端末から報告された最適な参考信号について電力低減による影響を考慮したことを示し、MPE問題における最適な参考信号の信頼性を確保した。
【0057】
また、具体的には、端末が通知情報に基づいてネットワークデバイスに補助情報を送信する前に、各パネルによりネットワークデバイスに設定された参考信号に対してRSRP測定を行って、各パネルで測定された参考信号のRSRPを得る必要がある。そして、各パネルで測定された参考信号のRSRP及び各パネルのP-MPR値に基づいて、上り送信電力値が最も高い参考信号を決定し、送信電力値が最も高い参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定する。
【0058】
即ち、端末は通知情報を受信した後に、ネットワークデバイスの設定に基づいて下り受信信号の品質測定を行い、測定結果及びMPE問題に遭遇した場合の電力低減に基づいて上り伝送に最適な参考信号を決定し、最後に当該最適な参考信号の識別情報(即ちCRI/SBRI)をネットワークデバイスに報告して、ネットワークデバイスが後続の上り伝送のパネル又はビームの選択を行うことを支援する。この場合、ネットワークデバイスは、MPE問題による上りカバー損失を低減するように、当該最適な参考信号に対応するパネル又はビームを、後続の上り伝送のパネル又はビームとすることができる。
【0059】
例えば、端末は第1のパネルと第2のパネルとの2つのパネル(panel)を持つと仮定し、端末は能力報告を行い、当該端末が最適な参考信号計算において電力低減を考慮することをネットワークデバイスに通知する。また、ネットワークデバイスは、端末に第1のCSI-RSリソース及び第2のCSI-RSリソースと表される2つのチャネル状態情報参考信号(CSI-RSと略称する)リソースを設定し、端末は、第1のパネルにより下り第1のCSI-RSリソースを測定し、第2のパネルにより第2のCSI-RSリソースを測定するように設定される。設定情報は次のとおりである。
【数2】
【0060】
そして、端末は、ネットワークデバイスによる設定に基づいて測定を行って、第1のパネルによる測定値である第1のRSRP及び第2のパネルによる測定値である第2のRSRPを得る。端末は、第1のRSRP及び第2のRSRP値に基づいて、第1のパネル及び第2のパネルの上り送信電力値を推定する。この際、端末は、第1のパネル方向に人体による遮蔽があることを検出し、電力低減値が第1のP-MPRであると決定し、同様に、端末は第2のパネル方向の電力低減値が第2のP-MPRである(遮蔽がなければ、この値は0を取る)と決定すると仮定する。次に、端末は、第1のRSRP-第1のP-MPRの値の大きさと第2のRSRP-第2のP-MPRの値の大きさを比較する。第1のRSRP-第1のP-MPR<第2のRSRP-第2のP-MPRであれば、端末は第2のパネルにより上り信号を送信するビーム強度が第1のパネルよりも大きいと決定し、端末は対応する第2のCSI-RSリソースをネットワークデバイスに報告し、端末が対応するビーム又はパネルにより上り伝送を行う場合性能が最適であることを指示する。
【0061】
そして、ネットワークデバイスは、端末からの指示を受信した後に、その後の上りPUSCH伝送において、UL TCI-stateを介して、第2のCSI-RSを含む受信ビーム又はパネルによりPUSCHを送信するよう端末に指示する。端末は、ネットワークデバイスからの指示を受けた後に、パネルにおける対応するビームによりPUSCHを送信する。
【0062】
2つ目は、端末はMPEイベントの発生を検出した場合、ネットワークデバイスに補助情報を送信することである。
【0063】
具体的には、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、及び/又は、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0064】
この形態では、端末がMPEイベントの発生を検出すると、端末は、1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値及び/又は上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を決定し、ネットワークデバイスにより設定されたリソースで、当該1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値及び/又は上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報をネットワークデバイスに通知することができる。これにより、ネットワークデバイスは、当該1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値及び/又は上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報に基づいて、端末の後続の上り伝送に使用されるパネルを決定して選択し、端末に指示することができる。
【0065】
例えば、端末は、panel-ID0とpanel-ID1と表される2つのパネルを持つと仮定する。ネットワークデバイスは、RRCシグナリングを介して、MPEイベントを伝送するためのPUCCHリソースを端末に設定する。同時に、ネットワークデバイスは、当該PUCCHを伝送するためのタイムスロットm及びタイミングオフセットを端末に設定する。第nのタイムスロットで、端末は、panel-ID0におけるP-MPR値がシステムによって予め定義された閾値を超えたこと、即ち、MPEイベントが発生したことを検出すると、端末は、システムによって設定されたPUCCHリソース上でMPEイベント及びpanel-ID0におけるP-MPR0を送信する。パネル送信の指示は、明示的なpanel-ID指示であってもよく、上り/下り参考信号による暗黙的な指示であってもよい。
【0066】
ネットワークデバイスはPUCCHを受信して復調すると、端末のPanel-ID0にMPE問題が発生したことが分かった。この際、ネットワークデバイスは、その後の上りデータ伝送において上りデータをpanel-ID1により送信するよう端末に指示する。その後の上りデータ伝送中に、端末はネットワークデバイスによって指示されたpanel-IDlで上り信号伝送を行う。もちろん、端末がネットワークデバイスの指示を受けていない場合、端末はデフォルトでpanel-ID0により上りデータ伝送を継続する。
【0067】
また、例えば、端末は、panel-ID0とpanel-ID1と表される2つのパネルを持つと仮定する。ネットワークデバイスは、MAC CEシグナリングにより端末にP-MPR値の報告を行うように指示する。同時に、ネットワークデバイスがL1動的シグナリングにより端末にP-MPR値を送信するためのPUSCHリソースを指示する。第nのタイムスロットで、端末は、panel-ID0又はpanel-ID1における任意の1つのP-MPR値がシステムによって予め定義された閾値を超えたことを検出する場合、端末はシステムによって設定されたPUSCHリソース上でpanel-ID0におけるP-MPR0及びpanel-ID1におけるP-MPR1を送信し、パネル送信の指示は、明示的なpanel-ID指示であってもよく、上り/下り参考信号による暗黙的な指示であってもよい。
【0068】
ネットワークデバイスはPUSCHを受信して復調すると、P-MPR0>P-MPR1の値である場合、panel-ID1により信号を送信する電力低減が小さいことを示し、2つのpanelの最大送信電力が同じであると仮定し、ネットワークデバイスは、panel-ID1により上り信号を送信するビーム強度がpanel-ID0より大きいと決定する。ネットワークデバイスは、端末からの指示を受信した後に、その後の上りPUSCH/PUCCH伝送において、UL TCI-stateを介してpanel-ID1により上り信号を送信するよう端末に指示する。
【0069】
また、オプションとして、本実施形態では、ネットワークデバイスに補助情報を送信する際に、ネットワークデバイスに要求情報を送信してもよく、当該要求情報は、ビーム走査を行うためにネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号(CSI-RSと略称する)を送信するようトリガするために使用され、ここで、少なくとも1つのCSI-RSは端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルに少なくとも1つの前記CSI-RSが関連付けられ、そして、端末は各CSI-RSに対応する電力低減後の参考信号受信電力RSRPを測定し、測定結果に基づいて電力低減後の送信電力値が最も高い参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定する。
