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特許7575844会話ペースを使用するサポート・リクエスト割り当て
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】会話ペースを使用するサポート・リクエスト割り当て
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20241023BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20241023BHJP
   G06Q 30/016 20230101ALI20241023BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F40/279
G06Q30/016
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022552558
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2021081959
(87)【国際公開番号】W WO2021203949
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】16/841,958
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】デ・ソウザ・ペレイラ・カンデーロ、ヘロイサ・カロリン
(72)【発明者】
【氏名】バセコンセロス、マリッサ、アフォンゾ
(72)【発明者】
【氏名】チラプ、アルピロス、ジェイオン
(72)【発明者】
【氏名】ステルマー・ネットー、マルコ、アウレリオ
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-295061(JP,A)
【文献】特開2009-081627(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109784414(CN,A)
【文献】特開2019-139789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 40/00-40/58
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
ユーザからサポート・リクエストを受領すること、
前記サポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間に、(i)前記現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に前記ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することであって、前記テキスト分析が極性分析及びタイミング分析を含み、前記タイミング分析が前記サポート・セッションに割り当てられた第1のオペレータから前記ユーザへの平均レスポンス時間を含むタイミング分析を行うことを含むこと、
前記テキスト分析を使用して、前記1つ又はそれ以上の入力の1つ又はそれ以上の特徴を判断することであって、前記1つ又はそれ以上の特徴が前記極性分析に基づく前記ユーザの満足度レベル及び前記タイミング分析に基づく前記ユーザの関連レベルを含むこと、
前記テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、前記ユーザを前記現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類に分類すること、及び
前記ユーザの前記分類に基づいて、事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータ又は第2のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを割り当てること
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
さらに、
前記現在のサポート・セッションの間に前記ユーザによって提供された1つ又はそれ以上の追加の入力のテキスト分析を実行すること、及び
前記ユーザを前記複数の分類の第2の分類に再割り当てすること
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
さらに、
前記ユーザを再分類することに応答して、前記事前定義された複数のサポート・オペレータの第2のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを再割り当てすること
を含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
さらに
前記1つ又はそれ以上の追加的な入力の前記テキスト分析に基づいて前記現在のサポート・セッションのフェーズを判断することであって、前記フェーズが、以下の:理解、仮説、探索、確認、及び解決の状況の1つ又はそれ以上を含む事前定義された複数のフェーズから選択されること、及び
前記フェーズに基づいて前記モデルの1つ又はそれ以上の重みを調整すること
を含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の入力の前記テキスト分析は、以下の、
意図分析、
複雑性分析、
1つ又はそれ以上を使用して、前記1つ又はそれ以上の特徴を抽出する
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
さらに、
前記ユーザの前記分類に基づいて、前記第1の分類に関連するキューに前記サポート・リクエストを割り当てること
を含み、
前記サポート・リクエストが前記キューから前記第1のオペレータに割り当てられる
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
さらに、
前記現在のサポート・セッションの結果でのフィードバックに基づいて前記モデルをアップデートする
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
システムであって、
動作を実行するように構成された1つ又はそれ以上のコンピュータ・プロセッサを含み、前記動作が、
ユーザからサポート・リクエストを受領すること、
前記サポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間に、(i)前記現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に前記ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することであって、前記テキスト分析が極性分析及びタイミング分析を含み、前記タイミング分析が前記サポート・セッションに割り当てられた第1のオペレータから前記ユーザへの平均レスポンス時間を含むタイミング分析を行うことを含むこと、
前記テキスト分析を使用して、前記1つ又はそれ以上の入力の1つ又はそれ以上の特徴を判断することであって、前記1つ又はそれ以上の特徴が前記極性分析に基づく前記ユーザの満足度レベル及び前記タイミング分析に基づく前記ユーザの関連レベルを含むこと、
前記テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、前記ユーザを前記現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類に分類すること、及び
前記ユーザの前記分類に基づいて、事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータ又は第2のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを割り当てること
