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特許7575890電子装置、該電子装置で指紋映像を処理する方法、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】電子装置、該電子装置で指紋映像を処理する方法、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/12 20220101AFI20241023BHJP
   G06T 5/00 20240101ALI20241023BHJP
【FI】
G06V40/12
G06T5/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020102421
(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2021034016
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0105002
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 熙 眞
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-072555(JP,A)
【文献】特開2017-079440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/12-40/13
G06T 1/00- 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指紋の相互静電容量を検出することにより、前記指紋におけるリッジの静電容量と前記指紋におけるバレーの静電容量との差に応じた原本指紋映像を獲得する段階と、
前記原本指紋映像のピクセルが有する原本明暗値の明暗分布に基づいて、前記原本指紋映像から、前記原本明暗値の空間的変化推移を推定する段階と、
前記推定された空間的変化推移に基づいて決定された前記ピクセルに係わる参照明暗値を示す参照明暗マップを生成する段階と、
前記原本指紋映像の前記原本明暗値と、前記参照明暗マップの前記参照明暗値とを比較し、前記原本指紋映像の前記明暗分布を正規化する段階と、
前記正規化された明暗分布を有する正規化指紋映像を生成する段階と、
を含む電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項2】
前記明暗分布を正規化する段階は、
前記原本指紋映像の前記明暗分布が均一になるように、前記原本指紋映像から前記推定された空間的変化推移による明暗変化の影響を除去することにより、前記明暗分布を正規化することを特徴とする請求項1に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項3】
前記明暗分布を正規化する段階は、
前記原本指紋映像と前記参照明暗マップとにおいて互いに対応するピクセルそれぞれに係わる原本明暗値と参照明暗値との明暗差を計算することにより、前記明暗分布を正規化することを特徴とする請求項1に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項4】
前記正規化指紋映像は、
前記原本指紋映像の各ピクセルが、前記計算された明暗差に対応する明暗値を有するように再構成された映像であることを特徴とする請求項3に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項5】
前記空間的変化推移を推定する段階は、
前記原本明暗値の前記明暗分布から、前記原本指紋映像の全体ピクセルに係わる確率的明暗分布の特性を推定することによって遂行されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項6】
前記確率的明暗分布の特性は、
カーネル関数によるカーネル密度推定(KDE)を利用して獲得されることを特徴とする請求項5に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項7】
前記確率的明暗分布の特性は、
前記原本指紋映像の各ピクセルごとに、周辺ピクセルの原本明暗値の平均に対応する参照明暗値に基づいて推定され、
前記参照明暗マップは、
前記推定された確率的明暗分布の特性に対応する前記空間的変化推移に係わる情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項8】
前記生成された正規化指紋映像に対してノイズ除去のためのスムージング処理を行う段階をさらに含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項9】
前記生成された正規化指紋映像から、リッジ、バレー及び特徴点のうち少なくとも一つを抽出するための映像処理を行う段階を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の電子装置において指紋映像を処理する方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項11】
ユーザの指紋の相互静電容量をセンシングすることにより、前記指紋におけるリッジの静電容量と前記指紋におけるバレーの静電容量との差に応じた原本指紋映像を獲得する指紋センサと、
