(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】物品集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/30 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B65G47/30 F
(21)【出願番号】P 2020156685
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】澤田 柾人
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-121690(JP,A)
【文献】特開2005-154093(JP,A)
【文献】特開平09-278165(JP,A)
【文献】特表2008-511517(JP,A)
【文献】特開2011-032026(JP,A)
【文献】国際公開第2010/142317(WO,A1)
【文献】特開2011-251722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により複数列で搬送される物品を整列させつつ
集積区間で集積させ
、集積された物品を下流側の受渡区間において物品包装装置へと移載する物品集積装置において、
前記集積区間において前記搬送手段の各搬送路上に、搬送方向前後に移動可能に設けられた第1ストッパと、
前記集積区間において前記第1ストッパの搬送方向上流側に設けられ、前記第1ストッパにて停止された所定個数の物品よりも上流側に位置する物品を停止させる第2ストッパと、
前記第1および第2ストッパにて所定個数に集積された物品を1グループとし
、前記1グループ内の各物品を保持し、前記集積区間から受渡区間へと移動させる物品移動手段と、
前記第1および第2ストッパの作動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、予め設定された物品の集積行数に応じて、前記第1ストッパの位置を調整して
前記第1ストッパおよび前記第2ストッパの間隔を調整し前記物品の集積行数を変更することで、前記物品移動手段により移動される物品の1グループ単位の集積個数を変更可能である
ことを特徴とする物品集積装置。
【請求項2】
前記物品の集積行数を最大行数より少なく設定する際は、前記第1ストッパを所定行数分上流側へ移動させて待機させ、前記物品移動手段によって1グループ単位で移動させる前に、前記第1ストッパの位置を所定行数分搬送方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載の物品集積装置。
【請求項3】
前記搬送手段の上流側に隣接して設けられ、供給される前記物品を前記複数の搬送路に振り分ける振り分け手段を備え、
前記制御手段は、予め設定された物品の集積列数に応じて、前記振り分け手段から振り分けられる搬送路を選択して前記物品の集積列数を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の物品集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列搬送される物品を所望の数で集積、分割する物品集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品箱詰め装置などにおいては、1列で供給される物品を複数の列に振り分け、各列を所定数ごとに集積・分割して、物品を縦横に所定数の行数、列数の塊にして包装材の上に移載している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、取り扱われる物品の種類により、箱詰めされる物品の行数および列数は異なる。