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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】光源モジュールおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241023BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20241023BHJP
   F21V 13/14 20060101ALI20241023BHJP
   F21V 11/08 20060101ALI20241023BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20241023BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20241023BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241023BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20241023BHJP
   F21Y 105/12 20160101ALN20241023BHJP
【FI】
F21S2/00 311
H01L33/00 L
F21V13/14
F21V11/08
F21V9/38
F21V9/32
F21S2/00 340
F21Y115:10
F21Y113:10
F21Y105:12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021159922
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049904
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 喜子
(72)【発明者】
【氏名】小川 光三
(72)【発明者】
【氏名】羽生田 有美
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-259410(JP,A)
【文献】特開2014-078467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/00
F21V 13/14
F21V 11/08
F21V 9/38
F21V 9/32
F21Y 115/10
F21Y 113/10
F21Y 105/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体を含まない赤色発光素子、緑色発光素子および青色発光素子と、蛍光体を含む第1の蛍光体発光素子および前記第1の蛍光体発光素子とは異なる色の光を放射する第2の蛍光体発光素子と、を含む複数種類の発光素子を備える光源モジュールであって、
前記光源モジュールにおいて一の前記発光素子に隣接する前記発光素子の最大数をNとした場合、隣接する前記発光素子がN-1以下の数となる位置に、前記第1の蛍光体発光素子または前記第2の蛍光体発光素子のみを配置する
ことを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記赤色発光素子、前記緑色発光素子および前記青色発光素子は、隣接する前記発光素子がNの数となる位置にのみ配置する
ことを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記赤色発光素子と、前記緑色発光素子と、前記青色発光素子とは、それぞれ隣接しない位置に配置する
ことを特徴とする請求項1または2記載の光源モジュール。
【請求項4】
蛍光体を含まないシアン色発光素子をさらに備え、前記青色発光素子と、2個以上の前記シアン色発光素子とは隣接しない
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の光源モジュール。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか一記載の光源モジュールを備える
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
前記光源モジュールからの光を制光するレンズと、
前記レンズで制光された光を拡散する拡散板と、
前記レンズで制光された光が通過するアパーチャを有するアパーチャ体と、
を備えることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源モジュールおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放射される光の色が異なる複数種類の発光素子を備えた光源モジュールがある。この光源モジュールでは、色毎に発光素子の点灯と消灯の制御を行うことで、色度座標上の広範囲の色を作り出すことが可能である。
【0003】
この光源モジュールでは、単に、蛍光体を用いた発光素子を含む複数種類の発光素子を分散させて配置すると、隣接する発光素子から放射された波長の短い光が蛍光体に入射して意図しない蛍光が生じ、色の再現性が低下することで光学特定が低下するおそれがある。一方、単に、複数種類の発光素子毎に配置する領域を区分すると、領域毎の光が混色されずにそのまま照射面に照射され、色むらや輝度むらが生じることで光学特定が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6784046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、光学特性を向上できる光源モジュールおよび照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の光源モジュールは、蛍光体を含まない赤色発光素子、緑色発光素子および青色発光素子と、蛍光体を含む第1の蛍光体発光素子および第1の蛍光体発光素子とは異なる色の光を放射する第2の蛍光体発光素子と、を含む複数種類の発光素子を備える。光源モジュールにおいて一の発光素子に隣接する発光素子の最大数をNとした場合、隣接する発光素子がN-1以下の数となる位置に、第1の蛍光体発光素子または第2の蛍光体発光素子のみを配置する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の光源モジュールによれば、光学特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す光源モジュールの模式図である。