【0070】
又は、端末は、各CSI-RSを測定して、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する参考信号受信電力RSRPを得、前記RSRPに基づいて対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する上り送信電力を推定し、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する電力低減値に基づいて、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する電力低減後の上り送信電力を決定し、電力低減後の上り送信電力値が最も高いパネルに関連付けられる参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定する。
【0071】
例えば、端末は第1のパネルpanel0と第2のパネルpanel1との2つのパネル(panel)を持つと仮定し、端末は、能力報告を行い、当該端末が最適な参考信号計算において電力低減を考慮することをネットワークデバイスに通知する。また、ネットワークデバイスは、端末に第1のCSI-RSリソース及び第2のCSI-RSリソースと表される2つのチャネル状態情報参考信号(CSI-RSと略称する)リソースを設定し、端末は、第1のパネルにより下り第1のCSI-RSリソースを測定し、第2のパネルにより第2のCSI-RSリソースを測定するように設定される。
【0072】
端末は、ネットワークデバイスによる設定に基づいて測定を行って、第1のパネルpanel0による測定値であるL1-RSRP0及びpanel1による測定値であるL1-RSRP1を得る。端末は、L1-RSRP値に基づいてpanel0及びpanel1の上り送信電力値P0、P1を推定する。端末はpanel0方向に人体による遮蔽があることを検出し、電力低減値がp_mpr0であると決定し、同様に、端末はpanel1方向の電力低減値がp_mpr1である(遮蔽がなければ、この値は0を取る)と決定すると仮定する。端末は、P0-p_mpr0の値の大きさとP1-p_mpr1の値の大きさを比較する。P0-p_mpr0<P1-p_mpr1であれば、端末はpanel1により上り信号を送信するビーム強度がpanel0よりも大きいと決定し、端末は対応するCSI-RSリソース1をネットワークデバイスに報告し、基地局が対応するビーム/panelにより上り伝送を行う場合、性能が最適であることを指示する。そして、ネットワークデバイスは、端末からの指示を受信した後に、その後の上りPUSCH伝送において、UL TCI-stateを介して、CSI-RS1を含む受信ビーム/panelによりPUSCHを送信するよう端末に指示する。端末は基地局からの指示を受けた後に、panelにおける対応するビームによりPUSCHを送信する。
【0073】
ここで、
図7に示すように、MAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、前記した、前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することは、
端末は、前記MAC CEを介して前記要求情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含む。
【0074】
具体的に、複数の伝送パネルを持つ端末がプリセットされたある閾値に基づいてMPEイベントの発生を検出した場合、端末は、パネル又はビームに基づくP-MPR値を決定し、基地局によって設定された上り伝送リソース上で、パネル又はビームに基づく電力低減値、及びこの電力低減でのP
CMAX並びに電力ヘッドルーム(PHと略称する)を基地局に通知する。また、
図7に示すように、同時に、端末は、そのうちのビット幅が1ビットである第1のプリセットフィールド(Pnewフィールド)を用いて、基地局が少なくとも1つのCSI-RSを送信するようにトリガし、基地局は端末からの報告を受信し、少なくとも1つのCSI-RSを送信してビーム走査を行い、端末はCSI-RSのL1-RSRP値を測定して電力に対応するビームでのP-MPR値を考慮し、最適な参考信号を選択して対応するビームインデックスCRIを基地局に報告し、基地局が後続の上り(PUCCH/PUSCH/SRS)伝送に使用されるパネル又はビームを選択して端末に指示することを支援する。
【0075】
例えば、端末はpanel-ID1とpanel-ID2とそれぞれ表される2つのpanelを持つと仮定する。Panel-ID1はCSI-RS1及びCSI-RS2に関連付けられ、Panel-ID2はCSI-RS3及びCSI-RS4に関連付けられる。当該関連関係は、ビーム走査により予め確立することができる。第nのタイムスロットにおいて、端末は上りPUSCH伝送を行うようにスケジューリングされて、CSI-RS1を受信するビームによりPUSCHを送信すると仮定する。同時に、端末は、panel-ID1がMPE問題に遭遇し且つ電力低減を行ったこと、及び電力低減値がP_MPR1であり且つシステムによって設定された閾値を超えたことを検出した場合、端末はMPE報告を基地局に送信し、
図7に示す電力ヘッドルームレポートのPHR MAC-CEを採用し、そのうち、ビット幅が1ビットであるPnewフィールドはネットワークデバイスがCSI-RSを送信するようにトリガするために使用される。
【0076】
続いて、ネットワークデバイスは、端末からの報告を受信した後に、CSI-RS1、CSI-RS2、CSI-RS3及びCSI-RS4を送信してビーム走査を行い、端末は、各CSI-RSのL1-RSRP値を測定及び比較して電力低減の影響を考慮する。例えば、端末は、L1-RSRP1,1-P_MPR1、L1-RSRP1,2-P_MPR2、L1-RSRP2,3-P_MPR2、L1-RSRP2,4-P_MPR4を比較し、ここで、L1-RSRPi,jはpanel-IDiでのj個目のCSI-RSのL1-RSRP値を表し、端末はL1-RSRP2,4-P_MPR4が最も大きいことを発見すると、端末は、panel-ID2での4個目のCSI-RSを受信するためのビームが上り伝送のための最適なビームであると考えられる。端末はCRI-RS4をネットワークデバイスに報告し、ネットワークデバイスは、端末からの報告を受信し、panel-ID2での4個目のCSI-RSを受信するビームによりPUSCHを送信するよう端末に指示する。
【0077】
いくつかの実施形態において、メディアアクセス制御層制御ユニット(MAC CE)に第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、端末はMAC CEを介して補助情報をネットワークデバイスに送信し、ここで、前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0078】
具体的に、第2のプリセットフィールドが含まれたMAC CEは
図8に示す。MAC CEにおいてCRI/SSBRIフィールドは含まれた第2のプリセットフィールドであり、この際、CRI/SSBRIの値とビーム又はパネルとの間の対応関係を設定することにより、CRI/SSBRIの値を設定することにより上り伝送に必要な最適な参考信号を決定することを実現することができる。
【0079】
即ち、複数の伝送パネルを持つ端末がプリセットされたある閾値に基づいてMPEイベントの発生を検出した場合、端末は、パネル又はビームに基づくP-MPR値を決定し、且つネットワークデバイスによって設定された上り伝送リソース上で、パネル又はビームの電力低減値、及びこの電力低減での最大出力電力(P
CMAX)並びに電力ヘッドルーム(PH)及び上り伝送に必要な最適な参考信号(CRI/SSBRI)をネットワークデバイスに通知する。具体的には
図8に示すように、それにより、ネットワークデバイスが端末の後続の上り(PUCCH/PUSCH/SRS)伝送に使用されるパネル/ビームを選択して端末に指示することを支援する。具体的に、上り伝送に必要な最適な参考信号は、MPE問題のない候補ビームを指してもよい。
【0080】
例えば、端末がMPEイベントが発生した後に自主的に補助情報を報告する形態について、以下のとおりである。
【0081】
