(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】折り畳み脚構造
(51)【国際特許分類】
F16M 11/38 20060101AFI20241023BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20241023BHJP
F24C 15/08 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
F16M11/38 M
A47J37/07
F24C15/08 K
(21)【出願番号】P 2023150399
(22)【出願日】2023-09-15
【審査請求日】2023-09-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503263366
【氏名又は名称】ヨシ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】安藤嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】河崎浩二
(72)【発明者】
【氏名】高橋悠
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-57915(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2013-0005652(KR,U)
【文献】実開昭64-33936(JP,U)
【文献】実開昭57-180201(JP,U)
【文献】米国特許第5174197(US,A)
【文献】実開昭56-132504(JP,U)
【文献】米国特許第4385619(US,A)
【文献】特開2018-57490(JP,A)
【文献】中国実用新案第207334808(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/38
F16M 11/00
A47J 37/07
F24C 15/08
F24C 15/10
F24C 1/16
F24B 13/02
F23H 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容体本体(10)の底部(20)に備えられる三本の折り畳み脚構造(1)であって、
該折り畳み脚構造(1)は、
脚本体(30)と、
回動軸(40)と、
結合金具(50)とから成り、
前記折り畳み脚構造(1)の配置は、該脚本体(30)を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの前記脚本体(30)の付け根側端部(31)から先端側端部(32)とを繋ぐ三本の線(L)又はその延長線(E)を交差させて正三角形を描くよう配置し、
前記脚本体(30)が、前記結合金具(50)と前記回動軸(40)を介して前記容体本体(10)の前記底部(20)に取り付けられ、
前記脚本体(30)の長さ(H)が、前記付け根側端部(31)から前記容体本体(10)の前記底部(20)の中心までの長さ(T)よりも長く、
前記脚本体(30)が前記結合金具(50)に対して回動する際、前記脚本体(30)を展開させた時の該回動動作が90度を超え、立脚時用ストッパー部(RS)によりその動作が規制されるまでの範囲で自由な角度(K)に保持するための弾性部材(60)を設けていることから、係る回動位置をその調整範囲内に於いて自由に位置決めでき、地面が平らでないような場所で前記容体本体(10)を水平にすることができ、
前記弾性部材(60)は、前記回動軸(40)を跨いで前記脚本体(30)と前記結合金具(50)の隙間に挟持して配置され、該弾性部材(60)の形状が平面視において略コの字状であり、正面視において湾曲して形成されていることを特徴とする折り畳み脚構造(1)。
【請求項2】
前記脚本体(30)の前記付け根側端部(31)に立脚時(R)と収納時(S)のそれぞれにおいて前記容体本体(10)の前記底部(20)に当接して動作を規制する前記立脚時用ストッパー部(RS)と、収納時用ストッパー部(SS)が設けられている前記脚本体(30)であることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み脚構造(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の前記折り畳み脚構造(1)を備えたことを特徴とする焚き火台(F)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三本脚の折り畳み構造に関し、詳しくは、従来構造のように脚の付け根側端部から中心までよりも長い脚を確保しつつ、重なることなくそのまま内側に折り畳める折り畳み脚構造の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平板や何かの物体を平行に保ちつつ、底上げするための有効な手段として、底部に脚を付けることは周知技術となっている。但し、単に脚といっても様々な形状があり、例えば、スクエア、Aライン、Iライン、Xライン、角柱など多種多様である。また、脚の本数によっても安定性は変わってくるといえ、用途によって適宜選択することとなる。特に、アウトドアなど戸外で使うテーブル、椅子、焚き火台やバーベキューコンロなどにおいては、車に容易に積み込めるような組み立て式や、折り畳み式の脚構造であることが望ましいといえる。
