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特許7575867フィールドデバイス用無線プロトコル変換器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】フィールドデバイス用無線プロトコル変換器
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/18 20090101AFI20241023BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241023BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20241023BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241023BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H04W4/18
H04W4/38
H04W80/02
H04Q9/00 301Z
G05B19/042
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019177731
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2020058030
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】62/739,830
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・アール・デニソン
(72)【発明者】
【氏名】マニカンダン・ジャナードハナン
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・ジー・ミデンドーフ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エヌ・ホークネス
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0359675(US,A1)
【文献】特表2014-514635(JP,A)
【文献】特開2005-051746(JP,A)
【文献】特開2013-055662(JP,A)
【文献】特開2005-333189(JP,A)
【文献】特表2015-518620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0192671(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04Q 9/00
G05B 19/042
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドデバイスからデータを収集し、プロトコル変換を実行するためのコンピュータ実装方法であって、
コンピュータが、
前記フィールドデバイスの伝送器を介して、プロセス制御プロトコルで符号化されたデータセットを受信するステップと、
プロセッサを介して、前記データセットからペイロードを抽出するステップであって、当該抽出が、(i)前記データセットからメタデータを除去すること、および(ii)前記ペイロード内の少なくとも1つのデータ構造を前記プロセス制御プロトコルのフォーマットから汎用コンピューティングデータフォーマットのフォーマットに変換することを含む、ステップと、
メモリに前記ペイロードの少なくとも一部を記憶するステップと、
無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して、汎用コンピューティング通信プロトコルで符号化された前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップと
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記フィールドデバイスの前記伝送器は、(i)有線伝送器および(ii)無線伝送器の一方または両方を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記プロセス制御プロトコルは、HART、WirelessHART、Profibus、またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコルを含む、請求項1または請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記フィールドデバイスから前記プロトコル符号化データセットを受信するステップは、前記フィールドデバイスから前記プロトコル符号化データセットを取り出すステップを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記フィールドデバイスから前記プロトコル符号化データセットを取り出すステップは、前記フィールドデバイスをポーリングするステップを含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記フィールドデバイスから前記プロトコル符号化データセットを取り出すステップは、前記プロセス制御プロトコルで符号化されたデータ取り出しコマンドを生成するステップを含む、請求項4または請求項5のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記汎用コンピューティング通信プロトコルは、IEEE802.11プロトコル、Bluetooth(登録商標)プロトコル、Bluetooth(登録商標) Low Energyプロトコル、Long Rangeプロトコル、および/または携帯電話通信プロトコルである、請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップは、前記ペイロードの少なくとも一部をユーザコミュニケータに伝送するステップを含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップは、前記ペイロードの少なくとも一部をリアルタイムで伝送するステップを含む、請求項1から請求項8のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップは、前記ペイロードの少なくとも一部をリモート資産管理システムに伝送するステップを含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記ペイロードの少なくとも一部をリモート資産管理システムに伝送するステップは、無線ゲートウェイを介して前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記ペイロードの少なくとも一部をリモート資産管理システムに伝送するステップは、無線メッシュネットワークを介して前記ペイロードの少なくとも一部を伝送するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
フィールド・コミュニケータ・デバイスであって、
1つまたは複数のプロセッサと、
伝送器と、
無線ネットワーク・インターフェース・コントローラと、
メモリであって、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、前記フィールド・コミュニケータ・デバイスに、
前記伝送器を介して、フィールドデバイス伝送プロトコルで符号化されたデータを取り出させ、
無線通信デバイスのデバイス通信モジュール内で、前記データを解釈させることであって、(i)前記データからメタデータを除去し、および(ii)前記データのペイロード内の少なくとも1つのデータ構造を前記フィールドデバイス伝送プロトコルのフォーマットから汎用コンピューティングデータフォーマットのフォーマットに変換することにより、前記データを解釈させ、
前記メモリに前記データの少なくとも一部を記憶させ、
前記無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して、前記データの少なくとも一部を伝送させる命令を記憶するメモリと
を備える、フィールド・コミュニケータ・デバイス。
【請求項14】
前記フィールドデバイス伝送プロトコルは、Highway Addressable Remote Transducerプロトコル、Fieldbusプロトコル、Profibusプロトコル、またはModbusプロトコルである、請求項13に記載のフィールド・コミュニケータ・デバイス。
【請求項15】
前記無線ネットワーク・インターフェース・コントローラは、IEEE802.11伝送器、Bluetooth(登録商標)伝送器、Bluetooth(登録商標) Low Energy伝送器、Long Range伝送器、および/または携帯電話通信伝送器である、請求項13または請求項14に記載のフィールド・コミュニケータ・デバイス。
【請求項16】
前記メモリはさらに、実行されたときに、前記フィールド・コミュニケータ・デバイスに、
前記無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して、ユーザコミュニケータのコマンドを受信させ、
前記ユーザコミュニケータの前記コマンドに基づいて、前記伝送器を介してフィールドデバイスに命令を発行させる命令を記憶する、請求項13から請求項15のいずれかに記載のフィールド・コミュニケータ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
2018年10月1日に出願された米国仮出願特許第62/739,830号の優先権の利益が主張されており、この特許の内容全体が参照により本願明細書に引用される。
【0002】
本開示は、全般的には、プロセスプラントおよびプロセス制御システムに関し、特に、プロセスプラント内のフィールドデバイス用のデータ収集設備およびデータプロトコル変換設備の提供に関する。
【背景技術】
【0003】
物理的な材料または製品を製造し、精製し、変換し、生成し、または生産するための化学プロセスプラント、石油プロセスプラント、または他のプロセスプラントで使用されるような分散プロセス制御システムは、典型的には、アナログバス、デジタルバス、もしくはアナログバス/デジタルバスの組み合わせ、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して、1つまたは複数のフィールドデバイスに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセスコントローラを含む。例えば、弁、弁ポジショナ、スイッチ、および伝送器(例えば、温度センサ、圧力センサ、レベルセンサおよび流量センサ)であり得るフィールドデバイスは、プロセス環境内に位置付けられ、一般に、弁の開閉、測定プロセスおよび/または環境パラメータ(温度または圧力など)のような物理的機能またはプロセス制御機能を実行して、プロセスプラントまたはシステム内で実行している1つまたは複数のプロセスを制御する。さらに、周知のFieldbusプロトコル準拠のフィールドデバイスのようなスマート・フィールド・デバイスはさらに、制御計算、警告機能、および一般にコントローラ内に実装される他の制御機能を実行し得る。典型的には、プラント環境内に位置付けられるプロセスコントローラは、フィールドデバイスによって作成されたプロセス測定値および/またはフィールドデバイスに関する他の情報を表す信号を受信し、例えば、プロセス制御決定を行う種々の制御モジュールを動作させるコントローラアプリケーションを実行し、受信情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、およびFOUNDATION(登録商標)Fieldbusのフィールドデバイスのようなフィールドデバイス内で実行されている制御モジュールまたはブロックとの調整を行う。コントローラ内の制御モジュールは、通信回線またはリンク経由で制御信号をフィールドデバイスに送信して、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部の動作を制御し、例えば、プラントまたはシステム内で動作する、または実行する1つまたは複数の工業プロセスの少なくとも一部を制御する。例えば、コントローラおよびフィールドデバイスは、プロセスプラントまたはシステムによって制御されているプロセスの少なくとも一部を制御する。一般に同様にプラント環境内に位置付けされるI/Oデバイスは、典型的には、コントローラと1つまたは複数のフィールドデバイスとの間に配置され、例えば、電気信号をデジタル値に、またデジタル値を電気信号に変換することによって、これらの間の通信を可能にする。本明細書内で使用される場合、フィールドデバイスおよびコントローラは、一般に「プロセス制御装置」と呼ばれる。
【0004】
フィールドデバイスおよびコントローラからの情報は、通常、データハイウェイまたは通信ネットワーク経由で、例えば、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中データベース、または典型的に、より過酷なプラント環境から離れた制御室または他の場所に配置される他の集中管理コンピューティングデバイスのような1つまたは複数の他のハードウェアデバイスで入手可能である。一般に、データハイウェイまたは通信ネットワークは、低帯域幅有線ネットワークである。これらのハードウェアデバイスの各々は、典型的には、プロセスプラント全体またはプロセスプラントの一部にわたる集中デバイスである。これらのハードウェアデバイスは、例えば、オペレータがプロセスの制御および/またはプロセスプラントの操作に関する機能、例えば、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラまたはフィールドデバイス内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現在の状態の表示、フィールドデバイスおよびコントローラによって生成された警告の表示、要員のトレーニングまたはプロセス制御ソフトウェアの試験のためのプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの維持および更新などを実行することを可能にするアプリケーションを動作させる。ハードウェアデバイス、コントローラおよびフィールドデバイスによって利用されるデータハイウェイは、有線通信経路、無線通信経路、または有線通信経路と無線通信の組み合わせを含み得る。
