(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】熱処理装置
(51)【国際特許分類】
F27B 9/28 20060101AFI20241022BHJP
F27B 9/38 20060101ALI20241022BHJP
F27B 9/39 20060101ALI20241022BHJP
B65H 16/06 20060101ALI20241022BHJP
B65H 18/06 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
F27B9/28
F27B9/38
F27B9/39
B65H16/06 B
B65H18/06
(21)【出願番号】P 2024002836
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-02-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】ノリタケ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 英紀
(72)【発明者】
【氏名】大威 英晃
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雅己
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-000724(JP,A)
【文献】特開平11-071045(JP,A)
【文献】特開2012-153463(JP,A)
【文献】特許第7285360(JP,B1)
【文献】特開2020-007072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 9/28
F27B 9/38
F27B 9/39
B65H 16/06
B65H 18/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の被処理物を搬送する搬送装置と、
前記被処理物を巻出す巻出部と、
巻出された前記被処理物が予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
処理された前記被処理物を巻取る巻取部と
を備え、
前記巻出部および前記巻取部のうち少なくとも一方は、
前記被処理物が巻かれたロールのコアを、軸方向の両側から保持する一対の保持部と、
前記一対の保持部に保持された前記コアの両端部の下方において、前記コアの端部をそれぞれ受ける一対の支持部と
を備え
、
前記支持部は、前記コアの端部よりも外側において前記コアを支持する位置よりも上方に突出するガイドを有する、
熱処理装置。
【請求項2】
帯状の被処理物を搬送する搬送装置と、
前記被処理物を巻出す巻出部と、
巻出された前記被処理物が予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
処理された前記被処理物を巻取る巻取部と
を備え、
前記巻出部および前記巻取部のうち少なくとも一方は、
前記被処理物が巻かれたロールのコアを、軸方向の両側から保持する一対の保持部と、
前記一対の保持部に保持された前記コアの両端部の下方において、前記コアの端部をそれぞれ受ける
、互いに対向する一対の支持部と
を備え
、
前記一対の支持部は、それぞれ前記一対の支持部が対向する方向に沿った回転軸を備えた、前記コアを支持する一対の支持ローラを有する、
熱処理装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記コアの端部よりも外側において前記コアを支持する位置よりも上方に突出するガイドを有する、請求項
2に記載された熱処理装置。
【請求項4】
前記支持部は、高さ方向に沿って延びる支持プレートを有し、
前記支持プレートは、前記高さ方向に沿って延びるリブを有する、請求項
1~3のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【請求項5】
駆動装置をさらに備え、
前記一対の保持部は、それぞれ他方の保持部に向かうに従って径が小さくなっており、
前記駆動装置は、前記一対の保持部を、前記一対の保持部が対向する方向に沿って駆動し、
前記駆動装置が前記一対の保持部を対向方向に駆動することによって、前記一対の保持部が前記コアを保持し、
前記駆動装置が前記一対の保持部を前記対向方向とは反対方向に駆動することによって、前記一対の保持部が前記コアの保持を解除する、請求項
