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特許7575705冷却ファンモジュールおよび情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】冷却ファンモジュールおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20241023BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023074629
(22)【出願日】2023-04-28
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-003204(JP,A)
【文献】特開2011-061229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転羽を駆動して送風を発生する回転羽駆動部と、
一部をあけて前記回転羽駆動部と所定の空間との周囲を側壁で囲い、前記空間を第1の方向から覆い、前記空間の前記第1の方向に対向する第2の方向側が切り欠かれ、前記回転羽駆動部の前記第1の方向側の枠体を形成する第1のカバーと、前記空間を覆うことなく前記回転羽駆動部の前記第2の方向側の枠体を形成する第2のカバーとを含み、前記第1のカバーと前記第2のカバーとによって前記回転羽駆動部を保持するケーシングと、
を有する冷却ファンモジュール。
【請求項2】
回転羽を駆動して送風を発生する回転羽駆動部と、一部をあけて前記回転羽駆動部と所定の空間との周囲を側壁で囲い、前記空間を第1の方向から覆い、前記空間の前記第1の方向に対向する第2の方向側が切り欠かれ、前記回転羽駆動部の前記第1の方向側の枠体を形成する第1のカバーと、前記空間を覆うことなく前記回転羽駆動部の前記第2の方向側の枠体を形成する第2のカバーとを含み、前記第1のカバーと前記第2のカバーとによって前記回転羽駆動部を保持するケーシングと、を有する冷却ファンモジュールと、
前記第2のカバーの外形に沿って切り欠かれた切り欠き部を有し、前記切り欠き部に前記第2のカバーが配置される基板と、
を有する情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のカバーによって覆われる前記空間内の前記基板の第1の面上の第1の領域に対して、回路部品が実装される、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のカバーが前記基板の第2の面に対して所定の高さを有し、前記第1の領域に対向する前記基板の第2の面上の第2の領域に対して、前記第2の領域を覆う第3のカバーが付設される、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第3のカバーによって覆われる、前記基板の前記第2の面上の前記第2の領域に対して、回路部品が実装される、請求項4記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却ファンモジュールおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置が有するCPU(Central Processing Unit)等の発熱体は、高負荷な処理が継続すると温度が上昇して発熱によって故障の原因となる場合がある。このため、情報処理装置には、発熱体の温度上昇を抑えるための冷却機構が備えられている。
【0003】
冷却機構としては、送風を発生させて放熱を促すファン(FAN)ユニットがある。一方、情報処理装置は、近年、薄型化の傾向にあり、FANユニットに対しても薄型化の構造が望まれている。
【0004】
関連技術としては、例えば、回転軸が放熱フィン部の空気流入部近傍に配置され、放熱フィン部の隣り合うフィン部間に設けた空間部に空気流を生じさせて、カバーの内壁に沿って吹き出し口に向かって空気流を生じさせる遠心ファンが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-234957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FANユニットを薄型化した場合、FANユニットの薄型化に伴って風量が低下するという問題がある。また、風量の低下を抑制して薄型化する前のFANユニットと同等の風量を得るためには、FANユニットを平面方向に拡大化することが求められる。
【0007】
しかし、FANユニットを単に拡大化した場合、FANユニットを拡大した部分に対応する基板領域に回路部品が実装できなくなり、部品実装エリアが不足するという問題がある。
【0008】
1つの側面では、本発明は、風量の低下の抑制および部品実装エリア不足の解消を可能にして、FANユニットの薄型化を実現した冷却ファンモジュールおよび情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、冷却ファンモジュールが提供される。冷却ファンモジュールは、回転羽を駆動して送風を発生する回転羽駆動部と、側壁と、側壁から回転羽駆動部の周辺域まで切り欠かれた切り欠き部とが設けられて回転羽駆動部の一方の枠体を形成する第1のカバーと、切り欠き部を非覆設して回転羽駆動部の他方の枠体を形成する第2のカバーとを含み、第1のカバーと第2のカバーとによって回転羽駆動部を保持するケーシングと、を有する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、回転羽を駆動して送風を発生する回転羽駆動部と、側壁と、側壁から回転羽駆動部の周辺域まで切り欠かれた第1の切り欠き部とが設けられて回転羽駆動部の一方の枠体を形成する第1のカバーと、第1の切り欠き部を非覆設して回転羽駆動部の他方の枠体を形成する第2のカバーとを含み、第1のカバーと第2のカバーとによって回転羽駆動部を保持するケーシングと、を有する冷却ファンモジュールと、第2のカバーの外形に沿って切り欠かれた第2の切り欠き部を有し、第2の切り欠き部に第2のカバーが配置される基板と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
