(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法、端末装置、情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241023BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021013960
(22)【出願日】2021-01-29
【審査請求日】2024-01-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトのアドレス https://apps.apple.com/jp/app/maternity-bouquet/id1478730305?mt=8&ign-mpt=uo%3D4 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.maternitybouquet 掲載日 令和2年7月2日 公開者 株式会社タイガアソシエイツ (2)ウェブサイトのアドレス https://www.instagram.com/p/CGW8YP9gVKv/?igshid=1mivn00vxze9z 掲載日 令和2年10月15日 公開者 医療法人 愛光会 せきレディースクリニック (3)ウェブサイトのアドレス http://www.taiga-associates.com/assets/images/maternity_bouquet.pdf 掲載日 令和2年8月6日 公開者 株式会社タイガアソシエイツ (4)ウェブサイトのアドレス http://www.taiga-associates.com/mbinvitation/ 掲載日 令和3年1月7日 公開者 株式会社タイガアソシエイツ (5)ウェブサイトのアドレス https://www.maternitybouquet.com/ 掲載日 令和3年1月21日 公開者 株式会社タイガアソシエイツ
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517095272
【氏名又は名称】株式会社タイガアソシエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】松原 清高
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-152206(JP,A)
【文献】特開2003-244283(JP,A)
【文献】特開2017-012346(JP,A)
【文献】特開2003-076819(JP,A)
【文献】特開2002-197194(JP,A)
【文献】特開2003-216748(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0240045(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0179362(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0109879(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
妊婦を支援するための支援システムであって、
出産時の前記妊婦に向けたメッセージの入力先を対象者に通知する端末装置と、
前記妊婦の出産前に前記対象者が前記入力先に入力した前記メッセージを記憶する記憶装置と、
前記メッセージを前記記憶装置から取得する情報処理装置と、
前記妊婦
が分娩室に入ってから出産するまでの期間、前記情報処理装置が取得した前記メッセージを出力する出力装置と、
を含む支援システム。
【請求項2】
妊婦を支援するための支援方法であって、
端末装置が、出産時の前記妊婦に向けたメッセージの入力先を対象者に通知するステップと、
情報処理装置が、前記妊婦の出産前に前記対象者が前記入力先に入力した前記メッセージを記憶する記憶装置から当該メッセージを取得するステップと、
出力装置が、前記妊婦
が分娩室に入ってから出産するまでの期間、前記情報処理装置が取得した前記メッセージを出力するステップと、
を含む支援方法。
【請求項3】
妊婦の出産前に入力された、出産時の当該妊婦に向けたメッセージを取得するメッセージ取得部と、
前記メッセージ取得部が取得した前記メッセージを
、前記妊婦が分娩室に入ってから出産するまでの期間、出力装置に出力させて、当該メッセージを出産時の前記妊婦に提示するメッセージ提示部と、を備える情報処理装置。
【請求項4】
前記出力装置は表示装置であり、
心音検出装置によって検出された前記妊婦の体内の胎児の心音を示す心音データを、前記心音検出装置から取得する心音取得部と、
前記心音取得部によって取得された前記妊婦の体内の胎児の心音を示す心音データから、当該心音と連動し
て形状、大きさ、および色の少なくとも何れかが変化するオブジェクトを含む映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部が生成した前記映像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、請求項
3に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妊婦を支援するための支援システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から妊婦を支援するための技術の研究・開発が進められている。例えば、下記の特許文献1には、入力された妊娠週数に対応した心音と音楽とが合成された合成音楽を出力するプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、出産直前の妊婦は極度のストレス状態となるにもかかわらず、そのような状態の妊婦をサポートすることが難しいという問題があった。その一因として、出産を迎えるタイミングを正確に予測することは難しく、深夜や早朝に出産を迎えることも少なくないことが挙げられる。このため、出産を迎えるタイミングによっては、出産直前の付き添いや出産の立会いが難しいこともある。また、近時では、感染症予防等の理由により、そもそも付き添いや立会い等ができない場合もある。また、特許文献1の技術は、妊婦が自身のスマートフォン等を用いて合成音楽を聴くというものであるため、陣痛が始まってから出産までの緊迫した状況で利用することは難しい。
