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特許7575657画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、領域特定モデル及びモデル生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、領域特定モデル及びモデル生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/80 20060101AFI20241023BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20241023BHJP
   G06T 7/10 20170101ALI20241023BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G06T11/80 A
G06T1/00 340A
G06T7/10
H04N1/387 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020115160
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012958
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-06-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和2年6月6・7日にgirls mignon心斎橋GATE店で行われた展示
(73)【特許権者】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【復代理人】
【識別番号】100163902
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 奈月
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】小林 潤一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 卓麻
(72)【発明者】
【氏名】山田 健太
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110416(JP,A)
【文献】特開2014-023127(JP,A)
【文献】特開2021-086462(JP,A)
【文献】国際公開第2019/014646(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 7/00 - 7/194
G06T 11/80
H04N 1/387 - 1/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が撮影された画像データを受け付ける受付部と、
顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なり、前後関係が予め定められる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、前記利用者の顔を含む新たな画像データが入力されると、当該新たな画像データから、前記複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、前記受付部で受け付けた顔を含む新たな画像データから、前記複数の所定領域の画素を特定する特定部と、
前記画像データから特定された前記複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する画像処理部と、
を備え
前記画像処理部は、背景側に位置する領域に対して処理された画像データに前面側に位置する領域に対して処理された画像データを重ねる
画像処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、セマンティックセグメンテーションを利用して、前記複数の領域をそれぞれ特定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
利用者が撮影された画像データを受け付ける受付ステップと、
顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なり、前後関係が予め定められる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、前記利用者の顔を含む新たな画像データが入力されると、当該新たな画像データから、前記複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、前記受け付けた顔を含む新たな画像データから、前記複数の領域の画素を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで画像データから特定された前記複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する処理ステップと、
を含み、
前記処理ステップは、背景側に位置する領域に対して処理された画像データに前面側に位置する領域に対して処理された画像データを重ねる
画像処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
利用者が撮影された画像データを受け付ける受付部と、
顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なり、前後関係が予め定められる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、前記利用者の顔を含む新たな画像データが入力されると、当該新たな画像データから、前記複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、前記受付部で受け付けた顔を含む新たな画像データから、前記複数の領域の画素を特定する特定部と、
前記画像データから特定された前記複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する画像処理部と、
して機能させ
前記画像処理部に、背景側に位置する領域に対して処理された画像データに前面側に位置する領域に対して処理された画像データを重ねさせる画像処理プログラム。
【請求項5】
複数組の顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なり、前後関係が予め定められる所定領域の画素を特定する複数のデータとを受け付け、
前記各画像データと、当該画像データの前記複数の所定領域の画素の各々との関係を学習し、
利用者が撮影された新たな画像データが入力されると、当該新たな画像データから、前記所定領域の少なくとも一部が重なる複数の領域の画素を特定する領域特定モデルを生成する