前記獲得された原本指紋映像を処理するプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記原本指紋映像のピクセルが有する原本明暗値の明暗分布に基づいて、前記原本指紋映像から、前記原本明暗値の空間的変化推移を推定し、
前記推定された空間的変化推移に基づいて決定された前記ピクセルに係わる参照明暗値を示す参照明暗マップを生成し、
前記原本指紋映像の前記原本明暗値と、前記参照明暗マップの前記参照明暗値とを比較し、
前記原本指紋映像の前記明暗分布を正規化し、
前記正規化された明暗分布を有する正規化指紋映像を生成する指紋映像を処理する電子装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記原本指紋映像の前記明暗分布が均一になるように、前記原本指紋映像から前記推定された空間的変化推移による明暗変化の影響を除去することにより、前記明暗分布を正規化することを特徴とする請求項11に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記原本指紋映像と前記参照明暗マップとにおいて互いに対応するピクセルそれぞれに係わる原本明暗値と参照明暗値との明暗差を計算することにより、前記明暗分布を正規化することを特徴とする請求項11に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項14】
前記正規化指紋映像は、
前記原本指紋映像の各ピクセルが、前記計算された明暗差に対応する明暗値を有するように再構成された映像であることを特徴とする請求項13に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記原本明暗値の前記明暗分布から、前記原本指紋映像の全体ピクセルに係わる確率的明暗分布の特性を推定することにより、前記空間的変化推移の推定を行うことを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項16】
前記確率的明暗分布の特性は、
カーネル関数によるカーネル密度推定(KDE)を利用して獲得されることを特徴とする請求項15に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項17】
前記確率的明暗分布の特性は、
前記原本指紋映像の各ピクセルごとに、周辺ピクセルの原本明暗値の平均に対応する参照明暗値に基づいて推定され、
前記参照明暗マップは、
前記推定された確率的明暗分布の特性に対応する前記空間的変化推移に係わる情報を含むことを特徴とする請求項15に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記生成された正規化指紋映像に対し、ノイズ除去のためのスムージング処理をさらに行うことを特徴とする請求項11~17のいずれか1項に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
前記生成された正規化指紋映像から、リッジ、バレー及び特徴点のうち少なくとも一つを抽出するための映像処理をさらに行うことを特徴とする請求項11~18のいずれか1項に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【請求項20】
前記指紋センサは、
前記ユーザの前記指紋の全体領域を、オンスクリーン方式でもってセンシングするためのセンサによって具現されることを特徴とする請求項11~19のいずれか1項に記載の指紋映像を処理する電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置、前記電子装置で指紋映像を処理する方法、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
指紋、音声、顔、手または虹彩のような個人の固有特徴を利用した個人認証の必要性がだんだんと拡大している。個人認証機能は、金融機器、出入り統制機、モバイル装置、ノート型パソコンなどで主に使用され、最近、スマートフォンのようなモバイル装置が広く普及するにつれ、スマートフォン内に保存された多くの保安情報を保護するために採用されている。更に、このような個人認証のための指紋認識装置が採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、電子装置、前記電子装置で指紋映像を処理する方法及び記録媒体を提供するところにある。本実施形態がなす技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から他の技術的課題が類推されるのである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面によれば、電子装置において指紋映像を処理する方法は、ユーザの指紋をセンシングすることにより、原本指紋映像を獲得する段階と、前記原本指紋映像のピクセルが有する原本明暗値の明暗分布に基づいて、前記原本指紋映像から、前記原本明暗値の空間的変化推移を推定する段階と、前記推定された空間的変化推移に基づいて決定された前記ピクセルに係わる参照明暗値を示す参照明暗マップを生成する段階と、前記原本指紋映像の前記原本明暗値と、前記参照明暗マップの前記参照明暗値とを比較し、前記原本指紋映像の前記明暗分布を正規化する段階と、前記正規化された明暗分布を有する正規化指紋映像を生成する段階と、を含む。