【0005】
このように、従来は、出産直前の妊婦は極度のストレス状態となるにもかかわらず、そのような状態の妊婦をサポートすることが難しいケースが少なからず生じていたという問題があった。本発明の一態様は、出産直前の妊婦をサポートすることができる支援システム等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る支援システムは、妊婦を支援するための支援システムであって、出産時の前記妊婦に向けたメッセージの入力先を対象者に通知する端末装置と、前記妊婦の出産前に前記対象者が前記入力先に入力した前記メッセージを記憶する記憶装置と、前記メッセージを前記記憶装置から取得する情報処理装置と、前記妊婦の出産時に、前記情報処理装置が取得した前記メッセージを出力する出力装置とを含む。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る支援方法は、妊婦を支援するための支援方法であって、端末装置が、出産時の前記妊婦に向けたメッセージの入力先を対象者に通知するステップと、情報処理装置が、前記妊婦の出産前に前記対象者が前記入力先に入力した前記メッセージを記憶する記憶装置から当該メッセージを取得するステップと、出力装置が、前記妊婦の出産時に、前記情報処理装置が取得した前記メッセージを出力するステップとを含む。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る端末装置は、妊婦の出産予定日前の所定期間になったことを検知する時期検知部と、前記時期検知部が検知した前記所定期間に、出産時の前記妊婦に向けた前記メッセージの入力を前記対象者に求めるメッセージである要請メッセージの送信を前記妊婦に促すメッセージ要請部と、を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、妊婦の出産前に入力された、出産時の当該妊婦に向けたメッセージを取得するメッセージ取得部と、前記メッセージ取得部が取得した前記メッセージを出力装置に出力させて、当該メッセージを出産時の前記妊婦に提示するメッセージ提示部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、出産直前の妊婦をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る支援システムの概要を示す図である。
【
図2】上記支援システムが提供する出産エールの概要を示す図である。
【
図3】出産エールを要請する際のユーザの端末装置と、要請を受けた人の端末装置の画面例を示す図である。
【
図4】分娩室に設置された表示装置の表示画面の遷移と、分娩室で使用される端末装置の表示画面の例を示す図である。
【
図5】ユーザの端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】登録情報の例とサーバに記憶されるデータの例を示す図である。
【
図7】分娩室に設置される情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】ユーザの端末装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】出産時に上記情報処理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔システム概要〕
図1は、本発明の一実施形態に係る支援システム100の概要を示す図である。支援システム100は、妊婦を支援するためのシステムである。なお、支援システム100を利用する妊婦を、以下ではユーザと呼ぶ。
【0013】
図示のように、支援システム100には、ユーザの端末装置1、サーバ2、待合室用の表示装置3A~3D、待合室用の情報処理装置4、分娩室用の情報処理装置5、情報処理装置5を操作するための端末装置6、分娩室用の表示装置(出力装置)7、心音検出装置8、出産式用の情報処理装置9、および出産式用の表示装置10が含まれている。また、
図1には、支援システム100に関連する機器として、ユーザの家族や友人等の端末装置Aと医師用の情報処理装置Bについても示している。
【0014】
端末装置1は、支援システム100のユーザである妊婦が支援システム100を利用するために用いられる装置である。端末装置1は、画像の取得機能や、通信機能を備えたものであればよく、例えばスマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)であってもよい。端末装置1は、携帯型の装置であることが好ましい。
【0015】
なお、以下説明する端末装置1の各機能は、汎用のコンピュータにプログラムをインストールすることにより実現することもできる。上記プログラムは、アプリケーションソフトウェア(以下、妊婦支援アプリと称する)と呼ぶこともできる。以下では、端末装置1が、妊婦支援アプリをインストールしたスマートフォンである例を説明する。端末装置1は、ユーザが支援システム100を利用する際のコントローラとして機能する。
【0016】
サーバ2は、支援システム100において使用される各種データを記憶する装置である。サーバ2は、データの記憶以外にも、データの管理や転送などの機能を備えたものであってもよく、例えば、ウェブサーバ等であってもよい。