を含むシステム。
【請求項9】
前記動作がさらに、
前記現在のサポート・セッションの間に前記ユーザによって提供された1つ又はそれ以上の追加の入力のテキスト分析を実行すること、及び
前記ユーザを前記複数の分類の第2の分類に再割り当てすること
を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記動作がさらに、
前記ユーザを再分類することに応答して、前記事前定義された複数のサポート・オペレータの第2のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを再割り当てすること
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作がさらに、
前記1つ又はそれ以上の追加的な入力の前記テキスト分析に基づいて前記現在のサポート・セッションのフェーズを判断することであって、前記フェーズが、以下、理解、仮説、探索、確認、及び解決の状況の1つ又はそれ以上を含む事前定義された複数のフェーズから選択されること、及び
前記フェーズに基づいて前記モデルの1つ又はそれ以上の重みを調整すること
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ又はそれ以上の入力の前記テキスト分析は、以下の、
意図分析、
複雑性分析、
1つ又はそれ以上を使用して、前記1つ又はそれ以上の特徴を抽出する
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作がさらに、
前記ユーザの前記分類に基づいて、前記第1の分類に関連するキューに前記サポート・リクエストを割り当てること
を含み、
前記サポート・リクエストが前記キューから前記第1のオペレータに割り当てられる
請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作がさらに、
前記現在のサポート・セッションの結果でフィードバックに基づいて前記モデルをアップデートする
請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
請求項1~の何れか1項に記載のコンピュータ実装方法をコンピュータ・システムが実行するためのコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サポート・リクエストの遂行に関し、より詳細には、現在のサポート・セッションの間に判断された会話ペースを使用してサポート・リクエストを割り当てることに関する。
【背景技術】
【0002】
カスタマー・サービスは、製品又はサービスのカスタマーによる購入に一体的、かつ進行中の部分である。有効性及び適時性は、カスタマー満足度を保証するための重要な尺度とすることができ、かつ他の尺度がカスタマー・サービス・プロバイダによってモニタされて、個人的又は他のリソース又はそれらの両方の効率的な利用を保証する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の1つの実施形態によれば、コンピュータ実装方法であって、ユーザからサポート・リクエストを受領すること、及び前記サポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間に、(i)前記現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に前記ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することを含む。本方法は、さらに、前記テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、前記ユーザを前記現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類に分類することを含む。本方法は、さらに、前記ユーザの前記分類に基づいて、事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを割り当てることを含む。
【0004】
本開示の1つの実施形態によれば、システムは、動作を実行するように構成された1つ又はそれ以上のコンピュータ・プロセッサを含み、前記動作が、ユーザからサポート・リクエストを受領すること、及び前記サポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間に、(i)前記現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に前記ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することを含む。動作がさらに、前記テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、前記ユーザを前記現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類に分類することを含む。動作がさらに、前記ユーザの前記分類に基づいて、事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを割り当てることを含む。
【0005】
本開示の1つの実施形態によれば、コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ可読なプログラム・コードをそれと共に有するコンピュータ可読な記録媒体を含む。コンピュータ可読なプログラム・コードは、1つ又はそれ以上のプロセッサによって、ユーザからサポート・リクエストを受領すること、及び前記サポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間に、(i)前記現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に前記ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することを含む動作を実行可能である。動作がさらに、前記テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、前記ユーザを前記現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類に分類することを含む。動作がさらに、前記ユーザの前記分類に基づいて、事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータにより遂行されるべき前記サポート・リクエストを割り当てることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、1つ又はそれ以上の実施形態によるサポート管理デバイスを有する例示的なシステムの図である。
図2図2は、1つ又はそれ以上の実施形態による例示的なコンピューティング・デバイスの図である。
図3図3は、1つ又はそれ以上の実施形態による会話ペースを使用したオペレータへのサポート・リクエストを割り当てることの例示的な方法を示す。
図4図4は、1つ又はそれ以上の実施形態による、ユーザの再分類を示す図である。
図5図5は、1つ又はそれ以上の実施形態によるサポート・リクエストを再割り当てすることの例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の種々の実施形態の説明は、例示の目的のために提供されるが、開示された実施形態に尽きるとか、又は限定されることを意図しない。多くの修正及び変形は、説明された実施形態の範囲から逸脱すること無しに当業者にとって自明であろう。本明細書で使用する用語は、本実施形態の原理、実用的用途、又は市場において見出される技術を超える技術的改善を最良に説明するため、又は本明細書において開示された実施形態を当業者の他の者が理解できるようにするために選択したものである。