【0003】
特に、アウトドア用品の焚き火台やバーベキューコンロなどでは、キャンプ場によって、容体底部の高さには規定があり、「およそ地面から20センチ以上であること」という条件がある場合がある。20センチ以下である場合には耐火材など別途底上げのための部材が必要となってくる。組み立て式の大型バーベキューコンロなどにおいては、20センチ以上の脚の長さを確保し易いといえるが、少人数で行われるバーベキューや焚き火などに持っていくものでは対応できないといえる。また、三本脚の場合、四本脚と比較して地面が平坦でなくても全ての脚先が接触するため、安定性が得られ、シンプルな構成とすることができるというメリットがあるが、底部で折り畳み式とする場合は、付け根部分から底部中心までの長さとなるため、そのままの構成であると底上げ高さを大きくできないというデメリットがある。
【0004】
また、アウトドアにおける手間を考えると、複雑な組み立て式の構造より脚が折り畳める構造が有効であるといえる。しかしながら、特に小型のバーベキューコンロなどでは、円形のものが多く、この場合は内側に折り込む既存の構造であると、20センチを超える脚の長さを確保するには、本体の直径がおよそ40センチ以上は必要となる。そこで、本体の直径を大きくしなくても内側に折り畳めて、立脚時には地面から底部の高さを20センチ以上確保できる新しい脚の構造が望まれるものである。
【0005】
このような現状に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。発明の名称を「アイロン台」とし、解決しようとする課題を「一対の支持脚の折り畳み・立脚操作をワンタッチで簡単に且つ確実に行うことができるとともに、立 脚時には開脚した支持脚を確実に固定でき、安心してアイロンがけできるようにすることにある。」とするもので、具体的な解決手段を「アイロン台本体の裏面に、一対の支持脚を止め部材を介して折り畳み、立脚可能に取り付けてある。各支持脚はバネによって常にアイロン台本体の先端側に付勢されている。各支持脚には係止ピンが立設してある。各支持脚を折り畳み又は立脚した時、係止ピンは止め部材に形成した係止穴部に係合する。また各支持脚の折り畳み・立脚する時は、各支持脚をバネの付勢に抗してアイロン台本体の後方に引くことによって、係止穴部に対する係止ピンの係合関係を解除することができる構成にしてある」としたものである。しかしながら、係る技術は、脚を畳んだ状態で脚部が重畳的に配置されている。これに対して本発明では、脚部が折り畳んだ場合でも重なることはない。従って、折り畳んだ状態での厚さが大きく相違する。
【0006】
また、発明の名称を「三脚設置補助具」とし、解決しようとする目的を「設置面の傾斜方向や凹凸の状態に関わらず、三脚の台座を水平状態に安定して設置可能とする三脚設置補助具」とするもので、具体的な解決手段を「台座と、三本の脚部を備える三脚を、設置面に設置する際に用いられる三脚設置補助具であって、三脚を載置するための載置部と、載置部を下方から支持する三本の支持脚を備え、載置部は、その上面側に三脚の脚部の下端をそれぞれ保持する三個の保持部が設けられ、支持脚は、それぞれ設置面から載置部までの鉛直高さを調節する高さ調節構造を備える。」というものである。係る技術は、三本の脚がそれぞれ脚の長手方向に対して伸縮し、その高さをそれぞれ垂直方向に調整することによって全体の平行度を出すものであると考えられ、三本の脚が同じ長さであって、その角度で高さ方向をアジャストする本発明とは課題解決の技術的手段が相違するものである。
【0007】
また、発明の名称を「テーブル」とし、解決しようとする目的を「円盤状の天板と三本の脚とを構成要素とするテーブルにおいて、天板の折り畳み領域を広く設定する際のテーブルの安定化技術を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「テーブルは、天板の裏面に三本の脚が立設された構成にされている。天板は、第一の天板構成体と第二の天板構成体とが天板の裏面において蝶番により連結された円盤形状に構成されており、天板の外周を弧とする円の中心から外れた位置に折線を有する。即ち、天板は、第二の天板構成体を下方に折り畳むことが可能な構成にされている。一方、脚は、第一の天板構成体の裏面において、天板の外周を弧とする円と同一中心の同心円上に立設され、天板の裏面と脚との接続地点を結んでなる三角形が非正三角形であって二等辺三角形となるように配置されている。」というものである。係る技術は、三本足という点で本発明と構成の一部は共通する。しかしながら、折り畳み式でないため、本発明の課題解決のための技術的手段と異なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開H11-114300号