【0017】
表示装置3A~3Dと情報処理装置4は、待合室におけるユーザの支援に用いられる。また、情報処理装置9と表示装置10は出産式に用いられる。出産式とは、ユーザの妊娠期間を振り返りつつ、出産をお祝いするセレモニーであり、ユーザの出産後に行われる。これらの支援については後述する。
【0018】
分娩室に配置される情報処理装置5は、分娩室におけるユーザの支援のための各種処理を行う。端末装置6は、情報処理装置5を操作するための装置である。端末装置6は、例えば、タブレットPC等であってもよい。表示装置7は、画像を表示する装置である。心音検出装置8は、胎児の心音を検出する装置である。心音検出装置8は、例えばマイクであってもよい。この場合、心音検出装置8を、心拍計等の胎児の心音を検出する医療機器(分娩監視装置)の近傍に配置する。心音検出装置8をマイクとした場合、心音検出装置8と分娩監視装置とを接続する必要がない。また、分娩監視装置がどのようなものであるかにかかわらず、同じ心音検出装置8で胎児の心音を検出することができるという利点もある。
【0019】
分娩時において、情報処理装置5は、分娩時のユーザに向けたメッセージであって、分娩前にサーバ2に蓄積されたメッセージを取得し、表示装置7に表示させる。分娩のタイミングを正確に予測することは難しく、分娩に立ち会ってユーザを励ますことが難しい場合もあるが、上記のように予めメッセージを蓄積しておくことにより、分娩時のユーザを励ますことができる。
【0020】
また、分娩時において、情報処理装置5は、心音検出装置8で検出した胎児の心音と連動して変化するデジタルアート映像(以下、心音アートと呼ぶ)を生成し、表示装置7に表示させる。これにより、ユーザに胎児の鼓動を認識させ、リラックスさせる効果が期待できる。
【0021】
支援システム100では、端末装置1が、出産時の前記妊婦に向けたメッセージの入力先を対象者に通知する。なお、ここで「出産時」とは、出産直前の期間であり、例えば、妊婦が分娩室に入ってから出産するまでの期間である。そして、サーバ2が、前記妊婦の出産前に前記対象者が前記入力先に入力した前記メッセージを記憶する。情報処理装置5は、前記メッセージをサーバ2から取得し、前記妊婦の出産時に、表示装置7が、情報処理装置5が取得した前記メッセージを表示出力する。なお、メッセージは、例えば文字であってもよいし、静止画像であってもよく、動画像(映像)であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、出産時の妊婦に向けたメッセージを出産前にサーバ2に蓄積しておき、出産時にそのメッセージを表示出力するので、付き添いや立会いができない場合であっても、出産直前の妊婦を上記メッセージで励まし、サポートすることができる。また、出産直前で極度のストレス状態にあるときのサポートは有難く、嬉しいものであるから、支援システム100を導入することにより、産院の満足度を高めることができる。このサービスを以下では出産エールと呼ぶ。
【0023】
〔受診の支援〕
支援システム100は、ユーザの受診の支援を行うこともできる。具体的には、妊婦支援アプリは、受診前に医師への相談事項等のメッセージの入力を受け付ける。入力されたメッセージは、サーバ2に送信され、記憶される。そして、診察を行う医師等は、診察時に診察室に設置された情報処理装置B等のコンピュータにより、サーバ2に記憶されているメッセージを読み出し、表示させる。これにより、相談したい事項が何であったか忘れてしまったり、受診時に医師に伝え忘れたりすることを防ぎ、納得のいく診察を受けることが可能になる。なお、受診の支援は支援システム100の必須の機能ではない。
【0024】
〔待合室における支援〕
表示装置3A~3Dは、4台一組で一連の画像を表示させる。情報処理装置4は、診察待ち中のユーザがリラックスできるようなデジタルアート映像を表示装置3A~3Dに表示させてもよい。4連の表示装置3A~3Dに表示させることにより、ユーザの視野一杯に映像が表示されるので、映像空間への没入感を高めて、ユーザをリラックスさせることができる。また、表示装置3A~3Dには外枠が設けられていてもよい。この場合、待合室全体がユーザをリラックスさせる空間となるように、待合室内に配置する椅子等についても、表示装置3A~3Dの外枠と色やデザインが調和するようなものとすることが好ましい。なお、待合室に設置する表示装置の数やサイズ、形状等は適宜変更することができる。表示装置の数に関しては、例えば、表示装置3A~3Dの代わりに1~3台、あるいは5台以上の表示装置を配置してもよい。
【0025】
また、情報処理装置4は、上述したメッセージの送信が待合室内で行われたことを検出し、当該検出を契機として表示装置3A~3Dに表示させる画像を変化させてもよい。例えば、情報処理装置4は、花びらが舞い落ちるデジタルアート映像を表示させているときに、メッセージの送信を検出したときには、舞い落ちる花びらの中を蝶が飛ぶ映像を表示させてもよい。これにより、ユーザは、入力したメッセージが産院で受け付けられたことを確認することができる。また、デジタルアート映像に変化が起きることにより、ユーザを飽きさせないという効果もある。なお、待合室における支援は支援システム100の必須の機能ではない。
【0026】
〔出産式〕
出産式では、ユーザが妊娠期間中の経験を振り返るための映像コンテンツを表示する。この映像コンテンツは、妊娠期間中にユーザが撮影した画像を用いて生成されるため、ユーザに応じたオリジナルのコンテンツとなる。支援システム100は、この映像コンテンツを生成するための各種処理を行う。
【0027】
具体的には、支援システム100では、端末装置1が、ユーザの妊娠期間中に設定された複数の所定の時期の到来を検知し、その所定の時期ごとに、妊娠期間を振り返るための映像コンテンツに組み込む画像の撮影を促す。撮影された画像は、サーバ2に送信されて記録される。
