(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】表示制御システム、ゲームシステム、表示制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20241023BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241023BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20241023BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/53
A63F13/30
(21)【出願番号】P 2019237699
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中坂 昇
(72)【発明者】
【氏名】田村 喜隆
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011850(JP,A)
【文献】特開2006-230582(JP,A)
【文献】特開2019-205645(JP,A)
【文献】特許第5497233(JP,B1)
【文献】特開2008-289776(JP,A)
【文献】特開2018-114185(JP,A)
【文献】特開2013-017692(JP,A)
【文献】国際公開第2003/019965(WO,A1)
【文献】特開2002-028370(JP,A)
【文献】特開2017-225509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0118098(US,A1)
【文献】マンモス丸山,“現行『戦国大戦』の集大成&新バージョンお披露目! 戦国大戦 公式全国大会 "天覇への道2015 全国決勝大,ファミ通.com,日本,株式会社KADOKAWA Game Linkage,2015年12月21日,pp.1-9,URL: https://www.famitsu.com/news/201512/21095919.html,[2021.02.09検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06Q 30/02,50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレイヤおよび第2プレイヤが
視認するゲーム画像の表示装置を含むゲーム装置により前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤがプレイするゲームの相異なる状況を表す複数の状況メッセージを生成する生成処理部と、
前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記
複数の状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像
を表示させる表示制御部と
を具備し、
前記表示制御部は、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを
、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第1視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第1表示装置に表示させ、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、
前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第2視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第2表示装置に表示させ
、
前記複数の状況メッセージを、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第3視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第3表示装置に表示させ、
前記第3表示装置の表示において、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを、特定領域内まで第1方向に移動し、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、前記特定領域内まで、前記第1方向とは反対の第2方向に移動し、
前記第1プレイヤに関する移動後の状況メッセージと前記第2プレイヤに関する移動後の状況メッセージとは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向に沿って時系列に配列される
表示制御システム。
【請求項2】
第1プレイヤおよび第2プレイヤが
視認するゲーム画像の表示装置を含み、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤがゲームをプレイするゲーム装置と、
前記ゲーム装置と通信する表示制御システムとを具備し、
前記表示制御システムは、
前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤがプレイするゲームの相異なる状況を表す複数の状況メッセージを生成する生成処理部と、
前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記
複数の状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像
を表示させる表示制御部とを含み、
前記表示制御部は、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを
、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第1視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第1表示装置に表示させ、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、
前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第2視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第2表示装置に表示させ
、
前記複数の状況メッセージを、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第3視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第3表示装置に表示させ、
前記第3表示装置の表示において、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを、特定領域内まで第1方向に移動し、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、前記特定領域内まで、前記第1方向とは反対の第2方向に移動し、
前記第1プレイヤに関する移動後の状況メッセージと前記第2プレイヤに関する移動後の状況メッセージとは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向に沿って時系列に配列される
ゲームシステム。
【請求項3】
第1プレイヤおよび第2プレイヤが
視認するゲーム画像の表示装置を含むゲーム装置により前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤがプレイするゲームの相異なる状況を表す複数の状況メッセージを生成する生成処理と、
前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記
複数の状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像
を表示させる表示制御処理と
をコンピュータシステムが実行する表示制御方法であって、
前記表示制御
処理においては、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを
、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第1視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第1表示装置に表示させ、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、
前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第2視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第2表示装置に表示させ
、
前記複数の状況メッセージを、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第3視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第3表示装置に表示させ、
