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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1339 20060101AFI20241022BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20241022BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/1343
G02F1/1335 505
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023533378
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2022134973
(87)【国際公開番号】W WO2023124704
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】202111653750.5
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522276596
【氏名又は名称】綿陽恵科光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIANYANG HKC OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Huike Road, Wujia Town, Fucheng District, Mianyang, Sichuan, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521141718
【氏名又は名称】恵科股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HKC Corporation Limited
【住所又は居所原語表記】1F-3F, 5F-7F of Factory Building 1, 7F of Factory Building 6, Huike Industrial Park, No.1 Industrial 2nd Road, Shilong Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 輝
(72)【発明者】
【氏名】袁 海江
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0098401(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0064067(KR,A)
【文献】特開2012-118489(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0071163(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0056641(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13-1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板、第2基板、及びスペーサを備える表示パネルであって、前記第1基板と前記第2基板は、セルを整列して形成するように対向して設けられ、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、
前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、
前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、
前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、
前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、
前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように前記電極層に対応し、前記スペーサから遠い領域の前記電極層に対応する前記平坦層には前記溝が設けられていない、表示パネル。
【請求項2】
前記溝のノッチ幅は、前記スペーサの横断面幅より小さい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1基板は、前記ベースと前記平坦層との間に設けられ、前記画素領域の位置に対応して複数の異なる色のカラーレジスト層が設けられたカラーフィルタ層をさらに含み、前記カラーフィルタ層は、少なくとも前記信号線に近い位置の厚さが前記信号線から離れた位置の厚さより大きい第1カラーレジスト層を含み、
前記溝は、前記第1カラーレジスト層のエッジ位置に対応する第1溝を含み、前記電極層は、前記第1溝内に設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表示パネルはフリンジフィールドスイッチング技術の表示パネルであり、前記表示パネルは、前記ベースと前記信号線との間に設けられる導電層をさらに含み、前記導電層は全面性電極であり、前記電極層とフリンジ電界を形成し、
前記溝は、前記電極層の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記表示パネルはインプレーンスイッチング型であり、前記電極層は、画素電極及び共通電極を含み、前記画素電極は、第1幹部及び複数の第1枝部を含み、複数の前記第1枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第1幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、
前記共通電極は、第2幹部及び複数の第2枝部を含み、複数の前記第2枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第2幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、前記画素電極と前記共通電極は、対向して設けられ、且つ複数の前記第1枝部と複数の前記第2枝部とは交互に配置されて横電界を形成し、