1~3のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第7285360号公報には、巻出部と、加熱処理部と、冷却部と、巻取部とを備えた熱処理装置が開示されている。巻出部からは、加熱処理前の帯状のシートが巻出される。加熱処理部では、シートが搬送されつつ加熱処理される。冷却部では、加熱処理部で加熱処理されたシートが搬送されつつ冷却される。巻取部では、冷却部で冷却された帯状のシートが巻取られる。巻出部および巻取部では、帯状の被処理物を巻出す巻出ロールおよびシート状の被処理物を巻取る巻取ロールは、適宜取り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者は、ロール交換の作業性を向上させたいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで開示される熱処理装置は、搬送装置と、巻出部と、加熱処理部と、巻取部とを備えている。搬送装置は、帯状の被処理物を搬送する。巻出部は、被処理物を巻出す。加熱処理部では、巻出された前記被処理物が予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される。巻取部は、処理された被処理物を巻取る。巻出部および巻取部のうち少なくとも一方は、一対の保持部と、一対の支持部とを備えている。一対の保持部は、被処理物が巻かれたロールのコアを、軸方向の両側から保持する。一対の支持部は、一対の保持部に保持されたコアの両端部の下方において、コアの端部をそれぞれ受ける。かかる熱処理装置では、ロール交換の作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、熱処理装置10を示す模式図である。
【
図3】
図3は、コアA2の保持構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示における実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚み等)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているに過ぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
【0008】
〈熱処理装置10〉
図1は、熱処理装置10を示す模式図である。熱処理装置10は、帯状(シート状)の被処理物Aを加熱処理するための設備である。この実施形態では、熱処理装置10は、いわゆるロールtoロール方式で帯状の被処理物を搬送しつつ連続的に乾燥させるための装置である。被処理物Aは、例えば、シート基材の両面にそれぞれ電極材料が塗工された二次電池の電極シート、フレキシブル銅張積層板FCCL(Flexible Cupper Clad Laminate)、ポリイミドシートなど帯状のものであれば特に限定されない。熱処理装置10は、帯状(シート状)の種々の被処理物の処理に用いられうる。
【0009】
図1に示されているように、熱処理装置10は、巻出部30と、加熱処理部90と、巻取部60とを備えている。この実施形態では、熱処理装置10は、駆動装置100をさらに備えている。また、熱処理装置10は、加熱処理部90と巻取部60の間に冷却部95を備えている。帯状の被処理物Aは、巻出部30、加熱処理部90、冷却部95、巻取部60の順で搬送されつつ処理される。被処理物Aは、巻出部30に設けられた巻出ロールA1から巻出され、加熱処理部90で加熱処理され、冷却部95で冷却された後、巻取部60に設けられた巻取ロールA6に巻取られる。
【0010】
〈搬送装置20,22〉
搬送装置20,22は、被処理物Aを搬送する装置である。被処理物Aは、予め定められた搬送経路に沿って搬送される。搬送装置20,22は、それぞれ巻出部30の巻出ロールA1が取り付けられている巻出軸32、および、巻取部60の巻取ロールA6が取り付けられている巻取軸62をそれぞれ回転駆動する装置である。搬送装置20,22は、被処理物Aの搬送を制御する装置から構成されうる。搬送装置20,22としては、例えば、モータとインバータが用いられていてもよく、サーボモータ等が用いられていてもよい。また、搬送装置20,22は、被処理物Aにかかる張力を制御する装置を含んでいてもよい。張力を制御する装置としては、例えば、パウダクラッチが用いられうる。搬送装置20,22は、搬送速度を制御する装置および張力を制御する装置が協働する一式の装置によって実現されていてもよい。
【0011】
巻出軸32は、搬送装置20に接続されている。搬送装置20によって巻出軸32が回転駆動され、巻出ロールA1から被処理物Aが巻出される。巻取軸62は、搬送装置22に接続されている。搬送装置22によって巻取軸62が回転駆動され、巻取ロールA6に被処理物Aが巻取られる。搬送装置20,22は、それぞれ外壁31,61に囲まれた空間内に設けられた大気ボックスに設置されていてもよい。
【0012】
熱処理装置10は、被処理物Aの処理効率を向上させるために、被処理物Aを速い速度で搬送可能に構成されうる。特に限定されないが、被処理物Aの搬送速度は、1m/分~200m/分程度に設定されうる。この実施形態では、被処理物Aの搬送速度は、100m/分程度に設定されている。熱処理装置10では、被処理物Aの搬送速度は、図示しない制御装置によって制御されている。
【0013】
制御装置は、予め定められた搬送条件に応じて被処理物Aが搬送されるように、被処理物Aの搬送速度、被処理物Aにかかる張力等を制御する。制御装置は、被処理物Aを巻出す時の巻出し張力と、処理されている被処理物Aにかかる炉内張力と、処理された被処理物Aを巻取る時の巻取り張力とをそれぞれ制御する。制御装置は、搬送装置20,22に接続されている。また、制御装置は、張力検出ローラ35b、フィードローラ35c、ダンサーローラ35d、張力検出ローラ65c等と接続されていてもよい。制御装置は、張力検出ローラ35bが検出する巻出し張力を搬送装置20にフィードバックし、巻出軸32のトルクを制御する。これによって、巻出し張力が調整される。また、制御装置は、処理されている被処理物Aが掛けられた張力検出ローラ35bが検出する炉内張力をダンサーローラ35dにフィードバックする。検出された炉内張力に応じてダンサーローラ35dが移動する。これによって、炉内張力が調整される。なお、炉内張力が一定の状態でダンサーローラ35dの位置が基準の位置に戻るように、フィードローラ35cの回転速度が制御される。また、制御装置は、張力検出ローラ65cが検出する巻取り張力を搬送装置22にフィードバックし、巻取軸62のトルクを制御する。これによって、巻取り張力が調整される。
