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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】遊技用装置及び遊技用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A63F5/04 682
A63F5/04 603C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020187731
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077084
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 瑞祥
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076492(JP,A)
【文献】特開2016-036542(JP,A)
【文献】特開2012-080936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1設定値よりも第2設定値を設定された方が遊技者に有利な遊技状態に制御され易い遊技機が複数配置された遊技場に関して、所定の情報を表示可能な遊技用装置において、
前記遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、
前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、
前記グラフ生成手段により生成されたグラフを表示可能な表示手段と、
複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報を記憶可能な稼働情報記憶手段と、
前記稼働情報記憶手段に記憶されている稼働情報に基づいて、各遊技場のランクを決定可能な遊技場ランク決定手段と、
前記遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、何れかのランクを選択可能なランク選択手段と、
前記ランク選択手段により選択されたランクに属する遊技場を特定遊技場として特定可能な特定遊技場特定手段と、を備え、
前記配置パターン情報には、前記特定遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報が含まれ、
前記集計手段は、
前記配置パターン情報に基づいて、前記特定遊技場において、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能であり、
前記グラフ生成手段は、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記特定遊技場において、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能である
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
第1設定値よりも第2設定値を設定された方が遊技者に有利な遊技状態に制御され易い遊技機が複数配置された遊技場に関して、所定の情報を表示可能な遊技用装置において、
前記遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、
前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、
前記グラフ生成手段により生成されたグラフを表示可能な表示手段と、
前記表示手段における前記グラフの表示領域に対する選択操作に基づいて、前記表示領域に対応する設定値を選択可能な設定値選択手段と、を備え、
前記表示手段は、
前記設定値選択手段により選択された設定値に対応する表示領域を分離した態様で前記グラフを表示可能である
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
第1設定値よりも第2設定値を設定された方が遊技者に有利な遊技状態に制御され易い遊技機が複数配置された遊技場に関して、グラフを表示手段に表示可能な遊技用システムにおいて、
前記遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、
前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、
複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報を記憶可能な稼働情報記憶手段と、
前記稼働情報記憶手段に記憶されている稼働情報に基づいて、各遊技場のランクを決定可能な遊技場ランク決定手段と、
前記遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、何れかのランクを選択可能なランク選択手段と、
前記ランク選択手段により選択されたランクに属する遊技場を特定遊技場として特定可能な特定遊技場特定手段と、を備え、
前記配置パターン情報には、前記特定遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報が含まれ、
前記集計手段は、
前記配置パターン情報に基づいて、前記特定遊技場において、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能であり、
前記グラフ生成手段は、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記特定遊技場において、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能である
ことを特徴とする遊技用システム
【請求項4】
第1設定値よりも第2設定値を設定された方が遊技者に有利な遊技状態に制御され易い遊技機が複数配置された遊技場に関して、グラフを表示手段に表示可能な遊技用システムにおいて、
前記遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、
前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、
前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、
前記表示手段における前記グラフの表示領域に対する選択操作に基づいて、前記表示領域に対応する設定値を選択可能な設定値選択手段と、を備え、
前記グラフ生成手段は、
前記設定値選択手段により選択された設定値に対応する表示領域を分離した態様で前記表示手段に表示可能な前記グラフを生成可能である
ことを特徴とする遊技用システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の設定値の割合に関する情報を表示する遊技用装置及び遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場に設置される遊技機の機種毎に設定値の比率を集計して表示する遊技用装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-115411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技用装置は、第1設定値よりも第2設定値を設定された方が遊技者に有利な遊技状態に制御され易い遊技機が複数配置された遊技場に関して、所定の情報を表示可能な遊技用装置において、前記遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、前記グラフ生成手段により生成されたグラフを表示可能な表示手段と、複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報を記憶可能な稼働情報記憶手段と、前記稼働情報記憶手段に記憶されている稼働情報に基づいて、各遊技場のランクを決定可能な遊技場ランク決定手段と、前記遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、何れかのランクを選択可能なランク選択手段と、前記ランク選択手段により選択されたランクに属する遊技場を特定遊技場として特定可能な特定遊技場特定手段と、を備え、前記配置パターン情報には、前記特定遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報が含まれ、前記集計手段は、前記配置パターン情報に基づいて、前記特定遊技場において、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能であり、前記グラフ生成手段は、前記集計手段の集計結果に基づいて、前記特定遊技場において、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能にしてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技場における遊技機の配置例を示す図である。
図2】遊技用装置の制御構成を示すブロック図である。
図3】遊技履歴情報の一例を示す図表である。
図4】機種管理情報の一例を示す図表である。
図5】設定値情報の一例を示す図表である。