前記溝は、前記画素電極及び/又は前記共通電極の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記信号線は、第1方向に沿って配置されるデータ線を含み、前記溝は、前記第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝を含み、少なくとも1つの前記第1枝部又は前記第2枝部は、前記第1スリット溝内に設けられる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記信号線は、第2方向に沿って配置される走査線を含み、前記溝は、前記第2方向に沿って延びる少なくとも1つの第2スリット溝を含み、前記第1幹部又は前記第2幹部は、前記第2スリット溝内に設けられる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記表示パネルは垂直配向型であり、前記幹部は田字形であり、前記幹部は水平方向に配置された水平部と鉛直方向に配置された鉛直部を含み、複数の前記枝部の一端は、それぞれ前記水平部及び/又は前記鉛直部に接続され、他端は、異なる方向に延びて複数のドメインを形成し、
前記溝は、少なくとも前記幹部の辺縁が配置される回字形の溝を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第1基板はアレイ基板であり、前記第2基板はカラーフィルム基板であり、前記溝は第2溝を含み、前記第2溝の前記信号線に近い側の溝壁は前記アレイ基板に垂直であり、前記第2溝の前記信号線から離れた側の溝壁は、斜面又は段差面と設けられ、前記電極層は、前記第2溝内に設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記溝の深さは、前記電極層の厚さより大きく設定され、溝内に位置する電極層の上表面は、溝のノッチ位置の平坦層の上表面より低い、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記溝の信号線の配置方向に沿ったノッチ幅は、電極層の幅より大きく設定され、溝のノッチ幅と電極層の幅との差の範囲は、2μm~15μmである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記溝は、第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝を含み、第1方向は、データ線に平行な方向であり、前記第1スリット溝は長尺状構造であり、データ線の位置に近い第1枝部又は第2枝部は、前記第1スリット溝内に設けられる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記溝は、第2方向に沿って延びる第2スリット溝を含み、第2方向は、走査線に平行な方向であり、前記第2スリット溝は長尺状の主溝であり、第1枝部又は第2枝部の方向に沿って複数の副溝が設けられ、主溝及び副溝の幅は、いずれもスペーサの横断面幅より小さく設定され、
第1幹部又は第2幹部、及び第1枝部又は第2枝部の一部は、いずれも前記第2スリット溝内に設けられる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項14】
第1基板、第2基板、及びスペーサを備える表示パネルであって、前記第1基板と前記第2基板は、セルを整列して形成するように対向して設けられ、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、
前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、
前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、
前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、
前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、
前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように、前記電極層に対応し、前記スペーサから遠い領域の前記電極層に対応する前記平坦層には前記溝が設けられておらず、
前記表示パネルはインプレーンスイッチング型であり、前記電極層は、画素電極及び共通電極を含み、前記画素電極は、第1幹部及び複数の第1枝部を含み、複数の前記第1枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第1幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、
前記共通電極は、第2幹部及び複数の第2枝部を含み、複数の前記第2枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第2幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、前記画素電極と前記共通電極は、対向して設けられ、且つ複数の前記第1枝部と複数の前記第2枝部とは交互に配置されて横電界を形成し、
前記溝は、前記画素電極及び/又は前記共通電極の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられ、
前記信号線は、第1方向に沿って配置されるデータ線を含み、前記溝は、前記第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝を含み、少なくとも1つの前記第1枝部又は前記第2枝部は、前記第1スリット溝内に設けられ、前記信号線は、第2方向に沿って配置される走査線を含み、前記溝は、前記第2方向に沿って延びる少なくとも1つの第2スリット溝を含み、前記第1幹部又は前記第2幹部は、前記第2スリット溝内に設けられ、第1方向と第2方向とは直交し、且つ第1方向が鉛直方向で、第2方向が水平方向である、表示パネル。
【請求項15】
バックライトモジュールと、表示パネルとを備える表示装置であって、前記バックライトモジュールは、前記表示パネルの出光面から離れた側に設けられ、前記表示パネルは、第1基板、第2基板、及びスペーサを備え、前記第1基板と前記第2基板は、セルを整列して形成するように対向して配置され、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、
