(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】牡蠣むき身装置
(51)【国際特許分類】
A22C 29/04 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A22C29/04
(21)【出願番号】P 2021028061
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】594142160
【氏名又は名称】三工電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591079487
【氏名又は名称】広島県
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】上川 哲治
(72)【発明者】
【氏名】友國 慶子
(72)【発明者】
【氏名】安部 重毅
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 憲吾
(72)【発明者】
【氏名】藤原 吉光
(72)【発明者】
【氏名】黒川 義之
(72)【発明者】
【氏名】白鷹 常和
(72)【発明者】
【氏名】濱田 一三
(72)【発明者】
【氏名】中野 良広
(72)【発明者】
【氏名】東 忠昭
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智則
(72)【発明者】
【氏名】田村 善光
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-146023(JP,A)
【文献】特開2018-143166(JP,A)
【文献】特公昭47-024400(JP,B1)
【文献】米国特許第05599228(US,A)
【文献】米国特許第07993186(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 5/00-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牡蠣から殻とむき身を分離し、むき身を取り出す牡蠣むき身装置であって、
前記牡蠣むき身装置が、
平面視で前記牡蠣の貝柱から殻頂とは反対側の外套膜の縁辺近傍であって、貝柱を切断する刃物を挿入可能となる開口部を形成できる位置を割れ目形成予定線として定め、
ふた殻側又は身殻側のいずれかの殻を下側にした牡蠣を、平面視で載置時の位置決め用の目安として前記割れ目形成予定線を、直線状の一端縁にほぼ一致させて載置可能な受台と、
前記載置した牡蠣の上側の前記殻の高さが異なる複数の位置に上方から下降して接する複数の押圧先端部、及び、前記押圧先端部を前記殻が割れないが、載置した牡蠣の位置と姿勢を固定可能な圧力で前記殻の上部に押し当てる単数又は複数の押圧昇降部を有する牡蠣上側押圧手段と、
前記載置した牡蠣の前記割れ目形成予定線より前記殻の縁辺側に上方から下降して衝突する殻割先端部、及び、前記ふた殻及び前記身殻のいずれか又は両方を割る圧力で前記殻の縁辺の近傍に前記殻割先端部を押す単数又は複数の押割昇降部を有する殻割手段と、
前記押圧昇降部及び前記押割昇降部を制御する制御部と、を有する殻開口部形成装置を備え、
前記制御部が、前記牡蠣上側押圧手段の押圧昇降部を制御して前記押圧先端部を下降させて前記牡蠣の殻を押圧し、その後、前記殻割手段の押割昇降部を制御して前記殻割先端部を下降させて牡蠣の殻を割る動作をさせることを特徴とする牡蠣むき身装置。
【請求項2】
平面視において、複数の前記押圧先端部のうち最も前記殻割手段側に垂設した前記押圧先端部が下降して前記牡蠣に接する位置と、
前記
殻割先端部が下降して前記牡蠣に当たる位置との間隔を、
前記割れ目形成予定線より牡蠣の縁辺側にある牡蠣軟体部が切断されずに入り込むのに必要な所定の間隔以上とすることを特徴とする請求項1に記載の牡蠣むき身装置。
【請求項3】
前記押圧先端部の形態は、前記載置した牡蠣の上側の殻全域にわたって所定の間隔で複数垂設した、それぞれ独立して前記殻に接する点接触型、又は、前記載置した牡蠣の上側の殻の長手方向の少なくとも両端部近傍に、下端側に前記牡蠣の上側の外郭形状に近い円弧状の凹みを形成した複数の板状体を略平行に対向させて複数垂設した、それぞれ独立して前記殻に接する線接触型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の牡蠣むき身装置。
【請求項4】
