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特許7575715情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20241023BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241023BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20241023BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241023BHJP
【FI】
G06Q50/34
A63F13/69
A63F13/69 500
A63F13/798
A63F13/80 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024001418
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2021067656の分割
【原出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2024028420
(43)【公開日】2024-03-04
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】池田 武史
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特許第6378850(JP,B1)
【文献】特開2016-010626(JP,A)
【文献】特開2017-023481(JP,A)
【文献】再公表特許第2013/176286(JP,A1)
【文献】特開2013-150768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 13/69
A63F 13/798
A63F 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1プレイヤと第2プレイヤを含む複数のプレイヤを所定のチームに対応付け、
前記第1プレイヤから、投票対象に対して投票が可能な競技における投票対象と所定価値の指定とを受け付け、
前記第1プレイヤから受け付けた投票対象への投票が報酬の支払対象である場合、所定期間において前記第1プレイヤが投票を行った回数、前記第1プレイヤが投票した所定価値及び前記第1プレイヤに支払われた報酬の累積値の少なくとも一つに基づいて、前記第2プレイヤに対し特典を付与する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、第1プレイヤと第2プレイヤを含む複数のプレイヤを所定のチームに対応付け、
プロセッサが、前記第1プレイヤから、投票対象に対して投票が可能な競技における投票対象と所定価値の指定とを受け付け、
プロセッサが、前記第1プレイヤから受け付けた投票対象への投票が報酬の支払対象である場合、所定期間において前記第1プレイヤが投票を行った回数、前記第1プレイヤが投票した所定価値及び前記第1プレイヤに支払われた報酬の累積値の少なくとも一つに基づいて、前記第2プレイヤに対し特典を付与する、
情報処理方法。
【請求項3】
第1プレイヤと第2プレイヤを含む複数のプレイヤを所定のチームに対応付け、
前記第1プレイヤから、投票対象に対して投票が可能な競技における投票対象と所定価値の指定とを受け付け、
前記第1プレイヤから受け付けた投票対象への投票が報酬の支払対象である場合、所定期間において前記第1プレイヤが投票を行った回数、前記第1プレイヤが投票した所定価値及び前記第1プレイヤに支払われた報酬の累積値の少なくとも一つに基づいて、前記第2プレイヤに対し特典を付与する、
処理をプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項4】
サーバと端末とを備え、
前記サーバは、
第1プレイヤと第2プレイヤを含む複数のプレイヤを所定のチームに対応付け、
前記第1プレイヤの端末から、投票対象に対して投票が可能な競技における投票対象と所定価値の指定とを受け付け、