図6】配置情報の一例を示す図である。(a)は、遊技機の配置例であり、(b)は、各店舗の配置情報の一例を示すである。
図7】配置パターンの判定基準を示す図表である。
図8】遊技機の配置及び設定値の一例を示す図である。
図9】(a)は、設定1の遊技機の配置パターンを示す図であり、(b)は、設定2の遊技機の配置パターンを示す図であり、(c)は、設定3の遊技機の配置パターンを示す図である。
図10】(a)は、設定4の遊技機の配置パターンを示す図であり、(b)は、設定5の遊技機の配置パターンを示す図であり、(c)は、設定6の遊技機の配置パターンを示す図である。
図11】配置パターン情報の一例を示す図表である。
図12】各配置パターンにおける設定値毎の遊技機台数を示す図表である。
図13】配置パターン「角台」における設定分布グラフの一例である。
図14】ランクに関する説明図である。(a)は、各店舗のアウト平均、順位、ランクを示す図表であり、(b)は、ランク基準を示す図である。
図15】マイランクの選択画面の一例を示す図である。
図16】比較ランクの選択画面の一例を示す図である。
図17】マイランクに係る角台の設定分布グラフ及び比較ランクに係る角台の設定分布グラフを含むグラフ表示画面の一例を示す図である。
図18】設定分布グラフにおいて設定値2の表示領域が分離されている表示態様を示す図である。
図19】マイランクや比較ランクと異なるランクを選択した場合の表示態様を示す図である。
図20】本発明の一実施形態に係るクラウドシステムを示す図である。
図21図20のクラウドシステムにおけるクラウドサーバの制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の遊技用装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
【0008】
本発明の遊技用装置及びプログラムは、複数の遊技場に配置されている各遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を設定値毎に計数し、その計数結果に基づいて、一の配置パターンにおける設定値の割合(分布)を示す設定分布グラフを生成及び表示する機能を有する。
この機能は、例えば、遊技場の経営者や管理者(以下、遊技場管理者という)に対する遊技情報提供サービスの一機能として提供することを想定しているところ、この種のサービスは、例えば全国など多くの遊技場(サービス加入店舗)における多くの遊技機の設定値や配置パターンなどを反映させることで、実態に基づく質の高い情報提供が可能となる。
このような実情に鑑み、本実施形態の遊技用装置は、自店舗を含む多くのサービス加入店舗(以下、単に店舗ともいう)における遊技機を対象とした設定分布グラフを生成及び表示するケースについて説明する。
なお、これに限らず、個別の店舗における遊技機を対象に設定分布グラフを生成及び表示することも可能である。
【0009】
[遊技場]
図1は、遊技場における遊技機の配置例を示す図である。
図1に示すように、一般的に、遊技場には、複数の遊技機が所定の台数ごとに纏められた遊技島2が一又は複数配置されている。
遊技島2は、片側のみに遊技機を並べた片島2aと呼ばれる配置構成と、背中合わせに片島同士を並べた両島2b、2cと呼ばれる配置構成がある。
また、遊技島間には、従業員や遊技者が通行できるように中央通路3や通路4が設けられている。
【0010】
[遊技機]
遊技機には、スロットマシンやパチンコ機などがあるが、ここでは、遊技機としてスロットマシンを適用した場合について説明する。
スロットマシンは、遊技者がメダル(遊技媒体)などの遊技価値を投入してスタートレバーを操作することにより、内部抽選を実行すると共に複数のリールが回転を開始し、各リールの回転中に、当該各リールに対応した停止ボタンを任意のタイミングで停止操作することでリールが停止し、これにより、各リールの表面に表した図柄が停止表示される。
この図柄の停止表示態様が、内部抽選の当選役に対応する図柄の組合せである場合には、所定数のメダルが払い出されるなどして遊技価値が付与される。
【0011】
スロットマシンは、遊技状態として、遊技価値を所定の割合で費やす通常遊技状態と、通常遊技状態より遊技価値の付与が期待でき遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態などがある。
特別遊技状態には、ビックボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)などがあり、内部抽選において、これらのボーナス役に当選し、入賞すると、相当数の遊技価値が付与されるようにゲームが制御される。
【0012】
また、スロットマシンは、当選確率の異なる1~6の6段階の設定値を設定することができる。
この1~6の設定値の何れかを設定することで、ビックボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)などのボーナス役の当選確率が決定される。
設定値は、通常、設定値の大きい方(本発明の第2設定値)が、ボーナス役の当選確率が高く、逆に、設定値の小さい方(本発明の第1設定値)が、ボーナス役の当選確率が低く設定されている。
つまり、本実施形態のスロットマシンは、第1設定値よりも第2設定値を設定された方が、遊技者に有利に遊技状態に制御され易い。
【0013】
[遊技用装置]
本発明の遊技用装置6は、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、複数の遊技場に配置されている遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を設定値毎に計数し、その計数結果に基づいて、一の配置パターンにおける設定値の割合を示す設定分布グラフを生成・表示するものである。
遊技用装置6は、例えば、遊技場内の所定場所(例えば、管理室など)に設置することができ、いわゆるホールコンピュータと兼用することもできる。
遊技用装置6は、図2に示すように通信部61と、記憶部62と、操作部63と、表示部64と、制御部65から構成されている。
【0014】
通信部61は、例えば、遊技用装置6がホールコンピュータとして機能する場合、図示しない中継装置(台コンピュータ、島コンピュータなど)を介して、複数の遊技機と接続されアウト信号、セーフ信号などの遊技信号を受信することができる。
なお、受信した遊技信号は、各種遊技情報(例えばアウト信号に基づくアウト)の集計に用いられる。
また、通信部61は、公衆回線(例えば、インターネット回線)などの通信回線を介して、後記クラウドサーバ8や他店舗の遊技用装置(ホールコンピュータ)などの外部の装置と通信可能に接続することもできる。
これにより、外部の装置により集計された他店舗やサービス加入店舗における遊技機のアウトなどの遊技情報を、通信回線を介して外部から取得することもできる。
【0015】
記憶部62は、遊技用装置6の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスクなど)で構成される。
記憶部62において記憶可能な情報には、遊技履歴情報(図3)、機種管理情報(図4)、設定値情報(図5)、配置情報(図6)、配置パターン情報(図11)などがある。
【0016】
図3に示す遊技履歴情報は、店舗毎に、その店舗に配置されている遊技機における遊技情報を営業日毎に記録した情報である。
具体的には、台番号毎に、機種を特定可能な情報(機種ID)、貸出レートを特定可能な情報、遊技機の稼働に関する稼働情報(アウトなど)を含む遊技情報を紐付けた情報である。
すなわち、遊技用装置6は、稼働情報記憶手段として、複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報を記憶する。
図3の例では、店舗001の台番号1の遊技機の○○年○○月○日におけるアウトが12,932であることが示されている。
なお、本実施形態において、遊技履歴情報、設定値情報、配置情報、及び配置パターン情報は、サービス加入店舗のうち200店舗分を記憶部62に記憶しているものとする。
また、サービス加入店舗には3桁の店舗番号が付されており、このうち店舗001は自店舗の店舗番号で、店舗002~200は他店舗の店舗番号とする。
自店舗の遊技履歴情報は、例えば、遊技用装置6がホールコンピュータとして、当該自店舗に設置されている各遊技機から出力される信号(アウト信号など)に基づいて集計した遊技情報(アウトなど)を記憶部62に記憶することができる。
他店舗の遊技履歴情報は、例えば、他店舗の遊技用装置などの外部の装置が集計した遊技履歴情報を、通信回線を介して61が受信するように構成することで、当該遊技履歴情報を記憶部62に記憶することができる。
自店舗及び他店舗を問わず、各店舗の遊技履歴情報を集計・保存・提供可能なクラウドサーバなどの外部の装置とインターネットなどの通信回線を介して接続することで、必要に応じ、当該外部の装置から遊技履歴情報を受信(取得)することができる。
また、外部の装置が集計・保存した遊技履歴情報をリムーバブルメディアなどの記録媒体に記憶させ、遊技用装置6が、当該記録媒体から遊技履歴情報を読み取って記憶することもできる。
遊技履歴情報、設定値情報、配置情報、及び配置パターン情報には、自店舗の遊技機(本発明の「特定の遊技場」)に関する情報が含まれるとしたが、含まなくてもよい。