【0005】
他の側面によれば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、前記方法を実行する命令語を含む1以上のプログラムが記録された記録媒体を含んでもよい。
【0006】
さらに他の側面によれば、指紋映像を処理する電子装置は、ユーザの指紋をセンシングすることにより、原本指紋映像を獲得する指紋センサと、前記獲得された原本指紋映像を処理するプロセッサと、を含み、前記プロセッサは、前記原本指紋映像のピクセルが有する原本明暗値の明暗分布に基づいて、前記原本指紋映像から、前記原本明暗値の空間的変化推移を推定し、前記推定された空間的変化推移に基づいて決定された前記ピクセルに係わる参照明暗値を示す参照明暗マップを生成し、前記原本指紋映像の前記原本明暗値と、前記参照明暗マップの前記参照明暗値とを比較し、前記原本指紋映像の前記明暗分布を正規化し、前記正規化された明暗分布を有する正規化指紋映像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による電子装置に搭載された指紋センサについて説明するための図面である。
図2】一実施形態による電子装置のハードウェア構成を図示した図面である。
図3】一実施形態によるタッチパネルのノードそれぞれに対応する相互静電容量を概念的に示した図面である。
図4】一実施形態による指紋センサに接触するユーザ指の互いに異なる圧力強度に対応する指紋映像について説明するための図面である。
図5】一実施形態により、指紋センサに接触された指の圧力が、指紋センサで均一に分布しない場合について説明するための図面である。
図6】一実施形態により、電子装置のプロセッサで指紋認証を行う過程について説明するための図面である。
図7】一実施形態により、指紋映像に対する正規化を遂行する過程について説明するための図面である。
図8】一実施形態による明暗分布の正規化によって調整された指紋映像の明暗データについて説明するための図面である。
図9】一実施形態による、電子装置において指紋映像を処理する方法のフローチャートである。
図10】一実施形態により、指紋映像の明暗分布の正規化結果について説明するための図面である。
図11】一実施形態により、不均一な明暗分布を有する原本指紋映像に対して、従来方式による映像処理を行った場合と、本実施形態による映像処理を行った結果との指紋認証率を比較して説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態で使用される用語は、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の当業者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該説明部分で詳細にその意味を記載する。従って、明細書で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、明細書の全般にわたる内容とを基に定義されなければならないのである。
【0009】
本実施形態で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載されたさまざまな構成要素、またはさまざまな段階を必ずしもいずれも含むものであると解釈されるものではなく、そのうちの一部構成要素または一部段階は、含まれなかったり、追加される構成要素または段階をさらに含んだりしてもよいと解釈されなければならない。
【0010】
以下、添付図面を参照し、本実施形態について詳細に説明する。しかし、本実施形態は、さまざまに異なる形態にも具現され、ここで説明する例に限定されるものではない。
【0011】
図1は、一実施形態による電子装置に搭載された指紋センサについて説明するための図面である。
【0012】
図1を参照すれば、電子装置1の指紋センサ10は、パッシベーション膜(passivation layer)102、絶縁膜104及び基板106の層によって構成され、パッシベーション膜102と絶縁膜104との間には、検出電極Rx103が形成され、絶縁膜104と基板106との間には、駆動電極Tx105が形成されている。
【0013】
電子装置1の前面には、タッチディスプレイパネル(touch display panel)11が具備され、タッチディスプレイパネル11は、電子装置1を操作することができるタッチ入力インターフェースに該当する。タッチディスプレイパネル11の全体領域のうち一部領域は、ユーザの指端101の指紋センシングのための指紋センサ10としても具現される。指紋センサ10は、リッジ(ridge)及びバレー(valley)それぞれについて、互いに異なる相互静電容量(mutual capacitance)(すなわち、相互静電容量の変化量差)を検出することにより、ユーザの指紋映像を獲得し、指紋パターンを認識することができ、それを介して、ユーザの指紋を識別することができる。
【0014】
一方、図1においては、説明の便宜のために、指紋センサ10が電子装置1の前面タッチディスプレイパネル11の一部領域に該当するように図示されているが、それに制限されるものではなく、本実施形態による指紋センサ10は、電子装置1の背面、側面のような多様な位置に具現されたり、タッチディスプレイパネル11とは別途の他の領域に具備されたりもする。