【0005】
一例として、Emerson Process Management社から販売されているDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の様々な場所に位置付けられた種々のデバイス内に記憶され、種々のデバイスによって実行される複数のアプリケーションを含む。1つまたは複数のワークステーションまたはコンピューティングデバイス内に常駐する構成アプリケーションは、ユーザがプロセス制御モジュールを作成または変更して、データハイウェイ経由でこれらのプロセス制御モジュールを専用分散コントローラにダウンロードするのを可能にする。典型的には、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックから成り、機能ブロックは、機能ブロックへの入力に基づいて制御スキーム内の機能を実行し、制御スキーム内の他の機能ブロックへの出力を生成するオブジェクト指向プログラミングプロトコル内のオブジェクトである。構成アプリケーションはさらに、構成設計者が、オペレータにデータを表示するために閲覧アプリケーションによって使用されるオペレータインターフェースを作成または変更できるようにし、オペレータがプロセス制御ルーチン内の設定(例えば、設定値)を変更するのを可能にする。各々の専用コントローラおよび、場合によっては、1つまたは複数のフィールドデバイスは、実際のプロセス制御機能を実装するために割り当てられダウンロードされた制御モジュールを動作させる個々のコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。1つまたは複数のオペレータワークステーション上(またはオペレータワークステーションおよびデータハイウェイと通信接続された1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス上)で実行され得る閲覧アプリケーションは、データハイウェイ経由でコントローラアプリケーションからデータを受信し、このデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザインターフェースを使用するユーザに表示し、オペレータビュー、エンジニアビュー、技術者ビューなど多数の異なるビューのうちのいずれかを提供し得る。データ・ヒストリアン・アプリケーションは、典型的には、データハイウェイ経由で提供されたデータの一部または全てを収集して記憶するデータ・ヒストリアン・デバイス内に記憶され、データ・ヒストリアン・デバイスによって実行されるが、構成データベースアプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン構成およびそれに関連付けられたデータを記憶するためにデータハイウェイに接続されているさらに別のコンピュータ内で動作し得る。あるいは、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーション内に位置付けられ得る。
【0006】
典型的には、プロセスプラントでは、物理的デバイス、接続部、配線などは、物理的配線を介してプロセスプラントのフィールド環境内に設置し、セットアップし、相互接続する必要がある。プラントのバックエンド環境において(例えば、典型的には、制御室またはプラントのより過酷なフィールド環境から離れた他の場所に配置されたオペレータワークステーション、パーソナルコンピュータまたはコンピューティングデバイス、集中データベース、構成ツールなどのような集中管理コンピューティングデバイスにおいて)、具体的に様々なデバイス、それらの構成、およびそれらの相互接続を識別し、および/またはアドレス指定するデータが、統合され、検証されまたは認定されて、記憶される。したがって、物理的ハードウェアが設置されて構成された後、識別情報、論理命令、ならびに他の命令および/またはデータが、フィールド環境内に配置された様々なデバイスにダウンロードされ、またはそれ以外の方法で提供されることにより、様々なデバイスが有線接続を介して他のデバイスと通信することができるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
典型的には、フィールドデバイスは、種々のカテゴリのユーザによってアクセスされる。例えば、制御エンジニアは、プラントのバックエンド環境内に位置付けられたワークステーションを使用するフィールドデバイスをプログラミングし得る。操作ユーザは、稼働状況、傾向(例えば、閾値)、制御ループ性能などについてフィールドデバイスを監視し得る。メンテナンスユーザはさらに、プロセスプラント内の様々なデバイスにアクセスして、定期的におよび/または緊急時にデバイスを修理し、再構成し、交換し、および/または維持し得る。ユーザの各々は、ハンドヘルドまたは携帯コミュニケータデバイスによって容易になる直接接続部であり得るフィールドデバイスへの接続部を介して、または設置されているプロセスプラントのネットワークを介して、フィールドデバイスにアクセスし得る。フィールドデバイスは、プロセスプラント内のハードワイヤードネットワークを飽和させる大量のデータを生成し得、ハンドヘルドデバイスとの直接通信は、フィールドデバイスへの一時的な直接のハードワイヤード接続を必要とするので、面倒であり多大な時間を要し得る。さらに、プロセスプラントの設置されているハードワイヤードネットワークを介して受信されたフィールドデバイスからのデータは、ハードワイヤードネットワーク内の一連のホップを横断する必要があるために遅延することになる。さらに、フィールドデバイスからの診断データは、プロセスプラント内のフィールドデバイスの主要目的に関連しない場合があるので、このデータはプラントの主要機能に関するデータに対して優先度が下げられる場合がある。この優先度が下げられたデータは、フィールドデバイスのトラブルシューティング、アップグレード、および維持において大幅な遅延を引き起こし得る。
【0008】
さらに、一部のアクティビティ(例えば、フィールドデバイスの診断)では、ユーザ(例えば、メンテナンスユーザ)がフィールドデバイスに物理的にアクセスする必要があり、数多くの複雑な事態をもたらし得る。第一に、ユーザは、フィールドデバイスの通信端末にアクセスするためにフィールドデバイスのカバーを取り外す必要があり、このプロセスの間、フィールドデバイスの内部は潜在的に危険なプラント環境(例えば、可燃性ガス、毒素、排ガス、熱、スパーク、アークフラッシュなど)に晒され得る。さらに、フィールドデバイスへアクセスするには、ユーザがフィールドデバイスのハウジングを取り外す、および/または交換する必要があり得るので、フィールドデバイスが汚染物質に晒され、および/またはフィールドデバイスの認証が無効になり、ユーザがフィールドデバイスへアクセスしたために様々な使い捨て可能なハードウェアコンポーネント(例えば、ゴムガスケット、Oリングなど)を交換しなければならない可能性がある。したがって、フィールドエンジニアは、ユーザがメンテナンスを実施する都度、予備の交換ハードウェアをフィールドデバイスに搬入しなければならず、フィールドエンジニア/ユーザへの物理的負担を増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
フィールドデバイスからデータを収集し、プロトコル変換を実行するためのコンピュータ実装方法は、伝送器を介してフィールドデバイスからプロセス制御プロトコルで符号化されたデータセットを受信するステップを含む。伝送器は、有線または無線伝送器であり得る。該方法はさらに、プロセッサを介してデータセットからペイロードを抽出してペイロードの少なくとも一部をメモリに記憶するステップと、無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して汎用コンピューティング通信プロトコルで符号化されたペイロードの少なくとも一部を伝送するステップとを含み得る。
【0010】
別の態様では、フィールドデバイスへアクセスするためのコンピュータ実装方法は、フィールド・コミュニケータ・デバイス内で、ユーザコミュニケータから受信されたフィールドデバイスの指示を含むユーザのコマンドを受信するステップを含む。該方法はさらに、フィールドデバイスの指示に基づいて、ターゲットフィールドデバイスに対応するプロトコルを含むターゲットフィールドデバイスを識別するステップと、ユーザのコマンドに基づいてデバイスコマンドを生成するステップとを含み得る。該方法はさらに、ターゲットフィールドデバイスに対応するプロトコルに基づいてプロトコル符号化データセットを符号化するステップと、伝送器を介してプロトコル符号化データセットをターゲットフィールドデバイスに伝送するステップとを含み得る。
【0011】
フィールド・コミュニケータ・デバイスは、1つまたは複数のプロセッサと、伝送器と、無線ネットワーク・インターフェース・コントローラと、メモリであって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、フィールド・コミュニケータ・デバイスに、プロセス制御プロトコルで符号化されたデータを取り出させ、無線通信デバイス内でデータを解釈させ、データの少なくとも一部をメモリに記憶させ、無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して汎用コンピューティング通信プロトコルでデータの少なくとも一部を伝送させるコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、を備える。
【0012】
データ収集技術およびプロトコル変換技術を提供するコンピューティングシステムは、無線コンピュータネットワークと、無線ユーザコミュニケータと、フィールドコミュニケータとを含み、フィールドコミュニケータは、1つまたは複数のプロセッサと、伝送器と、無線ネットワーク・インターフェース・コントローラと、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、無線コンピュータネットワークを介してコンピューティングシステムにプロセス制御プロトコルで符号化されたデータを伝送させる命令を記憶するメモリとを備える。メモリはさらに、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、コンピューティングシステムに無線ネットワークを介してデータを受信させ、フィールドコミュニケータ内でデータペイロードを生成するためにデータを解釈させ、データペイロードを含むフィールドデバイスに対して命令を発行させる命令を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】少なくとも一部が本明細書に記載されているデータ収集技術およびプロトコル変換技術を含み得る、プロセスプラントおよびそのコンポーネントの一例を示すブロック図である。
図2】データ収集技術およびプロトコル変換技術を実行するためのプロセスプラント環境の一例を示す図である。
図3】プロセスプラント内でデータ収集技術およびプロトコル技術を実行することができるフィールド・コミュニケータ・デバイスの一例を示す図である。
図4】プロセスプラントの様々なコンポーネントと通信するフィールド・コミュニケータ・デバイスの一例を示すブロック図である。
図5】データ収集およびプロトコル変換のための方法の一例を示す図である。
図6】フィールドデバイスへアクセスするための方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
プロセスプラントは、一般に、所有者またはクライアントの操作上の必要要件に従って確実にプラントのシステムおよびコンポーネントが設計され、試験され、設置され、操作され、および維持されることにより、プロセスプラントの操作性、性能、信頼性、安全性、および情報のトレーサビリティを保証するために、プロセスプラント内の様々な態様のプロセスを監視する種々のタイプの複数のデバイスを含む。
【0015】
種々のタイプのデバイスは、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、およびFOUNDATION(登録商標)Fieldbusのフィールドデバイスのようなフィールドデバイスを含み得る。フィールドデバイスの各々は、様々なバックエンドサービス(例えば、管理システム、ワークステーション、データベースなど)に通信可能に接続されるコンピュータネットワークにハードワイヤードされることで、ユーザ(例えば、プロセスプラントの従業員)がフィールドデバイスを監視し、フィールドデバイスを構成し、フィールドデバイスにアクセスし、フィールドデバイスをデプロイすることを可能にし得る。特定の態様では、フィールドデバイスは、1つまたは複数のコントローラを介してアクセスされ得る。一般に、「プロセス制御装置」、「制御装置」、または「フィールデバイス」は、それに関連する機能を開始し、実装し、および/または管理するように構成され得る制御装置、安全装置、監視装置などを含むプラント環境内の任意のデバイスであり得る。
【0016】
プロセスプラントは、フィールド・コミュニケータ・デバイスに結合されたフィールドデバイスを含み得、フィールドコミュニケータは、ユーザコミュニケータを介して無線でアクセス可能である。一般に、ユーザは、ユーザコミュニケータを使用してフィールドコミュニケータにアクセスして、フィールドデバイスからのデータの読み取りおよびフィールドデバイスへのデータの書き込みを調整し得る。例えば、ユーザは、ユーザコミュニケータを使用してコマンドを発行し得る。コマンドは、汎用コンピューティング通信プロトコル(例えば、Hyper Text Transfer Protocol)でユーザコミュニケータからフィールドコミュニケータへ伝送され得る。フィールドコミュニケータは、コマンドを受信し、コマンドをプロセス制御プロトコルコマンドに変換して、変換されたコマンドをフィールドデバイスに伝送し得る。フィールドコミュニケータは、コマンドのレスポンスを読み取って、ユーザコミュニケータにそのレスポンスを伝送し得る。一般に、フィールドデバイス、フィールドコミュニケータ、およびユーザコミュニケータ間で、任意の適切な形式の推移的双方向通信が実装され得る。