【文献】特開2021-169984号
【文献】特開2011-115539号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、三本脚の折り畳み構造において、従来の折り畳み脚の構造と比較して、脚の付け根側端部から中心までよりも長い脚を確保しつつ、重なることなくそのまま内側へコンパクトに折り畳める折り畳み脚構造の技術の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、容体本体の底部に備えられる三本の折り畳み脚構造であって、該折り畳み脚構造は、脚本体と、回動軸と、結合金具とから成り、前記折り畳み脚構造の配置は、該脚本体を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの前記脚本体の付け根側端部から先端側端部に向かう三本の線又はその延長線Eを交差させて正三角形を描くよう配置し、前記容体本体と前記脚本体を前記結合金具と前記回動軸を介して前記容体本体の前記底部に取り付け、前記脚本体の長さが、前記付け根側端部から前記容体本体の前記底部の中心までの長さよりも長い構成を採用する。
【0011】
また、本発明は、前記脚本体が前記結合金具に対して回動する際、当該角度を保持するための弾性部材を備え、該弾性部材は、前記回動軸を跨いで前記脚本体と前記結合金具の隙間に挟持して配置され、該弾性部材の形状が平面視において略コの字状であり、側面視において湾曲して形成された弾性部材である構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記脚本体の前記付け根側端部に立脚時と収納時のそれぞれにおいて前記容体本体の前記底部に当接して動作を規制する立脚時用ストッパー部と、収納時用ストッパー部が設けられている前記脚本体である構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、前記折り畳み脚構造を備えた焚き火台とする構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0014】
野外でコンロなどを使用する際、キャンプ場によっては、地面からコンロの底部までの高さが規定されているところが多い。従って、係る高さを確保するための脚の長さが必要となる。本発明に係る折り畳み脚構造によれば、従来の三本脚構造における脚の長さよりも長い脚とすることができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係る折り畳み脚構造によれば、折り畳んだ状態で三本の脚同士が干渉せず、重なり合うことがないことから、コンパクトに収納でき、車などの積み込みも容易に出来るという優れた効果を発揮する。
【0016】
また、本発明に係る折り畳み脚構造によれば、付け根側端部から容体本体の中心までの長さより長い脚としながらも重なることなく折り畳んで収納でき、従来の三本足の折り畳み構造よりも高い位置に容体本体を底上げすることができるといった優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係る折り畳み脚構造によれば、脚本体を展開させた時に当該回動動作が90度を超え、立脚時用ストッパー部によりその動作が規制されるまでの範囲で自由な角度位置に保持するための弾性部材60を設けていることから、係る回動位置をその調整範囲内に於いて自由に位置決めでき、地面が平らでないような場所で容体を水平にすることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る折り畳み脚構造の基本構成を説明する基本構成説明図である。
【
図2】本発明に係る折り畳み脚構造における脚本体の配置構成を説明する配置構成説明図である。
【
図3】本発明に係る折り畳み脚構造の使用状態を説明する使用状態説明図である。
【