前記第3表示装置の表示において、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを、特定領域内まで第1方向に移動し、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、前記特定領域内まで、前記第1方向とは反対の第2方向に移動し、
前記第1プレイヤに関する移動後の状況メッセージと前記第2プレイヤに関する移動後の状況メッセージとは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向に沿って時系列に配列される
表示制御方法。
【請求項4】
第1プレイヤおよび第2プレイヤが
視認するゲーム画像の表示装置を含むゲーム装置により前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤがプレイするゲームの相異なる状況を表す複数の状況メッセージを生成する生成処理部、および、
前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記
複数の状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像
を表示させる表示制御部
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記表示制御部は、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを
、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第1視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第1表示装置に表示させ、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、
前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第2視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第2表示装置に表示させ
、
前記複数の状況メッセージを、前記第1プレイヤおよび前記第2プレイヤとは異なる第3視聴者が視認可能なように、前記ゲーム装置とは別体の第3表示装置に表示させ、
前記第3表示装置の表示において、
前記複数の状況メッセージのうち前記第1プレイヤに関する状況メッセージを、特定領域内まで第1方向に移動し、
前記複数の状況メッセージのうち前記第2プレイヤに関する状況メッセージを、前記特定領域内まで、前記第1方向とは反対の第2方向に移動し、
前記第1プレイヤに関する移動後の状況メッセージと前記第2プレイヤに関する移動後の状況メッセージとは、前記第1方向および前記第2方向に直交する方向に沿って時系列に配列される
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数のプレイヤが相互に対戦するゲーム等の各種のゲームを利用したイベント(e-sports)においては、解説者によりゲームの状況が解説される。特許文献1には、解説者による有用な実況に限界があることを前提として、ゲームの進行に応じたゲーム画像に、実況用のコンテンツを重畳して表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、実況用のコンテンツがゲーム画像に重畳される特許文献1の技術では、ゲーム画像のうちコンテンツが重畳された部分を視認できないから、解説者または視聴者がゲーム画像を正確に把握できない可能性がある。以上の事情を考慮して、本発明は、解説者または視聴者がゲームの状況を容易かつ正確に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のひとつの態様に係る表示制御システムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表す状況メッセージを生成する生成処理部と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像を、表示装置に表示させる表示制御部とを具備する。
【0006】
本発明のひとつの態様に係るゲームシステムは、1以上のプレイヤがゲームをプレイする1以上のゲーム装置と、前記ゲーム装置と通信する表示制御システムとを具備し、前記表示制御システムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表す状況メッセージを生成する生成処理部と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像を、表示装置に表示させる表示制御部とを含む。
【0007】
本発明のひとつの態様に係る表示制御方法は、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表す状況メッセージを生成し、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像を、表示装置に表示させる。
【0008】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表す状況メッセージを生成する生成処理部、および、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像が配置される固定の第1領域と、前記状況メッセージが配置される固定の第2領域と、を含む画像を、表示装置に表示させる表示制御部としてコンピュータシステムを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図4】表示制御システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図6】表示制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図8】第2実施形態における表示制御システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図10】第2実施形態における表示制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図12】第4実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図13】変形例におけるゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図14】変形例における状況メッセージの表示の態様を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム10の構成を例示するブロック図である。第1実施形態のゲームシステム10は、特定の施設(以下「特定施設」という)内に設置される。特定施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、ショッピングセンター等の商業施設、各種のイベントが開催されるホール等の施設である。
【0012】
特定施設においてはゲームシステム10を利用したイベントが実行される。第1実施形態において特定施設内で実行されるイベントは、ゲームシステム10を利用した対戦ゲームにより複数のプレイヤ(P1,P2)が相互に対戦するゲーム大会(e-sport)である。複数のプレイヤPの各々は、対戦ゲームをプレイする出場者である。また、特定施設には、複数のプレイヤP(P1,P2)のほかに解説者Cと複数の視聴者Aとが所在する。解説者Cは、対戦ゲームの進行に並行して当該対戦ゲームの状況を解説する実況者である。視聴者Aは、対戦ゲームを視聴する観客である。
【0013】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム10は、第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12と表示制御システム13と表示装置14とを具備する。表示制御システム13は、第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々と表示装置14との間で通信可能である。なお、第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12と表示制御システム13と表示装置14とは、例えば1個の筐体に設置される。ただし、第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12とが表示制御システム13とは別体に設置された構成、または、表示装置14が表示制御システム13とは別体に設置された構成も想定される。
【0014】
プレイヤP1は第1ゲーム装置11を利用して対戦ゲームをプレイし、プレイヤP2は第2ゲーム装置12を利用して対戦ゲームをプレイする。第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々は、表示装置15と操作装置16とを具備する。表示装置15は、画像を表示する再生装置である。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置15として利用される。操作装置16は、プレイヤP(P1,P2)による操作を受付ける入力機器である。
【0015】