【0014】
〈巻出部30〉
巻出部30は、被処理物Aを巻出す設備である。巻出部30は、加熱処理前の被処理物Aが巻付けられた状態の巻出ロールA1を収容している。巻出部30は、内部の設備および巻出ロールA1を囲う外壁31を有している。巻出部30には、巻出軸32と、複数のローラ35とが内部に設けられている。この実施形態では、巻出軸32が回転駆動されることによって、巻出軸32に取り付けられた巻出ロールA1から被処理物Aが巻出される。
【0015】
巻出部30の外壁31で囲まれた空間内には、被処理物Aの搬送経路を設定する複数のローラ35が設けられている。巻出ロールA1から巻出された被処理物Aは、複数のローラ35に予め定められた順番で掛け廻され、加熱処理部90に向けて搬送される。複数のローラ35は、ガイドローラ35aと、張力検出ローラ35bと、フィードローラ35cと、ダンサーローラ35dとを含んでいる。張力検出ローラ35bは、被処理物Aにかかる張力を検出するためのローラである。張力検出ローラ35bには、図示しない張力検出器が取り付けられている。ダンサーローラ35dは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ダンサーローラ35dが移動することによって、被処理物Aの張力が調整される。フィードローラ35cは、図示しない駆動装置によって回転駆動される。フィードローラ35cの回転が制御されることによって、ダンサーローラ35dの位置が調整される。
【0016】
〈加熱処理部90〉
加熱処理部90は、帯状の被処理物Aが搬送されつつ加熱処理される設備である。加熱処理部90は、連結部70を介して巻出部30と接続されている。連結部70には、巻出部30の出口と、加熱処理部90の入口とが設けられている。
【0017】
詳細な図示は省略するが、加熱処理部90は、炉体(外壁)91と、ヒータと、ガイドローラとを備えていてもよい。加熱処理部90では、巻出された被処理物Aが予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される。加熱処理部90は、巻出された被処理物Aが搬送されつつ加熱処理される処理空間を内部に有している。炉体91は、ヒータと、ガイドローラとが配置された処理空間を囲っている。
【0018】
被処理物Aが搬送される搬送経路は、ガイドローラによって設定される。ガイドローラは、被処理物Aの搬送に伴い、従動的に回転するように構成されている。
【0019】
ヒータは、被処理物Aを加熱するための設備である。被処理物Aは、ガイドローラによって設定された搬送経路を搬送されつつ、ヒータによって加熱処理される。なお、ガイドローラ、ヒータ等の加熱処理部90の構成は、特に限定されない。加熱処理された被処理物Aは、冷却部95に向けて搬出される。
【0020】
〈冷却部95〉
冷却部95は、加熱処理部90で加熱処理された被処理物Aが搬送されつつ冷却される設備である。冷却部95は、連結部72を介して加熱処理部90と接続されている。連結部72には、加熱処理部90の出口と、冷却部95の入口とが設けられている。
【0021】
詳細な図示は省略するが、冷却部95は、冷却ローラと、複数のガイドローラと、外壁96とを備えていてもよい。冷却部95には、複数の冷却ローラが設けられていてもよい。外壁96は、複数の冷却ローラと、複数のガイドローラとが配置された処理空間を囲っている。複数の冷却ローラと複数のガイドローラは、冷却部95において被処理物Aが搬送される搬送経路を設定している。
【0022】
冷却ローラは、内部に冷媒が流通するように構成されたローラである。被処理物Aは、冷却ローラの表面に接することによって冷却される。冷却ローラには、図示しない駆動装置が接続されていてもよい。冷却ローラは、搬送方向に沿って、設定された搬送速度に合わせて回転しうる。
【0023】
この実施形態では、被処理物Aは、冷却部95において、室温程度まで冷却される。冷却される被処理物Aの温度は、特に限定されない。なお、ガイドローラ、冷却ローラ等の冷却部95の構成は、特に限定されない。
【0024】
冷却された被処理物Aは、連結部74を通って巻取部60に搬送される。なお、冷却部95は、熱処理装置10において、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0025】
〈巻取部60〉
巻取部60は、処理された被処理物Aを巻き取る設備である。巻取部60は、冷却ローラを通じて冷却された被処理物Aを巻取るための巻取ロールA6を収容している。巻取部60は、内部の設備および巻取ロールA6を囲う外壁61を有している。巻取部60には、巻取軸62と、複数のローラ65とが設けられている。巻取軸62が回転駆動されることによって、巻取ロールA6に被処理物Aが巻取られる。