端末は、panel-ID0とpanel-ID1と表される2つのパネルを持つと仮定する。第nのタイムスロットにおいて、端末はpanel-ID0でビームを送信するMPE値が環境監視管理機関によって規定された閾値を超えたことを検出した場合、端末はpanel-ID0でのビームに対して電力低減を行う。電力低減値P-MPRが6dBであり、ネットワークによって予め規定された閾値(例えば、3dB)を超えた場合、端末は、MPE報告を行うようにトリガして、
図8に示すMAC CEを、ネットワークデバイスによってすでに割り当てられた上り伝送リソースにおいてネットワークデバイスに伝送する。
図8に示すMAC CEにおいて、MPEフィールドは01(2ビット)と設定されることは、実際に使用されるP-MPRの絶対値が6dBであることを表し、同時に、CRI/SSBRIフィールドの値が1であることは、panel-ID1でのビーム1は電力低減が行われていない候補ビームとして、後続の上り伝送のために使用されることを表す。ネットワークデバイスは端末からの指示を受信した後に、その後の上りPUSCH伝送において、UL TCI-stateを介して、CSI-RS1の受信ビーム/panelによりPUSCHを送信することを端末に指示する。端末は、基地局からの指示を受信した後に、panel-ID1での対応するビームによりPUSCHを送信する。
【0082】
また、例えば、端末はpanel-ID1及びpanel-ID2とそれぞれ表される2つのpanelを持つと仮定する。Panel-ID1はCSI-RS1及びCSI-RS2に関連付けられ、Panel-ID2はCSI-RS3及びCSI-RS4に関連付けられ、このような関連関係は、ビーム走査により予め確立することができる。第nのタイムスロットにおいて、端末は上りPUSCH伝送を行うにスケジューリングされて、CSI-RS1を受信するビームによりPUSCHを送信すると仮定する。同時に、端末は、panel-ID1がMPE問題に遭遇し且つ電力低減を行ったこと、及び電力低減値がP_MPR1であり且つシステムによって設定された閾値を超えたことを検出した場合、端末はMPE報告をネットワークデバイスに送信し、
図8に示す電力ヘッドルームレポートのメディアアクセス制御-制御ユニット(PHR MAC-CE)を採用する。ネットワークデバイスが端末からの報告を受信した後に、ネットワークデバイスはCSI-RS1、CSI-RS2、CSI-RS3、CSI-RS4を送信してビーム走査を行い、端末は、各CSI-RSのL1-RSRP値を測定して比較し、電力低減の影響を考慮する。例えば、端末は、L1-RSRP
1,1-P_MPR1、L1-RSRP
1,2-P_MPR2、L1-RSRP
2,3-P_MPR2、L1-RSRP
2,4-P_MPR4を比較し、ここで、L1-RSRP
i,jはpanel-IDiでのj個目のCSI-RSのL1-RSRP値を表し、端末はL1-RSRP
1,1-P_MPR1、L1-RSRP
1,2-P_MPR2がそれぞれ最も大きいと次に大きいことを発見し、L1-RSRP
new,1及びL1-RSRP
new,2とそれぞれ表される。端末はL1-RSRP
new,1+CRI1、L1-RSRP
new,2+CRI2をネットワークデバイスに報告する。ネットワークデバイスは、端末からの報告を受信し、1つのビーム、例えば、CSI-RS1を受信するビームを選択して上り伝送の最適なビームとし、panel-ID1での1個目のCSI-RSを受信するビームによりPUSCHを送信するよう端末に指示する。
【0083】
以上のように、端末が自主的に補助情報を送信する送信形態が実現され、端末はMPEイベントが発生した後に補助情報を報告することにより、ネットワークデバイスは端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームをタイムリに選択することができ、それにより、MPE問題による上りカバー損失を低減した。
【0084】
このように、上記のいずれかの方式は補助情報の送信を実現することができる。
【0085】
また、オプションとして、本実施形態では、端末は補助情報をネットワークデバイスに送信する際に、
補助情報をネットワークデバイスに周期的に送信することと、
補助情報をネットワークデバイスに半持続的に送信することと、
補助情報をネットワークデバイスに非周期的に送信することと、のうちのいずれか1つを含んでもよい。
【0086】
即ち、端末は、補助情報を周期的に、半持続的に又は非周期的に送信してもよく、ここではこれを具体的に限定しない、それにより、補助情報の送信形態の柔軟性を確保する。
【0087】
なお、端末がネットワークデバイスに補助情報を送信する際に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACHと略称する)、PUCCH又はPUSCHを介してネットワークデバイスに補助情報を送信してもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0088】
このように、本実施形態によって提供されるパネル選択方法は、補助情報をネットワークデバイスに送信し、且つ補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報又はMPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含み、それにより、当該補助情報は端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができるため、ネットワークデバイスは、当該補助情報に基づいて後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを正確に選択することができ、MPE問題による上りカバー損失を低減した。
【0089】
図2に示すように、本願の実施形態におけるネットワークデバイスに適用されるパネル選択方法のステップのフローチャートであり、当該方法は以下のステップを含む。
【0090】
ステップ201:端末が送信した補助情報を受信する。
【0091】
具体的に、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値のうちの少なくとも1つを含む。
【0092】
具体的に、ネットワークデバイスは端末が送信した補助情報を受信し、当該補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、及び/又は、MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含んでもよい。
【0093】
なお、補助情報に対する具体的な説明は、端末側の方法実施形態の関連内容を参照することができ、ここでは贅言しない。
【0094】
ステップ202:補助情報に基づいて、端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定する。
【0095】
本ステップにおいて、具体的には、ネットワークデバイスは、補助情報を取得した後、補助情報に基づいて端末が上りビーム走査を行うこと、即ち、端末が上りビーム走査を行ってパネル又はビームを改めて選択するよう制御することを決定し、又は、補助情報に基づいて端末の後続の上り伝送に使用されるパネルを決定し、それにより、最適なパネル又はビームの選択を実現し、MPE問題による上りカバー損失を低減する。
【0096】
ステップ203:指示情報を端末に送信する。
【0097】
具体的には、指示情報は、後続の上り伝送に使用されるパネルを端末に指示するために使用され、又は上りビーム走査を行うことを端末に指示するために使用される。
【0098】
本ステップにおいて、ネットワークデバイスは、端末が上りビーム走査を行うこと又は後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定した後、指示情報を端末に送信し、それにより、後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを端末に指示し、又は上りビーム走査を行うことを端末に指示する。
【0099】
このように、本実施形態は、端末が送信した補助情報を受信し、且つ補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又はMPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含み、それにより、当該補助情報に基づいて、端末の異なる伝送パネルの性能差を正確に反映することができるため、ネットワークデバイスは、当該補助情報に基づいて後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを正確に選択することができ、MPE問題による上りカバー損失を低減した。