【0028】
そして、出産式において、情報処理装置9は、前記画像をサーバ2から取得し、当該画像を組み込んだ映像コンテンツを生成し、生成した映像コンテンツを表示装置10に表示させる。これにより、出産したユーザに妊娠期間中の経験を振り返る機会を提供することができる。また、ユーザは、妊娠期間中の経験を振り返ることにより、生まれてきてくれたわが子への愛情を改めて実感することができる。なお、出産式に関する上述の各機能は支援システム100の必須の機能ではない。
【0029】
〔出産時における支援(出産エール)の概要〕
図2は、出産エールの概要を示す図である。支援システム100では、出産時のユーザに向けたメッセージの入力を、ユーザの出産前に受け付けて蓄積しておき、蓄積したメッセージを出産時のユーザに提示する。これにより、極度のストレス状態となる出産直前の妊婦を励まし、勇気付けることができる。
【0030】
図2に示すように、出産エール用のメッセージを送信したいユーザの家族や友人等は、自身の所持する端末装置Aを用いてメッセージを入力すればよい。入力したメッセージは、ユーザの出産時まで、図示しないサーバ2に蓄積される。
【0031】
そして、ユーザの出産が近付いて分娩室に入ると、分娩室に設置された表示装置7に、上述のようにして入力・蓄積された出産エール用のメッセージが表示される。詳細は後述するが、サーバ2からのメッセージの取得と、取得したメッセージの表示制御は情報処理装置5が行う。
【0032】
〔出産エールの要請〕
支援システム100では、ユーザが出産エールの要請を行いやすくするための工夫がなされている。これについて
図3に基づいて説明する。
図3は、出産エールを要請する際の端末装置1と端末装置Aの画面例を示す図である。なお、
図3におけるa1、a2が端末装置1に表示される画面例であり、b1、b2が端末装置Aに表示される画面例である。
【0033】
出産予定日前の所定期間に入ったユーザが妊婦支援アプリを起動すると、端末装置1には、a1のような画面が表示される。画面a1には、出産エールを送ってもらうことを促すメッセージa11が表示されている。このような画面a1を表示させることにより、ユーザに出産エールについて認識してもらい、出産エールのサービスを利用するきっかけを与えることができる。
【0034】
ユーザがメッセージa11を選択する操作を行うと、妊婦支援アプリは、出産エールを要請するための要請メッセージの送信方法と、要請メッセージの送信先をユーザに選択させる。例えば、妊婦支援アプリは、要請メッセージの送信方法を選択させる画面a2を表示させることにより、送信方法を選択させてもよい。画面a2には、要請メッセージをSNS(Social Networking Service)で送信するためのオブジェクトa21と、SMS(Short Message Service)で送信するためのオブジェクトa22が表示されている。なお、これらの送信方法は例示にすぎず、例えば電子メール等の他の手段で要請メッセージを送信してもよいことはいうまでもない。
【0035】
画面a2において、オブジェクトa21が選択された場合、妊婦支援アプリは、端末装置1にインストールされているSNSアプリを起動し、SNSアプリに登録されている連絡先候補を表示させて、その中から要請メッセージの送信先(1つであっても複数であってもよい)をユーザに選択させる。そして、妊婦支援アプリは、選択された送信先に要請メッセージを送信する。なお、オブジェクトa22が選択された場合も、起動するアプリがSMSアプリに代わるだけで行われる処理は同様である。
【0036】
図3では、要請メッセージを妊婦の母親にSNSで送信した例を示している。この場合、母親は、自身の端末装置Aで要請メッセージを確認する。要請メッセージを表示したときの画面例がb1である。画面例b1には、SNSアプリにおけるメッセージのタイムラインが表示されており、このタイムラインには、娘(すなわちユーザ)からのメッセージb11と、これに対して母親が送信した返信メッセージb12が含まれている。
【0037】
画面例b1に表示されているメッセージのうちメッセージb11が、妊婦支援アプリにより生成され、送信された要請メッセージである。メッセージb11には、出産エールの登録を求める旨のメッセージと共に、メッセージの入力先(例えば出産エールの入力用のウェブページ)のURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。
【0038】
母親が、上記URLにアクセスしたときの画面例がb2である。画面例b2には、出産エール用のメッセージ入力欄b21と、入力者の名前またはニックネームの入力欄b22と、送信ボタンb23が含まれている。母親は、入力欄b21に娘(ユーザ)へのメッセージを入力し、入力欄b22に自身の名前またはニックネームを入力して、送信ボタンb23を選択すればよい。これにより、入力されたメッセージと名前またはニックネームがサーバ2に送信され、蓄積される。
【0039】
〔出産時の処理の概要〕
図4は、分娩室に設置された表示装置7の表示画面の遷移(d1~d5)を示す図である。なお、以下で説明する表示画面の遷移は例示にすぎず、適宜変更することができる。また、出産時には少なくとも出産エールのメッセージを表示させればよく、その他の情報の表示は必須ではない。
【0040】
図4には、出産時における端末装置6の表示画面の例(同図のc1)もあわせて示している。端末装置6の表示画面c1は、情報処理装置5を操作するための操作用画面であり、c11~c14の4つのオブジェクトが含まれている。c11は、表示装置7にホーム画面を表示させるためのオブジェクトである。c12は、表示装置7に出産エールを表示させるためのオブジェクトである。c13は、表示装置7に心音アートを表示させるためのオブジェクトである。c14は、出産が終わったことを情報処理装置5に通知するためのオブジェクトである。産院のスタッフや医師等は、c11~c14を適宜選択することにより、ユーザの状況に合わせた画像を表示装置7に表示させることができる。