モデル生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した画像に写る顔の特定の部位を処理する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムと、これら画像処理に利用される領域特定モデル及びモデル生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影した画像に所定の画像処理を行い、ユーザに提供する写真シール作成装置が知られている。具体的には、所定の部位に対して形状の異なる複数のマスク画像を生成し、画像処理の対象として特定するものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、例えば、顔画像の中の下側の領域内に存在する所定の色の領域を唇として認識し、認識された唇の部分に対応するマスク画像を生成し、唇画像を生成することが記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-53831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、所望の領域を正確に特定できないおそれがあった。このような場合、対象領域について正しく画像処理することができないおそれがある。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決し、処理対象とする利用者の特定の領域を特定して利用者にとって好ましい画像処理を施す画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムと、これら画像処理に利用される領域特定モデル及びモデル生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像処理装置の第1の態様は、画像データを受け付ける受付部と、顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、新たな顔を含む画像データが入力されると、当該新たな画像データから、複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、受付部で受け付けた顔を含む新たな画像データから、複数の所定領域の画素を特定する特定部と、画像データから特定された複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する画像処理部と、を備える。
【0008】
これにより、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【0009】
複数の領域は、画像データにおける奥行き関係が予め定められ、画像処理部は、背景側に位置する領域に対して処理された画像データに前面側に位置する領域に対して処理された画像データを重ねてもよい。
【0010】
これにより、特定の領域の画像データについて精度良く重ねて完成度の高い画像を提供することができる。
【0011】
前記特定部は、セマンティックセグメンテーションを利用して、前記複数の領域をそれぞれ特定してもよい。
【0012】
これにより、領域を特定しやすくなり、完成度の高い画像を提供することができる。
【0013】
本発明に係る画像処理方法の第1の態様は、画像データを受け付ける受付ステップと、 顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、新たな顔を含む画像データが入力されると、当該新たな画像データから、複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、受け付けた顔を含む新たな画像データから、複数の領域の画素を特定する特定ステップと、特定ステップで画像データから特定された複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する処理ステップと、を有する。
【0014】
これにより、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【0015】
本発明に係る画像処理プログラムの第1の態様は、コンピュータを、画像データを受け付ける受付部と、顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、新たな顔を含む画像データが入力されると、当該新たな画像データから、複数の所定領域の画素を特定する領域特定モデルを利用して、受付部で受け付けた顔を含む新たな画像データから、複数の領域の画素を特定する特定部と、画像データから特定された複数の領域に対し、それぞれ予め定められる方法で処理する画像処理部と、して機能させる。
【0016】
これにより、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【0017】
本発明に係る領域特定モデルの第1の態様は、顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なる複数の所定領域の画素の各々との関係を学習済であり、新たな顔を含む画像データが入力されると、当該新たな画像データから、少なくとも一部が重なる複数の領域の画素を特定する。
【0018】
これにより、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【0019】
本発明に係るモデル生成方法の第1の態様は、複数組の顔を含む画像データと、当該画像データの少なくとも一部が重なる所定領域の画素を特定する複数のデータとを受け付ける受付ステップと、各画像データと、当該画像データの複数の所定領域の画素の各々との関係を学習する学習ステップと、を有し、新たな顔を含む画像データが入力されると、当該新たな画像データから、少なくとも一部が重なる複数の領域の画素を特定する領域特定モデルを生成する。
【0020】
これにより、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、処理対象とする利用者の重なりのある特定の領域についても完成度の高い画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態である写真シール作成装置の斜視図である。
図2】写真シール作成装置の斜視図である。
図3】写真シール作成ゲーム中の利用者の空間移動を説明するための図である。
図4】事前選択部の正面図である。
図5】撮影部の正面図である。
図6】背景部の撮影空間側の正面図である。
図7】編集ユニットの編集空間側の正面図である。
図8】編集ユニットの左側面図である。
図9】写真シール作成装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】写真シール作成装置の機能ブロックを示すブロック図である。
図11】写真シール作成装置において画像データから特定される領域を示す例である。
図12】写真シール作成装置において領域が特定される目の画像例である。
図13】写真シール作成装置による写真シール作成ゲームに関する一連の動作を示すフローチャートである。
図14】合成処理の詳細を示すフローチャートである。
図15】編集処理で利用される編集画面の一例である。
図16】領域特定モデルの生成を説明する概略図である。
図17】領域特定モデルの入力と出力の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。さらに、各図面に記載した構成の形状、また、長さ、奥行および幅などの寸法は、実際の形状および寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
【0024】
本発明に係る画像処理装置を、一例である写真シール作成装置として説明する。本発明を適用する写真シール作成装置は、撮影や編集等を利用者にゲームとして行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供するゲーム装置である。写真シール作成装置1は、例えば、ゲームセンタ、ショッピングモールおよび観光地の店舗等に設置される。
【0025】
写真シール作成装置が提供するゲームにおいて、利用者は、写真シール作成装置に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影する。利用者は、その撮影画像に対して、前景画像および/または背景画像を合成したり、また、編集用合成用画像としてのペン画像入力やスタンプ画像入力等の編集機能(落書き編集機能)を用いたりして編集を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集した画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。または、写真シール作成装置は編集した画像を利用者の携帯端末に提供し、利用者は携帯端末により成果物を受け取ることもできる。
