(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】吐出装置
(51)【国際特許分類】
F04B 23/02 20060101AFI20241023BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20241023BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
F04B23/02 D
B65D83/00 K
F04B9/14 D
(21)【出願番号】P 2021022708
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 素晴
(72)【発明者】
【氏名】橋本 慶吾
【審査官】森 秀太
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-053500(JP,U)
【文献】特開2020-182852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 23/02
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体の口部に装着されるポンプと、前記容器本体を支持するスタンドと、前記ポンプのヘッドに被せるヘッドカバーと、ワイヤーを備える、吐出装置であって、
前記スタンドは、ベースと、前記ベースに対して回動可能なペダルを備え、
前記ヘッドカバーは、前記ヘッドの上面を覆う上面部と、前記ヘッドの側面を覆う側面部を備え、
前記ペダルと前記ヘッドカバーが前記ワイヤーによって連結され、前記ペダルの押下に伴って前記ワイヤーに加わる張力によって前記ヘッドが圧下されるように配置され
、
前記ペダルは、ヒンジ部において前記ベースに連結されており、前記ヒンジ部を中心に回動可能となっている、吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出装置であって、
前記容器本体は、全高が50~150cmであり、容積が2L以上である、吐出装置。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の吐出装置であって、
前記容器本体は、直径が最大の部位での直径が5~20cmである、吐出装置。
【請求項4】
請求項
1~請求項3
の何れか1つに記載の吐出装置であって、
前記ワイヤーの一部は、前記容器本体の長手方向に沿って前記
容器本体の胴部に設けられた収容溝内に収容される、吐出装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の吐出装置であって、
前記スタンドは、ブロー成形体であり、
前記ベースは、中空であり、
前記ベースと前記ペダルは、一体成形されている、吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液(例:消毒液)を吐出可能な吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スタンドに設置したスプレーボトルから消毒液を吐出可能な構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなスプレーボトルは、スーパーマーケットのような、人の出入りが激しい場所に設置されることがあり、このような場所に設置されると、消毒液の吐出頻度が非常に高くなるので、スプレーボトル内に消毒液を頻繁に補充必要があり、手間がかかる。
【0005】
また、上記スプレーボトルは、一般に、床面から離れた位置に設置台を有するスタンドを準備し、設置台上にスプレーボトルを設置するのが一般的である。しかし、このようなスタンドは、設置台を支持するための支持柱を備えるために高価になりがちであるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内容液の補充の手間を削減することができ、且つ床面から離れた位置に設置台を有するスタンドが不要である吐出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、容器本体と、前記容器本体の口部に装着されるポンプを備える、吐出装置であって、前記容器本体は、全高が50~150cmであり、容積が2L以上である、吐出装置が提供される。
【0008】