【0008】
以下のものにおいて、参照は、本開示において提示される実施形態についてなされる。しかしながら、本開示の範囲は、説明された特定の実施形態に限定されない。その代わり、以下の特徴、要素の如何なる組み合わせは、異なる実施例に関連するか否かによらず、想定された実施形態を実装し、かつ実施するために想定される。さらに、本明細書において開示された実施形態は、他の可能なソリューションを超えるか、若しくは従来技術を超える効果を達成することができ、所与の実施形態により特定の効果が達成されるか否かは、本開示の範囲を限定しない。したがって、以下の側面、特徴、実施形態及び効果は、単に例示的であり、かつ明示的に請求項(複数)において列挙される場合を除き、添付された請求項の要素又は限定と考えられることはない。同様に、“本発明”への参照は、本明細書で開示された如何なる発明的主題を一般化することとして解釈されるべきではなく、かつ明示的に請求項(複数)において列挙される場合を除き、添付された請求項の要素又は限定と考えられることはない。
【0009】
多くの場合において、製品又はサービスのプロバイダは、また、製品又はサービスの購入の前、その間、又はその後、又はこれらの組み合わせでカスタマー・サービスを提供することについての責任がある。カスタマー・サービスの有効性及び適時性は、製品又はサービスに対するカスタマー満足度を保証するための重要な尺度とすることができる。例えば、カスタマーは、もしもカスタマーがサポート・セッションの間に待たされ続けられるのであれば、又はもしもカスタマー・サービスが、カスタマーの関心事への無駄な対処であると認識されるのであれば、カスタマーは、フラストレーションを受ける可能性がある。
【0010】
いくつかの実施形態においては、コンピュータ実装方法は、ユーザからサポート・リクエストを受領すること、及びサポート・リクエストに応答する現在のサポート・セッションの間にユーザによって提供される、(i)現在のサポート・セッション及び(ii)1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションの1つ又は両方の間に、1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行することを含む。本方法は、さらに、テキスト分析によって判断された1つ又はそれ以上の特徴をモデルに適用して、ユーザを、現在のサポート・セッションの間の会話ペースを記述する事前定義された複数の分類の第1の分類へと分類する。本方法はさらに、ユーザの分類に基づいて事前定義された複数のサポート・オペレータの第1のオペレータによって完了されるべきサポート・リクエストを割り当てる。
【0011】
会話ペースを特徴付けることによって、カスタマー・サービス・プロバイダは、サポート・セッションの間のカスタマーの満足度レベルの動的な表示を維持することができるか、又は関連を維持することができる。会話ペースを使用することにより、カスタマー・サービス・プロバイダは、動的にサポート・リクエストを割り当て(例えば、他のサポート・リクエストを超えてサポート・リクエストを優先化すること、サポート・リクエストが別のサポート・オペレータにより完了されるように再割り当てすること)、カスタマー・満足度又は関連を改善することができる。例えば、動的に割り当てすることは、カスタマーにより経験される待ち時間を低減する効果があるであろう。さらに、会話ペースを使用することは、カスタマー・サービス・プロバイダが例えばサポート・オペレータに同時的に割当てられたサポート・リクエストの数又は複雑性又はそれらの両方に基づいて、サポート・オペレータを、サポート・リクエストに割り当てる動的な管理を許容する。例えば、カスタマーとの関連は、一般には、カスタマーがサポート・セッションとの相互作用から離れて何かをしているか否かを示すと共に、サポート・オペレータに対して割り当てられた同時的なカスタマーのセットを横断した関連のレベルが、サポート・オペレータに過負荷であるか否かを示すことができる。
【0012】
図1は、1つ又はそれ以上の実施形態によるサポート管理デバイス130を有する例示的なシステムの図100を示す。図100においては、複数のユーザ105-1、105-2、105-3(一般にユーザ105)のそれぞれのユーザは、それぞれコンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3(一般にコンピューティング・デバイス110)を有する。コンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3のそれぞれは、デスクトップ・コンピューティング・デバイス、モバイル・コンピューティング・デバイス(例えば、スマートホン、タブレット)、ウェアラブル・コンピューティング・デバイス、及び他の電子デバイス(例えば、プリンタ、スマート・テレビ、スマート家電)といった如何なる好適な実装を有することができる。
【0013】
それぞれのコンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3は、それぞれ通信リンク115-1、115-2、115-3を介してネットワーク125に接続される。ネットワーク125は、コンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3を、複数のサポート・オペレータ140-1、140-2(一般に、サポート・オペレータ140)の少なくともコンピューティング・デバイス145-1、145-2(一般にコンピューティング・デバイス145)に通信的に結合するための如何なる好適なタイプの、1つ又はそれ以上のネットワークを代表することができる。例えば、ネットワーク125は、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、又はワイヤレス・ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含むことができる。それぞれの通信リンク115-1、115-2、115-3は、銅通信ケーブル、光学的通信ケーブル、ワイヤレス通信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、又はエッジ・サーバ、又はこれらの組み合わせと言った如何なる好適な実装を有することができる。
【0014】
ユーザ105-1、105-2、105-3は、それぞれのコンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3を使用して、サポート・リクエスト120を生成することができる。それぞれのコンピューティング・デバイス110-1、110-2、110-3は、サポート・リクエスト120を生成するための1つ又はそれ以上の入力デバイスを含む。いくつかの非限定な入力デバイスの実施例は、それぞれのユーザ105の指(複数)又はスタイラス又はそれらの組み合わせからの入力を受領するためのタッチスクリーン、キーボード、及びオーディオ入力を受領するためのマイクロホンを含む。
【0015】
サポート・リクエスト120は、複数のサポート・オペレータ140-1、140-2の1人又はそれ以上によって遂行されるように、ネットワーク125を介して通信される。コンピューティング・デバイス145-1、145-2は、それぞれの通信リンク150-1、150-2を介してネットワーク125へと接続され、これらは、通信リンク115-1、115-2、115-3に類似した構成とすることができる。
サポート・リクエスト120は、いかなる好適なフォーマットで通信されることができる。いくつかの実施形態においては、サポート・リクエスト120は、テキストとしてフォーマットされる。いくつかの実施形態では、サポート・リクエスト120は、オーディオとしてフォーマットされる。