【0026】
(写真シール作成装置の構成)
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子中学生および女子高校生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組当たり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
【0027】
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が華やかな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
【0028】
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。
【0029】
撮影ユニット11は、事前選択操作部20、撮影操作部21、および背景部22から構成される。事前選択操作部20は、撮影操作部21の側面に設置される。事前選択操作部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影操作部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置される。撮影操作部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
【0030】
事前選択操作部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を利用者に選択させるための処理を行ったりする。事前選択操作部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択操作部20は、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
【0031】
撮影操作部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影操作部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影操作部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影操作部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影操作部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択操作部20が設置されるものとする。なお、事前選択操作部20は、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよいし、側面パネル41A,41Bの両方に設置されるようにしてもよい。
【0032】
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
【0033】
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
【0034】
なお、背面パネル51の撮影空間側の面には、例えば緑色のクロマキー用のシートが貼り付けられる。写真シール作成装置1は、クロマキー用のシートを背景として撮影することで、撮影処理や編集処理においてクロマキー合成を行う。これにより、利用者が所望する背景画像がシートの部分に合成される。
【0035】
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
【0036】
撮影空間の上方には、撮影操作部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット24は、撮影空間の照明としても機能する。
【0037】
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影操作部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
【0038】
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
【0039】
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影操作部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
【0040】
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A,26B,26Cが、組み合わせられて構成される。3本のレール26A,26B,26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
【0041】
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
【0042】
また、後述するが、編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
【0043】
(利用者の移動)
ここで、画像作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。図3は、写真シール作成ゲーム中の利用者の空間移動を説明するための図である。
【0044】
まず、利用者は、事前選択操作部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
【0045】
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影操作部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。そして利用者は、撮影操作部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
【0046】
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2-1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2-2に移動する。
【0047】
編集空間A2-1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2-2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2-1と編集空間A2-2のいずれの空間に移動するのかは、撮影操作部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2-1または編集空間A2-2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2-1の利用者と、編集空間A2-2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
【0048】
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2-1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2-1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2-2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2-2から印刷待ち空間A3に移動する。