前記第1プレイヤの端末から受け付けた投票対象への投票が報酬の支払対象である場合、所定期間において前記第1プレイヤが投票を行った回数、前記第1プレイヤが投票した所定価値及び前記第1プレイヤに支払われた報酬の累積値の少なくとも一つに基づいて、前記第2プレイヤに対し特典を付与する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、競馬や競輪、競艇等の投票が行われる各種の競技においては、投票者からの投票を受け付ける投票装置が用いられる(例えば、特許文献1を参照)。投票者は、投票に必要な投票事項を投票用紙に記載し、投票装置に入力することにより投票を行うことができる。例えば、競馬の場合、レースが行われるレース場や単勝、複勝といった投票方式、投票する馬等の事項を投票用紙に記載し、投票装置に入力することにより、投票を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-114487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の競技に採用されている投票の方法は複雑であり、また、基本的に一人で投票する競技者や馬等を決めて投票を行うものである。これらは、投票経験が少ないプレイヤを遠ざける一因になっていると考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、投票の経験が少ないプレイヤのプレイ意欲を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、投票対象に対して投票が可能な競技ごとに投票を受け付ける情報処理装置であって、プレイヤから、投票対象と所定価値の指定とを受け付ける受付部と、所定の期間中又は競技に対し複数のプレイヤでチームを構成可能とし、プレイヤによるチームへの参加と、投票対象への投票を含む所定の条件を満たした場合、プレイヤに特典を与える特典付与部と、を有する。
【0007】
本発明によれば、投票の経験が少ないプレイヤのプレイ意欲を高めることができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る投票システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ及び端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
図4】プレイヤ管理DB及びチーム管理DBの一例を示す図である。
図5】プレイヤに与えられる特典を表示する画面の一例を示す。
図6】プレイヤに与えられる特典の算定方法の一例を示す表である。
図7】投票システムが行う処理手順の一例を示すフロー図である。
図8】投票システムが行う処理手順の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<1.システム構成>
図1は、本実施形態に係る投票システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1に示す投票システム1は、サーバ10と、1以上の端末20とを備える。サーバ10及び端末20は、インターネットやイントラネット、無線LAN、移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。サーバ10及び端末20は、情報処理装置と称されてもよい。
【0011】
サーバ10は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよいし、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。端末20は、投票システム1のユーザであるプレイヤが利用する端末であり、プレイヤは、端末20を操作することで投票対象に投票を行うことができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0012】
サーバ10は、例えば、投票行為が行われる競技において、プレイヤが投票する投票対象の管理、プレイヤが所有する所定価値の管理、競技の結果に応じた払い戻し量(例えば、払い戻し金等)等の管理を行う。ここで「競技」とは、例えば、競輪、競馬、競艇、又はオートレース等で行われるレースをいうが、これに限られない。また、サーバ10及び端末20は、投票対象に対して投票が可能な競技ごとに投票を受け付けてもよい。
【0013】
「投票対象」とは、所定価値を投票する対象であり、競技に出場する出場者(選手や動物を含む)のうち、勝利すると予想する出場者の指定と投票方式の指定との組み合わせにより一意に定められる対象を意味する。具体的には、競輪の場合、1着及び2着としてそれぞれ5番及び3番の選手を指定する2連単の車券、1番、2番及び5番の選手を指定する3連複の車券等である。なお、2連単とは、1着と2着の選手を着順どおりに予想する車券であり、3連複とは、1着~3着の選手(ただし、着順は問わない)を予想する車券である。また、競馬の場合、1番の単勝馬券、5番の複勝馬券等である。
【0014】
「所定価値」とは、例えば、金銭でもよいし、投票対象に投票することが可能なポイントであってもよい。なお、所定価値は、単に「価値」ともいう。所定価値は、例えば、第1価値と、第2価値とを含んでもよい。ここで「第1価値」とは、特定の価値である。また、ここで「第2価値」とは、第1価値と異なる特定の価値であり、例えば、第1価値が金銭の場合、第2価値は仮想通貨であってもよい。
【0015】