第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12とは、相互に協働して対戦ゲームを進行させる。対戦ゲームの状況を表す画像(以下「第1ゲーム画像」という)が各表示装置15に表示される。プレイヤP1の状況を表す第1ゲーム画像が第1ゲーム装置11の表示装置15に表示され、プレイヤP2の状況を表す第1ゲーム画像が第2ゲーム装置12の表示装置15に表示される。各プレイヤPは、表示装置15の第1ゲーム画像を視認しながら操作装置16を操作することで対戦ゲームをプレイする。なお、第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々と通信する制御サーバ装置が対戦ゲームを進行させてもよい。また、複数のプレイヤP間の対戦ゲームを進行させる機能を表示制御システム13に搭載してもよい。
【0016】
第1実施形態の対戦ゲームは、仮想世界に設定された複数の領域(以下「単位領域」という)の各々を各プレイヤPが自身の領地として獲得するゲームである。各プレイヤPは、所望の単位領域を探索し、所定の条件(例えば単位領域内の目標の地点に到達すること)を達成することで当該単位領域を獲得できる。プレイヤPは、何れのプレイヤPも獲得していない中立的な単位領域を獲得できるほか、他のプレイヤPが過去に獲得した単位領域を奪取することが可能である。以上のようにプレイヤP1とプレイヤP2との間で各単位領域を争奪し、最終的に獲得した単位領域の総数が多いプレイヤPが対戦ゲームの勝者となる。
【0017】
図2は、第1ゲーム装置11の表示装置15に表示される第1ゲーム画像Gaの模式図である。
図2に例示される通り、第1ゲーム画像Gaは、状況画像g1と探索画像g2とが適宜に切替わる画像である。状況画像g1は、プレイヤPの状況を表す画像である。具体的には、状況画像g1は、仮想世界内の複数の単位領域UのうちプレイヤPが獲得した単位領域Uを表す画像である。他方、探索画像g2は、プレイヤPが所望の単位領域Uの獲得を目指す探索イベントの進行を表す画像である。具体的には、プレイヤPが操作するキャラクタが洞窟等の建造物を探索する様子を表す探索画像g2が表示される。探索イベントの開始前または終了後には状況画像g1が表示装置15に表示され、探索イベントの開始により状況画像g1が探索画像g2に変更される。
【0018】
図1の表示制御システム13は、ゲームシステム10の全体を制御するコンピュータシステムである。第1実施形態の表示制御システム13は、制御装置131と記憶装置132とを具備する。なお、表示制御システム13は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
【0019】
制御装置131は、ゲームシステム10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置131が構成される。
【0020】
記憶装置132は、制御装置131が実行するプログラムと制御装置131が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置132を構成してもよい。
【0021】
図1の表示装置14は、表示制御システム13による制御のもとで各種の画像を表示する再生装置である。表示装置14は、例えば、表示装置15と比較して大型の表示パネルである。特定施設内の解説者Cと多数の視聴者Aとが表示装置14の画像を視認できる。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルが表示装置14として利用される。
【0022】
第1実施形態の表示装置14は、
図3に例示される解説画像Gcを表示する。解説画像Gcは、解説者Cおよび視聴者Aが対戦ゲームの全体的な状況(例えばプレイヤP1とプレイヤP2との戦況)を確認するための画像である。
【0023】
図3に例示される通り、解説画像Gcは、第1領域Gc1と第2領域Gc2とを含む。第1領域Gc1と第2領域Gc2とは、解説画像Gc内に固定的に設定された領域である。すなわち、解説画像Gc内における第1領域Gc1および第2領域Gc2の各々の形態(サイズおよび形状)と相互間の位置関係とは変化しない。
【0024】
第1領域Gc1には第2ゲーム画像Gbが配置される。第2ゲーム画像Gbは、領域Gb1と領域Gb2と領域Gb3とを含む画像であり、対戦ゲームの視聴のための画像である。領域Gb1は領域Gb2の左側に位置し、領域Gb3は領域Gb2の右側に位置する。領域Gb1には、プレイヤP1の名称(PlayerA)と、プレイヤP1が獲得した単位領域Uの個数に応じた得点(SCORE)とが表示される。領域Gb3には、プレイヤP2の名称(PlayerB)と、プレイヤP2が獲得した単位領域Uの個数に応じた得点(SCORE)とが表示される。領域Gb2には、仮想世界内の複数の単位領域Uが表示される。プレイヤP1が獲得した単位領域U(すなわちプレイヤP1の占領地)と、プレイヤP2が獲得した単位領域U(すなわちプレイヤP2の占領地)と、何れのプレイヤPにも奪取されていない中立的な単位領域Uとは、相異なる態様(例えば色彩)で表示される。
【0025】
解説画像Gcの第2領域Gc2には状況メッセージMが配置される。状況メッセージMは、対戦ゲームの状況を表す文字列である。具体的には、複数の状況メッセージMが第2領域Gc2に時系列に配列される。例えば、対戦ゲーム内において各プレイヤPがプレイする各種のイベントの開始または結果、各イベントにおける条件の成否、または対戦ゲームにおける各プレイヤPの優劣、等の各種の状況を表す状況メッセージMが、表示装置14に表示される。
【0026】
解説者Cおよび視聴者Aは、解説画像Gcの第2ゲーム画像Gbを視認することで、対戦ゲームの全体的な状況(例えば何れのプレイヤPが優勢であるか)を視覚的および直感的に把握できる。また、解説者Cは、解説画像Gcの状況メッセージMを視認することで、自身が解説すべき状況を把握できる。解説者Cは、解説画像Gcを参照しながら対戦ゲームの状況を解説するための音声(以下「解説音声」という)を発音する。例えば解説者Cは、各状況メッセージMを読上げる。以上の通り、第1実施形態のゲームシステム10は、解説者Cによる対戦ゲームの解説を支援する機能を具備する。
【0027】
解説者Cが発音した解説音声は、特定施設内に設置された放送システム(図示略)により特定施設内に放音される。したがって、特定施設内の複数の視聴者Aは、表示装置14に表示された解説画像Gcにより対戦ゲームの状況を視覚的に把握できるほか、解説音声を聴取することで対戦ゲームの状況を容易に把握できる。
【0028】
図4は、表示制御システム13の機能的な構成を例示するブロック図である。
図4に例示される通り、第1実施形態の制御装置131は、記憶装置132に記憶されたプログラムを実行することで、解説画像Gcを表示装置14に表示させるための複数の機能(生成処理部50および表示制御部60)を実現する。
【0029】
生成処理部50は、解説画像Gcを生成する。第1実施形態の生成処理部50は、対戦ゲームの状況を表すデータ(以下「状況データ」という)Xを利用して解説画像Gcを生成する。状況データXは、第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々から表示制御システム13に対して順次に送信される。例えば対戦ゲームの状況が変化するたびに状況データXが第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から表示制御システム13に送信される。生成処理部50は、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から状況データXを取得する。
【0030】
図4に例示される通り、状況データXは、画像データX1と進行データX2とを含む。画像データX1は、前述の第1ゲーム画像Gaを表すデータである。進行データX2は、対戦ゲームの進行の状況を表すデータである。進行データX2は、例えばプレイヤPが単位領域Uの獲得を目指すイベント等の各種のイベントの開始または結果、当該イベントにおける条件の成否、各プレイヤPが所有するキャラクタに関する能力値の変化、各プレイヤPによるアイテムの獲得または消費等の各種の状況を表すデータである。
【0031】
第1実施形態の生成処理部50は、解説画像Gcを表す表示データYを生成する。表示データYは、第2ゲーム画像Gbを表す画像データY1と状況メッセージMを表す文字データY2とを含む。生成処理部50は、画像データX1および進行データX2から画像データY1を生成し、進行データX2から文字データY2を生成する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態における状況データXは、第2ゲーム画像Gbの生成に加えて状況メッセージMの生成にも利用される。具体的には、状況データXの一部が第2ゲーム画像Gbの生成に利用され、状況データXの他の一部が状況メッセージMの生成に利用される。したがって、第2ゲーム画像Gbの生成とは独立に状況メッセージMを生成する構成と比較して、制御装置131の処理負荷が軽減される。
【0032】
状況メッセージMは、相異なる状況を表す複数の状況メッセージMについて共通に利用される定型的な文字列(以下「定型部」という)と、状況毎に変更される可変の文字列(以下「可変部」という)とを包含する。生成処理部50による状況メッセージMの生成には