前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、
前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、
前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、
前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、
前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように前記電極層に対応し、前記スペーサから遠い領域の前記電極層に対応する前記平坦層には前記溝が設けられていない、表示装置。
【請求項16】
前記溝のノッチ幅は、前記スペーサの横断面幅より小さい、請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1基板は、前記ベースと前記平坦層との間に設けられ、前記画素領域の位置に対応して複数の異なる色のカラーレジスト層が設けられたカラーフィルタ層をさらに含み、前記カラーフィルタ層は、少なくとも前記信号線に近い位置の厚さが前記信号線から離れた位置の厚さより大きい第1カラーレジスト層を含み、前記溝は、前記第1カラーレジスト層のエッジ位置に対応する第1溝を含み、前記電極層は、前記第1溝内に設けられる、請求項15に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルはインプレーンスイッチング型であり、前記電極層は、画素電極及び共通電極を含み、前記画素電極は、第1幹部及び複数の第1枝部を含み、複数の前記第1枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第1幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、
前記共通電極は、第2幹部及び複数の第2枝部を含み、複数の前記第2枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第2幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、前記画素電極と前記共通電極は、対向して設けられ、且つ複数の前記第1枝部と複数の前記第2枝部とは交互に配置されて横電界を形成し、
前記溝は、前記画素電極及び/又は前記共通電極の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられ、
前記信号線は、第1方向に沿って配置されるデータ線を含み、前記溝は、前記第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝を含み、少なくとも1つの前記第1枝部又は前記第2枝部は、前記第1スリット溝内に設けられ、前記信号線は、第2方向に沿って配置される走査線を含み、前記溝は、前記第2方向に沿って延びる少なくとも1つの第2スリット溝を含み、前記第1幹部又は前記第2幹部は、前記第2スリット溝内に設けられる、請求項15に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルはフリンジフィールドスイッチング技術の表示パネルであり、前記表示パネルは、前記ベースと前記信号線との間に設けられる導電層をさらに含み、前記導電層は全面性電極であり、前記電極層とフリンジ電界を形成し、
前記溝は、前記電極層の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられる、請求項15に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルは垂直配向型であり、前記幹部は田字形であり、前記幹部は水平方向に配置された水平部と鉛直方向に配置された鉛直部を含み、複数の前記枝部の一端は、それぞれ前記水平部及び/又は前記鉛直部に接続され、他端は、異なる方向に延びて複数のドメインを形成し、
前記溝は、少なくとも前記幹部の辺縁が配置される回字形の溝を含む、請求項15に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年12月30日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号がCN202111653750.5で、出願名称が「表示パネル及び表示装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、表示技術の分野に関し、特に表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの記載は、必ずしも従来技術を構成するものではなく、本願に関連する背景情報のみを提供する。
【0004】
従来の液晶表示パネルは、通常、アレイ基板、カラーフィルム基板、及びアレイ基板とカラーフィルム基板との間に挟まれた液晶層からなり、アレイ基板には、液晶の偏向を制御する回路配線、例えば画素電極がさらに設けられ、画素電極は、表示領域内に位置し、通常、透明導電性酸化インジウムスズ(ITO)材料で製造され、透過率が高いという利点を有するが、脆性が比較的大きく、外力の作用によりクラックが発生しやすい。アレイ基板とカラーフィルム基板との間には、両基板間のセル厚の安定の効果を維持するスペーサがさらに設けられ、通常の場合では、スペーサは画素電極と接触しないが、外力の作用下でスペーサが摺動し、さらに表示領域の辺縁に侵入し、画素電極と接触し、さらに画素電極に圧縮応力を与え、クラックを引き起こすことにより、表示パネルの駆動は異常が発生し、表示失効を招き、顧客に損害を与え、会社の評判に影響する。
【0005】
従って、スペーサの摺動のため、画素電極が受圧して破壊され、駆動異常を招き、表示失効を引き起こすことを防止することは、解決すべき急務の課題となっている。
【発明の概要】
【0006】
本願は、表示パネル及び表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
本願は、第1基板、第2基板、及びスペーサを備える表示パネルであって、前記第1基板と前記第2基板は、セル整列に設けられ、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように前記電極層に対応する、表示パネルを開示する。