ポイントは、投票することに加えて、所定のサービス又はゲームで利用可能であってもよい。また、ポイントは、例えば、所定のサービス又はゲームで利用可能なアイテムや仮想通貨に交換可能であってもよい。仮想通貨は、例えば、ゲーム内において無料で獲得できるコイン(以下、「無料コイン」という)等である。また、ポイントは、例えば、所定のサービス又はゲームをプレイするプレイヤが、所定のサービスやゲーム内にて無料で受け取ることが可能なポイント(以下、「無料ポイント」という)であってもよいし、所定のサービスやゲーム内で金銭の支払と引き換えに(例えば、課金することで)受け取ることが可能なポイント(以下、「有料ポイント」という)であってもよい。また、無料ポイントは、例えば、オンラインゲーム等で使用するキャラクターやアイテム等のオブジェクトを抽選により取得するゲーム、いわゆるガチャで使用できるポイントであってもよい。
【0016】
投票システム1では、プレイヤが投票した投票対象が当たった場合、すなわち投票対象が報酬の支払い対象である場合、プレイヤは、投票した所定価値に応じて所定の報酬(例えば、払い戻し等)が与えられる。所定の報酬は、所定価値と同一の価値(例えば、所定価値が金銭であれば報酬も金銭であること等)であってもよいし、所定価値とは異なる価値(例えば、所定価値が金銭であれば報酬はポイント等)であってもよい。なお、このプレイヤが投票した投票対象が当たることを、「プレイヤの投票が的中する」ともいう。
【0017】
投票システム1において、プレイヤは、所定の期間中又は競技に対し、他のプレイヤとチームを構成することができる。また、投票システム1において、例えば、プレイヤは、このように他のプレイヤと構成したチームに参加することで特典が与えられてもよい。ここで「プレイヤがチームに参加する」とは、具体的には、プレイヤが特定のチームに対応付けられることをいう。例えば、後述の図4のチーム管理DB100bのように、各チームを一意に識別するチームIDに各プレイヤを一意に識別するプレイヤIDが対応付けられることであってもよい。ここで「特典」とは、プレイヤにとって有利となるよう与えられるものであって、例えば、仮想通貨、ゲーム内で利用可能なアイテム、又はポイントであってもよい。また、特典は、例えば、プレイヤの投票が的中した場合に支払われる報酬(例えば、払い戻し等)の副賞として、当該プレイヤに与えられてもよい。
【0018】
「所定の期間」とは、複数のプレイヤで構成したチームが維持される期間である。所定の期間は、例えば、競技が行われる時間帯を含む期間(例えば、1日等)であってもよいし、プレイヤからの新たにチームを構成する指定から当該チームを解除する指定までの期間であってもよいし、チームが新たに構成されてから当該チームに参加するプレイヤが離脱等で全員いなくなるまでの間であってもよい。ここで「新たにチームを構成する」とは、具体的には、新たなチームについて、当該チームに関する情報を図4のチーム管理DB100bのようなデータベースなどに新規レコードとして登録することをいう。
【0019】
<2.ハードウェア構成>
図2は、サーバ10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。サーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0020】
<3.機能ブロック構成>
図3は、サーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ10は、記憶部100と、表示制御部101と、受付部102と、特典付与部104と、支払処理部105と、とを含む。記憶部100は、サーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、表示制御部101と、受付部102と、投票処理部103と、特典付与部104と、支払処理部105とは、サーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0021】
記憶部100は、プレイヤ管理DB100aと、チーム管理DB100bと、を記憶する。
【0022】
<4.データ構成>
図4に、プレイヤ管理DB100a、及びチーム管理DB100bの一例を示す。プレイヤ管理DB100aの「プレイヤID」には、サーバ10内でプレイヤを一意に識別するための識別子が格納される。「ニックネーム」には、プレイヤ登録時にプレイヤが入力したニックネームが格納される。「所持価値」は、プレイヤが所有する所定価値の量が格納される。「ポイント」には、プレイヤが所有するポイントの量が格納される。「ポイント」には、有料ポイントの量と無料ポイントの量とがそれぞれ個別に格納されていてもよい。「投票履歴」には、プレイヤが投票した投票対象、投票した所定価値、プレイヤが獲得した報酬(本例では「払い戻し現金」と記載)、個人で獲得した特典(本例では「ポイント」とする。以下、同じ)、及び個人で獲得した特典に参加するチームで獲得した特典を加えた合計獲得特典がレース毎に格納される。