【0100】
オプションとして、本実施形態では、ネットワークデバイスは補助情報に基づいて端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを決定する際に、以下の任意の方式により行うことができる。
【0101】
1つ目は、補助情報は上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む場合、上り伝送に必要な最適な参考信号に対応するパネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとして決定する。
【0102】
即ち、補助情報は上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む場合、ネットワークデバイスは、当該最適な参考信号に対応するパネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームと直接的に決定し、それにより、決定される端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームのビーム強度が最高ビーム強度であることを確保し、MPE問題による上りカバー損失を回避した。
【0103】
2つ目は、補助情報は端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値に基づいて上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを決定し、上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとして決定する。
【0104】
具体的に、補助情報は端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、端末は、当該端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値に基づいて、端末の全てのパネル又はビームから上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを決定し、即ち、ビーム強度が最も高いパネル又はビームを選択して、当該パネル又はビームを端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームとして決定してもよい。
【0105】
なお、補助情報は当該1つ又は複数のパネルに対応するRSRPをさらに含む場合、ネットワークデバイスはさらに当該1つ又は複数のパネルに対応するRSRPを参考して上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを決定してもよい。この際、パネル毎のRSRPとP-MPR値の差を計算し、差が最も大きいパネル又はビームを上り送信電力値が最も高いパネル又はビームとして決定してもよい。
【0106】
無論、全てのパネルに対応するRSRPが同じであるように設定する場合、ネットワークデバイスは1つ又は複数のパネルに対応するRSRPを受信しなくても、依然として上り送信電力値が最も高いパネル又はビームを決定することができ、この際、P-MPR値が最も小さいパネル又はビームを上り送信電力値が最も高いパネル又はビームとして決定することができる。
【0107】
このように、上記のいずれかの方式により、端末の後続の上り伝送に使用されるパネル又はビームを正確に決定することができ、それにより、MPE問題による上りカバー損失を回避した。
【0108】
オプションとして、補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRPをさらに含む。
【0109】
また、MPEイベントのトリガ条件は、プリセット期間内に、P-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいことを含む。
【0110】
上り伝送は、PUCCH、PUSCH又はSRSを含む。
【0111】
なお、上記した内容における具体的な説明は端末側の方法実施形態の関連内容を参照することができ、重複点は贅言しない。
【0112】
また、オプションとして、ネットワークデバイスは端末が送信した補助情報を受信する際に、以下のいずれかの方式を含んでもよい。
【0113】
1つ目は、通知情報を端末に送信し、端末が通知情報に基づいて送信した補助情報を受信する。
【0114】
具体的に、通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又は前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを端末に通知するために使用される。
【0115】
具体的に、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するためにも使用され、この際、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。
【0116】
また、具体的に、ネットワークデバイスは通知情報を端末に送信する前に、端末が送信した能力情報を受信してもよく、ここで、能力情報は端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用される。
【0117】
2つ目は、端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信する。
【0118】
具体的に、補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値のうちの少なくとも1つを含む。
【0119】
また、オプションとして、ネットワークデバイスは前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した補助情報を受信する際に、端末が送信した要求情報をさらに受信してもよく、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのCSI-RSを送信するようトリガするために使用され、ここで、少なくとも1つのCSI-RSは端末のパネルに予め関連付けられ、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つの前記CSI-RSに関連付けられ、続いて、ネットワークデバイスは前記要求情報に基づいて前記少なくとも1つのCSI-RSを送信してビーム走査を行い、それにより、端末は各CSI-RSの電力低減後のRSRP値を測定及び比較することができ、さらに、測定結果に基づいて送信電力値が最も高い参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定し、上り伝送に必要な最適な参考信号をネットワークデバイスに送信し、この際、ネットワークデバイスは、少なくとも1つのCSI-RSと端末のパネルとの関連関係に基づいて、上り伝送に使用されるパネル及びビームを決定することができる。
【0120】
具体的に、MAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、端末は前記MAC CEを介して前記要求情報を前記ネットワークデバイスに送信する。
【0121】
また、MAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、ここで、ネットワークデバイスは前記端末が前記MAC CEを介して送信した補助情報を受信する。
【0122】
このように、ネットワークデバイスは、端末が補助情報の送信を行い、又はMPEイベントをトリガする場合に端末が補助情報を自主的に送信するように制御することができ、上記の2つの方式の具体的な内容は端末側の方法実施形態の関連内容を参照することができ、重複点は贅言しない。
【0123】
また、オプションとして、ネットワークデバイスは端末が送信した補助情報を受信することは、
端末から周期的に送信された補助情報を受信することと、
端末から半持続的に送信された補助情報を受信することと、
端末から非周期的に送信された補助情報を受信することと、のうちのいずれか1つを含む。
【0124】
また、ネットワークデバイスは端末が送信した補助情報を受信する際に、端末がPRACH、PUCCH又はPUSCHを介して送信した補助情報を受信してもよい。
【0125】
なお、上記補助情報の具体的な受信形態の具体的な説明は端末側の方法実施形態の関連内容を参照することができ、重複点は贅言しない。
【0126】
