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特許7575929軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
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  • 特許-軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造 図1
  • 特許-軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造 図2
  • 特許-軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造 図3
  • 特許-軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造 図4
  • 特許-軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/068 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
E04D13/068 501J
E04D13/068 501B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020203355
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090813
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】前川 敏晴
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-179182(JP,A)
【文献】特開2002-061349(JP,A)
【文献】特開2009-191592(JP,A)
【文献】実開平06-056273(JP,U)
【文献】実開昭58-126317(JP,U)
【文献】特開2010-285740(JP,A)
【文献】実公昭49-1077(JP,Y1)
【文献】特開2010-126899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/068
E04D 13/064
E04D 13/072
E04G 23/02
E04G 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の軒樋および前記軒樋同士を接続する軒樋継手のメンテナンス方法であって、
前記軒樋継手の経年劣化または損傷した部分に重なるように樹脂製の継手カバーを接着する継手カバー接着工程を有する軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法
【請求項2】
継手カバー接着工程の後に、前記軒樋および前記継手カバーを塗装する塗装工程を有する請求項1に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法
【請求項3】
前記軒樋は、樹脂製であり補強用の芯材が設けられている請求項1または2に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法。
【請求項4】
前記軒樋継手は、樹脂製である請求項1から3のいずれか一項に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法。
【請求項5】
既設の軒樋および前記軒樋同士を接続する軒樋継手のメンテナンス構造であって、
前記軒樋継手の経年劣化または損傷した部分に重なるよう接着される樹脂製の継手カバーを有する軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
【請求項6】
前記継手カバーは、前記軒樋継手と同等以上の強度を有する請求項5に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
【請求項7】
前記継手カバーは、前記軒樋継手と同じ材料で形成されている請求項5または6に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
【請求項8】
前記軒樋は、樹脂製であり補強用の芯材が設けられている請求項5から7のいずれか一項に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造。
【請求項9】
前記軒樋継手は、樹脂製である請求項5から8のいずれか一項に記載の軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、軒樋同士の接続部分には、軒樋継手が設けられている。軒樋継手には、軒樋を同一直線上において接続する軒継手、入隅部分において軒樋を接続する内曲り、出隅部分において軒樋を接続する外曲りなどがある。特許文献1には、施工不良などにより軒樋と軒樋継手との間に隙間ができて水漏れが生じる場合に、その隙間に接着剤を充填して水漏れを無くす補修方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-209240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、軒樋同士の接続部分は、経年劣化により損傷しやすい。特に、入隅部分や出隅部分では、外気の変化による熱収縮により損傷が生じやすい。軒樋や軒樋継手が樹脂製の場合、軒樋は、金属製やカーボン製などの芯材を設けることで補強することができる。しかしながら、軒樋継手は、樹脂の成型品であるため、芯材を設けて補強することが困難であり、軒樋よりも経年劣化しやすい。