図5の変換テーブルTが使用される。変換テーブルTは、状況データXが表す状況と状況メッセージMの定型部とを相互に対応させたデータテーブルである。変換テーブルTには、相異なる文字列で構成される複数の定型部が登録される。生成処理部50は、複数の定型部のうち状況データXが表す状況に対応する定型部を変換テーブルTから検索し、当該状況データXに応じて設定された可変部を当該定型部に挿入することで状況メッセージMを生成する。
【0033】
図4の表示制御部60は、生成処理部50が生成した解説画像Gcを表示装置14に表示させる。具体的には、表示制御部60は、表示装置14に表示データYを送信することで解説画像Gcを表示させる。生成処理部50による表示データYの生成と表示制御部60による表示装置14の制御とは、状況データXの受信毎に反復される。すなわち、表示制御システム13が第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から状況データXを受信するたびに、表示装置14が表示する解説画像Gcが更新される。
【0034】
図6は、第1実施形態の制御装置131が表示装置14に解説画像Gcを表示させる処理(以下「表示制御処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。表示制御システム13による状況データXの受信毎に表示制御処理Saが実行される。
【0035】
生成処理部50は、第2ゲーム画像Gbを状況データXから生成する(Sa1)。また、生成処理部50は、状況メッセージMを状況データXから生成する(Sa2)。なお、第2ゲーム画像Gbの生成(Sa1)と状況メッセージMの生成(Sa2)との順序を逆転してもよい。表示制御部60は、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを含む解説画像Gcを表示装置14に表示させる(Sa3)。
【0036】
以上の説明から理解される通り、第1実施形態においては、状況メッセージMを含む解説画像Gcが表示装置14に表示されるから、複数の視聴者Aが解説画像Gcを視認することで対戦ゲームの状況を容易に把握できるほか、解説者Cが、解説画像Gcの状況メッセージMを参照することで対戦ゲームの状況を円滑に解説できる。例えば、解説者Cが対戦ゲームの詳細について熟知していない場合、または解説者Cが解説に習熟していない場合でも、対戦ゲームに関する正確な状況を解説者Cが解説できる。第1実施形態においては特に、解説画像Gcが、状況メッセージMに加えて第2ゲーム画像Gbも含む。したがって、解説者Cが対戦ゲームの状況を円滑に解説できるという効果は格別に顕著である。
【0037】
また、対戦ゲームについて熟知していない視聴者Aは、第2ゲーム画像Gbとともに状況メッセージMを参照することで、対戦ゲームの状況を容易かつ正確に把握できる。他方、対戦ゲームについて熟知している視聴者Aにとっては、状況メッセージMは不要であり、第2ゲーム画像Gbから対戦ゲームの状況を容易に把握できる。第1実施形態の解説画像Gcにおいては、第2ゲーム画像Gbが配置される第1領域Gc1と状況メッセージMが配置される第2領域Gc2とが固定的に設定される。したがって、第1領域Gc1および第2領域Gc2の各々の形態(サイズおよび形状)または相互間の位置関係が変化する構成と比較して、対戦ゲームを熟知している視聴者Aが、固定的な第1領域Gc1の第2ゲーム画像Gbに集中できる。したがって、当該視聴者Aは、状況メッセージMの表示に煩わされずに対戦ゲームの状況を把握できる。以上の説明の通り、第1実施形態によれば、対戦ゲームを熟知していない解説者Cまたは視聴者Aと、対戦ゲームを熟知している視聴者Aとの双方が、対戦ゲームの状況を把握し易いという利点がある。
【0038】
第1実施形態においては、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から取得した状況データXを利用して状況メッセージMが生成される。したがって、対戦ゲームの状況を正確に表現する状況メッセージMを生成できる。
【0039】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0040】
図7は、第2実施形態におけるゲームシステム10の構成を例示するブロック図である。
図7に例示される通り、特定施設には、複数のプレイヤPと解説者Cと視聴者Aとが所在する。解説者Cは、対戦ゲームの解説に端末装置20を利用する。また、視聴者Aは、自身が所有する端末装置30を対戦ゲームの視聴に利用する。
【0041】
端末装置20および端末装置30の各々は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報端末である。端末装置20は表示装置21を具備する。同様に、端末装置30は表示装置31を具備する。表示装置21および表示装置31は、画像(静止画または動画)を表示する再生装置である。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルが表示装置21および表示装置31として利用される。表示装置21および表示装置31の各々は、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12とは別体である。表示装置21は「第1表示装置」の一例であり、表示装置31は「第2表示装置」の一例である。
【0042】
第2実施形態のゲームシステム10は、第1実施形態と同様の第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12と、表示制御システム13とを具備する。第2実施形態の表示制御システム13は、第1実施形態と同様の制御装置131および記憶装置132に加えて通信装置133を具備する。通信装置133は、端末装置20および端末装置30の各々と通信する。通信装置133による通信の方式は任意であるが、例えばBluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信が好適である。
【0043】
なお、例えばインターネット等の通信網を介して通信装置133が端末装置20または端末装置30と通信してもよい。端末装置20が通信網を介して通信装置133と通信する構成においては、端末装置20は特定施設の外側に所在してもよい。同様に、端末装置30が通信網を介して通信装置133と通信する構成においては、端末装置30は特定施設の外側に所在してもよい。
【0044】
図8は、第2実施形態における表示制御システム13の機能的な構成を例示するブロック図である。
図8に例示される通り、第2実施形態の制御装置131は、記憶装置132に記憶されたプログラムを実行することで、第1実施形態と同様に、生成処理部50および表示制御部60として機能する。
【0045】
生成処理部50は、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを生成する。具体的には、生成処理部50は、第1実施形態と同様に、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から受信した状況データXを利用して表示データYを生成する。表示データYは、前述の通り、第2ゲーム画像Gbを表す画像データY1と、状況メッセージMを表す文字データY2とを含む。以上のように状況データXから状況メッセージMを生成する構成によれば、第1実施形態と同様に、対戦ゲームの状況を正確に表現する状況メッセージMを生成できる。
【0046】
表示制御部60は、表示装置21および表示装置31の各々に画像を表示させる。第2実施形態の表示制御部60は、第1表示制御部61と第2表示制御部62とを具備する。
【0047】
第1表示制御部61は、第1実施形態と同様の解説画像Gcを端末装置20の表示装置21に表示させる。具体的には、第1表示制御部61は、生成処理部50が生成した表示データYを通信装置133から端末装置20に送信することで、表示装置21に解説画像Gcを表示させる。解説画像Gcの第1領域Gc1と第2領域Gc2とが固定である構成は第1実施形態と同様である。
【0048】
なお、表示データYの送信先となる解説用の端末装置20の識別情報は、事前の登録処理により記憶装置132に記憶される。第1表示制御部61は、記憶装置132に記憶された識別情報により特定される端末装置20に解説画像Gcを表示させる。
【0049】
以上の構成によれば、解説者Cは、第1実施形態と同様に、表示装置21に表示される状況メッセージMを参照することで対戦ゲームの状況を円滑に解説できる。第2実施形態においては特に、状況メッセージMに加えて第2ゲーム画像Gbも表示装置21に表示される。したがって、解説者Cが対戦ゲームの状況を円滑に解説できるという効果は格別に顕著である。
【0050】
なお、第1実施形態と同様に、解説者Cが発音した解説音声は、特定施設内の放送システムにより特定施設内に放送される。したがって、特定施設内の視聴者Aは、解説音声を聴取することで対戦ゲームの状況を容易に把握できる。
【0051】
図8の第2表示制御部62は、
図9に例示される第2ゲーム画像Gbを端末装置30の表示装置31に表示させる。具体的には、第2表示制御部62は、生成処理部50が生成した画像データY1を通信装置133から端末装置30に送信することで、表示装置31に第2ゲーム画像Gbを表示させる。
図9に例示される通り、表示装置31には状況メッセージMは表示されない。なお、画像データY1の送信先となる視聴用の端末装置30の識別情報は、事前の登録処理により記憶装置132に記憶される。第2表示制御部62は、記憶装置132に記憶された識別情報により特定される端末装置30に第2ゲーム画像Gbを表示させる。