本発明の吐出装置は、容積が2L以上である容器本体を備えるので、比較的多量の内容液を一度に補充することが可能である。このため、内容液の補充の頻度が低くなるので、内容液の補充の手間を削減することができる。また、この容器本体は、全高が50~150cmであるので、床面に設置した場合でもポンプが手指で操作しやすい位置に配置される。このため、床面から離れた位置に設置台を有する高価なスタンドが不要である。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の吐出装置であって、前記容器本体は、直径が最大の部位での直径が5~20cmである、吐出装置である。
好ましくは、前記記載の吐出装置であって、前記容器本体を支持するスタンドと、前記ポンプのヘッドに被せるヘッドカバーと、ワイヤーを備え、前記スタンドは、ベースと、前記ベースに対して回動可能なペダルを備え、前記ヘッドカバーは、前記ヘッドの上面を覆う上面部と、前記ヘッドの側面を覆う側面部を備え、前記ペダルと前記ヘッドカバーが前記ワイヤーによって連結され、前記ペダルの押下に伴って前記ワイヤーに加わる張力によって前記ヘッドが圧下されるように配置される、吐出装置である。
好ましくは、前記記載の吐出装置であって、前記ワイヤーの一部は、前記容器本体の長手方向に沿って前記胴部に設けられた収容溝内に収容される、吐出装置である。
好ましくは、前記記載の吐出装置であって、前記容器本体を支持するスタンドを備え、前記スタンドは、ベースと、前記ベースに対して回動可能なペダルを備え、前記スタンドは、ブロー成形体であり、前記ベースは、中空であり、前記ベースと前記ペダルは、一体成形されている、吐出装置である。
好ましくは、容器本体と、前記容器本体の口部に装着されるポンプと、前記容器本体を支持するスタンドと、前記ポンプのヘッドに被せるヘッドカバーと、ワイヤーを備える、吐出装置であって、前記スタンドは、ベースと、前記ベースに対して回動可能なペダルを備え、前記ヘッドカバーは、前記ヘッドの上面を覆う上面部と、前記ヘッドの側面を覆う側面部を備え、前記ペダルと前記ヘッドカバーが前記ワイヤーによって連結され、前記ペダルの押下に伴って前記ワイヤーに加わる張力によって前記ヘッドが圧下されるように配置される、吐出装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態の吐出装置1の斜視図である。
【
図5】ヘッドカバー8を斜め下方向から見た斜視図である。
【
図6】
図2中の領域Aを別の方向から見た拡大図である。
【
図8】本発明の第1実施形態の吐出装置1のスタンド4の斜視図であり、
図8Bは、スタンド4をブロー成形によって製造した直後の状態を示し、
図8Aは、ヒンジ部4cを中心にペダル4bをベース4aに対して回動させてペダル4bをベース4aに近づけた後の状態を示す。
図8A~
図8Bにおいて、図中の一点鎖線は、スタンド4の表面形状を構成する面の曲率が変化する境界線を表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0012】
1.第1実施形態
図1~
図6は、本発明の第1実施形態の吐出装置1を示す。吐出装置1は、容器本体2と、ポンプ3と、スタンド4と、ヘッドカバー8と、ワイヤー9を備える。容器本体2内には、内容液(例:消毒液)が収容されており、この内容液は、ポンプ3によって吸い上げられて、ポンプ3のノズル3dから吐出される。
【0013】
<容器本体2>
図2及び
図4に示すように、容器本体2は、口部5と、胴部6と、底部7を備える。口部5は、胴部6の上端6aから延びるように設けられている。口部5は、円筒形である。口部5の外面には、ポンプ3を装着するための雄ねじ部5aが設けられている。胴部6は、口部5よりも外径(本明細書において、「外径」は、断面が円形でない場合は、外接円径を意味する。)が大きい。胴部6は筒状であり、底部7は、胴部6の下端に設けられ、胴部6の下端を閉塞する。
【0014】
容器本体2は、好ましくは、ポリエステル(例:PET)やポリオレフィン(例:ポリプロピレン、ポリエチレン)等の熱可塑性樹脂で構成される。容器本体2は、パリソンのブロー成形によって形成することができる。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形であってもよく、インジェクションブロー成形であってもよい。ダイレクトブロー成形では、押出機から押し出された溶融状態の筒状パリソンを金型内に配置した状態でパリソン内部にエアーを吹き込むことによって容器本体2を製造する。インジェクションブロー成形では、プリフォームと呼ばれる試験管状の有底パリソンを射出成形によって形成し、このパリソンを加熱したものを金型内に配置した状態でパリソン内部にエアーを吹き込むことによって容器本体2を製造する。
【0015】