【0005】
そこで、本発明は、軒樋同士の接続部分を容易に補強することができる軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法、および、軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法は、既設の軒樋および前記軒樋同士を接続する軒樋継手のメンテナンス方法であって、前記軒樋継手の経年劣化または損傷した部分に重なるように樹脂製の継手カバーを接着する継手カバー接着工程を有する。
【0007】
また、本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造は、既設の軒樋および前記軒樋同士を接続する軒樋継手のメンテナンス構造であって、前記軒樋継手の経年劣化または損傷した部分に重なるよう接着される樹脂製の継手カバーを有する。
【0008】
本発明では、軒樋継手に重なるよう継手カバーが接着されるため、軒樋継手を補強することができる。また、既存の軒樋や軒樋継手のメンテナンスとして軒樋の補強を行う際には、既存の軒樋や軒樋継手を取り外す必要がないため、容易にかつ安価に軒樋の補強を行うことができる。更に、軒樋継手が設けられる軒樋の接続部分は、経年劣化や損傷がしやすい。本発明では、経年劣化や損傷がしやすい軒樋の接続部分の補強を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法では、継手カバー接着工程の後に、前記軒樋および前記継手カバーを塗装する塗装工程を有していてもよい。
【0010】
このような構成とすることにより、軒樋継手と継手カバーの色を合わせることができ、見栄えを良くすることができる。
【0011】
また、本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造では、前記継手カバーは、前記軒樋継手と同等以上の強度を有していてもよい。
【0012】
このような構成とすることにより、継手カバーによって軒樋継手を確実に補強することができる。強度とは、例えば、曲げ強度、引張強度、せん断強度などである。
【0013】
また、本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造では、前記継手カバーは、前記軒樋継手と同じ材料で形成されていてもよい。
【0014】
このような構成とすることにより、継手カバーを軒樋継手と同等の強度に形成しやすいとともに、継手カバーおよび軒樋継手の色や質感を合わせることができる。
本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法では、前記軒樋は、樹脂製であり補強用の芯材が設けられていてもよい。
本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス方法では、前記軒樋継手は、樹脂製であってもよい。
本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造では、前記軒樋は、樹脂製であり補強用の芯材が設けられていてもよい。
本発明に係る軒樋および軒樋継手のメンテナンス構造では、前記軒樋継手は、樹脂製であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、軒樋同士の接続部分を容易に補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による軒樋継手の補強方法を示す斜視である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】軒継手カバーの斜視図である。
図4】入隅継手カバーの斜視図である。
図5】出隅継手カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態による軒樋継手の補強方法および軒樋継手の補強構造について、図1図5に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態による軒樋2は、長尺の部材で、建物の軒先に沿って複数配列されている。隣り合う軒樋2は、軒樋継手3を介して接続されている。軒樋継手3には、軒樋2を同一直線上において接続する軒継手31、建物の入隅部分において軒樋2を接続する内曲り(以下、入隅継手32とする)、建物の出隅部分において軒樋2を接続する外曲り(以下、出隅継手33とする)がある。
【0018】
軒樋継手3は、隣り合う軒樋2それぞれの端部27が嵌め込まれて、軒樋2を下側から覆うように設けられている。実施形態による軒樋継手の補強方法および軒樋継手の補強構造1では、軒樋継手3に下側から重なるように継手カバー4を接着している。継手カバー4には、軒継手31に接着される軒継手カバー41、入隅継手32に接着される入隅継手カバー42、出隅継手33に接着される出隅継手カバー43がある。
【0019】
図1および図2に示すように、軒樋2は、長さ方向の全体にわたって断面形状が同じ部材である。軒樋2は、長さ方向に直交する断面形状がU字形状で、長さ方向に延びる軒樋溝部21を有している。以下の軒樋2の構造の説明では、軒樋2が略水平方向に延びる向きに設置されているものとし、軒樋溝部21が開口する側を上側とし、その反対側を下側とし、上側と下側とを結ぶ方向を上下方向とする。また、長さ方向および上下方向に直交する水平方向を幅方向とする。
【0020】