【0017】
フィールドコミュニケータは、フィールドコミュニケータがなければフィールドデバイス内で欠如しているフィールドデバイスの特定の機能(例えば、データ収集機能、データキャッシング機能、データ変換ルーチンの機能、無線伝送機能)を容易にし得る。フィールドコミュニケータは、(例えば、フィールドデバイスの製造時に)フィールドコミュニケータの製造業者によって、またはフィールドデバイスの購入者/ユーザによってフィールドデバイスと共に設置され得る。例えば、プロセスプラントオペレータは、フィールドデバイスとフィールドコミュニケータを一緒に、または別個に取得し得、プラントオペレータは、フィールドデバイスをプロセスプラント内でデプロイする前にフィールドコミュニケータをフィールドデバイス内に設置し得る。ユーザコミュニケータは、フィールドコミュニケータと一緒に、または別個に設けられ得る。代替的に、または追加的に、プラントオペレータは、フィールドコミュニケータを取得して、フィールドコミュニケータを既存のデプロイされているフィールドデバイス内に設置し得る(すなわち、既存のフィールドデバイスを改造し/アップグレードし得る)。
【0018】
フィールドデバイスは、(例えば、有線または無線接続によって)フィールドコミュニケータに接続され得、フィールドコミュニケータは、フィールドからプロセス制御プロトコルで符号化されたデータを読み取り得る。フィールドコミュニケータは、プロセス制御プロトコル符号化データを汎用コンピューティング通信プロトコルに変換し得る。フィールドコミュニケータは、元のデータおよび/または変換されたデータを短期または長期メモリ内にキャッシュし得る。フィールドコミュニケータは、フィールドコミュニケータの無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して、変換データをプロセスプラント内の別のデバイス(例えば、ルータ、リピータ、無線メッシュネットワーク内のデバイスなど)に伝送し得る。
【0019】
典型的には、フィールドデバイスからのプロセス制御プロトコルデータは、低帯域幅有線環境を介してプロセスプラント内でのみ利用可能である。しかしながら、フィールドコミュニケータは、有線接続を介して直接フィールドデバイスに接続され得るので、フィールドコミュニケータは、高帯域幅/スループット率(例えば、1秒当たり1ギガバイト以上)でフィールドデバイスからデータを取り出すことができ、従来の低帯域幅のフィールドデバイスデータへのアクセスに比べて、比較的迅速にフィールドデバイスから大量のデータを取り出すことができる。さらに、フィールドコミュニケータは、高速無線ネットワークに接続された無線ネットワーク・インターフェース・カードを含み得るので、フィールドコミュニケータは、従来は欠如していたプロセスプラント内の任意の他のデバイスによるフィールドデバイスへのリアルタイムの高速アクセスを促進することができる。例えば、フィールドコミュニケータは、プロセスプラント内の固定コンポーネントを使用して、および/またはプロセスプラント内またはプロセスプラントに最も近くにあるモバイルコンポーネント(例えば、ユーザコミュニケータ)を使用して、無線で他のフィールドデバイスとデータを交換し得る。
【0020】
フィールドコミュニケータは、(例えば、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を介する)異なるプロセス制御プロトコルを有するフィールドデバイスへのアクセスを標準化し得る。例えば、所与のフィールドデバイスは、パケットベースのフォーマット、パックされたバイナリフォーマットなどでデータを送信し得る。フォーマットは、フィールドデバイスの製造業者専有のフォーマットであり得、デバイス間で後方互換性がない場合がある。フィールドコミュニケータは、フィールドコミュニケータが異なるプロセス制御プロトコルを有するフィールドデバイスへの透過的かつ標準化されたアクセスを容易にするのを可能にするプロトコル変換ルーチンのライブラリを含み得る。例えば、フィールドコミュニケータは、異なる製造業者によって製造された3つの個々のフィールドデバイス内に設置され得、これらのフィールドデバイスは、3つの異なる個々のプロセス制御プロトコルでデータを送信する。さらに、3つのフィールドデバイスの各々は、ある程度の重複が存在する3つの個々の機能セットを含み得る。例えば、3つのデバイスの各々は、実行されたときに個々のフィールドデバイスのソフトウェアバージョンを返す、バージョンコマンドをサポートし得る。しかしながら、バージョンを取得するために個々のデバイスに対して発行されなければならないコマンドは、異なるコマンドであり得る。
【0021】
上記の実施例では、ユーザは、フィールドコミュニケータのAPIを介してユーザコミュニケータを使用してフィールドコミュニケータにアクセスし得る。例えば、ユーザは、例えば、GetVersionコマンドを発行し得る。1つまたは複数のフィールドデバイスは、GetVersionコマンドに対するパラメータとして設けられ得る。フィールドコミュニケータ内で実行するソフトウェア命令は、パラメータとして設けられたフィールドデバイスのID/タイプに基づいて、適切なシステムコールを決定し得る。上記の実施例では、フィールドコミュニケータは、個々のフィールドデバイスの各々に対して3つの異なるバージョンコマンドを発行し得る。このような異なるフィールドデバイスに対する統一インターフェースの1つの利点は、ユーザのプログラミングタスクが簡略化されるということである。ユーザは、3つのクエリではなく、単に1つのクエリを書き込むだけでよい。プロトコル変換ルーチンのライブラリは、有効なブラックボックス抽象化である。フィールドコミュニケータAPIの別の利点は、マルチスレッドおよび/またはマルチプロセッサコードを介して複数のフィールドデバイスが同時に問い合わせされ得るということである。別の利点も考えられる。
【0022】
例えば、特定のフィールドデバイスにどのような形でフィールドコミュニケータの機能が装備されたかに関係なく、そのように装備されたフィールドデバイスは、これらに限定されないが、プラントオペレータがフィールドデバイスをリモートで管理することができること、1つまたは複数のフィールドデバイスからのデータを別個のネットワークに分離することができること(例えば、セキュリティおよび/または負荷管理の目的で)、デプロイされた後のフィールドデバイスへの直接的な物理的アクセスの義務付けの排除を含む、プロセスプラントにおける多数の重要かつ有効な用途を実現する。したがって、プロセスプラントの管理者は、管理者またはフィールドデバイスが潜在的に危険な状況に晒されることなく、効率的かつ効果的にフィールドデバイスを管理することができる。大量のデータは、プロセスプラント内で伝送される他のデータのネットワーク優先度を乱すこと無く、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、フィールドデバイスのメモリから読み出され、メモリに書き込まれ得る。システムおよび方法は、フィールドデバイスをより効率的にセットアップする/作動させることを可能にし、データをフィールドコミュニケータのメモリ内にキャッシングするのを可能にすることで、フィールドデバイスの特定の属性(例えば、ソフトウェアバージョン、最終キャリブレーション日など)をより迅速に取り出すのを可能にし得る。
【0023】
システムおよび方法はさらに、管理者がフィールドデバイスからのデータ収集および特定のプロトコルに対するデータの変換に関連する補正アクションおよび/または他の機能を開始するのを可能にし得る。例えば、ユーザは、プロセスプラントのフィールド環境内に位置し得、目視検査によって、弁が止まった状態であるようだと気付くことができる。従来、ユーザは、弁に関連付けられたフィールドデバイスへ物理的にアクセスする必要があり、ユーザは、最初に、診断を行うためにプロセス制御プロトコル固有のハードウェアを検索する必要があり得る。ユーザが正確なハードウェアを有する場合であっても、ユーザは、精通していないプロセス制御プロトコルのドキュメントを参照する必要があり得、これは非常に時間を要することであり得る。しかしながら、本発明の技術を使用すれば、ユーザは、ユーザコミュニケータを使用してフィールドデバイスに即座にアクセスすることができ、その際に、ユーザは、フィールドデバイスのキャッシュにアクセスして、(例えば、GetValveStateコマンドを使用して)弁の現在の状態および弁の状態の履歴のスナップショットを決定し得る。このデータは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介してユーザに提示され得るので、ユーザは、弁の状態が長期間にわたって特定の位置で止まっている状態であることを迅速に直感することができる。
【0024】
上記の実施例では、ユーザは、ユーザコミュニケータを介してフィールドコミュニケータにアクセスし得る。しかしながら、本発明において、フィールドコミュニケータは、ユーザの明確な介入なしに、自動的に(例えば、周期的に)コマンドを実行し、フィールドデバイスからデータを取り出し、データをネットワークに伝送するなどの動作を実行するように構成され得る。さらに、1つまたは複数の汎用コンピューティング通信プロトコルを使用して、複数のユーザが同時にフィールドコミュニケータにアクセスすることができる。例えば、第1のユーザは、Bluetooth(登録商標)経由でハンドヘルド・ユーザ・コミュニケータを介してフィールドコミュニケータにアクセスし得るが、第2のユーザは、高性能コンピューティングデバイスからHTTP接続を介してフィールドコミュニケータにアクセスする。
【0025】
図1は、本明細書に記載されている1つまたは複数のフィールドコミュニケータが設置され動作し得るプロセスプラント、プロセス制御システム、またはプロセス制御環境5の一例のブロック図である。プロセス制御環境5は、フィールドデバイスによって作成されたプロセス測定値を表す信号を受信し、制御ルーチンを実装するためにこの情報を処理し、プラント5内のプロセスの動作を制御するために有線または無線プロセス通信リンクまたはネットワーク経由で他のフィールドデバイスへ送信される制御信号を生成し得る1つまたは複数のプロセスコントローラを含む。典型的には、少なくとも1つのフィールドデバイスは、プロセスの動作を制御するために物理的機能(例えば、弁の開閉、温度の増減など)を実行し、一部のタイプのフィールドデバイスは、I/Oデバイスを使用してコントローラと通信する。プロセスコントローラ、フィールドデバイス、およびI/Oデバイスは、有線または無線であり得、任意の数および組み合わせの有線および無線のプロセスコントローラ、フィールドデバイス、およびI/Oデバイスが、プロセスプラント環境またはシステム5内に含められ得る。
【0026】
例えば、図1は、入出力(I/O)カード26、28を介して有線フィールドデバイス15~22に通信可能に接続され、無線ゲートウェイ35およびプロセス制御データハイウェイまたはバックボーン10(1つまたは複数の有線および/または無線通信リンクを含み得、例えば、Ethernetプロトコルのような任意の所望のまたは適切なまたは通信プロトコルを使用して実装され得る)を介して無線フィールドデバイス40~46に通信可能に接続されるプロセスコントローラ11を示している。一実施形態において、コントローラ11は、バックボーン10以外の1つまたは複数の通信ネットワークを使用して、例えば、1つまたは複数の汎用コンピューティング通信プロトコル(例えば、Wi-Fiまたは他のIEEE802.11準拠の無線ローカルエリア・ネットワーク・プロトコル)、モバイル通信プロトコル(例えば、WiMAX、LTE、もしくは他のITU-R準拠プロトコル)、Bluetooth(登録商標)など)、またはプロセス制御プロトコル(例えば、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、Profibus、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusなど)をサポートする任意の数の有線または無線通信リンクを使用して、無線ゲートウェイ35に通信可能に接続される。
【0027】
コントローラ11(例として、Emerson Process Management社から販売されているDeltaV(商標)コントローラであり得る)は、フィールドデバイス15~22、40~46の少なくともいくつかを使用してバッチプロセスまたは連続プロセスを実装するように動作し得る。コントローラ11は、プロセス制御データハイウェイ10に通信可能に接続されるのに加えて、例えば、標準4~20mAのデバイス、I/Oカード26、28、および/または任意のスマート通信プロトコル(例えば、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコルなど)に関連付けられた任意の所望のハードウェアおよびソフトウェアを使用して、フィールドデバイス15~22、40~46の少なくともいくつかにも通信可能に接続され得る。図1において、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、およびI/Oカード26、28は、有線デバイスであり、フィールドデバイス40~46は無線フィールドデバイスである。当然、有線フィールドデバイス15~22および無線フィールドデバイス40~46は、将来開発される任意の標準またはプロトコルを含む任意の有線または無線プロトコルのような任意の他の所望の標準(単数または複数)またはプロトコルに準拠し得る。
【0028】