【0023】
チーム管理DB100bの「チームID」には、サーバ10内で各チームを一意に識別するための識別子が格納される。「参加プレイヤID」には、各チームに参加するプレイヤを一意に識別するための識別子が格納される。また、「参加プレイヤID」は、例えば、上記識別子に対応付けてプレイヤごとの参加状況を示すフラグ(例えば、「1:参加申請中」、「2:参加中」、「3:招待中」、「4:一時離脱中」等)が格納されてもよい。「チーム投票履歴」には、各レースにおいて、各チームに参加するプレイヤのうち投票したプレイヤ(本例では「ベットプレイヤ」と記載)、また、当該参加するプレイヤに与えられた特典(本例では「チーム獲得ポイント」と記載)が格納される。
【0024】
表示制御部101は、端末20のディスプレイに、プレイヤから投票対象の指定を受け付ける画面及び報酬や特典の量を示す画面(例えば、後述の図6に示す投票結果画面A1、A2)等を表示させるために必要な各種の処理を行う。表示制御部101は、端末20が備えるWebブラウザからのアクセスに応じて、又は、端末20にインストールされた専用のアプリケーションからのアクセスに応じて、各種の画面を表示するためのデータを端末20に送信するようにしてもよい。
【0025】
受付部102は、プレイヤから、投票対象と所定価値の指定とを受け付ける機能を有する。また、受付部102は、プレイヤから、新たなチームの構成又は既存のチームへのプレイヤの参加の指定を受け付けてもよい。また、受付部102は、プレイヤから、他のプレイヤに対して特定のチームに参加するよう招待する指定を受け付けてもよい。さらに、受付部102は、例えば、これらの指定を、端末20の画面を介して受け付けるようにしてもよい。また、受付部102は、上記の招待の指定を受け付けた場合、招待された他のプレイヤに対して上記招待の旨を端末20の画面を介して通知してもよい。
【0026】
投票処理部103は、競技ごとに、受付部102がプレイヤから受け付けた所定価値を、受付部102がプレイヤから受け付けた投票対象に投票する処理を実行する機能を有する。なお、投票処理部103は、競技への投票受付や払い戻し現金の支払等を行う外部のシステムにアクセスすることで、プレイヤから受け付けた投票対象に投票を行うようにしてもよい。
【0027】
特典付与部104は、所定の期間中又は競技に対し複数のプレイヤでチームを構成可能とし、所定の条件を満たした場合、プレイヤに特典を与える。ここで「所定の条件」とは、プレイヤに特典を与えるために当該プレイヤが満足すべき事柄である。所定の条件は、例えば、プレイヤによるチームへの参加と、投票対象への投票を含んでもよい。また、特典付与部104は、例えば、プレイヤから、他のプレイヤに対してチームに参加するよう招待の指定を受付部102が受け付けた場合、当該招待したプレイヤに特典を与えてもよい。
【0028】
上記構成によれば、特典付与部104は、プレイヤが他のプレイヤとチームを組んで一緒に投票することで特典を与えるため、これらのプレイヤの投票する意欲(以下、「プレイ意欲」ともいう)を高めることができる。また、上記構成によれば、プレイヤが他のプレイヤを投票に誘うことを促進することができる。
【0029】
所定の条件は、例えば、プレイヤが、投票対象への投票を受け付け可能な所定時期から競技が終了するまで、チームに参加していることを含んでもよい。ここで「競技が終了するまで」は、例えば、競技が競輪のレースであった場合、車券の対象となる競技者がゴールするまでであってもよい。また、ここで「競技が終了するまで」は、他の例として、競技の着順が確定するまでであってもよい。このような構成によれば、プレイヤが競技終了前に途中でチームから離脱することを抑止することができる。
【0030】
所定の条件は、例えば、投票対象への投票を受け付け可能な所定時期から競技が終了するまで、プレイヤが他のチームに参加しないことを含んでもよい。ここで「プレイヤが他のチームに参加しない」とは、例えば、プレイヤが、一時的に参加中のチームを離脱して他のチームに参加することを含んでもよい。
【0031】
特典付与部104は、例えば、プレイヤと同じチームに参加する他のプレイヤ(以下、「他の参加プレイヤ」ともいう、なお、特定のチームに参加する全てのプレイヤをそれぞれ「参加プレイヤ」ともいう)が投票した投票対象が報酬の支払対象である場合、すなわち他の参加プレイヤの投票が的中した場合、当該プレイヤに特典を与えてもよい。このような構成によれば、特典付与部104は、プレイヤと同じチームの他の参加プレイヤの投票が的中することで当該プレイヤにインセンティブを与えるため、同じチームに参加する他の参加プレイヤに貢献するために投票する等プレイ意欲を高めることができる。
【0032】
