(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04883 20220101AFI20241023BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20241023BHJP
A63F 13/2145 20140101ALI20241023BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20241023BHJP
【FI】
G06F3/04883
G06F3/04842
A63F13/2145
A63F13/426
(21)【出願番号】P 2024033194
(22)【出願日】2024-03-05
(62)【分割の表示】P 2023219728の分割
【原出願日】2016-01-07
【審査請求日】2024-04-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】木村 弘毅
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-119288(JP,A)
【文献】特開2013-045175(JP,A)
【文献】特開2011-177204(JP,A)
【文献】特開2015-070952(JP,A)
【文献】特開2015-091031(JP,A)
【文献】特開2013-044802(JP,A)
【文献】特開2013-218739(JP,A)
【文献】特開2008-259915(JP,A)
【文献】特開2002-282542(JP,A)
【文献】特開2012-210477(JP,A)
【文献】特開2013-020300(JP,A)
【文献】特開2006-150062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/0489
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを行うユーザから受け付けた
一連の操作入力の軌跡のうち少なくとも閉図形を形成する軌跡を、前記ユーザの操作対象である前記ゲーム内のキャラクタの移動経路
として指定し、
前記
一連の操作入力の開始時点から終了時点までの移動操作にかかる
前記軌跡を表示部に表示させ、
前記軌跡により囲われる前記ゲーム内の
敵キャラクタを、変化を与える対象として特定し、
前記
敵キャラクタを特定した後に継続して入力される前記
一連の操作入力の終了時点に基づいて、前記
敵キャラクタに対して前記キャラクタが与えるエフェクトを、複数のエフェクトの中から前記キャラクタ
の属性と前記
敵キャラクタの属性との関係に応じて決定する、
ゲーム装置。
【請求項2】
プロセッサが、ゲームを行うユーザから受け付けた
一連の操作入力の軌跡のうち少なくとも閉図形を形成する軌跡を、前記ユーザの操作対象である前記ゲーム内のキャラクタの移動経路
として指定し、
プロセッサが、前記
一連の操作入力の開始時点から終了時点までの移動操作にかかる
前記軌跡を表示部に表示させ、
プロセッサが、前記軌跡により囲われる前記ゲーム内の
敵キャラクタを、変化を与える対象として特定し、
プロセッサが、前記
敵キャラクタを特定した後に継続して入力される前記
一連の操作入力の終了時点に基づいて、前記
敵キャラクタに対して前記キャラクタが与えるエフェクトを、複数のエフェクトの中から前記キャラクタ
の属性と前記
敵キャラクタの属性との関係に応じて決定する、情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、ゲームを行うユーザから受け付けた
一連の操作入力の軌跡のうち少なくとも閉図形を形成する軌跡を、前記ユーザの操作対象である前記ゲーム内のキャラクタの移動経路
として指定させ、
プロセッサに、前記
一連の操作入力の開始時点から終了時点までの移動操作にかかる
前記軌跡を表示部に表示させ、
プロセッサに、前記軌跡により囲われる前記ゲーム内の
敵キャラクタを、変化を与える対象として特定させ、
プロセッサに、前記
敵キャラクタを特定した後に継続して入力される前記
一連の操作入力の終了時点に基づいて、前記
敵キャラクタに対して前記キャラクタが与えるエフェクトを、複数のエフェクトの中から前記キャラクタ
の属性と前記
敵キャラクタの属性との関係に応じて決定させる、プログラム。
【請求項4】
サーバと端末装置を備え、
前記サーバは、
前記端末装置を用いてゲームを行うユーザから受け付けた
一連の操作入力の軌跡のうち少なくとも閉図形を形成する軌跡を、前記ユーザの操作対象である前記ゲーム内のキャラクタの移動経路
として指定し、
前記
一連の操作入力の開始時点から終了時点までの移動操作にかかる
前記軌跡を表示部に表示させ、
前記軌跡により囲われる前記ゲーム内の
敵キャラクタを、変化を与える対象として特定し、
前記
敵キャラクタを特定した後に継続して入力される前記
一連の操作入力の終了時点に基づいて、前記
敵キャラクタに対して前記キャラクタが与えるエフェクトを、複数のエフェクトの中から前記キャラクタ
の属性と前記
