(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】リモート駐車装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241023BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20241023BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/14 A
B60W30/06
(21)【出願番号】P 2021106815
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 真也
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030569(JP,A)
【文献】特開2019-109617(JP,A)
【文献】特開2020-091506(JP,A)
【文献】中国実用新案第213210796(CN,U)
【文献】特開2001-277969(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111376894(CN,A)
【文献】特開2017-165145(JP,A)
【文献】特開2007-253819(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017218536(DE,A1)
【文献】中国特許出願公開第113687653(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60R 25/00 - 99/00
B60W 30/00 - 60/00
B60R 21/00 - 21/017
B60T 7/12 - 8/1769
B60T 8/32 - 8/96
G05D 1/00 - 1/87
G01C 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末から無線で発信される信号に応答して自車両を走行させて指定駐車区画に駐車させるリモート駐車制御を実行するリモート駐車装置であって、
前記自車両を駐車するときに障害となる障害物が存在する駐車区画を前記指定駐車区画として設定可能に構成されている、
リモート駐車装置において、
駐車区画が前記指定駐車区画として設定された場合、
前記リモート駐車制御による前記自車両の走行を開始する前に、当該設定された指定駐車区画に存在する障害物を検出する障害物検出処理を実行し、
前記障害物検出処理により前記障害物を検出した場合、前記指定駐車区画に前記障害物が存在すると判定し、
前記指定駐車区画に前記障害物が存在すると判定した場合、前記検出された障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う通知処理を実行
し、
前記通知処理を実行した場合には、前記障害物を撤去したことを表す信号を受信した後に前記リモート駐車制御による前記自車両の走行を開始する、
ように構成されており、
前記通知処理は、前記自車両内の運転者に対して前記障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う処理である、
リモート駐車装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリモート駐車装置において、
前記通知処理は、前記操作端末の利用者に対して前記障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う処理である、
リモート駐車装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリモート駐車装置において、
前記障害物が存在する駐車区画が前記指定駐車区画として設定されて前記通知処理を実行した場合において前記リモート駐車制御により前記自車両を走行させたときに前記障害物を検出したときには、前記リモート駐車制御を中止するように構成されている、
リモート駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自車両を指定駐車区画に自動で駐車させるリモート駐車装置が知られている。こうしたリモート駐車装置として、自車両の走行にとって障害となる物(障害物)が存在しない領域を指定駐車区画として設定し、その指定駐車区画に自車両を自動で駐車させるリモート駐車装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
運転者が自車両の外から操作端末を操作して自車両を指定駐車区画に駐車させるリモート駐車装置が知られている。こうしたリモート駐車装置が上述したリモート駐車装置のように障害物が存在しない領域を指定駐車区画として設定するようになっていると、指定駐車区画として設定しようとしている駐車区画にパイロンが置かれていたり、その駐車区画が開閉可能なゲートにより閉じられていたりした場合、運転者は、自車両から外に一旦出て、パイロンをその駐車区画の外に移動させたり、ゲートを開けたりした後、再度、自車両に乗り込み、障害物がなくなった駐車区画を指定駐車区画として設定し、再度、自車両から外に出て、操作端末を操作して自車両を指定駐車区画に駐車させるという手順を踏む必要があり、煩雑である。
【0005】
本発明の目的は、駐車区画に可動障害物が存在する場合において運転者に煩雑な手順を踏ませることなく、リモート駐車制御により自車両を駐車区画に駐車させることができるリモート駐車装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係るリモート駐車装置は、操作端末から無線で発信される信号に応答して自車両を走行させて指定駐車区画に駐車させるリモート駐車制御を実行する。本発明に係るリモート駐車装置は、前記自車両を駐車するときに障害となる障害物が存在する駐車区画を前記指定駐車区画として設定可能に構成されている。
更に、本発明に係るリモート駐車装置は、駐車区画が前記指定駐車区画として設定された場合、前記リモート駐車制御による前記自車両の走行を開始する前に、当該設定された指定駐車区画に存在する障害物を検出する障害物検出処理を実行し、前記障害物検出処理により前記障害物を検出した場合、前記指定駐車区画に前記障害物が存在すると判定し、前記指定駐車区画に前記障害物が存在すると判定した場合、前記検出された障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う通知処理を実行し、前記通知処理を実行した場合には、前記障害物を撤去したことを表す信号を受信した後に前記リモート駐車制御による前記自車両の走行を開始するように構成されている。
そして、前記通知処理は、前記自車両内の運転者に対して前記障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う処理である。
【0007】
本発明に係るリモート駐車装置によれば、駐車区画に障害物が存在する場合であっても、自車両の運転者は、その駐車区画を指定駐車区画として設定することができる。従って、運転者が指定駐車区画として設定しようとしている駐車区画に障害物が存在するときにおいても、運転者に煩雑な手順を踏ませることなく、リモート駐車制御により自車両を指定駐車区画に駐車させることができる。
【0009】
更に、本発明に係るリモート駐車装置によれば、運転者が指定駐車区画に存在する障害物を撤去する可能性を高めることができ、従って、リモート駐車制御により実際に自車両を指定駐車区画に駐車させることができる可能性を高めることができる。
【0011】
更に、本発明に係るリモート駐車装置によれば、運転者が自車両内にいる間に障害物を指定駐車区画から撤去することを運転者に要求することができる。
【0012】
又、本発明に係るリモート駐車装置において、前記通知処理は、例えば、前記操作端末の利用者に対して前記障害物を前記指定駐車区画から撤去することを要求する通知を行う処理である。
【0013】
これによれば、障害物を指定駐車区画から撤去することを操作端末の利用者に要求することができる。
【0014】
又、本発明に係るリモート駐車装置は、前記障害物が存在する駐車区画が前記指定駐車区画として設定されて前記通知処理を実行した場合において前記リモート駐車制御により前記自車両を走行させたときに前記障害物を検出したときには、前記リモート駐車制御を中止するように構成されてもよい。
【0015】
これによれば、指定駐車区画から障害物が撤去されていない場合、リモート駐車制御が中止されるので、リモート駐車制御により自車両を障害物に接触させてしまうことを回避することができる。