【0017】
図4に示す機種管理情報は、機種のシリーズ(○○シリーズ)、系統(○○系)、機種名(パチスロA)などを特定可能な情報である。
なお、機種IDにおいて、「S」はスロットマシンを示し、「P」はパチンコ機を示す。
機種管理情報(機種ID)は、台番号と紐付けられて記憶されているため(図3参照)、遊技機毎に、機種(シリーズ、系統、機種名)を特定することができる。
例えば、店舗001の台番号1の遊技機は、シリーズAのA系の機種名「パチスロA」というスロットマシンであることを特定することができ、また、その遊技機の○○年○○月○日におけるアウトが12,932であることを特定することができる(図3及び図4参照)。
なお、機種管理情報を、遊技履歴情報と同様の方法により、外部の装置や記録媒体から取得することもできる。
【0018】
図5に示す設定値情報は、店舗毎に、その店舗における遊技機に設定されている設定値を特定可能な情報である。
すなわち、遊技用装置6は、設定値記憶手段として、各遊技場における各遊技機に設定されている設定値を記憶する。
設定値情報を参照することで、各遊技機について、6段階の設定値のうち、どの設定値が設定されているかを特定することができる。
例えば、図5に示す設定値情報からは、店舗001の台番号1の遊技機に設定されている設定値が「2」であることを特定することができる。
設定値情報は、操作部63の操作により手動で記憶(更新を含む)させたり、自動的に記憶させることができる。
このほか、自店舗の設定値情報は、例えば、所定期間毎(例えば、営業日毎)、若しくは、管理者や店員が遊技機に対して設定値を設定したことを契機に、遊技機又は他の遊技装置を介して設定値の情報を遊技用装置6に向けて送信し、遊技用装置6の通信部61が当該設定値を受信して記憶部62に記憶するように構成することができる。
自店舗及び他店舗を問わず、遊技履歴情報等と同様の方法により、外部の装置や記録媒体から設定値情報を取得することもできる。
【0019】
図6に示す配置情報は、店舗毎に、その店舗における遊技機の設置位置を示す情報である。
図6(a)は、店舗001の台番号1~30の各遊技機が配置されている様子を模式的に四角枠で示しており、その枠内に各遊技機の配置情報を示している。
図6(b)は、図6(a)における遊技機の配置情報である。
図6に示すように、配置情報は、台番号に紐付けられている。
また、図6に示すように、配置情報は、(x,y,z)の3次元の座標形式で構成することができる。
x値は、遊技機島毎に割り当てられる情報であり、同一遊技島に属する遊技機には同じ番号が割り当てられ、異なる遊技島に属する遊技機には異なる番号が割り当てられる。
また、x値は、通路4を隔てた隣接する遊技島の遊技機同士では連続値となる。
例えば、図6(a)に示される、台番号1~10の遊技機のx値には「1」が割り当てられ、台番号11~30の遊技機のx値には「2」が割り当てられる。
y値は、基本的には、同一遊技島に属する遊技機に対し、長手方向に沿って1台ずつ連続する番号が割り当てられる。
このため、y値は、隣接(連続)する遊技機同士では連続値となる。
例えば、図6(a)に示される、台番号11の遊技機のy値には「1」が割り当てられ、この遊技機に隣接する台番号12の遊技機のy値には「2」が割り当てられる。
ただし、配置情報(2,10,1)の遊技機と配置情報(2,11,1)の遊技機のように、互いに隣接しない場合でもy値が連続値となる場合がある。
z値は、遊技島の端に配置する遊技機に対し「1」が割り当てられ、それ以外の遊技機には「0」が割り当てられる。
このため、図6(a)に示される、台番号1,10の遊技機及び台番号11,20,21,30の遊技機のz値には「1」が割り当てられ、他の遊技機のz値には「0」が割り当てられる。
【0020】
このような配置情報を参照することで、遊技機の配置態様を判定することができる。
例えば、z値が「1」の遊技機は、遊技島の端に配置されていると判定することができる。
また、2つの配置情報において、x値が同値で、且つ、y値が±1の関係を有する場合には、基本的には、それらの遊技機同士は連続配置されていると判定することができる。
ただし、この場合でも、双方のz値が「1」の場合には、それらの遊技機はいずれも遊技島の端に配置されていることから、連続配置されていないと判定することができる。
このほか、2つの配置情報において、x値が同一で、且つ、y値が±2の関係を有する場合には、それらの遊技機同士は1台おきに配置されていると判定することができる(例えば、図6(a)の台番号1と台番号3の遊技機等参照)。
また、2つの配置情報において、x値が±1の関係を有し、且つ、y値が同一の場合には、それらの遊技機同士は異なる遊技島間で対向配置されていると判定することができる(例えば、図6(a)の台番号1と台番号11の遊技機等参照)。
【0021】
配置情報は、人間が生成したものでもよく、コンピュータが配置図等から読み取るなどして自動的又は半自動的に生成したものでもよい。
自店舗及び他店舗を問わず、遊技履歴情報等と同様の方法により、外部の装置や記録媒体から配置情報を取得することもできる。
【0022】
図11に示す配置パターン情報は、遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報である。
すなわち、遊技用装置6は、配置パターン情報記憶手段として、遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶する。
本実施形態の遊技用装置6は、制御部65が、設定値情報(図5)及び配置情報(図6)に基づいて配置パターン情報を生成するようにしているが、これに限らず、配置パターン情報を、人間が生成することもできる。
なお、遊技用装置6において配置パターンを生成する構成については、後記「配置パターン判定手段」において説明する。
人間が配置パターンを生成する場合は、基本的には自動生成する場合と同様であり、図7に示す各配置パターンの判定基準に基づいて判定しながら生成すればよい。
自店舗及び他店舗を問わず、遊技履歴情報等と同様の方法により、外部の装置や記録媒体から配置パターン情報を取得することもできる。
【0023】
操作部63は、例えば、キーボードやマウスなどで構成されており、遊技場の管理者や従業員が操作することにより、所定のデータや指示、命令などを選択、入力できるようになっている。
表示部64は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示手段であり、遊技場の管理者や従業員が操作部63を操作することにより、所定の情報を表示する。
【0024】
制御部65は、CPUなどで構成されており、記憶部62に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、各種制御動作を行う。
具体的には、以下に説明する、「配置パターン判定手段」、「集計手段」、「グラフ生成手段」などの動作を行う。
【0025】
制御部65は、配置パターン判定手段として、遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを判定する。
図7は、配置パターンの判定基準及び配置イメージを示す図である。
同図に示すように、配置パターンには、「単独」、「連続」、「隔台」、「角台」、及び「対面」の5パターンがある。
「単独」は、後述する「連続」、「隔台」、「角台」、「対面」のいずれにも該当しない場合の配置パターンである。
「連続」は、所定設定値の遊技機同士が連続配置されている場合の配置パターンである。
「隔台」は、所定設定値の遊技機同士が1台おきに配置されている場合の配置パターンである。
「角台」は、所定設定値の遊技機が遊技島の端に配置されている場合の配置パターンである。
「対面」は、所定設定値の遊技機同士が異なる遊技島間で対向配置されている場合の配置パターンである。
「所定設定値」とは、設定値1~6のうちの一の設定値であり、設定1、設定2、設定3、設定4、設定5、設定6についてそれぞれ配置パターンを判定する。
なお、「設定x」と「設定値x」とは同義である。
【0026】
具体的な配置パターンの判定方法について、図8図11を参照しながら説明する。
図8は、遊技機の配置及び設定値の一例である。
同図は、一例として、店舗001における台番号1~20の遊技機を対象に、各遊技機が配置されている様子を模式的に四角枠で示している。
各枠内には、各遊技機に設定されている設定値を示し(図5参照)、各枠上には、各遊技機の台番号と配置情報を示している(図6参照)。
同図に示すように、本例では、台番号1~20の遊技機が一列に配置された遊技島と、台番号2~20の遊技機が一列に配置された遊技島とが、通路4を挟んで並列に配置された様子が示されている。
【0027】
(1)設定1の遊技機の配置パターン
図9(a)は、図8から設定1の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定1の遊技機は、配置情報(1,6,0)、(2,10,1)の遊技機が該当する。
(1,6,0)の遊技機は、z値が「0」であり、遊技島の端に配置されていないことから、「角台」に該当しない(図7の「角台」参照)。
また、(1,6,0)の遊技機は、他の設定1の遊技機((2,10,1)の遊技機)との関係において、「x値が同値で、且つ、y値が±1」ではなく、つまり、連続配置されていないことから、「連続」に該当しない(図7の「連続」参照)。
