IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7575608冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫
<>
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図1
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図2
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図3
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図4
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図5
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図6
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図7
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図8
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図9
  • 特許-冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
F25D23/02 306L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023538799
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2021127660
(87)【国際公開番号】W WO2022142689
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202011637629.9
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】青島海爾電氷箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No. 1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】海爾智家股分有限公司
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong 266101, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ミァオ ジェンリン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ イーハオ
(72)【発明者】
【氏名】チョン シュエリー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ミン
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111503981(CN,A)
【文献】特開2016-180514(JP,A)
【文献】特表2010-507741(JP,A)
【文献】特開2016-105033(JP,A)
【文献】特開2019-138561(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0261252(US,A1)
【文献】中国実用新案第204165315(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に取付空間が形成されたハウジングと、
前記取付空間に設けられ、制御下で伸縮可能な押し開きロッドおよび前記取付空間から外側に伸長して制御下で移動可能なガイドロッドからなる押し開き回転部材と、を備え、前記押し開きロッドは制御下で伸長すると冷蔵庫の扉体を押し開くように構成され、前記ガイドロッドは、前記押し開きロッドが前記冷蔵庫の扉体を押し開いた後、前記冷蔵庫の扉体を回転させるように構成されており、
前記ハウジングの外部に設けられた反転部材をさらに備え、
前記反転部材は、
前記冷蔵庫の扉体に反転可能に接続された反転ビームと、
前記冷蔵庫の扉体に軸周りに往復回転可能に設けられた反転弾性機構を含むビーム反転機構と、を備え、
前記反転弾性機構は、前記冷蔵庫の扉体を開く過程中、軸周りに回転して圧縮変形を生じさせ、前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、軸周りに反転して前記圧縮変形を復元して弾性力を解放し、前記冷蔵庫の扉体を閉じ、かつ前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、前記反転ビームの反転を促進し、
前記ビーム反転機構は、
前記冷蔵庫の庫体に固定的に接続された庫体固定板と、
垂直方向に沿って前記庫体固定板の上方に固定された反転固定軸であって、上から下へ順に配列された軸上部セグメント、軸中部セグメントおよび軸下部セグメントを含み、前記軸中部セグメントは径方向に沿って外側に延伸しランナーを形成し、前記ランナーの外周面に径方向に沿って内側に窪んだホイールハウス部が形成された反転固定軸と、を備え、
前記反転弾性機構は、
複数の組立セグメントを有し、複数の前記組立セグメントは水平方向に沿って順に配列された第1組立セグメント、第2組立セグメントおよび第3組立セグメントを含み、前記第1組立セグメントは、前記軸上部セグメントと前記軸下部セグメントに回転可能に嵌設され、前記反転弾性機構が前記反転固定軸の周りに往復回転し、前記第2組立セグメント内に、複数の前記組立セグメントの配列方向に沿って往復移動可能な案内軸が設けられ、前記第3組立セグメントは伸縮空間を形成する弾性部材組立ボックスと、