1側面によれば、風量の低下の抑制および部品実装エリア不足の解消が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】冷却ファンモジュールの一例を示す図である。
図2】冷却ファンモジュールの一例を示す図である。
図3】情報処理装置の冷却機構の一例を示す図である。(a)は情報処理装置の製品斜視図であり、(b)は情報処理装置の底面斜視図(底面カバー無)である。
図4】FANユニットの薄型化に伴う平面方向の拡大化の一例を説明するための図である。
図5】FANユニットの薄型化に伴う平面方向の拡大化の一例を説明するための図である。
図6】FANユニットの薄型化/拡大化に伴う部品実装エリアの不足を説明するための図である。
図7】FANユニットの薄型化/拡大化に伴う部品実装エリアの不足を説明するための図である。
図8】FANユニットの構成の一例を示す図である。
図9】FANユニットの構成の一例を示す図である。
図10】情報処理装置の装置裏面の一例を示す図である。
図11】情報処理装置の装置裏面の一例を示す図である。
図12】情報処理装置の装置表面の一例を示す図である。
図13】情報処理装置の装置表面の一例を示す図である。
図14】情報処理装置の装置裏面の一例を示す図である。
図15】FANユニットの実装部分を拡大した図である。
図16】FANユニットが搭載されている装置の概略断面図である。
図17】情報処理装置の装置裏面の一例を示す斜視図である。
図18】情報処理装置の装置裏面の一例を示す斜視図である。
図19】情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。
図20】情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。
図21】情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。
図22】情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。
図23】FANユニットが搭載されている装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0014】
図1図2は冷却ファンモジュールの一例を示す図である。図1は冷却ファンモジュールの表面を示し、図2は冷却ファンモジュールの裏面を示している。冷却ファンモジュール1は、回転羽駆動部11およびケーシング12を備える。ケーシング12は、カバー12a(第1のカバー)とカバー12b(第2のカバー)を備える。
【0015】
カバー12aは、回転羽駆動部11の一方の枠体を形成し、カバー12aには、側壁12a1とケーシング切り欠き部12a2が設けられている。側壁12a1は、カバー12aの縁部に沿って設けられ、また、側壁12a1から回転羽駆動部11の周辺域まで切り欠かれてケーシング切り欠き部12a2が設けられている。
【0016】
カバー12bは、ケーシング切り欠き部12a2を覆わないように非覆設して、回転羽駆動部11の他方の枠体を形成する。そして、ケーシング12は、カバー12a、12bによって回転羽駆動部11を保持する。なお、ケーシング12には、カバー12bを底面側にして基板に締結するためのネジ孔13a、13bが設けられている。
【0017】
このような冷却ファンモジュール1の構成により、モジュールを薄型化した際の平面方向へのモジュールの拡大化によって、薄型化する前のモジュールと同等の風量を得ることが可能になる。
【0018】
また、平面方向にモジュールを拡大化した場合、ケーシング切り欠き部に対応する基板領域に部品を実装することができる。これにより、風量の低下の抑制および部品実装エリア不足の解消が可能になり、薄型化した冷却ファンモジュールを実現することが可能になる。
【0019】
次に本発明の詳細を説明する前に、冷却ファンモジュールの薄型化および薄型化に伴う課題について説明する。なお、以降の説明では、冷却ファンモジュールをFANユニットと呼ぶ場合がある。
【0020】
図3は情報処理装置の冷却機構の一例を示す図である。(a)は情報処理装置の製品斜視図であり、(b)は情報処理装置の底面斜視図(底面カバー無)である。ノートパソコン等の情報処理装置2には、基板20に実装されているCPU21に対する冷却機構として、熱交換ユニットであるヒートシンク22、およびFANユニット23が備えられる。CPU21の発熱は、ヒートシンク22を介してFANユニット23による空冷によって放熱される。
【0021】
ここで、FANユニット23の冷却性能を上げるために、現行の情報処理装置2では、情報処理装置2の厚みの中でFANユニット23の厚みは最大限に設定されている(例えば、FANユニット23の厚み5mmなど)。一方、情報処理装置2の薄型化に伴い、薄型化したFANユニット23の開発が要望されている。
【0022】