【0052】
図10は、第2実施形態の制御装置131が表示装置21および表示装置31に画像を表示させる表示制御処理Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。状況データXの受信毎に表示制御処理Sbが実行される。
【0053】
生成処理部50は、第1実施形態と同様に、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを状況データXから生成する(Sb1,Sb2)。なお、第2ゲーム画像Gbの生成(Sa1)と状況メッセージMの生成(Sa2)との順序を逆転してもよい。
【0054】
第1表示制御部61は、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを含む解説画像Gcを解説用の端末装置20の表示装置21に表示させる(Sb3)。第2表示制御部62は、視聴用の端末装置30の表示装置31に第2ゲーム画像Gbを表示させる(Sb4)。なお、表示装置21の表示の制御(Sb3)と表示装置31の表示の制御(Sb4)との順序を逆転してもよい。
【0055】
以上の説明から理解される通り、第2実施形態においては、第1表示制御部61が、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを含む解説画像Gcを表示装置21に表示させる。したがって、前述の通り、解説者Cが対戦ゲームの状況を円滑に解説できる。他方、第2表示制御部62は、状況メッセージMを表示させることなく第2ゲーム画像Gbを表示装置31に表示させる。したがって、第2ゲーム画像Gbに加えて状況メッセージMも表示装置31に表示される構成と比較して、対戦ゲームを熟知している視聴者Aが、第2ゲーム画像Gbに集中できる。すなわち、当該視聴者Aは、状況メッセージMの表示に煩わされずに対戦ゲームの状況を簡便に把握できる。以上の説明から理解される通り、第2実施形態によれば、解説者Cが対戦ゲームを円滑に解説することと、視聴者Aが対戦ゲームの状況を簡便に把握することとを両立できる。なお、対戦ゲームを熟知していない視聴者Aは、第2ゲーム画像Gbだけでは対戦ゲームの状況を充分に把握できない可能性があるが、第2ゲーム画像Gbの参照に加えて解説者Cによる解説音声を聴取することで、対戦ゲームの状況を容易かつ正確に把握できる。
【0056】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態におけるゲームシステム10の構成を例示するブロック図である。
図11に例示される通り、第3実施形態のゲームシステム10の構成は、第2実施形態と同様である。
【0057】
図11に例示される通り、解説者Cが利用する端末装置20は、解説画像Gcを表示する表示装置21に加えて収音装置22を具備する。収音装置22(例えばマイク)は、解説者Cによる解説音声を収音することで、当該解説音声を表す音声データVを生成する。端末装置20は、収音装置22が生成した音声データVを表示制御システム13に送信する。表示制御システム13の通信装置133は、端末装置20から送信された音声データVを受信する。
【0058】
第3実施形態の生成処理部50は、画像データY1と文字データY2とを含む表示データYに加えて再生データZを生成する。
図11に例示される通り、再生データZは、第2ゲーム画像Gbを表す画像データY1と、通信装置133が端末装置20から受信した音声データVとを含む。第2表示制御部62は、再生データZを通信装置133から端末装置30に対して送信する。第2表示制御部62は、再生データZを通信装置133から端末装置30に対して送信する。すなわち、第3実施形態においては、第2実施形態と同様の画像データY1に加えて音声データVも端末装置30に送信される。
【0059】
図11に例示される通り、視聴者Aが利用する端末装置30は、第2ゲーム画像Gbを表示する表示装置31に加えて放音装置32を具備する。放音装置32(例えばスピーカまたはヘッドホン)は、表示制御システム13から受信した音声データVが表す解説音声を放音する。したがって、視聴者Aは、表示装置31が表示する第2ゲーム画像Gbを視認しながら、放音装置32が放音する解説音声を聴取できる。
【0060】
第3実施形態においても第2実施形態と同様の効果が実現される。すなわち、解説者Cは、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを参照することで対戦ゲームの状況を円滑に解説でき、かつ、対戦ゲームを熟知している視聴者Aは、状況メッセージMの表示に煩わされずに第2ゲーム画像Gbから対戦ゲームの状況を簡便に把握できる。また、第3実施形態においては、解説者Cの解説音声を表す音声データVが端末装置30に送信されるから、視聴者Aが特定施設の外側に所在する場合でも、解説者Cによる解説音声を聴取できる。なお、通信装置133が端末装置20から受信した音声データVを生成処理部50が加工し、加工後の音声データVを含む再生データZを第2表示制御部62が端末装置20に送信してもよい。
【0061】
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態におけるゲームシステム10の構成を例示するブロック図である。
図12に例示される通り、第4実施形態のゲームシステム10の構成は、第2実施形態または第3実施形態と同様である。
【0062】
第2実施形態の表示制御部60(第1表示制御部61)は、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを含む解説画像Gcを端末装置20の表示装置21に表示させる。第4実施形態の表示制御部60は、状況メッセージMを表示装置21に表示させ、第2ゲーム画像Gbは表示装置21に表示させない。具体的には、表示制御部60は、状況メッセージMを表す文字データY2を端末装置20に送信し、第2ゲーム画像Gbを表す画像データY1は端末装置20に送信しない。第4実施形態においても、第2実施形態と同様に、解説者Cは、表示装置21に表示される状況メッセージMを参照することで対戦ゲームの状況を円滑に解説できる。
【0063】
また、第4実施形態においては、端末装置20の表示装置21に第2ゲーム画像Gbが表示されないから、表示装置21が小型でも、状況メッセージMを表示するためのスペースを確保し易いという利点がある。なお、第4実施形態においては、解説者Cが表示装置21からゲーム画像(第1ゲーム画像Gaまたは第2ゲーム画像Gb)を把握できない。したがって、表示装置21とは別個の表示装置により解説者Cがゲーム画像を確認できる構成が特に好適である。
【0064】
なお、生成処理部50が状況データXの進行データX2から状況メッセージMを生成する構成であれば、第4実施形態において、第1ゲーム画像Gaの画像データX1を第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から表示制御システム13に送信する処理を省略してもよい。
【0065】
[第5実施形態]
第5実施形態の第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12は、対戦ゲームの状況を変化させる所定の条件(以下「進行条件」という)が成立した場合に対戦ゲームを特定の状態に進行させる。例えば、操作装置16に対してプレイヤPが所定の操作を付与した場合に進行条件が成立したと判定され、結果的に対戦ゲームは特定の状態に進行する。進行条件の成立から相応の時間が経過した時点において対戦ゲームの状態が進行する場合がある。第5実施形態の第1表示制御部61は、進行条件が成立してから対戦ゲームが特定の状態に進行する以前に、進行後の状態に関する状況メッセージMを端末装置20の表示装置21に表示させる。
【0066】
例えば、操作装置16に対するプレイヤP1からの操作に応じて、対戦ゲームの状態が、当該プレイヤP1が単位領域Uを奪取した状態に進行する場合を想定する。生成処理部50は、プレイヤP1による単位領域Uの奪取を表す画像(第1ゲーム画像Gaまたは第2ゲーム画像Gb)が表示される以前に、プレイヤP1が単位領域Uの奪取に成功した旨の状況メッセージMを生成する。状況メッセージMは、例えば「PlayerA が領地Xを奪取した!」といった文字列である。第1表示制御部61は、生成処理部50が生成した状況メッセージMを端末装置20の表示装置21に表示させる。すなわち、プレイヤPによる単位領域Uの奪取を表す画像の表示前に、プレイヤP1による単位領域Uの奪取を表す状況メッセージMが表示装置21に表示される。したがって、状況メッセージMを視認する解説者Cは、対戦ゲームが特定の状態に進行する以前に当該状態を把握できる。したがって、解説者Cは、対戦ゲームの進行に対して遅延なく状況を解説できる。
【0067】
第5実施形態においても第2実施形態と同様の効果が実現される。なお、以上の説明においては端末装置20の表示装置21が状況メッセージMを表示する第2実施形態から第4実施形態と同様の構成を想定した。しかし、表示装置14が状況メッセージMを表示する第1実施形態にも、対戦ゲームを特定の状態に進行させる以前に当該状態に関する状況メッセージMを表示させる第5実施形態の構成は、同様に適用される。
【0068】