複数の前記組立セグメントの配列方向に沿って前記伸縮空間に伸縮可能に設けられ、前記案内軸に固定的に接続され、前記案内軸に前記ホイールハウス部の外形に適合した突出部が形成され、前記突出部は、前記冷蔵庫の扉体を開く過程中、前記ホイールハウス部から離間して、前記反転弾性部材に圧縮変形を生じさせ、さらに、前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、前記ホイールハウス部に入って、前記反転弾性部材を前記圧縮変形から復元させて弾性力を解放するように構成される反転弾性部材と、を備える、冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項2】
前記押し開き回転部材は少なくとも1つの駆動機構を含み、
前記駆動機構は、
駆動モータと、
前記駆動モータの出力軸と前記押し開きロッドまたは前記ガイドロッドを接続し、前記駆動モータが提供する駆動力を前記押し開きロッドまたは前記ガイドロッドに伝達し、それによって前記押し開きロッドが制御下で伸縮し、または前記ガイドロッドが制御下で移動可能である、伝達部材と、を含む、請求項1に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項3】
前記駆動機構は2つであり、一方の前記駆動機構は前記押し開きロッドに接続され、前記押し開きロッドの伸縮を駆動するために使用され、他方の前記駆動機構は前記ガイドロッドに接続され、前記ガイドロッドの移動を駆動するために使用される、請求項2に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項4】
前記ガイドロッドは、
前記駆動機構に固定的に接続された第1端、および前記取付空間から外側に突出する第2端を有する第1ガイド部と、
前記第1ガイド部の第2端に対して回転可能に接続された第1端、および前記冷蔵庫の扉体に固定的に接続された第2端を有する第2ガイド部と、を含む、請求項2に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項5】
前記第1ガイド部の第2端にその厚さ方向を貫通する第1組付孔が開設され、前記第2ガイド部の第1端にその厚さ方向を貫通する第2組付孔が開設され、
前記ガイドロッドは回転軸部をさらに含み、
前記第1組付孔と前記第2組付孔に組み付けられた回転ガイド軸と、
前記回転ガイド軸に固定的に接続され、または前記回転ガイド軸と一体で、それぞれ前記回転ガイド軸の上部セグメントと下部セグメントから径方向に沿って外側に延伸して形成され、前記第1ガイド部と前記第2ガイド部を前記回転ガイド軸に対して回転可能に嵌設させる上部制限フランジと下部制限フランジとを備える、請求項4に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項6】
前記押し開きロッドは、その中心軸線方向に沿って制御下で伸縮するように構成され、前記押し開きロッドの中心軸線が前記冷蔵庫の前後延伸方向と平行であり、前記押し開きロッドにその中心軸線方向に沿って並んで前記駆動機構と噛み合って接続されたラックが形成される、請求項2に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項7】
前記ハウジングは対向する前壁と後壁を有し、前記前壁には、前記押し開きロッドが貫通可能な伸縮孔が開設され、
前記押し開き回転部材は、
前記ハウジングの後壁と前記押し開きロッド間に接続され、前記押し開きロッドの制御下で伸長した後、前記押し開きロッドを収縮させるように構成される復元弾性部材をさらに備える、請求項6に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置。
【請求項8】
庫体と、
前記庫体に枢軸回転可能に設けられた扉体と、
請求項1~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置とを備える、冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置に関し、特に、冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、ユーザは、物を取ったり置いたりするために、冷蔵庫の扉体を手動で開閉する。
【0003】
扉体の開閉過程の自動化を進めるために、冷蔵庫に扉体開閉機構が取り付けられる。扉体の開閉過程は、ドアシールの吸引力などの複数の作用力を克服する必要があるため、複数の異なる扉体開閉機構を設け共同動作を行って扉体を円滑に開閉する必要があり、これにより、扉体開閉機構の数が冗長になり、全体構造が複雑で統合性が悪く、多くの空間を占有し、発泡過程で各機構の取付空間を確保する必要もあり、発泡過程が複雑になる。
【0004】
したがって、扉体開閉機構の構造を簡素化し、統合性を向上させる新規な扉自動開閉装置の開発は、当業者が解決すべき緊急な技術的課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の技術的課題の少なくとも一側面を解決する冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、扉体開閉機構の構造を簡素化し、統合性を向上させる新規な扉自動開閉装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、反転ビームの反転難易度を低減する新規なビーム反転方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、扉体開閉過程の自動化を向上させることである。
【0009】