敵キャラクタの属性との関係に応じて決定する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。特に、タッチパネルに対するユーザのタッチ操作により入力される座標データを用いて進行するゲームを実装する装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルが設けられた画面に表示される第1のオブジェクトを移動させるタッチ操作の軌跡が閉図形を描く場合に当該閉図形に囲まれた第2のオブジェクトを第1のオブジェクトが攻撃する電子ゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該電子ゲームを実装するゲーム装置は、攻撃対象のオブジェクトをユーザに直感的な操作で選択させることを本来の目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のゲーム装置は、操作性に対する悪印象をユーザに与えないよう、タッチ操作の軌跡を当該操作の進行方向に補完する処理と閉図形が完成したか否かを判定する処理とを順次繰り返す。そのため、タッチ操作の軌跡が閉図形を描いていなくても閉図形が完成したものとみなされる場合がある。したがって、特許文献1記載のゲーム装置は、閉図形の完成点に応じて攻撃の効果に変化を加えるような仕組みとの親和性が本質的に低い。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、タッチパネルに対する一連のタッチ操作の軌跡が描く閉図形に関連付けてエフェクトを発生させる電子ゲームにおいて、閉図形の完成点に応じて当該電子ゲームに変化を加える、という点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、一連のタッチ操作の軌跡が閉図形を形成する場合に当該軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係を特定する特定手段と、前記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を前記特定手段により特定される相対的関係に応じて決定する決定手段と、を具備する。上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、一連のタッチ操作の軌跡が閉図形を形成する場合に当該軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係を特定する特定ステップと、前記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を前記特定ステップにおいて特定される相対的関係に応じて決定する決定ステップと、を含む。上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、一連のタッチ操作の軌跡が閉図形を形成する場合に当該軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係を特定する特定機能と、前記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を前記特定機能により特定される相対的関係に応じて決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる。上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータ読取り可能な記録媒体」は、一連のタッチ操作の軌跡が閉図形を形成する場合に当該軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係を特定する特定機能と、前記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を前記特定機能により特定される相対的関係に応じて決定する決定機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させるプログラムを記録する。
【0007】
本発明の一態様に係る「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、本発明の一態様に係る「制御方法」及び「制御プログラム」に加えてもよい。例えば、前記決定手段が、前記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトを定義するパラメータの変更量を決定する、という技術的限定を加えてもよい。上記技術的限定を加えた「情報処理装置」には、下記の技術的限定をさらに加えてもよい。また、同様の技術的限定を、技術的限定を加えた「制御方法」及び「制御プログラム」にさらに加えてもよい。例えば、前記基準要素は、前記軌跡の端点の位置に関連する要素であり、前記比較要素は、前記閉図形の完成点の位置に関連する要素であり、前記特定手段が、前記基準要素と前記比較要素の離れ具合を前記相対的関係として特定する、という技術的限定をさらに加えてもよい。