【0016】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置及びそのリモート駐車装置が搭載された車両(自車両)を示した図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置と操作端末との間で信号を無線で通信している様子を示した図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る端末制御装置及びその端末制御装置が搭載された操作端末を示した図である。
【
図4】
図4は、駐車区画付近に自車両が停止した場面を示した図である。
【
図5】
図5は、駐車区画にパイロンが置かれている様子を示した図である。
【
図6】
図6は、駐車区画がゲートにより閉じられている様子を示した図である。
【
図7】
図7は、リモート駐車制御における目標走行経路を示した図である。
【
図8】
図8は、駐車区画からパイロンが撤去された様子を示した図である。
【
図9】
図9は、駐車区画を閉じていたゲートが開けられた様子を示した図である。
【
図10】
図10は、リモート駐車制御により自車両が右旋回しつつ前進する場面を示した図である。
【
図11】
図11は、リモート駐車制御により自車両が左旋回しつつ後退する場面を示した図である。
【
図12】
図12は、リモート駐車制御により自車両が真っ直ぐに後退する場面を示した図である。
【
図13】
図13は、リモート駐車制御による指定駐車区画への自車両の駐車が完了した場面を示した図である。
【
図14】
図14は、リモート駐車制御が中止された場面を示した図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態に係る端末制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態に係る端末制御装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置について説明する。
図1に示したように、本発明の実施形態に係るリモート駐車装置10は、車両(自車両)100に搭載されている。
【0019】
リモート駐車装置10は、自車両100の外部から無線で発信された信号(指令)に応答して自車両100を自動で走行させて指定された場所(指定駐車区画)で自動で停止させることにより自車両100を指定駐車区画に駐車させるリモート駐車制御を実行する装置である。
【0020】
図1に示したように、リモート駐車装置10は、車両ECU90を備えている。車両ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。車両ECU90は、CPU(車両CPU91)、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。車両CPU91は、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。特に、車両ECU90には、リモート駐車制御を実行するプログラムが格納されている。
【0021】
本例においては、
図2に示したように、リモート駐車装置10は、携帯電話等の操作端末200から外部に無線で発信される信号(指令)を受信し、その受信した指令に応答してリモート駐車制御を実行する。
【0022】
<車両走行装置>
自車両100には、車両走行装置20が搭載されている。車両走行装置20は、自車両100の駆動、制動、操舵及びシフト変更を行う装置であり、本例においては、駆動装置21、制動装置22、操舵装置23及びトランスミッション装置24を備えている。
【0023】
<駆動装置>
駆動装置21は、自車両100を走行させるために自車両100に与えられる駆動力を出力する装置であり、例えば、内燃機関及び/又はモータ等である。駆動装置21は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、駆動装置21の作動を制御することにより駆動装置21から出力される駆動力を制御することができる。
【0024】
<制動装置>
制動装置22は、自車両100を制動するために自車両100に与えられる制動力を出力する装置であり、例えば、油圧ブレーキ装置である。制動装置22は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、制動装置22の作動を制御することにより制動装置22から出力される制動力を制御することができる。
【0025】
<操舵装置>
操舵装置23は、自車両100を操舵するために自車両100に与えられる操舵力を出力する装置であり、例えば、パワーステアリング装置である。操舵装置23は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、操舵装置23の作動を制御することにより操舵装置23から出力される操舵力を制御することができる。
【0026】
<トランスミッション装置>
トランスミッション装置24は、駆動装置21から出力される駆動力を自車両100の駆動輪に伝達させるか否かを切り替えたり、自車両100を前進させるように駆動力を駆動輪に伝達するか或いは自車両100を後退させるように駆動力を駆動輪に伝達するかを切り替えたりする装置である。更に、トランスミッション装置24は、当該トランスミッション装置24のギアに爪状の部品(パーキングロックポール)を掛けることによりギアを回転しないようにロックすることにより自車両100を停止した状態に保持したりする装置でもある。従って、トランスミッション装置24は、自車両100を停止した状態に保持する停車保持装置としても機能する。
【0027】
トランスミッション装置24は、自車両100を前進させるように駆動力を駆動輪に伝達する状態(ドライブレンジ状態SD)、自車両100を後退させるように駆動力を駆動輪に伝達する状態(リアレンジ状態SR)、駆動力を自車両100の駆動輪に伝達させない状態(ニュートラルレンジ状態SN)及び自車両100を停止した状態に保持する状態(パーキングレンジ状態SP)の何れかの状態で作動する。
【0028】
トランスミッション装置24は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、トランスミッション装置24の作動を制御することによりトランスミッション装置24をドライブレンジ状態SD、リアレンジ状態SR、ニュートラルレンジ状態SN及びパーキングレンジ状態SPの何れかの状態に設定することができる。
【0029】
<停車保持装置>
又、自車両100には、停車保持装置30が搭載されている。停車保持装置30は、自車両100を停止した状態に保持する装置であり、本例においては、パーキングブレーキ装置31である。パーキングブレーキ装置31は、電動パーキングブレーキ装置でもよいし、手動パーキングブレーキ装置でもよい。パーキングブレーキ装置31は、停止している自車両100の車輪に制動力を与えることにより自車両100を停止した状態に保持する装置である。特に、パーキングブレーキ装置31は、停止している自車両100の車輪に設けられたブレーキディスクにブレーキパッドを押しつけることにより車輪に制動力を与えることにより自車両100を停止した状態に保持する装置である。本例においては、パーキングブレーキ装置31は、電動パーキングブレーキ装置であり、従って、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、パーキングブレーキ装置31を作動させることにより自車両100を停止した状態に保持することができる。
【0030】
<センサ等>
更に、自車両100には、アクセルペダル41、アクセルペダル操作量センサ42、ブレーキペダル43、ブレーキペダル操作量センサ44、ハンドル45、ステアリングシャフト46、操舵角センサ47、操舵トルクセンサ48、リモート駐車要求操作器49、車速検出装置50、シフトレバー51、シフトセンサ52、周辺情報検出装置60、通知装置70及び車両受発信装置80が搭載されている。
【0031】
<アクセルペダル操作量センサ>
アクセルペダル操作量センサ42は、アクセルペダル41の操作量を検出するセンサである。アクセルペダル操作量センサ42は、車両ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ42は、検出したアクセルペダル41の操作量の情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報に基づいてアクセルペダル41の操作量をアクセルペダル操作量APとして取得する。
【0032】