図4】本発明に係る折り畳み脚構造における弾性部材の構成を説明する弾性部材構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、容体本体の底部に備えられる三本の折り畳み脚構造であって、該折り畳み脚構造は、脚本体と、回動軸と、結合金具とから成り、前記折り畳み脚構造の配置は、該脚本体を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの前記脚本体の付け根側端部から先端側端部に向かう三本の線又はその延長線Eを交差させて正三角形を描くよう配置し、前記容体本体と前記脚本体を前記結合金具と前記回動軸を介して前記容体本体の前記底部に取り付け、前記脚本体の長さが、前記付け根側端部から前記容体本体の前記底部の中心までの長さよりも長いことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0020】
図1は、本発明に係る折り畳み脚構造の基本構成を説明する基本構成説明図であり、
図1(a)は上段に既存の折り畳み構造を表す底面図を示し、下段には、正面図を示し、
図1(b)は上段に本発明に係る折り畳み脚構造を表す底面図を示し、下段には正面図を示している。なお、側面図、背面図、平面図については省略した。
【0021】
折り畳み脚構造1は、容体本体10の底部20に備えられる三本の折り畳み脚構造1であって、該折り畳み脚構造1は、脚本体30と、回動軸40と、結合金具50とから成り、前記折り畳み脚構造1の配置は、該脚本体30を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの前記脚本体30の付け根側端部31から先端側端部32とを繋ぐ三本の線L又はその延長線Eを交差させて正三角形を描くよう配置し、前記容体本体10と前記脚本体30を前記結合金具50と前記回動軸40を介して前記容体本体10の前記底部20に取り付け、前記脚本体30の長さHが、前記付け根側端部31から前記容体本体10の前記底部20の中心までの長さTよりも長いことを基本構成とするものである。以下、各構成部材について説明する。
【0022】
容体本体10は、液体又は固体に関らず物を収容する容器であって、具体的には、例えば液体の場合であれば、スポーツドリンク用タンクとして利用されることが考えられる。また、焚き火台としての利用の場合であれば、薪などの個体燃焼材を入れて燃焼する燃焼室となる。なお、容体本体10の底部には脚が設けられ、脚を立脚することによって地面から上側に水平に持ち上げられるものである。なお、図面には円筒形で示したが係る形状は限定されるものではなく、発明の技術的思想の創作として同一の効果の及ぶ範囲以内でその形状は変更可能である。
【0023】
底部20は、筒状の容体本体10の底部側端部に閉塞するように設けられる板状部材の外側を意味するものである。
【0024】
脚本体30は、本発明に係る折り畳み脚構造1における、容体本体10を地面から所定の高さまで底上げするために設けられるものである。
【0025】
付け根側端部31は、脚本体部30の一端であって、結合金具50により容体本体に取り付けられる側の端部である。
【0026】
先端側端部32は、脚本体部30の一端であって、結合金具50とは反対側の端部であり、地面に接触する端部のことである。
【0027】
回動軸40は、前記脚本体30を前記容体本体10に対して回動自在に取り付けるための軸である。
【0028】
結合金具50は、回動軸40を介して前記脚本体30を回動自在に前記容体本体10に備える為の金具であり、溶接等により容体本体10の底部20に備えられるものである
【0029】
角度Kは、前記脚本体30が前記結合金具50に対して回動する際、弾性部材60を備えて当該角度Kを保持する角度であり、脚本体30が収納時用ストッパー部SSにより、容体本体10の底部20に当接して折り畳んだ状態から90度以上であって、立脚時用ストッパー部RSにより、容体本体10の前記底部20に当接して開いた位置までの角度のことである。
【0030】
図2は、本発明に係る折り畳み脚構造1における脚本体30の配置構成を説明する配置構成説明図であり、脚本体30の長さと、付け根側端部31から容体本体10の中心部までの長さとを比較したものである。
図2(a)は、既存の三本脚構造における脚の長さを示し、
図2(b)は、既存の三本脚構造における脚の配置と比較して付け根側端部から先端側端部までの長さが、付け根側端部から中心までの長さよりも長いことを示し、
図2(c)では、付け根側端部から先端側端部の長さが付け根側端部から容体本体の中心までの長さよりも更に長くできることを示している。
【0031】
三本の線Lは、三本の脚本体30を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの脚本体30の付け根側端部31から先端側端部32とを繋ぐ三本の線Lである。係る三本の線Lは、正三角形を描くよう配置する基軸となるものである。
【0032】
延長線Eは、脚本体30の付け根側端部31、先端側端部32を繋いだ線を延長して表される線である。本発明に係る折り畳み脚構造1では、係る延長線Eを含む三本の線Lを正三角形となるように脚本体30を配置することが技術的特徴である。