ここで、前記基準要素が前記一連のタッチ操作の開始位置である場合、前記決定手段が、前記離れ具合が大きいほど前記変更量が大きくなるように、又は、前記離れ具合が小さいほど前記変更量が大きくなるように、前記パラメータの変更量を決定するのが好適である。一方、前記基準要素が前記一連のタッチ操作の終了位置である場合、前記決定手段が、前記離れ具合が小さいほど前記変更量が大きくなるように、又は、前記離れ具合が大きいほど前記変更量が大きくなるように、前記パラメータの変更量を決定するのがこうてきである。また、例えば、前記基準要素は、前記軌跡の端点の入力時期に関連する要素であり、前記比較要素は、前記閉図形の完成時期に関連する要素であり、前記特定手段が、前記基準要素と前記比較要素の離れ具合を前記相対的関係として特定する、という技術的限定をさらに加えてもよい。ここで、前記基準要素が前記一連のタッチ操作の開始時期である場合、前記決定手段が、前記離れ具合が大きいほど前記変更量が大きくなるように、又は、前記離れ具合が小さいほど前記変更量が大きくなるように、前記パラメータの変更量を決定するのが好適である。一方、前記基準要素が前記一連のタッチ操作の終了時期である場合、前記決定手段が、前記離れ具合が小さいほど前記変更量が大きくなるように、又は、前記離れ具合が大きいほど前記変更量が大きくなるように、前記パラメータの変更量を決定するのが好適である。本発明の一態様に係る「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、本発明の一態様に係る「制御方法」及び「制御プログラム」に加えてもよい。例えば、前記基準要素は、前記軌跡の始点から終点までの長さについて設定された最大長であり、前記比較要素は、前記軌跡の始点から前記閉図形の完成点までの長さであり、前記決定手段が、前記最大長を延長させるエフェクトを定義するパラメータの変更量を決定する、という技術的限定をさらに加えてもよい。このとき、前記特定手段が、前記閉図形が形成される度に前記基準要素と前記比較要素の離れ具合を前記相対的関係として特定し、前記決定手段が、前記離れ具合が小さいほど前記変更量が大きくなるように、又は、前記離れ具合が大きいほど前記変更量が大きくなるように、前記パラメータの変更量を決定するのが好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、一連のタッチ操作の軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該軌跡が形成する閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係に応じて、当該閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を決定する。よって、本発明によって決定される変更内容に応じてエフェクトの内容が変更されれば、タッチパネルに対する一連のタッチ操作の軌跡が描く閉図形に関連付けてエフェクトを発生させる電子ゲームにおいて、閉図形の完成点に応じて当該電子ゲームに変化が加わる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】概要の説明図である。(実施形態及び実施例)
【
図2】実施例のシステムのネットワーク構成例の説明図である。(実施例)
【
図3】ユーザ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
【
図4】サーバ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
【
図5】ユーザ端末の機能構成例の説明図である。(実施例)
【
図6】各種パラメータの項目例の説明図である。(実施例)
【
図7】パラメータ変更手順の説明図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.実施形態]
[1-1.概要]本実施形態は、タッチパネルに対する一連のタッチ操作(例えば、スライド操作)の軌跡が閉図形(例えば、閉曲線101)を描く場合に(
図1(a))、当該閉図形の内部の領域(例えば、閉領域102)を少なくとも包含する範囲に関連付けてエフェクトを発生させる電子ゲームに関する(
図1(b))。
【0011】
本実施形態においてエフェクトは、下記のうち少なくともいずれかを含む。
(a)表示を変更する視覚処理
(b)音声を出力する聴覚処理
(c)ユーザやオブジェクトに関連するパラメータを変更する内部処理タッチ操作により閉図形が形成された際に発生させるべきエフェクトは、当該タッチ操作の操作対象となった第1のオブジェクトの属性や閉図形の内部の領域に存在する第2のオブジェクトの属性に応じて、複数のエフェクトの中から選択される。例えば、第1のオブジェクトと第2のオブジェクトとの関係に応じて選択するとよい。
【0012】