【0008】
本願は、第1基板、第2基板、及びスペーサを備える表示パネルであって、前記第1基板と前記第2基板は、セル整列に配置され、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように前記電極層に対応し、前記表示パネルはインプレーンスイッチング型であり、前記電極層は、画素電極及び共通電極を含み、前記画素電極は、第1幹部及び複数の第1枝部を含み、複数の前記第1枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第1幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、前記共通電極は、第2幹部及び複数の第2枝部を含み、複数の前記第2枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記第2幹部に接続されて櫛歯状構造を呈し、前記画素電極と前記共通電極は、対向して設けられ、且つ複数の前記第1枝部と複数の前記第2枝部とは交互に配置されて横電界を形成し、前記溝は、前記画素電極及び/又は前記共通電極の前記信号線に近い部分を収容するように前記電極層の前記信号線に近い位置に対応して設けられ、前記信号線は、第1方向に沿って配置されるデータ線を含み、前記溝は、前記第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝を含み、少なくとも1つの前記第1枝部又は前記第2枝部は、前記第1スリット溝内に設けられ、前記信号線は、第2方向に沿って配置される走査線を含み、前記溝は、前記第2方向に沿って延びる少なくとも1つの第2スリット溝を含み、前記第1幹部又は前記第2幹部は、前記第2スリット溝内に設けられ、第1方向と第2方向とは直交し、且つ第1方向が鉛直方向で、第2方向が水平方向である、表示パネルをさらに開示する。
【0009】
本願は、バックライトモジュールと、表示パネルとを備える表示装置であって、前記バックライトモジュールは、前記表示パネルの出光面から離れた側に設けられ、前記表示パネルは、第1基板、第2基板、及びスペーサを備え、前記第1基板と前記第2基板は、セル整列に配置され、前記スペーサは、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、前記第1基板は、ベース、信号線、平坦層及び電極層を含み、前記信号線は前記ベース上に設けられ、前記信号線は複数本設けられ、且つ複数本の前記信号線は交差して複数の画素領域を形成し、前記平坦層は前記信号線上に設けられ、前記スペーサの一端は前記第2基板上に設けられ、他端は前記平坦層上に当接され、前記電極層は前記平坦層上に設けられ、且つ前記画素領域内に位置し、前記電極層は、少なくとも幹部と複数の枝部を含み、複数の前記枝部は間隔をあけて設けられ、且つ前記幹部に接続され、前記平坦層の前記スペーサに近い領域には溝が設けられ、且つ前記溝は、前記スペーサに近い領域の前記電極層が前記溝内に埋め込まれるように前記電極層に対応する、表示装置をさらに開示する。
【0010】
スペーサの摺動のため、画素電極が受圧して断裂され、駆動異常を招くという方案に対して、本願は、平坦層上に、信号線に近い位置に溝が設けられ、電極層が溝内に設けられることにより、スペーサが外力を受けて摺動し、表示領域に向かって摺動して電極層を傷付けることが回避され、電極層が溝内に設けられ、且つ、電極層の厚さが溝の深さと等しい時、電極層の上表面が平坦層の上表面と同一平面に位置するため、スペーサが摺動する時、導電層の上表面のみと接触することになり、電極層の上表面が受圧して磨耗しても、溝内の電極層は依然として正常に導通することができ、表示パネルの駆動異常を回避し、又は、電極層の厚さが溝の深さより小さい時、電極層の上表面が平坦層の上表面より低いため、溝は、電極層の受圧による断裂問題を防止できるだけでなく、スペーサがさらに摺動することを防止して他の位置の電極層が受圧して損傷することも回避でき、さらに表示パネルの安定性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願の実施例のさらなる理解を提供するために含まれる図面は、明細書の一部を構成し、本願の実施形態を例示するために使用され、書面による説明と共に、本願の原理を説明する。無論、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な工夫せずに、これらの図面を元に他の図面を得ることもできる。
図1】本願の実施例1に係る表示パネルの平面模式図である。
図2】本願の実施例1に係る電極層の平面模式図である。
図3図2のA-A’方向に沿った断面模式図である。
図4】本願の実施例2に係る表示パネルの断面模式図である。
図5】本願の実施例3に係る表示パネルの平面模式図である。
図6】本願の実施例4に係る表示パネルの断面模式図である。
図7】本願の実施例4に係る溝の平面模式図である。
図8図7のC-C’方向に沿った断面模式図である。
図9】本願の実施例5に係る表示パネルの平面模式図である。
図10】本願の表示装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解すべきものとして、ここで使用される用語、開示された具体的な構成及び機能の詳細は、単に具体的な実施例を説明するためのものであり、代表的なものであるが、本願は多くの置換形態で具体的に実現でき、ここで説明された実施例のみに限定されるものと解釈すべきではない。
【0013】
本願の説明において、「第1」、「第2」という用語は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示し、又は指示された技術的特徴の数を暗黙的に指定すると理解できない。そのため、特別な説明がない限り、「第1」、「第2」が限定された特徴は、明示的又は暗黙的に1つ又は複数の当該特徴を含むことができ、「複数」とは、2つ又は2つ以上を意味する。「含む」という用語及びその任意の変形は、非排他的な包含を意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、モジュール及び/又はその組み合わせの存在、追加の可能性がある。
【0014】