特典付与部104は、例えば、受付部102がプレイヤから受け付けた投票対象が報酬の支払対象である場合、当該プレイヤに特典を与えてもよい。このような構成によれば、特典付与部104は、プレイヤ自身の投票が的中すると当該プレイヤにインセンティブを与えることができるため、当該プレイヤのプレイ意欲を高めることができる。
【0033】
特典付与部104は、例えば、プレイヤと同じチームの参加プレイヤに支払われる報酬に応じて、当該プレイヤに特典を与えてもよい。また、特典付与部104は、当該報酬に基づいて、当該報酬が支払われる参加プレイヤのチームへの貢献の度合い(以下、単に「貢献度」という)を算定してもよい。貢献度は、例えば、支払われる報酬の量を所定のレンジ別に区分けして、区分けされたレンジごとに「高/中/低」等のN段階(N:特定の数値)で設定されてもよい。なお、特典付与部104がこのようにプレイヤに与える特典の算定の具体例について、図5を用いて後述する。このような構成によれば、特典付与部104は、プレイヤが同じチームの参加プレイヤのためにより多くの報酬を得るよう投票する等プレイ意欲を高めることができる。
【0034】
特典付与部104は、プレイヤと同じチームの参加プレイヤのうち、当該参加プレイヤが投票した投票対象が報酬の支払対象である一または複数の参加プレイヤのレベルに応じて、当該プレイヤに特典を与えてもよい。ここで「レベル」とは、所定のサービスの利用度、並びにゲームの進行度やゲームの習熟度を示す指標となるものである。また、レベルは、例えば、所定のサービスを利用する度に向上したり、ゲームを進行させることにより向上したり、所定の条件を満たすことにより向上したりしてもよい。具体的には、レベルは、所定期間においてプレイヤが投票を行った回数、プレイヤが投票した所定価値及びプレイヤに支払われた報酬の累積値の少なくとも一つに応じて設定されてもよい。また、特典付与部104は、当該参加プレイヤのレベルに基づいて、当該参加プレイヤのチームへの貢献度を算定してもよい。貢献度は、上記の支払われる報酬の例と同様に、プレイヤのレベルを所定のレンジ別に区分けして、区分けされたレンジごとに設定されてもよい。
【0035】
上記構成によれば、特典付与部104は、投票が的中した参加プレイヤのレベル、すなわち当該参加プレイヤの投票の経験に応じた特典を与えるため、より多く投票することに対してインセンティブを高くすることができる。このため、このような構成によれば、特典付与部104は、プレイヤに対して、より多く投票してレベルを上げる等のプレイ意欲を高めることができる。
【0036】
特典付与部104は、例えば、プレイヤと同じチームの参加プレイヤのレベルのうち、最も高いレベルに応じて、当該プレイヤに特典を与えてもよい。このような構成によれば、特典付与部104は、プレイヤに対して、同じチームの参加プレイヤに貢献するためにより多く投票してレベルを上げる等のプレイ意欲を高めつつ、他の参加プレイヤとの競争意識を持たせることでさらにプレイ意欲を高めることができる。
【0037】
特典付与部104は、例えば、プレイヤが投票対象に第1価値を投票した場合、プレイヤと同じチームの参加プレイヤのうち、第1価値を投票した参加プレイヤに応じた第1特典を当該プレイヤに与えてもよい。また、特典付与部104は、例えば、プレイヤが投票対象に第2価値を投票した場合、プレイヤと同じチームの参加プレイヤのうち、第2価値を投票した参加プレイヤに応じた第2特典を与えてもよい。特典付与部104は、例えば、各参加プレイヤに与えられた第1特典を合計したものを第1特典に対応する第1価値を投票した参加プレイヤに与えてもよい。特典付与部104は、他方、同様に第2特典を合計したものを第2特典に対応する第2価値を投票した参加プレイヤに与えてもよい。このような構成によれば、特典付与部104は、参加プレイヤに与える特典にバリエーションを持たせることができる。
【0038】
支払処理部105は、プレイヤの所定価値を投票した投票対象が報酬の支払対象である場合(言い換えれば、プレイヤの投票が的中した場合)に、当該プレイヤに対して、当該プレイヤが投票した所定価値に応じた報酬(例えば、払い戻し等)の支払処理を、サーバ10自身で又は外部のシステムを利用して、競技ごとに行う機能を有する。
【0039】
図5を参照して、特典付与部104における特典の算定方法の一例について説明する。図5は、特定のレース(以下、「第nレース」という)においてチームに参加する各参加プレイヤに与えられる第1特典と第2特典を算定するための表である。本例では、所定価値は第1価値と第2価値とを含み、第1価値を無料コイン、第2価値を現金とする。また、本例では、第1価値に応じた第1特典は無料ポイント(以下、「Gpt(Gacha Point)」ともいう)とし、第2価値に応じた第2特典は有料ポイント(以下、「Ppt(Product Point)」ともいう)とする。なお、本例では、説明を簡単にするために、チームに参加する参加プレイヤ全員の投票が的中したものとする。
【0040】