車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合を除き、アクセルペダル操作量AP及び自車両100の走行速度(自車速)に基づいて要求駆動力(要求駆動トルク)を演算により取得する。車両ECU90は、要求駆動力が出力されるように駆動装置21の作動を制御する。又、車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合には、リモート駐車制御により所望通りに自車両100を走行させるのに必要な駆動力を決定し、その駆動力が出力されるように駆動装置21の作動を制御する。
【0033】
<ブレーキペダル操作量センサ>
ブレーキペダル操作量センサ44は、ブレーキペダル43の操作量を検出するセンサである。ブレーキペダル操作量センサ44は、車両ECU90に電気的に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ44は、検出したブレーキペダル43の操作量の情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報に基づいてブレーキペダル43の操作量をブレーキペダル操作量BPとして取得する。
【0034】
車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合を除き、ブレーキペダル操作量BPから要求制動力(要求制動トルク)を演算により取得する。車両ECU90は、要求制動力が出力されるように制動装置22の作動を制御する。又、車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合には、リモート駐車制御により所望通りに自車両100を制動するのに必要な制動力を決定し、その制動力が出力されるように制動装置22の作動を制御する。
【0035】
<操舵角センサ>
操舵角センサ47は、中立位置に対するステアリングシャフト46の回転角度を検出するセンサであり、車両ECU90に電気的に接続されている。操舵角センサ47は、検出したステアリングシャフト46の回転角度の情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報に基づいてステアリングシャフト46の回転角度を操舵角θとして取得する。
【0036】
<操舵トルクセンサ>
操舵トルクセンサ48は、自車両100の運転者DRがハンドル45を介してステアリングシャフト46に入力したトルクを検出するセンサであり、車両ECU90に電気的に接続されている。操舵トルクセンサ48は、検出したトルクの情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報に基づいて運転者DRがハンドル45を介してステアリングシャフト46に入力したトルク(ドライバー入力トルク)を取得する。
【0037】
車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合を除き、操舵角θ、ドライバー入力トルク及び自車両100の走行速度(自車速)に基づいて要求操舵力(要求操舵トルク)を取得し、その要求操舵トルクが操舵装置23から出力されるように操舵装置23の作動を制御する。又、車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合には、リモート駐車制御により所望通りに自車両100を走行させるのに必要な操舵力を決定し、その操舵力が出力されるように操舵装置23の作動を制御する。
【0038】
<リモート駐車要求操作器>
リモート駐車要求操作器49は、後述するリモート駐車制御の実行を車両ECU90に要求するために運転者DRが操作するための装置であり、例えば、スイッチである。リモート駐車要求操作器49は、車両ECU90に電気的に接続されている。リモート駐車要求操作器49は、運転者DRにより操作されると、車両ECU90に所定の信号を送信する。車両ECU90は、その所定の信号を受信すると、リモート駐車制御の実行が要求されたと判定する。
【0039】
<車速検出装置>
車速検出装置50は、自車両100の走行速度を検出する装置であり、例えば、車輪速センサである。車速検出装置50は、車両ECU90に電気的に接続されている。車速検出装置50は、検出した自車両100の走行速度の情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報に基づいて自車両100の走行速度(自車速V)を取得する。
【0040】
<シフトセンサ>
シフトセンサ52は、シフトレバー51の設定位置を検出するセンサである。シフトレバー51は、自車両100の運転者DRにより操作される装置であり、運転者DRが設定可能なシフトレバー51の設定位置は、前進位置(ドライブレンジD)、後退位置(リアレンジR)、中立位置(ニュートラルレンジN)及び駐車位置(パーキングレンジP)である。シフトセンサ52は、車両ECU90に電気的に接続されている。シフトセンサ52は、検出したシフトレバー51の設定位置を示す信号を車両ECU90に送信する。
【0041】
シフトセンサ52は、シフトレバー51がドライブレンジDに設定されると、シフトレバー51の設定位置がドライブレンジDであることを示す信号を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その信号を受信すると、トランスミッション装置24がドライブレンジ状態SDとなるようにトランスミッション装置24の作動を制御する。
【0042】
又、シフトセンサ52は、シフトレバー51がリアレンジRに設定されると、シフトレバー51の設定位置がリアレンジRであることを示す信号を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その信号を受信すると、トランスミッション装置24がリアレンジ状態SRとなるようにトランスミッション装置24の作動を制御する。
【0043】
又、シフトセンサ52は、シフトレバー51がニュートラルレンジNに設定されると、シフトレバー51の設定位置がニュートラルレンジNであることを示す信号を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その信号を受信すると、トランスミッション装置24がニュートラルレンジ状態SNとなるようにトランスミッション装置24の作動を制御する。
【0044】
又、シフトセンサ52は、シフトレバー51がパーキングレンジPに設定されると、シフトレバー51の設定位置がパーキングレンジPであることを示す信号を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その信号を受信すると、トランスミッション装置24がパーキングレンジ状態SPとなるようにトランスミッション装置24の作動を制御する。
【0045】
尚、車両ECU90は、後述するリモート駐車制御を実行する場合には、リモート駐車制御により所望通りに自車両100を走行させる必要に応じてトランスミッション装置24の作動を制御する(シフト変更を行う)。
【0046】
<周辺情報検出装置>
周辺情報検出装置60は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、本例においては、電波センサ61及び画像センサ62を備えている。
【0047】
<電波センサ>
電波センサ61は、電波を用いて自車両100の周辺に存在する物体に関する情報を検出するセンサであり、例えば、レーダセンサ(ミリ波レーダ等)、超音波センサ(クリアランスソナー)等の音波センサ及びレーザーレーダ(LiDAR)等の光センサの少なくとも1つである。電波センサ61は、車両ECU90に電気的に接続されている。電波センサ61は、電波を発信するとともに、物体で反射した電波(反射波)を受信する。電波センサ61は、発信した電波及び受信した電波(反射波)に係る情報を車両ECU90に送信する。別の言い方をすると、電波センサ61は、自車両100の周辺に存在する物体を検知し、その検知した物体に係る情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報(電波情報IR又は電波データ)に基づいて自車両100の周辺に存在する物体に係る情報(周辺検出情報IS)を取得することができる。電波センサ61を用いて検出される物体は、例えば、車両、壁、自転車及び人等である。
【0048】
<画像センサ>
画像センサ62は、自車両100の周辺を撮像するセンサであり、例えば、カメラである。画像センサ62は、車両ECU90に電気的に接続されている。画像センサ62は、自車両100の周辺を撮像し、撮像した画像に係る情報を車両ECU90に送信する。車両ECU90は、その情報(画像情報IC又は画像データ)に基づいて自車両100の周辺に関する情報(周辺検出情報IS)を取得することができる。
【0049】
<通知装置>
又、自車両100には、通知装置70が搭載されている。通知装置70は、運転者DRに各種の通知を行う装置であり、本例においては、表示装置71及び音響装置72を備えている。