図2に示すように、軒樋2は、下側に配置される軒樋下板部22と、軒樋下板部22の幅方向の一方側の縁部から上方に突出する軒樋外板部23と、軒樋下板部22の幅方向の他方側の縁部から上方に突出する軒樋内板部24と、を有している。軒樋外板部23は、建物と離れる側に配置される。軒樋内板部24は、建物側(屋根の軒と対向する側)に配置される。軒樋2は、軒樋下板部22の上方で軒樋外板部23と軒樋内板部24との間に雨水が流れる軒樋溝部21が形成されている。軒樋2は、例えば、樹脂製で、必要に応じて金属製やカーボン製の芯材などを設けて、強度や耐久性を向上させている。
【0021】
軒樋下板部22は、平板状に形成され、板面が略水平面となる向きに配置される。軒樋外板部23は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の一方側(建物と離れる側)に向かう斜めとなる向きに配置される。軒樋外板部23の上端部231には、幅方向の他方側(建物側)に突出する第1リブ25が設けられている。軒樋内板部24は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の他方側に向かう斜めとなる向きに配置される。軒樋内板部24の上端部241には、幅方向の他方側に突出する第2リブ26が設けられている。軒樋外板部23は、軒樋内板部24よりも上下方向に長く形成されている。軒樋外板部23の上端部231は、軒樋内板部24の上端部241よりも上方に位置している。
【0022】
軒樋継手3は、例えば樹脂製である。軒継手31は、軒樋2の下側に沿って配置されるU字形状の部材である。下側に配置される継手下板部34と、継手下板部34の幅方向の一方側の縁部から上方に突出する継手外板部35と、継手下板部34の幅方向の他方側の縁部から上方に突出する継手内板部36と、を有している。軒継手31は、継手下板部34の上方で継手外板部35と継手内板部36との間に継手溝部37が形成されている。継手溝部37には、軒樋2の端部27が嵌め込まれる。
【0023】
継手下板部34は、平板状に形成され、板面が略水平面となる向きに配置される。継手外板部35は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の一方側(建物と離れる側)に向かう斜めとなる向きに配置される。継手外板部35の上端部351には、上方に突出してから更に幅方向の他方側(建物側)に突出する第1係止部38が設けられている。継手内板部36は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の他方側に向かう斜めとなる向きに配置される。継手内板部36の上端部361には、幅方向の他方側に突出してから上方に突出し、更に幅方向一方側に突出する第2係止部39が設けられている。継手外板部35は、継手内板部36よりも上下方向に長く形成されている。継手外板部35の上端部351は、継手内板部36の上端部361よりも上方に位置している。
【0024】
軒継手31についても幅方向に直交する水平方向を長さ方向とすると、継手溝部37における長さ方向の一方側に接続される軒樋2のうちの一方の軒樋2の端部27が嵌め込まれ、長さ方向の他方側に他方の軒樋2の端部27が嵌め込まれる。軒継手31は、継手下板部34が軒樋下板部22の下に重なって配置され、継手外板部35が軒樋外板部23の幅方向の一方側の面に重なって配置され、継手内板部36が軒樋内板部24の幅方向の他方側の面に重なって配置される。第1係止部38は、第1リブ25に引っ掛けられる。第2係止部39は、第2リブ26に引っ掛けられる。軒継手31は、上記のように同一直線上に配列された軒樋2にそれぞれが取り付けられると、これらの軒樋2を接続する。
【0025】
図1に示すように、入隅継手32および出隅継手33は、それぞれ2つの軒継手31を上下方向から見てL字形になるように直角に接続した形状である。入隅継手32および出隅継手33は、それぞれ継手下板部34と、継手外板部35と、継手内板部36と、を有している。入隅継手32は、L字形の内側に継手外板部35が配置され、L字形の外側に継手内板部36が配置される。出隅継手33は、L字形の内側に継手内板部36が配置され、L字形の外側に継手外板部35が配置される。入隅継手32、出隅継手33は、端部27同士が角部に近接しそれぞれの軸線が直角を成すように配置される軒樋2それぞれの端部27の下側に重なって配置される。入隅継手32、出隅継手33は、軒継手31と同様に軒樋2に取り付けられる。
【0026】
継手カバー4は、例えば、軒樋継手3と同じ樹脂材料で成形されている。継手カバー4は、軒樋継手3と同等以上の強度を有していることが好ましい。強度とは、例えば、曲げ強度、引張強度、せん断強度などである。継手カバー4は、例えばアクリルなどで成形されていてもよい。継手カバー4の製造は、例えば、インジェクション、真空成型、ブロー成型、3Dプリンターによる作成などである。継手カバー4は、軒樋継手3に取り付けられた後に塗装されるため、塗装に適した材料で成形されていることが好ましい。
【0027】
軒継手カバー41は、軒継手31の下側に沿って配置されるU字形状の部材である。下側に配置されるカバー下板部44と、カバー下板部44の幅方向の一方側の縁部から上方に突出するカバー外板部45と、カバー下板部44の幅方向の他方側の縁部から上方に突出するカバー内板部46と、を有している。継手カバー4は、継手下板部34の上方で継手外板部35と継手内板部36との間にカバー溝部47が形成されている。継手カバー4のカバー溝部47に軒は、樋2を接続している軒継手31がはめ込まれる。
【0028】
カバー下板部44は、平板状に形成され、板面が略水平面となる向きに配置される。カバー外板部45は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の一方側(建物と離れる側)に向かう斜めとなる向きに配置される。カバー内板部46は、平板状に形成され、板面が、下側から上側に向かって漸次幅方向の他方側に向かう斜めとなる向きに配置される。カバー外板部45は、カバー内板部46よりも上下方向に長く形成されている。カバー外板部45の上端部451は、カバー内板部46の上端部461よりも上方に位置している。