また、「中心」、「横方向」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などが指示された方位又は位置関係の用語は、図面に示した方位又は相対的な位置関係に基づいて説明するものであり、単に本願を簡単に説明するためのものであり、指示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成、操作しなければならないことを示すものではないため、本願に対する限制と理解できない。
【0015】
また、特に明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「連なる」、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば固定接続でも、着脱可能な接続でも、又は一体的な接続でもよく、機械的接続でも、電気的接続でもよく、直接的な接続でも、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、又は2つの素子の内部の連通でもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0016】
以下、図面及び選択可能な実施例を参照して本願を詳しく説明する。なお、以下に説明する各実施例間又は各技術的特徴間は、相互に矛盾しないことを前提として、任意に組み合わせて新たな実施例を構成することも可能である。
【0017】
図1は、本願の実施例1に係る表示パネルの平面模式図であり、図2は、本願の実施例1に係る電極層の平面模式図であり、図3は、図2のA-A’方向に沿った断面模式図である。図1図3に示すように、本願は、表示パネル20を開示しており、表示パネル20は、第1基板201、第2基板202、及びスペーサ203を含み、第1基板201と第2基板202は、セル整列に設けられ、スペーサ203は、第1基板201と第2基板202との間に位置し、第1基板201は、ベース210、信号線220、平坦層230及び電極層250を含み、信号線220はベース210上に設けられ、信号線220は複数本設けられ、且つ複数本の信号線220は交差して複数の画素領域を形成し、平坦層230は信号線220上に設けられ、スペーサ203の一端は第2基板202上に設けられ、他端は平坦層230上に当接され、電極層250は平坦層230上に設けられ、且つ画素領域内に位置し、電極層250は、少なくとも幹部251と複数の枝部252を含み、複数の枝部252は間隔をあけて設けられ、且つ幹部251に接続され、平坦層230のスペーサ203に近い領域には溝231が設けられ、且つ溝231は、スペーサ203に近い領域の電極層250が溝231内に埋め込まれるように電極層250に対応する。
【0018】
スペーサ203の摺動のため、画素電極260が受圧して断裂され、駆動異常を招くという方案に対して、本願は、平坦層230上に、信号線220に近い位置に溝231が設けられ、電極層250が溝231内に設けられることにより、スペーサ203が外力を受けて摺動し、表示領域に向かって摺動して電極層250を傷付けることが回避され、電極層250が溝231内に設けられ、且つ、電極層250の厚さが溝231の深さと等しい時、電極層250の上表面が平坦層230の上表面と同一平面に位置するため、スペーサ203が摺動する時、導電層250の上表面のみと接触することになり、電極層250の上表面が受圧して磨耗しても、溝231内の電極層250は依然として正常に導通することができ、表示パネル20の駆動異常を回避し、又は、電極層250の厚さが溝231の深さより小さい時、電極層250の上表面が平坦層230の上表面より低いため、溝231は、電極層250の受圧による断裂問題を防止できるだけでなく、スペーサ203がさらに摺動することを防止して他の位置の電極層250が受圧して損傷することも回避でき、さらに表示パネル20の安定性が高められる。
【0019】
本願では、表示パネル20は、液晶表示パネル20として、第1基板201と第2基板202との間に液晶層204がさらに設けられ、第1基板201と第2基板202との間に駆動電極を形成することにより、液晶分子の偏向を制御し、表示パネル20に画面を表示させる。第1基板201と第2基板202との間にはスペーサ203がさらに設けられ、通常、スペーサ203は信号線220に対応する位置に設けられてパネルを支持し、セル厚を維持する効果を奏するが、表示パネル20に外力が加えられたり、圧力試験が行われたりする場合、スペーサ203が力を受けるため画素領域に向かって摺動し、本願は、平坦層230の信号線220に近い位置に対応して溝231が設けられ、且つ、溝231の位置に対応して電極層250の厚さが溝231の深さ以下であり、電極層250が溝231内に設けられることで、スペーサ203が断裂して駆動異常を招き、表示失効を引き起こすことが防止される。
【0020】
選択的に、溝231の位置に対応して、溝231の深さは、電極層250の厚さより0.1μm~0.5μm大きく、溝231の深さは、電極層250の厚さより大きく設定され、且つ溝231の深さと電極層250の信号線220に近い位置の厚さとの差の範囲は、0.1μm~0.5μmである。本実施形態では、溝231の深さを電極層250の厚さより大きく設定することで、溝231内に位置する電極層250の上表面が、ノッチ位置の平坦層230の上表面より低く、さらに表示パネル20が正常にセル整列された場合、信号線220に近い位置の電極層250の上表面が平坦層230の上表面より低くなるため、スペーサ203が摺動しても電極層250の上表面に接触することがなく、電極層250がスペーサ203の圧力を受けて断裂することもなく、電極層250が傷付けられたり磨耗したりすることがさらになく、表示パネル20の安定性がさらに高められる。
【0021】
また、溝231のノッチ幅は、スペーサ203の横断面幅より小さく、スペーサ203が力によって摺動しても溝231内に落ちることがなく、電極層250と接触することもなく、さらに電極層250の受圧による断裂問題が防止される。溝231は、通常、スリット状に設けられ、且つ信号線220に近い電極層250はすべて溝231内に設けられる。表示パネル20の受力がランダムであり、スペーサ203の摺動方向もランダムであるため、電極層250の受圧による断裂問題を回避するために、本実施形態では、スペーサ203に近い領域の電極層250をいずれも溝231内に設け、スペーサ203が信号線220のいずれの方向に沿って摺動しても電極層250が損傷することを回避することができ、また、溝231はスリット状であり、一定のガイド効果を有するため、スペーサ203は、摺動する時に、溝231の延長方向である信号線220に平行な方向に沿って摺動し、スペーサ203が画素領域内に向かって摺動することを回避し、電極層250が損傷して駆動異常を引き起こすという問題をさらに回避する。