本実施形態では、一連のタッチ操作の軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該軌跡が描く閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係に応じて、当該閉図形に関連付けて発生させるエフェクトの変更内容を決定する。例えば、選択されたエフェクトによる処理内容が変更されるように変更内容を決定してもよいし、選択されるエフェクトが変更されるように変更内容を決定してもよい。したがって、本実施形態によって決定される変更内容に応じてエフェクトの内容が変更されれば、閉図形の完成点に応じて当該電子ゲームに変化が加わる。
【0013】
[1-2.情報処理装置]本実施形態に係る情報処理装置(例えば、携帯装置)は、一連のタッチ操作の軌跡が閉図形を形成する場合に当該軌跡上の基準点に関連する基準要素と当該閉図形の完成点に関連する比較要素との相対的関係を特定する特定部と、上記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトの変更内容を上記特定部により特定される相対的関係に応じて決定する決定部と、を具備する。上記決定部が、上記形成された閉図形に関連付けて発生させるべきエフェクトを定義するパラメータの変更量を決定するように構成するのが好適である。
【0014】
[1-3.用語の定義と具体例]本実施形態において、「基準要素」とは、一連のタッチ操作の軌跡上の基準点に関連する要素をいう。例えば、一連のタッチ操作の軌跡の端点(例えば、開始点,終了点)の位置に関連する要素,一連のタッチ操作の軌跡の端点(例えば、開始点,終了点)が入力された時期に関連する要素,軌跡の開始点から終了点までの長さ(例えば、最大長)に関連する要素等が包含される。本実施形態において、「比較要素」とは、閉図形の完成点に関連する要素をいう。例えば、閉図形の完成点の位置に関連する要素,閉図形の完成点が入力された時期に関連する要素,軌跡の開始点から閉図形の完成点までの長さ(例えば、現在長)に関連する要素等が包含される。本実施形態において、「相対的関係」とは、基準要素と比較要素との離れ具合をいう。例えば、基準要素を特定する数値と比較要素を特定する数値との差,基準要素を特定する数値と比較要素を特定する数値との比等が包含される。
【実施例】
【0015】
[2.実施例]
[2-1.概要]
図1を参照して、本実施例の概要を説明する。本実施例は、攻撃の順番(ターン)が回ってくる度に、操作対象であるオブジェクト(自キャラクタ)の移動経路をタッチパネルに対するスライド操作により指定する電子ゲームである。本実施例では、スライド操作の軌跡が閉曲線101(閉図形の一例)を描く場合に、当該閉曲線の内部の閉領域102を少なくとも包含する範囲に関連付けてエフェクトを発生させる。例えば、スライド操作により囲われたオブジェクト(敵キャラクタ)のHP(ヒットポイント)を減少させる(つまり、敵キャラクタにダメージを与える)。
【0016】
本実施例の主要な特徴は、スライド操作の軌跡上の端点(開始点111,終了点112)の位置に関連する基準要素と当該軌跡が形成する閉図形(閉曲線101)の完成点(完成点120)の位置に関連する比較要素との離れ具合に応じて、エフェクトの設定情報に含まれるパラメータの変更量を決定する点である。本実施例によって決定される変更量に応じてエフェクトのパラメータを変更すれば、閉図形の完成点に応じて当該電子ゲームに変化が加わる。
【0017】
[2-2.ネットワーク構成]
図2に、実施例のシステムのネットワーク構成例を示す。本実施例のシステムは、ユーザ端末10と、ユーザ管理サーバ20と、データ管理サーバ30と、を含む。ユーザ端末10とユーザ管理サーバ20とは、通信ネットワーク40を通じてそれぞれデータの授受が可能である。また、ユーザ管理サーバ20は、データ管理サーバ30を介して、記憶装置31に記憶されるデータにアクセス可能である。通信ネットワーク40は、既存のネットワーク(例えば、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)など)のうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0018】
[2-2-1.ユーザ端末]ユーザ端末10は、所定のゲームプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施例のシステムでは、ユーザ装置として、ゲームプログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),小型のPC,ウェアラブルデバイス
(wearable device)など)や、所定のゲームプログラムが予めインストールされた専用のゲーム装置を用いることができる。
【0019】
[2-2-2.ユーザ管理サーバ]ユーザ管理サーバ20は、Webサーバプログラム(HTTPデーモン(HyperText Transfer Protocol Daemon)ともいう。)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ30を介して記憶装置31から必要なデータをから読み出し、ユーザ端末10に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め