【0026】
巻取部60の外壁61で囲まれた空間内には、被処理物Aの搬送経路を設定する複数のローラ65が設けられている。複数のローラ65は、巻取部60において被処理物Aが搬送される搬送経路を設定する。冷却部95から搬送された被処理物Aは、巻取部60の入口(連結部74)付近のローラ65に掛けられた後に、複数のローラ65に予め定められた順番に掛け廻され、巻取ロールA6に巻取られる。複数のローラ65は、ガイドローラ65aと、ダンサーローラ65bと、張力検出ローラ65cと、フィードローラ65dとを含んでいる。ダンサーローラ65bは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ダンサーローラ65bは、例えば、巻取ロールA6が交換される際に、被処理物Aの必要な余長を確保するために移動されうる。張力検出ローラ65cには、図示しない張力検出器が取り付けられている。フィードローラ65dは、巻取ロールA6を交換するときに交換後の巻取ロールA6に被処理物Aを貼り付ける際、貼り付けに必要な余長を送り出す。
【0027】
〈真空ポンプ80〉
熱処理装置10は、真空ポンプ80を備えている。上述した巻出部30、加熱処理部90、冷却部95および巻取部60の内部の空間は、それぞれ外壁31,91,96,61によって囲まれている。巻出部30、加熱処理部90、冷却部95および巻取部60の各部は、外壁31,91,96,61によってそれぞれ外部空間と隔離された空間を有している。外壁31,91,96,61の内部の空間は、被処理物Aの処理時には、連通している。各部の外壁31,91,96,61にはそれぞれ真空ポンプ80が接続されている。真空ポンプ80は、巻出部30、加熱処理部90、冷却部95および巻取部60の内部の空間(加熱処理部90、冷却部95においては処理空間)を減圧する。この実施形態では、被処理物Aは、大気圧よりも低い予め定められた真空雰囲気下で処理される。
【0028】
なお、真空ポンプ80の接続形態は、特に限定されない。真空ポンプ80が複数設けられており、複数の真空ポンプ80は、巻出部30、加熱処理部90、冷却部95および巻取部60の各部にそれぞれ接続されていてもよい。ひとつの真空ポンプ80から配管が分岐しており、巻出部30、加熱処理部90、冷却部95および巻取部60のうち複数の部の内部が減圧されてもよい。
【0029】
真空ポンプ80の配管には、各部の真空度を調整するための真空バルブ81~84が設けられている。真空バルブ81~84は、各部と真空ポンプ80の接続および各部と真空ポンプ80の切断を切り替え可能に構成されている。各部の真空度を調整しない場合には、真空バルブ81~84の替わりに開閉バルブが用いられていてもよい。
【0030】
巻出部30および巻取部60においてロールが交換される際には、図示しない大気開放弁によって大気開放される。大気開放弁は、加熱処理部90と冷却部95にも設けられていてもよい。
【0031】
加熱処理部90の入口(この実施形態では、連結部70)には、扉70aが設けられている。扉70aは、巻出ロールA1を取り替える時等に閉じられる。巻出ロールA1を取り替える時等に扉70aが閉じられることによって、加熱処理部90の雰囲気(この実施形態では、減圧状態)を保つことができる。扉70aは、巻出ロールA1を取り替える時等、被処理物Aが連結部70を通っている時に閉じられてもよい。巻出ロールA1に巻かれた被処理物Aの残りが少なくなってきたとき、巻出ロールA1は、新しいものに交換される。交換後の巻出ロールA1の被処理物Aの端部と、交換前の被処理物Aの端部とは、繋ぎ合わせられる。被処理物Aを処理空間に残した状態で、加熱処理部90の雰囲気を保ったまま巻出ロールA1を交換することができ、巻出ロールA1交換後の装置の復旧が早くなる。
【0032】
また、冷却部95の出口(この実施形態では、連結部74)には、扉74aが設けられている。扉74aは、扉70aと同様、巻取ロールA6を取り替える時等に扉74aが閉じられることによって、冷却部95の雰囲気(この実施形態では、減圧状態)を保つことができる。扉74aは、巻取ロールA6を取り替える時等、被処理物Aが連結部74を通っている時に閉じられてもよい。巻取ロールA6に巻かれた被処理物Aが多くなってきたとき、巻取ロールA6は、新しいものに交換される。交換後の巻取ロールA6の端部と、被処理物Aの端部とは、繋ぎ合わされる。被処理物Aを処理空間に残した状態で、冷却部95の雰囲気を保ったまま巻取ロールA6を交換することができ、巻取ロールA6交換後の装置の復旧が早くなる。
【0033】
なお、熱処理装置10は、真空雰囲気下で被処理物Aを処理する真空炉に限られず、予め定められた雰囲気で被処理物Aを処理する雰囲気炉であってもよく、大気環境下で被処理物を処理する大気炉であってもよい。
【0034】