【0029】
軒継手カバー41は、カバー下板部44が継手下板部34の下に重なって接着され、カバー外板部45が継手外板部35の幅方向の一方側の面に重なって接着され、カバー内板部46が継手内板部36の幅方向の他方側の面に重なって接着される。軒継手カバー41は、接着剤やシーリング材などによって軒樋継手3に接着面の全面が接着される。カバー外板部45の上端部451は、継手外板部35の第1係止部38の下縁381の近傍に配置される。カバー外板部45は、継手外板部35の第1係止部38には接着されない。カバー内板部46の上端部461は、継手内板部36の第2係止部39の下縁391の位置に配置される。カバー内板部46は、継手内板部36の第2係止部39には接着されない。
【0030】
図4および図5に示すように、入隅継手カバー42および出隅継手カバー43は、それぞれ2つの軒継手カバー41を上下方向から見てL字形になるように直角に接続した形状である。入隅継手カバー42および出隅継手カバー43は、それぞれカバー下板部44と、カバー外板部45と、カバー内板部46と、を有している。入隅継手カバー42は、L字形の内側にカバー外板部45が配置され、L字形の外側にカバー内板部46が配置される。出隅継手カバー43は、L字形の内側にカバー内板部46が配置され、L字形の外側にカバー外板部45が配置される。入隅継手カバー42は、入隅継手32に重なって接着される。出隅継手カバー43は、出隅継手33に重なって接着される。
【0031】
軒樋継手の補強方法について説明する。まず、軒樋継手3の下側に重なるように継手カバー4を接着する継手カバー接着工程を行う。軒継手31の下側に軒継手カバー41を重ねて接着する。入隅継手32の下側に入隅継手カバー42を重ねて接着する。出隅継手33の下側に出隅継手カバー43を重ねて接着する。継手カバー4を軒樋継手3に接着する前には、軒樋2や軒樋継手3の清掃を適宜行う。
【0032】
続いて、軒樋2および継手カバー4を塗装する塗装工程を行う。塗装工程では、少なくとも軒樋2の外周2aおよび継手カバー4の外周4aを同一の塗料で塗装する。このようにして軒樋継手3が補強される。
【0033】
本発明の実施形態による軒樋継手の補強方法および軒樋継手の補強構造1では、軒樋継手3に重なるよう継手カバー4が接着されるため、軒樋継手3を補強することができる。また、既存の軒樋2や軒樋継手3のメンテナンスとして軒樋2の補強を行う際には、既存の軒樋2や軒樋継手3を取り外す必要がないため、容易にかつ安価に軒樋2の補強を行うことができる。更に、軒樋継手3が設けられる軒樋2の接続部分は、経年劣化や損傷がしやすい。本発明では、経年劣化や損傷がしやすい軒樋2の接続部分の補強を容易に行うことができる。
【0034】
本実施形態による軒樋継手の補強方法では、継手カバー接着工程の後に、軒樋2および継手カバー4を塗装する塗装工程を行っている。このような構成とすることにより、軒樋継手3と継手カバー4の色を合わせることができ、見栄えを良くすることができる。
【0035】
本実施形態による軒樋継手の補強構造1では、継手カバー4は、軒樋継手3と同等以上の強度を有している。このような構成とすることにより、継手カバー4によって軒樋継手3を確実に補強することができる。強度とは、例えば、曲げ強度、引張強度、せん断強度などである。
【0036】
また、本実施形態による軒樋継手の補強構造1では、継手カバー4は、軒樋継手3と同じ材料で形成されている。このような構成とすることにより、継手カバー4を軒樋継手3と同等の強度に形成しやすいとともに、継手カバー4および軒樋継手3の色や質感を合わせることができる。
【0037】
以上、本発明による軒樋継手の補強方法および軒樋継手の補強構造1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、軒樋2や軒樋継手3の形態は、上記以外であってもよい。軒樋2や軒樋継手3を形成する材料は、上記以外であってもよい。
【0038】
上記の実施形態では、軒樋継手3の軒継手31、入隅継手32、出隅継手33それぞれに継手カバー4を接着している。これに対して、いずれか1つまたは2つの軒樋継手3に継手カバー4を接着してもよい。
【0039】
上記の実施形態では、継手カバー4は、U字形状の部材である。これに対し、継手カバー4は、テープなどで構成され、軒樋継手3に接着されてもよい。
【0040】
上記の実施形態では、継手カバー4は、軒樋継手3に下側から接着されているが、軒樋継手3に上側から接着されてもよい。例えば、軒樋継手3が軒樋2を上側から接続している場合、軒樋継手3に上側から接着されてもよい。
【0041】
上記の実施形態では、軒樋2および継手カバー4を塗装している。これに対し、軒樋2および継手カバー4を塗装しなくてもよい。また、軒樋2および継手カバー4を塗装する場合には、軒樋2および継手カバー4の色は異なっていてもよい。
【0042】
上記の実施形態、継手カバー4は、軒樋継手3と同等以上の強度を有している。これに対し、継手カバー4の強度は適宜設定されてよい。上記の実施形態絵は、継手カバー4は、軒樋継手3と同じ材料で形成されている。これに対し、継手カバー4は、軒樋継手3と異なる材料で形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 補強構造
2 軒樋
3 軒樋継手
4 継手カバー
31 軒継手
32 入隅継手
33 出隅継手
41 軒継手カバー
42 入隅継手カバー
43 出隅継手カバー
図1
図2
図3
図4
図5