【0041】
出産直前になってユーザが分娩室に入ると、表示装置7には、d1に示すようなホーム画面が表示される。ホーム画面d1には、この画面がホーム画面であることを示す「HOME」という文字列d11が表示されている。なお、ホーム画面の表示内容は任意であり、文字列d11を表示することは必須ではない。
【0042】
ホーム画面d1の表示開始後、所定時間が経過すると、表示装置7には、d2に示すような出産エールのトップ画面が表示される。なお、出産エールを表示させるためのオブジェクトc12が選択されたときにもトップ画面d2が表示される。トップ画面d2には、「出産エール」という文字列d21が表示されており、この表示により、出産エール用のメッセージが表示されることをユーザに認識させることができる。
【0043】
トップ画面d2の次に、表示装置7には、d3に示すような出産エール表示画面が表示される。出産エール表示画面d3には、
図3に示すようにして入力された、メッセージd31と、その入力者の名前d32が表示されている。
図4の例では1つのメッセージd31のみ示しているが、複数のメッセージが蓄積されていた場合には、各メッセージとその入力者が順次表示される。そして、全てのメッセージの表示が終了すると、表示装置7には再度ホーム画面d1が表示される。
【0044】
ここで、端末装置6において、心音アートを表示させるためのオブジェクトc13が選択されると、表示装置7には、d4に示すような心音アートの映像が表示される。映像d4には、ユーザの体内の胎児の心音と連動して変化するオブジェクトd41が含まれている。オブジェクトd41は、胎児の振動と連動して、形状、大きさ、および色の少なくとも何れかが変化する。これにより、ユーザに胎児の鼓動を認識させ、リラックスさせる効果が期待できる。また、胎児も生まれてこようと頑張っていることを、視覚を通じてユーザに認識させ、ユーザの心を支えることができる。
【0045】
心音アートの表示中に、端末装置6において、出産が終わったことを通知するためのオブジェクトc14が選択されると、表示装置7には、d5に示すような、ユーザを祝福する画像が表示される。画像d5には、出産を祝うメッセージと、出産の日付が表示されている。これにより、出産を祝う雰囲気を演出することができる。
【0046】
〔端末装置の構成例〕
図5は、端末装置1の構成例を示すブロック図である。図示のように、端末装置1は、端末装置1の各部を統括して制御する制御部11と、端末装置1が使用する各種データを記憶する記憶部12を備えている。また、端末装置1は、端末装置1に対する入力操作を受け付ける入力部13、端末装置1が他の装置と通信するための通信部14、画像を表示する表示装置である表示部15、および画像を撮影する撮影装置である撮影部16を備えている。なお、入力部13はタッチパネルであってもよく、この場合、表示部15の表示面が入力部13の入力面を兼ねることになる。
【0047】
制御部11には、登録処理部111、時期検知部112、メッセージ要請部(要請部)113、要請補助部114、および通知部115が含まれている。また、記憶部12には、登録情報121と定型メッセージ122が記憶されている。なお、上述のように、端末装置1の各機能、すなわち登録処理部111~通知部115の各部の機能は、妊婦支援アプリにより実現することもできる。
【0048】
登録処理部111は、支援システム100の利用者登録のための処理を行う。具体的には、登録処理部111は、支援システム100においてユーザを識別する識別情報や、時期の到来判定の基準となる出産予定日あるいは妊娠週数等の支援サービスの提供のために必要な情報の入力を受け付ける。ユーザの識別情報は、ユーザを一意に識別できるものであればよく、例えばユーザ名やユーザID等であってもよいが、産院の診察券番号をユーザの識別情報として用いることが好ましい。これにより、例えば診察時の相談事項の受付等をスムーズに行うことができる。
【0049】
時期検知部112は、ユーザの出産予定日前の所定期間になったことを検知する。この期間は、出産エールの要請を行うことをユーザに促す期間であり、予め設定されている。例えば、時期検知部112は、出産予定日の30日前以降の期間となったことを検知してもよい。
【0050】
メッセージ要請部113は、時期検知部112が検知した上述の所定期間に、出産エール用のメッセージの入力を求める要請メッセージ(例えば
図3のメッセージb11)の送信を促す。出産エールの要請を促す方法は任意であり、例えば
図3に示したa11のようなオブジェクトや、出産エールの要請を促すメッセージを表示部15に表示させることにより、ユーザに出産エールの要請を促してもよい。この他にも、例えば電子メールや、メッセージアプリ等により、出産エールの要請を促すメッセージをユーザに送信する構成としてもよい。
【0051】
要請補助部114は、ユーザが要請メッセージを作成する作業を補助する。具体的には、要請補助部114は、出産エールの入力先(例えば出産エールの入力用のウェブページのURL)の特定と要請メッセージの生成を行う。要請メッセージの生成には定型メッセージ122を用いる。また、要請補助部114は、要請メッセージの送信方法の選択の受け付け等も行う。
【0052】
通知部115は、ユーザが指定した通知先に要請メッセージを送信する。通知部115の機能は、妊婦支援アプリではなく、SNSアプリやSMSアプリなどの任意のメッセージ送信アプリにより実現することもできる。
【0053】
登録情報121は、ユーザが支援システム100に登録した情報、すなわち支援システム100におけるユーザ情報である。詳細は
図6に基づいて後述するが、登録情報121にはユーザの識別情報として診察券番号が登録される他、出産予定日等も登録される。
【0054】