また、(1,6,0)の遊技機は、他の設定1の遊技機((2,10,1)の遊技機)との関係において、「x値が同値で、且つ、y値が±2」ではなく、つまり、1台おきに配置されていないことから、「隔台」に該当しない(図7の「隔台」参照)。
また、(1,6,0)の遊技機は、他の設定1の遊技機((2,10,1)の遊技機)との関係において、「x値が±1で、且つ、y値が同値」でなく、つまり、異なる遊技島間で対向配置されていないことから、「対面」に該当しない(図7の「対面」参照)。
つまり、(1,6,0)の遊技機は、「連続」、「隔台」、「角台」、「対面」の何れにも該当しないことから、「単独」に該当する(図7の「単独」参照)。
(2,10,1)の遊技機は、z値が「1」であり、遊技島の端に配置されていることから、「角台」に該当する。
なお、(2,10,1)の遊技機は、「連続」や「隔台」や「対面」には該当しない。なお、一度説明した配置パターンの具体的な判定方法は省略する(以下、同じ)。
以上のことから、設定1の遊技機の配置パターンについては、配置情報(1,6,0)の遊技機は「単独」と判定され、配置情報(2,10,1)の遊技機は「角台」と判定される。
【0028】
(2)設定2の遊技機の配置パターン
図9(b)は、図8から設定2の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定2の遊技機は、配置情報(1,1,1)、(1,2,0)、(2,3,0)、(2,4,0)、(2,5,0)の遊技機が該当する。
(1,1,1)の遊技機は、「角台」に該当する。
また、(1,1,1)の遊技機は、他の設定2の遊技機((1,2,0)の遊技機)との関係において、「x値が同値で、且つ、y値が±1」であり、つまり、連続配置されていることから、「連続」に該当する(図7の「連続」参照)。「隔台」や「対面」には該当しない。
(1,2,0)の遊技機は、他の設定2の遊技機((1,1,1)の遊技機)との関係において、連続配置されていることから、「連続」に該当する。
(2,3,0)の遊技機は、他の設定2の遊技機((2,4,0)の遊技機)との関係において、連続配置されていることから、「連続」に該当する。
(2,4,0)の遊技機は、他の設定2の遊技機((2,3,0)、(2,5,0)の遊技機)との関係において、連続配置されていることから、「連続」に該当する。
(2,5,0)の遊技機は、他の設定2の遊技機((2,4,0)の遊技機)との関係において、連続配置されていることから、「連続」に該当する。
なお、(1,2,0)、(2,3,0)、(2,4,0)の遊技機は、「隔台」や「角台」や「対面」には該当しない。
以上のことから、設定2の遊技機の配置パターンについては、配置情報(1,1,1)の遊技機は「角台」及び「連続」と判定され、配置情報(1,2,0)、(2,3,0)、(2,4,0)の遊技機は「連続」と判定される。
【0029】
(3)設定3の遊技機の配置パターン
図9(c)は、図8から設定3の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定3の遊技機は、配置情報(1,3,0)、(1,5,0)、(1,7,0)、(1,10,1)、(2,7,0)の遊技機が該当する。
(1,3,0)の遊技機は、他の設定3の遊技機((1,5,0)の遊技機)との関係において、「x値が同値で、且つ、y値が±2」であり、つまり、1台おきに配置されていることから、「隔台」に該当する(図7の「隔台」参照)。「隔台」以外は該当しない。
(1,5,0)の遊技機は、他の設定3の遊技機((1,3,0),(1,7,0)の遊技機)との関係において、「隔台」に該当する。「隔台」以外は該当しない。
(1,7,0)の遊技機は、他の設定3の遊技機((1,5,0)の遊技機)との関係において、「隔台」に該当する。
また、(1,7,0)の遊技機は、他の設定3の遊技機((2,7,0)の遊技機)との関係において、「x値が±1で、且つ、y値が同値」であり、つまり、異なる遊技島間で対向配置されていることから、「対面」に該当する(図7の「対面」参照)。
(1,10,1)の遊技機は、「角台」に該当する。
(2,7,0)の遊技機は、「対面」に該当する。
以上のことから、設定3の遊技機の配置パターンについては、配置情報(1,3,0),(1,5,0)の遊技機は「隔台」と判定され、配置情報(1,7,0)の遊技機は「隔台」及び「対面」と判定され、配置情報(1,10,1)の遊技機は「角台」と判定され、配置情報(2,7,0)の遊技機は「対面」と判定される。
【0030】
(4)設定4の遊技機の配置パターン
図10(a)は、図8から設定4の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定4の遊技機は、配置情報(1,4,0)、(1,9,0)、(2,6,0)、(2,8,0)、(2,9,0)の遊技機が該当する。
(1,4,0)の遊技機は、「単独」に該当する。
(1,9,0)の遊技機は、「対面」に該当する。「対面」以外は該当しない。
(2,6,0)の遊技機は、「隔台」に該当する。「隔台」以外は該当しない。
(2,8,0)の遊技機は、「隔台」及び「連続」に該当する。「隔台」及び「連続」以外は該当しない。
(2,9,0)の遊技機は、「連続」及び「対面」に該当する。「連続」及び「対面」以外は該当しない。
以上のことから、設定4の遊技機の配置パターンについては、配置情報(1,4,0)の遊技機は「単独」と判定され、配置情報(1,9,0)の遊技機は「対面」と判定され、配置情報(2,6,0)の遊技機は「隔台」と判定され、配置情報(2,8,0)の遊技機は「隔台」及び「連続」と判定され、配置情報(2,9,0)の遊技機は「連続」及び「対面」と判定される。
【0031】
(5)設定5の遊技機の配置パターン
図10(b)は、図8から設定5の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定5の遊技機は、配置情報(2,2,0)の遊技機が該当する。
(2,2,0)の遊技機は、「単独」に該当する。
以上のことから、設定5の遊技機の配置パターンについては、配置情報(2,2,0)の遊技機は「単独」と判定される。
【0032】
(6)設定6の遊技機の配置パターン
図10(c)は、図8から設定6の遊技機だけを特定した図である。
同図に示すように、設定6の遊技機は、配置情報(1,8,0)、(2,1,1)の遊技機が該当する。
(1,8,0)の遊技機は、「単独」に該当する。
(2,1,1)の遊技機は、「角台」に該当する。「角台」以外は該当しない。
以上のことから、設定6の遊技機の配置パターンについては、(1,8,0)の遊技機は「単独」と判定され、配置情報(2,1,1)の遊技機は「角台」と判定される。
【0033】
配置パターン判定手段、すなわち、上記(1)~(6)の判定処理は、店舗001~200に設置されているすべての遊技機を対象に実行される。
これにより、店舗001~200における各遊技機について、設定値毎の配置パターンの判定結果を得ることができる。
図11は、店舗001~200における各遊技機を対象にして実行された配置パターン判定手段の判定結果を示す配置パターン情報である。
この配置パターン情報によれば、各店舗における各遊技機について設定値毎に配置パターンを特定することができる。
なお、ここでは、遊技用装置6が、各店舗の設定値情報(図5)及び配置情報(図6)に基づいて、設定値毎の配置パターンを判定してその判定結果として配置パターン情報(図11)を得る例について説明したが、これに限るものではない。
例えば、各店舗(自店舗及び他店舗を含む)の配置パターン情報は、その店舗の遊技用装置など外部の装置により生成されたものや人間が生成したものを、通信回線又は記録媒体を介して取得することもできる。
【0034】
制御部65は、集計手段として、配置パターン情報記憶手段により記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計する。
例えば、図11に示す配置パターン情報に基づけば、「単独」の台数は、設定値1が1台、設定値4が1台、設定値5が1台、設定値6が1台と集計される。
また、「連続」の台数は、設定値2が5台、設定値4が2台と集計される。
また、「隔台」の台数は、設定値3が3台、設定値4が2台と集計される。
また、「角台」の台数は、設定値2が1台、設定値3が1台、設定値6が1台と集計される。
また、「対面」の台数は、設定値1が1台、設定値3が2台、設定値4が2台と集計される。
なお、「連続」、「隔台」、「対面」は、該当する複数の遊技機の両方をそれぞれ集計対象に含めたが、一方だけを集計対象としてもよい。
例えば、(1,7,0)の遊技機と(2,7,0)の遊技機は、それぞれが「対面」に該当することから、それぞれ「1」を加算することで合計「2」を加算するようにしたが、この場合「2」を加算するのではなく「1」を加算するようにしてもよい。
このような集計処理を店舗001~200におけるすべての遊技機について実行する。
図12は、集計手段の集計結果の一例を示すデータ(以下、パターン設定台数ともいう)である。なお、図12に示す各台数は、便宜上設定したものであり、必ずしも実態に沿うものではない。
パターン設定台数によれば、店舗001~200における全遊技機を対象に、各配置パターンにおける設定値毎の遊技機台数を把握することができる。