本実施形態によって提供されるパネル選択方法において、ネットワークデバイスは、補助情報を受信して、補助情報に基づいて、端末が後続の上り伝送を行うパネル又はビームを選択し、又は端末が上りビーム走査を行うことを決定することにより、補助情報に基づいて、端末パネルの性能を反映することができるため、端末はネットワークデバイスによって選択されたパネル或いはビームを使用し、又は上りビーム走査を行った後、MPE問題による上りカバー損失を回避した。
【0127】
図3は本願の実施形態によって提供される端末の構造の概略図であり、当該端末は、メモリ320、送受信機300、プロセッサ310を含む。
【0128】
ここで、
図3において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ310に代表される1つ又は複数のプロセッサ、及びメモリ320に代表されるメモリの様々な回路は、一体にリンクされている。バスアーキテクチャは、また、周辺デバイス、電圧レギュレーター、電力管理回路などの様々な他の回路を一体にリンクすることができ、これらはすべて当分野でよく知られているものであるため、本明細書ではこれらをさらに説明しない。バスインターフェイスはインターフェイスを提供する。送受信機300は、複数の素子であってもよく、即ち、送信機および受信機を含み、伝送媒体において他の様々なデバイスと通信するためのユニットを提供する。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。プロセッサ310は、バスアーキテクチャ及び通常の処理を管理し、メモリ320は、プロセッサ310が操作を実行する際に使用されるデータを記憶することができる。
【0129】
プロセッサ310は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、又は複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)であってもよく、プロセッサは、マルチコアアーキテクチャを採用してもよい。
【0130】
メモリ320はコンピュータプログラムを記憶するために使用され、送受信機300は前記プロセッサの制御下でデータを送受信するために使用され、プロセッサ310は前記メモリにおけるコンピュータプログラムを読み取り、以下の操作を実行するために使用される。
【0131】
ネットワークデバイスに補助情報を送信し、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む。
【0132】
前記ネットワークデバイスが補助情報に基づいて送信した指示情報を受信し、ここで、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される。
【0133】
オプションとして、前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、
MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRPをさらに含む。
【0134】
オプションとして、前記した、ネットワークデバイスに補助情報を送信することは、
前記ネットワークデバイスから送信された通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することであって、前記通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又は前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを前記端末に通知するためのものであること、又は、
前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することを含む。
【0135】
オプションとして、前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つ前記CSI-RSに関連付けられることと、
各CSI-RSを測定し、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する参考信号受信電力RSRPを得、前記RSRPに基づいて前記パネルに対応する上り送信電力を推定し、前記パネルに対応する電力低減値に基づいて前記パネルの電力低減後の上り送信電力を決定し、電力低減後の上り送信電力値が最も高いパネルに関連付けられる参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、をさらに含む。
【0136】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することは、
前記端末は前記MAC CEを介して前記要求情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含む。
【0137】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合、前記端末は前記MAC CEを介して前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含み、
ここで、前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0138】
オプションとして、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するために使用され、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。
【0139】
オプションとして、前記した、前記ネットワークデバイスから送信される通知情報を受信する前に、
能力情報を前記ネットワークデバイスに報告することをさらに含み、前記能力情報は前記端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用される。
【0140】
オプションとして、前記した、前記通知情報に基づいて前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信する前に、
各パネルにより前記ネットワークデバイスに設定された参考信号に対してRSRP測定を行い、各パネルで測定された参考信号のRSRPを得ることと、各パネルで測定された参考信号のRSRP及び各パネルのP-MPR値に基づいて、上り送信電力値が最も高い参考信号を決定し、前記送信電力値が最も高い参考信号を前記上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、をさらに含む。
【0141】
オプションとして、前記した、ネットワークデバイスに補助情報を送信することは、
補助情報を前記ネットワークデバイスに周期的に送信することと、
補助情報を前記ネットワークデバイスに半持続的に送信することと、
補助情報を前記ネットワークデバイスに非周期的に送信することと、のうちのいずれか1つを含む。
【0142】
オプションとして、前記した、ネットワークデバイスに補助情報を送信することは、
物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上り制御チャネルPUCCH又は物理上り共有チャネルPUSCHを介して前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含む。
【0143】
オプションとして、前記MPEイベントのトリガ条件は、
プリセット期間内にP-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいこと、を含む。
【0144】
オプションとして、前記上り伝送は、PUCCH、PUSCH又はチャネルサウンディング参考信号SRSを含む。
【0145】
なお、上記実施形態は、端末側の方法の実施形態のすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、重複点は贅言しない。
【0146】
図4は本願の実施形態によって提供されるネットワークデバイスの構造の概略図であり、当該ネットワークデバイスは、メモリ420、送受信機400、プロセッサ410を含む。
【0147】
ここで、