ところで、帯状の被処理物が搬送されつつ加熱処理される熱処理装置は、被処理物を巻出す巻取部と、被処理物を巻取る巻取部を備えている。巻取部には、加熱処理前の巻出ロールが収容されている。被処理物は、巻出部から被処理物が巻出され、加熱処理部で処理された後に、巻取部で巻取られる。巻取部には、加熱処理後の巻取ロールが収容されている。被処理物は、加熱処理の進行に伴って、巻出部から巻取部に移動する。被処理物が巻出されることによって、巻出ロールの径は徐々に小さくなり、被処理物が巻取られることによって、巻取ロールの径は徐々に大きくなる。所定の量の被処理物の処理が終わると、巻出ロールおよび巻取ロールが取り替えられる。例えば、巻出ロールに巻かれている被処理物の残量が少なくなった場合、巻取ロールに巻かれている被処理物が多くなった場合等には、巻出ロールおよび巻取ロールが取り替えられる。巻出ロールおよび巻取ロールの取り替えは、同じタイミングであってもよく、異なるタイミングであってもよい。ここで、巻出ロールおよび巻取ロールの重量が重い場合ほど、ロールの交換作業の負担が大きくなりうる。また、取り替えられた巻出ロールから巻き出される被処理物の先端を、先行する被処理物に繋げ、複数の巻出ロールから巻出された被処理物を、1つの巻取ロールで巻取りたい場合がある。
【0035】
図2は、巻出部30を示す模式図である。ここで開示される熱処理装置10では、
図2に示されているように、巻出部30は、一対の保持部34,36と、一対の支持部40,50とを備えている。巻取部60は、巻出部30と同様、一対の保持部と、一対の支持部40,50とを備えている(
図1参照)。以下、巻出部30および巻取部60の構成について、巻出部30を例に挙げて説明する。巻取部60は、巻出部30と同様の構成とできるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
巻出部30に収容された巻出ロールA1では、被処理物Aは、コアA2に巻かれている。コアA2は、略円筒状である。左右方向において、コアA2の長さは、被処理物Aの幅よりも長い。コアA2の外周面A3には、処理前の被処理物Aが巻き重ねられている。
【0037】
〈一対の保持部34,36〉
一対の保持部34,36は、被処理物Aが巻かれたロールのコアA2を、軸方向の両側から保持する部材である。一対の保持部34,36は、巻出部30の幅方向(左右方向)において対向している。保持部34は、コアA2の左側の端部A21を保持している。保持部36は、コアA2の右側の端部A22を保持している。
【0038】
保持部34は、搬送装置20によって回転駆動される巻出軸32に接続されている。この実施形態では、搬送装置20は、外壁31内に設けられた大気ボックス20aに収容されている。大気ボックス20a内は、被処理物Aの処理時、真空ポンプ80が作動している時にも大気圧に保たれる。搬送装置20の動力は、シャフト20bおよび複数のギア20cを介して巻出軸32に伝達される。この実施形態では、搬送装置20の動力は、3つのギア20cを介して巻出軸32に動力が伝達されている。ギア20cの数は、特に限定されない。なお、搬送装置20の動力を巻出軸32に伝達する機構は、かかる形態に限定されない。搬送装置20の動力を伝達するギア20cは、必ずしも設けられていなくてもよい。例えば、巻出軸32の軸線上に搬送装置20が配置され、搬送装置20から延びるシャフトが巻出軸32に直接接続されていてもよい。ギア20cは、外壁31内に設けられた大気ボックス20dに収容されている。大気ボックス20a,20dは、支持プレート33aに支持されている。支持プレート33aには、巻出軸32を回転可能に支持する軸受が取り付けられていてもよい。
【0039】
図3は、コアA2の保持構成を示す模式図である。
図3では、保持部34と、保持部34によって保持されるコアA2の左側の端部A21が示されている。
図3では、保持部34による保持が解除された際のコアA2および保持部34は、二点鎖線で示されている。
【0040】
図3に示されているように、保持部34は、端部34aと、テーパ部34bとを有している。端部34aは、略円盤状の部位である。端部34aの略中央部には、左側から巻出軸32が接続されている。テーパ部34bは、保持部36と対向する側(右側)に設けられている。テーパ部34bは、保持部34において、コアA2を支持する部位である。保持部34のテーパ部34bは、他方の保持部36に向かうに従って径が小さくなっている。テーパ部34bは、保持部36に向かって径が小さくなるようにテーパした形状であり、略円錐台状である。保持部34のテーパ部34bの先端面34b1は、平坦面である。テーパ部34bの先端に平坦な先端面34b1が設けられていることによって、テーパ部34bの長さが短くなっている。これによって、保持部34を左右方向に少し移動させるだけで、保持と解除が切り替えられる。テーパ部34bは、コアA2に挿通された状態で、コアA2を内周面A4から保持している。
【0041】
図2に示されているように、保持部36は、端部36aと、テーパ部36bとを有している。保持部36は、他方の保持部34に向かうに従って径が小さくなっている。保持部36は、保持部34の形状と同一であるので、詳細な図示は省略する。テーパ部36bは、コアA2の右側の端部A22を保持している。端部36aの略中央部には、右側から従動軸32aが接続されている。従動軸32aは、支持プレート33bに回転可能に支持されている。従動軸32aは、コアA2を介して、巻出軸32の回転に対して従動的に回転する。
【0042】
巻出軸32に接続された保持部34および従動軸32aに接続された保持部36は、駆動装置100によって駆動される。
【0043】
〈駆動装置100〉