【0022】
通常、溝231が設けられた領域は、信号線220に近い位置で約20μmの幅の範囲内であり、電極層250が傷付けられることを防止するとともに、画素領域の中央領域の地形に影響を与えない。
【0023】
表示パネル20がインプレーンスイッチング型(IPS)の表示パネルであることを例として、電極層250は、画素電極260及び共通電極270を含み、画素電極260は、第1幹部261及び複数の第1枝部262を含み、複数の第1枝部262は間隔をあけて設けられ、且つ第1幹部261に接続されて櫛歯状構造を呈し、共通電極270は、第2幹部271及び複数の第2枝部272を含み、複数の第2枝部272は間隔をあけて設けられ、且つ第2幹部271に接続されて櫛歯状構造を呈し、画素電極260と共通電極270は、対向して設けられ、且つ複数の第1枝部262と複数の第2枝部272とは交互に配置されて横電界を形成し、溝231は、画素電極260及び/又は共通電極270の信号線220に近い部分を収容するように電極層250の信号線220に近い位置に対応して設けられる。
【0024】
本実施例では、複数の枝部252と幹部251とが直交し、複数の枝部252が互いに平行な櫛歯状構造を形成し、且つ画素電極260と共通電極270とがすべて互いに平行な櫛歯状構造であることにより横電界を形成することを例として説明する。
【0025】
具体的には、信号線220は、第1方向に沿って配置されるデータ線221を含み、溝231は、第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝234を含み、少なくとも1つの第1枝部262又は第2枝部272は、第1スリット溝234内に設けられる。さらに、信号線220は、第2方向に沿って配置される走査線222を含み、溝231は、第2方向に沿って延びる少なくとも1つの第2スリット溝235を含み、第1幹部261又は第2幹部271は、第2スリット溝235内に設けられ、第1方向と第2方向とは直交し、且つ第1方向が鉛直方向で、第2方向が水平方向である。
【0026】
図2に示すように、画素電極260及び共通電極270は、いずれも櫛歯状であり、幹部251と複数の枝部252とを有し、本願は、溝231を画素電極260及び共通電極270の形状に合わせるように溝231の形状に対していくつかの設計がなされ、溝231は、第1方向に沿って延びる少なくとも1つの第1スリット溝234を含み、第1方向は、データ線221に平行な方向であり、第1スリット溝234は長尺状構造であり、データ線221の位置に近い第1枝部262又は第2枝部272を第1スリット溝234内に設けることで、データ線221に対応して設けられたスペーサ203が摺動する時に電極層250を傷付けることを防止する。
【0027】
同時に、溝は、第2方向に沿って延びる第2スリット溝235をさらに含み、第2方向は、走査線222に平行な方向であり、第2スリット溝235は長尺状の主溝であり、また、第1枝部262又は第2枝部272に沿って複数の副溝が設けられ、副溝の長さの範囲は5μm~15μmに設定され、幹部251に近い枝部252の一部のみを副溝内に設けるとともに、主溝及び副溝の幅はいずれもスペーサ203の横断面幅より小さく設定され、第1幹部261又は第2幹部271、及び第1枝部262又は第2枝部272の一部をいずれも第2スリット溝235内に設け、スペーサ203がノッチ位置まで摺動した時、スペーサ203は、溝231内に入り込むことなく溝231によって支持されるため、溝231内の電極層250が傷付けられることがない。もちろん、第2スリット溝235は、矩形溝であってもよく、第1幹部261(又は第2幹部271)と、第1幹部261に近い第1枝部262(又は第2幹部271に近い第2枝部272)とがいずれも矩形溝内に設けられる。
【0028】
さらに、本願は、溝231の幅をさらに一定に設計し、具体的には、溝231の位置に対応して、溝231の信号線の配置方向に沿ったノッチ幅を電極層250の幅より大きく設定し、且つ溝231のノッチ幅と電極層250の幅との差の範囲が2μm~15μmであり、すなわち、主溝のノッチ幅と第1幹部261の鉛直方向に沿った幅との差の範囲が2μm~15μmであり、画素電極260及び共通電極270が溝231内に位置する場合、電極層250と溝231の溝壁との間に隙間が形成され、この隙間を設けることにより製造過程に生じる誤差を回避し、画素電極260及び/又は共通電極270が広すぎて溝231内に完全に設置できず、画素電極260及び/又は共通電極270の製造材料が溝231のノッチ位置で堆積して厚さが不均一になり、ひいては電界が不均一になって画質が不均一になるという問題を防止することができる。
【0029】
具体的には、第1基板201は、ベース210と平坦層230との間に設けられ、画素領域の位置に対応して複数の異なる色のカラーレジスト層が設けられたカラーフィルタ層240をさらに含み、カラーフィルタ層240は、少なくとも信号線220に近い位置の厚さが信号線220から離れた位置の厚さより大きい第1カラーレジスト層241を含み、溝231は、第1カラーレジスト層241のエッジ位置に対応する第1溝232を含み、電極層250は、第1溝232内に設けられる。
【0030】
本実施形態では、第1基板201には、カラーフィルタ層240がさらに設けられ、すなわち、第1基板201はCOA基板であり、この時、第2基板202は対向基板であり、対向基板はガラス基板であってもよく、COA基板は製造される時、カラーフィルタ層240が複数の異なる色のカラーレジスト層から形成され、通常、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーレジスト層からなるため、少なくとも3つの製造工程で形成され、カラーレジスト材料がレベリング特性を有するため、カラーレジスト層は厚さの不均一の状況になる可能性があり、すなわち、カラーレジスト層は信号線220に近い位置での厚さが他の位置での厚さより大きく、中央が低く縁部が高い「凹形構造」をし、この時、平坦層230をカラーフィルタ層240に製造する時、平坦層230もこの凹形位置に対応して凹形形状を呈し、平坦層230の上表面が平坦でなくなり、こうして、この凹形位置における電極層250は、斜面に設けられることに相当し、特に、最後の工程で製造されたカラーレジスト層の場合、この凹形の程度がより深刻であるため、本実施例は、最後に製造されたカラーレジスト層のみに溝231が設けられる。