図4において、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含んでもよく、具体的には、プロセッサ410に代表される1つ又は複数のプロセッサ、及びメモリ420に代表されるメモリの様々な回路は、一体にリンクされている。バスアーキテクチャは、また、周辺デバイス、電圧レギュレーター、電力管理回路などの様々な他の回路を一体にリンクすることができ、これらはすべて当分野でよく知られているものであるため、本明細書ではこれらをさらに説明しない。バスインターフェイスはインターフェイスを提供する。送受信機400は、複数の素子であってもよく、即ち、送信機および受信機を含み、伝送媒体において他の様々なデバイスと通信するためのユニットを提供する。これらの伝送媒体には、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブル等の伝送媒体が含まれる。プロセッサ410は、バスアーキテクチャ及び通常の処理を管理し、メモリ420は、プロセッサ410が操作を実行する際に使用されるデータを記憶することができる。
【0148】
プロセッサ410は、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、又は複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)であってもよく、プロセッサは、マルチコアアーキテクチャを採用してもよい。
【0149】
メモリ420はコンピュータプログラムを記憶するために使用され、送受信機400は前記プロセッサの制御下でデータを送受信するために使用され、プロセッサ410は前記メモリにおけるコンピュータプログラムを読み取り、以下の操作を実行するために使用される。
【0150】
端末が送信した補助情報を受信し、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む。
【0151】
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定する。
【0152】
前記端末に指示情報を送信し、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される。
【0153】
オプションとして、前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、
MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRP、をさらに含む。
【0154】
オプションとして、前記した、端末が送信した補助情報を受信することは、
通知情報を前記端末に送信し、前記端末が前記通知情報に基づいて送信した前記補助情報を受信することであって、前記通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又は前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを前記端末に通知するためのものであること、又は、
前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信すること、を含む。
【0155】
オプションとして、前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
前記端末から送信された要求情報を受信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つ前記CSI-RSに関連付けられることと、
ビーム走査を行うために前記要求情報に基づいて前記少なくとも1つのCSI-RSを送信することと、をさらに含む。
【0156】
オプションとして、MAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、前記端末から送信された要求情報を受信することは、
前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記要求情報を受信することを含む。
【0157】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記補助情報を受信することを含み、
ここで、前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0158】
オプションとして、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するためにも使用され、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。
【0159】
オプションとして、前記した、通知情報を前記端末に送信する前に、
前記端末から送信された能力情報を受信することをさらに含み、前記能力情報は前記端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用される。
【0160】
オプションとして、前記した、端末が送信した補助情報を受信することは、
前記端末から周期的に送信された補助情報を受信することと、
前記端末から半持続的に送信された補助情報を受信することと、
前記端末から非周期的に送信された補助情報を受信することと、のうちのいずれか1つを含む。
【0161】
オプションとして、前記した、端末が送信した補助情報を受信することは、
前記端末が物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上り制御チャネルPUCCH又は物理上り共有チャネルPUSCHを介して送信した前記補助情報を受信する。
【0162】
オプションとして、前記補助情報に基づいて端末の後続の上り伝送に使用されるパネルを決定することは、
前記補助情報が上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む場合、前記上り伝送に必要な最適な参考信号に対応するパネルを端末の後続の上り伝送に使用されるパネルとして決定すること、又は、
前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値に基づいて上り送信電力値が最も高いパネルを決定し、前記上り送信電力値が最も高いパネルを端末の後続の上り伝送に使用されるパネルとして決定すること、を含む。
【0163】
オプションとして、前記MPEイベントのトリガ条件は、
プリセット期間内にP-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいこと、を含む。
【0164】
オプションとして、前記上り伝送は、PUCCH、PUSCH又はチャネルサウンディング参考信号SRSを含む。
【0165】
なお、上記実施形態は、ネットワークデバイス側の方法の実施形態のすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、重複点は贅言しない。
【0166】
図5は本願の実施形態によって提供されるパネル選択装置のモジュールのブロック図であり、当該装置は、
ネットワークデバイスに補助情報を送信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む送信モジュール501と、
前記ネットワークデバイスが前記補助情報に基づいて送信した指示情報を受信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される受信モジュール502と、を含む。
【0167】
オプションとして、前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRPをさらに含む。
【0168】
オプションとして、前記送信モジュールは、
前記ネットワークデバイスから送信された通知情報を受信し、前記通知情報に基づいて前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信するためのものであって、前記通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又は前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを前記端末に通知するためのものである第1送信ユニット、又は、
前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信するための第2送信ユニット、を含む。
【0169】
オプションとして、前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つ前記CSI-RSに関連付けられることと、