図1のプロセスコントローラ11は、1つまたは複数のプロセス制御ルーチン38(例えば、メモリ32内に記憶されている)を実装する、または監視するプロセッサ30を含む。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~22、40~46およびコントローラ11に通信可能に接続されている他のプロセス制御装置と通信するように構成される。本明細書内に記載されている任意の制御ルーチンまたはモジュールの一部は、望ましい場合には、異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装され得るまたは実行され得ることに留意されたい。同様に、プロセス制御システム5内に実装すべき本明細書に記載されている制御ルーチンまたはモジュール38は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどの任意の形態を取り得る。制御ルーチンは、例えば、オブジェクト指向プログラミング、ラダー・ロジック、シーケンシャル・ファンクション・チャート、機能ブロック図を使用する、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムを使用するような任意の所望のソフトウェアフォーマットで実装され得る。制御ルーチン38は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)またはリード・オンリ・メモリ(ROM)のような任意の所望のタイプのメモリ32に記憶され得る。同様に、制御ルーチン38は、例えば、1つまたは複数のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードされ得る。このように、コントローラ11は、任意の所望の方法で制御ストラテジまたは制御ルーチンを実装するように構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、コントローラ11は、一般に機能ブロックと呼ばれるものを使用して制御ストラテジを実装し、この場合、各々の機能ブロックは、オブジェクトまたは制御ルーチン全体の他の部分(例えば、サブルーチン)であり、プロセス制御システム5内のプロセス制御ループを実装するために、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作する。制御ベースの機能ブロックは、典型的には、プロセス制御システム5内のいくつかの物理的機能を実行するために、入力機能(例えば、伝送器、センサまたは他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連付けられた入力機能)、制御機能(例えば、PID、ファジー論理などの制御を実行する制御ルーチンに関連付けられた制御機能)、またはいくつかの装置(例えば、弁)の動作を制御する出力機能のうちの1つを実行する。当然、混合タイプおよび他のタイプの機能ブロックも存在する。機能ブロックは、典型的には、機能ブロックが標準4~20mAデバイスおよび一部のタイプのスマート・フィールド・デバイス(例えば、HART(登録商標)デバイス)に使用される、または関連付けられる場合に、これらの機能ブロックは、コントローラ11内に記憶され、コントローラ11によって実行され得る、または機能ブロックがFOUNDATION(登録商標)Fieldbusデバイスに関連付けられる場合に、これらの機能ブロックは、フィールドデバイス自身に記憶され、フィールドデバイス自身によって実装され得る。コントローラ11は、1つまたは複数の制御ループを実装し、機能ブロックの1つまたは複数を実行することによって実施され得る1つまたは複数の制御ルーチン38を含み得る。
【0030】
有線フィールドデバイス15~22は、例えば、センサ、弁、伝送器、ポジショナなどの任意のタイプのデバイスで有り得、I/Oカード26、28は、任意の所望の通信または制御プロトコルに準拠した任意のタイプのI/Oデバイスであり得る。図1において、フィールドデバイス15~18は、アナログ回線またはアナログ回線とデジタル回線の複合回線経由でI/Oカード26に対して通信する標準4~20mAデバイスまたはHART(登録商標)デバイスであるが(本明細書では、「非スマート」または「ダム」デバイスと呼ばれる)、フィールドデバイス19~22は、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus通信プロトコルを使用してデジタルバス経由でI/Oカード28に対して通信するFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイスのようなスマートデバイスである。しかし、いくつかの実施形態では、有線フィールドデバイス15、16、18~21の少なくともいくつか、および/またはI/Oカード26、28の少なくともいくつかは、追加的にまたは代替的にプロセス制御データハイウェイ10を使用して、および/または他の適切な制御システムプロトコル(例えば、Profibus、DeviceNet、Foundation Fieldbus、ControlNet、Modbus、HARTなど)を使用して、コントローラ11と通信する。
【0031】
図1において、無線フィールドデバイス40~46は、WirelessHART(登録商標)プロトコルのような無線プロトコルを使用して、無線プロセス制御通信ネットワーク70を介して通信する。このような無線フィールドデバイス40~46は、(例えば、無線プロトコルまたは別の無線プロトコルを使用して)同様に無線で通信するように構成された無線ネットワーク70の1つまたは複数の他のデバイスまたはノードと直接通信し得る。無線フィールドデバイス40~46は、無線で通信するように構成されていない1つまたは複数の他のノードと通信するために、プロセス制御データハイウェイ10または別のプロセス制御通信ネットワークに接続されている無線ゲートウェイ35を利用し得る。無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の様々な無線デバイス40~58へのアクセスを提供する。特に、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40~58、有線デバイス11~28および/またはプロセス制御プラント5の他のノードもしくはデバイスの間の通信接続を提供する。例えば、無線ゲートウェイ35は、プロセス制御データハイウェイ10を使用して、および/またはプロセスプラント5の1つまたは複数の他の通信ネットワークを使用して、通信接続を提供し得る。
【0032】
有線フィールドデバイス15~22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46は、プロセスプラント5内の物理的制御機能(例えば、弁の開閉、またはプロセスパラメータの測定)を実行する。しかしながら、無線フィールドデバイス40~46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成される。したがって、無線フィールドデバイス40~46、無線ゲートウェイ35、および無線ネットワーク70の他の無線ノード52~58は、無線通信パケットのプロデューサでありコンシューマである。
【0033】
プロセスプラント5のいくつかの構成では、無線ネットワーク70は非無線デバイスを含む。例えば、図1において、図1のフィールドデバイス48は、レガシー4~20mAデバイスであり、フィールドデバイス50は、有線HART(登録商標)デバイスである。フィールドデバイス48、50は、ネットワーク70内で通信するために、無線アダプタ52a、52bを介して無線通信ネットワーク70に接続される。無線アダプタ52a、52bは、WirelessHARTのような無線プロトコルをサポートし、さらにFoundation(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNetなどのような1つまたは複数の他の通信プロトコルもサポートし得る。さらに、いくつかの実施形態では、無線ネットワーク70は、無線ゲートウェイ35と有線通信する別個の物理的デバイスであり得る、または一体型デバイスとして無線ゲートウェイ35と共に配設され得る、1つまたは複数のネットワーク・アクセス・ポイント55a、55bを含む。無線ネットワーク70はさらに、無線通信ネットワーク70内の1つの無線デバイスから別の無線デバイスへパケットを転送するための1つまたは複数のルータ58を含み得る。図1において、無線デバイス40~46、52~58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60経由で、および/またはプロセス制御データハイウェイ10を介して、互いに通信し、無線ゲートウェイ35と通信する。
【0034】
図1では、プロセス制御システム5は、データハイウェイに通信可能に接続される1つまたは複数のオペレータワークステーション71を含む。オペレータは、オペレータワークステーション71を介して、プロセスプラント5のリアルタイムの動作を見て、監視すると同時に、必要とされ得る何らかの診断、補正、メンテナンス、および/または他のアクションを取り得る。オペレータワークステーション71の少なくともいくつかは、プラント5内のまたはプラント5の近くの様々な保護領域に位置付けられ得、場合によっては、オペレータワークステーション71の少なくともいくつかは、遠隔に位置し得るが、それでもプラント5と通信接続状態にある。オペレータワークステーション71は、有線または無線コンピューティングデバイスであり得る。
【0035】
プロセス制御システム5は、本明細書内で説明されている機能の特定の機能を容易にするように構成された資産管理システム68を含む。資産管理システム68は、例えば、プロセスコントローラ11および/または無線ゲートウェイ35を介して、フィールドデバイス15~22、40~46の一部または全てとインターフェースし、通信し得る。実施形態によれば、資産管理システム68は、フィールドデバイス15~22、40~46に関連付けられたデータを要求し、フィールドデバイス15~22、40~46から取り出し得る。
【0036】
資産管理システム68は、一般に、ユーザがプロセス制御システム5のフィールドデバイス15~22、40~46に関連付けられたデータを見直すことができるように、1つまたは複数のワークステーション(例えば、オペレータワークステーション(単数または複数)71)上で実行する1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを含み得る。このようなインタラクションは、診断、メンテナンス、構成、査定、および/またはその他を含み得る。ワークステーション(単数または複数)は、ローカルで動作する1つまたは複数の資産管理システムアプリケーションを有し得るが、ユーザは、データ通信ネットワークを介して、リモートで資産管理システム68とインターフェースし得る。したがって、ワークステーション(単数または複数)に位置付けられたユーザは、ユーザの物理的位置に関係なく、プロセス制御システム5に関連する様々な機能を容易にするために、資産管理システム68と対話し得る。
【0037】
プロセス制御システム例5はさらに、構成アプリケーション72aおよび構成データベース72bを含むものとして示されており、これらはそれぞれ、同様にデータハイウェイ10に通信可能に接続される。構成アプリケーション72aの様々なインスタンスは、1つまたは複数のコンピューティングデバイス(図示せず)上で実行し得、そのことにより、ユーザがプロセス制御モジュールを作成または変更して、データハイウェイ10を介してこれらのモジュールをコントローラ11にダウンロードすることができ、さらにユーザがオペレータインターフェースを作成または変更することができ、オペレータインターフェースを介して、オペレータがプロセス制御ルーチン内のデータを見てデータ設定を変更することができる。構成データベース72bは、作成された(例えば、構成された)モジュールおよび/またはオペレータインターフェースを記憶する。さらに、構成データベース72bは、フィールドデバイス15~22、40~46のいずれかに関連付けられた定義済みパラメータまたはベースラインパラメータのセットを記憶する。一般に、構成アプリケーション72aおよび構成データベース72bは、集中型であり、プロセス制御システム5に対して単一論理アピアランスを有するが、構成アプリケーション72aの複数のインスタンスは、プロセス制御システム5内で同時に実行し得、構成データベース72bは、複数の物理的データ記憶装置に実装され得る。したがって、構成アプリケーション72a、構成データベース72b、およびそれらに対するユーザインターフェース(図示せず)は、制御モジュールおよび/または表示モジュール用の構成または開発システム72を備える。典型的には、必ずしもそうであるとは限らないが、構成システム72用のユーザインターフェースは、プラント5がリアルタイムで動作中であるか否かに関係なく、構成エンジニアおよび開発エンジニアによって利用されるが、ワークステーション71はプロセスプラント5のリアルタイムの動作中にオペレータによって利用されるので、構成システム72用のユーザインターフェースはオペレータワークステーション71とは異なる。
【0038】
プロセス制御システム例5は、データ・ヒストリアン・アプリケーション73aおよびデータ・ヒストリアン・データベース73bを含み、これらはそれぞれ、同様にデータハイウェイ10に通信可能に接続される。データ・ヒストリアン・アプリケーション73aは、データハイウェイ10を通して供給されたデータの一部または全てを収集し、長期記憶のためにヒストリアンデータベース73b内にデータを履歴保存または記憶するように動作する。構成アプリケーション72aおよび構成データベース72bと同様に、データ・ヒストリアン・アプリケーション73aおよびヒストリアンデータベース73bは、集中型であり、プロセス制御システム5に対して単一論理アピアランスを有するが、データ・ヒストリアン・アプリケーション73aの複数のインスタンスは、プロセス制御システム5内で同時に実行し得、データヒストリアン73bは、複数の物理的データ記憶装置に実装され得る。
【0039】