【0050】
<表示装置>
表示装置71は、画像を表示する装置であり、本例においては、ヒューマンマシーンインターフェース(HMI)としてのディスプレイである。表示装置71は、それが表示した画像を自車両100内の運転者DRが視認することができる位置に配置されている。
【0051】
又、本例において、表示装置71は、当該表示装置71に対する物の接触により特定の物性が変化するように作られている。特に、本例において、表示装置71は、当該表示装置71に対する人の指の接触により特定の物性が変化するように作られている。
【0052】
表示装置71は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、表示装置71に各種画像を表示させることができる。又、端末ECU290は、表示装置71に物が接触したときの表示装置71の特定の物性の変化を検知し、検知した変化に基づいて物が接触した表示装置71の部分を特定することができる。
【0053】
<音響装置>
音響装置72は、音を出力する装置であり、例えば、スピーカーである。音響装置72は、それが出力した音を自車両100内の運転者DRが聞くことができる位置に配置されている。音響装置72は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、音響装置72から音声アナウンス等の各種音声を出力することができる。
【0054】
<車両受発信装置>
車両受発信装置80は、自車両100の外部から無線で到来する信号を受信したり、信号を自車両100の外部に無線で発信したりする装置である。車両受発信装置80は、車両ECU90に電気的に接続されている。車両ECU90は、車両受発信装置80を介して各種信号を自車両100の外部に無線で発信することができる。又、車両ECU90は、後述する端末ECU290が端末受発信装置280を介して操作端末200の外部に無線で発信した各種信号を車両受発信装置80を介して受信することができる。
【0055】
<操作端末>
操作端末200は、本例においては、人が携帯可能な電話機であるいわゆるスマートフォンであるが、自車両100から分離されていて自車両100の運転者DR等の利用者が自車両100の外部に持ち出せる端末であればよく、例えば、人が携帯可能ないわゆるスマートキー又はリモート駐車専用の端末等であってもよい。
【0056】
図3に示したように、操作端末200には、端末制御装置210が搭載されている。端末制御装置210は、端末ECU290を備えている。
【0057】
ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略である。端末ECU290は、マイクロコンピュータを主要部として備える。端末ECU290は、CPU(端末CPU291)、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。端末CPU291は、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。特に、端末ECU290には、後述するリモート駐車制御を自車両100のECU(車両ECU90)に行わせるためのリモート駐車アプリケーションソフト(リモート駐車アプリ)がインストールされている。
【0058】
又、操作端末200は、端末ディスプレイ220及び端末受発信装置280を備えている。
【0059】
端末ディスプレイ220は、画像を表示する装置である。又、端末ディスプレイ220は、当該端末ディスプレイ220に対する物の接触により特定の物性が変化するように作られている。特に、本例において、端末ディスプレイ220は、当該端末ディスプレイ220に対する人の指の接触により特定の物性が変化するように作られている。
【0060】
端末ディスプレイ220は、端末ECU290に電気的に接続されている。端末ECU290は、端末ディスプレイ220に各種画像を表示することができる。又、端末ECU290は、端末ディスプレイ220に物が接触したときの端末ディスプレイ220の特定の物性の変化を検知し、検知した変化に基づいて物が接触した端末ディスプレイ220の部分を特定することができる。
【0061】
端末受発信装置280は、操作端末200の外部から無線で到来する信号を受信したり、信号を操作端末200の外部に無線で発信したりする装置である。端末受発信装置280は、端末ECU290に電気的に接続されている。端末ECU290は、端末受発信装置280を介して各種信号を当該操作端末200の外部に無線で発信することができる。又、端末ECU290は、自車両100のECU(車両ECU90)が車両受発信装置80を介して自車両100の外部に無線で発信した各種信号を端末受発信装置280を介して受信することができる。
【0062】
<リモート駐車装置の作動の概要>
次に、リモート駐車装置10の作動の概要について説明する。先にも述べたように、リモート駐車装置10は、リモート駐車制御を実行するように構成されている。まず、リモート駐車制御について説明する。
【0063】
リモート駐車装置10は、リモート駐車要求操作器49が操作されてリモート駐車制御の実行が要求されたと判定すると、駐車区画検出処理を実行する。駐車区画検出処理は、周辺検出情報ISに基づいて自車両100を駐車させることができる駐車区画(駐車可能区画305C)を検出する処理である。
【0064】
より具体的には、駐車区画検出処理は、周辺検出情報ISに基づいて区画規定物標300を検出するための物標検出処理を実行し、区画規定物標300を検出した場合、その区画規定物標300に基づいて駐車区画305を特定し、その駐車区画305に他の車両が駐車されていない場合、その駐車区画305を駐車可能区画305Cとして検出する処理である。区画規定物標300は、駐車区画を規定する物標であって、例えば、「自車両100の周辺の地面に設けられている区画線301」や「自車両100の周辺の壁302等の物体」等である。
【0065】
例えば、
図4に示したように、自車両100の左側に駐車区画305が存在し、その駐車区画305に他の車両が存在していない場合、リモート駐車装置10は、その駐車区画305を駐車可能区画305Cとして検出する。勿論、自車両100の右側に駐車区画が存在し、その駐車区画に他の車両が存在していない場合、リモート駐車装置10は、その駐車区画を駐車可能区画305Cとして検出する。
【0066】
尚、リモート駐車装置10は、自車両100の左側に複数の駐車区画が並んで存在し、それら駐車区画に他の車両が存在していない場合、それら駐車区画全てを駐車可能区画305Cとして検出するように構成されていてもよいが、本例においては、自車両100の真横又はその付近に存在する1つの駐車区画のみを駐車可能区画305Cとして検出する。同様に、リモート駐車装置10は、自車両100の右側に複数の駐車区画が並んで存在し、それら駐車区画に他の車両が存在していない場合、それら駐車区画全てを駐車可能区画305Cとして検出するように構成されていてもよいが、本例においては、自車両100の真横又はその付近に存在する1つの駐車区画のみを駐車可能区画305Cとして検出する。即ち、リモート駐車装置10は、自車両100の左側及び右側に存在する駐車区画のうち真横又はその付近に存在するそれぞれ1つの駐車区画を駐車可能区画305Cとして検出する。
【0067】
リモート駐車装置10は、駐車可能区画画像を表示装置71に表示させる。駐車可能区画画像は、検出した駐車可能区画305Cを表す画像である。運転者DRは、駐車区画指定操作を行うことにより、自車両100を駐車させる駐車可能区画305Cを指定することができる。本例において、駐車区画指定操作は、駐車可能区画画像を表示している表示装置71の部分(駐車可能区画画像部分)に対するタッチ操作である。表示装置71(の部分)に対するタッチ操作は、人が表示装置71を指で触れる操作(接触操作)である。
【0068】
リモート駐車装置10は、駐車区画指定操作を検知すると、運転者DRにより指定された駐車可能区画305Cを指定駐車区画305Dとして設定する。
【0069】
リモート駐車装置10は、指定駐車区画305Dを設定すると、障害物検出処理を実行する。障害物検出処理は、周辺検出情報ISに基づいて指定駐車区画305Dへの自車両100の駐車の障害となる物体であって、移動させることが可能な物体(可動障害物400)を検出する処理である。可動障害物400は、例えば、
図5に示したように駐車可能区画305C内に置かれているパイロン401等の物体や、
図6に示したように駐車可能区画305Cを塞いでいる開閉可能なゲート402又はシャッターである。
【0070】