各CSI-RSを測定し、対応するCSI-RSに関連付けられるパネルに対応する参考信号受信電力RSRPを得、前記RSRPに基づいて前記パネルに対応する上り送信電力を推定し、前記パネルに対応する電力低減値に基づいて前記パネルの電力低減後の上り送信電力を決定し、電力低減後の上り送信電力値が最も高いパネルに関連付けられる参考信号を上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、をさらに含む。
【0170】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、前記ネットワークデバイスに要求情報を送信することは、
前記MAC CEを介して前記要求情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含む。
【0171】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末はMPEイベントの発生を検出した場合、前記ネットワークデバイスに前記補助情報を送信することは、
前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合、前記MAC CEを介して前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信することを含み、
ここで、前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0172】
オプションとして、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するためにも使用され、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。
【0173】
オプションとして、前記した、前記ネットワークデバイスから送信される通知情報を受信する前に、
能力情報を前記ネットワークデバイスに報告するための報告ユニットをさらに含み、前記能力情報は端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用される。
【0174】
オプションとして、前記した、前記通知情報に基づいて前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信する前に、
各パネルにより前記ネットワークデバイスに設定された参考信号に対してRSRP測定を行って、各パネルで測定された参考信号のRSRPを得ることと、各パネルで測定された参考信号のRSRP及び各パネルのP-MPR値に基づいて、上り送信電力値が最も高い参考信号を決定し、前記送信電力値が最も高い参考信号を前記上り伝送に必要な最適な参考信号として決定することと、を実行するための決定ユニットをさらに含む。
【0175】
オプションとして、前記送信モジュールは、
補助情報を前記ネットワークデバイスに周期的に送信することと、
補助情報を前記ネットワークデバイスに半持続的に送信することと、
補助情報を前記ネットワークデバイスに非周期的に送信することと、のうちのいずれか1つを実行するためのものである。
【0176】
オプションとして、前記送信モジュールは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上り制御チャネルPUCCH又は物理上り共有チャネルPUSCHを介して前記補助情報を前記ネットワークデバイスに送信するためのものである。
【0177】
オプションとして、前記MPEイベントのトリガ条件は、プリセット期間内にP-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいこと、を含む。
【0178】
オプションとして、前記上り伝送は、PUCCH、PUSCH又はチャネルサウンディング参考信号SRSを含む。
【0179】
なお、上記実施形態は、端末側の方法の実施形態のすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、重複点は贅言しない。
【0180】
図6は本願の実施形態によって提供されるパネル選択装置のモジュールのブロック図であり、当該装置は、
端末が送信した補助情報を受信するためのものであって、前記補助情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報、最大電力放射MPEイベントの発生時に端末の1つ又は複数のパネルに対応する最大電力低減P-MPR値のうちの少なくとも1つを含む受信モジュール601と、
前記補助情報に基づいて、前記端末が上りビーム走査を行うか、又は後続の上り伝送に使用されるパネルを決定するための決定モジュール602と、
前記端末に指示情報を送信するためのものであって、前記指示情報は、前記端末に後続の上り伝送に使用されるパネルを指示するか、又は前記端末に上りビーム走査を行うことを指示するために使用される送信モジュール603と、を含む。
【0181】
オプションとして、前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記補助情報は、MPEイベント、及び/又は、1つ又は複数のパネルに対応する参考信号受信電力RSRP、をさらに含む。
【0182】
オプションとして、前記受信モジュールは、
通知情報を前記端末に送信し、前記端末が前記通知情報に基づいて送信した前記補助情報を受信するためのものであって、前記通知情報は、上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び/又は前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を報告することを端末に通知するためのものである第1受信ユニット、又は、
前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信するための第2受信ユニット、を含む。
【0183】
オプションとして、前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
前記端末から送信された要求情報を受信することであって、前記要求情報は、ビーム走査を行うために前記ネットワークデバイスが少なくとも1つのチャネル状態情報参考信号CSI-RSを送信するようにトリガするために使用され、前記少なくとも1つのCSI-RSは前記端末のパネルに予め関連付けられており、且つ前記端末の1つのパネルは少なくとも1つ前記CSI-RSに関連付けられることと、
ビーム走査を行うために前記要求情報に基づいて前記少なくとも1つのCSI-RSを送信することと、をさらに含む。
【0184】
オプションとして、MAC CEに第1のプリセットフィールドが含まれ、前記第1のプリセットフィールドに前記要求情報が含まれ、
前記した、前記端末から送信された要求情報を受信することは、
前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記要求情報を受信することを含む。
【0185】
オプションとして、メディアアクセス制御層制御ユニットMAC CEに第2のプリセットフィールドが含まれ、前記第2のプリセットフィールドは前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を指示するために使用され、
前記した、前記端末がMPEイベントの発生を検出した場合に送信した前記補助情報を受信することは、
前記端末が前記MAC CEを介して送信した前記補助情報を受信することを含み、
ここで、前記補助情報は、前記上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報及び前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む。
【0186】
オプションとして、前記通知情報は、電力低減後のRSRPを報告することを前記端末に通知するためにも使用され、前記補助情報は、電力低減後のRSRPをさらに含む。
【0187】
オプションとして、前記した、通知情報を前記端末に送信する前に、
前記端末から送信された能力情報を受信するための第3受信ユニットをさらに含み、前記能力情報は前記端末が最適な参考信号の計算に電力低減値を加える能力を有することを指示するために使用される。
【0188】
オプションとして、前記受信モジュールは、
前記端末から周期的に送信された補助情報を受信することと、
前記端末から半持続的に送信された補助情報を受信することと、
前記端末から非周期的に送信された補助情報を受信することと、のうちのいずれか1つを実行するためのものである。
【0189】
オプションとして、前記受信モジュールは、前記端末が物理ランダムアクセスチャネルPRACH、物理上り制御チャネルPUCCH又は物理上り共有チャネルPUSCHを介して送信した前記補助情報を受信するためのものである。