また、以上の説明においては、対戦ゲームの状態を進行させる進行条件が成立した場合に、第1表示制御部61が、進行後の状態に関する状況メッセージMを表示装置21(第1実施形態においては表示装置14)に表示させた。しかし、生成処理部50が対戦ゲームの進行を予測し、当該予測の結果を表す状況メッセージMを、表示制御部60が表示装置21に表示させてもよい。例えば、生成処理部50は、直前までの対戦ゲームの状態と、操作装置16に対するプレイヤPによる操作の内容とに応じて、対戦ゲームの将来的な状態を予測し、当該予測の結果に応じた状況メッセージMを生成する。
【0069】
[第6実施形態]
第6実施形態の表示制御システム13は、第1動作モードおよび第2動作モードを含む複数の動作モードの何れかにより動作する。制御装置131は、例えば特定施設の従業者等の管理者からの指示に応じて複数の動作モードの何れかを選択する。
【0070】
第1動作モードは、解説者Cによる解説を支援するための動作モードである。第1動作モードにおいて、生成処理部50は、第1実施形態と同様に、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを含む解説画像Gcを生成し、表示制御部60は、解説画像Gcを表示装置14または表示装置21に表示させる。
【0071】
第2動作モードは、解説者Cによる解説を考慮しない動作モードである。第2動作モードにおいて、生成処理部50は状況メッセージMを生成しない。表示制御部60は、第2ゲーム画像Gbを表示装置21または表示装置14に表示させる。すなわち、第2動作モードにおいて、表示制御部60は、状況メッセージMを表示装置21または表示装置14に表示させない。
【0072】
第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第6実施形態においては特に、解説者Cの知識または能力の程度に応じた柔軟な運用が実現される。例えば、解説者Cが対戦ゲームを熟知していない場合、または解説に習熟していない場合には、第1動作モードにより解説者Cを支援する運用が好適である。他方、解説者Cが対戦ゲームを熟知している場合、および解説に習熟している場合には、第2動作モードにより状況メッセージMの表示を省略することで、解説者Cの意識を第2ゲーム画像Gbに集中させる運用が好適である。
【0073】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。なお、以下の説明においては、第1実施形態における表示装置14と第2実施形態から第4実施形態における表示装置21とを「解説用表示装置」と総称する場合がある。
【0074】
(1)前述の各形態においては、第1ゲーム画像Gaを表す画像データX1と進行データX2とから第2ゲーム画像Gbの画像データY1を生成したが、以下に例示される通り、第2ゲーム画像Gbを生成するための具体的な方法は任意である。
【0075】
まず、第1ゲーム画像Gaを第2ゲーム画像Gbとして利用してもよい。具体的には、第1ゲーム装置11の表示装置15に表示される第1ゲーム画像Gaと、第2ゲーム装置12の表示装置15に表示される第1ゲーム画像Gaとの何れかが、第2ゲーム画像Gbとして選択的に表示される。第1ゲーム画像Gaに対して符号化を含む各種の画像処理を実行することで第2ゲーム画像Gbを生成してもよい。
【0076】
また、進行データX2が表す状況に応じて第2ゲーム画像Gbを生成してもよい。例えば、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12の操作装置16に対するプレイヤPからの操作を表す操作データを含む進行データX2(リプレイデータ)を利用して、第2ゲーム画像Gbを生成してもよい。以上の説明から理解される通り、状況データXが第1ゲーム画像Gaの画像データX1を含む必要は必ずしもない。
【0077】
なお、前述の各形態においては、状況データXが画像データX1と進行データX2とを含む構成を例示した。しかし、画像データX1および進行データX2の各々が、個別の状況データXとして、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から表示制御システム13に送信されてもよい。すなわち、第2ゲーム画像Gbの生成に利用される状況データX(例えば画像データX1)と、状況メッセージMの生成に利用される状況データX(例えば進行データX2)とが、表示制御システム13に対して個別に送信されてもよい。
【0078】
(2)前述の各形態においては、第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12とが表示制御システム13と一体に構成された形態を例示したが、例えば
図13に例示される通り、第1ゲーム装置11と第2ゲーム装置12とは、表示制御システム13とは別体の装置として特定施設内に設置されてもよい。例えば、表示制御システム13は、特定施設外に設置されたサーバ装置により実現される。
図13の構成において、表示制御システム13は、例えばインターネット等の通信網90を介して第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々と通信する。例えば、表示制御システム13は、第1ゲーム装置11および第2ゲーム装置12の各々から通信網90を介して状況データXを受信する。
【0079】
また、第1実施形態においては、表示装置14が表示制御システム13と一体に構成された形態を例示したが、
図13に例示される通り、表示装置14が、表示制御システム13とは別体の装置として特定施設内に設置されてもよい。
図13の構成において、表示制御システム13は、通信網90を介して表示装置14と通信する。例えば、表示制御システム13は、通信網90を利用した通信により表示データYを表示装置14に送信する。
【0080】
(3)前述の各形態においては、表示制御システム13が生成処理部50を具備する構成を例示したが、ゲームシステム10において生成処理部50が搭載される場所は、表示制御システム13に限定されない。例えば、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12に生成処理部50を搭載してもよい。
【0081】
(4)生成処理部50が生成する複数の状況メッセージMを解説用表示装置に選択的に表示させてもよい。例えば、解説者Cは、自身が所望する状況メッセージMの条件(以下「抽出条件」という)を表示制御システム13に登録する。表示制御部60は、生成処理部50が生成する複数の状況メッセージMのうち抽出条件を充足する1以上の状況メッセージMを解説用表示装置に表示させ、他の状況メッセージMは解説用表示装置に表示させない。以上の構成によれば、解説者Cが自身に必要な状況メッセージMのみを選択的に取得できる。
【0082】
また、表示制御部60が複数の解説用表示装置に状況メッセージMを表示させる構成においては、表示制御部60が表示させる状況メッセージMを解説用表示装置毎に相違させてもよい。例えば、生成処理部50が生成する複数の状況メッセージMのうち、プレイヤP1を応援する視聴者Aが視認する解説用表示装置には、プレイヤP1に関する状況メッセージMが選択的に表示され、プレイヤP2を応援する視聴者Aが視認する解説用表示装置には、プレイヤP2に関する状況メッセージMが選択的に表示される。他方、解説者Cが使用する端末装置20の表示装置21には全部の状況メッセージMが表示される。
【0083】
(5)状況メッセージMを複数の階層により構成してもよい。下位の階層に位置する状況メッセージMほど、対戦ゲームの状況を具体的に表す文字列で構成される。表示制御部60は、複数の階層のうち解説者Cが指定した階層の状況メッセージMを解説用表示装置に表示させる。複数の階層にわたる状況メッセージMを表示制御システム13から端末装置20に送信し、解説者Cが指定した階層の状況メッセージMを端末装置20が選択する構成も想定される。
【0084】
(6)状況メッセージMの表示の態様は適宜に変更される。例えば、表示制御部60は、プレイヤP1に関する状況メッセージMとプレイヤP2に関する状況メッセージMとを相異なる態様(例えば色彩)で表示装置21に表示させてもよい。また、特定の演出効果のもとで状況メッセージMを表示してもよい。例えば、
図14に例示される通り、表示制御部60は、プレイヤP1に関する状況メッセージMを左側から第2領域Gc2内に移動し、プレイヤP2に関する状況メッセージMを右側から第2領域Gc2内に移動する。以上の構成によれば、プレイヤP1に関する状況メッセージMとプレイヤP2に関する状況メッセージMとを解説者Cが直感的かつ視覚的に区別できる。
【0085】
(7)前述の各形態においては、状況メッセージMを解説用表示装置に表示したが、状況メッセージMを発音した音声(以下「案内音声」という)を端末装置20の放音装置(例えばスピーカ)から放音してもよい。状況メッセージMに応じた案内音声の生成には、公知の音声合成技術が任意に採用される。以上の構成によれば、解説者Cは、案内音声を聴取することで対戦ゲームの状況を把握できる。
【0086】
(8)前述の各形態においては、画像データY1と文字データY2とを含む表示データYを表示制御部60から解説用表示装置に送信したが、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを合成した解説画像Gcを表す画像データを、表示データYとして表示制御部60から解説用表示装置に送信してもよい。以上の説明から理解される通り、前述の各形態における表示制御部60は、第2ゲーム画像Gbと状況メッセージMとを解説用表示装置に表示させる要素として包括的に表現される。