いくつかの構成では、プロセス制御システム5は、例えば、Wi-Fiもしくは他のIEEE802.11準拠無線ローカルエリア・ネットワーク・プロトコル、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)もしくは他のITU-R(国際電気通信連合無線通信部門:International Telecommunication Union Radiocommunication Sector)準拠プロトコルのようなモバイル通信プロトコル、NFCおよびBluetooth(登録商標)のような短波長無線通信、または他の無線通信プロトコルのような他の無線プロトコルを使用して、他のデバイスと通信する1つまたは複数の無線アクセスポイント74を含む。典型的には、このような無線アクセスポイント74により、ハンドヘルドまたは他の携帯コンピューティングデバイス(例えば、ユーザ・インターフェース・デバイス75)は、無線ネットワーク70とは異なり、無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルをサポートしている個々の無線プロセス制御通信ネットワーク経由で通信することができる。例えば、無線または携帯ユーザ・インターフェース・デバイス75は、プロセスプラント5内のオペレータによって利用されるモバイルワークステーションまたは診断検査機器(例えば、オペレータワークステーション71のうちの1つのインスタンス)であり得る。いくつかのシナリオでは、携帯コンピューティングデバイス以外に、1つまたは複数のプロセス制御装置(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、I/Oデバイス26、28、または無線デバイス35、40~58)も、アクセスポイント74によってサポートされている無線プロトコルを使用して通信する。
【0040】
さらに、図1のプロセスプラントまたは制御システム5は、フィールド環境122(例えば、「プロセスプラントフロア122」)と、データハイウェイ10によって通信可能に接続されたバックエンド環境125とを含むことに留意されたい。図1に示されているように、フィールド環境122は、ランタイム中にプロセスを制御するように動作するために、配置され、相互接続される物理的コンポーネント(例えば、プロセス制御装置、ネットワーク、ネットワーク要素など)を含む。例えば、コントローラ11、I/Oカード26、28、フィールドデバイス15~22および他のデバイスならびにネットワークコンポーネント40~46、35、52、55、58、70は、プロセスプラント5のフィールド環境122内に位置付けられ、配置され、または別の方法で含められる。一般的に、プロセスプラント5のフィールド環境122においては、そこに配置された物理的コンポーネントを使用して、原材料が受け取られ、加工されて、1つまたは複数の製品が作り出される。
【0041】
プロセスプラント5のバックエンド環境125は、フィールド環境122の過酷な状況および材料から遮蔽され、および/または保護される様々なコンポーネント、例えば、コンピューティングデバイス、オペレータワークステーション、データベースもしくはデータバンクなどを含む。図1を参照すると、バックエンド環境125は、例えば、オペレータワークステーション71、制御モジュールならびに他の実行可能モジュール用の構成もしくは開発システム72、データ・ヒストリアン・システム73、および/または他の集中管理システム、コンピューティングデバイス、および/またはプロセスプラント5のランタイム動作をサポートする機能を含む。いくつかの構成では、様々なコンピューティングデバイス、データベース、およびプロセスプラント5のバックエンド環境125内に含められた他のコンポーネントならびに機器は、種々の物理的位置に物理的に位置付けされ得、それらの物理的位置のいくつかは、プロセスプラント5に対してローカル位置であり、いくつかはリモート位置であり得る。上述したように、本発明の技術は、フィールドデバイスの周波数およびデータ収集能力を改善して、全てのプロセス、エネルギー、および組立製造業に適用することを目的とする。プロセスプラント5の人間のオペレータ/雇用者は、従来はデータを収集するためにフィールド環境122の過酷で遮蔽されていない環境に入る必要があったが、本発明の技術は、フィールドデバイスから資産管理システム(例えば、資産管理システム68)へのデータ伝送の速度およびアクセスを改善するものである。
【0042】
本明細書で説明されているように、構成データベース(単数または複数)72bは、プロセスプラント5のバックエンド環境125内に配置され得、データ収集のために使用され得る。構成データベース(単数または複数)72bは、特に、プロセスプラントのフロアまたはフィールド環境122において実装されるように計画された、またはそのように実装されるのが望ましい様々なデバイスまたはコンポーネントおよびそれらの相互接続を明確に識別し、および/またはアドレス指定するデータおよび他の情報を記憶し得る。このデータの一部は、フィールド環境122内のデバイスおよびループの構成、監視、および/または診断に使用するためにフィールド環境122内のコンポーネントに提供され得、このデータの一部は、例えば、プロセスプラント5の作動中にフィールド環境122と共に動作する制御モジュールおよび/またはオペレータ・インターフェース・モジュールの設計、開発、および準備のために、バックエンド環境125内で利用され得る。
【0043】
プロセス制御システム例5はさらに、ネットワーク145によって1つまたは複数のユーザコミュニケータ140に結合された1つまたは複数のフィールドコミュニケータ135を含み得る。プロセスプラントのユーザは、フィールドデバイスによって作成されたデータを取得し、リモートでフィールドデバイスを制御することに関与する。好適な実施形態では、フィールドコミュニケータ135、ユーザコミュニケータ140、およびネットワーク145は、このようなアクセスを容易にするために共に使用される。一般に、フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスとプロセスプラントの他のコンポーネントとの間の双方向電子通信を仲介する。一般に、フィールドコミュニケータ135は、ユーザがフィールドデバイスのアクセス、構成、および制御に関連する様々な機能を実行するのを可能にするために、データの受信器、プロトコル変換器、および/またはデータの伝送器としての機能を果たす。
【0044】
フィールドコミュニケータ135は、物理的配線を介して、または無線接続を介して、デバイス(例えば、伝送器、制御弁などのような任意のフィールドデバイス)に結合されるループ駆動および/またはフィールド駆動式ハードウェア拡張であり得る。例えば、フィールドコミュニケータ135は、2線式、3線式、または4線式の伝送器によって、有線フィールドデバイス17に結合され得る。一方、フィールドコミュニケータ135は、バッテリ駆動式であり得る、または独立した電源を有し得る。
【0045】
フィールドコミュニケータ135は、既存のまたは新しいインテリジェント・フィールド・デバイス上に設置され得る。フィールドデバイスは、電線によってフィールドデバイスの端子をフィールドコミュニケータ135の端子に接合するために有線伝送器が通され得るコンジット/チャネルを露出させるためにレガシー・フィールド・デバイスの既存のカバーを除去することによって、フィールドコミュニケータ135を含むように改造され/アップグレードされ得る。フィールドデバイスのフィールドコミュニケータ135への配線について、さらに詳細に後述する。当然のことながら、フィールドコミュニケータ135がフィールドデバイス内またはフィールドデバイス上に設置されると、フィールドデバイスのデータは、フィールドデバイスのキャップまたはカバーを開けずにフィールドデバイスから取り出され得る。
【0046】
フィールドコミュニケータ135は、有線または無線接続を介してフィールドデバイスから符号化データを取得することができる(すなわち、受信し、および/または/取り出すことができる)。例えば、限定的ではないが、フィールドコミュニケータ135は、プロセス制御装置(例えば、フィールドデバイス)から、例えば、HARTプロトコル、Foundation Fieldbusプロトコル、Profibusプロトコル、および/またはModbusプロトコルで符号化されたデータを取得し得る。フィールドコミュニケータ135は、フィールドコミュニケータ135が様々なフィールドデバイスからデータを取得するのを可能にする実行可能命令、コード、機能、ルーチンなどのライブラリを含み得る。
【0047】
フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスからの符号化データの取得に加えて、フィールドデバイスから取得された符号化データのプロトコル変換を実行し得る。データは、プロセス制御データプロトコルで符号化され得る。具体的には、フィールドコミュニケータ135は、デバイス固有プロトコル変換ルーチンのライブラリを使用して、プロセス制御データプロトコル(例えば、HART)から汎用コンピューティング通信フォーマット(例えば、XML、JavaScript(登録商標) Object Notationなど)へ、およびその逆へ翻訳し得る。
【0048】
フィールドコミュニケータ135は、符号化データの取得およびプロトコル変換の実行に加えて、汎用コンピューティング通信プロトコルを介してデータを伝送し得る(すなわち、送受信し得る)。例えば、フィールドコミュニケータ135は、汎用コンピューティング通信フォーマットでフォーマットされたデータを、例えば、WiFi(例えば、IEEE802.11)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)-Low-Energy、Long Range(LoRa)、および/またはセルラーモバイル通信プロトコル(例えば、4G、5Gなど)のような汎用コンピューティング通信プロトコルを介してネットワーク145上の別のホスト(例えば、ユーザコミュニケータ140)へ送信し得る。フィールドコミュニケータ135はさらに、汎用コンピューティング通信プロトコルを介して、ユーザコミュニケータ140のようなネットワーク145上の別のホストから汎用コンピューティング通信フォーマットでフォーマットされたデータを受信し得る。フィールドコミュニケータ135は、ユーザコミュニケータ140を介して汎用コンピューティング通信フォーマットでフォーマットされたデータをプログラムに従って伝送しやすくするために、1つまたは複数のAPIを含み得る。
【0049】
ユーザは、ユーザコミュニケータ140を使用して、フィールドデバイスにアクセスし、および/またはフィールドデバイスを制御し得る。例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットまたはハンドヘルド・スマート・デバイス、ウェアラブル・コンピューティング・デバイスなどの任意の適切なコンピューティングデバイスであり得るユーザコミュニケータ140は、フィールドコミュニケータに対する機能セットを実行するためのコンピュータ実行可能命令を含み得る。これらの機能は、ネットワーク145を介するフィールドコミュニケータ135に対する情報の伝送(例えば、送受信)を含む。 ユーザコミュニケータ140は、例えば、有線ネットワークまたはネットワーク145のようなコンピュータネットワークを介して、フィールドデバイスのデータを資産管理システム68に中継して伝達し得る。ユーザコミュニケータ140は、ネットワーク145を介してフィールドコミュニケータ135の1つまたは複数のAPIに対してコールを発行するために、クライアントAPIバインディングのセットを含み得る。
【0050】
ネットワーク145は、IEEE802.11準拠の無線ローカルエリア・ネットワーク、アドホックネットワーク、メッシュネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク、3Gもしくは4Gネットワークのようなモバイル・テレコミュニケーション・ネットワーク、無線ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)、衛星通信ネットワーク、地上マイクロ波ネットワーク、または任意の他の適切な無線ネットワークであり得る。ネットワーク145は、フィールドコミュニケータ135とユーザコミュニケータ140とを通信可能に結合し得る。ネットワーク145は、フィールドコミュニケータ135とフィールド環境122(例えば、オペレータワークステーション71)の他の態様との間の通信リンクを提供し得る。場合によっては、バックエンド環境125の態様へのフィールドコミュニケータ135のアクセスは、無線ゲートウェイ35によって仲介され得る。
【0051】
動作時に、プロセスプラントユーザは、情報を取得するために、またはフィールドデバイスを制御するために、フィールドデバイスにアクセスするのを望む場合がある。例えば、ユーザは、フィールドデバイス(例えば、弁)に関連付けられたセンサの状態を知ろうとするか、またはユーザは、弁の状態を変更(例えば、弁を開放または閉鎖)しようとする場合がある。ユーザは、ユーザコミュニケータ140のディスプレイまたはユーザインターフェースにアクセスし得る。ユーザコミュニケータ140は、汎用コンピューティング通信プロトコル(例えば、HTTPS)を介して、汎用コンピューティング通信フォーマット(例えば、XML)で符号化されたコマンド(ユーザが望む指示(例えばGetValveStatus)および1つまたは複数のパラメータを含む)をフィールドコミュニケータ135へ送信し得る。ユーザコミュニケータ140は、クライアントAPIバインディングを使用して、コマンドおよびパラメータ(まとめて、APIコールと呼ぶ)を送信し得、フィールドコミュニケータ135のAPIは、APIコールを受信し得る。
【0052】