【0049】
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、画像の印刷の終了を待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の画像作成ゲームを終える。
【0050】
(事前選択部の構成)
次に、各装置の構成について説明する。図4は、事前選択操作部20の正面図である。
【0051】
事前選択操作部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、撮影に関するコースの選択、編集の対象となる編集対象画像における背景となる画像の選択、作成画像のレイアウト、画像作成ゲーム中に流れるBGM(Back Ground Music)、音および音声の少なくともいずれかの選択、並びに利用者の名前の入力などを行わせる事前選択処理に用いられる画面が表示される。
【0052】
撮影に関するコースは、利用者が2人で撮影を行う2人用コースと、3人以上で撮影を行う大人数コースとが用意されている。また、男女のカップルで撮影を行うカップルコースが用意されていてもよい。
【0053】
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。また、スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
【0054】
(撮影部の構成)
図5は、撮影部としての撮影操作部21の正面図である。撮影操作部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
【0055】
正面パネル42の中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91および表示部としてのタッチパネルモニタ92から構成される。
【0056】
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー表示画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
【0057】
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。当該選択操作の具体例としては、撮影コースの選択、撮影開始および終了の指示(撮影の制御指示)、目の変形具合および色、ならびに肌の色の補正具合の選択、作成画像における背景画像となる画像の選択、ならびに画像作成ゲーム中のBGM(音・音声)の選択などが挙げられる。タッチパネルモニタ92には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
【0058】
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ82が設置される。上ストロボ82は、正面上方から利用者の顔および上半身に光を照射する。
【0059】
また、カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボ85が設けられる。なお、上ストロボ82と足元ストロボ85には、ストロボと蛍光灯が含まれている。
【0060】
なお、図1および図5においては図示を省略するが、正面パネル42の例えば天井付近には、スピーカ93が設けられる。スピーカ93は、制御部201から出力される音声信号により、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
【0061】
(背景部の構成)
図6は、背景部22の撮影空間A1側の正面図である。
【0062】
背面パネル51の上方には、背面上ストロボ101が設置される。背面上ストロボ101は、背面上方から利用者に光を照射する。
【0063】
図中、背面パネル51の左方には、背面左ストロボ102が設置される。背面左ストロボ102は、背面右方から利用者を照射する。図中、背面パネル51の右方には、背面右ストロボ103が設置される。背面右ストロボ103は、背面左方から利用者を照射する。
【0064】
また、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、クロマキーシート121が貼り付けられていてもよい。クロマキーシート121の色は、例えば緑色とされる。
【0065】
なお、図示はしないが、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面にも、クロマキーシート121と同様に、クロマキーシートが貼り付けられていてもよい。
【0066】
(編集ユニットの構成)
図7は、編集ユニット12の編集空間A2-1側の正面図である。
【0067】
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。例えば、2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
【0068】
図8は、編集ユニット12の左側面図である。
【0069】
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部には出力部としてのプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2-1の利用者が写る画像、または、編集空間A2-2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
【0070】
(写真シール作成装置の内部構成)
図9は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図9において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0071】
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、事前選択操作部20、撮影操作部21、背景部22、編集操作部27A,27B、および印刷操作部28の各構成も接続される。
【0072】
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
【0073】
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
【0074】
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
【0075】
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0076】
事前選択操作部20は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択操作部20は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部74から構成される。
【0077】
タッチパネルモニタ71は、制御部201による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
【0078】
硬貨処理部74は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部74は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
【0079】
撮影操作部21は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部220は、上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、足元ストロボ85、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ93から構成される。
【0080】