本発明の一側面によれば、内部に取付空間が形成されたハウジングと、取付空間に設けられ、制御下で伸縮可能な押し開きロッドおよび取付空間から外側に伸長して制御下で移動可能なガイドロッドからなる押し開き回転部材と、を備え、前記押し開きロッドは制御下で伸長すると冷蔵庫の扉体を押し開くように構成され、前記ガイドロッドは、前記押し開きロッドが前記冷蔵庫の扉体を押し開いた後、前記冷蔵庫の扉体を回転させるように構成される、冷蔵庫用の扉自動開閉装置を提供する。
【0010】
前記押し開き回転部材は少なくとも1つの駆動機構を含み、前記駆動機構は、駆動モータと、前記駆動モータの出力軸と前記押し開きロッドまたは前記ガイドロッドを接続し、前記駆動モータが提供する駆動力を前記押し開きロッドまたは前記ガイドロッドに伝達し、それによって前記押し開きロッドが制御下で伸縮し、または前記ガイドロッドが制御下で移動可能である、伝達部材と、を含んでいてもよい。
【0011】
前記駆動機構は2つであり、一方の前記駆動機構は前記押し開きロッドに接続され、前記押し開きロッドの伸縮を駆動するために使用され、他方の前記駆動機構は前記ガイドロッドに接続され、ガイドロッドの移動を駆動するために使用されてもよい。
【0012】
前記ガイドロッドは、前記駆動機構に固定的に接続された第1端、および前記取付空間から外側に突出する第2端を有する第1ガイド部と、前記第1ガイド部の第2端に対して回転可能に接続された第1端、および前記冷蔵庫の扉体に固定的に接続された第2端を有する第2ガイド部と、を含んでいてもよい。
【0013】
前記第1ガイド部の第2端にその厚さ方向を貫通する第1組付孔が開設され、前記第2ガイド部の第1端にその厚さ方向を貫通する第2組付孔が開設され、前記ガイドロッドは回転軸部をさらに含み、前記第1組付孔と前記第2組付孔に組み付けられた回転ガイド軸と、前記回転ガイド軸に固定的に接続され、または前記回転ガイド軸と一体で、それぞれ前記回転ガイド軸の上部セグメントと下部セグメントから径方向に沿って外側に延伸して形成され、第1ガイド部と第2ガイド部を回転ガイド軸に対して回転可能に嵌設させる上部制限フランジと下部制限フランジとを備えていてもよい。
【0014】
前記押し開きロッドは、その中心軸線方向に沿って制御下で伸縮するように構成され、前記押し開きロッドの中心軸線が前記冷蔵庫の前後延伸方向と平行であり、前記押し開きロッドにその中心軸線方向に沿って並んで前記駆動機構と噛み合って接続されたラックが形成されていてもよい。
【0015】
前記ハウジングは対向する前壁と後壁を有し、前記前壁に押し開きロッドが挿入するための伸縮移動可能な伸縮孔が開設され、前記押し開き回転部材は、前記ハウジングの後壁と前記押し開きロッド間に接続され、前記押し開きロッドの制御下で伸長した後、前記押し開きロッドを収縮させるように構成される復元弾性部材をさらに備えていてもよい。
【0016】
前記ハウジングの外部に設けられた反転部材をさらに備えており、前記反転部材は、前記冷蔵庫の扉体に反転可能に接続された反転ビームと、前記冷蔵庫の扉体に軸周りに往復回転可能に設けられた反転弾性機構を含むビーム反転機構と、を備え、前記反転弾性機構は、前記冷蔵庫の扉体を開く過程中、軸周りに回転して圧縮変形を生じさせ、前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、軸周りに反転して圧縮変形から復元して弾性力を解放し、前記冷蔵庫の扉体を閉じ、かつ前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、前記反転ビームの反転を促進してもよい。
【0017】
前記ビーム反転機構は、前記冷蔵庫の庫体に固定的に接続された庫体固定板と、垂直方向に沿って前記庫体固定板の上方に固定された反転固定軸であって、前記反転固定軸は、上から下へ順に配列された軸上部セグメント、軸中部セグメントおよび軸下部セグメントを含み、前記軸中部セグメントは径方向に沿って外側に延伸しランナーを形成し、前記ランナーの外周面に径方向に沿って内側に窪んだホイールハウス部が形成された反転固定軸と、を備え、前記反転弾性機構は、複数の組立セグメントを有し、複数の前記組立セグメントは水平方向に沿って順に配列された第1組立セグメント、第2組立セグメントおよび第3組立セグメントを含み、前記第1組立セグメントは、前記軸上部セグメントと前記軸下部セグメントに回転可能に嵌設され、前記反転弾性機構が反転固定軸の周りに往復回転し、前記第2組立セグメント内に、複数の前記組立セグメントの配列方向に沿って往復移動可能な案内軸が設けられ、前記第3組立セグメントは伸縮空間を形成する弾性部材組立ボックスと、複数の前記組立セグメントの配列方向に沿って前記伸縮空間に伸縮可能に設けられ、前記案内軸に固定的に接続され、前記案内軸に前記ホイールハウス部の外形に適合した突出部が形成され、前記突出部は、前記冷蔵庫の扉体を開く過程中、前記ホイールハウス部から離間して、前記反転弾性部材に圧縮変形を生じさせ、さらに、前記冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、前記ホイールハウス部に入って、前記反転弾性部材を圧縮変形から復元させて弾性力を解放するように構成される反転弾性部材と、を備えていてもよい。
【0018】
本発明の別の側面によれば、庫体と、前記庫体に枢軸回転可能に設けられ扉体と、上記のいずれかに記載の冷蔵庫用の扉自動開閉装置とを備える冷蔵庫をさらに提供する。
【0019】