容器本体2は、全高が50~150cmであり、80~120cmが好ましい。特許文献1のような従来のスプレーボトルの容器本体は、全高が小さいので、使いやすくするために、床面から離れた位置に設置台を有するスタンドを準備し、その設置台上にスプレーボトルを設置する必要があったが、本実施形態の容器本体2は、全高が大きいので、床面に直接設置したり、設置台を支持するための支持柱を有さない構成のスタンド4を用いたりすることができる。このような構成のスタンド4は、支持柱を有するスタンドに比べて、構造が単純であるので、安価に製造が可能であり、軽量化も可能である。容器本体2の全高は、具体的には例えば、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0016】
容器本体2は、容積が2L以上である。従来のスプレーボトルは、通常、容量が1L以下であり、商業施設などでは、多くの利用者がスプレーボトルから内容液を吐出させるので、かなりの高頻度で内容液の再充填が必要になり、手間がかかる。これに対して、本実施形態の容器本体2は、容量が2L以上であるので、従来のスプレーボトルに比べて、再充填の頻度を低下させることができる。この容積は、例えば2~20Lであり、具体的には例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20Lであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。
【0017】
容器本体2は、直径が最大の部位での直径が5~20cmであることが好ましい。この程度の直径であれば自立性及び取り扱い性が優れている。この直径は、具体的には例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。容器本体2の直径が最大の部位の直径をDとし、容器本体2の全高をLとすると、L/Dは、例えば、5~20であり、8~15が好ましい。L/Dは、具体的には例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0018】
容器本体2は、容器本体2の全高のα%において、断面形状が容器本体2の長手方向に沿って一定であることが好ましい。αは、50%以上が好ましい。αは、例えば50~99%であり、具体的には例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。容器本体2の全高をLとすると、断面形状が一定の部位は、容器本体2の底面からβ×Lの位置を含むように配置されることが好ましい。βは、例えば0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9である。また、容器本体2は、断面形状が一定の部位よりも下側に、容器本体2の底面に向かって断面積が大きくなる部位を備えてもよい。この場合、容器本体2の自立安定性が高められる。断面積が大きくなる部位は、容器本体2の底面からγ×Lの位置を含むように配置されることが好ましい。γは、例えば0.01、0.02、0.05、0.1、又は0.2である。
【0019】
図6に示すように、胴部6には、ワイヤー挿通孔6dが設けられている。ワイヤー挿通孔6dは、胴部6の、底部7に近い位置に設けられている。ワイヤー挿通孔6dは、胴部6を凹ませて形成した凹部6e内に形成した壁部6fに設けられている。ワイヤー挿通孔6dに、盗難防止ワイヤー(不図示)を挿通させることによって、容器本体2の盗難を抑制することができる。ワイヤー挿通孔6dは、スタンド4のペダル4bとは反対側に設けられている。これによって、ペダル4bと盗難防止ワイヤーが干渉することが抑制される。
【0020】
<ポンプ3>
図4に示すように、ポンプ3は、筒状部3aと、シリンダ3bと、ヘッド3cと、ノズル3dと、チューブ3eを備える。
【0021】
筒状部3aの内面には、雌ねじ部(不図示)が設けられており、この雌ねじ部を雄ねじ部5aに螺合させることによって、ポンプ3が口部5に装着される。
【0022】
シリンダ3bには、弾性部材と弁で構成されるポンプ機構が内蔵されており、その内部空間は、ヘッド3c及びチューブ3eに連通されている。ヘッド3cは、弾性部材によってシリンダ3bから離れる方向(上方向)に付勢されている。ノズル3dは、ヘッド3cに連通するように設けられている。
【0023】
ヘッド3cを圧下すると、ポンプ機構の作用によって、シリンダ3b内に収容されている内容液がノズル3dから吐出される。その後に、ヘッド3cに加えた圧力を除くと、付勢力によってヘッド3cが上昇し、その際にチューブ3eを通じて内容液がシリンダ3b内に収容される。従って、ヘッド3cの圧下と付勢力による上昇を繰り返すことによって、内容液を繰り返し吐出することが可能になっている。