まず、各参加プレイヤに、各々のレベルに応じたGpt還元率及びPpt還元率が設定される。例えば、プレイヤAの場合、プレイヤAのレベル「1」に応じて、Gpt還元率が「1(%)」、Ppt還元率が「1(%)」で設定される。一方、プレイヤDの場合、プレイヤDのレベル「20」に応じて、Gpt還元率が「15(%)」、Ppt還元率が「5(%)」で設定される。
【0041】
つぎに、投票処理部103により、各参加プレイヤは、第nレースにおいて、各々が指定した無料コイン(ベット無料コイン)及び/又は現金(ベット現金)の量を各々が指定した投票対象に投票する。
【0042】
つぎに、支払処理部105により、各参加プレイヤは、第nレースにおいて自身の投票が的中した場合、投票した所定価値(無料コイン及び/又は現金)とオッズ(的中オッズ)に基づいて、報酬(払い戻し無料ポイント(払い戻しGpt)及び/又は払い戻し現金)が支払われる。ここで「オッズ」とは、競輪の車券が当選した場合に払い戻しを受けられる倍率を示す。例えば、支払処理部105により、プレイヤAは、投票した無料コイン「1000(コイン)」にオッズ「5」を積算した値の無料ポイント「5000(Gpt)」が支払われる。また、例えば、プレイヤCには、投票した無料コイン「3000(コイン)」にオッズ「3」を積算した値の無料ポイント「9000(Gpt)」が支払われ、かつ、投票した現金「1000(円)」にオッズ「3」を積算した値の現金「3000(円)」が支払われる。
【0043】
特典付与部104は、各参加プレイヤに対して、第nレースにおいて支払われる報酬に基づいてプレイヤ個人の特典を算定する。例えば、特典付与部104は、プレイヤAに対して、第1特典(副賞Gpt(個人))として、支払われる無料ポイント「5000(Gpt)」にGpt還元率「1(%)」を積算した無料ポイント「50(Gpt)」を算定する。また、例えば、特典付与部104は、プレイヤCに対して、第1特典(副賞Gpt(個人)として、支払われる第1価値の無料ポイント「9000(Gpt)」にGpt還元率「10(%)」を積算した値の無料ポイント「900(Gpt)」を算定する。また、特典付与部104は、プレイヤCに対して、第2特典(副賞Ppt(個人))として、支払われる第2価値の現金「3000(円)」にPpt還元率「4(%)」を積算した有料ポイント「120(Ppt)」を算定する。すなわち、特典付与部104は、各参加プレイヤのレベルと支払われる報酬に応じて、プレイヤ個人の特典を算定する。
【0044】
つぎに、特典付与部104は、チーム全体において、参加プレイヤ全員分の第1特典と第2特典とをそれぞれ合計する。具体的には、特典付与部104は、第1特典の合計として、参加プレイヤ個人の第1特典である無料ポイント(副賞Gpt(個人))の値を合計して、チーム全体の合計無料ポイント(副賞Gpt(全員))として「2150(Gpt)」を算定する。また、特典付与部104は、第2特典の合計として、参加プレイヤ個人の第2特典である有料ポイント(副賞ppt(個人)の値を合計して、チーム全体の合計有料ポイント(副賞Ppt(全員))として「380(Ppt)」を算定する。
【0045】
さいごに、特典付与部104は、算定したチーム全体の合計無料ポイントを、無料ポイントに対応する無料コインを投票した参加プレイヤに与える。無料ポイントに対応する無料コインを投票した参加プレイヤにおいて、特典付与部104が特典として与えるチーム全体の合計無料ポイントと支払処理部105が報酬として支払う払い戻し無料ポイント(払い戻しGpt)との合計が、この参加プレイヤの合計獲得無料ポイント(合計獲得Gpt)となる。また、特典付与部104は、算定したチーム全体の合計有料ポイントを、合計獲得有料ポイント(合計獲得Ppt)として、有料ポイントに対応する現金を投票した参加プレイヤに与える。すなわち、特典付与部104は、各参加プレイヤに対して、各参加プレイヤが投票した所定価値の種類(第1価値/第2価値)に応じて、参加プレイヤ個人の特典と他の参加プレイヤの特典とを合計したチーム全体の特典を与える。
【0046】
<5.画面>
図6は、チームTに参加する参加プレイヤに与えられる特典を表示する画面の一例を示す。図6に示す画面は、参加プレイヤが投票の結果を表示する指定を受け付ける画面にて所定操作が行われることで表示されるようにしてもよい。
【0047】
図6(a)に示すように、投票結果画面A1は、プレイヤAにおける第10レースのレース結果を表示するための画面である。第10レースのレース結果の一覧を表示する一覧表示領域a10と、参加プレイヤ全員分の第10レースのレース結果による合計獲得金額及び合計獲得無料ポイント(第1特典の合計)を表示する結果表示領域a11を含む。
【0048】