上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、および足元ストロボ85は、撮影空間A1内に配置され、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
【0081】
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
【0082】
編集操作部27Aは、編集空間A2-1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集操作部27Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ133から構成される。編集操作部27Bは、編集空間A2-2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集操作部27Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集操作部27A,27Bを特に区別しない場合には、単に、編集操作部27という。
【0083】
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
【0084】
印刷操作部28は、印刷待ち空間A3にいる利用者に、作成画像を印刷済みのシール紙を提供する印刷処理を実現する。印刷操作部28は、プリンタ140を含むように構成される。プリンタ140にはシール紙ユニット141が装着される。
【0085】
プリンタ140は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、編集画像をシール紙ユニット141に収納されているシール紙142に印刷し、シール紙排出口161に排出する。
【0086】
(写真シール作成装置の機能ブロック)
図10は写真シール作成装置1の機能ブロックを示すブロック図である。写真シール作成装置1は、事前選択部210、撮影部220、編集部230、および印刷部240として機能する。また、制御部201は、本発明の写真シール作成プログラムを実行することにより、事前選択処理部301、撮影処理部302、受付部303、抽出部304、特定部305、画像処理部306、合成部307、編集処理部308、および印刷処理部309として機能する。
【0087】
事前選択部210は、上述した事前選択操作部20と、事前選択処理部301とを備える。事前選択処理部301は、事前選択操作部20におけるタッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部74を制御することで、事前選択処理を行う。事前選択処理部301は、撮影空間A1において行われる撮影に関するコースの選択のための選択画面等をタッチパネルモニタ71に表示させる。また事前選択処理部301は、タッチパネルモニタ71に対する、利用者の操作入力を受け付ける。具体的には、事前選択処理部301は、タッチパネルモニタ71に表示された選択画面に対する選択の操作入力、および利用者の名前の入力等を受け付ける。また事前選択処理部301は、各種の選択操作を説明するガイダンスの出力を制御する。事前選択処理部301は、各種の選択操作を説明する画面をタッチパネルモニタ71に表示させたり、各種の選択操作を説明する音声をスピーカ72から出力させたりする。
【0088】
撮影部220は、上述した撮影操作部21と、撮影処理部302とを備える。撮影処理部302は、撮影操作部21におけるカメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ93を制御することで、撮影処理を行う。
【0089】
撮影処理部302は、タッチパネルモニタ92に対する、利用者の操作入力を受け付ける。例えば、撮影空間A1における撮影処理は、撮影処理部302が、利用者によるタッチパネルモニタ92への接触操作を入力として受け付けることにより開始される。
【0090】
撮影処理部302は、カメラ91を制御し、利用者を被写体として撮影する。撮影には、動画像と静止画像とがある。撮影処理部302は、タッチパネルモニタ92の表示を制御することにより、カメラ91に取り込まれた動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させたり、撮影結果である静止画像を撮影画像として表示させたりする。
【0091】
また、撮影処理部302は、撮影枚数、利用者の立ち位置、サンプルポーズ、目線についてのメッセージ、および撮影タイミング等を説明するインストラクション画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。さらに、それぞれのインストラクション画面に対応するナレーションの音声、およびBGMをスピーカ93から出力させる。
【0092】
受付部303は、撮影部220で利用者を撮影した画像データを受け付ける。
【0093】
抽出部304は、受付部303が受け付けた画像データから、利用者の顔領域を抽出するとともに、処理対象の領域の画像データを抽出する。例えば、図11に示す例では、まず、顔領域F1,F2を抽出する。そして、各顔領域F1,F2から、それぞれ複数の処理領域E11,E12,E21,E22を抽出する。これら処理領域は、画像処理部306による画像処理の対象とする領域である。
【0094】
特定部305は、図17を用いて後述する領域特定モデルMを利用して、受付部303で受け付けた画像データから、顔の少なくとも一部が重なる複数の所定領域の画素をそれぞれ特定する複数のデータを出力する。具体的には、特定部305は、抽出部304で抽出された各処理領域の画像データから、複数の所定領域の画素を特定するデータを出力する。この複数の所定領域は、例えば目や口等の特定の部位を含み、少なくとも一部が重複する。例えば、領域特定モデルMが2つの所定領域を特定する場合、特定部305は、受付部303で受け付けた新たな画像データから、第1領域の画素の情報に関する第1のデータと、第2領域の画素の情報に関する第2のデータを出力する。ここで、「領域」とは、画像から予め定められる基準で特定される範囲である。図12の例では、「目のパーツに応じて特定される範囲」を第1領域とし、「まつ毛に応じて特定される範囲」を第2領域として説明する。したがって、特定部305は、図12(a)に示す処理領域E11の画像データから、図12(b)に示す目のパーツを表す第1領域に関する画素の位置情報を含む第1のデータD1と、図12(c)に示すまつげを表す第2領域に関する画素の位置情報を含む第2のデータD2とを出力する。
【0095】
図12(b)に示す第1のデータD1で特定される第1領域は、二重B01、瞳孔B02、虹彩B03、涙丘B04、白目B05、粘膜B06及びその他B07の目のパーツの7つの領域を含む。したがって、第1のデータD1では、この第1領域を構成する各部分B01~B07についての画素の位置情報を含む。
【0096】
ここで、二重B01は、眼球から上眼瞼の1つ目のしわまでの領域である。すなわち、二重B01は、二重、奥二重、一重等と一般的に利用する二重とは別の意味である。瞳孔B02は、いわゆる黒目における虹彩B03の内側の孔の部分の領域である。虹彩B03は、いわゆる白目と黒目の境界である外側の円形と、内側の瞳孔B02との境界である円形とで形成される円環の領域である。なお、虹彩B03は、正確な円形で形成されるものではなく、目の開き方によって円形でない場合も少なくない。図12(b)に示す例でも、虹彩B03の上側は上眼瞼により一部が隠れ、下側も下眼瞼により一部が隠れているため、正円ではない円環である。涙丘B04は、目頭の内側の涙の成分を分泌する領域である。白目B05は、強膜とも呼ばれる部分であり、白色の領域である。粘膜B06は、眼球周辺の肌の縁部分の濡れている領域である。その他B07は、上述の部分B01~B06以外の領域である。