前記押圧先端部が前記線接触型の場合に、略平行で対向する前記板状体の下端間に、前記載置した牡蠣の上側の殻の表面の所定の範囲を被覆可能な可撓性を有する弾性板状体を張設し、前記弾性板状体の収縮力により前記上側の殻を上方から押圧することを特徴とする請求項3に記載の牡蠣むき身装置。
【請求項5】
平面視で前記受台上の前記一端縁近傍となる位置に、略山脈状の、又は一列の複数の点状の剛性体のポンチを、前記受台上に突設させ、又は前記押圧昇降部に垂設させることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の牡蠣むき身装置。
【請求項6】
前記押圧先端部のうち、平面視で前記受台の前記一端縁近傍に垂設された押圧先端部に加わる押圧力を、他の押圧先端部に加わる押圧力を超える押圧力とすることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の牡蠣むき身装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牡蠣から殻とむき身を分離し、むき身を取り出す牡蠣むき身装置であって、牡蠣の殻の端部に開口部を形成する殻開口部形成装置を含む牡蠣むき身装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ第1の殻が上側に位置し第2の殻が下側に位置するように二枚貝を把持する複数のテーブル治具が、テーブル上面に平面視で互いに一定の中心角を隔てて円周方向に並んで装着される一方、鉛直方向に伸びる回転軸を中心にして前記中心角と同一の回転角で間欠的に回転するターンテーブルと、前記ターンテーブルの周囲に配置され、二枚貝又は該二枚貝の構成部分に対して所定の処理、加工又は移送を行う二枚貝処理機構とを備えている、二枚貝を開殻して該二枚貝の身から殻を除去する二枚貝除殻装置であって、前記二枚貝処理機構は、それぞれ前記ターンテーブルの回転停止時において前記複数のテーブル治具と係合する位置に配置され、前記ターンテーブルの回転方向に順に並ぶ第1~第6のステーションを有し、第1のステーションに、順次各テーブル治具に二枚貝を投入する二枚貝投入装置が配設され、第2のステーションに、二枚貝の所定の部位で第1 及び第2 の殻の端部を切除する殻カット装置が配設され、第3のステーションに、二枚貝を所定の高さ位置に位置決めする二枚貝位置決め装置が配設され、第4のステーションに、貝柱上部を切断する第1貝柱カット装置が配設され、第5のステーションに、貝柱下部を切断する第2貝柱カット装置が配設され、第6のステーションに、二枚貝の身から殻を除去する殻除去装置が配設されている二枚貝除殻装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、少なくとも一方の刃物が開閉動作する一対の対向する刃物からなる切断装置において、前記一対の刃物が閉じたときに、前記一対の刃物の刃先間は一定の距離のすき間を設けた構成として、牡蠣の身を切断することなく牡蠣殻を切断する牡蠣殻の切断装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、刃先が上に向く下刃の手前にカキ殻置き台を略水平に取り付け、カキ殻置き台にカキ殻の反靭帯側の先端が下刃の上に載るようにカキ殻を置くとともに、刃先が下に向く上刃を下刃まで下降機構で自動的に下降させてカキ殻を切断する生カキ殻の切断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-146023号公報
【文献】特開2005-102675号公報
【文献】特開2018-143166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、二枚貝の所定の部位で第1及び第2の殻の端部を切除する殻カット装置が記載されているが、殻のどこをどのようにカットするかについての記載が全くなく、少なくとも殻カット装置についてはどのような構成であるのかが全く不明であるという問題があった。殻の外郭形状は凹凸が多いため、例えば殻カット装置がカット器具のみであるとすると、二枚貝の殻はカット位置がばらつき二枚貝の身がカットされ商品にならないという問題があった。また、第1及び第2の殻の端部を切除(切断)して両殻間に開口部を形成すると記載されており、切断すると外套膜も切断する危険性が極めて高いという問題もあった。
【0007】
特許文献2に記載の発明は、牡蠣を人が手で持って切断装置に差し込む作業をすることを前提にしているため、自動化が困難という問題がある。また、牡蠣を挟んで対向する一対の刃先を閉じたときに前記刃先間に一定の隙間2~5mmを設けるため、牡蠣殻は形が崩れるがその崩れた殻はまだ崩れない牡蠣殻とくっついているため開口部が形成されないという問題があった。