障害物検出処理は、電波情報IRに基づいて指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理であってもよいが、本例においては、画像情報ICに基づいていわゆる三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理である。自車両100は、指定駐車区画305Dの入口付近で停止するまで走行しているので、画像センサ62により指定駐車区画305Dを撮像した画像に視差が生じることから、その視差を利用した三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出することができる。本例における障害物検出処理は、そのように画像に生じた視差を利用した三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理である。
【0071】
勿論、障害物検出処理は、画像情報ICに基づいて三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理を行い、電波情報IRに基づいて指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理を行い、それら処理の結果から指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理でもよい。
【0072】
図4に示したように可動障害物400が指定駐車区画305Dに存在しない場合、障害物検出処理により可動障害物400が検出されないので、リモート駐車装置10は、可動障害物400が存在しないと判定する。
【0073】
リモート駐車装置10は、可動障害物400が存在しないと判定すると、走行経路設定処理を実行する。走行経路設定処理は、
図7に示したように、自車両100を指定駐車区画305Dに駐車させるための自車両100の走行経路を目標走行経路Rtargetとして設定する処理である。
【0074】
一方、
図5及び
図6に示したように可動障害物400が指定駐車区画305Dに存在する場合、障害物検出処理により可動障害物400が検出されるので、リモート駐車装置10は、可動障害物400が存在すると判定する。
【0075】
リモート駐車装置10は、可動障害物400が存在すると判定すると、撤去要求通知処理を実行し、加えて、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信する。その後、リモート駐車装置10は、走行経路設定処理を実行する。撤去要求通知処理は、指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を自車両100の駐車の障害にならないように撤去することを運転者DRに要求する通知を通知装置70により行う処理である。
【0076】
例えば、撤去要求通知処理は、撤去要求画像を表示装置71に表示させる処理、及び/又は、障害物撤去要求音声を音響装置72から出力させる処理である。撤去要求画像は、指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を自車両100の駐車の障害にならないように撤去することを運転者DRに要求する文字や図形を表す画像である。又、障害物撤去要求音声は、指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を自車両100の駐車の障害にならないように撤去することを運転者DRに要求する音声である。
【0077】
又、撤去要求信号Sremove_reqは、撤去要求通知処理を実行することを端末制御装置210に要求する信号である。端末制御装置210に要求される撤去要求通知処理は、指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を自車両100の駐車の障害にならないように撤去することを操作端末200の利用者(端末利用者UR)に要求する文字や図形を表す画像(撤去要求画像)を端末ディスプレイ220に表示する処理である。
【0078】
運転者DRが自車両100から外に出てアプリ起動操作を操作端末200の端末ディスプレイ220に対して行うと、端末制御装置210は、そのアプリ起動操作に応答してリモート駐車アプリを起動し、所定の画像を端末ディスプレイ220に表示する。アプリ起動操作は、リモート駐車アプリを起動させるための端末ディスプレイ220に対するタッチ操作である。本例において、端末ディスプレイ220に対するタッチ操作は、人が端末ディスプレイ220を指で触れる操作(接触操作)である。
【0079】
端末制御装置210は、リモート駐車アプリを起動すると、アプリ起動信号Sapp_startを無線で外部に発信する。アプリ起動信号Sapp_startは、操作端末200が登録操作端末であるか否かを判定するため(操作端末200を識別するため)のID等の情報を表す信号である。登録操作端末は、リモート駐車装置10にリモート駐車制御を行わせる操作端末としてリモート駐車装置10に登録されている操作端末である。
【0080】
加えて、端末制御装置210は、リモート駐車アプリを起動したときに撤去要求信号Sremove_reqを受信しなかった場合、走行操作画像を端末ディスプレイ220に表示する。走行操作画像は、走行許可信号Spermitを無線で外部に発信するためのタッチ操作(走行操作)が行われるべき端末ディスプレイ220の部分(走行操作部分)を指定する画像である。走行許可信号Spermitは、自車両100を走行させる許可をリモート駐車装置10に与える信号である。
【0081】
一方、端末制御装置210は、リモート駐車アプリを起動したときに撤去要求信号Sremove_reqを受信した場合、撤去要求画像を端末ディスプレイ220に表示する。加えて、端末制御装置210は、撤去完了報告操作画像も端末ディスプレイ220に表示する。先に述べたように、撤去要求画像は、指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を自車両100の駐車の障害にならないように撤去すること(可動障害物400の撤去)を端末利用者URに要求する文字や図形を表す画像である。又、撤去完了報告操作画像は、可動障害物400の撤去が完了したことをリモート駐車装置10に報告する信号(撤去完了報告信号Sreport)を無線で外部に発信するためのタッチ操作(撤去完了報告操作)が行われるべき端末ディスプレイ220の部分(撤去完了報告操作部分)を指定する画像である。
【0082】
撤去要求画像により表されている要求に従い、端末利用者URが
図8に示したようにパイロン401等の可動障害物400を指定駐車区画305Dから外に移動させて、或いは、端末利用者URが
図9に示したようにゲート402等の可動障害物400を開けて、可動障害物400を指定駐車区画305Dから撤去し、撤去完了報告操作を行うと、端末制御装置210は、その撤去完了報告操作に応答して撤去完了報告信号Sreportを無線で外部に発信し、加えて、端末ディスプレイ220における撤去要求画像及び撤去完了報告操作画像の表示を終了して走行操作画像を端末ディスプレイ220に表示する。
【0083】
リモート駐車装置10は、アプリ起動信号Sapp_startを受信すると、そのアプリ起動信号Sapp_startが表すID等の情報が示している操作端末200が登録操作端末であるか否かを判定する端末認証処理を実行する。
【0084】
本例において、操作端末200は、登録操作端末であるので、リモート駐車装置10は、端末認証処理により操作端末200が登録操作端末であると判定する。
【0085】
リモート駐車装置10は、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信していない場合において操作端末200が登録操作端末であると判定すると、駐車走行処理を開始する。
【0086】
一方、リモート駐車装置10は、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信していた場合において操作端末200が登録操作端末であると判定すると、撤去完了報告信号Sreportを受信したか否かを判定する。リモート駐車装置10は、撤去完了報告信号Sreportを受信したと判定した場合、駐車走行処理を開始する。
【0087】
リモート駐車装置10は、駐車走行処理を開始すると、端末制御装置210から走行許可信号Spermitを受信しているときに限り、車両走行装置20の作動を制御して目標走行経路Rtargetに沿って自車両100を走行させる。
【0088】
先に述べたように、端末制御装置210は、走行操作が行われている間、走行許可信号Spermitを無線で外部に発信する。従って、端末制御装置210は、走行操作が行われなくなると、走行許可信号Spermitの無線での外部への発信を停止する。この場合、リモート駐車装置10は、走行許可信号Spermitを受信しなくなる。リモート駐車装置10は、走行許可信号Spermitを受信しなくなると、停車処理を実行して自車両100を一旦停止させる。停車処理は、制動装置22の作動を制御して自車両100を停止させる処理である。