従来の装置では、集積する行数、列数を変更するには、手動で複数の変更を行う必要があり、作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、集積される物品の行数を簡便に変更可能な物品集積装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品集積装置は、搬送手段により複数列で搬送される物品を整列させつつ集積区間で集積させ、集積された物品を下流側の受渡区間において物品包装装置へと移載する物品集積装置において、前記集積区間において前記搬送手段の各搬送路上に、搬送方向前後に移動可能に設けられた第1ストッパと、前記集積区間において前記第1ストッパの搬送方向上流側に設けられ、前記第1ストッパにて停止された所定個数の物品よりも上流側に位置する物品を停止させる第2ストッパと、前記第1および第2ストッパにて所定個数に集積された物品を1グループとし、前記1グループ内の各物品を保持し、前記集積区間から受渡区間へと移動させる物品移動手段と、前記第1および第2ストッパの作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、予め設定された物品の集積行数に応じて、前記第1ストッパの位置を調整して前記第1ストッパおよび前記第2ストッパの間隔を調整し前記物品の集積行数を変更することで、前記物品移動手段により移動される物品の1グループ単位の集積個数を変更可能であることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である物品集積装置は、第1の発明において、前記物品の集積行数を最大行数より少なく設定する際は、前記第1ストッパを所定行数分上流側へ移動させて待機させ、前記物品移動手段によって1グループ単位で移動させる前に、前記第1ストッパの位置を所定行数分搬送方向へ移動させることを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明である物品集積装置は、第1または第2の発明において、前記搬送手段の上流側に隣接して設けられ、供給される前記物品を前記複数の搬送路に振り分ける振り分け手段を備え、前記制御手段は、予め設定された物品の集積列数に応じて、前記振り分け手段から振り分けられる搬送路を選択して前記物品の集積列数を変更することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、集積される物品の行数を簡便に変更可能な物品集積装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態である物品集積装置の配置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示される物品集積装置の側面図である。
【
図3】第2ストッパを搬送方向下流側から見た集積分離コンベヤの断面図である。
【
図4】物品を4行5列を単位に集積し、グループ分けした場合の集積区間における平面図および側面図である。
【
図5】物品を3行4列を単位に集積し、グループ分けした場合の集積区間における平面図および側面図である。
【
図6】4行5列、3行4列で包装された物品の様子を模式的に示す。
【
図7】
図5に示される3行4列の物品のグループを集積するまでの過程を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である物品集積装置の全体的な配置を示す平面図であり、
図2は
図1に示される物品集積装置の側面図である。
【0012】
本実施形態の物品集積装置10は、容器などの物品Mを所定の列数に振り分けた後、所定行数に集積・分離する。物品集積装置10の下流側の側方には、物品包装装置12の上流側が隣接して平行に配置される。物品集積装置10において、所定の列数、行数のグループに分離された物品Mは、物品集積装置10と物品包装装置12の上方において、その間を往復移動可能な、物品移載装置13により、集積されたグループを単位に物品包装装置12上に展開された段ボール(包装材)Cの上に移載される。なお、本実施形態の物品Mは、例えば、カップ麺などを投入し蓋で密封した円錐台形の容器であり、径の小さいカップ底面を上にして搬送される。
【0013】
物品包装装置12上に供給される展開された状態の段ボールCは、物品包装装置12の上流部に配置されるストッカ12Aから供給される。物品集積装置10から物品Mが移載された段ボールCは、搬送コンベヤ12Bにより下流に移送され、移載された物品Mを包むように折り曲げられる。これにより、物品Mはグループ毎に段ボールCにより包装される。
【0014】