<FANユニットの薄型化に伴う平面方向の拡大>
図4図5はFANユニットの薄型化に伴う平面方向の拡大化の一例を説明するための図である。図4のFANユニット23aは薄型化する前の構成であり、X方向の長さは例えば、53~55mmである。
【0023】
これに対し、図5のFANユニット23bは、厚みを例えば2.5mmに薄型化した場合の構成を示しており、X方向の長さは例えば、72~80mmになっており、平面方向(XY方向)が拡大化されている。
【0024】
このように、FANユニット23aの高さ方向(Z方向)を小さくして厚みを減らすのと引き換えに、FANユニット23bのXY方向を拡大することで、Z方向が小さくなった分の間口を広げている(回転羽の径の拡大と共に、回転羽がない領域が拡大されている)。これにより、薄型化したFANユニット23bにおいても、薄型化する前のFANユニット23aで発生していた同等の風量を得ることが可能になる。
【0025】
<部品実装エリアの不足>
図6図7はFANユニットの薄型化/拡大化に伴う部品実装エリアの不足を説明するための図である。図6において、情報処理装置2(以下、装置2と呼ぶ場合がある)には図4に示した薄型化する前のFANユニット23aが搭載されている。一方、図7において、装置2には図5に示した薄型化/拡大化したFANユニット23bが搭載されている。
【0026】
図6図7に示すように、装置2に対して、FANユニット23aを、薄型化/拡大化したFANユニット23bに単に置き換えただけでは、回路部品実装領域r1に実装されている部品に対して、FANユニット23bの干渉が発生する可能性がある。
【0027】
このようなFANユニット23bと回路部品実装領域r1との干渉を防ぐために、回路部品の実装エリアを減らす対策が考えられるが、このような対策では部品実装エリアの不足が生じることになる。
【0028】
<風量・静圧の低下>
FANユニット23の厚みを薄くした場合、厚みを薄くする前の風量を得るために回転羽を長くすることになる。回転羽を長くすると、回転羽を駆動するためのトルクアップを要することになるが、FANユニット23の厚みが薄い状態でトルクアップを行うことは困難である。
【0029】
また、回転羽を長くすると、FANユニット23の駆動時に回転羽の羽先が上下にぐらついて回転羽を保持しているケーシングに接触してしまう可能性が高くなる。このため、ケーシングへの羽先の接触を防ぐために、羽先の傾き分の隙間を広くすることになり、回転羽幅が細くなってしまう。さらに、装置内部の隙間が狭くなることで圧損が大きくなるため、静圧が下がってしまうという問題もある。
【0030】
上記のように、FANユニットを薄型化および拡大化した場合、基板への回路部品の実装エリアが不足するという問題がある。また、情報処理装置およびFANユニットの薄型化に伴い風量および静圧が低下するという問題がある。
【0031】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、薄型化および拡大化したFANユニットのケーシングを活用して、回路部品の実装エリアを拡大しつつ回転羽駆動部の厚みを確保して風量および静圧の低下の抑制を図るものである。
【0032】
<本発明のFANユニットの構成>
次に本発明の構成について以降詳しく説明する。図8図9はFANユニットの構成の一例を示す図である。図8はFANユニットの表面を示す斜視図であり、図9はFANユニットの裏面を示す斜視図である。FANユニット1aは、回転羽駆動部11およびケーシング12を備える。なお、FANユニット1aの構成要素については、図1図2に示した構成要素と同じであるため説明は省略する。
【0033】
図10図11は情報処理装置の装置裏面の一例を示す図である。底面カバーを非表示としている。図10において、装置2には、FANユニット1aが搭載される。また、FANユニット1aの周辺には、チップ、コイル、コンデンサ等の回路部品24が実装されている。
【0034】
図11において、FANユニット1aを非搭載とした場合の装置2が示されている。FANユニット1aが搭載される位置に対して、基板20には、カバー12bの外形に沿って切り欠かれた基板切り欠き部25(第2の切り欠き部)が設けられている。そして、基板切り欠き部25にFANユニット1aのカバー12bが配置される。
【0035】
図12図13は情報処理装置の装置表面の一例を示す図である。操作面カバーを非表示としている。図12において、FANユニット1aを非搭載とした場合の操作面側の装置2が示されており、FANユニット1aが搭載される位置に対して、カバー12bの外形に沿って切り欠かれた基板切り欠き部25が設けられている。図13において、FANユニット1aを搭載した場合の操作面側の装置2が示されており、基板切り欠き部25に対してFANユニット1aが見える構造になっている。
【0036】
図14は情報処理装置の装置裏面の一例を示す図であり、図15はFANユニットの実装部分を拡大した図である。底面カバーを非表示としている。図10図11で上述した構成では、回路部品24がFANユニット1aの周辺部に実装されている状態が示されている。
【0037】
これに対し、図15に示されるように、基板20の第1の面(FANユニット1aが配置される面)上の領域r11は、FANユニット1aのケーシング切り欠き部12a2によって覆われる範囲内にあって、領域r11に対して回路部品24が実装されている。このように、回路部品24をFANユニット1aのケーシングの中に実装することができる。このため、図14では、領域r11aには、回路部品が非実装となっている状態が示されている。