(リクエスト)に応じて、ユーザ端末10から取得したデータを、データ管理サーバ30を介して記憶装置31に書き込み、処理結果をユーザ端末10に提供(レスポンス)する。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ20の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0020】
[2-2-3.データ管理サーバ]データ管理サーバ30は、DB(Database)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)であり、内蔵する又は外部の接続可能な記憶装置31とともにDBMS(Database Management System)を構成する。データ管理サーバ30は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータを記憶装置31に格納する機能と、データの抽出要求に応じ記憶装置31から抽出されるデータを要求元に応答する機能とを有する。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ30の機能を分担させ又はデータ管理サーバ30にかかる負荷を分散させてもよい。また、複数の記憶装置にデータを分散配置することも可能である。
【0021】
[2-3.ハードウェア構成]
[2-3-1.ユーザ装置のハードウェア構成]
図3に、ユーザ装置のハードウェア構成例を示す。典型的なユーザ装置は、制御処理部を構成するMPU(Micro-Processing Unit)311と、主記憶部を構成するRAM(Random Access Memory)321と、補助記憶部を構成するROM(Read Only Memory)322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。
【0022】
RAM321と、ROM322と、EEPROM323と、タッチパネルディスプレイ331と、スピーカ332と、NIC341と、無線LANチップ342とは、バスラインを介してMPU311と接続される。MPU311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたゲームプログラムをRAM321上に読み込み、(2)ゲームプログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ331とEEPROM323とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをゲームプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0023】
[2-3-2.サーバ装置]
図4に、サーバ装置のハードウェア構成例を示す。典型的なサーバ装置は、MPU(Micro-Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置410と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置420と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置430と、マウスやキーボードを含む入力装置440と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置450と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置460と、を有する。
【0024】
主記憶装置420、補助記憶装置430、入力装置440、出力装置450及び通信制御装置460は、バスラインを介して制御処理装置410とそれぞれ接続される。制御処理装置410は、(1)補助記憶装置430に記憶されたプログラムを主記憶装置420上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置440と補助記憶装置430と通信制御装置460との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置430と出力装置450と通信制御装置460との少なくともいずれかに提供する。
【0025】
[2-4.機能構成]
図5に、ユーザ端末の機能構成例を示す。ユーザ端末10の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するゲームプログラムとがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
【0026】
ユーザ装置にインストールされるべきゲームプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、ゲームプログラムは、各種の記録媒体(例えば、CD(Compact Disc),DVD