物品集積装置10は、振り分けコンベヤ10Aを備え、物品Mは、振り分けコンベヤ10Aの上流側に配置される供給コンベヤ14から、例えば2列で等間隔に整列された状態で供給される。振り分けコンベヤ10A上には、2列で供給された物品Mを更に複数の列に振り分けるための振り分け装置16が配置される。すなわち、供給コンベヤ14から2列で振り分けコンベヤ10Aに供給された物品Mは、振り分け装置16により、更に2列以上の所望の数の列に振り分け可能である。例えば、本実施形態の振り分け装置16は、各列を更に2列または3列に振り分け可能であり、2列の物品Mを2~5列の間で振り分け変更可能である。
【0015】
本実施形態において、振り分け装置16は、2列分(2対)のガイド板16A、16Bと、物品Mにエアを吹き付け、搬送経路を振り分けるためのエア噴射ノズル(不図示)とを備える。エア噴射ノズルは、例えばガイド板16A、16Bの上流端近くの供給コンベヤ14に隣接する位置と、ガイド板16A、16Bの下流端近くに設けられる。
【0016】
上流側のエア噴射ノズルは、供給コンベヤ14から物品が1列で供給される場合に、エアを噴射して各物品Mを左右のガイド板16A、16Bに振り分ける。なお、
図1では、左右のガイド板16A、16Bで各々規定される列に対応して2列で供給コンベヤ14から物品Mが供給されているため、上流側のエア噴射ノズルは使用されない。
【0017】
一方、各一対のガイド板16A、16Bの下流側に設けられたエア噴射ノズルは、各ガイド板16A、16Bから排出される物品Mにエアを噴射して、物品列を更に複数の列に振り分ける。
図1では、ガイド板16Aの下流端に設けられたエア噴射ノズルからのエアブローにより、図面上側の1列を3列に振り分け可能であり、ガイド板16Bの下流端に設けられたエア噴射ノズルからのエアブローにより図面下側の1列を2列に列振り分け可能である。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態では、ガイド板16A、16Bの下流側において、振り分けコンベヤ10Aの搬送面上には、振り分けコンベヤ10Aの搬送面を幅方向に5列に等分割する固定ガイド板17が設けられる。なお、
図1において、上側3列を区切る上から1番目の固定ガイド板17が、他の2枚の固定ガイド板17よりも長いのは、エアブローでスライドしてきた容器を受けるところまでガイドが必要であることに起因する。なお、振り分け装置16により3列以上に振り分けられた物品Mの各列における間隔は、必ずしも等しくない。
【0019】
物品集積装置10において、振り分けコンベヤ10Aの下流側には、物品包装装置12に隣接して集積分離コンベヤ10Bが配置される。集積分離コンベヤ10Bは、振り分けコンベヤ10Aで振り分け可能な各列に対応する複数の搬送コンベヤ18を備える。すなわち、本実施形態では5台の搬送コンベヤ(トップチェーンコンベヤ)18が所定の隙間を空けて並列に配置される。各搬送コンベヤ18の両側には、搬送される物品Mをガイドする搬送路ガイド20が、搬送コンベヤ18に沿って配置される。
【0020】
搬送コンベヤ18は、各列の物品Mを集積し、所定数ずつのグループに分割する上流側の集積区間Aと、所定の列数、所定の行数のグループに分割された物品Mを物品包装装置12へと移載する下流側の受渡区間Bに分けられる。集積区間Aにおいて、搬送コンベヤ18の上方には、各列の物品Mを集積し、グループに分割する集積分割装置22が配置される。
【0021】
本実施形態において、集積分割装置22は、第1ストッパ22A、第2ストッパ22B、第3ストッパ22Cを備える。これら3台のストッパは、下流側から第1、第2、第3ストッパ22A、22B、22Cの順で配置される。第1、第2、第3ストッパ22A、22B、22Cは、各搬送コンベヤ18上を搬送される物品Mの前縁に当接して、物品Mの移動を停止する。
【0022】
図3は、第2ストッパ22Bを搬送方向下流側から見た集積分離コンベヤ10Bの断面図である。なお、第1、第2、第3ストッパ22A、22B、22Cの構成は、後述するように第1ストッパ22Aが搬送方向に前後する点、および、第3ストッパ22Cの係合部材が個別昇降可能な点を除き基本的に同一である。
【0023】
第1、第2ストッパ22A、22Bは、5列の搬送コンベヤ18の幅方向に掛け渡される支持部材26を備える。第1、第2ストッパ22A、22Bの支持部材26の上方には、シリンダ等を用いた昇降装置28が配置され、各支持部材26は、昇降装置28により一体的に昇降自在に保持される。
【0024】