定型メッセージ122は、上述のように要請メッセージの生成に用いられる。定型メッセージ122には、出産エール用のメッセージを入力してほしい旨のメッセージが含まれている。よって、要請補助部114は、定型メッセージ122にユーザの出産エールの入力先(例えば出産エールの入力用のウェブページのURL)を組み合わせることにより、要請メッセージを生成することができる。
【0055】
〔登録情報の例とサーバに記憶されるデータの例〕
図6は、登録情報121の例とサーバ2に記憶されるデータの例を示している。
図6に示す登録情報121は、端末装置1のユーザの診察券番号と、出産予定日と、出産エールの入力先情報とが対応付けられたものである。
【0056】
診察券番号は、上述のようにユーザの識別情報として用いられる情報であり、支援システム100の利用者登録時に入力される。また、出産予定日は、上述のように、出産エールの要請を行うことをユーザに促す期間となったことを検知するために用いられる。なお、出産予定日の代わりに、あるいは出産予定日に加えて、妊娠週数を登録情報121に登録してもよい。妊娠週数を登録する場合、その妊娠週数となった日付もあわせて登録しておく。
【0057】
入力先情報は、出産エールの入力先を示す情報である。例えば、出産エールを所定のウェブページに入力させる場合、そのウェブページのURLを入力先情報とすればよい。入力先情報は、ユーザに対する出産エールの入力先が決まった後、出産エールの要請メッセージを送信するまでの期間に取得されて、登録情報121に登録される。
【0058】
一方、
図6に示す、サーバ2に記憶されるデータは、支援システム100を利用する各ユーザについて、診察券番号と、出産予定日と、出産エール用データと、出産エールの入力先情報とが対応付けられたものである。このうち、診察券番号と出産予定日は、各ユーザの端末装置1から通知されたデータを記録したものである。
【0059】
出産エール用データは、出産エールをユーザに提示するために必要なデータであり、出産エール用のメッセージと、そのメッセージの入力者の名前(ニックネーム等であってもよい)とを含む。
【0060】
出産エールの入力先情報は、上述のように、出産エールの入力先を示す情報である。サーバ2は、この入力先情報に示される入力先に入力されたメッセージと名前を出産エール用データとして取得し、蓄積する。
【0061】
〔情報処理装置の構成例〕
図7は、情報処理装置5の構成例を示すブロック図である。図示のように、情報処理装置5は、情報処理装置5の各部を統括して制御する制御部51と、情報処理装置5が使用する各種データを記憶する記憶部52を備えている。また、情報処理装置5は、情報処理装置5が他の装置と通信するための通信部53を備えている。
【0062】
制御部51には、ユーザ識別部511、データ取得部(メッセージ取得部)512、表示制御部(メッセージ提示部)513、心音取得部514、および映像生成部515が含まれている。また、記憶部52には、出産エール用データ521および祝福画像522が記憶されている。
【0063】
ユーザ識別部511は、出産エールの対象となるユーザを識別する。ユーザの識別方法は特に限定されない。例えば、妊婦支援アプリにより、端末装置1にユーザの識別情報(例えば診察券番号)を示す二次元コードを表示させ、これを端末装置6に読み込ませ、端末装置6から情報処理装置5に上記識別情報を通知する構成としてもよい。この場合、ユーザ識別部511は、端末装置6から通知された識別情報によりユーザを識別する。
【0064】
データ取得部512は、出産エールを表示させるために必要なデータを取得する。データ取得部512は、少なくとも出産エール用のメッセージを取得すればよい。例えば、
図6の例のように、サーバ2に出産エール用のメッセージと入力者の名前が蓄積されている場合、データ取得部512は、サーバ2から当該出産エール用データを取得すればよい。そして、データ取得部512は、取得した出産エール用データを記憶部52に記憶させる。このようにして記憶されたデータが、
図7に示す出産エール用データ521である。なお、出産エール用のメッセージは、テキストのメッセージであってもよいし、音声メッセージや画像等であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0065】
表示制御部513は、表示装置7に画像を表示させる。表示制御部513が表示装置7に表示させる画像としては、例えば、ホーム画面、出産エールのメッセージ、心音アート等が挙げられる。なお、出産エール用のメッセージとして音声メッセージを用いる場合、表示制御部513に加えて音声出力制御部を設け、音声出力制御部により当該メッセージを音声出力装置(例えばスピーカ)に出力させればよい。
【0066】
心音取得部514は、胎児の心音を示す心音データを取得する。
図1に示したように、支援システム100には、心音検出装置8が含まれており、この心音検出装置8が胎児の心音を検出する。よって、心音取得部514は、心音検出装置8から心音データを取得すればよい。
【0067】
映像生成部515は、心音取得部514が取得する心音データから、当該心音と連動した映像(上述の心音アート)を生成する。心音アートは、胎児の心音と連動して変化するものであればよい。例えば、映像生成部515は、胎児の振動と連動して、形状、大きさ、および色の少なくとも何れかが変化するオブジェクトを含む心音アートを生成してもよい。また、心音アートには、妊婦をリラックスさせるような音楽が含まれていてもよい。
【0068】
祝福画像522は、ユーザの出産後に表示装置7に表示される、ユーザの出産を祝福する画像である。祝福画像522は、赤ちゃんが生まれた日付や時間、ユーザの名前、産院の名称等を組み込むことができるようになっていてもよい。これにより、そのユーザだけの祝福画像で出産を祝福することができる。
【0069】
〔処理の流れ(出産エールの要請)〕