図12の例によれば、配置パターン「角台」の遊技機台数は、設定1:6台、設定2:10台、設定3:10台、設定4:20台、設定5:20台、設定6:20台であることを把握することができる。
また、本実施形態では、各店舗の設定値情報(図5)及び配置情報(図6)に基づいて生成した配置パターン情報(図11)に基づいてパターン設定台数を集計する例について説明したが、これに限るものではない。
例えば、各店舗(自店舗及び他店舗を含む)のパターン設定台数は、その店舗の遊技用装置など外部の装置により生成されたものや人間が生成したものを、通信回線又は記録媒体を介して取得することもできる。
【0035】
制御部65は、グラフ生成手段として、集計手段の集計結果に基づいて、一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフ(設定分布グラフ)を生成する。
これにより、制御部65は、グラフ生成手段により生成された設定分布グラフを表示部64(表示手段)に表示させることができる。
図13は、配置パターン「角台」の設定分布グラフの一例である。
図13は、具体的には、図12における集計結果のうち、「角台」の集計結果に基づいて生成された設定分布グラフである。
例えば、図13に示す設定分布グラフからは、「角台」の配置パターンの遊技機においては、低設定値(特に設定値1)の設定割合は比較的に低く、設定値4~6などの高設定値の割合が比較的高いことや、高設定台が半数以上の割合を占めていることなどを、視覚を通じて直観的に、且つ、瞬時に把握することができる。
なお、図13は、「角台」の設定分布グラフであるが、「隔台」、「連続」、「対面」、「単独」といった別の配置パターンの設定分布グラフを生成・表示することも可能である(図示省略)。
このような設定分布グラフによれば、特定位置の遊技機について、どのような設定値がどの程度設定されているかといった設定値の割合の傾向を容易に把握することができる。
また、図13は、全遊技機(全てのスロットマシン)を対象とする設定分布グラフであるが、機種(シリーズ、系統、機種名)や貸出レート等を特定し、当該特定された遊技機を対象とする設定分布グラフを生成・表示することもできる。
また、一配置パターンにおける設定分布グラフを、円グラフではなく、他のグラフ(例えば棒グラフ、折れ線グラフ、レーダーチャートなど)で生成・表示することもできる。
【0036】
(指定ランク店に係る設定分布グラフ)
次に、指定ランク店に係る設定分布グラフについて説明する。
ここで「ランク」とは、設置している遊技機の稼働の多寡によって定まる店舗のランクのことをいい、具体的には、各店舗の稼働情報に基づいて群単位に定まるグループ順位のことをいう。
遊技用装置6においては、制御部65が、遊技場ランク決定手段として、複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報に基づいて、各遊技場のランクを決定する。
ランクの具体的な決定方法について図14を参照しながら説明する。
図14(a)は、店舗001~200における店舗毎のアウト平均、順位、及びランクを表した図表である。
「アウト平均」は、順位やランクを決定するための基準となる稼働に関する遊技情報である。
本実施形態の遊技用装置6では、対象期間として最新週が初期設定されており2018年第1週におけるアウトが集計対象となる。このアウトは、遊技履歴情報(図3)から抽出することができる。
本実施形態において、アウトの集計対象は、対象機種としてシリーズAが初期設定されており、対象の貸出レートとして20円が初期設定されているものとする。
このため、本実施形態では、店舗に設置されている各種遊技機のうち、シリーズAの機種で、且つ、貸出レート20円のスロットマシン(20スロともいう)における、2018年第1週における1日当りのアウトの平均を、上記「アウト平均」として用いる。
なお、特定のシリーズではなく、特定の系統、機種名を集計対象にしたり、全遊技機を集計対象にすることもできる。
また、対象期間や他の期間(例えば、他の週、月、年、日、及びこれらの任意の期間)に変更することもできる。
また、貸出レートを他のレート(例えば、5スロやレート指定なし)に変更することもできる。
また、売上その他の遊技情報を用いることもできる(図3参照)。
【0037】
図14(a)に示す「順位」は、店舗001~200におけるアウト平均に基づいて決定された各店舗の個別の順位である。
順位は、アウト平均が高い順に決定され、順位が小さいほど稼働が高い店舗であり、順位が大きいほど稼働が低い店舗である。
図14(a)に示す「ランク」は、「アウト平均」に基づき店舗001~200を1~5の5段階にランク付けしたものである。
具体的には、図14(b)に示すように、上位20%以内(すなわち1位~40位の順位)の店舗は、ランク5(優良店)と判定される。
同様に、上位21%~40%(すなわち41位~80位の順位)の店舗は、ランク4(中間店)と判定される。
同様に、上位41%~60%(すなわち81位~120位の順位)の店舗は、ランク3(中間店)と判定される。
同様に、下位21%~40%(すなわち121位~160位の順位)の店舗は、ランク2(中間店)と判定される。
同様に、下位20%以内(すなわち161位~200位の順位)の店舗は、ランク1(改善点)と判定される。
つまり、ランクが小さいほど(1に近いほど)稼働が低いグループに属する店舗であり、ランクが大きいほど(5に近いほど)稼働が高いグループに属する店舗である。
なお、「全部」は、ランク1~5の全部の合算平均が属するランクである。
例えば、図14(a)に示すように、合算平均が「7,777」で、これを順位付けした場合に「70位」であった場合には、ランク4と判定される。
【0038】
そして、これら「1~5、及び、全部」のランクの中から任意のランクを選択することで、当該ランクに属する店舗における遊技機を特定する。
遊技用装置6においては、制御部65が、ランク選択手段として、遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、何れかのランクを選択し、特定遊技場特定手段が、ランク選択手段により選択されたランクに属する遊技場(以下、特定遊技場という)が特定される。
例えば、ランク3を選択した場合は、アウト平均に基づく順位が81位~120位の店舗(ランク3店舗)が特定遊技場として特定される。順位によらず、アウト平均(下位41%~60%)に基づいて、直接、特定遊技場を特定してもよい。
ランクの選択は、操作部63により行うことができる。
つまり、任意のランクを指定することができる。
このため、例えば、自店舗におけるアウト平均から特定又は想定される自店舗のランクを指定することができる。
ここで、記憶部62に記憶している配置パターン情報(図11)には、特定遊技場(例えば、自店舗のランクと同じランク3店舗に該当する81位~120位の店舗)における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報が含まれている。
このため、制御部65は、集計手段として、この配置パターン情報に基づいて、特定遊技場において、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計することができる。
そして、制御部65は、グラフ生成手段として、集計手段の集計結果に基づいて、特定遊技場において、一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成することができる。
これにより、制御部65は、指定したランク店に係る設定分布グラフを表示部64に表示することができる。
例えば、遊技場管理者において、自店舗や系列店(自身が経営する複数の店舗を含む)が属すると思われるランクを選択(指定)することで、当該ランクにおける各配置パターンの設定分布グラフを参照することができる。
また、その後、自店舗や系列店のランクと異なるランク(例えば1つ上のランク)を指定して各配置パターンの設定分布グラフを参照することで、相対的に、低ランクと高ランクにおける設定分布の違いを把握することができる。
これにより、例えば、特定の配置パターンの遊技機について、どの設定値の割合をどの程度増減すれば高ランクへ昇格できるか、又は、低ランクへ降格する虞があるか、といった、特定位置の遊技機における設定値の配分に役立たせることができる。
【0039】
(自店舗ランクの自動選択)
本実施形態の遊技用装置6においては、自店舗のランクを自動的に決定及び選択し、当該自店舗のランクに係る設定分布グラフを表示することもできる。
具体的には、記憶部62に記憶されている遊技履歴情報、すなわち稼働情報には、自店舗(特定の遊技場)における遊技機に関する稼働情報が含まれることから、制御部65が、特定遊技場ランク決定手段として、この稼働情報に基づいて、自店舗(特定の遊技場)のランクを決定することができる。
例えば、自店舗の番号「店舗001」を操作部63により指定することで、「店舗001」の遊技履歴情報(図3参照)に含まれる稼働情報(アウト平均)に基づいて自店舗のランクを決定することができる。
なお、予め、記憶部62に自店舗の店舗番号「店舗001」を記憶させておき、例えば、プログラム起動時等に自動的にこの番号を参照させることで、操作部63によらず、指定するようにもできる。
ここで、制御部65は、ランク選択手段として、特定遊技場ランク決定手段により決定された自店舗(特定の遊技場)のランクを選択する。