駆動装置100は、一対の保持部34,36を、一対の保持部34,36が対向する方向に沿って駆動する。この実施形態では、駆動装置100は、支持プレート33a,33bを駆動する。一対の保持部34,36は、それぞれ支持プレート33a,33bを介して駆動される。駆動装置100は、一対の保持部34,36を、一対の保持部34,36が近づく方向または遠ざかる方向に駆動する。
【0044】
駆動装置100は、モータ101と、ボールねじ102と、ガイドレール103,104と、スライダ105,106とを備えている。モータ101は、ボールねじ102をボールねじ102の周方向に沿って回転駆動する。モータ101とボールねじ102は、カップリング、軸受等を介して接続されていてもよい。ボールねじ102は、一対の保持部34,36が互いに対向する方向(コアA2の軸方向)に沿って延びている。ボールねじ102には、図示しない2つのボールナットが螺合されている。2つのボールナットは、ボールねじ102の回転に合わせて互いに異なる方向に移動するように構成されている。例えば、2つのボールナットの雌ねじの向き、または、2つのボールナットが螺合されているボールねじ102の雄ねじの向きが異なる向きに設定されていてもよい。
【0045】
ガイドレール103,104は、一対の保持部34,36が互いに対向する対向方向(コアA2の軸方向)に沿って延びている。ガイドレール103は、巻出部30の床面上に設けられたベース31a上に設けられている。ガイドレール103は、保持部34の下方に設けられており、ガイドレール104は、保持部36の下方に設けられている。ガイドレール103,104には、それぞれスライダ105,106が配置されている。スライダ105,106には、それぞれ保持部34,36が取り付けられた支持プレート33a,33bが取り付けられている。スライダ105,106は、それぞれガイドレール103,104に沿って移動可能に構成されている。スライダ105,106は、それぞれボールねじ102に螺合された2つのボールナットのうち一方のボールナットと接続されている。このため、スライダ105,106は、ボールねじ102の回転に合わせて対向方向に沿って駆動される。これによって、一対の保持部34,36は、対向方向に沿って駆動される。
【0046】
一対の保持部34,36がコアA2を保持する時には、駆動装置100は、一対の保持部34,36を対向方向(一対の保持部34,36が互いに近づく方向)に沿って駆動する。一対の保持部34,36がコアA2を保持する時には、保持部34のテーパ部34bがコアA2の内周面A4(
図3参照)に挿通されている(保持部36も保持部34と同様)。一対の保持部34,36がコアA2の保持を解除する時には、駆動装置100は、一対の保持部34,36を対向方向とは反対方向(一対の保持部34,36が互いに遠ざかる方向)に沿って駆動する。このとき、保持部34は、
図3に示されているように、保持部34は図中矢印で示される方向(上記反対方向)に駆動され、テーパ部34bは、コアA2の端部A21から抜かれる。保持部36も同様に、保持部34から遠ざかる方向に沿って駆動され、テーパ部36bは、コアA2の端部A22から抜かれる(
図2参照)。かかる構成によって、一対の保持部34,36によるコアA2の保持および解除が容易に切り替えられうる。
【0047】
図2に示されているように、一対の保持部34,36に保持されたコアA2の両端部A21,A22の下方には、一対の支持部40,50が設けられている。
【0048】
〈一対の支持部40,50〉
一対の支持部40,50は、コアA2の端部A21,A22をそれぞれ受ける部材である。一対の保持部34,36がコアA2を保持する時には、コアA2の両端部A21,A22は、一対の支持部40,50に支持される。コアA2の保持を解除する時には、コアA2の両端部A21,A22は、支持部40,50から持ち上げられる。支持部40,50の高さは、一対の保持部34,36の駆動に合わせてコアA2の保持と解除が切り替えられる高さに設定されている限りにおいて、特に限定されない。この実施形態では、一対の支持部40,50の位置は、支持部40,50がコアA2を支持する際、コアA2の内周面A4の上端部が一対の保持部34,36のテーパ部34b,36bの先端部の上端部よりも低くなる高さに設けられている。
【0049】
上述した実施形態では、熱処理装置10は、搬送装置20と、巻出部30と、加熱処理部90と、巻取部60とを備えている。搬送装置20は、帯状の被処理物Aを搬送する。巻出部30は、被処理物Aを巻出す。加熱処理部90では、巻出された被処理物Aが予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される。巻取部60は、処理された被処理物Aを巻取る。巻出部30は、一対の保持部34,36と、一対の支持部40,50とを備えている。一対の保持部34,36は、被処理物Aが巻かれたロール(ここでは、巻出ロールA1)のコアA2を、軸方向の両側から保持する。一対の支持部40,50は、一対の保持部34,36に保持されたコアA2の両端部A21,A22の下方において、コアA2の端部A21,A22をそれぞれ受ける。上述した実施形態では、巻出部30が一対の保持部34,36と、一対の支持部40,50とを備えているが、巻取部60が一対の保持部34,36と、一対の支持部40,50とを備えていてもよい。
【0050】