図2】同上光源モジュールを備えた照明装置の模式図である。
図3】同上照明装置のレンズの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に光源モジュール10の模式図を示す。光源モジュール10は、基板11と、この基板11に実装された複数種類の発光素子12と、を備えている。
【0011】
基板11は、四角形で板状を呈している。基板11の形状は四角形以外の多角形や円形などでもよい。基板11は、単層基板または片面基板であり、金属材料や、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料で形成されたベース基板を有し、このベース基板の一面に絶縁層が形成され、この絶縁層上に配線パターンが形成されている。配線パターンには、各発光素子12を実装する複数の実装パッドと、発光素子12の種類毎の実装パッドを直列または直並列に接続するとともに基板11の一面の周辺部に設けられる入力端子部に接続される配線部とを含んでいる。配線部は複数の実装パッドの間や、基板11の周辺領域などに沿って配線されるが、一部の配線部が交差する交差箇所が存在し、その交差箇所では下層の配線部上に設けられるジャンパー用絶縁層に交差する上層の配線部が設けられ、配線部同士が絶縁されている。
【0012】
基板11に実装される各発光素子12は、例えば各発光素子12で構成される発光領域の外形が略六角形となる実装範囲内で、基板11の第1の方向である横方向においては、所定のピッチで間隔をあけて直線状に並んで配置され、また、基板11の第1の方向に交差する第2の方向である縦方向においては、縦方向に隣接する発光素子12に対して横方向に半ピッチずつずらし、縦方向に所定のピッチで間隔をあけて配置されている。各発光素子12の実装間隔における、第1の方向における所定のピッチと、第2の方向における所定のピッチは略同等である。
【0013】
また、発光素子12は、例えばSMD(Surface Mount Device)パッケージタイプや、CSP(Chip Scale Package)タイプの発光素子が用いられ、基板11の配線パターンの実装パッドに半田付けにより接続され、配線パターンを通じて供給される点灯電力により光を放射する。基板11に実装される各発光素子12間に沿って配線パターンの配線部が配置されている。発光素子12は、光の照射面にレンズが配設されていることが好ましい。なお、発光素子12の封止部材である樹脂材料を光の照射方向に向かってレンズを形成するように凸形状とすることで、レンズのように機能させるように構成されていてもよい。
【0014】
発光素子12は、蛍光体を含まない発光素子12である赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bと、蛍光体を含む発光素子12である第1の蛍光体発光素子12mおよびこの第1の蛍光体発光素子12mとは異なる色の光を放射する第2の蛍光体発光素子12aと、を含んでいる。発光素子12には、これらの他に、蛍光体を含まないシアンなどを含む、他の色の光を放射する蛍光体を含む発光素子12や、蛍光体を含まない発光素子12が含まれていてもよい。
【0015】
赤色発光素子12rは、原色である赤色系の光を放射する。赤色発光素子12rは、例えば、ピーク波長が610nm以上、670nm以下の光を放射する発光ダイオードを用いることができる。
【0016】
緑色発光素子12gは、原色である緑色系の光を放射する。緑色発光素子12gは、例えば、ピーク波長が505nmを超え、540nm以下の光を放射する発光ダイオードを用いることができる。
【0017】
青色発光素子12bは、原色である青色系の光を放射する。青色発光素子12bは、例えば、ピーク波長が430nm以上、470nm以下の光を放射する発光ダイオードを用いることができる。
【0018】
第1の蛍光体発光素子12mは、明るい緑色または青みがかった緑色であるミント色系の光を放射する。第1の蛍光体発光素子12mは、例えば、ピーク波長が約440nmの青色系の光を放射する発光ダイオードと、この発光ダイオードの光の放射面に隣接するように設けられた黄色系および緑色系の蛍光を発する蛍光体と、を備え、ピーク波長が約550nmのミント色系の光を放射することができる。
【0019】
第2の蛍光体発光素子12aは、琥珀色であるアンバー色系の光を放射する。第2の蛍光体発光素子12aは、例えば、ピーク波長が約440nmの青色系の光を放射する発光ダイオードと、この発光ダイオードの光の放射面に隣接するように設けられた黄色系および赤色系の蛍光を発する蛍光体と、を備え、ピーク波長が約610nmのアンバー色系の光を放射することができる。
【0020】
本実施形態では、xy座標系の色度図において、おおよそ、赤色発光素子12rの色度座標は(x、y)=(0.72、0.28)、緑色発光素子12gの色度座標は(x、y)=(0.16、0.72)、青色発光素子12bの色度座標は(x、y)=(0.14、0.06)である。第1の蛍光体発光素子12mが放射する光の色度座標は(x、y)=(0.38、0.47)であり、赤色発光素子12rが放射する光の色度座標と、緑色発光素子12gが放射する光の色度座標と、青色発光素子12bが放射する光の色度座標と、を結ぶ三角形領域の内部に位置し、第2の蛍光体発光素子12aが放射する光の色度座標は(x、y)=(0.56、0.42)であり、同三角形領域の外部に位置する。
【0021】