【0024】
ノズル3dから吐出される内容液は、液状、霧状、泡状などの任意の形態であってもよい。
【0025】
<スタンド4、ヘッドカバー8、ワイヤー9>
スタンド4は、容器本体2を支持する機能を有する。
図2に示すように、スタンド4は、ベース4aと、ベース4aに対して回動可能なペダル4bを備える。ペダル4bは、ヒンジ部4cにおいてベース4aに連結されており、ヒンジ部4cを中心に回動可能となっている。
【0026】
図2に示すように、ベース4aは、プレート部4a1と、筒部4a2を備える。筒部4a2に支持孔4dが設けられており、容器本体2の底部7を支持孔4d内に挿入することによって、ベース4aが容器本体2を支持可能になっている。支持孔4dの高さは、例えば、3~30cmであり、5~15cmが好ましい。この高さは、具体的には例えば、3、5、10、15、20、25、30cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0027】
図2、
図6及び
図7に示すように、容器本体2の胴部6の下端近傍には、周方向に離間された複数の凸条6bが設けられており、凸条6bが支持孔4dの周面に当接することによって、容器本体2が支持孔4d内に支持された状態でグラグラすることが抑制される。複数の凸条6bは、周方向に離間されることが好ましい。容器本体2が支持孔4d内に配置された状態で、少なくとも3つの凸条6bが支持孔4dの周面に密着していることが好ましい。これによって、容器本体2がより安定して支持孔4dに支持される。凸条6bは、周方向に離間して複数設けることが好ましい。凸条6bは、容器本体2の長手方向に延びる細長い形状であることが好ましい。
【0028】
図2に示すように、ペダル4bは、一対の先端突出部4b1と、その間に凹部4b2を備える。筒部4a2は、凹部4b2内に配置されるので、容器本体2は、一対の先端突出部4b1の間に配置される。
図7に示すように、先端突出部4b1の上端4b1aは、一対の収容溝6cの中央を通る平面(別の表現では、容器本体2又は支持孔4dの中心軸と、収容溝6cの中央を通る平面)P上、又は平面Pに隣接した位置に配置されることが好ましい。
【0029】
図3~
図5に示すように、ヘッドカバー8は、ポンプ3のヘッド3cに被せられる。ヘッドカバー8は、ヘッド3cの上面を覆う上面部8aと、ヘッド3cの側面を覆う側面部8bを備える。このような構成によって、ヘッドカバー8を安定してヘッド3c上に保持することが可能になっている。
図1及び
図3に示すように、ペダル4bとヘッドカバー8がワイヤー9によって連結されており、ペダル4bの押下に伴ってワイヤー9に加わる張力によってヘッド3cが圧下されるように構成されている。ペダル4bに加えた力を除いた後は、ポンプ3とスタンド4の少なくとも一方に内蔵された弾性部材による付勢力によってペダル4bが持ち上げられ、ペダル4bを繰り返し押下することが可能になっている。ペダル4bは、足で踏むことによって押下することが好ましい。
【0030】
側面部8bには、ノズル収容凹部8b1が設けられており、ノズル収容凹部8b1内にノズル3dを収容することによって、ノズル3dと側面部8bの干渉が抑制される。
【0031】
図3に示すように、ペダル4bとヘッドカバー8は、2本のワイヤー9で連結されていることが好ましい。これによって、ヘッド3cを安定して圧下させることができる。2本のワイヤー9は、平行に延びることが好ましい。
【0032】
一例では、
図5に示すように、ヘッドカバー8は側面部8bから下方に突出する一対の下方突出部8cを備え、各下方突出部8cには、挿通孔8c1が設けられ、ワイヤー9は、一対の挿通孔8c1に挿通される。
【0033】
2本のワイヤー9は、ヘッドカバー8側の端部が連結されていても互いに分離されていてもよく、ペダル4b側の端部が連結されていても互いに分離されていてもよい。
【0034】
2本のワイヤー9のヘッドカバー8側の端部が連結されている場合、一対の挿通孔8c1の間では、ワイヤー9は、ヘッド3cの上面を通過する。このような構成であれば、ワイヤー9に加わった張力がヘッド3cの上面に直接加わって、ヘッド3cが圧下される。2本のワイヤー9のヘッドカバー8側の端部が互いに分離されている場合、各ワイヤー9の端部が各下方突出部8cに固定される。この場合、ワイヤー9に加わった張力がヘッドカバー8を介してヘッド3cの上面に加わって、ヘッド3cが圧下される。
【0035】