ロール(この実施形態では、巻出ロールA1)を交換する際には、コアA2の両端部A21,A22の下方に設けられた一対の支持部40,50にコアA2を保持させることができる。一対の支持部40,50がコアA2の両端部A21,A22の下方に設けられていることによって、一対の保持部34,36と一対の支持部40,50との間での受け渡しがスムーズである。例えば、巻出部30において、被処理物Aが巻出された巻出ロールA1を、被処理物Aが巻出される前の新しい巻出ロールA1に交換する場合がある。新しい巻出ロールA1の重量は、大きい場合がある。一対の支持部40,50に新しい巻出ロールA1を仮置きした状態で新しい巻出ロールA1のコアA2を一対の保持部34,36保持させることができる。巻出される前の巻出部30は、リフタ等によって一対の支持部40,50に置かれてもよい。これによって、巻出部30におけるロール交換の作業性が良好である。また、巻取部60において、被処理物Aが巻取られた巻取ロールA6を、被処理物Aが巻取られる前の新しい巻取ロールのコアに交換する場合がある。処理後の被処理物Aが巻き取られた巻取ロールA6の重量は、大きい場合がある。巻取り後の巻取ロールA6を一対の保持部34,36から一対の支持部40,50に仮置きすることができる。巻取られた後の巻取ロールA6は、リフタ等によって一対の支持部40,50から運び出されてもよい。これによって、巻取部60におけるロール交換の作業性が良好である。
【0051】
なお、一対の支持部40,50の形態は、コアA2を保持できる限りにおいて、特に限定されない。
【0052】
図4は、支持部40の斜視図である。
図4では、コアA2は、仮想的に二点鎖線で示されている。以下、一対の支持部40,50の構成について、支持部40の構成を例に説明する。支持部50は、支持部40と同様の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
図4に示されているように、支持部40は、取付部41と、第1支持プレート42と、第2支持プレート43と、一対の支持ローラ44とを有している。
【0053】
〈取付部41〉
取付部41は、巻出部30内のベース31a(
図2参照)上に取り付けられる部位である。取付部41は、ボルト41aによってベース31a上に取り付けられている。取付部41は、略矩形の板状の部位である。取付部41の一方の辺(この実施形態では、左側の長辺)からは、高さ方向に沿って第1支持プレート42が延びている。
【0054】
〈第1支持プレート42〉
第1支持プレート42は、前後方向に沿った幅よりも高さが大きい略矩形の板状の部位である。第1支持プレート42は、高さ方向に沿ったリブ42aを有している。リブ42aは、板状の第1支持プレート42のうち、支持部50と対向する側の面(右側の面)42bに設けられている。リブ42aは、第1支持プレート42の幅方向の中央部に設けられている。リブ42aは、取付部41の上面から第1支持プレート42の上部まで延びている。第1支持プレート42の右側の面の上部には、段差面42cが設けられている。段差面42cは、第1支持プレート42の他の部分よりも薄くなっている。段差面42cには、第2支持プレート43が取り付けられている。
【0055】
〈第2支持プレート43〉
第2支持プレート43は、第1支持プレート42の上部に取り付けられる板状の部材である。第2支持プレート43は、第1支持プレート42に着脱可能に取り付けられていてもよい。第2支持プレート43の上辺43aの略中央部には、凹み43a1が形成されている。第2支持プレート43に凹み43a1が形成されていることによって、保持部34との干渉が防止されうる。第2支持プレート43は、ボルト43bによって第1支持プレート42の段差面42cに取り付けられている。第2支持プレート43は、段差面42cに対して位置調整可能に取り付けられていてもよい。第1支持プレート42には、ボルト43bが取り付けられる長孔が開けられていてもよい。長孔内においてボルト43bの位置を調整することによって、第2支持プレート43の高さが調整されてもよい。この実施形態では、第2支持プレート43は、第1支持プレート42の段差面42cの下端42c1から所定の間隔が空けられている。第2支持プレート43の上部には、一対の支持ローラ44が設けられている。第2支持プレート43の形状等は、特に限定されない。
【0056】
〈一対の支持ローラ44〉
一対の支持ローラ44は、巻出ロールA1のコアA2を支持するローラである。支持ローラ44は、ボルト44aによって第2支持プレート43の前方および後方において、同じ高さに取付けられている。支持ローラ44は、第2支持プレート43に回転可能に取り付けられている。支持ローラ44の回転軸44bは、一対の支持部40,50が対向する方向に沿っており、コアA2の軸方向と平行である。支持ローラ44は、第2支持プレート43のうち、支持部50と対向する側の面(右側の面)に設けられている。支持ローラ44は、第2支持プレート43に設けられている。コアA2は、一対の支持ローラ44の外周面44cに支持される。コアA2を周方向に回転させると、一対の支持ローラ44は、それぞれコアA2の回転に追従して回転する。
【0057】