本発明の冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫では、扉自動開閉装置はハウジングおよびハウジング内部取付空間に設けられた押し開き回転部材を備え、この押し開き回転部材は制御下で伸縮可能な押し開きロッドおよび取付空間から外側に伸長して制御下で移動可能なガイドロッドを備える。ここで、押し開きロッドは、制御下で伸長すると冷蔵庫の扉体を押し開くように構成され、ガイドロッドは、押し開きロッドが冷蔵庫の扉体を押し開いた後、冷蔵庫の扉体を回転させるように構成される。押し開きロッドとガイドロッドを統合してハウジング内部の取付空間に設けることにより、本発明は、扉体開閉機構の数を減らし、扉体開閉機構の全体構造を簡素化するだけでなく、装置全体の統合性を向上させ、占有空間を小さくして発泡の難易度を低くすることもできる新規な扉自動開閉装置を提供する。
【0020】
さらに、本発明の冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫は、新規なビーム反転機構およびビーム反転方法を提供する。このビーム反転機構は、冷蔵庫の扉体を開く過程中、軸周りに回転して圧縮変形を生じさせ、冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、軸周りに反転して圧縮変形から復元して弾性力を解放し、冷蔵庫の扉体を閉じ、かつ冷蔵庫の扉体を閉じる過程中、反転ビームの反転を促進する反転弾性機構を含んでいる。ビーム反転機構を用いて扉体の回転を補助することにより、扉体を押し開き回転部材と反転弾性機構の二重作用下で閉位置に向かって回転させ、反転ビームに間接的に回転力を与えることができ、反転ビームの反転動作を間接的に促進し、反転ビームの反転難易度を低減することができる。
【0021】
またさらに、本発明の冷蔵庫用の扉自動開閉装置およびそれを備えた冷蔵庫は、扉体開閉過程中、押し開き回転部材の押し開きロッドおよび/またはガイドロッドを制御すれば扉体の開閉動作を完了することができ、これにより、扉体開閉過程の自動化を向上させ、制御過程を簡単にすることができる。
【0022】
当業者が本発明の上記および他の目的、利点および特徴をより理解するために、以下の添付図面と併せて本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明のいくつかの具体的な実施例を例示的かつ非限定的に詳細に説明する。添付図面において、同じまたは類似の部材または部分に同じ符号をつける。当業者は、これらの添付図面が必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
図1】本発明の一実施例による冷蔵庫の概略図である。
図2】本発明の一実施例による冷蔵庫の扉自動開閉装置の概略図である。
図3図2に示す扉自動開閉装置の上面図である。
図4図2に示す扉自動開閉装置のハウジングおよび押し開き回転機構の構造図である。
図5図2に示す扉自動開閉装置の押し開き回転機構のガイドロッドの部分構造図である。
図6図2に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構の概略図である。
図7図6に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構の分解図である。
図8図7に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構のさらなる分解図である。
図9図8に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構中の反転固定軸の概略図である。
図10図8に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構中の反転弾性機構の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施例による冷蔵庫10の概略図である。冷蔵庫10は一般に庫体110、扉体120および扉自動開閉装置を備える。扉自動開閉装置は一般に、ハウジング230およびハウジング230の内部取付空間に設けられた押し開き回転部材を備え、ハウジング230の外部に設けられた反転部材をさらに備える。
【0025】
本実施例の扉自動開閉装置は、様々な冷蔵庫10、例えばシングルドア冷蔵庫、またはマルチドア冷蔵庫に適用され、特に、反対の開方向に設定されている少なくとも2つの扉体120を備えた冷蔵庫10、例えばカウンタードア冷蔵庫、クロスドア冷蔵庫、フレンチマルチドア冷蔵庫などに適用される。以下、カウンタードア冷蔵庫を例に挙げてカウンタードア冷蔵庫に適用される扉自動開閉装置を説明するが、当業者であれば、本実施例の基に他の用途に十分に展開可能であるはずであるため、これ以上の例を挙げない。
【0026】
庫体110の内部には収納分室が形成され、収納分室は前方に開口する収納空間である。扉体120は庫体110に枢軸回転可能に設けられ、前方開口を閉鎖または開放し、収納分室を開閉することができる。本実施例の扉体120は2つであり、前方開口に鏡面対称に配置され、例えば、第1扉体120は前方開口の左半部分を閉鎖し、第2扉体120は前方開口の右半部分を閉鎖するために使用される。2つの扉体120の開放方向は反対であり、例えば前記第1扉体120の枢軸はその左側に位置し、前記第2扉体120の枢軸はその右側に位置してもよい。図中の矢印は左右方向を示し、「左」、「右」などの方位を示す用語は、いずれも冷蔵庫10の実際の使用状態に対するものであり、庫体110の水平方向の横方向の延伸方向であり得る。各扉体120はそれぞれの閉位置と開位置を有する。扉体120が閉位置にあるとき、扉体120は庫体110の前方開口を閉鎖し、扉体120が閉位置から開位置に回転するとき、扉体120は庫体110の前方開口を開放する。
【0027】
図2は、本発明の一実施例による冷蔵庫10の扉自動開閉装置の概略図であり、この扉自動開閉装置は第1扉体120の開閉を駆動するために使用される。第2扉体120の開閉を駆動するための扉自動開閉装置の図示を省略し、扉自動開閉装置の取付位置を観察しやすくするために、図2には冷蔵庫10の一部の扉体120および一部の庫体110も示している。
【0028】