【0015】
電子装置1は、指紋センサ10を具備したコンピュータデバイスであり、例えば、PC(personal computer)、ノート型パソコン、モバイルデバイスなどに該当し、さらには、自律走行自動車、ロボティックス、スマートフォン、タブレットデバイス、AR(augmented reality)デバイス、IoT(internet of things)デバイスのような装置でもあるが、それらに制限されるものではなく、多種のデバイスにも該当する。
【0016】
図2は、一実施形態による電子装置のハードウェア構成を図示した図面である。
【0017】
図2を参照すれば、電子装置1は、指紋センサ10、プロセッサ130、及びメモリ140を含んでおり、指紋センサ10は、送信回路110、タッチパネル115及び受信回路120を含んでいる。図2の指紋センサ10には、本実施形態の説明に係わる構成要素だけが図示されているが、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、関連技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0018】
プロセッサ130は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。一方、プロセッサ130は、少なくとも1つのプロセッサ(または、プロセッシングユニット)を含んでも具現される。また、それと異なる形態のハードウェア構成により、プロセッサ130が具現されもするということは、本実施形態が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0019】
タッチパネル115は、複数の駆動電極Tx、及び複数の駆動電極Txと交差する方向に形成された複数の検出電極Rxを含む。図2においては、説明の便宜のために、駆動電極Tx及び検出電極Rxの個数がそれぞれ10個であるように図示されているが、それに制限されるものではなく、駆動電極Tx及び検出電極Rxの個数は、多様でもある。
【0020】
送信回路110は、駆動電極Txに駆動信号を印加するモジュールを含み、受信回路120は、検出電極Rxから電気信号を測定するモジュールを含んでもよい。
【0021】
タッチパネル115の駆動電極Txと検出電極Rxとは、互いに交差する方向にも形成される。図2においては、例示的に、駆動電極Txと検出電極Rxとが互いに直交するように図示されているが、それに制限されるものではない。言い換えれば、駆動電極Txが形成された方向と、検出電極Rxが形成された方向との角度は、90°でなくともよい。
【0022】
タッチパネル115上にユーザの指が近付けば、タッチパネル115の駆動電極Txそれぞれと、検出電極Rxとの相互静電容量が異なりもする。例えば、ユーザ指の指紋パターンの特性により、タッチパネル115において、駆動電極Txと検出電極Rxとが交差するノードそれぞれにおける相互静電容量が互いに異なるように変わることができる。駆動電極Tx間の間隔、及び検出電極Rx間の間隔が狭いほど、指紋領域をセンシングするためのセンシング解像度(sensing resolution)が高くなる。
【0023】
駆動電極Tx及び検出電極Rxは、線電極によっても構成される。また、駆動電極Txそれぞれは、駆動電極Txと検出電極Rxとが交差するノード間に設けられた所定のパターンをさらに含んでもよい。前述のパターンは、多角形、円形のような多様な形態を有することができる。同様に、検出電極Rxそれぞれも、前述のノード間に設けられた所定パターンをさらに含んでもよい。
【0024】
送信回路110は、駆動電極Txに駆動信号を印加することができる。例えば、送信回路110は、駆動電極Txそれぞれに電圧パルスを印加することができる。受信回路120は、検出電極Rxから電気信号を測定することができる。このとき、受信回路120は、検出電極Rxそれぞれに流れる電流を測定したり、受信回路120は、検出電極Rxそれぞれの電位を測定したりすることができる。
【0025】
プロセッサ130は、指紋センサ10に含まれた送信回路110及び受信回路120の動作を全般的に制御する。例えば、プロセッサ130は、送信回路110が駆動電極Txそれぞれに印加する電圧パルスの大きさ、印加時間などを制御することができる。また、プロセッサ130は、駆動電極Txのうちの一部に電圧パルスが印加されるように、送信回路110を制御することができる。
【0026】
プロセッサ130は、受信回路120が受信した電流または電位を利用し、ユーザ指紋と係わる指紋映像データ、特徴点(minutiae)データなどを生成して処理することができる。例えば、プロセッサ130は、受信回路120が受信した電流または電位を利用し、ユーザ指の指紋領域に対応する指紋映像データを獲得及び処理し、指紋映像データに含まれたピクセル値を分析し、ユーザ認証を処理することができる。
【0027】