図8は、端末装置1が行う処理(支援方法)の一例を示すフローチャートである。
図8の処理は、例えば端末装置1において妊婦支援アプリが起動されたときに行われる。なお、以下の各処理の実行主体は、妊婦支援アプリと読み替えることもできる。
【0070】
S11では、時期検知部112が、出産直前の時期(出産予定日前の所定期間)となったか否かを判定する。S11でNOと判定された場合には
図8の処理は終了する。一方、S11でYESと判定された場合にはS2の処理に進む。なお、出産直前の時期は予め設定しておけばよい。例えば、出産予定日の30日前以降を当該時期としてもよい。この場合、時期検知部112は、現在の日付が、登録情報121に記録されている出産予定日の30日前かそれ以降であれば、出産直前の時期となったと判定する。
【0071】
S12では、メッセージ要請部113が、ユーザに出産エールの要請を行うよう促す。上述のように、出産エールの要請を促す方法は任意であり、例えば妊婦支援アプリのホーム画面に出産エールの要請を行うよう促すメッセージやオブジェクトを表示させることにより要請を促してもよい。
【0072】
S13では、要請補助部114が、出産エールの入力先を特定する。例えば、出産エールの入力先をサーバ2が決定する場合、要請補助部114は、サーバ2と通信して出産エールの入力先を特定する。例えば、ウェブページに出産エール用のメッセージを入力してもらう場合、当該ウェブページのURLが上記入力先となる。なお、S13の処理は、S16の処理が行われるまでに行えばよく、例えばS14~S15の処理と並行で行ってもよい。
【0073】
S14では、要請補助部114は、出産エールの要請を行うか否かを判定する。例えば、要請補助部114は、S12の促しに対して、出産エールの要請を行う旨のユーザ操作が検出された場合に、出産エールの要請を行うと判定してもよい。S14でYESと判定された場合にはS15の処理に進む。
【0074】
S15では、要請補助部114は、出産エールの要請メッセージの送信方法の選択を受け付ける。例えば、要請補助部114は、端末装置1にインストールされているアプリの中から、要請メッセージの送信に利用できるものを抽出して、選択候補として表示部15に表示させてもよい。これにより、要請メッセージの送信方法をユーザに選択させることができる。また、例えば要請補助部114は、要請メッセージの送信方法の入力を促すメッセージを表示させて、ユーザに所望の送信方法を入力させてもよい。
【0075】
送信方法が選択されると、要請補助部114は、選択された送信方法に応じた通知部115(例えばSNSアプリやSMSアプリ)を起動させ、起動した通知部115が、要請メッセージの送信先、すなわち出産エールを送ってもらう対象者の選択を受け付ける。通知部115は、予め登録された連絡先を表示部15に表示させ、表示させた連絡先の中から、ユーザに所望の対象者の送信先を選択させてもよい。また、ユーザに所望の対象者の送信先を入力させてもよい。
【0076】
S16では、要請補助部114は、要請メッセージを生成する。具体的には、要請補助部114は、記憶部12に記憶されている定型メッセージ122に、S13で特定された入力先を追加して要請メッセージを生成する。なお、要請メッセージの文面はユーザが適宜変更できるようにしてもよい。
【0077】
S17(入力先を通知するステップ)では、通知部115が、S15で選択された送信先の対象者に、同じくS15で選択された送信方法で、S16で生成された要請メッセージを送信する。これにより、
図8の処理は終了する。
【0078】
〔処理の流れ(出産時)〕
図9は、出産時に情報処理装置5が行う処理(支援方法)の一例を示すフローチャートである。
【0079】
S21では、ユーザ識別部511が、分娩室に入ったユーザを識別して、表示制御部513が、当該ユーザ用のホーム画面を表示装置7に表示させる。ユーザの識別方法は特に限定されない。例えば、妊婦支援アプリにより、端末装置1にユーザの識別情報(例えば診察券番号)を示す二次元コードを表示させ、これを端末装置6に読み込ませ、端末装置6から情報処理装置5に上記識別情報を通知することにより、ユーザを識別してもよい。また、
図4に基づいて説明したように、端末装置6には、情報処理装置5の操作用画面を表示してもよい。ホーム画面を表示した情報処理装置5は、端末装置6を介した操作の待ち受け状態となる。
【0080】
S22では、表示制御部513が、出産エールの表示を行うか否かを判定する。S22でYESと判定された場合にはS23の処理に進む。一方、S22でNOと判定された場合にはS25の処理に進む。
【0081】
例えば、端末装置6を介して、出産エールの表示を行う旨の操作が行われたときに、表示制御部513は出産エールの表示を行う(S22でYES)と判定する。また、表示制御部513は、所定の条件を充足したときに出産エールの表示を行うと判定してもよい。例えば、表示制御部513は、ホーム画面の表示を開始した後、所定時間(例えば20分)が経過したことを条件として、出産エールの表示を行うと判定してもよい。
【0082】
S23(メッセージを取得するステップ)では、データ取得部512が、サーバ2に記録されている、出産エール用のメッセージを含む出産エール用データを取得し、出産エール用データ521として記憶部52に格納する。なお、出産エール用データの取得は、より早い段階(例えば、S21のユーザ識別時等)に行っておいてもよい。
【0083】
S24(メッセージを出力するステップ)では、表示制御部513が、S23で取得されて格納された出産エール用データ521を用いて出産エールの表示画面を生成し、生成した表示画面を表示装置7に表示出力させる。なお、出産エール用データ521に複数のメッセージが含まれている場合には、表示制御部513は、各メッセージのそれぞれについて表示画面を生成し、生成した各表示画面を順次表示出力させる。全てのメッセージの表示が終了すると、処理はS22に戻る。この際、表示制御部513は、表示装置7の表示をホーム画面に戻してもよい。