例えば、決定された自店舗のランクがランク3の場合は、当該ランク3を選択する。
これにより、制御部65は、特定遊技場特定手段として、ランク選択手段により選択された自店舗(特定の遊技場)のランクに属する遊技場を特定遊技場として特定する。
つまり、自店舗と同じランク3に属する店舗(81位~120位の店舗)を特定することができる。
ここで、記憶部62に記憶している配置パターン情報(図11)には、特定遊技場(ランク3に属する81位~120位の店舗)における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な情報が含まれている。
このため、制御部65は、集計手段として、この配置パターン情報に基づいて、特定遊技場(ランク3に属する81位~120位の店舗)において、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計することができる。
つまり、自店舗のランクと同じランクの店舗において、一の配置パターンに該当する遊技機の数を、設定値毎に集計することができる。
そして、制御部65は、グラフ生成手段として、集計手段の集計結果に基づいて、自店舗(特定遊技場)において、一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示す設定分布グラフを生成することができる。
これにより、自店舗のランクを手動により選択する手間がなく、当該自店舗のランクに係る設定分布グラフを表示部64に表示することができる。
【0040】
(マイランクと比較ランクに係る設定分布グラフ)
次に、マイランクと比較ランクといった2つのランクに係る設定分布グラフを生成し、これら2つのグラフを比較可能に表示する機能について説明する。
「マイランク」は、基本的には、自店舗か自店舗に近いランクの適用が推奨されるランクをいい、「比較ランク」は、基本的には、マイランクと比較したいランクの適用が推奨されるランクをいう。
遊技用装置6において、ランク選択手段は、遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、第1ランク(マイランク)を選択可能な第1ランク選択手段と、遊技場ランク決定手段により決定可能な複数のランクのうち、第2ランク(比較ランク)を選択可能な第2ランク選択手段と、を含み、制御部65は、これら第1ランク選択手段と第2ランク選択手段とをそれぞれ実行可能にしている。
図15は、マイランクの選択画面であり、図16は、比較ランクの選択画面である。
つまり、マイランクの選択画面は、第1ランク選択手段に相当し、比較ランクの選択画面は、第2ランク選択手段に相当する。
これらの図に示されるように、各選択画面は、選択操作によって、「1~5、及び、全部」のランクの中から任意のランクを選択できるように構成されている。なお、各選択画面には、前述したランク基準が示されている。
これらの図に示すように、以下、マイランクとして「ランク3」が第1ランクとして選択され、比較ランクとして「ランク4」が第2ランクとして選択されたものとして説明する。
【0041】
遊技用装置6において、特定遊技場特定手段は、ランク選択手段により選択された第1ランクに属する遊技場を第1特定遊技場として特定可能な第1特定遊技場特定手段と、ランク選択手段により選択された第2ランクに属する遊技場を第2特定遊技場として特定可能な第2特定遊技場特定手段と、を含み、制御部65は、特定遊技場特定手段として、これら第1特定遊技場特定手段と第2特定遊技場特定手段をそれぞれ実行するようにしている。
つまり、マイランクとして選択されたランク3に属する店舗を第1特定遊技場(ランク3店舗)として特定し、比較ランクとして選択されたランク4に属する店舗を第2特定遊技場(ランク4店舗)として特定する。
第1特定遊技場及び第2特定遊技場の特定方法は、前述した特定遊技場の特定方法と同様である。
具体的には、店舗001~200の中からアウト平均が上位41%~60%(81位~120位)の店舗(ランク3店舗)を全て特定し、同様に、アウト平均が上位21%~40%(41位~80位)の店舗(ランク4店舗)を全て特定する。
【0042】
記憶部62に記憶している配置パターン情報(図11)には、第1特定遊技場(例えばランク3店舗に該当する81位~120位の店舗)における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な第1配置パターン情報と、第2特定遊技場(例えばランク4店舗に該当する41位~80位の店舗)における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な第2配置パターン情報と、が含まれている。
【0043】
遊技用装置6において、集計手段は、第1配置パターン情報に基づいて、一の配置パターン(例えば角台)における遊技機の数を、設定値毎に集計可能な第1集計手段と、第2配置パターン情報に基づいて、前記一の配置パターン(角台)における遊技機の数を、設定値毎に集計可能な第2集計手段と、を含み、制御部65は、これら第1集計手段と第2集計手段をそれぞれ実行するようにしている。
第1集計手段と第2集計手段の集計方法は、前述した集計手段の集計方法と同様である。
具体的には、ランク3店舗における遊技機について、一の配置パターン(例えば角台)に該当する遊技機の台数を設定値1~6のそれぞれについて集計すると共に、ランク4店舗における遊技機について、一の配置パターン(角台)に該当する遊技機の台数を設定値1~6のそれぞれについて集計する。
【0044】
そして、遊技用装置6において、グラフ生成手段は、第1集計手段の集計結果に基づいて、第1特定遊技場において、一の配置パターン(角台)に該当する遊技機における設定値の割合を示す第1グラフを生成可能な第1グラフ生成手段と、第2集計手段の集計結果に基づいて、第2特定遊技場において、一の配置パターン(角台)に該当する遊技機における設定値の割合を示す第2グラフを生成可能な第2グラフ生成手段と、を含み、制御部65は、これら第1グラフ生成手段と第2グラフ生成手段をそれぞれ実行するようにしている。
第1グラフ及び第2グラフの生成方法は、前述したグラフの生成方法と同様である。
具体的には、ランク3店舗における遊技機に関する一の配置パターン(例えば角台)における設定値の割合を示す設定分布グラフを第1グラフとして生成し、ランク4店舗における遊技機に関する一の配置パターン(例えば角台)における設定値の割合を示す設定分布グラフを第2グラフとして生成する。
そして、遊技用装置6の表示部64(表示手段)は、第1グラフ生成手段により生成された第1グラフと、第2グラフ生成手段により生成された第2グラフと、を比較可能に表示するようにしている。
【0045】
マイランクに係る角台の設定分布グラフと比較ランクに係る角台の設定分布グラフの表示態様について、図17図19を参照して説明する。
図17は、マイランクに係る設定分布グラフと比較ランクに係る設定分布グラフを含むグラフ表示画面の一例を示す図である。
なお、図17のグラフ表示画面は、配置パターン指定部d0に示すように、予め「角台」が選択されている(例えば初期設定により選択されている)場合の表示画面であり、このため、第1グラフ表示領域d7には、マイランクと同じランク店における「角台」に関する第1設定分布グラフG1が表示され、第2グラフ表示領域d8には、比較ランクと同じランク店における「角台」に関する第2設定分布グラフG2が表示されている。
配置パターン指定部d0において、任意の配置パターンを指定することによって、指定した配置パターン(「連続」など)に関する設定分布グラフを表示させることができる。
損益分岐指定部d1では、損益分岐割を指定することができる。本例では、初期設定として「10割」が選択されていることが示されている(四角枠参照)。
集計期間指定部d2では、集計期間を指定することができる。本例では、初期設定として「最新週」である2018年8月第1週が選択されていることが示されている。
これに限らず、「期間選択」やカレンダーアイコンを選択することで表示される期間選択画面(図示省略)において任意の期間を指定(選択)することができる。
また、休日指定として、平日又は休日の指定もできる。本例では、初期設定として、全日が指定されている。
機種指定部d3、d4では、機種(シリーズ、系統、機種名)を指定することができる。本例では、予め「パチスロA(シリーズA、A系)」が選択されている(例えば初期設定により選択されている)ことが示されている。また、本例と異なり、異なる機種を指定することもできる。
ランク指定部d5では、マイランクとしてランク3が選択されたことが示されている(括弧書き(マイランク)参照)。
また、ランク指定部d5では、第1グラフ表示領域d7に表示する第1設定分布グラフG1のランクとして、ランク3が選択されたことが示されている(四角枠参照)。
ランク指定部d6では、比較ランクとしてランク4が選択されたことが示されている(括弧書き(比較ランク)参照)。
また、ランク指定部d6では、第2グラフ表示領域d8に表示する第2設定分布グラフG2のランクとして、ランク4が選択されたことが示されている(四角枠参照)。
第1グラフ表示領域d7には、マイランクの選択画面で選択されたランクに係る第1設定分布グラフG1が初期表示される。なお、第1グラフ表示領域d8の見出しには、当該ランクの「アウト平均」(ランク3(6712枚))を表示するようにしている。