メモリ140は、プロセッサ130の動作に必要なコンピュータプログラムを保存する。例えば、メモリ140に保存されたコンピュータプログラム内の命令語により、プロセッサ130は、読み取り及び動作を遂行する。また、メモリ140は、タッチパネル115、送信回路110、受信回路120及びプロセッサ130が動作することによって生成されるデータ、及びその他情報を保存することができる。図2には、1つのメモリ140を含むように図示されているが、それに制限されるものではなく、必要により、2以上のメモリが含まれてもよい。
【0028】
図3は、一実施形態によるタッチパネルのノードそれぞれに対応する相互静電容量を概念的に示した図面である。
【0029】
図3を参照すれば、駆動電極Txと検出電極Rxとの相互静電容量は、駆動電極Txと検出電極Rxとが交差するノードでの静電容量に対応する。
【0030】
例えば、第1駆動電極Tx1と第1検出電極Rx1との相互静電容量C11は、第1駆動電極Tx1と第1検出電極Rx1とが交差するノードN11での静電容量に対応する。同様に、m番目(ここで、mは、任意の自然数である)駆動電極Txmとn番目(ここで、nは任意の自然数である)検出電極Rxnとの相互静電容量Cmnは、m番目駆動電極Txmと、n番目検出電極Rxnとが交差するノードNmnでの静電容量に対応する。以下では、ノードNmnでの相互静電容量は、m番目駆動電極Txmとn番目検出電極Rxnとの相互静電容量を意味する。
【0031】
駆動電極Txと検出電極Rxとにより、タッチパネル100において、複数のチャンネルが定義されもする。例えば、あるチャンネルは、駆動電極Txと検出電極Rxとが交差することによって形成されたノードに対応する。例えば、チャンネルCH11は、ノードN11に対応する。
【0032】
複数のノードそれぞれでの相互静電容量を測定するために、駆動電極Txそれぞれに、順次に互いに異なる駆動信号を印加することができる。また、検出電極Rxそれぞれにおいて、個別的に電気信号を測定することができる。例えば、相互静電容量C11を測定する場合、第1駆動電極Tx1にだけ駆動信号を印加し、第1検出電極Rx1において、電気信号を測定することができる。同様に、相互静電容量Cmnを測定する場合、m番目駆動電極Txmにだけ駆動信号を印加し、n番目検出電極Rxnにおいて、電気信号を測定することができる。
【0033】
図4は、一実施形態による指紋センサに接触するユーザ指の互いに異なる圧力強度に対応する指紋映像について説明するための図面である。
【0034】
指紋センサ10(図1)は、ユーザ指紋のリッジとバレーとの相互静電容量の変化量差ΔCMを検出することにより、指紋映像を生成する。図4を参照すれば、ユーザが指を普通の(normal)圧力強度で、指紋センサ10に接触させた場合を基準に、さらに強い圧力強度で接触させた場合と、さらに弱い圧力強度で接触させた場合とについて図示されている。
【0035】
指が普通の圧力強度で指紋センサ10に接触された場合、相互静電容量の変化量差ΔCM normalに基づいた指紋映像402が生成される。それと比較し、指が強い圧力強度で指紋センサ10に接触された場合、相互静電容量の変化量差ΔCM Largeに基づいた指紋映像401が生成され、指紋映像401の全般的な明暗は、指紋映像402の明暗より明るい。反対に、指が弱い圧力強度で指紋センサ10に接触された場合、相互静電容量の変化量差ΔCM Smallに基づいた指紋映像403が生成され、指紋映像403の全般的な明暗は、指紋映像402の明暗より暗い。
【0036】
すなわち、ユーザが指で指紋センサ10を接触させる圧力強度により、指紋映像の明暗分布が異なりもする。それは、接触させる圧力強度により、指紋において、リッジとバレーとの高さ差が異なるためである。それにより、同一指であるとしても、接触された圧力強度に依存し、互いに異なる品質の指紋映像が獲得されるので、ユーザの指紋認証に影響を及ぼすのである。
【0037】
図5は、一実施形態により、指紋センサに接触された指の圧力が、指紋センサで均一に分布しない場合について説明するための図面である。
【0038】
図5を参照すれば、ユーザが指紋センサ10(図1)に指を接触させるとき、指の力が指紋センサ10に全体的に等しく分布せず、それにより、明暗分布が均一ではない指紋映像501,502,503が獲得されてしまう。例えば、下端が暗く、上端が明るい明暗分布を有する指紋映像501が獲得されたり、左側と右側との明暗が異なる指紋映像502または503が獲得されたりする。そのように明暗分布が一様ではない場合、指紋映像の処理において、正確な指紋パターン情報を抽出することができなくなり、指紋認証の性能が低下してしまう。
【0039】
従来には、そのように、指紋映像での均一ではない明暗分布を改善させるための前処理過程として、明暗対比ストレッチング(contrast stretching)技法、ヒストグラム平滑化(histogram equalization)技法などが提示されている。そのような技法は、指紋映像において、特定領域に集中している明暗値を、指紋映像全体の分布に正規化する技法である。ただし、明暗対比ストレッチング技法は、指紋映像内ピクセル値において、最小値と最大値との比率を利用して正規化する方式であり、ヒストグラム平滑化は、0~255のピクセル値でもって、原本ピクセル値を平準化する処理を行う方式であるという点で若干の差がある。しかし、従来の明暗対比ストレッチング技法や、ヒストグラム平滑化技法は、明暗分布が不規則であり、明暗値が広い範囲を有する場合には、正規化効果が微弱でもある。従って、指紋映像において不規則な明暗分布に関係なく、指紋映像の明暗分布をさらに効率的に正規化することができる方法が要求される。