【0016】
いくつかの実施形態においては、システムはさらに、サポート管理デバイス130を含み、これは、通信リンク135を介してネットワーク125に接続される。通信リンク135は、通信リンク115-1、115-2、115-3に類似するように構成することができる。サポート管理デバイス130は、サポート・オペレータ140へのサポート・リクエスト120の配布(又は割り当て)を管理するように構成される。いくつかの実施形態においては、サポート管理デバイス130は、ユーザ105からのそれぞれのサポート・リクエスト120のためのサポート・セッションをオープンし、かつサポート・リクエスト120の解決又は他の配備までサポート・セッションを管理する。
【0017】
サポート・セッションの間に、サポート・リクエスト120に割り当てられたサポート・オペレータ140は、ネットワーク125を介して対応するユーザ105と会話することができる(すなわち、通信リンク115-1、115-2、115-3、150-1、150-2の種々のものを使用する)。サポート・セッションは、如何なる好適なフォーマッティングを有することができる。いくつかの実施形態においては、サポート・セッションは、サポート・オペレータ140と、ユーザ105とがサポート・リクエスト120に関するテキスト・ベースのメッセージを断続的に交換する非同期チャットである。利益的に、非同期チャットは、サポート・オペレータ140が同時的に1つ又はそれ以上の他のサポート・リクエスト120に対処することを許容することができ、かつ向上したスループットは、サポート・オペレータ140がサポート・リクエスト120への対処を開始するための時間を削減することをサポートすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態においては、サポート管理デバイス130は、単一のコンピューティング・デバイスを含む。しかしながら、他の実施形態においては、サポート管理デバイス130の機能は、サポート・オペレータ140のコンピューティング・デバイス145に含まれていてもよく、ネットワーク125に接続された多数のコンピューティング・デバイスの間で分散(例えば、コンピューティング・デバイス145-1、145-2の間で分散される)などされていてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態においては、サポート・オペレータ140-1、140-2は、それぞれのコンピューティング・デバイス145-1、145-2を操作する人間のオペレータを含む。しかしながら、他の実装は、サポート・オペレータ140-1、140-2のコンピューティング・デバイス145-1、145-2上で実行する“仮想”サポート・オペレータとしてのサポート・オペレータを有することができる。例えば、サポート・オペレータ140-1、140-2は、チャット・ボット又は他の会話型の人工知能(AI)として実装することができる。
【0020】
図2は、1つ又はそれ以上の実施形態による例示的なコンピューティング・デバイス205の図200である。図200に例示された特徴は、他の実施形態との組み合わせにおいて使用することができる。例えば、コンピューティング・デバイス205は、図1のサポート管理デバイス130の1つの例示的な実装を代表することができる。
【0021】
コンピューティング・デバイス205は、1つ又はそれ以上のコンピュータ・プロセッサ210(また、“複数のプロセッサ210”として参照される)及びメモリ215を含む。1つ又はそれ以上のプロセッサ210は、汎用目的のマイクロプロセッサ、コントローラ、及び用途特定集積回路(ASIC)などといった如何なる好適な形態において実装することができる。メモリ215は、それらのサイズ、相対的な性能、又は他の能力:揮発性又は不揮発性又はそれらの両方、取り外し可能又は取り外し不能又はそれら両方について選択される、種々のコンピュータ可読な媒体を含むことができる。
【0022】
メモリ215は、本明細書にて説明する種々の機能を実行するための1つ又はそれ以上の“モジュール”を含むことができる。1つの実施形態においては、それぞれのモジュールは、1つ又はそれ以上のプロセッサ210によって実行可能なプログラム・コードを含む。しかしながら、他の実施形態は、ハードウェア(すなわち、回路)又は1つ又はそれ以上のプロセッサ210の外部のファームウェアに部分的に、又は完全に実装された機能を有することができる。図示されるように、メモリ215は、テキスト分析モジュール220、ユーザ分類モジュール225、及びオペレータ割り当てモジュール230を含むが、説明される機能の他の組み合わせがまた想定される。
【0023】
サポート・リクエスト120の受領に応答して、コンピューティング・デバイス205は、サポート・リクエスト120の解決又は他の配置まで現在のサポート・セッションをオープンする。現在のサポート・セッションの間、テキスト分析モジュール220は、ユーザによって提供されたサポート・リクエスト120又は1つ又はそれ以上の入力245のテキスト分析を実行する。いくつかの実施形態においては、テキスト分析モジュール220は、1つ又はそれ以上の意図分析、複雑性分析、極性分析、及びタイミング分析を使用して、1つ又はそれ以上の入力245のテキスト分析を実行する。いくつかの実施形態においては、テキスト分析モジュール220は、1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションのテキスト分析を実行し、これは、如何なる好適なファーマッティングをもって、履歴的サポート・セッション・データ235としてメモリ215に格納されることができる。1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションのテキスト分析は、加えて、又は代替的に、現在のサポート・セッションの1つ又はそれ以上の入力245とすることができる。
【0024】
意図分析は、1つ又はそれ以上の入力245又は履歴的なサポート・セッション・データ235、又はそれら両方の、潜在的ディリクレ配分法(Latent Dirichlet Allocation:LDA)といった自然言語処理(NLP)トピック・モデリングのための好適なアルゴリズムを含む。複雑性分析は、1つ又はそれ以上の入力245又は履歴的なサポート・セッション・データ235又はそれら両方の複雑性を判断するための、例えばワード・カウント、品詞分類など、好適なアルゴリズムを含む。極性分析は、ユーザの感情(例えば、気持ちを特徴づける)を判断するための好適なアルゴリズムを含む。タイミング分析は、ユーザからの入力の間の時間、ユーザからの入力(複数)と、サポート・オペレータからの入力(複数)255の間の時間、タイピング速度、中断の使用などを判断するための好適なアルゴリズムを含む。
【0025】
ユーザ分類モジュール225は、1つ又はそれ以上の特徴をモデル(分類器モデル)に対して適用して、ユーザを複数の分類の選択された1つへと分類する。いくつかの実施形態においては、1つ又はそれ以上の特徴は、テキスト分析モジュール220を使用して判断される。いくつかの場合には、1つ又はそれ以上の特徴は、ユーザと、サポート・オペレータとの話しぶりの間の時間間隔といった、1つ又はそれ以上の一時的特徴を含むことができる。ユーザ分類モジュール225のモデルは、サポート-ベクトル・マシン(SVM)、ランダム・フォレスト(RF)、アーティフィシャル・ニューラル・ネットワーク(ANN)などと言った如何なる好適な分類器を含むことができる。
【0026】