フィールドコミュニケータ135は、プロトコル変換ルーチンのライブラリを使用して、ユーザコミュニケータ140からのAPIコールを、プロセス制御プロトコルで符号されたフィールドデバイスコマンドに翻訳し得る。どの特定のプロセス制御プロトコルが使用されるかは、APIコールに含まれる表示(例えば、フィールドデバイス名/識別子のリスト)に依存し得る。1つのタイプのフィールドデバイスのみがフィールドコミュニケータ135に接続されている場合、プロセス制御プロトコルのタイプは、フィールドコミュニケータ135によって自動的に選択され得る。あるいは、フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスのタイプを決定するためにフィールドデバイスに問い合わせをして、そのタイプに基づいて適切なプロトコルを選択し得る。
【0053】
フィールドコミュニケータ135がAPIコールをフィールドデバイスコマンドに翻訳すると、フィールドコミュニケータ135は、1つまたは複数のフィールドデバイスに対してフィールドデバイスのコマンドを発行し得る。フィールドコミュニケータ135は、次に、同期的におよび/または非同期的に、1つまたは複数のフィールドデバイスからのレスポンスを読み取り得る。場合によっては、クライアントAPIバインディングは、同期的および/または非同期的操作を実行するためのフラグまたは種々の機能のコールを含み得る。次に、フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスコマンドに関するフィールドデバイスからのレスポンスを汎用コンピューティング通信フォーマットに変換して、ネットワーク145を介してそのレスポンスをユーザコミュニケータ140に返送し、そこで、そのレスポンスのさらなる処理、ユーザへの表示などが行われ得る。
【0054】
当然のことながら、ユーザは、フィールドデバイスへの多くの異なるタイプのアクセスを探してフィールドデバイスを制御し得、多くの動作は、フィールドコミュニケータ135およびユーザコミュニケータ140のクライアントAPIバインディングによってサポートされる。例えば、オペレータワークステーション71に位置付けられたユーザは、ユーザコミュニケータ140を使用して、席を離れずに有線フィールドデバイス17の構成を修正し得る。ユーザは、フィールドコミュニケータ135にプログラムに従ってアクセスするようにデバイスを構成し得る。例えば、ユーザコミュニケータ140または別のデバイス(例えば、サーバデバイス)は、所定のスケジュールで(例えば、毎日午前4時に)フィールドコミュニケータ135を介して1つまたは複数のフィールドデバイスから自動的にデータを取り出すようにプログラムされ得る。ユーザは、フィールドコミュニケータ135に、フィールドデバイス内のセンサと連動する効果を有するコマンドを発行させ得る(例えば、APIは、RunPatialStrokeTestコマンドを含み得る)。ユーザのユーザコミュニケータ140へのアクセスによるフィールドコミュニケータ135および/またはフィールドデバイスのリモート管理のための多くの追加の使用方法が想定される。ユーザは、自動的にデータを収集して、データを資産管理システム68に伝送するようにフィールドコミュニケータ135を構成し得る。
【0055】
さらに、代替形態のプロトコル変換構成も可能である。例えば、フィールドデバイスからのレスポンスは、ユーザコミュニケータ140への伝送の前に一部のみ変換され得る。例えば、フィールドコミュニケータ135は、限定された処理機能を有し得るか、またはさらに詳細な処理が必要であり得る。その場合、フィールドデバイスから取得されたデータは、翻訳されたおよび/または翻訳されていない形式で伝送され得る。フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスから取得されたデータが更なる処理のために解釈されないまま別のコンピュータ(例えば、ユーザ・インターフェース・デバイス75)に送信されるモードを含み得る。
【0056】
さらに、上記の実施例はフィールドコミュニケータ135とフィールドデバイスとの有線接続について説明しているが、無線接続も可能である。例えば、WirelessHARTフィールドデバイスは、無線接続を介して、フィールドコミュニケータ135にデータを伝送し得る。この場合、フィールドコミュニケータ135は、フィールドデバイスへの有線接続を介して電力を受け取らないスタンドアロンデバイスであり得る。フィールドコミュニケータ135は、(例えば、HART符号化データを伝送することによって)WirelessHARTデバイスから別の位置へ1つのプロトコル(例えば、HART)で通信を代行し得る。
【0057】
図1は、プロセスプラント例5内に含まれる有限数のフィールドデバイス15~22、40~46、無線ゲートウェイ35、無線アダプタ52、アクセスポイント55、ルータ58、および無線プロセス制御通信ネットワーク70と共に1つのコントローラ11のみが示されているが、これは例示的かつ非限定的な実施形態に過ぎないことに留意されたい。任意の数のコントローラ11は、プロセス制御プラントまたはシステム5内に含まれ得、コントローラ11のいずれかは、任意の数の有線または無線デバイスおよびネットワーク15~22、40~46、35、52、55、58、70と通信して、プラント5内のプロセスを制御し得る。1つのフィールドコミュニケータ135と1つのユーザコミュニケータ140のみが図示されているが、それぞれ任意の適切な数がフィールド環境122内でデプロイされ得る。1つのネットワーク145のみが図示されているが、任意の数の適切なネットワークが開発され、デプロイされ得る。例えば、第1のネットワーク145はフィールドデバイス間通信に使用され得るが、第2のネットワーク145はフィールドデバイス135から構成アプリケーション72aへの通信に使用され得る。フィールドコミュニケータ135は、第1のネットワーク145および第2のネットワーク145に同時に加わることができる。
【0058】
上記の技術の利点は多くある。第一に、フィールドデバイスは、より効率的にアクセスされ、制御され得る。従来は、フィールドデバイスは、ネイティブプロトコルを使用して診断を渡すことができるが、これは、多くの時間を要し、断続的にのみ使用され得る。例えば、バックボーン10を介してフィールドデバイスから資産管理システム68に直接渡されたデータは、最初に、自動化システムを通過し得るので、結果として、待ち時間および/または帯域幅制約をもたらす通信の層が発生し、資産管理システム68がフィールドデバイスからリアルタイムの診断情報を受信するのが防止される。追加の無線ネットワークを含めることによって、帯域幅は増幅される。
【0059】
第二に、ハードウェアは、より効率的に利用されるので、コストが低減される。場合によっては、フィールドコミュニケータ135は、資産管理システム68の例外における蓄積転送を介して最適化され得る。例えば、資産管理システム68は、資産管理システム68が所与の時間窓で通信し得るフィールドデバイスの数に関して本来制限され得る。フィールドコミュニケータ135をフィールド環境122に加えることによって、フィールドコミュニケータ135は、データに関して関連デバイス(例えば、フィールドコミュニケータ135が有線接続されるフィールドデバイス)をより頻繁にポーリングし、その後、無線ゲートウェイ35または別のコンピュータネットワークを介して、そのデータを資産管理システム68に蓄積/転送する。このようにフィールドコミュニケータ135が非同期的に資産管理システム68にデータをプッシュすることによって、それ以外の場合はフィールドデバイスのポーリングを開始する必要があるプロセスプラント5内のリソースは、他のタスクに対して開放され、その結果、全体の負荷が低減される。全体の負荷が低減される場合に限り、資産管理システム68は、より頻繁に通信する、より大規模のデバイスに対応することができる。
【0060】
第三に、ユーザは、ユーザおよびデバイスにとってより安全な方法で、より都合良くフィールドデバイスにアクセスしてフィールドデバイスを制御することができる。バックエンド環境125内に位置付けられたユーザは、バックエンド環境125から離れずに、ユーザコミュニケータ140および/またはネットワーク145を介して、フィールドデバイスのエンドキャップを開けずに、またフィールドデバイス内に位置付けられた電子機器を露出させずに、フィールドコミュニケータ135を構成し、および/またはキャリブレーションすることができる。構成を含む多くのタスクのためには、ユーザは、プロセス監視センサのデバイスハウジングを開放して(例えば、フィールドデバイスのハウジングを取り外して)、ユーザコミュニケータ140をプロセス監視センサに物理的に接続して、プロセス監視センサと通信させる必要がある。ユーザは、ユーザがフィールドデバイスを使用する作業を終えたときに、ハウジングを交換する必要がある。フィールドデバイスの開放は、時間のかかる作業であり、フィールドデバイスの態様(例えば、Oリング、ヒンジ、および/またはパッキング)を損傷し、フィールドデバイスの危険区域認定を無効にし、フィールドデバイスの封止された内部構造を汚染物に晒す可能性がある。しかしながら、ユーザは、ユーザコミュニケータ140およびネットワーク145を使用して、従来はデバイスへの直接的な物理的アクセスが必要であったフィールドデバイスにおけるリモートアクセスおよび制御を実現し得る。
【0061】
第四に、資産管理システム68内の特定の自動化-特定のインターフェースの必要性が排除され得る。フィールドデバイスからのデータの収集およびそのデータの変換に現在当てられている任意のハードウェアおよび/または論理リソースがリリースされ、および/または再割り当てされ得る。
【0062】
第五に、フィールドエンジニアまたはメンテナンスユーザの物理的な要求が減少する。本発明の技術はフィールドデバイスのリモート管理を可能にするので、このようなユーザは、フィールド内でフィールドデバイスを使用可能にするために大量のハードウェアを携行する必要がなくなる。さらに、任意のフィールドデバイスにアクセスすることができるユーザコミュニケータ140を統合することにより、フィールドエンジニアは、フィールド環境122内でフィールドデバイスを使用可能にするのに必要とされる場合に必要となるコンピューティングハードウェアの量を減らすことができる。
【0063】
図2は、フィールドコミュニケータ205に結合されたフィールドデバイス202がデプロイされ、使用され得る環境例200を示している。一般に、フィールドデバイス202は、図1に図示されているフィールドデバイスの1つ(例えば、有線フィールドデバイス15~18のうちの1つ、フィールドデバイス19~22のうちの1つ、など)に対応し得る。フィールドコミュニケータ205は、例えば、フィールドコミュニケータ135に対応し得る。動作時に、フィールドデバイス202は、フィールドコミュニケータ205を含むように設置され、および/または構成され得る。フィールドデバイス202とフィールドコミュニケータ205とは、コンジット208によって結合され得る。コンジット208は、プラグ209を含み得る。プラグ209は、フィールドデバイス(例えば、フィールドデバイス202)内にあるプラグであり得、プラグ209は、コンジット208を介して(例えば、コンジット208に電線を蛇行させて通すことによって)フィールドコミュニケータ205のような追加のコンポーネントを既存のフィールドデバイス202に取り付ける/接合することができるように、ユーザによって取り外され得る。
【0064】
環境200はさらに、フィールドデバイス202が通信可能に結合されるコントローラ210を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、図1のコントローラ11に対応し得る。環境200は、無線ゲートウェイ214およびユーザコミュニケータ220を含み得、これらはネットワーク230によって通信可能に結合され得る。無線ゲートウェイ214は、図1の無線ゲートウェイ35に対応し、ユーザコミュニケータ220はユーザコミュニケータ140に対応し得る。ネットワーク230は、ネットワーク145に対応し得る。
【0065】
動作時に、フィールドデバイス202は、フィールドコミュニケータ205と共にデプロイされ得る、またはフィールドコミュニケータ205を含むように改造され/アップグレードされ得る。フィールドコミュニケータ205は、コンジット208によってフィールドデバイスに取り付けられ得る。フィールドコミュニケータ205に関して、コンジット208は、近位端でフィールドコミュニケータ205に取り付け可能であり、遠位端でフィールドデバイス202に取り付け可能である任意の適切な長さ、厚さ、および直径の中空管であり得る。近位端および/または遠位端の取付機構は、専用のカップリング、標準的なねじピッチを有するねじ式取付点、フリクションシールなどのような任意の適切な取付機構であり得る。コンジット208は、気密または水密封止するために、両端にガスケットを含み得る。以下で詳細に説明するように、コンジット208内に敷設された配線は、フィールドデバイス202およびフィールドコミュニケータ205に電力を供給し得、フィールドデバイス202とフィールドコミュニケータ205との間でデータを伝送するのに同じ電線が使用され得る。
【0066】
フィールドデバイス202およびフィールドコミュニケータ205が電源オンになると、フィールドコミュニケータ205および/またはフィールドデバイス202は、(例えば、ポーリング動作に応答して)データをコントローラ210に伝送し得る。図1に関して説明したように、フィールドコミュニケータ205はさらに、フィールドデバイス202からデータを収集し、そのデータを変換して、ネットワーク230経由でユーザコミュニケータ220に対しておよび/またはユーザコミュニケータ220から無線ゲートウェイ214を介して無線で変換データを伝送し得る。例えば、ユーザコミュニケータ220のユーザは、ユーザインターフェースを介して1つまたは複数のフィールドコミュニケータ205を選択し、次に、構成、キャリブレーション、メンテナンス、または他のコマンドを発行し得る。コマンドは、ネットワーク230を介してフィールドコミュニケータ205に伝送され得る。場合によっては、コマンドは、ペイロードを有するHTTPリクエスト(例えば、GETまたはPOSTリクエスト)を含むAPIコールで有り得る。ペイロードは、パラメータを指定し得る。例えば、パラメータは、フィールドコミュニケータ205が特定のフィールドデバイスに特定の機能を実行する(例えば、短ストロークテストを開始する、データを伝送する、コンピュータネットワークに接続するなど)ように指示すべきであることを指定し得る。ペイロードに基づいて、フィールドコミュニケータ205は、フィールドデバイス202の特定のプロトコル用に符号化された命令を生成し、命令をフィールドデバイス202に対して発行し得る。