第1、第2ストッパ22A、22Bの支持部材26には各列の搬送コンベヤ18に対応して1組ずつ係合部材24が設けられる。係合部材24は下方に向けて延出し、昇降装置28により、全ての列の係合部材24が一体的に昇降可能であり、搬送コンベヤ18上を搬送される物品Mに当接して、その移動を停止する高さ(係止位置)まで下降可能である。また、昇降装置28は、係合部材24が搬送される物品Mと干渉しない高さ(退避位置)まで各列の係合部材24を一体的に上昇可能である。なお、
図2、
図3には、第1、第2ストッパ22A、22Bが係止位置まで下降された状態が示される。
【0025】
一方、第3ストッパ22Cでは、支持部材26が各列に対応する一対の係合部材24毎に設けられ、各支持部材26には、後述するように個別制御可能な昇降装置28が設けられる。すなわち、本実施形態の第3ストッパ22Cでは、5列の物品Mに対応する5つの支持部材26および5つの昇降装置28が設けられる(不図示)。
【0026】
また、第1、第2、第3ストッパ22A、22B、22Cは、何れも昇降装置28により昇降可能であるが、
図2に示されるように、最も下流側に配置される第1ストッパ22Aは、更にシリンダ等を用いた進退装置30により搬送コンベヤ18の搬送方向に進退可能である。
図2の例では、第1ストッパ22Aの昇降装置28が進退装置30によって搬送方向に進退自在に支持される。
【0027】
なお、
図2には、物品Mのグループを3行とする場合の第1ストッパ22Aの位置が破線で示され、4行とする場合が実線で示される。第1ストッパ22Aの搬送方向への移動量は、本装置における変更可能な行数に対応し、本実施形態では1行分の変更を例に説明するが、2行分や3行分など複数の設定が可能である。
【0028】
各搬送コンベヤ18の間、および、最も外側の搬送コンベヤ18の外側には、搬送コンベヤ18上の物品Mをガイドする搬送路ガイド20が搬送方向に沿って配置される。すなわち、
図3に示されるように、5列の搬送コンベヤ18を備える本実施形態では、6枚の搬送路ガイド20が設けられる。各搬送路ガイド20は、例えば、搬送コンベヤ18の幅方向に掛け渡される固定フレーム32により支持される。また、搬送路ガイド20において、第2、第3ストッパ22B、22Cの係合部材24の直ぐ下流側には、各搬送コンベヤ18を搬送される物品Mを検出するセンサ34が設けられる。
【0029】
搬送コンベヤ18の下方には、第1、第2ストッパ22A、22Bで集積され、所定の行数、列数でグループ分けされた物品Mの位置を固定する物品固定装置36がそれぞれに配置される。物品固定装置36は、搬送コンベヤ18上において第1、第2ストッパ22A、22Bにより集積、整列された物品Mの各々の底部外周を四方から保持する保持爪38を備える。各保持爪38は、5列の搬送コンベヤ18の無端チェーンの内側に配置される支持フレーム40から上方に突設するように設けられる。
【0030】
支持フレーム40は、シリンダ等を用いた昇降装置42により昇降自在であり、下降時、保持爪38は、各搬送コンベヤ18よりも下方の退避位置に位置する。各搬送コンベヤ18の横幅は、搬送コンベヤ18の搬送面に載せられた物品Mの底面の外径よりも狭く、搬送時、物品Mの底面の一部は、各搬送コンベヤ18の両側に僅かにはみ出す。そのため、昇降装置42により支持フレーム40が上昇され、各保持爪38が各搬送コンベヤ18の両側縁に沿って、搬送面よりも上方の固定位置にまで上昇されると、4つの保持爪38が、搬送コンベヤ18から横にはみ出した物品Mの前後4ヶ所に係合してその位置を固定する。
【0031】
また、各昇降装置42は、搬送コンベヤ18の無端軌道内に搬送方向に沿って配置される直動装置44により搬送方向に往復動可能である。すなわち、昇降装置42のシリンダは、スライダ等を介して集積区間Aから受渡区間Bに亘って搬送方向に沿って延在するレール44Aに沿って移動可能である。これにより、物品固定装置36は、昇降装置42、直動装置44によりボックスモーションで駆動され、1グループ(設定された行数、列数)を単位に物品Mが、搬送コンベヤ18上をスライドして移動される(物品移動手段)。
【0032】
各物品固定装置36の保持爪38は、集積区間Aにおいて、搬送コンベヤ18上の物品Mの各底部を下側から保持し、その状態を維持したまま、搬送コンベヤ18と協働して物品Mを受渡区間Bまで移動可能である。なお、