【0190】
オプションとして、前記決定モジュールは、
前記補助情報が上り伝送に必要な最適な参考信号の識別情報を含む場合、前記上り伝送に必要な最適な参考信号に対応するパネルを端末の後続の上り伝送に使用されるパネルとして決定すること、又は、
前記補助情報が端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値を含む場合、前記端末の1つ又は複数のパネルに対応するP-MPR値に基づいて上り送信電力値が最も高いパネルを決定し、前記上り送信電力値が最も高いパネルを端末の後続の上り伝送に使用されるパネルとして決定すること、を実行するためのものである。
【0191】
オプションとして、前記MPEイベントのトリガ条件は、プリセット期間内にP-MPR値がプリセット低減値よりも大きいことが存在すること、又は、任意のパネルに対して、上りビームのRSRP推定値がプリセット値よりも小さいこと、を含む。
【0192】
オプションとして、前記上り伝送は、PUCCH、PUSCH又はチャネルサウンディング参考信号SRSを含む。
【0193】
なお、上記実施形態は、ネットワークデバイス側の方法の実施形態のすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、重複点は贅言しない。
【0194】
なお、本願実施形態においてユニットに対する分割は、模式的なものであり、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実現では他の分割方式があり得る。また、本願の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか、又は各ユニットが単独で物理的に存在するか、又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合され得る。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形で実現することができ、ソフトウェア機能ユニットの形で実現することもできる。
【0195】
上記の統合されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形で実現し、独立した製品として販売又は使用される場合、プロセッサ可読記憶媒体に格納することができる。このような理解に基づいて、本願の技術案は、その本質、又は先行技術に寄与する部分、又は当該技術手段の全て又は一部が、ソフトウェア製品の形で具体化されてもよい。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶されており、本願の各実施形態に記載の方法のすべて又は一部のステップをコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスであってもよい)に実行させるいくつかの指令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどの、プログラムコードを格納可能な様々な媒体を含む。
【0196】
なお、本願の実施形態によって提供される上記装置は、前述した方法実施形態が実現されるすべての方法のステップを実現することができ、同じ技術的效果を達成することができ、ここでは、本実施形態における方法の実施形態と同じ部分及び有益效果に対して贅言しない。
【0197】
別の態様において、本願の実施形態は、プロセッサ可読記憶媒体をさらに提供し、前記プロセッサ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは上記実施形態に記載の方法を前記プロセッサに実行させるために使用される。
【0198】
前記プロセッサ可読記憶媒体は、プロセッサがアクセスできる任意の利用可能な媒体又はデータ記憶デバイスであってもよく、磁気メモリ(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク(MO)等)、光学メモリ(例えば、CD、DVD、BD、HVD等)、半導体メモリ(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、不揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートドライブ(SSD)等を含むが、それらに限定されない。
【0199】
上記実施形態から分かるように、プロセッサ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムは記憶されており、前記コンピュータプログラムは上記パネル選択方法を前記プロセッサに実行させるために使用される。
【0200】
当業者には理解されるように、本願の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得る。従って、本願は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施形態を採用することができる。そして、本願は、コンピュータで利用可能なプログラムコードが含まれている1つ又は複数のコンピュータで利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、光学メモリ等を含むが、それらに限定されない)において実施されるコンピュータプログラム製品の形態を採用することができる。
【0201】
本願は、本願の実施形態による方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明するものである。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図の各フロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータ実行可能な命令により実現できることは理解されるべきである。これらのコンピュータ実行可能な命令は、1つのマシンを生成するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込型プロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサに提供されて、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサにより実行される命令により、フローチャートの1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つのブロック又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現するための手段が生成される。
【0202】
これらのコンピュータプログラマブル命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスを特定の方式で作動させることができるプロセッサ可読メモリに記憶されて、当該プロセッサ可読メモリに記憶された命令によって命令手段を含む製品を生成させることもできる。当該命令装置は、フローチャートにおける1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図における1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現する。
【0203】
これらのコンピュータプログラマブル命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理デバイスにロードされて、コンピュータで実現される処理を生成するために、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスで一連の操作ステップを実行させることもできる。それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデバイスで実行される命令は、フローチャートにおける1つ又は複数のフロー、及び/又はブロック図における1つ又は複数のブロックで指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0204】
もちろん、当業者が、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができる。このように、本願のこれらの変更及び修正が、本願の特許請求の範囲及びその均等な技術的範囲内に含まれる場合、本願は、これらの変更及び修正を含むことも意図する。