扉自動開閉装置のハウジング230は押し開き回転部材を収容するために使用される。ハウジング230は実質的に直方体形状であってもよいし、任意の他の形状であってもよい。ハウジング230の内部に取付空間が形成される。押し開き回転部材は取付空間に取り付けられる。すなわち、押し開き回転部材はハウジング230に統合される。ハウジング230は、庫体110の上方に扉体120の頂部に近接して設けられ、扉体120に作用力を与える。
【0029】
図3は、図2に示す扉自動開閉装置の上面図であり、扉自動開閉装置と扉体120間の相対位置を観察しやすくするために、図3も冷蔵庫10の一部の扉体120および一部の庫体110を示している。
【0030】
押し開き回転部材は、制御下で伸縮可能な押し開きロッド260および取付空間から外側に伸長して制御下で移動可能なガイドロッドを備える。押し開きロッド260は、制御下で伸長すると冷蔵庫10の扉体120を押し開くように構成され、ガイドロッドは、押し開きロッド260が冷蔵庫10の扉体120を押し開いた後冷蔵庫10の扉体120を回転させるように構成される。押し開きロッド260は実質的に長いロッド形状である。ガイドロッドは実質的に連結ロッド形状であってもよい。
【0031】
扉体120が閉位置にあるとき、冷蔵庫10のドアシールは扉体120と庫体110を密閉する作用を果たす。扉体120を開位置に回転させる過程中、まず押し開きロッド260を用いて扉体120を押し開くことにより、扉体120がドアシールの吸引力を克服することができる。押し開きロッド260が扉体120を押し開いた後、ガイドロッドを用いて扉体120の回転を案内し、扉体120を開位置に回転させることができる。
【0032】
押し開きロッド260とガイドロッドをハウジング230内部の取付空間に統合することにより、本実施例は、扉体開閉機構の数を減らし、扉体開閉機構の全体構造を簡素化するだけでなく、装置全体の統合性を向上させ、占有空間を小さくして発泡の難易度を低くすることもできる新規な扉自動開閉装置を提供する。
【0033】
本実施例の冷蔵庫10は、押し開きロッド260とガイドロッドの構造および移動方法を改善することにより、開過程中、押し開き回転部材の押し開きロッド260および/またはガイドロッドを制御すれば開閉動作を完了することができ、これにより扉体120開閉過程の自動化を向上させ、制御過程も簡単になる。
【0034】
図4は、図2に示す扉自動開閉装置のハウジング230および押し開き回転機構200の構造図である。
【0035】
押し開き回転部材は、取付空間内に設けられた少なくとも1つの駆動機構をさらに備える。駆動機構は駆動モータ215と伝達部材を備える。すなわち、各駆動機構に駆動モータ215および伝達部材が設けられる。駆動モータ215はステッピングモータであり得、伝達部材はギアセットであり得る。駆動モータ215は、押し開き回転部材の押し開きロッド260とガイドロッドに駆動力を提供し、伝達部材は駆動モータ215の出力軸と押し開きロッド260またはガイドロッドを接続して、駆動モータ215が提供する駆動力を押し開きロッド260またはガイドロッドに伝達し、押し開きロッド260が制御下で伸縮し、またはガイドロッドが制御下で移動可能である。
【0036】
本実施例の駆動機構は2つであり、各駆動機構は駆動モータ215と伝達部材を備える。2つの駆動機構は互いに干渉しない。一方の駆動機構は押し開きロッド260に接続され、押し開きロッド260の伸縮を駆動し、例えばこの駆動機構の伝達部材は対応の駆動モータ215の出力軸と押し開きロッド260を接続し、この駆動機構を第1駆動機構と呼ぶ。他方の駆動機構はガイドロッドに接続され、ガイドロッドの移動を駆動し、例えば、この駆動機構の伝達部材は対応の駆動モータ215の出力軸とガイドロッドを接続し、この駆動機構を第2駆動機構と呼ぶ。
【0037】
冷蔵庫10の庫体110の左右の延伸方向において、押し開きロッド260はガイドロッドの右側に設けられ、扉体120の反転ビーム140に接する部位に近接して、小さな作用力を使って扉体120を押し開く。
【0038】
押し開きロッド260は、その中心軸線方向に沿って制御下で伸縮するように構成され、押し開きロッド260の中心軸線は冷蔵庫10の前後延伸方向と平行になる。図1の矢印は庫体110の前後延伸方向を示し、「前」、「後」などの方位を示す用語は、冷蔵庫10の実際の使用状態に対するものである。
【0039】
押し開きロッド260にその中心軸線方向に沿って並んだラック261が設けられ、前記ラック261は駆動機構と噛み合って接続され、ここでの駆動機構とは、第1駆動機構の伝達部材を指し、第1駆動機構の伝達部材は第1駆動機構の駆動モータ215の駆動力を押し開きロッド260に伝達する。
【0040】
ハウジング230は対向する前壁231および後壁232を有し、前壁231に押し開きロッド260が挿入して伸縮移動可能な伸縮孔が開設される。押し開きロッド260は伸縮孔を貫通し前方に伸長して扉体120を押し開く。押し開き回転部材は、ハウジング230の後壁232と押し開きロッド260間に接続された復元弾性部材270をさらに備える。すなわち、復元弾性部材270は押し開きロッド260の中心軸線方向に沿って押し開きロッド260の後側に設けられ、復元弾性部材270の一端が押し開きロッド260に固定的に接続され、他端がハウジング230の後壁に固定的に接続される。復元弾性部材270の伸縮方向は押し開きロッド260の中心軸線方向と共線的である。復元弾性部材270は、押し開きロッド260の制御下で伸長した後、押し開きロッド260を収縮させ、押し開きロッド260による扉体120の閉過程に対する干渉を防止するように構成される。この復元弾性部材270は、伸縮性を有する任意の弾性体、例えばバネであるが、これに限定されない。押し開きロッド260が前方に伸長して扉体120を押し開く過程中、復元弾性部材270は引っ張って変形する。
【0041】