【0040】
図6は、一実施形態により、電子装置のプロセッサで指紋認証を行う過程について説明するための図面である。
【0041】
図6を参照すれば、601段階において、プロセッサ130は、指紋センサ10によってセンシングされたユーザの指紋から指紋映像を獲得する。
【0042】
602段階において、プロセッサ130は、獲得された指紋映像に対して映像品質を向上させるための前処理として、映像正規化プロセスを遂行する。例えば、映像正規化プロセスは、指紋映像の明暗分布を正規化するプロセスを含み、それ以外の他の映像品質改善プロセス、例えば、ノイズフィルタリングプロセスなどを含んでもよい。
【0043】
603段階において、プロセッサ130は、前処理された指紋映像から、リッジ、バレー、特徴点などの指紋パターン情報を抽出する。具体的には、まず、プロセッサ130は、前処理された指紋映像に対するバンドパスフィルタリング(bandpass filtering)を介して、指紋映像の二進化(binarize)を行い、二進化された指紋映像から、リッジ、バレー、特徴点などと係わる指紋パターン情報を抽出することができる。
【0044】
604段階において、プロセッサ130は、指紋映像から抽出された指紋パターン情報に基づいて、ユーザ認証を行う。
【0045】
一方、本実施形態によるプロセッサ130は、602段階の映像品質改善プロセスにおいて、獲得された指紋映像での明暗の空間的変化推移(spatial change trend)を分析し、分析された明暗変化推移により、指紋映像の明暗分布を正規化する。以下では、本実施形態による指紋映像の処理方法について具体的に説明する。
【0046】
図7は、一実施形態により、指紋映像に対する正規化を行う過程について説明するための図面である。
【0047】
本実施形態によれば、指紋映像の正規化は、指紋映像のピクセルが有する明暗値が、指紋映像全体的に均一な分布を有するように調整するプロセスを意味する。
【0048】
図7を参照すれば、原本指紋映像701は、指紋センサ10によってセンシングされたユーザの指紋に係わる映像であり、追加される映像処理(すなわち、前処理または後処理)が遂行されていない映像である。前述のように、原本指紋映像701は、ユーザ指の特性、または接触された圧力強度などにより、指紋領域の明暗分布が均一ではなくなる。
【0049】
プロセッサ130(図2)は、原本指紋映像701から原本明暗値の空間的変化推移を推定し、推定された空間的変化推移に基づいて、参照明暗マップ(reference contrast map)702を生成する。
【0050】
参照明暗マップ702は、原本指紋映像701の確率的明暗分布の特性に基づいて推定された空間的変化推移を示す情報である。参照明暗マップ702の各ピクセルは、推定された空間的変化推移を示すための参照明暗値を有し、参照明暗マップ702の各ピクセルは、原本指紋映像701の各ピクセルと1:1で対応する。参照明暗マップ702は、原本指紋映像701の領域に係わる明暗分布を示すことができる。参照明暗マップ702は、x,y及びzパラメータを有する三次元空間にも提供され、ここで、xパラメータ及びyパラメータは、原本指紋映像701のピクセル座標を示し、zパラメータは、原本指紋映像701の明暗値を示すことができる。
【0051】
プロセッサ130は、原本指紋映像701の明暗分布から、参照明暗マップ702の明暗変化推移による明暗変化の影響を除去することにより、明暗分布が均一な正規化指紋映像703を生成する。
【0052】
そのような方式によれば、原本指紋映像711のように、異なる不規則な明暗分布を有すると言っても、原本指紋映像711から分析された参照明暗マップ712での明暗変化推移による明暗変化の影響を除去することにより、明暗分布が均一な正規化指紋映像713が生成されるのである。
【0053】
図8は、一実施形態による明暗分布の正規化によって調整された指紋映像の明暗データについて説明するための図面である。
【0054】
図8を参照すれば、原本明暗マップ801は、原本指紋映像の一部領域に係わる明暗値を、三次元(x,y,z)グラフ上にプロット(plot)した明暗データである。原本明暗マップ801においてx軸及びy軸は、原本指紋映像でのピクセル座標を示し、z軸は、相対的明暗値を示す。原本明暗マップ801によれば、原本指紋映像での不均一な明暗分布により、リッジが有するz値(すなわち、明暗値)、及びバレーが有するz値(すなわち、明暗値)が一定ではない特性が把握されもする。
【0055】
参照明暗マップ802は、原本指紋映像の確率的明暗分布の特性に基づいて推定された空間的変化推移を有する明暗データである。参照明暗マップ802においてx軸及びy軸は、原本指紋映像のピクセル座標に対応するピクセル座標を示し、z軸は、推定された空間的変化推移を示すための推定された参照明暗値を示す。
【0056】
参照明暗マップ802の参照明暗値の明暗データは、原本指紋映像の明暗分布について、カーネル関数(kernel function)を利用したカーネル密度推定(KDE:kernel density estimation)を行うことによっても獲得される。ここで、カーネル関数は、例えば、Uniform、Triangle、Epanechnikov、Quartic、Triweight、Gaussian、Cosineのような多種の関数が利用されもする。