【0038】
図16はFANユニットが搭載されている装置の概略断面図である。図15の点線矢印の位置における領域r11周辺の断面図を示している。基板20がない部分でFANユニット1aの回転羽駆動部11の厚みtaが確保されている。また、ケーシング切り欠き部12a2で覆われる基板20の領域r11には、回路部品24が実装されている。
【0039】
図17図18は情報処理装置の装置裏面の一例を示す斜視図である。図17はFANユニット1aが装置2に搭載されている状態を示し、図18はFANユニット1aが装置2に搭載されていない状態を示している。
【0040】
装置2には、カバー12bの外形に沿って切り欠かれた基板切り欠き部25が設けられており、FANユニット1aは、基板切り欠き部25にカバー12bが嵌る位置でネジ孔13a、13bを介して、基板20にネジ締結される。
【0041】
また、FANユニット1aの配置領域において、ケーシング切り欠き部12a2によって基板切り欠き部25の近接の領域r11が覆われる。ケーシング切り欠き部12a2と基板20との間には、回路部品24が実装可能な高さ方向の空間が形成されるため、ケーシング切り欠き部12a2で被せられる領域r11に回路部品24を実装することができる。
【0042】
図19図20は情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。操作面カバーを非表示としている。図19において、FANユニット1aを非搭載とした場合の操作面側の装置2が示されており、FANユニット1aが搭載される位置に対して、カバー12bの外形に沿って切り欠かれた基板切り欠き部25が設けられている。
【0043】
図20において、FANユニット1aを搭載した場合の操作面側の装置2が示されており、基板切り欠き部25に対してFANユニット1aが見える構造になっている。なお、FANユニット1aの搭載位置の近傍には、冷却フィン26が搭載されている。また、領域r21の裏側の基板面には、ケーシング切り欠き部12a2によって覆われて回路部品を実装することができる領域r11が位置することになる。
【0044】
<変形例>
図21図22は情報処理装置の装置表面の一例を示す斜視図である。図21はFANユニット1a1にカバー12c(第3のカバー)が付設されていない状態を示し、図22はFANユニット1a1にカバー12cが付設されている状態を示している。
【0045】
変形例のFANユニット1a1では、回転羽駆動部11の厚みを、上述のFANユニット1aの回転羽駆動部11の厚みより大きくして風量の増加を図るものである。したがって、回転羽駆動部11の厚みが大きくなった分、FANユニット1a1のカバー12bは基板20より高くなっている。
【0046】
さらに、FANユニット1a1は、ケーシング切り欠き部12a2によって覆われる基板20の領域r11に対向する基板20の第2の面(FANユニット1a1が配置される面の反対側の面)上の領域r21に対して、領域r21を覆うカバー12cが付設される。カバー12cの高さは、例えば、カバー12bと、基板20の第2の面との高さに等しく、カバー12cは、領域r21に被さるように基板20上に載置されて接着される。
【0047】
したがって、カバー12cと基板20の領域r21との間には、カバー12bが基板20の第2の面に対して高くなった分、回路部品が実装可能な空間が形成されるため、カバー12cで被せられる領域r21に回路部品を実装することができる。
【0048】
図23はFANユニットが搭載されている装置の概略断面図である。図21の点線位置における領域r21周辺の断面図を示している。FANユニット1a1では、回転羽駆動部11の厚みtbは、図16に示した厚みtaより大きくなっている。回転羽駆動部11の厚みが大きくなっているため、回転羽駆動部11は高トルクを保つことができ、さらに回転羽に幅(高さ)をとることができる。また、領域r21を覆うカバー12cを付設することができるため、領域r21に回路部品27を実装することができ、さらに、基板20の両面を冷却することが可能になる。
【0049】
以上説明したように、本発明によれば、部品実装面積の拡大化、回転羽駆動部の厚み確保による性能アップ、およびケーシング内の実装部品の冷却を行うことが可能になる。
実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 冷却ファンモジュール
11 回転羽駆動部
12 ケーシング
12a 第1のカバー
12b 第2のカバー
12a1 側壁
12a2 ケーシング切り欠き部
13a、13b ネジ孔
【要約】
【課題】風量の低下の抑制および部品実装エリア不足の解消を図る。
【解決手段】冷却ファンモジュール1は、回転羽駆動部11およびケーシング12を備える。ケーシング12は、カバー12a、12bを備える。カバー12aは、回転羽駆動部11の一方の枠体を形成する。カバー12aには、側壁12a1とケーシング切り欠き部12a2が設けられている。側壁12a1は、カバー12aの縁部に沿って設けられ、側壁12a1から回転羽駆動部11の周辺域まで切り欠かれることでケーシング切り欠き部12a2が設けられている。カバー12bは、ケーシング切り欠き部12a2を非覆設して、回転羽駆動部11の他方の枠体を形成する。そして、ケーシング12は、カバー12a、12bによって回転羽駆動部11を保持する。ケーシング12には、カバー12bを底面側にして基板に実装するためのネジ孔13a、13bが設けられる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23