【0008】
特許文献3に記載の発明は、ハサミ状に構成された上刃と下刃とを重合させるため、牡蠣の外套膜が切断されるという問題があった。
【0009】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、牡蠣の殻の端部を牡蠣の身を切断することなく殻の端部に開口部を形成する殻開口部形成装置を含む牡蠣むき身装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明において、ふた殻とは牡蠣殻の深さが浅く略平らな形状の側の殻を意味し、身殻とは牡蠣殻の深さが深く膨らんでいる形状の側の殻を意味する。
【0011】
請求項1に記載の牡蠣むき身装置は、牡蠣から殻とむき身を分離し、むき身を取り出す牡蠣むき身装置であって、前記牡蠣むき身装置が、平面視で前記牡蠣の貝柱から殻頂とは反対側の外套膜の縁辺近傍であって、貝柱を切断する刃物を挿入可能となる開口部を形成できる位置を割れ目形成予定線として定め、ふた殻側又は身殻側のいずれかの殻を下側にした牡蠣を、平面視で載置時の位置決め用の目安として前記割れ目形成予定線を、直線状の一端縁にほぼ一致させて載置可能な受台と、前記載置した牡蠣の上側の前記殻の高さが異なる複数の位置に上方から下降して接する複数の押圧先端部、及び、前記押圧先端部を前記殻が割れないが、載置した牡蠣の位置と姿勢を固定可能な圧力で前記殻の上部に押し当てる単数又は複数の押圧昇降部を有する牡蠣上側押圧手段と、前記載置した牡蠣の前記割れ目形成予定線より前記殻の縁辺側に上方から下降して衝突する殻割先端部、及び、前記ふた殻及び前記身殻のいずれか又は両方を割る圧力で前記殻の縁辺の近傍に前記殻割先端部を押す単数又は複数の押割昇降部を有する殻割手段と、前記押圧昇降部及び前記押割昇降部を制御する制御部と、を有する殻開口部形成装置を備え、前記制御部が、前記牡蠣上側押圧手段の押圧昇降部を制御して前記押圧先端部を下降させて前記牡蠣の殻を押圧し、その後、前記殻割手段の押割昇降部を制御して前記殻割先端部を下降させて牡蠣の殻を割る動作をさせることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の牡蠣むき身装置は、請求項1において、平面視において、複数の前記押圧先端部のうち最も前記殻割手段側に垂設した前記押圧先端部が下降して前記牡蠣に接する位置と、前記殻割先端部が下降して前記牡蠣に当たる位置との間隔を、前記割れ目形成予定線より牡蠣の縁辺側にある牡蠣軟体部が切断されずに入り込むのに必要な所定の間隔以上とすることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の牡蠣むき身装置は、請求項1又は2において、前記押圧先端部の形態は、前記載置した牡蠣の上側の殻全域にわたって所定の間隔で複数垂設した、それぞれ独立して前記殻に接する点接触型、又は、前記載置した牡蠣の上側の殻の長手方向の少なくとも両端部近傍に、下端側に前記牡蠣の上側の外郭形状に近い円弧状の凹みを形成した複数の板状体を略平行に対向させて複数垂設した、それぞれ独立して前記殻に接する線接触型であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の牡蠣むき身装置は、請求項3において、前記押圧先端部が前記線接触型の場合に、略平行で対向する前記板状体の下端間に、前記載置した牡蠣の上側の殻の表面の所定の範囲を被覆可能な可撓性を有する弾性板状体を張設し、前記弾性板状体の収縮力により前記上側の殻を上方から押圧することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の牡蠣むき身装置は、請求項1~4のいずれかにおいて、平面視で前記受台上の前記一端縁近傍となる位置に、略山脈状の、又は一列の複数の点状の剛性体のポンチを、前記受台上に突設させ、又は前記押圧昇降部に垂設させることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の牡蠣むき身装置は、請求項1~5のいずれかにおいて、前記押圧先端部のうち、平面視で前記受台の前記一端縁近傍に垂設された押圧先端部に加わる押圧力を、他の押圧先端部に加わる押圧力を超える押圧力とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の牡蠣むき身装置は、受台に載置された牡蠣を自動運転で、牡蠣軟体部である外套膜を切断せずに又はキズをつけずに、貝柱を切断する刃物を自動で挿入可能な大きさの開口部を形成することができるという効果を奏する。
【0018】