【0089】
更に、リモート駐車装置10は、駐車走行処理により自車両100が前進又は後退を始めたとき、撤去確認処理を実行する。撤去確認処理は、電波情報IRに基づいて指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理であってもよいが、本例においては、画像情報ICに基づいていわゆる三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理である。自車両100が前進又は後退すると、画像センサ62により指定駐車区画305Dを撮像した画像に視差が生じることから、その視差を利用した三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出することができる。本例における撤去確認処理は、そのように画像に生じた視差を利用した三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理である。
【0090】
勿論、撤去確認処理は、画像情報ICに基づいて三角測量の手法により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理を行い、電波情報IRに基づいて指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理を行い、それら処理の結果から指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400を検出する処理でもよい。
【0091】
リモート駐車装置10は、撤去確認処理により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400が検出されない場合、自車両100の走行を継続させ、
図10に示したように、自車両100を右旋回させつつ前進させ、所定距離だけ前進した時点で停止させる。そして、リモート駐車装置10は、
図11に示したように、自車両100を左旋回させつつ後退させ、徐々に操舵角θを小さくしてゆき、自車両100の前後方向が指定駐車区画305Dの縦方向と平行になったときに操舵角θがゼロになるように自車両100を操舵する。その後、車両ECU90は、
図12に示したように、自車両100を真っ直ぐ後退させる。
【0092】
尚、本例においては、リモート駐車装置10は、このようにリモート駐車制御により自車両100を走行する間、自車速Vが所定の制限車速Vlimit以下となるように駆動装置21から出力させる駆動力及び制動装置22から出力させる制動力を制御する。
【0093】
そして、車両ECU90は、
図13に示したように、指定駐車区画305Dへの自車両100の駐車が完了すると、パーキングブレーキ装置31を作動させて自車両100を停止状態に保持し、リモート駐車制御を終了する。
【0094】
一方、リモート駐車装置10は、撤去確認処理により指定駐車区画305Dに存在する可動障害物400が検知された場合、
図14に示したように、リモート駐車制御を中止し、停車処理により自車両100を停止させ、更に、停車保持処理により自車両100を停止状態に保持する。本例において、停車処理は、制動装置22により自車両100を停止させる処理である。又、停車保持処理は、パーキングブレーキ装置31を作動させて自車両100を停止状態に保持するか、或いは、トランスミッション装置24がパーキングレンジ状態SPとなるようにトランスミッション装置24の作動を制御して自車両100を停止状態に保持する処理である。
【0095】
尚、リモート駐車装置10は、リモート駐車制御を中止した場合、リモート駐車制御を中止したことを示す信号を無線で外部に発信してもよい。この場合、端末制御装置210は、その信号を受信し、その信号に応答してリモート駐車制御が中止されたことを表す画像を端末ディスプレイ220に表示してもよい。
【0096】
又、リモート駐車装置10は、駐車走行処理により自車両100を走行させている間に自車両100が可動障害物400とは別の物体に接触しそうになった等の理由から、自車両100を停止させる必要が生じた場合、制動装置22の作動を制御して自車両100を停止させ、新たに目標走行経路Rtargetを設定し(目標走行経路Rtargetを再設定し)、自車両100の走行を再開させるように構成されてもよい。
【0097】
以上がリモート駐車装置10の作動の概要である。
【0098】
<効果>
駐車可能区画305Cに可動障害物400が存在する場合にその可動障害物400を駐車可能区画305Cから撤去してからしか、指定駐車区画305Dの設定を行えないようになっている場合、運転者DRは、自車両100から一旦外に出て、可動障害物400を駐車可能区画305Cから撤去した後で、自車両100に再び乗り込み、指定駐車区画305Dの設定を行わなければならず、煩雑である。
【0099】
リモート駐車装置10によれば、運転者DRは、指定駐車区画305Dに可動障害物400が存在しても指定駐車区画305Dの設定を行うことができるので、端末利用者URに煩雑な手順を踏ませることなく、リモート駐車制御により自車両100を指定駐車区画305Dに駐車させることができる。
【0100】
又、リモート駐車装置10によれば、指定駐車区画305Dに可動障害物400が存在していても、運転者DRは、指定駐車区画305Dの設定を行うことができるが、この場合、表示装置71及び端末ディスプレイ220に撤去要求画像が表示され、それら撤去要求画像の表示により、指定駐車区画305Dに可動障害物400が存在することを運転者DRに知らせることができ、運転者DRに可動障害物400を撤去させる可能性を高めることができるので、リモート駐車制御により自車両100を指定駐車区画305Dに駐車させることができる確実性を高めることができる。
【0101】
勿論、リモート駐車装置10によれば、リモート駐車制御による自車両100の走行の開始後、可動障害物400が撤去されていないことが確認された場合、リモート駐車制御が中止されるので、自車両100が可動障害物400に接触してしまうようなことも防止することができる。
【0102】
<リモート駐車装置の具体的な作動>
次に、リモート駐車装置10の具体的な作動について説明する。リモート駐車装置10の車両ECU90の車両CPU91は、
図15に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、
図15のステップ1500から処理を開始し、その処理をステップ1505に進め、経路設定完了フラグXroute_comの値が「0」であるか否かを判定する。経路設定完了フラグXroute_comは、目標走行経路Rtargetの設定が完了しているか否かを表すフラグであり、その値は、目標走行経路Rtargetの設定が完了している場合、「1」に設定されており、目標走行経路Rtargetの設定が完了していない場合、「0」に設定されており、リモート駐車制御が中止又は終了されたときに「0」に設定される。
【0103】
車両CPU91は、ステップ1505にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1510に進め、リモート駐車制御の実行が要求されているか否かを判定する。
【0104】
車両CPU91は、ステップ1510にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1515に進め、駐車区画検出処理を実行して駐車可能区画305Cを検出し、検出した駐車可能区画305Cを表示装置71に表示させる。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1520に進め、駐車区画指定操作がリモート駐車装置10に対して行われたか否かを判定する。
【0105】
車両CPU91は、ステップ1520にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1525に進め、障害物検出処理を実行し、指定駐車区画305Dに可動障害物400が存在するか否かを判定する。
【0106】
車両CPU91は、ステップ1525にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1530に進め、撤去要求通知処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1535に進め、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1540に進め、撤去要求フラグXremove_reqの値を「1」に設定する。撤去要求フラグXremove_reqは、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信したか否かを表すフラグであり、その値は、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信したときに「1」に設定され、撤去要求信号Sremove_reqを無線で外部に発信していない場合、「0」に設定されており、リモート駐車制御が中止又は終了されたときに「0」に設定される。