図2には、集積区間Aに物品固定装置36が位置する状態が実線で示され、移載区間Bに移動した状態が破線で示される。
【0033】
受渡区間Bにおいて、搬送コンベヤ18の上方には、物品固定装置36の数に対応する数の物品移載装置13が配置される。本実施形態では、2台の物品固定装置36に対応して2台の物品移載装置13が配置される。物品移載装置13は、集積分割装置22により形成可能なグループの最大の行数、列数に対応して格子状に配置された吸着ヘッド13Aを備える(本実施形態では4行5列)。吸着ヘッド13Aは、昇降可能であるとともに搬送コンベヤ18と物品包装装置12の間で横方向に移動可能である。
【0034】
物品移載装置13は、グループを単位に移載区間Bに移動された各物品Mの頂面に吸着ヘッド13Aが当接するように下降され、物品Mの頂面を吸着ヘッド13Aにより吸着する。吸着ヘッド13Aにより吸着保持された物品Mは、その後、整列、集積された状態を維持したまま持ち上げられ、物品包装装置12上の各段ボールC上へと移動され、吸着が解除されることで段ボールC上に受け渡される。
【0035】
なお、物品移載装置13、第1~第3ストッパ22A~22C、物品固定装置36、直動装置44の駆動は、センサ34等からの入力に基づき制御部46により制御される。制御部46は、予め設定された物品Mの集積行数に応じて、第1ストッパ22Aの位置を調整して物品Mの集積行数を変更することができ、グループを単位に移載される物品Mのグループ毎の集積個数を変更可能である。
【0036】
図4、
図5、
図7を参照して、本実施形態の集積分割装置22を用いた、物品Mの集積、グループ分け作業について説明する。
図4(a)は、物品Mを4行5列を単位に集積し、グループ分けした場合の集積区間Aにおける平面図であり、
図4(b)は、
図4(a)の側面図である。また、
図5(a)は、物品Mを3行4列を単位に集積し、グループ分けした場合の集積区間Aにおける平面図であり、
図5(b)は、
図5(a)の側面図である。
【0037】
なお、
図4、
図5では、集積区間A、移載区間Bの間を移動する物品Mや保持爪38、支持フレーム40等の位置を、実線で現在の位置、破線で移動後の位置を示している。
【0038】
図4に示される4行5列の物品Mのグループは、本実施形態の物品集積装置10にお最大行数、最大列数に対応する。すなわち、本実施形態の物品集積装置10は、5列の搬送コンベヤ18を備え、物品Mは振り分け装置16により5列全ての搬送コンベヤ18に供給される。また、第1、第2ストッパ22A、22Bの間隔、および第2、第3ストッパ22B、22Cの間隔は、それぞれ4個の物品Mを収容可能な間隔とされ、第1~第3ストッパ22A~22Cにより各物品列が堰き止められるため、物品Mは、4行毎に分離される。
【0039】
一方、
図5は、3行4列の物品Mをグループ分けする場合を示す。このとき、振り分け装置16は、
図1(
図5)の上側の4列に物品Mを供給する。すなわち、ガイド板16Bの下流端に設けられたエア噴射ノズルが、エアブローによる
図1の最下列への物品Mの供給を停止することで、固定ガイド板17で仕切られる上から4列目のみに物品Mを供給する。
【0040】
第1、第2ストッパ22A、22Bの間、および第2、第3ストッパ22B、22Cの間に、予め設定された所定の行数、列数で物品Mが集積されるまで、2台の支持フレーム40は下降された状態にあり、保持爪38は搬送コンベヤ18の搬送面よりも下の退避位置で待機する。また、このとき、2台の支持フレーム40は、搬送コンベヤ18下で互いに密接した状態で待機する。物品Mが所定の行数および列数集積されると、昇降装置42により保持爪38が支持フレーム40とともに固定位置にまで上昇され、各物品Mの底面の周囲4ヶ所に保持爪38が係合され、各物品Mの位置が固定される。
【0041】
第1、第2ストッパ22A、22Bの間、および第2、第3ストッパ22B、22Cの間に集積された各物品Mが保持爪38で固定されると、第1~第3ストッパ22A~22Cは退避位置まで上昇される。その後、支持フレーム40が直動装置44により、搬送コンベヤ18よりも速い速度でレール44Aに沿って物品Mの搬送方向に移載区間Bにまで移動される。これにより保持爪38で保持される物品Mも、第1、第2ストッパ22A、22Bの間、および第2、第3ストッパ22B、22Cの間の整列された集積状態を維持したまま移載区間Bへと搬送される。