第2グラフ表示領域d8には、比較ランクの選択画面で選択されたランクに係る第2設定分布グラフG2が初期表示される。なお、第2グラフ表示領域d9の見出しには、それ当該ランクの「アウト平均」(ランク4(9201枚))を表示するようにしている。
本例の場合、マイランクとしてランク3が選択され、比較ランクとしてランク4が選択され、配置パターンとして「角台」が選択されていることから、第1グラフ表示領域d7には、マイランクに係る「角台」に関する第1設定分布グラフG1が表示され、第2グラフ表示領域d8には、比較ランクに係る「角台」に関する第2設定分布グラフG2が表示されている。
このように、2つの異なるランクに係る設定分布グラフを一画面上に並べて表示することで、自店舗のランクに係る設定分布グラフと、比較したいランクに係る設定分布グラフとを、一目で比較することができる。
本実施形態の遊技用装置6では、マイランクに自店舗のランクを指定し、比較ランクにマイランクより1つ上のランクを指定することを推奨している。
このようにすると、自店舗のランクに係る設定分布グラフと、自店舗よりも少し稼働の高いランクに係る設定分布グラフを比較可能に表示することができる。
これにより、例えば、特定の配置パターンの遊技機について、どの設定値の割合をどの程度増減すれば1段階上のランクへ昇格できるか、といったことを瞬時に分かり易く認識させることができる。
つまり、目標とする高稼働のランク店になるための手助けにすることができる。
また、比較ランクにマイランクより1つ下のランクを指定することで、自店舗のランクに係る設定分布グラフと、自店舗よりも少し稼働の低いランクに係る設定分布グラフを比較可能に表示することができる。
これにより、例えば、特定の配置パターンの遊技機について、どの設定値の割合をどの程度増減すれば1段階下のランクに降格する虞があるか、といったことを瞬時に分かり易く認識させることができる。
つまり、真似してはならない低稼働のランク店にならないための手助けにすることができる。
以上のように、本実施形態の遊技用装置6によれば、複数のランクに係る配置パターンにおける設定分布グラフを閲覧可能に表示するようにしており、これにより、特定位置の遊技機に適した設定値の配分を検討する際の手助けとなる情報を遊技場管理者に提供することができる。
なお、マイランクと比較ランクのうち何れか一方のランクに係る設定分布グラフのみを生成・表示することもできる。
また、3つ以上のランクに係る設定分布グラフを生成・表示することもできる。
また、一方のランクに係る設定分布グラフと他方のランクに係る設定分布グラフとで、機種を異ならせることもできる。
【0046】
(特定設定値の割合を見易くしたグラフ表示)
本実施形態の遊技用装置6は、特定の設定値の割合をより分かり易くなるようにグラフ表示を行うこともできる。
例えば、図18に示す第1設定分布グラフG1と第2設定分布グラフG2のように、設定値2における表示領域を分離して表示することができる。
この場合、第1設定分布グラフG1の設定2の表示領域を操作部63の操作(マウスのクリックなど)により選択すると、制御部65は、設定値2が選択されたことを認識し、当該設定値2に対応する第1設定分布グラフG1の表示領域を切り取り、分離・独立した態様にして表示させる。
また、制御部65は、第1設定分布グラフG1の表示制御と並行して、「設定値2」に対応する第2設定分布グラフG2の表示領域を切り取り、分離・独立した態様にして表示させる。
なお、図18の第1設定分布グラフG1のように、設定2の割合(パーセント)をポップアップ表示(吹き出し表示)して明示することもできる。
このようにすると、第1設定分布グラフG1の設定2の表示領域と、第2設定分布グラフG2の設定2の表示領域とを個別に比較することができる(図18参照)。
このため、第1設定分布グラフG1と第2設定分布グラフG2とを全体的に対比するよりも、さらに、個別の設定値の差異を認識し易くなる。
これにより、低ランクと高ランクにおいて、特定の設定値の割合を瞬時に比較できる。
このため、本例の場合、角台についてどの設定値の割合を増減すれば高ランクへ昇格できるのか、または、低ランクへ降格してしまう虞があるか、といったことを瞬時に分かり易く認識させることができる。
すなわち、制御部65は、設定値選択手段として、第1設定分布グラフG1と第2設定分布グラフG2のうち、何れかのグラフにおける表示領域に対する選択操作に基づいて、その表示領域に対応する設定値を選択可能であり、第1設定分布グラフG1を、設定値選択手段により選択された設定値に対応する表示領域を分離した態様で表示すると共に、第2設定分布グラフG2を、設定値選択手段により選択された設定値に対応する表示領域を分離した態様で表示できるようにしている。
なお、6段階の設定値のうち、一の設定値に対応する表示領域だけを分離・独立表示するだけでなく、二以上の設定値(例えば、奇数・偶数設定、高設定・低設定など)に対応する表示領域を分離・独立して表示することもできる。
また、第1設定分布グラフG1と第2設定分布グラフG2のうちの一方の特定設定値の表示領域のみを分離・独立して表示することもできる。
また、マイランクと比較ランクのうち何れか一方のランクに係る設定分布グラフのみを生成・表示する場合においても、特定設定値の表示領域を分離・独立して表示することもできる。
つまり、制御部65は、設定値選択手段として、設定分布グラフの表示領域に対する選択操作に基づいて、表示領域に対応する設定値を選択し、設定分布グラフを、選択された設定値に対応する表示領域を分離した態様で表示することができる。
【0047】
また、制御部65は、上記処理と並行して、特定設定値に係る設定値の割合を示す棒グラフを表示することもできる(図18の第3グラフ表示領域d9参照)。
すなわち、設定2の選択操作に伴い、選択した設定2に係る設定値の割合を、ランク3とランク4とで比較できるように棒グラフを並べて表示したり、数値(パーセント)を表示するようにしている。
このようにすると、前述した、円グラフ(G1及びG2)の分離・独立表示と併せて、特定設定値における設定割合の比較をより容易に認識させることができる。
なお、円グラフにおいて、二以上の設定値(例えば、奇数・偶数設定、高設定・低設定など)に対応する表示領域を分離・独立して表示する場合には、二以上の設定値に対応するランク3とランク4の棒グラフを表示することが好ましい。
【0048】
(ランクの変更)
図19は、図17に示す画面表示状態において、ランク指定部d5の「2」と、ランク指定部d6の「5」を選択した場合における画面遷移後の図である(四角枠参照)。
すなわち、図17は、マイランクの選択画面及び比較ランクの選択画面において選択されたランクに係る角台の設定分布グラフが初期表示される初期画面であるところ、その後のランク指定部d5,d6における操作によって選択した他のランクに係る設定分布グラフに切り替えて表示することができる。
つまり、図19の第1設定分布グラフG1は、当初、ランク3(マイランク)に係る設定分布グラフが表示されていたところを、ランク指定部d5においてランク2が選択されたことにより、ランク2に係る設定分布グラフG1に表示が変更されたものである。
また、同図の第2設定分布グラフG2は、当初、ランク4(比較ランク)に係る設定分布グラフが表示されていたところを、ランク指定部d6においてランク5が選択されたことにより、ランク5に係る設定分布グラフに表示が変更されたものである。
なお、同じランクをそれぞれ指定することで、同じランクの第1設定分布グラフG1と第2設定分布グラフG2とを表示することもできる。
このとき、第1設定分布グラフG1の配置パターンと第2設定分布グラフG2とで、機種を異ならせたり、配置パターン等を異ならせることもできる。
このように、ランクを変更することによって、様々なランクに係る設定分布グラフを比較して分析することができる。
また、ランクを変更したとしても、図19に示すように、マイランクの表示及び比較ランクの表示は固定表示されているため、当初選択したランクを忘れることがない。
このため、様々なランクにグラフ表示を切り替えた後に、当初選択したランクに係る設定分布グラフを参照したいときには、マイランクや比較ランクの表示領域を選択することで、円滑に参照することができる。
【0049】
(ランクの選択方法)
本実施形態の遊技用装置6は、マイランクと比較ランクを以下の方法によっても選択することができる。
(1)マイランクとして自店舗のランクを自動選択
前記「自店舗ランクの自動選択」と同様の構成にすることで、マイランクとして自店舗のランクを自動的に選択するようにできる。
具体的には、前記「自店舗ランクの自動選択」において「自店舗のランク」を「マイランク」と読み替えた構成により実現することができる。
(2)マイランクの手動選択に応じ、比較ランクを自動選択
この場合、遊技用装置6は、制御部65が、第1ランク選択手段として、選択操作に基づいて、第1ランク(マイランク)を選択し、第2ランク選択手段として、第1ランク(マイランク)の選択に基づいて、当該第1ランクと異なる第2ランク(比較ランク)を選択する。
例えば、マイランクの選択画面において、「ランク1~5」の中から任意のランクを選択した場合には、選択したランクの1つ上のランクを比較ランクにおいて内部的に選択するようにする。
これにより、比較ランクとして推奨するランクを半自動的に選択することができる。