【0097】
図12(c)に示す第2のデータD2で特定される第2領域は、上まつ毛B11、下まつ毛B12及びその他B13の3つの領域を含む。したがって、データD2では、この第2領域を構成する各部分B11~B13についての画素の位置情報を含む。ここで、上まつ毛B11は、上側の領域である。下まつ毛B12は、下側の領域である。その他は、上まつ毛B11及び下まつ毛B12以外の領域である。
【0098】
したがって、ここでは、図12(b)及び図12(c)に示すように、特定部305が特定する各領域は、さらに細分化されたサブ領域を含むものとして説明する。
【0099】
図12(b)に示す第1のデータD1の目のパーツに関する第1領域と、図12(c)に示すデータD2のまつ毛に関する第2領域とは、一部が重なる。具体的には、二重B01と上まつ毛B11とは一部が重なる。また、上まつ毛B11及び下まつ毛B12は、その他B07と一部が重なる。ここで、特定部305で特定される複数の領域の前後関係は予め定められる。例えば、図12(b)に示される目のパーツに関する第1領域と、図12(c)に示されるまつ毛に関する第2領域との関係は、画像の紙面を基準とすると、第1領域が後ろ側であり、第2領域が前側である。具体的には、目の各部分B01~B06よりも、まつ毛B11,B12が前側にある。このような前後関係が予め定められる。
【0100】
特定部305は、例えば、セマンティックセグメンテーションを利用して、複数の領域をそれぞれ特定することができる。このセマンティックセグメンテーション技術によって各領域を抽出することで、各領域について画素単位での細かい領域抽出が可能となる。これにより、設定された領域を利用して画像処理することができるため、各領域に応じて細かく設定された画像処理を実現することができる。
【0101】
画像処理部306は、画像データの複数の領域に対してそれぞれ予め定められる方法で処理する。例えば、画像処理部306は、画像データの第1領域に対して、予め定められる第1の方法で処理するとともに、画像データの第2領域に対して予め定められる第2の方法で処理する。
【0102】
図12に示す例では、図12(b)に示す第1のデータD1で特定される画像データの第1領域について、画像処理部306は、虹彩B03の形を大きくするような処理や、白目B05の色を白くするような処理を実行してもよい。このように虹彩B03や白目B05を画像処理することで、目を大きくはっきりと見せることが可能となり、美観を向上させることができる。また、画像処理部306は、第1のデータで特定される画像データの第1領域について、カラーコンタクトをしたように、虹彩B03の色を変更する処理を実行してもよい。さらに、画像処理部306は、第1のデータD1で特定される画像データの第1領域について、メイクが目のパーツに施されたような画像処理をしてもよい。具体的には、画像処理部306は、二重B01や、二重B01から所定範囲内のその他B07の領域にアイシャドウを塗るような処理を実行したり、粘膜B06の周囲にアイラインを描くような処理を実行したりしてもよい。なお、画像処理部306は、上述した複数の処理を組み合わせて実行しても良い。
【0103】
また例えば、図12(c)に示す第2のデータD2で特定される画像データの第2領域について、画像処理部306は、上まつ毛B11及び下まつ毛B12の長さを長くしたり、太くしたりして、付けまつ毛をしたり、マスカラを塗ったような画像処理をしてもよい。
【0104】
上述したように、特定部305で特定される複数の領域は、異なるレイヤとして扱うことが可能であり、画像データにおける奥行き関係が予め定められる。したがって、画像処理部306は、最終的に、背景側に位置する領域に対して処理された画像データのレイヤに、前面側に位置する領域に対して処理された画像データのレイヤを順に重ねることができる。上述の例では、画像処理部306は、後ろ側に位置する第1領域に対して処理された画像データに、前側に位置する第2領域に対して処理された画像データを重ねることができる。仮に3つの領域がある場合でも、奥行きに従って、処理された画像データを重ねることができる。これにより、例えば、画像処理された目のパーツの上に、画像処理されたまつ毛が重なり、自然な画像データを得ることができる。すなわち、まつ毛の上に、目のパーツが重なるような不自然な画像データとなる恐れがない。
【0105】
合成部307は、処理した画像を合成用画像とし、カメラ91に取り込まれた動画像に合成用画像を合成し、合成した画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示画像としてさせる。したがって、利用者は、仕上がりイメージをリアルタイムで確認しながら撮影を行うことができる。
【0106】
編集部230は、上述した編集操作部27A,27Bと、編集処理部308とを備える。編集処理部308は、編集操作部27A,27Bにおけるタブレット内蔵モニタ131、およびスピーカ133を制御することで、編集処理を行う。編集処理部308は、タブレット内蔵モニタ131に対する、タッチペン132A,132Bを用いた利用者の操作入力を受け付ける。
【0107】
また、編集処理部308は、タブレット内蔵モニタ131に表示させた選択画面に対する選択操作に応じて、編集対象画像としての撮影画像に所定の画像処理を施し、タブレット内蔵モニタ131に表示させる。あるいは、編集処理部308は、タブレット内蔵モニタ131に表示させた編集画面に対する入力操作に応じて、合成用画像に所定の画像処理を施し、あるいは、入力操作に応じて新たな合成用画像を生成して、撮影画像に合成し、タブレット内蔵モニタ131に表示させる。
【0108】
また、編集処理部308は、編集の進め方などを説明するガイダンスの出力を制御する。例えば、編集処理部308は、編集の進め方などを説明するガイダンスの画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させたり、編集の進め方などを説明するガイダンスの音声をスピーカ133から出力させたりする。また、編集処理部308は通信部203を制御し、インターネットなどのネットワークを介した通信に関する処理を行う。また、編集処理部308は、印刷操作部28のプリンタ140を制御することで、印刷処理を行ってもよい。
【0109】
印刷部240は、上述した印刷操作部28と、印刷処理部309とを備える。印刷処理部309は、編集処理部308から印刷データを受け取り、印刷操作部28のプリンタ140を制御することで、印刷処理を行う。なお、ここでは、画像データを出力する出力部の一例として印刷データである写真シールを出力する印刷部240を用いて説明したが、画像データの出力方法は、これに限定されない。例えば、ネットワーク等を用いて画像データ自体を外部の通信端末に送信する送信手段を出力部としてもよい。
【0110】
このように、写真シール作成装置1は課金と引き換えに、利用者の気持ちが盛り上がるような仕掛け(撮影ポーズの選択、BGM、ナレーションなど)が種々施された写真シール作成ゲームを提供する。そのため、写真シール作成装置1での作成画像は、利用者の楽しい表情が引き出された画像や、趣向を凝らした、華やかな画像となる。
【0111】
また、写真シール作成装置1ではライティングなどの設備が充実しており、そして画像の変形処理(例えば被写体の目の大きさや脚の長さなど)および色の補正(被写体の肌の美白処理など)などを高度な技術で行えるため、写真シール作成装置1で作成した画像は、利用者の写りが良い画像となる。
【0112】
また、写真シール作成装置1以外での画像処理(例えば写真加工のためのアプリケーションなどでの処理)に比べて容易に編集(画像への落書き)ができ、当該編集のバリエーションも豊かである。この点からも、写真シール作成装置1での作成画像は写真シール作成装置1以外で撮影および画像処理された画像に比べ、比較的華やかに仕上がるといえる。
【0113】