【0042】
このとき、
図4、
図5に示されるように、2台の支持フレーム40の間に所定の隙間が設けられ、物品Mの2つのグループが確実に離間される。移載区間Bに移動された物品Mの2つの各グループは、その後、物品移載装置13によりグループ毎に、物品包装装置12上に展開された段ボールC上へと移載される。移載区間Bにおいて物品Mが物品包装装置12へと移載されると、2台の保持爪38は、退避位置にまで下降され、直動装置44により、第1、第2ストッパ22A、22Bの間、および第2、第3ストッパ22B、22Cの間の下方に戻され、同様の動作を繰り返す。なお、
図6には、4行5列、3行4列の物品Mのグループが段ボールCに包装された様子を模式的に示す。
【0043】
図7(a)~
図7(e)は、
図5に示される3行4列の物品Mのグループを集積するまでの過程を模式的に示す図である。
【0044】
図7(a)では、第1ストッパ22Aが
図1の破線の位置に後退されるとともに、第1ストッパ22Aのみが係止位置にまで下降され、第2、第3ストッパ22B、22C(破線)は、上方の退避位置に配置される。同状態では、
図7の上側の4列の搬送コンベヤ18において、上流側から搬送されてくる物品Mが第1ストッパ22Aの係合部材24により停止され、その後の上流側から搬送されてくる物品Mが順次各列において整列した状態で集積される。
【0045】
第2ストッパ22Bの直ぐ下流側に配置されたセンサ34により、第1ストッパ22Aで堰き止められる物品Mが、上記4列全てに3行分供給されたことが検出されると、
図7(b)のように、第2ストッパ22B(実線)が下降される。なお、このときに既に4行分以上の物品Mが集積された列が存在する場合、当列に関しては、3行目の物品Mと4行目の物品Mの間に係合部材24が挿入される。その後供給される物品Mは、第2ストッパ22Bの係合部材24によりその移動が停止され、
図7(c)に示されるように、順次各列において集積される。
【0046】
第3ストッパ22Cの直ぐ下流側に配置されたセンサ34により、第2ストッパ22Bで堰き止められる物品Mが、上記4列の何れかで3行分供給されたことが検出されると、第3ストッパ22Cの対応する列の係合部材24が下降される(例えば
図7(c)において一番上の列)。また、上記4列全てに3行分供給されたことが検出されると、第3ストッパ22Cの4列分全ての係合部材24が下降されるとともに、第1ストッパ22Aが
図1の実線の位置にまで移動される(
図7(d))。これにより、第1ストッパ22Aにより3行4列で集積された物品Mの3行目は、
図7(d)に示されるように、第2ストッパ22Bから1行分下流側に離間した位置にまで移動される。また、その後供給される各列の物品Mは、第3ストッパ22Cの係合部材24により堰き止められる。
【0047】
図7(d)の状態において、保持爪38が支持フレーム40とともに固定位置にまで上昇され、第1、第2、第3ストッパ22A、22B、22Cが全て退避位置にまで上昇される。そして、第1、第2ストッパ22A、22Bにより集積され、保持爪38により固定・保持された物品Mの各グループが、直動装置44により搬送コンベヤ18上をスライドしながら移載区間Bへと搬送され、物品移載装置13により物品包装装置12へと移載される。以下、
図7(a)からの処理が繰り返され、物品Mは、順次所望の行数、列数で集積、グループ分けされ、物品包装装置12へと受け渡される。
【0048】
以上のように、本実施形態の物品集積装置によれば、複数のストッパの昇降のタイミングを制御することで、簡単に集積される物品の行数を変更できる。また、振り分け装置により振り分け動作を制御することで、列数も簡単に変更できる。
【0049】
なお、本実施形態の振り分け装置は、振り分けガイドを搬送方向および幅方向に移動するもの用いたが、例えば可動ガイドを用いたり、吸盤を備えたスターホイールを用いたり、幅方向に移動するトンネルを用いる方法など、公知の様々な方法が採用できる。
【符号の説明】
【0050】
10 物品集積装置
12 物品包装装置
13 物品移載装置
14 供給コンベヤ
16 振り分け装置
18 搬送コンベヤ
22A 第1ストッパ
22B 第2ストッパ
22C 第3ストッパ
36 物品固定装置(物品移動手段)
38 保持爪(物品移動手段)
42 昇降装置(物品移動手段)
44 直動装置(物品移動手段)
46 制御部