(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)など)に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。また、出荷当初からユーザ装置にインストールされていてもよい。
【0027】
図5に示すように、ユーザ端末10は、表示制御部511と、音声制御部512と、格納部521と、表示部522と、入力部523と、音声出力部524と、検知部531と、特定部532と、決定部533と、変更部534と、を具備する。このうち、格納部521はRAM321を含んで構成される。表示部522と及び入力部523はタッチパネルディスプレイ331を含んで構成される。音声出力部524はスピーカ332を含んで構成される。
【0028】
表示制御部511は、格納部521に記憶される各種のパラメータに応じ、格納部521又はEEPROM323に記憶される映像データを取捨選択して表示部522に表示させる。音声制御部512は、格納部521に記憶される各種のパラメータに応じ、格納部521又はEEPROM323に記憶される音声データを取捨選択して音声出力部524に再生させる。格納部521は、各種のパラメータを記憶する。表示部522は、表示制御部511による制御の下で、映像を表示する。入力部523は、タッチパネルに対する接触位置を出力する。音声出力部524は、音声制御部512による制御の下で、音声を再生する。
【0029】
検知部531は、入力部523に対する接触位置を連続させた一連のタッチ操作(スライド操作)の軌跡が閉曲線を形成する場合に、特定部532を発動させる。特定部532は、基準要素を示すデータと比較要素を示すデータとを用いて基準要素と比較要素との相対的関係(本実施例では、離れ具合)を特定する。決定部533は、一連のタッチ操作の軌跡が形成する閉曲線の内部の状況を加味して変更対象のパラメータを選定するとともに、特定部532により特定される相対的関係に応じて当該パラメータの変更量を決定する。変更部534は、決定部533により選定される変更対象のパラメータが決定部533により決定される変更量の分だけ変更された値になるよう格納部521のデータを更新する。
【0030】
[2-5.パラメータ]
図6(a)に、ユーザ関連情報の項目例を示す。ユーザ関連情報は、ゲームを行うユーザに関連するパラメータである。
図6(a)に例示されるように、ユーザ関連情報は、キー項目である「ユーザID」と、当該ユーザが保持する特典の累計値を示す「累計得点」,当該ユーザが操作対象とするオブジェクトを特定する「操作対象オブジェクトID」,当該ユーザによるスライド操作の距離の上限値を特定する「スライド操作残値」と、を含む。本実施例において、ユーザ関連情報は、初期設定時に初期値が記憶装置31に記憶されるものとする。また、ユーザ端末10においてゲームプログラムが起動される際にユーザ管理サーバ20及びデータ管理サーバ30を介して記憶装置31からダウンロードされ、ゲームプログラムが終了される際にユーザ管理サーバ20及びデータ管理サーバ30を介して記憶装置31にアップロードされるものとする。
【0031】
図6(b)に、オブジェクト関連情報の項目例を示す。オブジェクト関連情報は、ゲーム内に出てくるオブジェクト(例えば、キャラクタ,アイテム等)に関連するパラメータである。
図6(b)に例示されるように、オブジェクト関連情報は、キー項目である「オブジェクトID」と、当該オブジェクトの種類を示す「種別コード」,当該オブジェクトの表示位置を示す「現在位置」,当該オブジェクトのHP(ヒットポイント)を示す「残存HP」と、を含む。
【0032】
図6(c)に、エフェクト設定情報の項目例を示す。エフェクト設定情報は、スライド操作の軌跡が閉図形を形成する場合に発生させるエフェクトを設定(定義)するパラメータである。
図6(c)に例示されるように、エフェクト設定所法は、キー項目である「エフェクトID」と、視覚処理の特定に資する「視覚処理コード」,聴覚処理の特定に資する「聴覚処理コード」,内部処理の特定に資する「内部処理コード」,処理のレベル(例えば、攻撃・回復等の大小,影響範囲の広狭など)を特定する「処理レベル」と、を含む。
【0033】
視覚処理,聴覚処理及び内部処理の内容は、それぞれ別途詳細に定義されているものとする。視覚処理の内容として、画面情報に表示させるべき画像データ(静止画像データ,動画像データ)のファイルパスとその表示位置が少なくとも設定される。聴覚処理の内容として、再生されるべき音声データのファイルパスが少なくとも設定される。内部処理の内容として、変更するべきパラメータとその変更量の初期値が設定される。
【0034】
図6(d)に、軌跡関連情報の項目例を示す。軌跡関連情報は、操作対象であるオブジェクトの移動経路を指定する一連のタッチ操作(スライド操作)の軌跡に関連するパラメータである。
図6(d)に例示されるように、オブジェクト関連情報は、キー項目である「軌跡ID」と、軌跡上の複数の点の位置をそれぞれ示す「座標データ群」,軌跡の入力開始時点を示す「開始時刻」,軌跡の入力終了時点を示す「終了時刻」,軌跡が閉図形を形成する場合に有意とする「閉図形フラグ」,軌跡が交差した地点又はこれに近似する地点を示す「閉図形完成位置」,軌跡が交差した時点又はこれに近似する時点を示す「閉図形完成時刻」と、を含む。