分類のそれぞれは、サポート・セッションの間のそれぞれの会話ペースを記述する。会話ペースは、サポート・オペレータ(複数)がサポート・リクエスト120、又はそうでなければユーザへの応答の緊急性(又は優先度)を示す。いくつかの実施形態においては、サポート・リクエスト120は、ユーザが分類される分類に対応する、それぞれのキューに割り当てられる(メモリ215に格納されたキュー・データ240に反映される)。
【0027】
いくつかの実施形態においては、複数の分類は、3つの分類を含む:“ゆっくり”分類、“中間”分類及び“迅速”分類。例えば、テキスト分析モジュール220が、ユーザがフラストレーションを受けており、かつサポート・リクエスト120を解決しようと試みる会話に大いに関連する場合、ユーザは迅速分類に分類される可能性がある。したがって、迅速分類への分類は、ユーザが割り当てられたサポート・オペレータに相対的に高い負荷を生成することを示唆しているので、サポート・オペレータは、同時により多くのユーザに対応することができないであろうことを示唆する。ユーザの関連を判断するための1つの実施例の技術は、タイピング速度又はサポート・オペレータと、ユーザとの間の通信の中断の長さ(例えば、平均レスポンス時間)、又はそれらの両方を評価することによる。結果として、ユーザのサポート・リクエストは、ユーザ満足度を改善する試みにおいて、 “中間”又は“ゆっくり”分類の別のユーザのサポート・リクエストを超えて優先化されることができる。いくつかの実施形態においては、サポート・リクエストの優先化は、別のサポート・リクエストの前にユーザのサポート・リクエストに対処すること、サポート・リクエストに対処するサポート・オペレータを再割り当てすることなどの1つを含む。
【0028】
いくつかの実施形態においては、テキスト分析モジュール220は、さらに現在のサポート・セッションのフェーズを判断し、かつユーザ分類モジュール225は、判断されたフェーズに基づいて分類器モデルを重み付けする。例えば、ユーザと、サポート・オペレータとの間の会話のテキスト分析(例えば、1つ又はそれ以上の入力245及び1つ又はそれ以上の入力255)は、以下の例示的なフェーズの1つを示す可能性がある:理解する状況(例えば、サポート・オペレータが一般にユーザの気持ち、サポート・リクエスト120のコンテキスト、ユーザのプロファイル、1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションに反映されたユーザの履歴、サポート・リクエスト120の長文のコンテキスト)、仮説(例えばサポート・オペレータは一般に事前の介入を行う)、探索(例えば、サポート・オペレータは共感できる関連及び常識的な理由付けを行う)、確認、及び解決(例えば、サポート・オペレータがサポート・リクエスト120のような同様の問題を回避するための事前の示唆を提供する)。
【0029】
1つの実施例において、理解及び確認フェーズの状況において、重みは、ユーザを迅速分類に分類することに互換性のある事前定義された値に設定されることができ、この理由は、サポート・リクエスト120が、チャット・ボットといった自動化モジュールを使用して対処される可能性があるためである。もう1つの実施例においては、もしもユーザが怒っていると判断される(例えば、強いか又はぶっきらぼうな言葉を使用する、より早くタイピングする)、若しくはサポート・リクエスト120がユーザからの以前のサポート・リクエストと同一問題に対処するものであれば、重みは、ユーザを迅速分類に分類するためのより高い値へと設定されることができる。したがって、気持ち及び履歴は、他のユーザ側面よりも、より影響を与えることができる(例えば、プロファイル情報)。
【0030】
サポート・リクエスト120を受領すると、ユーザ分類モジュール225は、ユーザを識別すると共に、ユーザの1つ又はそれ以上のサポート・セッションについての履歴的サポート・セッション・データ235にアクセスする。いくつかの実施形態においては、ユーザ分類モジュール225は、履歴的サポート・セッション・データ235を使用して、現在のサポート・セッションにおけるユーザの初期分類を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態においては、ユーザの初期分類は、ユーザに対応する1つ又はそれ以上のサポート・セッションのテキスト分析に基づく(例えば、履歴的サポート・セッション・データ235)。いくつかの実施形態においては、履歴的サポート・セッション・データ235は、ユーザの以前の1つ又はそれ以上の分類を含む。1つの実施例においては、ユーザは、最も最近のサポート・セッションにおけるユーザの最後の分類がまた迅速分類の場合、現在のサポート・セッションについて初期的に、迅速分類に分類されることができる。もう1つの実施例では、最も最近のサポート・セッション(又は以前の多数のサポート・セッションにわたる)の分類の平均がまた迅速分類である場合には、ユーザは、初期的に迅速分類に分類される可能性がある。もう1つの実施例では、最も最近のサポート・セッション(又は以前の多数のサポート・セッションにわたる)の最高の分類が迅速分類であった場合などにはユーザは、初期的に迅速分類に分類される可能性がある。
【0032】
他の場合においては、ユーザの初期分類は、判断を行うために使用される以前の分類(複数)と同一である必要はない。例えば、ユーザの初期分類は、閾値を超えた以前のサポート・セッション(複数)の分類(複数)、以前のサポート・セッション(複数)の間の分類の変化傾向などに基づくことができる。このことは、以前のサポート・セッションの間に複雑なサポート・リクエスト(複数)を有し、失望を経験したなどのユーザからのサポート・リクエストを優先化するために利益的である
【0033】
いくつかの実施形態においては、複数の分類は、さらに“未定義”又はデフォルト分類を含むことができる。ユーザは、ユーザが識別されないか、又は履歴的サポート・セッション・データ235がユーザに対する以前のサポート・セッションを反映しない、又はそれらの両方の場合において、未定義分類に分類されることができる。
【0034】
スキームは、3つの分類(ゆっくり、中間、迅速)かつ任意的に未定義分類を有するものとして上記に説明されるが、異なる会話ペースを反映する異なる数の分類を有する代替的な実装もまた想定される。例えば、別のスキームは、ユーザを優先及び非優先の分類の選択された1つに分類することができる。
【0035】
ユーザの分類に基づいて、いくつかの実施形態においては、ユーザ分類モジュール225は、サポート・リクエスト120を分類に関連付けられるキューに割り当てる。例えば、上述した例示的なスキームを使用すると、キュー・データ240は、ゆっくり、中間、迅速及び未定義の分類に対応する4(4)つのキューを含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態においては、ユーザ分類モジュール225は、ユーザからの1つ又はそれ以上の入力245又はサポート・リクエスト120に割り当てられたサポート・オペレータからの1つ又はそれ以上の入力255又はそれらの両方に基づいて、現在のサポート・セッションの間のユーザの分類を動的にアップデートする。ユーザ分類モジュール225は、さらにキュー・データ240をアップデートして、ユーザのアップデートされた分類を反映することができる。例えば、サポート・リクエスト120は、アップデートされた分類に応答して、第1のキューから第2のキューへと移動され、同一のキュー内で格上げされ、又は格下げされることができる。
【0037】
キュー・データ240に基づいて、オペレータ割り当てモジュール230は、サポート・オペレータへとサポート・リクエスト120の遂行を割り当てる。いくつかの実施形態においては、オペレータ割り当てモジュール230は、サポート・リクエスト120についてサポート・リクエスト割り当て250を、例えば、割り当てられたサポート・オペレータのコンピューティング・デバイスに送信するか、若しくはサポート・リクエスト120が割り当てられた、割り当てサポート・オペレータ以外のサポート・オペレータに通知する。