図6(b)に示すように、投票結果画面A2は、プレイヤAにおける第10レースのレース結果の詳細を表示するための画面である。投票結果画面A2は、第10レースのレース結果の詳細を表示する結果詳細表示領域a20と、第10レースのチームTに参加する各参加プレイヤに与えられる特典、各参加プレイヤのレベル及び各参加プレイヤのレベルに応じたチームTへの貢献度を表示する特典表示領域a21を含む。本例では、特典表示領域a21に表示される特典は、第1特典(無料ポイント)と第2特典(有料ポイント)とする。また、本例では、参加プレイヤのレベルに基づいた貢献度を「高/中/低」の3段階で設定し、「高」の場合はトロフィーのアイコン、「中」の場合はメダルのアイコン、「低」の場合は表彰状のアイコンを、該当するプレイヤを示す画像の直下に表示するものとする。例えば、プレイヤAは、自身のレベル1に基づいて貢献度は「低」であり、他方、プレイヤCは自身のレベル15に基づいて貢献度は「中」である。参加プレイヤは、図6(b)の画面を参照することで、自身や他の参加プレイヤがどの程度チームTに貢献したのかを確認することができる。
【0049】
<処理手順>
図7及び図8は、投票システム1が行う処理手順の一例を示すフロー図である。図7にプレイヤがチームに参加していれば特典を与える例を示し、他の例として、図8にプレイヤがチームに参加しているだけではなく投票を的中させたらその際はじめて特典を与える例を示す。まず、図7を用いて、プレイヤがチームに参加していることを条件に当該プレイヤに特典を与える例におけるサーバ10及び端末20が行う処理手順を具体的に説明する。なお、以下に示す図7及び図8の処理手順の処理の順番は一例であって、適宜、変更されてもよい。
【0050】
図7に示すように、サーバ10の受付部102は、プレイヤから、端末20の画面を介して、投票対象及び所定価値の指定を受け付ける(S10)。投票処理部103は、受付部102が受け付けた投票対象に対して、同じく受け付けた所定価値を投票する(例えば、競技が競輪であれば車券を購入する等)(S11)。
【0051】
特典付与部104は、プレイヤがチームに参加している場合(S12のYes)、当該プレイヤに特典を与える(S13)。なお、この「プレイヤがチームに参加している場合」について、投票対象への投票を受け付け可能な所定時期から競技が終了するまでチームに参加している場合に限定してもよい。支払処理部105は、プレイヤの所定価値を投票した投票対象が報酬の支払対象である場合に(S14のYes)、当該プレイヤに対して、当該プレイヤが投票した所定価値に応じた報酬の支払処理を行う(S15)。
【0052】
プレイヤがチームに参加していない場合(S12のNo)、ステップS16に進む。支払処理部105は、プレイヤの所定価値を投票した投票対象が報酬の支払対象である場合に(S16のYes)、当該プレイヤに対して、当該プレイヤが投票した所定価値に応じた報酬の支払処理を行う(S17)。
【0053】
つぎに、図8を用いて、プレイヤがチームに参加していること、かつ当該プレイヤや他の参加プレイヤの投票が的中していることを条件に当該プレイヤに特典を与える例におけるサーバ10及び端末20が行う処理手順を具体的に説明する。
【0054】
図8に示すように、サーバ10の受付部102は、プレイヤから、端末20の画面を介して、投票対象及び所定価値の指定を受け付ける(S20)。投票処理部103は、受付部102が受け付けた投票対象に対して、同じく受け付けた所定価値を投票する(S21)。
【0055】
プレイヤがチームに参加している場合(S22のYes)、かつ、プレイヤの所定価値を投票した投票対象が報酬の支払対象である場合(S23のYes)、支払処理部105は、当該プレイヤに対して、当該プレイヤが投票した所定価値に応じた報酬の支払処理を行う(S24)。特典付与部104は、この場合、プレイヤに、当該プレイヤ個人の特典を与える。すなわち、特典付与部104は、この場合、プレイヤに、当該プレイヤ自身の投票が的中したことに起因する特典を与える。(S25)。
【0056】
特典付与部104は、プレイヤと同じチームに参加する他の参加プレイヤが投票した投票対象が報酬の支払対象である場合(S26のYes)、当該プレイヤに特典を与える。すなわち、特典付与部104は、プレイヤに、当該プレイヤと同じチームの他の参加プレイヤの投票が的中したことに起因する特典を与える。(S27)。
【0057】
プレイヤがチームに参加していない場合(S22のNo)、ステップS28に進む。支払処理部105は、プレイヤの所定価値を投票した投票対象が報酬の支払対象である場合に(S28のYes)、当該プレイヤに対して、当該プレイヤが投票した所定価値に応じた報酬の支払処理を行う(S29)。
【符号の説明】
【0058】
1…投票システム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、101…表示制御部、102…受付部、103…投票処理部、104…特典付与部、105…支払処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8