また、発光素子12は、図1には図示しない、蛍光体を含まない発光素子12であるシアン色発光素子を備えていてもよい。シアン色発光素子は、例えば、ピーク波長が480nm以上、500nm以下の光を放射する発光ダイオードを用いることができる。そして、シアン色発光素子が放射する光の色度座標は(x、y)=(0.09、0.23)であり、上述した三角形領域の外部に位置する。
【0022】
そして、基板11に実装する複数種類の発光素子12の実装位置には、次の規則性を有している。
【0023】
一の発光素子12に隣接する発光素子12(隣接する発光素子12とは、光源モジュール10において最も中心間の距離が短い2つの発光素子12の中心間距離をXとすると、任意の発光素子12において、中心間距離がXとなる発光素子12のことをいう)の最大数をN(本実施形態では、光源モジュール10において全ての発光素子12の中心間距離が等しいため、隣接する発光素子12の最大数は6となる)とした場合、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数となる位置に、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを配置する。例えば、発光素子12の実装領域の最外周部の実装位置は、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数である3または4となる位置であるため、発光素子12の実装領域の最外周部に、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aのみを配置する。また、発光素子12の実装領域の内側でも、ねじ穴の周囲など一部に発光素子12が配置されず、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数となる位置には、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aのみを配置することが好ましい。
【0024】
発光素子12の実装領域の中心とこの中心に隣接する位置には、原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bを配置せず、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを配置する。
【0025】
原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bは、隣接する発光素子12がN(本実施形態では6)の数となる位置にのみ配置する。すなわち、発光素子12の実装領域の最外周部よりも内側の実装位置は、隣接する発光素子12がN(本実施形態では6)の数となる位置であるため、発光素子12の実装領域の最外周部よりも内側の実装位置にのみ、赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bを配置する。なお、隣接する発光素子12がN(本実施形態では6)の数となる位置には、第1の蛍光体発光素子12mと、第2の蛍光体発光素子12aと、を配置してもよい。
【0026】
赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとは、それぞれ異なる種類の原色の発光素子12とは隣接しない位置に配置する。すなわち、赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとは、それぞれ第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを間においた位置に配置する。
【0027】
また、光源モジュール10の発光素子12にシアン色発光素子を用いる場合は、青色発光素子12bとシアン色発光素子が3個以上隣接しない位置に配置する。つまり、1個の青色発光素子12bと、1個のシアン色発光素子が隣接するように配置するのはよいが、2個以上の青色発光素子12b(シアン色発光素子)と、1個以上のシアン色発光素子(青色発光素子12b)と、が隣接しないように配置する。青色発光素子12bとシアン色発光素子は色度座標上の距離が短く、3個以上隣接した場合に、光源モジュール11から放射される光に青色のラインが色ムラとして発生してしまうためである。
【0028】
次に、図2に光源モジュール10を備えた照明装置20の模式図を示す。
【0029】
照明装置20は、例えば、光を投影する投影機などである。照明装置20は、光源モジュール10と、この光源モジュール10を取り付けた放熱器21と、光源モジュール10から放射される光を制光するレンズ22であるコリメータレンズ23および集光レンズ24と、レンズ22で制光された光を拡散する拡散板25と、レンズ22で制光された光が通過するアパーチャ26を有するアパーチャ体27と、アパーチャ26を通過した光を投影する投影レンズ28と、光源モジュール10を点灯させる電源部と、を備えている。
【0030】
放熱器21は、熱伝導性および放熱性に優れた例えば金属製で、放熱フィンなどの放熱構造を備えていてもよい。放熱器21の前面側に、光源モジュール10の基板11の背面側が熱的に接続されて取り付けられている。
【0031】
コリメータレンズ23は、図2および図3に示すように、各発光素子12に対向する複数のレンズ部30と、これらレンズ部30の前端側を連結する連結部31とを有し、一体に形成されている。各レンズ部30は、発光素子12を収容する凹部32が形成され、凹部32の内面に発光素子12の光が入射する入射面が形成されている。各レンズ部30の前面側に入射した光が出射する出射面が形成され、入射面と出射面との間の周囲に入射した光を出射面に向けて反射させる反射面が形成されている。そして、レンズ部30は、入射面に入射した発光素子12からの光を出射面に垂直な平行光として出射面から出射する。
【0032】
コリメータレンズ23は、基板11に位置決めされて取り付けられており、各発光素子12と各レンズ部30との位置関係が一定となり、光学的特性を安定させるようにしている。図3に示すように、コリメータレンズ23の背面側には、連結部31から複数の取付ボスである取付部33が突設され、これら取付部33が基板11に設けられた複数の取付孔に差し込まれることにより位置決めされて取り付けられる。