【0067】
フィールドコミュニケータ205は、コマンドがユーザコミュニケータ220から受信されたときに、このようなコマンドペイロードを分析して適切なアクションを取るためにAPIまたは他のアプリケーションを含み得る。場合によっては、コマンドは、認証されたおよび/または暗号化された通信チャネル(例えば、認証されたHTTPS)を介して伝送されて、盗聴および/またはなりすましを防止し得る。上述したように、フィールドコミュニケータ205をフィールドデバイス202に加えることによって、フィールドコミュニケータ205は、リアルタイムでフィールドデバイスのデータをその環境の他のコンポーネントへ伝送し、コントローラ210の過負荷を回避し、ネットワーク230または別のネットワーク飽和を回避することができる。フィールドデバイス202は、デフォルトネットワーク(例えば、バックボーン10)から分離され得るネットワーク230を介して通信し得るので、データは、デフォルトネットワークの性能に影響を及ぼさずに、かつ低遅延で(すなわち、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで)フィールドデバイス202から伝送され得る。
【0068】
図3は、特に、コンジット306を介してフィールドデバイス302とフィールドコミュニケータ305との間でデータを交換するように構成されたカップリング300の切り取り図である。フィールドデバイス302は、図1のフィールドデバイス202に対応し得る。フィールドコミュニケータ305は、フィールドコミュニケータ205に対応し得る。コンジット306は、図1のコンジット208に対応し得、プラグ209に対応するプラグ307を含み得る。
【0069】
切り取り図のカップリング300は、フィールドデバイス302とフィールドコミュニケータ305とのn線式接続部308を含み得る。具体的には、接続部308は、2線式接続部、3線式接続部、または適切な数の電線を使用する他の有線接続部であり得る。フィールドデバイス302は、1つまたは複数の端子/ポスト312と、1つまたは複数の端子/ポスト314とを含み得る。フィールドデバイス302の観点から、接続部308の近位端はポスト312に取り付けられ、接続部308の遠位端はポスト316に取り付けられ得る。技術者または設置業者は、フィールドデバイスの一部であるキャップ320を取り外すことによって、接続部308をポスト312に取り付けることができる。キャップ320は、ねじ締め機構、クリップ機構などを介してフィールドデバイスに取り付けられ得、Oリングまたはガスケットのような封止態様を含み得る。技術者/設置業者は、手でキャップ320を取り外すことができ得る、またはいくつかの実施形態では、キャンプの取り外しは、特定の工具の使用を必要とし得る。ポスト314は、コントローラに接続される1つまたは複数の電線を含み得る。
【0070】
図4は、コンピューティングデバイス例405を示している。コンピューティングデバイス405は、フィールドコミュニケータ135、フィールドコミュニケータ205、および/またはフィールドコミュニケータ305に対応し得る。コンピューティングデバイス405は、コンジット407を介してフィールドデバイス406に結合され得る。フィールドデバイス406は、図1に図示されているフィールドデバイスのいずれか(例えば、デバイス19~22のいずれか)に対応し得る。コンジット407は、コンジット208および/またはコンジット306に対応し得る。フィールドデバイス406はさらに、コントローラ11および/またはコントローラ210に対応し得るコントローラ408と通信し得る。
【0071】
コンピューティングデバイス405は、中央処理ユニット(CPU)412、取り外し可能または交換可能なバッテリ414、無線ネットワークコントローラ(NIC)416、メモリ418、デバイス通信モジュール420、セキュリティモジュール422、およびプロトコルモジュール424を含む多数のコンポーネントを含み得る。CPU412は、コンピュータ実行可能命令を実行し得る。バッテリ414は、いくつかの実施形態では、電源喪失の場合に、コンピューティングデバイス405が継続して機能する(継続してデータを収集する)ことを可能にし得る、またはコンピューティングデバイス405に一次電源を提供し得る電荷を保持し得る。場合によっては、バッテリ414は、一時的にコンピューティングデバイス405のデプロイメントを可能にし得る。例えば、コンピューティングデバイス405は、短期のデプロイメントシナリオおよび/または監視シナリオで使用され得る。バッテリ駆動式コンピューティングデバイス405のアドホック使用の多くの形式が想定される。さらに、コンピューティングデバイス405は、コンピューティングデバイス405が接続されているフィールドデバイスのカバーを取り外さなくても、フィールド内のバッテリ414を交換するために容易に取り外すことができるバッテリカバーを有し得る。いくつかの構成では、CPU412は、マルチコアプロセッサまたは共処理機能(例えば、量子的処理技術、セル処理技術、化学的処理技術、フォトニック処理技術、生化学的処理技術、生物学的処理技術および/または他の適切な共処理技術)を有するプロセッサである。CPU412は、1つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU)を含み得る。当然のことながら、1つのCPU412のみが図4に示されているが、コンピューティングデバイス405は2つ以上のCPU412を含み得る。
【0072】
1つのNIC416のみが図示されているが、コンピューティングデバイス405は、1つまたは複数のNIC416を含み得、これを介して、1つまたは複数の個々の通信ネットワークまたはデータネットワークへの1つまたは複数の個々のリンクがアクセスされる。1つまたは複数のNIC416は、1つまたは複数の汎用コンピューティング通信ネットワークおよび/またはデータネットワークに対するインターフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)、Ethernet、NFC、RFID、Wi-Fiなど)を含み得る。通信ネットワークまたはデータネットワークへのリンクは、メモリアクセス機能のようなものであり得、および/またはリンクは、有線、無線、または多段接続であり得る。多くのタイプのインターフェースおよびリンクは、ネットワーキングの分野で周知であり、コンピューティングデバイス405と共に使用され得る。さらに、無線NIC416は、Ethernetアダプタおよび/またはWiFiアダプタのような1つまたは複数のハードウェアネットワークインターフェースおよび/またはソフトウェアネットワークインターフェースを含み得る。無線NICは、現在周知のまたは後に開発される任意の周知の無線ネットワークプロトコルに従ってデータを送受信するための任意の適切なハードウェア伝送器(例えば、Bluetooth(登録商標)トランシーバ)を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス405のオペレータが1つまたは複数の仮想ネットワークインターフェースを無線NIC416に追加することにより、無線NIC416が(例えば、非特権アプリケーションによって)ユーザ空間内でネットワークトラフィックを送受信するのを可能にすることが有利であり得る。
【0073】
メモリ418は、コンピュータ実行可能命令に関連するデータを永続的に記憶し得、コンピュータ実行可能命令に関連するデータを一時的に記憶するためのランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含み得る。メモリ418は、オンデバイスキャッシュとして使用され得、一時メモリおよび/または永続メモリ内にデータをバッファリングし得る。例えば、コンピューティングデバイス405がフィールド環境122のようなフィールド環境から収集されたデータをプッシュしようとし、資産管理システム68またはデータ・ヒストリアン・アプリケーション73aのようなデータの受信器にデータを到達させることができない、または受信器がデータを受信することができない場合(例えば、データの受信器のメモリフルのために)、コンピューティングデバイス405は、データが後で取り出され、受信され、および/または伝送され得るまで、メモリ418内のオンデバイスキャッシュへのデータの書き込みを継続し得る。いくつかの実施形態では、キャッシュデータは、CPU412によって圧縮され、および/または削除され/周期的に回転され得る(例えば、1時間1回)。キャッシングは、予定通りに伝送することができないデータを消失させることができるということにおいて大幅な改善点である。さらに、キャッシングは、ユーザがフィールドデバイス406にアクセスしなくても、いつでもコンピューティングデバイス405からフィールドデバイス406の状況に関するデータ(例えば、最終キャリブレーションの時間/日付)を収集することができるので有利である。キャッシングにより、ユーザは、よりタイムリーに情報にアクセスすることができ、経時的な主要なシステムコンポーネントの消耗を減らすことができる。いくつかの構成では、メモリ418および/またはRAMは、例えば、ソリッドステート・ドライブ・メモリ、フラッシュメモリ、半導体メモリ、光メモリ、分子メモリ、生物学的メモリ、または任意の他の適切な高密度メモリ技術のような高密度メモリ技術を使用して実装される。コンピューティングデバイス405のメモリ418は、複数のRAMを含み得る。RAM(単数または複数)は、例えば、1つまたは複数の半導体メモリ、フラッシュメモリ、磁気的に読み取り可能なメモリ、光学的に読み取り可能なメモリ、生物学的メモリ、および/または他の有形の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として実装され得る。
【0074】
コンピューティングデバイス405は、メモリ418内に記憶される特定のコンピュータ実行可能命令の1つまたは複数のセットを含み、これらは、CPU412によってRAMにロードされ、特定の機能を発生させるためにCPU412によって実行され得る。したがって、コンピューティングデバイス405は、特に、少なくとも一部はコンピューティングデバイス405に記憶される特定の1つまたは複数の命令セット(1つまたは複数のエンジン、ルーチン、アプリケーション、APIまたはプログラムを含み得る)で構成される。アプリケーション/モジュールのセットは、メモリ418内に記憶されている1つまたは複数の命令セットの一部として含まれ得る。アプリケーションのセットは、本明細書でさらに詳細に説明するように、資産管理システム68に関連付けられ得、デバイス通信モジュール420、セキュリティモジュール422、および/またはプロトコルモジュール424を含み得る。
【0075】
デバイス通信モジュール420は、メッセージを送信し、受信し、解釈し得る。例えば、デバイス通信モジュール420は、NIC416を介して、プロセス制御プロトコル(例えば、Highway Addressable Remote Transducerプロトコル、Fieldbusプロトコル、Profibusプロトコル、またはModbusプロトコル)および汎用コンピューティング通信フォーマット(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFiなど)で符号化されたメッセージをそれぞれ伝送し、受信し、および/または解釈し得る。デバイス通信モジュール420は、実行されたときに、NIC416の1つまたは複数のソケットに結合して、クライアントアプリケーションを接続すること(例えば、representational state transfer(REST)API)を可能にする命令を含み得る。デバイス通信モジュール420は、図1に関して説明したAPIを実装するコンピュータ実行可能命令を含み得、このことにより、ユーザコミュニケータはコマンドをデバイス通信モジュール420に送信することができる。
【0076】
デバイス通信モジュール420は、無線NIC416を介して、ネットワーク(例えば、リアルタイム外部ネットワーク)に対してメッセージを送受信し得る。例えば、デバイス通信モジュール420は、図2のネットワーク230にデータを送信し、ネットワーク230からデータを受信し得る。デバイス通信モジュール420は、コンピューティングデバイス405内に受信されたデータからペイロードを抽出し得、デバイス通信モジュール424は、実行可能命令のセットに従ってペイロードを処理し得る。
【0077】
コンピューティングデバイス405のセキュリティモジュール422は、デバイス通信モジュール420と他のモジュールとの間の情報の流れを安全に仲介し得る。セキュリティモジュール422は、情報の暗号化および復号化のためのルーチンおよび/または命令のセット、例えば、非対称鍵暗号化アルゴリズム、対称鍵暗号化アルゴリズム、または他の適切な暗号化スキーム/暗号を含み得る。セキュリティモジュール422は、OpenSSHサーバのような安全なアクセスサービスであり得、これにより、ユーザがコンピューティングデバイス405のモジュール内で実行しているコンピューティングデバイス405のオペレーティングシステムのシェル(例えば、Linux(登録商標))に接続して、オペレーティングシステムの非特権および/または特権ユーザとして安全にコマンドを発行することができ、この場合、コマンドは、コンピューティングデバイス405の状態を変化させる効果を有する。
【0078】