巻出ロールA1交換の際には、交換後の巻出ロールA1(支持部40,50に支持されている巻出ロールA1)から巻出される被処理物Aが巻出されうる。被処理物Aが巻出された後、交換前の巻出ロールA1から巻出された被処理物Aに繋がれたり、巻取ロールA6に繋がれたりしうる。コアA2が一対の支持ローラ44に支持されていることによって、コアA2の回転が容易であり、例えば、手動でもコアA2を回転させることができる。ロール交換作業時、交換後の巻出ロールA1から巻出される被処理物Aを手動で巻出し、先行する被処理物Aに繋ぐことができ、被処理物Aの繋ぎ変え等の作業性が向上されうる。
【0058】
支持部40は、コアA2の端部(この実施形態では、端部A21)よりも外側においてガイド43a2を有している。ガイド43a2は、コアA2の端部A21よりも外側において、コアA2を支持する位置よりも上方に突出する部位である。この実施形態では、第2支持プレート43の上辺43aは、コアA2が支持される位置よりも上方に突出しており、上辺43aから支持ローラ44の間の部位は、ガイド43a2として機能している。支持部40にガイド43a2が設けられていることによって、コアA2の脱落が防止され、ロール交換の作業性が向上しうる。
【0059】
上述した実施形態では、支持プレート(ここでは、第1支持プレート42)は、高さ方向に沿って延びるリブ42aを有している。これのため、第2支持プレート43の耐久性が向上しうる。これによって、ロール(ここでは、新しく交換される巻出ロールA1)の重量が重い場合、ロール交換作業時に支持部40に大きな負荷がかかりうる場合等にも、ロール交換時の不具合が起こりにくい。
【0060】
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0061】
なお、本明細書は以下の項1~5を含んでいる。以下の項1~5は、上記した実施形態には限定されない。
【0062】
項1:
帯状の被処理物を搬送する搬送装置と、
前記被処理物を巻出す巻出部と、
巻出された前記被処理物が予め定められた搬送経路に沿って搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
処理された前記被処理物を巻取る巻取部と
を備え、
前記巻出部および前記巻取部のうち少なくとも一方は、
前記被処理物が巻かれたロールのコアを、軸方向の両側から保持する一対の保持部と、
前記一対の保持部に保持された前記コアの両端部の下方において、前記コアの端部をそれぞれ受ける一対の支持部と
を備えた、
熱処理装置。
【0063】
項2:
前記支持部は、前記コアを支持する一対の支持ローラを有する、項1に記載された熱処理装置。
【0064】
項3:
前記支持部は、前記コアの端部よりも外側において前記コアを支持する位置よりも上方に突出するガイドを有する、項1または2に記載された熱処理装置。
【0065】
項4:
前記支持部は、高さ方向に沿って延びる支持プレートを有し、
前記支持プレートは、前記高さ方向に沿って延びるリブを有する、項1~3のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【0066】
項5:
駆動装置をさらに備え、
前記一対の保持部は、それぞれ他方の保持部に向かうに従って径が小さくなっており、
前記駆動装置は、前記一対の保持部を、前記一対の保持部が対向する方向に沿って駆動し、
前記駆動装置が前記一対の保持部を対向方向に駆動することによって、前記一対の保持部が前記コアを保持し、
前記駆動装置が前記一対の保持部を前記対向方向とは反対方向に駆動することによって、前記一対の保持部が前記コアの保持を解除する、項1~4のいずれか一項に記載された熱処理装置。
【符号の説明】
【0067】
A 被処理物
A1 巻出ロール
A2 コア
A21,A22 端部
A3 外周面
A4 内周面
A6 巻取ロール
10 熱処理装置
20,22 搬送装置
20a,20d 大気ボックス
20b シャフト
20c ギア
30 巻出部
31,61 外壁
31a ベース
32 巻出軸
32a 従動軸
33a,33b 支持プレート
34,36 保持部
34a,36a 端部
34b,36b テーパ部
34b1 先端面
35 ローラ
40,50 支持部
41 取付部
41a ボルト
42 第1支持プレート
42a リブ
42b 面
42c 段差面
42c1 下端
43 第2支持プレート
43a 上辺
43a1 凹み
43a2 ガイド
43b ボルト
44 支持ローラ
44a ボルト
44b 回転軸
44c 外周面
60 巻取部
62 巻取軸
65 ローラ
70,72,74 連結部
80 真空ポンプ
90 加熱処理部
95 冷却部
100 駆動装置
101 モータ
102 ボールねじ
103,104 ガイドレール
105,106 スライダ
【要約】
【課題】処理空間の清浄度の向上。
【解決手段】熱処理装置10は、搬送装置20と、巻出部30と、加熱処理部90と、巻取部60とを備えている。搬送装置20は、帯状の被処理物Aを搬送する。巻出部30は、被処理物Aを巻出す。加熱処理部90は、巻出された被処理物Aが加熱処理される処理空間を内部に有する。巻取部60は、処理された被処理物Aを巻取る。巻出部30および巻取部60のうち少なくとも一方は、一対の保持部34,36と、一対の支持部40,50とを備えている。一対の保持部34,36は、被処理物Aが巻かれたロールA1のコアA2を、軸方向の両側から保持する。一対の支持部40,50は、一対の保持部34,36に保持されたコアA2の両端部A21,A22の下方において、コアA2の端部A21,A22をそれぞれ受ける。
【選択図】
図2