【0038】
上述したように、ユーザ分類モジュール225は、現在のサポート・セッションの間にユーザの分類を動的にアップデートすることができる。いくつかの実施形態では、オペレータ割り当てモジュール230は、アップデートされた分類に基づいてサポート・オペレータを変更することができる。いくつかの実施形態では、オペレータ割り当てモジュール230は、さらに、割り当てられたサポート・オペレータ又は他のサポート・オペレータの負荷に基づいてサポート・オペレータの割り当てを変更することができる。1つの実施例においては、サポート・リクエスト120は、割り当てられたサポート・オペレータが、多すぎるサポート・リクエスト、特定の分類の多すぎるサポート・リクエストが割り当てられた(例えば単一のオペレータが多すぎる“迅速”分類のサポート・リクエストに適切に対処することが困難である可能性がある)などの場合に再割り当てされることができる。もう1つの実施例においては、サポート・リクエスト120は、別のサポート・オペレータが利用できる場合(例えば、別のサポート・リクエストを解決した後)、別のサポート・オペレータが現在割り当てられているサポート・オペレータよりもより経験がある場合などに再割り当てされる可能性がある。
【0039】
図3は、1つ又はそれ以上の実施形態による会話ペースを使用してオペレータへとサポート・リクエストを割り当てるための例示的な方法300を示す。方法300は、他の実施形態との組み合わせにおいて使用することができる。例えば、方法300は、図1のサポート管理デバイス130によって実行されることができる。
【0040】
方法300は、ブロック305で開始し、そこでは、サポート管理デバイスは、ユーザからサポート・リクエストを受領する。いくつかの実施形態においては、サポート管理デバイス130は、サポート・リクエストに応答してサポート・セッションをオープンし、かつサポート・リクエストの解決までサポート・セッションを維持する。ブロック315でサポート管理デバイスは、ユーザにより提供された1つ又はそれ以上の入力のテキスト分析を実行する。いくつかの実施形態においては、テキスト分析は、意図分析、複雑性分析、極性分析、及びタイミング分析の1つ又はそれ以上を含む。
いくつかの実施形態においては、テキスト分析はさらに、現在のサポート・セッションのフェーズを判断することを含み、かつサポート管理・デバイスは、判断されたフェーズに基づいて分類器モデルを重み付けする。
【0041】
ブロック325では、サポート管理デバイスは、テキスト分析により判断された1つ又はそれ以上の特徴を適用する。いくつかの実施形態においては、1つ又はそれ以上の特徴が分類器モデルに適用され、これがブロック335でユーザを複数の分類の選択された1つへと分類する。いくつかの実施形態においては、分類器モデルは、以下のアルゴリズムの1つを含む:サポート-ベクトル・マシン(SVM)、ランダム・フォレスト(RF)、アーティフィシャル・ニューラル・ネットワーク(ANN)。いくつかの実施形態においては、それぞれの分類は、サポート・セッションの間の会話のそれぞれのペースを記述する。
【0042】
ブロック345では、サポート・リクエストは、ユーザが分類される分類に対応するキューに割り当てられる。ブロック355では、サポート・リクエストがサポート・オペレータに割り当てられる。ブロック365では、テキスト分析がユーザによって与えられた1つ又はそれ以上の追加的な入力に実行される。1つ又はそれ以上の追加的な入力は、現在のサポート・セッションの間のユーザと、サポート・オペレータとの間の会話に対応することができる。
【0043】
ブロック375では、ユーザは、1つ又はそれ以上の追加的な入力についてのテキスト分析に基づいて再分類される。いくつかの実施形態においては、サポート・リクエストは、ユーザの再分類に応答して別のサポート・オペレータに再割り当てされる。
ブロック385では、モデルがアップデートされる。いくつかの実施形態においては、分類器モデルの重みは、現在のサポート・セッションの判断されたフェーズに基づいてアップデートされる。方法300は、ブロック385の完了の後に終了する。
【0044】
図4は、1つ又はそれ以上の実施形態によるユーザの再分類を示す図400である。
図400に示された特徴は、他の実施形態との組み合わせにおいて使用されることができる。例えば、図400は、サポート・リクエストに対処するためのサポート・セッションを管理する図1のサポート管理デバイス130の例示的な動作を代表することができる。
【0045】
3つのサポート・セッション415-1、415-2、415-3が図400に示されており、それらのそれぞれは、異なるユーザ101、102、103によってリクエストされる。サポート管理デバイスは、それぞれのサポート・セッション415-1、415-2、415-3について、ユーザ・フィールド402、現在分類・フィールド404、意図フィールド406、複雑性フィールド408、極性フィールド410、及び会話ペース・フィールド412を維持する。サポート・セッション415-1は、最初に“ゆっくり”分類に分類されたユーザ101に対応する。上述したように、いくつかの場合においては、この初期分類は、ユーザ101の1つ又はそれ以上の以前のサポート・セッションに基づいて判断されることができる。サポート・セッション415-1の間の会話のテキスト分析(ユーザからの1つ又はそれ以上の入力又はサポート・オペレータからの1つ又はそれ以上の入力、又はこれらの両方)は、1つ又はそれ以上の特徴を判断する:サポート・リクエストの意図“D”、複雑性“2”及びユーザの“ポジティブ”な極性(又は感情)。
【0046】
意図フィールド406は、一般にサポート・オペレータによって行われるサポート・リクエストを解決するためのアクションのタイプを代表する。1つの実施例では、意図“A”は、パスワード変更に対応し、意図“B”は、カード盗難の報告に対応し、意図“C”は、サブスクリプションの解除などに対応する。
【0047】
複雑性フィールド408は、一般にワード数、形容詞の数などと言った1つ又はそれ以上のテキスト的な尺度を代表する。意図フィールド406、複雑性フィールド408、極性フィールド410などの値についての異なる基準は、会話ペース・フィールド412を判断するためにそれらの特徴がどれだけ重要であるかに影響する。
【0048】
いくつかの実施形態においては、サポート管理デバイスは、1つ又はそれ以上の特徴を使用してサポート・セッション415-1の会話ペースを(“ゆっくり”)と判断する。会話ペースの判断は、ルール・ベース又はモデル・ベースとすることができる。
【0049】
サポート・セッション415-2は、最初に“迅速”分類に分類されたユーザ102に対応する。サポート・セッション415-2の間の会話のテキスト分析(ユーザからの1つ又はそれ以上の入力又はサポート・オペレータからの1つ又はそれ以上の入力、又はこれらの両方)は、1つ又はそれ以上の特徴を判断する:サポート・リクエストの意図“C”、複雑性“5”及びユーザの“中立”な極性(又は感情)。1つ又はそれ以上の特徴を使用して、会話ペースが、サポート・セッション415-2について“中間”と判断される。
【0050】
サポート・セッション415-3は、最初に“中間”分類に分類されたユーザ103に対応する。サポート・セッション415-3の間の会話のテキスト分析(ユーザからの1つ又はそれ以上の入力又はサポート・オペレータからの1つ又はそれ以上の入力、又はこれらの両方)は、1つ又はそれ以上の特徴を判断する:意図“A”、サポート・リクエストの複雑性“1”、及びユーザの“ネガティブ”の極性(又は感情)。1つ又はそれ以上の特徴を使用して、サポート・セッション415-3についての会話ペースが“迅速”と判断される。
【0051】