【0107】
次いで、車両CPU91は、処理をステップ1545に進める。
【0108】
一方、車両CPU91は、ステップ1525にて「No」と判定した場合、処理をステップ1545に直接進める。
【0109】
車両CPU91は、処理をステップ1545に進めると、走行経路設定処理を実行して目標走行経路Rtargetを設定する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1550に進め、経路設定完了フラグXroute_comの値を「1」に設定する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1595に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0110】
又、車両CPU91は、ステップ1505又はステップ1510又はステップ1520にて「No」と判定した場合、処理をステップ1595に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0111】
更に、車両CPU91は、
図16に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、車両CPU91は、
図16のステップ1600から処理を開始し、その処理をステップ1605に進め、撤去確認完了フラグXcheck_comの値が「0」であるか否かを判定する。撤去確認完了フラグXcheck_comは、その時点において可動障害物400が指定駐車区画305Dに存在しないことの確認が完了しているか否かを表すフラグであり、その値は、撤去要求信号Sremove_reqを発信した場合において撤去完了報告信号Sreportを受信したときに「1」に設定され、撤去要求信号Sremove_reqを発信していない場合、「1」に設定されており、撤去要求信号Sremove_reqを発信した場合において撤去完了報告信号Sreportを受信していない場合、「0」に設定されており、リモート駐車制御が中止又は終了されたときに「0」に設定される。
【0112】
車両CPU91は、ステップ1605にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1610に進め、経路設定完了フラグXroute_comの値が「1」であるか否かを判定する。
【0113】
車両CPU91は、ステップ1610にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1615に進め、端末認証完了フラグXidentify_comの値が「1」であるか否かを判定する。端末認証完了フラグXidentify_comは、アプリ起動信号Sapp_startを発信した操作端末200が登録操作端末であるか否かを判定する端末認証処理が完了しているか否かを表すフラグであり、その値は、端末認証処理が完了したときに「1」に設定され、端末認証処理が完了していない場合、「0」に設定されており、リモート駐車制御が中止又は終了されたときに「0」に設定される。
【0114】
車両CPU91は、ステップ1615にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1620に進め、撤去要求フラグXremove_reqの値が「1」であるか否かを判定する。
【0115】
車両CPU91は、ステップ1620にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1625に進め、撤去報告完了フラグXreport_comの値が「1」であるか否かを判定する。撤去報告完了フラグXreport_comは、撤去完了報告信号Sreportを受信したか否かを表すフラグであり、その値は、撤去完了報告信号Sreportを受信したときに「1」に設定され、撤去完了報告信号Sreportを受信していない場合、「0」に設定されており、リモート駐車制御が中止又は終了されたときに「0」に設定される。
【0116】
車両CPU91は、ステップ1625にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1630に進め、撤去確認完了フラグXcheck_comの値を「1」に設定する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1695に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0117】
一方、車両CPU91は、ステップ1625にて「No」と判定した場合、処理をステップ1695に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0118】
又、車両CPU91は、ステップ1620にて「No」と判定した場合、処理をステップ1635に進め、撤去確認完了フラグXcheck_comの値を「1」に設定する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1695に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0119】
又、車両CPU91は、ステップ1605又はステップ1610又はステップ1615にて「No」と判定した場合、処理をステップ1695に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0120】
又、車両CPU91は、
図17に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、車両CPU91は、
図17のステップ1700から処理を開始し、その処理をステップ1705に進め、撤去確認完了フラグXcheck_comの値が「1」であるか否かを判定する。
【0121】
車両CPU91は、ステップ1705にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1710に進め、走行許可信号Spermitを受信しているか否かを判定する。
【0122】
車両CPU91は、ステップ1710にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1715に進め、駐車走行処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1720に進め、撤去確認処理を実行し、可動障害物400が指定駐車区画305Dに存在するか否かを判定する。
【0123】
車両CPU91は、ステップ1720にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1725に進め、リモート駐車制御を中止して停車処理を実行し、更に、停車保持処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1740に進め、経路設定完了フラグXroute_com、撤去要求フラグXremove_req、撤去確認完了フラグXcheck_com、端末認証完了フラグXidentify_com及び撤去報告完了フラグXreport_comの値を「0」に設定する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1795に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0124】
一方、車両CPU91は、ステップ1720にて「No」と判定した場合、処理をステップ1730に進め、自車両100が目標駐車位置Ptargetに到達したか否かを判定する。目標駐車位置Ptargetは、指定駐車区画305Dへの自車両100の駐車が完了したときの自車両100の位置である。
【0125】
車両CPU91は、ステップ1730にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1735に進め、リモート駐車制御を終了して停車処理を実行し、更に、停車保持処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1740に進め、先に述べた処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1795に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0126】