【0084】
S25では、表示制御部513が、心音アートを表示させるか否かを判定する。S25でYESと判定された場合にはS26の処理に進み、S25でNOと判定された場合にはS22の処理に戻る。例えば、表示制御部513は、端末装置6を介して、心音アートの表示を行う旨の操作が行われたときに、心音アートを表示させる(S25でYES)と判定する。また、表示制御部513は、所定の条件を充足したときに心音アートを表示させると判定してもよい。例えば、表示制御部513は、出産エールの表示が終了したことを条件として、心音アートを表示させると判定してもよい。
【0085】
S26では、心音取得部514が、心音検出装置8から胎児の心音を示す心音データを取得し、映像生成部515が、当該心音データが示す心音と連動した映像である心音アートを生成する。そして、表示制御部513が、生成された心音アートを表示装置7に表示出力させる。なお、心音アートの表示を終了させる条件は任意であり、例えば表示開始後所定時間で表示終了としてもよいし、端末装置6を介した他の指示がない限り表示を継続してもよい。
【0086】
S27では、表示制御部513が、ユーザが出産したか否かを判定する。S27でYESと判定された場合にはS28の処理に進む。例えば、表示制御部513は、端末装置6を介して、出産したことを示す入力操作が行われたときに、ユーザが出産した(S22でYES)と判定する。S27でNOと判定された場合にはS22の処理に戻る。この際、表示制御部513は、表示装置7の表示をホーム画面に戻してもよい。
【0087】
S28では、表示制御部513は、ユーザの出産を祝福する祝福画像522を記憶部52から読み出して、表示装置7に表示させる。祝福画像522は静止画像(文字等を含む)であってもよいし、動画像(映像)であってもよい。なお、祝福画像522に出産日等の情報を組み込むことができるようになっている場合、表示制御部513は、現在の日付等の必要な情報を取得し、取得した情報を組み込んで祝福画像を生成して、表示装置7に表示させればよい。
【0088】
S29では、表示制御部513は、所定のインフォメーションを表示装置7に表示させる。インフォメーションの内容は適宜設定しておけばよい。例えば、表示制御部513は、ユーザの退院までのスケジュール等の情報を表示させてもよい。以上より、
図9の処理は終了する。
【0089】
〔出産エールの自動生成〕
出産は長時間にわたることもあり、また、蓄積された出産エール用のメッセージが少ないこともある。このため、支援システム100がユーザを応援する出産エールを生成し、ユーザに提示してもよい。支援システム100が出産エールを生成することにより、出産が長時間となった場合や、蓄積された出産エール用のメッセージが少ない場合にも、ユーザをしっかりと励まし、支援することができる。
【0090】
例えば、ユーザの年齢や嗜好、過去の経歴等のユーザ特性情報に応じた複数の定型メッセージを予め用意しておき、ユーザ特性情報を予め妊婦支援アプリに入力させておいてもよい。これにより、ユーザ特性情報に応じた定型メッセージを選択し、その定型メッセージにユーザの名前を組み込むことにより、当該ユーザ向けの出産エールのメッセージを生成することができる。
【0091】
また、例えば、ユーザ特性情報と、そのユーザ特性情報のユーザの心に響くメッセージとの対応関係を機械学習することにより構築された機械学習モデル(AI:Artificial Intelligence)を用いてメッセージを生成してもよい。これにより、ユーザの心に響くメッセージを自動で生成して応援エールとすることができる。
【0092】
なお、以上の各処理は、情報処理装置5が実行してもよいし、サーバ2が実行してもよいし、端末装置1が実行してもよいし、これらとは異なる他の情報処理装置に行わせてもよい。また、以上の各処理を、これらの各装置で分担して行うようにしてもよい。
【0093】
〔変形例〕
上述した支援システム100の装置構成、および上述した各処理の実行主体は何れも例示にすぎず、適宜変更することができる。例えば、ユーザに出産エールの要請を行うよう促す時期の到来の検知を、端末装置1ではなくサーバ2に行わせてもよい。この場合、端末装置1(妊婦支援アプリ)は、サーバ2からの通知により所定の時期の到来を検知して、ユーザに出産エールの要請を行うよう促す処理を行ってもよい。また、出産エールの要請を行うよう促すための画像(
図3のa1参照)をサーバ2が生成してもよく、この場合、端末装置1(妊婦支援アプリ)は、サーバ2から当該画像を取得して表示する。また、例えば、出産エールの表示画面の生成を、情報処理装置5ではなくサーバ2に行わせてもよい。
【0094】
〔ソフトウェアによる実現例〕
端末装置1および情報処理装置5(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11、51に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0095】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0096】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0097】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0098】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
100 支援システム
1 端末装置
112 時期検知部
113 メッセージ要請部(要請部)
2 サーバ(記憶装置)
5 情報処理装置
512 データ取得部(メッセージ取得部)
513 表示制御部(メッセージ提示部)
515 映像生成部
7 表示装置(出力装置)