請求項2に記載の牡蠣むき身装置は、前記殻割手段が下降して牡蠣の殻を押し切って割るときに、牡蠣軟体部である外套膜が逃げられる隙間を設けたことから、前記牡蠣軟体部である外套膜を切断せず又はキズをつけないで牡蠣の端部に開口部を形成できれるという効果を奏する。
【0019】
請求項3又は4に記載の牡蠣むき身装置は、高さが部位によって異なる殻を有する牡蠣をしっかりと固定させることができるという効果を奏する。また、牡蠣は大きさや形状にバラツキが非常に大きく、単一形状の押え具では固定できる牡蠣が非常に限定されるという問題があったが、牡蠣の範囲全体に亘って所定の位置に複数個所それぞれ設ける押圧先端部、又は、弾性板状体を備えることによって大きさや形状にバラツキがある牡蠣も固定化を可能にした。
【0020】
請求項5に記載の牡蠣むき身装置は、前記殻割手段の押割昇降部を下降させて牡蠣の殻を割る力を下方に加えたときに、前記ポンチは、牡蠣のふた殻側の作用点、及び/又は、牡蠣の身殻側の作用点となるので、前記作用点で牡蠣殻は割れることから、割れ目形成予定線のほぼ位置で牡蠣殻を割ることができ、狙いの開口部の大きさを形成することができるという効果を奏する。
【0021】
請求項6に記載の牡蠣むき身装置は、殻割手段で下方に押し切るときに、受台上に載置され固定されている牡蠣の前記殻割手段側を浮き上がらせずに確実に固定させることができることから、牡蠣の殻をきれいに割ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の牡蠣むき身装置の構成の説明図である。
【
図2】本発明の牡蠣むき身装置の殻開口部形成装置の線接触型の一例の構成概要の説明図で、(a)は受台側のポンチ無の形態で、(b)は受台側のポンチ有の形態で、(c)は(a)の左側面図である。
【
図3】本発明の牡蠣むき身装置の殻開口部形成装置の点接触型の一例の構成概要の説明図で、(a)は正面図で、(b)は(a)の左側面図である。
【
図4】本発明の牡蠣むき身装置の殻開口部形成装置の線接触型に弾性板状体を付加させた形態の一例の構成概要の説明図で、(a)は受台側のポンチ無の形態で、(b)は受台側のポンチ有の形態で、(c)は(a)の左側面図である。
【
図5】受台側にポンチ有の線接触型の殻開口部形成装置の作動説明図で、(a)は牡蠣を受台に載置し未押圧状態の説明図で、(b)は牡蠣を線接触型の押圧先端部で押圧した状態の説明図で、(c)は殻割手段で牡蠣の殻の端部を割った瞬間の状態の説明図である。
【
図6】受台側にポンチ有の弾性板状体付線接触型の殻開口部形成装置の作動説明図で、(a)は牡蠣を受台に載置し未押圧状態の説明図で、(b)は牡蠣を弾性板状体付線接触型の押圧先端部で押圧した状態の説明図で、(c)は殻割手段で牡蠣の殻の端部を割った瞬間の状態の説明図である。
【
図7】点接触型の押圧先端部を有する殻開口部形成装置の作動説明図で、(a)は牡蠣を受台に載置し未押圧状態の説明図で、(b)は(a)の左側面図で、(c)は牡蠣を点接触型の押圧先端部で押圧した状態の説明図である。
【
図8】点接触型の押圧先端部を有する殻開口部形成装置で、殻割手段で牡蠣の殻の端部を割った瞬間の状態の説明図である。
【
図9】線接触型の押圧先端部で弾性板状体無の形態の場合の殻開口部形成装置の押圧昇降部を牡蠣の長手方向に任意の位置にスライドさせた状態を示した説明図である。
【
図10】本発明における押圧先端部と殻割先端部との間隔を確保した形態の説明図で、(a)は殻割前の状態の説明図で、(b)は殻割直後の瞬間の説明図である。
【
図11】比較例における押圧先端部と殻割先端部との間隔を僅小にした形態の説明図で、(a)は殻割前の状態の説明図で、(b)は殻割直後の瞬間の説明図である。
【
図12】牡蠣における割れ目形成予定線の説明図である。
【
図13】受台上に突設させるポンチの概要説明図で、(a)は山脈状の形態の説明図で、(b)は複数の三角形状のものを点在状で一列にした形態の説明図で、(c)は複数の円錐のものを点在状で一列にした形態の説明図である。
【
図14】殻割手段側に最も近い位置における押圧先端部の下端に形成したポンチの概要説明図で、(a)板状体の押圧先端部の下端を形成する山脈状の形態の説明図で、(b)は点接触型の押圧先端部の下端を形成する三角形状の形態の説明図である。
【
図15】牡蠣の開口部の説明図で、(a)は牡蠣の長手方向での断面における開口部の説明図で、(b)は(a)の左側面視における開口部の輪郭の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の牡蠣むき身装置1は、