【0035】
[2-6.パラメータ変更手順]
図7に、パラメータ変更手順を示す。ユーザ端末10は、順番(ターン)が回ってくる度に、下記の手順により、軌跡を特定するデータを取得する。〔手順1〕接触位置データを取得する(S710)。〔手順2〕接触位置データを記憶する(S720)。このとき、接触位置が取得された時刻をさらに記憶する。〔手順3〕スライド操作が終了したか否かを判定する(S730)。スライド操作が終了していない場合に(S730:No)、〔手順1〕に戻る。スライド操作が終了した場合に(S730:Yes)、〔手順4〕に進む。このとき、スライド操作の開始時刻及び終了時刻を記憶する。
【0036】
続いてユーザ端末10は、スライド操作の軌跡が閉図形を形成する場合に、少なくとも1種類のパラメータを変更する。〔手順4〕閉図形が描かれたか否かを判定する(S740)。閉図形が描かれていない場合に(S740:No)、処理を終了する。閉図形が描かれた場合に(S740:Yes)、〔手順5〕に進む。このとき、閉図形が完成した位置(又はこれに近似する位置)と時刻(又はこれに近似する時刻)とを記憶する。〔手順5〕基準要素と比較要素との相対的関係を特定する(S750)。例えば、開始位置と完成位置との離れ具合(A1),終了位置と完成位置との離れ具合(A2),開始時刻と完成時刻との離れ具合(B1),終了時刻と完成時刻との離れ具合(B2)のうちすくなくともいずれかを特定する。
【0037】
〔手順6〕変更するパラメータを選定する(S760)。例えば、スライド操作が形成する閉図形に囲まれた1のオブジェクトに関連するパラメータを選定するとよい。また、例えば、操作対象のオブジェクト(第1オブジェクト)とスライド操作が形成する閉図形に囲まれた1のオブジェクト(第2オブジェクト)の組合せに応じてパラメータを選定してもよい。本実施例では、エフェクト設定情報(
図6(c))の「処理レベル」を選定するものとする。〔手順7〕〔手順6〕において選定されたパラメータの変更量を決定する(S770)。例えば、〔手順5〕において特定される離れ具合(A1,B1)が大きいほど変更量を大きくしたり、当該離れ具合(A2,B2)が小さいほど変更量を大きくしたりするとよい。〔手順8〕〔手順6〕において選定されたパラメータを〔手順7〕において決定された変更量だけ変更する(S780)。
【0038】
[3.変形例]
[3-1.変更対象のパラメータ]上記実施例においてユーザ端末10は、閉図形が完成した場合にエフェクト設定情報(
図6(c))における「処理レベル」を変更するように構成されている(上記[2-6.パラメータ変更手順])。エフェクトは、視覚処理,聴覚処理,内部処理の少なくともいずれかを包含するから(上記[1-1.概要])、エフェクトに関する「処理レベル」が変更されれば発生するエフェクトのレベル(例えば、攻撃・回復等の大小,影響範囲の広狭)が変化する。これに対し、エフェクト設定情報(
図6(c))における「視覚処理コード」,「聴覚処理コード」,「内部処理コード」の少なくともいずれかを変更するように構成してもよい。また、参照する「エフェクトID」を変更して別異のエフェクトが実行されるように構成してもよい。
【0039】
[3-2.閉図形の成否を判定するタイミング]上記実施例においてユーザ端末10は、閉図形の成否をスライド操作の終了後に判定するように構成されている(上記[2-6.パラメータ変更手順])。これに対し、閉図形の成否をスライド操作の最中にリアルタイムで判定するように構成してもよい。閉図形の成否判定をリアルタイムで実行する構成であれば、スライド操作の最中(例えば、閉図形が完成した直後)にエフェクトを発生させることができる。
【0040】
[3-3.閉図形の成否をリアルタイムで判定する場合のエフェクト]閉図形の成否をスライド操作の最中に判定する構成とする場合(上記変形例[3-2.閉図形の成否を判定するタイミング])、閉図形が完成した時点でエフェクトを発生させてもよい。また、閉図形が完成した時点とスライド操作が終了した時点の双方で、性質の異なる複数のエフェクトをそれぞれ発生させてもよい。例えば、軌跡の長さの上限値が設定されている前提において当該上限値を増大させる内部処理を包含するエフェクトを設定し、当該上限値を増大させる度合いを基準要素と比較要素との相対的関係に応じて決定するように構成することができる。具体的には、「スライド操作残値」(
図6(a))を増大させるエフェクトの「処理レベル」(
図6(c))を変更するとよい。なお、軌跡の長さの上限値を増大させる内部処理を包含するエフェクトを、特定のオブジェクト(例えば、上限値を増大させるアイテム)が閉図形の内部領域に存在する場合に限り発動させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 ユーザ端末
20 ユーザ管理サーバ
30 データ管理サーバ
31 記憶装置
40 通信ネットワーク