(写真シール作成ゲームの流れ)
次に、利用者が写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームを行う処理の流れについて、図13を用いて説明する。図13は、写真シール作成装置1におけるゲームの開始から当該ゲームで写真シールを作成するまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0114】
ゲーム開始前の状態においては、写真シール作成装置1の事前選択処理部301として機能する制御部201は、事前選択操作部20のタッチパネルモニタ71に、硬貨の投入を促すメッセージを表示させる。また、制御部201は、図13に示すように、硬貨処理部74からの起動信号の有無に基づいて、硬貨投入返却口73に硬貨が投入されたか否かを判定する(S1)。制御部201は、硬貨投入返却口73に硬貨が投入されていないと判定した場合には(S1:NO)、硬貨が投入されたか否かの判定処理を継続する。
【0115】
ゲームを開始しようとする利用者は、事前選択操作部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入返却口73に硬貨を投入する。硬貨投入返却口73へ硬貨が投入されると、硬貨処理部74からゲームの開始を指示する起動信号が出力される。制御部201は、硬貨処理部74から起動信号を入力すると、硬貨投入返却口73に硬貨が投入されたと判定し(S1:YES)、利用者に対して事前接客処理を実行する(S2)。
【0116】
事前接客処理においては、制御部201は、タッチパネルモニタ71に、コースの選択、名前の入力、およびデザインの選択等を促すメッセージ等を表示させる。利用者が、タッチパネルモニタ71に表示されるメッセージ等に従って各種の選択または入力を行うと、制御部201は、撮影コース、名前、デザイン、および印刷レイアウト等の設定を行う。制御部201は、複数種類の合成用背景画像を選択可能にタッチパネルモニタ92に表示させ、合成用背景画像を利用者に選択させる。
【0117】
事前接客処理が終了すると、制御部201は、利用者に対して撮影空間A1に移動して撮影を行うことを促すメッセージ等をタッチパネルモニタ71に表示させる。撮影処理部302として機能する制御部201は、撮影操作部21のタッチパネルモニタ92に、画面にタッチするように促すメッセージを表示させる。なお、このメッセージと共に、あるいはこのメッセージに代えて、スタートボタンを表示させてもよい。また、制御部201は、BGMと共に、画面にタッチするように促すナレーションを、スピーカ93から出力させる。撮影空間A1に移動した利用者が、タッチパネルモニタ92にタッチすると、制御部201は、タッチパネルモニタ92がタッチされたことを読み取り、撮影処理を開始する(S3)。
【0118】
撮影処理においては、制御部201は、タッチパネルモニタ92に、例えばライティングに関するガイダンスを表示させ、利用者にライティングのレベルの選択を促す。利用者がライティングのレベルを選択すると、制御部201は、ライティングのレベルを、選択されたレベルに設定する。
【0119】
また、制御部201は、撮影枚数を説明するためのインストラクション画面をタッチパネルモニタ92に表示させ、対応するナレーションをスピーカ93から出力させる。本実施形態では、一例として、撮影枚数は7枚に設定されている。
【0120】
次に、制御部201は、利用者を立ち位置に誘導するためのインストラクション画面をタッチパネルモニタ92に表示させ、対応するナレーションをスピーカ93から出力させる。
【0121】
以上のようなインストラクション画面を表示させた後、制御部201は、利用者に選択させた撮影コースに応じて、合成用背景画像と、カメラ91で取得している動画像とを合成したライブビュー表示画像を、ライブビュー表示としてタッチパネルモニタ92に表示させる(S4)。これにより、利用者は、仕上がりイメージを確認しながらポーズを取ることができる。
【0122】
制御部201は、ライブビュー表示を、撮影のためのカウントダウンの終了直前まで行い、その間、制御部201は、ライブビュー表示と共に、あるいはライブビュー表示に代えて、サンプルポーズをタッチパネルモニタ92に表示させる。制御部201は、サンプルポーズに合わせたナレーションをスピーカ93から出力させる。
【0123】
制御部201は、ライブビュー表示の開始から終了までの時間を管理しており、予め設定した所定の時間が経過すると、タッチパネルモニタ92の表示とスピーカ93の音声とでカウントダウンを行う。
【0124】
制御部201は、カウントダウンの終了タイミングで、上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、および足元ストロボ85に照明制御信号を送信すると共にカメラ91にシャッタ信号を送信する。
【0125】
これにより、上ストロボ82、左ストロボ83、右ストロボ84、および足元ストロボ85から閃光を照射し、照明された利用者が背景とともに写っている撮影画像をカメラ91により取得する。本実施形態では、一例として、ステップS3からステップS4までの処理を複数回繰り返して7枚の撮影画像を取得する。また、制御部201は、撮影画像に合成用背景画像を合成させた編集対象画像を記憶部202に記憶させる。
【0126】
なお、ここでは、予め設定した時間毎に撮影画像が取得される例で説明したが、撮影画像の取得タイミングはこれに限定されない。例えば、撮影のための操作ボタンを撮影操作部21が有する場合、この操作ボタンを操作したタイミングで撮影画像を取得するようにしてもよい。
【0127】
撮影終了後、制御部201は、利用者に対して、編集空間A2-1、または編集空間A2-2のいずれか一方への移動を促す案内画面をタッチパネルモニタ92に表示するとともに、音声による移動案内をスピーカ93に出力する。
【0128】
そして、制御部201は、利用者による編集対象画像の編集を許容する編集処理を実行する(S5)。詳述すると、制御部201は、編集対象画像を、タブレット内蔵モニタ131に表示し、この編集対象画像に対して利用者がタッチペン132A,132Bでスタンプ画像やペン画像などを描くことを許容し、編集画像を作成する。
【0129】
その後、制御部201は、利用者に対してシール紙排出口161が設けられた印刷待ち空間A3への移動を促す案内画面をタブレット内蔵モニタ131に表示するとともに、音声による移動案内をスピーカ133に出力する。
【0130】
さらに、制御部201は、事前選択操作部20において選択された印刷レイアウトに編集画像を配置して印刷用画像を作成し、この印刷用画像をシール紙142に印刷する印刷処理を実行する(S6)。
【0131】
印刷処理が終了すると、制御部201は、シール紙142の排出処理を実行し(S7)、印刷完了したシール紙142をシール紙排出口161から排出し、利用者に写真シールとして提供してゲームを終了する。このようにして、写真シール作成装置1により作成した利用者の撮影画像を、写真シールとして出力することができる。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態の写真シール作成装置1は、通信により、撮影画像を携帯端末等に出力することも可能である。
【0132】
(合成処理の詳細)
次に、図14に示すフローチャートを参照して、図13のフローチャートのステップS4の合成処理について説明する。図14に示すように、ステップS4の合成処理では、制御部201は、撮影部220で撮影した画像を受け付ける(S41)。
【0133】
制御部201は、ステップS41で受け付けた撮影画像に含まれる利用者の顔領域を抽出する(S42)。撮影画像に複数の利用者を含む場合、制御部201は、全ての利用者の顔領域を抽出する。図11の例では、顔領域F1及びF2を抽出する。
【0134】