1つ又はそれ以上の特徴は、分類器モデル425に適用されて、それぞれのサポート・セッション415-1、415-2、415-3の間の会話ペースを記述する分類へとユーザを分類する。いくつかの実施形態においては、ユーザの現在の分類又は会話ペース又はそれらの両方は、また分類器モデル425への特定の入力として提供される。他の実施形態においては、分類器モデル425は、特定の入力として現在の分類又は会話ペースを受領しないが、分類器モデル425による出力分類は、会話ペースを代表する。サポート管理デバイスは、さらに、サポート・セッション415-1、415-2、415-3のそれぞれについて、新規分類フィールド432を保持し、これは、分類器モデル425の出力に基づくユーザの新規な分類を代表する。新規分類フィールド432の値は、会話ペースの値と同じく示されているが、他の実施例は、異なる値を有することができる。例えば、“中間”の会話ペース・フィールド412を有する困難なタスク(例えば、意図フィールド406に基づく)は、サポート・オペレータがサポート・リクエストを解決するために、より時間のある可能性が有るという予測のため、“ゆっくり”として割り当てられた新規分類フィールド432をもたらす可能性がある。もう1つの実施例においては、“中間”の会話ペースを有する単純なタスクは、サポート・リクエストがより早くに解決される可能性が有るという予測のため、“迅速”に割り当てられた新規分類フィールド432をもたらす可能性がある。
【0052】
いくつかの実施形態においては、それぞれのサポート・セッション415-1、415-2、415-3について適用される分類器モデル425の1つ又はそれ以上の重みは、それぞれのサポート・セッション415-1、415-2、415-3の会話フェーズ420に基づいて選択される。会話フェーズ420に反映される異なるフェーズは、一般にサポート・リクエストを解決することの異なる進展(又はステータス)を表す。
会話フェーズ420は、それぞれのサポート・セッション415-1、415-2、415-3のテキスト分析に基づいて判断されることができる。図示されるように、重み430-1、430-2、…、430-Nは、Nの事前定義されたフェーズに対応する分類器モデル425について選択されることができる。例えば、サポート・セッション415-1がフェーズ1であると判断されると仮定すると、対応する重み430-1が選択されて、サポート・セッション415-1についての分類器モデル425に適用される。以上議論したように、フェーズの1つの実施例のセットは、理解、仮説、探索、確認、及び解決の状況を含む。
【0053】
分類器モデル425及びそれぞれの重み430-1、430-2、…、430-Nを使用して、サポート・セッション415-1は、“ゆっくり”分類として分類されたまま、サポート・セッション415-2は、“迅速”分類から“中間”分類へと変更され、そしてサポート・セッション415-3は、“中間”分類から“迅速”分類に変更された。この仕方において、サポート・セッション415-3についてのサポート・リクエストは、サポート・セッション415-2についての上記のサポート・リクエストよりも上に動的に優先化され、このことが“サポート・セッション415-3における早い”会話ペースで、かつユーザの“ネガティブ”な極性に対してより責任をもって対処することにより、全体的なカスタマー満足度を改善することができる。
【0054】
上記に議論したように、他よりもサポート・リクエストを優先化することは、異なるキューにサポート・リクエストを割り当てすることを含む。例えば、再分類に応答して、サポート・セッション415-3についてのサポート・リクエストは、“中間”分類のサポート・リクエストを含む第1のキューから、“迅速”分類のサポート・リクエストを含む第2のキューへと再割り当てすることができる。
【0055】
サポート・リクエストが異なるキューへと再割り当てされるか否かに拠らず、他に対してサポート・リクエストを優先化することは、サポート・リクエストがもう別のサポート・オペレータによって遂行されるように再割り当てすることを含むことができる。図5は、1つ又はそれ以上の実施形態によりサポート・リクエストを再割り当てすることの例示的な方法500を示す。方法500は、他の実施形態と組み合わせて使用されることができる。例えば、方法500は、図2のオペレータ割り当てモジュール230によって実行されることができる。
【0056】
方法500は、ブロック505で開始し、そこでは、オペレータ割り当てモジュールがサポート・リクエストの遂行ステータスをモニタする。サポート・リクエストは、複数のサポート・オペレータに割り当てることができる。いくつかの実施形態においては、遂行ステータスのモニタリングは、サポート・リクエストに対応する種々のサポート・セッションのテキスト分析の実行を含み、サポート・セッションのフェーズを判断するなどすることができる。
【0057】
ブロック515では、オペレータ割り当てモジュールは、第1のサポート・オペレータが追加のサポート・リクエストに適応できることを判断する。いくつかの実施形態においては、この判断は、別のサポート・リクエストを解決している第1のサポート・オペレータ、第2のサポート・オペレータへの別のサポート・リクエストの再割り当て、第1のサポート・オペレータの別のサポート・リクエストをより低い優先レベルに下げるという再割り当て(例えば、“迅速”分類から“中間”分類へと)についての責任がある。
【0058】
ブロック525では、オペレータ割り当てモジュールは、サポート・リクエストが第2のサポート・オペレータから移転されるべきことを判断する。いくつかの実施形態においては、この判断は、第2のサポート・オペレータが別のサポート・リクエストを受領すること、第2のサポート・オペレータの別のサポート・リクエストをより高い優先レベルに再分類すること(例えば、“中間”分類から“迅速”分類)などについて責任がある。
【0059】
ブロック535では、オペレータ割り当てモジュールは、第1のオペレータへのサポート・リクエストを再割り当てする。ブロック545では、オペレータ割り当てモジュールは、サポート・リクエストが遂行されたことを判断する。ブロック555では、オペレータ割り当てモジュールは、リクエストの遂行を記述する尺度を記録する。いくつかの実施形態においては、尺度は、ユーザ満足度(例えば、ユーザの直接的な指定ト通して)、会話ペース情報、サポート・セッションの間の分類の変更、サポート・オペレータの満足度及びシステム・スループットの1つ又はそれ以上を含む。方法500は、ブロック555の完了の後、終了する。
【0060】
本開示の側面は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、滞在型ソフトウェア、マイクロ・コードなど)、又は“回路”、“モジュール”、又は“システム”としてすべてが参照されるソフトウェア及びハードウェアの側面の組み合わせの実施形態を取ることができる。
【0061】
本開示は、システム、方法、又はコンピュータ・プログラム製品、又はそれらの組み合わせとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ可読なプログラム命令をそれ上に有し、本開示の側面をプロセッサに対して実行させるためのコンピュータ可読な記録媒体を含むことができる。
【0062】