図1に示すように、牡蠣2からむき身を自動的に取り出す装置であって、工程順に殻開口部形成装置1a、貝柱切断装置1b、むき身取出装置1cを備える。本発明は前記牡蠣むき身装置1の中で前記殻開口部形成装置1aに係る発明である。
【0024】
本発明の牡蠣むき身装置1は、牡蠣2から殻3とむき身を分離し、むき身を取り出す牡蠣むき身装置1であって、前記牡蠣むき身装置1が、平面視で前記牡蠣2の貝柱26から殻頂25とは反対側の外套膜4aの縁辺近傍であって、貝柱26を切断する刃物を挿入可能となる開口部28を形成できる位置を割れ目形成予定線5として定め、ふた殻3a側又は身殻3b側のいずれかの殻3を下側にした牡蠣2を、平面視で載置時の位置決め用の目安として前記割れ目形成予定線5を、直線状の一端縁6cにほぼ一致させて載置可能な受台6と、前記載置した牡蠣2の上側の前記殻3の高さが異なる複数の位置に上方から下降して接する複数の押圧先端部11、13、及び、前記押圧先端部11、13を前記殻3が割れないが、載置した牡蠣2の位置と姿勢を固定可能な圧力で前記殻3の上部に押し当てる単数又は複数の押圧昇降部7、7aを有する牡蠣上側押圧手段8と、前記載置した牡蠣2の前記割れ目形成予定線5より前記殻3の縁辺18側に上方から下降して衝突する殻割先端部12、及び、前記ふた殻3a及び前記身殻3bのいずれか又は両方を割る圧力で前記殻3の縁辺18の近傍に前記殻割先端部12を押す単数又は複数の押割昇降部9を有する殻割手段10と、前記押圧昇降部7、7a及び前記押割昇降部9を制御する制御部(図示なし)と、を有する殻開口部形成装置1aを備え、前記制御部が、前記牡蠣上側押圧手段8の押圧昇降部7、7aを制御して前記押圧先端部11、13を下降させて前記牡蠣2の殻3を押圧し、その後、前記殻割手段10の押割昇降部9を制御して前記殻割先端部12を下降させて牡蠣2の殻3を割る動作をさせる。
【0025】
前記殻開口部形成装置1aは、
図2~
図8に示すように、牡蠣2を横置きで載置する受台6と、載置した牡蠣2を上方から押さえる牡蠣上側押圧手段8と、押さえられた牡蠣2の殻3を割る殻割手段10とを備えている。前記牡蠣上側押圧手段8及び前記殻割手段10は筐体50の所定の位置に固定されている。
【0026】
本発明の前記殻開口部形成装置1aが牡蠣2の殻3を狙いの個所で割る構成について説明する。
図5(b)、
図6(b)、
図7(c)又は
図10(a)に示すように、前記殻割手段10により牡蠣2の殻3に対して圧力が力点Cに加わると、前記力点Cに最も近い個所で牡蠣2を挟んで固定している、殻3の下側の作用点A及び殻3の上側の作用点Bに殻3を割る力が集中的に加わる。これにより、前記殻開口部形成装置1aは、牡蠣2の殻3を作用点Aと作用点Bでむすんだ線に沿って割ることができる。作用点A及び作用点Bは、平面視で受台6の一端縁6cの位置とほぼ重なるように構成している。
【0027】
前記下側の作用点Aは、
図2(a)に示すように受台6の一端縁6c、
図2(b)に示すように前記一端縁6cと平面視でほぼ一致させた位置に鋭利な突起を形成したポンチ16、又は、
図3(a)及び(b)に示すように前記一端縁6cと平面視でほぼ一致させた位置に受具6bの端が来るように設置した受具6b等がある。牡蠣2を下側から受ける部位であって、前記力点Cに最も近い個所が作用点Aとなる。前記一端縁6cと平面視でほぼ一致させた位置に作用点Aがくるように構成する。
【0028】
前記上側の作用点Bは、
図2(a)に示すように押圧先端部13aの下端に形成したポンチ16、又は、
図3(a)に示すように押圧先端部11aの下端に形成したポンチ16等がある。牡蠣2を上方から押さえる部位であって、前記力点Cに最も近い個所が作用点Bとなる。前記一端縁6cと平面視でほぼ一致させた位置に作用点Bがくるように構成する。
【0029】
まず、前記割れ目形成予定線5について説明する。前記割れ目形成予定線5は、
図12に示すように、平面視で前記牡蠣2の貝柱26から殻頂25とは反対側の外套膜4aの縁辺近傍であって、貝柱26を切断する刃物を挿入可能となる開口部28を形成できる位置を定める。これにより、牡蠣2の殻3の割る割れ対象範囲40は、
図12に示すように、割れ目形成予定線5より縁辺18側となる。
【0030】
前記割れ目形成予定線5は、第一の要件である、牡蠣2の端部に貝柱を切断する刃物が挿入可能な開口部28を形成させるためには可能限り殻頂25側である奥の方の位置が適している要件と、第二の要件である、一般的に牡蠣殻は殻頂25に近いほど厚みが増すため、殻を割るために要する力がいっそう大きくなるので、可能な限り前記殻頂25から遠ざけて殻の縁辺18にしたいという要件という2つの相矛盾する要件を両立させる位置である。
【0031】