【0033】
集光レンズ24は、コリメータレンズ23から出射する光を集光する。
【0034】
拡散板25は、集光レンズ24で集光された光を入射し、拡散させて混色させる。
【0035】
アパーチャ体27は、周囲に広がる光を遮光し、アパーチャ26の形状に対応した光を通過させる。アパーチャ26は、基板11の大きさよりも小さく、かつ発光素子12の実装領域の大きさよりも小さく設けられている。
【0036】
投影レンズ28は、アパーチャ26を通過した光を投影する。
【0037】
電源部は、投影する光の色に応じて、光源モジュール10の色毎の発光素子12に点灯電力を供給し、点灯させる。
【0038】
そして、照明装置20では、投影する光の色に応じて各色の発光素子12が点灯され、点灯された発光素子12の光がコリメータレンズ23で平行光となって出射されるとともに集光レンズ24でアパーチャ26に向けて集光され、アパーチャ26の手前で拡散板25により混色され、アパーチャ26を通過した光が投影レンズ28で投影される。
【0039】
この光を投影する照明装置20では、光源モジュール10において、発光素子12の実装領域の最外周部に配置されている発光素子12からの光は、発光素子12の実装領域の最外周部よりも内側に配置されている発光素子12からの光のみしか拡散板25で混色されず、混色されないまま投影されてしまいやすい。そのため、発光素子12の実装領域の最外周部に、原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bが配置されている場合、色むらとして認識されやすい原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bからの光が混色されずに投影されてしまい、色の再現性、色むら、輝度むらなどの光学特性が損なわれてしまう。
【0040】
本実施形態では、一の発光素子12に隣接する発光素子12の最大数をN(本実施形態では6)とした場合、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数となる位置に、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを配置している。すなわち、発光素子12の実装領域の最外周部の実装位置は、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数である3または4となる位置であるため、発光素子12の実装領域の最外周部に、第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを配置している。
【0041】
さらに、原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bは、隣接する発光素子12がN(本実施形態では6)の数となる位置にのみ配置している。すなわち、発光素子12の実装領域の最外周部よりも内側の実装位置は、隣接する発光素子12がN(本実施形態では6)の数となる位置であるため、発光素子12の実装領域の最外周部よりも内側の実装位置にのみ、赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bを配置している。
【0042】
したがって、発光素子12の実装領域の最外周部に、原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bが配置されないため、これら原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bからの光が拡散板25で混色されずに投影されてしまうのを防止でき、色の再現性、色むら、輝度むらなどの光学特性を向上させることができる。
【0043】
しかも、発光素子12の実装領域の内側でも、一部の位置に発光素子12が配置されず、隣接する発光素子12がN-1(本実施形態では6-1=5)以下の数となる位置がある場合には、その位置に第1の蛍光体発光素子12mまたは第2の蛍光体発光素子12aを配置することが好ましい。この場合にも、原色系の赤色発光素子12r、緑色発光素子12gおよび青色発光素子12bからの光が拡散板25で混色されずに投影されてしまうのを防止でき、色の再現性、色むら、輝度むらなどの光学特性を向上させることができる。
【0044】
また、この光を投影する照明装置20では、光源モジュール10において、原色系の赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとが隣接して配置されている場合、これら原色系の赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとの色度の差が、これら発光素子12r,12g,12bと蛍光体発光素子12m,12aとの色度の差に比べて大きいため、光が拡散板25で混色されず、色むらとして認識されやすい。
【0045】
本実施形態では、赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとは、それぞれ隣接しない位置に配置している。すなわち、赤色発光素子12rと、緑色発光素子12gと、青色発光素子12bとは、それぞれ発光素子12r,12g,12bとの色度の差が小さい蛍光体発光素子12m,12aを間においた位置に配置している。
【0046】
したがって、隣接する発光素子12の色度の差を小さくし、拡散板25での混色を良好にでき、色むらを低減できる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10 光源モジュール
12 発光素子
12a 第2の蛍光体発光素子
12b 青色発光素子
12g 緑色発光素子
12m 第1の蛍光体発光素子
12r 赤色発光素子
20 照明装置
22 レンズ
25 拡散板
26 アパーチャ
27 アパーチャ体
図1
図2
図3