コンピュータ可読な記録媒体は、命令実行デバイスによって使用されるための命令を保持し、かつ格納することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読な記録媒体は、これらに制限されないか、例えば、電子的記録デバイス、磁気記録デバイス、光学的記録デバイス、電気磁気記録デバイス、半導体記録デバイス、又は上述のものの如何なる好適な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読な記録媒体の限定的ではない実施例は、次のポータブル・コンピュータ・ディスク、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ(登録商標))、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・イオンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク(登録商標)、パンチ・カード又は命令を記録した溝内に突出する構造を有する機械的にエンコードされたデバイス、及びこれらの好ましい如何なる組合せを含む。本明細書で使用するように、コンピュータ可読な記録媒体は、ラジオ波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波路又は他の通信媒体(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)といった電磁波、又はワイヤを通して通信される電気信号といったそれ自体が一時的な信号として解釈されることはない。
【0063】
本明細書において説明されるコンピュータ・プログラムは、コンピュータ可読な記録媒体からそれぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイスにダウンロードでき、又は例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク又はワイヤレス・ネットワーク及びそれからの組み合わせといったネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記録デバイスにダウンロードすることができる。
ネットワークは、銅通信ケーブル、光通信ファイバ、ワイヤレス通信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ及びエッジ・サーバ又はこれらの組み合わせを含むことができる。それぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読なプログラム命令を受領し、このコンピュータ可読なプログラム命令を格納するためにそれぞれのコンピューティング/プロセッシング・デバイス内のコンピュータ可読な記録媒体内に転送する。
【0064】
本発明の操作を遂行するためのコンピュータ可読なプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロ・コード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は1つ又はそれ以上の、Smalltalk(登録商標)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、“C”プログラミング言語又は類似のプログラム言語といった手続き型プログラミング言語を含むプログラミング言語のいかなる組合せにおいて記述されたソース・コード又はオブジェクト・コードのいずれかとすることができる。コンピュータ可読なプログラム命令は、全体がユーザ・コンピュータ上で、部分的にユーザ・コンピュータ上でスタンドアローン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザ・コンピュータ上で、かつ部分的にリモート・コンピュータ上で、又は全体がリモート・コンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者のシナリオにおいて、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含むいかなるタイプのネットワークを通してユーザ・コンピュータに接続することができ、又は接続は、外部コンピュータ(例えばインターネット・サービス・プロバイダを通じて)へと行うことができる。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電気回路がコンピュータ可読なプログラム命令を、コンピュータ可読なプログラム命令の状態情報を使用して、本発明の特徴を実行するために電気回路をパーソナライズして実行することができる。
【0065】
本明細書で説明した本発明の側面を、本発明の実施形態にしたがい、フローチャート命令及び方法のブロック図、又はそれらの両方、装置(システム)、及びコンピュータ可読な記録媒体及びコンピュータ・プログラムを参照して説明した。フローチャートの図示及びブロック図又はそれら両方及びフローチャートの図示におけるブロック及びブロック図、又はそれらの両方のいかなる組合せでもコンピュータ可読なプログラム命令により実装することができることを理解されたい。
【0066】
これらのコンピュータ可読なプログラム命令は、汎用目的のコンピュータ、特定目的のコンピュータ、または他のプロセッサ又は機械を生成するための他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置に提供することができ、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置による実行がフローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作を実装するための手段を生成する。コンピュータ、プログラマブル・データ・プロセッシング装置及び他の装置又はこれらの組み合わせが特定の仕方で機能するように指令するこれらのコンピュータ可読なプログラム命令は、またコンピュータ可読な記録媒体に格納することができ、その内に命令を格納したコンピュータ可読な記録媒体は、フローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作の特徴を実装する命令を含む製造品を構成する。
【0067】
コンピュータ可読なプログラム命令は、またコンピュータ、他のプログラマブル・データ・プロセッシング装置、又は他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で操作ステップのシリーズに対してコンピュータ実装プロセスを生じさせることで、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上でフローチャート及びブロック図のブロック又は複数のブロック又はこれらの組み合わせで特定される機能/動作を実装させる。
【0068】
図のフローチャート及びブロック図は、本発明の種々の実施形態にしたがったシステム、方法及びコンピュータ・プログラムのアーキテクチャ、機能、及び可能な実装操作を示す。この観点において、フローチャート又はブロック図は、モジュール、セグメント又は命令の部分を表すことかでき、これらは、特定の論理的機能(又は複数の機能)を実装するための1つ又はそれ以上の実行可能な命令を含む。いくつかの代替的な実装においては、ブロックにおいて記述された機能は、図示した以外で実行することができる。例えば、連続して示された2つのブロックは、含まれる機能に応じて、同時的に実行することができ、又は複数のブロックは、時として逆の順番で実行することができる。ブロック図又はフローチャートの例示、又はこれらの両方のそれぞれのブロック及びブロック図又はフローチャートの例示又はこれらの両方におけるブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作又は特定目的のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する特定目的のハードウェア・ベースのシステムによって実装することができることについて、また、指摘する。
【0069】
上記のものは、本開示の実施形態に向けられたものであるが、本開示の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱すること無くデバイス化することができ、かつその範囲は、以下の請求項によって判断される。
図1
図2
図3
図4
図5