牡蠣が獲れる海域の牡蠣の餌の相違や育て方の相違等によって牡蠣2の大きさが変わる。牡蠣2の大きさによって、前記割れ目形成予定線5の位置が変わるので、ほぼ同じ大きさの牡蠣2をまとめ、まとめた牡蠣2のロットごとに前記割れ目形成予定線5の位置は、刃物挿入可能な開口部28が確保でき、殻割に要する圧力があまり大きくならない位置を前記割れ目形成予定線5の位置として決める。前記割れ目形成予定線5は、
図15に示すように刃物を挿入可能な大きさの開口部28、例えば高さ約5mmで幅約20mmの開口部28が得られる牡蠣2の厚みをあらかじめ調べて定めておいて、
図12に示すように目視で前記厚みがある部位を設定する。
【0032】
次に、前記受台6について説明する。前記受台6は、ふた殻3a側又は身殻3b側のいずれかの殻3を下側にした牡蠣2を、平面視で載置時の位置決め用の目安として前記割れ目形成予定線5を、直線状の一端縁6cにほぼ一致させて載置可能にしている。すなわち、受台6の一端縁6cは、牡蠣2を載置ときに、目視で設定した牡蠣2の前記割れ目形成予定線5を合わせる目印である。なお、自動化で牡蠣2を受台6に載置するときは、同じ牡蠣2の大きさで生産ロットを計画し、前記ロットごとに受台6に載置ときの牡蠣2の位置決めを、例えばガイドなどで行う。
【0033】
前記受台6は、表面に凹凸がある牡蠣2を上方から押圧をかけたときに牡蠣2が滑らないように移動しにくくすることが可能な形態であればいずれの形態でもよく、例えば、
図2又は
図4に示すように牡蠣を移動しにくくするために滑り摩擦が大きい表面を有する平板の形態、又は、
図3に示すようにベース6a上に設置した、牡蠣2を短手方向Tの両側から挟むように剛性を有する受具6bで支える形態がある。
【0034】
次に、前記ポンチ16について説明する、前記ポンチ16は、平面視で前記受台6上の前記一端縁6c近傍となる位置に、
図13(a)又は
図14(a)に示すような略山脈状の、又は
図13(b)、(c)又は
図14(b)に示すような一列の複数の点状の剛性体のポンチ16を、
図2(b)に示すように前記受台6上に突設させ、又は
図2(a)、
図3(a)又は
図4(a)に示すように前記押圧昇降部11、13に垂設させる。
【0035】
また、前記ポンチ16は、
図2(b)に示すように受台6上に、
図13(a)又は(b)に示すように略山脈状又は一列の複数の点状に突設させた形態、
図2(a)に示すように押圧先端部13aの下端に
図14(a)に示すように山脈状に形成した形態、又は、
図3(a)に示すように押圧先端部11aの下端に
図14(b)に示すように点状に形成した形態がある。前記押圧先端部11aは、
図3(b)に示すように、牡蠣2の短手方向Tに例えば3列の場合は
図14(b)に示すように一列の複数の点状の配置になる。
【0036】
前記一列の複数の点状のポンチの形態は、先端部が鋭利な形状であればよく、例えば
図13(b)に示すように三角形状、又は
図13(c)に示すように円錐形状等がある。
【0037】
前記ポンチ16の先端は、
図2~
図7、
図10に示すように、前記殻割手段10の
殻割先端部12が下降して牡蠣2を押した力点Cで牡蠣2に圧力を加えた瞬間に、牡蠣2の殻3のふた殻3a及び身殻3bに加わる作用点A及び作用点Bとなるので、前記作用点A及び作用点Bで、すなわち前記ポンチ16の位置で牡蠣2の殻3を割ることができる。すなわち、ポンチ16は牡蠣2の殻3の割れる位置を誘導することができるので、前記割れ目形成予定線5で牡蠣2の殻3を狙い通りに割ることができる。
【0038】
次に、前記牡蠣上側押圧手段8について説明する。前記牡蠣上側押圧手段8は、
図2~
図8に示すように、前記載置した牡蠣2の上側の前記殻3の高さが異なる複数の位置に上方から下降して接する複数の押圧先端部11、13、及び、前記押圧先端部11、13を前記殻3が割れないが、載置した牡蠣2の位置と姿勢を固定可能な圧力で前記殻3の上部に押し当てる単数又は複数の押圧昇降部7、7aを有する。
【0039】
前記押圧昇降部7、7aについて説明する。前記押圧昇降部7、7aは、下端に前記押圧先端部11、13を取り付け、前記押圧先端部11、13を昇降させる。前記押圧昇降部7、7aの形態は、
図2又は
図3に示すように、前記押圧先端部11、13ごとに独立させて複数垂設する形態の前記押圧昇降部7、又は、
図4に示すように複数の前記押圧先端部13を一つの単独タイプで垂設する形態の前記押圧昇降部7aがある。
【0040】