【0057】
参照明暗マップ802のあるピクセルでの参照明暗値を計算する過程について説明すれば、当該ピクセルに係わる明暗値についての確率分布特性は、下記数式1のようにも推定される。すなわち、数式1は、当該ピクセル値を中心にスムージング(smoothing)した結果値を求めるための計算を意味する。
【0058】
【数1】
【0059】
数式1を参照すれば、xは、ピクセル値(明暗値)であり、Kは、カーネル関数であり、nは、サンプルデータの数(当該ピクセルの周辺ピクセルの個数)である。ここで、サンプルデータの数nは、プロセッサ130の処理性能、スムージング程度、カーネル関数の種類のような多様な要因によっても変更される。
【0060】
参照明暗マップ802の各ピクセルの参照明暗値は、原本指紋映像の原本明暗マップ801の各ピクセルについて、数式1を利用した計算を行うことによっても獲得される。推定された参照明暗値を有する参照明暗マップ802の明暗データは、結局、原本指紋映像(または、原本明暗マップ801)の空間的明暗変化推移を示すことができる。
【0061】
正規化明暗マップ803は、正規化指紋映像の明暗データを示す。正規化明暗マップ803は、原本明暗マップ801と参照明暗マップ802との差からも生成される。具体的には、指紋映像の明暗正規化は、原本明暗マップ801の明暗データと、参照明暗マップ802の明暗データとのピクセル別に、明暗値差▽を計算することによっても遂行される。それにより、正規化明暗マップ803の明暗データは、全体的に明暗分布が均一な明暗値(z軸値)を有することになり、それにより、明暗分布が均一な正規化指紋映像が生成される。
【0062】
図9は、一実施形態による、電子装置において指紋映像を処理する方法のフローチャートである。
【0063】
図9を参照すれば、電子装置の指紋映像処理方法は、前述の電子装置1において時系列的に処理される段階によって構成される。従って、以下で省略された内容であるとしても、前述の図面で記述された内容は、図9の方法にも適用されるのである。
901段階において、プロセッサ130は、ユーザの指紋をセンシングすることにより、原本指紋映像を獲得する。ユーザの指紋は、指紋センサ10によってセンシングされ、指紋センサ10は、ユーザの指紋の全体領域をオンスクリーン(on-screen)方式でもってセンシングするためのセンサによっても具現されるが、それに制限されるものではなく、オンスクリーン方式ではない他の方式の指紋センサによっても具現される。
【0064】
902段階において、プロセッサ130は、原本指紋映像のピクセルが有する原本明暗値の明暗分布に基づいて、原本指紋映像において、原本明暗値の空間的変化推移を推定する。
【0065】
具体的には、プロセッサ130は、原本明暗値の明暗分布から、原本指紋映像の全体ピクセルに係わる確率的明暗分布の特性を推定することにより、変化推移の推定を行うことができる。ここで、確率的明暗分布の特性は、カーネル関数によるカーネル密度推定(KDE)を利用して獲得され、先立って例として挙げたように、カーネル関数は、Uniform、Triangle、Epanechnikov、Quartic、Triweight、Gaussian、Cosineのような多種の関数が利用されてもよい。
【0066】
確率的明暗分布の特性は、原本指紋映像の各ピクセルごとに、周辺ピクセルの原本明暗値の平均に対応する参照明暗値に基づいて推定され、このとき、前述の数式1を利用しても推定される。該周辺ピクセルは、周辺ピクセルの中心に位置したピクセルを取り囲むピクセルに該当する。
【0067】
903段階において、プロセッサ130は、推定された空間的変化推移に基づいて決定されたピクセルに係わる参照明暗値を示す参照明暗マップを生成する。具体的には、902段階において計算された数式1の結果値は、ピクセルの参照明暗値であり、参照明暗マップは、推定された確率的明暗分布の特性に対応する空間的変化情報(すなわち、全体参照明暗値の明暗データ)を含む。
【0068】
904段階において、プロセッサ130は、原本指紋映像の原本明暗値と、参照明暗マップの参照明暗値とを比較し、原本指紋映像の明暗分布を正規化する。明暗分布の正規化は、原本指紋映像の明暗分布が均一化されるように、原本指紋映像から、先立って推定された空間的変化推移による明暗変化の影響を除去することにより、明暗分布を均一化するプロセスを意味する。図8の正規化明暗マップ803について説明されたように、明暗分布の正規化は、原本指紋映像(原本明暗マップ801)と、参照明暗マップ802とにおいて、互いに対応するピクセルそれぞれに係わる原本明暗値と参照明暗値との明暗差を計算することによっても行われる。
【0069】
905段階において、プロセッサ130は、正規化された明暗分布を有する正規化指紋映像を生成する。すなわち、正規化指紋映像は、原本指紋映像の各ピクセルが、先立って計算された明暗差▽に対応する明暗値を有するものに再構成された映像でもある。
【0070】
一方、プロセッサ130は、生成された正規化指紋映像について、ノイズ除去のためのスムージング処理を追加して行うことができる。
【0071】
プロセッサ130は、正規化指紋映像が生成された場合(または、生成された正規化指紋映像に対するノイズ除去処理が完了した場合)、ユーザ指紋認証のために、正規化指紋映像から、リッジ、バレー、特徴点のような指紋パターンを抽出するための指紋映像処理を追加して行うことができる。