【0033】
長さHは、前記付け根側端部31から前記先端側端部32までの長さをいう。
【0034】
立脚時Rは、折り畳み式の脚部を展開して脚を立てた状態の時をいう。
【0035】
収納時Sは、折り畳み式の付け根側端部を折り曲げて畳んだ状態をいう。
【0036】
図3は、本発明に係る折り畳み脚構造の使用状態を説明する使用状態説明図である。
図3に示すように脚部の上に容体本体10が載置され、該容体本体内10で薪等の燃焼物を燃焼させた使用状態を示している。この時、展開した脚部は90度を超え、所定の角度Kでその回動動作が規制され、三本脚構造の特徴ともいえる全ての足先が地面に設置するものであることから、
図3は、特にアウトドアで整地されていない凸凹のある場所や、整地されていても砂利や芝生が敷き詰められた区画分けされたようなキャンプサイトでは、水平に焚き火台等を設置することは難しいものである。
図3に示した例では、地面の凸凹に応じて脚部の開脚を調整することで、それぞれ高さを整えて展開し、焚き火台Fを水平に配置することが可能となることを示している。
【0037】
焚き火台Fは、本発明に係る折り畳み脚構造1を用いることにより底部を高い位置へと配置することができることからキャンプ場等で焚き火台として使用の際、地面から所定の距離を確保することができる焚き火台である。
【0038】
図4は、本発明に係る折り畳み脚構造における弾性部材の構成を説明する弾性部材構成説明図であり、
図4(a)は、結合金具50と回動軸40により脚本体30が容体本体10の底部20に設けられた状態を示し、
図4(b)は、弾性部材の形状構成を示している。
図4(a)に波線で示した脚本体30には展開の動作を規制する立脚時用ストッパー部RSと収納時の動作を規制する収納時用ストッパー部SSが設けられ、脚本体30の展開時に容体本体10の底部20に当接して開く動作を規制し、また、容体本体10の前記底部20に当接して閉じる動作を規制する。また、
図4(b)の上段は弾性部材の平面図を示し中段は正面図を示し、下段は底面図を示したものである。
図4(b)に記載されているとおり、該弾性部材60は、前記回動軸40を跨いで前記脚本体30と前記結合金具50の隙間に挟持して配置され、該弾性部材60の形状が平面視において略コの字状であり、側面視において湾曲して形成された弾性部材60であることを示している。係る弾性部材60の存在により、脚部の展開が90度を越えて所定の角度Kまでの範囲で保持する機能を発揮する。
【0039】
立脚時用ストッパー部RSは、容体本体10の前記底部20に当接して開く動作を規制するものである。
【0040】
収納時用ストッパー部SSは、容体本体10の底部20に当接して閉じる動作を規制するものである。
【0041】
弾性部材60は、脚本体30を回動させた時に当該回動動作が90度を超え、ストッパーによりその動作が規制されるまでの範囲で自由な角度位置に保持するために設けられる部材であり、結合金具50と脚本体30との隙間に挟持されて備えられるものである。係る回動位置をその調整範囲内に於いて自由に位置決めできることにより、地面が平らでないような場所で容体本体10を水平にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る折り畳み脚構造によれば、折り畳み式のテーブル、いす、又は用具などが、所望した脚の長さを保ちつつも、折り畳み時にコンパクトに畳めることで、車に乗せる際や持ち運びに便利であるため、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0043】
1 折り畳み脚構造
10 容体本体
20 底部
30 脚本体
31 付け根側端部
32 先端側端部
40 回動軸
50 結合金具
60 弾性部材
E 延長線
L 三本の線
F 焚き火台
H 長さ
K 角度
R 立脚時
S 収納時
RS 立脚時用ストッパー部
SS 収納時用ストッパー部
【要約】
【課題】
本発明は、本体の底部で内側に折り畳める三本脚構造でありながら、従来構造よりも脚の長さを確保できるとともに、コンパクトな収納も可能にする折り畳み式脚構造の提供を課題とするものである。
【解決手段】
本発明は、容体本体の底部に備えられる三本の折り畳み脚構造であって、該折り畳み脚構造は、脚本体と、回動軸と、結合金具とから成り、前記折り畳み脚構造の配置は、該脚本体を折り畳んだ状態に於いてそれぞれの前記脚本体の付け根側端部から先端側端部に向かう三本の線又はその延長線Eを交差させて正三角形を描くよう配置し、前記容体本体と前記脚本体を前記結合金具と前記回動軸を介して前記容体本体の前記底部に取り付け、前記脚本体の長さが、前記付け根側端部から前記容体本体の前記底部の中心までの長さよりも長い構成を採用した。
【選択図】
図1