前記複数垂設する形態の前記押圧昇降部7としては、例えば、押出型の単動タイプのエアシリンダー、複動タイプのエアシリンダー、油圧シリンダー又は電動シリンダーがある。また、前記一つ単独で垂設する形態の前記押圧昇降部7aとしては、押出型の単動タイプのエアシリンダー、複動タイプのエアシリンダー、油圧シリンダー又は電動シリンダーの下端側に、前記押圧先端部13ごとに伸長方向に付勢力を有するコイルスプリングをそれぞれ取り付ける。前記押圧昇降部7、7aは、前記押圧先端部11、13を個々に独立させて昇降できる機構であればいずれの機構でもよい。
【0041】
そして、前記押圧昇降部7の圧力は、前記押圧先端部11、13を前記殻3が割れないが、載置した牡蠣2の位置と姿勢を固定可能な圧力で前記殻3の上部に押し当てる圧力の範囲内で設定する。
【0042】
さらに、前記押圧昇降部7の圧力は、前記押圧先端部11、13のうち、平面視で前記受台6の前記一端縁6c近傍に垂設された押圧先端部11a、13aに加わる押圧力を、他の押圧先端部11、13に加わる押圧力を超える押圧力とする。
【0043】
図2又は
図3に示すように、複数の前記押圧昇降部7の場合は、例えば押出型の単動タイプのエアシリンダーの内径の大きさを変えて圧力に差をつけ、
図4に示すように1つの単独の前記押圧昇降部7aの場合は、前記コイルスプリングのばね定数を変えて伸長力に差をつけることにより圧力に差をつけ、押圧先端部11a、13aに加わる押圧力を他の押圧先端部11、13に加わる押圧力より大きくすることができる。
【0044】
これにより、殻割昇降部9による下方への圧力を牡蠣2の端部の力点Cに加えるときに、牡蠣2における作用点が移動すると牡蠣2の殻3が割れないという現象が発生するが、作用点A及び作用点Bが移動しないので、平面視で前記作用点A及び作用点Bに牡蠣2の前記割れ目形成予定線5をほぼ合わせて載置することにより、牡蠣2の殻3を前記割れ目形成予定線5に沿って狙い通りに割ることができる。
【0045】
前記押圧先端部11、13について説明する。前記押圧先端部11、13は、前記載置した牡蠣2の上側の前記殻3の高さが異なる複数の位置に上方から下降して接する。
【0046】
そして、前記押圧先端部11、13の形態は、
図3、
図7又は
図8に示すように、前記載置した牡蠣2の上側の殻3全域にわたって所定の間隔で複数垂設した、それぞれ独立して前記殻3に接する点接触型、又は、
図2又は
図5に示すように、前記載置した牡蠣2の上側の殻の長手方向Nの少なくとも両端部近傍に、下端側に前記牡蠣2の上側の外郭形状に近い円弧状の凹みを形成した複数の板状体を略平行に対向させて複数垂設した、それぞれ独立して前記殻3に接する線接触型等がある。
【0047】
前記点接触型の前記押圧先端部11は、
図3、
図7又は
図8に示すように、牡蠣2の殻3の表面の部位によって高さが異なる部位に合わせて下降端の高さをそれぞれ変えるようにしており、例えば、
図7(a)に示すように牡蠣2の長手方向Nに5列、
図7(b)に示すように牡蠣2の短手方向Nに3列の計15個を垂設した場合は、15個の前記押圧先端部11のすべての下降端高さをそれぞれ殻3に接した高さで下降を止める。これは、下降して殻3に接したときの押圧力を、殻3を割れない圧力に設定することで実現する。
【0048】
前記線接触型の前記押圧先端部13は、
図2、
図5又は
図6に示すように、板状体が下降して板状体の円弧状の凹みの下端縁が牡蠣2の殻3に接するところの高さに合わせて下降端の高さをそれぞれ変えるようにしており、例えば、5(b)又は
図6(b)に示すように、牡蠣2の長手方向Nの両端部近傍に計2個を垂設した場合は、2個の前記押圧先端部13のそれぞれの下降端高さをそれぞれ殻3に接した高さで下降を止める。これは、下降して殻3に接したときの押圧力を、殻3を割れない圧力に設定することで実現する。
【0049】
また、前記押圧先端部13が前記線接触型の場合に、
図4又は
図6に示すように、略平行で対向する前記板状体の下端間に、前記載置した牡蠣2の上側の殻3の表面の所定の範囲を被覆可能な可撓性を有する弾性板状体15を張設し、前記弾性板状体15の収縮力により前記上側の殻3を上方から押圧する。
【0050】
図6(b)に示すように、板状体の押圧先端部13による押圧に加えて、前記弾性板状体15が、牡蠣2の部位によって高さ方向が異なる表面を覆うように伸びながら牡蠣2に接して、前記弾性板状体15の元に戻ろうとする収縮力で牡蠣2を上方から押えつける。これにより、さらに牡蠣2を強力に押えることができる。これにより、前記殻割手段10により牡蠣2の殻3に対して圧力が力点Cに加わったときに、より一層確実に牡蠣2の位置及び姿勢を固定させることができる。
【0051】
前記弾性板状体15は、伸びて牡蠣2の殻3の表面を被覆した後に、前記殻割手段10により牡蠣2の殻3に対して圧力が力点Cに加わったときに牡蠣2の位置及び姿勢を固定できる弾性力を有するものであればよい。
【0052】