【0087】
(9)前述の各形態においては、表示制御システム13の生成処理部50が状況メッセージMを表す文字データY2を生成したが、進行データX2に代えて文字データY2を含む状況データXが、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12から表示制御システム13に送信されてもよい。すなわち、状況メッセージMを生成する生成処理部50の機能は、第1ゲーム装置11または第2ゲーム装置12に搭載されてもよい。
【0088】
(10)前述の各形態においては、解説画像Gcの第1領域Gc1と第2領域Gc2とが固定である構成を例示したが、第1領域Gc1および第2領域Gc2の各々は可変の領域でもよい。すなわち、第1領域Gc1および第2領域Gc2の各々の形態または相互間の位置関係が変化してもよい。例えば、第1領域Gc1のうち対戦ゲームの進行に応じた可変の地点に第2領域Gc2を重ねて表示する構成、または、状況メッセージMの文字数に応じて第2領域Gc2のサイズが変化する構成が想定される。
【0089】
(11)前述の各形態においては、プレイヤP1とプレイヤP2とが対戦する対戦ゲームを例示したが、複数のプレイヤP1のグループと複数のプレイヤP2のグループとが対戦する対戦ゲームにも、前述の各形態が同様に適用される。例えば、ゲームシステム10は、相異なるプレイヤP1に対応する複数の第1ゲーム装置11と、相異なるプレイヤP2に対応する複数の第2ゲーム装置12とを具備する。複数の第1ゲーム装置11と複数の第2ゲーム装置12とは、ひとつの特定施設内に設置されてもよいし、相異なる複数の施設に設置されてもよい。
【0090】
第1ゲーム装置11は、各プレイヤP1の状況を表す第1ゲーム画像Gaを表示装置15に表示させる。また、第2ゲーム装置12は、各プレイヤP2の状況を表す第1ゲーム画像Gaを表示装置15に表示させる。以上のようにグループ同士が対戦する状況では、対戦ゲームの状況が複雑化する傾向があるから、状況メッセージMの表示により解説者Cを支援する構成が格別に有効である。
【0091】
また、前述の各形態においては各プレイヤPが単位領域Uを奪取する対戦ゲームを例示したが、本発明が適用されるゲームの種類は以上の例示に限定されない。例えば、各プレイヤPが操作するキャラクタ同士が格闘する格闘ゲーム、各プレイヤPが操作するチーム同士が野球またはサッカー等のスポーツで対戦するスポーツゲーム、各プレイヤPが将棋または囲碁等のボードゲームで対戦する対戦ゲーム、各プレイヤPが手持のカードを使用して対戦するカードゲーム、物理抽選または電子抽選により各プレイヤPの当選/落選を決定する抽選ゲーム等、任意のゲームに本発明は適用される。また、前述の各形態においては複数のプレイヤPがプレイするゲームを例示したが、ひとりのプレイヤPのみがプレイするゲームにも、前述の各形態が同様に適用される。
【0092】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0093】
[付記A]
実況用のコンテンツがゲーム画像に重畳される特許文献1の技術では、ゲームについて熟知している視聴者にとって実況用のコンテンツは冗長であり煩わしいという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明の具体的な態様(付記A1から付記A9)は、解説者がゲームを円滑に解説することと、視聴者がゲームの状況を簡便に把握することとを両立することを目的とする。
【0094】
[付記A1]
本発明のひとつの態様(付記A1)に係る表示制御システム(13)は、1以上のプレイヤ(P)がゲーム装置(11,12)によりプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)と、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第1表示装置(21)に前記状況メッセージ(M)を表示させる第1表示制御部(61)と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)を、前記状況メッセージ(M)を表示させずに、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第2表示装置(31)に表示させる第2表示制御部(62)とを具備する。
【0095】
以上の態様においては、解説者(C)は、第1表示装置(21)に表示される状況メッセージ(M)を参照することでゲームの状況を円滑に解説できる。他方、ゲームについて熟知している視聴者(A)は、状況メッセージ(M)の表示に煩わされずにゲームの状況を簡便に把握できる。すなわち、解説者(C)がゲームを円滑に解説することと、視聴者(A)がゲームの状況を簡便に把握することとを両立できる。
【0096】
「ゲームの状況」とは、ゲームの進行に応じて刻々と変化する当該ゲームの状態を意味する。例えば、ゲーム内における各種のイベントの発生または終了、ゲームにおける現在の経過(例えば「10分経過」等)、ゲームの結果(最終的または中間的な結果)、ゲームにおける各プレイヤ(P)の情勢(例えば対戦ゲームにおけるプレイヤ(P)間の優劣)等の各種の状況が、「ゲームの状況」として例示される。なお、「ゲーム」の種類は任意であるが、解説者(C)がゲームの状況を解説するという場面を想定すると、複数のプレイヤ(P)が対戦する対戦ゲームが特に好適である。
【0097】
「ゲーム画像(Gb)」は、視聴者(A)がゲームの進行を視聴するための画像である。例えば、プレイヤ(P)が使用するゲーム装置(11,12)に表示されるゲーム画像(Gb)と同様の画像、当該ゲーム画像(Gb)から生成される画像、またはゲーム画像(Gb)とは別個に生成される画像が、ゲーム画像(Gb)として第2表示装置(31)に表示される。第2表示制御部(62)は、例えば、プレイヤ(P)が操作するゲーム装置(11,12)に表示されるゲーム画像(Gb)をゲーム画像(Gb)として第2表示装置(31)に表示させる要素、当該ゲーム画像(Gb)の加工により生成されるゲーム画像(Gb)を第2表示装置(31)に表示させる要素、または、ゲームの進行を表す進行データを第2表示装置(31)に送信することで当該進行データに応じたゲーム画像(Gb)を第2表示装置(31)に生成および表示させる要素、を包含する。ゲーム画像(Gb)は、動画像または静止画の何れでもよい。
【0098】
[付記A2]
付記A1の具体例(付記A2)において、前記第1表示制御部(61)は、前記状況メッセージ(M)と前記ゲーム画像(Gb)とを前記第1表示装置(21)に表示させる。以上の態様によれば、第1表示装置(21)を利用する解説者(C)が状況メッセージ(M)に加えてゲーム画像(Gb)も確認できる。したがって、解説者(C)がゲームの状況を円滑に解説できるという前述の効果は格別に顕著である。
【0099】
[付記A3]
付記A2の具体例(付記A3)において、前記第1表示制御部(61)は、前記ゲーム画像(Gb)が配置される固定の第1領域(Gc1)と、前記状況メッセージ(M)が配置される固定の第2領域(Gc2)とを含む画像(Gc)を、前記第1表示装置(21)に表示させる。以上の態様によれば、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)の各々の位置またはサイズが変化する構成と比較して、解説者(C)がゲーム画像(Gb)および状況メッセージ(M)を確認し易いという利点がある。なお、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)について「固定」とは、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)の各々の形態(例えばサイズおよび形状)および位置が変化しないことを意味する。
【0100】
[付記A4]
付記A1から付記A3の何れかの具体例(付記A4)において、前記生成処理部(50)は、前記1以上のプレイヤ(P)が利用する1以上のゲーム装置(11,12)から、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を取得し、前記状況データ(X)から前記状況メッセージ(M)を生成する。以上の態様においては、ゲーム装置(11,12)から取得される状況データ(X)に応じて状況メッセージ(M)が生成される。したがって、ゲームの状況を正確に表現する状況メッセージ(M)を生成できる。
【0101】
[付記A5]
付記A1から付記A4の何れかの具体例(付記A5)において、前記ゲームが特定の状態に進行する前に、前記生成処理部(50)は、当該状態に関する前記状況メッセージ(M)を生成し、前記第1表示制御部(61)は、当該状況メッセージ(M)を前記第1表示装置(21)に表示させる。以上の態様によれば、直後または将来におけるゲームの状況を予測的に解説し、または、ゲームの進行に対して遅延なく状況を解説できる。
【0102】
[付記A6]
付記A1から付記A5の何れかの具体例(付記A6)において、前記第1表示制御部(61)は、第1動作モードにおいて前記状況メッセージ(M)を前記第1表示装置(21)に表示させ、第2動作モードにおいては前記状況メッセージ(M)を前記第1表示装置(21)に表示させない。以上の態様によれば、状況メッセージ(M)の表示の有無が動作モードに応じて切替えられる。解説者(C)がゲームの状況を解説する場面(例えばゲーム大会)においては、状況メッセージ(M)が表示される第1動作モードが好適である。