【0031】
最後に製造されたカラーレジスト層を第1カラーレジスト層241とする場合を例として、通常、第1カラーレジスト層241はBカラーレジスト層であり、第1カラーレジスト層241はRカラーレジスト層又はGカラーレジスト層であってもよく、溝231は第1溝232を含み、第1溝232は第1カラーレジスト層241のエッジ位置に対応し、且つ信号線220に近い位置に設けられ、第1カラーレジスト層241の位置に対応する電極層250がいずれも第1溝232内に設けられ、第1カラーレジスト層241の位置に対応する電極層250が受圧して断裂したり表面が損傷したりするという問題が回避される、さらに、第1溝232は第1カラーレジスト層241の信号線220に近い位置に設けられ、即ち、第1カラーレジスト層241が凹形構造を呈する時の縁部が高い位置に製造され、この時、電極層250の信号線220に近い位置を第1溝232内に設けることは、電極層250が位置する箇所を低くすることに相当し、電極層250の信号線220に近い位置と他の位置の上表面とが面一又は面一に近づける状態になることに有利であり、表示パネル20の電界安定性の向上にも有利である。
【0032】
好ましくは、信号線220の位置に近い電極層250は、いずれも第1溝232内に設けられ、すなわち、第1溝232は第1スリット溝234及び/又は第2スリット溝235を含むことができ、走査線222の位置に近い第1幹部261又は第2幹部271は、いずれも第2スリット溝235内に設けられ、及び/又は、データ線221の位置に近い第1枝部262又は第2枝部272は、第1スリット溝234内に設けられることにより、スペーサ203が電極層250を傷付けることが防止されて、表示パネル20の安定性が高められ、この時、表示パネル20はより大きな圧力にも耐えることができ、特に屋外スクリーンやタッチスクリーンに適用する。
【0033】
実際に製造する時、平坦層230に溝231を製造する場合、平坦層230の信号線220に近い位置に対応する箇所が比較的薄くなるように、ハーフトーンマスク工程やアッシング工程によって製造して溝231を形成することができる。もちろん、平坦層230の厚さは均一であり、第1基板201上の他のフィルム層に溝231を形成して、平坦層230がその中に埋め込まれて溝231を形成することもできる。
【0034】
実際の適用では、通常、スペーサ203はデータ線221の位置に近い電極層250から遠く離れており、スペーサ203が摺動した時に、通常、電極層250に接触しないため、データ線221に近い位置に第1スリット溝234が設けられなくてもよく、即ち、通常、走査線222に近い位置のみに第1溝スリット234が設けられる。又は、表示パネル20が実際に受ける圧力の大きさに応じて第1スリット溝234及び/又は第2スリット溝235を設けることで、表示パネル20の適用性を向上させる。
【0035】
実施例2:
図4は、本願の実施例2に係る表示パネルの断面模式図であり、図4に示すように、実施例1と異なるのは、表示パネル20がフリンジフィールドスイッチング技術(FFS)の表示パネルであり、表示パネル20が、ベース210と信号線220との間に設けられる導電層253をさらに含み、導電層253が全面性電極であり、電極層250とフリンジ電界を形成し、溝231が、電極層250の信号線220に近い部分を収容するように電極層250の信号線220に近い位置に対応して設けられる。
【0036】
本実施形態では、表示パネル20はFFS表示パネルであり、電極層250と導電層253は、フリンジ電界を形成して液晶の偏向を駆動し、表示パネル20に画面を表示させ、且つ電極層250と導電層253は、異なる層に位置し、電極層250の信号線220に近い位置に対応して溝231が設けられて電極層250の信号線220に近い部分を溝231内に設けることにより、スペーサ203が摺動する時に電極層250を傷付けることによる駆動異常現象を防止し、表示異常が発生することを回避し、表示パネル20の安定性を向上させる。ここで、電極層250は画素電極(又は共通電極)であってもよく、そうすると、フリンジ電界を形成するように導電層253は共通電極(または画素電極)である。
【0037】
実施例3:
図5は、本願の実施例3に係る表示パネルの平面模式図であり、図5に示すように、実施例1と異なるのは、画素電極260及び共通電極270において、各第1枝部262が、第1副枝部263及び第2副枝部264を含み、第1副枝部263の一端が、第1幹部261に接続され、他端が、第2副枝部264に接続され、且つ第1副枝部263と第2副枝部264との間が、第1鈍角をなして設けられ、各第2枝部272が、第3副枝部273及び第4副枝部274を含み、第3副枝部273の一端が第2幹部271に接続され、他端が第4副枝部274に接続され、且つ第3副枝部273と第4副枝部274との間が、第2鈍角をなして設けられ、第1鈍角が第2鈍角と等しく、且つ第1鈍角の設定範囲が150°~166°である。
【0038】
本実施形態では、各櫛歯状の画素電極260及び共通電極270において、各枝部252は、いずれも第1副枝部263及び第2副枝部264を含み、第1副枝部263の両端は、それぞれ幹部251と第2副枝部264に接続され、且つ第1副枝部263と第2副枝部264との間の夾角は鈍角であり、V字型構造を呈し、即ち、画素電極260及び共通電極270はいずれもV字型の櫛歯状構造を呈し、且つV字型構造における鈍角は150°~166°であり、この範囲内で、電界の安定性及び液晶の駆動効果がより良好であり、また、画素電極260及び共通電極270の形状に応じて溝231の構造が対応して設けられ、即ち、データ線221に近い位置において、溝231が第1スリット溝234である場合、第1スリット溝234は二段のスリット溝からなり、且つ二段のスリット溝の間の夾角は150°~166°に設定されて枝部252の形状に合わせ、又は走査線222に近い位置において、溝231が第2スリット溝235である場合、且つ第2スリット溝235は主溝及び複数の副溝である時、副溝と主溝との間にも一定の夾角があることにより、信号線220の位置に近い電極層250はいずれも溝231内に設けられ、電極層250を傷付けるのを防止する効果がより良好となる。