いくつかの実施例では、押し開き回転部材は、押し開きロッド260のラック261の前側に設けられた近接センサ280をさらに含む。押し開きロッド260が伸長する際に、そのラック261もそれとともに前方に移動する。押し開きロッド260のラック261が近接センサ280に当接されると、近接センサ280は特定の電気信号を発生し、第1駆動機構の駆動モータ215が近接センサ280の電気信号を受信した後待機状態に切り替わることができる。
【0042】
ガイドロッドは押し開きロッド260の左側であって、扉体120の枢軸に近接して設けられ、扉体120の枢軸に作用力を与える。ガイドロッドは実質的に連結ロッド構造であってもよい。ガイドロッドは相互に接続され相対的に回転する第1ガイド部241および第2ガイド部242を含み、第1ガイド部241および第2ガイド部242を接続するための回転軸部243をさらに含んでもよい。第1ガイド部241および第2ガイド部242はそれぞれ棒状であってもよい。各ガイド部はその長さ方向に沿って第1端および第2端を有する。
【0043】
第1ガイド部241は、駆動機構に固定的に接続された第1端、および取付空間から外側に突出する第2端を有し、ここでの駆動機構とは第2駆動機構の伝達部材を指す。第2ガイド部242は第1ガイド部241の第2端に相対回転可能に接続された第1端、および冷蔵庫10の扉体120に固定的に接続された第2端を有する。すなわち、第1ガイド部241の第1端は取付空間内に位置し、第2駆動機構の伝達部材に伝達可能に接続され、第1ガイド部241の第2端は取付空間の外部に延伸し、第2ガイド部242の第1端に相対回転可能に接続される。第2ガイド部242の第2端は冷蔵庫10の扉体120に固定的に接続され、例えば扉体120の枢軸にヒンジで固定的に接続される。
【0044】
第1ガイド部241および第2ガイド部242は同一水平面内に位置し、この水平面内で相対的に回転することができる。第1ガイド部241と第2ガイド部242が相対的に回転するとき、両者間の夾角の大きさが変化する。第1ガイド部241の第2端にその厚さ方向を貫通する第1組付孔が開設され、第2ガイド部242の第1端にその厚さ方向を貫通する第2組付孔が開設される。ここでの「厚さ方向」とは垂直方向である。
【0045】
図5は、図2に示す扉自動開閉装置の押し開き回転機構200のガイドロッドの部分構造図である。
【0046】
回転軸部243は回転ガイド軸、上部制限フランジ243aおよび下部制限フランジ243bを含む。回転ガイド軸の中心軸線、上部制限フランジ243aの中心軸線および下部制限フランジ243bの中心軸線は同軸であり、垂直方向に沿って延伸する。上部制限フランジ243aと下部制限フランジ243bは実質的に円筒状である。回転ガイド軸は第1組付孔および第2組付孔に組み立てられる。第1組付孔は回転ガイド軸に固定的に接続され、または移動可能に接続されてもよい。上部制限フランジ243aと下部制限フランジ243bは回転ガイド軸に固定的に接続され、または回転ガイド軸と一体で、それぞれ回転ガイド軸の上部セグメントと下部セグメントから径方向に沿って外側に延伸し形成され、第1ガイド部241および第2ガイド部242は回転ガイド軸に相対的に回転可能に嵌設される。すなわち、第1ガイド部241および第2ガイド部242は回転ガイド軸に嵌設され、上部制限フランジ243aと下部制限フランジ243bの横断面直径が回転ガイド軸の横断面直径よりも大きく、第1ガイド部241および第2ガイド部242が回転ガイド軸から外れることを防止し、ガイドロッドの各部材間の接続信頼性を高める。
【0047】
第1駆動機構の伝達部材および第2駆動機構の伝達部材の構造は同じであってもよく、両方とも扉体用第1伝達ギア211、扉体用第2伝達ギア212および扉体用第3伝達ギア213を含む。
【0048】
扉体用第1伝達ギア211は対応の駆動モータ215の出力軸に接続される。扉体用第1伝達ギア211は駆動モータ215の出力軸と噛み合って接続され、駆動モータ215の出力軸に扉体用第1伝達ギア211の歯と噛み合う歯付きバーが形成される。いくつかの選択可能な実施例では、駆動モータ215の出力軸は扉体用第1伝達ギア211の軸に接続されてもよい。
【0049】
扉体用第2伝達ギア212は扉体用第1伝達ギア211と噛み合う。扉体用第3伝達ギア213は扉体用第2伝達ギア212と同軸であり、押し開きロッド260またはガイドロッド伝達に接続される。扉体用第3伝達ギア213の位置は扉体用第2伝達ギア212の位置よりも低くすることができる。扉体用第3伝達ギア213の歯の根元の円の直径が扉体用第2伝達ギア212の歯の根元の円の直径よりも大きい。すなわち、扉体用第3伝達ギア213の全体外形寸法は扉体用第2伝達ギア212の全体外形寸法よりも大きく、駆動モータ215の回転ストロークを増幅する効果があり、小さな回転を利用して押し開きロッド260を駆動して大きな伸縮量を生じさせたり、ガイドロッドを駆動して大きな回転量を生じさせたりすることができる。
【0050】
本実施例の扉体120の伝達部材は、扉体用第3伝達ギア213を押し開きロッド260またはガイドロッドに伝達可能に接続するための扉体用第4伝達ギア214をさらに含む。すなわち、扉体用第3伝達ギア213は扉体用第4伝達ギア214を介して押し開きロッド260またはガイドロッドに伝達可能に接続される。例えば、扉体用第4伝達ギア214は扉体用第3伝達ギア213と噛み合って接続される一方、押し開きロッド260のラック261と噛み合って接続される。また、扉体用第4伝達ギア214は扉体用第3伝達ギア213と噛み合って接続される一方、扉体用第4伝達ギア214の軸はガイドロッドの第1ガイド部241の第1端に固定的に接続される。
【0051】
伝達部材の複数の伝達ギアを有機的に接続し、本実施例の扉自動開閉装置が小さな駆動力と小さなモータ回転ストロークを使用して扉体120の開閉を実現することが可能であり、扉自動開閉装置の扉体120の開閉難易度の低減に寄与する。