【0103】
[付記A7]
本発明のひとつの態様(付記A7)に係るゲームシステム(10)は、1以上のプレイヤ(P)がゲームをプレイする1以上のゲーム装置(11,12)と、前記ゲーム装置(11,12)と通信する表示制御システム(13)とを具備し、前記表示制御システム(13)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)と、前記1以上のゲーム装置(11,12)とは別体の第1表示装置(21)に前記状況メッセージ(M)を表示させる第1表示制御部(61)と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)を、前記状況メッセージ(M)を表示させずに、前記1以上のゲーム装置(11,12)とは別体の第2表示装置(31)に表示させる第2表示制御部(62)とを含む。
【0104】
[付記A8]
本発明のひとつの態様(付記A8)に係る表示制御方法は、1以上のプレイヤ(P)がゲーム装置(11,12)によりプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成し、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第1表示装置(21)に前記状況メッセージ(M)を表示させ、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)を、前記状況メッセージ(M)を表示させずに、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第2表示装置(31)に表示させる。
【0105】
[付記A9]
本発明のひとつの態様(付記A9)に係るプログラムは、1以上のプレイヤ(P)がゲーム装置(11,12)によりプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第1表示装置(21)に前記状況メッセージ(M)を表示させる第1表示制御部(61)、および、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)を、前記状況メッセージ(M)を表示させずに、前記ゲーム装置(11,12)とは別体の第2表示装置(31)に表示させる第2表示制御部(62)としてコンピュータシステムを機能させる。
【0106】
[付記B]
実況用のコンテンツがゲーム画像に重畳される特許文献1の技術では、ゲーム画像のうちコンテンツが重畳された部分を視認できないから、解説者または視聴者がゲーム画像を正確に把握できない可能性がある。以上の事情を考慮して、本発明の具体的な態様(態様B1から態様B8)は、解説者または視聴者がゲームの状況を容易かつ正確に把握できるようにすることを目的とする。
【0107】
[付記B1]
本発明のひとつの態様(付記B1)に係る表示制御システム(13)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)が配置される固定の第1領域(Gc1)と、前記状況メッセージ(M)が配置される固定の第2領域(Gc2)と、を含む画像(Gc)を、表示装置(14,21)に表示させる表示制御部(60)とを具備する。
【0108】
以上の態様においては、状況メッセージ(M)とゲーム画像(Gb)とを参照することで、視聴者(A)または解説者(C)がゲームの状況を容易かつ正確に把握できる。また、第1領域(Gc1)と第2領域(Gc2)とが固定されるから、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)の各々の位置またはサイズが変化する構成と比較して、視聴者(A)または解説者(C)がゲーム画像(Gb)および状況メッセージ(M)を確認し易いという利点がある。また、例えば、状況メッセージ(M)を確認しなくてもゲーム画像(Gb)からゲームの状況を正確に把握できるほどゲームに習熟した視聴者(A)は、固定的な第1領域(Gc1)のゲーム画像(Gb)に集中できる。すなわち、ゲームを熟知していない解説者(C)または視聴者(A)と、ゲームを熟知している視聴者(A)との双方が、ゲームの状況を把握し易いという利点がある。
【0109】
なお、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)について「固定」とは、第1領域(Gc1)および第2領域(Gc2)の各々の形態(例えばサイズおよび形状)および位置が変化しないことを意味する。
【0110】
[付記B2]
付記B1の具体例(付記B2)において、前記生成処理部(50)は、前記1以上のプレイヤ(P)が利用する1以上のゲーム装置(11,12)から、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)を取得し、前記状況データ(X)から前記状況メッセージ(M)を生成する。以上の態様においては、ゲーム装置(11,12)から取得される状況データ(X)に応じて状況メッセージ(M)が生成される。したがって、ゲームの状況を正確に表現する状況メッセージ(M)を表示装置(14,21)に表示できる。
【0111】
[付記B3]
付記B1または付記B2の具体例(付記B3)において、前記生成処理部(50)は、前記ゲームの状況を表す状況データ(X)に応じて前記ゲーム画像(Gb)および前記状況メッセージ(M)を生成する。以上の態様においては、ゲーム画像(Gb)の生成と状況メッセージ(M)の生成とに状況データ(X)が兼用される。したがって、ゲーム画像(Gb)とは独立に状況メッセージ(M)を生成する構成と比較して処理負荷が軽減される。
【0112】
[付記B4]
付記B1から付記B3の何れかの具体例(付記B4)において、前記ゲームが特定の状態に進行する前に、前記生成処理部(50)は、当該状態に関する前記状況メッセージ(M)を生成し、前記表示制御部(60)は、当該状況メッセージ(M)を前記表示装置(14,21)に表示させる。以上の態様によれば、直後または将来におけるゲームの状況を予測的に解説し、または、ゲームの進行に対して遅延なく状況を解説できる。
【0113】
[付記B5]
付記B1から付記B4の何れかの具体例(付記B5)において、前記表示制御部(60)は、第1動作モードにおいて前記状況メッセージ(M)を前記表示装置(14,21)に表示させ、第2動作モードにおいては前記状況メッセージ(M)を前記表示装置(14,21)に表示させない。以上の態様によれば、状況メッセージ(M)の表示の有無が動作モードに応じて切替えられる。解説者(C)がゲームの状況を解説する場面(例えばゲーム大会)においては、状況メッセージ(M)が表示される第1動作モードが好適である。
【0114】
[付記B6]
本発明のひとつの態様(付記B6)に係るゲームシステム(10)は、1以上のプレイヤ(P)がゲームをプレイする1以上のゲーム装置(11,12)と、前記ゲーム装置(11,12)と通信する表示制御システム(13)とを具備し、前記表示制御システム(13)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)と、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)が配置される固定の第1領域(Gc1)と、前記状況メッセージ(M)が配置される固定の第2領域(Gc2)と、を含む画像(Gc)を、表示装置(14,21)に表示させる表示制御部(60)とを含む。
【0115】
[付記B7]
本発明のひとつの態様(付記B7)に係る表示制御方法は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成し、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)が配置される固定の第1領域(Gc1)と、前記状況メッセージ(M)が配置される固定の第2領域(Gc2)と、を含む画像(Gc)を、表示装置(14,21)に表示させる。
【0116】
[付記B8]
本発明のひとつの態様(付記B8)に係るプログラムは、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表す状況メッセージ(M)を生成する生成処理部(50)、および、前記ゲームの状況を視聴するためのゲーム画像(Gb)が配置される固定の第1領域(Gc1)と、前記状況メッセージ(M)が配置される固定の第2領域(Gc2)と、を含む画像(Gc)を、表示装置(14,21)に表示させる表示制御部(60)としてコンピュータシステムを機能させる。
【符号の説明】
【0117】
10…ゲームシステム、11…第1ゲーム装置、12…第2ゲーム装置、13…表示制御システム、14…表示装置、15…表示装置、16…操作装置、20…端末装置、21…表示装置、22…収音装置、30…端末装置、31…表示装置、32…放音装置、50…生成処理部、60…表示制御部、61…第1表示制御部、62…第2表示制御部、90…通信網、131…制御装置、132…記憶装置、133…通信装置、A…視聴者、C…解説者、Ga…第1ゲーム画像、Gb…第2ゲーム画像、Gb1…領域、Gb2…領域、Gb3…領域、Gc…解説画像、Gc1…第1領域、Gc2…第2領域、M…状況メッセージ、P(P1,P2)…プレイヤ、T…変換テーブル、U…単位領域、V…音声データ、X…状況データ、X1…画像データ、X2…進行データ、Y…表示データ、Y1…画像データ、Y2…文字データ、Z…再生データ、g1…状況画像、g2…探索画像。