また、例えば牡蠣2の大きさが大きく異なるロットを生産する場合は、
図3又は
図7に示すように点接触型の前記押圧先端部11の場合は前記押圧先端部11をそのままで押圧可能であるが、
図2又は
図5に示すように線接触型の前記押圧先端部13の場合は、
図9に示すように、前記押圧先端部11をコイルスプリングと一体的に移動させるスライド機構を設けることもできる。
【0053】
次に、前記殻割手段10について説明する。前記殻割手段10は、
図2~
図8に示すように、前記載置した牡蠣2の前記割れ目形成予定線5より前記殻3の縁辺18側に上方から下降して衝突する殻割先端部12、及び、前記ふた殻3a及び前記身殻3bのいずれか又は両方を割る圧力で前記殻3の縁辺18の近傍に前記殻割先端部12を押す単数又は複数の押割昇降部9を有する。
【0054】
前記押割昇降部9は、
図2~
図8に示すように単数であっても、又は、複数垂設してもよい。そして、前記押割昇降部9は、前記ふた殻3a及び前記身殻3bのいずれか又は両方を割る圧力を有し、前記殻割先端部12を高さ方向で前記牡蠣2の下側の殻3以下の高さまで下降させる。
【0055】
前記殻割先端部12は、
図10(b)に示すように、殻3の縁辺18付近に上方から下降して前記殻3に衝突して、前記載置した牡蠣2の前記割れ目形成予定線5付近の前記殻3が割れ、殻41が殻3から分離される。前記殻割先端部12の材質は強い衝撃を牡蠣2の殻3に与えて割るために剛性体が好ましい。
【0056】
そして、平面視において、
図10に示すように、複数の前記押圧先端部11、13のうち最も前記殻割手段10側に垂設した前記押圧先端部11a、13aが下降して前記牡蠣2に接する位置と、前記
殻割先端部12が下降して前記牡蠣2に当たる位置との間隔20を、前記割れ目形成予定線5より牡蠣2の縁辺18側にある牡蠣軟体部4が切断されずに入り込むのに必要な所定の間隔以上とする。
【0057】
前記間隔20を確保することにより、
図10(a)に示すように、前記ふた殻3a及び前記身殻3bのいずれか又は両方の先端部が割れる対象とする範囲内の殻41の部分に牡蠣軟体部4の外套膜4aがあるが、
図10(b)に示すように牡蠣2の殻3は割れるが、牡蠣2の身である外套膜4aを切断せずにかつキズをつけずに、殻41のみを分離して、
図15(a)及び(b)に示すような開口部28を形成することができる。
【0058】
一方、比較例として、平面視における、最も前記殻割手段10側に垂設した前記押圧先端部11a、13aの前記牡蠣2に接する位置と、前記殻割手段10の殻割先端部12の前記牡蠣2に当たる位置との隙間21を、
図11(a)に示すように、わずかな隙間21とした場合は、
図11(b)に示すように、牡蠣2の身の外套膜4aが切断され、切断された外套膜42が脱落して不良品をつくることになる。
【0059】
前記間隔20を確保することによって、例えば、押圧昇降部7が点接触型の場合、押圧昇降部7が線接触型の場合、又は、押圧昇降部7が線接触型に弾性板状体15を付加させた場合のいずれの場合も、
図5(c)、
図6(c)、
図8又は
図10(b)に示すように、外套膜4aをキズつけずに残して前記割れ目形成予定線5から殻3の一端縁6c側の殻3を割って、
図15に示すように貝柱26を切断する刃物を挿入しやすくさせる開口部28を形成できる。
【0060】
次に、前記制御部について説明する。前記制御部は、前記押圧昇降部7、7a及び前記押割昇降部9を制御する。そして、前記制御部は、前記牡蠣上側押圧手段8の押圧昇降部7、7aを制御して前記押圧先端部11、13を下降させて前記牡蠣2の殻3を押圧し、その後、前記殻割手段10の押割昇降部9を制御して前記殻割先端部12を下降させて牡蠣2の殻3を割る動作をさせる。その結果、
図15に示すように牡蠣2に貝柱26を切断する刃物が挿入可能な開口部28が形成される。
【符号の説明】
【0061】
1 牡蠣むき身装置
1a 殻開口部形成装置
1b 貝柱切断装置
1c むき身取出装置
2 牡蠣
3 殻
3a ふた殻
3b 身殻
4 牡蠣軟体部
4a 外套膜
5 割れ目形成予定線
6 受台
6a ベース
6b 受具
6c 一端縁
7 押圧昇降部
7a 押圧昇降部
8 牡蠣上側押圧手段
9 押割昇降部
10 殻割手段
11 押圧先端部
11a 押圧先端部
12 殻割先端部
13 押圧先端部
13a 押圧先端部
15 弾性板状体
16 ポンチ
18 縁辺
20 間隔
21 隙間
25 殻頂
26 貝柱
28 開口部
31 正面視牡蠣
32 平面視牡蠣
33 左側面視牡蠣
40 割れ対象範囲
41 殻
42 外套膜
50 筐体
A 作用点
B 作用点
C 作用点
N 長手方向
T 短手方向