【0039】
実施例4:
図6は、本願の実施例4に係る表示パネルの断面模式図であり、図7は、本願の実施例4に係る溝の平面模式図であり、図8は、図7のC-C’方向に沿った断面模式図であり、図7図9に示すように、第1基板201はアレイ基板であり、第2基板202はカラーフィルム基板であり、溝231は第2溝233を含み、第2溝233の信号線220に近い側の溝壁はアレイ基板に垂直であり、第2溝233の信号線220から離れた側の溝壁は、斜面又は段差面と設けられ、電極層250は、第2溝233内に設けられる。
【0040】
本実施形態では、第1基板201はアレイ基板であり、第2基板202はカラーフィルム基板であり、アレイ基板上の平坦層230はパッシベーション層であってもよく、即ち、溝231はパッシベーション層上に製造され、この時、カラーフィルタ層240はカラーフィルム基板上に製造され、パッシベーション層は、通常の場合、厚さが不均一であることや、パッシベーション層の上表面が平坦でないという問題がないため、溝231は第2溝233を含み、第2溝233はパッシベーション層上に製造されてもよい。表示パネル20がIPS型の表示パネル20である場合を例として、電極層250は、櫛歯状構造を呈し且つ対向して係合して配置された画素電極260及び共通電極270を含み、第2溝233は、信号線220に近い位置に設けられ、第2溝233は、第1スリット溝234又は第2スリット溝235を含んでもよく、第1幹部261及び第2幹部271は、第2溝233内に設けられ、あるいは、第1枝部262又は第2枝部272は、第2溝233内に設けられ、且つ第2溝233の信号線220に近い位置の溝壁は、アレイ基板からカラーフィルム基板に向かう方向に平行な鉛直面であり、信号線220から離れた側の溝壁は、斜面又は段差面と設けられる。
【0041】
本実施例は、斜面を例として、斜面は、第2溝233において、幹部251と枝部252との接続箇所に対応し、幹部251から枝部252に延びた位置の側壁にのみ設けられてもよく、これにより、枝部252又は枝部252と幹部251との接続箇所が断線する問題を防止し、ひいては表示パネル20の安定性を向上させる。もちろん、電極層250が全層構造である場合、信号線220に近い位置のみに第2溝233が設けられ、且つ第2溝233はスリット状であり、ここで、第2溝233の信号線220から離れた側の溝壁は斜面と設けられ、スペーサ203が電極層250を傷付けることによる電極層250の断裂を防止するとともに、電極層250が断線することを防止することもできる。
【0042】
実施例5:
図9は、本願の実施例5に係る表示パネルの平面模式図であり、図9に示すように、本願の実施例5として、表示パネル20は垂直配向型(VA)であり、幹部251は田字形であり、幹部251は水平方向に配置された水平部と鉛直方向に配置された鉛直部を含み、複数の枝部252の一端は、それぞれ水平部及び/又は鉛直部に接続され、他端は、異なる方向に延びて複数のドメインを形成し、溝231は、少なくとも幹部251の辺縁が配置される回字形の溝を含む。
【0043】
本実施形態では、表示パネル20はVA型の表示パネル20であり、第1基板201はアレイ基板であってもよく、第2基板202はカラーフィルム基板又は対向基板であり、電極層250は画素電極であってもよく、幹部251は田字形であり、複数の枝部252は田字形の幹部251の内部に位置し、この時、溝231は、回字形の溝を含み、電極層250の田字形の構造に対応して一周設けることができ、幹部251の辺縁を溝231内に設けるとともに、複数の枝部252の位置に対応して溝231も設け、枝部252の一部も溝231内に設けることにより、スペーサ203が摺動する時に電極層250を傷付けることを防止し、電極層250が受圧して断裂することも回避し、表示パネル20の安定性を高めることができる。また、第1基板201がCOA基板である場合、電極層250の損傷による駆動異常を防止する効果を高めるために、異なるカラーレジスト層に対応して異なる深さの溝231を設けてもよい。
【0044】
図10は、本願の表示装置の断面模式図であり、図10に示すように、本願は、表示パネル20の出光面から離れた側に設けられるバックライトモジュール30と、本願に開示された任意の表示パネル20とを備える表示装置10をさらに開示する。
【0045】
本実施形態では、表示装置10は、コンピュータ、テレビ、ディスプレイスクリーン等の製品であってもよく、表示装置10における表示パネル20は、液晶表示パネル20であり、バックライトモジュール30によってそれに光源を提供して、画面を表示させ、表示パネル20は、いずれかの実施例における表示パネル20を採用するため、スペーサ203の摺動による電極層250の損傷又は断裂の招く駆動異常現象が回避され、表示パネル20の安定性が良好となり、表示装置10の表示異常が発生したり、表示が失効したりするという問題がさらに減少し、全体的な性能がより強くなる。
【0046】
なお、本願の思想は、非常に多数の実施例を形成することができるが、出願書類の幅は限られており、一つずつ列挙できないため、上述に説明する各実施例間又は各技術的特徴間は、相互に矛盾しないことを前提として、任意に組み合わせて新たな実施例を構成することも可能であり、各実施例又は技術的特徴を組み合わせると、元の技術的効果が増強される。
【0047】
本願の技術的手段は各種の表示パネルに広く適用でき、例えば、TN(Twisted Nematic、ねじれネマティック型)表示パネル、IPS(In-Plane Switching、インプレーンスイッチング型)表示パネル、VA(Vertical Alignment、垂直配向型)表示パネル、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment、マルチドメイン垂直配向型)表示パネルは、いずれも上記手段を適用することができる。
【0048】
以上の内容は、具体的な選択可能な実施形態と組み合わせて本願を更に詳細に説明したものであり、本願の具体的な実施形態がこれらの記載に限定されるとは限らない。当業者にとって、本願の思想から逸脱することなく簡単な派生や置換が可能であり、これらはすべて本願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10