なお、これに限らず、例えば、マイランクの1つ下のランクを比較ランクとして選択したり、マイランクの2つ以上、上か下の比較ランクを選択してもよい。
また、マイランクとしてランク5を選択した場合は、比較ランクとしてランク1を選択するようにもできる。
このようにすることで、絶対に真似してはいけない設定割合としての設定分布グラフG2を表示して、参照させることができる。
(3)マイランクと比較ランクを自動選択
この場合、遊技用装置6は、制御部65が、第1ランク選択手段として、特定遊技場ランク決定手段により決定された特定の遊技場のランクを第1ランクとして選択し、第2ランク選択手段として、第1ランクと異なるランクを第2ランクとして選択する。
すなわち、上記(1)の方法でマイランクとして自店舗のランクを内部的に選択し、例えば、当該ランクの1つ上のランクを比較ランクとして内部的に選択する。
これにより、ランクの選択の操作の手間をなくすことができるため、遊技場管理者の利便性を向上させることができる。
【0050】
[クラウドシステム]
次に、クラウドサーバ8を用いたときのシステムについて説明する。
図20は、複数の遊技場に設置された遊技用装置6と、遊技場外に設置されたクラウドサーバ8と、複数のユーザ端末70A~Cにおけるシステム構成例を示した図である。
【0051】
クラウドサーバ8は、例えば、遊技機メーカーやサービス運営会社などに設置され、各遊技場の遊技用装置6が集計・保存している遊技履歴情報、機種管理情報、設定値情報、配置情報、配置パターン情報、パターン設定台数といった各種情報の一部又は全部の一括管理を行う。
クラウドサーバ8は、プログラム制御により動作する情報処理装置であり、インターネット回線を介して予め契約をしたアクセス権のある複数のユーザに各種情報の提供を行う。
つまり、多くの遊技場の遊技用装置6で管理している各種情報を有効活用することができる。
また、クラウドサーバ8は、各遊技場の遊技用装置6が集計・保存している各種情報を各遊技場の遊技用装置に提供することができる。
【0052】
クラウドサーバ8は、図21に示すように通信部81と、記憶部82と、操作部83と、表示部84と、制御部85から構成されている。
通信部81は、公衆回線100を介してパソコンやスマートフォンなどの情報通信端末との間で各種情報の通信を行う。
具体的には、通信部81は、図示しないルータなどの中継装置を介してインターネット回線と接続され、さらにインターネット回線と移動体通信網との接続を介して、情報通信端末との通信ができる。
また、通信部81は、インターネットなどの公衆回線100を介し、遊技用装置6から配置パターン情報、遊技履歴情報、設定値情報、配置情報などをそれぞれ受信し、ユーザ端末70A~Cにその情報を送信する。
【0053】
記憶部82は、クラウドサーバ8が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
記憶部82に記憶されるデータには、例えば、ユーザ情報、機種管理情報、遊技場(店舗)ごとの遊技履歴情報、設定値情報、配置情報、配置パターン情報、パターン設定台数などの各種情報がある。
【0054】
操作部83は、キーボードやマウスなどの入力装置からなる操作手段である。
表示部84は、液晶モニターなどの表示手段である。
操作部83及び表示部84は、必須の構成要素ではない。
【0055】
制御部85は、CPUを備えるコンピュータで構成され、記憶部82に記憶されているプログラムを読み込むことで、クラウドサーバ8が備える各種機能を実行する。
例えば、制御部85は、遊技場の管理者が所有するパソコン、情報通信端末からの要求に応じ、ユーザ情報の登録を行い、登録したユーザのユーザ端末70A~Cに各種情報を提供する。
また、制御部85は、各遊技場における遊技用装置からの要求に応じ、各種情報を提供する。
【0056】
以上のように、本発明の遊技用装置6においては、遊技場における遊技機について、設定値毎の配置パターンを特定可能な配置パターン情報を記憶可能な配置パターン情報記憶手段と、前記配置パターン情報記憶手段に記憶されている配置パターン情報に基づいて、一の配置パターンにおける遊技機の数を、設定値毎に集計可能な集計手段と、前記集計手段の集計結果に基づいて、前記一の配置パターンの遊技機における設定値の割合を示すグラフを生成可能なグラフ生成手段と、前記グラフ生成手段により生成されたグラフを表示可能な表示手段と、を備えている。
これにより、角台などの特定位置の遊技機の設定割合を示す設定分布グラフを表示することができる。
このような設定分布グラフによれば、特定位置の遊技機について、どのような設定値がどの程度設定されているかといった設定値の割合の傾向を容易に把握することができる。
また、本発明の遊技用装置6においては、複数の遊技場における遊技機の稼働に関する稼働情報に基づき決定される複数のランクの中から第1ランクと第2ランクを選択可能なランク選択手段と、を備え、表示手段は、第1グラフ生成手段により生成された第1グラフと、第2グラフ生成手段により生成された第2グラフと、を比較可能に表示するようにしている。
これにより、店舗における遊技機の稼働に基づき決定されるランクのうち、例えば自店舗のランクとしてのマイランクとこれと比較したいランクとしての比較ランクとを指定して、これら異なるランクに係る2つの設定分布グラフを並べて表示するようにしている。
これにより、遊技場管理者は、特定位置の遊技機について、どのように設定割合にすれば遊技機の稼働率を向上させられるか、といった設定配分の際に役立てることができる。
【0057】
これに対し、従来の遊技用装置は、先行文献1に記載されているように、単に機種毎の設定比率を集計して表示しているだけであり、遊技機の配置に着目して表示するものではない。
また、近年の遊技場経営者は、どの位置の遊技機にどのような設定値を設定すれば稼働が向上するか大変興味があり、特に、来店客が注目し易い遊技機(例えば角台)について、稼働が向上するためにどの設定割合にしたら良いかが悩んでいるのが実情であった。
すなわち、特定位置の遊技機について、適切な設定配分を検討する際に手助けとなる情報を提供することが課題であったが、従来の遊技用装置では、このような課題を解決することができなかった。
本発明によれば、特定位置の遊技機の設定配分をグラフにて表示することで、特定位置の遊技機に適した設定配分を検討する際の手助けとなる情報を提供することができることから、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0058】
以上、本発明に好ましい実施形態について説明したが、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、スロットマシンのみならず、パチンコ機を遊技機に含めることもできる。
具体的には、大当りなどの当選確率が設定値によって異なるパチンコ機を適用することができる。
また、入賞口に対するパチンコ玉の入賞し易さを釘調整により行うパチンコ機を適用することもできる。この場合、釘調整の度合いを数値化したものが設定値に相当する。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機を、遊技機に含めることができる。
また、AT、RT、ARTの各種機能を含むスロットマシンであって、設定値に応じてAT等への移行のし易さなど有利度が変動するものを遊技機に含めることもできる。
また、6段階の設定値について説明したが、これに限らず、例えば、5段階以下や7段階以上の設定値を採用したり、L(LOW)・H(HIGH)など数値以外の概念の設定値を採用することもできる。
また、「連続」、「隔台」、「角台」、「対面」以外を「単独」の配置パターンと判定することについて説明したが、「連続」以外を「単独」として重複判定することもできる。
他の配置パターンを加えることもできる。
例えば、(2,3,0)、(2,4,0)、(2,5,0)の遊技機は、設定2の遊技機が3台並んで配置されることから「3連続」という配置パターンに該当するものとして、当該配置パターンにおける設定分布グラフを生成・表示することもできる。
また、配置情報の次元数を増やすことで、様々な遊技機の配置に対応することができる。
例えば、図1に示す遊技機の配置例では、中央通路4を挟んで、左側の遊技機のグループと、右側の遊技機のグループとが配置されているが、この場合、配置情報を(x,y,z,α)と4次元にして、α値をグループ識別情報とすれば、各遊技機がどちらのグループに属するかを判定でき、配置パターンの判定に役立てることができる。
例えば、グループ(α値)が異なる遊技機同士は、「連続」、「隔台」、「対面」には該当しないと判定することができる。
また、2次元の配置情報(x,y)を用いることもできる。
この場合、例えば、遊技島の長手方向をx軸、遊技島の幅方向をy軸とし、1台当りの遊技機の縦横のサイズ及び通路4の幅を、それぞれ「1」とすると、x値が±1の関係を有する場合には「連続」、x値が±2の関係を有する場合には「隔台」、y値が±2の関係を有する場合には「対面」、同一x値においてy値が端番号の場合は「角台」、それ以外は「単独」などと判定することができる。
【符号の説明】
【0059】
5 遊技機
6 遊技用装置
61 通信部
62 記憶部
63 操作部
64 表示部
65 制御部
図1
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