コンピューティングデバイス405は、プロトコルモジュール424を含み得る。プロトコルモジュール424は、いずれかの特定のプロセス制御フォーマット済みデータ(例えば、DeviceNet)で符号化されたメッセージに対して低レベルの変換機能、識別機能、および処理機能を実行するのを担当し得る。図3に関して説明したように、コンピューティングデバイス405は、フィールドデバイス406の第1の有線ポスト(例えば、非ループ2線式リンク、電源リンク、4線式リンクなど)に接続され得る。フィールドデバイス406は、同様に、フィールドデバイス406の第2のポストを介して別のフィールドデバイス、コントローラ408などに接続され得る。実施形態において、プロトコルモジュール424の機能は、リンク経由でフィールドデバイス406にデータを送信し、および/またはフィールドデバイス406からデータを受信することであり得る。例えば、フィールドデバイス406によってコンピューティングデバイス405に対して生成されたデータは、例えば、コンピューティングデバイス405のセキュリティモジュール422によって解釈することが不可能である場合がある。同様に、コンピューティングデバイス450のデバイス通信モジュール420によって生成されたデータは、例えば、フィールドデバイス406によって解釈することが不可能である場合がある。したがって、プロトコルモジュール424は、コンピューティングデバイス405とフィールドデバイス406との間で伝送されたデータを翻訳し得る。1つまたは複数のプロトコル424は、コンピューティングデバイス405内に設置されて、コンピューティングデバイス405が複数の異なるタイプのフィールドデバイスによって生成された、および/または複数の異なるタイプのフィールドデバイスに向けられたデータを受信し、伝送することを可能にし得る。
【0079】
プロトコルモジュール424は、汎用コンピューティングデータフォーマットで符号化されたユーザコミュニケータからのコマンドをプロセス・プロトコル・データ・フォーマットで符号化された対応メッセージに変換し、プロセス制御データフォーマットで符号化されたレスポンスを汎用コンピューティングデータフォーマットに符号化するためのルーチンのライブラリを含み得る。例えば、プロトコルモジュール424は、1つのプロセス制御プロトコル(例えば、Profibusプロトコル)のメッセージを別のプロセス制御プロトコル(例えば、Fieldbusプロトコル)で符号化された対応メッセージに変換し、またその逆へ変換することが可能であり得る。
【0080】
フィールドコミュニケータに関連するプロセスプラントの機能を実行するためのモジュールの上記の配置は、いくつかの可能な配置に過ぎない。多くの他の可能な配置が想定される。
【0081】
図5は、プロセスプラント内のプロトコル変換を実行するための方法例500のブロック図である。方法500は、フィールドデバイスの伝送器を介して、プロセス制御プロトコルで符号化されたデータセットを受信するステップ(ブロック502)を含み得る。例えば、プロセス制御プロトコルで符号化されたデータセットは、フィールドコミュニケータによって発行されたコマンドに対する、ユーザコミュニケータからのレスポンスであり得る。プロセス制御プロトコルは、任意の適切なプロトコル(例えば、HART)であり得る。データセットは、パックアレイ(packed array)、ハッシュテーブル、ストリングなどのような任意の適切なデータ構造であり得る。方法500はさらに、プロセッサを介して、データセットからペイロードを抽出するステップ(ブロック504)を含み得る。ペイロードは、コマンドの出力(例えば、GetVersionコマンドに対応したバージョン番号)、フィールドデバイス内のセンサに関連するデータ(例えば、弁の状態の時系列)、またはユーザが求める他の関連情報を表し得る。プロセス制御プロトコルは、関連情報以上のメタデータを含み得、ペイロードを抽出するステップは、このようなメタデータをプロセス制御プロトコルで符号化されたデータセットから除去するステップを含み得る。抽出ステップはさらに、データ構造/型を汎用コンピューティングデータフォーマットに変換する(例えば、プロセス制御プロトコルに固有のデータ構造をリストに変換する、符号なし整数を符号付き整数に変換するなど)ステップを含み得る。方法500は、任意の適切なプログラミング言語でコンピュータ実行可能命令を使用して実装され得るので、精密な変換ステップおよび抽出ステップは、実装するのに選択されるプログラミング言語(単数または複数)に応じて異なり得る。方法500はさらに、メモリにペイロードの少なくとも一部を記憶するステップ(ブロック506)を含み得る。メモリは、ユーザコミュニケータのユーザによってアクセス可能である一時または永続キャッシュであり得る。方法500はさらに、無線ネットワーク・インターフェース・コントローラを介して、汎用コンピューティング通信プロトコルで符号化されたペイロードの少なくとも一部を伝送するステップ(ブロック508)を含み得る。ペイロード(例えば、時系列)は、リモートコンピューティングデバイス(例えば、サーバデバイス、ユーザコミュニケータなど)に(例えば、POST要求を介して)伝送される前に、汎用コンピューティング通信プロトコル(例えば、HTTP)に埋め込まれ得る。
【0082】
図6は、フィールドデバイスにアクセスするための方法例600のブロック図である。方法600は、フィールド・コミュニケータ・デバイス内で、ユーザコミュニケータから受信されたフィールドデバイスの指示を含むユーザのコマンドを受信するステップ(ブロック602)を含み得る。コマンドは、フィールド・コミュニケータ・デバイスのメモリ内で実行するAPIによって受信され得る。フィールドデバイスの指示は、任意の適切なパラメータ/識別子(例えば、整数、汎用一意識別子(UUID)など)であり得る。方法600は、フィールドデバイスの指示に基づいて、ターゲットフィールドデバイスに対応するプロトコルを含むターゲットフィールドデバイスを識別するステップ(ブロック604)を含み得る。ターゲットデバイスを識別するステップは、(例えば、有線接続を介して)フィールド・コミュニケータ・デバイスに結合されている1つまたは複数のフィールドデバイスに問い合わせするステップを含み得、問い合わせは、GetIdコマンドまたは同様のコマンドを含む。あるいは、フィールドコミュニケータのメモリが、識別子によるデバイスのテーブルを含み得る。方法600はさらに、ユーザのコマンドに基づいて、デバイスコマンドを生成するステップ(ブロック606)を含み得る。デバイスコマンドを生成するステップは、プロトコル変換ルーチンのライブラリを使用して、汎用コンピューティングデータフォーマットで符号化され得るデバイスコマンドを識別されたターゲットデバイスと互換性があるフィールドデバイスのプロトコルフォーマットに変換するステップを含み得る。方法600はさらに、ターゲットフィールドデバイスに対応するプロトコルに基づいてプロトコル符号化データセットを符号化するステップ(ブロック608)を含み得る。コマンドが生成されると、コマンドは、識別されたターゲットデバイスに伝送可能なデータセットにラッピングされ得る。例えば、特定のフィールドデバイスプロトコルは、コマンドがプロトコル符号化データセットに含まれるヘッダまたは他のメタデータのセットを含むことを義務付ける場合がある。方法600は、伝送器を介してターゲットフィールドデバイスにプロトコル符号化データセットを伝送するステップ(ブロック610)を含み得る。伝送器は、本明細書で説明したように、有線伝送器(例えば、2線式、4線式など)または無線伝送器であり得る。
【0083】
また、本開示の上記の態様は、単なる例に過ぎず、本開示の範囲を制限するものではない。
【0084】
以下の追加の考察は、上述の説明にも当てはまる。本明細書全体を通して、任意のデバイスまたはルーチンによって実行されるものとして説明されているアクションは、一般に、機械可読命令に従ってデータを操作するまたは変換するプロセッサのアクションまたはプロセスを指す。機械可読命令は、プロセッサに通信可能に結合されたメモリデバイスに記憶され、メモリデバイスから取り出され得る。すなわち、本明細書に記載されている方法は、コンピュータ可読媒体(すなわち、メモリデバイス)に記憶されている機械実行可能命令のセットによって具現化され得る。命令は、対応するデバイス(例えば、オペレータワークステーション、診断ツールなど)の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたときに、プロセッサにその方法を実行させる。本明細書において、命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、および/またはアプリケーションがコンピュータ可読メモリまたはコンピュータ可読媒体に記憶されるまたは保存されるものであると言及される場合、「記憶される」および「保存される」という単語は、一時的な信号を除外するものとする。
【0085】
また、用語「オペレータ」、「要員」、「人」、「ユーザ」、「技術者」、「管理者」および同様の他の用語は、本明細書に記載されているシステム、装置、および方法を使用し得るまたはそれらと対話し得るプロセスプラント環境内にいる人を示すのに使用されるが、これらの用語は限定的であることを意図するものではない。本明細書内で特定の用語が使用される箇所において、その用語は、1つにはプラント要員が関わる従来の活動であるという理由で使用されるが、その特定の活動に関わっている可能性がある要員に限定するものではない。
【0086】
さらに、本明細書全体を通して、1つのインスタンスとして記載されているコンポーネント、動作、または構造を複数のインスタンスが実装する場合がある。1つまたは複数の方法の個々の動作は別個の動作として図示されて説明されているが、個々の動作の1つまたは複数は、同時に実行される場合もあり、動作は図示されている順序で実行される必要はない。構成例において別個のコンポーネントとして示されている構造および機能は、組み合わせられた構造またはコンポーネントとして実装され得る。同様に、単一コンポーネントとして示されている構造および機能は、別個のコンポーネントとして実装され得る。上述および他の変形、修正、追加、および改良の形態も本明細書の対象の範囲内にある。
【0087】
特に明記しない限り、本明細書で「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「識別」、「提示」、「提示させる」、「表示させる」、「表示」などの単語を使用した説明は、1つまたは複数のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信する、記憶する、伝送する、または表示する他の機械コンポーネント内の物理的(例えば、電子的、磁気的、生物学的、または光学的)量として表されたデータを操作しまたは変換する機械(例えば、コンピュータ)のアクションまたはプロセスについて言及し得る。
【0088】
本明細書に記載されているアプリケーション、サービス、およびエンジンのいずれかは、ソフトウェア内で実装されるときに、磁気ディスク、レーザディスク、ソリッドステート・メモリ・デバイス、分子メモリ記憶装置、または他の記憶媒体のような任意の有形の非一時的なコンピュータ可読メモリ、コンピュータもしくはプロセッサのRAMまたはROM内などに記憶され得る。本明細書に開示されているようなシステム例は、数あるコンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含むものとして開示されているが、このようなシステムは単なる例に過ぎず、限定的であると考えるべきではないことに留意されたい。例えば、これらのハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、およびファームウェアコンポーネントのいずれかまたは全てがハードウェア内でのみ、ソフトウェア内でのみ、またはハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせ内で具現化され得ることが考えられる。したがって、当業者は、提供されている実施例がこのようなシステムを実装する唯一の方法ではないことを容易に理解するであろう。
【0089】
したがって、本発明は、単なる例に過ぎず本発明を限定するものではない特定の実施例に関して説明されているが、当然のことながら、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、開示されている実施形態に対して変更、追加、または削除がなされてもよいことは当業者には明らかであろう。
【0090】
さらに、当然のことながら、本願において「本明細書で使用される場合、用語「」はここでは、を意味すると定義される」という文または同様の文を使用してその用語が明確に定義されていない限り、明確にまたは暗に、明白な意味または通常の意味を越えて、その用語の意味を制限する意図はなく、このような用語は本願のいずれかの段落で述べた説明(クレームの文言以外)に基づいて範囲が制限されると解釈すべきでない。本願の終わりのクレームの中で記載されている任意の用語が本願において1つの意味と一致する形で言及される場合、読者を混乱させないように、単に分かりやすくするために、そのように言及されており、このようなクレーム用語が暗にまたは別の形でその1つの意味に制限されることを意図しているのではない。最後に、クレーム要素が、いずれの構造も記載せずに、単語「手段」および機能を記載することによって定義されていない限り、任意のクレーム要素の範囲は米国特許法第112条(f)および/または旧米国特許法(pre-AIA)第112条第6項の適用に基づいて解釈されることを意図しているのではない。
【0091】
また、上述の文章は多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載したものであるが、当然のことながら、当該特許の範囲は本願の最後に述べるクレームの単語によって定義される。詳細な説明は、単なる例に過ぎないと解釈すべきであり、可能な全ての実施形態を記載するのは不可能とは言えないまでも実現するのは困難であるので、可能な全ての実施形態を記載していない。現在の技術または本願の出願日の後に開発される技術を使用して、多数の代替形態が実現可能であり、これらの代替形態もクレームの範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6