一方、車両CPU91は、ステップ1730にて「No」と判定した場合、処理をステップ1795に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0127】
又、車両CPU91は、ステップ1710にて「No」と判定した場合、処理をステップ1745に進め、停車処理を実行する。次いで、車両CPU91は、処理をステップ1795に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0128】
又、車両CPU91は、ステップ1705にて「No」と判定した場合、処理をステップ1795に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0129】
又、端末制御装置210の端末ECU290の端末CPU291は、
図18に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、端末CPU291は、
図18のステップ1800から処理を開始し、その処理をステップ1805に進め、走行操作許可フラグXpermitの値が「0」であるか否かを判定する。走行操作許可フラグXpermitは、撤去完了報告操作が行われたか否かを表すフラグであり、その値は、撤去完了報告操作が行われたときに「1」に設定される。従って、撤去完了報告操作が行われていない場合、走行操作許可フラグXpermitの値は「0」に設定されている。
【0130】
端末CPU291は、ステップ1805にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1810に進め、アプリ起動要求フラグXapp_reqの値が「1」であるか否かを判定する。アプリ起動要求フラグXapp_reqは、アプリ起動操作が行われたか否かを表すフラグであり、その値は、アプリ起動操作が行われたときに「1」に設定される。従って、アプリ起動操作が行われていない場合、アプリ起動要求フラグXapp_reqの値は「0」に設定されている。
【0131】
端末CPU291は、ステップ1810にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1815に進め、リモート駐車アプリを起動する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1820に進め、撤去要求受信フラグXreceiveの値が「1」であるか否かを判定する。撤去要求受信フラグXreceiveは、撤去要求信号Sremove_reqを受信したか否かを表すフラグであり、その値は、撤去要求信号Sremove_reqを受信したときに「1」に設定される。従って、撤去要求信号Sremove_reqを受信していない場合、撤去要求受信フラグXreceiveの値は「0」に設定されている。
【0132】
端末CPU291は、ステップ1820にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1825に進め、撤去要求画像表示中フラグXdisplayの値が「0」であるか否かを判定する。撤去要求画像表示中フラグXdisplayは、撤去要求画像が端末ディスプレイ220に表示されているか否かを表すフラグであり、その値は、撤去要求画像が端末ディスプレイ220に表示されたときに「1」に設定される。従って、撤去要求画像が端末ディスプレイ220に表示されていない場合、撤去要求画像表示中フラグXdisplayの値は「0」に設定されている。
【0133】
端末CPU291は、ステップ1825にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1830に進め、撤去要求通知処理を実行する。即ち、端末CPU291は、撤去要求画像を端末ディスプレイ220に表示する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1835に進め、撤去完了報告操作画像を端末ディスプレイ220に表示する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1895に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0134】
一方、端末CPU291は、ステップ1825にて「No」と判定した場合、処理をステップ1840に進め、撤去完了報告操作が行われたか否かを判定する。
【0135】
端末CPU291は、ステップ1840にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1845に進め、撤去完了報告信号Sreportを無線で外部に発信する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1850に進め、走行操作許可フラグXpermitの値を「1」に設定する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1895に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0136】
一方、端末CPU291は、ステップ1840にて「No」と判定した場合、処理をステップ1895に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0137】
又、端末CPU291は、ステップ1820にて「No」と判定した場合、処理をステップ1855に進め、走行操作許可フラグXpermitの値を「1」に設定する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1895に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0138】
又、端末CPU291は、ステップ1805又はステップ1810にて「No」と判定した場合、処理をステップ1895に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0139】
更に、端末CPU291は、
図19に示したルーチンを所定演算周期で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、端末CPU291は、
図19のステップ1900から処理を開始し、その処理をステップ1905に進め、走行操作許可フラグXpermitの値が「1」であるか否かを判定する。
【0140】
端末CPU291は、ステップ1905にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1910に進め、走行操作画像を端末ディスプレイ220に表示する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1915に進め、走行操作が行われているか否かを判定する。
【0141】
端末CPU291は、ステップ1915にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1920に進め、走行許可信号Spermitを無線で外部に発信する。次いで、端末CPU291は、処理をステップ1995に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0142】
一方、端末CPU291は、ステップ1915にて「No」と判定した場合、処理をステップ1995に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0143】
又、端末CPU291は、ステップ1905にて「No」と判定した場合も、処理をステップ1995に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0144】
以上がリモート駐車装置10の具体的な作動である。
【0145】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【符号の説明】
【0146】
10…リモート駐車装置、20…車両走行装置、21…駆動装置、22…制動装置、23…操舵装置、24…トランスミッション装置、30…停車保持装置、31…パーキングブレーキ装置、60…周辺情報検出装置、61…電波センサ、62…画像センサ、70…通知装置、71…表示装置、72…音響装置、80…車両受発信装置、90…車両ECU、200…操作端末、210…端末制御装置、220…端末ディスプレイ、290…端末ECU、300…駐車区画、300C…駐車可能区画、300D…指定駐車区画、400…可動障害物、401…パイロン、402…ゲート