【0052】
いくつかの選択可能な実施例では、押し開き回転部材の駆動機構の数および接続方法を変更してもよい。押し開き回転部材の駆動機構は1つであり、すなわち、押し開き回転部材は1つの駆動モータ215および1つの伝達部材のみを含み、この駆動モータ215と伝達部材は押し開きロッド260およびガイドロッドの移動を同時に調整することができ、扉自動開閉装置の構造をさらに簡素化し、製造コストを低減することができる。
【0053】
例えば、駆動モータ215と伝達部材間の接続方法を変更することなく、伝達部材は上記扉体用第1伝達ギア211、扉体用第2伝達ギア212、扉体用第3伝達ギア213および扉体120第4伝達ギアから構成され、複数の扉体120と伝達ギア間の接続方法を変更しない。扉体用第4伝達ギア214は押し開きロッド260のラック261と噛み合って接続される一方、扉体用第4伝達ギア214の軸はガイドロッドの第1ガイド部241の第1端固定的に接続される。
【0054】
押し開きロッド260が伸長すると「扉体を押し開く」という作用を果たし、扉体120が押し開かれた後、押し開きロッド260が継続的に伸長しなくなるため、押し開きロッド260のラック261の長さは、押し開きロッド260が扉体120を押し開くときの伸長長さとほぼ同じである。扉体120が閉位置にあるとき、扉体用第4伝達ギア214はラック261の前端と噛み合う。駆動機構には、ラック261が前方に移動する過程中、扉体用第4伝達ギア214がラック261から分離すると同時にオンにして押し開きロッド260の位置を制限してそれを固定するために使用される制限スイッチがさらに設けられる。このとき扉体用第4伝達ギア214はガイドロッドのみを継続的に移動させる。
【0055】
扉体用第4伝達ギア214は押し開きロッド260のラック261と噛み合うだけでなく、ガイドロッドに固定的に接続されるため、扉体用第4伝達ギア214が押し開きロッド260を駆動して伸長させるとき、ガイドロッドもそれにとともに移動し、押し開きロッド260とガイドロッドを同時に移動させ、扉開き難易度を低減することができる。扉体120が開位置に達した後、駆動モータ215は待機状態に切り替え、制限スイッチをオフにして押し開きロッド260に対する制限を解除し、復元弾性部材270によって元の位置に回復する。
【0056】
反転部材は反転ビーム140とビーム反転機構500を含む。反転ビーム140は、冷蔵庫10の扉体120に反転可能に接続される。例えば、反転ビーム140は前方開口の左半部分を閉鎖する第1扉体120に反転可能に接続され、反転ビーム140の第1端は第1扉体120の右側縁部に固定的に接続され、反転ビーム140の第2端は第1端に対向し、第1端を回転軸として回転して、反転ビーム140の反転を実現する。
【0057】
反転ビーム140と扉体120は実質的に板状であり得る。反転ビーム140は、扉体120の開閉状態に応じて扉体120に対して反転することができる。扉体120が閉位置にあるとき、反転ビーム140が所在する板面と扉体120が所在する板面間の夾角はほぼ0°であり、扉体120が閉位置から開位置に回転する過程中、反転ビーム140は扉体120に対して回転し、反転ビーム140が所在する板面と扉体120が所在する板面間の夾角はほぼ90°であり、このとき、反転ビーム140は扉体120に対して反転位置まで回転し、扉体120が開位置から閉位置に回転する過程中、反転ビーム140は扉体120に対して再び回転し、反転ビーム140が所在する板面と扉体120が所在する板面間の夾角が0°に回復し、このとき、反転ビーム140は扉体120に対して伸張位置に回転する。
【0058】
図6は、図2に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構500の概略図であり、図7は、図6に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構500の分解図であり、図8は、図7に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構500のさらなる分解図である。
【0059】
ビーム反転機構500は、庫体固定板510、反転固定軸520および反転弾性機構を含み、扉体120に固定的に接続された扉体固定件570をさらに含んでもよい。反転弾性機構は冷蔵庫10の扉体120に軸周りに往復回転可能に設けられる。一般に、扉体120は垂直板面である。扉体120の下面の一部が上方に凹んで収容キャビティを形成し、この収容キャビティは扉体120の枢軸に近接する。反転弾性機構は該収容キャビティ内に収容され得る。例えば、扉体固定件570上の本体は薄板状であり、その一部の板面が上方に凹んで収容キャビティが挿入される上部窪みを形成し、この上部窪みの内部は反転弾性機構を取り付けるための空間を画定している。反転弾性機構中の弾性部材組立ボックス530の第3組立セグメント533は上部窪みに固定的に接続される。図8では扉体固定件570を省略する。
【0060】
反転弾性機構は、冷蔵庫10の扉体120が開く過程中、軸周りに回転して圧縮変形を生じ、冷蔵庫10の扉体120が閉じる過程中、軸周りに反転して圧縮変形を回復して弾性力を解除し、冷蔵庫10の扉体120を閉じ、反転ビーム140の冷蔵庫10の扉体120が閉じる過程での反転を促進するように構成される。すなわち、反転弾性機構は扉体120が開く過程中、圧縮変形を発生させることによって「エネルギー蓄積」し、扉体120が閉じる過程中、圧縮変形を回復させて「エネルギー放出」し、扉体120の閉じに別の駆動力を提供し、扉体120は押し開き回転部材と反転弾性機構の二重作用下で閉位置に向かって回転し、反転ビーム140に間接的に反転動力を提供する。
【0061】
庫体固定板510は、冷蔵庫10の庫体110に固定的に接続されるために使用され、例えば、庫体固定板510の本体板面は収容キャビティの下方に位置してもよい。