制御部201は、ステップS42で抽出した顔領域が抽出された利用者について、さらに、処理対象とする各領域を特定する(S43)。図1の例では、顔領域F1から領域E11及びE12を特定し、顔領域F2から領域E21及びE22を特定する。
【0135】
制御部201は、ステップS43で抽出した各領域の画像データについて、それぞれ予め定められる処理を実行する(S44)。
【0136】
さらに、制御部201は、利用者の顔領域の画像データについて、他の画像処理を実行してもよい(S45)。例えば、制御部201は、予め定められる方法に従い、小顔に処理したり、色白に処理する。このとき、制御部201は、自動で処理してもよいし、利用者の操作に従って処理してもよい。
【0137】
制御部201は、ステップS44及びS45で処理された画像を用いて画像を合成する(S46)。ここで合成された画像は、ライブビュー表示により利用者に確認されながら画像の取得がされる。
【0138】
(表示例)
図15は、タブレット内蔵モニタ131に表示される編集画面400の一例である。図15に示すように、編集画面400は、第1編集部401と第2編集部402とを備える。
【0139】
第1編集部401は、第1サムネイル部403、第1編集対象画像表示部405、第1操作ボタン表示部407及び第1パレット409を備える。同様に、第2編集部402は、第2サムネイル部404、第2編集対象画像表示部406、第2操作ボタン表示部408及び第2パレット410を備える。
【0140】
第1サムネイル部403及び第2サムネイル部404には、撮影された複数の編集対象画像Im1~Im5のサムネイルが表示される。第1サムネイル部403及び第2サムネイル部404に表示されるサムネイルは、タッチペン132A又は132Bで選択することができる。図15に示す例では、それぞれ、編集対象画像Im1、Im3が選択される。なお、図示は省略するが、選択された編集対象画像のサムネイルには、「選択中」の文字が表示されてもよい。また、図13のフローチャートのステップS3で7枚の画像を撮影した場合、サムネイル部403,404にもそれぞれ7枚の編集対象画像が表示されるが、図15は、便宜的に5枚の編集対象画像が表示される例で説明する。
【0141】
第1編集対象画像表示部405には、第1サムネイル部403で選択された編集対象画像が表示される。また、第2編集対象画像表示部406には、第2サムネイル部404で選択された編集対象画像が表示される。サムネイル部403又は404に表示される編集対象画像において選択される編集対象画像が変更されると、編集対象画像表示部405又は406に表示される編集対象画像も変更される。
【0142】
第1パレット409は、第1編集対象画像表示部405に表示される編集対象画像にコンテンツである文字、模様、色等で装飾する場合にコンテンツの種類等を選択するために利用される。また、第2パレット410は、第2編集対象画像表示部406に表示される編集対象画像にコンテンツで装飾する場合にコンテンツの種類等を選択するために利用される。後に詳述するが、図15に示す例では、各パレット409及び410は、「なりきり」、「顔落書き」、「アイテム」及び「メイク」のタブを含む。
【0143】
上述したように、本実施形態では、各領域を抽出することにより、各領域に想定された処理を実行することが可能となり、利用者にとって好ましい画像処理を実現することができる。
【0144】
(領域特定モデル)
領域特定モデルMは、入力された画像データから、複数の所定領域の画素を特定する複数のデータを出力するものである。
【0145】
この領域特定モデルMを生成するため、図16に示すように、学習器には、複数の画像データと、各画像データの複数の所定部位の領域の画素に関するデータとのセットが学習用データセットとして入力される。また、学習器は、各画像データについて、所定領域の画素の各々との関係を学習する。具体的には、図16に示す例は、2つの所定部位について学習したものであり、学習器は、それぞれ入力データである画像データと正解データである第1の所定領域に関する第1のデータの関係を学習するとともに、入力データである画像データと別の正解データである第2の所定領域に関する第2のデータとの関係を学習したものである。なお、正解データである各所定領域は、少なくとも一部が重なるものである。
【0146】
このように生成された領域特定モデルMは、入力される新たな画像データから、複数の所定領域の画素を特定する複数のデータを出力する。例えば、領域特定モデルMは、図17に示すように、画像データに対し、第1の所定領域を特定する画素の第1のデータを出力するとともに、第2の所定領域を特定する画素の第2のデータを出力する。
【0147】
具体的には、入力データである画像データは、人の顔を含むデータである。例えば、第1のデータD1は、図12(b)を用いて上述した目のパーツに関するデータであり、第2のデータD2は、図12(c)を用いて上述したまつ毛に関するデータである。したがって、図12の例の場合、領域特定モデルMは、顔を含む画像データを入力すると、目のパーツである第1領域を特定するとともに、まつ毛のパーツである第2領域を特定する。
【0148】
<変形例>
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。例えば、目のパーツと、まつ毛とに分けたレイヤを用いた例で説明したが、目のパーツをさらに複数のレイヤに分けることができる。例えば、瞳孔B02、虹彩B03及び白目B05を背景側の一のレイヤとし、他の部分、具体的には二重B01、涙丘B04、粘膜B06をそれより手前側の別のレイヤとして扱うこともできる。
【0149】
また、特定部305は、連続する複数フレームの画像データを用いて、1のデータを出力として得るようにしてもよい。具体的には、例えば、ある画像データについての出力を得るために、特定部305は、対象の画像データ及び4フレーム前迄の画像データを合わせて利用し、対象の画像データについて複数の所定領域を求めてもよい。これにより、仮に、対象の画像データでは所定領域が隠れていた場合であっても、その領域を特定することが可能となり、自然な画像を提供することができる。すなわち、目が指で隠れていた場合や、まぶたが半分閉じることにより目が半分隠れていた場合であっても、見えない部分についても通常の目の形状を所定領域として特定することができれば、自然な画像処理が可能となる。
【0150】
また、手動で撮影間隔を切り替えるようにしてもよい。例えば、セルフシャッタボタンと、スライドバー等とを設け、セルフシャッタボタンについては、撮影間隔を切り替えるのではなく、撮影のタイミングを決定するように構成する。そして、スライドバー等を操作することにより、セルフシャッタボタンを操作した以降の撮影間隔を変更できるようにしてもよい。
【0151】
さらに、上述した例では、画像処理装置の一例として、写真シール作成装置を用いて説明したが、スマートフォンやタブレット等の画像を取得し、処理することができる端末であれば同様である。
【0152】
(ソフトウェアによる実現例)
写真シール作成装置1の機能ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0153】
後者の場合、写真シール作成装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、前記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0154】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1 写真シール作成装置(画像処理装置)
301 事前選択処理部
302 撮影処理部
303 受付部
304 抽出部
305 特定部
306 画像処理部
307 合成部
308 編集処理部
309 印刷処理部(出力部)
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