【0072】
前述のように、そのような後続の指紋映像処理は、正規化された指紋映像に対するバンドパスフィルタリングを介し、指紋映像の二進化(binarize)を行い、二進化された指紋映像から、リッジ、バレー、特徴点などと係わる指紋パターン情報を抽出するプロセスでもある。例えば、指紋映像の二進化は、STFT(short-time Fourier transform)方式を利用しても行われるが、それに制限されるものではなく、他の多様な方式が利用されてもよい。
【0073】
図10は、一実施形態により、指紋映像の明暗分布の正規化結果について説明するための図面である。
【0074】
図10を参照すれば、原本指紋映像に係わる原本明暗マップ1001の一部領域1010での明暗データ1005には、あるリッジと、隣接リッジとの明暗値差1011が存在する。すなわち、原本指紋映像に係わる原本明暗マップ1001は、特定領域に行くほど明暗値が増大する全体的な明暗分布を有する。
【0075】
参照明暗マップ1002は、原本明暗マップ1001から推定された空間的明暗変化推移を示す。参照明暗マップ1002は、原本指紋映像の領域に係わる明暗分布を示すことができる。参照明暗マップ1002は、x,y及びzパラメータを有する三次元空間にも提供され、ここで、xパラメータ及びyパラメータは、原本指紋映像のピクセル座標を示し、zパラメータは、原本指紋映像の明暗値を示すことができる。
【0076】
原本明暗マップ1001と参照明暗マップ1002との明暗値の差に基づいて正規化が行われることにより、正規化分布マップ1003が生成される。原本明暗マップ1001の一部領域1010に対応する正規化分布マップ1003の一部領域1020での明暗データ1007には、あるリッジと隣接リッジとの明暗値差1021がほとんど存在しない。すなわち、正規化分布マップ1003によれば、リッジの明暗値は、ほぼ同一明暗値を有するように正規化され、同様に、バレーの明暗値は、ほぼ同一明暗値を有するように正規化される。
【0077】
図11は、一実施形態により、不均一な明暗分布を有する原本指紋映像に対して、従来方式による映像処理を行った場合と、本実施形態による映像処理を行った結果との指紋認証率を比較して説明するための図面である。
【0078】
図11を参照すれば、例えば、図5で説明された指紋映像501,502,503が、原本指紋映像に該当すると仮定して行われたシミュレーション結果が説明されている。図11の原本指紋映像は、いずれも特定領域に行くほど、明るさが暗くなる明暗分布を示す不均一な明暗分布を有する。
【0079】
各指紋映像501,502,503に対して、従来方式である明暗対比ストレッチング技法とヒストグラム平滑化技法とのそれぞれにより、正規化及び二進化の指紋映像処理を行って指紋認証を行った結果、それぞれ、90.25%、90.34%の指紋認証率が測定された。
【0080】
それと比較し、各指紋映像501,502,503に対して、本実施形態による明暗分布分析による正規化及び二進化の指紋映像処理を行って指紋認証を行った結果、97.48%の指紋認証率が測定された。すなわち、本実施形態による明暗分布分析による正規化の指紋映像処理を行うことにより、従来の方式よりはるかに高い指紋認証率が達成される効果があることが分かる。
【0081】
なお、前述の実施形態は、コンピュータで実行されうるプログラムに作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータによっても具現される。また、前述の実施形態で使用されたデータ構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、多くの手段を介しても記録される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的読み取り媒体(例えば、CD-ROM(compact disc read only memory)、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
【0082】
本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲において、本実施形態が変形された形態によっても具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。権利範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本実施形態に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【符号の説明】
【0083】
1 電子装置、
10 指紋センサ
11 タッチディスプレイパネル
101 指端
102 パッシベーション膜
103 検出電極
104 絶縁膜
105 駆動電極
106 基板
110 送信回路
115 タッチパネル
120 受信回路
130 プロセッサ
140 メモリ
701,711 原本指紋映像
702,712 参照明暗マップ
703,713 正規化指紋映像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11