【0062】
図9は、図8に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構500中の反転固定軸520の概略図である。
【0063】
反転固定軸520は垂直方向に沿って庫体固定板510の上方に固定される。本実施例では、反転固定軸520は収容キャビティ内に延在することができる。反転固定軸520は、上から下へ順に配列された軸上部セグメント521、軸中部セグメント522および軸下部セグメント523を含む。軸中部セグメント522は径方向に沿って外側に延伸してランナーを形成する。ランナーの外周面の一部はホイール面部522bを形成する。ランナーの外周面に、径方向に沿って内側に窪んだホイールハウス部522aがさらに形成される。すなわち、ホイールハウス部522aはホイール面部522bに対して径方向に沿って内側に窪んでいる。
【0064】
反転弾性機構は軸上部セグメント521と軸下部セグメント523に回転可能に嵌設される。反転弾性機構は、弾性部材組立ボックス530および弾性部材組立ボックス530内に設けられた反転弾性部材550を含む。
【0065】
弾性部材組立ボックス530は複数の組立セグメントを含み、複数の組立セグメントは水平方向に沿って順に配列された第1組立セグメント531、第2組立セグメント532および第3組立セグメント533を含む。扉体120が閉位置にあるとき、第1組立セグメント531、第2組立セグメント532および第3組立セグメント533は左から右へ順に配列される。各組立セグメントはいずれも対向する頂壁と底壁を有する。
【0066】
図10は、図8に示す扉自動開閉装置のビーム反転機構500中の反転弾性機構の概略図であり、図中の点線は隣接する組立セグメント間の境界線を示す。
【0067】
第1組立セグメント531は軸上部セグメント521と軸下部セグメント523に回転可能に嵌設され、反転弾性機構を反転固定軸520の周りに往復回転させる。第1組立セグメント531の頂壁に、その厚さ方向を貫通する第3組付孔536が形成され、第1組立セグメント531の底壁に、その厚さ方向を貫通して第1組付孔の下方に位置する第4組付孔537が形成され得る。第3組付孔536は、軸上部セグメント521に回転可能に嵌設される。第4組付孔537は軸下部セグメント523に回転可能に嵌設される。
【0068】
第2組立セグメント532内に、複数の組立セグメントの配列方向に沿って往復移動可能な案内軸535が設けられる。第3組立セグメント533は伸縮空間を形成する。第2組立セグメント532の頂壁に、その厚さ方向を貫通する第1直線孔が形成され得る。第2組立セグメント532の底壁に、その厚さ方向を貫通して第1伸縮孔の下方に位置する第2直線孔が形成され得る。案内軸535は、第1直線孔および第2直線孔内を貫通し、第1直線孔および第2直線孔内で反転弾性部材550の伸縮方向に沿って往復移動することができる。
【0069】
反転弾性部材550は伸縮性能を有する任意の弾性体、例えばバネであり得るが、これに限定されない。反転弾性部材550は複数の組立セグメントの配列方向に沿って伸縮空間に伸縮可能に設けられ、案内軸535に固定的に接続される。複数の組立セグメントの配列方向とは反転弾性部材550の伸縮方向を指す。案内軸535に、ホイールハウス部522aの外形に適合した突出部535aが形成され、この突出部535aは案内軸535の中部セグメントから径方向に沿って外側に延伸して形成され、第1直線孔の下方および第2直線孔の上方に位置する。突出部535aは、冷蔵庫10の扉体120が開く過程中、ホイールハウス部522aから離れ、ホイール面部522bに回転し、反転弾性部材550に圧縮変形を発生させ、さらに、冷蔵庫10の扉体120が閉じる過程中、ホイールハウス部522aに入り、反転弾性部材550の圧縮変形を回復させて弾性力を解放するように構成される。すなわち、扉体120は回転過程中、反転弾性機構を駆動して反転固定軸520の周りに回転させ、反転弾性機構の回転過程中、突出部535aはランナーの周面に沿って移動し、ホイールハウス部522aにアクセスすることができる。
【0070】
反転弾性機構を扉体120の回転過程中反転固定軸520周りに回転させ、反転弾性部材550を往復移動可能な案内軸535に接続し、案内軸535の突出部535aとランナーのホイールハウス部522aを組み合わせることにより、反転弾性部材550に直接駆動力を提供することなく、反転弾性部材550の圧縮と引張を巧妙に実現することができ、反転弾性部材550は圧縮と引張によりビームの反転動力を提供することができる。
【0071】
押し開きロッド260とガイドロッドをハウジング230の内部の取付空間に統合することにより、本実施例は、扉体120の開閉機構の数を減らし、扉体120の開閉機構の全体構造を簡素化し、装置全体の統合性を向上させ、占有空間を小さくして発泡の難易度を低くすることもできる新規な扉自動開閉装置を提供する。ビーム反転機構500を使用して扉体120に回転補助力を提供することにより、本実施例の扉体120は、押し開き回転部材と反転弾性機構の二重作用下で閉位置に回転し、反転ビーム140に間接的に反転動力を提供し、反転ビーム140の反転動作を間接的に促進し、反転ビーム140の反転難易度を低減することができる。
【0072】
以上のように、本発明の複数の例示的な実施例を網羅的に図示および説明したが、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の公開内容に基づいて、本発明の原理に従った他の多くの変形や修正を直接特定または推論することができることを理解すべきである。したがって、本発明の範囲はそのような他のすべての変形や修正をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10