2本のワイヤー9のペダル4b側の端部が連結されている場合、ワイヤー9のループ状の端部は、例えば、ペダル4bの下面を通過するようにペダル4bに引っ掛けることができる。2本のワイヤー9のペダル4b側の端部が互いに分離されている場合、各ワイヤー9の端部が各先端突出部4b1に固定される。何れの場合でも、ペダル4bの押下に伴ってワイヤー9に張力を加えることができる。ワイヤー9は、先端突出部4b1に設けた挿通孔4b1bに挿通させることが好ましい。一例では、ワイヤー9を挿通孔4b1bに挿通させた状態で、ワイヤー9が挿通孔4b1bから抜けることを防ぐ係止部をワイヤー9の端部に設けることによって、ワイヤー9の端部を先端突出部4b1に固定することができる。
【0036】
ワイヤー9の一部は、容器本体2の長手方向に沿って胴部6に設けられた収容溝6c内に収容されることが好ましい。これによって、ワイヤー9が安定して位置決めされる。
図7に示すように、平面Pから挿通孔4b1bまでの距離は、平面Pから収容溝6cの縁6c1までの距離よりも短いことが好ましい。このような位置に挿通孔4b1bを配置することによって、ワイヤー9が収容溝6cから外れることが抑制される。また、2本のワイヤー9に加わる張力の合力が、容器本体2のほぼ真下に向かう方向に加わるので、ペダル4bを押下したときに容器本体2が倒れることが抑制される。
【0037】
2.第2実施形態
図8を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態と類似しており、スタンド4の構成の違いが主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態では、スタンド4は、ブロー成形体であり、ベース4aが中空になっており、ベース4aとペダル4bが一体成形されている。
【0039】
ブロー成形では、一対の金型でパリソンを圧縮することによってヒンジ部4cを形成することができるので、ヒンジ部4cで回動可能に連結されたベース4aとペダル4bを一体成形することができる。また、ベース4aを中空にすることができ、ベース4aの内部に水などの充填物を充填することによって、スタンド4の重量を増大させて、スタンド4を倒れにくくすることができる。
【0040】
3.その他の実施形態
・上記実施形態では、ペダル4bを押下して内容液を吐出させているが、ヘッド3cを手で押下させるようにしてもよい。この場合、ペダル4b、ヘッドカバー8、及びワイヤー9は不要である。
・上記実施形態では、容器本体2をスタンド4上に設置したが、容器本体2は、自立可能であるので、容器本体2を床面に直接設置することも可能である。この場合、スタンド4、ヘッドカバー8、及びワイヤー9は不要である。
【0041】
4.別観点の発明
本発明は、別観点では、
容器本体と、前記容器本体の口部に装着されるポンプと、前記容器本体を支持するスタンドと、前記ポンプのヘッドに被せるヘッドカバーと、ワイヤーを備える、吐出装置であって、
前記スタンドは、ベースと、前記ベースに対して回動可能なペダルを備え、
前記ヘッドカバーは、前記ヘッドの上面を覆う上面部と、前記ヘッドの側面を覆う側面部を備え、
前記ペダルと前記ヘッドカバーが前記ワイヤーによって連結され、前記ペダルの押下に伴って前記ワイヤーに加わる張力によって前記ヘッドが圧下されるように配置される、吐出装置
を提供するものである。
【0042】
特許文献1では、複雑な機構を介してペダルに加わった力をヘッドに伝達しているが、本観点の発明によれば、単純な構成でペダルに加わった力をヘッドに伝達することができる。
【0043】
なお、本観点の発明では、容器本体2の全高や容積は特に限定されない。容器本体2の全高が小さい場合には、例えば、床面から離れた位置に設置台を有するスタンドを準備し、この設置台上に容器本体2を設置することができる。
【0044】
第1~第2実施形態は、本観点の発明の実施形態でもあるので、これらの実施形態で説明した内容は、その趣旨に反しない限り、本観点の発明にも当てはまる。
【符号の説明】
【0045】
1 :吐出装置
2 :容器本体
3 :ポンプ
3a :筒状部
3b :シリンダ
3c :ヘッド
3d :ノズル
3e :チューブ
4 :スタンド
4a :ベース
4a1 :プレート部
4a2 :筒部
4b :ペダル
4b1 :先端突出部
4b1a :上端
4b1b :挿通孔
4b2 :凹部
4c :ヒンジ部
4d :支持孔
5 :口部
5a :雄ねじ部
6 :胴部
6a :上端
6b :凸条
6c :収容溝
6c1 :縁
6d :ワイヤー挿通孔
6e :凹部
6f :壁部
7 :底部
8 :ヘッドカバー
8a :上面部
8b :側面部
8b1 :ノズル収容凹部
8c :下方突出部
8c1 :挿通孔
9 :ワイヤー
P :平面